JPH1062643A - テーパ光導波路及びその設計方法 - Google Patents

テーパ光導波路及びその設計方法

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JPH1062643A
JPH1062643A JP8241367A JP24136796A JPH1062643A JP H1062643 A JPH1062643 A JP H1062643A JP 8241367 A JP8241367 A JP 8241367A JP 24136796 A JP24136796 A JP 24136796A JP H1062643 A JPH1062643 A JP H1062643A
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optical waveguide
loss
tapered
width
cross
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JP8241367A
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Manabu Kagami
学 各務
Kazuo Hasegawa
和男 長谷川
Hiroshi Ito
伊藤  博
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に作製された多モード光導波路の入出
射端に光ファイバを接続したときに、接続損失を最小に
する多モード光導波路の形状を求めること。 【解決手段】 多モード光導波路をテーパ構造とする。
そのテーパ型の多モード光導波路の断面形状は概略矩形
であり、入射端の断面の幅が2a、高さが2a、出射端
の断面の幅が2b、高さが2a、ただしb<a、とした
とき、入射端と出射端の幅の比率を0.62<b/a<
0.98とすることにより入出射端に光ファイバを接続
したときの接続損失を最小にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に作製され
た多モード光導波路に関し、さらに詳細には基板上に作
製された断面が概略矩形で、光の進行方向に進むにした
がってその断面積が小さくなるテーパ型のチャネル型光
導波路の入出射端に光ファイバを接続した場合、その接
続損失が最も小さくなるようなテーパ光導波路の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単一モード光導波路について光フ
ァイバと光導波路の接続損失を低減させるためにテーパ
光導波路を用いたものがある(特開平4−3450
5)。これは光導波路中を伝送する光波のスポットサイ
ズと光導波路のスポットサイズを概略同じにするために
導波路のコアを入出射端で広げるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】単一モード光導波路で
用いた従来の技術は、多モード光導波路では有効ではな
く接続損失を最小にできない。多モード光導波路におい
て、その接続損失を小さくするのに重要なのはコアの断
面形状の差と導波光のモード分布である。ここで、多モ
ード伝送路における導波光のモード分布は、導波路内を
伝搬する光線の伝搬角度分布と等価であり、開口数NA
の大きな導波系になるほど大きな伝搬角(導波路の中心
軸と光線のなす角度)を有する光線が導波可能となる。
【0004】入力用光ファイバから出射した光線が光導
波路の入射端にすべて結合するには、光ファイバのコア
断面より大きなコア断面を有する光導波路が密着し、軸
ずれがなく、光導波路の開口数NAが光ファイバのそれ
よりも大きければよい。もし光導波路の入射断面が小さ
ければ、一部の光線がコア中に結合せず損失する。この
損失は、オーバーラップ損失と呼ばれる。
【0005】また、光導波路出射端から出射した光線を
すべて出力用光ファイバに入射させるには、光導波路の
出射端のコア断面を光ファイバのそれより小さくし、軸
ずれがなく、光導波路のNAが光ファイバのそれより小
さくなればよい。
【0006】前記の導波系を組み合わせれば、接続面の
反射損失を無視すれば接続損失のない理想的な接続が可
能である。しかし、入力用光ファイバと出力用光ファイ
バは通常、材料および断面寸法が同一であるため、これ
らと接続する光導波路の断面形状を損失の少ない理想状
態にするには、光の伝搬方向に断面形状が小さくなるよ
うにテーパ構造にする必要がある。しかし、テーパ構造
にした場合、光が伝送するにしたがって伝搬角が大きく
なり、やがて導波路の臨界角を越えることにより放射す
る光による損失、いわゆるモード変換損失が発生する。
また、NAの大きい導波系から小さい導波系に結合した
場合、光線がコア中に閉じ込められずに放射するNA不
整合損失が発生する。したがって、テーパ化するには、
トレードオフ関係にあるオーバーラップ損失とモード変
換損失及びNA不整合損失の和が小さくなるテーパ形状
を求める必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、断面形状が概略矩形で入射端の断面の幅が2a、高
さが2a、出射端の断面の幅が2b、高さが2a、ただ
しb<a、となるテーパ型の多モード光導波路と、コア
半径がa以下で開口数がテーパ光導波路より小さい光フ
ァイバをテーパ光導波路の入出射端に結合する場合、出
射端の断面の幅2bと入射端の断面の幅2aの比率b/
aが大きくなると増加するオーバーラップ損失と、比率
b/aが大きくなると減少するモード変換損失およびN
A不整合損失とを求め、オーバーラップ損失とモード変
換損失およびNA不整合損失との和が所定損失より小さ
くなる比率b/aの範囲を求めるテーパ光導波路の設計
方法がある。
【0008】請求項2の発明は、断面形状が概略矩形で
入射端の断面の幅が2a、高さが2a、出射端の断面の
幅が2b、高さが2a、ただしb<a、となるテーパ型
の多モード光導波路と、コア半径がa以下で開口数がテ
ーパ光導波路より小さい光ファイバをテーパ光導波路の
入出射端に結合する場合、テーパ光導波路の入射端幅と
出射端幅の比を0.62<b/a<0.98とすること
を特徴とする。
【0009】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明は、断面形状が
概略矩形で入射端の断面の幅が2a、高さが2a、出射
端の断面の幅が2b、高さが2a、ただしb<a、とな
るテーパ型の多モード光導波路と、コア半径がa以下で
開口数がテーパ光導波路より小さい光ファイバをテーパ
光導波路の入出射端に結合させる。このとき幾何光学に
よる計算により、出射端の断面の幅2bと入射端の断面
の幅2aの比率b/aが大きくなると増加するオーバー
ラップ損失と、比率b/aが大きくなると減少するテー
パ光導波路を伝送中の光のモード変換損失と、同じく比
率b/aが大きくなると減少する出射端と出射端に接続
されている光ファイバとのNA不整合損失の和を演算
し、損失の和が最小となる比率b/aを求める。この結
果、テーパ光導波路の長さ、テーパ光導波路のコア及び
クラッドの屈折率とは関係なく、オーバーラップ損失と
モード変換損失とNA不整合損失の和が最小になる比率
b/aになるように光導波路を設計することができ、損
失の少ないテーパ光導波路を設計することができる。
【0010】請求項2の発明は、断面形状が概略矩形で
入射端の断面の幅が2a、高さが2a、出射端の断面の
幅が2b、高さが2a、ただしb<a、となるテーパ型
の多モード光導波路と、コア半径がa以下で開口数がテ
ーパ光導波路より小さい光ファイバをテーパ光導波路の
入出射端に結合させた場合、テーパ光導波路の入射端幅
と出射端幅の比率b/aの範囲を0.62<b/a<
0.98としたことである。テーパ光導波路の入射端幅
と出射端幅の比率b/aの範囲を0.62<b/a<
0.98とするとオーバーラップ損失とモード変換損失
とNA不整合損失の和が1dB以下となる。よって損失
の少ないテーパ光導波路が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1のテーパ光導波路の最適構造
を求める。図1において、テーパ光導波路1の入射側接
続面52に入力用光ファイバ2が、出射側接続面53に
出力用光ファイバ3が接続されている。又、図2は入射
側接続面52を示しており、入力用光ファイバ2とテー
パ光導波路1は入射側接続面52で全断面において完全
接触した理想的な光学的結合を仮定する。ここで、21
は入力用光ファイバのコア断面を表しており、コア断面
の半径はaである。又、12は光導波路の入射端を表し
ており、入射端は一辺が2aの正方形である。図3は出
射側接続面53を表しており、出力用光ファイバ3とテ
ーパ光導波路1は出射側接続面53で全断面において完
全接触した理想的な光学的結合を仮定する。ここで、3
1は出力用光ファイバのコア断面を表しており、コア断
面の半径はaである。又、13は光導波路の出射端を表
しており、出射端は幅が2b、高さが2aの長方形であ
る。
【0012】光導波路の形状及び屈折率を最適化するこ
とにより減らすことのできる損失は、オーバーラップ損
失、モード変換損失、NA不整合損失の3つである。従
って、テーパ光導波路の接続損失であるオーバーラップ
損失とモード変換損失とNA不整合損失の和を最小にす
るテーパ光導波路の構成を求める。
【0013】多モード伝送路の場合、オーバーラップ損
失はコア断面のオーバーラップにより計算できる。光導
波路入射側において、図2のように入力用光ファイバコ
ア21が光導波路入射端12に包括されるように位置合
わせを行って接続させれば、光導波路入射端12でのオ
ーバーラップ損失はなくなる。このような位置合わせ
は、基板上に導波路と同時形成されたファイバ案内溝に
よる位置合わせを行う場合、光ファイバのクラッド厚と
同じ厚さで作られた光導波路のアンダークラッド6によ
って行われる。
【0014】一方、光導波路出射側においては、図3
(a)のように光導波路出射端13は出力用光ファイバ
コア31に包括されることはなく、重ならない部分C1
〜C4部が存在する。このC1 〜C4 部より出射した光
線がオーバーラップ損失となる。この損失を小さくする
には光導波路幅を小さくしたテーパ光導波路が有効であ
る。図3(a)のように光導波路出射端13におけるオ
ーバーラップ損失を計算する。光導波路の屈折率分布が
ステップ型とすると、断面内の光パワー分布は均一なの
で、オーバーラップ損失ROPは光導波路出射端13に対
するC1 〜C4 部の面積の比を利用して次式で求められ
る。ただし、出力用光ファイバ13のコア半径は図3
(a)のaではなくφf とする。φf は0<φf ≦aで
ある。
【数1】 ROP=−10・log(1−(C1 +C2 +C3 +C4 )/(2a・2b)) …(1)
【数2】 C1 =C2 =C3 =C4 =ab−φf 2 ・θA /2−(b・φf /2)・ sin(π/2−θA ) …(2)
【数3】 θA =π/2−cos-1(b/φf ) …(3) 式(1)はオーバーラップ損失をdBで表した式であ
り、2a・2bは光導波路出射端13の面積であり、
(C1 +C2 +C3 +C4 )はC1 〜C4 部の面積の和
である。C1 〜C4 部の面積は式(2)で表しており、
図3(a)の一部を拡大した図3(b)より考えること
ができる。式(2)の第1項は光導波路出射端13の面
積の4分の1であり、第2項は図3(b)のA部の面積
であり、第3項は図3(b)のB部の面積であり、θA
を図3(b)のように定義すると求められる。
【0015】次に、モード変換損失RMOを求める。図4
にテーパ角度αの光導波路中を伝送する光線の様子を上
方から見た様子を示す。光導波路のコア領域は座標
(0,a)−(L,b)−(L,−b)−(0,−a)
で囲まれた部分である。ある光線が入射点(0,Y0
からコア中に伝搬角度θ0 で入射した場合、光線はコア
側面で全反射しながら光導波路出射端13に向かって伝
送する。
【0016】図4の(X1 ,Y1 )で1回反射後の伝搬
角θ1 は反射面への入射角が伝搬角にテーパ角を加えた
角度になり、反射後の伝搬角は反射面での反射角にテー
パ角を加えた角度になるので次式で求められる。
【数4】 |θ1 |=|θ0 |+2α …(4) N回反射後の伝搬角θN は反射するコア側面が交互に入
れ代わるので次式で求められる。
【数5】 θN =(−1)N (|θ0 |+2αN) …(5) 従って、伝搬角がテーパ光導波路の臨界角θCWを越えな
い反射可能回数は次式となる。
【数6】 Nmax =INT((θCW−θ0 )/2α) …(6) ここで、INTは括弧内の演算結果の小数点以下を切り
捨てて整数化を行う演算子である。また、臨界角θ
CWは、テーパ光導波路のコアの屈折率をn1W、クラッド
の屈折率をn2Wとすると全反射におけるスネルの法則よ
り次式のように定義できる。
【数7】 θCW=cos-1(n2W/n1W) …(7)
【0017】光導波路出射端13に向かう光線があるコ
ア側面で反射しその次のコア側面で反射するまでにX方
向に光線が伝搬する距離、即ち、各反射点と次の反射点
までのX方向の伝搬距離を次式
【数8】L01=X1 −X0 =X112=X2 −X1 … LNmax-1,Nmax =XNmax−XNmax-1 …(8) とすると、N max +1回反射するまでに光導波路出射端
13に向かう光線のX方向の伝送距離Lprop(N max
1)は次式で表される。Lprop(n)はn回反射するま
での光線のX方向の伝送距離を表す。
【数9】 上記の式は、j−1回目の反射点のテーパ光導波路の幅
とj回目の反射点のテーパ光導波路の幅の関係を考える
と求めることができる。つまり、j−1回目の反射点で
のテーパ光導波路の幅をZj-1 とすると次式の関係が得
られる。
【数10】 また、j−1回目の反射点からj回目の反射点までのX
方向の伝搬距離とj−1回目の反射点のテーパ光導波路
の幅の関係が次式で表される。
【数11】 Li-1,i tan|θi-1 |=Zj-1 −Li-1,i tanα …(11) 上記の式からLi-1,i を求めると、式(9)の第2項か
ら最終項が求められる。第1項は、0回目の反射点を入
射端とするとZ0 は、
【数12】 Z0 =a−Y0 …(12) と表すことができるので、式(12)のZ0 を式(1
1)に代入してL01を求めると式(9)の全ての項を求
めることができる。
【0018】導波路内に入射した光線が、その入射位
置、入射角度によって決まる反射回数だけ側面で反射し
てもテーパ光導波路より放射することなく出射端まで伝
送が可能であるか否かの判断は次式で行える。
【数13】 Lprop(n)≧L …(13) ただし、n≦N max +1 つまり、入射した光が導波路の臨界角を越える前に出射
端13に達すればテーパ光導波路より放射することなく
出射端まで伝送が可能である。式(13)の左辺である
式(9)の値は入射位置と入射角度(入射位置での伝搬
角度)により決定されるのであり、入射位置と入射角度
がわかればその光が導波路の出射端に達するか否かがわ
かる。
【0019】導波路内での全反射によるモード変換損失
MOは次式で表される。
【数14】 …(14) ここで、M(θ)は導波路に入射する光線のモード分布
であり、Γは次式で定義されるステップ関数である。
【数15】 Γ(z)=1 ただし、z≧0 Γ(z)=0 ただし、z<0 …(15) 式(14)の分母は、テーパ光導波路へ入射する全光量
であり、分子はテーパ光導波路の出射端から出射する光
量、即ち、テーパ光導波路にて放射することなく出射端
まで伝送された光の光量に対応している。
【0020】また、テーパ光導波路のNAは光ファイバ
のNA以上であることを仮定しているので、導波路内で
は導波可能であっても光ファイバと結合した後、光ファ
イバ内では放射モードになる場合がある。NA不整合損
失RNAは式(14)と同様に次式で表される。
【数16】 …(16) ただし、θ' は出力用光ファイバに入力した光線の光フ
ァイバ内での伝搬角である。θ' は次のようにして求め
ることができる。入射位置と入射角度が与えられたと
き、式(9)で示す経路をたどって伝送する光線のうち
式(13)を満たす最小のnをNmin +1とし、Nmin
回反射後の光導波路内での伝搬角をθNminとする。伝搬
角θNminで出射した光線が出力用光ファイバに入力した
ときの光ファイバ内での伝搬角がθ' である。また、θ
Cfは出力用光ファイバ3の伝搬角の臨界角で次式で定義
される。
【数17】 θCf=cos-1(n2f/n1f) …(17)
【0021】以上に示した計算式に実際の数値を代入し
て計算を行う。光ファイバは入力用光ファイバ2、出力
用光ファイバ3ともに同じパラメータを持ち、コア半径
φf=50μm、コア、クラッドの屈折率をそれぞれn
1f=1.460、n2f=1.432とする。また、テー
パ型光導波路の入射端の寸法を幅2b=100μm、高
さ2a=100μmとし、コアとそれを取り巻くクラッ
ドの屈折率をそれぞれn1W=1.492、n2W=1.4
05とする。また、開口数NAは光ファイバ2及び3よ
りテーパ光導波路1の方が大きいと仮定する。入力用光
ファイバ3とテーパ光導波路1の入射端の中心軸は合っ
ており、NAはテーパ光導波路1の方が大きいので、こ
こでのオーバーラップ損失およびNA不整合損失はな
い。
【0022】モード変換損失RMOを式(14)にて、N
A不整合損失RNAを式(16)にてテーパ光導波路1の
長さLをパラメータとしてRMOとRMO+RNAの導波路出
射端幅b依存性を計算し、図5、6、7に示す。ここ
で、入射するモード分布M(θ)は次式で定義した。
【数18】 M(θ)=1−(|θ|/θCf) ただし、θ≦θCf …(18) M(θ)は光ファイバ中を伝送する光線の定常モード分
布の近似である。
【0023】図5、6、7の結果よりテーパ光導波路1
の長さLにモード変換損失RMO、NA不整合損失RNA
もに依存性がほとんどないことがわかる。つまり、テー
パ角度に関係なくテーパ型光導波路の出射端幅が決まれ
ば、定常モード分布入射の場合は損失が決定することに
なる。
【0024】次にモード変換損失RMOを式(14)に
て、NA不整合損失RNAを式(16)にてコア屈折率依
存性を計算し、図8、9に示す。この結果より、コア屈
折率が大きいほど光線閉じ込め効果が強く、モード変換
損失RMOが小さくなることがわかる。しかし、NA不整
合損失RNAを考慮するとコア屈折率依存性がない。
【0025】次に、テーパ光導波路1の出射端13と出
力用光ファイバ3の入射端31のオーバーラップ損失R
OPを式(1)にて計算し、モード変換損失RMO、NA不
整合損失RNAと合わせて図10に示した。この結果、導
波路出射端幅bに対してROPとRMO+RNAはトレードオ
フ関係にあり、その和ROP+RMO+RNAは最小値を持
つ。そして、テーパ光導波路の入射端幅と出射端幅の比
がb/a=0.8のとき最小値をとり、低損失の目安と
なる接続損失1dB以内となるテーパ光導波路の入射端
幅と出射端幅の比b/aの範囲は0.62<b/a<
0.98となる。
【0026】よって、テーパ光導波路の入出射端に光フ
ァイバを接続したとき、ただし、入力用光ファイバと出
力用光ファイバの特性は同じとする、テーパ光導波路の
入射端幅と出射端幅の比b/aの範囲を0.62<b/
a<0.98とすれば、テーパ光導波路のNAが光ファ
イバのNAより大きければ、光導波路途中にさまざまな
導波路パターンを施しても、入力用光ファイバ2からテ
ーパ型光導波路1に結合した光線が出力用光ファイバ3
に結合するまでの損失が小さい光ファイバ間挿入用の光
導波路が得られる。
【0027】上記の計算例において光ファイバのコアお
よびクラッドの屈折率が変化すると光ファイバ内の伝搬
角の臨界角、即ち式(17)の値が変化する。式(1
7)の値は式(16)に組み込まれているので、式(1
6)の値、即ちNA不整合損失RNAが光導波路の幅に関
係なく一定値増減する。よって、損失の和ROP+RMO
NAの最小値になる入射端幅と出射端幅の比b/aの値
がずれることになる。つまり、接続する光ファイバのコ
アとクラッドの屈折率が異なる毎に上記の計算方法、即
ち、請求項1の設計方法を繰り返すことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】入出射端に光ファイバを接続したテーパ型光導
波路の上面図
【図2】テーパ型光導波路入射端と入力用光ファイバの
接続面の断面図
【図3】テーパ型光導波路出射端と出力用光ファイバの
接続面の断面図
【図4】テーパ型光導波路中を伝送する光線と座標系を
示した平面図
【図5】テーパ光導波路の長さLを12.5mmとした
ときのモード変換損失RMO、NA不整合損失RNAの導波
路出射端幅b依存性を示した特性図
【図6】テーパ光導波路の長さLを25.0mmとした
ときのモード変換損失RMO、NA不整合損失RNAの導波
路出射端幅b依存性を示した特性図
【図7】テーパ光導波路の長さLを50.0mmとした
ときのモード変換損失RMO、NA不整合損失RNAの導波
路出射端幅b依存性を示した特性図
【図8】導波路のコア屈折率n1Wを1.450としたと
きのモード変換損失RMO、NA不整合損失RNAの導波路
出射端幅b依存性を示した特性図
【図9】導波路のコア屈折率n1Wを1.492としたと
きのモード変換損失RMO、NA不整合損失RNAの導波路
出射端幅b依存性を示した特性図
【図10】オーバーラップ損失ROP、モード変換損失R
MO、NA不整合損失RNAの導波路出射端幅b依存性を示
した特性図
【符号の説明】
1…テーパ型光導波路 2…入力用光ファイバ 3…出力用光ファイバ 4…基板 6…アンダークラッド 12…テーパ型光導波路1の入射端(テーパ型光導波路
1のコア) 13…テーパ型光導波路1の出射端(テーパ型光導波路
1のコア) 21…入力用光ファイバ2のコア 22…入力用光ファイバ2のクラッド 31…出力用光ファイバ3のコア 32…出力用光ファイバ3のクラッド 52…テーパ光導波路1の入射側接続面 53…テーパ光導波路1の出射側接続面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が概略矩形で入射端の断面の幅
    が2a、高さが2a、出射端の断面の幅が2b、高さが
    2a、ただしb<a、となるテーパ型の多モード光導波
    路と、コア半径がa以下で開口数が前記テーパ光導波路
    より小さい光ファイバを前記テーパ光導波路の入出射端
    に結合する場合、 前記出射端の断面の幅2bと前記入射端の断面の幅2a
    の比率b/aが大きくなると増加するオーバーラップ損
    失と、 前記比率b/aが大きくなると減少するモード変換損失
    およびNA不整合損失とを求め、 前記オーバーラップ損失と前記モード変換損失および前
    記NA不整合損失との和が所定損失より小さくなる前記
    比率b/aの範囲を求める前記テーパ光導波路の設計方
    法。
  2. 【請求項2】 断面形状が概略矩形で入射端の断面の幅
    が2a、高さが2a、出射端の断面の幅が2b、高さが
    2a、ただしb<a、となるテーパ型の多モード光導波
    路と、コア半径がa以下で開口数が前記テーパ光導波路
    より小さい光ファイバを前記テーパ光導波路の入出射端
    に結合する場合、前記入射端の断面の幅2aと前記出射
    端の断面の幅2bの比率b/aの範囲を0.62<b/
    a<0.98としたことを特徴とする前記テーパ光導波
    路。
JP8241367A 1996-08-23 1996-08-23 テーパ光導波路及びその設計方法 Pending JPH1062643A (ja)

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