JP2008013123A - 車線維持支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 前輪を転舵するラックギアに対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクTsupと、運転者の操舵トルクTqに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向との関係に基づいて、アシストトルクを補正するアシストトルク補正演算部8cを設けた。
【選択図】 図2
Description
操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、
前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向との関係に基づいて、前記アシストトルクを補正するトルク補正手段を設けたことを特徴とする。
したがって、例えば、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向とが同一である場合には、アシストトルクを減少させる補正を行うことで、従来は不足していた転舵時の操舵反力を適切な値へ近づけることができる。さらに、操舵介入判断により車線維持トルクを抑制した際の操舵反力の変動を抑制でき、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
また、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向とが異なる場合には、アシストトルクを増加させる補正を行うことで、従来は操舵に対して過大であった操舵反力を適切な値へ近づけることができる。さらに、操舵介入により車線維持トルクを抑制した際の操舵反力の抜けを抑制でき、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
この結果、車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされたとき、操舵方向やタイミングにかかわらず、適切なアシストトルクを生成し、運転者に与える違和感を防止できる。
図1は、実施例1の車線維持支援装置を適用した車両の操舵系を示すシステム構成図であり、実施例1の車線維持支援装置は、ハンドル1と、トルクセンサ2と、アシストモータ3と、モータ位置センサ4と、CCDカメラ5と、ヨーレートセンサ6と、車速センサ7と、EPSコントローラ8と、を備えている。
EPSコントローラ8は、トルクセンサ2、モータ位置センサ4、車速センサ7の信号を読み込み、基本アシスト指令値演算部8aにて、通常の基本アシストトルクTaを算出する。基本アシストトルクTaの設定方法としては、例えば、操舵トルクが大きいほど大きくするとともに、車速が低いほど小さくする。
トルク補正ゲイン演算部8eは、操舵トルク方向dに応じてトルク補正ゲインGtを算出、出力する。
最後に基本アシストトルクTaと、車線維持トルクTsupを足し合わせ、それにアシスト補正トルクTrevを減算することで、モータトルク指令値Ta'を算出し、モータ制御部8fにおいてアシストモータ3を駆動させる。
図3は、実施例1のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
[アシストトルクと車線維持トルクの干渉による操舵感の悪化について]
従来の車線維持支援装置では、車両前方をカメラなどで撮像し、撮像した画像や映像に基づいて自車線を検出し、自車線からの逸脱を回避するよう、転舵機構に車線維持トルクを付与し、前輪を転舵している。そして、車線維持制御中の操舵トルクがしきい値以上となった場合には、運転者の操舵介入有りと判定し、車線維持トルクを抑制することで運転者の操舵を優先している。
これに対し、本発明の車線維持支援装置では、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向との関係に基づいて、アシストトルクを補正する。
図9は、実施例1のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと同方向に運転者が操舵入力を開始するが、アシストトルクは、操舵トルクの微分値に応じた逆アシストトルクの作用により、ハンドル1を重くする方向へ出力される。このとき、車線維持トルクは操舵トルク入力と同方向であるため、車線維持トルクなしの場合よりもモータ出力が立ち上がり、操舵トルク入力は小さくなる。そして、実際の運転者操舵トルクは、アシストトルクの補正によって、補正なしの場合と比べて十分な反力が立ち上がっている。
実施例1では、逆アシストトルク演算部8dにおいて、操舵トルクTqの微分値に比例する逆アシストトルクTraを算出したが、操舵トルクTqが中立位置付近でアシストトルクを出力しないトルク不感帯以上、かつ、ゼロ付近の第1設定トルク以下である場合に、操舵トルクに応じた逆アシストトルクを付与する構成としてもよい。
実施例1の車線維持支援装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
図11は、実施例2のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、アシストトルク補正演算部8cは、操舵トルクTqを1次のローパスフィルタに通過させ、車速Vに応じたゲインを乗算することで、逆アシストトルク値Traを算出する。一方、トルク補正ゲイン演算部8eでは、トルク方向d、車線維持トルクTsup、および車線維持制御実施フラグFsupに加え、操舵速度ωも入力とし、操舵トルク方向と車線維持トルク方向の組み合わせと操舵速度ωの値とによって、トルク補正ゲインGtを算出する。
図12は、実施例2のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
[アシストトルク補正作用]
実施例2では、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向とが異なる場合、操舵速度ωが所定値(5deg/s)以上のときにのみ、逆アシストトルクTraの補正を行う。すなわち、図12のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS12、または、ステップS11→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS12へと進む。続いて、ステップS12において、操舵速度ωの方向が操舵トルク方向dと同じ方向である場合、ステップS13へと進み、ωの絶対値が所定値(5deg/s)以上である場合、ステップS7へと進み、トルク補正ゲインGtが-0.2とされる。
実施例2の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
図15は、実施例3のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、アシストトルク補正演算部8cでは、逆アシストトルクTraと、トルク補正ゲイン演算部8eで算出されたトルク補正ゲインGtを掛け合わせることで、アシスト補正トルクTrevを算出する。
図17は、実施例3のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
[アシストトルク補正作用]
実施例3では、車線維持トルクTsupの大きさに応じてトルク補正ゲインGtの大きさを変更する。
実施例3の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
図19は、実施例4のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、実施例4では、操舵トルク方向と車線維持トルク方向が一致する場合には、モータトルク指令値Ta'が車線維持トルクTsupと等しくなるように、アシスト補正トルクTrevを算出する。
(操舵トルク+基本アシストトルク)+車線維持トルク−補正トルク=車線維持トルク
Ta'=(Ta+Tq)+Tsup−Trev=Tsup,Trev=Ta+Tq
Trev=Tra(逆アシストトルク)×Gt(トルク補正ゲイン)より、
Gt=(Tq+Ta)/Tra
となるように演算を行う。
図20は、実施例4のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
[アシストトルク補正作用]
実施例4では、車線維持トルクTsupとトルク方向dとが同じ方向である場合、車線維持トルクTsupが変化しないように逆アシストトルクTraを補正する。すなわち、図20のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS32、または、ステップS31→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS32へと進み、ステップS32では、車線維持トルクTsupが不変となるようにトルク補正ゲインGtが設定される。
実施例4の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
図22は、実施例5のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、トルク補正実施判定部8gは、車線維持制御実施フラグFsupがONになった瞬間に補正開始(ON)とし、車線維持制御実施フラグFsupがOFF、かつ、操舵トルク変化の方向が変わった場合に補正終了(OFF)するような、トルク補正実施フラグFjudgを出力する。
図23は、実施例5のトルク補正実施判定部8gで実行される、トルク補正実施フラグ出力制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
図24は、実施例5のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。このフローチャートは、トルク補正実施フラグFjudgがONされている間、所定の演算周期で繰り返し実施される。なお、図3に示した実施例1と同じ処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
[車線維持制御終了後のアシストトルク補正作用]
実施例5では、車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされた場合、操舵トルクがしきい値以上となって車線維持制御を終了した場合であっても、操舵トルク変化の方向が変わるまでの間は、アシストトルクの補正を継続する。
実施例5の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1から5に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 トルクセンサ
3 アシストモータ
3a 減速機
4 モータ位置センサ
5 カメラ
6 ヨーレートセンサ
7 車速センサ
8 コントローラ
8a 基本アシスト指令値演算部
8b 車線維持トルク演算部
8c アシストトルク補正演算部
8d 逆アシストトルク演算部
8e トルク補正ゲイン演算部
8f モータ制御部
8g トルク補正実施判定部
9 操舵軸
10 ラックギア
11,11 前輪
Claims (9)
- 操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、
前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向との関係に基づいて、前記アシストトルクを補正するトルク補正手段を設けたことを特徴とする車線維持支援装置。 - 請求項1に記載の車線維持支援装置において、
前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが同じ場合、前記アシストトルクを減少させる方向へ補正することを特徴とする車線維持支援装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車線維持支援装置において、
前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが異なる場合、前記アシストトルクを増加させる方向へ補正することを特徴とする車線維支援装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
前記操舵トルクを増加させる方向へ逆アシストトルクを付与する逆アシスト手段を設け、
前記トルク補正手段は、前記逆アシストトルクを補正することを特徴とする車線維持支援装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが異なる場合、ハンドル操舵速度が所定値以上のときにのみ、アシストトルクの補正を行うことを特徴とする車線維持支援装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
前記トルク補正手段は、前記アシストトルクの補正量を前記車線維持トルクの大きさに応じて変更することを特徴とする車線維持支援装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが同じ場合、前記車線維持トルクが変化しないように前記アシストトルクを補正することを特徴とする車線維持支援装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
前記トルク補正手段は、前記車線維持制御の終了後、運転者の操舵トルク変化の方向が反転するまでの間、前記アシストトルクの補正を継続することを特徴とする車線維持支援装置。 - 操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、
前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが同じ方向の場合には、前記アシストトルクを減少させる方向へ補正し、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが異なる場合には、前記アシストトルクを増加させる方向へ補正することを特徴とする車線維持支援装置。
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