JP2008014047A - 柱梁接合部構造およびその施工方法 - Google Patents

柱梁接合部構造およびその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】柱梁接合部における、配筋作業の軽減に適した柱梁接合部構造およびその施工方法を提供する。
【解決手段】中空外殻PCa製柱部材A,Dを設置し、既設の柱主筋と接合される柱主筋1および柱部材上方の第二仕口部15に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋2を含む柱梁接合部鉄筋籠5の柱主筋を柱部材内へ挿入し、梁主筋21が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部20およびフルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的に第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間Sを形成する梁端堰部23を備えたPCa製梁部材Xを第二仕口部に設置し、梁主筋接合用空間で梁主筋と柱梁接合部梁主筋を接合し、梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、柱部材から第二仕口部を介して梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造物の柱梁接合部構造およびその施工方法に関するものである。特に、プレキャストコンクリート製柱部材やプレキャストコンクリート製梁部材を使用した柱梁接合部構造およびその施工方法に関するものである。
柱梁接合部の配筋作業の簡略化を考慮し、プレキャストコンクリート製梁部材を使用した柱梁接合部構造として、従来例えば特許文献1が知られている。特許文献1における、U字型プレキャストコンクリート製梁部材は、下端主筋とスターラップ筋とが打ち込まれた、半スパン分の長さを有する、二つのU字型プレキャストコンクリート部分を連結して構成されている。U字型プレキャストコンクリート部分を、その端部を柱上部の仕口部に載せて直線状に配置し、柱上部の仕口部で、双方に共通の梁下端筋により連結して、一つのU字型プレキャストコンクリート製梁部材が形成されている。該梁下端筋は、柱上部の仕口部で露出している。当該U字型プレキャストコンクリート製梁部材を柱上部の仕口部に設置後、上端梁主筋およびフープ筋を仕口部と梁に設置して柱梁接合部配筋とし、U字型プレキャストコンクリート製梁部材の内部から柱の仕口部にかけてコンクリートを打設することにより、柱梁接合部が構築されている。
特開2001−207528号公報
一般に、柱梁接合部における鉄筋は、柱主筋とそのフープ筋、柱に接続される4方向の梁主筋とそのスターラップ筋からなり、鉄筋が錯綜するため施工作業がきわめて煩雑化している。背景技術の柱梁接合部構造にあっても、柱梁接合部における、柱主筋と梁の下端主筋とその剪断補強筋は、該U字型プレキャストコンクリート製梁部材により完了しているが、柱のフープ筋と梁の上端主筋は、U字型プレキャストコンクリート製梁部材の取り付け後に改めて配筋しなければならない。特に、梁の上端主筋の配筋作業は、U字型プレキャストコンクリート梁部材の剪断補強筋により、梁上部からの配筋が出来ない。このため、多数の柱主筋が立ち上がっている柱側からU字型プレキャストコンクリート梁部材の剪断補強筋の下へ、上端梁主筋を挿入いくこととなり作業効率が悪い。
このように、柱梁接合部において、施工効率を向上させるプレキャストコンクリート製梁部材を利用しても、鉄筋を錯綜状態に組み上げていく作業については、施工効率が良くないという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、プレキャストコンクリート製梁部材を使用した柱梁接合部において、錯綜した鉄筋の配筋作業を軽減するのに適した柱梁接合部構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる柱梁接合部構造は、中空外殻PCa製柱部材を設置し、既設の柱主筋と接合される柱主筋および上記柱部材上方の仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を該柱部材内へ挿入し、梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的に上記仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を上記仕口部に設置し、上記梁主筋接合用空間で上記梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合し、上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、上記柱部材から上記仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成することを特徴とする。
また、本発明にかかる柱梁接合部構造は、設置した3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材上方の第一仕口部には既設の柱主筋が突出され、両側の第二柱部材上方の第二仕口部にはそれぞれ、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠が、該柱主筋を当該第二柱部材内へ挿入して、設けられ、上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設し、上記梁主筋接合用空間で上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合し、上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、上記第一柱部材から上記第一仕口部にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成することを特徴とする。
さらに、本発明にかかる柱梁接合部構造は、設置した少なくとも3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材上方の第一仕口部には既設の柱主筋が突出され、中央以外の第二柱部材上方の第二仕口部にはそれぞれ、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠が、該柱主筋を当該第二柱部材内へ挿入して、設けられ、上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設し、梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を該第二仕口部に設置し、上記梁主筋接合用空間で、上記二連梁部材の上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋、該二連梁部材の上記Y方向梁主筋と上記PCa製梁部材の梁主筋、並びに該PCa製梁部材の梁主筋と該柱梁接合部梁主筋をそれぞれ接合し、上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、上記第一柱部材から上記第一仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成することを特徴とする。
前記PCa製二連梁部材の2つの前記フルプレキャスト梁部間にフープ筋を備えることを特徴とする。前記柱梁接合部鉄筋籠にフープ筋を備えることを特徴とする。前記梁端堰部上には、網状可撓性面材からなり、前記梁主筋接合用空間を外部から仕切る仕切り部材が一体的に連設されることを特徴とする。前記フルプレキャスト梁部には、スラブ接続筋が配筋されることを特徴とする。前記仕切り部材には、スラブ接続筋が配筋されることを特徴とする。前記PCa製梁部材は、その側面にスラブ型枠を支持するための支持部を有することを特徴とする。前記PCa製二連梁部材は、その側面にスラブ型枠を支持するための支持部を有することを特徴とする。
本発明にかかる柱梁接合部の施工方法は、請求項1に記載の柱梁接合部構造を施工する方法であって、中空外殻PCa製柱部材に、既設の柱主筋と接合される柱主筋および該柱部材上方の仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を挿入し、該柱主筋を該既設の柱主筋に接合した後、当該柱部材を設置する第1工程と、梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的に上記仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を上記仕口部に設置する第2工程と、上記梁主筋接合用空間で上記梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合する第3工程と、上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖する第4工程と、上記柱部材から上記仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設する第5工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる柱梁接合部の施工方法は、請求項2に記載の柱梁接合部構造を施工する方法であって、3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材を既設の柱主筋に、該既設の柱主筋が該第一柱部材上方の第一仕口部へ突出するように、挿入して設置するとともに、両側の第二柱部材それぞれに、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二柱部材上方の第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を挿入し、該柱主筋を該他の柱主筋に接合した後、当該第二柱部材を設置する第1工程と、上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設する第2工程と、上記梁主筋接合用空間で上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合する第3工程と、上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖する第4工程と、上記第一柱部材から上記第一仕口部にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設する第5工程とを含むことを特徴とする。
さらに、本発明にかかる柱梁接合部の施工方法は、請求項3に記載の柱梁接合部構造を施工する方法であって、少なくとも3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材を既設の柱主筋に、該既設の柱主筋が該第一柱部材上方の第一仕口部へ突出するように、挿入して設置するとともに、中央以外の第二柱部材それぞれに、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二柱部材上方の第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を挿入し、該柱主筋を該他の柱主筋に接合した後、当該第二柱部材を設置する第1工程と、上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設するとともに、梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的にいずれかの該第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を該第二仕口部に設置する第2工程と、上記梁主筋接合用空間で、上記二連梁部材の上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋、該二連梁部材の上記Y方向梁主筋と上記PCa製梁部材の梁主筋、並びに該PCa製梁部材の梁主筋と該柱梁接合部梁主筋をそれぞれ接合する第3工程と、上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖する第4工程と、上記第一柱部材から上記第一仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設する第5工程とを含むことを特徴とする。
本発明にかかる柱梁接合部構造およびその施工方法にあっては、プレキャストコンクリート製梁部材を使用した柱梁接合部において、錯綜した鉄筋の配筋作業を軽減できて、施工の効率を向上させることが出来る。
以下に、本発明にかかる柱梁接合部構造およびその施工方法の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる柱梁接合部構造は基本的には、図1から図7に示すように、設置した少なくとも3つの中空外殻PCa製柱部材A〜Eのうち、中央の第一柱部材B上方の第一仕口部41には既設の柱主筋40が突出され、中央以外の第二柱部材A,C〜E上方の第二仕口部15にはそれぞれ、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋1および第二仕口部15に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋2を含む柱梁接合部鉄筋籠5が、柱主筋1を当該第二柱部材A,C〜E内へ挿入して、設けられ、第一柱部材Bを挟む配置で、第一柱部材Bの既設の柱主筋40に対して配筋されるX方向梁主筋10で連結した2つのフルプレキャスト梁部6、少なくともいずれか一方のフルプレキャスト梁部6の一端から一体的にいずれかの第二仕口部15へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部6から突出されるX方向梁主筋10を挟む配置で梁主筋接合用空間Sを形成する梁端堰部9、並びに第一仕口部41でX方向梁主筋10と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋11を備えたPCa製二連梁部材Wをこれら柱部材A〜Cの第一および第二仕口部41,15に架設し、梁主筋21が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部20およびフルプレキャスト梁部20の少なくとも一端から一体的にいずれかの第二仕口部15へ向かって左右一対で突出形成され、梁主筋21を挟む配置で梁主筋接合用空間Sを形成する梁端堰部23を備えたPCa製梁部材X,Yを第二仕口部15に設置し、梁主筋接合用空間Sで、二連梁部材WのX方向梁主筋10と柱梁接合部梁主筋2、二連梁部材WのY方向梁主筋11とPCa製梁部材Yの梁主筋21、並びにPCa製梁部材Xの梁主筋21と柱梁接合部梁主筋2をそれぞれ接合し、梁主筋接合用空間Sを下方から底型枠30で封鎖し、第一柱部材Bから第一仕口部41を介して梁主筋接合用空間Sにわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの第二柱部材A,C〜Eから第二仕口部15を介して梁主筋接合用空間Sにわたって現場打ちコンクリートを打設して構成される。
概略的には、第一柱部材としての中空外殻PCa製柱部材B(以下、「柱部材B」という)と、第二柱部材としての中空外殻PCa製柱部材A、C、D、E(以下、「柱部材A、C、D、E」という)と、柱部材B内方から上方に突出されている既設の柱主筋40と、柱部材A、C、D、E上部の第二仕口部15に設置された柱梁接合部鉄筋籠5と、柱部材A、C、D、Eに挿入されている柱梁接合部鉄筋籠5の柱主筋1と、中央部で二つのフルプレキャスト梁部6がX方向梁主筋10で連結され、端部に梁端堰部9を有する、柱部材A、B,C間の上部に架設されているPCa製二連梁部材Wと、端部に梁端堰部23を有する柱部材A、D間の上部に設置されたPCa製梁部材Xと、端部に梁端堰部23を有し、柱部材B、Eの上部に設置されたPCa製梁部材Yと、上記各柱部材A、C、D、E内部およびその上部の第二仕口部15から、上記梁端堰部9、23により構成される梁主筋接合用空間Sにわたって、一体に打設されている現場打ちコンクリート、さらに柱部材B内部からその上部の第一仕口部41にわって一体に打設されている現場打ちコンクリートとにより構成されている。
柱部材A〜Eは、工場または現場で事前に作成された矩形の中空のプレキャストコンクリート製部材であり、そのコンクリート製外殻部(以下、「外殻」という)には柱のフープ筋が内蔵されている。これらの柱部材A〜Eは建築物の柱位置に設置されている。柱部材A、Cは、柱部材Bを挟んで同一直線状に設置されている。柱部材Dは、柱部材Aに隣接して、柱部材A、B、C列の横に設置されている。柱部材Eは、柱部材Bに隣接して、柱部材A、B、C列の横に、柱部材Dと反対側に位置させて、設置されている。
柱部材Bの内側には、上階のスラブ上まで立ち上がる既設の柱主筋40が挿入され、柱主筋40は柱部材Bの上方の第一仕口部41へ突出されている。柱部材A、C、D、Eの上部の第二仕口部15には、柱梁接合部鉄筋籠5が設けられ、柱部材A、C、D、Eの内側には、柱梁接合部鉄筋籠5を構成する柱主筋1が挿入されている。柱部材A、C、E内部の柱主筋1は、床上から突出されている既設の柱主筋(図示せず)と接合される。柱部材Dの設置位置では、床上から突出されている既設の柱主筋1が、柱部材D上部の第二仕口部15まで達している。このため、既設の柱主筋が柱部材Dの内部の柱主筋1となり、柱部材D上部の柱梁接合部鉄筋籠5を構成する柱主筋1となる。
柱梁接合部鉄筋籠5は、柱梁接合部梁筋籠5aと、柱梁接合部梁筋籠5aに挿入された柱主筋1とで構成されている。柱梁接合部梁筋籠5aは、柱梁接合部梁主筋2とそのスターラップ筋3および柱主筋1に対するフープ筋4で構成されている。柱梁接合部梁主筋2は、柱を挟んで直線状に配置される一対の梁の梁主筋の一部を構成し、第二仕口部15(本実施形態では、梁が接続する柱の部分であって、各柱部材A、C、D、Eより上の柱部分をいう)を横方向に貫通して、一方の梁の中央手前から他方の梁の中央手前まで、一対の梁主筋接合用空間S間にわたって延設されている。この柱梁接合部梁主筋2を第二仕口部15位置で直交方向に交差させて十字形に組み、柱部材A、C、D、Eの内側となる位置に柱主筋1のフープ筋4を設け、柱部材A、C、D、Eの外側となる部分にスターラップ筋3を設けて、柱梁接合部梁筋籠5aが鉄筋組されている。
PCa製二連梁部材Wは、工場や現場サイトで事前に製作されるプレキャストコンクリート製部材である。PCa製二連梁部材Wは、柱部材A、B間に位置するフルプレキャスト梁部6と柱部材B、C間に位置するフルプレキャスト梁部6が、柱部材Bの上部において露出したX方向梁主筋(柱部材A、B、Cの並ぶ方向の梁主筋)10で連結して構成されている。フルプレキャスト梁部6は柱間スパン方向に沿って長い直方体状に形成され、その内部には、X方向梁主筋10およびスターラップ筋、その他の必要な配筋が埋設される。フルプレキャスト梁部6の梁せいは、柱部材Bの上端に設置した状態で、梁の上端部がスラブ天端に達する寸法に設定されている。
フルプレキャスト梁部6には、その長さ方向に沿う側面上部に、スラブ型枠を支持する支持部32が形成されている。支持部32は、側面の段部として形成され、段部の上面にスラブ型枠の端縁が一連に係止されるよう構成される。さらにフルプレキャスト梁部6には、支持部32よりも上方の側面からスラブ側へ突出してスラブ接続筋33が設けられている。スラブ接続筋33は、スラブ型枠上に打設されるスラブコンクリートに埋設されることで床とPCa製二連梁部材Wとを接続する機能を有している。
第一仕口部(PCa製二連梁部材Wの中央部でX方向梁主筋10により連結された二つのフルプレキャスト梁部6端面に挟まれた空間を言う)41には、フルプレキャスト梁部6を連結するX方向梁主筋10と、Y方向梁主筋11とそのスターラップ筋12、柱のフープ筋13とによって構成される連結部鉄筋組14が露出して設けられている。二つのフルプレキャスト梁部6の間隔は、柱主筋40を挟んで、双方のフルプレキャスト梁部6端部を柱部材Bの外殻上部に載せることが可能な寸法になっている。
第一仕口部41で露出するX方向梁主筋10は、柱部材Bに挿入されている既設の柱主筋40に対して、柱部材A、B、Cの並ぶ方向の梁の主筋であり、PCa製二連梁部材Wの梁主筋、すなわち、二つのフルプレキャスト梁部6の梁主筋でもある。X方向梁主筋10は、第一仕口部41をはさむ二つのフルプレキャスト梁部6に共通の梁主筋であり、第一仕口部41において、その一部が露出状態であり、その他の部分は二つのフルプレキャスト梁部6の梁主筋として埋設されている。
Y方向梁主筋11は、PCa製二連梁部材Wと交差する梁の梁主筋の一部である。本実施形態では、柱部材Bに対し、PCa製二連梁部材Wに直交方向(Y方向)に取り付けられるPCa製梁部材Yの主筋の一部である。Y方向梁主筋11は、柱部材B上部の第一仕口部41を貫通して、Y方向に並設される一方の梁の中央部手前から他方の梁の中央部手前まで、一対の梁主筋接合用空間S間にわたって延設されている。Y方向梁主筋11の柱部材Bの外側部分には、スターラップ筋12が設けられている。X方向梁主筋10およびY方向梁主筋11の柱部材Bの内側部分には、柱部材Bから突出されている柱主筋40のフープ筋13が取り付けられている。
PCa製二連梁部材Wの両端部、すなわち、フルプレキャスト梁部6の柱部材A、C側の端には、X方向梁主筋10が突出され、また梁端堰部9が形成されている。X方向梁主筋10は、フルプレキャスト梁部6に埋設されているX方向梁主筋10が、フルプレキャスト梁部6端面から柱部材A、C上部の第二仕口部15に向かって突出したものであり、その外周にスターラップ筋8が配筋されている。その突出部の長さは、柱部材A、C上部の第二仕口部15に設置された柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2と、X方向梁主筋10をスリーブジョント等によりに接合できる寸法である。本実形態ではフルプレキャスト梁部6の端面近くに、接続部が位置するように設定されている。
梁端堰部9は、フルプレキャスト梁部6の柱部材A、C側の端から、フルプレキャスト梁部6と一体でプレキャスト成型された部分である。本実施形態における梁端堰部9は、フルプレキャスト梁部6の柱部材A、C側の端面から、フルプレキャスト梁部6の梁幅の内側に、左右の梁側面に沿って、X方向梁主筋10を挟む配置でほぼ平行に、柱部材A、C上部の第二仕口部15に向かって、一対の長方形の板状部として突出成型されている。梁端堰部9の高さは、フルプレキャスト梁部6の下端から、その側面に設けられた前記支持部32の段部上面までの寸法である。梁端堰部9の突出長さは、PCa製二連梁部材Wを柱部材A、B、C上部に架設した状態で、フルプレキャスト梁部6端面から柱部材A、Cの外殻に梁端堰部9の端部を載せることが可能な寸法に設定されている。
この梁端堰部9間に、梁主筋接合用空間Sが形成されている。梁主筋接合用空間Sは、第二仕口部15に向かって開放した断面コ字状で、梁せい方向に開放された空間である。梁端堰部9は、梁主筋接合用空間S内でX方向梁主筋10と柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2との接合作業が可能な空間を確保し、また、PCa製梁部材X、YおよびPCa製二連梁部材Wを各柱部材A、C、D、E上部に架設可能とし、さらに梁主筋接合用空間S内へのコンクリート打設のための型枠の機能を有している。
梁端堰部9上端には、網状可撓性面材からなる仕切り部材31が設けられる。仕切り部材31は、梁端堰部9上端から少なくともスラブ天端に達する高さ寸法であって、梁端堰部9と同じ長さを有している面状部材である。仕切り部材31は、梁端堰部9の上面に接続されるスラブ部分と梁主筋接合用空間S上部の梁部分とを仕切り、両者のコンクリートを分割して打設できるようにする機能を有している。本実施形態にあっては、仕切り部材31としてラス網が用いられている。ラス網は、PCa製梁部材X、Y、およびPCa製二連梁部材Wのプレキャスト成型時に、PCa製梁部材X、Y、およびPCa製二連梁部材Wと一体的に形成される梁端堰部9、23に、その下方部分が予め埋設されており、ラス網の上方部分は梁端堰部9上端から上方へ突出している。仕切り部材31には、床と梁を一体化するためのスラブ接続筋34が、左右一対の仕切り部材31を貫通して取り付けられている。
また梁端堰部9の梁底部には、梁主筋接合用空間Sへのコンクリートの打設に際して、梁主筋接合用空間Sの下面を閉じるためのコンクリート型枠として、底型枠30が取り付けられる。底型枠30はコンクリート打設後に撤去される仮設部材である。底型枠30の梁側面側には、コンクリート打設時の、底型枠30のずれ防止および、梁端堰部9の底部の開き防止のために、立ち上がり部30aが設けられている。
PCa製二連梁部材Wは、その両端部の梁主筋接合用空間Sに、柱部材A,Cの上部に設けられた柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2を挿入して、梁端堰部9を柱部材A、Cの外殻に載せ、また、第一仕口部41位置の連結部鉄筋組14に、柱部材Bの上部に延びる既設の柱主筋40を挿入して、第一仕口部41をはさむ両フルプレキャスト梁部6の端部を、柱部材Bの外殻に載せて、柱部材A、B、C間に架設されている。両端の梁主筋接合用空間Sにおいては、PCa製二連梁部材WのX方向梁主筋10が、柱部材A、C上部に設けられた柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2にスリーブジョイントまたは機械式継手等を介して接合されている。
PCa製梁部材Xは、工場や現場で事前に製作される、プレキャストコンクリート製部材である。PCa製梁部材Xは、フルプレキャスト梁部20と、フルプレキャスト梁部20の両端に形成された梁端堰部23と、フルプレキャスト梁部20の両端面から突出した梁主筋21で構成されている。
フルプレキャスト梁部20は、前述したPCa製二連梁部材Wのフルプレキャスト梁部6と同一の構成である。フルプレキャスト梁部20の側面には、フルプレキャスト梁部6と同様に、スラブ型枠の支持部32が形成され、スラブ接続筋33が複数突出されている。また、梁端堰部23は、図6および図7に示した前述のPCa製二連梁部材Wの梁端堰部9と同一の機能と構成である。梁端堰部23の上端には、梁端堰部9と同様に、仕切り部材31としてラス網が設けられ、スラブ接続筋34が取り付けられている。長さ方向の端面、すなわち柱部材A、D側の端面から突出した梁主筋21と、そのスターラップ筋22も、前述したPCa製二連梁部材WのX方向梁主筋10とそのスターラップ筋8と同一の構成である。
PCa製梁部材Xは、両端の梁主筋接合用空間Sに、柱部材A,Dの上部に設けられた、柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2を挿入して、梁端堰部23を柱部材A、Dの外殻に載せて、柱部材A、D間に設置されている。両端の梁主筋接合用空間Sにおいては、PCa製梁部材Xの梁主筋21が柱部材A、Dの上部に設けられた柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2にスリーブジョイントまたは機械式継手等を介して接合されている。
PCa製梁部材Yは、工場や現場サイトで事前に製作される、プレキャスト製コンクリート部材であり、PCa製梁部材Xと同一の構成の梁部材である。従って、PCa製梁部材Yの梁端堰部23は、図6、図7に示した通りである。PCa製梁部材Yは、柱部材E側の梁主筋接合用空間Sに、柱部材Eの上部に設けられた、柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2を挿入して、梁端堰部23を柱部材Eの外殻に載せ、他方の柱部材B側の梁主筋接合用空間Sに、柱部材Bの上部架設された、PCa製二連梁部材W中央の連結部鉄筋組14のY方向梁主筋11を挿入して、梁端堰部23を柱部材Bの外殻に載せて、柱部材B、E間に設置されている。
PCa製梁部材Yの柱部材E側の梁主筋接合用空間Sにおいて、PCa製梁部材Yの梁主筋21が柱部材Eの上部に設けられた柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2にスリーブジョイントまたは機械式継手等を介して接合されている。PCa製梁部材Yの柱部材B側の梁主筋接合用空間Sにおいては、PCa製梁部材Yの梁主筋21に、連結部鉄筋組14のY方向梁主筋11が、スリーブジョイントまたは機械式継手等を介して接合されている。
次に、本実施形態にかかる柱梁接合部の施工方法について説明する。事前準備として、中空外殻PCa製柱部材A〜Eと、PCa製二連梁部材W、およびPCa製梁部材X、Yを工場や現場サイトで製作する。PCa製二連梁部材Wの製作の段階では、その中央の連結部でフルプレキャスト梁部6をX方向梁主筋10で連結し、さらにX方向梁主筋10と、Y方向梁主筋11およびそのスターラップ筋12と、フープ筋13からなる連結部鉄筋組14を配筋しておく。この際、柱主筋40を挿入する位置を考慮して各梁主筋位置10,11を決め、柱部材Bの外殻と柱主筋40の間にフープ筋13が位置するように位置決めを行う。PCa製二連梁部材Wの端部、すなわちフルプレキャスト梁部6の他端には、梁端堰部9をフルプレキャスト梁部6と一体成型する。フルプレキャスト梁部6の側面からはスラブ接続筋33を突出し設ける。同じ要領でPCa製梁部材X、Yも工場または現場で製作する。
次の事前工程として、柱部材A、C、E位置の柱梁接合部鉄筋籠5を先組みする。まず、柱梁接合部鉄筋籠5を構成する柱梁接合部梁筋籠5aを先組みする柱梁接合部梁筋籠5aは、直交する2方向の柱梁接合部梁主筋2を交差させて組み、柱梁接合部梁主筋2の第二仕口部15外側部分にはスターラップ筋3を設け、内側部分には柱のフープ筋4を配筋する。なお、柱梁接合部梁筋籠5aを先組みする際は、柱部材D位置の柱梁接合部梁筋籠5aも並行して先組みしておく。組み立てられた柱梁接合部梁筋籠5aへ柱主筋1を挿入し、柱主筋1の上端側に寄せて柱梁接合部梁筋籠5aを設置する。柱主筋1と柱梁接合部梁筋籠5aは固定せず、柱梁接合部梁筋籠5aが柱主筋1に沿って移動できるようにしておく。また、事前段階において、第一柱部材である柱部材B位置の柱主筋1は、施工スラブ面から上階のスラブ面上方まで立ち上げておく。
施工の第1工程として、第二柱部材としての柱部材A、C、Eに、柱梁接合部鉄筋籠5の柱主筋1を挿入し、柱部材A、C、Eの上方に柱梁接合部鉄筋籠5が位置するように両者を組み合わせる。次ぎに、組み合わされた各柱部材A、C、Eと柱梁接合部鉄筋籠5を共吊りして、所定の柱位置上部へ移動する。柱部材A、C、Eの設置位置においてスラブ上に突出している施工済みの柱主筋に、柱部材A、C、Eに挿入されている柱主筋1を、機械式継手等を用いて接続する。次いで、各柱主筋1に沿って各柱部材A、C、Eを降下させスラブ上の所定の位置に固定する。
第二柱部材としての柱部材Dについては、柱部材Dの設置位置において、床から上階のスラブ面まで突出している既設の柱主筋、すなわち柱主筋1に挿入し、スラブ上の所定位置に固定する。その後、柱部材Dの上部に突出している柱主筋1に、事前工程で先組した柱梁接合部梁筋籠5aを挿入し、柱部材D上部の柱梁接合部鉄筋籠5を構築する。柱部材Bについては、床から上階のスラブ上まで立ち上がっている施工済みの柱主筋40に挿入し、その柱主筋40に沿って、降下させて、スラブ上の所定の位置に固定する。
第2工程として、まずPCa製二連梁部材Wを柱部材A、B、C上部に架設する。PCa製二連梁部材Wの端部については梁主筋接合用空間Sへ、柱部材A、C上部の柱梁接合部鉄筋籠5を通過させ、端部の梁端堰部9を柱部材A、Cの外殻に載せ、同時に中央の連結部鉄筋組14に柱部材Bの上部の柱主筋40を挿入しながら、フルプレキャスト梁部6端部を柱部材Bの外殻に載せる。次にPCa製二連梁部材Wの取り付け位置を調整しながら、フルプレキャスト梁部6の梁底を支保工で支持していく。
次にPCa製梁部材Xを、柱部材A、D間に設置する。PCa製梁部材Xの両端の梁主筋接合用空間Sに、柱部材A、D上部の両柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2を通過させ、柱部材A、Dの外殻に両端の梁端堰部23を載せる。これと並行してPCa製梁部材Xの取り付け位置を調整し、フルプレキャスト梁部20の梁底を支保工で支持していく。
次いでPCa製梁部材Yを柱部材B、E間に設置する。PCa製梁部材Yの、柱部材E側の梁主筋接合用空間Sへ、柱部材E上部の柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2を通過させて、梁端堰部23を、柱部材Eの外殻の上部に載せる。同時に、柱部材B側のPCa製二連梁部材Wの梁主筋接合用空間Sへ、PCa製二連梁部材Wの第一仕口部41に設けられた連結部鉄筋組14のY方向梁主筋11を通過させて、梁端堰部23を柱部材Bの外殻の上部に載せる。これと平行してPCa製梁部材Yの取り付け位置を調整しながら、フルプレキャスト梁部20の梁底を支保工で支持していく。
第3工程として、各梁主筋接合用空間Sにおいて、PCa製二連梁部材W端部のX方向梁主筋10およびPCa製梁部材X、Yの梁主筋21と、柱梁接合部鉄筋籠5の柱梁接合部梁主筋2およびPCa製二連梁部材Wの連結部鉄筋組14のY方向梁主筋11とを、スリーブジョイントまたは機械式継手等を介して接合する。
第4工程として、梁端堰部9、23の下方から底型枠30を取り付けて、各梁主筋接合用空間Sの下方を封鎖し、底型枠30を支保工で支持する。並行して、各柱部材上部A〜Eの第一、第二仕口部41、15にコーナー型枠を取り付ける。網状可撓性面材の仕切り部材31としてのラス網は、梁端堰部9,23の上面からスラブ天端まで立ち上げて連設してある。ラス網は、梁端堰部9,23の上面にスラブ型枠の端部を係止できるように、梁端堰部9,23の梁主筋接合用空間S側の面に沿って位置している。次いでスラブ接続筋34を左右一対の前記ラス網を貫通させて取り付ける。
第5工程として、各柱部材A〜E内部からその上部の第一、第二仕口部41、15へ、そして、第一、第二仕口部41、15から梁主筋接合用空間Sへと、スラブ天端まで、一体にコンクリートを打設する。これにより柱梁を一体的に結合して構築する。その後の工程として、スラブの施工を行なう。PCa製二連梁部材W、PCa製梁部材X、Yの支持部32および梁端堰部9,23の上端にスラブ型枠の端部を係止して設置し、このスラブ型枠上にスラブ配筋を行い、スラブコンクリートを打設する。
以上説明した本実施形態にかかる柱梁接合部構造およびその施工方法にあっては、PCa製梁部材X、Yにより、両端の柱梁接合部の配筋の簡略化を確保しながら、一部材で1スパンの梁架設が完了できる。PCa製二連梁部材Wにより、各柱梁接合部の配筋の簡略化を確保しながら、一部材で2スパンの梁架設ができる。また、PCa製二連梁部材WとPCa製梁部材X、Yを適切に組み合わせることにより、柱梁接合部の配筋の簡略化を確保しながら、あらゆる柱の割付に対応した梁を架設でき、広汎に適用できる。
PCa製二連梁部材WとPCa製梁部材X、Y自体で柱部材A〜E間に架設できるため、架設するための設備が簡素化でき施工の効率も向上する。柱部材A〜Eを使用しているため、梁の施工前に柱位置を固定することが出来る。これにより、柱部材A〜Eの上部に、柱梁接合部鉄筋籠5や、PCa製二連梁部材W、PCa製梁部材X、Yを支持させることができ、仮設設備が簡略化され施工が容易になる。さらに柱に対する、PCa製二連梁部材W、PCa製梁部材X、Yの位置決めが容易になり施工が効率化される。
柱梁接合部鉄筋籠5を先組みし、柱主筋1およびそのフープ筋4も柱梁接合部鉄筋籠5に取り付けてあるため、錯綜する第二仕口部15の梁配筋が事前に完了し、施工が簡略化される。さらに、施工段階で、予め柱主筋1に柱梁接合部梁筋籠5aを移動可能に挿入してあるため、現場の設置作業において、錯綜する梁主筋10、21の間に多数の柱主筋1を挿入するという労力が軽減され施工が効率化される。
また、柱梁接合部鉄筋籠5は、第二仕口部15より外方へ突出する柱梁接続部梁主筋2を有し、これと接続するX方向梁主筋10または梁主筋21も、PCa製二連梁部材W、PCa製梁部材X、Y端部から突出した形状であるため、配筋が錯綜する第二仕口部15から離れた位置で梁主筋2、21、10を接続することが出来、施工効率が向上する。梁端堰部9、23で形成される梁主筋接合用空間Sを梁せい方向に貫通させたことにより、柱梁接合部鉄筋籠5を取り付けた後でも、PCa製二連梁部材WとPCa製梁部材X、Yを柱梁接合部鉄筋籠5に挿入できる。さらに、PCa製梁部材端部X、Yの設置後完了後でも、梁底側から下端梁主筋の接続作業が可能となり鉄筋の接続作業も効率化される。
また、PCa製二連梁部材WとPCa製梁部材X、Yが梁端堰部9、23を有することにより、柱の施工を軽減する中空プレキャスト柱部材A〜Eと、柱梁接合部の配筋作業を軽減する柱梁接合部鉄筋籠5と、梁の施工を軽減するPCa製の梁部材W、X、Yとを併用して鉄筋が錯綜する仕口部15、41周りの施工を合理化することができ、建築物の工程全般にわたり施工性を向上できる。
梁端堰部9、23は梁幅の間隔で左右一対に設けられているため、PCa製二連梁部材WおよびPCa製梁部材X、Yを各柱部材A〜Eの外殻に架設する際に安定性が確保しやすくなる。また、PCa製二連梁部材Wと柱部材A〜Cが直接接するため、柱に対する梁の位置決めを行いやすくなり、施工が効率化される。さらに、梁端堰部9、23はフルプレキャスト梁部6、20と一体形成されていて強度があるため、PCa製二連梁部材W、PCa製梁部材端部X、Yを架設した段階での支保工による支持が簡素化でき作業効率が向上する。梁端堰部9,23は梁主筋接合用空間Sのコンクリート打設時の側面型枠として兼用されるため施工が省力化される。梁端堰部9、23が第二仕口部15に向かって開放された梁主筋接合用空間Sを形成しているため、柱梁を一体的に打ち継ぎなく構築でき構造的に有利となる。
仕切り部材31を設けたので、あまり強度を必要としないスラブ用のコンクリートと、それより強度を必要とする梁用コンクリートを容易に打ち分けることができる。これにより、スラブに対して高強度の梁用コンクリートを打設する必要がなくなり、大幅なコストダウンを達成することができる。仕切り部材31をラス網とした場合、スラブコンクリートと梁コンクリートの打ち継ぎ面において、網目からコンクリート同士が直接接合され、また、打ち継ぎ面が凹凸であることから、付着強度が確保されやすくなる。また、可塑性であるため、設置作業や除去作業がしやすい。フルプレキャスト梁部6、20からスラブ接続筋33を突出させ、仕切り部材31にスラブ接続筋34を設けたことにより、床と梁との接合強度を確保するための配筋施工が簡略化される。
さらに、梁端堰部9,23上端およびフルプレキャスト梁部6、20の側面に支持部32を設けてあるため、スラブ部材の端部を係止させることができ、スラブ施工を効率化できる。梁主筋接合用空間Sを下方から封鎖する底型枠30を梁端堰部9、23に着脱自在としたので、当該底型枠30を転用でき省資源化できる。フルプレキャスト梁部6、20の上端をスラブ天端位置に設定したので、適切に梁とスラブの間でのコンクリートの打ち分けを確保することができる。これにより、スラブコンクリート打設と関係なくフルプレキャスト梁部6、20の上端から、上階のフルプレキャスト梁部の支持を行なうことができ、また、梁がスラブに先行して構築できるため、上階の梁主筋接合用空間Sの底型枠30の支持を、施工階のスラブ施工を待つことなく実施でき、上階の施工開始時期を早めることができる。
以上説明した本実施形態にかかる柱梁接合部構造およびその施工方法においては、プレキャストコンクリート製梁部材を使用した柱梁接合部の構造として、またこれを構築する施工にあたって、錯綜した配筋作業を軽減することができ、また鉄筋が錯綜する第一、第二仕口部41、15をさけて梁主筋2、10、11、21を接続できるため、柱梁接合部の施工効率を向上させることが出来る。
本実施形態に限らず、下記のように変更した実施形態でもよい。上記実施形態にあっては、PCa製二連梁部材WとPCa製梁部材X,Yを組み合わせて構成し、施工するようにしたが、PCa製梁部材X,Yのみを用いた構成および施工であっても、PCa製二連梁部材Wのみを用いた構成および施工であってもよい。
柱梁接合部鉄筋籠5は、柱に取り付けられる梁の数により、3方向又は2方向に、柱梁接合部梁主筋2を設け、T字状、L字状、I字状としてもよい。また、PCa製二連梁部材Wの連結部鉄筋組14のY方向梁主筋11は、柱部材Bに対し一方にのみ設け連結部鉄筋組14をト字状としてもよい。スラブ接続筋33は、フルプレキャスト梁部6、20にスラブ接続筋33用のアンカーを埋め込み、後に、ねじ付き鉄筋を取り付けて設けてもよい。また、ケミカルアンカー等をフルプレキャスト梁部6、20成型後に打ち込んで、スラブ接続筋33を設けてもよい。
梁端堰部9、23の取り付け間隔は、柱梁接合部梁主筋2を通過させることが可能な寸法であればよく、フルプレキャスト梁部6、20の梁幅に限定されない。例えば、フルプレキャスト梁部6、20の梁幅より広くする場合、梁端堰部9、23を、フルプレキャスト梁部6、20の側面に一体的に形成すればよい。仕切り部材31は、梁又はスラブのいずれかのコンクリートの打設後に撤去してもよい。底型枠30は、左右一対の梁端堰部9、23間に梁底と面一に取り付け、撤去せずそのまま残してもよい。柱部材D位置で、床から突出する既設の柱主筋は、柱部材D上部の第二仕口部15を貫通する長さを有しなくてもよい。この場合、柱部材D上部の柱梁接合部鉄筋籠5は、柱部材A、C、E上部の柱梁接合部鉄筋籠5と同様に、先組み可能なものを使用してもよい。
柱部材B位置の柱主筋40は、施工階の階下の柱主筋施工段階において、予め施工階の上階スラブ上までの長さを有する柱主筋として、施工しておいてもよい。この場合、施工階での接続作業を省略することができる。連結部鉄筋組14は、PCa製二連梁部材Wの架設前に、X方向梁主筋10にY方向梁主筋11、スターラップ筋12およびフープ筋13を取り付けて形成してもよい。本実施形態では、柱梁とスラブのコンクリートを打ち分けたが、梁主筋接合用空間Sと、各柱部材A〜E上部の第一、第二仕口部41、15との間に仕切り部材を設け、各柱部材A〜E内部からこれら仕口部15、41までの柱コンクリートと、梁の梁主筋接合用空間Sのコンクリートを打ち分けてもよい。柱梁と床の構築順序はどちらを先行しても、同時であっても良い。仕切り部材31およびスラブ接続筋33、34の設置は先行するコンクリート打設の前に行えばよい。
本発明にかかる柱梁接合部構造およびその施工方法の好適な実施形態を説明するための模式的斜視図である。 図1におけるPCa製梁部材Xの第二仕口部への設置状況を示す平面図である。 図1におけるPCa製二連梁部材Wの第一、第二仕口部への設置状況を示す平面図である。 図3のPCa製二連梁部材W端部の第二仕口部への設置状況を示す側面図である。 図3のPCa製二連梁部材Wの第一仕口部への設置状況を示す側面図である。 図3のPCa製二連梁部材W端部における中空外殻PCa製柱部材との取り付け位置関係を示す斜視図である。 図3のPCa製二連梁部材W端部における底型枠の施工状況を示す正面断面図である。
符号の説明
1 柱主筋
2 柱梁接合部梁主筋
3 スターラップ筋
4 フープ筋
5 柱梁接合部鉄筋籠
6 フルプレキャスト梁部
9 梁端堰部
10 X方向梁主筋
11 Y方向梁主筋
14 連結部鉄筋組
15 仕口部
20 フルプレキャスト梁部
21 梁主筋
23 梁端堰部
30 底型枠
31 仕切り部材
32 支持部
33 スラブ接続筋
34 スラブ接続筋
40 柱主筋
41 仕口部
A〜E 中空外殻PCa製柱部材
X、Y PCa製二連梁部材
W PCa製二連梁部材
S 梁主筋接合用空間

Claims (13)

  1. 中空外殻PCa製柱部材を設置し、
    既設の柱主筋と接合される柱主筋および上記柱部材上方の仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を該柱部材内へ挿入し、
    梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的に上記仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を上記仕口部に設置し、
    上記梁主筋接合用空間で上記梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合し、
    上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、
    上記柱部材から上記仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成することを特徴とする柱梁接合部構造。
  2. 設置した3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材上方の第一仕口部には既設の柱主筋が突出され、両側の第二柱部材上方の第二仕口部にはそれぞれ、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠が、該柱主筋を当該第二柱部材内へ挿入して、設けられ、
    上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設し、
    上記梁主筋接合用空間で上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合し、
    上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、
    上記第一柱部材から上記第一仕口部にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成することを特徴とする柱梁接合部構造。
  3. 設置した少なくとも3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材上方の第一仕口部には既設の柱主筋が突出され、中央以外の第二柱部材上方の第二仕口部にはそれぞれ、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠が、該柱主筋を当該第二柱部材内へ挿入して、設けられ、
    上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設し、
    梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を該第二仕口部に設置し、
    上記梁主筋接合用空間で、上記二連梁部材の上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋、該二連梁部材の上記Y方向梁主筋と上記PCa製梁部材の梁主筋、並びに該PCa製梁部材の梁主筋と該柱梁接合部梁主筋をそれぞれ接合し、
    上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖し、
    上記第一柱部材から上記第一仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設して構成することを特徴とする柱梁接合部構造。
  4. 前記PCa製二連梁部材の2つの前記フルプレキャスト梁部間にフープ筋を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の柱梁接合部構造。
  5. 前記柱梁接合部鉄筋籠にフープ筋を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の柱梁接合部構造。
  6. 前記梁端堰部上には、網状可撓性面材からなり、前記梁主筋接合用空間を外部から仕切る仕切り部材が一体的に連設されることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載の柱梁接合部構造。
  7. 前記フルプレキャスト梁部には、スラブ接続筋が配筋されることを特徴とする請求項1〜6いずれかの項に記載の柱梁接合部構造。
  8. 前記仕切り部材には、スラブ接続筋が配筋されることを特徴とする請求項6に記載の柱梁接合部構造。
  9. 前記PCa製梁部材は、その側面にスラブ型枠を支持するための支持部を有することを特徴とする請求項1,3〜8いずれかの項に記載の柱梁接合部構造。
  10. 前記PCa製二連梁部材は、その側面にスラブ型枠を支持するための支持部を有することを特徴とする請求項2〜8いずれかの項に記載の柱梁接合部構造。
  11. 請求項1に記載の柱梁接合部構造を施工する方法であって、
    中空外殻PCa製柱部材に、既設の柱主筋と接合される柱主筋および該柱部材上方の仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を挿入し、該柱主筋を該既設の柱主筋に接合した後、当該柱部材を設置する第1工程と、
    梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的に上記仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を上記仕口部に設置する第2工程と、
    上記梁主筋接合用空間で上記梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合する第3工程と、
    上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖する第4工程と、
    上記柱部材から上記仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設する第5工程とを含むことを特徴とする柱梁接合部の施工方法。
  12. 請求項2に記載の柱梁接合部構造を施工する方法であって、
    3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材を既設の柱主筋に、該既設の柱主筋が該第一柱部材上方の第一仕口部へ突出するように、挿入して設置するとともに、両側の第二柱部材それぞれに、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二柱部材上方の第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を挿入し、該柱主筋を該他の柱主筋に接合した後、当該第二柱部材を設置する第1工程と、
    上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設する第2工程と、
    上記梁主筋接合用空間で上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋を接合する第3工程と、
    上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖する第4工程と、
    上記第一柱部材から上記第一仕口部にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設する第5工程とを含むことを特徴とする柱梁接合部の施工方法。
  13. 請求項3に記載の柱梁接合部構造を施工する方法であって、
    少なくとも3つの中空外殻PCa製柱部材のうち、中央の第一柱部材を既設の柱主筋に、該既設の柱主筋が該第一柱部材上方の第一仕口部へ突出するように、挿入して設置するとともに、中央以外の第二柱部材それぞれに、他の既設の柱主筋と接合される柱主筋および該第二柱部材上方の第二仕口部に横方向に配筋される柱梁接合部梁主筋を含む柱梁接合部鉄筋籠の該柱主筋を挿入し、該柱主筋を該他の柱主筋に接合した後、当該第二柱部材を設置する第1工程と、
    上記第一柱部材を挟む配置で、該第一柱部材の上記既設の柱主筋に対して配筋されるX方向梁主筋で連結した2つのフルプレキャスト梁部、少なくともいずれか一方の該フルプレキャスト梁部の一端から一体的にいずれかの上記第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、当該フルプレキャスト梁部から突出される該X方向梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部、並びに上記第一仕口部で該X方向梁主筋と交差するY方向に配筋されたY方向梁主筋を備えたPCa製二連梁部材をこれら柱部材の第一および第二仕口部に架設するとともに、梁主筋が長さ方向両端から突出されるフルプレキャスト梁部および該フルプレキャスト梁部の少なくとも一端から一体的にいずれかの該第二仕口部へ向かって左右一対で突出形成され、該梁主筋を挟む配置で梁主筋接合用空間を形成する梁端堰部を備えたPCa製梁部材を該第二仕口部に設置する第2工程と、
    上記梁主筋接合用空間で、上記二連梁部材の上記X方向梁主筋と上記柱梁接合部梁主筋、該二連梁部材の上記Y方向梁主筋と上記PCa製梁部材の梁主筋、並びに該PCa製梁部材の梁主筋と該柱梁接合部梁主筋をそれぞれ接合する第3工程と、
    上記梁主筋接合用空間を下方から底型枠で封鎖する第4工程と、
    上記第一柱部材から上記第一仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設するとともに、いずれかの上記第二柱部材から上記第二仕口部を介して上記梁主筋接合用空間にわたって現場打ちコンクリートを打設する第5工程とを含むことを特徴とする柱梁接合部の施工方法。
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