JP2008019296A - 光反射性樹脂組成物およびこれを成形してなる光反射性部材 - Google Patents

光反射性樹脂組成物およびこれを成形してなる光反射性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた光反射特性を有し、且つ機械的特性等、他の諸特性をも同時に満足する、物性バランスに優れる光反射性樹脂組成物、およびこれを成形してなる光反射性部材を提供する。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対し、酸化チタン(D)を1〜30重量部含む、光反射性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた光反射特性を有する樹脂組成物に関する。更に詳しくは、主として芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂とからなる光反射性樹脂組成物、及びこれ成形してなる光反射性部材に関する。
近年、TFTをはじめとするコンピューターやテレビ等の情報表示装置では、液晶表示装置のバックライト、照光式プッシュスイッチ、光電スイッチの反射板等、高い光線反射率を有する表示装置が一般的になりつつある。また、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器の光反射性部材にも高い光線反射率が求められている。
特に最近では、各種表示装置の大型化・薄肉化に加え、光源の輝度や光量が著しく増加していることから、光反射性部材に対して、光線反射特性と共に、熱や光による変色や強度低下の抑制が強く求められている。
この様な光反射性部材としては、その特性から、主としてポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物が多用されている。本来、ポリカーボネート樹脂は優れた機械的特性、熱的特性、光学的特性、電気的特性を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野をはじめ、工業的に広く利用されている。そしてポリカーボネート樹脂の光反射性部材への応用としては、ポリカーボネート樹脂に酸化チタン等の白色顔料を添加した組成物(例えば特許文献1、2参照。)や、ポリカーボネート樹脂とポリカーボネート−ポリシロキサンブロック共重合体、及び酸化チタン等の白色顔料を含む樹脂組成物(例えば特許文献3参照。)が提案されている。
一方、ポリカーボネート樹脂、特に芳香族ポリカーボネート樹脂は、溶融粘度が高く、成形加工性(流動性)に劣るという問題がある。特に、成形品の薄肉化・大型化が進むに伴い、成形加工性を改良することが強く求められている。さらに、芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐薬品性に劣るという問題もあり、溶剤に接触する用途での使用に制限があった。
これに対して、芳香族ポリカーボネート樹脂の流動性を向上させる手段として、芳香族ポリカーボネート樹脂に、脂環式ポリエステルである、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)樹脂(以下、PCC樹脂と略記する。)を併用し、透明なポリマーアロイとする方法が提案されている。そしてこの様な透明なポリマーアロイを成形してなる、透明性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性に優れた光学用部品が提案されている(例えば特許文献4参照。)
更に、延性、耐薬品性及びメルトフロー特性の改善された、ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂からなる、透明/半透明成形用組成物(特許文献5)も提案されており、これら特許文献4、5には、このようなポリマーアロイに、酸化チタン等の無機フィラー特殊効果着色剤を用いてもよいことが記載されている。
特開平7−242804号公報 特開平7−258554号公報 特開平5−320519号公報 特開2003−176401号公報 特表2004−514011号公報
しかし上述した特許文献1〜3に記載の樹脂組成物では光反射性が不十分であった。そしてまた特許文献4、5に記載の技術はポリカーボネート樹脂の透明性を利用した技術に関するものであって、光反射性樹脂組成物に関する課題等については示唆すらなかった。
本発明は、優れた光反射特性を有し、かつ機械的特性にも優れた樹脂組成物、及びこれを成形してなる光反射性部材を提供することにある。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対し、酸化チタン(D)を3〜30重量部含む光反射性樹脂組成物が、著しく優れた光反射特性を有し、かつ機械的特性にも優れ優れていることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対し、酸化チタン(D)を3〜30重量部含む光反射性樹脂組成物、及びこれを成形してなる光反射性部材に関する。
本発明の光反射性樹脂組成物は、著しく優れた光反射特性を有し、かつ機械的特性、電気的特性、溶融熱安定性にも優れているので、例えば、液晶表示装置のバックライト用光線反射板(液晶表示装置バックライトのフレーム等の周辺部材も含む)、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器の光線反射部材として、使用することが可能である。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。また本明細書において、各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよい。
[1]芳香族ポリカーボネート樹脂(A)
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]で、10000〜50000の範囲のものが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量を10000以上とすることにより、機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を、50000より以下とすることにより、流動性低下を改善できる傾向にあるので、成形加工性容易の観点からより好ましい。
よって、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、中でも12000〜40000であることが好ましく、特に14000〜30000であることが好ましい。また本発明においては、粘度平均分子量の異なる、2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を併用してもよく、この際、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を併用してもよい。
尚、本発明において粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、20℃にてウベローデ粘度計により測定した極限粘度[η](単位dl/g)を、Schnellの粘度式(η=1.23×10−40.83)に代入し算出した値である。
ここで極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2008019296
また、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、好ましくは1500〜9500であり、より好ましくは2000〜9000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、(A)の30重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを、または、これらに併せて少量のポリヒドロキシ化合物等を反応させてなる、直鎖または分岐の熱可塑性の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。
本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、特に限定されるものではなく、公知の方法によって製造することができる。具体的には例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等が挙げられる。
原料として用いる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
これらの中でも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。これらカーボネート前駆体もまた、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
また、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、分岐構造を有するもの(分岐ポリカーボネート樹脂)であってもよい。この分岐ポリカーボネート樹脂は、例えば三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合して得ることが出来る。
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、具体的には例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類;
3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。中でもポリヒドロキシ化合物が好ましく、特に1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
また多官能性芳香族化合物は、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して用いてもよく、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、0.01〜10モル%であることが好ましく、特に0.1〜2モル%であることが好ましい。
界面重合法
先ず、界面重合法について説明する。界面重合法によるポリカーボネート樹脂の製造方法は、具体的には例えば、以下の方法が挙げられる。先ず、反応に不活性な、有機溶媒とアルカリ水溶液の存在下、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物、及び必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)や芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止剤等をホスゲンと反応させる。次いで第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添
加し、界面重合を行うことによってポリカーボネートを得る。
分子量調節剤の添加はホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。また反応温度は適宜選択して決定すればよいが、通常、0〜40℃で、反応時間は例えば数分(例えば10分)〜数時間(例えば6時間)である。
ここで、反応に不活性な有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。またアルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、好ましくは50〜0.5モル、より好ましくは30〜1モルである。
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類:トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
エステル交換法
次に、エステル交換法について説明する。エステル交換法による反応は、カーボネート前駆体である炭酸ジエステルと、芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が例示される。炭酸ジエステルは、好ましくはジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートであり、より好ましくはジフェニルカーボネートである。
一般的に、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率を調整したり、反応時の減圧度を調整したりすることにより、所望の分子量および末端ヒドロキシル基量を有するポリカーボネートが得られる。より積極的な方法として、反応時に別途、末端停止剤を添加する調整方法も周知である。
この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。末端ヒドロキシル基量は、製品ポリカーボネートの熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす。用途にもよるが、実用的な物性を持たせるためには、中でも1000ppm以下、特に700ppmとすることが好ましい。
また、エステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂(A)では、末端ヒドロキシル基量が100ppm以上であることが好ましい。このような末端ヒドロキシル基量とすることにより、分子量の低下を抑制でき、色調もより良好なものとすることができる。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いるのが好ましく、1.01〜1.30モルの量で用いるのがより好ましい。
エステル交換法により、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)を製造する
際には、通常、エステル交換触媒を用いる。エステル交換触媒は、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用することも可能である。
この触媒量としては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常、1×10−7〜9×10−7モル用いる。触媒量が少な過ぎると、所定の分子量、及び末端水酸基含有量を示すポリカーボネート樹脂の製造に必要な重合活性が得難い傾向があり、逆に多すぎても、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、そしてまた分岐が増加し、ポリマーの成形性が損なわれる傾向がある。よってこの触媒量としては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、中でも1.5×10−7〜8×10−7モル、特に2×10−7〜7×10−7モルであることが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、具体的には例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられる。
またアルカリ土類金属化合物としては、具体的には例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
塩基性ホウ素化合物としては、具体的には例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、具体的には例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、具体的には例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニ
ウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、具体的には例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
エステル交換反応は、一般には2段階以上の多段工程で実施される。具体的には例えば、第1段目の反応は、93〜1.33kPaの減圧下、120〜260℃、好ましくは180〜240℃にて、0.1〜5時間、好ましくは0.1〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高め、最終的には133Pa以下の減圧下、240〜320℃の温度で重縮合反応を行う製造方法が挙げられる。
反応の形式は、バッチ式、連続式、又は、バッチ式と連続式の組み合わせのいずれでもよく、使用する装置は、槽型、管型又は塔型いずれの形式の反応器であってもよい。
また、反応後にエステル交換触媒を失活させるため、酸性化合物又はその前駆体、具体的には例えば、スルホン酸化合物又はその前駆体を、失活剤として添加することが好ましい。この様な触媒失活剤としては、中でもp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が好ましく、これらは単独で、又は2種以上を任意の割合で使用してもよい。
エステル交換触媒に対して用いる触媒失活剤の量は適宜選択して決定すればよいが、具体的には例えば、上述した様な酸性化合物又はその前駆体の場合には、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、中でも0.5〜30倍モル添加することが好ましい。
触媒失活剤の添加時期は重縮合反応後であれば任意であり、添加方法にも特に制限はない。触媒失活剤の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法や、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等が挙げられる。
溶融重縮合は、バッチ式、連続式のいずれの方法でもよいが、中でも本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の安定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。エステル交換法ポリカーボネート中の触媒の失活剤としては、該触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。このような触媒を中和する化合物の添加量は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して0.5〜10当量、中でも1〜5当量とすることが好ましい。更にこの様な触媒中和化合物は、ポリカーボネートに対して出来るだけ少なくすることが好ましく、具体的にはポリカーボネート樹脂に対して1〜100ppm、中でも1〜20ppmとすることが好ましい。
更に、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂(A)は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサ
イクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。
使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材等が挙げられる。また製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品や、それらを溶融して得られたペレット等も使用することができる。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明に用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の、80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下である。
[2]脂環式ポリエステル樹脂(B)
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、従来公知の任意のものを使用できる。中でも、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と、ジオール成分とを反応させて得られるポリエステル樹脂であることが好ましい。この様な脂環式ポリエステル樹脂(B)は、ジカルボン酸成分を原料とするので、ジカルボン酸エステルを原料とする場合とは異なり、アルキルエステル末端が少ないので好ましい。
本発明に用いる脂肪族ポリエステル樹脂におけるアルキルエステル末端は、具体的には例えば、脂環式ポリエステル樹脂の総末端に対するアルキルエステル末端の割合が、5モル%以下、中でも1モル%以下であることが好ましい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分と、必要に応じて他の少量の成分とを、エステル化またはエステル交換反応させ、次いで、重縮合反応させてなるものである。ジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主成分とする。また、ジオール成分は、脂環式ジオールを主成分とする。ここで「主成分」とは、例えば、ジカルボン酸成分またはジオール成分に対し、それぞれ、80モル%以上を占めることをいうものとする。
脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂環式構造にカルボキシル基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではない。具体的には例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、およびそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数6〜12の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、中でも1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が好ましく、特に経済性に優れる1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いる場合には、そのトランス体とシス体との比率は適宜選択して決定すればよいが、耐熱性向上の観点から、中でも80/20〜100/0、中でも85/15〜100/0、更には90/10〜100/0、特に95/5〜100/0であることが好ましい。またこれらジカルボン酸成分は、脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を、全ジカルボン酸成分に対して80モル%以上、中でも90モル%以上含有することが好ましい。
脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体以外の、その他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。具体的には例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、及びこれらカルボン酸の炭素数1〜4のアルキルエステルやハロゲン化物等が挙げられる。
脂環式ジオール成分としては、脂環式構造に水酸基が2つ結合したものであれば特に限定されるものではない。中でも耐熱性向上の観点から、5員環または6員環に水酸基が2つ結合した脂環式ジオールであることが好ましい。
このような脂環式ジオールとしては例えば、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ、[5.2.1.0]デカン等の5員環ジオール類;1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の6員環ジオール類;等が挙げられる。これらの中でも、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特に1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
1,4−シクロヘキサンジメタノールは、メチロール基がパラ位にあるので反応性が高く、高重合度ポリエステルが得やすいこと、また高いガラス転移温度のポリエステル樹脂が得られること、および工業生産品であり入手が容易であるという利点がある。1,4−シクロヘキサンジメタノールのトランス体とシス体の比率は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、60/40〜100/0であることが好ましい。
ジオール成分としては、上述した様な脂環式ジオールを全ジオール成分に対して、80モル%以上、中でも90モル%以上含有するものが好ましく、その他のジオール成分として、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等を含有していてもよい。脂環式ジオールの含有量が80モル%未満では、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性低下により、耐熱性が劣ることがある。
ジオール成分における、脂環式ジオール以外の、その他のジオール成分としては、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;キシリレングリコール、4,4−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンおよびビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール類;等が挙げられる。
更に、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、先述の、ジオール成分とジカルボン酸成分以外に、少量の共重合成分を含んでいてもよい。このような共重合成分としては、具体的には例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸類;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分;等が挙げられる。これらの成分の含有量は、脂環式ポリエステル(B)において、10モル%以下であることが好ましい。
本発明に用いる脂肪族ポリエステル樹脂(B)を、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化(またはエステル交換)反応により製造する際には、この反応に用いるジカルボン酸成分とジオール成分とのモル比は、ジオール成分の合計量が、ジカルボン酸成分の合計量に対して、1〜2倍であることが好ましい。特に、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの高沸点のものを主成分とする場合には、1〜1.2倍であることが好ましい。
また、このエステル化(またはエステル交換)反応や、その後の重縮合反応においては、充分な反応速度を得るために、触媒を用いることが好ましい。この様な触媒としては、通常エステル化(またはエステル交換)反応に用いられる触媒であれば特に限定されず、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物およびスズ化合物等が挙げられる。中でも高活性であるチタン化合物が好ましい。
このようなチタン化合物としては、具体的には例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−iso−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートまたはこれらの有機チタネートの加水分解物などが挙げられる。これらは、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。また必要に応じて、マグネシウム化合物やリン化合物などと組み合わせて用いてもよい。
触媒の使用量は適宜選択して決定すればよいが、通常、生成する脂環式ポリエステル樹脂(B)中に残留するので、この脂環式ポリエステル樹脂(B)に対して、1〜2000ppmとなる様に調整することが好ましく、中でも10〜1000ppm、更には50〜1000ppm、特に100〜1000ppmであることが好ましい。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化(またはエステル交換)反応は、通常、150〜230℃、中でも180℃〜220℃であることが好ましく、反応時間は、通常、10分〜10時間であり、中でも30分〜5時間であることが好ましい。
エステル化(またはエステル交換)反応後 反応液は、通常、攪拌機、留出管および減圧付加装置を備えた重縮合槽に移送されるが、エステル化反応槽に減圧付加装置を備えて、一槽でエステル化反応および重縮合反応を行うこともできる。
エステル化(またはエステル交換)終了後、反応液に必要に応じて重縮合触媒などを添加し徐々に反応槽内を減圧にしつつ重縮合反応を行えばよい。重合触媒を添加する場合、その量は、エステル化反応またはエステル交換反応触媒との合計で、生成する脂環式ポリエステル(B)に対して50〜2000ppm、中でも100〜1000ppmとなる量に調整することが好ましい。
重縮合反応は、エステル化反応終了温度〜300℃以下、好ましくは265℃以下で、通常10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間行えばよい。温度が高すぎると、重合反応中に熱分解が起こるためか、重合反応が進まない傾向となる。槽内圧力は常圧から最終的に1KPa以下となる圧力であればよく、好ましくは0.5KPa以下とする。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の固有粘度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、0.4〜1.5dl/gであることが好ましく、中でも0.5〜1.3dl/g、更には0.6〜1.5dl/g、特に0.7〜1.4dl/gであることが好ましい。固有粘度を0.4dl/g以上とすることにより機械的強度がより向上し、1.5dl/g以下とすることにより、流動性がより向上しより成形しやすくなるので好ま
しい。更に、得られたポリエステル樹脂は必要に応じて固相重合を行い、より固有粘度の高いものとしてもよい。ここで、固有粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)混合液を溶媒としてウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定することにより求められる。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の末端カルボン酸濃度は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、通常、70μeq/g以下であり、中でも40μeq/g以下、更には30μeq/g以下、特に10μeq/g以下であることが好ましい。末端カルボン酸濃度を70μeq/g以下とすることで、本発明の樹脂組成物の耐湿熱性がより向上する傾向となるので好ましい。
末端カルボン酸濃度(以下、「末端酸価」ということがある。)の調整方法は特に制限はなく、具体的な調整方法としては例えば、脂環式ポリエステル(B)の製造において、例えば、原料である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールの使用割合の調整や、ジオール原料としてアルキレンジオール類、特に炭素数2〜10のアルキレンジオールを用いる方法が挙げられる。
又、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の末端酸価を40μeq/g以下とするためには、例えば、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるジオール成分とを用いる場合に、ジカルボン酸成分1モルに対するジオール成分の割合を、1.02〜1.2モル、好ましくは1.02〜1.1モルとすればよい。
又、例えば、90モル%以上が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるジカルボン酸成分と、80〜99.5モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールであり0.5〜20モル%が炭素数2〜10のアルキレンジオールを用いる場合には、ジカルボン酸成分1モルに対して、ジオール成分を1.02〜1.2モル、好ましくは1.02〜1.1モル用いればよい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の融点は、例えば、ジカルボン酸成分として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を主成分とし、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ポリエステル樹脂の場合には、通常、200〜250℃であり、中でも210〜230℃、特に215〜230℃であることが好ましい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)においては、そのYellowness
Index(YI)が目視にても黄色着色を認識できる程高すぎると、当然、本発明の光反射性樹脂組成物が黄色くなり、反射光波長に影響を及ぼす場合がある。よって一般的にYIは18以下、中でも15以下であることが好ましい。又、YIの下限は通常−5程度である。
尚、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)の原料において、トランス体90モル%以上の原料1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を製造する方法としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のシス体、又はシス体とトランス体との混合物の熱異性化法が挙げられる。シス体とトランス体との水などへの溶解度差を利用した公知の晶析法では、得られる1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340が低く、得られる脂環式ポリエステル樹脂の光線透過率が不十分となる。従って、トランス体の割合が90モル%以上で、T−340が85%以上の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが好ましいとの観点から、熱異性化法が好ましい。
上記熱異性化は、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸との混合物、またはシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を、不活性雰囲気下で、180℃以上でトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点未満の温度域にて加熱処理することにより行うことができる。なお、本発明でいうトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点は、実際の異性化反応の条件下でのトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の融点をいう。
熱異性化反応圧力は、減圧、常圧又は加圧下のいずれで行うこともできるが、操作の簡便性から考えると通常1.3〜950kPaである。 更に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のT−340を85%以上とするためには、シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物、又はシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を加熱処理する際の不活性雰囲気を、反応系中の気相の酸素濃度4000ppm以下、好ましくは2000ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下と調整することが好ましい。系中の酸素濃度が4000ppmより高いと、T−340が85%未満になりやすい。
熱異性化により生成したトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を効率的に取得するには、前記温度域に保持しながら溶融したシス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸中にトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を析出させて取出す方法がある。
尚、熱異性化法での原料となる、シス体及びトランス体の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の混合物を得る方法は、従来公知の任意の方法により得ればよい。例えばテレフタル酸を溶媒、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化する方法や、テレフタル酸ナトリウムを水、水素、水素化触媒存在下で液相核水素化して、酸析する方法が挙げられる。
更に、本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、ペレット状とした後に、必要に応じて固相重合を行い、更に高い固有粘度のものとしたものを用いてもよい。
本発明に用いる脂環式ポリエステル樹脂(B)は、ジオール単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールであるものが、ポリエステル樹脂の耐熱性の点で好ましい。 又、ジオール単位の80モル%以上99.5モル%以下が1,4−シクロヘキサンジメタノール単位であり、0.5モル%以上20モル%以下が炭素数2〜10のアルキレンジオール単位であるものが好ましく、中でも1,4−シクロヘキサンジメタノール単位が90モル%以上99.5モル%以下であり、炭素数2〜10のアルキレンジオール単位が0.5モル%以上10モル%以下であるものが、耐加水分解性が高いので好ましい。
[3]樹脂成分(C)
本発明に用いる樹脂成分(C)は、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなるものである。芳香族ポリカーボネート樹脂が30重量部未満では、荷重撓み温度や剛性が低く、99重量部を越えると光線反射特性の改良効果が小さい。
[4]酸化チタン(D)
本発明においては、酸化チタン(D)を用いることで、本発明の光反射性樹脂組成物、及びこれを成形してなる光反射性部材の、白度、光反射特性を向上することを特長とする。本発明に用いる酸化チタンは、従来公知の任意のものから、適宜選択して使用すればよく、その製造方法、結晶形態、平均粒子径等の形状等は、特に限定されるものではない。
本発明に用いる酸化チタン(D)は、中でもその粒子径が、0.05〜0.5μmであることが好ましい。粒子径が小さ過ぎると光反射性に劣り、逆に大き過ぎても、光反射性
部材において、光反射性や表面性の低下が生じたり、衝撃強度が低下する場合がある。よって本発明に用いる酸化チタン(D)の粒子径は、中でも0.1〜0.5μm、特に0.15〜0.35μmであることが好ましい。
本発明に用いる酸化チタン(D)の製造方法は任意であり、従来公知の塩素法や、硫酸法の何れの方法で得られたものも用いることが出来る。中でも塩素法で製造された酸化チタンは、硫酸法で製造された酸化チタンに比べて、白度等の点で優れているので好ましい。また酸化チタンの結晶形態も、アナターゼ型、ルチル型の何れでもよいが、中でもアナターゼ型に比べて、白度、光線反射率、耐候性に優れる、ルチル型が好ましい。
また本発明に用いる酸化チタン(D)は、酸化チタン以外の無機化合物、具体的には例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等により表面を処理されたものでもよい。これら、酸化チタン以外の無機化合物は、通常、酸化チタン(D)の製造行程に於いて、酸化チタンのハンドリング改善を目的として、酸化チタンを処理する際に用いられる。
本発明に用いる酸化チタン(D)において、これら酸化チタン以外の無機物の含有量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、本発明に用いる酸化チタン(D)において2〜5重量%である。無機化合物の含有量が多すぎると、特にシリカ成分の量が多すぎると、処理に用いた無機化合物中の吸着水により、本発明の光反射性部材において、外観不良や燃焼時のドリッピングによる問題が生じる場合がある。
よって本発明に用いる酸化チタン(D)を無機化合物によって処理する場合には、シリカを用いずに、アルミナやジルコニア等にて処理することが好ましい。
更に、本発明に用いる酸化チタン(D)は、有機シラン化合物や有機シリコーン化合物で表面処理することによって、熱安定性が大幅に改善するので好ましい。また、この有機珪素系化合物による表面処理に先立ち、酸化チタン表面を無機化合物等により表面処理してもよい。この表面処理に用いる無機化合物は、少ない方が好ましく、例えば酸化チタンに対して2重量%以下であることが好ましい。
またこの様な有機珪素系化合物による表面処理は、本発明の光反射性樹脂組成物中における酸化チタン(D)の均一分散性、分散状態の安定性向上や、樹脂組成物の難燃性向上、更に本発明組成物を構成する有機酸金属塩等との親和性をも向上させるので好ましい。
酸化チタン(D)の表面処理剤としては、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、あるいはSi−H結合を有する有機シラン化合物、あるいは有機シリコーン化合物が挙げられる。中でもSi−H結合を有するシリコーン化合物(ハイドロジェンポリシロキサン)を用いることが好ましい。表面処理剤として使用される有機シリコーン化合物の量は、酸化チタンに対して1〜5重量%であることが好ましく、中でも1.5〜3重量%であることが好ましい。
本発明における酸化チタン(D)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対して、3〜30重量部である。含有量が1重量部未満であると光反射性が不十分になりやすく、30重量部を越えると成形品の耐衝撃性が不十分になりやすい。よって酸化チタン(D)の含有量は、樹脂成分(C)100重量部に対して、中でも5〜25重量部であることが好ましく、更には10
〜25重量部、特に10〜20重量部であることが好ましい。
[5]有機酸金属塩(E)
また、本発明の光反射性樹脂組成物は、難燃性改良等を目的として、更に有機酸金属塩
(E)を含有させてもよい。本発明に用いる有機酸金属塩(E)としては、有機酸アルカリ金属塩または有機酸のアルカリ土類金属塩が挙げられる。中でも有機スルホン酸金属塩を用いることが好ましく、具体的には例えば、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられ、特にパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩が好ましい。また有機酸金属塩は、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。中でも炭素数が1〜8個のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ(土類)金属塩が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸等が挙げられる。
パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩としては、具体的には例えば、以下の一般式(1)または(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008019296
(一般式(1)中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、qはMがアルカリ金属の場合は2を、Mがアルカリ土類金属の場合は1を示し、mは1〜12の整数を示す。)
Figure 2008019296
(一般式(2)中、Rは炭素数4〜7個のパーフルオロシクロアルキル基で置換されていても良い、総炭素数2〜12の直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキレン基を示し、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、nはM’の価数である。)
一般式(1)で示されるパーフルオロアルカンジスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロメタンジスルホン酸、パーフルオロエタンジスルホン酸、パーフルオロプロパンジスルホン酸、パーフルオロイソプロパンジスルホン酸、パーフルオロブタンジスルホン酸、パーフルオロペンタンジスルホン酸、パーフルオロヘキサンジスルホン酸、パーフルオロヘプタンジスルホン酸、パーフルオロオクタンジスルホン酸等の塩が挙げられる。これらの中ではパーフルオロプロパンジスルホン酸またはパーフルオロブタンジスルホン酸の塩が樹脂成分(C)との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。
一般式(1)において、mが大きすぎると、本発明の樹脂組成物における樹脂成分(C
)との相溶性が低下し、樹脂成形体の外観が低下するおそれがあるので、mは中でも、1〜8であることが好ましい。
また一般式(1)で示されるパーフルオロアルカンジスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロメタンジスルホン酸、パーフルオロエタンジスルホン酸、パーフルオロプロパンジスルホン酸、パーフルオロイソプロパンジスルホン酸、パーフルオロブタンジスルホン酸、パーフルオロペンタンジスルホン酸、パーフルオロヘキサンジスルホン酸、パーフルオロヘプタンジスルホン酸、パーフルオロオクタンジスルホン酸等の塩が挙げられる。これらの中ではパーフルオロプロパンジスルホン酸またはパーフルオロブタンジスルホン酸の塩が樹脂成分(C)との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。
一般式(2)で示されるパーフルオロアルカンジスルホン酸金属塩としては、具体的には例えば、パーフルオロエタンジスルホン酸イミド、パーフルオロプロパンジスルホン酸イミド、パーフルオロブタンジスルホン酸イミド、パーフルオロペンタンジスルホン酸イミド、パーフルオロヘキサンジスルホン酸イミド等の塩が挙げられる。これらの中ではパーフルオロプロパンジスルホン酸イミドまたはパーフルオロブタンジスルホン酸イミドの塩が、樹脂成分(C)との相溶性や、本発明の光反射性樹脂組成物への難燃性付与の点から好ましい。
芳香族スルホン酸金属塩としては、好ましくは、芳香族スルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホン酸アルカリ土類金属塩などが挙げられ、これらは重合体であってもよい。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3ースルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。
本発明に用いる有機酸金属塩(E)における金属としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましい。アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムなどが挙げられる。
中でも、アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが、また、アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム、カルシウムが、樹脂成分(C)との相溶性や、本発明の光反射性樹脂組成物への難燃性付与の点から好ましい。
本発明に用いる有機酸金属塩(E)の含有量は適宜選択して決定すればよいが、含有量が少なすぎると、本発明の光反射性樹脂組成物における難燃性向上効果が充分でなく、逆に多すぎても熱安定性が低下する場合がある。よって本発明に用いる有機酸金属塩(E)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対し、0.001〜5重量部の範囲であることが好ましく、
中でも0.001〜4重量部、特に0.001〜3重量部であることが好ましい。
[6]ポリテトラフルオロエチレン(F)
本発明の光反射性樹脂組成物は、更に、ポリテトラフルオロエチレン(F)を含有していてもよい。本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン(F)としては、フィブリル形
成能を有するものが好ましく、これは重合体中に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状構造を作る傾向を示すものである。
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル社製テフロン(登録商標)6Jや、ダイキン化学工業社製ポリフロン等が挙げられる。
また、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液の市販品としては、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン(登録商標)30Jや、ダイキン化学工業社製フルオンD−1等が挙げられる。更に、ビニル系単量体を重合して成る、多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン重合体等も挙げられ、具体的には例えば、三菱レイヨン社製メタブレン(登録商標)A−3800等が挙げられる。
本発明の光反射性樹脂組成物におけるポリテトラフルオロエチレンの含有量は、適宜選択して決定すればよいが、少なすぎると難燃性向上効果が不十分であり、逆に多すぎても成形品外観が低下する場合がある。よって本発明におけるポリテトラフルオロエチレン(F)の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対して、0.05〜1重量部、中でも0.08〜0.3重量部であることが好ましい。
[7]リン化合物(G)
本発明においては、更に、ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対し、下記一般式(I)乃至(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物(G)を、0.001〜1重量部含有することが好ましいし。以下、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物を、各々、(G−1)〜(G−6)として説明する。
(G−1):リン酸エステル
本発明に用いる(G−1)リン酸エステルは、以下の一般式(I)で表されるものである。
O=P(OH)(OR)3−n ・・・ (I)
(一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよく、nは0〜2の整数を示す。)
一般式(I)中、Rは炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であることが好まし。更には炭素数2〜25の、アルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基、トリル基であることが好ましい。
中でも、本発明の光反射性樹脂組成物における光反射性や色相をより向上させる観点から、一般式(I)中において、Rは炭素数2〜25のアルキル基を示し、nは1または2を示すことが好ましい。炭素数2〜25のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐鎖を有していてもよく、具体的には例えば、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が好ましい。
(G−2):亜リン酸エステル
本発明に用いる(G−2)亜リン酸エステルは、以下の一般式(II)で表されるもの
である。
Figure 2008019296
(一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよい。)
一般式(II)中、R’がアルキル基である場合には、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、R’がアリール基である場合には、炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
一般式(II)で表される亜リン酸エステルの好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビスノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソプロピルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中でも、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、特にビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
(G−3)〜(G−6):有機リン酸エステル金属塩
本発明に用いる(G−2)〜(G−6)の有機リン酸エステル金属塩は、以下の一般式(III)〜(VI)で表されるものである。
Figure 2008019296
(一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよく、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
Figure 2008019296
(一般式(IV)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
Figure 2008019296
(一般式(V)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよく、M’は3価の金属イオンとなる金属原子を示す。)
Figure 2008019296
(一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、各々同一でも異なっていてもよく、M’は3価の金属イオンとなる金属原子を示し、2つのM’は各々同一でも異なっていてもよい。)
一般式(III)〜(VI)中、R〜R14は、好ましくは、それぞれ、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは、それぞれ、炭素数2〜25のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ステアリルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル−メチルフェニル基またはトリル基である。
本発明の光反射性樹脂組成物における光反射性、および/または色相をより向上させる観点からは、R〜R14は、各々、炭素数2〜25のアルキル基であることが好ましく、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基がより好ましい。
また一般式(III)、(IV)中、Mは好ましくは亜鉛であり、一般式(V)、(VI)中、M’は好ましくはアルミニウムである。
本発明に用いる、(G−3)〜(G−6)で表される有機リン酸エステル金属塩としては、中でも本発明の光反射性樹脂組成物における光反射性、色相、および滞留熱安定性をより向上させる観点から、(G−3)と(G−4)を併用することが好ましく、更には(G−3)と(G−4)に対応する、一般式(III)、(IV)において、R〜Rが炭素数2〜25のアルキル基であることが好ましい。
特に、本発明に用いる有機リン酸エステル金属塩としては、(G−3)及び/又は(G−4)である、モノステアリルアシッドホスフェートホスフェートの亜鉛塩及びジステアリルアシッドホスフェートの亜鉛塩の混合物やモノステアリルアシッドホスフェートホスフェートのアルミニウム塩及びジステアリルアシッドホスフェートのアルミニウム塩の混合物を挙げることができる。このような好ましい有機リン酸エステル金属塩としては、具体的には例えば、堺化学工業社製、LBT−1830や、堺化学工業社製、LBT−1813等が挙げられる。
本発明に用いるリン化合物(G成分)は、これら(G−1)〜(G−6)を単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。中でも、本発明の光反射性樹脂組成物における光反射性、色相、および滞留熱安定性をより向上させる観点から、一般式(II)で表される亜リン酸エステル(G−2)を用いることが好ましい。(G−2)としては中でも、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
本発明に用いる(G−1)〜(G−6)は、これらから選ばれる少なくとも一種以上を、樹脂成分(C)100重量部に対し、0.001〜1重量部含有することが好ましい。中でも樹脂成分(C)100重量部に対し、(G−2)0.003〜0.3重量部と、(G−3)及び/又は(G−4)0.003〜0.3重量部とを、併用することが好ましい。リン化合物の含有量が0.001重量部未満では、光反射性、色相、滞留熱安定性の改良効果が小さく、逆に1重量部を越えると色相や滞留熱安定性が悪化することがある。
本発明の光反射性樹脂組成物には、更に耐光性を改良するために、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。中でも、本発明の光反射性樹脂組成物に用いる紫外線吸収剤としては、優れた耐光性と色相および高い光線反射率を両立させるために、マロン酸エステル類化合物や、シアノアクリレート類化合物、ベンゾオキサジン類化合物、ヒンダードベンゾエート類化合物を用いることが好ましい。
更に、溶融加工時の変色を抑え、優れた耐光変色性と高い光線反射率を同時に満たす点で、マロン酸エステル類化合物やシアノアクリレート類化合物を用いることが特に好ましい。マロン酸エステル類化合物としては例えば、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類が挙げられ、具体的にはPR−25、B−CAP、クラリアントジャパン社製等が挙げられる。
シアノアクリレート類化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられ、中でもエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートが好ましい。具体的には、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしては、Uvinul3030、Uvinul3035、Uvinul3039(いずれもB.A.S.F.社製)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしてはSEESORB501(シプロ化成社製)、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートとしては、SEESORB 502(シプロ化成社製)等が挙げられる。
またヒンダードベンゾエート類化合物としては3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッド、n−ヘキサデシルエステル等が挙げられ、具体的にはUV−2908、サイテック・インダストリーズ社製等が挙げられる。特に最長吸収波長が300nm以上のものは紫外線吸収効果が高く好ましい。この様なものとしては、例えば先述のマロン酸エステル類等が挙げられる。
本発明に用いる紫外線吸収剤の含有量は、樹脂成分(C)100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。紫外線吸収剤の含有率が0.05重量部未満では改良効果が小さく、5重量部を超えても合してもそれ以上の効果は得られず、モールドデボジットが発生する場合がある。
また本発明の光反射性樹脂組成物は、成形品の明度を向上するために、蛍光染料を含有していることが好ましい。蛍光染料としては、具体的には例えば、白色系もしくは青色系の蛍光染料であり、成形品の黄色味を消し、明るさを強める機能がある。成形品の黄色味を消すという点では、機能がブルーイング剤と類似しているが、ブルーイング剤は単に成形品の黄色光を除去するのに対して、蛍光増白剤は波長400nm未満の紫外線を吸収し、そのエネルギーを波長400nm以上の可視光線、特に青紫色の光線に変えて放射する点で異なる。
本発明に用いる白色系又は青色系の蛍光染料としては、従来公知の任意のものを使用できる。中でも耐熱性や揮発ガスの観点から高分子量のものが好ましく、例えばスチルベンベンゾオキサゾール系、フェニルアリルトリアゾリルクマリン系の蛍光増白剤が挙げられる。
上記蛍光染料の含有量は適宜選択して決定すればよいが、蛍光染料の含有率が少なすぎると、成形品の黄色味を消し、明るさを強めるという機能、および紫外線を吸収し可視部の青紫色に放射する機能が十分に発揮されず、逆に多すぎても、添加量の増加に見合う効果の増加が期待できない。よって通常、樹脂成分(C)100重量部に対し、0.00001〜1重量部であることが好ましい。
本発明の光反射性樹脂組成物には、必要に応じて例えば、フェノール系安定剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、流動性改良剤、有機酸金属塩以外の難燃剤、タルク、マイカ、シリカ、ガラスフレーク等の無機充填剤、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化材、凝集防止剤等を更に添加してもよい。
本発明の光反射性樹脂組成物の混合及び混練は、通常の熱可塑性樹脂に適用される方法で行えばよく、例えばリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリユー押出機、多軸スクリュー押出機等により行うことができる。混練の温度条件は通常、260〜300℃が適当である。
本発明の光反射性樹脂組成物は、一般的な熱可塑性樹脂の成形方法適用でき、例えば生産性の点からペレット状樹脂組成物からの射出成形、射出圧縮成形、押出成形が可能である。更に押出成形されたシート状成形品からの真空成形、圧空成形等により目的の成形体とすることもできる。
光反射特性、機械的特性、電気的特性、溶融熱安定性に優れた本発明の光反射性樹脂組成物から成形される光反射性部材は、例えば、液晶表示装置のバックライト用光線反射板(液晶表示装置バックライトのフレーム等の周辺部材も含む)、電気・電子機器、広告灯などの照明用装置、自動車用メーターパネルなどの自動車用機器の光線反射部材として使用できる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
原料樹脂と各種添加剤
PC(芳香族ポリカーボネート樹脂):三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユーピロンS−3000FN、粘度平均分子量21000
酸化チタン:石原産業社製 PC−3
クマリン系蛍光増白剤:3−フェニル−7−(2H−ナフト(1,2−d)−トリアゾール−2−イル)クマリン ハッコールケミカル社製 ハッコールPSR
リン酸エステル系熱安定剤:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト 旭電化工業社製 アデカスタブPEP−24G
亜リン酸エステル系熱安定剤:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト 旭電化工業社製 アデカスタブ2112
有機リン酸エステル金属塩系熱安定剤:モノ、及びジステアリルアシッドホスフェート亜鉛塩の混合物 堺化学工業社製 LBT−1830
有機酸金属塩系難燃剤:パーフルオロブチルスルホン酸金属塩 大日本インキ化学工業社製 メガファックF114
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂):ダイキン工業社製 ポリフロンF201L
PCC(脂環式ポリエステル)樹脂:以下の製造例1で得られたポリシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジカルボキシレート 固有粘度0.957dl/g、末端カルボン酸濃度12μeq/g
<製造例1>
攪拌機、還流冷却器、加熱装置、圧力計、温度計および減圧装置を装備し、容量が100リットルのステンレス製反応器に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(トランス体:シス体の比率が96:4)101.5重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス体:シス体の比率が69:31)88.6重量部およびテトラ−n−ブチルチタネートの6重量%ブタノール溶液0.005重量部を仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。反応器内を窒素ガスでシールしながら、内温を30分間で150℃に昇温し、更に150℃から200℃まで1時間をかけて昇温した。
次いで、200℃の温度で1時間保持してエステル化反応を行った後、200℃から250℃へ45分間かけて昇温しつつ、反応器内の圧力を徐々に減圧しながら重縮合反応を行った。反応機内圧力を絶対圧力0.1kPa、反応温度を50℃として3.6時間維持し、重縮合反応を終了した。重縮合反応終了後、得られた樹脂を水中にストランド状に抜き出し、切断してペレット化した。
後述する方法で測定した固有粘度および末端カルボン酸濃度は、それぞれ0.957dl/g、12μeq/gであった。以下、製造例1で得られた脂環式ポリエステル樹脂をPCCと記す。
試験方法
反射率:50*50*2[mm]の反射率測定試験片を用い、島津製作所社製UV−3100PC、及びMPC−3100にて測定した。尚、測定法は島津製作所社法による。
燃焼性:UL−94に準拠し1.6mm厚の燃焼試験片を用いて垂直燃焼試験にて実施した。
引張降伏強度・引張破壊強度:ISO527−1及び527−2規格に準拠し、3.2mm厚の試験片を用いて実施した。
曲げ強さ・曲げ弾性率:ISO178規格に準拠し、3.2mm厚の試験片を用いて実施した。
〔実施例1〜5〕
PC100重量部に対して、脂環式ポリエステル及び添加剤を表1に示す比率(重量部)で配合し、タンブラーにて15分ブレンドを行い、その後、二軸押し出し機にて300℃のシリンダー温度にて押し出しペレット化した。そのペレットを射出成形機にて280℃のシリンダー温度、80℃の金型温度にて燃焼試験片および反射率測定用に50*50mm*2mm厚の試験片を成形した。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1〜5と同様に、表1に示す処方の樹脂組成物から試験片を成形し、評価を行い、その結果を表1に示す。
Figure 2008019296
表1から明らかな通り、本発明の光反射性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体は、いずれも反射率が95%を超える、優れたものであり、同時に諸機械特性や難燃性にも優れたものであることが判る。一方、脂肪族ポリエステル樹脂を含まない比較例1では、反射率が不十分であった。

Claims (6)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A)30〜99重量部と、脂環式ポリエステル樹脂(B)1〜70重量部からなる樹脂成分(C)100重量部に対し、酸化チタン(D)を3〜30重量部含む、光反射性樹脂組成物。
  2. 脂環式ポリエステル樹脂(B)が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を主成分とする脂環式ジカルボン酸と、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする脂環式ジオールとからなる請求項1に記載の光反射性樹脂組成物。
  3. 樹脂成分(C)100重量部に対し、更に有機酸金属塩(E)を0.001〜5重量部含む請求項1または2に記載の光反射性樹脂組成物。
  4. 樹脂成分(C)100重量部に対し、更にポリテトラフルオロエチレン(F)を0.05〜1重量部含む請求項1乃至3のいずれかに記載の光反射性樹脂組成物。
  5. 樹脂成分(C)100重量部に対し、更に、下記一般式(I)乃至(VI)で表される化合物群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物(G)を0.001〜1重量部含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光反射性樹脂組成物。
    O=P(OH)(OR)3−n・・・(I)
    (一般式(I)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよく、nは0〜2の整数を示す。)
    Figure 2008019296
    (一般式(II)中、R’はアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2008019296
    (一般式(III)中、R〜Rはアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよく、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
    Figure 2008019296
    (一般式(IV)中、Rはアルキル基またはアリール基を示し、Mはアルカリ土類金属および亜鉛より選ばれる金属を示す。)
    Figure 2008019296
    (一般式(V)中、R〜R11はアルキル基またはアリール基を示し、各々同一でも異なっていてもよく、M’は3価の金属イオンとなる金属原子を示す。)
    一般式(VI)
    Figure 2008019296
    (一般式(VI)中、R12〜R14は、アルキル基またはアリール基であり、各々同一でも異なっていてもよく、M’は3価の金属イオンとなる金属原子を示し、2つのM’は各々同一でも異なっていてもよい。)
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の光反射性樹脂組成物を成形してなる光反射性部材。


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