JP2008013400A - 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法 - Google Patents

排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008013400A
JP2008013400A JP2006186001A JP2006186001A JP2008013400A JP 2008013400 A JP2008013400 A JP 2008013400A JP 2006186001 A JP2006186001 A JP 2006186001A JP 2006186001 A JP2006186001 A JP 2006186001A JP 2008013400 A JP2008013400 A JP 2008013400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon dioxide
absorption
carbon atoms
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006186001A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinkichi Shimizu
信吉 清水
Kazuya Goto
和也 後藤
Yasuyuki Yagi
靖幸 八木
Tomio Mimura
富雄 三村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE filed Critical Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Priority to JP2006186001A priority Critical patent/JP2008013400A/ja
Publication of JP2008013400A publication Critical patent/JP2008013400A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/151Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions, e.g. CO2
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals

Abstract

【課題】本発明は、効率的かつ低いエネルギー消費量でガス中のCO2を吸収及び脱離して、高純度のCO2を回収する方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素を含むガスから高純度の二酸化炭素を回収する方法であって、(1)二酸化炭素を含むガスを、所定のアルカノールアミン類、ピペリジン類、ピペラジン類等を含む水溶液に接触させて、該水溶液に二酸化炭素を吸収させる工程、及び(2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された水溶液を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程、を含む二酸化炭素の回収方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス中に含まれる二酸化炭素(CO2)を、CO2吸収液を用いて吸収し、続いてCO2が吸収されたCO2吸収液からCO2を脱離して回収する方法に関する。
近年、地球温暖化に起因すると考えられる気象変動や災害の頻発が、農業生産、住環境、エネルギー消費等に多大の影響をおよぼしている。この地球温暖化は、人間の活動が活発になることに付随して増大するCO2、メタン、亜酸化窒素、フロン等の温室効果ガスが大気中に増大するためであると考えられている。その温室効果ガスの中で最も主要なものとして、大気中のCO2があげられる。地球温暖化の防止のため1997年12月には温暖化防止京都会議(COP3)が開催され、その会議で採択された京都議定書が2005年2月16日に発効し、CO2放出量の削減に向けての対策が緊急に必要となっている。
CO2の発生源としては石炭、重油、天然ガス等を燃料とする火力発電所、製造所のボイラーあるいはセメント工場のキルン、コークスで酸化鉄を還元する製鐵所の高炉、そしてガソリン、重油、軽油等を燃料とする自動車、船舶、航空機等の輸送機器などがある。これらのうち輸送機器を除くものについては固定的な設備であり、CO2の放出を削減する対策を施しやすい設備として期待されている。
ガス中のCO2を回収する方法としてはこれまでもいくつかの方法が知られている。そしてまた現在も広く種々の方法が研究されている。
例えば、CO2を含むガスを吸収塔内でアルカノールアミン水溶液と接触させてCO2を吸収させた後、そのCO2吸収液を加熱して脱離塔でCO2を脱離回収させる方法は、1930年代から開発され、尿素合成プラント塔で実用化されている。この方法は、経済的でありかつ大型化しやすいものである。
ここでアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジイソプロバノールアミン(DIPA)、ジグリコールアミン(DGA)などが知られているが、通常モノエタノールアミンが用いられている。
しかし、例えばMEA等のアルカノールアミンの水溶液を吸収液として用いた場合、単位体積あたりのCO2吸収容量はすぐれているものの、装置の材質の腐食性が高いため、装置に高価な耐食鋼を用いる必要があったり、吸収液中のアミン濃度をさげる必要がある。また、吸収したCO2を脱離しにくいために、脱離の温度を120℃と高い温度に加熱して脱離、回収する必要がある。また、それとは別にCO2を吸収液から脱離するのに必要なエネルギーが、20 Cal/mol CO2と高いという欠点もある。例えば、この方法を用いて発電所においてCO2を回収するには、発電量の20%にもあたる余分なエネルギーが必要となってしまう。CO2の発生の削減、省エネルギー及び省資源が求められる時代においては、この高エネルギー消費はCO2吸収、回収設備の実用化を阻む大きな要因となっている。
特許文献1にはアミノ基周辺にアルキル基等の立体障害があるいわゆるヒンダードアミンの例として2級あるいは3級炭素と結合した2級アミノ基あるいは3級炭素と結合した1級アミン合計50モル%以上と3級アミン10モル%以上の混合物が提案されている。
1級アミンとしてC3からC5のアルカノールアミンが例示されている。2級アミンとしてはピペリジンアルカノール類やヒドロキシピペリジン類が例示されている。そして3級アミンとしてアルカノールアミン類では3-ジメチルアミノ-1-プロパノール(DMA1P)、1-ジエチルアミノ-2-プロパノール(DEA2P)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、3-ジエチルアミノ-1-プロパノール(3EA1P)、N-メチルジエタノールアミン(MDEA)がそしてピペリジン類としてN-メチル-3-ヒドロキシピペリジン(NM3HPZ))があげられている。
そして液の混合によって得られる効果として、CO2ガス吸収量の増加とCO2吸収反応の反応熱を低下させる。と述べている。
特許文献2は吸収液としてアミンの水溶液に限定して、上記文献と同じく2級あるいは3級炭素と結合した2級アミノ基あるいは3級炭素と結合した1級アミンを提案している。2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)や2-メチルピペラジン(2MPZ)も提案されている。
特許文献3 では燃焼排ガスからのCO2の除去に限定して、2級のヒンダードアミンとして2-メチルアミノエタノール(MAE)、2-エチルアミノエタノール(EAE)、2-プロピルアミノエタノール(PAE)、2-イソプロピルアミノエタノール(iPAE)を例示し、EAEとMAEが好ましいとしている。
3級アミンとしてジ-非置換アルキルアミノプロパノール及びジ-非置換アルキルアミノブタノールすなわちメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基で置換されたジ-非置換アルキルアミノプロパノール及びジ-非置換アルキルアミノブタノールをあげ1-ジエチルアミノ-2-プロパノールと3-ジエチルアミノ-1-プロパノールを例示している。
特許文献4ではやはり燃焼排ガスに限定しているが2級アミン及び3級アミンの混合水溶液を用いてCO2吸収量、及び吸収速度を改善して、吸収及び回収に要するエネルギーを改善できたとしている。
好ましい2級アミンとしては2-メチルアミノエタノール(MAE)、2-エチルアミノエタノール(EAE)、2-イソプロピルアミノエタノール(IPAE)、2-n-ブチルアミノエタノール(nBAE)などのアルカノールアミンの他ピペラジン(PZ)、2-メチルピペラジン(2MPZ)、ジメチルピペラジン類、2-ピペリジノエタノール(2PRE)の環状アミンが例示されている。また好ましい3級アミンとして2-ジメチルアミノエタノール(DMAE)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、3-ジメチルアミノ-1-プロパノール(3DMA1P)、4-ジメチルアミノ-1-ブタノール(4DMA1B)、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(2DMA2M1P)、N-エチル-N-メチルエタノールアミン(EMAE)、N-メチルジエタノールアミン(MDEA)、N-エチルジエタノールアミン(EDEA)、N-t-ブチルジエタノールアミン(tBDEA)、N-メチルジイソプロパノールアミン(MDIPA)が示されている。しかし3級アルカノールアミンの濃度は単独で最多くCO2を吸収する濃度の±10重量%と極めて限定されている。
以上のように、CO2の吸収及び脱離回収を改良しようとする多くの試みがなされている。しかし、これらの多くは吸収量の増大を狙ったものであり、CO2を吸収する反応熱を低減する目的でなされたものは少ない。これらの特許出願や論文に現れたアミン類においてはCO2を吸収する反応熱はトリエタノールアミン(TEA)のように低いもので10Kcal/mol-CO2であり、多くは12〜22 Kcal/mol- CO2と大きい。CO2吸収の反応熱、換言すればCO2脱離のために必要な熱を小さくすることと吸収及び脱離回収性能のバランスが大きな課題となっている。
特開昭53-100180号公報 米国特許第4,112,052号明細書 特許2871334号 特許3197183号
本発明は、効率的かつ低いエネルギー消費量でガス中のCO2を吸収及び脱離して、高純度のCO2を回収する方法を提供することを目的とする。具体的には、単位量あたりのCO2脱離量及びCO2脱離速度が大きく、かつ、CO2脱離に必要なエネルギー(熱量)が低いCO2吸収液を用いて、排ガス中のCO2を吸収した後に、効率的にCO2を脱離して高純度のCO2を回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、3-ジメチルアミノ-2-プロパノール(DMA2P)及びその骨格を有するアルカノールアミン類が極めて低いCO2吸収反応熱を示すことを見出した。そして、さらに他のアルカノールアミン類、及び/又は、ピペリジン類若しくはピペラジン類と混合することにより、高いCO2脱離量および脱離速度を示すことを見出した。かかる知見に基づき、更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の新規な二酸化炭素を回収する方法を提供する。
項1. 二酸化炭素を含むガスから高純度の二酸化炭素を回収する方法であって、
(1)二酸化炭素を含むガスを、一般式〔I〕:
Figure 2008013400
(式中、R1及びR2は同一又は異なって水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基、R4及びR5は同一又は異なって炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるアルカノールアミン類と、一般式〔IIa〕:
Figure 2008013400
(式中、R11、R12及びR14は同一又は異なって水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、R13及びR15は同一又は異なって水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類と同一化合物を除く。)
で表されるアルカノールアミン類、及び/又は、一般式〔IIb〕:
Figure 2008013400
(式中、Xは、式-CHR-又は式-NR’-で示される基であり、R又はR’は水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はアミノ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基であり、R21、R22、R23及びR24は同一又は異なって水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はアミノ基若しくは水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるピペリジン類又はピペラジン類を、(〔IIa〕+〔IIb〕):〔I〕のモル比にして0.1:0.9〜0.9:0.1で含む水溶液に接触させて、該水溶液に二酸化炭素を吸収させる工程、及び
(2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された水溶液を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程
を含む二酸化炭素の回収方法。
項2. 前記(1)において二酸化炭素を含むガスを前記水溶液に60℃以下の温度で接触させ、かつ、前記(2)において二酸化炭素が吸収された水溶液を70℃以上の温度で加熱して二酸化炭素を脱離する項1に記載の二酸化炭素の回収方法。
項3. 前記〔I〕のアルカノールアミン類が、3-ジメチルアミノ-2-プロパノールである項1又は2に記載の二酸化炭素の回収方法。
項4. 前記〔IIa〕のアルカノールアミン類が、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルアミノエタノール、N-エチルアミノエタノール、及びジエタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1〜3のいずれかに記載の二酸化炭素の回収方法。
項5. 前記〔IIb〕のピペリジン類又はピペラジン類が、2-アミノメチルピペリジン、2-メチルピペラジン、及び2-アミノメチルピペラジンからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1〜3のいずれかに記載の二酸化炭素の回収方法。
以下、本発明を詳述する。
本発明は、二酸化炭素を含むガスから高純度の二酸化炭素を回収する方法であって、
(1)二酸化炭素を含むガスを、一般式〔I〕:
Figure 2008013400
(式中、R1及びR2は同一又は異なって水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基、R4及びR5は同一又は異なって炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるアルカノールアミン類と、一般式〔IIa〕:
Figure 2008013400
(式中、R11、R12及びR14は同一又は異なって水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、R13及びR15は同一又は異なって水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類と同一化合物を除く。)
で表されるアルカノールアミン類、及び/又は、一般式〔IIb〕:
Figure 2008013400
(式中、Xは、式-CHR-又は式-NR’-で示される基であり、R又はR’は水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はアミノ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基であり、R21、R22、R23及びR24は同一又は異なって水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はアミノ基若しくは水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるピペリジン類又はピペラジン類を、(〔IIa〕+〔IIb〕):〔I〕のモル比にして0.1:0.9〜0.9:0.1で含む水溶液に接触させて、該水溶液に二酸化炭素を吸収させる工程、及び
(2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された水溶液を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程
を含む二酸化炭素の回収方法である。
本発明に用いる一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類において、R1、R2、R4及びR5で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロビル基、n−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等を挙げることができる。そのうち、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
R1及びR2はそれぞれ水素、メチル基又はエチル基が好ましく、ともに水素がより好ましい。
R4及びR5はそれぞれメチル基又はエチル基が好ましく、ともにメチル基がより好ましい。
R3で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、上記したものが挙げられる。また、水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基としては、上記の炭素数1〜4のアルキル基上に1〜3個(好ましくは1個)の水酸基を有する基が挙げられ、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が例示される。
R3はメチル基、エチル基又はヒドロキシメチル基が好ましく、メチル基又はヒドロキシメチル基がより好ましい。
具体的な一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類としては、1-ジメチルアミノ-2-プロパノール(DMA2P)、1-ジエチルアミノ-2-プロパノール(DEA2P)、3-ジメチルアミノ-2-ブタノール(3DMA2B)、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール(3DMA12PD)、3-ジメチルアミノ-1,2-ブタンジオール(3DMA12BD)などが例示される。特に、DMA2P は、CO2脱離に必要なエネルギー(熱量)が低く、工業的に生産されており安価で入手が容易であるため好適である。
本発明に用いる一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミン類において、R11、R12及びR14の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロビル基、n−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等を挙げることができる。そのうち、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
R11及びR12はそれぞれ水素、メチル基又はエチル基が好ましく、ともに水素又はともにメチル基がより好ましい。
R14は水素、メチル基、エチル基又はプロピル基が好ましく、水素又はメチル基がより好ましい。
R13及びR15で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、上記したものが挙げられる。また、水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基としては、上記の炭素数1〜4のアルキル基上に1〜3個(好ましくは1個)の水酸基を有する基が挙げられ、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が例示される。
R13は水素、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
R15は水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、又は3-ヒドロキシプロピル基が好ましい。
具体的な一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミンとしては2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-メチルアミノ-1-エタノール(MAE)、2-エチルアミノ-1-エタノール(EAE)、2-ジメチルアミノ-1-エタノール(DMAE)、2-ジエチルアミノ-1-エタノール(DEAE)、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、2-プロピルアミノ-1-エタノール(PAE)等をあげることができる。
本発明に用いる一般式〔IIb〕で表されるピペリジン類又はピペラジン類において、R又はR’で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロビル基、n−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等を挙げることができる。そのうち、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R又はR’はで示されるアミノ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基としては、上記の炭素数1〜4のアルキル基上に1〜2個(好ましくは1個)のアミノ基を有する基が挙げられ、具体的にはアミノメチル基、2-アミノエチル基、アミノブロピル基等が例示される。
Xが式-CHR-の場合、Rが水素、メチル基又はアミノメチル基が好ましい。Xが式-NR’-の場合、R’が水素が好ましい。
R21〜R24で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロビル基、n−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等を挙げることができる。そのうち、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R21〜R24で示されるアミノ基若しくは水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基としては、上記の炭素数1〜4のアルキル基上に1〜2個(好ましくは1個)のアミノ基若しくは水酸基を有する基が挙げられ、具体的にはアミノメチル基、2-アミノエチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基等が例示される。
具体的な一般式〔IIb〕で表されるピペリジン類又はピペラジン類としては4-アミノメチルピペリジン(4AMPR)、2-メチルピペラジン(2MPZ)、2-アミノメチルピペラジン(2AMPZ)等をあげることができる。
本発明に用いるCO2を吸収及び脱離するための水溶液中に含まれる、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類に対する、一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミン類及び/又は一般式〔IIb〕で表されるピペリジン類あるいはピペラジン類の和との混合比、(〔IIa〕+〔IIb〕)/〔I〕は、モル比にして0.1:0.9から0.9:0.1であり、好ましくは0.2:0.8から0.8:0.2である。
一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類のみでは、CO2吸収反応熱は著しく低く好ましいが、CO2吸収量も小さくかつCO2吸収速度も低い。またCO2脱離量は小さくCO2脱離速度は極めて低い。一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミン類あるいは〔IIb〕で表されるピペリジン類あるいはピペラジン類のみでは、CO2吸収量は大きくかつCO2吸収速度も高いものの、CO2脱離量は小さくCO2脱離速度は低い。
ところが驚くべきことに、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類と、一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミン類及び/又は〔IIb〕で表されるピペリジン類又はピペラジン類とを、モル比にして0.1:0.9から0.9:0.1、好ましくは0.2:0.8から0.8:0.2の水溶液では、CO2吸収量、CO2吸収速度、CO2脱離量及びCO2脱離速度のいずれも高い値を示している。一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類と、一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミン類及び/又は一般式〔IIb〕で表されるピペリジン類若しくはピペラジン類とを混合することできわめて大きな相乗効果が得られるのである。モル比にして0.1:0.9〜0.9:0.1の範囲をはずれる場合では、この相乗効果が少なくCO2吸収量、CO2吸収速度、CO2脱離量及びCO2脱離速度のいずれも高い値を示すことは難しい。
本発明で用いる水溶液に含まれるアミン成分の濃度、即ち、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類の濃度と、一般式〔IIa〕で表されるルカノールアミン類及び/又は一般式〔IIb〕で表されるピペリジン類あるいはピペラジン類の濃度との和は、好ましくはモル濃度として1〜6mol/L程度(重量濃度として10〜70重量%程度)であり、より好ましくはモル濃度として2〜5mol/L程度(重量濃度として20〜60重量%程度)である。
一般的にはアミン成分の濃度が高い方が単位液容量あたりのCO2の吸収量、吸収速度、脱離量及び脱離速度が大きく、エネルギー消費やプラント設備の大きさや効率からは望ましいが、モル濃度として6 mol/Lを越える場合(重量濃度として70重量%を越える場合)、活性化剤としての水の効果が減少するためかCO2の吸収量が減少する。またアミン成分が水と均一に混合しない、粘度が上昇する、およびCO2を吸収して液のpHが低下した時泡立ちや乳化状態になる等の問題が生じることもある。
また、上記水溶液には設備の腐食を防止するためにリン酸系などの防食剤を、泡立ち防止のためにシリコーン系などの消泡剤を、そして吸収剤の劣化防止のために酸化防止剤等などを加えてもよい。
CO2吸収に用いるMEA等のアルカノールアミン類は、一般的に炭素鋼などの金属材料に対して高い腐食性を示すが、本発明で用いる混合アミンの水溶液は腐食性も著しく低下し、プラント建設において、高価な高級耐食鋼を用いる必要がない点で有利である。
CO2を含むガスとしては、例えば、重油、天然ガス等を燃料とする火力発電所、製造所のボイラーあるいはセメント工場のキルン、コークスで酸化鉄を還元する製鐵所の高炉、銑鉄中の炭素を燃焼して製鋼する同じく製鉄所の転炉等からの排ガスが挙げられ、該ガス中のCO2濃度は、通常5〜30体積%程度、特に10〜20体積%程度であればよい。かかるCO2濃度範囲では、本発明の作用効果が好適に発揮される。なお、CO2を含むガスには、CO2以外に水蒸気、CO等のガスが含まれていてもよい。
CO2を含むガスを、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類、及び一般式〔IIa〕で表されるアルカノールアミン類及び/又は一般式〔IIb〕で表されるピペリジン類若しくはピペラジン類を含む水溶液に接触させる方法は特に限定はない。例えば、該水溶液中にCO2を含むガスをバブリングさせて吸収する方法、CO2を含むガス気流中に該水溶液を霧状に降らす方法(噴霧乃至スプレー方式)、あるいは磁製や金属網製の充填材の入った吸収塔内でCO2を含むガスと該水溶液を向流接触させる方法などによって行われる。吸収されたCO2は、水溶液中にてカルバミン酸アニオンや重炭酸イオンを形成しているものと考えられる。
CO2を含むガスを水溶液に吸収させる時の液温度は、通常室温から60℃以下で行われ、好ましくは50℃以下、より好ましくは20〜45℃程度で行われる。温度が低いほど吸収量は増加するが、どこまで温度を下げるかはプロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定される。CO2吸収時の圧力は通常ほぼ大気圧で行われる。吸収性能を高めるためより高い圧力まで加圧することもできるが、圧縮のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧下で行うのが好ましい。
本発明のアミン成分が30〜40重量%水溶液のCO2吸収時(40℃)におけるCO2飽和吸収量は、4〜8g/50ml程度、特に5〜7g/50ml程度であり、飽和吸収量の3/4のCO2を吸収した時点のCO2吸収速度は0.05〜0.30g/50ml/分程度、特に0.07〜0.20g/50ml/分程度である。なお、CO2飽和吸収量は、該水溶液中の無機炭素量をガスクロマトグラフ式の全有機炭素計で測定した値であり、また、CO2吸収速度は、飽和吸収量の3/4のCO2を吸収した時点において赤外線式CO2計を用いて測定した値である。アミン成分濃度を30重量%以上にした場合、上記のCO2飽和吸収量及びCO2吸収速度の値はアミン濃度40〜50重量%で最高値を取った後低下する。
また、本発明で用いられる水溶液は、CO2吸収の反応熱が小さいという特徴も有している。CO2吸収の反応熱は、CO2脱離時に必要な熱に相当するため、CO2を脱離させるために必要なエネルギー消費を低く抑えることができる。具体例として、実施例11と比較例7〜10を参照すれば容易に理解できる。
CO2を吸収した水溶液からCO2を脱離し、純粋なあるいは高濃度のCO2を回収する方法としては、蒸留と同じく水溶液を加熱して釜で泡立てて脱離する方法、棚段塔、スプレー塔、磁製や金属網製の充填材の入った脱離塔内で液界面を広げて加熱する方法などが挙げられる。これにより、カルバミン酸アニオンや重炭酸イオンからCO2が遊離して放出される。
CO2脱離時の液温度は通常70℃以上で行われ、好ましくは80℃以上、より好ましくは90〜120℃程度で行われる。温度が高いほど吸収量は増加するが、温度を上げると吸収液の加熱に要するエネルギーが増すため、その温度はプロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定される。CO2脱離時の圧力は通常ほぼ大気圧で行われる。脱離性能を高めるためより低い圧力まで減圧することもできるが、減圧のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧下で行うのが好ましい。
本発明のアミン成分30〜40重量%水溶液のCO2脱離時(70℃)におけるCO2脱離量は、0.8〜3.0g/50ml程度、特に1.0〜2.5g/50ml程度であり、昇温開始から10分までの平均CO2脱離速度は0.12〜0.25g/50ml/分程度、特に0.15〜0.20g/50ml/分程度である。なお、CO2脱離量は全有機炭素計で測定した値であり、また、CO2脱離速度は赤外線式CO2計で測定した値である。アミン成分濃度を30重量%以上にした場合、上記のCO2脱離量及び平均CO2脱離速度の値は40〜50重量%で最大値を取った後低下する。
この様に、CO2脱離時の温度が70℃と比較的低い場合でも、アミン水溶液から良好なCO2脱離量及びCO2脱離速度が達成される。もちろん、CO2脱離時の温度が70℃を越える場合、例えば、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃と上昇するに従い、CO2脱離量及びCO2脱離速度もさらに向上する。
CO2を脱離した後の水溶液は、再びCO2吸収工程に送られ循環使用(リサイクル)される。また、CO2吸収の際に生じた熱は、一般的には水溶液のリサイクル過程において脱離塔に注入される水溶液の予熱のために熱交換器で熱交換されて冷却される。
このようにして回収されたCO2の純度は、通常、95〜99体積%程度と極めて純度が高いものである。この純粋なCO2あるいは高濃度のCO2は、化学品、あるいは高分子物質の合成原料、食品冷凍用の冷剤等として用いられる。その他、回収したCO2を、現在技術開発されつつある地下等へ隔離貯蔵することも可能である。
本発明のCO2を含むガスから高純度の二酸化炭素を回収する方法は、排ガス中のCO2を吸収した後に、効率的かつ低いエネルギー消費量でCO2を脱離して、高純度のCO2を回収することができる。これにより、CO2吸収塔、CO2脱離塔及びこれらに付随する装置を小型化し、液循環量も減らしてエネルギー損失を削減し、合わせて建設費用を減らすことが可能となる。
次に、本発明について実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
液の温度が40℃になるように設定した恒温水槽内に、ガラス製のガス洗浄ビンを浸し、これに1-ジメチルアミノ-2-プロパノール(DMA2P)15重量%及び2-エチルアミノエタノール(EAE)15重量%を含む水溶液50mlを充填した。この液の中に、目の粗さ100μm、直径13mmのガラスフィルターを通して、大気圧、0.7l/分でCO220体積%及びN2 80体積%を含む混合ガスを泡状に分散させて吸収させた。
吸収液前及び吸収液出口のガス中のCO2濃度を、赤外線式のCO2計で連続的に測定して、入口及び出口のCO2流量の差からCO2吸収量を測定した。必要により吸収液中の無機炭素量をガスクロマトグラフ式の全有機炭素計で測定し赤外線式CO2計から算出される値と比較した。飽和吸収量は吸収液出口のCO2濃度が入口のCO2濃度に一致する時点における量とした。吸収速度は吸収量の1/2を吸収した時点ではガス中のCO2のほとんどが吸収され、CO2供給速度に等しいので、吸収量の3/4を吸収した時点の吸収速度で比較することとした。CO2飽和吸収量4.83gで飽和吸収量3/4吸収時の吸収速度は0.11g/分であった。なお全有機炭素計で測定したCO2吸収量は4.81gであり、ガス分析による値とよく一致した。
ついで同じガス気流中で液温を数分にて70℃にあげて、液からのCO2脱離量と脱離速度を測定した。比較に用いる脱離速度は、昇温開始から10分までの平均脱離速度とした。CO2脱離量は1.51gで脱離速度は0.11g/分であった。
上記のCO2吸収及び脱離操作における、水溶液中のCO2吸収量を図1に示す。
実施例2
実施例1と同じ装置を用い、同条件でDMA2P 15重量%、2-メチルピペラジン(2MPZ)15重量%を含む水溶液でCO2の飽和吸収量、同速度とCO2脱離量及び同速度の測定を行った。40℃のCO2飽和吸収量は5.22gで、飽和吸収量3/4吸収時の吸収速度は0.12g/分であった。70℃のCO2脱離量は1.37gで脱離速度は0.10g/分であった。
実施例3〜8
実施例1と同じ装置を用い、同条件で表1に記載のアルカノールアミン類〔I〕と、アルカノールアミン類〔IIa〕又はピペリジン類若しくはピペラジン類〔IIb〕を表に記載の濃度で含む水溶液を用いてCO2の飽和吸収量及び同速度とCO2脱離量及び同速度の測定を行った。得られた結果を表1に示した。
なお、表1中、AMPは2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールを示し、PAEは2-プロピルアミノ-1-エタノールを示し、DEAはジエタノールアミンを示す。
実施例9
攪拌翼を内装した容量1.5lのステンレス製耐圧容器に、実施例1と同じ組成の吸収液700 mlを充填した。この容器にCO2を含むCO2-N2混合ガスを全圧で0.1-0.6気圧として圧を変化することにより、CO2分圧が0.004MPから0.12MPの間の飽和吸収量を測定した。容器は、容器外壁に巻かれた電熱ヒーターによって加熱し、40℃における気液平衡曲線と120℃における気液平衡曲線を測定した。
その結果を図2の(a)に示す。40℃では広いCO2分圧において高い平衡液中CO2濃度(0.02MPで0.71molCO2/molアミン)を示し、120℃においては逆に広いCO2分圧において低い平衡液中CO2濃度(0.02MPで0.09 molCO2/molアミン)を示していて、低温における吸収と高温における脱離操作による、効率的なCO2回収が可能であることが明らかとなった。
実施例10
実施例9の装置を用いて実施例3と同じ吸収液の40℃における気液平衡曲線と120℃における気液平衡曲線を測定した。
その結果を図2の(b)に示した。40℃では広いCO2分圧において高い平衡液中CO2濃度(0.02MPで0.76molCO2/molアミン)を示し、120℃においては逆に広いCO2分圧において低い平衡液中CO2濃度(0.02MPで0.06 molCO2/molアミン)を示していて、低温における吸収と高温における脱離操作による、効率的なCO2回収が可能であることが明らかとなった。
実施例11
実施例1と同じ組成の吸収液を用いSETARAM社DRC反応熱量計により吸収液へのCO2吸収反応時の反応熱を測定した。測定試験は、ガラス製反応器に所定のCO2をローディングした吸収液150ml充填し、液温度が40℃一定になった後、CO2ガスを80ml/分で5分間吹き込み、溶液温度の経時変化を熱電対により測定した。また解析は、得られた温度変化曲線と、電熱ヒーターのジュール加熱による溶液の昇温データとを用いて、反応熱を算出した。
その結果、CO2吸収の反応熱はCO2吸収量(ローディング)が0 molCO2/mol-アミンの時20.4 kcal/molCO2であり、CO2吸収量(ローディング)が0.36 molCO2/mol-アミンの時17.2 kcal/molCO2であった。
比較例1
実施例1と同じ装置を用い、同条件でジメチルアミノ-2-プロパノール(DMA2P)30重量%を含む水溶液を用いてCO2の飽和吸収量、同速度とCO2脱離量及び同速度の測定を行った。40℃のCO2飽和吸収量は3.21gで、飽和吸収量3/4吸収時の吸収速度は0.04g/分であった。70℃のCO2脱離量は0.95gで脱離速度は0.01g/分であった。
比較例2〜5
実施例1と同じ装置を用い、同条件で表2に記載のアルカノールアミン類、ピペリジン及び/又ははピペラジン類を表2に記載の濃度で含む水溶液を用いて、CO2の飽和吸収量、同速度とCO2脱離量及び同速度の測定を行った。得られた結果を表2に示した。
なお、表2中、3DMA1Pは3-ジメチルアミノ-1-プロパノールを示し、DMAEは2-ジメチルアミノ-1-エタノールを示す。
比較例1〜4はそれぞれはDMA2P、3DMA1P、EAE、及び2MPZの単一成分の水溶液であるが、CO2脱離量及び脱離速度において実施例1〜8に比べ劣っている。
具体的には、実施例1と比較例3を対比すると、DMA2PとEAEの混合系は、EAE単独系よりもCO2脱離量及び脱離速度が顕著に向上している。また、実施例2,7及び8と比較例4を対比すると、DMA2Pと2MPZの混合系は、2MPZ単独系よりもCO2脱離量及び脱離速度が顕著に向上している。
比較例5は3DMA1P 15重量%とDMAE 15重量%の水溶液であるが、CO2脱離量、脱離速度において実施例1〜8に比べ劣っている。

また、比較例2のCO2吸収及び脱離操作における、水溶液中のCO2吸収量を図1に示す。
比較例6
実施例9の装置を用いてモノエタノールアミン(MEA) 30重量%水溶液の40℃における気液平衡曲線と120℃における気液平衡曲線を測定した。
その結果を図2の(c)に示した。40℃では広いCO2分圧において低い平衡液中CO2濃度(0.02MPで0.53molCO2/molアミン)を示し、120℃においては高い平衡液中CO2濃度(0.02MPで0.23 molCO2/molアミン)を示していて、低温と高温におけるCO2吸収量の差が小さいことが分かる。
比較例7
実施例11と同じ装置を用いてモノエタノールアミン(MEA) 30重量%水溶液のCO2吸収の反応熱を測定したところ、CO2吸収の反応熱はCO2吸収量(ローディング)が0molCO2/mol-アミンの時21.1kcal/molCO2であった。またCO2吸収量(ローディング)が0.40molCO2/mol-アミンの時21.7 kcal/molCO2であった。
比較例8
実施例11と同じ装置を用いて2-エチルアミノ-1-エタノール(EAE)30重量%水溶液のCO2吸収の反応熱を測定したところ、CO2吸収の反応熱はCO2吸収量(ローディング)が0molCO2/mol-アミンの時21.7kcal/molCO2であった。またCO2吸収量(ローディング)が0.40molCO2/mol-アミンの時18.0kcal/molCO2であった。
比較例9
実施例11と同じ装置を用いて2-メチルピペラジン(2MPZ)30重量%水溶液のCO2吸収の反応熱を測定したところ、CO2吸収の反応熱はCO2吸収量(ローディング)が0 molCO2/mol-アミンの時20.5 kcal/molCO2であった。またCO2吸収量(ローディング)が0.40 molCO2/mol-アミンの時18.7 kcal/molCO2であった。
Figure 2008013400
Figure 2008013400
これらの結果より、実施例の方法によれば、ガス中のCO2を吸収した後、効率的かつ低いエネルギー消費でCO2を脱離して回収することができる。
実施例1及び比較例3のCO2吸収及び脱離操作における、水溶液中のCO2吸収量を示すグラフである。 実施例9、実施例10及び比較例6における40℃及び120℃の気液平行曲線を示す。

Claims (5)

  1. 二酸化炭素を含むガスから高純度の二酸化炭素を回収する方法であって、
    (1)二酸化炭素を含むガスを、一般式〔I〕:
    Figure 2008013400
    (式中、R1及びR2は同一又は異なって水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜4のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基、R4及びR5は同一又は異なって炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表されるアルカノールアミン類と、一般式〔IIa〕:
    Figure 2008013400
    (式中、R11、R12及びR14は同一又は異なって水素、又は炭素数1〜4のアルキル基、R13及びR15は同一又は異なって水素、炭素数1〜4のアルキル基、又は水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、一般式〔I〕で表されるアルカノールアミン類と同一化合物を除く。)
    で表されるアルカノールアミン類、及び/又は、一般式〔IIb〕:
    Figure 2008013400
    (式中、Xは、式-CHR-又は式-NR’-で示される基であり、R又はR’は水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はアミノ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基であり、R21、R22、R23及びR24は同一又は異なって水素、炭素数1〜4のアルキル基、又はアミノ基若しくは水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表されるピペリジン類又はピペラジン類を、(〔IIa〕+〔IIb〕):〔I〕のモル比にして0.1:0.9〜0.9:0.1で含む水溶液に接触させて、該水溶液に二酸化炭素を吸収させる工程、及び
    (2)上記(1)で得られた二酸化炭素が吸収された水溶液を加熱して、二酸化炭素を脱離して回収する工程
    を含む二酸化炭素の回収方法。
  2. 前記(1)において二酸化炭素を含むガスを前記水溶液に60℃以下の温度で接触させ、かつ、前記(2)において二酸化炭素が吸収された水溶液を70℃以上の温度で加熱して二酸化炭素を脱離する請求項1に記載の二酸化炭素の回収方法。
  3. 前記〔I〕のアルカノールアミン類が、3-ジメチルアミノ-2-プロパノールである請求項1又は2に記載の二酸化炭素の回収方法。
  4. 前記〔IIa〕のアルカノールアミン類が、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-メチルアミノエタノール、N-エチルアミノエタノール、及びジエタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の二酸化炭素の回収方法。
  5. 前記〔IIb〕のピペリジン類又はピペラジン類が、2-アミノメチルピペリジン、2-メチルピペラジン、及び2-アミノメチルピペラジンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の二酸化炭素の回収方法。
JP2006186001A 2006-07-05 2006-07-05 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法 Pending JP2008013400A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006186001A JP2008013400A (ja) 2006-07-05 2006-07-05 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006186001A JP2008013400A (ja) 2006-07-05 2006-07-05 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008013400A true JP2008013400A (ja) 2008-01-24

Family

ID=39070796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006186001A Pending JP2008013400A (ja) 2006-07-05 2006-07-05 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008013400A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012002394A1 (ja) * 2010-06-30 2012-01-05 財団法人地球環境産業技術研究機構 排ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する水溶液
JP2012143744A (ja) * 2010-12-22 2012-08-02 Toshiba Corp 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
JP2012245483A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Toshiba Corp 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
WO2013058286A1 (ja) 2011-10-21 2013-04-25 三菱重工業株式会社 3成分吸収液、co2又はh2s又はその双方の除去装置及び方法
WO2013168588A1 (ja) 2012-05-11 2013-11-14 三菱重工業株式会社 複合アミン吸収液、co2又はh2s又はその双方の除去装置及び方法
US9211496B2 (en) 2007-06-18 2015-12-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Absorbent, CO2 or H2S reducing apparatus, and CO2 or H2S reducing method using absorbent
EP3078409A1 (en) 2015-04-09 2016-10-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Acidic gas absorbing agent, method for removing acidic gas and apparatus for removing acidic gas
US10960346B2 (en) 2017-01-31 2021-03-30 Mitsubishi Heavy Industries Engineering, Ltd. Composite amine absorbing solution, and device and method for removing CO2 or H2S or both
KR20230125193A (ko) 2020-12-22 2023-08-29 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 이산화탄소 흡수제
KR20230138452A (ko) 2021-01-27 2023-10-05 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 이산화탄소 흡수제
KR20240000478A (ko) 2021-04-22 2024-01-02 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 이산화탄소의 회수방법, 및 이산화탄소 회수장치

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9211496B2 (en) 2007-06-18 2015-12-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Absorbent, CO2 or H2S reducing apparatus, and CO2 or H2S reducing method using absorbent
JP2012011309A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Research Institute Of Innovative Technology For The Earth 排ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する水溶液
WO2012002394A1 (ja) * 2010-06-30 2012-01-05 財団法人地球環境産業技術研究機構 排ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する水溶液
JP2012143744A (ja) * 2010-12-22 2012-08-02 Toshiba Corp 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
JP2012245483A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Toshiba Corp 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
WO2013058286A1 (ja) 2011-10-21 2013-04-25 三菱重工業株式会社 3成分吸収液、co2又はh2s又はその双方の除去装置及び方法
WO2013168588A1 (ja) 2012-05-11 2013-11-14 三菱重工業株式会社 複合アミン吸収液、co2又はh2s又はその双方の除去装置及び方法
US10137407B2 (en) 2012-05-11 2018-11-27 Mitsubishi Heavy Industries Engineering, Ltd. Complex amine absorbent, and device and method for removing one or both of CO2 and H2S
EP3078409A1 (en) 2015-04-09 2016-10-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Acidic gas absorbing agent, method for removing acidic gas and apparatus for removing acidic gas
US10960346B2 (en) 2017-01-31 2021-03-30 Mitsubishi Heavy Industries Engineering, Ltd. Composite amine absorbing solution, and device and method for removing CO2 or H2S or both
KR20230125193A (ko) 2020-12-22 2023-08-29 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 이산화탄소 흡수제
KR20230138452A (ko) 2021-01-27 2023-10-05 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 이산화탄소 흡수제
KR20240000478A (ko) 2021-04-22 2024-01-02 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 이산화탄소의 회수방법, 및 이산화탄소 회수장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008013400A (ja) 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法
JP5452222B2 (ja) ガス中の二酸化炭素を効率的に回収する方法
JP5506486B2 (ja) ガス中に含まれる二酸化炭素を効果的に吸収及び回収する水溶液
JP2009006275A (ja) 排ガス中の二酸化炭素を効率的に回収する方法
JP5557426B2 (ja) ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する水溶液及び方法
JP5659128B2 (ja) 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
JP2006240966A (ja) 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収する方法
JP6095579B2 (ja) 排ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する水溶液、及びそれを用いた二酸化炭素の回収方法
EP2679296B1 (en) Acid gas absorbent comprising diamine, acid gas removal method, and acid gas removal device
JP5449059B2 (ja) 排ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収及び回収する水溶液
JP2007325996A (ja) 吸収液、co2又はh2s又はその双方の除去装置及び方法
JP2008307519A (ja) 吸収液、吸収液を用いたco2又はh2s除去装置及び方法
AU2015255195A1 (en) Acidic gas absorbing agent, method for removing acidic gas and apparatus for removing acidic gas
JP2017035669A (ja) 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
JP2018122278A (ja) 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置
AU2016202116B2 (en) Acidic gas absorbing agent, method for removing acidic gas and apparatus for removing acidic gas
JP2009213974A (ja) ガス中の二酸化炭素を効率的に吸収、脱離回収する水溶液及び方法
JP2008168184A (ja) 排ガス中の二酸化炭素を吸収及び脱離して回収するための組成物及び方法
JP2008168227A (ja) 排ガス中の二酸化炭素の吸収液
JP2015112574A (ja) 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法及び酸性ガス除去装置
JP2006150298A (ja) 吸収液、吸収液を用いたco2又はh2s除去装置及び方法
JP2006167520A (ja) 吸収液、吸収液を用いたガス中のco2又はh2s除去装置及び方法
JP2011152542A (ja) 吸収液、吸収液を用いたガス中のco2又はh2s除去装置及び方法
JP2011189346A (ja) 吸収液、吸収液を用いたco2又はh2s除去装置及び方法