JP2013133849A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動板の当接に起因する打音を効果的に低減乃至は防止することができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】仕切部材36には収容空所70の周囲を取り囲むように環状の配設領域74が設けられて、配設領域74が受圧室76と平衡室78の少なくとも一方に対して遮断されていると共に、配設領域74には環状の弾性膜84が配設されており、弾性膜84において、配設領域74の壁内面に当接して仕切部材36に対して弾性的に位置決めされる当接部86,88と、配設領域74内で弾性変形を許容される変形部90とが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のエンジンマウントやボデーマウント、メンバマウント等に用いられる防振装置に係り、特に内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用する流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、防振装置が知られている。防振装置は、振動伝達系を構成する各一方の部材に取り付けられる第1の取付部材と第2の取付部材を本体ゴム弾性体によって弾性連結した構造を有している。また、防振装置としては、流体の流動作用を利用する流体封入式防振装置も知られている。この流体封入式防振装置は、第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んで受圧室と平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、受圧室と平衡室がオリフィス通路を通じて相互に連通された構造を有している。例えば、特開2009−243510号公報(特許文献1)に示されているのが、それである。
ところで、流体封入式防振装置では、オリフィス通路がチューニングされた周波数の振動に対して、流体の流動作用に基づいた防振効果が有効に発揮される一方で、チューニング周波数を外れた周波数の振動に対しては、有効な防振効果が得られ難い。特に、チューニング周波数よりも高周波数の振動入力時には、オリフィス通路が反共振によって実質的に遮断されることから、高動ばね化による防振性能の低下が問題となる。
そこで、特許文献1に記載の構造では、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数の振動入力時に、受圧室と平衡室の間で液圧の伝達を許容する流体流路を備えた液圧伝達機構が設けられている。この液圧伝達機構は、具体的には、仕切部材に形成された収容空所に可動板が収容配置されており、収容空所の壁部に貫通形成された連通孔(流体流路)を通じて可動板の両面に受圧室の液圧と平衡室の液圧との各一方が及ぼされた構造を有している。そして、高周波小振幅振動の入力時には、可動板が微小変位することにより受圧室と平衡室の間で液圧の伝達が許容されると共に、オリフィス通路のチューニング周波数域の振動が入力されると、可動板が連通孔を閉鎖して両室間での液圧の伝達が防止されるようになっている。これにより、オリフィス通路を通じた流体流動によって発揮される防振効果と、液圧伝達機構による液圧吸収作用で発揮される防振効果とを、選択的に且つ何れも有効に得ることができる。
しかしながら、このような液圧伝達機構を備えた流体封入式防振装置では、可動板が収容空所の壁内面に当接する際に、衝撃力に基づいた打音の発生が問題となり易い。即ち、可動板が収容空所の内面に当接する際の衝撃エネルギーが、仕切部材およびそれを支持する第2の取付部材を介して車両ボデーに及ぼされることで、乗室内で異音が生じるおそれがあった。
特開2009−243510号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、可動板の当接に起因する打音を効果的に低減乃至は防止することができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んで壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室とが形成されて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されており、更に該仕切部材の内部には収容空所が形成されて、該収容空所に可動板が収容配置されていると共に、該収容空所の壁部に形成された連通孔を通じて該可動板の両面に該受圧室の液圧と該平衡室の液圧の各一方が及ぼされている流体封入式防振装置において、前記仕切部材には前記収容空所の周囲を取り囲むように環状の配設領域が設けられて、該配設領域が前記受圧室と前記平衡室の少なくとも一方に対して遮断されていると共に、該配設領域には環状の弾性膜が収容配置されており、該弾性膜において、該配設領域の壁内面に当接して該仕切部材に対して弾性的に位置決めされる当接部と、該配設領域内で弾性変形を許容される変形部とが設けられていることを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、可動板が収容空所の壁内面に当接することで衝撃エネルギーが弾性膜のエネルギー減衰作用によって低減されることで、衝撃エネルギーに起因する打音の発生を防止することができる。即ち、可動板の当接による打音は、当接時の衝撃エネルギーが仕切部材を介して伝達されることで生じるが、弾性膜の変形部が仕切部材から当接部を介して伝達される衝撃エネルギーによって弾性変形することで、内部摩擦等に基づいたエネルギー減衰作用が発揮される。これによって、衝撃エネルギーの発生部位から第2の取付部材への伝達経路上で、衝撃エネルギーが低減されることから、かかる衝撃エネルギーに起因して発生する打音が低減乃至は防止される。
特に、可動板が配設される収容空所を取り囲むように環状の弾性膜を配することによって、全周に亘ってエネルギー伝達経路上に弾性膜が配置されて、弾性膜の変形によるエネルギー減衰作用を得ることができる。それ故、第2の取付部材に伝達される衝撃エネルギーを効率的に抑えることができて、打音の発生を効果的に防ぐことが可能となる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記当接部が前記弾性膜の内周端部と外周端部の少なくとも一方に設けられているものである。
第2の態様によれば、弾性膜において変形部の径方向での自由長を大きく確保することができて、変形部を効率的に弾性変形させることができる。それ故、変形部の内部摩擦等に基づいたエネルギー減衰作用を有効に得ることができて、目的とする打音の低減を効果的に実現することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記当接部が前記弾性膜の内周端部と外周端部の両方に設けられており、それら当接部の間に前記変形部が設けられているものである。
第3の態様によれば、内周端部と外周端部の両方に当接部が設けられることで、弾性膜が仕切部材に対してより安定して位置決めされる。また、変形部の変形量が大きくなり過ぎるのを防いで、変形部の仕切部材への打ち当たりを回避することで、変形部の当接による新たな打音の発生を防ぐこともできる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記当接部が前記弾性膜の内周端部と外周端部との中間に設けられており、該当接部の内周側および外周側に前記変形部が設けられているものである。
第4の態様によれば、弾性膜の内周端部と外周端部の間に当接部を設けることで、変形部の変形量をコントロールして、変形部の仕切部材への打ち当たりを防ぐことができる。また、当接部の内外周両側に片持ち梁状の断面を有する変形部を設けることもできて、衝撃エネルギーの入力に対して変形部の弾性変形を効率的に生ぜしめることもできる。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記配設領域が、前記受圧室に対して遮断されていると共に、前記平衡室に連通されているものである。
第5の態様によれば、受圧室の液圧が弾性膜に及ぼされるのを回避することで、弾性膜の弾性変形によるエネルギー減衰作用に基づいた打音低減効果を効率的に得ることができる。しかも、配設領域が容積変化を容易に許容される平衡室に連通されていることによって、配設領域が密閉されている場合に比して弾性膜の弾性変形がより効率的に生じて、打音の低減効果を有利に得ることができる。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記配設領域が前記弾性膜を挟んだ両側の領域に仕切られていると共に、それら両側の領域が連通路を通じて相互に連通されているものである。
第6の態様によれば、弾性膜を挟んだ両側の領域の容積変化が、連通路を通じた両領域間での流体流動によって許容されることから、弾性膜の変形部が弾性変形し易くなって、エネルギー減衰作用が効果的に発揮される。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記弾性膜の前記変形部には厚さ方向に貫通する透孔が形成されており、該透孔によって前記連通路が構成されているものである。
第7の態様によれば、弾性膜の変形部に透孔を貫通形成する簡単な構造によって連通路を設けて、変形部の弾性変形を容易に生じ易くすることができる。
本発明によれば、可動板が配設される収容空所の周囲を取り囲むように環状の配設領域が形成されており、その配設領域に弾性膜が収容されて、当接部において仕切部材に当接して弾性的に位置決めされていると共に、変形部において仕切部材から離隔して弾性変形を許容されている。これにより、可動板の仕切部材への当接時に生じる衝撃エネルギーが、仕切部材から弾性膜の当接部を介して変形部に及ぼされることにより、変形部が弾性変形して内部摩擦等に基づいたエネルギー減衰作用が発揮される。その結果、衝撃エネルギーに起因する可動板の当接打音が低減されて、防振連結対象部材における静粛性等が実現される。しかも、環状の弾性膜が収容空所の周囲を取り囲むように配置されていることから、全周に亘ってエネルギー減衰作用が発揮されて、打音の低減がより効果的に実現される。
本発明の第1の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図2のI−I断面に相当する図。 図1に示されたエンジンマウントの平面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する上仕切部材の斜視図。 図3に示された上仕切部材の平面図。 図3に示された上仕切部材の底面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する下仕切部材の斜視図。 図6に示された下仕切部材の平面図。 図6に示された下仕切部材の底面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する弾性ゴム膜の斜視図。 図9に示された弾性ゴム膜の平面図。 図10のXI−XI断面図。 大振幅振動の入力時に第2の取付部材に伝達される荷重の計測結果を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態としてのエンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図。 図13に示されたエンジンマウントを構成する弾性ゴム膜の斜視図。 図14に示された弾性ゴム膜の平面図。 図15のXVI−XVI断面図。 本発明の第3の実施形態としてのエンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図。 図17に示されたエンジンマウントを構成する弾性ゴム膜の斜視図。 図18に示された弾性ゴム膜の平面図。 図19のXX−XX断面図。 本発明の第4の実施形態としてのエンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1,図2には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第1の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第1の取付部材12と第2の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有しており、第1の取付部材12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第2の取付部材14が図示しない車両ボデーに取り付けられるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言う。
より詳細には、第1の取付部材12は、鉄やアルミニウム合金等で形成された高剛性の部材であって、全体として小径の略円形ブロック形状を有しており、上部が略円柱形状を有していると共に、下部が下方に向かって次第に縮径する逆向きの略円錐台形状とされている。また、第1の取付部材12には、中心軸上を上下に延びて上面に開口するボルト穴18が形成されており、その内周面にねじ山が形成されている。
第2の取付部材14は、第1の取付部材12と同様の材料で形成された高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第2の取付部材14の上端部分には、外周側に開口する溝状を呈する括れ部20が設けられていると共に、括れ部20の上端から外周側に向かってフランジ部22が突出している。
そして、第1の取付部材12と第2の取付部材14は、同一中心軸上で第1の取付部材12が第2の取付部材14よりも上方に離隔配置されて、それら第1の取付部材12と第2の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円錐台形状を有しており、小径側の端部に第1の取付部材12が加硫接着されていると共に、大径側の端部の外周面に第2の取付部材14の括れ部20が重ね合わされて加硫接着されている。なお、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が第1の取付部材12および第2の取付部材14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、大径凹所24が形成されている。大径凹所24は、本体ゴム弾性体16の大径側端面に開口する逆向きの略すり鉢形状乃至は皿形状を呈する凹所であって、本体ゴム弾性体16の径方向中央部分に形成されている。
更にまた、本体ゴム弾性体16における大径凹所24よりも外周側からは、シールゴム層26が延び出している。シールゴム層26は、薄肉大径の略円筒形状を有するゴム弾性体であって、本体ゴム弾性体16と一体形成されていると共に、第2の取付部材14の内周面に固着されている。
また、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、可撓性膜28が取り付けられている。可撓性膜28は、薄肉の円板状乃至は円形ドーム状を呈するゴム膜であって、軸方向に充分な弛みを備えている。更に、可撓性膜28の外周端部には環状の固着部30が一体形成されており、この固着部30の外周面が環状の固定部材32の内周面に加硫接着されている。
そして、固定部材32が第2の取付部材14の下側開口部に挿入されて、第2の取付部材14に八方絞り等の縮径加工が施されることにより、固定部材32が第2の取付部材14に嵌着されて、可撓性膜28が第2の取付部材14の下側開口部を閉鎖するように配設される。なお、第2の取付部材14と固定部材32の間には、シールゴム層26が介在しており、第2の取付部材14と固定部材32が流体密に固定されている。
このように本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に可撓性膜28が取り付けられることで、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28の軸方向対向面間には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体を封入された流体室34が形成されている。なお、流体室34に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液等が採用され得る。また、後述する流体の流動作用に基づいた防振効果を効率的に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
また、流体室34には、仕切部材36が収容配置されている。仕切部材36は、全体として厚肉の略円板形状を呈しており、上仕切部材38と下仕切部材40とを含んで構成されている。
上仕切部材38は、図2〜図4に示されているように、略円板形状を呈しており、径方向中央部分には上方に開口する中央凹所42が形成されて、後述する受圧室76の容積が効率的に確保されるようになっている。更に、中央凹所42の底壁の中央部分には、上下に貫通する複数の第1の連通孔44が形成されている。この第1の連通孔44は軸方向視で略長方形とされており、4つの第1の連通孔44が短辺方向で等間隔に設けられている。それら4つの第1の連通孔44の短辺方向間には、それぞれ逆向きの略円錐台形状を呈する上部緩衝突起45が、下方に突出して設けられている。なお、中央凹所42の底壁部の外周部分には、周上で等間隔に複数の上部嵌着孔46が貫通形成されている。
さらに、上仕切部材38の外周端部には、外周面に開口しながら周方向に所定の長さで延びる上部溝48が形成されており、上部溝48の一方の端部が径方向内側に延び出して中央凹所42に連通されていると共に、他方の端部が下面に開口している。
下仕切部材40は、図5〜図7に示されているように、中央部分が厚肉の略円板形状を呈していると共に、その外周側には下端から薄肉のフランジ状部分50が突出している。このフランジ状部分50は、周方向で一周に満たない所定長さで延びており、一方の端部が周方向外側に向かって次第に厚肉となる傾斜部とされていると共に、他方の端部が軸方向下方に開口している。更に、フランジ状部分50の両端部間には、中央部分と同じ厚肉の隔壁部52が突出している。なお、厚肉とされた中央部分には、周上で等間隔に複数の下部嵌着穴54が形成されている。
また、下仕切部材40の径方向中央部分には、収容凹所56が形成されている。この収容凹所56は、軸方向視で略長方形を呈しており、上方に向かって開口している。
さらに、収容凹所56の底壁部には、複数の第2の連通孔58が貫通形成されている。第2の連通孔58は、第1の連通孔44と略同じ長方形断面で上下方向に延びており、第1の連通孔44と同様に、短辺方向に所定の間隔で4つが設けられている。それら4つの第2の連通孔58の短辺方向間には、それぞれ略円錐台形状を呈する下部緩衝突起60が、上方に突出して設けられている。なお、第2の連通孔58は、その長辺方向が収容凹所56の短辺方向と略一致するように設けられており、後述する上下仕切部材38,40の組み合わせ状態において、第1の連通孔44の長辺方向と第2の連通孔58の長辺方向が略一致している。
また、収容凹所56の周囲には、上方に開口する環状凹所62が形成されている。環状凹所62は、略一定の略矩形断面で周方向に延びて、平面視で略円環形状を呈する凹所とされており、その底壁部には複数の窓部64が形成されている。この窓部64は、図7に示されているように、周方向に所定の長さで延びて上下に貫通する孔であって、4つの窓部64が周上で等間隔に設けられて、環状凹所62の径方向中央部分に形成されている。
さらに、環状凹所62の下方には、複数の肉抜凹所66が形成されている。肉抜凹所66は、下仕切部材40の下面に開口する凹所であって、それぞれ周方向に所定の長さで延びる4つの肉抜凹所66が周上で等間隔に設けられている。そして、肉抜凹所66は、環状凹所62に対して窓部64を通じて連通されている。なお、本実施形態の肉抜凹所66は、環状凹所62よりも径方向で幅広とされていると共に、窓部64と略同じ周方向長さで形成されている。
そして、上仕切部材38と下仕切部材40は、上下に重ね合わされており、相互に位置決めされた上部嵌着孔46と下部嵌着穴54に対して、ピンが圧入されたり、ねじが螺着される等して、相互に固定されている。
さらに、上仕切部材38の上部溝48の下側壁部が下仕切部材40のフランジ状部分50に対して上方に離隔して対向配置されることにより、外周側に開口して周方向に延びる凹溝が形成されており、その凹溝と上部溝48が周方向端部で相互に連通されることによって、周方向に2周弱の長さで螺旋状に延びる周溝68が形成されている。
更にまた、下仕切部材40の収容凹所56の開口部が上仕切部材38で覆蓋されることによって、上下の仕切部材38,40の間には収容空所70が形成されている。なお、収容空所70の上壁部に第1の連通孔44が貫通形成されていると共に、収容空所70の下壁部に第2の連通孔58が貫通形成されている。
この収容空所70には、可動板72が収容配置されている。可動板72は、軸方向視で略長方形を呈する平板状の部材であって、鉄やアルミニウム合金等の金属材料、アクリル樹脂やポリカーボネートやABS樹脂等の合成樹脂材料、ゴム弾性体等で形成されている。本実施形態では、後述する第1, 第2の連通孔44,58の遮断が可動板72の撓み変形によって実現されるように、可動板72がゴム弾性体で形成されている。なお、可動板72は、その平面形状が収容凹所56の平面形状よりも一回り小さくされて、収容空所70内で軸方向への変位を許容されていると共に、軸方向の投影において全ての第1, 第2の連通孔44,58と重なり合っている。
また、環状凹所62の開口部が上仕切部材38で覆蓋されることにより、環状の配設領域74が仕切部材36の内部に形成されている。この配設領域74は、収容空所70の周囲を取り囲むように周方向に延びる円環トンネル状の空所とされており、窓部64を通じて肉抜凹所66に連通されている。
かくの如き構造とされた仕切部材36は、流体室34に収容配置されて、軸直角方向に広がっており、外周端部を第2の取付部材14によって支持されている。これにより、流体室34が仕切部材36を挟んで上下に二分されており、仕切部材36を挟んだ上方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室76が形成されている。一方、仕切部材36を挟んだ下方には、壁部の一部が可撓性膜28で構成されて、可撓性膜28の変形によって容積変化が容易に許容される平衡室78が形成されている。それら受圧室76および平衡室78には、上述の非圧縮性流体が封入されている。
また、仕切部材36の外周面が第2の取付部材14に対してシールゴム層26を介して重ね合わされることにより、周溝68の外周開口部が第2の取付部材14によって流体密に覆蓋されて、周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。このトンネル状流路の周方向一方の端部が受圧室76に連通されると共に、周方向他方の端部が平衡室78に連通されることにより、受圧室76と平衡室78を相互に連通するオリフィス通路80が、周溝68を利用して形成されている。なお、オリフィス通路80は、受圧室76および平衡室78の壁ばね剛性を考慮しながら、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を調節することにより、エンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波数にチューニングされている。
また、収容空所70が第1の連通孔44を通じて受圧室76に連通されていると共に、第2の連通孔58を通じて平衡室78に連通されて、収容空所70に非圧縮性流体が封入されている。これにより、受圧室76と平衡室78を相互に連通する流体流路82が、収容空所70と第1, 第2の連通孔44,58を利用して形成されている。この流体流路82は、チューニング周波数がオリフィス通路80のチューニング周波数よりも高周波数に設定されており、本実施形態では、アイドリング振動に相当する十数Hz以上の周波数にチューニングされている。
さらに、収容空所70には、可動板72が流体流路82上で流路長方向に対して略直交して広がるように配設されており、可動板72の上面に受圧室76の液圧が及ぼされていると共に、可動板72の下面に平衡室78の液圧が及ぼされている。そして、小振幅振動の入力時には、受圧室76の平衡室78に対する相対的な圧力変動によって、可動板72が収容空所70内で壁内面に当接することなく微小変位して、流体流路82が連通状態に保持されるようになっている。一方、大振幅振動の入力時には、可動板72が収容空所70の受圧室76側の壁内面と平衡室78側の壁内面に当接して第1, 第2の連通孔44,58の収容空所70側の開口を覆蓋することで、流体流路82が遮断されるようになっている。
また、配設領域74は、上仕切部材38によって受圧室76から隔てられていると共に、窓部64および肉抜凹所66を介して平衡室78に連通されている。このことからも明らかなように、配設領域74には、受圧室76および平衡室78と同じ非圧縮性流体が封入されている。
ここにおいて、配設領域74には、弾性ゴム膜84が配設されている。弾性ゴム膜84は、図9〜図11に示されているように、略円環板形状のゴム弾性体とされており、内周端部に当接部としての内周当接部86が設けられていると共に、外周端部に当接部としての外周当接部88が設けられている。内周当接部86と外周当接部88は、何れも厚さ方向両側に向かって突出する環状の突部であって、その軸方向寸法が配設領域74の軸方向寸法と同じかそれよりも大きくされている。更に、内周当接部86と外周当接部88は、突出先端側(軸方向外側)に行くに従って径方向で狭幅になっている。
また、内周当接部86と外周当接部88の径方向間には、変形部90が一体形成されている。この変形部90は、軸直角方向に広がる略円環板形状とされており、内周側に内周当接部86が一体形成されていると共に、外周側に外周当接部88が一体形成されている。なお、変形部90の厚さ寸法は、内周当接部86および外周当接部88の軸方向寸法よりも小さくされており、内周当接部86および外周当接部88が変形部90よりも軸方向両側に突出している。
この弾性ゴム膜84は、配設領域74に収容配置されている。そして、弾性ゴム膜84は、内周当接部86および外周当接部88が配設領域74の上下壁内面に当接することで仕切部材36に対して弾性的に位置決めされていると共に、変形部90が配設領域74の上下壁内面に対して離隔することで弾性変形を許容されている。なお、本実施形態では、図1に示されているように、弾性ゴム膜84の内周面および外周面が配設領域74の内周壁面および外周壁面に対して離隔しているが、それら弾性ゴム膜84の内周面および外周面は、配設領域74の内周壁面および外周壁面に当接していても良い。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント10では、車両装着状態で中乃至高周波数の小振幅振動が入力されると、可動板72が収容空所70内で上下に微小変位して、流体流路82が連通状態に保持される。これにより、受圧室76と平衡室78の間で流体流路82を通じた実質的な流体流動による液圧伝達作用が発揮されて、受圧室76の高動ばね化が防止されることで、目的とする防振効果(振動絶縁効果)を得ることができる。なお、オリフィス通路80は、入力振動の周波数がチューニング周波数よりも高周波数であることから、反共振によって実質的に遮断されている。
一方、エンジンシェイク等に相当する低周波大振幅振動の入力時には、受圧室76の平衡室78に対する相対的な圧力変動によって、オリフィス通路80を通じて両室76,78間で流体の流動が惹起される。これにより、流体の共振作用等の流動作用に基づいて、目的とする防振効果(高減衰効果)が発揮されるようになっている。
このような低周波大振幅振動の入力時には、可動板72は、入力振動の振幅に追従し切れず、収容空所70の上下壁内面に押し付けられる。これにより、第1, 第2の連通孔44,58が可動板72によって閉鎖されて、流体流路82が可動板72によって遮断される。その結果、受圧室76の液圧が流体流路82を通じて平衡室78に逃げるのを防いで、オリフィス通路80を通じて流動する流体の量を多く確保することができる。
なお、本実施形態では、収容空所70の上下壁内面にそれぞれ緩衝突起45,60が設けられており、可動板72が緩衝突起45,60に当接してから撓み変形することで第1, 第2の連通孔44,58を遮断するようになっている。これにより、収容空所70の壁内面に対する可動板72の当接面積が段階的に増えるようになっており、当接時の衝撃が緩和されることで、打音の発生が抑えられている。
そこにおいて、可動板72が収容空所70の上下壁内面に当接する際の衝撃エネルギーは、仕切部材36から第2の取付部材14に伝達されて、第2の取付部材14から車両ボデーに及ぼされることから、乗室内に異音が発生するおそれがある。そこで、エンジンマウント10では、弾性ゴム膜84によって可動板72の当接による衝撃エネルギーが低減されるようになっている。即ち、可動板72の当接による衝撃エネルギーが仕切部材36に及ぼされると、その衝撃エネルギーが仕切部材36に当接された当接部86,88を通じて弾性ゴム膜84の変形部90に及ぼされる。これにより、変形部90が厚さ方向で弾性変形を生じて、内部摩擦等による衝撃エネルギーの減衰作用が発揮される。その結果、仕切部材36から第2の取付部材14に及ぼされるエネルギーが小さくなって、車室内で問題となる異音が低減乃至は回避される。
なお、本実施形態において、弾性ゴム膜84と上仕切部材38の間には、密閉された環状の領域が形成されて、その領域に非圧縮性流体が封入されていることから、変形部90の弾性変形は、当該領域の容積変化を伴わない波打ち状等の態様で実現される。
また、配設領域74が、上仕切部材38によって受圧室76に対して隔てられていると共に、窓部64を通じて平衡室78の一部を構成する肉抜凹所66に連通されていることから、弾性ゴム膜84の変形部90には、受圧室76の圧力変動が及ぼされることなく、平衡室78の略一定の液圧が常時作用する。それ故、変形部90の弾性変形が振動入力による受圧室76の内圧変動によって制限されるのを防いで、衝撃エネルギーの減衰作用を安定して得ることができる。
また、弾性ゴム膜84に内周当接部86と外周当接部88が設けられており、弾性ゴム膜84が内周端部と外周端部の両方で仕切部材36に当接されている。これにより、弾性ゴム膜84が安定して弾性的に位置決めされると共に、変形部90の過大な変形による仕切部材36への当接が防止されることから、打音の発生が回避される。
エンジンマウント10において、可動板72の当接時による衝撃力の車両ボデー(第2の取付部材14)への伝達が低減されることは、図12に示された計測結果からも明らかである。なお、図12のグラフにおいて、実線が本実施形態に係るエンジンマウント10(実施例)の実測結果を、破線が本実施形態に係るエンジンマウント10から弾性ゴム膜84を取り除いたもの(比較例)を、1点鎖線が第1の取付部材12と第2の取付部材14の相対的な変位(本体入力変位)を、それぞれ示す。
すなわち、図12のグラフによれば、第1の取付部材12と第2の取付部材14の間に大振幅の振動荷重が入力された場合に、比較例では、可動板72の当接によって、第2の取付部材14への大きな伝達荷重が確認されたのに対して、実施例では、可動板72の当接時において第2の取付部材14への伝達荷重が極めて効果的に低減されている。このように、車両ボデーに取り付けられる第2の取付部材14への伝達荷重が抑えられることから、可動板72の当接打音が乗室内に伝達されるのを防ぐことができる。なお、図中では示されていないが、防振性能については、実施例と比較例の間に大きな違いがないことを確認している。
図13には、本発明の第2の実施形態としてのエンジンマウントの要部が拡大されて示されている。なお、以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。また、図示されていない部分については、第1の実施形態のエンジンマウント10と略同一の構造が採用され得る。
すなわち、本実施形態のエンジンマウントでは、弾性ゴム膜100が採用されている。この弾性ゴム膜100は、図14〜図16に示されているように、第1の実施形態の弾性ゴム膜84と同様に、内周当接部86および外周当接部88の間に変形部90を備えた略円環板形状を有していると共に、変形部90を厚さ方向に貫通する複数の透孔102が設けられている。この透孔102は、それぞれ小径の孔であって、略円環板形状とされた変形部90の幅方向中間部分を厚さ方向に貫通して形成されている。なお、透孔102は、形状や形成数が限定されるものではないが、本実施形態では、それぞれ略円形とされた5つの透孔102が周上で等間隔に設けられている。
このような透孔102を備えた弾性ゴム膜100は、図13にも示されているように、仕切部材36の内部に設けられた環状の配設領域74に収容配置されている。そして、内周当接部86および外周当接部88が配設領域74の壁内面に当接することで、弾性ゴム膜100が仕切部材36に対して弾性的に位置決めされている。
さらに、配設領域74が弾性ゴム膜100を挟んで上下に二分されて、弾性ゴム膜100の上方が上部領域104とされていると共に、弾性ゴム膜100の下方が下部領域106とされている。更にまた、上部領域104と下部領域106は、弾性ゴム膜100に貫通形成された透孔102を通じて相互に連通されており、上部領域104が密閉されることなく下部領域106を介して平衡室78に連通されている。なお、本実施形態では、上部領域104と下部領域106を相互に連通する連通路が、透孔102によって構成されている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいても、大振幅振動の入力時に、弾性ゴム膜100の変形部90が弾性変形することで、可動板72が収容空所70の壁内面に当接することで生じる衝撃エネルギーが減衰されて、車室において問題となる打音の発生を防ぐことができる。
しかも、本実施形態では、上部領域104と下部領域106が相互に連通されていることから、弾性ゴム膜100の変形部90が弾性変形する際にそれら両領域104,106の容積変化が許容される。それ故、弾性ゴム膜100の変形部90における弾性変形がより効率的に許容されて、可動板72の仕切部材36への当接による衝撃エネルギーが内部摩擦等を利用したエネルギー減衰作用によって一層効果的に低減される。その結果、可動板72の仕切部材36への当接による打音の発生がより有利に防止される。
なお、本実施形態では、弾性ゴム膜100の透孔102によって、上部領域104と下部領域106を相互に連通する連通路が構成されていたが、連通路は必ずしも弾性ゴム膜に設けられる孔に限定されない。具体的には、例えば、内周当接部と外周当接部の少なくとも一方を周上で部分的に設けたり、配設領域の上下壁内面に径方向に延びる凹溝を形成する等して、弾性ゴム膜の内周端部と外周端部の少なくとも一方を配設領域の上下壁内面から離隔させることで、連通路を形成することもできる。即ち、上記の手段によって、弾性ゴム膜の内周端部と外周端部の少なくとも一方と配設領域の上下壁内面との間に隙間を形成すると共に、弾性ゴム膜の内周面と外周面の少なくとも一方と配設領域の周壁内面との間に隙間を形成することで、それらの隙間を利用して連通路を形成することができる。
図17には、本発明の第3の実施形態としてのエンジンマウントの要部が拡大されて示されている。このエンジンマウントは、弾性膜としての弾性ゴム膜110を備えている。この弾性ゴム膜110は、図18〜図20に示されているように、略円環板形状を有するゴム弾性体とされて、幅方向の略中央に環状の当接部112が設けられており、その当接部112よりも内周側に内周変形部114が設けられていると共に、当接部112よりも外周側に外周変形部116が設けられている。
より詳細には、当接部112は、略円環板形状の弾性ゴム膜110において厚さ方向の両側に向かって突出する環状の突条であって、本実施形態では突出先端側に向かって次第に狭幅となっている。
内周変形部114は、略一定の厚さ寸法を有する略円環板形状のゴム弾性体であって、当接部112の厚さ方向中央部分から内周側に一体で突出する内フランジ状とされている。
外周変形部116は、略一定の厚さ寸法を有する略円環板形状のゴム弾性体であって、当接部112の厚さ方向中央部分から外周側に一体で突出するフランジ状とされている。なお、内周変形部114と外周変形部116は、本実施形態において相互に略同一の厚さ寸法で形成されているが、相互に異なる厚さ寸法で形成されていても良い。
このような構造とされた弾性ゴム膜110は、図17に示されているように、仕切部材36の配設領域74に収容配置されている。そして、弾性ゴム膜110の当接部112が配設領域74の上下壁内面に当接されることで、弾性ゴム膜110が仕切部材36に対して弾性的に位置決めされている。
さらに、弾性ゴム膜110の内周変形部114と外周変形部116は、それぞれ配設領域74の上下壁内面および内外周壁内面に対して所定の距離を隔てて配置されている。これにより、配設領域74が弾性ゴム膜110で上下に二分されて形成された上部領域118と下部領域120が、内周変形部114および外周変形部116と配設領域74の壁内面との隙間を通じて相互に連通されている。このことからも明らかなように、本実施形態では、上部領域118と下部領域120を相互に連通する連通路122が、上記隙間を利用して構成されている。
そして、エンジンマウントの車両装着状態において、大振幅振動が入力されて、可動板72が収容空所70の壁内面に当接すると、当接時の衝撃エネルギーが仕切部材36から当接部112を通じて内周変形部114および外周変形部116に及ぼされる。これにより、内周変形部114および外周変形部116が厚さ方向で弾性変形して、内部摩擦等に基づいたエネルギー減衰作用によって、衝撃エネルギーが低減される。その結果、仕切部材36から図示しない車両ボデーに伝達される衝撃エネルギーが小さくなって、車室空間における打音の発生が回避される。
特に本実施形態の弾性ゴム膜110では、変形部114,116がそれぞれ内周端部または外周端部の何れか一方を支持された片持ち梁の如き態様とされていることから、それら内周変形部114および外周変形部116の弾性変形が効率的に生ぜしめられて、エネルギー減衰作用をより効果的に得ることができる。
しかも、内周変形部114の内周側と外周変形部116の外周側にそれぞれ隙間が設けられて、それら隙間によって上部領域118と下部領域120を相互に連通する連通路122が形成されている。それ故、上部領域118と下部領域120の容積変化が連通路122を通じた流体流動によって許容されており、内周変形部114と外周変形部116の弾性変形がより効率的に生じて、エネルギー減衰作用を効果的に得ることができる。
図21には、本発明の第4の実施形態としてのエンジンマウントの要部が拡大されて示されている。即ち、本実施形態のエンジンマウントでは、上仕切部材38に第1の内周当接突起130と第1の外周当接突起132が設けられていると共に、下仕切部材40に第2の内周当接突起134と第2の外周当接突起136が設けられている。そして、第1, 第2の内周当接突起130,134の間に弾性ゴム膜138の内周端部が挟持されていると共に、第1, 第2の外周当接突起132,136の間に弾性ゴム膜138の外周端部が挟持されている。
より詳細には、第1の内周当接突起130と第1の外周当接突起132は、何れも上仕切部材38から下方に突出して周方向環状に延びる突条であって、第1の内周当接突起130が第1の外周当接突起132よりも内周側に位置している。なお、第1の内周当接突起130の内径寸法が下仕切部材40に設けられた環状凹所62の開口部の内径寸法と略同じとされていると共に、第1の外周当接突起132の外径寸法が環状凹所62の開口部の外径寸法と略同じとされている。また、第1の内周当接突起130および第1の外周当接突起132は、環状凹所62の深さ寸法よりも小さな突出高さで設けられている。
第2の内周当接突起134と第2の外周当接突起136は、何れも下仕切部材40において環状凹所62の底壁部から上方に突出して周方向環状に延びており、第2の内周当接突起134が第2の外周当接突起136よりも内周側に位置している。また、第2の内周当接突起134が配設領域74の内周壁部と一体で設けられて段差形状とされていると共に、第2の外周当接突起136が配設領域74の外周壁部と一体で設けられて段差形状とされている。なお、第2の内周当接突起134および第2の外周当接突起136は、環状凹所62の深さ寸法よりも小さな突出高さで設けられている。
そして、上仕切部材38と下仕切部材40が上下に重ね合わされて固定されることにより、第1の内周当接突起130および第1の外周当接突起132が、環状凹所62に挿入されており、それら第1の内周当接突起130および第1の外周当接突起132が、第2の内周当接突起134および第2の外周当接突起136に対して上下に所定距離を隔てて対向配置されている。
また、環状凹所62を利用して形成される配設領域74には、弾性ゴム膜138が配設されている。本実施形態の弾性ゴム膜138は、略円環板形状を有しており、全体が略一定の厚さ寸法で形成されている。
そして、弾性ゴム膜138は、その内周端部が第1の内周当接突起130と第2の内周当接突起134との間に挟まれてそれら内周当接突起130,134に当接していると共に、その外周端部が第1の外周当接突起132と第2の外周当接突起136との間に挟まれてそれら外周当接突起132,136に当接している。これにより、弾性ゴム膜138は、仕切部材36に対して弾性的に位置決めされており、弾性ゴム膜138の内周端部および外周端部が本実施形態における当接部140とされている。
さらに、弾性ゴム膜138は、内周当接突起130,134と外周当接突起132,136の径方向間に位置する幅方向中間部分が、配設領域74の上下壁内面に対して離隔した変形部142とされている。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントにおいても、第1〜第3の実施形態のエンジンマウントと同様に、可動板72の当接打音を低減する効果が有効に発揮される。
また、弾性ゴム膜において、当接部と変形部は、必ずしも厚さ方向両側に突出する等といった形状の違いで特定されるものではなく、本実施形態において示されているように、仕切部材36の形状等で弾性ゴム膜138の仕切部材への当接部分と非当接部分とを設けることにより、当接部140と変形部142が特定されるようになっていても良い。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、弾性膜において、当接部は、必ずしも全周に亘って連続的に設けられた環状のものに限定されず、周上で部分的に設けられた突起状のもの等も採用され得る。
また、前記実施形態では、当接部として、弾性膜の内周端部および外周端部の両方に設けられた構造や、弾性体の径方向中央に設けられた構造が例示されているが、例えば、当接部が弾性膜の内周端部又は外周端部の何れか一方だけに設けられて、当接部から外周側又は内周側に向かって略円環板形状の変形部が突出していても良い。更にまた、弾性膜の一方の面側と他方の面側における当接部が、互いに異なる位置に設けられていても良い。
さらに、当接部は、配設領域の壁内面に押し当てられて予め圧縮されることで挟持されていても良いが、弾性膜が配設領域内で自由な変位が規制される位置決め状態となるように、圧縮されていない状態で配設領域の壁内面に接触していても良い。
また、前記実施形態では、弾性膜が軸直角方向に広がる略円環板形状とされていたが、弾性膜は、周方向環状に延びていれば良く、例えば略円筒形状とされて、その上下両端部が仕切部材に当接する当接部とされていても良い。
また、弾性膜は複数が設けられていても良く、それら弾性膜が、相互に異なる直径で形成されて径方向に並んで配置されていても良いし、軸方向に並んで配置されていても良い。これによれば、各弾性膜の弾性変形によって、衝撃エネルギーの減衰作用がより効果的に発揮されることから、打音がより有利に低減され得る。
前記実施形態では、本発明をエンジンマウントに適用した例が示されているが、本発明は、例えばボデーマウントやサブフレームマウント、デフマウント等にも適用され得る。更に、本発明の適用範囲は、自動車用の流体封入式防振装置に限定されず、例えば自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両等に用いられる流体封入式防振装置にも好適に適用され得る。
10:エンジンマウント(流体封入式防振装置)、12:第1の取付部材、14:第2の取付部材、16: 本体ゴム弾性体、28:可撓性膜、36:仕切部材、44:第1の連通孔(連通孔)、58:第2の連通孔(連通孔)、70:収容空所、72:可動板、74:配設領域、76:受圧室、78:平衡室、80:オリフィス通路、84,100,110,138:弾性ゴム膜(弾性膜)、86:内周当接部(当接部)、88:外周当接部(当接部)、102:透孔(連通路)、112,140:当接部、90,142:変形部、114:内周変形部(変形部)、116:外周変形部(変形部)、122:連通路

Claims (7)

  1. 第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、該第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んで壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室とが形成されて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されており、更に該仕切部材の内部には収容空所が形成されて、該収容空所に可動板が収容配置されていると共に、該収容空所の壁部に形成された連通孔を通じて該可動板の両面に該受圧室の液圧と該平衡室の液圧の各一方が及ぼされている流体封入式防振装置において、
    前記仕切部材には前記収容空所の周囲を取り囲むように環状の配設領域が設けられて、該配設領域が前記受圧室と前記平衡室の少なくとも一方に対して遮断されていると共に、該配設領域には環状の弾性膜が配設されており、該弾性膜において、該配設領域の壁内面に当接して該仕切部材に対して弾性的に位置決めされる当接部と、該配設領域内で弾性変形を許容される変形部とが設けられていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記当接部が前記弾性膜の内周端部と外周端部の少なくとも一方に設けられている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記当接部が前記弾性膜の内周端部と外周端部の両方に設けられており、それら当接部の間に前記変形部が設けられている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記当接部が前記弾性膜の内周端部と外周端部との中間に設けられており、該当接部の内周側および外周側に前記変形部が設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記配設領域が、前記受圧室に対して遮断されていると共に、前記平衡室に連通されている請求項1〜4の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記配設領域が前記弾性膜を挟んだ両側の領域に仕切られていると共に、それら両側の領域が連通路を通じて相互に連通されている請求項1〜5の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記弾性膜の前記変形部には厚さ方向に貫通する透孔が形成されており、該透孔によって前記連通路が構成されている請求項6に記載の流体封入式防振装置。
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