JP2008019124A - セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、特にセラミックグリーンシートを打抜いて所望の形状とする場合においても切断面における不良が発生し難く、歩留の良好なセラミックグリーンシートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法は、原料スラリーを調製するに当たり、セラミック粉末の含水率を0.5質量%以上、3質量%以下に調節することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックグリーンシートを製造するための方法、当該方法で製造されたセラミックグリーンシートからセラミックシートを製造する方法、および当該セラミックシートを固体電解質とする固体酸化物形燃料電池セルに関するものである。
ジルコニアやアルミナからなるシートは、その優れた断熱性や気密性などによって、断熱材や焼成炉内における敷板やセパレーター等として利用されている。特に近年、ジルコニアシートは固体酸化物型の電解質膜として用いられている。この様に、セラミックシートの利用は拡大しつつあるため、効率的な製造方法の開発が求められているところである。
セラミックシートは、主に、先ずセラミック粉末、バインダー、分散剤、溶剤等を含むスラリーを調製する工程、この原料スラリーを成形した後に乾燥してセラミックグリーンシートとする工程、および、当該セラミックグリーンシートを所望の形状に打抜きまたは切断後、高温で焼成する工程を経て製造される。ところが、乾燥されたセラミックグリーンシートや、焼成工程を経たセラミックシート、特にその端面付近にクラックや欠損などの不良が生じて強度低下が起こり、歩留が低下するという問題がある。そこで、従来、セラミックシートの効率的な製造方法が検討されている。
例えば特許文献1には、セラミック粉末のスラリー調合時の含水率を0.4重量%以下にすることで、成形性、脱脂性、焼結性の向上や、製造ロット間のバラツキ低減を図ることができる厚膜セラミック焼結体の製造方法が記載されている。
一方、最大厚が30μmという薄膜のセラミックグリーンシートにおいて、表面平滑性の低下、強度の低下、クラックの発生、寸法安定性の低下等を解決することを目的として、セラミック成分の平均凝集度を規定した技術が特許文献2に開示されている。
特開2001−89246号公報(請求項1、段落[0003]、[0008]) 特開平8−238613号公報(特許請求の範囲、段落[0003]〜[0005])
上述した様に、セラミックシートの成形性等を高めるべく、原料であるセラミック粉末の含水率を規定する技術は知られている。しかし当該従来技術では、対応できない場合がある。即ち、確かに特許文献1の記載の通り、成形性の問題は薄膜シートよりも厚膜シートにおいて顕著ではある。ところが、セラミックシートの製造においては、グリーンシートの段階で所望の形状に打抜いたり切断したりする必要があり、薄膜のセラミックグリーンシートを打抜きや切断する場合には、切断面においてクラックや縁の欠損などの不良が生じ、歩留が低下する傾向にある。
また、特許文献2の技術の様に、表面平滑性等を考慮して、セラミック粉末の径や平均凝集度などを規定している薄膜セラミックグリーンシートの例もある。しかし、セラミック粉末の平均凝集度等のみを規定しても、やはり打抜きや切断の際に欠陥が生じる場合があった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、特にセラミックグリーンシートを打抜き等により所望の形状とする場合において切断面における不良が発生し難く、歩留の良好なセラミックグリーンシートの製造方法を提供することにある。また、本発明では、当該方法により製造されたセラミックグリーンシートを焼成することによるセラミックシートの製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、原料スラリーの調製時において、単にセラミック粉末の含水率を低減するのみでなく、当該含水率を適切に調節することにより上記課題を解決できることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法は、
原料スラリーを調製するに当たり、セラミック粉末の含水率を0.5質量%以上で且つ3質量%以下に調節することを特徴とする。
上記製造方法においては、さらに、原料スラリーにおけるスラリー凝集度を1以上、5以下に調節することが好ましい。セラミック粉末へのバインダーの分散をより均一にすることができるので、特に切断時における切断刃とグリーンシートとの接面への応力集中が緩和でき、クラックの発生等を防ぐことが可能になるからである。
本発明方法は、特に厚さ40〜400μmのセラミックグリーンシートの製造に利用することが好ましい。打抜き等による切断面の不良は特に400μm以下の薄膜グリーンシートの製造において発生し易いが、本発明方法は、かかる不良の発生を抑制することができる。
本発明方法で原料に用いるセラミック粉末としては、アルミナ、セリア、ジルコニア、およびランタンガレートからなる群より選択される1または2以上を挙げることができる。
また、本発明に係るセラミックシートの製造方法は、上記方法により製造したセラミックグリーンシートを焼成することを特徴とする。さらに本発明の固体酸化物形燃料電池セルは、当該セラミックシートを固体電解質とするものである。
本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法によれば、原料スラリーにおけるセラミック粉末とバインダー間の濡れ性が改善されていることから、セラミック粉末とバインダーとが均一に且つ安定して混合された原料スラリーが得られる。その結果、乾燥時のブツ、クレータ、ヒビ等の欠陥が少なく、また、グリーンシートの打抜き等による切断面のクラックや縁の欠損などの不良を抑制でき、良好な歩留りでセラミックグリーンシートを製造することができる。従って、本発明は、今後、燃料電池の実用化などにより更なる量産が求められると考えられるセラミックシートを効率良く製造できるものとして、産業上極めて有用である。
本発明に係るセラミックグリーンシートの製造方法は、
原料スラリーを調製するに当たり、セラミック粉末の含水率を0.5質量%以上で且つ3質量%以下に調節することを特徴とする。以下、実際の実施の順番に従って、本発明方法を説明する。
(1)原料スラリーの調製工程
先ず、セラミック粉末、有機溶媒、バインダー、分散剤等を混合し、原料スラリーを調製する。
原料とするセラミック粉末の種類は特に制限されず、セラミック成形体の材料として使用できるものであればよい。例えば、アルミナ、セリア、ジルコニア、ランタンガレートを例示することができ、これらから1種を選択するか或いは2種以上を選択した上で混合して使用できる。
また、これらセラミック粉末は、他の成分を添加することにより各用途に応じた特性が高められたものであってもよい。例えば、燃料電池の固体電解質膜として使用されるジルコニアシートには、より高度な熱的、機械的、電気的、化学的特性が要求される。こうした要求特性を満足させる電解質材料としては、ジルコニアにMgO、CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属酸化物;Y23、La23、CeO2、Pr23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Yb23等の希土類金属酸化物;Sc23、Bi23、In23等その他の金属酸化物などを加えたジルコニア系セラミックを例示することができ、これらから1種または2種以上を選択して単独または混合物として用いることができる。
より具体的には、例えば、3〜10モル%のY23、4〜12モル%のSc23または4〜15モル%のYb23で安定化されたジルコニアであり、さらに0.01〜5質量%程度のSiO2、Al23、TiO2、CeO2等が添加されたジルコニアを例示することができる。
また、セリアには、CaO、SrO、BaO、Ti23、Y23、La23、Pr23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Er23、Tm23、Yb23、PbO、WO3、MoO3、V25、Ta25、Nb25から選択される1種または2種以上を添加してもよい。
さらにランタンガレート(LaGaO3)は、ペロブスカイト型結晶構造を有する複合酸化物で、LaやGaの一部が各原子よりも低原子価であるSr、Y、Mg等に置換固溶された組成物であってもよい。このような組成物としては、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23のようなLa1-xSrxGa1-yMgy3、La1-xSrxGa1-yMgyCoz3、La1-xSrxGa1-yFey3、La1-xSrxGa1-yNiy3を例示することができる。
セラミック粉末の粒子径も特に制限されることなく、最終的なセラミックシートの用途に応じたものとすればよい。例えば、固体酸化物型燃料電池の電解質膜に利用するジルコニアシートの場合、平均粒径が0.1〜3μmで90体積%の粒径が6μm以下のものが好ましく、平均粒径が0.15〜1.5μmで90体積%の粒径が3μm以下のものがより好ましく、平均粒径が0.2〜1μmで90体積%の粒径が2μm以下のものが更に好ましい。
本発明においては、スラリー調製時におけるセラミック粉末の含水率を0.5質量%以上で且つ3質量%以下とする。含水率が3質量%を超えると、セラミック粉末の凝集が起こり易くなり粗大粒子の割合が増す上に、原料スラリーの調製時に凝集した粗大粒子を解砕することが困難になり、セラミック粉末の粒度分布が大きくなることから、セラミックグリーンシートの成形性や加工性が低下し、セラミックシートの物性も低下する。特に、グリーンシートの切断面におけるクラックや欠損の発生が多くなり、シートハンドリング強度が低下する。より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
一方、含水率が0.5質量%未満では、原料スラリー調製時における分散剤のセラミック粉末解膠作用が不十分となり、含水率が3質量%以上の場合ほどではないが、同様の問題が生じる。かかる問題は、特に溶剤系の分散剤を使用した場合に顕著となる。さらに、含水率を0.5質量%よりも過剰に低く設定すると、セラミック粉末の乾燥や保管条件が厳しくなり、別途対策が必要となり工程が煩雑になる。
上記含水率の要件を満たす時点は、セラミック粉末をバインダー等と混合する直前であればよいが、例えば、恒温恒湿機などを用いてセラミック粉末の含水率を調節した後、常温常湿下で30分程度以内にスラリー調製に用いる場合も含まれるものとする。
本発明において、セラミック粉末の含水率は、常法であるカールフィッシャー法に従えばよい。例えば、測定対象であるセラミック粉末約0.5gを計量し、酢酸−エタノール混合液中に攪拌分散させ、測定サンプルとする。また、通常のカールフィッシャー水分量測定装置と、ハイドラナールコンポジット5Kなどのカールフィッシャー用指示薬を使って予め検量線を作成する。次に、同一のカールフィッシャー水分量測定装置により測定サンプルを測定し、検量線と比較することにより、含水率を測定すればよい。
本発明で用いる原料スラリーにおけるスラリー凝集度は、1以上、5以下に調節することが好ましい。スラリー凝集度がこの範囲にあれば、セラミック粉末表面にバインダーが均一に分散した状態にすることができる。よって、スラリー凝集度は3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。その一方で、凝集度を1未満にするのは、技術的に過剰な負担となり得る。また、凝集度が5を超える場合は、セラミック粉末の凝集による粗大粒子が多くなり、セラミック粉体へのバインダーの分散も十分でなくなり、グリーンシートの成形性や加工性、さらにはセラミックシートの物性が低下し、特にハンドリング強度に悪影響が生じ得る。
スラリー凝集度を上記範囲とするためには、原料スラリーの調製時にセラミック粉末の凝集を十分に解膠すればよい。具体的には、例えばセラミック粉末を分散剤と共に有機溶剤に加え、ボールミルにより予備解膠してからバインダー等を添加すればよい。また、スラリー凝集度は、メディアの粒径や粒度分布を制御することにより調節することができ、より具体的にはミル回転数や回転時間などボールミルの運転条件を調整する。
ここで、原料スラリーにおけるスラリー凝集度を規定しているのは、単にセラミック粉末の凝集度を規定しても、原料スラリーの調製条件によってはグリーンシートの性状を向上させることができず、表面欠陥、特にグリーンシートの切断端面におけるクラックや欠損が生じる場合もあるからである。それに対して、原料スラリーのスラリー凝集度は、グリーンシートの性状等に直接影響を与える。
本発明でいう原料スラリーにおけるスラリー凝集度の考え方は、原料スラリー中の固形粒子、具体的にはセラミック粉末とその表面に分散したバインダー樹脂を1つの粒子としてとらえたものであり、スラリー凝集度は以下の方法により求める。
先ず、原料スラリーの固形分粒子、即ちセラミック粉末とその表面に分散したバインダー樹脂等からなる粒子の平均粒径(メジアン径)を、レーザー光回折散乱法で求める。次に、セラミック粉末の球換算に相当する直径(球相当径)で除した値を算出し、これをスラリー凝集度とする。ここで、球相当径とは、セラミック粉末の比表面積値から換算した球に相当する直径(μm)=6/ρSで表されるもので、ρはセラミック粉体の密度(g/cm3)を示し、Sはセラミック粉末のBET法による比表面積値(m2/g)を示す。また、原料スラリーの固形分粒子は、スラリー溶媒と同一の溶媒を分散媒とし、100mLの当該分散媒中にセラミック粉末を0.01〜1質量%の割合で加えて3分間超音波処理して分散させ、この分散液について、堀場製作所製のLA−920などのレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定する。
有機溶媒も、原料スラリーに用い得るものであればその種類は特に制限されないが例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらから適宜選択して使用する。これらの溶媒も単独で使用し得る他、2種以上を適宜混合して使用することができる。これら溶媒の使用量は、グリーンシート成形時におけるスラリーの粘度を加味して適当に調節するのがよく、好ましくはスラリー粘度が1〜50Pa・s、より好ましくは2〜20Pa・sの範囲となる様に調整するのがよい。
原料スラリーに用いられるバインダーの種類にも格別の制限はなく、従来から知られた有機質のバインダーを適宜選択して使用することができる。有機質バインダーとしては、例えばエチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系およびメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルブチラール系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ワックス類、エチルセルロース等のセルロース類等が例示される。より具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の炭素数20以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート類;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレート類またはヒドロキシアルキルメタクリレート類;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノアルキルアクリレート類またはアミノアルキルメタクリレート類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、モノイソプロピルマレートのようなマレイン酸モノエステル等のカルボキシル基含有モノマーの少なくとも1種を重合または共重合させることにより得られるものを挙げることができる。特に好ましいのは、イソブチルメタクリレートおよび/または2−エチルヘキシルメタクリレートを60質量%以上含むモノマーの共重合体である。
これらの中でも、200〜500℃での加熱工程における脱バインダー性に優れるものである必要があり、また、グリーンシートの成形性や打抜き等における加工性、強度、脱脂・焼結時の収縮率のバラツキ抑制等の点から、数平均分子量が20,000〜250,000、より好ましくは50,000〜200,000の(メタ)アクリレート系共重合体ポリマーが好ましいものとして推奨される。
セラミック粉末とバインダーの使用比率は、前者100質量部に対して後者5〜30質量部が好ましく、より好ましくは後者10〜20質量部の範囲である。バインダーの使用量が不足する場合は、グリーンシートの成形性が低下し、また、強度や柔軟性が不十分となる。逆に多過ぎる場合はスラリーの粘度調節が困難になるばかりでなく、脱脂・焼結時のバインダー成分の分解放出が多く且つ激しくなって収縮率のバラツキも大きくなり、寸法バラツキの小さなシートが得られ難くなり、また、バインダーが残留カーボンとして残留し易くなる。
原料スラリーの調製に当たっては、原料であるセラミック粉末の解膠や分散を促進するために、分散剤を配合してもよい。分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム等の高分子電解質;クエン酸、酒石酸等の有機酸;イソブチレンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩あるいはアミン塩;ブタジエンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩;ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物;リン酸塩やリン酸錯塩;アリールスルホン酸;ワックスエマルジョン;モノエチルアミン等の水溶性分散剤;グリセリンやソルビタン等の多価アルコールエステル;ポリエーテル;脂肪酸;リン酸エステル;ベンゼンスルホン酸等の有機溶媒系の分散剤等を挙げることができる。分散剤は、セラミック粉末100質量部に対して0.5〜5質量部程度、より好ましくは1〜3質量部程度の範囲で使用することができる。
分散剤は、セラミック粉末のボールミルによる予備解膠時に、溶媒と共に添加することが好ましい。この際、セラミック粉末の含水率が本発明の規定範囲内であれば、分散剤のセラミック粉末への解膠作用が有効に発揮できる。特に分散剤が水溶性である場合には、セラミック粉末の水分との相溶性から、解膠作用が顕著に発揮される。従って、αオレフィン・無水マレイン酸共重合物を主成分とする水溶性分散剤が好適に使用される。
その他、グリーンシートに柔軟性を付与するためのフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類;プロピレングリコール等のグリコール類やグリコールエーテル類からなる可塑剤など;さらには界面活性剤や消泡剤などを必要に応じて添加することができる。
原料スラリーは、上記成分を適量混合することにより調製する。その際、各粒子を細かくしたり粒子径を均一化するために、ボールミル等により粉砕しつつ混合してもよい。また、各成分の添加の順番は特に制限されず、従来方法に従えばよい。
(2)セラミックグリーンシートの製造工程
次に、得られた原料スラリーをシート状に成形する。成形方法は特に制限されず、ドクターブレード法などの常法を用いる。具体的には、原料スラリーを塗工ダムへ輸送し、ドクターブレードにより均一な厚さとなるように高分子フィルム上にキャスティングし、乾燥することによりセラミックグリーンシートとする。乾燥条件は特に制限されず、例えば40〜150℃の一定温度で乾燥してもよいし、50℃、80℃、120℃の様に順次連続的に昇温して加熱乾燥してもよい。
(3)セラミックグリーンシートの打抜きまたは切断工程
得られたセラミックグリーンシートは、任意の方法で適当な形状に打抜きまたは切断する。このグリーンシートの形状としては、円形、楕円形、角形、R(アール)を持った角形など何れでもよく、これらのシート内に同様の円形、楕円形、角形、Rを持った角形などの穴を1つもしくは2つ以上有するものであってもよい。
なお、本発明方法で製造するセラミックグリーンシートの膜厚は、40〜400μmとすることが好ましく、40〜350μmとすることがより好ましい。打抜き等による切断面の不良は特に薄膜グリーンシートの製造において発生し易いが、本発明方法は、かかる不良の発生を抑制することができる。
(4)焼成工程
上記打抜きまたは切断工程を経て所定の形状に加工されたセラミックグリーンシートは、焼成することにより脱脂および焼結してセラミックシートとする。具体的な焼結の条件は特に制限されず、常法によればよい。例えば、セラミックグリーンシートからバインダーや可塑剤等の有機成分を除去するために150〜600℃、好ましくは250〜500℃で10〜80時間程度処理する。次いで、1200〜1600℃、好ましくは1300〜1500℃で10〜80時間焼成することによって、セラミックシートを得る。
本発明方法によれば、打抜き加工または切断加工を行なった場合でも、切断面における不良を顕著に抑制することができる。よって、本発明方法によって、ジルコニアシートなどのセラミックシートを歩留良く効率的に製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1
市販の8モル%イットリウム安定化ジルコニア粉末(第一稀元素製、商品名「HSY−8.0」、比表面積:7.8m2/g、球相当径:0.13μm)、4モル%スカンジア安定化ジルコニア粉末(第一稀元素製、商品名「4ScSZ」、球相当径:0.11μm)、またはLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.23(セイミケミカル製、商品名「LaSrGaMgO」、球相当径:1.90μm)を恒温恒湿ボックス内に入れ、温度と湿度を調整することによって、粉体の含水率を調節した。粉体の含水率は、カールフィッシャー法で含水率を測定した。即ち、各粉末約0.5gを計量し、酢酸−エタノール混合液中に攪拌分散させ、また、予め検量線を作成した上で、カールフィッシャー装置(京都電子製、MKF−1S)と所定のファクターのカールフィッシャー用指示薬(ハイドラナールコンポジット5K)を用いて、含水率を決定した。なお、含水率を調節する条件は、3サンプルで含水率を測定した上で、その平均値が表1の所定値となる様に調整した。
含水率を0.5〜2.0質量%に調節した上記3種のセラミック粉末は、直ぐにスラリー調製に使用し、セラミックグリーンシートとセラミックシートを製造した。具体的には、上記セラミック粉末100質量部、有機溶媒としてトルエン/イソプロピルアルコール(質量比=3/2)の混合溶媒30質量部、および水系分散剤としてオレフィンマレイン酸コポリマー(共栄社化学製、商品名「フローレン」)3質量部との混合物を、直径10mmのジルコニアボールが装入されたナイロン製缶体に入れ、約35rpmで20時間混練して予備スラリーを調製した。次いで、バインダーとしてイソブチルメタクリレート95質量%、ジメチルアミノエチルメタクリレート4質量%、ヒドロキシプロピルアクリレート1質量%を共重合したメタクリレート樹脂(数平均分子量:130,000、ガラス転移温度:−8℃、固形分濃度:50質量%)を固形分で14質量部、可塑剤としてジブチルフタレート2質量部を上記ナイロン缶体に添加し、さらに約45rpmで20時間混練して原料スラリーを調製した。
得られた原料スラリーを、碇型の撹拌機を備えた内容積50Lのジャケット付丸底円筒型減圧脱泡容器へ移し、撹拌機を30rpmの速度で回転させながら、ジャケット温度40℃で減圧(約4〜21kPa)下に濃縮・脱泡し、粘度を3Pa・sに調整して原料スラリーとした。このスラリーの平均粒径をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製「LA−920」)により測定し、凝集度を求めた。平均粒径と凝集度を表1に示す。この塗工用スラリーを塗工装置のスラリーダムに移し、ドクターブレード法によってポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗工し、塗工部に続く乾燥機(50℃、80℃、110℃の3ゾーン)を0.2m/分の速度で通過させて乾燥することにより、巾95cmのグリーンシートを得た。
一方、含水率を0.5質量%未満または2質量%超に調節した上記3種のセラミック粉末は、分散剤として溶剤系のソルビタン酸トリオールを使用した以外は同様にしてスラリー調製に使用し、グリーンシートを得た。
得られたグリーンシートを、連続型打抜き機(坂本造機製、商品名「865B」)に刃型を取り付けて、プレスストローク:40mm、ブレススピード:80spmで外径135mmφ内径26mmφのドーナツ状に切断した。切断枚数は、それぞれ2400枚とした。刃型は、刃先形状が片切り刃(中山紙器材製)、刃先角度θが57.5°、θ1が26.5°、θ2が31°、形状が135mm角のニューカッター刃をベニア板に取り付け、さらにハネ出しスポンジとして硬質グリーンゴム(中山紙器材製、商品名「KSA−17」)を取り付けたものである。
次に、切断した各グリーンシート2400枚の表面性状や切断面性状を目視により観察した。表面や切断面にクラックや欠損が認められるもの、表面の一部に色の濃淡が認められるもの、へこみやふくれが認められるものは不合格とし、合格率を算出した。次いで、合格品は全て450℃で60時間加熱して脱脂し、続いて徐々に昇温して1350〜1450℃で3時間加熱した後に徐冷することにより計72時間かけて焼結することによって、セラミックシートを得た。各セラミックシートも、グリーンシートと同様に目視観察し、合格率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2008019124
表1において比較的厚膜のシートでは、厚みの不均一や変形が見られ、合格率が低くなっている。具体的には、250および300μmのグリーンシートにおいて、部分的に135μm以下の部分があるものがあった。また、焼成後のセラミックシートでは、うねりや5mm以上の平行四辺形様の変形が観察された。その一方で、比較的薄膜のシートでは、上記の様な変形等は見られなかったが、切断面におけるクラックや割れ、縁の欠損が生じる場合があった。
また、セラミック粉末の含水率が0.5質量%未満および3質量%超の場合、グリーンシート切断面にクラックや欠損が多く認められると共に、表面にへこみやふくれも認められ、合格率が低くなった。一方、各セラミック粉末の含水率が本発明の規定範囲である0.5〜3質量%の範囲内である場合には、切断面における不良の発生を抑制することができた。但しこの効果は、400μmといった比較的厚膜のシートの場合には、必ずしも十分でない場合があった。また、スラリー凝集度が5を超える場合には、含水率が本発明の範囲内であっても、合格率が低くなる場合があった。

Claims (6)

  1. セラミックグリーンシートを製造する方法であって、
    原料スラリーを調製するに当たり、セラミック粉末の含水率を0.5質量%以上で且つ3質量%以下に調節することを特徴とする製造方法。
  2. 原料スラリーにおけるスラリー凝集度を1以上、5以下に調節する請求項1に記載の製造方法。
  3. 厚さ40〜400μmのセラミックグリーンシートを製造するためのものである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. セラミック粉末として、アルミナ、セリア、ジルコニア、およびランタンガレートからなる群より選択される1または2以上を用いる請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の方法により製造したセラミックグリーンシートを焼成することを特徴とするセラミックシートの製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法で製造されたセラミックシートを固体電解質とする固体酸化物形燃料電池セル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101025214B1 (ko) * 2009-04-03 2011-03-31 연세대학교 산학협력단 연료전지용 전해질 분말 제조방법 및 이에 의한 전해질 분말
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