JP2008285686A - 耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】
シリコン及びフッ素を含まない撥水性基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(メタ)アクリル系共重合体(A)又はこれと無機酸化物微粒子との複合体、を含有する耐汚染性付与剤。好ましくは更に活性エネルギー線で硬化可能な(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物を含有する。
【効果】
卓越した耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性と同時に、優れた硬度、耐傷つき性、透明性、低カール性等を併せ持つ塗膜を形成することが可能である。耐タッチパネル、デイスプレイ、携帯電話筐体、光デイスクなど幅広い用途に好適に使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、卓越した耐指紋汚れ性と皮脂汚れ性を有する耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品に関する。詳しくは、活性エネルギー線を照射することにより、硬化し、同時に卓越した硬度・耐摩耗性、低カール性、透明性を付与した皮膜を形成する活性エネルギー線硬化性の耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品に関する。
プラスチック製品、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS、MS樹脂、AS樹脂などのスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、トリアセチルセルロースなどの酢酸セルロース等の樹脂基材は、その軽量性、易加工性、耐衝撃性などが特に優れているので、容器、インストルメントパネル、包装材、各種ハウジング材、光デイスク基板、プラスチックレンズ、液晶デイスプレイやプラズマデイスプレイなどの表示機器の基材等、種々の用途に用いられている。
しかしながら、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため傷つきやすく、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートのような透明な樹脂においては、その樹脂が持つ本来の透明性あるいは外観が著しく損なわれるという欠点があり、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。
このため、これらプラスチック製品の表面に耐摩耗性を付与する活性エネルギー線硬化性ハードコート材料(被覆材)が求められている。しかしながら、市販の活性エネルギー線硬化性ハードコート材料の硬化層は表面に指紋や皮脂が付着しやすく、かつその汚れを簡単に除去できない傾向にあり、製品の美観や透明性を損なう原因となる。
このような問題点の解決を目指し、表面を低エネルギー性表面にし、指紋や皮脂をはじき、付着しにくくすることで、このような汚れに対する耐性を高める試みは数多くなされている。その技術を大きく分けると、3つの手法に分けられる。
(1)パーフルオロアルキル基を導入し、表面を撥水・撥油化する手法(例えば、特許文献1参照)。
(2)ポリジメチルシロキサン基のような撥水性シリコーン樹脂骨格を導入し、表面を撥水・撥油化する手法(例えば、特許文献2参照)。
(3)表面に微細凹凸をつけ、撥水・撥油性をさらに高めるとともに、接触面積も減らし、より汚れをつきにくくする手法(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらの従来の方法では、携帯電話のように顔の皮脂に直接接触する用途、あるいはタッチパネルのように繰り返し指の接触する用途では、依然として付着しやすく、かつ撥水・撥油のため、付着した汚れをはじき、かえって汚れが目立ってしまう、という問題があった。
一方、上記の方法とやや異なる発想に基づく技術的流れとしては、以下のような手法が挙げられる。
(4)表面の超親水化により、耐汚れ性を向上させる手法(例えば、特許文献4参照)。
(5)撥水・撥油基とともに特定の親水基を組み合わせ、汚れのふき取り性を改良する方法(例えば、特許文献5〜7参照)。
(6)表面を撥水・親油化することで、指紋・皮脂成分とのなじみを良くし、付着しても目立たなくする手法(例えば、特許文献8参照)。
これらのうち、最後の手法は特に、付着しても目立たなくはなるものの、表面の耐傷つき性が十分に確保できず、ふき取り性の低下(特に繰り返しふき取り性等の耐久性)、や多段コートになることによるコストアップ等の問題をかかえており、抜本的な改良が必要であった。
特開平10−104403号公報 特開平10−7986号公報 特開平10−310455号公報 特開平9−268280号公報 特開2000−290535号公報 特開2001−98190号公報 特開2001−98188号公報 特開2001−353808号公報
本発明の解決すべき課題は、これら従来技術に比べ、特に指紋や皮脂の付着防止性、ふき取り性を大幅に改良しつつ、特に、活性エネルギー線を照射することにより、硬化し、卓越した硬度・耐摩耗性、透明性や低カール性をも併せて実現しうるような、活性エネルギー線硬化性の耐汚染性付与剤及びそれを用いた耐汚染性物品を提供することである。
本発明者らは、以前、撥水・撥油基と親水基のバランスが特定の種類の汚れ(例えばホワイトボード用マーカー)の付着性・ふき取り性制御に有効であることを見出している(特開2001−80290号公報)。この際に、汚れの成分となじませつつ、ふき取り性を確保することが可能であることを見出しており、その発想を指紋や皮脂成分の汚れ防止の設計に展開することを考えた。
そこで、通常の汚れをつきにくくするため、撥水性を確保しつつ、指紋や皮脂成分の汚れをなじませて目立たなくすることができないか、種々検討したところ、特定構造の撥水基、場合により、更に親水基を同時に有する耐汚染性付与剤を活性エネルギー線硬化性組成物に配合し、塗布、硬化することで、一段コートで、目的とするような耐汚れ性表面を有する塗膜が得られることを見出した。またこの耐汚染性付与剤(防汚剤)はごく少量の配合で十分な性能を発揮しうるため、例えば活性エネルギー線硬化性組成物として、ハードコート性を有する組成物や低カール性を有する組成物に配合しても、その性能(例えば卓越した耐摩耗性、硬度、透明性、低カール性等)を損なうことなく、耐指紋汚れや皮脂汚れに対して非常に優れた耐汚染性を有する塗膜が得られることを確認し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、炭素数10以上のアルキル基又はポリシクロアルキル基であって、オルガノ(ポリ)シロキサン基及び有機フッ素化合物基のいずれも含まない撥水性基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下成分(A)と略記する場合がある)、又はこれと無機酸化物微粒子との複合体、を含有することを特徴とする耐汚染性付与剤に存する。また、本発明の他の要旨は、前記の耐汚染性付与剤から形成された塗膜を表面に有する物品に存する。
[発明の効果]
本発明の耐汚染性付与剤によれば、非常に高いレベルの耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性を有する塗膜の作成を実現することができる。また、組成物に多官能アクリレートや、無機酸化物微粒子の表面に、−O−Si−R−結合を介して(メタ)アクリロイル基を有する基が結合している無機酸化物微粒子を含有させることで、同時に卓越した硬度、耐傷つき性、透明性、低カール性等を併せ持つことが可能であり、耐タッチパネル、デイスプレイ、携帯電話筐体、光デイスクなど幅広い用途に好適に使用することができる。
即ち、本発明の耐汚染性付与剤を、例えばPET、TAC、PMMAといった代表的な透明基材に塗布した場合、鉛筆硬度が2H以上と高い硬度を有し、同時に水に対する接触角が80度以上と撥水性を示すことで、親水性汚れの付着が防止され、一方、代表的な皮脂成分のオレイン酸、トリオレイン、スクアレンに対する接触角が10度以下と親油性を示すため、皮脂成分が濡れ、付着時目立たない。一方で水に対する接触角が高いため、指紋や皮脂(同時に水分も存在するため、水より比重が軽い油溶成分が表面に浮き、塗膜と直接接するのは最終的には水分になる)成分の過度のなじみが抑えられ、ふき取り性にも優れる。さらに、撥水基と親水基を組み合わせると、その効果がさらに高くなり、ふき取り性が一層向上するため、従来到達し得なかった高いレベルの耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性を実現することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)オルガノ(ポリ)シロキサン基及び有機フッ素化合物基のいずれも含まない撥水基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(メタ)アクリル系共重合体:(A)成分
本発明において、(A)成分を構成する単量体として、(1)撥水性共重合成分、(2)高剛性共重合成分、及び(3)親水性共重合成分が用いられる。このうち(1)撥水性共重合成分として、オルガノ(ポリ)シロキサン基及び有機フッ素化合物基のいずれも含まない撥水基を有する(メタ)アクリレートが必須成分として用いられる。
また、本発明の耐汚染性付与剤中に、(A)成分は(メタ)アクリル系共重合体それ自体の形態で存在してもよいが、該共重合体を(4)無機酸化物微粒子に予め結合させておくこともできる。以下(1)〜(4)の順序で説明する。
(1)撥水基を有する共重合成分としては、炭素数10以上、好ましくは炭素数12以上のアルキル基またはポリシクロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを例示することができる。具体例をいくつか例示すると、たとえば、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、トリシクロデセンモノメタノールモノ(メタ)アクリレート等をあげることができる。炭素数10未満のアルキル基やモノシクロアルキル基では、撥水性が十分ではないため好ましくない。炭素数の上限は撥水性の点からは特に限定されないが、実用的には30程度の範囲から選択される。尚、撥水基として通常使われるシリコン(主にポリジメチルシロキサン)やフッ素(主にパーフルオロアルキル基)を用いると、撥水性と共に撥油性も同時に生じてしまうため本発明では、これらシリコン及びフッ素を含まない共重合成分を用いることが重要である。
(2)高剛性共重合成分
上記(1)撥水性共重合成分のみを重合した(メタ)アクリレートの単独重合体では硬度の低下等の問題を起こしやすいため、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等比較的硬いポリマーを与えうるラジカル共重合性モノマーを共重合すると好ましい。
(3)親水性共重合成分
さらに親水基を有するラジカル共重合性モノマーを共重合すると、親水性が適度に付与されるため好ましい場合がある。例えば、以下のような親水化手法を例示することができる。
(i)ポリアルキレングリコール基の導入
(ii)OH基またはカルボン酸基、スルホン酸基、燐酸基並びにこれらの塩の導入
(i)ポリアルキレングリコール基の導入
上記の導入には、ポリアルキレングリコール基を側鎖に有するラジカル重合性モノマーの共重合が好ましい。このようなモノマーの具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等を例示することができる。これらは例えば日本油脂株式会社からブレンマーの商品名で入手することができる。
(ii)OH基またはカルボン酸基、スルホン酸基、燐酸基及びこれらの塩の導入
上記の導入には、これらの基を有するラジカル重合性モノマーの共重合が好ましい。例えば、OH基を導入しうるモノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を例示することができる。
カルボン酸基を導入しうるモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸等を例示することができる。スルホン酸基を導入しうるモノマーとしては、スチレンスルホン酸等を挙げることができる。燐酸基を導入しうるモノマーとしては、燐酸モノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、これらのアルカリ(土類)金属塩、第四級アンモニウム塩なども親水性付与には有効である。
(4)無機酸化物微粒子に結合させた成分(A)
さらに硬度、親水性を付与したい場合、無機酸化物微粒子に成分(A)の共重合体を結合させると、より一層好ましい場合がある。
無機酸化物微粒子に結合させる方法はいくつかあるが、以下のような方法がもっとも好ましい。
まず、メルカプトシランを無機酸化物微粒子に結合させ、メルカプト基を有する無機酸化物微粒子を調製する。このような酸化物微粒子の存在下、共重合体(A)を構成する共重合モノマー(1)(2)(3)をラジカル共重合すると、メルカプト基を有する無機酸化物微粒子が重合停止剤(連鎖移動剤)として作用し、結果として共重合体(A)が無機酸化物微粒子の表面に結合した形になる。
無機酸化物としては、特に制限されないが、珪素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン、セリウム、リチウムの酸化物またはこれらの複合酸化物が好ましく、具体的には、珪素の酸化物(シリカ)、アルミニウムの酸化物(アルミナ)、珪素−アルミニウムの複合酸化物、ジルコニウムの酸化物(ジルコニア)、チタニウムの酸化物(チタニア)、酸化亜鉛、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、インジウム−錫複合酸化物(ITO)、酸化セリウム、シリカ−酸化リチウムの複合酸化物等を挙げることができる。シリカ又はこれを主成分とするものが特に好ましい。
無機酸化物微粒子の形状は、球状、中空状、多孔質状、棒状、繊維状、板状又は不定形状であり、なかでも球状が好ましい。金属酸化物の一次粒子径は1〜100nmが好ましい。一次粒子径が1nm未満であると機械特性の向上効果が小さく、一方100nm以上であると二次凝集を起こしやすく、透明性等が失われるため好ましくない。
これら無機酸化物微粒子は乾燥された粉末状態で、或いは、水、有機溶剤に溶解または分散した状態で入手可能である。これらのうち、優れた分散性を発現するためには、水または有機溶剤に溶解または分散したゾルの利用が好ましい。代表的には、水に溶解させた水性シリカゾル、またはOH基を有する有機溶媒、またはケトン基を有する極性溶媒に溶解または分散したオルガノシリカゾルを主成分として用いることが最も好ましい。水性シリカゾルとしては代表的には、ST−20(塩基性の水性シリカゾル、日産化学工業株式会社製)、ST−O(酸性の水性シリカゾル、日産化学工業株式会社製)、ST−AK(弱酸性の水性シリカ・アルミナゾル、日産化学工業株式会社製)、リチウムシリケート(塩基性のシリカ・酸化リチウムゾル、日産化学工業株式会社製)等を挙げることができる。また、オルガノシリカゾルとしては代表的には、IPA−ST(イソプロパノール(IPA)分散オルガノシリカゾル、日産化学工業株式会社製)、MEK−ST(メチルエチルケトン(MEK)分散オルガノシリカゾル、日産化学工業株式会社製)等、またはこれらを原料に他のOH基を有する有機溶媒に溶媒置換したゾル(例えばPGM分散オルガノシリカゾル等)を挙げることができる。
分散液中の固形分含有量としては、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%のものが取り扱い易く、入手も容易である。
メルカプトシラン(メルカプト基を有するシランカップリング剤)としては、例えばトリメトキシシリルプロピルメルカプタン(例えば信越化学工業株式会社よりKBM803の商品名で、東レダウコーニングシリコン株式会社よりSH6062の商品名で入手可能)等を例示することができる。その他、トリエトキシシリルプロピルメルカプタン、トリメトキシシリルエチルメルカプタン等のトリアルコキシシリルアルキルメルカプタン、メチルジメトキシシリルプロピルメルカプタン、メチルジエトキシシリルプロピルメルカプタン等のジアルコキシアルキルシリルアルキルメルカプタン等を用いても良い。
反応、結合については、この種の化合物生成において一般的に用いられる種々の方法で達成可能である。基本的にはアルコキシシリル基を加水分解し、シラノール基を生成させ、無機酸化物表面のアルコキシ基および/またはヒドロキシル基と縮合反応を行い、結合させる方法が一般的である。
水は、塗膜の性能、コート液の安定性を損なわない範囲で用いられ、その量はアルコキシシリル基に対し通常1〜400モル%、好ましくは30〜200モル%である。1モル%より少ないと加水分解、縮合反応が起こりにくいし、400モル%より多いとゲル化等を起こしやすく好ましくない。また、使用される水は蒸留水、イオン交換水、工業用水、軟水等を挙げることができる。
さらに、この加水分解、縮合反応を促進するため、酸またはアルカリ、またはその他の適切な化合物を触媒として添加することも可能である。これらについても塗膜の性能を損なわず、かつコート液の性能を損なわないものであれば種々のものを使用することが可能である。例えば酸触媒としては塩化水素溶液、燐酸溶液、硼酸等の無機酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、アルカリ触媒としてはアルコール性水酸化カリウム、アンモニア、トリアルキルアミン類、ジメチルアミノピリジン等の複素環含有アミン類等を挙げることができる。その他、アルミニウムトリアセチルアセトナート等の金属アセチルアセトン錯体も有効である。
その使用量はメルカプト基含有シランカップリング剤100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
無機酸化物微粒子とメルカプトシランの重量比は100/0.1〜100/10、好ましくは100/1〜100/5である。この比が100/0.1より大きい場合、無機酸化物微粒子に導入されるメルカプト基の含量が低く、結果として実質的にメルカプト基の導入されていない無機酸化物微粒子の占める割合が高くなり、好ましくない。一方100/10より小さい場合には、無機酸化物微粒子に含まれるメルカプト基の含量が高すぎ、共重合体の分子量が著しく低下したり、逆に架橋・ゲル化による不溶化が起こる場合があり、好ましくない。
成分(A)の(メタ)アクリル系共重合体(A)を調製するに当り、上記した(1)撥水性共重合成分、(2)高剛性共重合成分、(3)親水性共重合成分及び(4)無機酸化物微粒子は、(1)撥水性共重合成分が5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、(2)高剛性共重合成分が5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、(3)親水性共重合成分が0〜40重量%、好ましくは0〜25重量%、(4)無機酸化物微粒子が固形物換算で、0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%の範囲で用いられる。
共重合は、一般に、均一性を向上させるために溶媒を使用することが好ましい。かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、イソブタノール等アルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メトキシエタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチル等のカルボン酸エステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)、2−エトキシエチルアセタート等のエーテルエステル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機溶媒が使用される。また、水を、反応系の均一性が損なわれない範囲で加えてもよい。
共重合成分と溶媒の混合・溶解方法には特に制限はないが、混合後、一定時間以内、好ましくは3時間以内にラジカル重合開始剤を添加し、重合を開始することが肝要である。混合後、ラジカル重合開始剤を含まない状態で放置すると、成分(4)を含む場合は特に、副反応として、メルカプト基のラジカル重合性官能基(二重結合)へのマイケル付加反応が進行し、3時間以上経過後、重合を開始した場合、共重合体の物性が大きく変化し、好ましくない場合がある。
ラジカル重合開始剤としては、一般にラジカル重合に用いられる公知の開始剤を用いることができる。代表例を挙げると、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2'−アゾビスブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V65)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が特に好適に使用される。重合液中のモノマー類(成分D)も含む)の総和濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤は通常単量体混合物に対し、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜2重量%の量使用される。
好ましい重合温度は用いるラジカル重合開始剤により異なるが、重合温度は20〜150℃、重合時間は1〜72時間である。
(メタ)アクリル系共重合体(A)を構成する共重合モノマーの混合物に、メルカプトシランを共存させてラジカル共重合すると、メルカプトシランが連鎖移動剤として作用し、末端にシラン基を有する共重合体(A)が得られる。このシラン末端共重合体(A)を無機酸化物微粒子に結合させてもよい。このような場合の共重合方法、無機酸化物微粒子への結合方法については、先に記載したものと同様の方法を採用することができる。
本発明の耐汚染性付与剤を活性エネルギー線で硬化可能とするためには、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物が使用される。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、1分子中3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されないが、代表例を挙げると、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート類、多官能ウレタン(メタ)アクリレート類等を例示することができる。
活性エネルギー線で硬化可能な耐汚染性付与剤において、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物の硬化を促進するために、(C)光重合開始剤が配合される。
かかる光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することもできる。
光重合開始剤(C)は、(A)、(B)及び(D)から成る重合性成分の和の10重量%以下、好ましくは1〜5重量%用いられる。
(D)無機酸化物微粒子の表面に−O−Si−R−結合を介して(メタ)アクリロイル基が結合している無機酸化物微粒子
なお、ここでいう無機酸化物微粒子としては、先に説明した成分(A)に結合させる無機酸化物微粒子と同様のものが使用できる。
(D−1)(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤無機酸化物微粒子表面に、−O−Si−R−結合を介して、(メタ)アクリロイル基を有する基を結合するには、通常(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤を用いる。このような化合物の一つは、分子量300以上で、ラジカル重合可能な官能基として(メタ)アクリロイル基を1個以上含むシランカップリング剤である。その数には特に制限はないが、1分子あたり1〜5個の重合可能な官能基を有することが好ましい。その位置は特に制限されないが分子の末端にあることが好ましい。
またこの化合物は同時に式(1)を示す官能基を有する有機化合物であることが好ましい。
Figure 2008285686
(式中、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、イオウ原子又はイミノ基のいずれかである)。
式(1)に示す官能基は、分子間において水素結合による過度の凝集力を発生させ、機械的強度、基材への密着性、耐熱性等を付与させる効果があるとともに、無機酸化物表面とラジカル重合性官能基との間のスペーサーとしても働く。具体的には、下記の式(2)の官能基を挙げることができる。
Figure 2008285686
これらの基のうち、熱安定性や合成の容易さの観点から、−OCONH−、−SCONH−が特に好ましい。
また、この化合物は同時にチオエーテル基を有する有機化合物であっても良い。チオエーテル基も、シリカ表面とラジカル重合性官能基または特定の極性官能基との間のスペーサーとして働き、過度の凝集を抑える効果があるものと思われる。
無機酸化物と結合しうるシランカップリング剤の官能基としては、シラノール基を生成しうる基であるアルコキシシリル基が特に好ましい。アルコキシシリル基としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基を挙げることができるが、中でもトリメトキシシリル基やトリエトキシシリル基などの低級アルコールのトリアルコキシシリル基が反応性を考えると特に好ましい。分子中における、これらの基の位置は、重合性不飽和基と反対側の分子末端にあることが好ましい。また1分子中の基の数は1〜3個であることが好ましく、特に好ましいのは1個である。
シラノール基またはシラノール基生成単位は、縮合反応または加水分解に続いて起きる縮合反応によって、無機酸化物微粒子と結合する生成単位である。このような化合物(D−1)の好ましい例をいくつか例示すると、
(1)OH基を有する(メタ)アクリレート化合物とNCO基を有するトリアルコキシシランとが−OCONH−結合で接続された化合物、
(2)SH基を有するトリアルコキシシラン化合物とジイソシアネートの一方のNCO基を−NHCOS−結合で接続し、残りのNCO基にOH基を有する(メタ)アクリレート化合物を作用させ、−NHCOO−結合で接続した化合物、
(3)NCO基を有する(メタ)アクリレート化合物と、SH基を有するトリアルコキシシランとが−NHCOS−結合で接続された化合物、
(4)分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物、とSH基を有するトリアルコキシシランとが、SH基の(メタ)アクリロイル基へのマイケル付加反応により生成するチオエーテル結合で接続された化合物、
(5)α、ω−ヒドロキシ末端ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルと、NCO基を有するシランカップリング剤とを反応させた化合物、等を挙げることができるが、これらに限定はされない。
OH基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばモノ(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等)、ジ(メタ)アクリレート(例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等)、トリ〜ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ〜ペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート等)を例示することができる。
NCO基を有するトリアルコキシシラン化合物としては、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート(例えば信越化学工業株式会社よりKBE9007の商品名で入手可能)、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、あるいはトリメトキシシリルプロピルメルカプタン(例えば信越化学工業株式会社よりKBM803の商品名で、東レダウコーニングシリコン株式会社よりSH6062の商品名で入手可能)等のトリアルコキシシリルアルキルメルカプタンとジイソシアネート(例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、MDI、TDI等)の一方のNCO基とをチオウレタン結合で接続した化合物等を例示することができる。
OH基とNCO基との反応による−OCONH−結合の生成法は、各化合物をNCO基/OH基≦1の割合で配合し、60〜100℃で1時間から20時間混合攪拌することにより得られる。本反応においては、反応中の(メタ)アクロイリル基による重合等を防止するために、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジンなどの重合禁止剤を使用するのが好ましく、その量は反応混合物に対して、0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。また反応を促進するために、例えばジラウリン酸ジ−n−ブチル錫、ジアザビシクロオクタン(通常DABCOと略す)のような公知の反応触媒を添加しても良い。さらに本反応は例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル系溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等、イソシアネート基を反応しうる基を含まない溶媒中、または、同時に、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートの存在下、行うことができる。
NCO基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、β−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート(メタクリレートはカレンズMOIの商品名で昭和電工株式会社より入手可能)、または、OH基を有する(メタ)アクリレート類と、ジイソシアネート(例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、MDI、TDI等)の一方のNCO基とをウレタン結合で接続した化合物等を例示することができる。
SH基を有するトリアルコキシシラン化合物としては、例えばトリメトキシシリルプロピルメルカプタン(例えば信越化学工業株式会社よりKBM803の商品名で、東レダウコーニングシリコン株式会社よりSH6062の商品名で入手可能)等を例示することができる。
NCO基とSH基との反応による−NHCOS−結合の生成法は、NCO基とOH基との反応による−NHCOO−結合生成と同様の方法でおこなうことができる。
α、ω−ヒドロキシ末端ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン/テトラメチレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート等を例示することができる。
α、ω−ヒドロキシ末端ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物とNCO基を有するトリアルコキシシリル化合物の反応はNCO基とOH基との反応による−NHCOO−結合生成と同様の方法でおこなうことができる。
(D−1)と無機酸化物微粒子の反応、結合については、先に説明したメルカプトシランと無機酸化物微粒子の場合と同様に行うことができる。水や触媒の使用方法、使用量なども同様である。
これとは別に、(D−1)を合成しうる成分のうち、あらかじめ式(1)または(2)に示す結合基を生成しうる官能基を有するアルコキシシリル化合物を先に無機酸化物微粒子に反応させた後、他の化合物を反応させ、重合性不飽和基および、式(1)または(2)に示す結合基を導入する方法もある。式(1)のうち、アルコキシシリル基を有する化合物として、SH基を有するトリアルコキシシラン化合物は、あらかじめ無機酸化物微粒子に反応させることが可能である。
例えば、SH基を有するトリアルコキシシランを無機酸化物に反応させ、その後SH基を、ジイソシアネート化合物と反応させ、一方のNCO基を用いて−NHCOS−結合で接続し、残りのNCO基にOH基を有する(メタ)アクリレート化合物を作用させ、−NHCOO−結合で接続させる方法で、先の(3)の方法と同様の構造を得ることができる。
また、SH基を有するトリアルコキシシランを無機酸化物に反応させ、その後NCO基を有する(メタ)アクリレート化合物および/または(メタ)アクリルアミド化合物と反応させることで、先の(4)と同様の構造を得ることができる。
無機酸化物微粒子と(D−1)の反応比は、重量比で通常、90/10〜5/95、好ましくは80/20〜10/90である。無機酸化物微粒子/(D−1)>90/10であると、無機酸化物の表面保護が不十分で好ましくなく、一方、無機酸化物微粒子/(D−1)<5/95であると、アルコキシシラン自身の重合、架橋による分散状態の不安定化、著しい粘度上昇等を起こすので好ましくない。また、(D−1)の分子量は300以上であることが望ましい。300以下であると、保護コロイドを生成する効果が小さかったり、シランカップリング剤自身の縮合が起こり、架橋等による凝集、ゲル化を起こしやすいので好ましくない。
反応は室温から100℃、1〜100時間、好ましくは室温で4時間以上反応の後、室温〜70℃で1〜10時間加熱し、反応を進行させる。また副反応を抑えるため、溶媒で反応系を希釈しても良い。用いられる溶媒としては加水分解物であるシランアルコキシドや水、触媒との相溶性があるものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、THF、ジオキサン等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のOH含有エーテル類等を挙げることができる。
また、(D−1)の一部(重量で50%未満)を他のシランカップリング剤で置き換えても良い。他のシランカップリング剤としては、公知の各種市販シランカップリング剤の他、ラジカル重合性官能基を有しない、ポリアルキレングリコール構造を有するシランカップリング剤、カルボン酸基またはカルボン酸エステル基を有するシランカップリング剤、脂環構造を有するシランカップリング剤、枝分かれ構造を有するかさ高いアルコールとNCO基を有するアルコキシシリル基との反応により得られるシランカップリング剤等を例示することができる。
これらとは別に、(D)の側鎖が、下記(3)式で示されるシリルエーテル基である、重合性官能基を有するポリマーが結合した無機酸化物微粒子を用いることができる。
−O−Si−R−S−Poly ・・・・・(3)
但し、Rは炭素原子数2〜10の分岐を有していてもよいアルキレン基であり、Polyは少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するポリマーユニットである。
前記無機酸化物微粒子の製法は特に限定されるものではないが、以下の方法により製造するのが好ましい。
(第1の方法)まず、メルカプト基含有シランカップリング剤と無機酸化物微粒子を加水分解縮合し、メルカプト基を有する無機酸化物微粒子を合成する(第1−1の工程)。
前記無機酸化物微粒子としては、例えば水及び各種の有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を分散媒とし、粒子径が1〜100nmの無機酸化物微粒子を、その固形分として10〜40%含有する無機酸化物微粒子が好ましい。有機溶媒や無機酸化物微粒子の具体例は先に述べたものと同様である。
メルカプト基含有シランカップリング剤と無機酸化物微粒子との加水分解縮合反応は、この混合物に水を添加することにより行われる。メルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基が水で加水分解し、シラノール基を生成し、このシラノールと無機酸化物微粒子表面のOH基との間で縮合反応が起こり、メルカプト基を表面に有する無機酸化物微粒子が得られる。水の添加量はメルカプト基含有シランカップリング剤のアルコキシシリル基が理論量として100%加水分解しうる量以上の量であれば良く、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加する。
この加水分解反応を促進するため、加水分解触媒を反応系に添加することができる。加水分解反応としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、ホウ酸トリブトキシド、塩酸、酢酸、硝酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、ジブチルスズジオクテート、p−トルエンスルホン酸、およびこれらの混合物を使用することができる。その使用量はメルカプト基含有シランカップリング剤100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
反応は20〜100℃、1〜100時間、好ましくは20〜25℃で4時間以上反応の後、40〜70℃で1〜10時間加熱し、反応を進行させる。また、副反応を抑えるため、溶媒で反応系を希釈しても良い。用いられる溶媒としては用いる水、触媒と相性の良いものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有エーテル類等を挙げることができる。
反応系におけるメルカプト基含有シランカップリング剤と無機酸化物微粒子(固形分)との重量比は、0.1/99.9〜10/90であることが好ましく、1/99〜5/95であることがより好ましい。メルカプト基含有シランカップリング剤の重量比率が0.1未満であると、無機酸化物微粒子と結合するメルカプト基量が少なくなり、エポキシ基を含有する重合体と結合する部位が少なくなるため、重合体との無機酸化物微粒子が安定に製造出来ない傾向になる。一方メルカプト基含有シランカップリング剤の重量比率が10を越えても、エポキシ基を含有する重合体に対する結合部位の割合はすでに十分であり、これ以上のメルカプト基量含有シランカップリング剤を使用しても実用的でない。
次に前記第1の工程で製造されたメルカプト基を有する無機酸化物微粒子の存在下で、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体の少なくとも1種をラジカル共重合する(第1−2の工程)。
メルカプト基を有する無機酸化物微粒子の存在下で、単量体のラジカル重合を行うことにより、重合過程で、成長反応の単量体のラジカルと、無機酸化物微粒子に結合したメルカプト基との連鎖移動反応が起こり、スルフィド結合を介して、重合体と無機酸化物微粒子が結合する。なお、この際、単量体中のエポキシ基はそのまま維持される。
第2の工程で使用されるエポキシ基と1個のラジカル重合性基を有する単量体(以下「エポキシ基を有する単量体」と言うことがある)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
必要であれば前記エポキシ基を有する単量体を、他の単量体と共にラジカル共重合することができる。他の単量体はエポキシ基と反応しないものであれば、特に制限されない。
単量体(エポキシ基を有する単量体及び所望により併用される他の単量体)と無機成分(無機微粒子の固形分)とは、重量比30/70〜95/5で重合反応させるのが好ましく、50/50〜90/10で重合反応させるのがより好ましい。無機成分の重量比率が70を越えると安定な無機酸化物微粒子が得られないし、5未満であると、耐摩耗性が不十分になる傾向がある。
このラジカル重合反応は、溶剤中で通常のラジカル重合開始剤を用いて行われる。
溶剤としては、成分(A)の共重合時に使用する有機溶媒はいずれも使用可能であり、また重合開始剤についても同様である。
次に、第2の工程で合成した重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させる(第1−3の工程)。
第3の工程に用いられるカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリロイル基導入試薬」という)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体等を挙げることができる。前記第3の工程では、重合体が有するエポキシ基と、(メタ)アクリロイル基導入試薬が有するカルボキシル基が反応する。重合体と(メタ)アクリロイル基導入試薬とは、エポキシ基/カルボキシル基が1以上となる割合で混合するのが好ましく、1〜10になる割合でするのがより好ましい。
反応は、50〜110℃で3〜50時間行うのが好ましい。本反応では、反応を促進させるために、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、トリフェニルホスフィン等の公知の触媒を使用することができる。その使用量は反応混合物に対して0.01〜2重量%であるのが好ましく、0.05〜1重量%であるのがより好ましい。
また、本反応では(メタ)アクリロイル基によるラジカル重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%であるのが好ましく、0.05〜5重量%であるのがより好ましい。
また、塗工性を向上する目的で溶剤をさらに添加することが望ましい場合がある。
用いられる溶剤は、前記無機酸化物微粒子の各製造工程に用いられる種々の反応溶媒であっても良く、例えば、前記第1工程で使用される無機酸化物微粒子の分散媒であっても、また前記第2の工程の反応に用いられる溶媒であっても良い。さらに、前記無機酸化物微粒子を製造した後に、粘度調整のため用いられる溶剤であっても良い。
(D)の側鎖が、前記(3)式で示されるシリルエーテル基である、重合性官能基を有するポリマーが結合した無機酸化物微粒子を製造する他の方法として、以下に示す方法(第2の方法)が生成物の純度等が高く、好ましい場合がある。
(第2の方法)メルカプト基を有するアルコキシシランの存在下で、エポキシ基と1個のラジカル重合性基とを有する単量体の少なくとも1種をラジカル共重合する(第2−1の工程)。
メルカプト基を有するアルコキシシランの存在下で、単量体のラジカル重合を行うことにより、重合過程で、成長反応の単量体のラジカルと、メルカプト基との連鎖移動反応が起こり、スルフィド結合を介して、重合体末端にアルコキシシリル基が導入される。なお、この際、単量体中のエポキシ基はそのまま維持される。
第1の工程で使用されるエポキシ基と1個のラジカル重合性基を有する単量体(以下「エポキシ基を有する単量体」と言うことがある)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
必要であれば前記エポキシ基を有する単量体を、他の単量体と共にラジカル共重合することができる。このような他の単量体は、ラジカル重合性であれば、特に制限されない。
メルカプト基含有アルコキシシランは、1分子中にメルカプト基とアルコキシシリル基を有するものであれば、成分(A)についての説明と同様であり、特にその構造は制限されない。
前記エポキシ基を有する単量体とともに、他の単量体を併用する場合は、前記エポキシ基を有する単量体と他の単量体とは、重量比が100/0〜10/90の割合で用いられるのが好ましく、100/0〜30/70の割合で用いられるのがより好ましい。前記エポキシ基を有する単量体の割合が10重量%未満であると、後述する第3の工程において導入される(メタ)アクリロイル基の導入量が少なくなり、十分な耐摩耗性が得られない場合がある。
このラジカル重合反応は、溶剤中で通常のラジカル重合開始剤を用いて行われる。
単量体とメルカプト基を有するアルコキシシランの重量比は99.5/0.5〜90/10、好ましくは99/1〜93/7である。メルカプト基を有するアルコキシシランの重量比が0.5未満では、末端に導入されるアルコキシシリル基の数が少なく、無機酸化物微粒子の表面を修飾するのに十分な官能基が存在しているとは言い難い。一方、10以上では得られる共重合体の分子量が小さすぎ、物性的に好ましくない場合がある。重合用の溶剤としては、成分(A)の調製の場合と同様の有機溶媒が用いられる。
重合反応に使用するラジカル重合開始剤も成分(A)の調製の場合と同様である。
次に、第1の工程で合成した重合体に、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させる(第2−2の工程)。
第2の工程に用いられるカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリロイル基導入試薬」という)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物の付加体等を挙げることができる。前記第2の工程では、重合体が有するエポキシ基と、(メタ)アクリロイル基導入試薬が有するカルボキシル基が反応する。重合体と(メタ)アクリロイル基導入試薬とは、エポキシ基/カルボキシル基が1以上となる割合で混合するのが好ましく、1〜10になる割合でするのがより好ましい。
反応は、50〜110℃で3〜50時間行うのが好ましい。本反応では、反応を促進させるために、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、トリフェニルホスフィン等の公知の触媒を使用することができる。その使用量は反応混合物に対して0.01〜2重量%であるのが好ましく、0.05〜1重量%であるのがより好ましい。
また、本反応では(メタ)アクリロイル基によるラジカル重合を防止するために、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤の使用量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%であるのが好ましく、0.05〜5重量%であるのがより好ましい。
また、塗工性を向上する目的で溶剤をさらに添加することが望ましい場合がある。
用いられる溶剤は、前記無機酸化物微粒子の各製造工程に用いられる種々の反応溶媒であっても良く、例えば、前記第1工程で使用される溶媒であっても、また前記第2の工程の反応に用いられる溶媒であっても良い。さらに、粘度調整のため用いられる溶剤であっても良い。
次に第2の工程で得られた重合体のアルコキシシリル基を、無機酸化物微粒子を加水分解縮合し、所定の構造を有する無機酸化物微粒子を合成する(第2−3の工程)。
ここで無機酸化物微粒子としては、成分(A)の調製時と同様のものが使用される。
第2−2の工程で得られた重合体と無機酸化物微粒子の反応、結合に際して、水、触媒、有機溶媒等の使用態様、反応様式等は成分(A)の場合と同様である。
反応は20〜100℃、1〜100時間、好ましくは20〜25℃で4時間以上反応の後、40〜70℃で1〜10時間加熱し、反応を進行させる。また、副反応を抑えるため、溶媒で反応系を希釈しても良い。用いられる溶媒としては用いる水、触媒と相性の良いものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有エーテル類、等を挙げることができる。
反応系におけるアルコキシシリル基含有ポリマーと無機酸化物微粒子(固形分)との重量比は、30/70〜95/5で反応させるのが好ましく、50/50〜90/10で反応させるのがより好ましい。無機成分の重量比率が70を越えると安定な無機酸化物微粒子が得られないし、5未満であると、耐摩耗性が不十分になる傾向がある。
本発明の組成物は、そのまま耐汚染性付与剤として使用できるが、必要に応じ塗膜物性を改良する目的で、例えば、紫外線吸収剤(例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、酸化防止剤(例えばヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、光安定剤(例えばヒンダードアミン系光安定剤)、ブロッキング防止剤、スリップ剤、レベリング剤などの、この種の組成物中に配合される種々の添加剤を皮膜に形成する組成中に、それぞれ0.01〜2重量%配合することができる。
さらに、耐汚染性付与剤(被覆組成物)の粘度調整のため重合体の製造の際に用いた有機溶剤と同一のものを使用することができる。加えて、必要に応じ、他の重合体、ラジカル重合性モノマー、オリゴマー等を本発明で実現しうるような塗膜の物性を損なわない範囲で添加することができる。
本発明にかかる耐汚染性付与剤は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、PMMA、またはMMA共重合体(例えばMS樹脂)、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ABS樹脂等のプラスチック基材に、デイップコート、フローコート、スピンコート、スプレーコート、バーコート、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート、エアナイフコート等の塗工方法で、溶剤乾燥により塗膜を形成後、活性エネルギー線照射することにより、プラスチック基材表面に1〜50μm、好ましくは2〜20μmのコート層が得られる条件の下、塗工される。
活性エネルギー線照射法としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、または通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線、等の活性エネルギー線を照射し、硬化させて被膜を形成させる。このような活性エネルギー線で硬化した被膜は生産性・物性のバランスに優れ、特に好ましい。
本発明にかかる耐汚染性付与剤を用い、以上のような方法で作成した塗膜は以下のような物性を有する。
1)鉛筆硬度
耐汚染性付与剤を、100μm厚のPETフィルムに乾燥膜厚5μmで塗布し、硬化させた後の塗膜の鉛筆硬度は5B以上である。更に耐汚染性付与剤が活性エネルギー線硬化性の成分を含む場合には、その鉛筆硬度は2H以上、より好ましくは3H以上である。
2)水に対する接触角
耐汚染性付与剤を塗布、硬化して得られる塗膜の、水に対する接触角は80度以上、好ましく85度以上である。
3)オレイン酸、トリオレイン(オレイン酸トリグリセリド)、スクアレン(非環式トリテルペンの1つ。イソプレン残基6個からなる鎖状構造の炭化水素。C3050)に対する接触角
耐汚染性付与剤を塗布、硬化して得られる塗膜の、上記物質に対する接触角は10度以下である。5度以下であれば、さらに好ましい。
このようにして得られた塗膜に指紋を付着させた場合、ほとんど付着しないか、付着しても1回でテイッシュやハンカチ等で容易にふき取れる。また、通常の塗膜や従来の撥水・撥油設計の塗膜で特に問題になっていた皮脂汚れ(特に顔脂や鼻脂の汚れ)に関して、撥水・撥油設計の塗膜では付着時のヘイズ変化が10〜20と大きかったのに対し、本発明の塗膜では2〜5と小さく、付着させても目立ちにくい。一方、ふき取り性に関しては、撥水・撥油設計の塗膜では8回以上と多くの回数を要したのに対し、本発明の塗膜では4回以下と少ない回数で完全にふき取れるようになった(1回〜2回のふき取りで実質的にはほとんど汚れが目立たなくなる)。また、基材の透明性も損なわず、耐傷つき性やカール性にも非常にすぐれた塗膜を得ることも可能である。
以下、実施例と比較例、参考例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により、限定されるものではない。なお、例中の部および%は、それぞれ重量部および重量%を意味する。
実施例等における塗膜の評価方法を以下に示した。
(1)透明性
ヘイズ値で評価した(JIS K−7105)。
(2)耐摩耗性
摩耗輪(Calibrase社製:CS−10F)を用い、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘイズ値と試験前のヘイズ値の差△H(%)で評価した。
(3)鉛筆硬度
JIS準拠鉛筆硬度計系(太佑機材株式会社製)を用い、JIS K−5400の条件に基づき、測定を行い、傷の入らないもっとも硬い鉛筆の番手で示した。
(4)カール性
塗膜を10cm角に塗布し、静置時の4角の浮き上がり量の平均値(mm)で評価した。
(5)塗膜密着性
JIS K5400 記載の碁盤目法(1mm間隔で100個の碁盤目を入れ、セロハンテープ(ニチバン株式会社製、商品名)で試験した。但し評価方法を同じ操作を5回繰り返し(セロハンテープは常に新しいものを用いる)、全く傷やはがれの生じないものを○、10%以下の傷やはがれを生じるものを△、それ以外を×、とする方法に変更し、測定評価した。
(6)水に対する接触角
塗膜に0.002mlの純水を滴下し、1分後の接触角を測定した。なお、接触角の測定には、P型接触角測定器(協和科学株式会社製)を用いた(単位;度)。
(7)オレイン酸、トリオレイン及びスクアレンに対する接触角
純水の代わりに、これらの溶剤を使用する以外は、(6)に記載の方法で、接触角を測定した(単位;度)。
(8)耐指紋汚れ性
付着性:掌で握り、少し湿らせた親指を塗膜に垂直に3秒間押しつけ、塗膜に指紋を付ける。
付着性は指紋付着後のヘイズで評価した。
ふき取り性:市販のテイッシュで表面を軽くふき、目視で指紋汚れが見えなくなるまでの回数で評価した。
(9)耐皮脂汚れ性
付着性:鼻脂を親指につけ、その親指を塗膜に垂直に3秒間押しつけ、塗膜に指紋を付ける。
付着性は鼻脂付着後のヘイズで評価した。
ふき取り性:市販のテイッシュで表面を軽くふき、目視で皮脂汚れが見えなくなるまでの回数で評価した。
[参考例1] (耐汚染性付与剤1の合成)
メチルメタクリレート40g、ステアリルメタクリレート20g、メチルエチルケトン(MEK)200gを攪拌混合し、重合開始剤(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業株式会社製、V−65)を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分24%、数平均分子量18000のポリマーが得られた(耐汚染性付与剤1=AF1)。
[参考例2] (耐汚染性付与剤2の合成)
メチルメタクリレート30g、ステアリルメタクリレート20g、ポリエチレングリコールモノアクリレート10g(ブレンマーAE400;日本油脂株式会社製)、MEK200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分24%、数平均分子量17000のポリマーが得られた(耐汚染性付与剤2=AF2)。
[参考例3] (耐汚染性付与剤3の合成)
メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM803)を2gと固形分30%のMEK分散オルガノシリカゾル(日産化学工業株式会社製、MEK−ST)70gとから出発して得られたSH基含有シリカゾル、メチルメタクリレート30g、ステアリルメタクリレート20g、ポリエチレングリコールモノアクリレート10g(ブレンマーAE400;日本油脂株式会社製)、MEK200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分26%のシリカ含有ポリマーが得られた(耐汚染性付与剤3=AF3)。
[参考例4] (耐汚染性付与剤4の合成)
KBM803を2gと固形分20%のイソプロパノール分散オルガノシリカゾル(日産化学工業株式会社製、IPA−STUP)100gとから出発して得られたSH基含有シリカゾル、メチルメタクリレート30g、ステアリルメタクリレート20g、ポリエチレングリコールモノアクリレート10g(ブレンマーAE400;日本油脂株式会社製)、IPA200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分25%のシリカ含有ポリマーが得られた(耐汚染性付与剤4=AF4)。
[参考例5] (耐汚染性付与剤5の合成)
メチルメタクリレート40g、ステアリルメタクリレート15g、トリシクロデセンモノメタノールメタクリレート5g、アクリル酸2g、MEK200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分25%、数平均分子量19000のポリマーが得られた(耐汚染性付与剤5=AF5)。
[参考例6] (OH基含有多官能アクリレートとNCO基含有シランカップリング剤の反応による多官能アクリロイル基を有するシランカップリング剤の合成)ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬株式会社製、カヤラッドDPHA)1kgとγ−トリエトキシシリルプロピルイソシアネート(信越化学工業株式会社製、KBE9007)50g、ジブチルスズジラウレート0.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5gを攪拌混合の後、空気気流下90℃に昇温し、その温度で1時間維持した。IRでNCO基に対応する吸収が完全に消失していることを確認し、その後室温に戻し、生成物を取り出した。反応は定量的であった。(シランカップリング剤1=SC1)
[参考例7] (コロイダルシリカと、多官能アクリロイル基を有するシランカップリング剤との反応)
MEK分散オルガノシリカゾル(日産化学工業株式会社製、MEK−ST、固形分30%)400g、シランカップリング剤1(多官能アクリロイル基含有シランカップリング剤と、未反応多官能アクリレートの混合物)400g、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.4g、アセチルアセトンアルミニウム4g、をよく攪拌混合の後、純水8gを加え、室温で3時間以上攪拌を続けた。その後、空気雰囲気下、50〜70℃に昇温し、その温度で2時間以上攪拌継続し、シリカゾルの表面にシランカップリング剤を反応させ保護コロイド化を行った(処理コロイダルシリカ1=SI1)。
[参考例8] (シラン末端ポリマーの合成とコロイダルシリカとの反応)
グリシジルメタクリレート95g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM803)3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)200gを混合した後、内温を窒素気流化約60℃まで昇温した。その後V−65を2回に分け、合計1.5g添加し、65℃で6時間攪拌を続けた。その後、内温を100℃まで上げ、V−65を完全に失活させた後、PGMAc200g、トリフェニルホスフィン1.5gを加え、均一になるまで空気雰囲気下で攪拌を続けた。その後、アクリル酸49g/PGMAc10gの混合物を約20分かけて添加し、その後110℃にまで内温を上げ、8時間以上維持・攪拌し、アクリル酸とエポキシ基の反応を完結させた。内容混合物を室温に戻した後、MEK−ST163g、アルミニウムアセチルアセトナート0.04gを加え、均一になるまで攪拌の後、純水0.99gを加え、室温で3時間、50〜70℃で約4時間反応を行った。その後、内温を室温に戻した。固形分濃度は約30%であった(処理コロイダルシリカ2=SI2)。
[参考例9] (特開2001−353808号公報記載のシランカップリング剤の調製)
2−トリクロロシランエチルステアレートをメタノールで分解し、2−トリメトキシシリルエチルステアレートを得た(シランカップリング剤2=SC2)。
[参考例10] (本発明の範囲外の耐汚染性付与剤の調製)
メチルメタクリレート40g、ステアリルメタクリレート20g、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート5g、MEK200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分26%、数平均分子量18000のポリマーが得られた(耐汚染性付与剤6=AF6)。
[参考例11] (本発明の範囲外の耐汚染性付与剤の調製)
メチルメタクリレート40g、ステアリルメタクリレート20g、ビスメルカプトポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製;X−22−167B)5g、MEK200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分26%、数平均分子量17000のポリマーが得られた(耐汚染性付与剤7=AF7)。
[参考例12] (本発明の範囲外の耐汚染性付与剤の調製)
メチルメタクリレート40g、n−デシルメタクリレート20g、MEK200gを攪拌混合し、V−65を0.5g添加し、65℃に窒素気流下昇温し、その温度で5時間維持した(途中V−65を0.5g追加添加)。その後内温を75〜80℃に上げ、2時間維持し、残存するV−65を完全に分解させた。その後室温に冷却し、固形分24%、数平均分子量19000のポリマーが得られた(耐汚染性付与剤8=AF8)。
[実施例1〜13]及び[比較例1〜
表1に示すような配合で、それぞれの組成物を作成した。該組成物を使用して、以下の方法で塗膜を作成し、評価した。塗膜は透明(ヘイズ値1.5%)な100ミクロン厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製:T600E)にバーコータを用いて、乾燥後の膜塗厚が6μmになるように塗布し、80℃で2分間加熱乾燥して形成した。このものを出力密度120W/cmの高圧水銀灯を用い、その塗膜について透明性、耐摩耗性、鉛筆硬度、塗膜密着性、カール性、接触角(水、スクアレン、オレイン酸、トリオレイン)耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性を評価した。組成物の配合については表1、評価結果については表2、表3に示す。
結果から明らかなように、本発明の範囲内の物性を示す塗膜は、耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性に非常に優れているが、本発明の範囲外の物性を示す塗膜は、耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れに劣り、特に耐皮脂汚れ性に関しては本発明の範囲内の物性を示す塗膜に比べ、大きく劣ることは明らかであった。
Figure 2008285686
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサ/ペンタアクリレート(日本化薬株式会社製)DPHA*:SI1中のDPHA
U15HA:多官能ウレタンアクリレート(新中村化学株式会社製)
SI1/SI2:配合比(固形分で)2/1
I184:イルガキュア184(チバスペシャリテイケミカルズ株式会社製)
注:溶剤はMEK、PGM、PGMAc、IPAの混合溶媒を使用
Figure 2008285686
Figure 2008285686
[比較例
SC2をエタノール/トリアセチルアセトンアルミニウム触媒の存在下、計算量の1.2倍量の水で加水分解し、縮合物を得た。
厚み100μmのPETフィルム(ヘイズ=1.5%)上に、比較例1に記載の塗膜を厚み6μmで作成後、上の縮合物を乾燥後の厚みが0.1μmになるように塗布し、100℃で5分間処理し、防汚塗膜を表面に設けた。
塗膜の物性は、ヘイズ=1.6%、耐摩耗性=5.1%、鉛筆硬度H、カール性2mm、密着性△、接触角=(水)83度、(スクアレン)10度、(オレイン酸)7度、(トリオレイン)10度であり、耐指紋汚れ性は付着時のヘイズ=3.2%/ふき取り性=2回、耐皮脂汚れ性は付着時のヘイズ=6.6%/ふき取り性=6回であり、初期の耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性は、本発明の範囲内の塗膜と比較するとやや劣るものの、一般的な防汚・耐指紋汚れ性コート剤の塗膜と比べると良好である。しかし、鉛筆硬度が低く、密着性も劣るため、耐指紋汚れ性・耐皮脂汚れ性を繰り返し評価すると、徐々に細かい傷の生成や塗膜の剥がれが起こり、耐汚れ性は低下するため、実用的には大きな問題があることは明らかであった。
[実施例14〜16]及び[比較例8〜11
乾燥後の膜厚が約2μmとなるように、表4に示す成分(A)を単独で使用し塗膜を形成した。塗布基材、塗布方法、乾燥方法等は実施例1と同様に行い塗膜物性を評価した。評価結果を表4に示した。
表4の結果から明らかなように、実施例14〜16の成分は、耐指紋汚れ性に優れているので、硬度をあまり必要としない分野(例えば、柔軟性の求められる製品への耐指紋汚れ性付与)では問題なく用いることができる。
Figure 2008285686

Claims (8)

  1. 炭素数10以上のアルキル基又はポリシクロアルキル基であって、オルガノ(ポリ)シロキサン基及び有機フッ素化合物基のいずれも含まない撥水性基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として含む(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下成分(A)と略記する場合がある)、又はこれと無機酸化物微粒子との複合体、を含有することを特徴とする耐汚染性付与剤。
  2. 前記成分(A)が炭素数10以上のアルキル基又はポリシクロアルキル基であって、オルガノ(ポリ)シロキサン基及び有機フッ素化合物基のいずれも含まない撥水性基を有する(メタ)アクリレートと、親水基を有する(メタ)アクリレートとを、共重合成分として含有する請求項1に記載の耐汚染性付与剤。
  3. 前記親水性基がポリアルキレングリコール基、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基及び燐酸基並びにこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の基である請求項2に記載の耐汚染性付与剤。
  4. 成分(A)がコロイダルシリカ又はこれを主成分とする無機酸化物微粒子に結合している請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐汚染性付与剤。
  5. さらに、多官能(メタ)アクリレート化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐汚染性付与剤。
  6. さらに、無機酸化物微粒子の表面に、−O−Si−R−結合(Rは炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。)を介して(メタ)アクリロイル基を有する基が結合している無機酸化物微粒子(D)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐汚染性付与剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐汚染性付与剤から形成された塗膜を表面に有する物品。
  8. 金属、ガラス、セラミックス又は樹脂のフィルム、シートもしくは成形品の表面に、前記耐汚染性付与剤から形成された塗膜を有する請求項7に記載の物品。
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