JP2013256980A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧吸収機構を構成する可動板の当接によって発生する打音等を効果的に低減することができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】流体封入式防振装置10において、収容空所64には可動板92が当接する主液室66側および副液室68側の各内面に重ね合わされてそれら各内面を覆う緩衝体74が設けられている一方、それら主液室66側内面を覆う緩衝体74および副液室68側内面を覆う緩衝体74と可動板92とが相互に連結された一体成形品98で構成されていると共に、該一体成形品98における該可動板92の連結部分96において、該可動板92よりも弾性変形し易い低ばね部94が設けられており、該低ばね部94の弾性変形により該可動板92の板厚方向への変位が許容されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のエンジンマウントやボデーマウント、メンバマウント等に用いられる防振装置に係り、特に内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用する流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、特開2009−243510号公報(特許文献1)に示されている如き流体封入式防振装置が知られている。この流体封入式防振装置は、一般に、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されていると共に、それぞれ非圧縮性流体が封入された主液室と副液室が形成されている。そして、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力時に、主液室と副液室との間でのオリフィス通路を通じての流体流動作用に基づいて所定の防振効果が発揮されるようになっている。
このような流体封入式防振装置では、オリフィス通路がチューニングされた特定周波数域の振動に対して、流体の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮されることとなる。一方、オリフィス通路のチューニング周波数を外れた周波数の振動に対しては、有効な防振効果が得られ難い。特に、チューニング周波数よりも高周波数の振動入力時には、オリフィス通路が反共振によって実質的に遮断されることから、高動ばね化による防振性能の低下が問題になり易い。
そこで、特許文献1にも記載されているように、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動入力時に、主液室と副液室の間で液圧の伝達を許容する流体流路を設けて、主液室の圧力変動を吸収する高周波用の液圧吸収機構が提案されている。この液圧吸収機構は、一般に、第二の取付部材で支持されて主液室と副液室を仕切る仕切部材の内部に収容空所を形成し、そこに可動板を板厚方向で変位可能に収容配置すると共に、可動板の各一方の面に対して主液室と副液室の液圧を及ぼす主液室側連通孔と副液室側連通孔を収容空所の壁部に形成することによって構成される。
このような液圧吸収機構を設けることにより、オリフィス通路が実質的に閉塞状態となる高周波小振幅振動の入力時には、可動板が板厚方向で変位して主液室と副液室の間で各連通孔を通じての液圧の伝達が許容されることにより、主液室の著しい圧力変化による高動ばね化が軽減される。一方、オリフィス通路がチューニングされた低周波大振幅振動の入力時には、可動板の変位量が大きくなり収容空所の内面に当接して連通孔を閉鎖することにより、オリフィス通路を通じての流体流動量が確保されて有効なオリフィス効果を得ることができる。
しかしながら、このような液圧吸収機構を設けた流体封入式防振装置では、可動板が収容空所の内面に当接する際に、打音や衝撃の発生が問題となり易い。特に、高周波小振幅振動の入力時における可動板の変位に基づく液圧吸収作用による低動ばね効果を積極的に得る等の目的で可動板を大きくすると、可動板が収容空所の内面に当接する際の衝撃エネルギーが一層大きくなり、それが車両ボデーに及ぼされて乗室内での異音が問題となるおそれがあった。
また、収容空所の内面に緩衝ゴムを設けることにより、可動板の当接衝撃を緩和することも考えられる。ところが、収容空所の主液室側内面と副液室側内面にそれぞれ緩衝ゴムを設けると、部品点数や製造工程が大幅に増加してしまうことが避けられず、製造コストや製造設備の問題から、必ずしも有効な解決策となり得ないのである。
特開2009−243510号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、液圧吸収機構を構成する可動板の当接によって発生する打音等を効果的に低減することができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
本発明の第1の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材との間への振動入力により相対的な圧力変動が生ぜしめられる主液室と副液室が、該第二の取付部材によって支持された仕切部材を挟んだ両側に形成されて非圧縮性流体が封入されていると共に、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路が形成されており、更に該仕切部材の内部には収容空所が形成されて、該収容空所に可動板が板厚方向で変位可能に収容配置されていると共に、該可動板の各一方の面に対して該主液室と該副液室の液圧を及ぼす主液室側連通孔と副液室側連通孔が該収容空所の壁部に形成されている流体封入式防振装置において、前記収容空所には前記可動板が当接する前記主液室側および前記副液室側の各内面に重ね合わされてそれら各内面を覆う緩衝体が設けられている一方、それら主液室側内面を覆う緩衝体および副液室側内面を覆う緩衝体と前記可動板とが相互に連結された一体成形品で構成されていると共に、該一体成形品における該可動板の連結部分において、該可動板よりも弾性変形し易い低ばね部が設けられており、該低ばね部の弾性変形により該可動板の板厚方向への変位が許容されるようになっていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置では、低周波大振幅振動の入力時に可動板が打ち当たる収容空所の主液室側内面と副液室側内面にそれぞれ緩衝体が設けられていることから、可動板の当接に伴う打音や衝撃が軽減される。しかも、主液室側内面と副液室側内面にそれぞれ配された緩衝体が、可動板も加えて、全体として単一部品の一体成形品で構成されていることから、部品点数や組付工数の増加が回避されて、少ない部品点数と簡単な構造が実現される。
加えて、可動板は、単体で独立しておらず、仕切部材の収容空所内面に重ね合わされて組み付けられる緩衝体に対して、低ばね部のある連結部分によって弾性連結されている。それ故、低周波大振幅振動の入力時に大変位する可動板に対して、かかる連結部分による弾性も作用することとなる。そして、この連結部分における弾性は、可動板の変位量が大きくなるに従って次第に大きくなることから、高周波小振幅振動の入力時には低弾性下で可動板の微小変位が容易に許容される一方、低周波大振幅振動の入力時には高弾性が発揮されることで、可動板の収容空所内面への当接時の衝撃が一層効果的に低減され得る。
従って、本態様に従えば、高周波小振幅振動の入力時における主液室側連通孔と副液室側連通孔を通じての流体流動に伴う液圧吸収機構の低動ばね作用を充分に確保しつつ、低周波大振幅振動の入力時における可動板の当接衝撃が効果的に軽減され得る、新規な構造の流体封入式防振装置が、少ない部品点数と簡単な構造をもって実現可能となるのである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る流体封入式防振装置であって、前記主液室側内面を覆う緩衝体と前記副液室側内面を覆う緩衝体とを、各外周部分の少なくとも一部において対向方向で連結する緩衝体連結部が設けられていると共に、前記可動板の外周部分から延び出した可動板連結部が該緩衝体連結部に連結されることにより、それら両緩衝体と可動板を相互に連結する一体連結部が構成されているものである。
本態様によれば、主液室内面と副液室内面を覆う両緩衝体および可動板の各連結部を一体連結部として纏めて形成することが可能になる。それ故、緩衝体や可動板を構成する一体成形品の形状や成形用型の構造の簡略化などが図られ得る。また、可動板連結部が、可動板の外周部分から延び出す形状とされることで、可動板の板厚方向への変位に際しての可動板連結部の変形を、主に剪断変形として低ばね化を容易に図ることも可能になる。
なお、本態様におけるより具体的な構成としては、以下の第3の態様が、好適に採用され得る。
すなわち、本発明の第3の態様は、上記第2の態様に係る流体封入式防振装置であって、弾性体の一体成形品からなる扁平の帯形筒状体が前記収容空所に収容配置されており、該帯形筒状体において扁平方向で対向する一対の平板状部により前記緩衝体が構成されていると共に、該帯形筒状体において該一対の平板状部を該帯形筒状体の周方向の両端部分で相互に連結する一対の側壁部により一対の前記緩衝体連結部が構成されている一方、該帯形筒状体の内部において該一対の平板状壁部の対向方向中間部分に広がって前記可動板が配置されており、該可動板の外周部分が前記可動板連結部により該一対の緩衝体連結部の少なくとも一方に対して連結されているものである。
本態様によれば、可動板が主液室側と副液室側との何れかの平板状部に当接すると、可動板が当接しておらずに弾性変形が容易に許容される他方の平板状部へ、当接時の衝撃エネルギーが伝達されて、他方の平板状部の弾性変形によってエネルギーの吸収及び減衰作用が発揮される。その結果、可動板の当接に際して、緩衝体による打音等の低減作用が一層効果的に発揮され得る。
また、本発明の第4の態様は、前記第1〜3の何れかの態様に係る流体封入式防振装置であって、前記低ばね部が、前記可動板の本体部分に比して断面積が小さくされることによって弾性変形し易くされているものである。
本態様によれば、可動板と緩衝体との連結部分における低ばね部において、可動板の板厚方向への変位に際しての変形弾性を柔らかく設定することが容易となる。その結果、特に高周波小振幅振動の入力時における可動板の微小変位が、主液室と副液室の相対的な圧力変動に対して優れた応答性をもって生ぜしめられて、液圧吸収機構による低動ばね化と、それによる防振性能の向上が、一層効果的に達成され得る。
なお、本態様におけるより具体的な構成としては、以下の第5の態様が、好適に採用され得る。
すなわち、本発明の第5の態様は、上記第4の態様に係る流体封入式防振装置であって、前記前記低ばね部が、前記可動板の本体部分に比して厚さ寸法と幅寸法との少なくとも一方を小さくされることによって弾性変形し易くされているものである。
また、本発明の第6の態様は、前記第1〜5の何れかの態様に係る流体封入式防振装置であって、前記主液室側内面を覆う緩衝体には前記主液室側連通孔に対応する位置に主液室側窓部が形成されていると共に、前記副液室側内面を覆う緩衝体には前記副液室側連通孔に対応する位置に副液室側窓部が形成されており、前記可動板が該主液室側内面および該副液室側内面の各緩衝体に当接して該主液室側窓部および該副液室側窓部が閉塞されるようになっているものである。
本態様によれば、主液室側内面および副液室側内面を覆う各緩衝体に流体流通用の窓部を設けたことにより、収容空所における主液室側内面および副液室側内面を一層広い範囲に亘って緩衝体で覆うことが可能になる。これにより、例えば主液室側内面および副液室側内面における可動板の当接面の全体を、何れも緩衝体で覆うことも可能になり、可動板の当接時の衝撃の吸収性能の更なる向上も図られ得る。
本発明の第7の態様は、前記第1〜6の何れかの態様に係る流体封入式防振装置であって、前記収容空所における前記主液室側および前記副液室側の各内面において前記緩衝体を位置決めする位置決め手段が設けられているものである。
本態様によれば、緩衝体を収容空所内に非接着で収容配置して、主液室側および副液室側の各連通孔に対して相対的に位置合わせされた状態で、収容空所内での緩衝体の位置ずれを防止しつつ、可動板の当接に対する緩衝作用を一層効果的に得ることが可能になる。なお、位置決め手段としては、例えば収容空所の内面と緩衝体との間での凹部に対する凸部の係合や嵌合の構造、緩衝体に設けた位置決め孔に対する収容空所内面に突設した位置決めピンの挿通構造などが好適に採用される。
本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置では、可動板の当接衝撃を緩和する主液室側および副液室側の両緩衝体に対して可動板が弾性連結されることにより、それら全体が単一部品の一体成形品で構成されていることから、少ない部品点数と構造及び製造工程の簡略化とが達成され得ると共に、高周波小振幅振動の入力時には、可動板の微小変位に伴う主液室側連通孔と副液室側連通孔を通じての流体流動に伴う液圧吸収機構の低動ばね作用が効果的に発揮されると共に、低周波大振幅振動の入力時には、可動板の当接衝撃が効果的に軽減され得る。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 図1におけるII−II断面図。 図1におけるIII−III断面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する一体成形品を示す斜視図。 図4に示された一体成形品の平面図。 図5におけるVI−VI断面図。 図6におけるVII−VII断面図。 図1に示されたエンジンマウントにおける振動入力状態を説明するための縦断面説明図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを構成する一体成形品を示す平面図。 図9のX−X断面図。 図10のXI−XI断面図。 本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントを構成する一体成形品を示す平面図。 図12のXIII−XIII断面図。 図13のXIV−XIV断面図。 本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウントを構成する一体成形品を示す平面図。 図15のXVI−XVI断面図。 図16のXVII−XVII断面図。 本発明の第五の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜3には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有しており、第一の取付部材12が図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、第二の取付部材14が図示しない車両ボデーに取り付けられるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、防振すべき主たる振動の略入力方向とされる図1中の上下方向を言う。
より詳細には、第一の取付部材12は、金属や硬質合成樹脂等で形成された高剛性の部材であって、全体として小径の略円形ブロック形状を有しており、上部が略円柱形状を有していると共に、下部が下方に向かって次第に縮径する逆向きの略円錐台形状とされている。また、第一の取付部材12には、中心軸上を上下に延びて上面に開口するボルト穴18が形成されており、このボルト穴18に螺着される固定ボルトによって第一の取付部材12が、図示しないパワーユニットに固定されるようになっている。
第二の取付部材14は、第一の取付部材12と同様に金属等で形成された高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付部材14の上端部分には、外周側に開口する溝状を呈する括れ部20が設けられていると共に、括れ部20の上端から外周側に向かってフランジ部22が突出している。
そして、第一の取付部材12が、第二の取付部材14の上方開口部側で略同一中心軸上に位置して離隔配置されており、これら第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。
かかる本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円錐台形状を有しており、小径側の端部が第一の取付部材12に加硫接着されていると共に、大径側の端部の外周面が第二の取付部材14の括れ部20を含む上部に重ね合わされて加硫接着されている。なお、本実施形態では、本体ゴム弾性体16が第一の取付部材12および第二の取付部材14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体16には、大径側端面に開口する大径凹所24が形成されている。この大径凹所24は、下向きの略すり鉢形状又は皿形状を呈する逆向きの凹所であって、本体ゴム弾性体16の略中心軸上に形成されている。
また、第二の取付部材14の内周面には、本体ゴム弾性体16の外周部分から軸方向下方に向かって延び出したシールゴム層26が設けられている。即ち、かかるシールゴム層26は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、本体ゴム弾性体16と一体形成されて、第二の取付部材14の内周面に固着され、第二の取付部材14の内周面を略全体に亘って覆われている。
更にまた、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品を構成する第二の取付部材14の下側開口部には、可撓性膜28が組み付けられている。この可撓性膜28は、薄肉の円板状乃至は円形ドーム状を呈するゴム膜であって、軸方向に充分な弛みを有することで軸方向への膨出変形が容易に許容されている。更に、可撓性膜28の外周面は、リング金具等からなる環状の固定部材32の内周面に加硫接着されている。そして、この固定部材32が第二の取付部材14の下側開口部に挿入されて、第二の取付部材14に八方絞り等の縮径加工が施されることにより、固定部材32が第二の取付部材14に嵌着されて、可撓性膜28が第二の取付部材14の下側開口部を閉鎖する状態で装着されている。
このように本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に可撓性膜28が装着されることで、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28の軸方向対向面間には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体を封入された流体室34が形成されている。なお、流体室34に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものでないが、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液等が採用され得る。また、後述する流体の流動作用に基づいた防振効果を効率的に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。
また、流体室34には、仕切部材36が収容配置されている。仕切部材36は、全体として厚肉の略円板形状を呈しており、上仕切部材38と下仕切部材40とを含んで構成されている。
上仕切部材38は、略円板形状を呈しており、径方向中央部分には上方に開口する中央凹所42が形成されて、後述する主液室66の容積が効率的に確保されるようになっている。更に、中央凹所42の底壁の中央部分には、主液室側連通孔としての第一の連通孔44が、上下に板厚方向で貫通して形成されている。この第一の連通孔44は軸方向視で略長方形とされており、一対の第一の連通孔44,44が短辺方向で所定の距離を隔てて設けられている。
さらに、上仕切部材38において厚肉とされた周壁状の外周部分には、外周面に開口しながら周方向に所定の長さで延びる上部溝48が形成されている。この上部溝48の一方の端部が、径方向内側に延び出して中央凹所42に連通されていると共に、他方の端部が下面に開口している。
一方、下仕切部材40は、全体として厚肉の略円板形状を呈しており、その外周部分には、上面と外周面に開放された下部溝50が、周方向に所定長さで形成されている。そして、下仕切部材40の上に重ね合わされた上仕切部材38で下部溝50の上面の開放部分が覆蓋されることにより、下部溝50が、外周面に開口して周方向に所定長さで延びる構造とされている。また、下部溝50の周方向一方の端部が、上仕切部材38における上部溝48の周方向端部に形成された下面への開口を通じて、該上部溝48の周方向端部に連通されている。更にまた、下部溝50の周方向他方の端部は、下仕切部材40に形成された下面への開口を通じて、下方に開口されている。
さらに、下仕切部材40の径方向中央部分には、上方に開口する収容凹所56が形成されている。この収容凹所56は、軸方向視で略長方形を呈している。また、収容凹所56の底壁部には、副液室側連通孔としての一対の第二の連通孔60,60が貫通形成されている。第二の連通孔60は、第一の連通孔44と略同じ長方形断面で上下に延びており、第一の連通孔44と同様に、短辺方向で所定距離を隔てて一対が設けられている。なお、第二の連通孔60は、その長辺方向が収容凹所56の短辺方向と略一致するように設けられており、後述する上下仕切部材38,40の組み合わせ状態において、第一の連通孔44の長辺方向と第二の連通孔60の長辺方向が略一致して、軸方向の投影において第一の連通孔44,44と第二の連結孔60,60とが互いに重なるように略同じ位置と略同じ大きさで形成されている。
そして、上仕切部材38と下仕切部材40が、同一中心軸上で上下に重ね合わされており、図示しない位置合わせのピンの圧入やねじの螺着などによって、相互に固定されることで仕切部材36が構成されている。また、上下仕切部材38,40の重ね合わせで相互に連通された上部溝48と下部溝50で協働して、仕切部材36の外周面に開口して周方向に2周以下の長さで延びる周溝62が形成されている。更にまた、下仕切部材40の収容凹所56の開口部が上仕切部材38で覆蓋されることによって、上下の仕切部材38,40の間には、仕切部材36内で広がる収容空所64が形成されている。そして、収容空所64の上壁部に第一の連通孔44が貫通形成されていると共に、収容空所64の下壁部に第二の連通孔60が貫通形成されている。
かくの如き構造とされた仕切部材36は、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品を構成する第二の取付部材14内に嵌め入れられて、流体室34内で軸直角方向に広がって収容配置されている。そして、仕切部材36の外周面が第二の取付部材14の内周面に対してシールゴム層26を介して密接されていると共に、仕切部材36の外周部分が、第二の取付部材14の括れ部20と固定部材32との間で軸方向で挟まれることにより、仕切部材36が第二の取付部材14によって固定的に支持されている。
これにより、流体室34が仕切部材36を挟んで上下に二分されており、仕切部材36を挟んだ上方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される主液室66が形成されている。一方、仕切部材36を挟んだ下方には、壁部の一部が可撓性膜28で構成されて、可撓性膜28の変形によって容積変化が容易に許容される副液室68が形成されている。これら主液室66および副液室68には、上述の非圧縮性流体が封入されている。
また、仕切部材36の周溝62の外周開口部が第二の取付部材14によって流体密に覆蓋されることにより、主液室66と副液室68を相互に連通するオリフィス通路70が形成されている。なお、オリフィス通路70は、主液室66および副液室68の壁ばね剛性を考慮しながら、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を調節することにより、例えばエンジンシェイクに相当する10〜20Hz程度の低周波数域にチューニングされている。
更にまた、収容空所64には、帯形筒状体としての緩衝ゴム72が収容配置されている。緩衝ゴム72は、図4〜図7に示されているように、ゴム弾性体の一体成形品で構成されている。本実施形態の緩衝ゴム72は、略一定幅寸法の帯を無端にした筒体を一方向に押しつぶすようにして扁平させた扁平筒形状とされている。そして、この緩衝ゴム72には、扁平方向で対向する一対の略矩形の平板状部としての対向板部74,74が設けられている。また、扁平方向への直交方向で対向する両側部分には、一対の略半円状湾曲断面の側壁部76,76が設けられている。そして、一対の対向板部74,74が、帯形筒状体の周方向の両端部分において緩衝体連結部としての一対の側壁部76,76で周方向に接続されることにより、全体として筒形の緩衝ゴム72とされており、筒形に連続した各一対の対向板部74,74および側壁部76,76で囲まれた領域には、貫通する内部空所77が形成されている。
緩衝ゴム72の扁平方向の外寸は、収容空所64の上下方向の内寸と略同じとされており、収容空所64に緩衝ゴム72が収容配置されることにより、緩衝体としての一対の対向板部74,74の各外面が、収容空所64における主液室66側である上仕切部材38と副液室68側である下仕切部材40の各内面に対して略重ね合わされるようになっている。なお、好適には、緩衝ゴム72の扁平方向の外寸が、収容空所64の上下方向の内寸と同じか僅かに大きくされることにより、一対の対向板部74,74の各外面が、収容空所64における上仕切部材38と下仕切部材40の各内面に対して当接状態で重ね合わされる。
また、緩衝ゴム72の平面視における周方向外寸(図5中の左右方向寸法)と、幅方向外寸(図5中の上下方向寸法)は、収容空所64内への緩衝ゴム72の収容配置を許容し得るものであれば良いが、収容空所64内での緩衝ゴム72の不必要な変位を防止すると共に、緩衝ゴム72の弾性変形を過度に制限することなく、且つ、緩衝ゴム72が所定位置へ保持せしめ得るように、寸法設定される。好適には、緩衝ゴム72の平面視における周方向外寸と幅方向外寸は、収容空所64の対応する内寸と同じか僅かに小さくされる。
さらに、収容空所64内で上仕切部材38に重ね合わされる対向板部74には、中央部分において板厚方向に貫通する主液室側窓部としての第一の窓部78が形成されている。また、収容空所64内で下仕切部材40に重ね合わされる対向板部74には、中央部分において板厚方向に貫通する副液室側窓部としての第二の窓部80が形成されている。
第一の窓部78は、上仕切部材38の第一の連通孔44に対応した位置に設けられている一方、第二の窓部80は、下仕切部材40の第二の連通孔60に対応した位置に設けられている。そして、収容空所64に緩衝ゴム72が収容配置された状態で、第一の窓部78が第一の連通孔44に連通されていると共に、第二の窓部80が第二の連通孔60に連通されている。これにより、緩衝ゴム72が収容配置された状態下、主液室66と副液室68を相互に連通する流体流路90が、第一,第二の連通孔44,60と、第一,第二の窓部78,80と、収容空所64と、内部空所77とを含んで構成されている。
なお、第一及び第二の窓部78,80は、対応する第一及び第二の連通孔44,60と同一の形状や大きさである必要はないが、好適には、第一及び第二の連通孔44,60の開口領域内で、第一及び第二の窓部78,80が開口するように、第一及び第二の連通孔44,60と同じか一回り小さな開口形状をもって第一及び第二の窓部78,80が形成される。これにより、収容空所64の上下の内面が、第一及び第二の連通孔44,60の開口周縁部の全体に亘って、対向板部74,74で覆われ得る。
特に本実施形態では、上仕切部材38の下面に重ね合わされる対向板部74には、十字形の格子部で仕切られた四つの矩形状を有する第一の窓部78,78,78,78が形成されている。そして、上仕切部材38の各第一の連通孔44内に、二つの第一の窓部78,78が開口位置せしめられている。また、下仕切部材40の上面に重ね合わされる対向板部74には、十字形の格子部で仕切られた四つの矩形状を有する第二の窓部80,80,80,80が形成されている。そして、下仕切部材40の各第二の連通孔60内に、二つの第二の窓部80,80が開口位置せしめられている。即ち、本実施形態では、一対の対向板部74,74には、各四つの第一の窓部78,78,78,78と第二の窓部80,80,80,80が、互いに対応する位置に同じ大きさと形状をもって形成されている。
さらに、仕切部材36内に形成された流体流路90上には、可動部材としての可動板92が、緩衝ゴム72と一体形成されて配設されている。かかる可動板92は全体として平板形状を有しており、内部空所77内において、一対の対向板部74,74の対向方向中間部分に広がって配置されている。本実施形態では、図7に示されているように、マウント軸方向の投影において、緩衝ゴム72の対向板部74よりも一回り小さい矩形平面形状とされて、対向板部74の略中央部分に位置せしめられている。なお、可動板92の平面形状および大きさは、図5に示されたマウント軸方向の投影において、一対の対向板部74,74に形成された第一及び第二の窓部78,80の全てを充分に覆い得るように設定されている。また、可動板92の厚さ寸法は、緩衝ゴム72における一対の対向板部74,74の対向面間距離よりも小さくされており、本実施形態では、一対の対向板部74,74の対向面間の略中央に位置せしめられている。
そして、この可動板92は、緩衝ゴム72における一方の側壁部76に対して、可動板92の端縁部から該一方の側壁部76に向かって延び出す低ばね部としての可動板連結部94によって連結されている。要するに、本実施形態では、一対の対向板部74,74を弾性連結する緩衝体連結部としての側壁部76に対して、可動板連結部94を介して、可動板92が弾性連結されており、これら側壁部76と可動板連結部94とによって、一対の対向板部74,74と可動板92を相互に連結する一体連結部96が構成されている。これにより、可動板92は、緩衝ゴム72を含んで、ゴム弾性体の一体成形品98とされている。
特に本実施形態では、可動板連結部94が、可動板92の端縁部から可動板92と同一平面上でマウント中心軸に略直交する方向に向かって平板形状をもって延び出している。また、かかる可動板連結部94は、可動板92の幅寸法と略同じ幅寸法を有しているが、その厚さ寸法が可動板92の厚さ寸法よりも小さくされることにより、可動板92の断面形状よりも小さな断面形状をもって延び出している。
これにより、可動板連結部94は、可動板92に比して、可動板92の変位方向となる上下方向への曲げ弾性が小さくされている。特に本実施形態では、可動板92の変位に際しての可動板連結部94の弾性変形が、剪断変形が支配的となることから、可動板連結部94の弾性変形に基づく可動板92の板厚方向への変位が一層容易に許容されるようになっている。
なお、本実施形態では、一体成形品98を収容空所64に収容して非圧縮性流体中に配置せしめた状態下で、可動板92が、緩衝ゴム72内で一対の対向板部74,74間の対向方向略中央部分で、それら一対の対向板部74,74と略平行に保持されるように、可動板92の部材弾性(剛性)や可動板連結部94のばね弾性が設定されている。尤も、振動入力時には、可動板92が作用流体圧により板厚方向に往復変位することから、静置状態下では、可動板92が下方に向かって変位していたり傾斜した態様になっていても良い。
上述の如き構造とされたエンジンマウント10にあっては、図8に示されている如き車両への装着状態下、第一の取付部材12と第二の取付部材14との間に振動が入力されると、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて主液室66に圧力変動が惹起される。これにより、可撓性膜28の変形に基づいて容積可変とされた副液室68と主液室66との間に相対的な圧力変動が生ぜしめられて、かかる相対的な圧力変動が、仕切部材36の収容空所64に対して、第一及び第二の連通孔44,60を通じて及ぼされる。その結果、収容空所64内に形成された流体流路90を通じて、主液室66と副液室68との間での流体流動が生ぜしめられると共に、かかる流体流路90上に、流体流路90における流体流動方向(図8中の上下方向)に略直交して広がって配設された可動板92の上下面に対して、第一及び第二の連通孔44,60と第一及び第二の窓部78,80を通じて、主液室66および副液室68の圧力が及ぼされることとなり、可動板92は、その上下面に及ぼされる圧力差に基づいて、内部空所77内で板厚方向である上下方向に変位せしめられることとなる。
そして、アイドリング振動または走行こもり音等に相当する高周波小振幅振動の入力時には、可動板92が内部空所77内において、板厚方向で一対の対向板部74,74に当接しない程度に微小変位するようになっている。これにより、流体流路90を通じての流体流動が許容されて、主液室66と副液室68の間で液圧が伝達されることにより、主液室66の内圧変動が副液室68に逃がされて軽減されることとなる。
一方、エンジンシェイク等に相当する低周波大振幅振動の入力時には、可動板92が内部空所77内で板厚方向に大きく変位することとなり、図8中に実線および仮想線で示されているように、一対の対向板部74,74に対して交互に当接し、又は少なくとも一方の対向板部74に対して繰り返し当接するようになっている。これにより、第一の窓部78と第二の窓部80の少なくとも一方が繰り返して塞がれて流体流路90が実質的に遮断され、流体流路90を通じた液圧の伝達が阻止されることとなる。
要するに、本実施形態では、高周波小振幅振動の入力時に主液室66の液圧を副液室68に伝達する液圧吸収機構が、流体流路90上に可動板92を配した構造を含んで構成されている。そして、高周波小振幅振動に対しては、かかる液圧吸収機構で主液室66の圧力変動が吸収されて低動ばね効果が発揮されることにより、優れた防振効果が達成されることとなる。特に、流体流路90における流路長さや流路断面積を適切に調節して、流体流路90を通じて流動する流体の共振作用に基づく防振効果を利用することにより、高周波小振幅振動に対する一層の防振効果の向上を図ることも可能である。
また、かかる液圧吸収機構による主液室66の圧力変動吸収作用は、流体流路90が可動板92で遮断される大振幅振動の入力時に発揮されないことにより、低周波大振幅振動の入力時には、主液室66と副液室68の間に大きな相対圧力変動が生ぜしめられる。そして、この大きな相対圧力変動により、オリフィス通路70を通じての流体流動量が充分に確保され得て、オリフィス通路70を流動する流体の共振作用に基づく低周波振動に対する防振効果が有効に発揮され得るのである。
ここにおいて、低周波大振幅振動の入力時には、可動板92が収容空所64の上下壁内面に打ち当たることとなるが、収容空所64の上下壁内面には、対向板部74,74が配置されていることから、可動板92の当接エネルギーが極めて効果的に吸収されて低減される。即ち、可動板92が収容空所64の上下一方の内面に対して対向板部74を介して当接すると、該一方の対向板部74に入力された当接時の衝撃エネルギーが、一対の側壁部76,76を通じて他方の対向板部74に伝達される。そして、入力された衝撃エネルギーによって一対の側壁部76,76と対向板部74,74が微小変形を生じることから、各一対の対向板部74,74と側壁部76,76を含む緩衝ゴム72の全体における内部摩擦等に基づいて衝撃エネルギーが熱エネルギーに変換される。これにより、緩衝ゴム72を通じて仕切部材36に伝達される衝撃エネルギーが効果的に低減されて、この衝撃エネルギーに起因して発生する打音等を大幅に抑えることができるのである。
特に本実施形態において各一対の対向板部74,74および側壁部76,76は、仕切部材36に接着されておらず、弾性変形が容易に許容されるようになっていることから、内部摩擦等によるエネルギー減衰作用が一層効果的に発揮され得る。
また、可動板92は、薄肉で低動ばね特性のゴム膜からなる可動板連結部94の弾性変形に基づいて板厚方向の変位が許容されるようになっており、可動板92の変位に際して可動板連結部94が弾性変形せしめられる。この可動板連結部94の弾性変形量は、可動板92の変位量に応じて大きくなり、可動板92に対して及ぼされる可動板連結部94の弾性力も線形的または非線形的に大きくなる。それ故、高周波小振幅振動の入力時における可動板92の変位に対しては、可動板連結部94によって可動板92に及ぼされる弾性力も小さくされて可動板92の変位が容易に許容される一方、低周波大振幅振動の入力時には、可動板92の収容空所64の上下内面への打ち当たりエネルギーを低減するのに有効な弾性力が、可動板連結部94によって可動板92に及ぼされ得るのである。
加えて、上述のように収容空所64の内面に対する可動板92の当接時のエネルギー吸収作用を発揮する一対の対向板部74,74を有する緩衝ゴム72や可動板連結部94は、可動板92を含む全体として、単一部品の一体成形品で構成されている。それ故、可動板92が収容空所64内に配された従来構造品に比して、部品点数や組付工数等の増加が回避されて、少ない部品点数と簡単な構造をもって、目的とするエンジンマウント10を得ることができる。
以上、本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウント10について詳述してきたが、本発明はかかる実施形態の具体的構造によって限定的に解釈されるものでない。以下に幾つかの実施形態を例示するが、以下の各実施形態の図面中、第一の実施形態と同様な構造とされた部材や部位については、各図面中に第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
図9〜11には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントに用いられる一体成形品100が示されている。この一体成形品100は、第一の実施形態のエンジンマウント10において、前記一体成形品98に代えて用いられるものであるから、本実施形態では、一体成形品100の単体のみを図示して説明する。
かかる一体成形品100は、一対の対向板部74,74および一対の側壁部76,76からなる帯形筒状体としての緩衝ゴム72と、平板形状の可動板92とが、何れも、第一の実施形態の一体成形品98と同じとされており、可動板92を緩衝ゴム72の側壁部76に弾性連結する可動板連結部102だけが、第一の実施形態と異なっている。具体的には、本実施形態の可動板連結部102は、可動板92と略同じ板厚寸法とされており、板幅寸法(図11中の上下方向寸法)が可動板92より小さくされている。このような可動板連結部102も、第一の実施形態と同様に、可動板92の変位方向(図11において紙面に垂直な方向)の断面における面積が可動板92より小さくされており、可動板92の変位方向での変形特性が柔らかくなっている。
それ故、本実施形態の一体成形品100を、第一の実施形態のエンジンマウントにおける一体成形品98に代えて採用した場合でも、第一の実施形態と同様な作用効果が発揮され得る。
また、図12〜14には、本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントに用いられる一体成形品104が示されている。この一体成形品104は、第二の実施形態と同様に、第一の実施形態のエンジンマウント10における前記一体成形品98に代えて用いられるものであるから、本実施形態では、一体成形品104の単体のみを図示して説明する。
すなわち、第一の実施形態の一体成形品98では可動板92の一方の端縁部から延び出して薄肉板状の可動板連結部94が設けられていたが、本実施形態の一体成形品104では、かかる可動板連結部94が、可動板92において対向位置する両方の端縁部からそれぞれ延び出して一対形成されている。
このように、可動板92が、一対の可動板連結部94,94により、緩衝ゴム72の一対の側壁部76,76に対してそれぞれ弾性連結された本実施形態の一体成形品104においても、一対の可動板連結部94,94の湾曲や延びを伴う弾性変形に基づいて可動板92の板厚方向の変位が許容されることとなる。それ故、本実施形態の一体成形品104を、第一の実施形態のエンジンマウントにおける一体成形品98に代えて採用した場合でも、第一の実施形態と同様な作用効果が発揮され得る。特に、可動板92の両側が一対の可動板連結部94,94で弾性支持されることから、可動板92の板厚方向の変位状態の安定化が図られ得る。
さらに、図15〜17には、本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウントに用いられる一体成形品106が示されている。この一体成形品106は、第二の実施形態に示された狭幅の可動板連結部102を備えた一体成形品100において、第三の実施形態に示された一体成形品104と同様に、かかる可動板連結部102を一対設けて、可動板92の両方の端縁部を一対の可動板連結部102,102を介して一対の側壁部76,76に対して弾性支持せしめた構造とされている。
本実施形態では、エンジンマウントの全体構造や詳細な説明を省略するが、第三の実施形態と同様に、本実施形態の一体成形品106を、第三の実施形態のエンジンマウントにおける一体成形品104に代えて採用した場合でも、第三の実施形態と同様な作用効果が発揮され得る。
また、図18には、本発明の第五の実施形態としてのエンジンマウント108が示されている。かかるエンジンマウント108は、第一の実施形態に比して一体成形品とその組付構造の別例を示すものである。
具体的には、本実施形態のエンジンマウント108を構成する一体成形品110は、一対の対向板部74,74および一対の側壁部76,76からなる帯形筒状体としての緩衝ゴム72と平板形状の可動板92とを有する基本構造において第一の実施形態の一体成形品(98)と同じであるが、緩衝突部112と位置決め手段114が、更に設けられている。
すなわち、一体成形品110の一対の対向板部74,74には、可動板92が当接する部分において可動板92に向かって突出する小さな緩衝突部112が、一体形成されて複数設けられている。これにより、低周波大振幅振動の入力時に可動板92が収容空所64の上下内面に当接する際、緩衝ゴム72による緩衝作用が、緩衝突部112の弾性変形に伴う緩衝作用に基づいて一層効果的に発揮され得る。
なお、緩衝突部112の大きさや形状、位置、数等について特に制限はないが、本実施形態では、対向板部74において、第一の連通孔44や第二の連通孔60上に位置する部分に緩衝突部112が形成されている。これにより、可動板92が大きく変位して緩衝突部112に当接した際に、対向板部74における緩衝突部112の突設部分が第一の連通孔44や第二の連通孔60内に入り込むように湾曲変形することで、緩衝突部112と対向板部74との協働で一層優れた衝撃緩和作用が発揮されると共に、可動板92による第一の連通孔44や第二の連通孔60の遮断が実質的に密閉状態で実現されて、緩衝突部112の存在下でも流体流路90の完全な遮断が発揮され得る。
尤も、可動板92そのものが弾性変形することで、例えば緩衝突部112が第一の連通孔44や第二の連通孔60を外れた位置に突設されていても、可動板92の弾性変形に基づいて、緩衝突部112の周囲で可動板92が対向板部74に当接し、流体流路90の遮断状態が実現され得る。また、本発明では、可動板92の対向板部74への当接により流体流路90が実質的に遮断されることでオリフィス通路70の流体流動量が充分に確保されれば良く、流体流路90が完全に遮断される必要はない。それ故、緩衝突部112により、可動板92が、第一及び第二の窓部78,80の全周囲において対向板部74に密接されずに僅かな隙間が残存する状態で当接するようになっていても良い。
さらに、本実施形態の一体成形品110には、下仕切部材40における中央凹所42の底面に位置決めピン116が突設されている。一方、一体成形品110には、緩衝ゴム72の下側の対向板部74において、位置決めピン116に対応する位置に位置決め孔118が板厚方向に貫設されている。そして、一体成形品110の収容空所64への装着状態下で、位置決めピン116が位置決め孔118に挿通されることにより、収容空所64内で一体成形品110をマウント軸直角方向において位置決めする位置決め手段114が構成されている。
このような位置決め手段114を設けることにより、例えば収容空所64に対して一体成形品110が相対的に小さくて周囲に隙間があるような場合でも、一体成形品110が収容空所64内で不必要に変位することが防止されて、第一及び第二の連通孔44,60に対して第一及び第二の窓部78,80が安定して位置合わせされて流体流路90が安定して維持され得る等の効果が発揮される。
特に本実施形態では、一対の対向板部74,74の一方にだけ、位置決めピン116が挿通される位置決め孔118が形成られていることから、中央凹所42へ一体成形品110を嵌め入れて組み付ける作業時に、一体成形品110の表裏等の方向性を特定させることができる。即ち、一体成形品110の組付方向が表裏反転していると、位置決めピン116で一体成形品が担がれて、一体成形品110を中央凹所42へ嵌め入れることができない。それ故、例えば第一の連通孔44と第二の連通孔60および第一の窓部78と第二の窓部80が、互いに異なる位置や形状、大きさ等をもって形成されている場合に、一体成形品110を特定の方向性をもって中央凹所42へ正確に組み付けるための誤組付防止手段として、かかる位置決め手段114を活用することも可能となる。
さらに、図示はしないが、本発明において仕切部材に形成される主液室側連通孔および副液室側連通孔の形状や大きさ、位置などは限定されるものでなく、要求される防振特性や封入流体の物性などを考慮して、適宜に設定され得る。また、一体成形品に形成される主液室側窓部および副液室側窓部も、仕切部材に形成される主液室側連通孔および副液室側連通孔と連通されるものであれば良く、それら主液室側連通孔および副液室側連通孔と同じ形状や大きさ、位置をもって形成される必要はない。
また、本発明は、例示のエンジンマウント以外にも、ボデーマウントやデフマウント、サブフレームマウントなど、各種の分野で用いられる流体封入式防振装置に対して適用可能である。
10,108:エンジンマウント、12:第一の取付部材、14:第二の取付部材、16:本体ゴム弾性体、36:仕切部材、38:上仕切部材、40:下仕切部材、44:第一の連通孔、、60:第二の連通孔、64:収容空所、66:主液室、68:副液室、70:オリフィス通路、72:緩衝ゴム、74:対向板部、76:側壁部、78:第一の窓部、80:第二の窓部、92:可動板、94,102:可動板連結部、96:一体連結部、98,100,104,106,110:一体成形品、114:位置決め手段

Claims (7)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されていると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材との間への振動入力により相対的な圧力変動が生ぜしめられる主液室と副液室が、該第二の取付部材によって支持された仕切部材を挟んだ両側に形成されて非圧縮性流体が封入されていると共に、それら主液室と副液室を相互に連通するオリフィス通路が形成されており、更に該仕切部材の内部には収容空所が形成されて、該収容空所に可動板が板厚方向で変位可能に収容配置されていると共に、該可動板の各一方の面に対して該主液室と該副液室の液圧を及ぼす主液室側連通孔と副液室側連通孔が該収容空所の壁部に形成されている流体封入式防振装置において、
    前記収容空所には前記可動板が当接する前記主液室側および前記副液室側の各内面に重ね合わされてそれら各内面を覆う緩衝体が設けられている一方、それら主液室側内面を覆う緩衝体および副液室側内面を覆う緩衝体と前記可動板とが相互に連結された一体成形品で構成されていると共に、該一体成形品における該可動板の連結部分において、該可動板よりも弾性変形し易い低ばね部が設けられており、該低ばね部の弾性変形により該可動板の板厚方向への変位が許容されるようになっていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記主液室側内面を覆う緩衝体と前記副液室側内面を覆う緩衝体とを、各外周部分の少なくとも一部において対向方向で連結する緩衝体連結部が設けられていると共に、前記可動板の外周部分から延び出した可動板連結部が該緩衝体連結部に連結されることにより、それら両緩衝体と可動板を相互に連結する一体連結部が構成されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 弾性体の一体成形品からなる扁平の帯形筒状体が前記収容空所に収容配置されており、
    該帯形筒状体において扁平方向で対向する一対の平板状部により前記緩衝体が構成されていると共に、
    該帯形筒状体において該一対の平板状部を該帯形筒状体の周方向の両端部分で相互に連結する一対の側壁部により一対の前記緩衝体連結部が構成されている一方、
    該帯形筒状体の内部において該一対の平板状部の対向方向中間部分に広がって前記可動板が配置されており、該可動板の外周部分が前記可動板連結部により該一対の緩衝体連結部の少なくとも一方に対して連結されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記低ばね部が、前記可動板の本体部分に比して断面積が小さくされることによって弾性変形し易くされている請求項1〜3の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記低ばね部が、前記可動板の本体部分に比して厚さ寸法と幅寸法との少なくとも一方を小さくされることによって弾性変形し易くされている請求項4に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記主液室側内面を覆う緩衝体には前記主液室側連通孔に対応する位置に主液室側窓部が形成されていると共に、前記副液室側内面を覆う緩衝体には前記副液室側連通孔に対応する位置に副液室側窓部が形成されており、
    前記可動板が該主液室側内面および該副液室側内面の各緩衝体に当接して該主液室側窓部および該副液室側窓部が閉塞されるようになっている請求項1〜5の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記収容空所における前記主液室側および前記副液室側の各内面において前記緩衝体を位置決めする位置決め手段が設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
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