JP2013171287A - 防汚層、防汚性基材、表示装置および入力装置 - Google Patents

防汚層、防汚性基材、表示装置および入力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】指などによる指紋払拭性を向上できる防汚性基材を提供する。
【解決手段】防汚性基材は、表面を有する基材1と、基材の表面に設けられた防汚層2とを備える。防汚層2が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含んでいる。防汚層2の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である。
【選択図】図1

Description

本技術は、防汚層、防汚性基材、表示装置および入力装置に関する。詳しくは、表面の汚れを抑制する防汚層に関する。
近年、タッチパネルをユーザインタフェース(UI)として搭載した情報表示装置が急速に普及しつつある。タッチパネルは、表示画面を直接指で触ることで直感的に機器を操作できるという利点を持っている反面、指紋の付着によって画面の視認性を悪化させてしまう問題がある。そこで、指紋が付着しても見えにくい耐指紋表面が求められている。
従来からタッチパネルを含むディスプレイ表面には、フッ素系化合物やシリコン系化合物などが最表面にでるように設計された防汚層が用いられてきた(例えば特許文献1参照)。これは撥水撥油表面を形成することで指紋を構成している油脂成分の付着力を弱め、布などでの拭き取りを容易にする効果があった。しかし、布などで拭き取らない限り、油脂成分が層表面ではじかれるために液滴ができ、光を散乱してしまい指紋が目立ってしまう問題があった。
この対策として、油脂成分をはじかない撥水親油表面が提案されている(例えば特許文献2参照)。この表面に付着した指紋の油脂成分は広がって液滴を形成しないため、指紋が見え難くなる。但し、指紋パターンが残るため布などで拭き取らない限り、これに起因した光散乱で付着指紋は見えてしまう。また、連続的に指紋を付着させた場合、結局付着指紋は目立ってしまう。
特許第04666667号公報
特開2010−128363号公報
上述のように付着した指紋が見えにくい表面が望まれているが、静電容量タッチパネルなどの用途を考えると、指で指紋を拭き取れる表面(すなわち、使っているうちに指紋が目立たなくなる表面)が重要であると考えられる。しかしながら、指による指紋払拭性向上に関する技術はこれまで検討されてこなかった。
したがって、本技術の目的は、指などによる指紋払拭性を向上できる防汚層、防汚性基材、表示装置および入力装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、
表面を有する基材と、
基材の表面に設けられた防汚層と
を備え、
防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方は、基材の表面に吸着され、
防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材である。
第2の技術は、
表面を有する基材と、
基材の表面に設けられた防汚層と
を備え、
防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
第1の化合物は、下記の式(1)または式(2)で表され、
第2の化合物は、下記の式(3)または式(4)で表され、
防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材である。
(式中、R1は、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基、R2は、炭素数が2個以上の基である。)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基である。)
第3の技術は、
表面を有する基材と、
基材の表面に設けられた防汚層と
を備え、
防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
防汚層が、第2の化合物とともに、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含み、
第3の化合物は、下記の式(5)または式(6)で表され、
防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材である。
第4の技術は、
末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方は、基材の表面に吸着され、
表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層である。
第5の技術は、
末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
第1の化合物は、下記の式(1)または式(2)で表され、
第2の化合物は、下記の式(3)または式(4)で表され、
表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層である。
(式中、R1は、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基、R2は、炭素数が2個以上の基である。)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基である。)
第6の技術は、
末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
防汚層が、第2の化合物とともに、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含み、
第3の化合物は、下記の式(5)または式(6)で表され、
表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層である。
本技術では、入力面、表示面または表面におけるオレイン酸の前進接触角を15°以下とし、オレイン酸の後退接触角を10°以下としているので、入力面、表示面または表面に付着した指紋を指などで擦ってうすく濡れ広がらせて、目立たなくすることができる。
以上説明したように、本技術によれば、指などによる指紋払拭性を向上できる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図2は、滑落法により測定される前進接触角および後退接触角を説明するための概略図である。 図3は、第1の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図4は、第2の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図5は、第3の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図6は、第4の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図7は、第5の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図8A〜図8Cは、本技術の第2の実施形態に係る防汚性基材の構成例を示す模式図である。 図9Aは、本技術の第3の実施形態に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。図9Bは、本技術の第3の実施形態に係る防汚性基材の一構成例を示す平面図である。 図10Aは、耐指紋表面における毛管圧力の方向について説明するための略線図である。図10Bは、凹凸面における毛管現象を説明するための略線図である。図10Cは、凹凸面の接触角を説明するための概略図である。 図11は、変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。 図12は、本技術の第4の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す分解斜視図である。 図13Aは、本技術の第5の実施形態に係る入力装置の一構成例を示す分解斜視図である。図13Bは、本技術の第5の実施形態に係る入力装置の変形例を示す分解斜視図である。 図14A、図14Bは、実施例13の防汚性フィルムの表面形状の評価結果を示す図である。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(耐指紋表面を有する防汚性基材の例)
2.第2の実施形態(耐指紋表面を有する防汚性基材の例)
3.第3の実施形態(耐指紋表面を有する防汚性基材の例)
4.第4の実施形態(耐指紋表面を有する表示装置の例)
5.第5の実施形態(耐指紋表面を有する入力装置の例)
<1.第1の実施形態>
[防汚性基材の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。この防汚性基材は、図1に示すように、基材1と、基材1の一方の主面に設けられた防汚層2とを備える。防汚性基材は、防汚層2が設けられた側の表面に耐指紋表面(防汚性表面)Sを有している。
第1の実施形態に係る防汚性基材は、表示装置の表示面、入力装置の入力面、および筐体表面などに適用して好適なものである。また、これらの各種表面に基材1なしで防汚層2を直接適用することも好ましい。防汚性基材または防汚層2が表示面に適用される表示装置としては、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ(PC)、モバイル機器(例えば、スマートフォン、スレートPCなど)、フォトフレームなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。防汚性基材または防汚層2が入力面に適用される入力装置としては、手や指で触れる入力部を有する入力装置が好ましい。このような入力装置としては、例えば、タッチパネル、マウス、キーボードなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。タッチパネルとしては、例えば、テレビ、パソコン、モバイル機器(例えば、スマートフォン、スレートPCなど)、フォトフレームなどに設けられたタッチパネルが挙げられるが、これに限定されるものではない。防汚性基材または防汚層2が適用される筐体としては、例えば、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、モバイル機器(例えば、スマートフォン、スレートPCなど)、フォトフレームなどの筺体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
防汚性基材または防汚層2が適用される対象は、上述の電子機器や筐体に限定されるものではなく、手や指で触れる表面を有するものであれば好適に適用可能である。上述の電子機器や筐体以外の物品の例として、例えば、紙、プラスチック、ガラス製品などの最表面など(具体的には例えば、写真、写真立て、プラスチックケース、ガラス窓、額縁などの最表面など)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
耐指紋表面Sにおけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、オレイン酸の後退接触角が10°以下である。これにより、耐指紋表面Sに付着した指紋を指で擦ると、指紋をうすく濡れ広がらせることができ、指紋を目立たなくすることができる。したがって、防汚性基材または防汚層2を入力装置や表示装置などに適用した場合には、これらの装置を使っているうちに指紋を目立たなくできる。ここで、前進接触角および後退接触角は、オレイン酸の動的接触角であり、滑落法(転落法)により測定される。滑落法は、液滴を載せた固体試料を傾けて液滴を滑らせる方法である。
図2は、滑落法により測定される前進接触角および後退接触角を説明するための概略図である。図2に示すように、前進接触角θa、後退接触角度θrはそれぞれ、オレイン酸の液滴10を載せた耐指紋表面Sを傾けた場合に、液滴10が転落を開始するときの前進接触角度、後退接触角度である。ここで、前進接触角θaとは、液滴10が濡れ広がる側(液滴が前進する側)の接触角である。後退接触角θrとは、液滴10が収縮する側(液滴が前進する側とは反対側)の接触角である。
オレイン酸は指紋を構成する成分の一つであり、その動的接触角は、指で指紋を擦った際の材料表面での濡れ広がり度合いを定量的に示していると考えられる。そのため、オレイン酸の動的接触角が上述の所定値以下の表面では、指擦りで指紋がうすく濡れ広がり、目立たなくなると考えられる。
(基材)
基材1は、例えば、透明性を有する無機基材またはプラスチック基材である。基材1の形状としては、例えば、フィルム状、シート状、板状、ブロック状などを用いることができる。無機基材の材料としては、例えば、石英、サファイア、ガラスなどが挙げられる。プラスチック基材の材料としては、例えば、公知の高分子材料を用いることができる。公知の高分子材料としては、具体的には例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)などがあげられる。
基材1が電子機器などの外装やディスプレイの一部として加工されていてもよい。また、基材1の表面形状は平面に限定されるものではなく、凹凸面、多角形面、曲面またはこれらの形状の組み合わせであってもよい。曲面としては、例えば、球面、楕円面、放物面、自由曲面などが挙げられる。また、基材1の表面に、例えば、UV転写、熱転写、圧転写、溶融押し出しなどによって所定の構造が付与されていてもよい。
(防汚層)
防汚層2は、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含んでいる表面改質層である。防汚層2が第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方を含むことで、指紋払拭性を向上することができる。ここで、末端とは、主鎖および側鎖の末端を示す。防汚層2は、例えば、ウエットプロセスまたはドライプロセスにより形成されるコーティング層である。
防汚層2が第2の化合物を含む場合には、防汚層2が、第2の化合物とともに、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含んでいることが好ましい。これにより、指紋払拭性をさらに向上することができる。ここで、末端とは、主鎖および側鎖の末端を示す。防汚層2における第2の化合物と第3の化合物との含有比率は特に限定されるものではないが、第3の化合物は耐指紋性表面Sに比較的集まりやすい性質を有しているため、この性質を考慮して上記含有比率を選択することが好ましい。
防汚層2は、必要に応じて、重合開始剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑剤、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤、チキソトロピー剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。また、防汚層2は、AG(Anti-Glare)機能を耐指紋表面Sに付与するために、光を散乱する有機樹脂フィラーなどの光散乱粒子をさらに含んでいてもよい。AG機能を付与する場合には、光散乱粒子が防汚層2の耐指紋表面Sから突出していても、防汚層2に含まれる樹脂などで覆われていてもよい。また、光散乱粒子は下層である基材1に接触していてもしていなくてもよい。防汚層2の平均膜厚は、例えば単分子厚さ以上1mm以下、好ましくは単分子厚さ以上100μm厚さ以下、特に好ましくは単分子厚さ以上10μm以下の範囲内である。
第1の化合物および/または第2の化合物は、例えば、防汚層2の構成材料の主成分、および副成分の少なくとも一方である。ここで、防汚層2がウエットプロセスにより形成される層である場合には、主成分とは、例えば、ベース樹脂であり、副成分とは、例えば、上述のレベリング剤などの添加剤などである。第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物は添加剤であることが好ましい。これにより、ベース樹脂の硬度劣化等を抑制できるからである。このように化合物が添加剤である場合、添加剤はレベリング剤であることが好ましい。第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物がレベリング剤などの添加剤である場合、第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物はベース樹脂に重合反応などにより結合していることが好ましい。耐指紋性表面Sの耐久性を向上することができるからである。
(第1の化合物)
第1の化合物は、末端以外の部分にエステル結合を有していればよく、有機材料でも有機−無機の複合材料でも、また高分子材料でも単分子材料でも構わない。また、第1の化合物は、エステル結合を有してさえいれば、それ以外の分子構造については特に限定されるものではなく、いかなる官能基、結合部位、ヘテロ原子、ハロゲン原子および金属原子などを有していてもよい。第1の化合物としては、例えば、下記の式(1)または式(2)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
(式中、R1はC、N、S、O、Si、PまたはTiなどの原子を含む基である。これらの原子を含む基は、例えば、炭化水素基、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、アミド基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基または水酸基などである。R2は炭素数が2個以上の基であり、例えば、C、N、S、O、Si、PまたはTiなどの原子を含む基である。これらの原子を含む基は、例えば、炭化水素基、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、アミド基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基または水酸基などである。)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に、C、N、S、O、Si、PまたはTiなどの原子を含む基である。これらの原子を含む基は、例えば、炭化水素基、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、アミド基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基または水酸基などである。
(第2の化合物)
第2の化合物は、環状炭化水素基を有している。環状炭化水素基は、例えば、不飽和環状炭化水素基および飽和環状炭化水素基のいずれであってもよく、不飽和環状炭化水素基および飽和環状炭化水素基の両方を分子内に有していてもよい。防汚層2が、不飽和環状炭化水素基を有する第2の化合物と飽和環状炭化水素基を有する第2の化合物とを両方含んでいてもよい。環状炭化水素基は単環式および多環式のいずれであってもよい。またこれらの環状炭化水素基は別の置換基を有していてもよい。別の置換基としては、例えば、炭化水素基、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、アミド基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基または水酸基などである。第2の化合物は、環状炭化水素基を含んでいれば有機材料でも有機−無機の複合材料でも、また高分子材料でも単分子材料でも構わない。第2の化合物は、環状炭化水素基を有してさえいれば、それ以外の分子構造については特に限定されるものではなく、いかなる官能基、結合部位、ヘテロ原子、ハロゲン原子および金属原子などを有していてもよい。飽和環状炭化水素基としては、例えば、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造などを有する基を挙げることができる。より具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ステロイド基などを挙げることができる。不飽和環状炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ピレニル基、ペンタセニル基、アントリル基などを挙げることができる。
有機材料としては、例えば、下記の式(3)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
有機−無機の複合材料としては、例えば、下記の式(4)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
(第3の化合物)
第3の化合物は、末端に鎖状炭化水素基(非環系炭化水素基)を有している。鎖状炭化水素基は、例えば、不飽和鎖状炭化水素基および飽和鎖状炭化水素基のいずれであってもよく、不飽和鎖状炭化水素基および飽和鎖状炭化水素基の両方を分子内に有していてもよい。鎖状炭化水素基は直鎖および分岐鎖のいずれであってもよく、直鎖の炭化水素基および分岐鎖の炭化水素基の両方を分子内に有していてもよい。また、鎖状炭化水素基は別の置換基を有していてもよい。別の置換基としては、例えば、炭化水素基、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、アミド基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基または水酸基などが挙げられる。
第3の化合物としては末端に鎖状炭化水素基を有する化合物であれば、有機材料でも有機−無機の複合材料でも、また高分子材料でも単分子材料でも用いることができる。第3の化合物は、末端に鎖状炭化水素基を有してさえいれば、それ以外の分子構造については特に限定されるものではなく、いかなる官能基、結合部位、ヘテロ原子、ハロゲン原子および金属原子などを有していてもよい。不飽和鎖状炭化水素基としては、例えば炭素数2以上の不飽和鎖状炭化水素基を挙げることができる。より具体的には、プロペン基、ブテン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、デセン基、ドデセン基、テトラデセン基、ヘキサデセン基、オクタデセン基、ドコセン基などを挙げることができる。飽和鎖状炭化水素基としては、例えば炭素数2以上の飽和鎖状炭化水素基を挙げることができる。より具体的には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、イソトリデシル基、ミリスチル基、イソミリスチル基、セチル基、イソセチル基、ステアリル基、イソステアリル基、アラキル基、イソアラキル基、ベヘニル基、イソベヘニル基、コレステロール基などを挙げることができる。
有機材料としては、例えば、下記の式(5)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
有機−無機の複合材料としては、例えば、下記の式(6)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
(耐指紋表面の確認方法)
防汚性基材が耐指紋表面Sを有しているか否かは、例えば以下のようにして確認することができる。まず、防汚性基材の表面の動的接触角を測定し、オレイン酸の前進接触角が15°以下であり、オレイン酸の後退接触角が10°以下の範囲内であるか否かを確認する。そして、オレイン酸の前進接触角およびオレイン酸の後退接触角が上記範囲内であれば、防汚性基材が耐指紋表面Sを有していると判断できる。
また、以下のようにして確認することも可能である。
まず、防汚性基材の表面の材料を溶剤で抽出後、組成分析をガスクロマトグラフ質量分析法(Gas Chromatograph-Mass Spectrometry:GC−MASS)で行う。そして、上述の第1の化合物および第2の化合物の少なくとも一方が検出されれば、防汚性基材が耐指紋表面Sを有していると判断できる。
上述の2つの確認方法を組み合わせて、防汚性基材が耐指紋表面Sを有しているか否かを確認するようにしてもよい。
[防汚性基材の製造方法]
以下、ウエットプロセスを用いた防汚性基材の製造方法の一例について説明する。
(樹脂組成物の調製)
まず、樹脂成分を溶媒に溶かして樹脂組成物を調製する。溶媒としては、例えば、水または有機溶剤が用いることができる。樹脂組成物は、エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物の少なくとも一方を主成分としている。
エネルギー線硬化性樹脂組成物とは、エネルギー線を照射することによって硬化させることができる樹脂組成物を意味する。エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線、レーザー光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、高周波などのラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示す。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、他の樹脂組成物と混合して用いるようにしてもよく、例えば熱硬化性樹脂組成物などの他の硬化性樹脂組成物と混合して用いてもよい。また、エネルギー線硬化性樹脂組成物は、有機無機ハイブリッド材料であってもよい。また、2種以上のエネルギー線硬化性樹脂組成物を混合して用いるようにしてもよい。エネルギー線硬化性樹脂組成物組成物としては、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂組成物を用いることが好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂は、例えば、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含んでいる。エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂は、指紋払拭性の向上の観点から、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含んでいることが好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂は、ベース樹脂および添加剤(開始剤を含む)を含んでいる。第1の化合物、第2の化合物および第3の化合物は、エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物などの添加剤であることが好ましい。この場合、添加剤は、レベリング剤であることが好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートおよび開始剤を含んでいる。ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を意味する。また、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する。紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、単官能モノマー、二官能モノマー、多官能モノマーなどを含み、具体的には、以下に示す材料を単独または、複数混合したものである。
単官能モノマーとしては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル、脂環類(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレンクリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチルー2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロー3−メチルブチル)エチルアクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどを挙げることができる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
溶媒は、例えば、樹脂成分の塗工性、安定性、および塗膜の平滑性などの観点から、樹脂組成物中に配合して用いられる。不要の場合は無溶媒でもよい。具体的には例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン、塩化メチレンなどの塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどの1種または2種以上を混合して用いることができる。塗布面状の乾燥ムラやクラックを抑えるため、高沸点溶媒をさらに添加して、溶剤の蒸発速度をコントロールすることもできる。例えば、ブチルセロソルブ、ジアセトンアルコール、ブチルトリグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、メチルグリコールが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いられてもよく、また複数を組み合わせてもよい。
(樹脂組成物の塗布)
次に、調製した樹脂組成物を基材の一主面または両主面に塗布または印刷する。塗布方法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースロールコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、カーテンコーティング、コンマコート法、ディッピング法などを用いることができる。印刷方式としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、インクジェット法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
(乾燥)
次に、必要に応じて、樹脂組成物を乾燥させることにより、溶剤を揮発させる。乾燥条件は特に限定されるものではなく、自然乾燥であっても、乾燥温度や乾燥時間などを調整する人工的乾燥であってもよい。但し、乾燥時に塗料表面に風を当てる場合、塗膜表面に風紋が生じないようすることが好ましい。また、乾燥温度および乾燥時間は塗料中に含まれる溶剤の沸点によって適宜決定することが可能である。その場合、乾燥温度および乾燥時間は、基材11の耐熱性を配慮し、熱収縮により基材11の変形が起きない範囲で選定することが好ましい。
(硬化)
次に、例えば、電離放射線照射または熱により、基材1の一主面に塗布された樹脂組成物を硬化させる。これにより、基材1の一主面または両主面に防汚層2が形成される。電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。積算照射量は、樹脂組成物の硬化特性、樹脂組成物や基材11の黄変抑制などを考慮して適宜選択することが好ましい。また、照射の雰囲気としては、樹脂組成物の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気が挙げられる。
以上により、目的とする防汚性基材が得られる。
(効果)
第1の実施形態によれば、防汚性基材の耐指紋表面Sにおけるオレイン酸の前進接触角を15°以下とし、オレイン酸の後退接触角を10°以下としているので、防汚性基材の耐指紋表面Sに付着した指紋を指などで擦ってうすく濡れ広がらせて、目立たなくすることができる。したがって、指などによる指紋払拭性を向上できる。
[変形例]
上述の第1の実施形態では、防汚層2が、環状炭化水素基を有する第2の化合物と、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物との両方の化合物を含む構成を例として説明したが、本技術はこの例に限定されるものではない。防汚層2が、環状炭化水素基を有し、かつ、末端に鎖状炭化水素基を有する第4の化合物を含む構成を採用してもよい。この場合にも、上述の第1の実施形態と同様の指紋払拭性を得ることができる。
また、上述の第1の実施形態では、基材1の一主面に隣接して防汚層2を設けた構成を例として説明したが、防汚性基材の構成はこの例に限定されるものではない。以下に、防汚性基材の変形例について説明する。
(第1の変形例)
図3は、第1の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。この防汚性基材は、図3に示すように、基材1と防汚層2との間に設けられたアンカー層3をさらに備える点において、第1の実施形態に係る防汚性基材とは異なっている。このように基材1と防汚層2との間に設けられたアンカー層3を備えることで、基材1と防汚層2との密着性を向上することができる。
アンカー層3の材料としては、例えば、従来公知の天然高分子樹脂および合成高分子樹脂から広く選択して使用することができる。これらの樹脂としては、例えば、透明な熱可塑性樹脂、電離放射線照射または熱で硬化する透明硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いることができる。透明硬化性樹脂としては、例えば、メタクリレート、メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、イソシアネート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。電離放射線としては、例えば、電子線、光(例えば紫外線、可視光線など)、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。
アンカー層3の材料が添加剤をさらに含むようにしてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤、硬化促進触媒、可塑剤、酸化防止剤や硫化防止剤などの安定剤などが挙げられる。
(第2の変形例)
図4は、第2の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。この防汚性基材は、図4に示すように、基材1と防汚層2との間に設けられたハードコート層4をさらに備える点において、第1の実施形態に係る防汚性基材とは異なっている。基材1としてプラスチックフィルムなどの樹脂基材を用いる場合には、このようにハードコート層4を設けることが特に好ましい。上述したように基材1と防汚層2との間にハードコート層4を備えることで、実用特性(例えば耐久性や鉛筆硬度など)を向上することができる。
ハードコート層4の材料としては、例えば、従来公知の天然高分子樹脂および合成高分子樹脂から広く選択して使用することができる。これらの樹脂としては、例えば、透明な熱可塑性樹脂、電離放射線または熱で硬化する透明硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを用いることができる。透明硬化性樹脂としては、例えば、メタクリレート、メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、イソシアネート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。電離放射線としては、例えば、電子線、光(例えば紫外線、可視光線など)、ガンマ線、電子線などを用いることができ、生産設備の観点から、紫外線が好ましい。
ハードコート層4の材料が添加剤をさらに含むようにしてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤、硬化促進触媒、可塑剤、酸化防止剤や硫化防止剤などの安定剤などが挙げられる。また、ハードコート層4が、AG(Anti-Glare)機能を耐指紋表面Sに付与するために、光を散乱する有機樹脂フィラーなどの光散乱粒子をさらに含んでいてもよい。この場合、光散乱粒子がハードコート層4の表面または防汚層2の耐指紋表面Sから突出していても、ハードコート層4または防汚層2に含まれる樹脂により覆われていてもよい。光散乱粒子は下層である基材1に接触していてもしていなくてもよい。ハードコート層4および防汚層2の両層が、光散乱粒子をさらに含んでいてもよい。また、AG(Anti-Glare)機能に代えて、もしくはAG(Anti-Glare)機能に加えて、AR(Anti-Reflection)機能を防汚性基材に付与するようにしてもよい。AR(Anti-Reflection)機能は、例えば、ハードコート層4上にAR層を形成させることに付与することができる。AR層としては、例えば、低屈折率層の単層膜、低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層した多層膜を用いることができる。
(第3の変形例)
図5は、第3の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。この防汚性基材は、図5に示すように、基材1と防汚層2との間に設けられたハードコート層4と、基材1とハードコート層4との間に設けられたアンカー層3とをさらに備える点において、第1の実施形態に係る防汚性基材とは異なっている。基材1としてプラスチックフィルムなどの樹脂基材を用いる場合には、このようにハードコート層4を設けることが特に好ましい。
(第4の変形例)
図6は、第4の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。この防汚性基材は、図6に示すように、基材1の両主面にハードコート4をさらに備える点において、第1の実施形態に係る防汚性基材とは異なっている。防汚層2は、基材1の両主面に設けられたハードコート層4のうちの一方の表面上に設けられる。基材1としてプラスチックフィルムなどの樹脂基材を用いる場合には、このようにハードコート層4を設けることが特に好ましい。
(第5の変形例)
図7は、第5の変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。この防汚性基材は、図7に示すように、基材1の両主面にアンカー層3およびハードコート4をさらに備える点において、第1の実施形態に係る防汚性基材とは異なっている。アンカー層3が、基材1とハードコート層4との間に設けられる。防汚層2は、基材1の両主面に設けられたハードコート層4のうちの一方の表面上に設けられる。基材1としてプラスチックフィルムなどの樹脂基材を用いる場合には、このようにハードコート層4を設けることが特に好ましい。
<2.第2の実施形態>
[防汚性基材の構成]
図8A〜図8Cは、本技術の第2の実施形態に係る防汚性基材の構成例を示す模式図である。第2の実施形態に係る防汚性基材は、基材1の一方の主面に吸着化合物2aが吸着されて、防汚層2が形成されている点において、第1の実施形態に係る防汚性基材とは異なっている。ここで、基材1が防汚層以外の層(アンカー層、ハードコート層など)を含んでいてもよい。防汚層2は、例えば、吸着化合物2aにより形成される単分子層である。吸着化合物2aが吸着される領域は、基材1の一方の主面に限定されるものではなく、基材1の両主面、またはその一部の領域であってもよく、手や指などで頻繁に触れる主面または領域のみに選択的に吸着化合物2aを吸着させるようにしてもよい。
基材1の表面に対する吸着化合物2aの吸着位置は、吸着化合物2aの側鎖および主鎖の末端のいずれでもよく、両者が基材1の表面に吸着していてもよい。図8Aでは、吸着化合物2aの主鎖の片末端が基材1の表面に吸着している構成が示されている。図8Bでは、吸着化合物2aの側鎖の末端が基材1の表面に吸着している構成が示されている。図8Cでは、吸着化合物2aの主鎖が基材1の表面に吸着している構成が示されている。吸着は、物理吸着および化学吸着のいずれであってもよいが、耐久性の観点からすると、化学吸着が好ましい。吸着としては、具体的には例えば、酸塩基反応、共有結合、イオン結合、水素結合などによる吸着が挙げられる。
吸着化合物2aとしては、例えば、上述の第1の実施形態における第1の化合物および第2の化合物に対して、基材1の表面に吸着する吸着基をさらに付与したものを用いることができる。吸着基を設ける位置は、吸着化合物2aの末端および側鎖のいずれでもよく、1つの吸着化合物2a中に複数の吸着基を付与するようにしてもよい。
吸着基としては、基材1に吸着することができればよい。具体的には、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、エポキシ基、イソシアネート基、チオール基などである。このような吸着基が、吸着化合物2a中に少なくとも1つ存在していれば良い。
吸着基を有する第1の化合物としては、例えば、下記の式(7)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
(式中、Xは、例えば、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、エポキシ基、イソシアネート基またはチオール基などである。)
吸着基を有する第2の化合物としては、例えば、下記の式(8)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
(式中、Xは、例えば、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、エポキシ基、イソシアネート基またはチオール基などである。)
吸着基を有する第3の化合物としては、例えば、下記の式(9)に示す構造を分子内に有する化合物を用いることができる。
(式中、Xは、例えば、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミノ基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、エポキシ基、イソシアネート基またはチオール基などである。)
[防汚性基材の製造方法]
以下、ウエットプロセスを用いた防汚性基材の製造方法の一例について説明する。
(吸着化合物溶液の調製)
まず、吸着化合物2aを溶媒に溶かして処理溶液を調製する。吸着化合物2aが常温で液体である場合、または加熱処理などを施して液体状態にした場合には、そのまま用いることもできる。この処理溶液が基材1の表面に接近することで、吸着化合物2aが吸着される。処理溶液中の吸着化合物の量を増やしたほうが吸着速度は向上するため、化合物濃度は大きいほうが好ましく、具体的には0.01質量%以上が好ましい。
溶媒は、吸着化合物2aを所定濃度に溶解可能なものを適宜選択して用いることができる。具体的には例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類;クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン、塩化メチレンなどの塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエーテル系溶媒;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどの1種または2種以上を混合して用いることができる。
(吸着)
次に、例えば、処理対象物である基材1を処理溶液に浸漬するか、もしくは処理対象物である基材1の一主面または両主面に一定量の処理溶液を塗布または印刷する。
塗布法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、リバースロールコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、マイクログラビアコーティング、リップコーティング、エアーナイフコーティング、カーテンコーティング、コンマコート法、ディッピング法などを用いることができる。印刷法としては、例えば、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ゴム版印刷法、インクジェット法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
浸漬法を用いる場合、処理対象物である基材1が十分に浸る量の処理溶液を準備し、基材1を0.1秒〜48時間浸漬することが好ましい。浸漬後に、必要に応じて、基材1を吸着化合物2aの良溶媒で洗浄し、未吸着の吸着化合物2aを洗い流すようにしてもよい。その後、必要に応じて、乾燥させることにより、吸着処理が完了する。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、および加熱装置などによる人工的乾燥のいずれを用いてもよい。また、処理対象物である基材1を浸漬している間、加熱処理および/または超音波処理などを行うことで、吸着化合物2aの吸着速度を速めることができる。
塗布法を用いる場合には、処理溶液を基材1に塗布する際に、基材1に対する加熱処理および/または超音波処理などを併用してもよい。塗布後、必要に応じて、基材1を吸着化合物2aの良溶媒で洗浄し、未吸着の吸着化合物2aを洗い流すようにしてもよい。その後、必要に応じて、乾燥させることにより、吸着処理が完了する。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、および加熱装置などによる人工的乾燥のいずれを用いてもよい。所望とする処理溶液の塗布量は1回の塗布で達成される必要はなく、上述の塗布および洗浄工程を複数回繰り返すことによって、所望とする処理溶液の塗布量が達成されるようにしてもよい。
(効果)
第2の実施形態によれば、基材1の表面に吸着化合物2aを吸着させて、防汚層2を基材1の表面に形成しているので、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例]
上述の第1の実施形態および第2の実施形態では、防汚性基材の製造方法としてウエットプロセスを用いる方法を例として説明したが、防汚性基材の製造方法はこの例に限定されるものではなく、ドライプロセスを用いることも可能である。すなわち、ドライプロセスにより、上述の第1の実施形態または第2の実施形態の防汚層2を基材1の表面に直接成膜することも可能である。
ドライプロセスとしては、例えば、スパッタ法、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、プラズマCVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、イオンプレーティング法などを用いることができる。防汚層2の膜厚は、例えば単分子厚さ以上1mm以下、好ましくは単分子厚さ以上100μm以下、特に好ましくは単分子厚さ以上10μm以下の範囲内である。
<3.第3の実施形態>
図9Aは、本技術の第3の実施形態に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。図9Bは、本技術の第3の実施形態に係る防汚性基材の一構成例を示す平面図である。
第3の実施形態に係る防汚性基材は、防汚層2の耐指紋表面Sに凹部2aが設けられている点において、第1の実施形態とは異なっている。
凹部2aが設けられた耐指紋表面Sにおけるオレイン酸の前進接触角が9.8°以下であり、オレイン酸の後退接触角が4°以下である。これにより、耐指紋表面Sに付着した指紋を指で擦ると、耐指紋表面Sが平面である場合に比して指紋をうすく濡れ広がらせることができ、指紋をさらに目立たなくすることができる。したがって、防汚性基材または防汚層2を入力装置や表示装置などに適用した場合には、これらの装置を使っているうちに指紋をさらに目立たなくできる。
凹部2aは、耐指紋表面Sにある液体の表面に対して正の毛管圧力を発現し、かつ、表面積を増加するためのものである。このような凹部2aを耐指紋表面Sに設けることで、表面におけるオレイン酸の前進接触角および後退接触角を、耐指紋表面Sが平面である場合に比して低減することができる。すなわち、指などによる指紋払拭性をさらに向上することができる。
図10Aは、耐指紋表面における毛管圧力の方向について説明するための略線図である。毛管圧力Pは、耐指紋表面Sの面内方向のうち液敵11から遠ざかる方向に作用する。ここで、耐指紋表面S上にある液滴11から遠ざかる方向に作用する毛管圧力Pを正の毛管圧力Pと定義する。耐指紋表面S上にある液滴11に対して正の毛管圧力Pが作用することで、液滴11を薄く濡れ広がらせることができる。正の毛管圧力Pに加えて深さに方向にもさらに毛管圧力pを作用させることが好ましい、これにより、液滴11をさらに薄く濡れ広がらせることができるからである。
複数の凹部2aは、例えば、規則またはランダムパターンで防汚層2の耐指紋表面Sに設けられている。凹部2aとしては、例えば、孔部、溝部を用いることができ、指紋などを濡れ広がらせる観点からすると、溝部を用いることが好ましい。
溝部としては、例えば、一方向に延設された一次元溝、または2方向に延設された2次元溝を用いることができ、指紋などを2次元的に濡れ広がらせる観点からすると、2次元溝を用いることが好ましい。
耐指紋表面Sに対して垂直な方向から見た溝部の形状としては、ストライプ状、格子状、網目状、同心円状、螺旋状などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、溝部を面内方向にウォブルさせるようにしてもよい。また、溝部の深さおよび/または幅をその延設方向に向かって周期的またはランダムに変動させるようにしてもよい。なお、図9Bでは、凹部2aとしての溝部が格子状の形状を有する例が示されている。
溝部をその延設方向に垂直に切断した断面形状は毛管圧力の発現および表面積の増加が可能な形状であれば特に限定されるものではないが、例示するならば、例えば、U字状、V字状、半円形状、半楕円形状などが挙げられる。
孔部の形状としては、例えば、柱状、錐体状、半球状、半楕円球状、不定形状などを用いることができるが、これに限定されるものではない。孔部の配列としては、規則およびランダムパターンのいずれであってもよく、両者を組み合わせて用いてもよい。
凹部2aは、突起間に設けられた凹部であってもよい。突起の形状としては、例えば、柱状、錐体状、半球状、半楕円球状、不定形状などを用いることができるが、これに限定されるものではない。突起の配列としては、規則およびランダムパターンのいずれであってもよく、両者を組み合わせて用いてもよい。
凹部2aの幅Wおよび深さDは、毛管圧力の発現および表面積の増加が可能な幅および深さである。具体的は、凹部2aの幅Wは、1nm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。一方、凹部2aの深さDは、1nm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。
凹部2aのピッチPは、毛管圧力の発現および表面積の増加が可能なピッチである。具体的には、凹部2aのピッチPは、1nm以上1mm以下の範囲内であることが好ましい。
防汚層2の耐指紋表面Sに複数の凹部2aを設けて凹凸面にすることで、以下に示す2つの効果(毛管圧力および表面積増加の効果)を発現させることができれば、接触角は平面より凹凸面の方が小さくなると考えられる。
(毛管圧力)
図10Bは、凹凸面における毛管現象を説明するための略線図である。凹凸面における毛管現象は、以下のLucas−Washburnの式(1)により表される。
L=√(rγcosθt/2η) ・・・(1)
L=変位(進む距離)、r:毛管半径、γcosθ:浸透力、γ:液体の表面張力、θ:接触角、η:粘度、t:時間
(表面積増加)
図10Cは、凹凸面の接触角を説明するための概略図である。凹凸面の接触角は、以下のWenzelの式(2)により表される。
cosθ*=rcosθ ・・・(2)
r(実面積係数):Aact/Aapp(Aact:実際の面積、Aapp:みかけの面積)、θ*:凹凸面の接触角、θ:平滑面の接触角
第3の実施形態によれば、耐指紋表面(防汚性表面)Sに複数の凹部2aを設けているので、第1の実施形態に比して耐指紋表面Sにおけるオレイン酸の前進接触角およびオレイン酸の後退接触角を低減することができる。したがって、指などによる指紋払拭性をさらに向上できる。
[変形例]
図11は、変形例に係る防汚性基材の一構成例を示す断面図である。基材1の表面に凹部1aを設け、この凹部1aに倣うように防汚層2の凹部2aを設けるようにしてもよい。この構成の防汚性基材では、防汚層2として第2の実施形態の防汚層2を採用するようにしてもよい。すなわち、複数の凹部1aが設けられた基材1の表面に、吸着化合物2aを吸着させて、防汚層2を設けるようにしてもよい。
<4.第4の実施形態>
図12は、本技術の第4の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す斜視図である。図12に示すように、表示装置101の表示面S1に防汚層2が設けられている。図12では、防汚層2を表示装置101の表示面S1に直接設ける例が示されているが、防汚性基材を表示装置101の表示面S1に適用することにより、防汚層2を表示装置101の表示面S1に設けるようにしてもよい。このように表示面S1に対して防汚性基材を適用する場合には、防汚性基材を表示装置101の表示面S1に貼合層を介して貼り合わせる構成を採用することができる。この構成を採用する場合には、防汚性基材の基材1としては、透明性および可撓性を有するシートなどを用いることが好ましい。
表示装置101としては、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel:PDP)、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display:SED)などの各種表示装置を用いることができる。
第4の実施形態によれば、表示装置101の表示面S1を耐指紋表面Sとすることができるので、表示装置の表示面S1に付着した指紋を指などで擦ってうすく濡れ広がらせて、目立たなくすることができる。したがって、表示装置101の視認性を向上することができる。
<5.第5の実施形態>
図13Aは、本技術の第5の実施形態に係る表示装置の一構成例を示す斜視図である。図13Aに示すように、表示装置101の表示面S1上に入力装置102が設けられている。そして、入力装置102の入力面S2上に防汚層2が設けられている。表示装置101と入力装置102とは、例えば粘着剤などからなる貼合層を介して貼り合わされている。図13Aでは、防汚層2を入力装置102の入力面S2に直接設ける例が示されているが、防汚性基材を入力装置102の入力面S2に適用することにより、防汚層2を入力装置2の表示面S1に設けるようにしてもよい。このように入力面S2に対して防汚性基材を適用する場合には、防汚性基材を入力装置102の入力面S2に貼合層を介して貼り合わせる構成を採用することができる。この構成を採用する場合には、防汚性基材の基材1としては、透明性および可撓性を有するシートなどを用いることが好ましい。
入力装置102は、例えば、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルである。抵抗膜方式のタッチパネルとしては、例えば、マトリックス抵抗膜方式のタッチパネルが挙げられる。静電容量方式のタッチパネルとしては、例えば、Wire Sensor方式またはITO Grid方式の投影型静電容量方式タッチパネルが挙げられる。
第5の実施形態によれば、入力装置102の入力面S2を耐指紋表面Sとすることができるので、入力装置102の入力面S2に付着した指紋を指などで擦ってうすく濡れ広がらせて、目立たなくすることができる。したがって、入力装置102が設けられた表示装置101の視認性を向上することができる。
[変形例]
図13Bは、本技術の第5の実施形態に係る入力装置の変形例を示す分解斜視図である。図13Bに示すように、入力装置102の入力面S2にフロントパネル(表面部材)103をさらに備えるようにしてもよい。この場合、フロントパネル103のパネル表面S3に防汚層2が設けられる。入力装置102とフロントパネル(表面部材)103とは、例えば粘着剤などからなる貼合層により貼り合わされる。
本技術の実施例について以下の順序で説明する。
1.エステル結合を有する化合物を含む表面
2.環状炭化水素基を有する化合物含む表面
3.動的接触角
4.溝形状を有する表面
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<1.エステル結合を有する化合物を含む表面>
(実施例1)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥することで、TACフィルム上に防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(10)に示す構造を有する化合物:10質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
分子量(Mw):100000
1、R2、R6は炭化水素基、R3は炭素数が2個以上の炭化水素基、R5は炭素数が2個以上の基であり、中間および/または末端にアミノ基を有している。
(実施例2)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥することで、TACフィルム上に防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(11)に示す構造を有する化合物:10質量%
溶剤(メチルエチルケトン):90質量%
分子量(Mn):8000
1〜R4は炭化水素基である。
(実施例3)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手5を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、TACフィルム上に防汚層を形成した。
(樹脂組成物の配合)
親水ハードコート(中国塗料株式会社製、商品名:フォルシード440C−M開始剤抜き):38.4質量%
多官能アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−TMM−3L):10.5質量%
光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュアー127):1.1質量%
溶剤(エタノール):50質量%
さらに、下記の配合の処理溶液に室温で10秒浸漬し、親水ハードコート表面に化合物を吸着させた。その後、アセトニトリルで十分にリンスを行い、80℃で2分乾燥させた。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(処理溶液の配合)
下記の式(12)に示す構造を有する化合物:10質量%
溶剤(アセトニトリル):90質量%
分子量(Mw):100000
1、R2、R6は炭化水素基、R3は炭素数が2個以上の炭化水素基、R5は炭素数が2個以上の基であり、中間および/または末端にアミノ基を有している。
(実施例4)
下記の配合の樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手10を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、TACフィルム上に防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
ウレタンアクリレート(サートマー社製、商品名:CN9006):9.4質量%
光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュアー184):0.5質量%
溶剤(t−ブタノール):90質量%
レベリング剤(下記の式(13)に示す構造を有する化合物):0.1質量%
1〜R4は炭化水素基である。
(比較例1)
フッ素原子を含有する、下記の式(14)に示す構造を有する化合物を、蒸着法を用いてガラス基板に付着させた。これにより、目的とする表面処理基板が得られた。
1はフッ素原子を含む炭化水素基、R2は炭素数が5以下の炭化水素基である。
(比較例2)
下記の配合の樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手5を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後窒素雰囲気下でUV硬化することで、TACフィルム上に防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
ウレタンアクリレート(サートマー社製、商品名:CN9006):9.4質量%
光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュアー184):0.5質量%
溶剤(t−ブタノール):90質量%
親油化剤(セチルアクリレート):0.1質量%
次に、上述のようにして得られた実施例1〜4、比較例1、2の防汚性フィルム表面について、「動的接触角の評価」、「指紋の指払拭性の評価」および「硬度の評価」を行った。その結果を表1に示す。
(水およびオレイン酸静的接触角の評価)
ポータブル接触角計(協和界面化学株式会社製、商品名:PCA−1)を用いて下記条件で水およびオレイン酸の静的接触角を評価した。その結果を表1に示した。
・水はプラスチックシリンジにいれ、その先端にステンレス製の針(15G)を取り付けて評価面に滴下した。
・オレイン酸はプラスチックシリンジにいれ、その先端にテフロン製の針(18G)を取り付けて評価面に滴下した。
・液滴滴下量:2μl(水)、1μl(オレイン酸)
・測定温度:25℃
(動的接触角の評価)
自動接触角計(協和界面化学株式会社製、商品名:DM−501)を用いて、下記条件で滑落法によってオレイン酸の転落開始時の前進接触角と後退接触角とを評価した。その結果を表1に示した。ここで、前進接触角および後退接触角の定義は、図2を参照して説明した通りである。
・オレイン酸をプラスチックシリンジにいれて、その先端にステンレス製の針を取り付けて評価面に滴下した。
・オレイン酸滴下量:5μl
・測定温度:25℃
・転落開始の判定は液滴の傾斜下側が動き始めた時とする。
・前進接触角と後退接触角は接線法により求めた。
(指紋の指払拭性の評価)
まず、準備したサンプルを、その評価面が上になるように黒色アクリル板(三菱レイヨン株式会社製、商品名:アクリライト)に両面粘着シート(日東電工株式会社製、商品名:LUCIACS CS9621T)を用いて貼合した。次に、評価面に指紋を付けてその部分を指で5回擦ったのち、その表面に蛍光灯を写し込み、目視で表面を観察し、以下の基準で評価でした。その結果を表1に示した。
4:評価結果「3」よりもさらに指紋付着汚れが見えなくなっている。
3:指紋付着汚れがほとんど見えなくなっている。
2:指紋付着汚れが少し見える。
1:指紋付着汚れがよく見える。
(硬度の評価)
硬度は、マルテンス硬度により評価した。マルテンス硬度は、PICODENTOR HM500(商品名;(株)フィッシャー・インストルメンツ製)で評価した。荷重3mNとした。針としてダイアモンド錐体を用い、面角136°で測定した。
(臨界表面張力の評価)
ポータブル接触角計(協和界面化学株式会社製、商品名:PCA−1)を用いて下記条件で水、エチレングリコールおよびヘキサデカンの静的接触角を評価し、その後Zisman Plotを用いて臨界表面張力を算出した。その結果を表1に示した。
・水およびエチレングリコールはプラスチックシリンジにいれ、その先端にステンレス製の針(15G)を取り付けて評価面に滴下した。
・ヘキサデカンはプラスチックシリンジにいれ、その先端にテフロン製の針(22G)を取り付けて評価面に滴下した。
・液滴滴下量:2μl
・測定温度:25℃
表1は、実施例1〜4および比較例1、2の評価の結果を示す。
(考察)
表1から以下のことがわかる。
実施例1、2:エステル結合を有する化合物により防汚層を形成しているので、オレイン酸の動的接触角が低く、良好な払拭性が得られる。
実施例3:エステル結合を有する化合物を表面に吸着させた場合でも、良好な払拭性が発現する。
実施例4:アクリル化合物を主成分とする材料により防汚層を形成した場合であっても、その材料にレベリング剤としてエステル結合を有する化合物を含有させることで、表面の動的接触角を抑制し、払拭性を改善できる。
比較例1:撥水撥油防汚表面では、動的接触角が高く、指での払拭性は悪い。
比較例2:付着指紋の見えにくい親油フィルムでも、動的接触角が高いため、指での払拭性は悪い。
<2.環状炭化水素基を有する化合物含む表面>
(実施例5)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(15)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.5質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例6)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(16)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.5質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例7)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(17)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.4905質量%
下記の式(18)に示す構造を有する1官能メタクリレート:0.0095質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例8)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(19)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.4525質量%
下記の式(20)に示す構造を有する1官能メタクリレート:0.0475質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例9)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(21)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.405質量%
下記の式(22)に示す構造を有する1官能メタクリレート:0.095質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例10)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(23)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.31質量%
下記の式(24)に示す構造を有する1官能メタクリレート:0.19質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例11)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み100μmのゼオノアフィルム(日本ゼオン株式会社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、防汚層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(25)に示す構造を有する2官能アクリレート:9.4525質量%
下記の式(26)に示す構造を有する1官能アクリレート:0.0475質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):0.5質量%
溶剤(メチルイソブチルケトン):90質量%
(実施例12)
下記の配合を有する樹脂組成物に、厚み1.3mmのスライドグラス(松浪硝子工業社製)を常温で2時間ディップした。その後、アセトンでリンスし80℃で2分乾燥させ、さらに150℃で2時間硬化させた。これにより、目的とする防汚性表面が得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(27)に示す構造を有する化合物:1質量%
下記の式(28)に示す構造を有する化合物:1質量%
溶剤(アセトン):98質量%
(動的接触角の評価)
上述の実施例1〜4および比較例1、2と同様にして動的接触角を評価した。その結果を表3に示す。
(指紋の指払拭性の評価)
上述の実施例1〜4および比較例1、2と同様にして指紋の指払拭性を評価した。その結果を表2に示す。
表2は、実施例5〜12の評価の結果を示す。
(考察)
表2から以下のことがわかる。
実施例5、6では、環状炭化水素基を有する化合物を表面に含んでいるので、オレイン酸の動的接触角が低く、良好な払拭性が得られている。
実施例7〜10では、環状炭化水素基を有する化合物と片末端に鎖状炭化水素基を有する化合物との両方を表面に含んでいるので、オレイン酸の動的接触角が低く、良好な払拭性が得られている。
実施例11では、分岐鎖のある鎖状炭化水素基を有する化合物を表面に含んでいる。この場合でも、実施例7〜10と同様の効果が得られている。
実施例12では、環状炭化水素基を有する化合物と片末端に鎖状炭化水素基を有する化合物との両方を含むシランカップリング剤を表面に含んでいる。この場合でも、実施例7〜10と同様の効果が得られている。
環状炭化水素基を有する化合物と鎖状炭化水素基を有する化合物とを組み合わせて用いると、指紋の払拭性がさらに向上する理由は定かではないが、以下のように考えられる。環状炭化水素基部分は比較的大きく、耐指紋表面を形成した際には環状炭化水素基同士の間に多少の隙間が存在していると考えられる。その部分には原子がないため、その部分では指紋成分に分子間力がほとんど働かず、指紋成分を引きつけることができない。そこで、環状炭化水素基を有する化合物と鎖状炭化水素基を有する化合物とを組み合わせて用いると、環状炭化水素基同士の隙間に鎖状炭化水素基の一部分が入り込み、その隙間を埋めることができると考えられる。その結果、耐指紋表面の指紋成分を引きつける力が増し、指紋の払拭性が向上していると考えられる。
以上により、環状炭化水素基を有する化合物を表面に含んでいる場合にも、上述のエステル結合を有する化合物を表面に含んでいる場合と同様に、良好な払拭性が得られる。
環状炭化水素基を有する化合物と鎖状炭化水素基を有する化合物との両方を表面に含んでいる場合には、環状炭化水素基を有する化合物、またはエステル結合を有する化合物を単独で表面に含んでいる場合に比して、さらに良好な払拭性が得られる。
<3.動的接触角>
(比較例3)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥することで、TACフィルム上にコーティング層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
三酢酸セルロース(和光純薬製):10質量%
溶剤(塩化メチレン):90質量%
(比較例4)
下記の配合を有する樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、150℃で30分乾燥することで、TACフィルム上にコーティング層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
ポリアミドイミド(東洋紡社製、商品名:HR−11NN):10質量%
溶剤(N−メチル−2−ピロリドン(NMP)):90質量%
(比較例5)
下記の配合の樹脂組成物を、厚み80μmのTACフィルム(富士フィルム社製)にコイルバー番手3を用いて塗布し、80℃で2分乾燥後、窒素雰囲気下でUV硬化することで、TACフィルム上にコーティング層を形成した。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
ウレタンアクリレート(サートマー社製、商品名:CN9006):9.5質量%
光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:イルガキュアー184):0.5質量%
溶剤(t−ブタノール):90質量%
次に、上述の各種フィルムの表面について、「動的接触角の評価」および「指紋の指払拭性の評価」を以下のようにして行った。
(動的接触角の評価)
上述の実施例1〜4、比較例1、2と同様にして指紋の動的接触角を評価した。その結果を表3に示す。
(指紋の指払拭性の評価)
上述の実施例1〜4、比較例1、2と同様にして指紋の指払拭性を評価した。その結果を表3に示す。
表3は、比較例3〜5の評価結果を示す。
(考察)
表1〜表3に示した評価結果を総合すると、オレイン酸の動的接触角および防汚層材料の分子構造について以下のことがわかる。
(オレイン酸の動的接触角)
オレイン酸の前進接触角が15°以下であり、後退接触角が10°以下であると、払拭性に優れ、評価面に付着した指紋を指で擦るだけで、指紋付着汚れがほとんど見えなくなる。
(防汚層材料の分子構造)
実施例1〜12では、防汚層の材料として分子内にエステル結合または環状炭化水素基(飽和環状炭化水素基または不飽和環状炭化水素基)を有する材料が用いられている。このような防汚層では、防汚層表面におけるオレイン酸の動的接触角が小さく、良好な払拭性が得られている。
比較例3では、防汚層の材料として分子内にエステル結合を有する材料(三酢酸セルロース)が用いられているが、防汚層表面におけるオレイン酸の動的接触角が大きく、良好な払拭性が得られていない。これは、エステル結合が側鎖などの末端にあるためと考えられる。
比較例4、5では、防汚層の材料として分子内にアミド結合またはウレタン結合を有する材料(ポリアミドイミド、ウレタンアクリレート)が用いられている。このような防汚層では、防汚層表面におけるオレイン酸の動的接触角が大きく、良好な払拭性が得られていない。
以上の評価結果を総合すると、指紋払拭性はオレイン酸の動的接触角と相関があり、表面におけるオレイン酸の前進接触角を15°以下とし、オレイン酸の後退接触角を10°以下とすることで、指紋払拭性を向上できることがわかる。
また、末端ではない部分にエステル結合を有する化合物、または環状炭化水素基を有する化合物を表面に含むことで、上記の動的接触角の数値範囲を有する表面が得られることがわかる。
<4.溝形状を有する表面>
(実施例13)
まず、φ150mmのガラス基板(アトック社製、AN100材)にCr(クロム)層を厚さ1μmで蒸着した。次に、Cr層上にフォトレジスト(AZエレクトリックマテリアルズ株式会社製)をスピンコートし、100℃で2分間プレベークした。これにより、膜厚約1μmのフォトレジスト層が成膜された。
次に、パターンを描いたクロムガラスマスクを用いて、成膜したフォトレジスト層を露光した。次に、AZ300MIF(AZエレクトリックマテリアルズ社製)を用いて、露光したフォトレジスト層を現像し、110℃で2分間ポストベークを行った。次に、Crエッチャント(ナガセケムテック株式会社製、商品名:11N)を用いて、クロム層を5分間エッチングした。
次に、剥離液(東京応化工業株式会社製、商品名:106)を用いて、フォトレジスト層を80℃で5分間処理して、エッチングしたCr層から剥離した。次に、フォトレジスト層を剥離したガラス基板に撥水処理剤(信越化学工業社製、商品名:KP−801)をスピンコートし、離型処理を行った。これにより、転写パターンが一主面に設けられたガラス基板(モールド)が得られた。次に、PET基材(三菱ポリエステル社製、商品名:O300E)に下記組成の樹脂組成物を塗布した後、モールドとしてのガラス基板の転写パターンを樹脂組成物にUV転写することにより、格子状溝(図9B)を表面に有する防汚層を形成した。なお、格子状溝のピッチP:100μm、幅W:10μm、深さD:0.9μmとした。これにより、目的とする防汚性フィルムが得られた。
(樹脂組成物の配合)
下記の式(29)に示す構造を有する樹脂:95質量%
イルガキュアー184(チバスペシャリティケミカルズ社製光重合開始剤):5質量%
(形状の評価)
上述のようにして得られた実施例13の防汚性フィルムの表面形状をレーザー顕微鏡で確認した。その結果を図14Aに示す。
(動的接触角の評価)
上述の実施例1〜4および比較例1、2と同様にして動的接触角を評価した。その結果を表4に示す。
表4は、実施例13の評価の結果を示す。なお、表4には、評価結果の比較のために、実施例6の評価結果も併記した。
(考察)
表4から以下のことがわかる。
実施例6では、環状炭化水素基を有する樹脂組成物を用いて平面を形成しているので、後退接触角を6.7°に低減できる。
実施例13では、実施例6と同様の樹脂組成物を用いて格子状溝を有する表面を形成しているので、後退接触角を実施例6に比してさらに低減し、4.7°とすることができる。
したがって、動的接触角をさらに低減し、指紋の指払拭性をさらに向上するためには、防汚層の表面に溝などの凹部を設けることが好ましい。
以上、本技術の実施形態および実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
表面を有する基材と、
上記基材の表面に設けられた防汚層と
を備え、
上記防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
上記防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
上記防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材。
(2)
上記防汚層は、凹部が設けられた表面を有する(1)に記載の防汚性基材。
(3)
上記凹部は、上記防汚層の表面にある液体に対して正の毛管圧力を及ぼす(2)に記載の防汚性基材。
(4)
上記凹部の幅Wは、1nm以上1mm以下の範囲内であり、
上記凹部の深さDは、1nm以上1mm以下の範囲内である(2)または(3)に記載の防汚性基材。
(5)
上記第1の化合物および上記第2の化合物の少なくとも一方は、上記基材の表面に吸着されている(1)から(4)のいずれかに記載の防汚性基材。
(6)
上記防汚層は、上記第1の化合物および上記第2の化合物の少なくとも一方を含む単分子層である(1)から(5)のいずれかに記載の防汚性基材。
(7)
上記防汚層が、コーティング層である(1)から(6)のいずれかに記載の防汚性基材。
(8)
上記コーティング層は、エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物の少なくとも一方を含み、
上記エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物は、上記第1の化合物、および上記第2の化合物の少なくとも一方を含んでいる(7)に記載の防汚性基材。
(9)
上記第1の化合物および上記第2の化合物は、添加剤である(7)または(8)に記載の防汚性基材。
(10)
上記添加剤は、レベリング剤である(9)に記載の防汚性基材。
(11)
上記防汚層が、上記第2の化合物とともに、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含んでいる(1)から(10)のいずれかに記載の防汚性基材。
(12)
上記第1の化合物は、下記の式(1)または式(2)で表され、
上記第2の化合物は、下記の式(3)または式(4)で表される(1)から(11)のいずれかに記載の防汚性基材。
(式中、R1は、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基、R2は、炭素数が2個以上の基である。)
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基である。)
(13)
上記式(1)および式(2)のR1、R2はそれぞれ独立に、炭化水素基、スルホ基、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、リン酸基、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基、または水酸基である(12)に記載の防汚性基材。
(14)
上記第3の化合物は、下記の式(5)または式(6)で表される(11)に記載の防汚性基材。
(15)
防汚層が設けられた入力面を有し、
上記防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含む入力面を有し、
上記防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
上記防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である入力装置。
(16)
防汚層が設けられた表示面を有し、
上記防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
上記防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
上記防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である表示装置。
(17)
末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層。
1 基材
1a 凹部
2 防汚層
2a 凹部
2a 吸着化合物
3 アンカー層
4 ハードコート層
101 表示装置
102 入力装置
103 フロントパネル
S 耐指紋表面(防汚性表面)
1 表示面
2 入力面
2 パネル表面
θa 前進接触角
θr 後退接触角

Claims (17)

  1. 表面を有する基材と、
    上記基材の表面に設けられた防汚層と
    を備え、
    上記防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
    上記第1の化合物および上記第2の化合物の少なくとも一方は、上記基材の表面に吸着され、
    上記防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
    上記防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材。
  2. 表面を有する基材と、
    上記基材の表面に設けられた防汚層と
    を備え、
    上記防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
    上記第1の化合物は、下記の式(1)または式(2)で表され、
    上記第2の化合物は、下記の式(3)または式(4)で表され、
    上記防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
    上記防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材。
    (式中、R1は、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基、R2は、炭素数が2個以上の基である。)
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基である。)
  3. 表面を有する基材と、
    上記基材の表面に設けられた防汚層と
    を備え、
    上記防汚層が、末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
    上記防汚層が、上記第2の化合物とともに、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含み、
    上記第3の化合物は、下記の式(5)または式(6)で表され、
    上記防汚層の表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
    上記防汚層の表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚性基材。
  4. 上記防汚層は、凹部が設けられた表面を有する請求項1から3のいずれかに記載の防汚性基材。
  5. 上記凹部は、上記防汚層の表面にある液体に対して正の毛管圧力を及ぼす請求項4に記載の防汚性基材。
  6. 上記凹部の幅Wは、1nm以上1mm以下の範囲内であり、
    上記凹部の深さDは、1nm以上1mm以下の範囲内である請求項4または5に記載の防汚性基材。
  7. 上記防汚層は、上記第1の化合物および上記第2の化合物の少なくとも一方を含む単分子層である請求項1に記載の防汚性基材。
  8. 上記防汚層が、コーティング層である請求項1から7のいずれかに記載の防汚性基材。
  9. 上記コーティング層は、エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物の少なくとも一方を含み、
    上記エネルギー線硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物は、上記第1の化合物、および上記第2の化合物の少なくとも一方を含んでいる請求項8に記載の防汚性基材。
  10. 上記第1の化合物および上記第2の化合物は、添加剤である請求項8または9に記載の防汚性基材。
  11. 上記添加剤は、レベリング剤である請求項10に記載の防汚性基材。
  12. 上記式(1)および式(2)のR1、R2はそれぞれ独立に、炭化水素基、スルホ基、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、リン酸基、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基、または水酸基である請求項2に記載の防汚性基材。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の防汚性基材を備える入力装置。
  14. 請求項1から12のいずれか1項に記載の防汚性基材を備える表示装置。
  15. 末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
    上記第1の化合物および上記第2の化合物の少なくとも一方は、上記基材の表面に吸着され、
    表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
    表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層。
  16. 末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
    上記第1の化合物は、下記の式(1)または式(2)で表され、
    上記第2の化合物は、下記の式(3)または式(4)で表され、
    表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
    表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層。
    (式中、R1は、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基、R2は、炭素数が2個以上の基である。)
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に、C、N、S、O、Si、PまたはTiを含む基である。)
  17. 末端以外の部分にエステル結合を有する第1の化合物、および環状炭化水素基を有する第2の化合物の少なくとも一方を含み、
    上記防汚層が、上記第2の化合物とともに、末端に鎖状炭化水素基を有する第3の化合物をさらに含み、
    上記第3の化合物は、下記の式(5)または式(6)で表され、
    表面におけるオレイン酸の前進接触角が15°以下であり、
    表面におけるオレイン酸の後退接触角が10°以下である防汚層。
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