JP2008019465A - めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な加工性と高強度を同時に達成でき、めっき性、めっき密着性が良好で成形性が優れた溶融亜鉛めっき鋼板並びにその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.3〜2.5%、Mn:1.5〜2.8%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板、Al:0.05〜10質量%、Fe:0.05〜3質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が平均含有率0.6〜10質量%で存在し、かつ、めっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が存在することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法に係わり、更に詳しくは不めっきの無い良好な外観と優れためっき密着性及び成形性を有し、種々の用途、例えば建材用や自動車用鋼板として適用できるめっき鋼板に関するものである。
耐食性の良好なめっき鋼板として最も使用されるものに溶融亜鉛めっき鋼板がある。この溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、鋼板を脱脂後、無酸化炉にて予熱し、表面の清浄化および材質確保のために還元炉にて還元焼鈍を行い、溶融亜鉛浴に浸漬し、付着量制御を行うことによって製造される。その特徴として、耐食性およびめっき密着性等に優れることから、自動車、建材用途等を中心として広く使用されている。
特に近年、自動車分野においては衝突時に乗員を保護するような機能の確保と共に燃費向上を目的とした軽量化を両立させるために、めっき鋼板の高強度化が必要とされてきている。
加工性を悪化させずに鋼板を高強度化するためには、SiやMn、Pといった元素を添加することが有効であるが、この内SiはFeよりも特に酸化し易いことから、Siを含有した鋼板を通常の溶融亜鉛めっき条件でめっきすると、焼鈍過程で鋼中のSiが表面に濃化し、不めっき欠陥やめっき密着性低下の原因となることが知られている。
Siを含有した鋼板の不めっき欠陥を抑制する技術としては、特許文献1(特開昭55−122865号公報)において鋼、表面に酸化膜の厚みが400〜10000Åになるように酸化した後、水素を含む雰囲気中で焼鈍し、めっきする方法が示されている。しかし本技術においては、鉄酸化膜の還元時間の調節は実際上困難であり、還元時間が長すぎればSiの表面濃化を引き起こし、短すぎれば鋼表面に鉄の酸化膜が残存するので、結局完全にめっき性不良の解消にはならないという問題点と、表面の鉄酸化膜が厚くなりすぎると、剥離した酸化物がロールに付着し外観疵を発生させるという問題点を有している。
上記問題点を改善する目的で、本発明者らは特許文献2(特開2001−323355公報)において鋼板表面を酸化させた後に雰囲気を制御した還元炉中で還元することにより、Siの表面濃化を防止する製造方法を提案した。
また、特許文献3(特開2004−323970号公報)においてSi含有量が0.2〜3.0質量%である鋼板表面の内部に、Si酸化物、Mn酸化物、又はSiとMnの複合酸化物から選ばれる1種以上の酸化物粒子を含有することを特徴とするめっき性の良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板を提案した。
また、特許文献4(特開昭56−33463号公報)及び特許文献5(特開昭57−79160号公報)には、鋼板表面にCr、Ni、Fe等のプレめっきを行うことによって不めっき欠陥を抑制する方法が示されている。更に、特許文献6(特開2002−161315号公報)には、連続焼鈍ラインで鋼板の表面直下に内部酸化層を生成させ、同時に生成した表面酸化物を酸洗で除去した後に連続溶融亜鉛めっきラインでめっきを行う方法が示されている。
特開昭55−122865号公報 特開2001−323355公報 特開2004−323970号公報 特開昭56−33463号公報 特開昭57−79160号公報 特開2002−161315号公報
しかし、上記及びその他これまで開示された製造技術では、不めっき欠陥や密着性不良を完全に防止することができない。特許文献1では、鉄酸化膜の還元時間の調節は実際上困難であり、還元時間が長すぎればSiの表面濃化を引き起こし、短すぎれば鋼表面に鉄の酸化膜が残存するので、不めっき欠陥を完全に防止することができない。
このため、特許文献2では、Siの表面濃化により発生する不めっき欠陥を抑制する目的で、還元雰囲気を制御しSiO2を内部酸化状態としている。この方法により、Siが表面濃化して起こる不めっき欠陥をかなり減らすことが可能となるが、それでも不めっき欠陥や密着性不良を完全に防止することはできない。
これは、上記特許に記載された方法では、Siの外部酸化による表面への濃化を防ぐことができても、SiO2の鋼板表面への露出を完全には防止できないためである。従って、不めっき欠陥や密着性不良を防止するためには、より厳密なSiO2の制御が必要となる。
また、特許文献3では、還元雰囲気を制御し、鋼板表面の内部に、Si酸化物、Mn酸化物、又はSiとMnの複合酸化物から選ばれる1種以上の酸化物粒子を含有させ、めっき性を向上させているが、この方法でも、Siが表面濃化して起こる不めっき欠陥をかなり減らすことが可能となるが、SiO2の鋼板表面への露出を完全には防止できないため、不めっき欠陥や密着性不良を完全に防止することはできない。
溶融亜鉛めっき鋼板は合金化溶融亜鉛めっき鋼板のように合金化による密着性の向上を期待できないため、Siを添加した鋼板のようにめっき/鋼板界面の密着性が低くなり易い鋼板のめっき密着性を向上させることは難しい。そのため特許文献2及び特許文献3においても、曲げ試験で剥離しない程度のめっき密着性は確保されているが、デュポン衝撃試験のような厳しい評価によるめっき密着性は十分確保されていなかった。
更に、特許文献4及び特許文献5のようなプレめっき法ではめっき設備が必要となるため、そのスペースがない場合は採用できない。また、プレめっき設備設置により生産コストが上昇する問題も生じる。
また、特許文献6のような2回焼鈍も生産コストが上昇する問題が生じる。
さらに、これまで開示されたSiを含有した鋼板の製造技術は、めっき性を確保することに重点が置かれ、成形性などめっき鋼板として使用させる際の様々な性能を向上させることまではなされていなかった。
そこで、本発明は上記問題点を解決し、外観が良好でめっき密着性や成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提案するものである。
本発明者らは、高強度鋼板のめっき処理について鋭意研究を重ねた結果、Si、Mnが一定量以上添加された鋼を、熱処理条件及びめっき条件を最適化した連続溶融亜鉛めっき設備でめっき処理することにより、Si酸化物の種類と位置を制御し、外観が良好でめっき密着性や成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造できることを見いだして本発明をなした。
すなわち、本発明の要旨とするところは以下に示すとおりである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.3〜2.5%、Mn:1.5〜2.8%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板の表面に、Al:0.05〜10質量%、Fe:0.05〜3質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が平均含有率0.6〜10質量%で存在し、かつめっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が存在することを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
(2)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.3〜2.5%、Mn:1.5〜2.8%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板の表面に、Al:0.05〜10質量%、Fe:0.05〜3質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が平均含有率0.6〜10質量%で存在し、かつめっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が任意の断面において1個/500μm以上の割合で存在することを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
(3)(1)または(2)に記載のSiを含む上記酸化物がSiO2、FeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上であることを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板において、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が存在し、かつ鋼板内面側にSiO2が存在することを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
(5)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.3〜2.5%、Mn:1.5〜2.8%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板に連続的に溶融亜鉛めっきを施す際、還元帯の雰囲気として、H2を1〜60体積%含有し、残部N2、H2O、O2、CO2、COの1種又は2種以上および不可避的不純物からなり、その雰囲気中の酸素分圧の対数logPO2
−0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8≦logPO2≦−0.000038T2+0.107T−90.4・・・・・(1式)
923≦T≦1173・・・・・(2式)
T:鋼板の最高到達温度(K)
〔Si%〕:鋼板中のSi含有量(wt%)
に制御した雰囲気で還元を行うことを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(6)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.3〜2.5%、Mn:1.5〜2.8%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成のスラブをAr3 点以上の温度で仕上圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施し、引き続いて、溶融亜鉛めっきを施す際、還元帯の雰囲気として、H2を1〜60体積%含有し、残部N2、H2O、O2、CO2、COの1種又は2種以上および不可避的不純物からなり、その雰囲気中の酸素分圧の対数logPO2
−0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8≦logPO2≦−0.000038T2+0.107T−90.4・・・・・(1式)
923≦T≦1173・・・・・(2式)
T:鋼板の最高到達温度(K)
〔Si%〕:鋼板中のSi含有量(wt%)
に制御した雰囲気の連続溶融亜鉛めっき設備を使用し、1023K以上1153K以下のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍し、その最高到達温度から923Kまでを平均冷却速度0.5〜10度/秒で冷却し、引き続いて923Kから773Kまでを平均冷却速度3度/秒以上で冷却し、さらに773Kから平均冷却速度0.5度/秒以上で冷却し、溶融亜鉛めっき処理を行うことによって、前記冷延鋼板の表面上に溶融亜鉛めっき層を形成する製造方法において、773Kからめっき後623Kに到達するまでの時間を25秒以上240秒以下とすることを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明はめっき性、めっき密着性が良好で成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供することを可能としたものであり、産業の発展に貢献するところが極めて大である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.3〜2.5%、Mn:1.5〜2.8%、Mn:1.5〜2.8%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Al:0.005〜0.5%、N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板の上に、Al:0.05〜10質量%、Fe:0.05〜3質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっきを施した鋼板である。
Cはマルテンサイトや残留オーステナイトによる組織強化で鋼板を高強度化しようとする場合に必須の元素である。Cの含有量を0.05%以上とする理由は、Cが0.05%未満ではミストや噴流水を冷却媒体として焼鈍温度から急速冷却することが困難な溶融亜鉛めっきラインにおいてセメンタイトやパーライトが生成しやすく、必要とする引張強さの確保が困難であるためである。一方、Cの含有量を0.25%以下とする理由は、Cが0.25%を超えると、スポット溶接で健全な溶接部を形成することが困難となると同時にCの偏析が顕著となり加工性が劣化するためである。
Siは鋼板の加工性,特に伸びを大きく損なうことなく強度を増す元素として0.3〜2.5%添加する。Siの含有量を0.3%以上とする理由は、Siが0.3%未満では必要とする引張強さの確保が困難であるためであり、Siの含有量を2.5%以下とする理由は、Siが2.5%を超えると強度を増す効果が飽和すると共に延性の低下が起こるためである。
MnはCとともにオーステナイトの自由エネルギーを下げるため、めっき浴に鋼帯を浸漬するまでの間にオーステナイトを安定化する目的で1.5%以上添加する。しかし添加量が過大になるとスラブに割れが生じやすく、またスポット溶接性も劣化するため、2.8%を上限とする。
さらに、高強度とプレス加工性、溶接性が良いこと等をバランスさせるためには、P、S、Al、Nを以下の範囲とすることが望ましい。
Pは一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.03%を超えるとスポット溶接性の劣化が著しいうえ、本発明におけるような引張強さが490MPaを超すような高強度鋼板では靭性とともに冷間圧延性も著しく劣化するため、その含有量は0.03%以下とする。
Sも一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.02%を超えると、圧延方向に伸張したMnSの存在が顕著となり、鋼板の曲げ性に悪影響をおよぼすため、その含有量は0.02%以下とする。
Alは鋼の脱酸元素として、またAlNによる熱延素材の細粒化、および一連の熱処理工程における結晶粒の粗大化を抑制し材質を改善するために0.005%以上添加する必要がある。ただし、0.5%を超えるとコスト高となるばかりか、表面性状を劣化させるため、その含有量は0.5%以下とする。
Nもまた一般に不可避的不純物として鋼に含まれるが、その量が0.006%を超えると、伸びとともに脆性も劣化するため、その含有量は0.006%以下とする。
また、これらを主成分とする鋼にNb、Ti、B、Mo、Cu、Ni、Sn、Zn、Zr、W、Co、Ca、希土類元素(Yを含む)、V、Ta、Hf、Pb、Mg、As、Sb、Biを合計で1%以下含有しても本発明の効果を損なわず、その量によってはめっき性や加工性が改善される等好ましい場合もある。
本発明の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の機械特性については、特に規定しないが、引張強さFが490MPa以上で、引張強さF(MPa)と伸びL(%)の関係が、L≧51−0.035×Fを満足する性能を持つことが望ましい。
伸びLが[51−0.035×F]より低い場合、深絞り等の厳しい加工のときに破断するため、加工性が必要な場合にはL≧51−0.035×Fを満足する性能を持つことが望ましい。
次に、めっき層について述べる。
溶融亜鉛めっき層においてAlの含有量を0.05〜10質量%に限定した理由は、Alの含有量が10質量%を超えるとFe−Al合金化反応が進みすぎてめっき密着性の低下が見られるためである。また、Alの含有量を0.05質量%以上に限定した理由は、0.05質量%未満のAl量で通常の溶融めっき処理を行うと,めっき処理時においてZn―Fe合金化反応が進みすぎて、地鉄界面に脆い合金層が発達し、めっき密着性が劣化するためである。
Feの含有量を0.01〜3質量%に限定した理由は、0.01質量%未満ではめっき密着性を向上させる効果が不十分であるためであり、3質量%を超えると地鉄界面に脆い合金層が発達し、めっき密着性が低下するためである。
めっき層中には、これ以外に、Sb、Pb、Bi、Ca、Be、Ti、Cu、Ni、Co、Cr、Mn、P、B、Sn、Zr、Hf、Sr、V、Se、REMを単独あるいは複合で0.5質量%以内含有しても本発明の効果を損なわず、その量によってはさらに外観が改善される等好ましい場合もある。溶融亜鉛めっきの付着量については特に制約は設けないが、耐食性の観点から10g/m2以上、加工性の観点から350g/m2以下で有ることが望ましい。
また、本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が平均含有率0.6〜10質量%で存在し、めっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が存在することによりめっき密着性を向上させることが可能となる。高強度鋼板の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が存在するとめっき密着性が向上する理由は、焼鈍過程で鋼板内にSiを含む酸化物が生成することによって、鋼板表面にめっき密着性を低下させる原因となるSiO2が露出しなくなるためであると考えられる。
また、高強度鋼板とめっき層との界面からめっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が生成することによりめっき密着性が向上する理由は、鋼板とめっき浴が反応することによって密着性が向上するためであると考えられる。
一般にSi含有量が0.3%未満の鋼板においては、鋼板とめっき浴が反応しFe−Al−Zn系の金属間化合物が生成し、密着性を向上させることが知られているが、発明者らが種々実験した結果,Si含有量が0.3%以上の鋼板においては、Fe−Zn系の金属間化合物が生成することでめっき密着性を向上させることが明らかになった。従って鋼板表面にSiO2が露出している場合は、これが鋼板とめっき浴の反応を阻害するため、Fe−Zn合金が生成せず、同時にめっき密着性が低下すると考えられる。
図1は、めっき密着性が良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板を埋め込み研磨し、エッチング後、断面をSEM像で観察した結果である。図1において、1はめっき層、2は高強度鋼板、3は内部酸化層、4はFe−Zn系金属間化合物である。この図からも解るように、めっき層に存在するFe−Zn系の金属間化合物は顕微鏡観察によって明瞭に区別できる。本金属間化合物のFe%を分析すると約7%であることから、このFe−Zn系金属間化合物はζ相であると考えられる。
ζ相は単斜晶の結晶構造を取るため、断面から観察すると図1に示すように長方形又は平行四辺形となる。従って、Fe−Zn系の金属間化合物の平均粒径はこの長方形又は平行四辺形の長径と短径を測定し、その平均値を使用した。
Fe−Zn系金属間化合物の平均粒径を0.5〜3μmに限定した理由は、0.5μm未満ではめっき密着性を向上させる効果が十分でないためであり、3μmを超えるとZn―Fe合金化反応が進みすぎて、地鉄界面に脆い合金層が発達し、めっき密着性が劣化するためである。
本発明者等が多数のめっき中のFe−Zn系金属間化合物を調査した結果、めっき密着性が良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板においては、任意の断面においてFe−Zn系金属間化合物が1個/500μm以上の割合で存在することを確認した。
また、前記結晶粒界と結晶粒内に存在するSiを含む酸化物も、顕微鏡観察において明瞭に区別できる。高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物の一例として、断面観察結果を図2に示す。図2は、めっき密着性が良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板の断面を10度に傾斜させて埋め込み研磨を行い、SEM像で観察した結果である。図2において、1はめっき層、2は高強度鋼板、3は内部酸化層、4は結晶粒内に存在するSiを含む酸化物、5は結晶粒界に存在するSiを含む酸化物である。この図2からも解るように、高強度鋼板の結晶粒界と結晶粒内に存在するSiを含む酸化物は顕微鏡観察によって明瞭に区別できる。
さらに、これら結晶粒界と結晶粒内の酸化物をEDXにより分析するとSi、Mn、Fe、Oのピークが観察されることから、観察される酸化物はSiO2、FeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4であると考えられる。
本発明において、Siを含む酸化物を含有する鋼層とは、顕微鏡観察において上記酸化物が観察される層である。また、Siを含む酸化物の平均含有率とは、この鋼層中に含まれる酸化物の含有率を示し、Siを含む酸化物を含有する鋼層の厚みとは、鋼板表面からこれら酸化物が観察される部分までの幅を示す。
Siを含む酸化物の含有率の測定は、酸化物の質量%が測定できればどの様な方法でも構わないが、Siを含む酸化物を含有する層を酸で溶解し、Siを含む酸化物を分離させた後、重量を測定する方法が確実である。また、Siを含む酸化物を含有する鋼層の厚みの測定方法も特に規定しないが、断面から顕微鏡観察で測定する方法が確実である。
本発明において、Siを含む酸化物の平均含有率を0.6〜10質量%に限定した理由は、0.6質量%未満では外部酸化膜の抑制が不十分でめっき密着性を向上させる効果がみられないためであり、10質量%を超えるとめっき密着性を向上させる効果が飽和するためである。
また、Siを含む酸化物を含有する鋼層の厚みを5μm以下に限定した理由は、5μmを超えるとめっき密着性を向上させる効果が飽和するためである。
次に、製造条件の限定理由について述べる。本発明において、Siを含む酸化物を含有する鋼層を積極的に生成させるためには、連続式溶融めっきラインの焼鈍過程でSiを含む酸化物の内部酸化させる方法が有効である。
ここで、Siを含む酸化物の内部酸化とは鋼板内に拡散した酸素が合金の表層付近でSiと反応して酸化物を析出する現象である。内部酸化現象は、酸素の内方への拡散速度がSiの外方への拡散速度よりはるかに早い場合、即ち、雰囲気中の酸素ポテンシャルが比較的高いかもしくはSiの濃度が低い場合に起こる。このときSiはほとんど動かずその場で酸化されるため、めっき密着性低下の原因である鋼板表面へのSiの酸化物の濃化を防ぐことができる。
ただし、内部酸化法で調整された鋼板であっても、Si酸化物の種類とその位置関係によって、その後のめっき性に差が出るため、Siの酸化物は、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が存在し、鋼板内面側にSiO2が存在する状態とする。これは、SiO2が内部酸化状態であっても、鋼板表面に存在するとめっき性を低下させるためである。
FeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4は、SiO2よりも酸素ポテンシャルが大きい領域で安定なため、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が存在し、鋼板内面側にSiO2が存在する状態とするためには、酸素ポテンシャルをSiO2が単独で内部酸化する場合より大きくする必要がある。
鋼中の酸素ポテンシャルは鋼板表面から内部に向かって減少するため、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が生成する酸素ポテンシャルに鋼板表面を制御すると、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が生成し、酸素ポテンシャルが減少した鋼板内面側にSiO2が生成する。
上記のようなSi酸化物の種類とその位置関係とすることにより、次の溶融亜鉛めっき浴への浸漬過程においてSiO2による不めっき欠陥を防止することが可能となる。
Siの酸化状態は雰囲気中の酸素ポテンシャルで決まるため、本発明で規定した酸化物を所望の条件で生成させるためには雰囲気中のPO2を直接管理する必要がある。
雰囲気中のガスがH2、H2O、O2、残部N2の場合,下記平衡反応が起こると考えられ、PH2O/PH2はPO2の1/2乗と平衡定数1/K1に比例する。
2O・H2+1/2O2 : K1=P(H2)・P(O21/2/P(H2O)
ただし、平衡定数K1は温度に依存する変数であるため、温度が変化した場合、PH2O/PH2とPO2は別々に変化する。即ち、ある温度域でSiの内部酸化領域の酸素ポテンシャルにあたる水分圧と水素分圧の比の領域であっても、別の温度域では鉄が酸化する領域の酸素ポテンシャルに対応したり、Siの外部酸化領域の酸素ポテンシャルに対応したりするためである。
従って、PH2O/PH2を管理しても本発明で規定した酸化物を生成させることができない。
また、雰囲気中のガスがH2、CO2、CO、O2、残部N2の場合,下記平衡反応が起こると考えられ、PCO2/PCOがPO2の1/2乗と平衡定数1/K2に比例する。
CO2・CO+1/2O2 : K2=P(CO)・P(O21/2/P(CO2
また、同時に下記平衡反応が起こるため、雰囲気中にH2Oが発生すると考えられる。
CO2+H2・CO+H2O : K3=P(CO)・P(H2O)/P(CO2)・P(H2
従って、PO2は、PH2O、PH2、PCO2,PCOと温度が決まらないと決まらないため、本発明で規定した酸化物を生成させるためには、PO2を規定するか、上記値を全て規定するかのどちらかを行う必要がある。
具体的には、還元帯において鉄を還元しながらSiの外部酸化を抑制し、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物を生成させる目的で、還元帯の雰囲気としてH2を1〜60体積%含有し、残部N2、H2O、O2、CO2、COの1種又は2種以上および不可避的不純物からなり、その雰囲気中の酸素分圧の対数logPO2
−0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8≦logPO2≦−0.000038T2+0.107T−90.4・・・・・(1式)
923≦T≦1173・・・・・(2式)
T:鋼板の最高到達板温(K)
〔Si%〕:鋼板中のSi含有量(wt%)
に制御した雰囲気で還元を行う。
ここで、本発明においては、対数は全て常用対数で示す。
2を1〜60体積%に限定する理由は、1%未満では鋼板表面に生成した酸化膜を十分還元できず、めっき濡れ性が確保できないためであり、60%を超えると、還元作用の向上が見られず、コストが増加するためである。
logPO2を−0.000038T2+0.107T−90.4以下に限定する理由は、還元帯において鉄の酸化物を還元するためである。logPO2が−0.000038T2+0.107T−90.4を超えると鉄の酸化領域にはいるため、鋼板表面に鉄の酸化膜が生成し,不めっき欠陥が発生する。
logPO2を−0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8以上に限定する理由は、logPO2が−0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8未満ではSiの酸化物SiO2が表面に露出し、不めっき欠陥を発生させるためである。
logPO2を−0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8以上とすることで鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が存在し、鋼板内面側にSiO2が存在する酸化状態が得られるようになる。
また、logPO2がさらに小さい雰囲気では、Siの外部酸化領域にはいるため、めっき密着性は著しく低下する。
本発明において、雰囲気中の酸素分圧の対数logPO2を規定する鋼板の最高到達板温Tは923K以上、1173K以下とする。
Tを923K以上に限定する理由は、Tが923K未満ではSiが外部酸化する酸素ポテンシャルが小さく、工業的に操業できる範囲の酸素ポテンシャルでは鉄の酸化域となって、鋼板表面にFeOを生成するため、めっき密着性が低下するためである。一方、Tを1173K以下に限定する理由は、1173Kを超える温度で焼鈍するのは多大のエネルギーを要して不経済であるためである。鋼板の機械特性を得る目的であれば、後に記すように最高到達板温は1153K以下で十分である。
また、炉内の雰囲気温度は高いほど鋼板の板温を上げ易くなるため有利であるが、雰囲気温度が高すぎると炉内の耐火物の寿命が短くなり、コストがかかるため1273K以下が望ましい。
本発明において、PO2はH2O、O2、CO2、COの1種または2種以上を導入することにより操作する。前述した平衡反応式において、温度が決まれば平衡定数が決定し、その平衡定数に基づいて酸素分圧、即ち酸素ポテンシャルが決定する。雰囲気温度773Kから1273Kにおいては、気体の反応は短時間で平衡状態に達するため、PO2は炉内のPH2、PH2O、PCO2、PCOと雰囲気温度が決まると決定する。
2とCOは意識的に導入する必要はないが、本焼鈍温度でH2を1体積%以上含有する炉内にH2O、CO2を導入した場合、その一部とH2との平衡反応により、O2、COが生成する。H2O、CO2は必要な量導入できればよく、その導入方法は特に限定しないが、例えば、COとH2を混合した気体を燃焼させ、発生したH2O、CO2を導入する方法や、CH4、C26、C38等の炭化水素の気体や、LNG等の炭化水素の混合物を燃焼させ、発生したH2O、CO2を導入する方法、ガソリンや軽油、重油等、液体の炭化水素の混合物を燃焼させ、発生したH2O、CO2を導入する方法、CH3OH、C25OH等のアルコール類やその混合物、各種の有機溶剤を燃焼させ、発生したH2O、CO2を導入する方法等が上げられる。
COのみ燃焼させ、発生したCO2を導入する方法も考えられるが、本焼鈍温度、雰囲気の炉内にCO2を導入した場合、その一部がH2により還元され、COとH2Oが生成するため、H2O、CO2を導入した場合と本質的に差はない。
また、燃焼させ、発生したH2O、CO2を導入する方法以外にも、COとH2を混合した気体、CH4、C26、C38等の炭化水素の気体や、LNG等の炭化水素の混合物、ガソリンや軽油、重油等、液体の炭化水素の混合物、CH3OH、C25OH等のアルコール類やその混合物、各種の有機溶剤等を酸素と同時に焼鈍炉内に導入し、炉内で燃焼させてH2O、CO2を発生させる方法も使用できる。
こうした方法は、水蒸気を飽和させたN2や露点を上げたN2を利用して水蒸気を供給する方法に比べ、簡便で制御性が優れる。また、配管内で結露したりする心配もないため、配管の断熱を行う手間なども省くことができる。
本発明において、請求項に規定したPO2と温度における還元時間は特に規定しないが、望ましくは10秒以上3分以下である。還元炉内においてPO2を大きくすると、昇温過程において、logPO2が−0.000038T2+0.107T−90.4を超える領域を通過した後、−0.000038T2+0.107T−90.4以下の領域で還元されるため、最初に生成した鉄の酸化膜を還元し、目的とした鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が存在し、鋼板内面側にSiO2が存在する鋼板を得るためには,10秒以上保持することが望ましい。ただし、3分を超えて保持してもエネルギーの無駄となるばかりか連続ラインでの生産性低下を引き起こすため好ましくない。
また、還元雰囲気のPO2と温度が本発明範囲内であれば、通常の無酸化炉方式の溶融めっき法やオールラジアントチューブ方式の焼鈍炉を使用した溶融めっき法を使用できる。いずれの方式を使用しても、昇温過程において板温が923Kを超えるまでにlogPO2が−0.000038T2+0.107T−90.4を超える領域を通過し、鋼板表面に鉄の酸化膜が生成するため、これを還元しながらSiの外部酸化を抑制し、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物を生成させる目的で、還元帯の雰囲気のPO2と温度を本発明範囲内に適切に制御すればよい。
次に、その他の製造条件の限定理由について述べる。その目的はマルテンサイトおよび残留オーステナイトを3〜20%含む金属組織とし、高強度とプレス加工性が良いことが両立させることにある。マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率が3%未満の場合には高強度とならない。一方、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率が20%を超えると、高強度ではあるものの鋼板の加工性が劣化し、本発明の目的が達成されない。
熱間圧延に供するスラブは特に限定するものではなく、連続鋳造スラブや薄スラブキャスター等で製造したものであればよい。また、鋳造後直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直送圧延(CC−DR)のようなプロセスにも適合する。
熱間圧延の仕上温度は鋼板のプレス成形性を確保するという観点からAr3 点以上とする必要がある。熱延後の冷却条件や巻取温度は特に限定しないが、巻取温度はコイル両端部での材質ばらつきが大ききなることを避け、またスケール厚の増加による酸洗性の劣化を避けるためには1023K以下とし、また部分的にベイナイトやマルテンサイトが生成すると冷間圧延時に耳割れを生じやすく、極端な場合には板破断することもあるため823K以上とすることが望ましい。冷間圧延は通常の条件でよく、フェライトが加工硬化しやすいようにマルテンサイトおよび残留オーステナイトを微細に分散させ、加工性の向上を最大限に得る目的からその圧延率は50%以上とする。一方、85%を超す圧延率で冷間圧延を行うことは多大の冷延負荷が必要となるため現実的ではない。
ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備で焼鈍する際、その焼鈍温度は1023K以上1153K以下のフェライト、オーステナイト二相共存域とする。焼鈍温度が1023K未満では再結晶が不十分であり、鋼板に必要なプレス加工性を具備できない。1153Kを超すような温度で焼鈍することは生産コストが上昇すると共に設備の劣化が早くなるため好ましくない。また引き続きめっき浴へ浸漬し、冷却する過程で、923Kまでを緩冷却しても十分な体積率のフェライトが成長しないため高強度とプレス加工性の良いことの両立が困難となる。
鋼帯は焼鈍後、引き続きめっき浴へ浸漬する過程で冷却されるが、この場合の冷却速度は、その最高到達温度から923Kまでを平均0.5〜10度/秒で、引き続いて923Kから773Kまでを平均冷却速度3度/秒以上で冷却し、さらに773Kから平均冷却速度0.5度/秒以上で溶融亜鉛めっき処理を経て627Kまで冷却し、且つ、773Kからめっき後623Kに到達するまでの時間を25秒以上240秒以下保持する。
923Kまでを平均0.5〜10度/秒とするのは、加工性を改善するためにフェライトの体積率を増すと同時に、オーステナイトのC濃度を増すことにより、その生成自由エネルギーを下げ、マルテンサイト変態の開始する温度をめっき浴温度以下とすることを目的とする。923Kまでの平均冷却速度を0.5度/秒未満とするためには連続溶融亜鉛めっき設備のライン長を長くする必要がありコスト高となるため、923Kまでの平均冷却速度は0.5度/秒以上とする。
923Kまでの平均冷却速度を0.5度/秒未満とするためには、最高到達温度を下げ、オーステナイトの体積率が小さい温度で焼鈍することも考えられるが、その場合には実際の操業で許容すべき温度範囲に比べて適切な温度範囲が狭く、僅かでも焼鈍温度が低いとオーステナイトが形成されず目的を達しない。
一方、923Kまでの平均冷却速度を10度/秒を超えるようにすると、フェライトの体積率の増加が十分でないばかりか、オーステナイト中C濃度の増加も少ないため、高強度と加工性の良いことの両立が困難となる。
923Kから773Kまでの平均冷却速度を3度/秒以上とするのは、その冷却途上でオーステナイトがパーライトに変態するのを避けるためであり、その冷却速度が3度/秒未満では本発明で規定する温度で焼鈍し、また923Kまで冷却したとしてもパーライトの生成を避けられない。平均冷却速度の上限は特に規定しないが、平均冷却速度20度/秒を超えるように鋼帯を冷却することはドライな雰囲気では困難である。
773Kからの平均冷却速度を0.5度/秒以上とするのは、その冷却途上でオーステナイトがパーライトに変態するのを避けるためであり、その冷却速度が0.5度/秒未満では本発明で規定する温度で焼鈍し、また773Kまで冷却したとしてもパーライトの生成を避けられない。平均冷却速度の上限は特に規定しないが、平均冷却速度20度/秒を超えるように鋼帯を冷却することはドライな雰囲気では困難である。
773Kからめっき後623Kに到達するまでの時間を25秒以上240秒以下保持する理由は、オーステナイト中へのCの濃化が促進され加工性の優れた高強度溶融亜鉛めっきが得られるためである.773Kからめっき後623Kに到達するまでの時間が25秒未満ではオーステナイト中へのCの濃化が不十分となり、オーステナイト中のC濃度が、室温でのオーステナイトの残留を可能とする水準まで到達しないためであり、240秒を超えると、ベイナイト変態が進行し過ぎて、オーステナイト量が少なくなり、十分な量の残留オーステナイトを生成できないためである。
773Kから623Kまで冷却する間に、溶融亜鉛めっき浴を通過するが、上記平均冷却速度、773Kから623Kまでの時間が本発明範囲内であれば問題ない。溶融亜鉛めっき浴の浴温は浴組成により違うが、本発明の浴組成範囲では673〜753Kが適切である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
表1の組成からなるスラブを1423Kに加熱し、仕上温度1183〜1203Kで4.5mmの熱間圧延鋼帯とし、853〜953Kで巻き取った。酸洗後、冷間圧延を施して1.6mmの冷間圧延鋼帯とした後、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備を用いて表2に示すような条件で通板し、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。連続溶融亜鉛めっき設備は、無酸化炉による加熱後、還元帯で還元・焼鈍を行う方式を使用した。還元帯はCOとH2を混合した気体を燃焼させ発生したH2O,CO2を導入する装置を取り付け、H2を10体積%含むN2ガスにH2OとCO2を導入した。
焼鈍は、最高到達温度を表2に示す値となるよう調節し、均熱温度(最高到達温度−20度から最高到達温度までの範囲)に入っている均熱時間を60秒とした後、その最高到達温度から923Kまでを平均冷却速度1度/秒で、引き続いて923Kから773Kまでを平均冷却速度4度/秒で冷却し、さらに773Kから平均冷却速度1.7度/秒以上で723Kまで冷却し、且つ、めっき浴まで723Kで保持し、773Kからめっき浴までを30秒確保した後、浴温723KのZn−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を調整し、623Kまで20秒かけて冷却した。得られためっき鋼板のめっき層中組成は、表2、表3(表2のつづき)に示す値であった。
還元炉内のPO2は、炉内の水素濃度、水蒸気濃度、CO2濃度、CO濃度、雰囲気温度の測定値と平衡反応
2O・H2+1/2O2
CO2・CO+1/2O2
の平衡定数K1、K2を使用して求めた。
引張強さ(TS),伸び(El)は、各鋼板からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張試験を行うことにより求めた。
めっきの付着量は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解し、重量法により測定した。
鋼板の結晶粒界と結晶粒内に存在するSiを含む酸化物は、埋め込み研磨しためっき鋼板を断面からSEM像で観察して評価した。内部酸化層の状態は、SEM像で観察し、Siを含む酸化物が結晶粒界と結晶粒内に観察されたものを○、観察されなかったものを×とした。内部酸化層の厚みは、同様にSEM像で観察し、鋼板とめっき層との界面から結晶粒界と結晶粒内に酸化物が観察される部分の厚さを測定した。内部酸化層の組成は、SEMに取り付けたEDXを使用して解析し、Si、Oのピークが観察されたものを○、観察されなかったものを×とした。
鋼板内のSiを含む酸化物の含有率の測定は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解した後の鋼板を使用し、Siを含む酸化物を含有する層を酸で溶解してSiを含む酸化物を分離させた後、その重量を測定して求めた。
FeOの有無は、鋼板表面からXRD測定を行い、FeOの回折ピークが観察されなかったものを○、回折ピークが観察されたものを×とした。
(Fe,Mn)SiO3、(Fe,Mn)2SiO4、SiO2の位置は、埋め込み研磨しためっき鋼板の断面から、CMA像でSiを含む酸化物を観察し、以下の基準で評価した。
(Fe,Mn)SiO3、(Fe,Mn)2SiO4の位置
○:FeまたはMnとSi,Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板表面に観察されるもの
×:FeまたはMnとSi,Oが同じ位置に観察される酸化物が観察されないもの
SiO2の位置
○:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が、FeまたはMnとSi、Oが同じ位置に観察される酸化物より鋼板の内側に観察されるもの
△:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板の内側に観察されるもの
×:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板の内側に観察されないもの
めっき層に存在するFe−Zn系の金属間化合物は、めっき鋼板の圧延垂直方向断面を2cm埋め込み、研磨後、断面からSEM像で観察して評価した。Fe−Zn系の金属間化合物の粒径は、観察された結晶の長径と短径を測定しその平均値とした。平均粒径は、観察された結晶から、粒径の大きいものを4〜10個選び、その平均値を計算した。今回観察した発明品では、何れも4個以上の結晶が観察された。
めっき外観は通板したコイル全長を目視で観察し、不めっき面積率を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
4:不めっき面積率1%未満
3:不めっき面積率1%以上5%未満
2:不めっき面積率5%以上10%未満
1:不めっき面積率10%以上
パウダリング性は、めっき鋼板にテープを貼り付けた後、180度折り曲げ、曲げ戻してテープをはがし、テープに付着しためっきの巾を剥離巾とし、検査し、その剥離巾が3mm以下となった場合を○,剥離巾が3mm超となった場合を×とした。
めっき密着性は、デュポン衝撃試験後の溶融めっき鋼板に粘着テープを貼り、その後引き剥がし、めっきが剥離しなかった場合を○、めっきが剥離した場合を×とした。デュポン試験は先端に1/2インチの丸みを持つ撃ち型を使用し、3kgの重りを1mの高さから落下させて行った。
評価結果は表2、表3(表2のつづき)に示す通りである。番号3、6、9、12、17、20、23、26、29、33、35、38、41、45、48は炉内のlogPO2が本発明の範囲外であるため鋼板表面にSi酸化物が濃化し、不めっき、めっき密着性低下が発生し不合格となった。番号2、5、8、11、18、21、24、27、30、32、36、39、42、44、47は炉内のlogPO2が本発明の範囲外であるため鋼板表面のFeの酸化物を還元できず不めっき、めっき密着性低下が発生し不合格となった。これら以外の本発明方法で作製した鋼板は、めっき性、密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板であった。
{実施例2}
表1の組成からなるスラブを1423Kに加熱し、仕上温度1183〜1203Kで4.5mmの熱間圧延鋼帯とし、853〜953Kで巻き取った。酸洗後、冷間圧延を施して1.6mmの冷間圧延鋼帯とした後、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備を用いて表3に示すような条件のめっきを行い、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。連続溶融亜鉛めっき設備は、無酸化炉による加熱後、還元帯で還元・焼鈍を行う方式を使用した。還元帯はCOとH2を混合した気体を燃焼させ発生したH2O、CO2を導入する装置を取り付け、H2を10体積%含むN2ガスにH2OとCO2を導入し、炉内の酸素ポテンシャルの対数logPO2が表4、表5(表4のつづき)に示す値となるように調節した。
焼鈍は、最高到達温度を表3に示す値となるよう調節し、均熱温度(最高到達温度−20度から最高到達温度までの範囲)に入っている均熱時間を60秒とした後、その最高到達温度から923Kまでを平均冷却速度1度/秒で、引き続いて923Kから773Kまでを平均冷却速度4度/秒で冷却し、さらに773Kから平均冷却速度1.7度/秒以上で723Kまで冷却し、且つ、めっき浴まで723Kで保持し、773Kからめっき浴までを30秒確保した後、Zn−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を調整し、623Kまで20秒かけて冷却した。得られためっき鋼板のめっき層中組成は,表4、表5(表4のつづき)に示す値であった。
還元炉内のPO2は、炉内の水素濃度、水蒸気濃度、CO2濃度、CO濃度、雰囲気温度の測定値と平衡反応
2O・H2+1/2O2
CO2・CO+1/2O2
の平衡定数K1、K2を使用して求めた。
引張強さ(TS)、伸び(El)は、各鋼板からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張試験を行うことにより求めた。
めっきの付着量は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解し、重量法により測定した。めっき層の組成は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解し、化学分析により測定した。
鋼板の結晶粒界と結晶粒内に存在するSiを含む酸化物は、埋め込み研磨しためっき鋼板を断面からSEM像で観察して評価した。内部酸化層の状態は、SEM像で観察し、Siを含む酸化物が結晶粒界と結晶粒内に観察されたものを○、観察されなかったものを×とした。内部酸化層の厚みは、同様にSEM像で観察し、鋼板とめっき層との界面から結晶粒界と結晶粒内に酸化物が観察される部分の厚さを測定した。内部酸化層の組成は、SEMに取り付けたEDXを使用して解析し、Si、Oのピークが観察されたものを○、観察されなかったものを×とした。
鋼板内のSiを含む酸化物の含有率の測定は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解した後の鋼板を使用し、Siを含む酸化物を含有する層を酸で溶解してSiを含む酸化物を分離させた後、その重量を測定して求めた。
FeOの有無は、鋼板表面からXRD測定を行い、FeOの回折ピークが観察されなかったものを○、回折ピークが観察されたものを×とした。
(Fe,Mn)SiO3、(Fe,Mn)2SiO4、SiO2の位置は、埋め込み研磨しためっき鋼板を断面からSiを含む酸化物をCMA像で観察し、以下の基準で評価した。
(Fe,Mn)SiO3、(Fe,Mn)2SiO4の位置
○:FeまたはMnとSi、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板表面に観察されるもの
×:FeまたはMnとSi、Oが同じ位置に観察される酸化物が観察されないもの
SiO2の位置
○:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が、FeまたはMnとSi、Oが同じ位置に観察される酸化物より鋼板の内側に観察されるもの
△:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板の内側に観察されるもの
×:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板の内側に観察されないもの
めっき層に存在するFe−Zn系の金属間化合物は、めっき鋼板の圧延垂直方向断面を2cm埋め込み、研磨後、断面からSEM像で観察して評価した。Fe−Zn系の金属間化合物の粒径は、観察された結晶の長径と短径を測定しその平均値とした。平均粒径は、観察された結晶から、粒径の大きいものを4〜10個選び、その平均値を計算した。今回観察した発明品では、何れも4個以上の結晶が観察された。また、番号11の比較例は、Fe−Zn系金属間化合物は観察されなかったが、厚いFe−Al系金属間化合物が観察された。
めっき外観は通板したコイル全長を目視で観察し、不めっき面積率を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
4:不めっき面積率1%未満
3:不めっき面積率1%以上5%未満
2:不めっき面積率5%以上10%未満
1:不めっき面積率10%以上
めっき密着性は、デュポン衝撃試験後の溶融めっき鋼板に粘着テープを貼り、その後引き剥がし、めっきが剥離しなかった場合を○、めっきが剥離した場合を×とした。デュポン試験は先端に1/2インチの丸みを持つ撃ち型を使用し、3kgの重りを1mの高さから落下させて行った。
評価結果は表4、表5(表4のつづき)に示す通りである。番号1はめっき層中のAl濃度が本発明の範囲外であるため、Zn―Fe合金化反応が進みすぎて、地鉄界面に脆い合金層が発達し、めっき密着性低下が発生したため不合格となった。番号11はめっき層中のAl濃度が本発明の範囲外であるため、Fe−Al合金化反応が進みすぎて、めっき密着性低下が発生したため不合格となった。これら以外の本発明方法で作製した鋼板は、めっき性、密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板であった。
{実施例3}
表1の組成からなるスラブを1423Kに加熱し、仕上温度1183〜1203Kで4.5mmの熱間圧延鋼帯とし、853〜953Kで巻き取った。酸洗後、冷間圧延を施して1.6mmの冷間圧延鋼帯とした後、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めっき設備を用いて表4に示すような条件のめっきを行い、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。連続溶融亜鉛めっき設備は、無酸化炉による加熱後、還元帯で還元・焼鈍を行う方式を使用した。還元帯はCOとH2を混合した気体を燃焼させ発生したH2O,CO2を導入する装置を取り付け、H2を10体積%含むN2ガスにH2OとCO2を導入し、炉内の酸素ポテンシャルの対数logPO2が表4に示す値となるように調節した。
焼鈍は、最高到達温度を表4に示す値となるよう調節し、均熱温度(最高到達温度−20度から最高到達温度までの範囲)に入っている均熱時間を60秒とした。
還元炉内のPO2は、炉内の水素濃度、水蒸気濃度、CO2濃度、CO濃度、雰囲気温度の測定値と平衡反応
2O・H2+1/2O2
CO2・CO+1/2O2
の平衡定数K1、K2を使用して求めた。
引張強さ(TS)、伸び(El)は、各鋼板からJIS5号試験片を切り出し、常温での引張試験を行うことにより求めた。
溶融めっきは、Zn−Alめっき浴で3秒溶融めっきを行い、N2ワイピングでめっき付着量を片面100g/m2に調整した。得られためっき鋼板のめっき層中組成は、Al0.4〜0.5%、Fe0.4〜0.6%であった。
鋼板の結晶粒界と結晶粒内に存在するSiを含む酸化物は、埋め込み研磨しためっき鋼板を断面からSEM像で観察して評価した。内部酸化層の状態は、SEM像で観察し、Siを含む酸化物が結晶粒界と結晶粒内に観察されたものを○、観察されなかったものを×とした。内部酸化層の厚みは、同様にSEM像で観察し、鋼板とめっき層との界面から結晶粒界と結晶粒内に酸化物が観察される部分の厚さを測定した。内部酸化層の組成は、SEMに取り付けたEDXを使用して解析し、Si、Oのピークが観察されたものを○、観察されなかったものを×とした。
鋼板内のSiを含む酸化物の含有率の測定は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解した後の鋼板を使用し、Siを含む酸化物を含有する層を酸で溶解してSiを含む酸化物を分離させた後、その重量を測定して求めた。
FeOの有無は、鋼板表面からXRD測定を行い、FeOの回折ピークが観察されなかったものを○、回折ピークが観察されたものを×とした。
(Fe,Mn)SiO3、(Fe,Mn)2SiO4、SiO2の位置は、埋め込み研磨しためっき鋼板を断面からSiを含む酸化物をCMA像で観察し、以下の基準で評価した。
(Fe,Mn)SiO3、(Fe,Mn)2SiO4の位置
○:FeまたはMnとSi、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板表面に観察されるもの
×:FeまたはMnとSi、Oが同じ位置に観察される酸化物が観察されないもの
SiO2の位置
○:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が,FeまたはMnとSi,Oが同じ位置に観察される酸化物より鋼板の内側に観察されるもの
△:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板の内側に観察されるもの
×:Si、Oが同じ位置に観察される酸化物が鋼板の内側に観察されないもの
めっき層に存在するFe−Zn系の金属間化合物は、めっき鋼板の圧延垂直方向断面を2cm埋め込み、研磨後、断面からSEM像で観察して評価した。得られためっき鋼板のFe−Zn系の金属間化合物の平均粒径は、0.5〜3μmであった。また、今回観察した発明品では、何れも4個以上の結晶が観察された。
めっき外観は通板したコイル全長を目視で観察し、不めっき面積率を以下に示す評点づけで判定した。評点は3以上を合格とした。
4:不めっき面積率1%未満
3:不めっき面積率1%以上5%未満
2:不めっき面積率5%以上10%未満
1:不めっき面積率10%以上
めっき密着性は、デュポン衝撃試験後の溶融めっき鋼板に粘着テープを貼り、その後引き剥がし、めっきが剥離しなかった場合を○、めっきが剥離した場合を×とした。デュポン試験は先端に1/2インチの丸みを持つ撃ち型を使用し、3kgの重りを1mの高さから落下させて行った。
評価結果は表6、表7(表6のつづき)に示す通りである。本発明方法により、めっき性、密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板が製造可能となった。
めっき密着性が良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板を埋め込み研磨し、エッチング後、断面をSEM像で観察した結果を示す図である。 めっき密着性が良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板の断面を10度に傾斜させて埋め込み研磨を行い、その断面をSEM像で観察した結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.25%、
    Si:0.3〜2.5%、
    Mn:1.5〜2.8%、
    P:0.03%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005〜0.5%、
    N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板の表面に、Al:0.05〜10質量%、Fe:0.05〜3質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が平均含有率0.6〜10質量%で存在し、かつめっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が存在することを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 質量%で、
    C:0.05〜0.25%、
    Si:0.3〜2.5%、
    Mn:1.5〜2.8%、
    P:0.03%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005〜0.5%、
    N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板の表面に、Al:0.05〜10質量%、Fe:0.05〜3質量%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物からなる亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、高強度鋼板とめっき層との界面から5μm以下の鋼板側の結晶粒界と結晶粒内にSiを含む酸化物が平均含有率0.6〜10質量%で存在し、かつめっき側に平均粒径0.5〜3μmのFe−Zn合金が任意の断面において1個/500μm以上の割合で存在することを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 請求項1または2におけるSiを含む酸化物がSiO2、FeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上であることを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板において、鋼板表面または表面側にFeSiO3、Fe2SiO4、MnSiO3、Mn2SiO4から選ばれた1種以上のSi酸化物が存在し、かつ鋼板内面側にSiO2が存在することを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 質量%で、
    C:0.05〜0.25%、
    Si:0.3〜2.5%、
    Mn:1.5〜2.8%、
    P:0.03%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005〜0.5%、
    N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度鋼板に連続的に溶融亜鉛めっきを施す際、還元帯の雰囲気として、H2を1〜60体積%含有し、残部N2、H2O、O2、CO2、COの1種又は2種以上および不可避的不純物からなり、その雰囲気中の酸素分圧の対数logPO2
    −0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8≦logPO2≦−0.000038T2+0.107T−90.4・・・・・(1式)
    923≦T≦1173・・・・・(2式)
    T:鋼板の最高到達温度(K)
    〔Si%〕:鋼板中のSi含有量(wt%)
    に制御した雰囲気で還元を行うことを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  6. 質量%で、
    C:0.05〜0.25%、
    Si:0.3〜2.5%、
    Mn:1.5〜2.8%、
    P:0.03%以下、
    S:0.02%以下、
    Al:0.005〜0.5%、
    N:0.0060%以下を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成のスラブをAr3 点以上の温度で仕上圧延を行い、50〜85%の冷間圧延を施し、引き続いて、溶融亜鉛めっきを施す際、還元帯の雰囲気として、H2を1〜60体積%含有し、残部N2、H2O、O2、CO2、COの1種又は2種以上および不可避的不純物からなり、その雰囲気中の酸素分圧の対数logPO2
    −0.000034T2+0.105T−0.2〔Si%〕2+2.1〔Si%〕−98.8≦logPO2≦−0.000038T2+0.107T−90.4・・・・・(1式)
    923≦T≦1173・・・・・(2式)
    T:鋼板の最高到達温度(K)
    〔Si%〕:鋼板中のSi含有量(wt%)
    に制御した雰囲気の連続溶融亜鉛めっき設備を使用し、1023K以上1153K以下のフェライト、オーステナイトの二相共存温度域で焼鈍し、その最高到達温度から923Kまでを平均冷却速度0.5〜10度/秒で冷却し、引き続いて923Kから773Kまでを平均冷却速度3度/秒以上で冷却し、さらに773Kから平均冷却速度0.5度/秒以上で冷却し、溶融亜鉛めっき処理を行うことによって、前記冷延鋼板の表面上に溶融亜鉛めっき層を形成する製造方法において、773Kからめっき後623Kに到達するまでの時間を25秒以上240秒以下とすることを特徴とするめっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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