JP2008019054A - 移動式クレーンのジブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジブ本体41を起仰するチルトシリンダ47を伸長側の出力でジブ作業時の荷重を支える構造とすることにより全体として軽量であり、かつ従来よりもジブ作業時の最小作業半径を小さくできる移動式クレーンのジブ装置20を提供する。
【解決手段】 ジブ装置20を、伸縮ブーム先端に着脱自在なジブサポート40と、当該ジブサポート先端背面側にその基部を起伏自在に枢着されたジブ本体41と、当該ジブ本体41腹面側に配置されジブ本体41と前記ジブサポート40にそれぞれその端部を枢着されたチルトシリンダ47と、を備え、前記チルトシリンダ47を伸長すると前記ジブ本体の先端部45が、前記伸縮ブーム中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側となる位置まで起仰可能なよう構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動式クレーンの伸縮ブーム先端に装着されるジブ装置に関し、さらに詳しくはチルトシリンダによりジブ本体の伸縮ブームに対する起仰角度が変更可能なジブ装置に関する。
移動式クレーンの伸縮ブームの最大起仰角度は、その角度をあまり大きく設定するとウインチにより吊荷用フックをブーム先端近傍まで巻上げた際に当該吊荷用フックと伸縮ブームの腹面が干渉してしまうこと、また通常伸縮ブームには一方向の曲げ荷重が作用するものとしてブーム断面を設計すること等から、通常80〜85度程度に設定されている。そのため、最大起仰角度の状態で伸縮ブームを伸長させれば、その時の作業半径(最小作業半径)はブーム長さに応じて大きくなってしまう。すると、移動式クレーンの最小作業半径よりも内側の地面上に置かれた吊荷は吊る事ができなくなってしまう。その吊荷を吊るためには、一度伸縮ブームを最縮小して最小作業半径を小さくするか、さらには、設置していたアウトリガを格納して移動式クレーンを走行移動させ最小作業半径よりも吊荷が外になるようにしたのち、再度アウトリガを設置する必要があった。
また、伸縮ブームの先端にジブ装置を装備したジブ作業ではさらに最小作業半径が増大するため、上述した問題点がさらに顕著になるという傾向があった。さらに、ジブ装置の中にはそのジブ本体の伸縮ブームに対する起仰角度を装備したチルトシリンダの伸縮により自由に変更できるものもあるが、通常その伸縮ブームに対する最小のオフセット角度(最大起仰角度)は0〜−5度程度に設定されている。(例えば、特許文献1参照。)。なお、マイナスで表示された角度は伸縮ブームに対してその腹側となる起仰角度を表している。
図3は特許文献1に記載されたジブ装置を装着した移動式クレーンの作業状態を示している。旋回台Aに設置されている伸縮可能なブームBに加えてそのブームBの先端に対して、ジブCを継足している。また、特許文献1に記載されたジブ装置はジブCの基部腹面側に配置されたチルトシリンダにより、ブームBに対する起仰角度を自由に変更することが可能である。しかし、そのジブCの最大起仰角度は上述したように、伸縮ブームBに対して0度(伸縮ブームBと同一直線上に位置する状態)までに設定されていた。図4は特許文献1に記載された移動式クレーンの伸縮ブームBが最大起仰角度まで起仰された状態を示しているが、図4から明らかなように、ジブCを継足すとブームBのみでの作業よりもさらに最小作業半径Rminが大きくなってしまうものであった。
一方、ジブ本体が伸縮ブームの上方領域へも回動可能なジブ装置も提案されていた(例えば、特許文献2参照。)。図5は特許文献2に記載されたジブ装置を示している。ブームヘッド14先端に着脱自在なジブサポート2と、当該ジブサポート2先端腹面側にその基部を起伏自在に枢着されたジブ本体3と、当該ジブ本体3背面側に配置されジブ本体と前記ジブサポートにそれぞれその端部を枢着されたチルトシリンダ4と、を備えている。そして、当該チルトシリンダ4を伸縮することにより、図5に示したようにジブ本体3を伸縮ブーム1に対しほぼ90度となる背面側を指向した位置から伸縮ブーム1の同一直線上となる位置を越え、伸縮ブーム腹面側領域まで起伏することが可能となっている。
特開2000−153992号公報(第2頁、第6図) 特開平4−85298号公報(第4−7頁、第5図)
以上のように特許文献2に記載されたジブ装置は、そのジブ本体の先端が、伸縮ブーム中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側の位置になるまで起仰することが可能であった。そのため、伸縮ブームが全伸長して最小作業半径が大きくなっているときでも、ジブ本体の対地起仰角度をほぼ90度近くにすることで、その時のジブ作業の最小作業半径をさらに大きくならないようにすることが理論的には可能であった。
ところが、特許文献2に記載されたジブ装置は図5に示したようにチルトシリンダの縮小側の出力でジブ作業時の荷重を支える構造であるため、縮小側の受圧面積を大きくとる必要があり、そのためシリンダ外径が大きくなりチルトシリンダの重量が大きくなってしまうという課題があった。
そこで、本発明は、ジブ本体を起仰するチルトシリンダを伸長側の出力でジブ作業時の荷重を支える構造とすることにより全体として軽量なジブ装置であり、かつ前記チルトシリンダを伸長すると前記ジブ本体の先端部が、前記伸縮ブーム中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側の位置まで起仰可能なよう構成することにより、従来よりもジブ作業時の最小作業半径を小さくできる移動式クレーンのジブ装置を提供しようとするものである。
本願の請求項1に記載された移動式クレーンのジブ装置は、走行車両に旋回自在に搭載された旋回台と、基端ブームに中間ブームと先端ブームを順次伸縮自在に嵌挿され前記旋回台後部に当該基端ブーム基部を起伏自在に枢着された伸縮ブームと、当該伸縮ブーム腹面側に配置され前記伸縮ブームと旋回台にそれぞれその端部を枢着された起伏シリンダと、を備え、当該起伏シリンダを伸長した時の前記伸縮ブームの旋回台に対する最大起仰角度が90度未満であることを前提としている。
そして、さらに前記伸縮ブーム先端に着脱自在なジブ装置を備え、当該ジブ装置は、前記伸縮ブーム先端に着脱自在なジブサポートと、当該ジブサポート先端背面側にその基部を起伏自在に枢着されたジブ本体と、当該ジブ本体腹面側に配置されジブ本体と前記ジブサポートにそれぞれその端部を枢着されたチルトシリンダと、を備え、前記チルトシリンダを伸長すると前記ジブ本体の先端部が、前記伸縮ブーム中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側となる位置まで起仰可能なよう構成されたことを特徴とする。
本願発明の移動式クレーンのジブ装置は、そのチルトシリンダがジブ本体腹面側に配置されジブ本体とジブサポートにそれぞれその端部を枢着されているので、伸長側の出力でジブ作業時の荷重を支える構造となっている。そのため、従来の特許文献2に記載されたジブ装置よりもシリンダサイズを小さなものとすることができ、ジブ装置全体を軽量なものとすることができる。
さらに、チルトシリンダを伸長するとジブ本体の先端部が、伸縮ブーム中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側となる位置まで起仰可能なよう構成したので、従来よりもジブ作業時の最小作業半径を小さくできる。そのため、従来のジブ装置であれば、最小作業半径よりも内側に置かれた吊荷を吊ろうとする場合に、一度伸縮ブームを縮小することにより最小作業半径をより小さくして吊荷を吊ったり、アウトリガ装置のジャッキを上げて移動式クレーン全体を移動したりすることにより、吊荷を吊るなどする必要が有ったが、係る作業を行わなくても吊荷を吊れる作業半径が増大し、ジブ作業時の作業性が向上する。
図1に、本発明の実施の形態に係るクレーン車のジブ装置20を示す。走行車両21に旋回自在に旋回台22が搭載されている。23は伸縮ブームであって、基端ブーム24に複数の中間ブーム25と先端ブーム26が順次伸縮自在に嵌挿されている。伸縮ブーム23は図示しない伸縮装置を内蔵しており、その基端ブーム24基部が前記旋回台22後部に起伏自在に枢着されている。27は伸縮ブーム23腹面側に配置され伸縮ブーム23と旋回台22にそれぞれその端部を枢着された起伏シリンダである。図1は起伏シリンダ27を伸長した時であって、伸縮ブーム23が旋回台22に対し最大起伏角度まで起仰した状態を示している。その最大起伏角度は85度である。
図2は図1のD部詳細図であって、ジブ装置20の基部の詳細を示している。40は前記伸縮ブーム23の先端ブーム26先端に着脱自在なジブサポートである。41はジブサポート40先端背面側にその基部を起伏自在に枢着されたジブ本体である。なお、本実施の形態のジブ装置20ではジブ本体41は伸縮式となっており、図1に示すように基端ジブ42に中間ジブ43と先端ジブ44とが順次伸縮自在に嵌挿されている。そして、ジブ本体41内部には図示しない伸縮装置を備えており、当該伸縮装置によりジブ本体41は伸縮駆動されるようになっている。図2に示した47はジブ本体41腹面側に配置されジブ本体41とジブサポート40にそれぞれその端部を枢着されたチルトシリンダである。
図1は前記チルトシリンダ47を伸長し前記ジブ本体の先端部45が前記伸縮ブーム23中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側の位置まで起仰した状態を示している。46はジブ本体先端部45から地上近くまで吊下した吊荷用フックである。この時の最小作業半径Rminは、図4に示した従来の移動式クレーンのジブ装置における最小作業半径Rminよりも小さくなっている。したがって、伸縮ブーム23及びジブ本体41を縮小したり、走行車両21を走行移動したりすることなく吊荷を吊ることができる作業半径の範囲が増大し、ジブ作業時の作業性が向上する。
なお、本願発明に係るジブ装置20はそのチルトシリンダ47を縮小することにより、図4に示した従来のジブ装置と同様の作業姿勢を取り得ることは勿論である。また、さらにチルトシリンダ47を縮小すれば、ジブ本体先端部45が伸縮ブーム23の腹面側の領域に位置する従来のジブ装置と同様の作業姿勢も取り得ることも勿論である。
本願の発明に係る移動式クレーンのジブ装置である。 図1のD部詳細図である。 特許文献1に記載されたジブ装置を装着した移動式クレーンの作業状態を示した図である。 図3の移動式クレーンの最小作業半径Rminを示した図である。 特許文献2に記載されたジブ装置を示した図である。
符号の説明
20:ジブ装置
21:走行車両
22:旋回台
23:伸縮ブーム
24:基端ブーム
25:中間ブーム
26:先端ブーム
27:起伏シリンダ
40:ジブサポート
41:ジブ本体
45:ジブ本体先端部
47:チルトシリンダ

Claims (1)

  1. 走行車両に旋回自在に搭載された旋回台と、基端ブームに中間ブームと先端ブームを順次伸縮自在に嵌挿され前記旋回台後部に当該基端ブーム基部を起伏自在に枢着された伸縮ブームと、当該伸縮ブーム腹面側に配置され前記伸縮ブームと旋回台にそれぞれその端部を枢着された起伏シリンダと、を備え、当該起伏シリンダを伸長した時の前記伸縮ブームの旋回台に対する最大起仰角度が90度未満であって、さらに前記伸縮ブーム先端に着脱自在なジブ装置を備え、
    当該ジブ装置は、前記伸縮ブーム先端に着脱自在なジブサポートと、当該ジブサポート先端背面側にその基部を起伏自在に枢着されたジブ本体と、当該ジブ本体腹面側に配置され前記ジブ本体とジブサポートにそれぞれその端部を枢着されたチルトシリンダと、を備え、前記チルトシリンダを伸長すると前記ジブ本体の先端部が、前記伸縮ブーム中心軸を含む横方向の平面よりも伸縮ブーム背面側となる位置まで起仰可能なよう構成されたことを特徴とする移動式クレーンのジブ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105747604A (zh) * 2016-04-27 2016-07-13 赵忠义 一种安全式样品柜

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