JP2008019955A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数で大振幅の振動入力に対して、主液室側の圧力が負圧になることによる気泡の発生を抑え、これら気泡の消滅の際に発生する異音を抑えることができる液体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】液体封入式防振装置10は、第1及び第2取付部材11,21間を本体ゴム弾性体31で連結し、第2取付部材21に取り付けられたダイヤフラム部36との間に液体が充填される液室37を形成している。液室37は、仕切り部材41によって本体ゴム弾性体31側の主液室38とダイヤフラム部36側の平衡液室39に仕切られる。仕切り部材41は、下板部42と上板部45の中央板部51間の下凹部47内に可動板55を収容している。可動板55の主液室38側の表面に、表面から凹むと共に外周から流通孔44a,44bとの対向位置まで延びた流通溝62を設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジンマウントやボディマウント等に使用される液体封入式防振装置に関する。
この種の液体封入式防振装置であるエンジンマウントには、エンジン側からの入力振動である、周波数が5〜15Hz程度の範囲で振幅が1〜2mm程度と大きいシェイク振動と、周波数が35〜50Hz程度の範囲で振幅が0.2mm程度と小さいアイドル振動が入力される。エンジンマウントは、シェイク振動に対しては、主液室と平衡液室の間を繋ぐオリフィス通路を設けて、主としてオリフィス通路を通して両液室間を還流する液体による液柱共振によってこれを減衰させ、またアイドル振動に対しては、振幅が小さいのでオリフィリス通路を通して液体が還流しないが、主液室と平衡液室間を仕切る仕切り部材の収容空間に設けた可動板の隙間を通して仕切り部材の流通孔から液体が主液室と平衡液室間を循環することにより、ばね定数の増大を防いでいる。
ところで、エンジンマウントに大きな振動入力が加えられた時、主液室側に急激な液圧減少が生じて負圧状態になると、主液室側で気泡が発生し、主液室の圧力が元に戻ったときにこれら気泡が消滅することに伴い大きな異音が発生してしまうという問題がある。
これに対して、例えば特許文献1に示すように、液体を充填した空間を、動作空間と補償空間に分けたダイヤフラム(仕切り部材)に、非直線切断部を設けて舌片を取り囲んだ液圧緩衝式エンジンマウントが知られている。このエンジンマウントでは、大振幅のシェイク振動が入力されたとき、舌片が変形してその間を液体がわずかに通過して両液室間を流通することにより、主液室側の急激な液圧減少が緩和される。そのため、気泡の発生が抑えられ、これら気泡の消滅に伴う大きな異音の発生を抑えることができる。しかし、このエンジンマウントでは、液体に押されて変形した舌片は元の状態に戻りにくく、舌片が液体通路の開閉機能を果たしにくいという問題がある。また、このような切断部をダイヤフラムに形成することは容易ではなく、そのためダイヤフラムが高価になり、また、切断部から亀裂が生じやすく、ダイヤフラムの信頼性が損なわれやすい等の問題もある。
特開昭61−294236号公報
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、低周波数で大振幅の振動入力があったとき、主液室側圧力が負圧にあることによる気泡の発生を抑え、これら気泡の消滅の際に発生する異音を抑えて車両内にて聞こえる異音を防ぐことができる液体封入式防振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、振動発生部及び振動受部のいずれか一方に取り付けられる第1取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に取り付けられる筒状の第2取付部材と、第2取付部材の一端側と第1取付部材との間を連結する本体ゴム弾性体と、第2取付部材の他端側に取り付けられて、第2取付部材一端側との間に液体が封入された液室を形成する可撓性のダイヤフラム部と、液室を本体ゴム弾性体側の主液室とダイヤフラム部側の平衡液室に仕切る仕切り部材と、主液室と平衡液室間を連通するオリフィス通路とを備え、仕切り部材が、主液室と平衡液室に面したそれぞれ流通孔を有する一対の仕切板を設けると共に一対の仕切板の間に流通孔を通して主液室と平衡液室にそれぞれ連通する中空の収容空間を設けており、収容空間内には一対の仕切板に対して所定隙間を隔てて可動板が収容された液体封入式防振装置において、可動板の主液室側の表面に、表面から凹むと共に外周から流通孔との対向位置まで延びた流通溝を設けたことにある。なお、所定隙間としては、大振幅で低周波数の振動入力に対しては、可動板が仕切板に密着し、小振幅で高い周波数の振動入力に対しては、可動板が仕切板に密着しないような大きさである。
上記のように構成した本発明においては、液体封入式防振装置に低周波数で大振幅の振動が加えられると、主液室側に液圧減少が生じ、主液室側圧力が負圧となるが、主液室と平衡液室に仕切る仕切り部材内部の収容空間に収容された可動板に、主液室側の表面に外周から延びて流通孔に対向する流通溝を設けたことにより、オリフィス通路へ流れ込む液体の一部が、仕切り部材内部において仕切板に密着した可動板の流通溝を通って主液室側にわずかに流れ込む。そのため、主液室側の過度の負圧状態が緩和される。その結果、本発明においては、主液室側での気泡の発生が抑えられ、主液室の圧力が元に戻ったときにこれら気泡の消滅に伴う大きな異音の発生を抑えることができ、車室内への異音の伝播を防止することができる。
また、本発明において、流通溝の深さが幅より大きくされるようにすることができる。これにより、大きな振動入力が加えられても、可動板に設けた流通溝が液圧でつぶされることが無く液体が主液室に流れ込むことができるので、主液室側の液圧減少を抑える効果が安定して確保される。
また、本発明において、流通溝が、放射状に複数設けられて、かつ各流通溝が周方向に非対称に配置されてもよい。これにより、可動板の流通溝が密に設けられた部分に液体が流れることによる可動板に作用する引張り力が他の部分より大きくなり、大きな引張り力を受ける部分が他の部分より先に仕切り部材に当接することにより、可動板の各部分の仕切り部材への当接のタイミングがずらされる。そのため、可動板の仕切り部材への当接による異音の発生が抑えられる。
本発明によれば、主液室と平衡液室に仕切る仕切り部材内部の収容空間内に収容された可動板に、主液室側の表面に外周から延びて仕切板の流通孔に繋がる流通溝を設けたことにより、オリフィス通路へ流れ込む液体の一部が流通溝を通って主液室側にわずかに流れ込み、主液室側の過度の負圧状態が緩和される。その結果、本発明においては、主液室側での気泡の発生が抑えられ、これら気泡の消滅に伴う大きな異音の発生を抑えることができるので、車室内への異音の伝播を防止できる。
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は、実施例である車両の振動発生部であるエンジンと振動受部である車体側部材間に組み付けられる液体封入式防振装置を断面図により示したものであり、図2は液体封入式防振装置に設けられた仕切り部材を断面図により示したものであり、図3から図5は仕切り部材の可動板を平面図、断面図及び矢視図により示したものである。
液体封入式防振装置10は、エンジン側に取り付けられる第1取付部材11と、車体側に取り付けられる筒状の第2取付部材21と、第1及び第2取付部材11,21間を連結する本体ゴム弾性体31と、第2取付部材21に取り付けられて本体ゴム弾性体31との間に液体が充填される液室37を形成するダイヤフラム部36と、液室37を本体ゴム弾性体31側の主液室38とダイヤフラム部36側の平衡液室39に仕切る仕切り部材41と、仕切り部材41の外周部分に形成された主液室38と平衡液室39間を連通するオリフィス通路49とを設けており、軸方向を上下に向けてダイヤフラム部36を上側で第1取付部材11を下側にして配置される。
第1取付部材11は、ねじ溝の形成された軸穴13を有する円筒形の軸部12を有しており、軸部12の上端には円筒状容器である容器部14が底板部16にて溶接によって固定されて同軸状に配置されている。容器部14は、金属板に絞り加工を施すことにより形成されたもので、円筒部15の軸方向上端が開放されており軸方向下端が底板部16になっている。また、円筒部15の軸方向下端側の所定範囲が軸方向に対して軸心側にわずかに傾斜した傾斜部17になっており、円筒部15の上端開口にて径方向外方に折り曲げられた曲げ部18が設けられている。
第2取付部材21は、薄肉の略円筒状の金具であり、略円筒状の本体金具22と本体金具22の上端に取り付けられた上側金具25とを有している。本体金具22は、外径が容器部14の外径の略3倍程度であって、第1取付部材11外周を囲んで同軸状に配置されており、一端側である軸方向下端側が軸心方向にわずかに傾斜した傾斜部23になっており、他端である上端にて径方向外方に延びると共に径方向内方に折り返されたフランジ状の締付け部24を有している。上側金具25は、略円錐台形状であり、軸方向下端にて径方向外方にわずかに延びたフランジ状の係止部26を有しており、上端側にて径方向内方に延びた円環形の鍔部27を一体で有しており、鍔部27の内周側が上開口部28になっている。第1取付部材11は、後述する本体ゴム弾性体31に連結されて本体金具22内にて同軸状に配置され、軸部12の下端が本体金具22下端からわずかに突出して配置されている。なお、本体金具22、上側金具25は、金属板に絞り加工を施すことにより形成される。
本体ゴム弾性体31は、上記本体金具22の傾斜部23内周面と第1取付部材11の容器部14の外周面間に加硫成形により形成されて両部材間を連結した厚肉の円錐形状にされており、本体金具22の下端開口を第1取付部材11と共に封止している。本体ゴム弾性体31の下側は、本体金具22内において傾斜部23下端から軸方向に山状に凹んだ凹部31aになっている。本体金具22の内周面には、本体ゴム弾性体31から続いて延びた薄肉のゴム被覆部32が加硫接着されている。上側金具25の両面は、係止部26下面を除いてゴム弾性体製の薄肉の上被覆層34が加硫接着されている。さらに、上被覆層34から延長して薄肉のダイヤフラム部36が上開口部28を塞いで軸方向上方に突出して山状に配設されている。このように本体ゴム弾性体31及びゴム被覆部32が形成された本体金具22の締付け部24上に、後述する可動板55を収容した仕切り部材41を同軸位置に載置し、上被覆層34とダイヤフラム部36が形成された上側金具25を仕切り部材41に重ね合わせて、締付け部24を折り返して上側金具25の係止部26に重ね合わせて締め付けることにより、本体金具22と上側金具25が第2取付部材21として一体にされ、内部に液体が収容される液室37が形成される。
仕切り部材41は、金属製又は樹脂製の部材であって、図2に示すように、円形の薄板である下板部42(一方の仕切板)と、下板部42に重ねあわされた円盤状の厚板である上板部45とを有している。下板部42は、外周側の一箇所にオリフィス通路49に繋がる開口部43を有しており、さらに、中央に中央流通孔44aを有し、中央流通孔44aの径方向外方に離間した周方向の等間隔な4箇所に周辺流通孔44bを設けている。上板部45は、上面に外周近傍まで拡がった大径の上凹部46を設けており、また、下面に上凹部46より径の小さい収容空間を形成する下凹部47を設けている。上凹部46の外側の肉厚の外周部48には、周方向に沿って延びた円弧状空間であるオリフィス通路49が形成されている。オリフィス通路49の一端は上凹部46に繋がる上開口部49aになっており、オリフィス通路49の他端は下板部42の開口部43に繋がる下開口部49bになっている。
また、上凹部46と下凹部47に挟まれた中央板部51(他方の仕切板)には、下板部42の中央流通孔44aと4箇所に周辺流通孔44bに対応して、中央流通孔51aと中央流通孔51aの径方向外方で周方向の等間隔な4箇所に周辺流通孔51bを設けている。また、上板部45の下開口部49b位置には、開口部43内に延びた位置合わせ用突起52を設けている。下凹部47内には、可動板55が中央板部51と下板部42に挟まれて中央板部51と下板部42との間に所定隙間を設けてわずかに上下動可能に配設されている。所定隙間は、シェイク振動入力に対しては、可動板55が中央板部51と下板部42に密着し、アイドル振動入力に対しては、可動板55が中央板部51と下板部42に密着しないような大きさである。
可動板55は、図3〜図5に示すように、ゴム弾性体製のほぼ平坦な円形厚板であり、上面56は外周縁から径方向の所定範囲がわずかに傾斜して凹んだ傾斜面57になっており、さらに外周縁がわずかに突出した環状の突出部58になっている。また、下面59は平坦面で、外周縁がわずかに突出した環状の突出部61になっている。さらに、下面59には、4本の流通溝62が下面から凹んでかつ中心を通って周方向に等間隔で外周縁まで放射状に延びて設けられている。流通溝62は、幅より深さが大きくなるように形成されており、大きな振動入力によって可動板55が下板部42に強く押し付けられて変形しても、塞がれて液体が流れないことがないようにされている。流通溝62の断面は、主液室38に流入させる液体の量に応じて調節される。可動板55が、下凹部47内に収容されて中央板部51と下板部42に挟まれた状態で、流通溝62は、中心部分が下板部42の中央流通孔44aに連通すると共に、放射状に延びた部分が周辺流通孔44bに連通するようになっている。
仕切り部材41は、本体ゴム弾性体31及びゴム被覆部32が形成された本体金具22の締付け部24上に載置されて、上被覆層34とダイヤフラム部36が形成された上側金具25が重ね合わされて、締付け部24を折り返して上側金具25の係止部26に重ね合わせて締め付けることにより、本体金具22と上側金具25に固定される。これにより、仕切り部材41は、第1取付部材11、第2取付部材21、本体ゴム弾性体31及びダイヤフラム部36に囲まれた内部に液体が収容される液室37を、下側の主液室38と、上側の平衡液室39に分離し、オリフィス通路49を通して主液室38と平衡液室39間を連通させて、主液室38と平衡液室39間に液体を還流させる。
仕切り部材41においては、液体封入式防振装置10に大振幅で低周波数のシェイク振動が入力されると、液体はオリフィス通路49を通して主液室38と平衡液室39間を還流し、主としてオリフィス通路49における液柱共振作用により振動を減衰させるように構成されている。その際、平衡液室39から主液室38に向かう液体の一部は、中央板部51に設けた中央流通孔51aと周辺流通孔51aを通して下凹部47に流入し、下板部42に押し付けられた可動板55の下面に設けた流通溝62を通って、下板部42の中央流通孔44aと4箇所に周辺流通孔44bを通して、主液室38内にわずかに流れ込む。これにより、主液室38側の圧力が負圧になることが抑えられ、主液室38側の過度の負圧状態が緩和されるようになっている。また、防振装置10にシェイク振動より振幅が小さいアイドル振動が入力されると、上記下板部42に設けた中央流通孔44aと周辺流通孔44b、中央板部51に設けた中央流通孔51aと周辺流通孔51b、下板部42及び中央板部51と可動板55との隙間を通して液体が主液室38と平衡液室39間を還流するように構成されている。
上記液体封入式防振装置10の形成については、まず第1取付部材11と本体金具22を、所定の成形金型(図示しない)に装着し、マウントのばね特性に合わせたゴム弾性体材料を注入して加硫成形を行うことにより、本体ゴム弾性体31及びゴム被覆部32が一体で形成される。第2取付部材21の上側金具25を所定の成形金型(図示しない)に装着し、ゴム弾性体材料を注入して加硫成形を行うことにより、上被覆層34とダイヤフラム部36が一体で形成される。水等の非圧縮性液体中において、本体ゴム弾性体31及びゴム被覆部32が形成された本体金具22の締付け部24上に、可動板55を収容した仕切り部材41を載置し、上被覆層34とダイヤフラム部36が形成された上側金具25を仕切り部材41に重ね合わせて、液室37内に液体を封入した後、本体金具22の締付け部24を折り返して上側金具25の係止部26に重ね合わせて締め付けることにより、液体封入式防振装置10が得られる。
この液体封入式防振装置10は、第1取付部材11を下、ダイヤフラム部36を上にして軸方向を上下に向けて配置され、第2取付部材21の本体金具22に固定された取付ブラケット(図示しない)により車体側に取り付けられ、第1取付部材11の下端面にてエンジン側ブラケット(図示しない)に取り付けられ、エンジン側を吊るした状態で支持するように構成されている。液体封入式防振装置10は、エンジンの荷重を受けて第1取付部材11が下方に押され、その結果、第1取付部材11の容器部14上面と仕切り部材41の下板部42が衝突しないようにされる。
上記のように構成した実施例においては、液体封入式防振装置10に低周波数で大振幅のシェイク振動が加えられると、主液室38側の圧力が負圧となるが、仕切り部材41内部の中空の下凹部47に収容された可動板55に、主液室38側の表面に外周から放射状に延びて中央流通孔51a及び周辺流通穴51bに対向する流通溝62を設けたことにより、オリフィス通路49へ流れ込む液体の一部が、仕切り部材41内部において可動板55に設けた流通溝62を通って主液室38側にわずかに流れ込む。そのため、主液室38側の負圧状態が緩和される。
その結果、本実施例においては、主液室38側の気泡の発生が抑えられ、主液室38の圧力が元に戻ったときにこれら気泡の消滅に伴う大きな異音の発生を抑えることができ、車室内への異音の伝播を防止できる。また、流通溝62の断面が、幅より深さが大きくなるように形成されており、大振幅のシェイク振動入力による液圧で流通溝62が潰れないようにされている。そのため、大きな振動入力が加えられても、可動板55に設けた流通溝62から液体が主液室38に流れ込むことができるので、主液室38側の負圧状態を緩和する効果が安定して確保される。
つぎに、可動板の変形例について図6により説明する。
変形例においては、可動板55Aの平坦な下面59に設けた中心を通って周方向に外周縁まで放射状に延びた4本の流通溝63a〜63dが、周方向に非対称位置に設けられており、流通溝63a,63b,63c間が流通溝63c,63d,63a間に比べて狭くされている。これに応じて、下板部42の周辺流通孔44bの配置も変更される。仕切り部材41のその他構成については上記実施例と同様である。これにより、可動板55Aの流通溝が密に設けられた部分に液体が流れることによる可動板55Aに作用する引張り力が他の部分より大きくなり、大きな引張り力を受ける部分が他の部分より先に下板部42に当接することにより、可動板55Aの各部分の下板部42への当接のタイミングがずらされる。そのため、可動板55Aの仕切り部材41への当接による異音の発生が抑えられる。
なお、上記実施例、変形例においては、4本の流通溝が可動板の中心を通って周方向に外周縁まで放射状に延びているが、これに限らず、流通溝を流れる液体の量に応じて、種々の形状にすることが可能である。また、上記実施例においては、防振装置は、エンジン側に取り付けられる第1取付部材11が下側に配置され、ダイヤフラム部36が上側に配置され、第1取付部材11によってエンジン側を吊るして支持する構成であるが、これに代えて、エンジン側に取り付けられる第1取付部材が上側に配置され、ダイヤフラム部が下側に配置され、エンジン側が第1取付部材に置かれて支持される構成の液体封入式防振装置に対しても本発明を同様に適用できる。
また、上記実施例は、エンジン支持用の液体封入式防振装置について説明しているが、その他の、ボディマウント等に対しても、本発明を同様に適用することができる。その他、上記実施例に示した液体封入式防振装置の各部分の構造については一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することができる。
本発明は、主液室と平衡液室に仕切る仕切り部材内部の中空の収容室に収容された可動板に、主液室側の表面に外周から延びて仕切板の流通孔に対向する流通溝を設けたことにより、オリフィス通路へ流れ込む液体の一部が主液室側にわずかに流れ込み、主液室側の負圧状態が緩和されて気泡の発生が抑えられ、これら気泡の消滅に伴う大きな異音の発生を抑えることができ、車室内への異音の伝播を防止できるので、有用である。
本発明の一実施例である液体封入式防振装置を示す断面図である。 液体封入式防振装置に用いられる仕切り部材を示す断面図である。 仕切り部材内に収容される可動板を示す平面図である。 同可動板を示す図3のIV−IV線方向の断面図である。 同可動板を示す図3の矢印V方向の矢視図である。 変形例である可動板を示す平面図である。
符号の説明
10…液体封入式防振装置、11…第1取付部材、21…第2取付部材、22…本体金具、25…上側金具、31…本体ゴム弾性体、36…ダイヤフラム部、37…液室、38…主液室、39…平衡液室、41…仕切り部材、42…下板部、43…開口部、44a…中央流通孔、44b…周辺流通孔、45…上板部、47…下凹部、49…オリフィス通路、51…中央板部、51a…中央流通孔、51b…周辺流通孔、55,55A…可動板、62…流通溝。

Claims (3)

  1. 振動発生部及び振動受部のいずれか一方に取り付けられる第1取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に取り付けられる筒状の第2取付部材と、該第2取付部材の一端側と前記第1取付部材との間を連結する本体ゴム弾性体と、前記第2取付部材の他端側に取り付けられて、前記第2取付部材一端側との間に液体が封入された液室を形成する可撓性のダイヤフラム部と、前記液室を前記本体ゴム弾性体側の主液室と前記ダイヤフラム部側の平衡液室に仕切る仕切り部材と、前記主液室と平衡液室間を連通するオリフィス通路とを備え、前記仕切り部材が、前記主液室と平衡液室に面したそれぞれ流通孔を有する一対の仕切板を設けると共に該一対の仕切板の間に該流通孔を通して該主液室と平衡液室にそれぞれ連通する中空の収容空間を設けており、該収容空間内には該一対の仕切板に対して所定隙間を隔てて可動板が収容された液体封入式防振装置において、
    前記可動板の前記主液室側の表面に、該表面から凹むと共に外周から前記流通孔との対向位置まで延びた流通溝を設けたことを特徴とする液体封入式防振装置。
  2. 前記流通溝の深さが幅より大きくされたことを特徴とする請求項1に記載の液体封入式防振装置。
  3. 前記流通溝が、放射状に複数設けられて、かつ各流通溝が周方向に非対称に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体封入式防振装置。
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