JP2008020807A - 静電荷現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法 - Google Patents

静電荷現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着を実現しつつ高解像度の画像を得ることができる静電荷現像用トナー、並びに、このトナーを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む静電荷現像用トナーであって、前記結着樹脂は、ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格を含有するポリエステル樹脂を含むことを特徴とする静電荷現像用トナーである。また、前記静電荷現像用トナーを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスもしくは静電プロセスを利用した電子写真装置に利用し得る静電荷現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法に関する。
一般的な電子写真法に於いては、帯電、露光過程により感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とが知られている。
そのトナーの製法は通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、離型剤(例えばワックスなど)とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕・分級する混練粉砕製法が利用されている。
しかし通常の混練粉砕製法では、トナー形状及びトナーの表面構造が不定型であり、意図的なトナー形状及び表面構造の制御は困難である。
また、混練粉砕法では材料選択の範囲に制限がある。具体的には、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕されうる物でなければならない。
ところがこういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、現像機中に於いて与えられる機械的せん断力などにより、さらに微粉を発生させることや、トナー形状に変化をきたすことがある。
これらの影響により、微粉のキャリア表面への固着による現像剤の帯電劣化の加速、粒度分布の拡大によるトナー飛散、トナー形状の変化に伴う現造成の低下による画質の劣化、表面への離型剤の露出による感光体等の汚染などを生じやすくなる。
近年、意図的にトナー形状及び表面構造の制御を可能とする手段として、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
これらは、一般に乳化重合などにより樹脂粒子分散液を作製し、一方溶媒に着色剤を分散した着色剤粒子分散液を作製した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、加熱することによって融合・合一させトナーとする製造方法である。
これらの方法によってある程度は形状を制御でき、帯電性、耐久性の改善をはかることができるが、内部構造がほぼ均一になることから定着の際における被定着シートの剥離性、帯電の環境依存安定性などに問題を残している。
上記のように電子写真プロセスにおいては、様々な機械的ストレス下でもトナーが安定して性能を維持するためには、表面への離型剤の露出抑制、トナー自体の機械的強度の向上、十分な帯電性・定着性が求められる。
更に近年、高画質化への要求が高まり、高精細な画像を実現するためにトナーの小径化傾向が著しい。加えてキャリアや感光体の汚染やトナー飛散の問題を回避し、高画質と高信頼性を同時に実現するためには、さらに粒度分布のシャープ化が求められる。
また、近年の高速化やこれに伴う低エネルギー消費の観点から、均一帯電性、持続性、トナー強度、粒度分布のシャープネスに加えて、一層の低温定着性も必要となる。
低温定着性を実現するためには、トナーに用いられる結着樹脂として、ガラス転移点の低いものを用いることが望ましい。しかし保存安定性を確保するために、結着樹脂のガラス転移点の下限が限定されてしまうため、低温定着性と保存安定性を両立させるためには、結着樹脂の定着温度におけるシャープメルト性が求められる。
ポリエステル樹脂は、スチレンアクリル樹脂と比較してシャープメルト性に優れることが知られており、ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いることにより、優れた低温定着性を得ることができる。
例えば、3価以上のアルコールおよび/またはカルボン酸をモノマー成分の一部として用いた、架橋構造を有するポリエステルを使用することや(特許文献3〜6参照)、フェニル骨格を有するヒドロキシジカルボン酸をモノマー成分の一部として用い、架橋構造を有するポリエステルを結着樹脂として使用すること(特許文献7参照)が開示されている。
一方、従来、電子写真方式による画像形成には普通紙が多く用いられてきたが、近年、電子写真方式による多色画像やフルカラー画像形成技術の普及・発展、及びデジタルカメラ等のデジタル撮影機器の発展に伴って、光沢紙等を用いたフルカラー画像の形成が盛んに行われるようになって来ており、デジタルカメラ等を撮影媒体として、光沢紙上に出力されるフルカラー画像には、銀塩写真プリント同様の高解像度が求められている。
例えば特許文献8には、光沢紙等を用いたフルカラー画像における発色性、透明性を向上させるために、トナーに含まれる離型剤の溶解度パラメーターと、電子写真用受像紙の受像層に用いる樹脂の溶解度パラメーターの差が2以下とすることが開示されている。
特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開昭61−105561号公報 特開昭61−105563号公報 特開昭61−124961号公報 特開昭61−275769号公報 特開平6−332249号公報 特開平10−239890号公報
上述したように、光沢紙上に定着画像を形成する画像形成方法にポリエステル樹脂を含むトナー(以下、ポリエステルトナーと称する。)を用いると、低温定着性を獲得することは出来る。しかしながら、定着時に光沢紙上のポリエステルトナーは速やかに溶融・固化し定着画像を形成するが、光沢紙の厚みのために、光沢紙上におけるポリエステルトナーへの熱伝導が悪く、且つ不均一となる。そのため、結着樹脂であるポリエステルの体積収縮が不均一に発生することによって、定着画像の輪郭が不鮮明となり、画像解像度が低下するという問題が発生してしまう。
上記特許文献8には、上述したように、光沢紙等を用いたフルカラー画像における発色性、透明性を向上させるために、トナーに含まれる離型剤の溶解度パラメーターと、電子写真用受像紙の受像層に用いる樹脂の溶解度パラメーターの差が2以下とすることが開示されているが、ポリエステルの不均一な熱収縮を改善できるものではなく、熱収縮の不均一に起因する定着画像の解像度低下という問題を解決することはできない。
これらの問題は、光沢紙等のように厚みのある被転写体の上に画像を定着させた場合に、より顕著となるが、これに限られるものではない。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、低温定着を実現しつつ高解像度の画像を得ることができる静電荷現像用トナー、並びに、このトナーを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法を提供することを目的としている。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む静電荷現像用トナーであって、前記結着樹脂は、ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格を含有するポリエステル樹脂を含むことを特徴とする静電荷現像用トナーである。
<2> 前記ポリエステル樹脂の全モノマー構成単位が、前記ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格を含むモノマー構成単位を3〜50モル%含有することを特徴とする<1>に記載の静電荷現像用トナーである。
<3> 前記ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格が、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸骨格であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電荷現像用トナーである。
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電荷現像用トナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤である。
<5> 静電荷保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記現像剤が、<4>に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
<6> 前記被転写体が、基材と基材上に形成された受像層を有し、前記受像層が、下記式(1)を満たす受像層用樹脂を含むことを特徴とする<5>に記載の画像形成方法である。
式(1):0.5≦|SP(r)−SP(a)|≦4.5
[式(1)中、SP(r)は前記受像層用樹脂の溶解度パラメーターを表し、SP(a)は前記ポリエステル樹脂の溶解度パラメーターを表し、単位はすべて (cal/cm0.5である。]
<7> 前記被転写体が、基材と基材上に形成された受像層を有し、前記受像層が、下記式(2)を満たす受像層用樹脂を含むことを特徴とする<5>又は<6>に記載の画像形成方法である。
式(2):50℃≦Tg(r)≦Tg(t)+15℃
[式(2)中、Tg(r)は前記受像層用樹脂のガラス転移点を表し、Tg(t)は前記静電荷現像用トナーの結着樹脂のガラス転移点を表す。]
本発明によれば、低温定着を実現しつつ高解像度の画像を得ることができる静電荷現像用トナー、並びに、このトナーを用いた静電荷現像用現像剤および画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]静電荷現像用トナー
本発明の静電荷現像用トナー(以下、トナーと略す場合がある)は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有している。また結着樹脂はポリエステル樹脂を含む。そしてポリエステル樹脂は、その骨格中に、[ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格]を有している。
一般に、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有するトナーを用いて、被転写体上に定着画像を形成させる場合、被転写体上のトナーは、例えば速やかに溶融・固化し定着画像を形成するが、その際被転写体からトナー粒子への熱伝導が悪い場合もしくは不均一の場合には、結着樹脂に含まれるポリエステル樹脂の不均一な体積収縮が発生し、定着画像の輪郭がぼやけて解像度が低下してしまうことがある。
この問題は、光沢紙等に代表されるような厚みのある被転写体を用いる場合に、特に顕著となりうる。
本発明のトナーを用いると、被転写体に定着画像を形成させる際の結着樹脂の不均一な体積収縮が抑制される。その理由は明らかではないが、おそらく、[ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格]の、ナフタレン環上に形成されるポリマー主鎖の分岐角度が、脂肪族多価モノマーやフェニル基ベースの多価モノマーを用いた場合の主鎖分岐角度と異なるため、ポリマー主鎖間に適度なからみあいを形成し、体積収縮抑制になんらかの形で寄与しているものと推察される。
以下、本発明のトナーを構成する成分について詳細に説明する。
本発明のトナーを構成する成分としては、既述したように、少なくとも結着樹脂および着色剤が挙げられるが、必要に応じて離型剤などの他の成分を含んでいてもよい。
<結着樹脂>
トナーに用いられる結着樹脂は、[ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格]を含有するポリエステル樹脂を含む。例えばポリエステル樹脂は、上記[ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格]を含むモノマー構成単位(以下、成分ということもある)を含んでいる。モノマー構成単位は、[ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格]そのものであってもよいし、他の骨格と組み合わせたモノマー構成単位であってもよい。
具体的には例えば、ポリエステル樹脂は、ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。またポリエステル樹脂は、この酸成分以外にも、必要に応じて他の酸(ジカルボン酸)成分を含んでもよい。またさらに、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
なお、本発明では、ポリエステル主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体もポリエステル樹脂とする。
ナフタレン骨格を有するヒドロキシジカルボン酸成分としては、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、3−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−ヒドロキシ−1,5−ナフタレンジカルボン酸、3−ヒドロキシナフタレン−1,8−ジカルボン酸等、及び前述のナフタレン骨格を有するヒドロキシジカルボン酸のナフタレン骨格上にアルキル基等の置換基を有するもの等が挙げられる。中でも3−ヒドロキシナフタレン−2,7−ナフタレンジカルボン酸が、定着画像の高解像度化効果が大きく、好ましく用いられる。
ポリエステル樹脂の全成分(モノマー構成単位)に対する、[ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格]を含む成分の含有量は、3〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましい。含有量が3モル%よりも少ないと、体積収縮抑制効果が十分に発揮できず、含有量3モル%以上の場合におけるレベルの高解像度定着画像を得ることが出来ない可能性がある。さらに、含有量が3モル%よりも少ないと、グロスムラが発生する可能性もある。また、含有量が50モル%を超えると、ポリエステル樹脂のガラス転移点が高くなり、低温定着性を損ねるおそれがある。
アルコール(ジオール)成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;、パラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA等の芳香族ジオール;等が挙げられる。
他の酸(ジカルボン酸)成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸などの芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の、不飽和脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸;等が挙げられる。
その他の成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のヒドロキシモノカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;グリセリン、1,2,4−ベンゼントリオール等の多価アルコール;を、用いることができる。
ポリエステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体がポリエステル樹脂に導入される場合がある。
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、及びこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン酸類;又は脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコール;を用いることができる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、例えば酸成分とアルコール成分とを溶剤に混合し、必要に応じて触媒下で反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
またポリエステル樹脂の製造は、例えば重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶剤に溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸成分又はアルコール成分とを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物;等が挙げられる。
さらに具体的には触媒としては、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)としては、好ましくは50〜120℃であり、より好ましくは60〜110℃である。ガラス転移点が50℃より低いと、トナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある。またガラス転移点が120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着性が得られない場合がある。
ここで、ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。
<着色剤>
トナーに用いられる着色剤としては、公知のものが使用できる。例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等が挙げられる。
橙色顔料としては赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートナーなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシンが挙げられる。更に、これらを単独、もしくは混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
これらの着色剤は、公知の方法で分散される。分散に用いる分散機としては例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
ホモジナイザーを用いる場合は、着色剤は、極性を有する界面活性剤を用いて水系に分散される。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、トナー中での分散性の観点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部添加されることが好ましい。
また、トナーを磁性トナーとして用いる場合は、トナーに磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場中で磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等化合物である。これらの磁性粉は、黒色着色剤として用いることができる。この場合黒色着色剤は、他の着色剤の場合とは異なり、結着樹脂100重量部に対して30〜100重量部添加されることが好ましい。
特に、水相中でトナーを得る場合は、磁性粉の水相移行性や溶解性、酸化性に注意を払う必要があり、好ましくは表面改質、例えば疎水化処理等を施しておくのが好ましい。
<その他の成分>
トナーには、必要に応じて離型剤を添加させてもよい。
離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されない。
例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成ワックス;鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステルやモンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用してもよい。
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また離型剤の融点は、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、3〜20重量部の範囲内であることが好ましく、5〜18重量部の範囲内であることがより好ましい。
離型剤の含有量が結着樹脂100重量部に対して3重量部未満であると離型剤添加の効果がなく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、結着樹脂100重量部に対して20重量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの機械的強度が低下する為、現像機内でのストレスで破壊されやすくなり、キャリア汚染などを引き起こしたり、離型剤の冷却時の体積収縮が結着樹脂に比較して大きいために前述の解像度を低下させる場合がある。
またトナーには、目的に応じて適宜選択したその他の成分を添加させてもよく、特に制限はない。
具体的にその他の成分としては、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等を挙げることができる。
無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
無機粒子としては、発色性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましく用いられる。
また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよい。このような表面処理シリカ粒子としては、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
これらの無機粒子の添加量は、トナー全重量の0.5〜20重量%の範囲であることが好ましく、1〜15重量%の範囲であることがより好ましい。
またトナーには、必要に応じて既知の外添剤を添加することが出来る。ここで外添剤とは、トナー粒子表面に付着させるものをいい、無機粒子や有機粒子等が考えられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好ましく、疎水化処理された粒子が特に好ましい。
無機粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。無機粒子の1次粒子径としては、1nm〜200nmの範囲にあることが好ましく、その添加量としては、トナー粒子100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲にあることが好ましい。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーは、凝集・合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、特に凝集合一法が好ましい。
凝集・合一法においては、凝集系のイオンバランスが崩れるのを抑制し凝集速度の制御が容易となり、また、懸濁重合法においては、重合阻害の発生を抑制し特に粒子径の制御が容易となり、また、溶解懸濁造粒法や溶解乳化凝集合一法においては、造粒や乳化の際の粒子安定化を図ることが可能となる。
凝集・合一法は、例えばポリエステル樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液、及び離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液を混合し、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子の凝集粒子を形成する凝集工程を有し、さらに凝集系内のpHを調整して凝集成長を停止せしめる停止工程と、凝集粒子を樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する融合・合一工程とを有する製造方法である。また凝集・合一法は、必要に応じて凝集工程の後に、他の樹脂粒子を添加し凝集粒子の表面に付着せしめるシェル形成工程を有してもよい。
具体的には、樹脂粒子をイオン性界面活性剤によって分散した樹脂粒子分散液を用い、これと反対極性イオン性界面活性剤で着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液などを混合し、ヘテロ凝集を生じせしめる。ついで必要に応じてこれに他の樹脂粒子の分散液を添加し、他の樹脂粒子を凝集粒子表面に付着・凝集させる。さらにその後、凝集成長を停止させることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後樹脂のガラス転移点以上に加熱することにより凝集体を融合・合一し、洗浄、乾燥する。
以下、上述した凝集・合一法の一例における各工程について詳細に説明する。
(凝集工程)
凝集工程においては、まず、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。
樹脂粒子分散液は、公知の転相乳化方法を用いるか、或いは樹脂のガラス転移点以上に加熱して機械的せん断力によって乳化させる方法を用いる。この際、イオン性界面活性剤が添加されてもよい。
着色剤粒子分散液は、イオン性界面活性剤を用いて、青色、赤色、黄色等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調整する。
また、離型剤粒子分散液は、離型剤を、水中に高分子電解質(例えば、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基など)とともに分散し、離型剤の融点以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調整する。
次に、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、樹脂粒子と着色微剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
(シェル形成工程)
シェル形成工程においては、コア凝集粒子の表面に、樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することにより、コア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造を持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。
なお、凝集工程、シェル形成工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
ここで、凝集工程およびシェル形成工程において用いられる、樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の体積平均粒径は、トナー径及び粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100〜300nmの範囲内であることがより好ましい。
体積平均粒径は、レーザー回折式レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
(停止工程)
停止工程においては、凝集系内のpHを調整することにより、粒子の凝集成長を停止させる。
具体的には凝集系内のpHを6〜9に調整することにより、粒子の凝集成長を停止させる。
(融合・合一工程)
融合・合一工程においては、凝集工程および必要に応じて行われたシェル形成工程を経て得られた凝集粒子を、溶液中にて、凝集粒子中に含まれる樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し、融合・合一することによりトナーを得る。
ここで樹脂の種類が2種類以上の場合は、最も高いガラス転移温度を有する樹脂のガラス転移温度以上に加熱する。
(その他の工程)
凝集・融合終了後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナーを得る。洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は特に制限はないが、生産性の点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
(その他のプロセス)
また上記凝集・合一法は、一括で混合して凝集することによりなされることもできる。具体的には例えば、凝集工程の初期に各極性のイオン性分散剤量のバランスを予めずらしておく方法である。さらに具体的には例えば、少なくとも1種の金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、ガラス転移点より低い温度にて第1段階の母体凝集を形成させ、母体凝集粒子を安定化させた後、第2段階としてバランスのずれを補填するような極性および量の分散剤で処理された第2段階添加用樹脂粒子分散液を添加し、さらに必要に応じ母体凝集粒子又は第2段階添加用樹脂粒子に含まれる樹脂のガラス転移点より低い温度でわずかに加熱して、温度を上げて安定化させたのち、さらにガラス転移点以上に加熱することにより第2段階添加用樹脂粒子を母体凝集粒子の表面に付着させたまま合一させる方法である。更にこの凝集の段階的操作は複数回、くり返し実施したものでもよい。
金属塩の重合体は、4価のアルミニウム塩の重合体、又は4価のアルミニウム塩重合体と3価のアルミニウム塩重合体との混合物であることが好適であり、具体的には、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体が挙げられる。また、この金属塩の重合体は、粒子分散液全体に対しその濃度が0.11〜0.25重量%となるように添加することが好ましい。
(トナーの物性)
トナー粒子の体積平均粒径としては、3〜8μmが好ましく、4〜7μmがより好ましい。トナー粒子の体積平均粒径が3μm未満であると帯電性が不十分になり、現像性が低下する場合があり、8μmを超えると、画像の解像性が低下する場合がある。
体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定器を用いて測定される。
以下、測定する粒子直径が2μm以上の粒子について体積平均粒径を測定する場合は、同様である。
[2]静電荷現像用現像剤
本発明の静電荷現像用現像剤は、トナーを含み、必要に応じてキャリアを含むこともできる。トナーは、本発明の静電荷現像用トナーである。以下、本発明の静電荷現像用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)について説明する。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。キャリアとしては例えば、芯材表面に被覆樹脂を被覆した樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金属(例えば、金、銀、銅等)やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるのもではない。
また、キャリアの芯材としては、磁性金属(例えば、鉄、ニッケル、コバルト等)、磁性酸化物(例えば、フェライト、マグネタイト等)、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、キャリアの芯材は磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10〜500μmの範囲が好ましく、30〜100μmの範囲が好ましい。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適正等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、(1)キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、(2)被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、(3)キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、(4)ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
キャリアを含んだ現像剤における、トナーとキャリアの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲が好ましく、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
[3]画像形成方法
本発明の画像形成方法は、静電荷保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法において、現像剤として本発明の静電荷現像用現像剤を用いるものである。必要に応じて、転写後に静電荷保持体に残留しているトナーを除去するクリーニング工程、転写後の静電荷保持体に残留する電荷を除去する除電工程を有してもよい。
本発明の画像形成方法によれば、低温定着に加え、高解像度の画質を有する画像を得ることが出来る。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。以下、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の構成について、図面を用いて具体的に説明する。
<画像形成装置>
図1は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図1に示す画像形成装置10は、静電荷保持体12を備え、その周囲に、静電荷保持体12を帯電させる帯電手段14と、帯電手段14により帯電される静電荷保持体12に静電潜像を形成する潜像形成手段16と、潜像形成手段16により形成された静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段18と、現像手段18により形成されたトナー像を被転写体50に転写する転写手段20と、転写後に静電荷保持体12に残留しているトナーを除去するクリーニング手段22と、除電手段24と、を備える。そして、図1に示す画像形成装置10は、被転写体50に転写されたトナー像を定着するための定着手段26をさらに備える。
以下図1の画像形成装置による画像形成方法について説明する。
<潜像形成工程>
潜像形成工程においては、静電荷保持体12の表面が、帯電手段14により一様に帯電された上で、潜像形成手段16により潜像が形成される。
静電荷保持体12としては、例えば感光体または誘電記録体等が使用できる。
感光体としては例えば、単層構造の感光体または多層構造の感光体等を用いることができる。また感光体の材質としては、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が考えられる。
帯電手段14としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、公知の手段を使用することができる。
潜像形成手段16としては、露光手段の他に、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成しうるような信号を形成できる、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
露光手段としては、例えば、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系からなるレーザー走査書き込み装置、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい態様を実現させるためには、レーザー走査書き込み装置またはLEDヘッドを使うことが好ましい。
<現像工程>
現像工程においては、静電荷保持体12の表面に形成された静電潜像が、現像手段18に内蔵された本発明の静電荷現像用現像剤により現像され、トナー像が形成される。具体的には例えば、現像ロールの表面に現像剤層を形成させ、静電潜像に接触もしくは近接させることにより、トナーの粒子を付着させ、静電荷保持体表面にトナー像を形成する。
<転写工程>
転写工程においては、静電荷保持体12の表面に形成されたトナー像が、静電荷保持体12と、それに対向する転写手段20との間に挿入された被転写体50の表面に転写される。
転写手段としては、具体的には例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、静電荷保持体12と被転写体50との間に電界を作り、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで被転写体50の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナーの粒子からなるトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
また転写工程においては、二次転写手段を用いることもできる。すなわち、図示しないが二次転写手段は、トナー像を一旦中間転写体に転写した後、中間転写体から被転写体50にトナー像を二次転写する手段である。
<定着工程>
定着工程においては、定着手段26の熱、および必要に応じて圧力等により被転写体50上のトナー像が定着される。定着手段として具体的には例えば、加熱ロールと加圧ロールとからなるような加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などが利用できる。
<クリーニング工程>
クリーニング工程においては、クリーニング手段22により、転写後に静電荷保持体12に残留しているトナーを除去する。
クリーニング手段としては例えば、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどが挙げられる。
<除電工程>
除電工程においては、除電手段24により、転写後の静電荷保持体12に残留する電荷を除去する。
除電手段としては例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられる。
<被転写体>
被転写体50としては、特に制限はなく、普通紙や光沢紙等をはじめとする従来公知のものが利用できる。また被転写体は、基材と基材上に形成された受像層を有するものを利用することもできる。
以下、被転写体について説明する。
(受像層)
受像層は、受像層用樹脂を含んで構成される。
受像層用樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。その中でも受像層用樹脂は、ポリエステル樹脂が好ましく使用される。
ポリエステル樹脂は、具体的には例えば、酸成分とアルコール成分とから合成されるものである。また必要に応じてその他の成分を含んでもよい。なお本発明では、ポリエステル主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体もポリエステル樹脂とする。
酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸などの芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸;等が挙げられる。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;パラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、1,4−フェニレングリコール、ビスフェノールA等の芳香族ジオール;等が挙げられる。
その他の成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のヒドロキシモノカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;グリセリン、1,2,4−ベンゼントリオール等の多価アルコール;を、用いることができる。
ポリエステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体がポリエステル樹脂に導入される場合がある。
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、及びこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン酸類;又は脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコール;を用いることができる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、例えば酸成分とアルコール成分とを溶剤に混合し、必要に応じて触媒化で反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
またポリエステル樹脂の製造は、例えば重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶剤に溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸成分又はアルコール成分とを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
また触媒として、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物;等が挙げられる。
さらに具体的には触媒としては、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
受像層用樹脂は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
式(1):0.5≦|SP(r)−SP(a)|≦4.5
ただし式(1)中、SP(r)は受像層用樹脂の溶解度パラメーターを表し、SP(a)は本発明におけるトナーに含まれるポリエステル樹脂の溶解度パラメーターを表し、単位はすべて (cal/cm0.5である。
一般に、被転写体上に2次色、3次色を形成した場合、トナーは固体として体積を持つため熱定着後において、定着画像上のトナー層の厚みに差が生じるのに加え、トナーの結着樹脂に含まれるポリエステル樹脂の不均一な体積収縮が被転写体に対して例えば厚み方向に発生することにより、トナー層の厚みの不均一をいっそう増してしまい、定着画像表面の平滑性が低下し、グロスムラが発生して画像の質感を損なってしまうことがある。
そこで、本発明における画像形成方法、すなわち、本発明における現像剤を用いて上述した上記式(1)を満たす受像層を有する被転写体上に定着画像を形成させる方法、を用いることにより、結着樹脂の不均一な体積収縮が抑制され、さらに定着画像上のトナー層の厚みに差が生じるのを抑制することができ、低温定着に加え、高解像度且つ高画質を有する画像を得ることが出来る。
高度なグロス均一性による高画質な画像を実現するメカニズムは明らかではないが、本発明の画像形成方法用いると、本発明のトナーに含まれるポリエステル樹脂と、受像層用樹脂が適度な相溶性を有するため、定着時の加熱によりトナーと受像層の接している部分が適度な相溶状態となり(ここで必要に応じて、この状態のところに定着圧力を加えると定着画像の表面がより平滑となる。)、相溶状態形成時にトナーに含まれるポリエステル樹脂中の[ナフタレン環を有するヒドロキシカルボン酸骨格]に起因するポリマー主鎖間の適度な絡み合いが、受像層の一部にまで広がることにより、定着画像冷却時のトナー層の厚み方向への不均一な体積収縮がより抑制され、定着画像の表面平滑性が保たれ、高度なグロス均一性によって高画質な画像が実現されるものと推察される。
上記のように、受像層用樹脂は上記式(1)を満たすことが好ましい。またさらに受像層用樹脂は、下記式(1−2)を満たすことが好ましい。
式(1−2):1.0≦|SP(r)−SP(a)|≦3.5
ただし式(1−2)中、SP(r)は受像層用樹脂の溶解度パラメーターを表し、SP(a)は本発明におけるトナーに含まれるポリエステル樹脂の溶解度パラメーターを表し、単位はすべて (cal/cm0.5である。
|SP(r)−SP(a)|値(以下、ΔSP値と称する。)が4.5よりも大きいと、相溶性が不十分であることから定着画像の表面平滑性が低下してグロス均一性が悪くなる可能性があり、0.5よりも小さいと、相溶が進みすぎてしまい定着画像の輪郭の鮮明さが若干劣ってしまう可能性がある。
また受像層用樹脂は、さらに下記式(2)を満たすことが好ましく、下記式(2−2)を満たすことがより好ましい。
式(2) :50℃≦Tg(r)≦Tg(t)+15℃
式(2−2):60℃≦Tg(r)≦Tg(t)+10℃
ただし式(2)および式(2−2)中、Tg(r)は受像層用樹脂のガラス転移点を表し、Tg(t)は本発明におけるトナーの結着樹脂のガラス転移点を表す。
Tg(r)がTg(t)+15℃よりも大きいと、定着時に相溶不足となり定着画像の表面平滑性が低下しグロスムラが発生するおそれがあり、Tg(r)が50℃よりも小さいと、定着画像の保存性に問題が出るおそれがある。
受像層には、顔料、離型剤等を含有させることができる。その場合においても受像層用樹脂の量は80重量%以上であることが望ましい。
溶解度パラメーターは、Smallの方法、Fedorsの方法など求める方法は種々あるが、Fedorsの方法により求める。
この場合の溶解度パラメーターは下記式(3)で定義される。
Figure 2008020807
但し、式(3)において、SPは溶解度パラメーターを表し、△Eは凝集エネルギー(cal/mol)を表し、Vはモル体積(cm/mol)を表し、△eiはi番目の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/原子又は原子団)を表し、△viはi番目の原子又は原子団のモル体積(cm/原子又は原子団)を表し、iは1以上の整数を表す。
なお、式(3)で表される溶解度パラメーターは、慣行としてその単位が(cal/cm0.5となるように求められ、且つ、無次元で表記されるものである。これに加えて、本発明においては、2つの化合物間における溶解度パラメーターの相対的な差が意義を持つため、本発明においては、上記した慣行に従い求められた値を用い、無次元で表記することとした。
なお、参考までに、式(3)で示される溶解度パラメーターをSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
(基材等)
基材としては、特に限定はなく、例えば酸性抄紙(例えば、抄紙pHが4.5付近である抄紙)、中性抄紙(例えば、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性乃至約9の弱アルカリ性にある抄紙)等の紙基体が用いられる。
抄紙方法については、一般の長網多筒式、丸網単筒式、ヤンキー式、ツインワイヤー式等の抄紙機が適宜用いられる。また基材は、用途に応じて合成紙、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、不織布、合成樹脂フィルムも使用できる。
(基材と基材上に形成された受像層を有する被転写体の製造方法)
被転写体は例えば、原紙の一面または両面に受像層用樹脂液を塗布することによって受像層を形成した後、その表面に平滑化処理を施すことにより作製することが出来る。
塗布法としては、一般に使用される方法、例えば、ブレード塗布、エアナイフ塗布、ロール塗布、バー塗布等が適用できる。また受像層を基材の表裏両面に設けてもよい。受像層の厚さは、定着されるトナーの粒径との関係で変化するが、一般に3〜20μmの範囲であることが好ましい。
平滑化処理は例えば、スーパーカレンダー或いはグロスカレンダーなど、剛性ロールと弾性ロールの接触部間を多数回通すことによって行うことが出来る。
平滑化処理は、JISB0601による表面の中心線平均粗さが2.0μm以下、特に1.5μm以下になるよう調整するのが好ましい。
また、この場合受像層は、堆積した状態での被転写体間の静摩擦係数の標準偏差が0.05以下、或いは透気度が4000秒以下に調整されるのが好ましい。
さらに受像層は、温度20℃、相対湿度85%において表面抵抗8.0×10 Ω以上になるように調整されたものが好ましい。受像層に透気性を与えるためには、体積平均粒径が小さく吸油度の大きい顔料を配合すればよい。
顔料は例えば、炭酸カルシウム、シリカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、リトポン、酸化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが使用できる。このような顔料は、体積平均粒径が1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下の粒子であることが好ましい。
また、受像層と基材との間には、接着層、或いは平滑のための顔料層を設けてもよい。
顔料層に用いる顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、リトポン、酸化亜鉛、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらの顔料は、体積平均粒径が1.5μm以下であることが望ましい。
接着層或いは顔料層に用いられる接着剤としては、基材、顔料等との接着力が強く、ブロッキング性が少ない水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン樹脂エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス等を用いることができる。
顔料層は、例えば上記顔料と接着剤を95:5〜60:40の配合比で配合した塗工液を塗布することによって形成することができる。
以下、実施例を交えて本発明を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本発明は限定されるものではない。
[測定方法]
<体積平均粒径の測定方法(測定する粒子直径が2μm以上の場合)>
測定する粒子の直径が2μm以上の場合は、上記のように、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定装置を用いて、粒子の体積平均粒径を測定する。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒子径と定義する。
<体積平均粒径の測定方法(測定する粒子直径が2μm未満の場合)
測定する粒子直径が2μm未満の場合は、上記のように、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて、粒子の体積平均粒径を測定する。
測定法としては、分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。
得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
なお、外添剤などの粉体を測定する場合は、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で、測定する。
<融点およびガラス転移点の測定方法>
ガラス転移点(Tg)及び融点は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
<溶解度パラメーターの測定方法>
樹脂の溶解度パラメーターは上記のように、Fedorsの方法により求める。
この場合の溶解度パラメーターは下記式(3)で定義される。
Figure 2008020807
但し、式(3)において、SPは溶解度パラメーターを表し、△Eは凝集エネルギー(cal/mol)を表し、Vはモル体積(cm/mol)を表し、△eiはi番目の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/原子又は原子団)を表し、△viはi番目の原子又は原子団のモル体積(cm/原子又は原子団)を表し、iは1以上の整数を表す。
なお、式(3)で表される溶解度パラメーターは、慣行としてその単位が(cal/cm0.5となるように求められ、且つ、無次元で表記されるものである。これに加えて、本発明においては、2つの化合物間における溶解度パラメーターの相対的な差が意義を持つため、本発明においては、上記した慣行に従い求められた値を用い、無次元で表記することとした。
なお、参考までに、式(3)で示される溶解度パラメーターをSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
[実施例A]
<ポリエステル樹脂分散液の調整>
(ポリエステル樹脂分散液A−1の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル96重量部と、イソフタル酸ジメチル49重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物206重量部と、エチレングリコール28重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸156重量部(24.0モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−1を得た。
得られたポリエステル樹脂A−1のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は82℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−1を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−1(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−1内におけるポリエステル樹脂A−1の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.25μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−2の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル111重量部と、イソフタル酸ジメチル94重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物253重量部と、エチレングリコール24重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸29重量部(4.64モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−2を得た。
得られたポリエステル樹脂A−2のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は77℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−2を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−2(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−2内におけるポリエステル樹脂A−2の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−3の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル38重量部と、イソフタル酸ジメチル39重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物133重量部と、エチレングリコール32重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸271重量部(43.33モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−3を得た。
得られたポリエステル樹脂A−3のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は97℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−3を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−3(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−3内におけるポリエステル樹脂A−3の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−4の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル65重量部と、テレフタル酸ジメチル183重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物223重量部と、エチレングリコール38重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−4を得た。
得られたポリエステル樹脂A−4のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は74℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−4を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−4(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−4内におけるポリエステル樹脂A−4の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.24μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−5の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル105重量部と、イソフタル酸ジメチル29重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物206重量部と、エチレングリコール25重量部と、4−ヒドロキシイソフタル酸126重量部(25.0モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−5を得た。
得られたポリエステル樹脂A−5のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は79℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−5を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−5(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−5内におけるポリエステル樹脂A−5の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−6の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル24重量部と、イソフタル酸ジメチル24重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物83重量部と、エチレングリコール39重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸325重量部(52.08モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−6を得た。
得られたポリエステル樹脂A−6のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は105℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−6を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−6(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−6内におけるポリエステル樹脂A−6の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.22μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−7の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル96重量部と、イソフタル酸ジメチル49重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物206重量部と、エチレングリコール28重量部と、3−ヒドロキシ−2,6−ナフタレンジカルボン酸156重量部(24.0モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−7を得た。
得られたポリエステル樹脂A−7のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は81℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−7を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−7(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−7内におけるポリエステル樹脂A−7の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−8の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル96重量部と、イソフタル酸ジメチル49重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物206重量部と、エチレングリコール28重量部と、4−ヒドロキシ−1,5−ナフタレンジカルボン酸156重量部(24.0モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−8を得た。
得られたポリエステル樹脂A−8のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は83℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−8を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−8(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−8内におけるポリエステル樹脂A−8の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.21μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液A−9の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル96重量部と、イソフタル酸ジメチル49重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物206重量部と、エチレングリコール28重量部と、3−ヒドロキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸156重量部(24.0モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂A−9を得た。
得られたポリエステル樹脂A−9のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は82℃であった。
次いで、このポリエステル樹脂A−9を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液A−9(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液A−9内におけるポリエステル樹脂A−9の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.24μmであった。
<着色剤分散液の調整>
(着色剤分散液A−1の調整)
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))99重量部と、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)15重量部と、イオン交換水300重量部とを混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけることによって着色剤分散液A−1を得た。
得られた、着色剤分散液A−1内における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.17μmであった。
また、着色剤分散液A−1の固形分比率は24重量%であった。
(着色剤分散液A−2の調整)
シアン顔料の代わりにマゼンタ顔料(Pigment Red 185)を用いた以外は、着色剤分散液A−1の調整と同様に操作し、着色剤分散液A−2を得た。
得られた、着色剤分散液A−2内における着色剤(マゼンタ顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.19μmであった。
また、着色剤分散液A−2の固形分比率は24重量%であった。
(着色剤分散液A−3の調整)
シアン顔料の代わりにイエロー顔料(Pigment Yellow 74)を用いた以外は、着色剤分散液A−1の調整と同様に操作し、着色剤分散液A−3を得た。
得られた、着色剤分散液A−3内における着色剤(イエロー顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.15μmであった。
また、着色剤分散液A−3の固形分比率は24重量%であった。
(着色剤分散液A−4の調整)
シアン顔料の代わりにブラック顔料(カーボンブラック、BPL、キャボット社製)を用いた以外は、着色剤分散液A−1の調整と同様に操作し、着色剤分散液A−4を得た。
得られた、着色剤分散液A−4内における着色剤(ブラック顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.20μmであった。
また、着色剤分散液A−4の固形分比率は24重量%であった。
<離型剤分散液の調整>
フィッシャートロプシュワックスFNP92(融点92℃:日本精鑞社製)100重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)3.6重量部と、イオン交換水400重量部とを混合し、100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤分散液を得た。
得られた、離型剤分散液内における離型剤の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
また、離型剤分散液の固形分比率は20重量%であった。
<トナーの製造>
(シアントナーA−1の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1を295重量部と、着色剤分散液A−1を36重量部と、離型剤分散液92重量部と、脱イオン水600重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36重量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら52℃まで加熱した。52℃で3時間保持した後、ここにポリエステル樹脂分散液A−1を緩やかに140重量部追加した。
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら93℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分間、300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.00、電気伝導度8.8μS/cm、表面張力が71.0Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
得られたシアントナーA−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.6μmであった。
(マゼンタトナーA−1の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−1を得た。
得られたマゼンタトナーA−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.7μmであった。
(イエロートナーA−1の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、イエロートナーA−1を得た。
得られたイエロートナーA−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.6μmであった。
(ブラックトナーA−1の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−1を得た。
得られたブラックトナーA−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.5μmであった。
(シアントナーA−2の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−2を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を4時間とした以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−2を得た。
得られたシアントナーA−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.5μmであった。
(マゼンタトナーA−2の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−2の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−2を得た。
得られたマゼンタトナーA−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.4μmであった。
(イエロートナーA−2の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−2の製造と同様に操作し、イエロートナーA−2を得た。
得られたイエロートナーA−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.6μmであった。
(ブラックトナーA−2の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−2の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−2を得た。
得られたブラックトナーA−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.4μmであった。
(シアントナーA−3の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−3を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を2時間とし、pH8.5に調整した後の加熱温度を99℃とした以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−3を得た。
得られたシアントナーA−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.8μmであった。
(マゼンタトナーA−3の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−3の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−3を得た。
得られたマゼンタトナーA−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.9μmであった。
(イエロートナーA−3の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−3の製造と同様に操作し、イエロートナーA−3を得た。
得られたイエロートナーA−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.9μmであった。
(ブラックトナーA−3の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−3の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−3を得た。
得られたブラックトナーA−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.9μmであった。
(シアントナーA−4の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−4を得た。
得られたシアントナーA−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.8μmであった。
(マゼンタトナーA−4の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−4の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−4を得た。
得られたマゼンタトナーA−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.8μmであった。
(イエロートナーA−4の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−4の製造と同様に操作し、イエロートナーA−4を得た。
得られたイエロートナーA−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.8μmであった。
(ブラックトナーA−4の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−4の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−4を得た。
得られたブラックトナーA−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.7μmであった。
(シアントナーA−5の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−5を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を4時間とした以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−5を得た。
得られたシアントナーA−5の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は6.5μmであった。
(マゼンタトナーA−5の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−5の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−5を得た。
得られたマゼンタトナーA−5の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は6.6μmであった。
(イエロートナーA−5の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−5の製造と同様に操作し、イエロートナーA−5を得た。
得られたイエロートナーA−5の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は6.5μmであった。
(ブラックトナーA−5の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−5の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−5を得た。
得られたブラックトナーA−5の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は6.5μmであった。
(シアントナーA−6の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−6を用い、pH8.5に調整した後に容器を密閉し、加熱温度を110℃とした以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−6を得た。
得られたシアントナーA−6の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.5μmであった。
(マゼンタトナーA−6の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−6の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−6を得た。
得られたマゼンタトナーA−6の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.6μmであった。
(イエロートナーA−6の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−6の製造と同様に操作し、イエロートナーA−6を得た。
得られたイエロートナーA−6の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.7μmであった。
(ブラックトナーA−6の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−6の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−6を得た。
得られたブラックトナーA−6の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.6μmであった。
(シアントナーA−7の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−7を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を4時間とした以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−7を得た。
得られたシアントナーA−7の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.6μmであった。
(マゼンタトナーA−7の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−7の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−7を得た。
得られたマゼンタトナーA−7の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.6μmであった。
(イエロートナーA−7の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−7の製造と同様に操作し、イエロートナーA−7を得た。
得られたイエロートナーA−7の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.5μmであった。
(ブラックトナーA−7の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−7の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−7を得た。
得られたブラックトナーA−7の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.4μmであった。
(シアントナーA−8の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−8を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を2時間とした以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−8を得た。
得られたシアントナーA−8の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.7μmであった。
(マゼンタトナーA−8の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−8の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−8を得た。
得られたマゼンタトナーA−8の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.6μmであった。
(イエロートナーA−8の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−8の製造と同様に操作し、イエロートナーA−8を得た。
得られたイエロートナーA−8の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.8μmであった。
(ブラックトナーA−8の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−8の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−8を得た。
得られたブラックトナーA−8の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.7μmであった。
(シアントナーA−9の製造)
ポリエステル樹脂分散液A−1の代わりにポリエステル樹脂分散液A−9を用いた以外は、シアントナーA−1の製造と同様に操作し、シアントナーA−9を得た。
得られたシアントナーA−9の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.8μmであった。
(マゼンタトナーA−9の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−2を用いた以外は、シアントナーA−9の製造と同様に操作し、マゼンタトナーA−9を得た。
得られたマゼンタトナーA−9の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.7μmであった。
(イエロートナーA−9の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−3を用いた以外は、シアントナーA−9の製造と同様に操作し、イエロートナーA−9を得た。
得られたイエロートナーA−9の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.8μmであった。
(ブラックトナーA−9の製造)
着色剤分散液A−1の代わりに着色剤分散液A−4を用いた以外は、シアントナーA−9の製造と同様に操作し、ブラックトナーA−9を得た。
得られたブラックトナーA−9の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.8μmであった。
<外添トナーの製造>
上記の製造したトナー50部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.21部添加してサンプルミルにてブレンドし、外添トナーを製造した。
<現像剤の調整>
ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製、Mw78000)を1重量%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5重量%となるよう上記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤を調整した。
<評価方法>
(低温定着性の評価)
得られた現像剤を、定着装置を取り外した富士ゼロックス社製DocuPrint C2220(以下、「DPC2220」と略す場合がある)の現像器に充填して、未定着画像を採取した。
画像条件は40mm×50mmのソリッド像で、トナー量は4.5g/m、被転写体としては光沢紙(LBP−KAGB5 サンワサプライ社製)を使用した。
ついで、定着温度が可変となるように改造したDPC2220の定着装置を用いて、定着温度を70℃から200℃の間にて10℃間隔で上昇させて定着画像を形成し、低温定着性を評価した。
なお、低温定着性は、定着画像を一定荷重の重り(20g/cm)を用いて10秒間折り曲げ、折れた部分を伸ばし、その部分の画像欠損の最大幅が0.3mm以下になる定着温度を最低定着温度とした。
(定着カラー画像形成・定着画像解像度評価)
得られた現像剤(シアントナーA−1、マゼンタトナーA−1、イエロートナーA−1、ブラックトナーA−1のセット〜シアントナーA−9、マゼンタトナーA−9、イエロートナーA−9、ブラックトナーA−9のセット)を使用し、富士ゼロックス社製DocuPrint C2220改造機(定着温度が可変となるように改造したもの)を用いて、低温定着性の評価における最低定着温度よりも20℃高い温度を定着温度として、光沢紙(LBP−KAGB5 サンワサプライ社製)上にカラー定着画像を形成し、カラー定着画像の解像度を目視にて確認した。
解像度の評価基準は以下のとおりである。
高解像度(○):画像の輪郭が細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有している。
許容範囲(△):画像の輪郭が、高解像度の定着画像と比較するとややぼやけているものの、許容範囲の解像度である。
低解像度(×):画像の輪郭が不鮮明であり、画像解像度が低い。
<実施例A−1>
シアントナーA−1、マゼンタトナーA−1、イエロートナーA−1、ブラックトナーA−1を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ109℃、111℃、110℃、110℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有していた。
<実施例A−2>
シアントナーA−2、マゼンタトナーA−2、イエロートナーA−2、ブラックトナーA−2を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ103℃、105℃、106℃、105℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は、実施例A−1のカラー定着画像と比較してややぼやけているものの許容範囲であった。
<実施例A−3>
シアントナーA−3、マゼンタトナーA−3、イエロートナーA−3、ブラックトナーA−3を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ119℃、120℃、118℃、120℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有していた。
<実施例A−4>
シアントナーA−6、マゼンタトナーA−6、イエロートナーA−6、ブラックトナーA−6を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ130℃、131℃、131℃、132℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は細部まで再現され、高い解像度を示していた。
<実施例A−5>
シアントナーA−7、マゼンタトナーA−7、イエロートナーA−7、ブラックトナーA−7を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ110℃、111℃、109℃、111℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は、実施例A−1のカラー画像と比較してややぼけているものの許容範囲であった。
<実施例A−6>
シアントナーA−8、マゼンタトナーA−8、イエロートナーA−8、ブラックトナーA−8を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ112℃、110℃、110℃、111℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は、実施例A−1のカラー画像と比較してややぼけているものの許容範囲であった。
<実施例A−7>
シアントナーA−9、マゼンタトナーA−9、イエロートナーA−9、ブラックトナーA−9を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ113℃、110℃、109℃、112℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は、実施例A−1のカラー画像と比較してややぼけているものの許容範囲であった。
<比較例A−1>
シアントナーA−4、マゼンタトナーA−4、イエロートナーA−4、ブラックトナーA−4を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ103℃、102℃、102℃、101℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は不鮮明であり、画像解像度は低かった。
<比較例A−2>
シアントナーA−5、マゼンタトナーA−5、イエロートナーA−5、ブラックトナーA−5を用いて調整した現像剤を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表1に示すように、それぞれ110℃、110℃、109℃、111℃であった。
前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度を目視にて確認したところ、表1に示すように、画像の輪郭は不鮮明であり、画像解像度は低かった。
Figure 2008020807
表1から分かるように、本実施例では、比較例に比べ、低温定着を実現しつつ高解像度の画像を得られることがわかる。
[実施例B]
<ポリエステル樹脂分散液の調整>
(ポリエステル樹脂分散液B−1の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル113重量部と、イソフタル酸ジメチル19重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物206重量部と、エチレングリコール25重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸156重量部(25.0モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−1を得た。
得られたポリエステル樹脂B−1のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は80℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−1の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは12.05(cal/cm0.5であった
次いで、このポリエステル樹脂B−1を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液B−1(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液B−1内におけるポリエステル樹脂B−1の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.24μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液B−2の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル105重量部と、イソフタル酸ジメチル101重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物253重量部と、エチレングリコール24重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸29重量部(4.64モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−2を得た。
得られたポリエステル樹脂B−2のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は79℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−2の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは10.70(cal/cm0.5であった
次いで、このポリエステル樹脂B−2を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液B−2(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液B−2内におけるポリエステル樹脂B−2の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.25μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液B−3の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル49重量部と、イソフタル酸ジメチル31重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物127重量部と、エチレングリコール34重量部と、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸260重量部(42.02モル%)と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−3を得た。
得られたポリエステル樹脂B−3のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は96℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−3の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは13.64(cal/cm0.5であった
次いで、このポリエステル樹脂B−3を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液B−3(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液B−3内におけるポリエステル樹脂B−3の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.24μmであった。
(ポリエステル樹脂分散液B−4の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル115重量部と、イソフタル酸ジメチル128重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物268重量部と、エチレングリコール29重量部と、テトラブトキシチタネート0.08重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−4を得た。
得られたポリエステル樹脂B−4のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は74℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−4の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは10.40(cal/cm0.5であった
次いで、このポリエステル樹脂B−4を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、ポリエステル樹脂分散液B−4(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
得られた、ポリエステル樹脂分散液B−4内におけるポリエステル樹脂B−4の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
(ポリエステル樹脂B−5の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル96重量部と、2−エチルテレフタル酸ジメチル220重量部と、シクロヘキサンジメタノール206重量部と、エチレングリコール7重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−5を得た。
得られたポリエステル樹脂B−5のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は70℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−5の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは9.47(cal/cm0.5であった
(ポリエステル樹脂B−6の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル230重量部と、4−エチルイソフタル酸ジメチル80重量部と、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物57重量部と、シクロヘキサンジメタノール61重量部と、エチレングリコール71重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として30分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−6を得た。
得られたポリエステル樹脂B−6のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は54℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−6の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは9.94(cal/cm0.5であった
(ポリエステル樹脂B−7の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、3−tert−ブチルイソフタル酸ジメチル138重量部と、2−エチルテレフタル酸ジメチル220重量部と、シクロヘキサンジメタノール222重量部と、テトラブトキシチタネート0.08重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−7を得た。
得られたポリエステル樹脂B−7のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は109℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−7の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは9.54(cal/cm0.5であった
(ポリエステル樹脂B−8の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル22重量部と、ハイドロキノン44重量部と、エチレングリコール107重量部と、トリメシン酸トリメチル323重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−8を得た。
得られたポリエステル樹脂B−8のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は80℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−8の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは12.69(cal/cm0.5であった
(ポリエステル樹脂B−9の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル220重量部と、2−エチルテレフタル酸ジメチル61重量部と、シクロヘキサンジメタノール222重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として60分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−9を得た。
得られたポリエステル樹脂B−9のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は108℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−9の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは9.00(cal/cm0.5であった
(ポリエステル樹脂B−10の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチル28重量部と、イソフタル酸ジメチル202重量部と、ハイドロキノン144重量部と、エチレングリコール30重量部と、4−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル67重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として30分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−10を得た。
得られたポリエステル樹脂B−10のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は57℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−10の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは11.85(cal/cm0.5であった
(ポリエステル樹脂B−11の調整)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸ジメチルを27重量部と、イソフタル酸ジメチルを197重量部と、ハイドロキノンを140重量部と、エチレングリコールを48重量部と、4−ヒドロキシイソフタル酸ジメチルを66重量部と、テトラブトキシチタネート0.07重量部とを入れた後、170〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。
次いで、220℃において系の圧力を0.13〜1.33kPa(1〜10Torr)として30分間反応を続けた結果、ポリエステル樹脂B−11を得た。
得られたポリエステル樹脂B−11のガラス転移点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、ガラス転移点は48℃であった。
また、ポリエステル樹脂B−11の溶解度パラメーターを、前述の測定方法によりFedorsの計算式を用いて算出したところ、溶解度パラメーターは11.74(cal/cm0.5であった
<着色剤分散液の調整>
(着色剤分散液B−1の調整)
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))99重量部と、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)15重量部と、イオン交換水300重量部とを混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけることによって着色剤分散液B−1を得た。
得られた、着色剤分散液B−1内における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.18μmであった。
また、着色剤分散液B−1の固形分比率は24重量%であった。
(着色剤分散液B−2の調整)
シアン顔料の代わりにマゼンタ顔料(Pigment Red 185)を用いた以外は、着色剤分散液B−1の調整と同様に操作し、着色剤分散液B−2を得た。
得られた、着色剤分散液B−2内における着色剤(マゼンタ顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.17μmであった。
また、着色剤分散液B−2の固形分比率は24重量%であった。
(着色剤分散液B−3の調整)
シアン顔料の代わりにイエロー顔料(Pigment Yellow 74)を用いた以外は、着色剤分散液B−1の調整と同様に操作し、着色剤分散液B−3を得た。
得られた、着色剤分散液B−3内における着色剤(イエロー顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.16μmであった。
また、着色剤分散液B−3の固形分比率は24重量%であった。
(着色剤分散液B−4の調整)
シアン顔料の代わりにブラック顔料(カーボンブラック)を用いた以外は、着色剤分散液B−1の調整と同様に操作し、着色剤分散液B−4を得た。
得られた、着色剤分散液B−4内における着色剤(ブラック顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.19μmであった。
また、着色剤分散液B−4の固形分比率は24重量%であった。
<離型剤分散液の調整>
フィッシャートロプシュワックスFNP92(融点92℃:日本精鑞社製)100重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)3.6重量部と、イオン交換水400重量部とを混合し、100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤分散液を得た。
得られた、離型剤分散液内における離型剤の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.25μmであった。
また、離型剤分散液の固形分比率は20重量%であった。
<トナーの製造>
(シアントナーB−1の製造)
ポリエステル樹脂分散液B−1を295重量部と、着色剤分散液B−1を36重量部と、離型剤分散液92重量部と、脱イオン水600重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36重量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら52℃まで加熱した。52℃で3時間保持した後、ここにポリエステル樹脂分散液B−1を緩やかに140重量部追加した。
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら93℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分間、300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.10、電気伝導度8.7μS/cm、表面張力が70.0Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
得られたシアントナーB−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.6μmであった。
(マゼンタトナーB−1の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−2を用いた以外は、シアントナーB−1の製造と同様に操作し、マゼンタトナーB−1を得た。
得られたマゼンタトナーB−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.7μmであった。
(イエロートナーB−1の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−3を用いた以外は、シアントナーB−1の製造と同様に操作し、イエロートナーB−1を得た。
得られたイエロートナーA−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.6μmであった。
(ブラックトナーB−1の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−4を用いた以外は、シアントナーB−1の製造と同様に操作し、ブラックトナーB−1を得た。
得られたブラックトナーB−1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は5.5μmであった。
(シアントナーB−2の製造)
ポリエステル樹脂分散液B−1の代わりにポリエステル樹脂分散液B−2を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を2時間とした以外は、シアントナーB−1の製造と同様に操作し、シアントナーB−2を得た。
得られたシアントナーB−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.8μmであった。
(マゼンタトナーB−2の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−2を用いた以外は、シアントナーB−2の製造と同様に操作し、マゼンタトナーB−2を得た。
得られたマゼンタトナーB−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.9μmであった。
(イエロートナーB−2の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−3を用いた以外は、シアントナーB−2の製造と同様に操作し、イエロートナーB−2を得た。
得られたイエロートナーB−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.9μmであった。
(ブラックトナーB−2の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−4を用いた以外は、シアントナーB−2の製造と同様に操作し、ブラックトナーB−2を得た。
得られたブラックトナーB−2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.9μmであった。
(シアントナーB−3の製造)
ポリエステル樹脂分散液B−1の代わりにポリエステル樹脂分散液B−3を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を4時間とし、pH8.5に調整した後の加熱温度を99℃とした以外は、シアントナーB−1の製造と同様に操作し、シアントナーB−3を得た。
得られたシアントナーB−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.5μmであった。
(マゼンタトナーB−3の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−2を用いた以外は、シアントナーB−3の製造と同様に操作し、マゼンタトナーB−3を得た。
得られたマゼンタトナーB−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.4μmであった。
(イエロートナーB−3の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−3を用いた以外は、シアントナーB−3の製造と同様に操作し、イエロートナーB−3を得た。
得られたイエロートナーB−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.6μmであった。
(ブラックトナーB−3の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−4を用いた以外は、シアントナーB−3の製造と同様に操作し、ブラックトナーB−3を得た。
得られたブラックトナーB−3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は7.4μmであった。
(シアントナーB−4の製造)
ポリエステル樹脂分散液B−1の代わりにポリエステル樹脂分散液B−4を用い、52℃まで加熱した後の保持時間を2時間とした以外は、シアントナーB−1の製造と同様に操作し、シアントナーB−4を得た。
得られたシアントナーB−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.5μmであった。
(マゼンタトナーB−4の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−2を用いた以外は、シアントナーB−4の製造と同様に操作し、マゼンタトナーB−4を得た。
得られたマゼンタトナーB−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.6μmであった。
(イエロートナーB−4の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−3を用いた以外は、シアントナーB−4の製造と同様に操作し、イエロートナーB−4を得た。
得られたイエロートナーB−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.7μmであった。
(ブラックトナーB−4の製造)
着色剤分散液B−1の代わりに着色剤分散液B−4を用いた以外は、シアントナーB−4の製造と同様に操作し、ブラックトナーB−4を得た。
得られたブラックトナーB−4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、体積平均粒径は3.5μmであった。
<外添トナーの製造>
上記の製造したトナー50gに対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.21g添加してサンプルミルにてブレンドし、外添トナーを製造した。
<現像剤の調整>
ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製、Mw=78000)を1重量%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5重量%となるよう上記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤を調整した。
<被転写体の製造>
(静電荷現像用受像紙B−1の製造)
基材としては、叩解度が530ccの広葉樹晒クラフトパルプ105重量部と、クレー11重量部と、澱粉2重量部と、ロジンサイズ剤1.55重量部と、硫酸バンド1重量部とを添加して抄紙した50g/mの上質紙を使用した。
塗布液としては、ポリエステル樹脂B−5をトルエンに溶解させた溶液を用いた。
上記上質紙の片面にブレードコーターによって塗布液を塗布し、その後、スーパーカレンダーで平滑化処理を行い、膜厚10μmの樹脂層が形成された静電荷現像用受像紙B−1を得た。
(静電荷現像用受像紙B−2の製造)
ポリエステル樹脂B−5の代わりにポリエステル樹脂B−6を用いた以外は、静電荷現像用受像紙B−1の製造と同様に操作し、静電荷現像用受像紙B−2を得た。
(静電荷現像用受像紙B−3の製造)
ポリエステル樹脂B−5の代わりにポリエステル樹脂B−7を用いた以外は、静電荷現像用受像紙B−1の製造と同様に操作し、静電荷現像用受像紙B−3を得た。
(静電荷現像用受像紙B−4の製造)
ポリエステル樹脂B−5の代わりにポリエステル樹脂B−8を用いた以外は、静電荷現像用受像紙B−1の製造と同様に操作し、静電荷現像用受像紙B−4を得た。
(静電荷現像用受像紙B−5の製造)
ポリエステル樹脂B−5の代わりにポリエステル樹脂B−9を用いた以外は、静電荷現像用受像紙B−1の製造と同様に操作し、静電荷現像用受像紙B−5を得た。
(静電荷現像用受像紙B−6の製造)
ポリエステル樹脂B−5の代わりにポリエステル樹脂B−10を用いた以外は、静電荷現像用受像紙B−1の製造と同様に操作し、静電荷現像用受像紙B−6を得た。
(静電荷現像用受像紙B−7の製造)
ポリエステル樹脂B−5の代わりにポリエステル樹脂B−11を用いた以外は、静電荷現像用受像紙B−1の製造と同様に操作し、静電荷現像用受像紙B−7を得た。
<評価方法>
(低温定着性の評価)
得られた現像剤を、定着装置を取り外した富士ゼロックス社製DocuPrint C2220(以下、「DPC2220」と略す場合がある)の現像器に充填して、未定着画像を採取した。
画像条件は40mm×50mmのソリッド像で、トナー量は4.5g/m、被転写体としては製造した静電荷現像用受像紙B−1〜B−6から選択したものを使用した。
ついで、定着温度が可変となるように改造したDPC2220の定着装置を用いて、定着温度を70℃から200℃の間にて10℃間隔で上昇させて定着画像を形成し、低温定着性を評価した。
なお、低温定着性は、実施例Aで記載した通りである。
(ドキュメント保存性の評価)
ドキュメント保存性の評価については、最低定着温度より20℃高い温度で定着した定着画像2枚を、互いに画像部と画像部、および、非画像部と画像部とが重なるように向かい合わせて重ね、重ねた部分に対して80g/cm相当になるように重りを載せ、温度が60℃で湿度が50%の恒温恒湿槽で3日間放置した。
放置後、25℃まで冷却し、重ねた2枚の定着像の画像欠損度合いを、以下に示す「G1」〜「G5」の5段階でグレード付けした。G4までを許容範囲とする。
G1:互いの画像部が接着した為、画像が定着されている紙ごと剥がれて、画像欠損が激しく、また非画像部へ明らかな画像の移行が見られる。
G2:画像同士が接着していた為、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像としては画像欠損は殆どなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離す時に、音がし、非画像部にもわずかに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題無いレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
(定着カラー画像形成・定着画像解像度・グロス均一性評価)
得られた現像剤(シアントナーB−1、マゼンタトナーB−1、イエロートナーB−1、ブラックトナーB−1のセット〜シアントナーB−9、マゼンタトナーB−9、イエロートナーB−9、ブラックトナーB−9のセット)を使用し、富士ゼロックス社製DocuPrint C2220改造機(定着温度が可変となるように改造したもの)を用いて、低温定着性の評価における最低定着温度よりも20℃高い温度を定着温度として、製造した静電荷現像用受像紙1〜6から選択したものの上にカラー定着画像を形成し、カラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認した。
解像度の評価基準は以下のとおりである。
高解像度(○):画像の輪郭が細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有している。
許容範囲(△):画像の輪郭が、高解像度の定着画像と比較するとややぼやけているものの、許容範囲の解像度である。
低解像度(×):画像の輪郭が不鮮明であり、画像解像度が低い。
また、グロス均一性の評価基準は以下のとおりである。
グロス均一(○):グロスムラは確認されず、均一なグロス光沢を有している。
許容範囲(△):グロスはわずかにムラが認められるものの、気にならない程度であり、許容範囲である。
グロスムラ顕著(×):グロス均一性が低く、グロスムラが顕著に認められる。
<実施例B−1>
シアントナーB−1、マゼンタトナーB−1、イエロートナーB−1、ブラックトナーB−1を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−1を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ110℃、109℃、111℃、110℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG5であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有しており、グロスムラは確認されず均一なグロス光沢を有していた。
<実施例B−2>
シアントナーB−2、マゼンタトナーB−2、イエロートナーB−2、ブラックトナーB−2を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−2を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ105℃、104℃、106℃、105℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG4であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は、実施例B−1のカラー定着画像と比較してややぼやけているものの許容範囲であり、グロスはわずかにムラが認められるものの気にならない程度であり許容範囲であった。
<実施例B−3>
シアントナーB−3、マゼンタトナーB−3、イエロートナーB−3、ブラックトナーB−3を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−3を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ123℃、121℃、122℃、122℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG5であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有しており、グロスはわずかにムラが認められるものの気にならない程度であり許容範囲であった。
<実施例B−4>
シアントナーB−3、マゼンタトナーB−3、イエロートナーB−3、ブラックトナーB−3を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−5を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ121℃、123℃、121℃、122℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG5であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有していたが、グロス均一性は低くグロスムラが顕著に認められた。
<実施例B−5>
シアントナーB−1、マゼンタトナーB−1、イエロートナーB−1、ブラックトナーB−1を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−6を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ105℃、104℃、103℃、104℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG4であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は、実施例B−1のカラー定着画像と比較してややぼやけているものの許容範囲であり、グロスムラは確認されず均一なグロス光沢を有していた。
<実施例B−6>
シアントナーB−2、マゼンタトナーB−2、イエロートナーB−2、ブラックトナーB−2を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−7を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ103℃、101℃、102℃、102℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全て G3であり 保存ドキュメントに若干の画像あれ、グロス低下が認められた。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は、実施例B−1のカラー定着画像と比較してややぼけているものの許容範囲であり、グロスはわずかにムラが認められるものの気にならない程度であり許容範囲であった。
<実施例B−7>
シアントナーB−1、マゼンタトナーB−1、イエロートナーB−1、ブラックトナーB−1を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−3を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ112℃、113℃、111℃、112℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG5であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は細部まで鮮明に再現され、高い解像度を有していた。グロスはわずかにムラが認められるものの気にならない程度であり許容範囲であった。
<比較例B−1>
シアントナーB−4、マゼンタトナーB−4、イエロートナーB−4、ブラックトナーB−4を用いて調整した現像剤、被転写体として静電荷現像用受像紙B−4を用いて、前述の方法にて測定した最低定着温度は、表2に示すように、それぞれ98℃、99℃、97℃、99℃であった。
前述の方法にて形成したドキュメントの保存性評価結果は、表2に示すように、4色全てG5であり許容範囲であった。
また前述の方法にて形成したカラー定着画像の解像度・グロス均一性を目視にて確認したところ、表2に示すように、画像の輪郭は不鮮明であり画像解像度は低く、グロス均一性は低くグロスムラが顕著に認められた。
Figure 2008020807
表2から分かるように、本実施例では、比較例に比べ、低温定着を実現しつつ高解像度および高画質の画像を得ることができる。
本発明の画像形成方法に適用できる画像形成装置の例を示す概略構成図である。
符号の説明
10…画像形成装置
12…静電荷保持体
14…帯電手段
16…潜像形成手段
18…現像手段
20…転写手段
22…クリーニング手段
24…除電手段
26…定着手段
50…被転写体

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含み、
    前記結着樹脂は、ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格を含有するポリエステル樹脂を含むことを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 前記ポリエステル樹脂の全モノマー構成単位は、前記ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格を含むモノマー構成単位を3〜50モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用トナー。
  3. 前記ナフタレン環を有するヒドロキシジカルボン酸骨格は、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸骨格であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷現像用トナー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電荷現像用トナーを含むことを特徴とする静電荷現像用現像剤。
  5. 静電荷保持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、
    を含み、
    前記現像剤は、請求項4に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記被転写体は、基材と基材上に形成された受像層を有し、
    前記受像層は、下記式(1)を満たす受像層用樹脂を含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
    式(1):0.5≦|SP(r)−SP(a)|≦4.5
    [式(1)中、SP(r)は前記受像層用樹脂の溶解度パラメーターを表し、SP(a)は前記ポリエステル樹脂の溶解度パラメーターを表し、単位はすべて (cal/cm0.5である。]
  7. 前記被転写体は、基材と基材上に形成された受像層を有し、
    前記受像層は、下記式(2)を満たす受像層用樹脂を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成方法。
    式(2):50℃≦Tg(r)≦Tg(t)+15℃
    [式(2)中、Tg(r)は前記受像層用樹脂のガラス転移点を表し、Tg(t)は前記静電荷現像用トナーの結着樹脂のガラス転移点を表す。]
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