JP2008014483A - カムフォロアおよびそのカムフォロアに用いるニップル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ニップル本体13の一端に形成したフランジ14と、このフランジに連続させた大径部15と、さらにこの大径部に連続させるとともに、大径部よりもわずかに小径にした圧入誘導部16と、フランジ14とは反対側であるニップル本体13の先端に形成した小径部18と、この小径部と上記圧入誘導部との間に円錐状に形成した傾斜面19と、上記大径部の周囲に形成した複数の環状溝20とからなる。
【選択図】 図1
Description
また、上記のカムフォロアは、給脂孔にニップルを圧入して固定するため、ニップルの外径を給脂孔の内径よりも僅かに大きくした圧入しろを設けている。このとき、給脂孔の内径に対して圧入しろを大きくしすぎてしまったり、あるいは、給脂孔に対してニップルが傾いた状態で圧入してしまったりすると、ばりや削りかす等が大量に発生してしまい、これらばりや削りかす等が給脂孔に侵入してしまうおそれがある。このように、給脂孔にばりや削りかす等が侵入してしまうと、給脂したグリースとともに上記ばりや削りかす等が外輪と内輪部との間まで到達してしまい、針状ころのスムーズな回転が阻害されてしまうという問題があった。
この発明の目的は、スタッドの端面側の給脂孔を開放し、この開放した給脂孔に給脂用のニップルを簡単にはめ込むことができるカムフォロアおよびそのカムフォロアに用いるニップルを提供することである。
第3の発明は、上記スタッドの頭部側端面には六角穴を形成するとともに、この六角穴に上記給脂孔の頭部側端部を開口し、かつ、給脂孔内には円錐状態にしてなる段突き止め部を形成し、この段突き止め部は、上記給脂孔の頭部側端部からフランジ付きニップルを挿入したとき、そのフランジの外周が当接して、フランジ端面と上記給脂孔の頭部側端部開口とが面一となる寸法関係、あるいは上記給脂孔の頭部側端部開口に対してフランジ端面がやや沈む寸法関係を保った点に特徴を有する。
第4の発明は、上記ニップル本体、フランジ部および上記段突き止め部によって上記給脂孔内に空間が区画されるとともに、この空間にばりや削りかす等が溜まる点に特徴を有する。
第7の発明は、上記環状溝は、フランジ側に位置する側面を軸線に対して傾斜させ、圧入誘導部側を軸線に対して直角にした点に特徴を有する。
第8の発明は、ニップル本体には、フランジ側からの油脂の流れのみを許容するチェック弁を設けた点に特徴を有する。
第3の発明によれば、フランジ端面と給脂孔の頭部側端部開口とが面一となる寸法関係、あるいは給脂孔の頭部側端部開口に対してフランジ端面がやや沈む寸法関係を保ったので、ニップルが六角穴の範囲に突出することがない。したがって、六角穴に六角レンチを挿入する際にニップルが邪魔にならないので、六角レンチを十分に挿入することができ、スタッドを確実に回転させることができる。
第4の発明によれば、ニップル本体、フランジ部および段突き止め部によって、給脂孔内に空間を区画したので、給脂孔内にニップルを圧入する際に発生するばりや削りかす等を、当該空間内に保持することができる。したがって、ばりや削りかす等が大量に発生したとしても、それらが給脂孔に侵入することがなく、針状ころのスムーズな回転を保持することができる。
さらに、第5,7の発明によれば、当該ニップルを圧入する際にばりや削りかす等が発生しても、それ等は上記環状溝内に納められて、大径部と給脂孔との間には侵入してこない。したがって、ばりや削りかす等によって給脂孔の表面が傷つけられたりしない。
第8の発明によれば、ニップル本体には、フランジ側からの油脂の流れのみを許容するチェック弁を設けたので、注入した油脂が逆流することがない。
また、上記スタッドSのフランジ4側には、六角レンチを差し込む六角穴6を形成するとともに、スタッドSには、この六角穴6内およびフランジ4とは反対側におけるスタッドSの端面間を貫通する給脂孔7を形成している。
なお、上記フランジ4とは反対端であるスタッドSの端面側外周には雄ネジを形成し、この雄ネジで当該スタッドを目的の組み付け箇所に固定するようにしている。
したがって、六角穴6に、図示していない六角レンチを十分に挿入して、六角レンチでスタッドSを回転させることができる。また、このニップル8から注入した油脂を、上記転動体3の位置まで確実に導くことができる。
したがって、ニップルNの大径部15をニップル圧入孔12に圧入するときには、大径部15よりもほんのわずかだけ小径の圧入誘導部16がニップル圧入孔12にスムーズに挿入され、それに続いて大径部15が上記ニップル圧入孔12に圧入されることになる。
さらに、上記大径部15の外周には複数の環状溝20を形成するとともに、この環状溝20は、フランジ14側に位置する側面を軸線に対して傾斜させ、圧入誘導部16側を軸線に対して直角にしている。このようにした環状溝20は、ニップルNを圧入する際に発生する削りかすやばり等を取り込む機能を果たす。
また、上記ニップル本体13には、フランジ14側からの油脂の流れのみを許容するチェック弁21を設けているが、このチェック弁21は、ボール22とスプリング23とからなるものである。
なお、ニップルNの大径部15をニップル圧入孔12に圧入すると、削りかすやばり等が発生するが、大径部15外周には複数の環状溝20を形成しているので、削りかすやばり等を当該環状溝20内に取り込むことができる。
そして、上記大径部15の外径がニップル圧入孔12の内径に対して大きすぎる場合には、削りかすやばり等が大量に発生してしまい、それを環状溝20内に取り込みきれなくなる。環状溝20内に取り込めなかった削りかすやばり等は、ニップル本体13がニップル圧入孔12内に進入するのに伴って、ニップル本体13外周からフランジ14側に向かって移動するとともに、上記空間24内に保持されることとなる。
しかし、上記のように、給脂孔7の端面開口部分にテーパー部11を形成するとともに、このテーパー部11とニップルNとによって給脂孔7を区画して空間24を形成すれば、削りかすやばり等を確実に空間24内に取り込むことができるので、ニップルNを所定の位置まで確実に挿入することができる。特に、フランジ14の端面とスタッドSの端面とが面一となる寸法関係を保っている場合であっても、フランジ14がスタッドSの端面から突出することがない。
このように、削りかすやばり等が大量に発生した場合でも、それらを空間24内に保持することができるので、確実に所定の位置までニップルNを挿入することができる。そして、ニップル圧入孔12にはめ込んだニップルNからグリース等の油脂を注入すれば、転動体3のスムーズな転動を保持することができる。
また、ユーザーは他方のニップルNを簡単にはめ込むことができるので、ユーザー側における作業性も向上することになる。
スタッドSの頭部側端面には、六角穴6を形成するとともに、この六角穴6に給脂孔7の頭部側端部25を開口させている。上記給脂孔7の頭部側には、上記六角穴6に連続するとともに六角穴6よりも径を小さくした拡径部26と、この拡径部26に連続するとともに、拡径部26よりもさらに径を小さくしたニップル圧入部27とを備えている。
また、上記拡径部26とニップル圧入部27との間には、その開口の縁を円錐状態にしてなる段突き止め部9を形成している。
したがって、ニップルN1の大径部15をニップル圧入部27に圧入するときには、大径部15よりもほんのわずかだけ小径の圧入誘導部16がニップル圧入部27にスムーズに挿入され、それに続いて大径部15が上記ニップル圧入部27に圧入されることになる。
さらに、上記大径部15の外周には環状溝20を1つのみ形成するとともに、この環状溝20は、フランジ14側に位置する側面を軸線に対して傾斜させ、圧入誘導部16側を軸線に対して直角にしている。このようにした環状溝20は、ニップルN1を圧入する際に発生する削りかすやばり等を取り込む機能を果たす。
なお、図示しないが、上記ニップルNと同様、ニップルN1にもフランジ14側からの油脂の流れのみを許容するチェック弁を設けている。
また、ニップルN1の大径部15をニップル圧入孔12に圧入すると、削りかすやばり等が発生するが、大径部15外周には環状溝20を形成しているので、削りかすやばり等を当該環状溝20内に取り込むことができる。
なお、上記大径部15の外径がニップル圧入部27の内径に対して大きすぎると、削りかすやばり等が大量に発生してしまい、それを環状溝20内に取り込みきれなくなる。環状溝20内に取り込めなかった削りかすやばり等は、ニップル本体13がニップル圧入部27内に進入するのに伴って、ニップル本体13外周からフランジ14側に向かって移動するとともに、上記空間24内に保持されることとなる。
また、フランジ14端面と給脂孔7の頭部側端部25とが面一となる寸法関係、あるいは給脂孔7の頭部側端部25に対してフランジ14端面がやや沈む寸法関係を保ったので、六角穴6に六角レンチを十分に挿入することができ、六角レンチでスタッドSを確実に回転させることができる。
2 外輪
3 転動体
6 六角穴
7 給脂孔
8 ニップル
9 段突き止め部
11 テーパー部
13 ニップル本体
14 フランジ
15 大径部
16 圧入誘導部
18 小径部
19 傾斜面
20 環状溝
24 空間
25 頭部側端部
N,N1 ニップル
S スタッド
Claims (8)
- スタッドの頭部を内輪部として、この内輪部に外輪をはめるとともに、これら内輪部と外輪との間に、針状ころ等の転動体を介在させてなり、かつ、上記スタッドを貫通する給脂孔を形成し、この給脂孔に給脂用のニップルを圧入してなるカムフォロアにおいて、上記スタッドの端面に開口する給脂孔の端部には、その開口の縁を円錐状態にしてなるテーパー部を形成するとともに、このテーパー部は、給脂孔の上記端部にフランジ付きニップルを挿入したとき、そのフランジの外周が当接して、フランジ端面とスタッド端面とが面一となる寸法関係、あるいはスタッド端面に対してフランジ端面がやや沈む寸法関係を保ったことを特徴とするカムフォロア。
- 上記ニップル本体、フランジ部および上記テーパー部によって上記給脂孔内に空間が区画されるとともに、この空間にばりや削りかす等が溜まる構成にした請求項1に記載のカムフォロア。
- 上記スタッドの頭部側端面には六角穴を形成するとともに、この六角穴に上記給脂孔の頭部側端部を開口し、かつ、給脂孔内には円錐状態にしてなる段突き止め部を形成し、この段突き止め部は、上記給脂孔の頭部側端部からフランジ付きニップルを挿入したとき、そのフランジの外周が当接して、フランジ端面と上記給脂孔の頭部側端部開口とが面一となる寸法関係、あるいは上記給脂孔の頭部側端部開口に対してフランジ端面がやや沈む寸法関係を保ったことを特徴とする請求項1または2に記載のカムフォロア。
- 上記ニップル本体、フランジ部および上記段突き止め部によって上記給脂孔内に空間が区画されるとともに、この空間にばりや削りかす等を溜める構成にした請求項3に記載のカムフォロア。
- スタッドの頭部を内輪部として、この内輪部に外輪をはめるとともに、これら内輪部と外輪との間に、針状ころ等の転動体を介在させてなり、かつ、上記スタッドを貫通する給脂孔を形成し、かつ、上記スタッドの端面に開口する給脂孔の端部には、その開口の縁を円錐形に面取りしてなるテーパー部を形成したカムフォロアに用いる給脂用のニップルであって、ニップル本体の一端に形成したフランジと、このフランジに連続させた大径部と、さらにこの大径部に連続させるとともに、大径部よりもわずかに小径にした圧入誘導部と、フランジとは反対側であるニップル本体の先端に形成した小径部と、この小径部と上記圧入誘導部との間に円錐状に形成した傾斜面と、上記大径部の周囲に形成した一または複数の環状溝とからなるカムフォロア用ニップル。
- 上記フランジは、それがカムフォロアのテーパー部に当接したとき、フランジ端面とスタッド端面とが面一となる寸法関係、あるいはスタッド端面に対してフランジ端面がやや沈む寸法関係を保った請求項5に記載のカムフォロア用ニップル。
- 上記環状溝は、フランジ側に位置する側面を軸線に対して傾斜させ、圧入誘導部側を軸線に対して直角にした請求項5又は6のいずれかに記載されたカムフォロア用ニップル。
- ニップル本体には、フランジ側からの油脂の流れのみを許容するチェック弁を設けた請求項5〜7のいずれかに記載したカムフォロア用ニップル。
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