JP2008020974A - 文書管理システムおよびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回覧文書に対する手書きデータとその承認状態を管理するシステムの提供。また、手書きデータを承認状態によって色分けし表示させる方法の提供。さらに文書を承認状態ごとに分類し、一覧表示する方法、また、回覧文書の抄本を原本と結びつけて管理する方法の提供。
【解決手段】 回覧文書の承認署名欄や記入欄を定義し、ストロークの記入者、記入場所、記入時刻によって承認状態を表す属性を付加させて管理する回覧文書管理システム。また属性によってストロークを色分けして表示する回覧文書表示方法。さらに文書の承認状態を表す属性によって文書を分類して表示する回覧文書一覧表示方法。さらに違反属性を持つストロークが登録された場合に警告メッセージを表示する警告メッセージ表示方法。さらにスキャンされた紙のイメージと電子データを比較して違いを検出する紙データ変更検出方法。さらに回覧文書の抄本を回覧文書と一緒に表示する抄本表示方法。
【選択図】 図19
【解決手段】 回覧文書の承認署名欄や記入欄を定義し、ストロークの記入者、記入場所、記入時刻によって承認状態を表す属性を付加させて管理する回覧文書管理システム。また属性によってストロークを色分けして表示する回覧文書表示方法。さらに文書の承認状態を表す属性によって文書を分類して表示する回覧文書一覧表示方法。さらに違反属性を持つストロークが登録された場合に警告メッセージを表示する警告メッセージ表示方法。さらにスキャンされた紙のイメージと電子データを比較して違いを検出する紙データ変更検出方法。さらに回覧文書の抄本を回覧文書と一緒に表示する抄本表示方法。
【選択図】 図19
Description
本発明は、承認が必要な文書とペンなどによって書かれたストロークを管理するシステムと、ユーザへの文書の承認状態の表示方法に関する。
従来の企業における文書の回覧は、紙に印刷された文書を順次回覧者が閲覧し、署名もしくは押印によって承認された後、回覧済みの書類を保管することによって行われていた。しかし紙媒体による文書の回覧においては、紙を保持している回覧者以外が文書を即時に閲覧することができず、またどの文書がいつ誰に承認されたかという情報を管理することが困難であるという問題があった。
紙媒体による文書回覧の欠点を克服しようと意図されたものとして、電子ワークフローシステムがある。文書作成者は電子文書をシステムに登録し、回覧者はコンピュータによって登録された電子文書を閲覧し承認する。このシステムでは複数の人間が並行して文書を閲覧できる、文書の承認状態が容易に管理できる、文書の改竄を防ぐことができるといった、紙媒体による回覧にはなかった利点がある。ただし、ペンによる文書への記入ができる、サインや押印により承認できるといった、いくつかの紙媒体の利点が失われている。
電子ワークフローシステムに紙媒体の利点を取り入れるような試みがなされてきた。例えば特開2003-196357号公報(特許文献1)では、サーバに登録された電子文書を識別子と共に紙に印刷し、承認者がサインもしくは押印により文書を承認し、その後紙をスキャンすることによって識別子およびサインもしくは押印を読み取り、承認したことをサーバに登録するようなシステムが開示されている。また、特開2006-18743号公報(特許文献2)では、タブレットと電子印鑑を用いて、押印によって文書を承認するシステムが開示されている。しかし、これらのシステムはペンなどによる文書への記入を考慮しておらず、紙文書へのペンによる加筆、承認後の文書への追記、権限を持たない者の紙への記入などが電子的に管理されないという問題があった。またそれゆえに、ペンなどにより記入されたストロークの承認状態を分かりやすく表示したり、ストロークの承認状態によって文書を分類して一覧表示したり、ストロークをシステムに登録する際に違反などがあった場合に警告メッセージを表示したり、紙の上に表現されているものと電子的に管理されているデータの整合性を保ったりすることができなかった。
本発明では、国際公開第01/71473号公報によって公開されているAnoto社のデジタルペン技術によって紙に記入された(承認対象である)コンテンツおよび承認署名などのストロークを電子的に読み取り、記入した内容、場所または時刻によって、各ストロークを承認署名、承認済コンテンツ記入、未承認コンテンツ記入、違反記入などの承認状態を表す属性をつけて管理する、回覧文書管理システムを提供する。
上記システムにおいては文書におけるストロークの承認状態を分かりやすく表示する方法が求められる。そこで本発明では、ストロークを分類された属性によって色分けし、印刷した電子文書に重ねてディスプレイに表示させる文書表示方法を提供する。
さらに上記システムにおいては、文書を承認状態ごとに分類し、一覧表示する方法が求められる。そこで本発明では、文書に記入された全てのストロークの属性から文書の属性を決定し、属性ごとに文書を分けてディスプレイに一覧表示させる文書一覧表示方法を提供する。
さらに違反となるストロークをシステムに登録する際に注意を促すメッセージを表示する機構が求められる。そこで本発明では、違反記入や違反記入がある文書の承認署名など、注意すべきストロークをシステムに登録する際に警告メッセージをディスプレイに表示させる警告メッセージ表示方法を提供する。
さらに上記システムにおいては、通常のペンなど記入したものが電子化されないものによって紙文書が変更された場合にもそれが適切にシステムに反映されることが求められる。そこで本発明では、記入したものを電子的に読み取れるデバイス以外のものによって紙文書が変更された場合に、その変更を検出してシステムの電子データを修正し、また変更があった旨をディスプレイに表示させる紙文書変更登録方法を提供する。
さらに上記システムにおいては、文書を承認業務とは関係なく印刷して利用し、承認業務に用いられるもとの文書と結び付けて管理できるような機構が求められる。さらに本発明では、システムの文書をその承認機能を外して抄本として印刷し、その紙文書に記入されたストロークを元の文書と結びつけて管理し、元の文書を閲覧する際に抄本に記入されたストロークも重ねてディスプレイに表示させる抄本文書管理方法を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の回覧文書管理システムは、回覧文書管理サーバと、前記回覧文書管理サーバにネットワークを介して接続されるクライアントと、紙に記入されたストロークを電子化して読み取るためのストローク読み取りデバイスと、前記ストローク読み取りデバイスを利用できる形で電子文書を紙に印刷するプリンタを備える。前記サーバは回覧文書の内容、承認署名を記入する署名欄、前記署名欄によって承認されるべき対象である文書領域を表す被承認領域、署名を記入する権限を持つ人間を表す署名可能者、被承認領域へ記入する権限を持つ人間を表す記入可能者の情報および回覧文書を印刷した紙の識別情報をまとめて管理する。前記クライアントはサーバと通信してデータの送受信を行い、サーバのデータやシステムのメッセージをディスプレイに表示させる。前記ストローク読み取りデバイスは、記入が行われた紙の識別とストロークの紙上の位置および記入時刻を電子的に記録し、前記クライアントを通じて前記サーバに送信する。前記サーバは前記デバイスからストロークデータを受け取ると、紙の識別情報をもとに回覧文書を引き出してストロークデータを登録する。前記プリンタは前記デバイスが紙を識別できるような方法で紙に識別子を埋め込んで回覧文書を印刷する。また前記サーバは回覧文書のストロークの位置および他のストロークの記入時刻との関係からストロークの承認状況を表す属性を決定する手段を持ち、その属性の変更履歴をストロークと共に記録する。
本発明の文書表示方法では、クライアントがサーバから回覧文書と承認状況を表す属性の変更履歴が付属されたストロークを受け取り、属性ごとにストロークを色分けして回覧文書に重ねてディスプレイに表示させる。また前記表示方法は時刻を指定させる手段を備え、指定された時刻におけるストロークの承認状況を表す属性によってストロークを色分けすることができる。また前記表示方法は回覧文書の署名欄の一つを選択させる手段を備え、選択された署名欄に関するストロークの承認状況を表す属性によってストロークを色分けすることができる。
本発明の文書一覧表示方法では、サーバが文書に記入された全てのストロークの承認状況を表す属性から文書の承認状況を表す属性を決定し、クライアントがサーバから文書と承認状況を表す属性を受け取り、属性ごとに文書を分けてディスプレイに一覧表示させる。一覧表示の方法には作成者モードと承認者モードの二種類がある。作成者モードではユーザが作成、登録した文書を属性ごとに分けて一覧表示する。承認者モードではユーザが承認可能者になっている文書を、作成者ごとに分けてさらに文書の属性ごとに分けて一覧表示する。
本発明の警告メッセージ表示方法では、ストローク読み取りデバイスからクライアントを通じてサーバにストロークが送信され、サーバが、そのストロークが違反である、もしくは違反ストロークが存在する文書への承認署名であると判断した場合に、サーバがクライアントに警告メッセージを表示させるよう命令する。ストロークが違反文書への承認署名である場合は警告メッセージに加えて、かまわず承認するか承認を取り消すかをユーザに選択させる手段を用意する。
本発明の紙文書変更登録方法では、紙の画像を電子的に取り込んでクライアントを通じてサーバに送信され、紙の識別情報を用いてもとの文書を引き出して紙の画像と比較し、異なる部分があれば変更部分を文書の付加情報としてサーバに登録し、さらに変更部分をクライアントに伝えてディスプレイに表示させる。
本発明の抄本管理方法では、クライアントが抄本印刷要求をサーバに送信し、サーバは文書を紙に印刷して紙の識別情報を文書と結びつけておく。印刷する際に抄本であることを表す画像を紙に埋め込むこともできる。クライアントはその文書を表示させる時にその文書の抄本を選択させる手段を提供し、選択された抄本に記入されたストロークをもとの文書に重ねて表示する。
本発明の回覧文書管理システムによって、紙に記入されたストロークを記入時刻、記入者などの情報も含めて電子的に管理することができ、またストロークに承認状況を表す属性をつけることによって、ストローク単位で承認状況を把握することができる。
また本発明の文書表示方法によって、ユーザは回覧文書の承認や違反の状況が視覚的に容易に把握できる。
また本発明の文書一覧表示方法によって、ユーザは自分が作成した文書や承認すべき文書のうち、承認されたもの、承認されていないもの、違反があるものがどれであるかを視覚的に容易に把握できる。
また本発明の警告メッセージ表示方法によって、権限を持たない者が文書に書き込みをしたり承認署名を記入したりすることを防ぐような文書管理システムが実現される。
また本発明の紙文書変更登録方法によって、紙の上に表現される内容と電子的に管理される内容の整合性を保持することができ、さらに紙文書の改竄を検知することができる。
また本発明の抄本管理方法によって、回覧文書をコピーして効率的に再利用することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
まず、本発明の回覧文書管理システムの基本的な構成を説明する。図1には、本発明の回覧文書管理システムの構成が示されている。回覧文書システムは回覧文書や手書きデータを管理するサーバ102、ユーザがシステムを利用する端末となるクライアント装置(PCなど)104、108、112、および紙にドットパターンを付けて回覧文書を印刷するプリンタ116で構成される。これらはネットワーク103によって互いに接続されている。サーバ102は回覧文書や電子化されたストロークの情報を管理し、データをデータベース(DB)101に保存する。クライアント104、108、112はサーバと通信を行い、ユーザからの入力を読み込んでサーバに送信したり、サーバから送られるデータをディスプレイに表示したりする。ストローク読み込みデバイスとしてアノト社のデジタルペンを使用する。デジタルペン106、110、114によってドットパターン付紙107、111、115上に記入されたストローク情報が電子化され、無線/有線通信によりデジタルペンドライバ105、109、113に転送され、さらにネットワーク103を通じてサーバ102にストローク情報が送信される。ドットパターン付紙107、111、115はプリンタ116によって印刷される。デジタルペンは、ドットパターン付の用紙上にペンで記入された際に記入位置近辺のドットパターンを読み取ることにより記入位置の座標を検出し、座標の軌跡をストローク情報として取得することができる装置である。
図2に回覧文書システムのサーバおよびクライアントの構成の詳細を示す。サーバ102はデータベース101、演算装置201、ネットワークインタフェース202を有し、演算装置201は回覧文書登録部203、データ送信部204、ストローク属性計算部205、ストローク情報受信部206の処理を行う。クライアント104は演算装置212、ディスプレイ211、ネットワークインタフェース213を有し、演算装置212はデジタルペンドライバ105、回覧文書登録プログラム208、回覧文書閲覧プログラム209、ストローク情報送信部210の処理を行う。回覧文書登録部203は回覧文書登録クライアント208から回覧文書の定義を受け取りそれをデータベース101に登録する。データ送信部204は回覧文書閲覧プログラム209から要求されたデータをデータベース101から取得して回覧文書閲覧プログラム209に送信する。ストローク属性計算部205は文書に新たにストロークが記入された時にその文書に含まれるストロークの属性を計算する。ストローク情報受信部206は、デジタルペンドライバ105によってデジタルペン106から読み取られたストローク情報をストローク情報送信部210から受け取り、ストローク属性計算部205によってストロークの属性を計算してデータベース101に保存する。
本発明の回覧文書管理システムでは、電子文書そのものに加えて承認署名欄の位置や誰がそこに署名する権限を持つかなどの付加情報が管理される。それらの情報は回覧文書という単位でデータベース101に保存される。回覧文書の一例を図3に示す。回覧文書は承認署名を記入する場所である承認領域と、承認の対象となる記入が行われる記入領域を持つ。それぞれの承認領域には誰がそこに署名をする権限を持つかということが設定され、それぞれの記入領域には誰がそこに記入をする権限を持つかということが設定される。図3では、領域302、303が記入領域であり、領域304、305、306、307、308が承認領域である。また、それぞれの記入領域には、それを承認するのがどの承認領域であるかということが設定される。図3ではこの関係が破線で示されており、記入領域302は全ての承認領域から承認の対象となっており、記入領域303は承認領域308のみから承認の対象となっている。また、承認領域には順序がつけられており、その順序に従って回覧が行われることが求められる。図3では最初に承認領域304に承認を意味する記入がなされ、次に承認領域305、306、その次に承認領域307、最後に承認領域308に承認のための記入がされることが想定されている。この順序は下記のデータ構造において承認領域グラフとして表される。
図4には、上記回覧文書301の、実際にデータベースに格納されるデータ構造の定義が示されている。データ構造401は回覧文書301を表しており、それぞれの回覧文書に割り当てられる文書ID、承認領域、および承認領域グラフを保持する。データ構造402は回覧文書401の承認領域の一つ(例えば承認欄304)を表しており、それぞれの承認領域に割り当てられる承認領域ID、承認署名記入欄(304)の座標、承認可能ユーザIDおよび承認対象である記入領域(302)を保持する。データ構造403は承認領域402の承認対象である記入領域の一つ(例えば302)を表しており、それぞれの記入領域に割り当てられる記入領域ID、記入欄の座標および記入可能ユーザIDを保持する。データ構造404は回覧文書401の承認領域グラフを表しており、それぞれの承認領域グラフに割り当てられる承認領域グラフIDおよび二つの承認領域の組からなる承認順序を保持する。図8にこのデータ構造が表している承認領域グラフを示す。承認領域ID801−805はそれぞれ承認領域304−308に対応する。
ユーザはクライアントから電子文書とその他の承認領域などの付加設定をサーバに送信して、回覧文書を登録する。それは回覧文書登録プログラム208によって行われる。図5には、回覧文書登録プログラム208のユーザインタフェース(入出力部)が示されている。ボタン507を押すと、ファイル選択ダイアログが表示され、選択されたファイルが回覧文書の電子文書として登録される。ボタン506と508によって電子文書のページを選択し、枠502に電子文書の選択したページが表示される。ペイン509にはそれまでに登録された承認領域の一覧が表示され、ボタン503を押すと承認領域を追加するための承認領域設定ダイアログ601が表示され、ボタン510を押すとペイン509で選択されている承認領域を削除する。ペイン504ではそれまで登録した承認領域の間に有向枝を追加して承認領域グラフを設定される。ボタン505を押すと設定がサーバに送信され回覧文書がサーバに登録される。図6には承認領域設定ダイアログが示されている。ペイン602には電子文書のイメージが表示され、その上で承認領域の承認署名記入座標が設定される。ペイン603にはそれまでに登録された承認可能者の一覧が表示され、ボタン604を押すと承認可能者を追加するためのダイアログが表示され、ボタン605を押すとペイン603で選択されている承認可能者を削除する。ペイン606にはそれまでに登録された記入領域の一覧が表示され、ボタン607を押すと記入領域を追加するための記入領域設定ダイアログ701が表示され、ボタン608を押すとペイン606で選択されている記入領域を削除する。図7には記入領域設定ダイアログが示されている。ペイン702には電子文書のイメージが表示され、その上で記入領域のストローク記入座標が設定される。ペイン703にはそれまでに登録された記入可能者の一覧が表示され、ボタン704を押すと記入可能者を追加するためのダイアログが表示され、ボタン705を押すとペイン703で選択されている記入可能者を削除する。
サーバは回覧文書登録プログラム208から登録要求を受け取ると、回覧文書をデータベース101に保存する。図9には回覧文書登録クライアント208の登録要求を受け取った後のサーバの処理である回覧文書登録部203のフローチャートが示されている。回覧文書登録要求901はユーザが行った設定に基づき回覧文書登録クライアント208が作成するもので、電子文書ファイルと図4に示されるようなデータ構造からなる。まず回覧文書登録部203はデータベース保存ステップ903で受け取ったデータをデータベースに保存する。次にドットパターン割り当てステップ904で、これから登録する回覧文書の各ページに、それまで割り当てられたことのないドットパターンを割り当てる。どの回覧文書にどのドットパターンを割り当てたかということをデータベース101に記録しておく。最後に回覧文書印刷ステップ905で、割り当てられたドットパターンをつけて電子文書を印刷する。
ユーザはドットパターン付で印刷された紙にデジタルペンで記入を行う。デジタルペンは記入されたストロークの座標と記入時刻を電子化する。デジタルペンがクライアント104に接続されると、デジタルペンドライバ105によってストロークデータが読み取られ、それがストローク情報送信部210によってサーバに送信され、ストローク情報受信部206によって受信される。サーバはストロークデータをデータベース101に保存する。図10にはデータベース101に保存されるストロークデータのデータ構造が示されている。ストロークID1001は送信されるストロークごとに割り当てられる整数値である。記入ユーザID1002はストロークデータを送信したユーザのIDである。記入ペンID1003はデジタルペンごとに固有の文字列である。ページアドレス1004は記入した紙に印刷されたドットパターンを表す文字列である。記入時刻1005はストロークの記入を始めた時刻である。サンプリング点1006はデジタルペンが読み取った記入の軌跡の座標値および各時点での時刻が並べられたものである。
回覧文書の作成者は回覧文書を印刷した後に、デジタルペンで記入を行う。回覧文書の記入領域の記入欄に記入されたストロークは、その後承認者によって承認されなければならない。承認者は回覧文書の紙を受け取ると、回覧文書の承認領域の承認署名記入欄に承認署名を記入することで、その承認領域の記入領域に書かれたものに対する承認を行う。承認領域は承認領域グラフによって順序がつけられているので、承認者はその順序に従って順番に承認を行うことになる。この時、記入してはいけない人が記入欄に記入したり、署名してはいけない人が承認署名記入欄に署名をしたり、承認が行われた後に記入欄にストロークが追加されたりするといった、通常の回覧プロセスでは認めてはいけないことが行われる場合がある。そのような場合を検知するために、回覧文書管理システムはストロークに対して承認状態を表す属性値を付けて管理する。
ストロークの属性値には大きく分けて記入属性と署名属性の二種類がある。記入属性は回覧文書作成者が記入領域の記入欄に記入したストロークに対して付けられるものである。署名属性は承認者が承認領域の署名記入欄に記入した署名に対して付けられるものである。
記入属性には「未承認」、「承認済」、「追記」、「違反記入」の四種類がある。「未承認」は承認されていない記入欄に記入したことを表し、「承認済」は記入した後承認者によって承認されたことを表し、「追記」はすでに承認されている記入欄に追加されたことを表し、「違反記入」は記入可能者以外が記入したことを表す。図34を用いてこれらの属性を具体的に説明する。まず記入者3401は回覧文書を登録し紙に印刷する。そして記入欄にストローク3403を記入する。この時、ストローク3403は承認されていない状態にあるので「未承認」の属性値が付けられる。次に記入者3401は紙を承認者3402に渡し、承認者3402は承認署名記入欄に署名3404を記入する。この時、ストローク3403は承認されたということで「承認済」の属性値が付けられる。さらにこの後、記入者3401が記入欄にストローク3405を追加する。この時、記入欄はすでに承認者3402によって承認されておりそこにストロークを追加したということで、ストローク3405には「追記」の属性値がつけられる。その後再び承認者3402が署名3406によって承認を行うとストローク3405は承認されたとして「承認済」の属性が付けられる。
署名属性には「署名」、「追署名」、「先署名」、「違反署名」の四種類がある。「署名」は承認署名記入欄に最初に書かれた署名であることを表し、「追署名」はすでに署名が書かれている承認署名記入欄にさらに追加された署名であることを表し、「先署名」は先に承認しなければならない承認者が承認していない状態で書かれた署名であることを表し、「違反署名」は承認可能者以外が署名したなど不正な署名であることを表す。図35を用いてこれらの属性を具体的に説明する。ここでは承認者3502は承認者3503より先に承認しなければならないとする。まず記入者3501は回覧文書を登録し紙を印刷し、ストローク3504を記入する。次に承認者3503が紙を受け取り、署名3505を記入する。この時、署名3505は承認者3502が承認するよりも先に記入されたということで、「先署名」の属性値が付けられる。次に承認者3502が紙を受け取り、署名3506を記入する。この時、署名3506は承認者3502が最初に記入したということで、「署名」の属性値が付けられる。次に承認者3503が再び紙を受け取り、署名3507を記入する。この時、署名3507は前に承認署名が書かれた承認署名記入欄に追加された署名であるということで、「追署名」の属性値が付けられる。
承認署名記入欄に記入されたストロークにそれぞれの署名属性が付けられる条件は図11の表に示されている。また、記入欄に記入されたストロークにそれぞれの記入属性が付けられる条件は図12の表に示されている。
サーバ102は、図11、図12の条件をもとに、ストロークの属性値を計算する。図13にはストロークの属性値を計算するストローク属性計算部205のフローチャートが示されている。ストローク属性計算部205はまず回覧文書1301を受け取り、繰り返し処理1303で回覧文書1301の全てのストロークに対して順番にストローク属性設定部を適用する。そして条件分岐1305で、前記の繰り返し処理においてどのストロークの属性値も変化がなければストローク属性計算部205を終了し、変化があれば繰り返し処理1303に戻る。図14にはストローク属性計算部205のステップ1304で用いられるストローク属性設定部のフローチャートが示されている。ストローク属性設定部はまずストローク1401と回覧文書1401を受け取り、回覧文書1401の全ての承認領域に対して繰り返し処理1403を実行する。繰り返し処理1403では、ストローク1401が承認領域1403の承認署名領域に記入されていれば、ステップ1406において図11に示される署名属性条件をもとにストローク1401の承認領域1403に対する属性を設定し、ストローク1401が記入領域に記入されていれば、ステップ1407において図12に示される記入属性条件をもとにストローク1401の承認領域1403に対する属性を設定する。
ストローク受信部206はストローク送信部210からストロークデータを受け取ると、ストロークが書かれた回覧文書をデータベース101から取得して、ストロークの属性値を計算した後にデータベース101に登録する処理を行う。図15にはストローク受信部206の処理のフローチャートが示されている。ストローク受信部206はまずストローク1501を受け取ると、ステップ1503においてデータベース101を参照しストロークが書かれた紙に印刷されている回覧文書を取得する。これは紙に付けられたドットパターンのページアドレスを調べることで行う。次にステップ1504においてその回覧文書にストローク1501を追加する。次にステップ1505において前記ストローク属性計算部205によって回覧文書の全てのストロークの属性を計算する。最後にステップ1506においてストローク1501が追加される以前と属性値が変化したストロークの属性履歴を更新する。属性履歴は図16に示されるようなデータ構造で保持される。図16の1601は承認領域A0031290の承認署名領域に記入されたストロークであり、「署名」という属性がつけたれた状態を表している。1602は承認領域A0031289〜A0031293の記入領域に記入されたストロークであり、各承認領域に承認署名が記入された時点で対応する属性が「未承認」から「承認済」に変化している状態を表している。このデータはデータベース101に保持される。
ユーザは回覧文書閲覧プログラム209を用いて、回覧文書とストロークのイメージを閲覧する。回覧文書閲覧プログラム209は、ストロークの属性値に基づいてストロークを色分けすることにより、通常の回覧プロセスとは異なる条件で記入されたストロークを強調して表示する。図17には回覧文書閲覧プログラム209のユーザインタフェースが示されている。ペイン1701では回覧文書と紙に書かれたストロークを表示する部分である。回覧文書閲覧クライアント209は、ストロークの属性値に応じて色分けをしてストロークを表示する。ペイン1702にはひし形のポインタを持つスライドバーがあり、ユーザはこれで時刻を指定する。回覧文書閲覧プログラム209は指定された時刻におけるストロークの記入状態と属性値に基づき、ペイン1701にストロークを表示する。スライドバーには、承認領域への署名や記入領域への記入がされた時刻を示す三角形のポインタも表示される。ペイン1703には承認領域グラフが描画され、ユーザはこれで一つの承認領域を指定する。回覧文書閲覧プログラム209は指定された承認領域に対する属性値に基づき、ペイン1701にストロークを表示する。
図18のような回覧文書を表示する例を示す。回覧文書1801は、承認領域1804、1805、1806、1807を持ち、承認領域1804、1805、1806の記入領域は領域1802であり、承認領域1807の記入領域は領域1803である。この回覧文書には、六つのストローク1808、1809、1810、1811、1812、1813、1814が記入されており、記入順序は1808、1811、1813、1809、1810、1812、1814である。図19にはストローク表示の一例が示されている。ここでは、時刻指定ペイン1702で現在の時刻が、承認領域指定ペイン1703で承認領域1804が指定されている。表示ペイン1701には、現在の時刻の承認領域1804に対する属性によって色分けされてストロークが表示される。図20には時刻や承認領域の指定が異なる時の回覧文書1801のストローク表示が示されている。時刻は四つ目のストロークが記入された直後が指定されており、承認領域は承認領域1805が指定されている。ストローク1809は承認署名1813が記入された後に記入されたので、ここでは「追記」属性になっている。また、ストローク1810、1812、1814は指定時刻の後に記入されたので、指定された時刻には記入されていないことを表して破線で表示される。
回覧文書作成者や承認者が自分に関係する回覧文書を一覧するためのものとして、回覧文書一覧表示プログラムが用意される。このプログラムは文書を回覧状態によって分類して一覧表示する。これにより、回覧文書作成者は自分が作成した回覧文書がどこまで回覧されたかということを容易に識別することができ、また承認者は自分が承認すべき回覧文書を容易に識別することができる。
図24には自分が作成した回覧文書を一覧表示するプログラムのユーザインタフェースが示されている。回覧文書はそこに記入されたストロークの属性値から「承認済」、「回覧中」、「違反」のいずれかの属性がつけられ、それによって分類されて一覧表示される。図25には回覧文書に属性をつける作成者文書属性設定部のフローチャートが示されている。作成者文書属性設定部では、回覧文書に記入されたストロークの中に「違反記入」もしくは「違反署名」の属性を持つものがあれば文書属性が「違反」になり(ステップ2503、2504)、それ以外の場合で署名をされていない承認領域が存在する場合は文書属性が「回覧中」になり(ステップ2505、2506)、それ以外の場合は文書属性が「承認済」になる(ステップ2507)。
図26には自分が承認すべき回覧文書を一覧表示するプログラムのユーザインタフェースが示されている。回覧文書はそこに記入されたストロークの属性値から「承認済」、「要承認」、「未承認」、「違反」のいずれかの属性がつけられ、その属性と作成者ごとに分類されて一覧表示される。図27には回覧文書に属性をつける承認者文書属性設定部のフローチャートが示されている。承認者文書属性設定部では、回覧文書に記入されたストロークの中に「違反記入」もしくは「違反署名」の属性を持つものがあれば文書属性が「違反」になり(ステップ2703、2704)、それ以外の場合で自分が承認可能者となっている承認領域が全て承認されている場合は文書属性が「承認済」になり(ステップ2705、2706)、それ以外の場合で自分が承認可能者となっている承認領域でその領域より先に承認されるべき承認領域が全て承認されている場合は文書属性が「要承認」になり(ステップ2707、2708)、それ以外の場合は文書属性が「未承認」になる(ステップ2709)。
違反記入をした場合や、違反記入がある文書を承認した場合など、正しくない回覧プロセスが行われた場合に警告メッセージを表示する機能が用意される。図21には違反記入や違反記入が存在する文書への承認署名を送信した場合に警告メッセージを表示する機能の構成が示されている。まずストロークはデジタルペンドライバ105で読み取られてストローク送信部210によってストローク受信部206に送られる。ストローク受信部206ではストロークの属性値が計算され属性履歴に追加される。次に警告メッセージ送信部2101では送信されたストロークの属性値が「違反記入」または「違反署名」である場合、もしくはストロークの属性値が「署名」または「追署名」であり、かつその署名が書かれた承認領域に対して「違反記入」の属性値を持つストロークが存在する場合は、警告メッセージを警告メッセージ受信部2102に送信する。図22にはストロークを送信した場合にそれが違反記入であったためディスプレイに警告メッセージが表示された様子が示されている。また図23には承認署名を送信した場合に記入領域に違反記入が存在したためディスプレイに警告メッセージが表示された様子が示されている。この場合には承認者はかまわず承認するか承認を取り消すかを選ぶことができる。
紙に表示されている内容と電子的に管理されている情報に整合性がとれていない場合がある。例えばデジタルペン以外のペンで紙に記入を行った場合には、その記入は電子的には保存されない。このような場合にユーザの注意を促し、また必要であれば電子データを紙に表示されている内容に合わせるために、紙のイメージをスキャンし登録されている電子文書およびストロークと比較して違いを検出する機能が用意される。図28にはこの機能の概要が示されている。回覧文書の印刷された紙2801と電子データ2802があるとする。紙2801にはストローク2807が記入されており、これは電子データ2802にもストローク2809として登録されている。しかし、紙2801にはもう一つストローク2808があり、これはデジタルペンを用いないで書かれたなどの理由により電子データ2802には登録されていない。この時、紙2801をスキャンしイメージを電子データと比較すると違いが検出されるので、その旨をクライアントのディスプレイに表示した後、その差分を電子データのストローク2813として取り込む。このストロークに対して承認者は承認を行うことができる。
図29には上記機能の構成が示されている。スキャナ2901によって紙がスキャンされ、クライアント104の紙イメージ送信部2902によってイメージデータがサーバ102の紙イメージ受信部2903に送信される。紙イメージ受信部2903ではイメージデータに含まれるドットパターンから回覧文書をデータベース101から引き出し、回覧文書とイメージデータを文書内容比較部2904に渡す。文書内容比較部2904は回覧文書をレンダリングしたイメージと紙のイメージを画像比較し、違いを検出する。もし違いが検出されれば、それを検出メッセージ送信部2905が検出メッセージ受信部2906に伝え、検出メッセージ受信部2906が、違いが検出されたこととその内容をディスプレイ211に表示する。この時ユーザは違いを電子データに反映させるか否かを選択できる。図30には文書内容比較部のフローチャートが示されている。回覧文書と紙イメージが入力されると、回覧文書をレンダリングして画像を生成し、二つの画像のドットパターンを手がかりに位置あわせを行い(ステップ3003)、画像比較を行って有意な違いがあるかどうかを検出する(ステップ3004)。検出された違いは比較データとして出力される。図31にはユーザが紙をスキャンして違いが検出された場合の様子が示されている。
回覧文書のコピーを印刷しそこに自由に書込みを行う際に、そこに書かれたデータをもとの回覧文書と結び付けておく機能が用意される。回覧文書のコピーを印刷した場合に、そのコピーをもとの回覧文書の抄本とし、もとの回覧文書と関連付けてデータベース101に保持しておく。図32には回覧文書を閲覧する場合に抄本のデータも一緒に閲覧するための抄本閲覧プログラムのユーザインタフェースが示されている。回覧文書が表示されている下にその回覧文書の抄本の一覧が表示されている。ユーザが抄本を選択すると、図33のように抄本に記入されたストロークを回覧文書が表示されている上に重ねて表示する。
デジタルペン技術を用いた電子文書管理システムで利用可能である。
101:回覧文書管理システムデータベース、102:回覧文書管理システムサーバ、104:回覧文書管理システムクライアント、401:回覧文書データ構造、402:承認領域データ構造。
Claims (14)
- 電子文書情報を格納するデータベース部と、紙面上に記入されたストロークを電子化したストローク情報の入力を受ける入力部とを有する文書管理システムにおける文書管理方法であって、
上記ストローク情報は記入位置、記入時刻、ストローク属性およびストローク状態を含み、
前記電子文書情報は、前記紙面上の記入領域および、いずれかの記入領域に関連付けられた署名領域についての領域定義情報を含み、
各ストローク情報の記入位置と前記電子文書情報の領域定義情報に基づいて、各ストローク情報が署名であるか、または署名によって承認される記入項目であるかを前記ストローク属性として決定するストローク属性決定ステップと、
前記ストローク属性が記入項目である場合には、該ストローク情報の記入時刻と、該ストローク情報の記入位置が属する記入領域に関連付けられた署名領域に関するストローク情報の記入時刻とを比較して該記入項目のストローク属性を有するストローク情報の承認状態を、前記ストローク状態として判断する承認状態判断ステップとを有することを特徴とする文書管理方法。 - 請求項1記載の文書管理方法であって、
前記領域定義情報は、前記記入領域および署名領域のそれぞれに記入が許可される記入可能ユーザの情報を含み、
前記入力部から入力されたストローク情報に含まれる該ストロークの記入に用いられた電子ペンIDまたはストローク情報の軌跡から該ストロークを記入したユーザを判断するユーザ情報判断ステップと、
前記ストロークを記入したと判断されたユーザが、該ストローク情報の記入位置に対応する領域の記入可能ユーザに該当するかどうかを判断し、該当しない場合は、記入者違反警告メッセージを出力する警告ステップとを有することを特徴とする文書管理方法。 - 請求項1記載の文書管理方法であって、
前記領域定義情報は、複数の署名領域の間の順序関係の定義を含み、
複数の署名領域に対応付けられるストローク情報の記入時刻の順番と前記領域定義情報中の順序関係定義とを比較して各署名領域に対応付けられるストローク情報のストローク状態を決定する署名属性判断ステップを有することを特徴とする文書管理方法。 - 請求項1、2または3記載の文書管理方法であって、
指定時刻の入力を受け付ける時刻指定ステップと、
該指定時刻までの記入時刻を有するストローク情報について、その記入位置に対応する記入領域または署名領域の情報、および記入時刻に基づいて、各記入領域に対応付けられるストローク情報の前記指定時刻における承認状態を判断し、該指定時刻における承認状態によって該ストローク情報に対応するストロークを区別して表示する承認状態別表示ステップを有することを特徴とする文書管理方法。 - 請求項1、2、3または4記載の文書管理方法であって、
文書に含まれるストローク情報の前記承認状態から文書の承認状態を決定する文書承認状態決定ステップと、
該状態によって複数の文書を分類する文書分類ステップと、
閲覧者が登録した文書を上記分類に従って一覧表示する登録文書一覧表示ステップと、
閲覧者が署名可能者である署名領域を有する文書を上記分類に従って一覧表示する承認文書一覧表示ステップを有することを特徴とする文書管理方法。 - 請求項1、2、3、4または5記載の文書管理方法であって、
電子文書と紙に埋め込まれた識別子を対応付ける紙電子文書対応付け管理ステップと、
スキャナで読み込まれた紙の画像と紙に埋め込まれている識別子に対応する電子文書の画像を比較する紙電子情報比較ステップと、
差異を手書き情報として電子化して該電子文書に追加する紙情報電子化ステップと、
紙電子情報比較ステップで紙の情報と電子情報に差異が存在した場合にその旨のメッセージを表示する差異検出メッセージ表示ステップを有することを特徴とする文書管理方法。 - 請求項1、2、3、4、5または6記載の文書管理方法であって、
文書を複写したものをもとの文書と結びつけて抄本として管理する抄本管理ステップと、
抄本に記入された手書き情報と複写元の文書に記入された手書き情報を合わせて表示する抄本情報表示ステップを有することを特徴とする文書管理方法。 - 電子文書情報を格納するデータベース部と、紙面上に記入されたストロークを電子化したストローク情報の入力を受ける入力部と、演算装置とを有する文書管理システムであって、
上記データベース部は、前記入力される上記ストローク情報として記入位置、記入時刻、ストローク属性およびストローク状態を格納し、
前記電子文書情報として、前記紙面上の記入領域および、いずれかの記入領域に関連付けられた署名領域についての領域定義情報を格納し、
前記演算装置は、
各ストローク情報の記入位置と前記電子文書情報の領域定義情報に基づいて、各ストローク情報が署名であるか、または署名によって承認される記入項目であるかを前記ストローク属性として決定し、
前記ストローク属性が記入項目である場合には、該ストローク情報の記入時刻と、該ストローク情報の記入位置が属する記入領域に関連付けられた署名領域に関するストローク情報の記入時刻とを比較して該記入項目のストローク属性を有するストローク情報の承認状態を、前記ストローク状態として判断して前記データベース部に格納することを特徴とする文書管理システム。 - 請求項8記載の文書管理システムであって、
前記データベース部は、前記領域定義情報として、前記記入領域および署名領域のそれぞれに記入が許可される記入可能ユーザの情報を格納し、
前記演算装置は、
前記入力部から入力されたストローク情報に含まれる該ストロークの記入に用いられた電子ペンIDまたはストローク情報の軌跡から該ストロークを記入したユーザを判断し、
前記ストロークを記入したと判断されたユーザが、該ストローク情報の記入位置に対応する領域の記入可能ユーザに該当するかどうかを判断し、該当しない場合は、記入者違反警告メッセージを出力することを特徴とする文書管理システム。 - 請求項9記載の文書管理システムであって、
前記データベース部は、前記領域定義情報として、複数の署名領域の間の順序関係の定義を保持し、
前記演算装置は、複数の署名領域に対応付けられるストローク情報の記入時刻の順番と前記領域定義情報中の順序関係定義とを比較して各署名領域に対応付けられるストローク情報のストローク状態を決定することを特徴とする文書管理システム。 - 請求項8、9または10記載の文書管理システムであって、
前記演算装置は、
指定時刻の入力を受け付け、
該指定時刻までの記入時刻を有するストローク情報について、その記入位置に対応する記入領域または署名領域の情報、および記入時刻に基づいて、各記入領域に対応付けられるストローク情報の前記指定時刻における承認状態を判断し、該指定時刻における承認状態によって該ストローク情報に対応するストロークを区別して表示すべく出力し、
該演算装置は、前記データベース部を管理するサーバまたは該サーバに接続されるクライアント装置に含まれることを特徴とする文書管理システム。 - 請求項8、9、10または11記載の文書管理システムであって、
前記演算装置は、
文書に含まれる手書き情報の承認状態から文書属性を決定し、
該決定された文書属性によって複数の文書を分類し、
閲覧者が登録した文書を上記分類に従ってディスプレイに一覧表示させ、
閲覧者が署名可能者である署名領域を有する文書を上記分類に従ってディスプレイに一覧表示させることを特徴とする文書管理システム。 - 請求項8、9、10、11または12記載の文書管理システムであって、
前記データベース部を管理するサーバの演算装置は、
前記電子文書と紙に埋め込まれた識別子の対応付けを前記データベース部に格納し、
スキャナで読み込まれた紙の画像を受け取り、紙に埋め込まれている識別子に対応する電子文書を前記データベース部から取得し、
紙のイメージと電子文書のイメージを比較し、差異があればそれを手書き情報として電子化して記憶装置に格納し、
紙の情報と電子情報に差異が存在した場合にその旨のメッセージを生成しクライアントに送信し、
前記サーバに接続されるクライアント装置の演算装置は、
スキャンされた紙のイメージをサーバに送信し、
検出メッセージをサーバから受け取りディスプレイに表示させることを特徴とする文書管理システム。 - 請求項8、9、10、11、12または13記載の文書管理システムであって、
前記データベース部を管理するサーバの演算装置は、
文書を複写したものをもとの文書と結びつけて抄本として記憶装置に格納し、
前記サーバに接続されるクライアント装置の演算装置は、
抄本に記入された手書き情報と複写元の文書に記入された手書き情報を合わせて表示することを特徴とする文書管理システム。
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