JPH09184937A - 導波路素子 - Google Patents

導波路素子

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JPH09184937A
JPH09184937A JP8000369A JP36996A JPH09184937A JP H09184937 A JPH09184937 A JP H09184937A JP 8000369 A JP8000369 A JP 8000369A JP 36996 A JP36996 A JP 36996A JP H09184937 A JPH09184937 A JP H09184937A
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waveguide
light
optical
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JP8000369A
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Inventor
Masayuki Izutsu
雅之 井筒
Atsushi Shimonaka
淳 下中
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝搬光の伝搬モードの崩れを抑えつつ、しか
も小型化を図る上での弊害を招くことなく、伝搬光を効
率よく分岐することができる導波路素子100aを得
る。 【解決手段】 光導波路を、光吸収のない光導波層11
0aと、これを囲む金属からなる光ガイド層110bと
からなる構造とし、該光導波路を、入射導波路部111
の一端と出射導波路部112の中間部分とが重なったT
字型導波路部101を有し、該T字型導波路部101で
は、入射導波路部111の入射端から該重なり部110
cに向けて伝搬する光が重なり部110cにて分岐さ
れ、該分岐された光が出射導波路部112の両端側に向
けて伝搬するよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導波路素子に関し、
特に光通信や光情報処理等に利用される光導波路素子に
おける、伝搬光を分岐する分岐部の構造、及び伝搬光の
伝搬方向を変向する光変向部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来の全反射型の光導波路におけ
る光の伝搬原理について簡単に説明する。
【0003】図7は従来の全反射型の光導波路の構成を
模式的に示す図であり、図7(a)は光導波層の幅が広
いもの、図7(b)は光導波層の幅が狭いものを示して
いる。
【0004】図において、201は、幅W1の広い光導
波層201aを有する全反射型の光導波路であり、該光
導波層201aが、これに比べて屈折率の小さい光ガイ
ド層201bにより取り囲まれた構造となっている。ま
た、202は、幅W2の狭い光導波層202aを有する
全反射型の光導波路であり、該光導波層202aが、こ
れに比べて屈折率の小さい光ガイド層202bにより取
り囲まれた構造となっている。
【0005】上記のような全反射型の光導波路201,
202では、図7に示すように、伝搬光Lは、光導波層
と光ガイド層との界面で反射して光導波層中を伝搬す
る。
【0006】ところで、このような全反射型の光導波路
では、光導波層と光ガイド層との屈折率差と、光導波層
の幅との間には一定の関係があり、該屈折率差により決
まる伝搬角は、光導波層の幅が小さいほど大きくなる。
つまり、光導波層の幅W2が狭い光導波路202を伝搬
する伝搬光Lの伝搬角θ2は、光導波層の幅W1の広い光
導波路201を伝搬する伝搬光Lの伝搬角θ1に比べて
大きい。
【0007】次に、従来の光分岐部を有する全反射型の
光導波路における光分岐の原理について簡単に説明す
る。
【0008】図8は従来の光分岐機能を有する光導波路
の構成を模式的に示す図であり、図8(a)は光導波層
の幅が広いもの、図8(b)は光導波層の幅が狭いもの
を示している。
【0009】図において、210は、従来の光分岐機能
を有する光導波路であり、光が伝搬する光導波層210
aと、該光導波層を取り囲む、該光導波層より屈折率の
小さい光ガイド層210bとから構成されている。この
光導波路210は、光が第1の方向に伝搬する第1の導
波路部211と、光が該第1の方向と直交する第2の方
向に伝搬する第2の導波路部212とからなる、該第1
の導波路部の一端と該第2の導波路部の中間部分とが重
なったT字型導波路部を有している。該T字型導波路部
では、該第1の導波路部211の他端側から該両導波路
部の重なり部分210cに向けて伝搬する光が該重なり
部分210cにて分岐され、該分岐された光が該第2の
導波路部212の両端側に向けて伝搬するよう構成され
ている。
【0010】また、220は光分岐機能を有する光導波
路で、上記光導波路210における光導波層210aに
比べて幅の狭い光導波層220aを有しており、その他
の構成は上記光導波路210と同一である。
【0011】このようにT型光導波路部を有する光導波
路では、光導波層の幅を狭くすることにより、伝搬光の
伝搬角(θ1<θ2)が大きくなり、T型光導波路部での
光分岐を効率よく行うことができるようになる。例え
ば、信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE. OPE94-73
(1994-10) p.43〜p.48(以下、先行技術文献1とい
う。)には、このように光導波層(光導波部分)を0.
104μmと非常に狭くしたT字型ビームスプリッタが
開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、光導波部分
(光導波層)の幅を狭くした光導波路では、これに光を
導入するときの効率が極端に低下することとなり、ま
た、光導波部分の狭い光導波路はその作製が簡単ではな
く、つまり作製プロセス上での問題があり、実用的なも
のではない。
【0013】そうであるからといって、光導波部分の幅
を広げた場合は、上述したように伝搬光の伝搬角が小さ
くなり、分岐部での反射の増大により光分岐効率が低下
する。
【0014】例えば、上記先行技術文献1には、図9
(a)に示すように、第1の光導波部231と第2の光
導波部232とからなるT字型光導波路部を有する光導
波路230において、第1及び第2の光導波部の重なり
部233にノッチ部234を設け、光の分岐効率を高め
たものがある。
【0015】このノッチ部234を設けた光導波路23
0では、光導波部分の幅が十分せまいため、伝搬光の分
岐効率はよいが、この場合も、上述したようにこの光導
波路への光の導入効率は低く、またその作製が簡単では
ないという問題がある。
【0016】また、ノッチ部を用いずに分岐効率を高め
る構造として、光分岐部としてT字型光導波路部を用い
るのではなく、図9(b)に示す光導波路240のよう
に、光分岐部,つまり第1及び第2の光導波部241及
び242の重なり部243を、緩やかな曲率で湾曲した
構造とする構成が考えられる。
【0017】この場合、光分岐部の占める面積が大きく
なり、光導波路の小型化が困難となる。
【0018】ところで、近年、従来からの全反射型の光
導波路とは全く異なる導波原理により光の伝搬を行う2
次元導波路構造が報告されている(谷口昌弘、井筒雅
之、”微小構造を持つ新形式光導波路の低損失化”、電
子情報通信学会秋季全国大会、C−219、220頁、
1994年9月29日)(先行技術文献2)。
【0019】図10は、この文献に開示されている、全
反射型の光導波路の導波原理とは異なる導波原理を採用
した2次元導波路の構造を示している。図中、300は
上記2次元導波路で、対向して配置された2つの光ガイ
ド層302a及び302bと、該両光ガイド層の間に配
置された光導波層301とからなり、光が光導波層30
1と光ガイド層302a,302bとの界面にて減衰し
ながら伝搬するようになっている。ここでは光ガイド層
302a,302bは金属(Au)からなり、光導波層
301はポリイミドから構成されており、中空導波路を
光伝搬用に低損失化した構造となっている。
【0020】この2次元導波路では、光導波層の屈折率
の大きさが光ガイド層の複素屈折率の大きさより小さ
く、両者の屈折率差が大きいため、大きな角度での光の
分岐及び変向が可能であると示唆されているが、上記先
行技術文献2には、このような2次元的導波機構を3次
元的な光導波路に適用した具体的な構成やこのような3
次元的的な光導波路における、光導波層の幅と、光導波
層と光ガイド層の屈折率差との関係は何等開示されてい
ない。
【0021】このようなことから、従来においては、上
記全反射型の光導波路における課題は何等解決されてい
ない。
【0022】つまり、導波路中を伝搬する伝搬光の分岐
効率を高めるとともに、分岐後の伝搬光をシングルモー
ド化するには、光導波層の幅を狭めざるを得えず、光の
光導波層への導入効率の低下、光導波路の作製プロセス
の困難化を招くこととなる。
【0023】また、全反射型の光導波路において、分岐
効率を高めるためにノッチ部を設けると、分岐後の伝搬
光の伝搬モードが崩れることとなり、さらに、全反射型
の光導波路において、光分岐部を緩やかな曲率で湾曲し
た構造とすることにより、分岐後の伝搬光の伝搬モード
を損なうことなく、分岐効率よく伝搬光を分岐しようと
すると、光分岐部の占める面積が大きくなり、光導波路
の小型化が困難となる。
【0024】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、伝搬光の伝搬モードの崩れを抑え
つつ、しかも小型化を図る上での弊害を招くことなく、
伝搬光を効率よく分岐あるいは変向することができる導
波路素子を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、上記本発
明の目的を達成すべく鋭意研究した結果、全反射型の導
波路とは導波原理の異なる導波路、つまり伝搬光が光導
波層と光ガイド層との界面部分にて減衰しながら伝搬す
る機構の導波路(以下、非全反射型の導波路という。)
では、伝搬光の分岐効率や伝搬モードに関連する伝搬角
を規定する屈折率差Δnと光導波層の幅とは、直接的な
結びつきがない点を見い出し、しかも非全反射型の3次
元的な導波路として、光導波層をこれより屈折率の大き
い光ガイド層で囲んだ断面構造のものでは、光導波層の
幅とは関係なく、光ガイド層と光導波層との屈折率差を
設定できることを見いだした。そして本発明は、このよ
うな点に基づいてなされたものである。
【0026】この発明(請求項1)に係る導波路素子
は、光が伝搬する光導波層と、該光導波層を取り囲む光
ガイド層とからなり、該光導波層の屈折率が該光ガイド
層の屈折率より小さい洩れ波導波路構造の光導波路を備
えた導波路素子である。
【0027】該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する
第1の導波路部と、光が該第1の方向と直交する第2の
方向に伝搬する第2の導波路部とからなる、該第1の導
波路部の一端と該第2の導波路部の中間部分とが重なっ
たT字型導波路部を有し、該T字型導波路部では、該第
1の導波路部の他端側から該両導波路部の重なり部分に
向けて伝搬する光が該重なり部分にて分岐され、該分岐
された光が該第2の導波路部の両端側に向けて伝搬する
よう構成されている。そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0028】この発明(請求項2)に係る導波路素子
は、光が伝搬する光吸収のない光導波層と、該光導波層
を取り囲む、金属からなる光ガイド層とから構成された
光導波路を備えた導波路素子である。
【0029】該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する
第1の導波路部と、光が該第1の方向と直交する第2の
方向に伝搬する第2の導波路部とからなる、該第1の導
波路部の一端と該第2の導波路部の中間部分とが重なっ
たT字型導波路部を有し、該T字型導波路部では、該第
1の導波路部の他端側から該両導波路部の重なり部分に
向けて伝搬する光が該重なり部分にて分岐され、該分岐
された光が該第2の導波路部の両端側に向けて伝搬する
よう構成されている。そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0030】この発明(請求項3)に係る導波路素子
は、光が伝搬する光導波層と、該光導波層を取り囲む光
ガイド層とからなり、該光導波層の屈折率が該光ガイド
層の屈折率より小さい洩れ波導波路構造の光導波路を備
えた導波路素子である。
【0031】該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する
第1の導波路部と、光が該第1の方向と直交する第2の
方向に伝搬する第2の導波路部とからなる、該第1の導
波路部の一端部と該第2の導波路部の一端部とが重なっ
たL字型導波路部を有し、該L字型導波路部では、該第
1の導波路部の他端側から該両導波路部の重なり部分に
向けて伝搬する光が、該重なり部分にて変向されて該第
2の導波路部の他端側に向けて伝搬するよう構成されて
いる。そのことにより上記目的が達成される。
【0032】この発明(請求項4)に係る導波路素子
は、光が伝搬する光吸収のない光導波層と、該光導波層
を取り囲む、金属からなる光ガイド層とから構成された
光導波路を備えた導波路素子である。
【0033】該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する
第1の導波路部と、光が該第1の方向と直交する第2の
方向に伝搬する第2の導波路部とからなる、該第1の導
波路部の一端部と該第2の導波路部の一端部とが重なっ
たL字型導波路部を有し、該L字型導波路部では、該第
1の導波路部の他端側から該両導波路部の重なり部分に
向けて伝搬する光が、該重なり部分にて変向されて該第
2の導波路部の他端側に向けて伝搬するよう構成されて
いる。そのことにより上記目的が達成される。
【0034】この発明(請求項5)は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の導波路素子において、前記第2の
導波路部を、これと前記第1の導波路部との重なり部分
及びその近傍部分が、その他の部分より狭い光フィルタ
ー部となっており、該光フィルター部にて、該第1の導
波路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光の高次モ
ード化を抑制する構成としたものである。
【0035】この発明(請求項6)は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の導波路素子において、前記第1の
導波路部と前記第2の導波路部との重なり部分を、その
前記第2の方向に沿った側部に該第2の導波路部内に迫
り出すよう形成された、該重なり部分へ入射する伝搬光
の該第2の導波路部への反射を促進する光反射促進部を
有する構造としたものである。
【0036】この発明(請求項7)は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の導波路素子において、前記第1の
導波路部を、これと前記第2の導波路部との重なり部分
の近傍部分に光戻り防止フィルター部を有し、該光戻り
防止フィルター部では、該第1の導波路部のその他の部
分とは、光伝搬方向と垂直な方向における寸法が異なっ
ており、該光戻り防止フィルター部にて、該第1の導波
路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光が該重なり
部分での反射により該第1の導波路部側に戻るのを抑制
する構成としたものである。
【0037】この発明(請求項8)は、請求項5記載の
導波路素子において、前記光フィルター部では、前記第
2の導波路部での光伝搬方向と垂直な平面内での所定方
向の寸法を、前記光導波路を伝搬する光の波長以下とし
たものである。
【0038】この発明(請求項9)は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の導波路素子において、前記光導波
層及び光ガイド層を、半導体材料からなる基板上に形成
したものである。
【0039】この発明(請求項10)は、請求項5記載
の導波路素子において、前記光導波層及び光ガイド層
を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光フィル
ター部を、前記第2の導波路部での光の伝搬方向と平行
でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成したものであ
る。
【0040】この発明(請求項11)は、請求項6記載
の導波路素子において、前記光導波層及び光ガイド層
を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光反射促
進部を、前記第2の導波路部での光の伝搬方向と平行で
かつ該基板の表面に垂直な平面上に形成したものであ
る。
【0041】この発明(請求項12)は、請求項7記載
の導波路素子において、前記光導波層及び光ガイド層
を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光戻り防
止フィルター部を、前記第1の導波路部での光の伝搬方
向と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成した
ものである。
【0042】この発明(請求項13)は、請求項1また
は2記載の導波路素子において、前記第1及び第2の導
波路部の重なり部分を、該第1の導波路部を伝搬する光
を、該第2の導波路部の両端側へ分岐する光分岐部と
し、該光分岐部には、ここに入射する伝搬光の第2の導
波路部への反射を促進する光反射促進部を設け、該光反
射促進部を、該第2の導波路部での光の伝搬方向におけ
る寸法が該伝搬光の波長の0.3〜1.0倍となり、該
第1の導波路部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬
光の波長の0.15〜0.55倍となるよう構成したも
のである。
【0043】この発明(請求項14)は、請求項3また
は4記載の導波路素子において、前記第1及び第2の導
波路部の重なり部分を、該第1の導波路部を伝搬する光
の伝搬方向を、該第2の導波路部における光の伝搬方向
に変向する光変向部とし、該光変向部には、ここに入射
する伝搬光の第2の導波路部への反射を促進する光反射
促進部を設け、該光反射促進部を、該第2の導波路部で
の光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の0.8
〜1.05倍となり、該第1の導波路部での光の伝搬方
向における寸法が該伝搬光の波長の0.85〜1.05
倍となるよう構成したものである。
【0044】この発明(請求項15)は、請求項1また
は2記載の導波路素子において、前記第1及び第2の導
波路部の重なり部分を、該第1の導波路部を伝搬する光
を該第2の導波路部の両端側へ分岐する光分岐部とし、
該光分岐部には、該第1の導波路部から該第2の導波路
部へ伝搬する伝搬光が該重なり部分での反射により該第
1の導波路部側に戻るのを抑制する光戻り防止フィルタ
ー部を設け、該光戻り防止フィルター部を、該第1の導
波路部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長
の1.05〜1.45倍となり、該第2の導波路部での
光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の0.4〜
0.7倍となるよう構成したものである。
【0045】この発明(請求項16)は、請求項3また
は4記載の導波路素子において、前記第1及び第2の導
波路部の重なり部分を、該第1の導波路部を伝搬する光
の伝搬方向を該第2の導波路部における光の伝搬方向に
変向する光変向部とし、該光変向部には、該第1の導波
路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光が該重なり
部分での反射により該第1の導波路部側に戻るのを抑制
する光戻り防止フィルター部を設け、該光戻り防止フィ
ルター部を、該第1の導波路部での光の伝搬方向におけ
る寸法が該伝搬光の波長の1.35〜2.2倍となり、
該第2の導波路部での光の伝搬方向における寸法が該伝
搬光の波長の0.3〜0.5倍となるよう構成したもの
である。
【0046】以下、本発明の作用について説明する。
【0047】この発明(請求項1)においては、光導波
路を構成する光が伝搬する光導波層の屈折率を、該光導
波層を取り囲む光ガイド層の屈折率より小さくしたか
ら、伝搬光の伝搬角を規定する、光導波層と光ガイド層
の屈折率差を、光導波層の幅とは独立して設定可能な3
次元の洩れ波導波構造の光導波路を実現できる。
【0048】また、該光導波路は、光が第1の方向に伝
搬する第1の導波路部と、光が該第1の方向と直交する
第2の方向に伝搬する第2の導波路部とからなり、該第
1の導波路部の一端と該第2の導波路部の中間部分とが
重なったT字型導波路部を有しているので、伝搬光の分
岐を該T字型導波路部にて効率よく、しかも分岐後の伝
搬光の伝搬モードの崩れを抑えつつ行うことができる。
また、この場合、分岐効率の低下や伝搬モードの崩れ抑
制のために、光導波層の幅を狭める必要はなく、このた
め光導入効率の低下を招いたり、光導波路の作製プロセ
スが困難となることはない。
【0049】つまり、この洩れ波導波構造の光導波路で
は、光導波路と光ガイド層の屈折率差を、光導波層の幅
の制約を受けずに設定可能であるため、上記屈折率差を
伝搬光の伝搬角が大きくなるよう設定することにより、
上記T字型導波路部での光の分岐を効率良く行うことが
できるとともに、分岐後の伝搬光の伝搬モードの崩れを
抑えることができ、しかもこの際、光導波層の幅を、光
導波路の製造プロセスや光導入効率を考慮した最適な値
に設定することができる。
【0050】この発明(請求項2)においては、光導波
路を、光吸収のない光導波層と、これを囲む金属からな
る光ガイド層とからなる構造としたので、伝搬光の伝搬
角を規定する、光導波層と光ガイド層の屈折率差を、光
導波層の幅とは独立して設定可能な非全反射型導波構造
の3次元的な光導波路を実現できる。
【0051】また、上述した洩れ波導波構造の光導波路
と同様、該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する第1
の導波路部と、光が該第1の方向と直交する第2の方向
に伝搬する第2の導波路部とからなり、該第1の導波路
部の一端と該第2の導波路部の中間部分とが重なったT
字型導波路部を有しているので、伝搬光の分岐を該T字
型導波路部にて効率よく、しかも分岐後の伝搬光の伝搬
モードの崩れを抑えつつ行うことができ、しかもこの
際、分岐効率の低下や伝搬モードの崩れ抑制のために、
光導波層の幅を狭める必要はなく、このため光導入効率
の低下を招いたり、光導波路の作製プロセスが困難とな
ることはない。
【0052】この発明(請求項3)においては、光導波
路を構成する光が伝搬する光導波層の屈折率を、該光導
波層を取り囲む光ガイド層の屈折率より小さくしたの
で、伝搬光の伝搬角を規定する、光導波層と光ガイド層
の屈折率差を、光導波層の幅とは独立して設定可能な洩
れ波導波構造の3次元的な光導波路を実現できる。
【0053】また、該光導波路は、光が第1の方向に伝
搬する第1の導波路部と、光が該第1の方向と直交する
第2の方向に伝搬する第2の導波路部とからなる、該第
1の導波路部の一端部と該第2の導波路部の一端部とが
重なったL字型導波路部を有しているので、伝搬光の変
向を該L字型導波路部にて効率よく、しかも変向後の伝
搬光の伝搬モードの崩れを抑えつつ行うことができる。
また、この場合、変向効率の低下や伝搬モードの崩れ抑
制のために、光導波層の幅を狭める必要はなく、このた
め光導入効率の低下を招いたり、光導波路の作製プロセ
スが困難となることはない。
【0054】つまり、この洩れ波導波構造の光導波路で
は、光導波路と光ガイド層の屈折率差を、光導波層の幅
の制約を受けずに設定可能であるため、上記屈折率差を
伝搬光の伝搬角が大きくなるよう設定することにより、
上記L字型導波路部での光の変向を効率良く行うことが
できるとともに、変向後の伝搬光の伝搬モードの崩れを
抑えることができ、しかもこの際、光導波層の幅を、光
導波路の製造プロセスや光導入効率を考慮した最適な値
に設定することができる。この発明(請求項4)に係る
導波路素子は、光導波路を、光吸収のない光導波層と、
これを囲む金属からなる光ガイド層とからなる構造とし
たので、伝搬光の伝搬角を規定する、光導波層と光ガイ
ド層の屈折率差を、光導波層の幅とは独立して設定可能
な非全反射型導波構造の3次元的な光導波路を実現でき
る。
【0055】また、請求項3と同様、該光導波路は、L
字型導波路部を有しているので、伝搬光の変向を該L字
型導波路部にて効率よく、しかも変向後の伝搬光の伝搬
モードの崩れを抑えつつ行うことができ、しかもこの
際、変向効率の低下や伝搬モードの崩れ抑制のために、
光導波層の幅を狭める必要はなく、このため光導入効率
の低下を招いたり、光導波路の作製プロセスが困難とな
ることはない。
【0056】この発明(請求項5)においては、請求項
1ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、光
フィルター部を設け、該光フィルター部にて、該第1の
導波路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光の高次
モード化を抑制する構成としたので、伝搬光の分岐ある
いは変向後の伝搬光の導波効率を向上できる。
【0057】この発明(請求項6)においては、請求項
1ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、前
記第1の導波路部と前記第2の導波路部との重なり部分
を、該重なり部分へ入射する伝搬光の第2の導波路部へ
の反射を促進する光反射促進部を有する構造としたの
で、伝搬光の分岐効率あるいは変向効率を向上すること
ができる。
【0058】この発明(請求項7)においては、請求項
1ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、前
記第1の導波路部を、光戻り防止フィルター部を含み、
該光戻り防止フィルター部にて、該第1の導波路部から
該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光が該両導波路部の重
なり部分での反射により該第1の導波路部側に戻るのを
抑制する構成としたので、伝搬光の分岐効率あるいは変
向効率を向上することができる。
【0059】この発明(請求項8)においては、請求項
5記載の導波路素子において、前記光フィルター部で
は、前記第2の導波路部での光伝搬方向と垂直な平面内
での所定方向の寸法を、前記光導波路を伝搬する光の波
長以下としたので、簡単な構造により分岐あるいは変向
後の伝搬光の伝搬モードの崩れを抑制するフィルターを
実現できる。
【0060】この発明(請求項9)においては、請求項
1ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、前
記光導波層及び光ガイド層を、半導体材料からなる基板
上に形成したので、半導体製造プロセスにて、上記光分
岐あるいは光変向機能を有する導波路素子を作製可能と
なる。
【0061】この発明(請求項10)においては、請求
項5記載の導波路素子において、前記光導波層及び光ガ
イド層を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光
フィルター部を、前記第2の導波路部での光の伝搬方向
と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成してい
るので、半導体製造プロセスにて導波路素子を作製する
場合、基板材料の面方位に依存した選択エッチングによ
り光フィルター部を簡単に形成できる。
【0062】この発明(請求項11)においては、請求
項6記載の導波路素子において、前記光導波層及び光ガ
イド層を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光
反射促進部を、前記第2の導波路部での光の伝搬方向と
平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成している
ので、半導体製造プロセスにて導波路素子を作製する場
合、基板材料の面方位に依存した選択エッチングにより
光反射促進部を簡単に形成できる。
【0063】この発明(請求項12)においては、請求
項7記載の導波路素子において、前記光導波層及び光ガ
イド層を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光
戻り防止フィルター部を、前記第1の導波路部での光の
伝搬方向と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形
成したので、半導体製造プロセスにて導波路素子を作製
する場合、基板材料の面方位に依存した選択エッチング
により光戻り防止フィルター部を簡単に形成できる。
【0064】この発明(請求項13)においては、請求
項1または2記載の導波路素子において、前記第1及び
第2の導波路部の重なり部分である光分岐部には、ここ
に入射する伝搬光の第2の導波路部への反射を促進する
光反射促進部を設け、該光反射促進部を、該第2の導波
路部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の
0.3〜1.0倍となり、該第1の導波路部での光の伝
搬方向における寸法が該伝搬光の波長の0.15〜0.
55倍となるよう構成したので、光反射促進部での伝搬
光の第2の導波路部側への反射効率を、最大値の90%
以上とできる。
【0065】この発明(請求項14)においては、請求
項3または4記載の導波路素子において、前記第1及び
第2の導波路部の重なり部分である光変向部には、ここ
に入射する伝搬光の第2の導波路部への反射を促進する
光反射促進部を設け、該光反射促進部を、該第2の導波
路部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の
0.8〜1.05倍となり、該第1の導波路部での光の
伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の0.85〜
1.05倍となるよう構成したので、光反射促進部での
伝搬光の第2の導波路部側への反射効率を、最大値の9
0%以上とできる。
【0066】この発明(請求項15)においては、請求
項1または2記載の導波路素子において、前記第1及び
第2の導波路部の重なり部分である光分岐部には、該第
1の導波路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光が
該重なり部分での反射により該第1の導波路部側に戻る
のを抑制する光戻り防止フィルター部を設け、該光戻り
防止フィルター部を、該第1の導波路部での光の伝搬方
向における寸法が該伝搬光の波長の1.05〜1.45
倍となり、該第2の導波路部での光の伝搬方向における
寸法が該伝搬光の波長の0.4〜0.7倍となるよう構
成したので、伝搬光の第2の導波路部側への反射効率
を、最大値の90%以上とできる。
【0067】この発明(請求項16)においては、請求
項3または4記載の導波路素子において、前記第1及び
第2の導波路部の重なり部分である光変向部には、該第
1の導波路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬光が
該重なり部分での反射により該第1の導波路部側に戻る
のを抑制する光戻り防止フィルター部を設け、該光戻り
防止フィルター部を、該第1の導波路部での光の伝搬方
向における寸法が該伝搬光の波長の1.35〜2.2倍
となり、該第2の導波路部での光の伝搬方向における寸
法が該伝搬光の波長の0.3〜0.5倍となるよう構成
したもので、変向後の伝搬光のパワーを、変向前の伝搬
光のパワーの90%以上とすることが可能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本発明の実施形態1による導波路
素子を説明するための図であり、図1(a)はその全体
構造を示す斜視図、図1(b)は図1(a)のIb−I
b線部分の水平断面図、図1(c)及び図1(d)はそ
れぞれ該導波路素子の製造方法を説明するための斜視図
である。
【0069】図において、100aは、内部にT字型導
波路部101が形成された、本実施形態1の非全反射型
の導波路素子である。この導波路素子100aの下側G
aAs基板101aの表面には平面T字型の溝102が
形成されており、該基板表面及び該溝内面を被覆するよ
うAu膜103が形成されている。また、該導波路素子
100aの上側GaAs基板104の裏面はAu膜10
5により被覆されている。そして、上記導波路素子10
0aは、上記上側GaAs基板104及び下側GaAs
基板101aの、Au膜が形成されている面を半田によ
り貼り合わせた構造となっている。
【0070】ここで、上記T字型導波路部101は、空
気からなる光導波層110aを、上記Au膜103及び
105の一部からなる光ガイド層110bで囲んでなる
中空導波路構造となっており、入射光が第1の方向に伝
搬する入射導波路部(第1の導波路部)111と、光が
該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬する出射導波
路部(第2の導波路部)112とから構成されている。
また、該入射導波路部111の出射側端部と該出射導波
路部112の中間部分とが重なっており、該T字型導波
路部101では、該入射導波路部の入射側端から該両導
波路部の重なり部分110cに向けて伝搬する光Lが該
重なり部分110cにて分岐され、該分岐された光が該
出射導波路部112の両端側112a,112bに向け
て伝搬するよう構成されている。
【0071】ここで、上記各導波路部111及び112
の基板深さ方向の寸法、及び基板表面と平行な方向(た
だし光の伝搬方向と垂直な方向)の寸法は、それぞれ約
1.6μm、光ガイド層110bの厚さは約100nm
となっている。この光ガイド層110bの厚さは伝搬光
の電界分布が光ガイド層を越えて外部にしみださない程
度でよく、具体的には、約50から100nmの厚さが
あれば十分である。
【0072】次に製造方法について説明する。
【0073】まず、図1(c)に示すように、GaAs
基板101a上に、通常半導体プロセスで用いられるフ
ォトレジストを塗布してレジスト膜を形成し、該レジス
ト膜を、上記T字型導波路部101に対応した幅1.6
μmのT字型の開口が形成されるようパターニングす
る。また、このパターニング処理は、完成された導波路
素子における各導波路部が<110>面の方向及び<0
01>面の方向のいずれかに沿ったものとなるよう行
う。
【0074】続いて、上記パターニングしたレジスト膜
をマスクとして、塩素ガスを用いたRIBE(リアクテ
ィブイオンビームエッチング)法により上記GaAs基
板101aのエッチング処理を行って、該基板表面に深
さ及び幅が約1.6μmである溝102を形成する。
【0075】次に、上記レジスト膜を除去した後、真空
蒸着法により上記GaAs基板101aの表面にAuを
蒸着して、該基板表面及び上記溝内面を覆う、厚さ10
0nm程度のAu膜103を形成する。
【0076】一方、図1(d)に示すように、上記Ga
As基板101aとは別のGaAs基板104b上に、
上記と同様にしてAuを蒸着して、厚さ100nmのA
u膜105を形成する。
【0077】そして、上記GaAs基板101a上に、
上記GaAs基板104bを両基板表面のAu膜103
及び105が対向するよう重合わせ、両Au膜の接触部
分をAuSn半田材により半田付けし、最後に上記両基
板を劈開法によりチップ状に分割して、図1(a)に示
す導波路素子100aを得る。
【0078】次に作用効果について説明する。
【0079】このような構成の導波路素子100aで
は、T字型導波路部101は、光導波層110aが空
気、光ガイド層110bがAuからなる金属クラッド導
波路構造となっているため、全反射型の導波路とは異な
り、伝搬光が外部に電力を放射しながら進むこととな
る。
【0080】このような非全反射型の導波路構造では、
光導波路と光ガイド層の屈折率差を、光導波層の幅の制
約を受けずに設定可能であるため、上記屈折率差を伝搬
光の伝搬角が大きくなるよう設定することにより、上記
T字型導波路部101での光の分岐を効率良く行うこと
ができるとともに、分岐後の伝搬光の伝搬モードの崩れ
を抑えることができる。しかもこの際、光導波層の幅を
狭くする必要がなく、このため、導波路素子への光の導
入効率を低下させたり、その製造が難しくなったりする
のを回避できる。
【0081】また、このような非全反射型の導波路で
は、光ガイド層としてAu膜を用いた場合、GaAs材
料を光ガイド層に用いた場合に比べて低損失であること
が示されており(谷口昌弘、井筒雅之:電子情報通信学
会春季全国大会No.4 261頁:1994年3月2
6日)、非全反射型の導波路における伝搬効率の向上に
有効となっている。
【0082】また、このように金属クラッドを用いた場
合、例えば、光導波層の幅が1.6μm、伝搬波長が
0.8μmである時、TE0モードに対する伝搬損失は
2dB/100μm程度となり、本発明を100μm角
程度の大きさの導波路素子に適用することは十分に可能
である。
【0083】さらに、本導波路素子100aにTE0
ードの光を入射した時、分岐部直後の出力光 (1)及
び出力光(2)のそれぞれのパワーとしては、光分岐部
直前での入射光パワーの約37%が観測された。従って
出力光パワーの合計は、入射光パワーの74%となって
いることになる。この場合、入射光パワーの残りの26
%を入射導波路への反射や導波路外部への放射によりロ
スしたこととなる。
【0084】ただし、この実施形態1の導波路素子10
0aでは、その出力電界,つまり分岐後の伝搬光の伝搬
モードはいずれも高次モードを含む結果となった。
【0085】このように本実施形態1では、光分岐後の
伝搬光は若干マルチモード化したものとなるが、小型で
高効率な光分岐導波路素子を得ることができた。
【0086】(実施形態2)図2は本発明の実施形態2
による導波路素子を説明するための図であり、図2
(a)はその全体構造を示す斜視図、図2(b)は図2
(a)のIIb−IIb線部分の水平断面図、図2
(c)は該導波路素子の製造方法を説明するための斜視
図である。
【0087】図において、100bは、内部にT字型導
波路部120が形成された、本実施形態2の非全反射型
の導波路素子である。この導波路素子100bのGaA
s基板101bの表面上には、平面略T字型の溝102
bが形成されるよう、選択的にAl0.7Ga0.3As層1
06が形成されている。また上記AlGaAs層106
の表面及び上記溝102bの内面は、Au膜103によ
り覆われており、上記AlGaAs層106の溝102
b内にはポリイミド層108が埋め込まれている。
【0088】そして、該Au膜103及びポリイミド層
108の表面は、Au膜105により被覆されており、
さらに該Au膜105の表面には、保護膜109が形成
されている。
【0089】ここで、上記T字型導波路部120は、上
記ポリイミド層からなる光導波層120aを、上記Au
膜103及び105の一部からなる光ガイド層120b
で囲んでなる導波路構造となっており、入射光が第1の
方向に伝搬する入射導波路部(第1の導波路部)121
と、光が該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬する
出射導波路部(第2の導波路部)122とから構成され
ている。また、該入射導波路部121の出射側端部と該
出射導波路部122の中間部分とが重なっており、該T
字型導波路部120では、該入射導波路部の入射側側か
ら該両導波路部の重なり部分120cに向けて伝搬する
光が該重なり部分120cにて分岐され、該分岐された
光が該出射導波路部122の両端側に向けて伝搬するよ
う構成されている。
【0090】また、本実施形態2の導波路素子100b
では、入力導波路部121と出力導波路122の重なり
部120c及びその近傍部分に、出力導波路部122と
中心が同一である光フィルター125が形成されてい
る。この光フィルター125は、入力導波路部121を
伝搬する0次モード光が、出力側導波路で高次モードと
なるのを抑制するために設けられている。
【0091】ここで、上記各導波路部121,122及
び光フィルター125における基板深さ方向の寸法は、
いずれも1.0μmになるようにした。またその幅は図
2(b)に示すように、各導波路部では2λ、光フィル
ター125では1λとした。但し、λは導波路内の伝搬
光の波長で、この例では、以下に示されるように0.5
μmである。さらに、上記光フィルター125の幅(入
射導波路部での伝搬方向における寸法)を1λ、その長
さ(出射導波路部での伝搬方向における寸法)を5λと
した。
【0092】次に製造方法について説明する。まず、図
2(c)に示すように、GaAs基板101b上に、M
OCVD法にてAl0.7Ga0.3As層106を1.0μ
m堆積する。さらに、その表面をフォトレジスト膜10
7によりコーティングした後、通常の光学マスクを用い
て、該レジスト膜107の露光、現像を行って、レジス
ト膜107のパターニングを行う。このレジスト膜のパ
ターニングは、後工程で作製される入射側導波路部及び
出射側導波路部における光の伝搬方向が、上記GaAs
基板の<100>面または<010>面の方向に沿った
ものとなるように行う。
【0093】次にレジスト膜107をマスクとして、フ
ッ酸系のエッチング液を用いてAl0.7Ga0.3As層1
06を選択的にエッチングする。この時エッチング処理
はGaAs基板の表面が露出した時点で、自動的に停止
し、該エッチング処理により形成された溝102bの深
さは1.0μmとなる。
【0094】その後、上記実施形態1と同様に、該Al
GaAs層106の表面及び上記溝102bの内面にA
u膜103を50nm程度の厚さに蒸着する。
【0095】さらに、上記AlGaAs層106の開口
部分に形成されている溝102b内に、屈折率が1.6
のポリイミド層108を埋込み、該AlGaAs層10
6の表面の平坦化を行った後、Au膜105を約50n
m蒸着し、さらに該Au膜105の表面をレジスト材等
の塗布によりコーティングして保護層109を形成す
る。
【0096】そして、最後に、ダイシングによる素子の
切り出しを行って上記導波路素子100bを得る。
【0097】次に作用効果について説明する。
【0098】このような構成の実施形態2の導波路素子
100bでは、上記実施形態1の効果に加えて以下の効
果がある。
【0099】すなわち、この実施形態2では、光導波層
として屈折率が1より大きな材料を用いることにより、
Au薄膜と光導波層との界面での反射率がわずかながら
向上し、洩れ波を少なくし導波損失を1dB/100μ
m程度に低減できる。なお、このような構成による反射
率の向上については、先行技術文献(谷口昌弘、井筒雅
之:電子情報通信学会秋季全国大会C−219 220
頁:1994年3月26日)に記載されている。
【0100】本実施形態2の導波路素子100bは、真
空中での波長0.8μmの光の分岐を行う光回路として
機能する。ここでは導波路中の伝搬波長λは0.5μm
である。
【0101】また、本実施形態2の導波路素子100b
は、光フィルター125を備えているので、この光フィ
ルター125により、入射導波路部121から入射した
TE0モード光は、出射導波路部122でマルチモード
とならず、TE0モードを保ちながら伝搬する。また、
分岐部直前の伝搬光パワーの34%が出射導波路部12
2へそれぞれ結合することが確認できた。このように本
実施形態2では、光フィルター125の導入により、光
通信等で必要となるシングルモードでの光分岐が可能な
導波路素子100bを実現することができた。
【0102】さらに、図2(b)に示すように、本実施
形態2の導波路素子100bでは、光導波層120aと
光ガイド層120bとの界面は、入射光の進行方向に対
して0度または90度の角度をなす面のみからなってお
り、光学マスクの作製精度を充分に確保でき、きわめて
分岐の制御性の良い光導波路を形成できる。つまり、光
学マスクの露光パターンは微細な正方形の配列により形
成されるものであるため、光導波層120aと光ガイド
層120bとの界面が、光の伝搬方向に対して0度また
は90度の角度をなす面のみから構成されている場合、
光学マスクの露光パターンは微細な正方形の縦横の辺に
完全に一致したものとなり、光学マスクの作製精度を充
分に確保できるわけである。
【0103】さらに、本実施形態2の導波路素子は、入
射導波路部121、出射導波路部122、及び光フィル
ター125における上記界面が、GaAs基板の<10
0>面の方向及び<010>面の方向のいずれかに沿う
ようにして作製されているので、結晶のエッチング速度
の面方位依存性、つまりエッチングされる面が<100
>面または<010>面となるというエッチング選択性
を利用して、エッチング除去部分の側壁の垂直性の良い
エッチングが可能となった。
【0104】また、本実施形態2の導波路部の構造で
は、AlGaAs層のエッチングにより形成される、基
板表面に対して垂直な複数の面は、それぞれの間で平行
または垂直な関係となっているため、ドライエッチング
プロセスを必要としない導波路素子を得ることができ
る。
【0105】なお、本実施形態2のようにGaAs半導
体材料を基板に用いる場合は、導波路部は、<011>
面の方向と<011>面の方向に沿うようにして作製し
ても同様の効果が得られる。
【0106】(実施形態3)図3は本発明の実施形態3
による導波路素子を説明するための図であり、図3
(a)は光導波層と光ガイド層との界面のパターンを模
式的に示している。
【0107】図において、100cは、内部にT字型導
波路部が形成された、本実施形態3の非全反射型の導波
路素子であり、この導波路素子100cでは、導波路の
構造は、実施形態1の導波路素子と同様、空気からなる
光導波層110aと、これを囲むよう形成された厚さ約
100nmのAuからなる光ガイド層110bとから構
成されている。
【0108】また、入射導波路部111と出射導波路部
112との重なり部110cには、上記実施形態2と同
様に光フィルター125が形成されており、さらに該重
なり部110cは、出力導波路部112における光の伝
搬方向に沿った側面に該出力導波路部内に迫り出すよう
形成された、該重なり部110cへ入射する伝搬光の出
力導波路部への反射を促進する光反射促進部136を有
している。そしてその他の構成は実施形態1の導波路素
子100aと同一となっている。
【0109】ここで、上記入射導波路部111及び出射
導波路部112の幅は、1.6μm(2λ)、光フィル
ター125の幅は0.8μm(λ)であり、上記光反射
促進部136の厚さは0.32μm(0.4λ)、その
幅は0.56μm(0.7λ)である。さらに、上記各
導波路部111,112、光フィルター125,及び光
反射促進部136は、いずれもその深さ(紙面垂直方向
の厚み)が1.6μm(2λ)となっている。
【0110】また、上記λは導波路中の伝搬波長であ
り、この例では伝搬光として波長が0.8μmのものを
使用した。また、光反射促進部136の幅とは出力導波
路部112での光の伝搬方向における寸法、その厚みと
は入力導波路部111での光の伝搬方向における寸法で
ある。
【0111】なお、本実施形態3の導波路素子の製造方
法は、上記実施形態1のものとは、溝102bを形成す
るためのマスクパターンが異なるのみでその他は同一で
ある。このため、ここでは製造方法の説明を省略する。
【0112】次に作用効果について説明する。
【0113】本実施形態3では、厚さ0.4λ、幅0.
7λの光反射促進部136を入射導波路部111と出射
導波路部112との重なり部110cに設けたことによ
り、分岐/入力パワー比(分岐後の伝搬光のパワーに対
する分岐前の伝搬光のパワーの比率)を実施形態1での
74%から80%にまで向上することが出来た。
【0114】図3(b)は、光反射促進部の厚さを最適
値に固定し、光反射促進部の幅を変化させたときの分岐
/入力パワー比の変化を示し、図3(c)は、光反射促
進部の幅を最適値に固定し、光反射促進部の厚さを変化
させたときの分岐/入力パワー比の変化を示している。
この図から、光反射促進部の幅及び厚さとしては、本実
施形態3で採用した幅0.7λ、厚さ0.4λ付近の値
が最適であることが分かる。
【0115】また、上記分岐/入力パワー比として、設
計上の最大値からその90%の値までの範囲を許容する
ならば、光反射促進部の幅寸法としては0.3λ〜1.
0λの範囲の値を、その厚さ寸法については、0.15
λ〜0.55λの範囲の値を取ることができる。
【0116】このように本実施形態3では、上記実施形
態1の効果に加えて以下の効果がある。つまり、光分岐
部110cに光フィルター125を備えているので、分
岐後の伝搬光のマルチモード化を回避することができ
る。また、光分岐部110cに光反射促進部136を設
けているので、入射導波路部111から出射導波路部1
12への光の反射が促進されて、分岐/入力パワー比を
向上させることができる。
【0117】(実施形態4)図4は本発明の実施形態4
による導波路素子を説明するための図であり、図4
(a)は光導波層と光ガイド層との界面のパターンを模
式的に示している。
【0118】図において、100dは、内部にT字型導
波路部が形成された、本実施形態4の非全反射型の導波
路素子であり、この導波路素子100dでは、導波路の
構造は、実施形態3の導波路素子と同様、空気からなる
光導波層110aと、これを囲むよう形成された厚さ約
100nmのAuからなる光ガイド層110bとから構
成されている。
【0119】そして、この実施形態4の導波路素子10
0dでは、入射導波路部111と出射導波路部112と
の重なり部110c及びその近傍に跨がって光戻り防止
フィルター147が形成されている。その他の構成は、
上記実施形態3の導波路素子100cと同一となってい
る。
【0120】ここで、光フィルター125については、
上記実施形態3と同様、その幅がλ、その長さ5λとな
っており、光反射促進部136についても、その幅が
0.7λ、その厚さが0.4λとなっている。そして、
上記光戻り防止フィルター147は、その幅が1.2
λ、その厚さが0.5λとなっている。なお、上記各導
波路部111,112、光フィルター125,光反射促
進部136及び光戻り防止フィルター147は、いずれ
もその深さ(紙面垂直方向の厚み)が1.6μm(2
λ)となっている。また、光戻り防止フィルター147
の幅とは入力導波路部での光の伝搬方向における寸法、
その厚みとは出力導波路部での光の伝搬方向における寸
法である。
【0121】なお、本実施形態4の導波路素子の製造方
法は、上記実施形態1のものとは、光導波層をパターニ
ングするためのマスクパターンが異なるのみでその他は
同一である。このため、ここでは製造方法の説明を省略
する。
【0122】次に作用効果について説明する。
【0123】本件発明者はこの光戻り防止フィルター1
47の幅及び厚さについてその値を変えて、分岐/入力
パワー比を測定することにより、最適な値を得た。
【0124】図4(b)は、光戻り防止フィルターの厚
さを最適値に固定し、その幅を変化させたときの分岐/
入力パワー比を測定した結果を示し、図4(c)は光戻
り防止フィルターの幅を最適値に固定し、その厚さを変
化させたときの分岐/入力パワー比を測定した結果を示
している。
【0125】なお、光戻り防止フィルターの厚さは負の
値を取るほうが良い可能性もあり、このため光戻り防止
フィルターとして、入射導波路部の、上記重なり部10
0c及びその近傍における側面部を内側に迫り出した構
造としたものも試作して、その特性の評価を行った。
【0126】図4(b)及び図4(c)から、上記光戻
り防止フィルター147の幅1.2λ、厚さ0.5λと
することにより、分岐/入力パワー比をほぼ1にするこ
とができた。
【0127】また、上記分岐/入力パワー比として、設
計上の最大値からその90%の値までの範囲を許容する
ならば、光戻り防止フィルターの幅寸法としては1.0
5λ〜1.45λの範囲の値を、その厚さ寸法について
は0.4λ〜0.7λの範囲の値を取ることができる。
【0128】このように本実施形態4では、上記実施形
態3の効果に加えて以下の効果がある。つまり、光戻り
防止フィルター147を設けたことにより分岐/入力パ
ワー比がほぼ1となり、極めて高効率な光分岐導波路素
子を得ることができた。
【0129】さらに、本実施形態4では、入力導波路部
111への戻り光がほとんど存在せず、例えば、入力導
波路部111に半導体レーザより光を入射した場合、半
導体レーザへの戻り光がなく、分岐した伝搬光として安
定した出力光が得られる。
【0130】なお、上記各実施形態1〜4では、導波路
素子の各部のサイズは、導波路中の伝搬波長λを単位に
設定されており、従って、使用波長が変化した場合にも
その特性は変化しないことは言うまでもない。
【0131】(実施形態5)図5は本発明の実施形態5
による導波路素子を説明するための図であり、光導波層
と光ガイド層との界面のパターンを模式的に示してい
る。
【0132】図において、100eは、内部にL字型導
波路部が形成された、本実施形態5の非全反射型の光変
向導波路素子であり、一般の光回路では、全反射ミラー
として使用されるものである。
【0133】この導波路素子100eの導波路は、実施
形態1の導波路素子と同様、空気からなる光導波層11
0aと、これを囲むよう形成された厚さ約100nmの
Auからなる光ガイド層110bとから構成されてい
る。
【0134】また、上記L字型光導波路部は、光が第1
の方向に伝搬する入射導波路部(第1の導波路部)15
1と、光が該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬す
る出射導波路部(第2の導波路部)152とからなり、
該入射導波路部の一端部と該出射導波路部の一端部とが
重なっている。
【0135】この導波路素子100eでは、該入力導波
路部151の入射端側から該両導波路部の重なり部分1
50cに向けて伝搬する光が、該重なり部分にて変向さ
れて該出射導波路部152の出射側に向けて伝搬するよ
う構成されている。
【0136】そして、この導波路素子100eでは、上
記出射導波路部152は、これと入射導波路部151と
の重なり部分150c及びその近傍部分が、その他の部
分より狭い光フィルター部155となっており、該光フ
ィルター部にて、該入射導波路部から該出射導波路部へ
伝搬する伝搬光の高次モード化を抑制する構成となって
いる。
【0137】また、上記重なり部分150cは、出射導
波路部152における光の伝搬方向に沿った側部に該出
射導波路部152内に迫り出すよう形成された、該重な
り部分へ入射する伝搬光の出射導波路部152への反射
を促進する光反射促進部156を含む構造となってい
る。
【0138】さらに、上記入射導波路部151は、上記
重なり部分150cの近傍部分に光戻り防止フィルター
157を有し、該光戻り防止フィルター157では、該
入射導波路部のその他の部分とは、光伝搬方向と垂直方
向における寸法が異なっており、該光戻り防止フィルタ
ー部157にて、該入射導波路部から該出射導波路部へ
伝搬する伝搬光が該重なり部分での反射により該出射導
波路部側に戻るのを抑制する構成となっている。
【0139】ここで、上記光フィルター155の幅は
λ、その長さは3.5λであり、上記光反射促進部15
6の幅(紙面左右方向の寸法)は0.9λ、その厚さ
(紙面上下方向の寸法)は0.9λであり、さらに上記
光戻り防止フィルター157の幅は2λ、その厚さは
0.5λである。なお、上記各導波路部151,15
2、光フィルター155,光反射促進部156及び光戻
り防止フィルター157は、いずれもその深さ(紙面垂
直方向の厚み)が2λとなっている。
【0140】本実施形態の導波路素子についても各部の
寸法は、導波路内の伝搬波長λを単位として設定されて
おり、使用波長が変化した場合、それに応じて導波路サ
イズを変化させれば最適の光変向導波路素子が実現でき
ることは言うまでもない。
【0141】なお、本実施形態5の導波路素子の製造方
法は、上記実施形態1のものとは、光導波層をパターニ
ングするためのマスクパターンが異なるのみでその他は
同一である。このため、ここでは製造方法の説明を省略
する。
【0142】次に作用効果について説明する。
【0143】本件発明者は上記光反射促進部156及び
光戻り防止フィルター157の幅及び厚さについてその
値を変えて、導波路素子を作製し、その出力光パワー/
入力光パワー比の測定を行った。
【0144】図6(a)は、光反射促進部156の厚さ
を最適値に固定し、その幅を変化させた時の導波路素子
100eについての出力光パワー/入力光パワー比の変
化を示す。また、図6(b)は、光反射促進部の幅を最
適値に固定し、その厚さを変化させた時の導波路素子1
00eについての出力光パワー/入力光パワーの比の変
化を示す。
【0145】これらの図より明らかな様に、光反射促進
部156の幅は伝搬波長の0.8〜1.05倍、その厚
さは伝搬波長の0.85〜1.05倍とすることによ
り、出力/入力パワー比を、最大値の90%以上にする
ことができる。
【0146】図6(c)は、光戻り防止フィルター部の
厚さを最適値に固定し、その幅を変化させた時の導波路
素子100eについての出力光パワー/入力光パワーの
比の変化を示す。また図6(d)は、光戻り防止フィル
ター部の幅を最適値に固定し、その厚さを変化させた時
の導波路素子100eについての出力光パワー/入力光
パワーの比の変化を示す。これらの図から明らかなよう
に、光戻り防止フィルター157については、その幅を
伝搬波長の1.35〜2.2倍、厚さを伝搬波長の0.
3〜0.55倍とすることにより、出力光パワー/入力
パワーの比を最大値の90%以上に保つことができる。
【0147】本実施形態5では、上記図6(a)〜図6
(d)の測定結果から最適寸法を設定することにより、
出射導波路部152を伝搬する光のパワーがほぼ入力光
パワーと同程度であり、ほとんどエネルギー損失の無い
光変向導波路素子100eを得ることができた。
【0148】なお、上記各実施形態1〜5では、光導波
路の構造を、光吸収のない光導波層を、金属ガイド層に
より囲んだ構造とした導波路素子について示したが、光
導波路の構造は、光ガイド層として金属層を用いない構
造、つまり光が伝搬する光導波層と、該光導波層を取り
囲む光ガイド層とからなり、該光導波層の屈折率が該光
ガイド層の屈折率より小さい洩れ波導波路構造としても
よく、この場合も上記実施形態1〜5と同様な効果が得
られる。
【0149】ただし、光の伝搬効率は、光ガイド層とし
て金属ガイド層を用いる導波路構造の方が、屈折率の小
さい光導波層を、これより屈折率の大きい光ガイド層に
より囲んだ構造に比べて若干良好なものとなっている。
【0150】(実施形態6)本発明の実施形態6とし
て、光導波層の屈折率が光ガイド層の屈折率より小さい
洩れ波導波路構造を有する導波路素子について説明す
る。
【0151】図11は本発明の実施形態6による導波路
素子を説明するための図であり、図11(a)はその全
体構造を示す斜視図、図11(b)は図11(a)のX
Ib−XIb線部分の水平断面図である。
【0152】図において、100fは、内部にT字型導
波路部160が形成された、本実施形態6の洩れ波導波
路構造の導波路素子である。この導波路素子100fの
半導体基板160aの表面には平面T字型の溝102f
が形成されており、各溝102f内には、各基板の構成
材料より屈折率の小さい半導体層164が埋め込まれて
いる。そして、各基板160aの表面及び溝内の半導体
材料の表面上には、全面に、基板160aと同一の屈折
率を有する半導体層163が形成されている。
【0153】ここで、上記T字型導波路部160は、上
記溝102f内の半導体層164からなる光導波層16
0bと、その周囲に位置する基板部材及びその上の半導
体層163の一部からなる光ガイド層とからなる洩れ波
導波路構造となっており、入射光が第1の方向に伝搬す
る入射導波路部(第1の導波路部)161と、光が該第
1の方向と直交する第2の方向に伝搬する出射導波路部
(第2の導波路部)162とから構成されている。ま
た、該入射導波路部161の出射側端部と該出射導波路
部162の中間部分とが重なっており、該T字型導波路
部160では、該入射導波路部の入射側端から該両導波
路部の重なり部分160cに向けて伝搬する光が該重な
り部分160cにて分岐され、該分岐された光が該出射
導波路部162の両端側に向けて伝搬するよう構成され
ている。
【0154】ここで、上記半導体基板160a、溝内の
半導体層164、及び基板上の半導体層163の構成材
料は、その屈折率が上記のように洩れ波導波路を構成す
るのに適するものであって、半導体製造プロセスにて形
成可能なものであればどのようなものでもよい。
【0155】なお、このような構造の導波路素子は、半
導体基板160aを選択的にエッチングして溝102f
を形成した後、溝102f内に埋め込まれるべき半導体
材料を十分な厚さに堆積し、基板表面の余分な該半導体
材料を除去し、その後半導体層163を成長するといっ
たプロセスにより、作製することができる。
【0156】このような構成の実施形態6においても上
記実施形態1と同様の効果が得られる。但し、この場
合、上述したように、光吸収のない光導波層を、金属ガ
イド層により囲んだ構造とした実施形態1の導波路素子
と比べると、伝搬光の光導波層の外部への洩れが若干大
きく、光の伝搬効率はやや劣る。
【0157】なお、上記実施形態6では上記実施形態1
の導波路素子に対応する洩れ波導波路構造の導波路素子
を示したが、上記実施形態6の洩れ波導波路構造の導波
路素子において、実施形態2〜4に示す導波路素子のよ
うに、光フィルター,光反射促進部,光戻り防止フィル
ターの所要のものを設けても良く、さらに、上記実施形
態6の洩れ波導波路構造の導波路素子において、そのT
字型光導波路部に代えて、実施形態5に示すL字型光導
波路部を設けて、洩れ波導波路構造の光分岐導波路素子
を実現してもよい。このような光フィルター,光反射促
進部,光戻り防止フィルターの所要のものを備えた洩れ
波導波路構造の導波路素子においても、各部の寸法を、
上記実施形態2〜5に示す寸法に設定することにより、
上記実施形態2〜5の導波路素子と同様の効果が期待で
きる。
【0158】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)に係
る導波路素子によれば、伝搬光の伝搬角を規定する、光
導波層と光ガイド層の屈折率差を、光導波層の幅とは独
立して設定可能な3次元の洩れ波導波構造の光導波路を
実現でき、しかも伝搬光の分岐をT字型導波路部にて効
率よく、しかも分岐後の伝搬光の伝搬モードの崩れを抑
えつつ行うことができる。また、この場合、分岐効率の
低下や伝搬モードの崩れ抑制のために、光導波層の幅を
狭める必要はなく、このため光導入効率の低下を招いた
り、光導波路の作製プロセスが困難となることはない。
【0159】この発明(請求項2)に係る導波路素子に
よれば、上記請求項1の効果に加えて、導波路部におけ
る伝搬効率を向上することができる。
【0160】この発明(請求項3)に係る導波路素子に
よれば、伝搬光の伝搬角を規定する、光導波層と光ガイ
ド層の屈折率差を、光導波層の幅とは独立して設定可能
な洩れ波導波構造の3次元的な光導波路を実現でき、し
かも伝搬光の変向をL字型導波路部にて効率よく、しか
も変向後の伝搬光の伝搬モードの崩れを抑えつつ行うこ
とができる。また、この場合、変向効率の低下や伝搬モ
ードの崩れ抑制のために、光導波層の幅を狭める必要は
なく、このため光導入効率の低下を招いたり、光導波路
の作製プロセスが困難となることはない。
【0161】この発明(請求項4)に係る導波路素子に
よれば、上記請求項3の効果に加えて、導波路部におけ
る伝搬効率を向上することができる。
【0162】この発明(請求項5)によれば、請求項1
ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、光フ
ィルター部により、第1の導波路部から第2の導波路部
へ伝搬する伝搬光の高次モード化を抑制して、伝搬光の
分岐あるいは変向後の伝搬光の伝搬効率を向上できる。
【0163】この発明(請求項6)によれば、請求項1
ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、光反
射促進部により、第1の導波路部から第2の導波路部へ
の伝搬光の反射を促進して、伝搬光の分岐効率あるいは
変向効率を向上することができる。
【0164】この発明(請求項7)によれば、請求項1
ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、光戻
り防止フィルター部により、第1の導波路部から第2の
導波路部へ伝搬する伝搬光が該重なり部分での反射によ
り該第1の導波路部側に戻るのを抑制して、伝搬光の分
岐効率あるいは変向効率を向上することができる。
【0165】この発明(請求項8)によれば、請求項5
記載の導波路素子において、前記光フィルター部では、
前記第2の導波路部での光伝搬方向と垂直な平面内での
所定方向の寸法を、前記光導波路を伝搬する光の波長以
下とすることにより、簡単な構造により分岐あるいは変
向後の伝搬光の伝搬モードの崩れを抑制するフィルター
を実現できる。
【0166】この発明(請求項9)によれば、請求項1
ないし4のいずれかに記載の導波路素子において、前記
光導波層及び光ガイド層を、半導体材料からなる基板上
に形成することにより、半導体製造プロセスにて、上記
光分岐あるいは光変向機能を有する導波路素子を作製可
能となる。
【0167】この発明(請求項10)によれば、請求項
5記載の導波路素子において、前記光導波層及び光ガイ
ド層を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光フ
ィルター部を、前記第2の導波路部での光の伝搬方向と
平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成すること
により、半導体製造プロセスにて導波路素子を作製する
場合、基板材料の面方位に依存した選択エッチングによ
り光フィルター部を簡単に形成できる。
【0168】この発明(請求項11)によれば、請求項
6記載の導波路素子において、前記光導波層及び光ガイ
ド層を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光反
射促進部を、前記第2の導波路部での光の伝搬方向と平
行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成することに
より、半導体製造プロセスにて導波路素子を作製する場
合、基板材料の面方位に依存した選択エッチングにより
光反射促進部を簡単に形成できる。
【0169】この発明(請求項12)によれば、請求項
7記載の導波路素子において、前記光導波層及び光ガイ
ド層を、半導体材料からなる基板上に形成し、前記光戻
り防止フィルター部を、前記第1の導波路部での光の伝
搬方向と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成
することにより、半導体製造プロセスにて導波路素子を
作製する場合、基板材料の面方位に依存した選択エッチ
ングにより光戻り防止フィルター部を簡単に形成でき
る。
【0170】この発明(請求項13)によれば、請求項
1または2記載の導波路素子において、光反射促進部
を、第2の導波路部での光の伝搬方向における寸法が伝
搬光の波長の0.3〜1.0倍となり、第1の導波路部
での光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の0.
15〜0.55倍となるよう構成することにより、光反
射促進部での伝搬光の第2の導波路部側への反射効率
を、最大値の90%以上とできる。
【0171】この発明(請求項14)によれば、請求項
3または4記載の導波路素子において、光反射促進部
を、第2の導波路部での光の伝搬方向における寸法が伝
搬光の波長の0.8〜1.05倍となり、第1の導波路
部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の
0.85〜1.05倍となるよう構成することにより、
光反射促進部での伝搬光の第2の導波路部側への反射効
率を、最大値の90%以上とできる。
【0172】この発明(請求項15)によれば、請求項
1または2記載の導波路素子において、光戻り防止フィ
ルター部を、第1の導波路部での光の伝搬方向における
寸法が該伝搬光の波長の1.05〜1.45倍となり、
第2の導波路部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬
光の波長の0.4〜0.7倍となるよう構成することに
より、伝搬光の第2の導波路部側への反射効率を、最大
値の90%以上とできる。
【0173】この発明(請求項16)によれば、請求項
3または4記載の導波路素子において、光戻り防止フィ
ルター部を、第1の導波路部での光の伝搬方向における
寸法が該伝搬光の波長の1.35〜2.2倍となり、第
2の導波路部での光の伝搬方向における寸法が該伝搬光
の波長の0.3〜0.5倍となるよう構成することによ
り、変向後の伝搬光のパワーを、変向前の伝搬光のパワ
ーの90%以上とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による導波路素子を説明す
るための図であり、図1(a)はその全体構造を示す斜
視図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線部分の水
平断面図、図1(c)及び図1(d)はそれぞれ該導波
路素子の製造方法を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の実施形態2による導波路素子を説明す
るための図であり、図2(a)はその全体構造を示す斜
視図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線部分
の水平断面図、図2(c)は該導波路素子の製造方法を
説明するための斜視図である。
【図3】本発明の実施形態3による導波路素子を説明す
るための図であり、図3(a)は光導波層と光ガイド層
との界面のパターンを模式的に示し、図3(b)は、光
反射促進部の幅を変化させたときの分岐/入力パワー比
の変化を示し、図3(c)は、光反射促進部の厚さを変
化させたときの分岐/入力パワー比の変化を示してい
る。
【図4】本発明の実施形態4による導波路素子を説明す
るための図であり、図4(a)は光導波層と光ガイド層
との界面のパターンを模式的に示し、図4(b)は、光
戻り防止フィルターの幅を変化させたときの分岐/入力
パワー比を測定した結果を示し、図4(c)は光戻り防
止フィルターの厚さを変化させたときの分岐/入力パワ
ー比を測定した結果を示している。
【図5】本発明の実施形態5による導波路素子を説明す
るための図であり、光導波層と光ガイド層との界面のパ
ターンを模式的に示している。
【図6】本実施形態5の導波路素子についての特性を説
明するための図であり、図6(a)及び(b)は、光反
射促進部の幅及び厚さを変化させた時の導波路素子10
0eについての出力光パワー/入力光パワー比の変化を
示し、図6(c)及び(d)は、光戻り防止フィルター
部の幅及び厚さを変化させた時の導波路素子100eに
ついての出力光パワー/入力光パワーの比の変化を示し
ている。
【図7】従来の全反射型の光導波路の構成を模式的に示
す図であり、図7(a)は光導波層の幅が広いもの、図
7(b)は光導波層の幅が狭いものを示している。
【図8】従来の光分岐機能を有する全反射型の光導波路
の構成を模式的に示す図であり、図8(a)は光導波層
の幅が広いもの、図8(b)は光導波層の幅が狭いもの
を示している。
【図9】その他の従来の光分岐機能を有する全反射型の
光導波路の構成を説明するための図であり、図9(a)
は、第1及び第2の光導波部の重なり部にノッチ部を有
するものの構成を示し、図9(b)は、第1及び第2の
光導波部の重なり部を、緩やかな曲率で湾曲した構造と
したものを示している。
【図10】全反射型の光導波路の導波原理とは異なる導
波原理を採用した2次元導波路の構造を示している。
【図11】本発明の実施形態6による導波路素子を説明
するための図であり、図11(a)はその全体構造を示
す斜視図、図11(b)はそのXIb−XIb線部分の
水平断面図である。
【符号の説明】
101,120 T字型導波路部 101a,101b GaAs基板 102,102b,102f 溝 103、105 Au膜 106 AlGaAs層 108 ポリイミド層 109 保護層 100a,100b,100c,100d,100e,
100f 導波路素子 110a,120a,160b 光導波層 110b,120b Au光ガイド層 110c,120c,150c,160c 重なり部 111,121,151,161 入射導波路部 112,122,152,162 出力導波路部 125,155 光フィルター 136,156 光反射促進部 147,157 光戻り防止フィルター部 160a 半導体基板 160b 光導波層 163,164 半導体層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光が伝搬する光導波層と、該光導波層を
    取り囲む光ガイド層とからなり、該光導波層の屈折率が
    該光ガイド層の屈折率より小さい洩れ波導波路構造の光
    導波路を備えた導波路素子であって、 該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する第1の導波路
    部と、光が該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬す
    る第2の導波路部とからなる、該第1の導波路部の一端
    と該第2の導波路部の中間部分とが重なったT字型導波
    路部を有し、該T字型導波路部では、該第1の導波路部
    の他端側から該両導波路部の重なり部分に向けて伝搬す
    る光が該重なり部分にて分岐され、該分岐された光が該
    第2の導波路部の両端側に向けて伝搬するよう構成され
    ている導波路素子。
  2. 【請求項2】 光が伝搬する光吸収のない光導波層と、
    該光導波層を取り囲む、金属からなる光ガイド層とから
    構成された光導波路を備えた導波路素子であって、 該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する第1の導波路
    部と、光が該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬す
    る第2の導波路部とからなる、該第1の導波路部の一端
    と該第2の導波路部の中間部分とが重なったT字型導波
    路部を有し、該T字型導波路部では、該第1の導波路部
    の他端側から該両導波路部の重なり部分に向けて伝搬す
    る光が該重なり部分にて分岐され、該分岐された光が該
    第2の導波路部の両端側に向けて伝搬するよう構成され
    ている導波路素子。
  3. 【請求項3】 光が伝搬する光導波層と、該光導波層を
    取り囲む光ガイド層とからなり、該光導波層の屈折率が
    該光ガイド層の屈折率より小さい洩れ波導波路構造の光
    導波路を備えた導波路素子であって、 該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する第1の導波路
    部と、光が該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬す
    る第2の導波路部とからなる、該第1の導波路部の一端
    部と該第2の導波路部の一端部とが重なったL字型導波
    路部を有し、該L字型導波路部では、該第1の導波路部
    の他端側から該両導波路部の重なり部分に向けて伝搬す
    る光が、該重なり部分にて変向されて該第2の導波路部
    の他端側に向けて伝搬するよう構成されている導波路素
    子。
  4. 【請求項4】 光が伝搬する光吸収のない光導波層と、
    該光導波層を取り囲む、金属からなる光ガイド層とから
    構成された光導波路を備えた導波路素子であって、 該光導波路は、光が第1の方向に伝搬する第1の導波路
    部と、光が該第1の方向と直交する第2の方向に伝搬す
    る第2の導波路部とからなる、該第1の導波路部の一端
    部と該第2の導波路部の一端部とが重なったL字型導波
    路部を有し、該L字型導波路部では、該第1の導波路部
    の他端側から該両導波路部の重なり部分に向けて伝搬す
    る光が、該重なり部分にて変向されて該第2の導波路部
    の他端側に向けて伝搬するよう構成されている導波路素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の導
    波路素子において、 前記第2の導波路部は、これと前記第1の導波路部との
    重なり部分及びその近傍部分が、その他の部分より狭い
    光フィルター部となっており、該光フィルター部にて、
    該第1の導波路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬
    光の高次モード化を抑制する構成となっている導波路素
    子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の導
    波路素子において、 前記第1の導波路部と前記第2の導波路部との重なり部
    分は、その前記第2の方向に沿った側部に該第2の導波
    路部内に迫り出すよう形成された、該重なり部分へ入射
    する伝搬光の該第2の導波路部への反射を促進する光反
    射促進部を有している導波路素子。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の導
    波路素子において、 前記第1の導波路部は、これと前記第2の導波路部との
    重なり部分の近傍部分に光戻り防止フィルター部を有
    し、該光戻り防止フィルター部では、該第1の導波路部
    のその他の部分とは、光伝搬方向と垂直な方向における
    寸法が異なっており、該光戻り防止フィルター部にて、
    該第1の導波路部から該第2の導波路部へ伝搬する伝搬
    光が該重なり部分での反射により該第1の導波路部側に
    戻るのを抑制する構成となっている導波路素子。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の導波路素子において、 前記光フィルター部では、前記第2の導波路部での光伝
    搬方向と垂直な平面内での所定方向の寸法が、前記光導
    波路を伝搬する光の波長以下となっている導波路素子。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4のいずれかに記載の導
    波路素子において、 前記光導波層及び光ガイド層は、半導体材料からなる基
    板上に形成されている導波路素子。
  10. 【請求項10】 請求項5記載の導波路素子において、 前記光導波層及び光ガイド層は、半導体材料からなる基
    板上に形成されており、 前記光フィルター部は、前記第2の導波路部での光の伝
    搬方向と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成
    されている導波路素子。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の導波路素子において、 前記光導波層及び光ガイド層は、半導体材料からなる基
    板上に形成されており、 前記光反射促進部は、前記第2の導波路部での光の伝搬
    方向と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面上に形成さ
    れている導波路素子。
  12. 【請求項12】 請求項7記載の導波路素子において、 前記光導波層及び光ガイド層は、半導体材料からなる基
    板上に形成されており、 前記光戻り防止フィルター部は、前記第1の導波路部で
    の光の伝搬方向と平行でかつ該基板の表面に垂直な平面
    上に形成されている導波路素子。
  13. 【請求項13】 請求項1または2記載の導波路素子に
    おいて、 前記第1及び第2の導波路部の重なり部分は、該第1の
    導波路部を伝搬する光を、該第2の導波路部の両端側へ
    分岐する光分岐部となっており、 該光分岐部には、ここに入射する伝搬光の該第2の導波
    路部への反射を促進する光反射促進部が設けられてお
    り、 該光反射促進部は、該第2の導波路部での光の伝搬方向
    における寸法が該伝搬光の波長の0.3〜1.0倍とな
    り、該第1の導波路部での光の伝搬方向における寸法が
    該伝搬光の波長の0.15〜0.55倍となるよう構成
    されている導波路素子。
  14. 【請求項14】 請求項3または4記載の導波路素子に
    おいて、 前記第1及び第2の導波路部の重なり部分は、該第1の
    導波路部を伝搬する光の伝搬方向を、該第2の導波路部
    における光の伝搬方向に変向する光変向部となってお
    り、 該光変向部には、ここに入射する伝搬光の該第2の導波
    路部への反射を促進する光反射促進部が設けられてお
    り、 該光反射促進部は、該第2の導波路部での光の伝搬方向
    における寸法が該伝搬光の波長の0.8〜1.05倍と
    なり、該第1の導波路部での光の伝搬方向における寸法
    が該伝搬光の波長の0.85〜1.05倍となるよう構
    成されている導波路素子。
  15. 【請求項15】 請求項1または2記載の導波路素子に
    おいて、 前記第1及び第2の導波路部の重なり部分は、該第1の
    導波路部を伝搬する光を、該第2の導波路部の両端側へ
    分岐する光分岐部となっており、 該光分岐部には、該第1の導波路部から該第2の導波路
    部へ伝搬する伝搬光が該重なり部分での反射により該第
    1の導波路部側に戻るのを抑制する光戻り防止フィルタ
    ー部が設けられており、 該光戻り防止フィルター部は、該第1の導波路部での光
    の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の1.05〜
    1.45倍となり、該第2の導波路部での光の伝搬方向
    における寸法が該伝搬光の波長の0.4〜0.7倍とな
    るよう構成されている導波路素子。
  16. 【請求項16】 請求項3または4記載の導波路素子に
    おいて、 前記第1及び第2の導波路部の重なり部分は、該第1の
    導波路部を伝搬する光の伝搬方向を、該第2の導波路部
    における光の伝搬方向に変向する光変向部となってお
    り、 該光変向部には、該第1の導波路部から該第2の導波路
    部へ伝搬する伝搬光が該重なり部分での反射により該第
    1の導波路部側に戻るのを抑制する光戻り防止フィルタ
    ー部が設けられており、 該光戻り防止フィルター部は、該第1の導波路部での光
    の伝搬方向における寸法が該伝搬光の波長の1.35〜
    2.2倍となり、該第2の導波路部での光の伝搬方向に
    おける寸法が該伝搬光の波長の0.3〜0.5倍となる
    よう構成されている導波路素子。
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