JP2018184248A - 移動式クレーン - Google Patents

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真輔 神田
Shinsuke Kanda
真輔 神田
浩嗣 山内
Koji Yamauchi
浩嗣 山内
博紀 溝渕
Hiroki Mizobuchi
博紀 溝渕
尚樹 石原
Naoki Ishihara
尚樹 石原
雅紀 進藤
Masaki Shindo
雅紀 進藤
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Abstract

【課題】撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、安定性能の確保を可能にする。
【解決手段】移動式クレーン1は、走行車両10と、走行車両10に対して起伏可能に取付けられた伸縮ブーム22と、伸縮ブーム22のベースブーム部材22aに立設されるマスト30と、マスト30を介して、伸縮ブーム22の基端部と先端部との間に張設された緊張ロープ40と、を備え、マスト30は、ベースブーム部材22aに対して、該ベースブーム部材22aの長手方向に略平行な各回動軸51a・52a回りに回動可能に連結されており、ベースブーム部材22aの背面X側に突出する角度に回動された撓み抑制姿勢と、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出し、マスト30の先端部の車輪53が地面に接地されるアウトリガ姿勢と、を切り替え可能とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、移動式クレーンの技術に関し、より詳しくは、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンの安定性能を向上させる技術に関する。
従来、ブームの横撓みを効果的に抑制でき、吊上げ能力を高くとれる移動式クレーンとして、特許文献1に示されるような、主ブームに対し、その基部が枢支された左マストと右マストとからなる緊張マストと、該緊張マストを介して、伸縮ブームの基端部と先端部との間に張設された緊張ロープと備える構成が知られている。
特許文献1に示される移動式クレーンでは、緊張マストと緊張ロープを備えた撓み抑制装置によって、ブームの撓みを抑制する構成としており、移動式クレーンにおけるブームの強度性能の向上が図られている。
即ち、特許文献1に示される移動式クレーンでは、撓み抑制装置を設けることによって、ブームの撓みが抑制され、より重量が大きい吊荷を吊りあげることが可能になっている。尚、移動式クレーンにおける伸縮ブームの強度(撓みにくさ)に関する性能を「強度性能」と呼ぶ。
特開2012−41120号公報
移動式クレーンでは、より重量が大きい吊荷を吊りあげたり、ブームを倒伏状態にしたりすると、移動式クレーン自体の転倒が起きやすくなり、移動式クレーンの安定性(転倒し難さ)が低下するという問題がある。尚、移動式クレーンの安定性(転倒し難さ)に関する性能を「安定性能」と呼ぶ。しかしながら、従来の撓み抑制装置を備えた移動式クレーンでは、強度性能を向上させることは可能になるが、安定性能を確保することが困難であった。
本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、安定性能の確保を可能にすることを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係る移動式クレーンは、走行車両と、前記走行車両に対して起伏可能に取付けられた伸縮ブームと、前記伸縮ブームに立設されるマストと、前記マストを介して、前記伸縮ブームの基端部と先端部との間に張設された緊張ロープと、を備える移動式クレーンであって、前記マストは、前記伸縮ブームの長手方向に略平行な軸回りに回動可能に連結されており、前記伸縮ブームの背面側に突出する角度に回動された姿勢である、前記伸縮ブームの撓みを抑制する第一の姿勢と、前記伸縮ブームの腹面側に突出し、前記マストの先端部が地面に接地される角度に回動された姿勢である第二の姿勢と、を切り替え可能としたことを特徴とする。
このような構成によれば、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、マストを伸縮ブームのアウトリガとして用いることができる。これにより、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンの安定性能を確保することができる。
また、本発明に係る移動式クレーンは、前記マストを、長さ方向に対して伸縮可能としたことを特徴とする。
このような構成によれば、マストを確実に地面に接地させることができる。これにより、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、安定性能を確実に確保することができる。
また、本発明に係る移動式クレーンは、前記マストを、前記伸縮ブームの起立時において、前記伸縮ブームの起立角度に応じて伸長させ、かつ、前記伸縮ブームの倒伏時において、前記伸縮ブームの倒伏角度に応じて短縮させることを特徴とする。
このような構成によれば、マストをより確実に地面に接地させることができる。これにより、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、安定性能をより確実に確保することができる。
また、本発明に係る移動式クレーンにおいて、前記マストは、左マストと右マストによって構成され、前記左マストと前記右マストは、前記伸縮ブームの背面側に突出する角度に回動された前記第一の姿勢と、前記伸縮ブームの腹面側に突出し、前記左マストと前記右マストの各先端部が地面に接地される角度に回動された姿勢である前記第二の姿勢と、をそれぞれ切り替え可能としたことを特徴とする。
このような構成によれば、左右一対のマストからなる撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、安定性能を確保することができる。
また、本発明に係る移動式クレーンは、前記右マストと前記左マストを、前記伸縮ブームの起立時において、前記伸縮ブームの起立角度に応じて、伸長させるとともに、前記第一の姿勢から前記第二の姿勢に遷移する際の回動方向へ前記軸回りに回動させ、かつ、前記伸縮ブームの倒伏時において、前記伸縮ブームの倒伏角度に応じて、短縮させるとともに、前記第二の姿勢から前記第一の姿勢に遷移する際の回動方向へ前記軸回りに回動させることを特徴とする。
このような構成によれば、マストを第二の姿勢で使用するときにおいて、マストにかかる曲げ力を低減させることができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係る移動式クレーンによれば、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンにおいて、マストを伸縮ブームのアウトリガとして用いることができる。これにより、撓み抑制装置を備えた移動式クレーンの安定性能を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る移動式クレーンの全体構成(マストを撓み抑制装置として使用する状態)を示す斜視模式図。 本発明の一実施形態に係る移動式クレーンの全体構成(マストを撓み抑制装置として使用する状態)を示す模式図。 本発明の一実施形態に係る移動式クレーンの全体構成(マストをアウトリガとして使用する状態)を示す模式図。 マスト(左右一対のマストで構成する場合)の回動状況を示す模式図。 別実施形態に係るマストの回動状況を示す模式図。 伸縮ブームの起伏操作状況(マストをアウトリガとして使用する場合)を示す模式図。 伸縮ブームを起立操作したときのマストの動作状況を示す模式図。 伸縮ブームを倒伏操作したときのマストの動作状況を示す模式図。 マスト(一本のマストで構成する場合)の回動状況を示す模式図、(A)伸縮ブームの背面側から見た模式図、(B)伸縮ブームの軸方向から見た模式図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る移動式クレーンの全体構成について、図1および図2を用いて説明する。
図1に示す如く、移動式クレーン1は、本発明の一実施形態に係る移動式クレーンであり、所望の場所に移動可能に構成されている。
移動式クレーン1は、走行車両10と、クレーン装置20を備えている。
走行車両10は、クレーン装置20を搬送するものであり、複数(本実施形態では左右合計12個)の車輪11・11・・・を有し、エンジン(図示せず)を動力源として走行する。
走行車両10の四方角部には、アウトリガ12・12・12・12が設けられている。アウトリガ12は、走行車両10の幅方向両側に油圧によって延伸可能な張り出しビーム12aと地面に垂直な方向に延伸可能な油圧式のジャッキシリンダ12bとから構成されている。そして、走行車両10は、ジャッキシリンダ12bを接地させることにより、移動式クレーン1を作業可能な状態とすることができ、張り出しビーム12aの延伸長さを大きくすることにより、移動式クレーン1の作業可能範囲(作業半径)を広げることができる。
クレーン装置20は、搬送物W(図2参照)をワイヤロープによって吊り上げる作業機であり、旋回台21、伸縮ブーム22、起伏シリンダ23等を備えている。尚、説明の便宜上、図1での図示を割愛しているが、クレーン装置20には、フックブロック(メインおよびサブ)、ウインチ(メインおよびサブ)、ワイヤロープ(メインおよびサブ)等がさらに備えられている。
旋回台21は、クレーン装置20を旋回可能に構成するものであり、円環状の軸受を介して走行車両10のフレーム上に設けられる。円環状の軸受は、その回転中心が走行車両10の設置面に対して垂直になるように配置されている。旋回台21は、円環状の軸受の中心を回転中心として一方向と他方向とに回転自在に構成されている。また、旋回台21は、油圧式の旋回モータによって回転される。
伸縮ブーム22は、搬送物を吊り上げ可能な状態にワイヤロープを支持するものである。伸縮ブーム22は、複数のブーム部材であるベースブーム部材22a、セカンドブーム部材22b、サードブーム部材22c、トップブーム部材22dから構成されている。また、伸縮ブーム22は、トップブーム部材22dの先端部において、図示しないシーブ等を備えたトップ部材22eを備えている。各ブーム部材は、断面積の大きさの順に入れ子式に挿入されている。伸縮ブーム22は、各ブーム部材を伸縮シリンダで移動させることで軸方向に伸縮自在に構成されている。
伸縮ブーム22は、ベースブーム部材22aの基端部が旋回台21上において、起伏方向に揺動可能に軸支されている。これにより、伸縮ブーム22は、走行車両10のフレーム上で水平回転可能かつ起伏方向に揺動自在に構成されている。尚、以下では、ベースブーム部材22aの起伏方向における走行車両10から遠い側の面を背面Xと呼び、起伏方向における走行車両10に近い側の面を腹面Yと呼ぶ。
起伏シリンダ23は、伸縮ブーム22を起立および倒伏させ、伸縮ブーム22の姿勢を保持するものである。起伏シリンダ23はシリンダ部とロッド部とからなる油圧シリンダから構成されている。
図2に示す如く、フックブロック24は、搬送物Wを引掛けて吊り下げるためのものであり、ワイヤロープ25が巻き掛けられる複数のフックシーブと、搬送物Wを吊るフック26が設けられている。
このように構成される移動式クレーン1は、走行車両10を走行させることで、任意の位置にクレーン装置20を移動させることができ、また、起伏シリンダ23で伸縮ブーム22を任意の起伏角度に起立させることができるとともに、伸縮ブーム22を任意のブーム長さに延伸させることができる。
移動式クレーン1は、図1および図2に示すように、さらに、マスト30、緊張ロープ40、ヒンジ機構50を備えている。
マスト30は、ベースブーム部材22aの背面Xの長手方向における中間部分に配置されている。尚、マスト30の配置位置はベースブーム部材22aの長手方向における中間部分に限られることなく、その長手方向の基端から先端に至るどの部分であってもよく、あるいは、ベースブーム部材22aの腹面Y側に配置する構成としてもよい。
マスト30は、左右一対の左マスト31と右マスト32から構成されている。
左右の各マスト31・32は、柱状部材によって構成されており、いずれもベースブーム部材22aの背面Xにヒンジ機構50を介して付設されている。そして、各マスト31・32には、同柱状部材の内部に油圧シリンダ33を内蔵しており、油圧シリンダ33の先端部に滑車34を設けている。
そして、移動式クレーン1では、左右の各マスト31・32を「撓み抑制装置」を構成する「緊張マスト」として使用するときには、ヒンジ機構50によって、ベースブーム部材22aの背面X側に突出させた第一の姿勢である「撓み抑制姿勢」をとる角度に回動させる。
緊張ロープ40は、左右一対の左ロープ41と右ロープ42から構成されている。
左右の各ロープ41・42は、ベースブーム部材22aの基部に設けた左右一対のウインチ43・43から繰り出され、「撓み抑制姿勢」をとる各マスト31・32の先端部に配置された各滑車34・34を介して伸縮ブーム22の先端部(トップ部材22e)に向けて延ばされる。
伸縮ブーム22の先端部(トップ部材22e)には、フック(図示せず)が配置されており、各ロープ41・42の先端を係止することができるように構成されている。
「撓み抑制装置」を用いるときには、左右の各ウインチ43・43の動作を制御して、左右の各ロープ41・42の長さを伸縮ブーム22の長さに合わせて調整するとともに、ベースブーム部材22aの背面Xと左右の各マスト31・32の先端部の滑車34・34との距離を、油圧シリンダ33・33の伸縮動作で調整することによって、必要な張力を得る。
移動式クレーン1では、伸縮ブーム22を倒伏状態としたときには縦撓みが顕著になり、起立状態としたときには横撓みが生じやすい。
このため、移動式クレーン1では、伸縮ブーム22を倒伏させたときには、左右の各ロープ41・42の張力により、伸縮ブーム22の縦撓みを抑制することができ、伸縮ブーム22を起立させたときには、伸縮ブーム22の横撓みが生じたときに、横撓みへの抵抗力を大きくするように各ロープ41・42の張力を調整することによって、伸縮ブーム22の横撓みを抑制することができる。
即ち、移動式クレーン1は、マスト30、緊張ロープ40等によって「撓み抑制装置」を構成することによって、伸縮ブーム22の「強度性能」の向上を図ることができる。
次に、移動式クレーン1におけるマスト30の別の機能について、説明する。
図3に示す如く、移動式クレーン1では、マスト30を、伸縮ブーム22を地面から支える「アウトリガ」として使用することができる。
移動式クレーン1では、左右の各マスト31・32を「アウトリガ」として使用するときには、ヒンジ機構50によって、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出させた第二の姿勢である「アウトリガ姿勢」をとる角度に回動させる。
ここで、ヒンジ機構50について、説明する。
図1に示す如く、左右の各マスト31・32は、伸縮ブーム22(ベースブーム部材22a)の背面Xに対して、ヒンジ機構50を介して付設されている。ヒンジ機構50は、左右一対の左ヒンジ部51と右ヒンジ部52によって構成されている。
図4に示す如く、左ヒンジ部51は、左マスト31を回動可能に軸支する左回動軸51aを備えている。左回動軸51aは、ベースブーム部材22aの外形より外側に設けたフレーム22fに対して、回動可能に軸支されており、ベースブーム部材22aの外側に軸心が配置されている。尚、図1に示すように左回動軸51aは、軸心方向をベースブーム部材22aの長さ方向に対して略平行としている。
このような構成によって、左マスト31は、左回動軸51aを軸心として回動可能に構成され、左マスト31が、ベースブーム部材22aの背面X側に突出する姿勢となる角度から、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出する姿勢となる角度に至る範囲で回動可能としている。
左マスト31とフレーム22fは、左油圧シリンダ54によって連結されており、左マスト31と左油圧シリンダ54の一端部54aがピン接合され、フレーム22fと左油圧シリンダ54の他端部54bがピン接合されることで、左マスト31、フレーム22f、左油圧シリンダ54によってリンク機構を構成している。
このような構成により、左マスト31は、左油圧シリンダ54の伸縮動作によって回動され、左油圧シリンダ54が最長に伸張されているときには「撓み抑制姿勢」をとり、左油圧シリンダ54が最短に縮小されているときには「アウトリガ姿勢」をとるように構成されている。
一方、右ヒンジ部52は、右マスト32を回動可能に軸支する右回動軸52aを備えている。右回動軸52aは、ベースブーム部材22aの外形より外側に設けたフレーム22fに対して、回動可能に軸支されており、ベースブーム部材22aの外側に軸心が配置されている。尚、図1に示すように、右回動軸52aは、軸心方向をベースブーム部材22aの長さ方向に対して略平行としている。
このような構成によって、右マスト32は、右回動軸52aを軸心として回動可能に構成され、右マスト32が、ベースブーム部材22aの背面X側に突出する姿勢となる角度から、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出する姿勢となる角度に至る範囲で回動可能としている。
右マスト32とフレーム22fは、右油圧シリンダ55によって連結されており、右マスト32と右油圧シリンダ55の一端部55aがピン接合され、フレーム22fと右油圧シリンダ55の他端部55bがピン接合され、リンク機構を構成している。
このような構成により、右マスト32は、右油圧シリンダ55の伸縮動作によって回動され、右油圧シリンダ55が最長に伸張されているときには「撓み抑制姿勢」をとり、右油圧シリンダ55が最短に縮小されているときには「アウトリガ姿勢」をとるように構成されている。
尚、ヒンジ機構50の構成は、本実施形態で示した構成には限定されず、左右の各マスト31・32を、背面X側に突出した「撓み抑制姿勢」をとる角度から、腹面Y側に突出した「アウトリガ姿勢」をとる角度まで回動可能に支持する構成であればよく、種々の構成を採用し得る。
また、図4に示したヒンジ機構50では、各回動軸51a・52aをベースブーム部材22aの背面X側に配置した場合を例示しているが、図5に示すように、各回動軸51a・52aをベースブーム部材22aの腹面Y側に配置する構成としてもよい。
図5に示すヒンジ機構50では、各マスト31・32は、右油圧シリンダ55が最短に縮小されているときには「撓み抑制姿勢」をとり、右油圧シリンダ55が最長に伸張されているときには「アウトリガ姿勢」をとる。
そして、左右の各マスト31・32は、各油圧シリンダ54・55を同期させて伸縮動作させることによって、ベースブーム部材22aから背面X側に突出した第一の姿勢である「撓み抑制姿勢」と、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出した第二の姿勢である「アウトリガ姿勢」と、を切り替えることができるように構成されている。
即ち、本発明の一実施形態に係る移動式クレーン1において、マスト30は、左マスト31と右マスト32によって構成され、左マスト31と右マスト32は、伸縮ブーム22に対して、該伸縮ブーム22の長手方向に略平行な軸(即ち、各回動軸51a・52a)回りにそれぞれ回動可能に連結されており、伸縮ブーム22の背面X側に突出する角度に回動された姿勢である、伸縮ブーム22の撓みを抑制する第一の「撓み抑制姿勢」と、伸縮ブーム22の腹面Y側に突出し、左マスト31と右マスト32の各先端部が地面に接地される角度に回動された姿勢である第二の「アウトリガ姿勢」と、をそれぞれ切り替え可能としたものである。
このような構成によれば、左右一対の各マスト31・32からなる「撓み抑制装置」を備えた移動式クレーン1において、各マスト31・32をアウトリガとして使用することができるため、安定性能を確保することができる。
図1に示す如く、左右の各マスト31・32の先端部には、各滑車34・34に比して大径の車輪53・53を配置しており、各車輪53・53は、各滑車34・34と同軸の軸心回りに回転可能に構成されている。
そして、図6に示す如く、各マスト31・32が「アウトリガ姿勢」をとるときには、各車輪53において、地面に接地するように構成している。尚、「アウトリガ姿勢」をとるときには、各マスト31・32の先端部と伸縮ブーム22をロッド(図示せず)で連結し、搬送物の押し出しおよび引き込み方向に各マスト31・32がずれないように補強する構成としてもよい。
移動式クレーン1は、各マスト31・32を「アウトリガ姿勢」としたときには、基本的には伸縮ブーム22の起伏動作とフック26の上下動作(ワイヤロープ25の巻き取りおよび巻き出し)の動作のみを行う構成としている。
尚、「アウトリガ姿勢」で左右の各マスト31・32を使用しているときに、旋回台21の旋回動作を行う場合には、伸縮ブーム22を起こして搬送物Wを安定領域まで引き込んだ後に、地面から各マスト31・32を一旦浮かせて、その後旋回動作を行う。
そして、図6に示すように、「アウトリガ姿勢」で伸縮ブーム22の起伏操作を行うときには、その起伏操作に同期させて、油圧シリンダ33の伸縮動作を行う。即ち、伸縮ブーム22の起立操作を行うときに油圧シリンダ33を伸張動作させて、伸縮ブーム22の倒伏操作を行うときに油圧シリンダ33を縮小動作させることによって、各マスト31・32の接地状態を保持する構成としている。尚、各マスト31・32は、車輪53・53を介して接地されているため、伸縮ブーム22の起伏動作の際に、各マスト31・32をスムーズに(引きずることなく)移動させることができる。
また、移動式クレーン1では、各マスト31・32を常に接地させておくために、伸縮ブーム22の起伏動作に合わせて、各マスト31・32(油圧シリンダ33)を伸縮動作させるときに、さらに、各マスト31・32の長さに応じて、各マスト31・32の各回動軸51a・52a回りの角度を変化させるようにしている。より詳しくは、移動式クレーン1では、「アウトリガ姿勢」で伸縮ブーム22の起伏操作を行うときには、左右の各マスト31・32の長さに応じて、左右の各油圧シリンダ54・55の長さを変化させるようにしている。これにより、移動式クレーン1では、「アウトリガ姿勢」において各マスト31・32を接地させながら伸縮ブーム22の起伏動作を行うときに、各マスト31・32の接地位置の間隔を一定に保持することができ、ひいては、各マスト31・32を「アウトリガ姿勢」で使用するときにおいて、各マスト31・32にかかる曲げ力を低減することができる。
例えば、図7上図に示す伸縮ブーム22を、図7中図に示すように倒伏させた場合、車輪53・53が接地するように各マスト31・32の油圧シリンダ33・33を短縮させただけでは、各車輪53・53は、車輪53・53同士の距離が小さくなる方向に変位する。このような変位は、各マスト31・32に曲げ力がかかる要因となる。
そこで、移動式クレーン1では、図7下図に示すように、伸縮ブーム22を倒伏させる場合には、車輪53・53が接地するように各マスト31・32の油圧シリンダ33・33を短縮させるとともに、油圧シリンダ33・33の短縮量に応じて、ヒンジ機構50の各油圧シリンダ54・55を伸長させることによって、各マスト31・32を各回動軸51a・52a回りに回動させる構成としている。
このような構成の移動式クレーン1では、図7下図に示すように、伸縮ブーム22の倒伏動作の前後において、各マスト31・32の接地位置の間隔を一定に保持することができる。尚、移動式クレーン1において、伸縮ブーム22を倒伏させるときには、各マスト31・32は、各マスト31・32の成す角度が拡大される方向に回動される。このときの各マスト31・32の回動方向は、「アウトリガ姿勢」から「撓み抑制姿勢」に遷移する際の回動方向にそれぞれ一致している。
さらに、例えば、図8上図に示す伸縮ブーム22を、図8中図に示すように起立させた場合、車輪53・53が接地するように各マスト31・32の油圧シリンダ33・33を伸長させただけでは、各車輪53・53は、車輪53・53同士の距離が大きくなる方向に変位する。このような変位は、各マスト31・32に曲げ力がかかる要因となる。
そこで、移動式クレーン1では、図8下図に示すように、伸縮ブーム22を起立させる場合には、車輪53・53が接地するように各マスト31・32の油圧シリンダ33・33を伸長させるとともに、油圧シリンダ33・33の伸長量に応じて、ヒンジ機構50の各油圧シリンダ54・55を短縮させることによって、各マスト31・32を各回動軸51a・52a回りに回動させる構成としている。
このような構成の移動式クレーン1では、図8下図に示すように、伸縮ブーム22の起立動作の前後において、各マスト31・32の接地位置の間隔を一定に保持することができる。尚、移動式クレーン1において、伸縮ブーム22を起立させるときには、各マスト31・32は、各マスト31・32の成す角度が縮小される方向に回動される。このときの各マスト31・32の回動方向は、「撓み抑制姿勢」から「アウトリガ姿勢」に遷移する際の回動方向にそれぞれ一致している。
即ち、移動式クレーン1において、各マスト31・32に配置した油圧シリンダ33は、「撓み抑制姿勢」では、各マスト31・32の長さを調整することで、緊張ロープ40の張力を調整する役割を果たし、「アウトリガ姿勢」では、伸縮ブーム22の起伏角度に関わらず、各マスト31・32を確実に接地させる役割を果たす。
移動式クレーン1では、伸縮ブーム22の起伏角度が小さくなる(倒伏状態となる)と、移動式クレーン1を転倒させる方向に作用するモーメントが増大し、「安定性能」が低下した状態となる。
移動式クレーン1では、「アウトリガ姿勢」とした各マスト31・32によって、伸縮ブーム22を地面から支持することによって、伸縮ブーム22が倒伏状態となったときに作用する転倒方向へのモーメントに、各マスト31・32で抗することで「安定性能」の確保を可能にしている。
即ち、本発明の一実施形態に係る移動式クレーン1は、マスト30(左右の各マスト31・32)を、長さ方向に対して伸縮可能としたものである。
このような構成の移動式クレーン1では、マスト30を確実に地面に接地させることができる。これにより、「撓み抑制装置」を備えた移動式クレーン1において、「強度性能」のみならず、「安定性能」を確実に確保することができる。
また、本発明の一実施形態に係る移動式クレーン1は、マスト30を、伸縮ブーム22の起立操作に連動して伸長させ、かつ、伸縮ブーム22の倒伏操作に連動して短縮させるものである。
このような構成によれば、マスト30をより確実に地面に接地させることができる。これにより、「撓み抑制装置」を備えた移動式クレーン1において、安定性能をより確実に確保することができる。
尚、本実施形態では、移動式クレーン1において備えるマスト30が、左右一対の各マスト31・32によって構成される場合を例示したが、一本のマストで「アウトリガ機能」を果たす構成としてもよい。
図9(A)(B)に示す如く、別実施形態に係るマスト30は、一本のマスト35によって構成されており、マスト35用のヒンジ機構50を構成するヒンジ部56に固定されている。一本のマスト35は、伸縮ブーム22の縦撓みの抑制に有効である。
ヒンジ部56は、ベースブーム部材22aに対してマスト35を回動可能に軸支する回動軸56aを備えており、回動軸56aは、軸心方向をベースブーム部材22aの長さ方向に対して略平行である。
このような構成により、一本のマスト35は、ヒンジ部56によって支持されることで、ベースブーム部材22aの背面X側に突出する角度から、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出する角度に至る範囲で回動可能となっている。
即ち、本発明の一実施形態に係る移動式クレーン1は、走行車両10と、走行車両10に対して起伏可能に取付けられた伸縮ブーム22と、伸縮ブーム22のベースブーム部材22aに立設されるマスト30もしくはマスト35と、マスト30もしくはマスト35を介して、伸縮ブーム22の基端部と先端部との間に張設された緊張ロープ40と、を備えるものであって、マスト30およびマスト35は、ベースブーム部材22aに対して、該ベースブーム部材22aの長手方向に略平行な軸(各回動軸51a・52aおよび回動軸56a)回りに回動可能に連結されており、ベースブーム部材22aの背面X側に突出する角度に回動された姿勢である、伸縮ブーム22の撓みを抑制する「撓み抑制姿勢」と、ベースブーム部材22aの腹面Y側に突出し、マスト30の先端部の車輪53が地面に接地される角度に回動された「アウトリガ姿勢」と、を切り替え可能としたものである。
このような構成によれば、「撓み抑制装置」を備えた移動式クレーン1において、マスト30およびマスト35を伸縮ブーム22のアウトリガとして用いることができる。これにより、「撓み抑制装置」を備えた移動式クレーン1に「アウトリガ機能」を付与して、安定性能を確保することができる。
尚、本実施形態で示した移動式クレーン1では、「強度性能」が優先される使用状況では、マスト30を「撓み抑制装置」を構成する緊張マストとして従来通り利用することが可能であるため、「強度性能」を確保することができる。
また、本実施形態で示した移動式クレーン1では、従来緊張マストとして使用されていたマスト30を利用して「安定性能」の向上を図っているため、例えば、伸縮ブーム22の腹面Yに新たにアウトリガを追加する構成に比して、移動式クレーン1の重量抑制およびコスト抑制の面で有利である。
1 移動式クレーン
10 走行車両
22 伸縮ブーム
22a ベースブーム部材
30 マスト
31 左マスト
32 右マスト
40 緊張ロープ
50 ヒンジ機構
51a 回動軸
52a 回動軸
X (ベースブーム部材の)背面
Y (ベースブーム部材の)腹面

Claims (5)

  1. 走行車両と、
    前記走行車両に対して起伏可能に取付けられた伸縮ブームと、
    前記伸縮ブームに立設されるマストと、
    前記マストを介して、前記伸縮ブームの基端部と先端部との間に張設された緊張ロープと、を備える移動式クレーンであって、
    前記マストは、
    前記伸縮ブームの長手方向に略平行な軸回りに回動可能に連結されており、
    前記伸縮ブームの背面側に突出する角度に回動された姿勢である、前記伸縮ブームの撓みを抑制する第一の姿勢と、
    前記伸縮ブームの腹面側に突出し、前記マストの先端部が地面に接地される角度に回動された姿勢である第二の姿勢と、
    を切り替え可能とした、
    ことを特徴とする移動式クレーン。
  2. 前記マストを、
    長さ方向に対して伸縮可能とした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーン。
  3. 前記マストを、
    前記伸縮ブームの起立時において、前記伸縮ブームの起立角度に応じて伸長させ、かつ、前記伸縮ブームの倒伏時において、前記伸縮ブームの倒伏角度に応じて短縮させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の移動式クレーン。
  4. 前記マストは、
    左マストと右マストによって構成され、
    前記左マストと前記右マストは、
    前記伸縮ブームの背面側に突出する角度に回動された前記第一の姿勢と、
    前記伸縮ブームの腹面側に突出し、前記左マストと前記右マストの各先端部が地面に接地される角度に回動された姿勢である前記第二の姿勢と、
    をそれぞれ切り替え可能とした、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の移動式クレーン。
  5. 前記右マストと前記左マストを、
    前記伸縮ブームの起立時において、前記伸縮ブームの起立角度に応じて、伸長させるとともに、前記第一の姿勢から前記第二の姿勢に遷移する際の回動方向へ前記軸回りに回動させ、かつ、前記伸縮ブームの倒伏時において、前記伸縮ブームの倒伏角度に応じて、短縮させるとともに、前記第二の姿勢から前記第一の姿勢に遷移する際の回動方向へ前記軸回りに回動させる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の移動式クレーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116553398A (zh) * 2023-05-13 2023-08-08 杭州贝特设备制造有限公司 一种起吊装置及其控制方法

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