JP2008014785A - 検査装置および検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特徴量抽出処理部(4)は、ラインセンサ(3)の副走査毎に、画像データの品質を示す特徴量を検出し、検出した特徴量を記録処理部(5)に送信する。例えば、特徴量は予め決められた一定の値の閾値以上で検出された画像データの階調度のレベルの合計である。記録処理部(5)は、画像データと特徴量を関連付けて記録する。範囲特定処理部(6)は、記録処理部(5)を参照し、最も検出に有効である副走査の範囲を特徴量に基づいて特定する。画像抽出処理部(7)は、範囲特定処理部(6)から受信した副走査の範囲に基づいて、記録処理部(5)に記録された画像データを抽出し、抽出した画像データより計測処理用の画像データを合成する。
【選択図】図2
Description
ラインCCDカメラ3で撮影したタバコのフィルタ1の透過光の画像は、画像処理装置10が保存し、保存した画像を画像処理装置10が画像処理することにより、タバコのフィルタ1の検査を行う。
繊維束1aと繊維束1bのうち、透過率が低い方の部材である繊維束1aを暗部材と呼び、透過率が高い方の部材である繊維束1bを明部材と呼ぶことにする。以下、暗部材と明部材という言葉を用いて説明する。
また、活性炭が入っていない繊維束1bと活性炭入りの繊維束1aの各透過光の階調度のレベルの間の閾値42により2つの繊維束1a、1bの境界が取得され、取得された境界より繊維束1a、1bの各長さが正しいか、および2つの繊維束1a、1bが交互に配列されているかを検査することができる。また、フィルタ1の左端と右端になる部材である繊維束1aの長さである端部材長も取得し、取得した端部材長の検査を行う。
しかしながら、副走査方向において画像データの階調度のレベルが最大となる1ラインのみの画像データを用いて検出を行う場合、画像データのレベルが最大となる1ラインの画像データに何らかの影響によりノイズが混入したとき、他のラインの画像データにはノイズが混入していない場合であっても、正常な検査が行うことができない。
また、副走査方向の画像データの階調度のレベルが最大となる円筒状光拡散体の副走査方向の部位も毎回揺らぐため、複数の円筒状光拡散体について、同一な副走査方向の部位による画像データにより検査を行うことが出来ない。
また、検査対象となる複数の円筒状光拡散体ごとに、副走査方向の画像データの階調度のレベルが最大となる円筒状光拡散体の副走査方向の部位が異なるため、適正な閾値が円筒状光拡散体毎に異なり、常に適正な閾値を維持することは困難である。また、複数の円筒状光拡散体の画像データ同士を比較することも困難となる。
円筒状光拡散体(1)は、図1に図示した部材1の長手状の円筒状光拡散体であり、円筒状光拡散体(1)の長手方向と直行する方向(副走査方向)である移動方向(1c)に搬送ドラム(9)により搬送される。照明装置(2)は、円筒状光拡散体(1)の、例えば下側に配置され、円筒状光拡散体(1)の長手方向に合わせて長手方向に細長い光を照明する。
搬送ドラム(9)は、たばこフィルタ(1)を保持するための溝と、スリットが設けてあり、一定の方向(9a)に回転することで、たばこフィルタ(1)を搬送方向(1c)に搬送する。また、この搬送方向が、副走査方向である。搬送ドラム(9)内部に設置される照明装置(2)は、例えば、特願平10−250716による光ファイバーを用いた照明装置を使用する。
ラインセンサ(3)は、照明装置(2)より照明された光を受光する位置に配置される。また、ラインセンサ(3)は搬送される円筒状光拡散体(1)の長手方向と平行に、かつ、照明装置(2)の長手方向に細長い光と平行になるように、ライン状のセンサを配置している。つまり、円筒状光拡散体(1)とラインセンサ(3)と照明装置(2)は、互いに平行な配置である。円筒状光拡散体(1)は、ラインセンサ(3)と照明装置(2)の間を搬送される。
ラインセンサ(3)は、図3に示すように、円筒状光拡散体(1)を長手方向に平行な主走査方向に画素が1ライン状に配列された画像データとして撮像する。ラインセンサ(3)は、検出した透過光の強度を、アナログ又はデジタル信号の画像データとして、検査装置(10)に出力する。また、ラインセンサ(3)は、一定時間間隔で画像データを撮影することにより、円筒状光拡散体(1)の副走査方向への搬送に伴い、円筒状光拡散体(1)を透過する透過光を、副走査方向に複数の連続する主走査方向に画素が1ライン状に配列された画像データとして撮像する。
検査装置(10)は、ラインセンサ(3)が出力した画像データに基づき、円筒状光拡散体(1)の検査をする。また、検査装置(10)はラインセンサ(3)からの画像データを入力するとき、デジタル信号である場合には検査装置(10)はそのまま入力し、アナログ信号である場合には検査装置(10)はアナログ信号をA/D変換してデジタル信号として入力する。
ラインセンサ(3)が検出する画像データは概ね、図3(a)に示すように、明部材1aに対応する画像データの階調度のレベルが高く、暗部材1bに対応する画像データの階調度のレベルが低い波形となる。
また、ライトガイドにより、照明装置(2)からの光の出射幅は円筒状光拡散体(1)の端部に応じて調節されているため、円筒状光拡散体(1)の端部の外に相当する部分の画像データは光が飽和することがなく、階調度のレベルが低いため、透過光の影響はない。また、円筒状光拡散体(1)の外側をまわりこんだ光のため、円筒状光拡散体(1)の端部のすぐ外側には透過光による階調度のピークが生じる。
この波形は、円筒状光拡散体(1)がラインセンサ(3)の撮影範囲の真下にあるときをピークとし、撮影範囲から外れるに従い全体の階調度のレベルが下がっていくことになる。つまり、円筒状光拡散体(1)は、搬送方向(1C)への搬送に伴い画像データは常に変化していく。
なお、実施の形態においては、透過光の強度が強い場合、透過光を撮影した画像データの階調度のレベルは高くなり、逆に、透過光の強度が弱い場合、透過光を撮影した画像データの階調度のレベルは低くなるものとして説明する。
特徴量抽出処理部(4)は、ラインセンサ(3)の副走査方向の画像データ毎に、画像データの品質を示す特徴量を検出し、検出した特徴量を記録処理部(5)に送信する。特徴量はラインセンサ(3)と円筒状光拡散体(1)の位置関係に依存し、円筒状光拡散体(1)は移動しているため、特徴量はラインセンサ(3)の副走査毎に異なる。この特徴量により、ラインセンサ(3)の撮影範囲に円筒状光拡散体(1)があるか否か、及び、円筒状光拡散体(1)の画像データが判断できるものであるか否かの判定を、ラインセンサ(3)の副走査毎の画像データに対して行うことができる。例えば、特徴量は、各副走査において、予め決められた一定の値の閾値以上で検出された画像データの画素数の合計でも良いし、予め決められた一定の値の閾値以上で検出された画像データの階調度のレベルの合計でも良い。
範囲特定処理部(6)は、記録処理部(5)に記録された複数の副走査の特徴量を参照し、最も検出に有効である副走査の範囲を特徴量に基づいて特定する。副走査の範囲を特定する方法は、例えば、予め決められた閾値以上を有する特徴量の範囲としてもよい。または、副走査の範囲を特定する方法は、最大となる特徴量を有する副走査を検出し、検出された最大となる特徴量を有する副走査を中心として、予め定められた一定の範囲の副走査としてもよい。範囲特定処理部(6)は、特定した範囲を画像抽出処理部(7)に送信する。
このようなたばこフィルタ(1)は、搬送ドラム(9)が回転することにより、副走査方向に搬送される。ここでは、搬送ドラム(9)には、たばこフィルタ(1)を保持するための溝と、スリットが設けてあり、一定の方向(9a)に回転することで、たばこフィルタ(1)が搬送される。
ラインCCDカメラ(3)は、透過光を画像データとして撮影し、撮像した画像データを検査装置(10)に送信する。透過光とは、照明装置(2)から照射され、たばこフィルタ(1)を透過した光である。ラインCCDカメラ(3)は、例えば、複数の撮影画素が直線状に並べられた構造を有しており、それぞれの画素には直線状の1方の端から他の端へ連続して画素番号が振られている。例えば、ラインCCDカメラ(3)の撮影画素には、直線状の1方の端からその逆の端まで、連続して1から2048と画素番号が振られている。また、ラインCCDカメラ(3)のそれぞれの撮影画素は、受光した光の強度により、受光した光を0から255の階調度であるデジタル値として変換する。従って、ラインCCDカメラ(3)により撮影された透過光の画像データは、直線状の画像データであり、直線状の1方の端からその逆の端まで、連続して1から2048と画素番号が振られており、それぞれの画素番号について0から255の階調度であるデジタル値が付けられている。以降、直線状の画像データは、左から右に連続して1から2048と画素番号が振られているものとして説明する。
検査装置(10)は、ラインCCDカメラ(3)より画像データを受信し、受信した画像データに基づいてたばこフィルタ(1)の検査をする。検査装置(10)においてなされる検査の方法を、以下に詳述する。
まず、検査装置(10)が受信した画像データより、特徴量抽出処理部(4)が特徴量を抽出する。特徴量として、例えば、図5に示されるように、画像データが予め決められた一定の値の閾値であるスライスレベル以上の画素数の合計(a+b+c+dとなる画素数)でも良い。または、特徴量として、例えば、図6の斜線で示されるように、予め決められた一定の値の閾値であるスライスレベル以上である画像データの階調度のレベルの合計(スライスレベル以上となる範囲の画素データの面積)でも良い。この特徴量の抽出は、それぞれの副走査毎に受信した画像データについてなされる。
ここで、閾値であるスライスレベルとしては、予め決められた一定の値として記憶しておいてもよい。または、受信した画像データのピークレベルを検出し、検出した階調度のレベルのピークの値について、予め決められた一定の割合を掛け合わせたものを用いてもよい。例えば、予め決められた一定の割合として30%と記憶しておき、検出したピークのレベルの値の30%の値をスライスレベルとしてもよい。
また、図7においては、画像データとして波形の形式で表示しているが、記録される画像データは複数の画素が直線状に並べられたものであり、それぞれの画素は、例えば、左から右に画素番号が1から2048と連続してつけられ、それぞれの画素に0から255までのレベルで表される256階調のデジタルデータが格納されている。また、例えば、特徴量は、1つの副走査番号に対する画像データについて、その画素の階調度が20以上である全ての画素の階調の値を、全ての画素番号について主走査方向について加算したものである。
なお、照明装置(2)からの光は、搬送ドラム(9)のたばこフィルタ(1)を搬送のために保持する溝やスリット以外の部分においては、搬送ドラム(9)により遮断される。そのため、たばこフィルタ(1)が通過していない場合においては、ラインCCDカメラ(3)は光(または透過光)を受光しない。そのため、図7においては、例えば、副走査番号0と18におけるように、たばこフィルタ(1)が通過していない場合は、画像データは0となる。
ここで、記録処理部(5)は、例えば、1024の副走査の副走査番号と画像データと特徴量とを記録するものとし、1025番目以降の副走査を記録する場合には、最も古い副走査番号と画像データと特徴量を新しい副走査番号と画像データと特徴量により上書きして記録するようにしてもよい。
範囲特定処理部(6)は、記録処理部(5)に記録された特徴量から、例えば図7において、副走査番号1では、たばこフィルタ(1)がまだラインCCDカメラ(3)の検出範囲に入っていないことを検出し、副走査番号2よりたばこフィルタ(1)がラインCCDカメラ(3)の検出範囲に入ったことを検出する。また、副走査番号18で、たばこフィルタ(1)がラインCCDカメラ(3)の検出範囲外に通過したしたことを検出する。
例えば、範囲特定処理部(6)は、一定時間毎に記録処理部(5)を参照し、更新された副走査番号と画像データと特徴量とを調べ、特徴量が0から0より大きくなった副走査番号で、たばこフィルタが通過を開始した副走査番号を検出する。また、範囲特定処理部(6)は、特徴量が0でない値から0となる副走査番号で、たばこフィルタの通過が終了した副走査番号を検出する。また、通過開始から通過終了の間の副走査番号が、たばこフィルタが通過中の副走査番号であるとして検出する。以上のようにして、範囲特定処理部(6)は、たばこフィルタが通過している間の副走査番号を検出することが可能である。
例えば、図7においては、特徴量より、副走査番号が2から17について、タバコフィルタが通過していることがわかる。また、範囲特定処理部(6)は記録処理部(5)に記憶されている特徴量より、記録処理部(5)に記憶されている画像データについて副走査方向ごとにたばこフィルタが存在するか否かの判定が可能である。
例えば、範囲特定処理部(6)は、たばこフィルタが存在していると判断される副走査番号の範囲に対して、副走査番号の両端の予め決められた一定の範囲の除いた中央付近の範囲として、検査に適した副走査番号の範囲を特定してもよい。例えば、副走査番号の両端の一定の範囲として、たばこフィルタが存在していると判断される走査の1/4ずつとする。この場合、図7では、たばこフィルタが存在する副走査番号は2から17の16副走査であり、予め決められた両端の一定の範囲は16副走査の1/4で4副走査ずつとなる。よって、副走査番号の2から17の両端から4副走査ずつ除いて、検査に適した副走査番号の範囲を「6から13」と特定する。
または、例えば、範囲特定処理部(6)は、特徴量が予め決められた一定の値以上の範囲として、検査に適した副走査番号の範囲を特定してもよい。例えば、特徴量が80000以上である範囲と予め決めておく。この場合、図7の特徴量より、検査に適した副走査番号の範囲は「7から11」と特定する。
または、例えば、範囲特定処理部(6)は、特徴量が最大となる副走査番号の前後一定の範囲として、検査に適した副走査番号の範囲を特定してもよい。例えば、図7の特徴量より、特徴量が最大となる副走査番号9である。予め定めた副走査番号の前後一定の範囲として、前後の一定の範囲の値が3である場合、検査に適した副走査番号の範囲は「6から12」と特定する。
または、例えば、範囲特定処理部(6)は、特徴量が最大となる最大特徴量に対して、予め決められた一定の割合以上の特徴量を有する範囲としてもよい。例えば、図7の特徴量より、特徴量が最大となる副走査番号9の時である最大特徴量が89424である。予め定めた一定の割合が80%である場合、最大特徴量の80%の値が71539.2となる。従って、この場合、図7の特徴量より、検査に適した副走査番号の範囲は「7から12」と特定する。
次に、画像抽出処理部(7)は、範囲特定処理部(6)が特定した検査に適した副走査番号の範囲に基づいて画像データを記録処理部(5)より抽出し、抽出した画像データを副走査方向に加算することにより、計測に用いる画像データを合成し、合成した画像データを計測処理部(8)に出力する。
特に、ノイズとして、外乱により特徴量に想定外のピークが発生するなどの可能性がある。例えば、フィルタ(1)が輸送ドラム(9)上で搬送中に、フィルタ(1)が搬送ドラム(1)から浮き上がることにより隙間が生じ、生じた隙間から光が漏れ、漏れた光のため透過光を撮影する画像データにピーク(または、漏れた光による飽和)が発生することがある。特に、タバコフィルタの副走査方向の画像において、たばこフィルタが存在すると判断される副走査番号の範囲の両端でピークが発生することがある。つまり、搬送における副走査方向の画像(時間軸の画像)において、ピークなどのノイズが発生する。
このような場合においても、例えば、たばこフィルタが存在していると判断される副走査番号の範囲に対して、副走査番号の両端の予め決められた一定の範囲の除いた中央付近の範囲のみを用いることにより、つまり、時間軸の画像での範囲を特定することにより、撮影した画像のノイズなどの外乱の影響を防ぐ効果がある。
計測処理部(8)は、まず、画像データにおける、たばこフィルタ(1)における一端と他端とを検出する。ここで、一端とは、画像データにおける円筒状光拡散体(1)の端に相当する画素の位置であり、画像データにおける画素番号が小さい方の画素である(以下、左端と称する)。一方、他端とは、画像データにおける円筒状光拡散体(1)の逆の端に相当する画素の位置であり、画像データにおける画素番号が大きい方の画素である(以下、右端と称する)。
左端は図9(b)のedge1に示すような画素の位置である。左端edge1の検出方法の概要は、画素のレベルが連続して低い値の位置の左の端の部分を検出することにより検出することができる。これは、円筒状光拡散体(1)の端部が暗部材であり、明部材に相当する画像レベルが低いこと、また、円筒状光拡散体(1)の外側の画像レベルが高いことによる。
まず、左端の検出方法を、図8のフローチャートと、図9に示す一例としての画像データを用いて説明する。
まず、図8のフローチャートに用いる変数の説明を行う。xは現在処理を行っている着目画素位置である。peakは検索開始画素から着目画素までの受光レベルのピーク値である。sliceは閾値の値を示すスライスレベルである。RATIOはスライスレベルsliceの算出に用いるpeakに対する予め決められた一定の比率である。contはスライスレベル以下の画素数のカウント値であり、スライスレベルslice以下の画素が連続する数をカウントするための変数である。CONTは、スライスレベル以下の連続する画素数contと比較し、端を検出するための予め決められた値である閾値である。CONTは、例えば図9(b)において幅判定として示される幅の画素数を有しており、端を検出するのに適した値を有する。PIXELは合成された画像データの画素数であり、ラインCCDカメラ(3)の画素数により決定される。edge1は検出した、画像データにおけるたばこフィルタ(1)の左端の位置である。また、level(x)は画素xの位置での画素データの階調度のレベルを合成された画像データより取り出す関数である。
また、画像データは左から右に画素の順番に1ずつ大きくなり、画素は画素番号により識別され、画像データの左端の画素番号が1であり、画像データの右端の画素番号がPIXELであるとして説明する。
まず、計測処理部(8)は、ピーク値peakとスライスレベルsliceと着目画素位置xとカウント値contの初期化を行う(ステップS801)。ピーク値peakは画素1の位置での画素信号のレベル値level(1)として初期化し、スライスレベルsliceはピーク値peak×比率RATIOとして初期し、着目画素位置xは2とし、カウント値contは0として初期化される。
次に、計測処理部(8)は、着目画素位置xのレベル値level(x)が、ピーク値peakよりも大きいかどうかの判定を行う(ステップS802)。ステップS802の判定で、着目画素位置xのレベル値level(x)がピーク値peakよりも大きい場合には、ピーク値peakの値を着目画素位置xのレベル値level(x)とし、スライスレベルsliceをピーク値peak×比率RATIOとする(ステップS803)。次に、着目画素位置xのレベル値level(x)とスライスレベルsliceとの比較をする(ステップS804)。また、ステップS802の判定で、着目画素位置xのレベル値level(x)がピーク値peakよりも大きい場合には、着目画素位置xのレベル値level(x)とスライスレベルsliceとの比較をする(ステップS804)
次に、計測処理部(8)は、ステップ804の判定で、着目画素位置xのレベル値level(x)がスライスレベルsliceより小さい場合には、カウント値contの値を1つ増大する(ステップS805)。次に、カウント値contと閾値CONTとの比較を行う(ステップS806)。ステップ806の判定で、カウント値contが閾値CONTより小さい場合には、着目画素位置xを1つ増大する(ステップS807)。また、ステップ804の判定で、着目画素位置xのレベル値level(x)がスライスレベルsliceより小さくない場合には、カウント値contの値を0とし(ステップS809)、その後、着目画素位置xを1つ増大する(ステップS807)。
次に、計測処理部(8)は、着目画素位置xと画素数PIXELの比較をする(ステップS808)。ステップS808の比較で、着目画素位置xが画素数PIXEL以下である場合には、ステップ802からの処理を繰り返す。ステップS808の比較で、着目画素位置xが画素数PIXEL以下でない場合には、異常終了として処理を終了する。
ステップ806の判定で、カウント値contが閾値CONTより小さくない場合には、左端の位置edge1を、着目画素位置xと閾値CONTより、以下の式(1)で算出する(ステップS810)。
edge1=x−CONT (1)
次に、計測処理部(8)は、算出したスライスレベルsliceより小さい階調度のレベルを有する画素を検出し、かつ、検出したスライスレベルsliceより小さい階調度のレベルを有する画素が連続する数が予め決められた閾値CONTより大きくなる場合に、画素の階調度のレベルが連続してスライスレベルsliceより小さくなり始めた位置を左端の位置edge1として検出する。
また、例えば、閾値CONTは判定幅と示される幅を有する。算出したスライスレベルsliceより小さい画素の階調度のレベルとなる画素が連続して予め決められた閾値CONT(この場合、図9(b)における判定幅と同じ)より大きくなる場合に、スライスレベルsliceより小さくなり始めた画素レベルより、左端の位置edge1を検出する。
次に、計測処理部(8)は、算出したスライスレベルsliceより小さい画素の階調度のレベルを検出し、かつ、検出したスライスレベルsliceより小さい画素の階調度のレベルが連続する画素の数が予め決められた閾値CONTより大きくなる場合に、画素の階調度のレベルが連続してスライスレベルsliceより小さくなり始めた位置を右端の位置edge2として検出する。
まず、計測処理部(8)は、合成した画像データのうち特定した計測範囲に対して、ローパスフィルタをかける。ローパスフィルタとしては、部材の長さによる画像データの変化の幅よりも短く、部材同士の間に生じる隙間による画像データのピークの幅または画像データにおけるノイズの幅よりも長いフィルタを用いる。
ローパスフィルタをかけることにより、画像データに含まれるノイズ成分を低減させ、緩やかに変化する部材境界を安定して検出することが可能となる。
また、ローパスフィルタの適用範囲を、特定した計測範囲に限定することで、たばこフィルタ(1)の外側を通過した透過光による不安定な画像データの波形をローパスフィルタの対象外とすることにより、たばこフィルタ(1)の外側を通過した透過光がローパスフィルタ処理に対する影響を抑えることが可能となる。
例えば、図11(a)に示す画像データにローパスフィルタをかけると、図11(b)のような信号となる。
次に、計測処理部(8)は、最大値MAXと最小値MINから、部材境界位置を求めるための閾値である部材スライスレベルSLを算出する。例えば、部材スライスレベルSLとして、最小値MAXと最小値MINとの平均としてもよい。または、例えば、Cを予め決められた0から1の値を示す定数として、以下の式(2)で部材スライスレベルSLを求めてもよい。
SL=(MAX−MIN)×C+MIN (2)
そのため、計測処理部(8)が行う検出において、検出した左端の位置(edge1)と右端の位置(edge2)の間として特定した計測範囲において、特定した計測範囲の中央の部分の位置(M)は暗部材であると仮定する。中央の部分の位置(M)は、以下の式(3)で算出される。
M=(edge1+edge2)/2 (3)
計測処理部(8)が行う検出において、図11(c)に示すように、まず、特定した計測範囲の中央の位置(M)より左端の方に順に境界の検出を行い(D1)、画像データが部材スライスレベルSLを上回る位置を境界ED1として検出する。次に、特定した計測範囲の中央より右端の方に順に境界の検出を行い(D2)、画像データが部材スライスレベルSLを上回る位置を境界ED2として検出する。次に、左端より右端の方に順に境界の検出を行い(D3)、画像データが部材スライスレベルSLを上回る位置を境界ED3として検出する。次に、右端より左端の方に順に境界の検出を行い(D4)、画像データが部材スライスレベルSLを上回る位置を境界ED4として検出する。ここで、図11(c)における、D1からD4は検索の方向を示す。
ここで、中央(M)より左端の方(D1)、中央(M)より右端の方(D2)、右端(M)より左端の方(D3)、左端より右端の方(D4)への、それぞれの検出を行う範囲は、それぞれの開始点(中央、右端、左端)より、以下の式(4)で示される検出範囲LSとする。
LS=(LR+LD)/2 (4)
ここで、LSは検出範囲の長さであり、LRは明部材の基準となる長さであり、LDは端の部材でない暗部材の基準となる長さである。
また、計測処理部(8)は、特定した計測範囲にスライスレベルを超える画素がなかった場合は、部材の配列が異常であると判定する。
また、計測処理部(8)は、特定した計測範囲の中央になる画像データの値が部材スライスレベルSLを超えている場合は、部材の配列が異常であると判定する。
また、副走査方向の画像データの階調度のレベルを副走査方向へ複数選択し加算することにより、検査対象毎の検査対象となる信号の揺らぎが小さくなり、複数の円筒状光拡散体について、同一な副走査方向の部位による画像データにより検査を行うことが出来る。
また、検査対象となる複数の円筒状光拡散体ごとに、副走査方向の画像データが平均的に同じ部位からのものとなるため、適正な閾値が円筒状光拡散体毎に同じ程度となり、常に適正な閾値を維持することが可能となる。また、複数の円筒状光拡散体の画像データ同士を比較すること可能となる。
SL=(MAX−MIN)×C+MIN
このCの値は、タバコフィルタを透過光により撮影した画像データと実際の境界位置により、統計的に求めることが可能である。しかしながら、従来の計測の度毎に不安定な画像データからは、画像データが不安定なため、MAXとMINの値も不安定となり、そのためCの値も安定して定めることが困難であった。本発明により、安定した画像データを取得することが可能となり、MAXとMINの値も安定し、そのため安定した画像についてCを定めることが可能となる。
このように、計測の度の画像データが安定することにより、複数の計測における画像データ同士の比較や、画像データにおける統計的な処理を行うことも可能となる。
なお、比較においては、撮影機器(照明機器、CCDカメラ、画像処理装置)と撮影対象とは同じであり、検査対象となる画像も同一である。
ここで、搬送用ドラムに上記検査対象であるたばこフィルタを貼付け、一定速度で搬送用ドラムを回転させ、上記機器を用いて画像の撮影を行うことにより、比較を行う。
一方、従来の方法による特徴量がピーク値(最大値)を取る画像のみを用いる方法においては、特徴量がピークとなる1走査の画像データのみである。
また、境界検出条件において、比率(C)は0.5(50%)である。
ここで、図14(b)は、たばこフィルタが搬送ドラムに密着した場合であり、たばこフィルタを透過した光のみが撮像されている。
また、図14(c)は、たばこフィルタと搬送ドラムの間に隙間が生じた場合の画像であり、たばこフィルタの画像において、上部(図14(c)のcaで示す)に搬送ドラムからの明るい反射光が撮影されている。
以下、図14(b)のように密着して撮影した画像を密着画像、図14(c)のように隙間が生じ光(反射光)が画像に撮影された時の画像を隙間画像として説明する。
なお、図15においては、タバコフィルタが透過光により検出されている副走査方向の位置についてのみ、特徴量をグラフに表示している。3000本/分でたばこフィルタが搬送された場合、たばこフィルタがあるものとして検出される副走査方向の走査数は約20である。
図15から、密着画像では9副走査目にピークを持つなだらかな変化であるのに対し、隙間画像では4副走査目にピークを持つ歪んだ変化となっている。これは、4副走査目を中心に隙間が生じ、透過光を直接撮影してしまったことによる。
ここで、ピーク画像においては、図15の密着画像における特徴量より、特徴量が最大となる9副走査目のみの画像データである。
また、本発明による合成画像(合成画像)においては、たばこフィルタ検出範囲の1/2走査(前後1/4走査を除く)として、副走査方向の走査位置が6走査目から15走査目までの10走査分の画像データから算出(この場合、算出は平均である)される画素レベルである。
このように、密着画像においては、ピーク画像においても、合成画像においても、主走査方向における境界位置を検出することが可能である。
ここで、ピーク画像においては、図15の隙間画像における特徴量より、特徴量が最大となる4副走査目のみにおける画像データである。
また、本発明による合成画像(合成画像)においては、たばこフィルタ検出範囲の1/2走査(前後1/4走査を除く)として、6走査目から15走査目までの10走査分の画像データから算出される画素レベルである。
しかしながら、ピーク画像においては、正常に位置を検出することが出来ない。
一方、本発明による合成画像を用いることにより、例えば図14(c)のように隙間が生じるなどして光が漏れ、一時的に特徴量のピークを持つ走査がずれた場合においても、適正な計測画像を得ることができる(位置の検出が出来る)。
また、従来の固定したスライスレベルによる計測においては、画像レベルを適正な位置に保つ必要があり、素材変更による透過率変化や汚れ・劣化による照明輝度の低下に伴い頻繁な条件調整が必要であった。本発明による検査方法を用いることで、素材変化や光量変動により画像レベルが変動しても、画像レベルに応じた計測処理を行うため、保守の頻度を大幅に削減することができる。
なお、記録処理部5は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されてもよい。
2 照明装置
3 ラインセンサ、ラインCCDカメラ
4 特徴量抽出回路
5 記録回路
6 計測処理
7 波形例
8 たばこフィルタ
9 搬送ドラム
10 検査装置
32a スリット
33 ライトガイド
34 光源
36 減光部材
Claims (4)
- 長手状の光拡散体を長手方向と直交する副走査方向に搬送して前記光拡散体を長手方向と平行する主走査方向に検査する光拡散体の検査装置であって、
前記光拡散体に走査方向に光を照射する光源手段と、
前記光源手段から照射された光を受光するように配置され、前記光源手段から照射されて前記光拡散体を透過した光である透過光を前記光拡散体が副走査方向に搬送される毎に撮影し、画素がライン状に配列された画像データとして出力する撮影手段と、
前記撮影手段から出力された副走査方向の画像データの階調度が予め決められた一定の閾値以上の画素を前記画像データより主走査方向に検出し、前記検出した主走査方向の画素に基づき特徴量を前記画像データ毎に算出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段が算出した特徴量に基づいて、副走査方向の画像データの範囲を前記副走査方向の画像データから抽出する範囲特定手段と、
前記範囲特定手段が抽出した副走査方向の画像データの範囲に基づき前記画像データを副走査方向に加算し検査用の画像データを生成する画像抽出手段と、
を有することを特徴とする検査装置。 - 前記画像抽出手段が生成した検査用の画像データに基づいて、
画素の階調度の最大値であるピークレベルを更新すると共に、前記ピークレベルに一定比率を乗じた値を閾値とし、前記閾値未満となる画素が連続する画素位置を前記画像データの主走査方向の一端から検索することにより前期検査用の画像データにおける前記光拡散体の一端に相当する一端位置を検出する第一の検出手段と、
画素の階調度の最大値であるピークレベルを更新すると共に、前記ピークレベルに一定比率を乗じた値を閾値とし、前記閾値未満となる画素が連続する画素位置を前記画像データの主走査方向の他端から検索することにより前期検査用の画像データにおける前記光拡散体の他端に相当する他端位置を検出する第二の検出手段と、
前記第一の検出手段が検出した一端位置と前記第二の検出手段が検出した他端の位置の間の範囲より前記検査用の画像データの前記光拡散体の部分に相当する主走査方向の範囲である主走査方向範囲を特定する主走査方向範囲特定手段と、
を有することを特徴とする請求項1の検査装置。 - 前記主走査方向範囲特定手段が特定した主走査方向範囲により前記画像抽出手段が生成した検査用の画像データを抽出する境界画像データ抽出手段と、
前記境界画像データ抽出手段が抽出した画像データの最大値及び最小値を求め、前記求めた最大値と最小値の差に一定の比率を乗じることにより閾値を算出する境界閾値算出手段と、
前記境界画像データ抽出手段が抽出した画像データと前記境界閾値算出手段が算出した閾値により、前記光拡散体部材の境界位置を特定する境界位置特定手段と、
を有することを特徴とする請求項2の検査装置。 - 長手状の光拡散体を長手方向と直交する副走査方向に搬送して前記光拡散体を長手方向と平行する主走査方向に検査する光拡散体の検査装置において用いられる方法であって、
光源手段が前記光拡散体に走査方向に光を照射し、
撮影手段が前記光源手段から照射された光を受光するように配置され、前記光源手段から照射されて前記光拡散体を透過した光である透過光を前記光拡散体が副走査方向に搬送される毎に撮影し、画素がライン状に配列された画像データとして出力し、
特徴量抽出手段が前記撮影手段から出力された副走査方向の画像データの階調度が予め決められた一定の閾値以上の画素を前記画像データより主走査方向に検出し、前記検出した主走査方向の画素に基づき特徴量を前記画像データ毎に算出し、
範囲特定手段が前記特徴量抽出手段の算出した特徴量に基づいて、副走査方向の画像データの範囲を前記副走査方向の画像データから抽出し、
画像抽出手段が前記範囲特定手段の抽出した副走査方向の画像データの範囲に基づき前記画像データを副走査方向に加算し検査用の画像データを生成する、
ことを特徴とする検査方法。
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