JP2008014823A - 欠陥検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査対象となる球面上に形成されたキズ、クラックなどの欠陥の大きさが小さい場合であっても高精度に検出することができる欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】欠陥検出装置は、ワークWKからの反射光をフーリエ変換するフーリエ変換レンズ25と、フーリエ変換された反射光のうち正反射光DRを遮光して散乱光SLを抽出する空間フィルタ26とを備えている。空間フィルタ26は、フーリエ変換レンズ25のフーリエ変換面に配置されるとともに、集光された正反射光DRの光束径に応じた大きさの遮光部26bを備えている。レーザ光源21から出射されワークWKによって反射された反射光は、フーリエ変換レンズ25によってフーリエ変換されて空間フィルタ26に導かれる。空間フィルタ26は、正反射光DRを遮光部26bにて遮光するとともに散乱光SLをCCDカメラ29に導く。
【選択図】 図1
【解決手段】欠陥検出装置は、ワークWKからの反射光をフーリエ変換するフーリエ変換レンズ25と、フーリエ変換された反射光のうち正反射光DRを遮光して散乱光SLを抽出する空間フィルタ26とを備えている。空間フィルタ26は、フーリエ変換レンズ25のフーリエ変換面に配置されるとともに、集光された正反射光DRの光束径に応じた大きさの遮光部26bを備えている。レーザ光源21から出射されワークWKによって反射された反射光は、フーリエ変換レンズ25によってフーリエ変換されて空間フィルタ26に導かれる。空間フィルタ26は、正反射光DRを遮光部26bにて遮光するとともに散乱光SLをCCDカメラ29に導く。
【選択図】 図1
Description
本発明は、検査対象となる球面上に形成されたキズ、クラックなどの欠陥を光学的に検出する欠陥検出装置に関する。
従来から、検査対象となる球面にレーザ光を照射して、同球面からの反射光を用いて球面上に形成されたキズ、クラックなどの欠陥を光学的に検出する欠陥検出装置が知られている。例えば、下記特許文献1に記載の欠陥検出装置においては、検査対象となる球面にレーザ光を照射するとともに、同球面からの反射光を矩形状のスリットを介して受光素子に導いている。そして、受光素子によって受光される反射光の光量の変化によって球面上における欠陥の有無が判定される。具体的には、球面上における欠陥部分にレーザ光が照射された場合、同欠陥部分による散乱光により干渉縞が生じる。このため受光素子の受光面における前記スリットにて制限された領域に前記干渉縞の一部が位置すると、受光素子によって受光される反射光の受光量が減少する。この受光量の変化を用いて球面上における欠陥の有無が判定される。
特開平07−333157号公報
しかしながら、このような欠陥検出装置においては、欠陥の無い面からの反射光が非常に大きいため、受光量の変化が小さい場合、すなわち欠陥の大きさが小さい場合には欠陥の検出が困難となり、欠陥の検出精度が悪いという問題がある。また、本発明者による実験によれば、検査対象となる球面にレーザ光を照射して同球面からの反射光をCCDカメラなどにより撮像し、同撮像した画像を拡大表示して目視により欠陥の有無を判定しようとしても、上記と同様に、欠陥の無い面からの反射光が大きいため小さな欠陥の発見が困難であった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、検査対象となる球面上に形成されたキズ、クラックなどの欠陥の大きさが小さい場合であっても高精度に検出することができる欠陥検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、検査対象となる球面にレーザ光を照射するレーザ光源部と、レーザ光源部から出射されたレーザ光を入射して平行光にするコリメーティングレンズと、コリメーティングレンズにより平行光にされたレーザ光を透過または反射させて前記球面に導くとともに、同球面からの反射光を反射または透過させるビームスプリッタと、前記球面に照射されるレーザ光の光束が同球面に対して略垂直に入射するように配置され、ビームスプリッタによって前記球面に導かれるレーザ光を前記球面に向けて集光する対物レンズと、ビームスプリッタによって導かれる前記球面からの反射光を集光する集光レンズと、集光レンズによって集光された前記反射光を受光して受光量に応じた電気信号を出力する受光器とを有するレーザ光照射受光装置を備え、受光器から出力される電気信号に基づいて前記球面上の欠陥を検出する欠陥検出装置において、レーザ光照射受光装置内に、前記球面からの反射光のうち、欠陥のない面からの反射光を減衰または除去して、前記球面上における欠陥からの反射光を抽出する欠陥反射光抽出手段を備えたことにある。
上記欠陥検出装置において、前記球面上における欠陥からの反射光が、前記欠陥にレーザ光が照射されることにより生じる散乱光である場合には、前記欠陥反射光抽出手段を、例えば、前記球面からの反射光をフーリエ変換するフーリエ変換レンズと、フーリエ変換レンズによってフーリエ変換された反射光から前記欠陥のない面からの反射光を減衰または除去する空間フィルタとで構成するとよい。また、上記欠陥検出装置において、前記対物レンズは、前記球面の曲率中心に焦点が位置するように配置するとよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、球面からの反射光のうち、同球面における欠陥のない部分からの反射光を減衰または除去して、球面における欠陥の部分からの反射光を受光器に導いている。このため、受光器によって受光される反射光のうち、前記球面における欠陥部分からの反射光の割合が従来例に比べて大きくなる。この結果、球面に形成された欠陥の大きさが小さい場合であっても高精度に同欠陥を検出することができる。
また、本発明の他の特徴は、上記欠陥検出装置において、前記レーザ光源部は、互いに異なる複数の波長のレーザ光を出力するために、1つまたは複数のレーザ光源を備えたことにある。これによれば、欠陥に照射される1つの波長のレーザ光による反射光が、球面に形成されている欠陥の形状または欠陥に照射されるレーザ光の向きによって減衰する場合であっても、他の波長のレーザ光による反射光が受光器に導かれる。このため、1つの波長のレーザ光を球面に照射する場合に比べて、より高精度に欠陥の検出が行えるようになる。
また、本発明の他の特徴は、上記欠陥検出装置において、前記球面における互いに異なる複数の位置に同時にレーザ光を照射するために、レーザ光照射受光装置を前記複数の位置の数に応じて備えたことにある。これによれば、球面に照射されるレーザ光の照射領域がレーザ光照射受光装置の数に応じて増加するため、効率的に欠陥の検出が行える。
また、本発明の他の特徴は、上記欠陥検出装置において、さらに、前記球面の曲率中心を含む軸線回りに、前記球面を回転させる球面回転手段を備えたことにある。これによれば、球面を有する検査対象物が、例えば球体である場合、同球体を球面の曲率中心を含む軸線回りに回転させることにより効率的に欠陥の検出が行える。
以下、本発明に係る欠陥検出装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、球面上に形成されたキズ、クラックなどの欠陥を検出する欠陥検出装置の全体概略図である。この欠陥検出装置は、検査対象である球体状に形成されたワークWKを支持するワーク支持装置10と、ワーク支持装置10に支持されるワークWKにレーザ光を照射するとともに、同ワークWKからの反射光を受光するレーザ光照射受光装置20とを備えている。
ワーク支持装置10は、ワークWKを支持する支持リング11を備えている。支持リング11は、ワークWKの直径よりも小径な孔部を有するリング状の部材である。孔部の内周面は、ワークWKの球面と同一な球面に形成されており、ワークWKが嵌まり込むことによりワークWKを摺動可能な状態で支持する。この支持リング11は、支持柱12を介して基台13上に水平に支持されている。基台13は、板状に形成されており、その上面に前記支持リング11のほかに、モータ14および軸受け15を備えている。モータ14は、水平方向に延びる回転軸16を回転させるための電動モータであり、後述するコントローラ30によってその回転が制御される。
回転軸16は、前記支持リング11の下方に設けられており、その一端がモータ14に接続されているとともに、他端が軸受け15に回転可能な状態で支持されている。回転軸16には、支持リング11によって支持されたワークWKの底部と接触するローラ17が設けられている。ローラ17は、円柱状に形成されており、回転軸16の回転とともに同方向に回転する。ローラ17の表面は、摩擦係数が大きく、かつ弾力性のある材料(例えば、ゴム材)によって形成されている。したがって、ローラ17と接触するワークWKは、ローラ17の回転によりローラ17の回転方向とは逆方向に回転する。
ワーク支持装置10の上方には、レーザ光照射受光装置20が設けられている。レーザ光照射受光装置20は、レーザ光源21を備えている。レーザ光源21は、半導体レーザで構成されており、コントローラ30により制御されて所定の波長(例えば、405nm)、かつ円偏光の偏光方向を有するレーザ光を出射する。このレーザ光源21とワークWKとの間には、コリメーティングレンズ22、ビームスプリッタ23および対物レンズ24が設けられている。コリメーティングレンズ22は、レーザ光源21から出射されたレーザ光(発散光)を平行光に変換する光学素子である。ビームスプリッタ23は、入射したレーザ光の一部を透過させるとともに、他の一部を入射方向に直交する方向に反射させる光学素子である。具体的には、レーザ光源21から出射されたレーザ光を入射して、入射方向に直交する方向(図示下側)に反射して対物レンズ24を介してワークWKに導くとともに、同ワークWKからの反射光を透過させて後述するCCDカメラ29に導く。
対物レンズ24は、ビームスプリッタ23によって反射されたレーザ光を入射して、ワークWKに向けて集光する。この対物レンズ24におけるワークWK側の焦点は、ワーク支持装置10によって支持されるワークWKの中心に位置するように配置されている。すなわち、対物レンズ24によって集光されるレーザ光の光束がワークWKの球面に対して直交するように配置されている。ビームスプリッタ23とCCDカメラ29との間には、フーリエ変換レンズ25、空間フィルタ26、リレーレンズ27および集光レンズ28が設けられている。フーリエ変換レンズ25は、ワークWKからの反射光を光学的にフーリエ変換することで、レーザ光の光軸に平行な光をフーリエ変換面にてレーザ光の光軸上の点に集光し、これ以外の光をフーリエ変換面にてレーザ光の光軸上の点以外の点に集光する。
空間フィルタ26は、フーリエ変換レンズ25のフーリエ変換面に配置され、ワークWKからの反射光のうち、レーザ光の光軸に平行な光であるワークWKの表面における欠陥の無い部分からの反射光(以下、「正反射光DR」という)を遮光するとともに、ワークWKの表面における欠陥の部分からの反射光(以下、「散乱光SL」という)を透過させて集光レンズ27に導く。この空間フィルタ26は、具体的には、図2に示すように、光透過性を有する薄板材の上面を、光を透過させる部分である透過部26aを環状に残した状態で、その他の部分、具体的には透過部26aの内側および外側を光透過性を有しない材料によって覆ったものである。すなわち、透過部26aが前記散乱光SLを透過させる部分であり、透過部26aの内側に形成された光を遮る部分である遮光部26bが前記正反射光DRを遮光する部分である。これらの透過部26aおよび遮光部26bの各直径の設定は後述する。リレーレンズ27は、空間フィルタ26を透過した反射光、具体的には散乱光SLを光学的に逆フーリエ変換するレンズである。図1では正反射光DRもリレーレンズ27に入射するように描かれているが、これは光路をわかりやすくするため正反射光DRが空間フィルタ26を透過した場合の光路を描いており、実際は正反射光DRは空間フィルタ26により遮光されるため、リレーレンズ27に入射するのは散乱光SLのみである。
集光レンズ28は、リレーレンズ27で光学的に逆フーリエ変換された反射光、具体的には散乱光SLをCCDカメラ29の撮像面に集光する光学レンズである。CCDカメラ29は、集光レンズ28によって集光された散乱光SLを受光して受光量に応じた電気信号をモニタ装置31に出力する撮像器である。モニタ装置31は、液晶ディスプレイまたはCRTにより構成されており、CCDカメラ29によって受光された受光像を表示する。
コントローラ30は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等からなり、キーボード、マウス等からなる入力装置32を介して入力される作業者からの指示に従って、モータ14、レーザ光源21およびCCDカメラ29の作動をそれぞれ制御する。このコントローラ30には、モニタ装置31も接続されており、モータ14、レーザ光源21およびCCDカメラ29の各作動状態が表示される。
このように構成された欠陥検出装置を使用するに際しては、ワーク支持装置10における支持リング11内に検査対象となるワークWKをセットして、欠陥検出装置の図示しない電源を投入する。この場合、レーザ光照射受光装置20の対物レンズ24の位置は、ワーク支持機構10にセットされるワークWKの中心に対物レンズ24の焦点が位置するように予め調整されている。次に、作業者は、入力装置32を操作してコントローラ30に対してレーザ光源21およびCCDカメラ29の作動の開始を指示する。
この指示に応答してコントローラ30は、レーザ光源21からレーザ光を出射させるとともに、CCDカメラ29の作動を開始させる。レーザ光源21から出射されたレーザ光(発散光)(図1において二点差線)は、コリメーティングレンズ22により平行光に変換されてビームスプリッタ23に導かれる。ビームスプリッタ23に導かれたレーザ光の一部は、入射方向に直交する方向(図示下側)に反射され対物レンズ24に導かれる。対物レンズ24に導かれたレーザ光は、ワークWKに向けて集光される。ワークWKに照射されたレーザ光は、ワークWKの表面にて反射され反射光として対物レンズ24に導かれる。この場合、ワークWKに照射されるレーザ光は、その光束がワークWKの表面に対して垂直に入射する。このため、ワークWKに照射されるレーザ光のうち、ワークWKの表面における欠陥のない部分に照射されたレーザ光は、入射光路をそのまま逆進して正反射光DRとして対物レンズ24に導かれる。一方、ワークWKに照射されるレーザ光のうち、ワークWKの表面における欠陥のある部分に照射されたレーザ光は、同欠陥によって散乱し散乱光SLとして入射光路とは異なる光路を介して対物レンズ24に導かれる。
対物レンズ24に導かれたワークWKからの正反射光DRおよび散乱光SLは、その一部がビームスプリッタ23を透過してフーリエ変換レンズ25に導かれる。フーリエ変換レンズ25に導かれた正反射光DRおよび散乱光SLは、フーリエ変換されて空間フィルタ26に導かれる。空間フィルタ26は、入射した反射光のうち、ワークWKの表面における欠陥の部分からの反射光、すなわち散乱光SLのみを透過させる。この場合、ワークWKからの反射光のうち、ワークWKの表面における欠陥のない部分(表面形状の変化が少ない滑らかな形状)からの反射光である正反射光DRの空間周波数は極めて低い(「0」に近い)。一方、ワークWKの表面における欠陥の部分(表面形状の変化が大きい凹凸の激しい形状)からの反射光である散乱光SLの空間周波数は欠陥の形状に応じて正反射光DRの空間周波数に比べて高い。
このため、フーリエ変換面に配置された空間フィルタ26においては、正反射光DRは集光し、散乱光SLは空間周波数に応じて拡散する。すなわち、ワークWKからの反射光は、この空間周波数の違いにより互いに異なる位置に集光する。したがって、正反射光DRの集光位置に、正反射光DRの集光光束に対応する大きさの遮光部26bを設けて同正反射光DRを遮光すれば、散乱光SLのみを抽出することができる。換言すれば、この空間フィルタ26は、空間周波数におけるハイパスフィルタの機能を有する。
なお、空間フィルタ26の遮光部26bの大きさは、透過させる空間周波数の大きさによって設定される。すなわち、ワークWKの表面における欠陥の形状のうち、許容できる欠陥の形状(すなわち、空間周波数の大きさ)に応じて遮光部26bの大きさが設定される。具体的には、形状の変化が小さい欠陥(例えば、凹み)を検出する場合には、遮光部26bの大きさを小さく設定する。この場合、空間フィルタ26を透過する反射光、具体的には正反射光DRに近い反射光の光量が増えるため、空間フィルタ26を透過する反射光における散乱光SLの割合が小さくなる。すなわち、小さな欠陥の検出が困難となる。また、形状の変化が大きい欠陥(例えば、ピンホール)を検出する場合には、遮光部26bの大きさを大きく設定する。この場合、空間フィルタ26を透過する正反射光DRおよび同正反射光DRに近い反射光の光量が減るため、空間フィルタ26を透過する反射光における散乱光SLの割合が大きくなる。すなわち、小さな欠陥の検出が容易となる。本実施形態においては、透過部26aの直径を3.6mm、遮光部26bの直径を2mmに設定している。
空間フィルタ26を透過した反射光、具体的には散乱光SLは、リレーレンズ27により逆フーリエ変換されて集光レンズ28に導かれ、集光レンズ28によってCCDカメラ29の撮像面に結像される。これにより、モニタ装置31の表示画面には、CCDカメラ29によって受光された受光像が表示される。具体的には、レーザ光の照射領域に欠陥がない場合には、ワークWKからの反射光は正反射光DRのみとなり、モニタ装置31の表示画面に表示される受光像はない。一方、レーザ光の照射領域に欠陥がある場合には、ワークWKからの反射光には散乱光SLが含まれ、モニタ装置31の表示画面に欠陥の形状に応じた受光像が表示される。この場合、ワークWKからの正反射光DRは空間フィルタ26にて遮光されるため、ワークWKの表面に存在する小さな欠陥による受光像であっても明瞭に表示される。
そして、作業者は、入力装置32を操作してコントローラ30に対してモータ14の作動を指示する。この指示に応答してコントローラ30は、モータ14を駆動させ所定の速度で回転させる。モータ14の駆動により回転軸16を介してローラ17が回転し、同ローラ17に接触するワークWKが回転を開始する。この場合、ワークWKは、ワークWKの中心を含むローラ17の回転軸と平行な軸線回りでローラ17の回転方向とは逆方向に回転する。これにより、ワークWKにおけるレーザ光が照射される領域がワークWKの回転方向に沿って連続的に変化するとともに、レーザ光が照射されている領域の受光像がモニタ装置31の表示画面に連続的に表示される。作業者は、モニタ装置31の表示画面に表示される受光像を目視にて確認しながらワークWKの表面の欠陥の有無を判定する。このため、ワークWKの回転する速度、すなわちモータ14の回転速度は、作業者がモニタ装置31に表示される受光像を確認できる程度の速度である。
作業者は、ワークWKにおける1回転分の表面の検査が終了した場合には、入力装置32を操作してコントローラ30に対してモータ14の作動停止を指示する。この指示に応答してコントローラ30は、モータ14の作動を停止させる。これにより、ワークWKの回転が停止する。作業者は、ワークWKにおける他の表面を検査する場合には、同検査する表面にレーザ光が照射される向きで、再度ワークWKをワーク支持装置10にセットして、前記と同様にして、ワークWKの欠陥の有無を判定する。このようにして、ワークWKのすべての表面に対して欠陥の有無の判定を行い、ワークWKの検査を終了する。なお、他に検査対象となるワークWKがある場合には、前記と同様にして、ワークWKをワーク支持装置10にセットして検査が行われる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ワークWKからの反射光のうち、ワークWKの表面における欠陥のない部分からの反射光である正反射光DRを空間フィルタ26によって遮光して、ワークWKの表面における欠陥の部分からの反射光である散乱光SLのみをCCDカメラ29に導いている。このため、モニタ装置31の表示画面に表示される受光像は、前記散乱光SLに基づいて形成される欠陥を表す受光像のみとなる。この結果、ワークWKの表面に形成された欠陥の大きさが小さい場合であっても容易に同欠陥を検出することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、ワークWKからの散乱光SLを受光する受光器としてCCDカメラ29を用いた。しかし、ワークWKからの散乱光SLを受光する受光器であれば、これに限定されるものではない。例えば、CCDカメラ29に代えて、受光した光の受光量を単に検出するフォトディテクタを用いてもよい。この場合、コントローラ30は、フォトディテクタによって検出される受光量を数値化してモニタ装置31に表示させるように構成してもよいし、同受光量が所定の受光量以上である場合に、欠陥を検出した旨をモニタ装置31に表示させるように構成してもよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、モータ14、回転軸16およびローラ17によりワーク支持装置20にセットされたワークWKを回転するように構成した。しかし、このようなワークWKを回転させる機構を用いなくても、作業者による手動操作によりワークWKを回転させる、またはワークWKの向きを調整することもできる。また、ワークWKの周面に沿って連続的に検査する必要がない場合には、ワークWKを回転させるための機構は不要である。すなわち、検査対象となる球面にレーザ光を照射できる構成であれば、上記実施形態と同様な効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、レーザ光源21から出射される1つの波長(405nm)のレーザ光のみをワークWKに照射するように構成した。しかし、ワークWKに照射されるレーザ光の波長によっては、ワークWKの表面に形成されている欠陥の形状または欠陥に照射されるレーザ光の向きによって散乱光SLが減衰し、十分な光量の散乱光SLがCCDカメラ29に導かれない場合がある。この場合、モニタ装置31には明瞭な受光像が表示されないため、ワークWKの欠陥の検出が困難となる。これを防止するため、互いに異なる複数の波長のレーザ光をワークWKの表面に同時に照射することが考えられる。これによれば、ワークWKに照射した複数の波長のレーザ光のうち、欠陥によって減衰しない散乱光SLを用いて欠陥の検出を行うことができる。
図3は、上記実施形態におけるレーザ光源21に加えて、互いに異なる波長(例えば、659nm,780nm)のレーザ光をそれぞれ出射するレーザ光源41,51を設けた例を示している。なお、図3においては、コントローラ30、モニタ装置31および入力装置32の各図は省略されている。この場合、レーザ光源41,51からそれぞれ出射されるレーザ光を平行光に変換するコリメーティングレンズ42,52と、コリメーティングレンズ42,52を透過したレーザ光の一部をそれぞれ入射方向に直交する方向(図示左側)に反射してビームスプリッタ23に導くとともに、レーザ光源21から出射されたレーザ光の一部を透過させてビームスプリッタ23に導くビームスプリッタ43,53とが更に設けられる。これによれば、3つの波長のレーザ光のうち、欠陥によって減衰しない散乱光SLがCCDカメラ29に導かれるようになり、モニタ装置31に明瞭に受光像を表示させることができる。この結果、1つの波長のレーザ光を照射する場合に比べて、より精度よく欠陥の検出が行えるようになる。なお、レーザ光源21,41,51に代えて、互いに異なる複数の波長のレーザ光を同時に出射する1つのレーザ光源を用いて構成してもよい。これによれば、本変形例に比べて構成を簡単にすることができる。
また、上記実施形態においては、ワークWKに対して1つの領域にレーザ光を照射してワークWKの欠陥の検出を行うように構成した。しかし、ワークWKに対して互いに異なる複数の領域に同時にレーザ光を照射するように構成してもよい。図4は、ワークWKに対して互いに異なる3つの位置に同時にレーザ光を照射する例を示している。図4に示す欠陥検出装置は、上記実施形態におけるレーザ光照射受光装置20を含む3つのレーザ光照射受光装置20,20’,20’’を備えている。レーザ光照射受光装置20’,20’’は、レーザ光照射受光装置20と同様なレーザ光照射受光装置であるが、レーザ光照射受光装置20より広い範囲にレーザ光を照射することができる。レーザ光照射受光装置20’,20’’は、レーザ光照射受光装置20の両側に配置されてワークWKの図示上側半分の同一円周上にレーザ光を同時に照射する。これによれば、ワークWKを1回転させることによりワークWKのすべての表面に対してレーザ光を照射することができ、効率的に欠陥の検出が行える。なお、図4においても、コントローラ30、モニタ装置31および入力装置32の各図は省略されている。
また、上記実施形態においては、対物レンズ24の焦点がワーク支持装置10にセットされるワークWKの中心に位置するように対物レンズ24を配置するように構成した。これは、ワークWKの表面に照射されるレーザ光の光束を直交させることにより、ワークWKからの反射光が対物レンズ24に導かれるようにするためである。したがって、ワークWKからの反射光が対物レンズ24に導かれれば、すなわち、ワークWKの表面に照射されるレーザ光の光束を略垂直に入射させる位置に対物レンズ24を配置すれば、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、対物レンズ24の焦点がワークWKの表面に位置するように対物レンズ24を配置してもよい。この場合、レーザ光の光束は、厳密にはワークWKの表面に対して直交しないが、同表面上の極めて狭い範囲にレーザ光が集光(光束密度が増加)することにより直交すると看做すことができる。これによれば、ワークWKの表面に照射される単位面積あたりのレーザ光の光量が増加するため、欠陥からの散乱光SLが増加し、より小さい欠陥の検出が容易となる。なお、図5においても、コントローラ30、モニタ装置31および入力装置32の各図は省略されている。
また、上記実施形態においては、検査対象物であるワークWKとして球体を用いたが、球面を有する物体であれば、これに限定されるものではない。すなわち、所定の点から等距離にある点の集合である球面を含み、同球面が光を反射する材質で構成された物体であれば、あらゆる形状の物体(例えば、ベアリングの球、人口関節の球状部、各種ローラなど)をワークWKとすることができる。なお、この場合、上記実施形態と同様に、照射するレーザ光の光束がワークWKの球面に対して略垂直に入射するように対物レンズ24を配置する必要がある。これによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
WK…ワーク、DR…正反射光、SL…散乱光、10…ワーク支持装置、11…支持リング、13…基台、14…モータ、16…回転軸、17…ローラ、20…レーザ光照射受光装置、21…レーザ光源、22…コリメーティングレンズ、23…ビームスプリッタ、24…対物レンズ、25…フーリエ変換レンズ、26…空間フィルタ、27…リレーレンズ、28…集光レンズ、29…CCDカメラ、30…コントローラ、31…モニタ装置、32…入力装置
Claims (6)
- 検査対象となる球面にレーザ光を照射するレーザ光源部と、
前記レーザ光源部から出射されたレーザ光を入射して平行光にするコリメーティングレンズと、
前記コリメーティングレンズにより平行光にされたレーザ光を透過または反射させて前記球面に導くとともに、同球面からの反射光を反射または透過させるビームスプリッタと、
前記球面に照射されるレーザ光の光束が同球面に対して略垂直に入射するように配置され、前記ビームスプリッタによって前記球面に導かれるレーザ光を前記球面に向けて集光する対物レンズと、
前記ビームスプリッタによって導かれる前記球面からの反射光を集光する集光レンズと、
前記集光レンズによって集光された前記反射光を受光して受光量に応じた電気信号を出力する受光器とを有するレーザ光照射受光装置を備え、前記受光器から出力される電気信号に基づいて前記球面上の欠陥を検出する欠陥検出装置において、
前記レーザ光照射受光装置内に、前記球面からの反射光のうち、欠陥のない面からの反射光を減衰または除去して、前記球面上における欠陥からの反射光を抽出する欠陥反射光抽出手段を備えたことを特徴とする欠陥検出装置。 - 請求項1に記載の欠陥検出装置において、
前記球面上における欠陥からの反射光は、前記欠陥にレーザ光が照射されることにより生じる散乱光であり、
前記欠陥反射光抽出手段は、
前記球面からの反射光をフーリエ変換するフーリエ変換レンズと、
前記フーリエ変換レンズによってフーリエ変換された反射光から前記欠陥のない面からの反射光を減衰または除去する空間フィルタとを備える欠陥検出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の欠陥検出装置において、
前記レーザ光源部は、互いに異なる複数の波長のレーザ光を出力するために、1つまたは複数のレーザ光源を備えた欠陥検出装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の欠陥検出装置において、
前記球面における互いに異なる複数の位置に同時にレーザ光を照射するために、前記レーザ光照射受光装置を前記複数の位置の数に応じて備えた欠陥検出装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の欠陥検出装置において、さらに、
前記球面の曲率中心を含む軸線回りに、前記球面を回転させる球面回転手段を備えた欠陥検出装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の欠陥検出装置において、
前記対物レンズは、前記球面の曲率中心に焦点が位置するように配置された欠陥検出装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009118966A1 (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-01 | 株式会社日立製作所 | 反射屈折型対物レンズを用いた欠陥検査装置 |
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