JP2008019342A - 光硬化性樹脂組成物及びその硬化皮膜を有する物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)(a)式(i)あるいは(ii)の光反応性基含有加水分解性シランで、1種の場合は3官能性シラン、2種以上の場合は70mol%以上が3官能性シラン、又はこれらの加水分解物もしくは部分縮合物、(b)式(iii)の両末端加水分解性基含有ジメチルシロキサン及び(c)式(iv)のフッ素含有加水分解性シランを塩基性触媒存在下で、加水分解性基を全て加水分解縮合する量より多くの水で加水分解縮合することで得られる光反応性基含有シロキサン化合物、(3)(CF3(CF2)mSO2)2NLi(m=0〜7)及び(4)ラジカル系光重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物、及びこの硬化皮膜が形成されてなる物品。
【選択図】 なし
Description
〔1〕 (1)(a)下記一般式(i)及び(ii)
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)3-a(OR1)a (i)
CH2=CHCOOC3H6Si(CH3)3-b(OR2)b (ii)
(式中、R1,R2は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、a,bは1〜3の整数である。)
で表される光反応性基含有加水分解性シランから選ばれる1種又は2種以上であって、1種の場合は全てが加水分解性基(OR1又はOR2)を3個有する3官能性シラン、2種以上の場合は70mol%以上が加水分解性基(OR1及びOR2)を3個有する3官能性シラン、又はこれらの加水分解物もしくは部分縮合物、
(b)下記一般式(iii)
で表される両末端加水分解性基含有ジメチルシロキサン、及び
(c)下記一般式(iv)
R4R5 3-cSi(OR6)c (iv)
(式中、R4は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を含有する有機基、又はヘキサフルオロプロペンオキサイドを含有する有機基であり、R5は炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、cは1〜3の整数である。)
で表されるフッ素を含有する加水分解性シラン
を含有する系を塩基性触媒の存在下で、加水分解性基(OR1、OR2、OR3、OR6)を全て加水分解縮合する量より多くの水で加水分解縮合することで得られる光反応性基含有シロキサン化合物:
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して20〜100質量部、
(2)(1)成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物:
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0〜80質量部、
(3)(CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である。):
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0.5〜15質量部、
(4)ラジカル系光重合開始剤:
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部
を含有してなる光硬化性樹脂組成物。
〔2〕 (1)成分の光反応性基含有シロキサン化合物が、(a)〜(c)成分を含有する系に、更に(d)他の加水分解性シランとして、下記一般式(v)
R7 dSi(OR8)4-d (v)
(式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基であり、R8は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、dは0〜3の整数である。)
で表される加水分解性シランを含有し、この系を塩基性触媒の存在下で、アルコキシ基を全て加水分解縮合する量より多くの水で加水分解縮合することで得られるものである〔1〕記載の光硬化性樹脂組成物。
〔3〕 (a)成分が、CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3である〔1〕又は〔2〕記載の光硬化性樹脂組成物。
〔4〕 (b)成分が、下記一般式
で表される両末端トリメトキシ基封鎖ジメチルシロキサンである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔5〕 (c)成分が、下記一般式
F(C(CF3)FCF2O)e−R9−Si(OR10)3
(式中、R9はC(CF3)FCH2OC3H6又はC(CF3)FC(=O)NHC3H6であり、R10は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、eは2〜50の整数である。)
で表されるものである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔6〕 (1)成分の調製に使用される塩基性触媒が、テトラアルキルアンモニウムヒドロキサイドである〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔7〕 (1)成分の重量平均分子量が5,000以下である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔8〕 (1)成分のシラノール基含有量が2質量%以下である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔9〕 (3)成分が、(CF3SO2)2NLiである〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔10〕 〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物の硬化皮膜が形成されてなる物品。
(1)後述する光反応性基含有シロキサン化合物、
(3)(CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である。)、
(4)ラジカル系光重合開始剤、
及び、必要に応じて
(2)(1)成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物
を含有してなるものである。
本発明の(1)光反応性基含有シロキサン化合物は、
(a)一般式(i)及び(ii)で表される光反応性基含有加水分解性シランから選ばれる1種又は2種以上であって、1種の場合は全てが加水分解性基を3個有する3官能性シラン、2種以上の場合は70mol%以上が加水分解性基を3個有する3官能性シランである光反応性基含有加水分解性シラン、これらの加水分解物あるいは部分縮合物、
(b)一般式(iii)で表される両末端加水分解性基含有ジメチルシロキサン、
(c)一般式(iv)で表されるフッ素を含有する加水分解性シラン、
及び、必要により
(d)他の加水分解性シラン
を含有する系を塩基性触媒の存在下で、加水分解性基を全て加水分解縮合する量より多くの水で加水分解縮合し、中性にした後、アルコール等を留去することにより得ることができる。
本発明に用いられる光反応性基含有加水分解性シランは、下記一般式(i)及び(ii)で表される加水分解性シランから選ばれる1種又は2種以上の加水分解性シラン、これらの加水分解物あるいは部分縮合物である。
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)3-a(OR1)a (i)
CH2=CHCOOC3H6Si(CH3)3-b(OR2)b (ii)
(式中、R1,R2は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、a,bは1〜3の整数である。)
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(OCH3)3、
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(OC2H5)3、
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(OCOCH3)3、
CH2=C(CH3)COOC3H6SiCH3(OCH3)2、
CH2=C(CH3)COOC3H6SiCH3(OC2H5)2、
CH2=C(CH3)COOC3H6SiCH3(OCOCH3)2、
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)2OCH3、
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)2OC2H5、
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)2OCOCH3、
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3、
CH2=CHCOOC3H6Si(OC2H5)3、
CH2=CHCOOC3H6Si(OCOCH3)3、
CH2=CHCOOC3H6SiCH3(OCH3)2、
CH2=CHCOOC3H6SiCH3(OC2H5)2、
CH2=CHCOOC3H6SiCH3(OCOCH3)2、
CH2=CHCOOC3H6Si(CH3)2OCH3、
CH2=CHCOOC3H6Si(CH3)2OC2H5、
CH2=CHCOOC3H6Si(CH3)2OCOCH3
等が例示され、これらの中でも、
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(OCH3)3、
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3
が好ましい。
本発明に用いられる両末端加水分解性基含有ジメチルシロキサンは、下記一般式(iii)で表されるものである。
本発明に用いられるフッ素を含有する加水分解性シランは、下記一般式(iv)で表されるものである。
R4R5 3-cSi(OR6)c (iv)
(式中、R4は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を含有する有機基、又はヘキサフルオロプロペンオキサイドを含有する有機基であり、R5は炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、cは1〜3の整数である。)
CpF2p+1−、
F[C(CF3)F−CF2O]q−
(式中、pは1〜19の整数、qは1〜250の整数である。)
を含有する有機基であり、具体的には、CF3C2H4−、C4F9C2H4−、C8F17C2H4−、C8F17C3H6−、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−、C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FC(=O)NHC3H6−、F(C(CF3)FCF2O)6C(CF3)FC(=O)NHC3H6−、C3F7O(C3F6O)rC2F4CH2CH2(r=2〜100)等が挙げられる。
本発明においては、(a)成分、(b)成分、(c)成分以外にも、特性を損なわない範囲で他の加水分解性シランを用いることができ、具体的には、下記一般式(v)で表される加水分解性シランを添加することができる。
R7 dSi(OR8)4-d (v)
(式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基であり、R8は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、dは0〜3の整数である。)
また、R8は、R1,R2と同様のものを例示することができる。
Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、
CH3Si(OCH3)3、CH3Si(OC2H5)3、
耐クラック性を向上させる目的から、
(CH3)2Si(OCH3)2、(CH3)2Si(OC2H5)2、
C6H5Si(OCH3)3、C6H5Si(OC2H5)3、
C6H12Si(OCH3)3、C6H12Si(OC2H5)3、
(CH3)3SiOCH3、(CH3)3SiOC2H5、
防汚性を向上させる目的から、
C3H7Si(OCH3)3、C3H7Si(OC2H5)3、
C6H13Si(OCH3)3、C6H13Si(OC2H5)3、
C10H21Si(OCH3)3、C10H21Si(OC2H5)3
等が例示できる。
また、これらの部分加水分解物でもよい。
塩基性触媒の添加量は、配合した原料有機ケイ素化合物の合計に対して0.1〜20質量%、特に1〜10質量%であることが好ましい。
本発明においては、(1)成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物を配合することができ、これは(1)光反応性基含有シロキサン化合物と共に、硬化性成分の主成分となるものであり、硬化後に得られる被膜のマトリックスを形成するものである。この(メタ)アクリル基含有化合物は、分子内に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物であり、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、(CF3(CF2)mSO2)2NLi(m=0〜7)が、相溶性及び溶解性が良好な帯電防止剤として使用される。硬化物の表面抵抗値が初期及び高温高湿時ともに表面抵抗値が1015Ω以下となり、十分な埃付着防止効果が得られる。
mが7を超える場合、相溶性、溶解性が悪くなる。好ましいものとしては、m=0の(CF3SO2)2NLiである。
本発明の組成物には、(4)ラジカル系光重合開始剤が含有される。ラジカル系光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の通常のものから選択することができる。ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、チオキサントン誘導体、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ヒドロキシジメチルアセトフェノン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンが、表面硬化性が良好である点から好ましい。
前記シリカ微粒子の中でも、活性エネルギー線反応性基を有する加水分解性シラン化合物によって表面修飾されたものが好ましく用いられる。このような反応性シリカ微粒子は、ハードコートを硬化させる際の活性エネルギー線照射によって、架橋反応を起こし、ポリマーマトリックス中に固定される。
なお、金属酸化物微粒子の配合量は、(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0.1〜50質量部である。
形成された被膜の膜厚は、0.1〜50μm、特に0.5〜30μmの範囲にあることが好ましい。膜厚が薄すぎると耐摩耗性が低下する場合があり、また厚すぎると耐クラック性が低下する場合がある。
なお、下記の例において、揮発分はJIS C 2133に、屈折率はJIS K 0062に、OH量はJIS K 0070に準じてそれぞれ測定した値であり、粘度はB型粘度計により測定した25℃における値を示し、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC−8220東ソ社製)を用いてTHF(テトラヒドロフラン)を溶媒として測定した値である。
防汚性は、水接触角とオレイン酸接触角を接触角計(CA−X150型、協和界面科学製)を用いて測定した(接触角が大きいものほど防汚性に優れる)。
耐擦傷性、耐磨耗性は、ASTM D 1044に準拠し、テーバー磨耗試験機(磨耗輪CS−10F使用)を用いて硬化被膜の磨耗試験を行い、磨耗試験前後の硬化被膜の濁度を、濁度計(NDH2000、日本電色工業製)を用いて測定し、磨耗試験後の濁度−磨耗試験前の濁度をΔHazeとした(ΔHazeは15以下の場合に耐擦傷性、耐磨耗性が良好である)。
表面抵抗値は、高抵抗抵抗率計(ハイレスタUP MCP−HT450型、ダイアインスツルメント社製)、半減期は帯電電荷減衰度測定器(スタチックオネストメーター、シシド静電気社製)を用い、いずれも25℃、50%RHの雰囲気下で測定した。
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3を227.0質量部(0.97mol)、C8F17C2H4Si(OCH3)3を17.0質量部(0.03mol)、下記式
で表される両末端トリメトキシ基封鎖ジメチルシロキサンを1.1質量部(0.0011mol)、イソプロピルアルコールを715.8質量部反応器中に配合し、均一になったところで10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液32.3質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水108.2質量部(水6.01mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、メタノール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は、揮発分0.6%、粘度72,000mPa・s、屈折率1.4690、OH量0.4質量%、重量平均分子量3,400であった。
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3を227.0質量部(0.97mol)、C8F17C2H4Si(OCH3)3を8.6質量部(0.015mol)、F(C(CF3)FCF2O)6C(CF3)FC(=O)NHC3H6Si(OCH3)3を20.0質量部(0.015mol)、下記式
で表される両末端トリメトキシ基封鎖ジメチルシロキサンを1.1質量部(0.0011mol)、イソプロピルアルコールを715.8質量部反応器中に配合し、均一になったところで10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液32.3質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水108.2質量部(水6.01mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、メタノール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は、揮発分0.4%、粘度59,000mPa・s、屈折率1.4648、OH量0.6質量%、重量平均分子量3,000であった。
合成例1で得られた化合物100質量部を、(CF3SO2)2NLi7.5質量部、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これをポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜の耐マジックインキ性は合格であり、水接触角102°、オレイン酸接触角61°と良好な防汚性が得られた。更にテーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは13と耐磨耗性も高かった。また、表面抵抗値は、1×1013Ωと低く、半減期も2minと短かった。
合成例1で得られた化合物80質量部を、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi7.5質量部、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これを実施例1と同様に塗布して硬化させた。
得られた被膜の耐マジックインキ性は合格であり、水接触角105°、オレイン酸接触角66°と良好な防汚性が得られた。更にテーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは10と耐磨耗性も高かった。また、表面抵抗値は、2×1013Ωと低く、半減期も2minと短かった。
合成例2で得られた化合物80質量部を、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi7.5質量部、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これを実施例1と同様に塗布して硬化させた。
得られた被膜の耐マジックインキ性は合格であり、水接触角108°、オレイン酸接触角70°と良好な防汚性が得られた。更にテーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは11と耐磨耗性も高かった。また、表面抵抗値は、5×1012Ωと低く、半減期も1minと短かった。
合成例1で得られた化合物100質量部を、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これを実施例1と同様に塗布して硬化させた。
得られた被膜の耐マジックインキ性は合格であり、水接触角105°、オレイン酸接触角66°と良好な防汚性が得られた。更にテーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは11と耐磨耗性も高かった。しかし、表面抵抗値は、1×1014Ω以上と高く、半減期も60min以上であった。
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3を234.0質量部(1.00mol)、下記式
で表される両末端トリメトキシ基封鎖ジメチルシロキサンを5.5質量部(0.0054mol)、イソプロピルアルコールを681.6質量部反応器中に配合し、均一になったところで10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液31.2質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水108.8質量部(水6.04mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、メタノール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は、揮発分0.6%、粘度89,000mPa・s、屈折率1.4790、OH量0.3質量%、重量平均分子量3,000であった。
比較合成例1で得られた化合物100質量部を、(CF3SO2)2NLi7.5質量部、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これを実施例1と同様に塗布して硬化させた。
テーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは11と耐磨耗性も高かった。また、表面抵抗値は、8×1013Ωと低く、半減期も5minと短かった。しかし、得られた被膜の耐マジックインキ性は不合格であり、水接触角90°、オレイン酸接触角51°と低かった。
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3を227.0質量部(0.97mol)、C8F17C2H4Si(OCH3)3を17.0質量部(0.03mol)、イソプロピルアルコールを711.3質量部反応器中に配合し、均一になったところで10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液32.1質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水108.0質量部(水6.00mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、メタノール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は、揮発分0.7%、粘度10,700mPa・s、屈折率1.4700、OH量0.5質量%、重量平均分子量2,800であった。
比較合成例2で得られた化合物100質量部を、(CF3SO2)2NLi7.5質量部、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これを実施例1と同様に塗布して硬化させた。
表面抵抗値は、2×1013Ωと低く、半減期も2minと短かった。しかし、テーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは17と耐磨耗性が低かった。また、得られた被膜の耐マジックインキ性は不合格であり、水接触角96°、オレイン酸接触角58°と低かった。
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3を227.0質量部(0.97mol)、F(C(CF3)FCF2O)6C(CF3)FC(=O)NHC3H6Si(OCH3)3を40.0質量部(0.03mol)、下記式
で表される両末端トリメトキシ基封鎖ジメチルシロキサンを1.1質量部(0.0011mol)、イソプロピルアルコールを827.8質量部反応器中に配合し、均一になったところで10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液36.4質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水108.2質量部(水6.01mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、メタノール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は、揮発分0.5%、粘度88,000mPa・s、屈折率1.4627、OH量0.6質量%、重量平均分子量3,100であった。
合成例3で得られた化合物80質量部を、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi7.5質量部、ダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、これを実施例1と同様に塗布して硬化させた。
得られた被膜の耐マジックインキ性は合格であり、水接触角111°、オレイン酸接触角73°と良好な防汚性が得られた。更にテーバー磨耗性試験(500g荷重100回転)ではΔHazeは13と耐磨耗性も高かった。また、表面抵抗値は、1×1012Ωと低く、半減期も1minと短かった。
Claims (10)
- (1)(a)下記一般式(i)及び(ii)
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)3-a(OR1)a (i)
CH2=CHCOOC3H6Si(CH3)3-b(OR2)b (ii)
(式中、R1,R2は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、a,bは1〜3の整数である。)
で表される光反応性基含有加水分解性シランから選ばれる1種又は2種以上であって、1種の場合は全てが加水分解性基を3個有する3官能性シラン、2種以上の場合は70mol%以上が加水分解性基を3個有する3官能性シラン、又はこれらの加水分解物もしくは部分縮合物、
(b)下記一般式(iii)
で表される両末端加水分解性基含有ジメチルシロキサン、及び
(c)下記一般式(iv)
R4R5 3-cSi(OR6)c (iv)
(式中、R4は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を含有する有機基、又はヘキサフルオロプロペンオキサイドを含有する有機基であり、R5は炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、cは1〜3の整数である。)
で表されるフッ素を含有する加水分解性シラン
を含有する系を塩基性触媒の存在下で、加水分解性基を全て加水分解縮合する量より多くの水で加水分解縮合することで得られる光反応性基含有シロキサン化合物:
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して20〜100質量部、
(2)(1)成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物:
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0〜80質量部、
(3)(CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である。):
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0.5〜15質量部、
(4)ラジカル系光重合開始剤:
(1)成分と(2)成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部
を含有してなる光硬化性樹脂組成物。 - (1)成分の光反応性基含有シロキサン化合物が、(a)〜(c)成分を含有する系に、更に(d)他の加水分解性シランとして、下記一般式(v)
R7 dSi(OR8)4-d (v)
(式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基、シクロヘキシル基、又はフェニル基であり、R8は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、dは0〜3の整数である。)
で表される加水分解性シランを含有し、この系を塩基性触媒の存在下で、アルコキシ基を全て加水分解縮合する量より多くの水で加水分解縮合することで得られるものである請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。 - (a)成分が、CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3である請求項1又は2記載の光硬化性樹脂組成物。
- (c)成分が、下記一般式
F(C(CF3)FCF2O)e−R9−Si(OR10)3
(式中、R9はC(CF3)FCH2OC3H6又はC(CF3)FC(=O)NHC3H6であり、R10は炭素数1〜4のアルキル基、又はアセチル基であり、eは2〜50の整数である。)
で表されるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。 - (1)成分の調製に使用される塩基性触媒が、テトラアルキルアンモニウムヒドロキサイドである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- (1)成分の重量平均分子量が5,000以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- (1)成分のシラノール基含有量が2質量%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- (3)成分が、(CF3SO2)2NLiである請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物の硬化皮膜が形成されてなる物品。
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