JP2008020719A - 多芯双方向通信用導波路アレイ及びその製造方法、並びに双方向通信モジュール - Google Patents

多芯双方向通信用導波路アレイ及びその製造方法、並びに双方向通信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】狭ピッチ多芯光ファイバアレイを双方向化することを可能とした多芯双方向通信用導波路アレイ及びその製造方法、並びに双方向通信モジュールを提供する。
【解決手段】同一平面上に3組以上並列配置された多芯双方向通信用導波路アレイ10は、Y分岐形状の導波路コア12と、導波路コア12の分岐部を横断して配された波長選択フィルタ15と、導波路コア12の分岐コア12aに1本おきに形成された複数個のミラー13とを有している。複数個のミラー13は、同一直線上に配されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、多芯双方向通信用導波路アレイ及びその製造方法、並びに双方向通信モジュールに係わり、特に、光ファイバの多芯アレイを用いた多芯双方向通信用導波路アレイ及びその製造方法、並びに双方向通信モジュールに関するものである。
ハイエンドサーバーや並列計算を行う大規模スーパーコンピュータのデータ伝送分野では、例えばSNAP12に代表される光ファイバの多芯アレイを用いた送受信モジュールが実用化されつつある。SNAP12は、250μmピッチの12芯光ファイバアレイを用いて単一方向に高速データ転送する規格である。データ転送密度を向上させるために光信号の流れを双方向化する技術としては、上り方向と下り方向の波長を別々に定めた後、コリメートレンズあるいは導波路を用いて、誘電体多層膜などで構成される波長選択フィルタに光ファイバもしくはVCSELアレイなどの発光素子からの光を導き、波長に応じて反射・透過の選択を行えるようにするのが一般的である。
上記コリメートレンズを用いた双方向伝送方式は、マイクロレンズアレイを少なくとも光ファイバアレイ、VCSELアレイ、受光素子(PD)アレイの全てに対応して設置し、更に誘電体多層膜フィルタとの位置角度関係を定めなければならない。このため、組立工数が極めて多くなるうえ、高度な組立精度が要求されるという難点がある。更に、隣り合う光源間が250μmの狭いピッチで配されるので、クロストークを防止するために精密な部品精度や組立精度が要求される。更には、モジュール全体の小型化も困難となる。
一方、上記導波路を用いた双方向伝送方式では、導波路にフィルタ及び受発光素子を接着して一体化することが可能であるため、部品点数を削減することができることと相まって、組立精度や組立工数のどちらの観点からも低コスト化を達成することができる。このような導波路を用いたものとしては、例えば単芯の光ファイバを対象とした提案がなされてきた。その一例としては、例えばY分岐導波路の分岐部を横断するように設けられた溝内に誘電体多層膜フィルタを挿入し、分岐した側の導波路端に単芯の光ファイバ及び発光素子を、反対側の導波路端に受光素子をそれぞれ接続することができる構成の導波形光合分波器がある(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載されたような従来の導波形光合分波器にあっては、発光素子と受光素子の配置位置は、分岐導波路の分岐角度が小さくてもクロストークが生じないように誘電体多層膜フィルタ面に対して定められる。この従来の技術は、単芯の光ファイバを対象としているが、一般に行われているフォトリソグラフィ技術を利用した導波路作製技術では、導波路のコアパターンが同一平面上にのみ作製され、立体的すなわち導波路厚み方向に作製し難い。そのため、上記特許文献1に記載されたような従来の分岐導波路構造を多芯、特に3芯以上が並設された光ファイバアレイに適用しようとする場合は、次の(1)〜(5)に説明するような色々な問題があった。
(1)Y分岐導波路を同一平面上に並列的に配置した場合は、分岐した側の導波路端には、光ファイバ接続端と発光素子接続端とが1つずつ並ぶことになる。このため、発光点が3点以上あるVCSELアレイを発光素子として使用すると、光ファイバの配置位置と干渉してしまうこととなる(発光点が2点までならば、光ファイバを外側で接続し、内側にVCSELアレイを配置することが可能である。)。これを防止するための一例としては、例えば全ての導波路端を光ファイバと接続した後、光ファイバを1本ずつ曲げることによって任意の箇所に光を導くような構成を利用することが考えられる(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、VCSELアレイを導波路端に直接接続する方法と比べると、部品点数や組立工数が増加し、コストが高騰するという問題があった。VCSELアレイの代わりに、発光点が1つのVCSELもしくは端面発光レーザを用いたとしても、やはり部品点数や組立工数が増加することとなり、素子自体の大きさを考えると、光ファイバとの配置干渉を防止し難いという問題があった。
(2)Y分岐導波路を平面方向に並列的に配置し、光ファイバに接続する導波路端と発光素子に接続する導波路端とを分離するために、光ファイバに向かう導波路と発光素子に向かう導波路とを交差させた構成の導波路がある(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、250μmピッチの中で導波路を曲げることを考慮すると、交差角度を大きな角度にすることができないため、クロストークが大きくなるという問題があった。更に、導波路ごとに交差数が異なるため、光損失特性がばらつくという問題があった。
(3)このように、上記(1)及び(2)で説明したような従来の導波路構造にあっては、同一平面上において光ファイバに向かう導波路コアと発光素子に向かう導波路コアとが混在しているために上記のごとき様々な問題が発生することとなる。そこで、導波路構造を厚み方向にも拡張した構成を採用することが望ましいと考えられる。すなわち、本出願人等が先に提案した積層型高分子光導波路の製造方法などを用い、上記特許文献1等に記載されている1芯の双方向通信用Y分岐導波路を積層することが考えられる(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、このようにすると、積層方向の寸法精度を確保するために積層枚数が増える程、工程時間が増大するという問題があった。また、VCSELアレイやPDアレイを平面実装して導波路端と接続することが難しいため、実装用の別基板が必要になるという問題もあった。また、導波路の全ての積層が終了した後、再度、誘電体多層膜フィルタを挿入するフィルタ挿入溝の加工を行う必要がある。そのため、通常ではダイシングソーによる導波路外形切り出し加工と同時に行えたフィルタ挿入溝加工の難易度が上がり、作製工数が増加するという問題があった。
(4)一方、導波路厚み方向の光伝搬を導波路構造に頼らないで構成する一例としては、例えば導波路構造を単純な直線導波路アレイにより構成し、その直線導波路の中間に誘電体多層膜フィルタを上下方向に斜めに傾けて挿入することで、誘電体多層膜フィルタの法線が導波路面の外方向になるように配置し、その法線の延長線上に発光素子もしくは受光素子を配置する構造がある(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この特許文献5に記載された従来の導波路構造では、導波路面外に配置する発光素子もしくは受光素子に対して導波路が存在しないため、導波路が存在しない部分において、光は自由伝搬することとなる。この導波路が存在しない部分の距離が長くなればなる程、隣接クロストークが増大するという問題があった。また、発光素子を導波路面外に配置する場合には、誘電体多層膜フィルタに対して、発光素子の向きを合わせる必要があるため、平面実装が困難であるという問題があった。更に、受光素子を誘電体多層膜フィルタの光ファイバ側に配置するのでは、誘電体多層膜フィルタを透過する発光素子からの光が入り易くなり、クロストークの原因となるという問題があった。
(5)導波路面外に配置する発光素子及び誘電体多層膜フィルタ間の距離を最小にするためには、例えば誘電体多層膜フィルタの上下方向の傾き角度を45度とし、誘電体多層膜フィルタの真下に発光素子を配置すればよい。しかしながら、マルチモード導波路を用いた場合は、コリメートレンズを用いた場合とは異なり、発光素子及び光ファイバから誘電体多層膜フィルタに入射する光は平行光ではないため、入射光成分の全てについて所定の透過/反射特性を発揮させることは極めて困難となる。また、誘電体多層膜フィルタを上下方向に45度に傾けることによって偏光依存性が高くなるので、透過/反射特性を発揮させることが困難となる。かかる構成は、双方向通信で用いる上り方向と下り方向の波長を非常に異なるものにする、例えば両者の比が1:2になるようなものを選べば、入射光成分の透過/反射特性を発揮させることは、原理上不可能ではないが、誘電体多層膜フィルタ自体が極めて高価になるうえ、そのフィルタに使用できるVCSELアレイやPDアレイも同様に、高価なものを使用せざるを得ないという問題があった。また、波長が非常に異なるということは、発光素子及び受光素子の組成が異なるものを選択せざるを得ないため、経時特性が異なる可能性が高くなり、双方向通信モジュールの性能がばらつき易くなるという問題があった。
特開昭63−33707号公報 特開平10−282350号公報 特開平6−59143号公報 特開2004−69742号公報 特開2003−232944号公報
以上説明したように、上記特許文献1〜5に記載された従来の導波路構造では、多芯ファイバアレイに対して経済的な双方向通信を実現することは極めて困難であるという問題があった。
本発明の目的は、上記従来の課題を解消するためになされたものであり、狭ピッチ多芯光ファイバアレイを双方向化することを可能とした多芯双方向通信用導波路アレイ及びその製造方法、並びに双方向通信モジュールを提供することにある。
[1]本発明は、Y分岐形状の導波路コアが、同一平面上に3組以上並列配置された多芯双方向通信用導波路アレイであって、前記導波路コアの分岐部を横断して配された波長選択フィルタと、前記導波路コアの分岐側コアに1本おきに形成され、前記導波路コアから面外方向に導波光を反射できる複数個のミラーとを有してなり、前記複数個のミラーが、同一直線上に配されてなることを特徴とする多芯双方向通信用導波路アレイにある。
上記構成を採用することにより、導波路アレイ及び波長選択フィルタを用いて、合理的に狭ピッチ多芯光ファイバアレイを双方向化することができるとともに、同一設置面積におけるデータ転送密度を向上することが可能になる。
[2]本発明にあっては、前記導波路コアの断面形状が略矩形に形成され、その一辺の長さがマルチモード光ファイバのコア径の70〜100%の大きさであり、前記導波路コアの開口数が、前記光ファイバの開口数よりも大きいことが好適である。送受信時の損失を最小限に維持しつつ、接続公差が大きな双方向通信用のマルチモード光ファイバを用いることができるようになり、低コストであり、信頼性の高い多芯双方向通信を得ることができる。
[3]本発明においては、前記波長選択フィルタが誘電体多層膜であり、導波路光軸が前記波長選択フィルタの法線となす角度が、2.5度以上10度以下であることが好適である。波長選択フィルタの法線と導波路光軸とのなす角度を2波長分離特性に合わせて狭くすることができる。その角度が2.5度よりも小さい場合は、分岐側コアの作製が困難となり、分岐特性にも悪影響を及ぼすこととなる。その角度が10度を超えると、波長選択フィルタの特性を悪化させることとなり、好ましくない。
[4]本発明の多芯双方向通信用導波路アレイは、本発明の製造方法により効率的に製造することができる。すなわち、本発明の製造方法は、3組以上並列配置されたY分岐形状の導波路コアに対応する形態と、前記導波路コアから面外方向に導波光を反射可能なミラーに対応する形態とに形成されたコア形成用凹溝部を有する鋳型を用いること、下部クラッド材上に前記鋳型の成形面側を密着させ、前記コア形成用凹溝部に紫外線硬化樹脂を充填硬化すること、前記紫外線硬化樹脂の硬化後、前記ミラーに金属薄膜を着膜すること、及び上部クラッド材を前記導波路コア上に形成することを含んでなることを特徴とする多芯双方向通信用導波路アレイの製造方法にある。
上記構成によると、コア形成用凹溝部を有する鋳型を用いることで、パターニング、露光・現像、エッチングなどの煩雑な工程を排除することができるようになり、多芯双方向通信用導波路アレイを簡易な工程で安定して生産することができる。工程の単純化を達成するとともに、生産性を向上させることで、低コスト化を容易にかつ確実に達成することができる。
[5]本発明の他の製造方法としては、3組以上並列配置されたY分岐形状の導波路コアに対応する形態に形成されたコア形成用凹溝部を有する鋳型を用いること、下部クラッド材上に前記鋳型の成形面側を密着させ、前記コア形成用凹溝部に紫外線硬化樹脂を充填硬化すること、前記紫外線硬化樹脂の硬化後、上部クラッド材を前記導波路コア上に形成すること、及び前記導波路コアの分岐側コア部分に、前記導波路コアから面外方向へ導波光を反射可能なミラー部をレーザ照射により形成することを含んでなることを特徴とする多芯双方向通信用導波路アレイの製造方法にある。
上記構成によると、導波路コア及び上部クラッド材を作製した後に、隣接する分岐側コア部分に導波路コアから面外方向へ導波光を反射可能なミラー部をレーザ照射により形成することができる。ミラー部は、導波路コアと空気との屈折率差による全反射ミラーとして動作することが可能となり、金属薄膜を必要としない。
[6]前記導波路アレイの材料としては、エポキシ系、アクリル系、もしくはポリイミド系の高分子樹脂材からなることが好ましい。
[7]更に本発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の多芯双方向通信用導波路アレイと、前記ミラーと対応する位置に発光点が一致するように配された発光素子アレイと、前記ミラーが配された前記分岐側コア以外の前記分岐側コアの端部に配された光ファイバアレイと、前記分岐側コアと反対側の導波路コアの端部に受光点が一致するように配された受光素子アレイとを備えてなることを特徴とする双方向通信モジュールにある。
本発明の双方向通信モジュールにあっては、例えば発光素子アレイ及び受光素子アレイを同一のサブマウント上に実装することができるとともに、光ファイバアレイを所要なピッチ間隔と任意の芯数をもって実装することが可能となる。
[8]本発明の双方向通信モジュールにあっては、前記受光素子アレイと前記発光素子アレイの受発光面の法線方向が、同一方向となるように配した構成を有していることが好適である。
本発明は、光ファイバの多芯アレイを用いた送受信を双方向化することができるとともに、同一の設置面積におけるデータ転送密度を向上することが可能となる。また、信頼性が高く、低価格な製品を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
[第1の実施の形態]
(多芯双方向通信用導波路アレイの構成)
図1は、本発明における第1の実施の形態である多芯双方向通信用導波路アレイの一構成例を模式的に示している。図1(a)は、多芯双方向通信用導波路アレイの上面図、図1(b)は、図1(a)のI−I線の矢視部に相当する部位からみた断面図であり、図2は、導波路面外方向に導波光を反射できるミラー構造を模式的に示す部分断面拡大図である。なお、図1においては、上部クラッド材14の図示を省略している。
図1において、符号10は多芯双方向通信用導波路アレイの構造を示している。この導波路アレイ10の基本構成は、図1に示すように、クラッド層となる下部クラッド材11と、下部クラッド材11上に形成されたY分岐形状の導波路コア12と、導波路コア面外方向に光を反射できるミラー13と、導波路コア12を取り囲むように覆うクラッド層となる上部クラッド材14と、特定の波長帯域の光を透過し、その他の波長の光を反射する波長選択フィルタ15とを有する高分子光導波路フィルムからなる。
この導波路アレイ10は、図1に示すように、導波路コア12の分岐部を介して2本の分岐コア(分岐側の導波路コア)12a,12aが分岐された複数本の曲線導波路コアからなる。図示例では、導波路コア12は、所定のアレイ間隔をもって下部クラッド材11の同一平面上に3組以上並列配置されている。導波路コア12は、高い屈折率をもつ材料からなり、導波路コア12の光進行方向に対する断面は、略矩形状をなしている。導波路コア12の材料としては、例えばエポキシ系、アクリル系、もしくはポリイミド系の高分子樹脂材などを用いることができる。クラッド材11,14は、導波路コア12よりも低い屈折率をもつ材料により構成されている。これらのクラッド材11,14の材料としては、例えばエポキシ系、アクリル系、もしくはポリイミド系の高分子樹脂材などを用いることができる。
分岐コア12aの途中には、図2に示すように、平坦なコア上面から下方に向けて45度に傾斜する傾斜面と薄肉状の平面とからなる階段状の段差部が形成されている。この段差部の傾斜面を、外部入力光をクラッド材11,14に対して垂直に入力するためのミラー構造とすることができる。第1の実施の形態のミラー構造としては、導波路光軸を90度に折り曲げる光路変換面となる45度傾斜面をもつミラー13が、分岐コア12aに1本おきに形成されており、同一直線上に配されている。このミラー13の45度傾斜面は、反射率の高い金属薄膜13aを着膜することができる。この金属薄膜13aとしては、例えばアルミ、金、銀、チタンなどの各種の金属材を使用することができる。分岐コア12aと反対側の導波路コア12の端面は、光の進行方向に対して45度の傾斜角をもって、ミラー13と互い違いに斜めに傾斜した傾斜ミラー面13bとされている。
導波路コア12と光結合される光ファイバは、円形断面状に形成されており、導波路コア12の断面形状は、矩形に形成されている。そのため、多芯双方向通信に適用するにあたっては、導波路コア断面の矩形寸法としては、光ファイバのコア径の70〜100%程度であることが好適であり、好ましくは80〜90%程度であることが更に望ましい。なお、導波路コア12の長さは、最大5cm程度であり、曲率の大きな円弧状のコア部分も存在しないため、導波光の高次モードが励起することを防止することができる。導波路コア12の開口数NAを光ファイバの開口数NAよりも大きく設定することで、光ファイバからの受信光の漏洩モードもなく、VCSELアレイからの送信光も、略VCSELアレイ自体の発光特性からくる開口数NAのままの状態で、光ファイバアレイに到達させることができる。
波長選択フィルタ15は、図1に示すように、並列配置された分岐部を横断するように形成された直線状の溝内に挿入されている。波長選択フィルタ15としては、性能面や価格面からみて誘電体多層膜からなることが好適である。この波長選択フィルタ15(誘電体多層膜フィルタ15)は、偏光特性に鑑みて、その法線と導波路光軸とのなす角度が、なるべく小さいことが好適である。ただし、その角度があまりに小さい場合は、分岐コア12aの作製が困難となり、分岐特性にも悪影響を及ぼすおそれがあり、好ましくない。また、その角度が大き過ぎると、波長選択フィルタ15の特性を悪化させることとなる。よって導波路光軸が波長選択フィルタ15の法線となす角度としては、2.5度以上10度以下であることが好適である。より好ましくは4〜8度の範囲内にあることが有利である。これにより、双方向伝送に用いる波長範囲を発光素子アレイであるVCSEL特性の優れたものから選択することが可能になる。一般的に使われる波長850nmと780nmの組み合わせではなく、850nmと820nmというマルチモード光としては極めて波長間隔が狭く、寿命特性が似かよった2種類のVCSELアレイを用いることが可能となる。
[第2の実施の形態]
(多芯双方向通信用導波路アレイの構成)
図3(a)は、本発明における第2の実施の形態である多芯双方向通信用導波路アレイの一構成例を模式的に示す上面図、図3(b)は、図3(a)のIII−III線の矢視部に相当する部位からみた断面図であり、図4は、第2の実施の形態である導波路アレイのミラー構造を模式的に示す部分断面拡大図である。これらの図において上記第1の実施の形態と大きく異なるところは、ミラーを切れ込み部によって形成している点にあり、残余の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。従って、これらの図において上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付しているので、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態である導波路アレイ10の分岐コア12aの途中には、図3及び図4(a)に示すように、平坦なクラッド層となる上部クラッド材14の上面から下方に向けて45度に傾斜する傾斜面と、上部クラッド材14に直交する垂直面とからなる楔状の切り込み部13cが形成されている。この切り込み部13cの傾斜面を45度傾斜のミラーとして構成することができる。この切り込み部13cは、分岐コア12aに1本おきに形成されており、同一直線上に配されている。切り込み部13cの45度傾斜面としては、導波路コア12と空気との屈折率差による全反射ミラーとして動作することができる。このため、この切り込み部13cには、金属薄膜が形成されていない。なお、この切込み部13cによるミラー機能は、略45度の傾斜面と空気界面から構成されるため、加工法によっては、例えば図4(b)のような形状でも差し支えない。
上記第1及び第2の実施の形態のごとく構成された多芯双方向通信用導波路アレイ10によると、2波長(850nm、820nm)分離特性の要求に応じて、誘電体多層膜フィルタ15の法線と導波路光軸のなす角度を極力狭くすることができる構成、発光素子アレイ及び受光素子アレイを同一のサブマウント上に実装することができる構成、光ファイバピッチ250μmで任意の芯数に対応可能な構成を備えることができることに主要な特徴部を有している。この導波路アレイ10は、同じ導波路コア12を用いて光ファイバアレイからの光の送受信を行うことができる。このため、送受信時の損失を最小限に維持しつつ、接続公差が大きな双方向通信用のマルチモード光ファイバを用いることができるようになり、低コストの多芯双方向通信を得ることができる。なお、上記第1及び第2の実施の形態のごとく構成された多芯双方向通信用導波路アレイ10の構造、形状及び構成部材は、図示例に限定されるものではないことは勿論である。
以上の構成をもつ第1及び第2の実施の形態に係る多芯双方向通信用導波路アレイ10は、以下のように効率的に製造することができる。
(多芯双方向通信用導波路アレイの製造方法)
多芯双方向通信用導波路アレイ10は、局所的なミラー構造を導波路コア12の途中に設ける必要がある。多芯双方向通信用導波路アレイ10を製造するには、本出願人等が先に提案した特開2004−86144号公報などに記載された鋳型の作製技術を利用することができる。この鋳型は、Y分岐形状の導波路コア12に対応する形態と導波路コア12から面外方向に導波光を反射可能なミラー13部に対応する形態とに形成された導波路コア形成用凸条部を有する原盤を用いて作製することができる。この原盤の作製にあっても、上記特開2004−86144号公報などに記載された原盤の作製技術を利用した製法によって得ることができる。鋳型の材質としては、例えばポリジメチルシロキサンを用いることが特に好適である。
Y分岐形状の導波路コア12に対応する形態とミラー13部に対応する形態とに形成された導波路コア形成用凹溝部を有する鋳型を用いて、多芯双方向通信用導波路アレイを製造するにあたっては、先ず、下部クラッド材11上に鋳型の成形面側を密着させ、導波路コア形成用凹溝部に紫外線硬化樹脂を充填硬化する。紫外線硬化樹脂を硬化させた後、ミラー13部に金属薄膜13aを着膜する。そして、上部クラッド材14を導波路コア12に塗布することで、Y分岐形状の導波路コア12全体をクラッド11,14にて埋め込む構造に形成することができる。
ミラー形状の切れ込み部13cは、図2に示すように、導波路コア12の厚みよりも若干薄肉に形成することによって、ゴム鋳型の導波路コア形成用凹溝部が行き止まり構造にならないため、コア成形用樹脂の充填が容易になる。それに加えて、過剰損失が若干増加するが、双方向通信モジュールとしての性能に特に影響を及ぼすことはない。なお、導波路コア形状を作製した後に、導波路コア12の上部及び側面をクラッド材14で埋めたときに、導波路コア12とクラッド14の屈折率差が、導波路コア12と空気の屈折率差に比べて大きくないため、このままではミラー効果が生じない。45度ミラー13部分の機能を発揮するために、ミラー13部分に対応した窓をもったメタルマスクで、ミラー部分以外の表面を覆った後、金属蒸着手段により45度ミラー13部分にアルミ、金、銀、チタンなどの金属薄膜13aを蒸着することで、クラッド材11,14による埋め込み構造であっても、導波路アレイ10の機能を十分に発揮することができる。
また、上記第2の実施の形態に係る導波路アレイ10のごとくミラー構造を考慮せずに導波路コア12及び上部クラッド材14を作製した後でも、エポキシ系、アクリル系、もしくはポリイミド系の高分子材料で作製された導波路アレイ10は、図4(a),(b)に示すように、レーザ照射などの手段により導波路の表面を切り込んで加工可能である。具体的には、導波路フィルム面の法線に対して45度の角度で、YAGの第4高調波やArF、KrF等のエキシマレーザを用いて、加工対象とする導波路コア12の分岐コア12aに対して照射することができる。この際、光学系を用いて加工範囲を所要な分岐コア12aのみに限ることが可能となるため、分岐コア1本おきの加工が可能になる。この切れ込み部13cは、導波路コア12と空気との屈折率差による全反射ミラーとして動作することが可能となり、金属薄膜は必ずしも必要としない。
[第3の実施の形態]
(双方向通信モジュールの構成)
次に、上記製造方法で作製された導波路アレイ10を用いた双方向通信モジュールについて具体的に説明する。図5は、本発明における第3の実施の形態である双方向通信モジュールの一構成例を模式的に示しており、図5(a)は、双方向通信モジュールの上面図であり、図5(b)は、図5(a)のV−V線の矢視部に相当する部位からみた断面図である。なお、これらの図において上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、これらの部材に関する詳細な説明は省略する。
図5において、符号20は、上記導波路アレイ10を有する双方向通信モジュールの構造を示している。この双方向通信モジュール20は、図5に示すように、ミラー13と対応する位置に発光点が一致するように配された発光素子アレイ21と、ミラー13が配された分岐コア12aを除く分岐コア12の端部に配された光ファイバアレイ22と、分岐コア12aと反対側の導波路コア12の端部に受光点が一致するように配された受光素子アレイ23とによりモジュール化されている。ファイバケーブルからなる光ファイバアレイ22は、250μmピッチで1列に並設されている。発光素子アレイ21及び受光素子アレイ23は、光ファイバアレイ22と略同一のピッチをもって素子を一列に配列している。
この双方向通信モジュール20では、発光素子アレイ21をミラー13と対応する位置に発光点が一致するように配するとともに、受光素子アレイ23を分岐コア12aと反対側の導波路コア12の端部に受光点が一致するように配することによって、受光素子アレイ23に対するクロストークの影響を最小限に抑えることができるようにしている。かかる構成は、分岐コア12aの分岐角度を小さくすることが、誘電体多層膜フィルタ15の性能を発揮するためには望ましいが、受発光素子アレイ23,21の位置関係が逆の構成となっており、分岐コア12aの分岐角度が小さい場合は、発光素子からの光が、同一のモジュール内の受光素子側にも分岐されやすい構造、すなわちクロストークを生じやすい構造となるのを防止するためになされたものである。
この双方向通信モジュール20は、図5に示すように、導波路アレイ10及びサブマウント24を気密に封止するセラミック製のパッケージ25を備えている。導波路アレイ10の分岐コア12aの端面部には、ファイバアレイ22のアタッチメントからなるMTコネクタ26と、MTコネクタ26に2本のガイドピン27,27を介して接続されるMT互換コネクタ28とを介してファイバアレイ22が装着されている。このサブマウント24には、サブマウント24にプリントされた電気回路24aを介して発光素子アレイ21、受光素子アレイ23、発光素子アレイ駆動回路30及び受光素子アレイ用アンプ(TIA)31等が電気的に接続されている。導波路アレイ10のミラー13部と対応する部位は、発光素子アレイ21及び受光素子アレイ23に接着固定されている。
この双方向通信モジュール20では、受光素子アレイ21と発光素子アレイ23の受発光面の法線方向が同一方向に向くように配置することができる。これにより、素子を90度方向に立設する必要がなくなる。そのため、同一のサブマウント24上への実装、あるいはセラミックパッケージ25上にプリントした回路基板上への実装が容易となり、実装コストを削減することができるようになる。更に、実装時の誤差などにより、導波路アレイ10に結合しない発光素子からの光が、誤って受光素子へ入る可能性を低く抑えることができるとともに、データ転送密度を向上させることができる。
(双方向通信モジュールの動作)
図6は、双方向通信モジュールの一例を模式的に示す模式図である。図7は、誘電体多層膜フィルタの透過率特性を示すグラフであり、透過率(%)を縦軸として表し、波長帯域(nm)を横軸として表している。
図6において、第1及び第2の双方向通信モジュールのそれぞれが、光ファイバアレイ22(リボンファイバ22)を介して光結合されている。第1の双方向通信モジュール20(図6の左側)は、波長820nmの光を垂直入射する時の波長透過特性が、図7(a)に示すように、略90%以上である波長選択フィルタ15と、波長850nmの発光素子アレイ21と、受光素子アレイ23とによりモジュール化されている。第2の双方向通信モジュール40(図6の右側)は、波長850nmの光を垂直入射する時の波長透過特性が、図7(b)に示すように略90%以上である波長選択フィルタ41と、波長820nmの発光素子アレイ42と、受光素子アレイ43とによりモジュール化されている。
第1の双方向通信モジュール20においては、波長820nmの発光素子アレイ21の発光点からの信号光L1は、45度ミラー面により光路変換された後、発光素子アレイ側の分岐コア12a中を導波する。その信号光L1は、波長選択フィルタ15により光路を再び変換され、伝播方向を変えることで、ファイバ側の分岐コア12aを介してリボンファイバ22へと出射する。リボンファイバ22からの信号光L1は、相手方の第2の双方向通信モジュール40の分岐コア44a及び波長選択フィルタ41を介して伝播する。その信号光L1は、分岐コア44aと反対側の導波路コア44の端面に形成された傾斜ミラー面において反射され、伝播方向を変えることで、下部クラッド材を通して受光素子アレイ43の受光点に受光される。
一方、第2の双方向通信モジュール40においては、波長850nmの発光素子アレイ42の発光点からの信号光L2は、45度ミラー面により光路変換された後、発光素子アレイ側の分岐コア44a中を導波する。その信号光L2は、波長選択フィルタ41により光路を再び変換され、上記波長820nmの発光素子アレイ21からの光と同一の光路を逆方向に向けて伝播され、ファイバ側の分岐コア44aを介してリボンファイバ22、相手方の第1の双方向通信モジュール20の分岐コア12a及び波長選択フィルタ15を介して伝播する。その信号光L2は、導波路コア12の端面に形成された傾斜ミラー面において反射され、下部クラッド材を通して受光素子アレイ23の受光点に受光される。
上記のごとく構成された双方向通信モジュール20,40では、発光素子アレイ21を導波路アレイ10の側面ではなく、下面もしくは上面に配置することができる。そのため、発光素子アレイ21と光ファイバアレイ22との配置干渉を防止することができるようになり、クロストークの影響がない。その結果、発光素子アレイである250μmピッチの発光点をもつVCSELアレイ、受光素子アレイである250μmピッチの受光点をもつPDアレイ、及び250μmピッチの光ファイバアレイを用いることができる。電気・電子機器間の高速データ伝送などに用いる光ファイバの多芯アレイを用いた送受信モジュールを双方向化することができる。また、信頼性が高く、低価格な他の波長に比べて安価な850nm帯のマルチモードVCSEL及びその近傍の波長820nm帯のマルチモードVCSELを使用することができるため、モジュール全体としても信頼性の向上及び低価格化を達成することができる。
以下に、本発明の更に具体的な実施例について図1〜図8を参照しながら説明する。
図1に示すような高分子光導波路を作製するにあたっては、先ず、コア断面寸法45μm角、分岐角度12度のY分岐形状が12組並列したコア形状に対応した凹溝部と、分岐コアの1本おきに、深さが42μmであって45度の切れ込み形成用凸部とを有するシリコーンゴム鋳型を用意した。この鋳型の成形面に100μm厚のアートンフィルム(屈折率1.51)を密着させた後、鋳型に設けた樹脂充填孔及び樹脂吸引口を介して、鋳型の凹溝部内に導波路コアとなる紫外線硬化樹脂(硬化時の屈折率1.525)を充填し、波長が365nmであり、強度が50mW/cmである紫外線を、鋳型を通して15分間照射して硬化させることで、導波路コアパターンを形成した。鋳型には、分岐コアの1本おきに深さ42μmにわたる45度の切れ込み部が形成されており、硬化した導波路コアパターン形状は、鋳型の形態を反映したものとなった。鋳型への樹脂充填は、切れ込み部のない導波路コア側から行うことにより、切れ込み部分が極めて狭隘であるため、その部分より分岐コアの端部に至る不要な部分には、ほとんど紫外線硬化樹脂は充填されなかった。
次に、100μm角の貫通孔が、直列的に250μmピッチをもって12個あいたメタルマスクを用意し、分岐コアの12個の45度ミラー部のそれぞれに12個の貫通孔を合わせた状態で導波路コアパターンの他の部分を覆い、蒸着源を介してメタルマスク側から分岐コアの45度ミラー部に向けてアルミを厚さ100nm程度に蒸着した。
次に、導波路コアパターンが形成されたアートンフィルム上に上部クラッド材となる紫外線硬化樹脂(硬化時の屈折率1.51)を塗布した。その導波路コアパターン上に100μm厚のアートンフィルムを積層した状態で、波長が365nmであり、強度が50mW/cmである紫外線を3分間照射し硬化させ、ミラー構造を含むNA0.21の埋め込み導波路構造を完成させた。
次に、ダイシングソーに、刃先が90度であり、厚みが40μmであるダイシングブレードを取り付け、導波路コアの分岐部を横切るように導波路コアの深さにまで達する40μm幅の溝を作製し、更に、導波路コアの側部及び分岐コアの端部を切断した。最後に、波長820nmの光を垂直入射する時の波長透過特性が図7(a)に示すような厚さが30μmである誘電体多層膜フィルタを用いて、そのフィルタの法線と導波路コアの導波路光軸のなす角度が6度となるように、誘電体多層膜フィルタを導波路コアの分岐部を横切る挿入溝内に挿入し、紫外線硬化樹脂(硬化時の屈折率1.525)により接着固定し、多芯双方向通信用導波路アレイを完成させた。
上記実施例1における導波路アレイの特性評価を行った。図8(a)は、導波路アレイの構成部品の配置関係を説明するための上面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIII−VIII線の矢視部に相当する部位からみた断面図である。
図8に示すように、導波路アレイ10に対して、波長850nmのVCSELアレイ21、PDアレイ23、及び開口数NAが0.2であり、コア径が50μmであるGI型マルチモードファイバが250μmピッチで複数本並んだ光ファイバアレイ22を設置したところ、光ファイバに対してVCSELアレイ21の発光点からの出射光が、損失2dB以下でファイバに到達し、PDアレイ23側に対する迷光は、−40dBであり、十分な減衰特性を得ることができた。また、隣り合うチャンネル間のクロストークも、40dB以下であり、良好な性能を発揮することができた。一方、光ファイバアレイ22から波長820nmの光を導波路アレイ10に入力した場合は、2dB以下の損失でPDアレイ23に到達した。一方、VCSELアレイ21側に対する迷光は、−40dBであり、十分な減衰特性を得ることができた。
導波路コア径が40μmの導波路コアパターンに変更し、上記実施例1と同様に多芯双方向通信用導波路アレイを作製した。その結果、上記実施例1における多芯双方向通信用導波路アレイと略同等の性能を発揮することができた。また、コア屈折率を1.53として開口数NAを0.25としても、その性能は変わらなかった。
誘電体多層膜フィルタを挿入する挿入溝の幅を60μmに変更し、上記実施例1と同様に多芯双方向通信用導波路アレイを作製し、挿入溝に誘電体多層膜フィルタを挿入する工程を容易にした。その結果、±0.6度程度の取り付け角度ぶれが発生したが、上記実施例1における多芯双方向通信用導波路アレイと略同等の性能を発揮することができた。
上記実施例1と同様に、図3に示すような高分子光導波路を作製した。コア断面寸法が45μm角であり、分岐角度が12度であるY分岐形状が12組並列したコア形状に対応した凹溝部を有するシリコーンゴム鋳型を用意した。この鋳型の成形面に100μm厚のアートンフィルム(屈折率1.51)を密着させた後、鋳型に設けた樹脂充填孔及び樹脂吸引口を介して、鋳型の凹溝部内に導波路コアとなる紫外線硬化樹脂(硬化時の屈折率1.525)を充填し、波長が365nmであり、強度が50mW/cmである紫外線を、鋳型を通して15分間照射して硬化させることで、導波路コアパターンを形成した。
次に、導波路コアパターンが形成されたアートンフィルム上に上部クラッド材となる紫外線硬化樹脂(硬化時の屈折率1.51)をスピンコートにより70μm厚に塗布し、波長が365nmであり、強度が50mW/cmである紫外線を3分間照射し硬化させ、埋め込み導波路構造を完成させた。次に、発振出力300mW、波長266nmのYAG第4高調波レーザを、1箇所当たり3秒間照射することにより、分岐コアの1本おきに45度の切れ込み部を作製した。次に、ダイシングソーに、刃先が90度であり、厚みが40μmであるダイシングブレードを取り付け、導波路コアの分岐部を横切るように導波路コアの深さにまで達する40μm幅の溝を作製し、更に導波路コアの側部及び分岐コアの端部を切断した。
最後に、波長820nmの光を垂直入射する時の波長透過特性が、図7(a)に示すような厚さが30μmである誘電体多層膜フィルタを用いて、そのフィルタの法線と導波路コアの導波路光軸のなす角度が6度となるように、誘電体多層膜フィルタを導波路コアの分岐部を横切る挿入溝内に挿入し、紫外線硬化樹脂(硬化時の屈折率1.525)により接着固定し、多芯双方向通信用導波路アレイを完成させた。
導波路アレイに対して、波長850nmのVCSELアレイ、PDアレイ、及び開口数NA0.2、コア径50μmのGI型マルチモードファイバが250μmピッチで複数本並んだ光ファイバアレイを設置したところ、光ファイバに対してVCSELアレイの発光点からの出射光が、損失2dB以下でファイバに到達し、PDアレイ側に対する迷光は、−40dBであり、十分な減衰特性を得ることができた。また、隣り合うチャンネル間のクロストークも、40dB以下であり、良好な性能を発揮することができた。一方、光ファイバアレイから波長820nmの光を導波路アレイに入力した場合は、2dB以下の損失でPDレイに到達した。一方、VCSELアレイ側に対する迷光は、−40dBであり、十分な減衰特性を得ることができた。
上記実施例1の通りに導波路アレイを作製し、更にダイシングソーの切削加工により受光素子アレイ側の導波路コア端面に45度傾斜ミラー面を作製した。次に、所定の電気回路が表面にプリントされたサブマウントを装着したセラミックパッケージを用意し、サブマウント上に1×12の波長850nmVCSELアレイ、1×12PDアレイ、及び駆動ICなどを実装した。導波路アレイのミラー部に対応する部位を発光素子アレイ及び受光素子アレイに接着固定し、分岐コアの端部にMTコネクタ、ガイドピン及びコア位置に互換性のあるアダプターを差し込み、双方向通信モジュールを作製した(図5参照。)。
波長850nmの光を垂直入射する時の波長透過特性が、図7(b)に示すような誘電体多層膜フィルタ、及び波長820nmの1×12VCSELアレイを用いて、上記実施例1の双方向通信モジュールと対になる双方向通信モジュールを作製した。この2つのモジュールを、コア径50μmのGI型マルチモードファイバを250μmピッチで12本並べて両端をMTコネクタに装着した長さ30mのリボンファイバでそれぞれ接続した。これらのモジュール間で光ファイバ1本あたり3Gbps×2の双方向通信が支障なく可能であった。
なお、本発明に係わる光導波路及びその製造方法は、上記各実施の形態、変形例及び実施例などに限定されるものではなく、その発明の趣旨を逸脱しない範囲内で様々な設計変更が可能である。
本発明における第1の実施の形態である多芯双方向通信用導波路アレイの一構成例を模式的に示し、(a)は上面図、(b)は断面図である。 本発明の導波路アレイのミラー構造を模式的に示す部分断面拡大図である。 本発明における第2の実施の形態である多芯双方向通信用導波路アレイの一構成例を模式的に示し。(a)は上面図、(b)は断面図である。 (a)、(b)は、本発明の導波路アレイの他のミラー構造を模式的に示す部分断面拡大図である。 本発明における第3の実施の形態である双方向通信モジュールの一構成例を模式的に示し、(a)は上面図、(b)は断面図である。 双方向通信モジュールの一例を模式的に示す模式図である。 (a)、(b)は、誘電体多層膜フィルタの透過率特性を示すグラフである。 (a)は、本発明における双方向通信モジュールの構成部品の配置関係を説明するための上面図、(b)はその断面図である。
符号の説明
10 導波路アレイ
11 下部クラッド材
12,44 導波路コア
12a,44a 分岐コア
13 ミラー
13a 金属薄膜
13b 傾斜ミラー面
13c 切り込み部
14 上部クラッド材
15,41 波長選択フィルタ
20,40 双方向通信モジュール
21,42 発光素子アレイ
22 光ファイバアレイ
23,43 受光素子アレイ
24 サブマウント
24a 電気回路
25 パッケージ
26 MTコネクタ
27 ガイドピン
28 MT互換コネクタ
30 発光素子アレイ駆動回路
31 受光素子アレイ用アンプ
L1,L2 信号光

Claims (8)

  1. Y分岐形状の導波路コアが、同一平面上に3組以上並列配置された多芯双方向通信用導波路アレイであって、
    前記導波路コアの分岐部を横断して配された波長選択フィルタと、
    前記導波路コアの分岐側コアに1本おきに形成され、前記導波路コアから面外方向に導波光を反射できる複数個のミラーとを有してなり、
    前記複数個のミラーが、同一直線上に配されてなることを特徴とする多芯双方向通信用導波路アレイ。
  2. 前記導波路コアの断面形状が略矩形に形成され、その一辺の長さがマルチモード光ファイバのコア径の70〜100%の大きさであり、
    前記導波路コアの開口数が、前記光ファイバの開口数よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の多芯双方向通信用導波路アレイ。
  3. 前記波長選択フィルタが誘電体多層膜であり、
    導波路光軸が前記波長選択フィルタの法線となす角度が、2.5度以上10度以下であることを特徴とする請求項1または2記載の多芯双方向通信用導波路アレイ。
  4. 3組以上並列配置されたY分岐形状の導波路コアに対応する形態と、前記導波路コアから面外方向に導波光を反射可能なミラーに対応する形態とに形成されたコア形成用凹溝部を有する鋳型を用いること、
    下部クラッド材上に前記鋳型の成形面側を密着させ、前記コア形成用凹溝部に紫外線硬化樹脂を充填硬化すること、
    前記紫外線硬化樹脂の硬化後、前記ミラーに金属薄膜を着膜すること、及び
    上部クラッド材を前記導波路コア上に形成することを含んでなることを特徴とする多芯双方向通信用導波路アレイの製造方法。
  5. 3組以上並列配置されたY分岐形状の導波路コアに対応する形態に形成されたコア形成用凹溝部を有する鋳型を用いること、
    下部クラッド材上に前記鋳型の成形面側を密着させ、前記コア形成用凹溝部に紫外線硬化樹脂を充填硬化すること、
    前記紫外線硬化樹脂の硬化後、上部クラッド材を前記導波路コア上に形成すること、及び
    前記導波路コアの分岐側コア部分に、前記導波路コアから面外方向へ導波光を反射可能なミラー部をレーザ照射により形成することを含んでなることを特徴とする多芯双方向通信用導波路アレイの製造方法。
  6. 前記導波路アレイの材料が、エポキシ系、アクリル系、もしくはポリイミド系の高分子樹脂材からなることを特徴とする請求項5記載の多芯双方向通信用導波路アレイの製造方法。
  7. 上記請求項1〜3のいずれかに記載の多芯双方向通信用導波路アレイと、
    前記ミラーと対応する位置に発光点が一致するように配された発光素子アレイと、
    前記ミラーが配された前記分岐側コア以外の前記分岐側コアの端部に配された光ファイバアレイと、
    前記分岐側コアと反対側の導波路コアの端部に受光点が一致するように配された受光素子アレイとを備えてなることを特徴とする双方向通信モジュール。
  8. 前記受光素子アレイと前記発光素子アレイの受発光面の法線方向が、同一方向となるように配した構成を有してなることを特徴とする請求項7記載の双方向通信モジュール。
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