JP2008013123A - 車線維持支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされたとき、操舵方向やタイミングにかかわらず、適切なアシストトルクを生成し、運転者に与える違和感を防止できる車線維持支援装置を提供する。
【解決手段】 前輪を転舵するラックギアに対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクTsupと、運転者の操舵トルクTqに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向との関係に基づいて、アシストトルクを補正するアシストトルク補正演算部8cを設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置の技術分野に属する。
従来の車線維持支援装置では、車線維持制御中に運転者による操舵介入がなされた場合には、運転者の操舵を優先するために、転舵機構に付与する車線維持トルクの出力を抑制している。(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−343184号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、運転者の操舵介入のタイミングや操舵方向によって操舵感が変化するため、運転者に違和感を与えるという問題があった。例えば、車線維持トルクの出力方向と運転者の操舵トルクの方向とが同一方向の場合、操舵開始直後はハンドルが軽く、操舵介入判断後はハンドルが重くなってしまう。逆に、車線維持トルクの出力方向と操舵トルクの方向とが異なる場合、操舵開始直後はハンドルが重く、操舵介入判断後はハンドルが軽くなってしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされたとき、操舵方向やタイミングにかかわらず、適切なアシストトルクを生成し、運転者に与える違和感を防止できる車線維持支援装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、
前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向との関係に基づいて、前記アシストトルクを補正するトルク補正手段を設けたことを特徴とする。
本発明の車線維持支援装置では、トルク補正手段において、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向との関係に基づいて、アシストトルクが補正される。
したがって、例えば、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向とが同一である場合には、アシストトルクを減少させる補正を行うことで、従来は不足していた転舵時の操舵反力を適切な値へ近づけることができる。さらに、操舵介入判断により車線維持トルクを抑制した際の操舵反力の変動を抑制でき、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
また、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向とが異なる場合には、アシストトルクを増加させる補正を行うことで、従来は操舵に対して過大であった操舵反力を適切な値へ近づけることができる。さらに、操舵介入により車線維持トルクを抑制した際の操舵反力の抜けを抑制でき、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
この結果、車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされたとき、操舵方向やタイミングにかかわらず、適切なアシストトルクを生成し、運転者に与える違和感を防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車線維持支援装置を適用した車両の操舵系を示すシステム構成図であり、実施例1の車線維持支援装置は、ハンドル1と、トルクセンサ2と、アシストモータ3と、モータ位置センサ4と、CCDカメラ5と、ヨーレートセンサ6と、車速センサ7と、EPSコントローラ8と、を備えている。
EPSコントローラ8は、トルクセンサ2、車速センサ7、モータ位置センサ4からの情報(操舵トルク、車速、操舵角)に基づいて、運転者の操舵負担を軽減するアシストトルクを演算する。また、CCDカメラ5から得られる白線等の道路情報と、ヨーレートセンサ6から得た車両垂直軸(Z軸)回りの回転速度であるヨーレートを取得し、車線維持のための車線維持トルクを演算する。
実施例1では、車線維持制御中、アシストトルクと車線維持トルクとの合計をアシスト指令値とし、このアシスト指令値をアシストモータ3に入力する。アシストモータ3はアシスト指令値に対して、アシストモータ3を駆動させることで、ウォームギア等で構成される減速機3aおよび操舵軸9を介してラックギア(転舵機構)10に推力を発生させ、前輪(操向輪)11,11を転舵する。車線維持制御は、運転者のスイッチ操作等によりON/OFFすることができる。
図2は、実施例1のEPSコントローラ8の制御ブロック図である。
EPSコントローラ8は、トルクセンサ2、モータ位置センサ4、車速センサ7の信号を読み込み、基本アシスト指令値演算部8aにて、通常の基本アシストトルクTaを算出する。基本アシストトルクTaの設定方法としては、例えば、操舵トルクが大きいほど大きくするとともに、車速が低いほど小さくする。
車線維持トルク演算部8bは、車線維持制御中、カメラ画像から車両前方の画像を取得し、車速信号、ヨーレート、操舵トルク、操舵角等の信号に基づき、自車の走行する走行車線(自車線)の中央を自車が走行するための目標ヨーレートを求め、この目標ヨーレートを得るアシストモータ3の車線維持トルクTsupを演算するとともに、車線維持制御実施フラグFsupを出力する。
アシストトルク補正演算部(トルク補正手段)8cは、大きく二つに分けられる。一つは逆アシストトルクTraを求める逆アシストトルク演算部8d、もう一つはトルク補正ゲインGtを演算するトルク補正ゲイン演算部8eである。
逆アシストトルク演算部8dは、操舵トルクTq、および車速V、操舵速度ωから、操舵トルクTqの微分値に比例する逆アシストトルクTraを算出する。この逆アシストトルクTraは、過渡的なトルク変化に対して、アシストトルクを減少させることで、操舵の安定性向上を図るものである。
トルク補正ゲイン演算部8eは、操舵トルク方向dに応じてトルク補正ゲインGtを算出、出力する。
アシストトルク補正演算部8cの出力であるアシスト補正トルクTrevは、逆アシストトルクTraに補正ゲインGtを積算することにより算出する。
最後に基本アシストトルクTaと、車線維持トルクTsupを足し合わせ、それにアシスト補正トルクTrevを減算することで、モータトルク指令値Ta'を算出し、モータ制御部8fにおいてアシストモータ3を駆動させる。
[トルク補正ゲイン演算制御処理]
図3は、実施例1のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1では、操舵トルクの方向d、車線維持制御実施フラグFsup、車線維持トルクTsupを読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、車線維持制御実施フラグFsupはONされているか否かを判定する。ONの場合にはステップS3へ移行し、OFF場合にはステップS8へ移行する。
ステップS3では、車線維持トルクTsupの方向は右(Tsup>0)か否かを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS5へ移行する。
ステップS4では、操舵トルクの方向dは右(d>0)か否かを判定する。右の場合にはステップS6へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS5では、操舵トルクの方向dは左(d<0)か否かを判定する。YESの場合にはステップS6へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS6では、トルク補正ゲインGtを1.2とし、ステップS9へ移行する。
ステップS7では、トルク補正ゲインGtを-0.2とし、ステップS9へ移行する。
ステップS8では、トルク補正ゲインGtを1.0とし、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、トルク補正ゲインGtを出力し、リターンへ移行する。
図3のフローチャートにおいて、車線維持制御中、運転者が操舵介入を行った際、車線維持トルクと操舵トルクの方向が一致する場合には、アシストトルクを減少させる方向にを補正する。すなわち、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6、またはステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、ステップS6では、トルク補正ゲインGtを1.2とする。
一方、車線維持トルクと運転者の操舵トルクの方向が異なる場合には、アシストトルクを増加させる方向に補正する。すなわち、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS7、またはステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS7へと進み、ステップS7では、トルク補正ゲインGtを-0.2とする。
車線維持制御を実施していない場合には、アシストトルクの補正を行わない。すなわち、ステップS1→ステップS2→ステップS8へと進み、トルク補正ゲインGtを1.0とする。
次に、作用を説明する。
[アシストトルクと車線維持トルクの干渉による操舵感の悪化について]
従来の車線維持支援装置では、車両前方をカメラなどで撮像し、撮像した画像や映像に基づいて自車線を検出し、自車線からの逸脱を回避するよう、転舵機構に車線維持トルクを付与し、前輪を転舵している。そして、車線維持制御中の操舵トルクがしきい値以上となった場合には、運転者の操舵介入有りと判定し、車線維持トルクを抑制することで運転者の操舵を優先している。
ここで、運転者の操舵介入は、操舵トルクセンサの検出値に基づいて判定しているため、特開2005−343184号公報に記載の運転支援装置では、車線維持トルクの出力方向と操舵トルクの方向とが一致する場合、操舵介入判断のしきい値を大きくする一方、車線維持トルクの出力方向と操舵トルクの方向とが異なる場合には、操舵介入判断のしきい値を小さくしている。
すなわち、車線維持トルクと操舵トルクの方向が異なる場合は、運転者が車線維持制御とは反対の制御を欲しているということが比較的明確に検出できる。一方で、車線維持トルクと操舵トルクの方向が一致している場合は、車線維持制御が転舵している以上の転舵を運転者が欲しているということであるが、転舵(操舵)方向が同じであるため検出しにくい。
そこで、上記従来技術では、比較的検出が容易な前者の場合は、判定のためのしきい値を小さく、換言すれば、後者の場合のしきい値を大きく設定することで、両者の検出を確実に行うことを可能としている。このようにすることで、運転者の意向を正確に把握し、運転者よる操舵を車線維持制御よりも優先させるべきときに、より確実に運転者よる操舵を優先させることができる。
ところが、図4(a)に示すように、操舵トルクと車線維持トルクの向きは、運転者による操舵のタイミングによって(i) 一致しない場合(図4(b))と(ii) 一致する場合(図4(c))とがあるため、操舵介入がなされた場合、操舵のタイミング、向きによって操舵感が変化し、運転者に違和感を与えてしまう。
図5に示すように、操舵トルクと車線維持トルクの向きが一致する場合は、操舵トルクと同方向に車線維持トルクを出力しているため、切り増し操舵を行っているにもかかわらず、トルクセンサで検出される操舵トルクの立ち上がりは小さくなる。そして、操舵トルクがしきい値を超えたとき、操舵介入判断がなされ、車線維持トルクの出力が中止される。すなわち、操舵トルクと車線維持トルクの向きが一致する場合、操舵開始直後はハンドルが軽く、操舵介入判断後はハンドルが重くなるという操舵力変動を感じてしまう。
図6に示すように、操舵トルクと車線維持トルクの向きが不一致の場合は、操舵トルクと逆方向に車線維持トルクを出力しているため、車線維持トルクなしの場合よりもモータ出力が下がり、操舵反力が早期に立ち上がる。よって、早期に操舵介入判断がなされることで、車線維持トルクの出力が中止される。すなわち、操舵トルクと車線維持トルクの向きが不一致の場合は、操舵開始直後はハンドルが重く、操舵介入判断後はハンドルが軽くなるという操舵力の抜けを感じてしまう。
[アシストトルク補正ロジック]
これに対し、本発明の車線維持支援装置では、車線維持トルクの方向と操舵トルクの方向との関係に基づいて、アシストトルクを補正する。
図7は、車線維持トルクと操舵トルクの方向が一致する場合のアシストトルク補正ロジックを示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと同方向に運転者が操舵入力を開始したため、アシストトルクを減少方向に補正する。このとき、車線維持トルクは操舵トルク入力と同方向であるため、車線維持トルクなしの場合よりもモータ出力が上がり、操舵トルク入力は小さくなる。そして、実際の運転者操舵トルク(=操舵反力)は、アシストトルクの補正によって、補正なしの場合と比べて十分な反力が立ち上がっている。
時点t2では、操舵トルクがしきい値を超えたため、操舵介入判断により、車線維持制御を終了し、時点t3では、車線維持トルクがゼロとなるが、操舵トルクは、アシストトルクの補正によって補正なしに比べ十分に立ち上がっているため、車線維持制御終了に伴う操舵トルクの変動が抑制される。
図8は、車線維持トルクと操舵トルクの方向が不一致の場合のアシストトルク補正ロジックを示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと異なる方向に運転者が操舵入力を開始したため、アシストトルクを増加させる補正が行われる。このとき、車線維持トルクは操舵トルク入力と逆方向であるため、車線維持トルクなしの場合よりもモータ出力が下がり、操舵トルク入力は大きくなる。そして、実際の運転者操舵トルクは、アシストトルクの補正によって、補正なしの場合と比べて小さくなり、適度な操舵反力が得られる。
時点t2では、操舵トルクがしきい値を超えたため、操舵介入判断により、車線維持制御を終了し、時点t3では、車線維持トルクがゼロとなるが、操舵トルクは、アシストトルクの補正によって補正なしに比べ、車線維持制御終了に伴う操舵トルク抜けが抑制される。
[アシストトルク補正作用]
図9は、実施例1のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと同方向に運転者が操舵入力を開始するが、アシストトルクは、操舵トルクの微分値に応じた逆アシストトルクの作用により、ハンドル1を重くする方向へ出力される。このとき、車線維持トルクは操舵トルク入力と同方向であるため、車線維持トルクなしの場合よりもモータ出力が立ち上がり、操舵トルク入力は小さくなる。そして、実際の運転者操舵トルクは、アシストトルクの補正によって、補正なしの場合と比べて十分な反力が立ち上がっている。
時点t2では、操舵トルクがしきい値を超えたため、操舵介入判断により、車線維持制御を終了し、時点t3では、車線維持トルクがゼロとなるが、操舵トルクは、アシストトルクの補正によって補正なしに比べて十分に立ち上がっているため、車線維持制御終了に伴う操舵トルクの変動を抑制することができる。また、操舵介入前の車線維持制御の性能を落とすことなく、運転者に適切な操舵反力を与えることができる。
[実施例1の変形例]
実施例1では、逆アシストトルク演算部8dにおいて、操舵トルクTqの微分値に比例する逆アシストトルクTraを算出したが、操舵トルクTqが中立位置付近でアシストトルクを出力しないトルク不感帯以上、かつ、ゼロ付近の第1設定トルク以下である場合に、操舵トルクに応じた逆アシストトルクを付与する構成としてもよい。
すなわち、この変形例では、操舵トルクTqがトルク不感帯以上、かつ、第1設定トルク以下の場合、操舵トルクに応じて操舵反力を発生させるため、操舵トルクがゼロとなるまで操舵反力の方向が変化しない。よって、運転者に違和感を与える中立位置での操舵反力方向の変動を防止できる。
図10は、この変形例を適用した車線維持支援装置において、車線維持トルクと操舵トルクの方向が不一致の場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと異なる方向に運転者が操舵入力を開始したため、アシストトルクを増加させる補正が行われる。このとき、車線維持トルクは操舵トルク入力と逆方向であるため、車線維持トルクなしの場合よりもモータ出力が下がり、操舵トルク入力は大きくなる。そして、実際の運転者操舵トルクは、アシストトルクの補正によって、補正なしの場合と比べて小さくなり、適度な操舵反力が得られる。
時点t2では、操舵トルクがしきい値を超えたため、操舵介入判断により、車線維持制御を終了し、時点t3では、車線維持トルクがゼロとなるが、アシストトルクの補正によって補正なしに比べ、車線維持制御終了に伴う操舵トルクの急減、すなわち、操舵トルク抜けが抑制されている。また、操舵介入前の車線維持制御の性能を落とすことなく、運転者に適切な操舵反力を与えることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車線維持支援装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 前輪11,11を転舵するラックギア10に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクTsupと、運転者の操舵トルクTqに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向との関係に基づいて、アシストトルクを補正するアシストトルク補正演算部8cを設けた。これにより、車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされたとき、操舵方向やタイミングにかかわらず、適切なアシストトルクを生成し、運転者に与える違和感を防止できる。
(2) アシストトルク補正演算部8cは、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向とが同じ場合、アシストトルクを減少させる方向へ補正するため、従来は不足していた転舵時の操舵反力を適切な値へ近づけることができる。さらに、操舵介入判断により車線維持トルクTsupを抑制した際の操舵反力の変動を抑制でき、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
(3) アシストトルク補正演算部8cは、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向とが異なる場合、アシストトルクを増加させる方向へ補正するため、従来は操舵に対して過大であった操舵反力を適切な値へ近づけることができる。さらに、操舵介入により車線維持トルクTsupを抑制した際の操舵反力の抜けを抑制でき、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
(4) 操舵トルクを増加させる方向へ逆アシストトルクTraを付与する逆アシストトルク演算部8dを設け、アシストトルク補正演算部8cは、逆アシストトルクTraを補正するため、操舵介入前の車線維持制御の性能を落とすことなく、運転者に適切な操舵反力を与えることができる。
実施例2は、実施例1の逆アシストトルク演算を、トルク値に比例した値で演算し、トルク補正ゲイン算出部の入力に操舵速度ωを追加した例である。
まず、構成を説明する。
図11は、実施例2のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、アシストトルク補正演算部8cは、操舵トルクTqを1次のローパスフィルタに通過させ、車速Vに応じたゲインを乗算することで、逆アシストトルク値Traを算出する。一方、トルク補正ゲイン演算部8eでは、トルク方向d、車線維持トルクTsup、および車線維持制御実施フラグFsupに加え、操舵速度ωも入力とし、操舵トルク方向と車線維持トルク方向の組み合わせと操舵速度ωの値とによって、トルク補正ゲインGtを算出する。
[トルク補正ゲイン演算制御処理]
図12は、実施例2のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS11では、操舵トルク方向d、車線維持制御実施フラグFsup、車線維持トルクTsup、操舵速度ωを読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS12では、操舵速度ωの方向は操舵トルク方向dの方向と同じか否かを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS8へ移行する。
ステップS13では、操舵速度ωの方向は所定値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS7へ移行し、NOの場合にはステップS8へ移行する。ここで、所定値は、保舵時、微小操舵時の転舵速度を示す値とし、例えば、5deg/sとする。
次に、作用を説明する。
[アシストトルク補正作用]
実施例2では、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向とが異なる場合、操舵速度ωが所定値(5deg/s)以上のときにのみ、逆アシストトルクTraの補正を行う。すなわち、図12のフローチャートにおいて、ステップS11→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS12、または、ステップS11→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS12へと進む。続いて、ステップS12において、操舵速度ωの方向が操舵トルク方向dと同じ方向である場合、ステップS13へと進み、ωの絶対値が所定値(5deg/s)以上である場合、ステップS7へと進み、トルク補正ゲインGtが-0.2とされる。
図13は、運転者に車線変更の意志が有る場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。運転者に車線変更の意志が有る場合、例えば、ハンドルの切り込み時等には、操舵時のトルク変動を抑制することが望ましい。実施例2では、操舵トルクの傾き→大、操舵速度ω≧所定値(5deg/s)、操舵トルク→大、に基づいて車線変更の意志有りと判定しており、時点t1で運転者の操舵開始後、操舵介入判断中の時点t2で操舵速度ωが所定値以上となった場合には、操舵トルクの変化量に対してアシストトルクの補正量を増加させることで、時点t3の車線維持制御を終了する前後における操舵力変動を抑制することができる。
図14は、保舵時のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。運転者に車線変更の意志がない保舵時では、できるだけレーンキープ能力を維持するのが望ましい。実施例2では、操舵トルクの傾き→小、操舵速度ω<所定値(5deg/s)、操舵トルク→小、に基づいて車線変更の意志なしと判定しており、時点t1〜時点t2の操舵介入判断中に、操舵トルクが変動した際、操舵速度ωが所定値以上とならない場合には、アシストトルクの補正を実施しないため、車線維持トルクが保たれ、車線維持制御によるレーンキープ能力を維持することができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
(5) アシストトルク補正演算部8cは、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向dとが異なる場合、ハンドル操舵速度ωが所定値(5deg/s)以上のときにのみ、アシストトルクの補正を行うため、保舵時等、微小なトルクが入る場合の、車線維持制御の能力低下を防止することができる。
実施例3は、実施例1のトルク補正ゲイン演算を、車線維持トルクTsupに応じて変化させた例である。
まず、構成を説明する。
図15は、実施例3のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、アシストトルク補正演算部8cでは、逆アシストトルクTraと、トルク補正ゲイン演算部8eで算出されたトルク補正ゲインGtを掛け合わせることで、アシスト補正トルクTrevを算出する。
トルク補正ゲイン演算部8eでは、トルク方向dと、車線維持トルクTsupの方向および大きさによって、図16に示すようなゲインマップに従い、トルク補正ゲインGtを算出する。
図16(a)は、車線維持トルクと運転者による操舵トルクの向きが一致する場合の車線維持トルクに応じたトルク補正ゲインマップであり、一致する場合は、操舵反力を増加させる必要があるため、1.0〜2.0の範囲内で、車線維持トルクが大きいほどトルク補正ゲインを高くする。
図16(b)は、車線維持トルクと運転者による操舵トルクの向きが一致しない場合の車線維持トルクに応じたトルク補正ゲインマップであり、一致しない場合は、操舵反力を減らす必要があるため、-1.0〜1.0の範囲内で、車線維持トルクが大きいほどトルク補正ゲインを低くする。
[トルク補正ゲイン演算制御処理]
図17は、実施例3のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS21では、ステップS1で読み込んだ車線維持トルクTsupから、図16(a)のトルク補正ゲインマップを参照してトルク補正ゲインGtを算出し、ステップS9へ移行する。
ステップS22では、ステップS1で読み込んだ車線維持トルクTsupから、図16(b)のトルク補正ゲインマップを参照してトルク補正ゲインGtを算出し、ステップS9へ移行する。
次に、作用を説明する。
[アシストトルク補正作用]
実施例3では、車線維持トルクTsupの大きさに応じてトルク補正ゲインGtの大きさを変更する。
車線維持トルクと運転者による操舵トルクの向きが一致する場合には、図17のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS21、または、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS21へと進み、ステップS21では、車線維持トルクTsupが大きいほどトルク補正ゲインGtを高くする。
車線維持トルクと運転者による操舵トルクの向きが一致しない場合には、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS22、またはステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS22へと進み、ステップS22では、車線維持トルクTsupが大きいほどトルク補正ゲインGtを低くする。
図18は、車線維持トルクと操舵トルクの向きが一致する場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと同方向に運転者が操舵入力を開始するため、逆アシストトルクの作用によりハンドル1を重くする方向へアシストトルクが補正され、補正なしの場合と比べて十分な反力の立ち上がりが得られると共に、車線維持制御終了(時点t2)前後において、車線維持トルクをゼロとする際の操舵力変動が抑制されている。また、実施例2では、時点t1から時点t2の間、車線維持トルクが大きいほどハンドル1を重くする方向へアシストトルクが補正されるため、車線維持トルクの大小によって変化する路面反力を操舵反力へと適正に反映させることができ、より自然な操舵感を得ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
(6) アシストトルク補正演算部8cは、アシストトルクの補正量を車線維持トルクTsupの大きさに応じて変更するため、車線維持トルクTsupの大小によって変化する路面反力を操舵反力へと適正に反映させることができ、より自然な操舵感を得ることができる。
実施例4は、実施例2のトルク補正ゲイン演算部8eを、操舵トルクTqと、車線維持制御実施フラグFsup、車線維持トルクTsup、逆アシストトルクTra、基本アシストトルクTaに応じて変化させた例である。
まず、構成を説明する。
図19は、実施例4のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、実施例4では、操舵トルク方向と車線維持トルク方向が一致する場合には、モータトルク指令値Ta'が車線維持トルクTsupと等しくなるように、アシスト補正トルクTrevを算出する。
すなわち、
(操舵トルク+基本アシストトルク)+車線維持トルク−補正トルク=車線維持トルク
Ta'=(Ta+Tq)+Tsup−Trev=Tsup,Trev=Ta+Tq
Trev=Tra(逆アシストトルク)×Gt(トルク補正ゲイン)より、
Gt=(Tq+Ta)/Tra
となるように演算を行う。
[トルク補正ゲイン演算制御処理]
図20は、実施例4のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS31では、操舵トルク方向d、操舵トルクTq、基本アシストトルクTa、車線維持トルクTsup、逆アシストトルクTra、車線維持制御実施フラグFsupを読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS32では、ステップS31で読み込んだ操舵トルクTq、基本アシストトルクTa、逆アシストトルクTraから、Gt=(Tq+Ta)/Traの式を用いてトルク補正ゲインGtを演算し、ステップS9へ移行する。
次に、作用を説明する。
[アシストトルク補正作用]
実施例4では、車線維持トルクTsupとトルク方向dとが同じ方向である場合、車線維持トルクTsupが変化しないように逆アシストトルクTraを補正する。すなわち、図20のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS32、または、ステップS31→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS32へと進み、ステップS32では、車線維持トルクTsupが不変となるようにトルク補正ゲインGtが設定される。
図21は、車線維持トルクと操舵トルクの向きが一致する場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートであり、時点t1では、車線維持トルクと同方向に運転者が操舵入力を開始するため、ハンドル1を重くする方向へアシストトルクが補正される。このとき、実施例3では、システム全体の車線維持トルクが変化しないよう、操舵トルクが増大する分だけアシストトルクを小さく、すなわち、操舵トルク+アシスト量+アシストトルク補正量=0となるように、アシストトルクが補正される。よって、時点t1〜t2の操舵介入判断時において、車線維持制御によるレーンキープ能力を維持しつつ、車線維持制御からアシスト制御へとなめらかに移行することができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
(7) アシストトルク補正演算部8cは、車線維持トルクTsupの方向と操舵トルクTqの方向とが同じ場合、車線維持トルクTsupが変化しないようにアシストトルクを補正するため、車線維持制御の能力を維持しつつ、適切な操舵反力を得ることができる。
実施例5は、実施例1のアシストトルク補正演算部8cに、操舵トルク微分値Tq'と、車線維持制御実施フラグFsupを入力としたトルク補正実施判定部8gを設けた例である。
まず、構成を説明する。
図22は、実施例5のEPSコントローラ8の制御ブロック図であり、トルク補正実施判定部8gは、車線維持制御実施フラグFsupがONになった瞬間に補正開始(ON)とし、車線維持制御実施フラグFsupがOFF、かつ、操舵トルク変化の方向が変わった場合に補正終了(OFF)するような、トルク補正実施フラグFjudgを出力する。
トルク補正ゲイン演算部8eは、トルク補正実施フラグFjudgに従い、トルク補正実施フラグFjudgがOFFの場合には補正を行わず、トルク補正実施フラグFjudgがONの場合にはトルク補正ゲインGtを逆アシストトルクTraに積算してアシストトルクを補正する。
[トルク補正実施フラグ出力制御処理]
図23は、実施例5のトルク補正実施判定部8gで実行される、トルク補正実施フラグ出力制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS51では、トルク補正実施フラグFjudg、トルク微分方向反転フラグFrev、旧トルク微分方向反転フラグFrev_pre、旧操舵トルク微分値Tq'preをそれぞれ初期化し、ステップS52へ移行する。
ステップS52では、操舵トルク微分値Tq'、車線維持制御実施フラグFsupを読み込み、ステップS53へ移行する。
ステップS53では、ステップS52で読み込んだ操舵トルク微分値Tq'と旧操舵トルク微分値Tq'preとを比較し、Tq'×Tq'pre<0であるか否かに基づいて、操舵方向が変化しているか否かを判定する。YESの場合にはステップS54へ移行し、NOの場合にはステップS56へ移行する。
ステップS54では、Frev_pre=Frevとして旧トルク微分方向反転フラグを更新し、ステップS55へ移行する。
ステップS55では、トルク微分方向反転フラグFrevを反転し、ステップS57へ移行する。
ステップS56では、トルク微分方向反転フラグFrevの前回値をキープし、ステップS57へ移行する。
ステップS57では、ステップS52で読み込んだ車線維持制御実施フラグFsupはONされているか否かを判定する。ONされている場合にはステップS60へ移行し、NOの場合にはステップS58へ移行する。
ステップS58では、トルク補正実施フラグFjudgはONのままであるか否かを判定する。ONの場合にはS59へ移行し、NOの場合にはステップS61へ移行する。
ステップS59では、トルク微分方向反転フラグFrevは前回値と変わっているか否かを判定する。YESの場合にはステップS61へ移行し、NOの場合にはステップS60へ移行する。
ステップS60では、トルク補正実施フラグFjudg=ONとし、ステップS62へ移行する。
ステップS61では、トルク補正実施フラグFjudg=OFFとし、ステップS62へ移行する。
ステップS62では、ステップS60またはステップS61で設定されたトルク補正実施フラグFjudgを出力し、ステップS52へ移行する。
[トルク補正ゲイン演算制御処理]
図24は、実施例5のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。このフローチャートは、トルク補正実施フラグFjudgがONされている間、所定の演算周期で繰り返し実施される。なお、図3に示した実施例1と同じ処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS41では、操舵トルク方向d、車線維持トルクTsupを読み込み、ステップS3へ移行する。
次に、作用を説明する。
[車線維持制御終了後のアシストトルク補正作用]
実施例5では、車線維持制御中に運転者の操舵介入がなされた場合、操舵トルクがしきい値以上となって車線維持制御を終了した場合であっても、操舵トルク変化の方向が変わるまでの間は、アシストトルクの補正を継続する。
すなわち、図23のフローチャートにおいて、運転者の操舵が開始した場合、ステップS51→ステップS52→ステップS53→ステップS56→ステップS57→ステップS60へと進み、ステップS60では、トルク補正実施フラグFjudgがONされるため、車線維持制御を終了するまでの間、ステップS52→ステップS53→ステップS56→ステップS57→ステップS60→ステップS62へと進む流れが繰り返され、アシストトルクの補正が開始される。
操舵介入判断により車線維持制御を終了した場合には、ステップS59においてトルク微分方向反転フラグFrevが反転するまでの間、ステップS52→ステップS53→ステップS56→ステップS57→ステップS58→ステップS59→ステップS60→ステップS62へと進む流れが繰り返されるため、アシストトルクの補正は継続して実施される。
操舵トルク変化の方向が変化した場合は、ステップS52→ステップS53→ステップS54→ステップS55→ステップS57→ステップS58→ステップS59→ステップS61へと進み、ステップS61では、トルク補正実施フラグFjudgがOFFされるため、アシストトルクの補正を終了する。
図25は、実施例5の比較例として、車線維持制御終了と同時にアシストトルク補正を終了した場合の操舵力変動を示すタイムチャートである。時点t1の操舵介入によりアシストトルクの補正を開始した後、時点t2の車線維持制御終了と同時にアシストトルクの補正を終了した場合、アシストトルク補正量がゼロとなる時点t3の前後でアシスト補正量が急変するため、操舵反力変動が発生する。
これに対し、実施例5では、図26に示すように、時点t2で操舵介入判断がなされ、時点t3で車線維持トルクがゼロとなった後であっても、時点t4でトルク微分方向が反転するまでの間は、ハンドル1を重くする方向へアシストトルクが補正される。これにより、アシストトルクの補正終了前後におけるトルク変動を抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例5の車線維持支援装置にあっては、以下の効果を奏する。
(8) アシストトルク補正演算部8cは、車線維持制御の終了後、運転者の操舵トルク変化の方向が反転するまでの間、アシストトルクの補正を継続するため、アシストトルクの補正終了前後における操舵反力の変動を抑制することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1から5に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1〜5では、車線維持トルクを発生させるアクチュエータと、アシストトルクを発生させるアクチュエータを同一のモータ3としたが、それぞれ別のアクチュエータを用いた構成としてもよい。
実施例1では、トルク補正ゲインGtを逆アシストトルクTraに掛けたが、逆アシストトルク演算部8dの車速ゲインおよび角速度ゲインそのものを、トルク方向によって変化させても同じ効果を得ることができる。
実施例1の車線維持支援装置を適用した車両の操舵系を示すシステム構成図である。 実施例1のEPSコントローラ8の制御ブロック図である。 実施例1のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートである。 アシストトルクと車線維持トルクの干渉による操舵感の悪化を示す図である。 操舵トルクと車線維持トルクの向きが一致する場合の操舵力の抜けを示す図である。 操舵トルクと車線維持トルクの向きが不一致の場合の操舵力の急増を示す図である。 本発明の車線維持トルクと操舵トルクの方向が一致する場合のアシストトルク補正ロジックを示すタイムチャートである。 本発明の車線維持トルクと操舵トルクの方向が不一致の場合のアシストトルク補正ロジックを示すタイムチャートである。 実施例1のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。 実施例1の変形例において、車線維持トルクと操舵トルクの方向が不一致の場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。 実施例2のEPSコントローラ8の制御ブロック図である。 実施例2のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2において、運転者に車線変更意志が有る場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。 実施例2において、保舵時のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。 実施例3のEPSコントローラ8の制御ブロック図である。 実施例3のトルク補正ゲインマップである。 実施例3のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の車線維持トルクと操舵トルクの向きが一致する場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。 実施例4のEPSコントローラ8の制御ブロック図である。 実施例4のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4の車線維持トルクと操舵トルクの向きが一致する場合のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。 実施例5のEPSコントローラ8の制御ブロック図である。 実施例5のトルク補正実施判定部8gで実行される、トルク補正実施フラグ出力制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例5のトルク補正ゲイン演算部8eで実行される、トルク補正ゲイン演算制御処理の流れを示すフローチャートである。 車線維持制御終了と同時にアシストトルク補正を終了した場合の操舵力変動を示すタイムチャートである。 実施例5のアシストトルク補正作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ハンドル
2 トルクセンサ
3 アシストモータ
3a 減速機
4 モータ位置センサ
5 カメラ
6 ヨーレートセンサ
7 車速センサ
8 コントローラ
8a 基本アシスト指令値演算部
8b 車線維持トルク演算部
8c アシストトルク補正演算部
8d 逆アシストトルク演算部
8e トルク補正ゲイン演算部
8f モータ制御部
8g トルク補正実施判定部
9 操舵軸
10 ラックギア
11,11 前輪

Claims (9)

  1. 操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、
    前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向との関係に基づいて、前記アシストトルクを補正するトルク補正手段を設けたことを特徴とする車線維持支援装置。
  2. 請求項1に記載の車線維持支援装置において、
    前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが同じ場合、前記アシストトルクを減少させる方向へ補正することを特徴とする車線維持支援装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車線維持支援装置において、
    前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが異なる場合、前記アシストトルクを増加させる方向へ補正することを特徴とする車線維支援装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
    前記操舵トルクを増加させる方向へ逆アシストトルクを付与する逆アシスト手段を設け、
    前記トルク補正手段は、前記逆アシストトルクを補正することを特徴とする車線維持支援装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
    前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが異なる場合、ハンドル操舵速度が所定値以上のときにのみ、アシストトルクの補正を行うことを特徴とする車線維持支援装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
    前記トルク補正手段は、前記アシストトルクの補正量を前記車線維持トルクの大きさに応じて変更することを特徴とする車線維持支援装置。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
    前記トルク補正手段は、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが同じ場合、前記車線維持トルクが変化しないように前記アシストトルクを補正することを特徴とする車線維持支援装置。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車線維持支援装置において、
    前記トルク補正手段は、前記車線維持制御の終了後、運転者の操舵トルク変化の方向が反転するまでの間、前記アシストトルクの補正を継続することを特徴とする車線維持支援装置。
  9. 操向輪を転舵する転舵機構に対し、車線との位置関係に基づいて車両を車線に維持する車線維持トルクと、運転者の操舵トルクに基づいて操舵を補助するアシストトルクとを付与する車線維持支援装置において、
    前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが同じ方向の場合には、前記アシストトルクを減少させる方向へ補正し、前記車線維持トルクの方向と前記操舵トルクの方向とが異なる場合には、前記アシストトルクを増加させる方向へ補正することを特徴とする車線維持支援装置。
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