JP7303044B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される操舵制御装置についての技術分野に関する。
操舵制御の機能として、例えば走行車線(走行レーン)の中央や先行車両等の所定の追従対象に自車両の横方向位置を追従させる追従操舵制御機能が知られている。
追従操舵制御においては、例えば自車両の前方を撮像するカメラ等のセンサによる検出情報に基づいて追従対象の位置を検出し、該対象の位置と自車両との横方向における位置偏差を算出し、該位置偏差に基づき操舵についての制御目標値を算出し、該制御目標値に基づき操舵機構を駆動する。
操舵機構を含む操舵制御系には、制御目標値に対し或る程度の応答遅れが生じる。この応答遅れに起因して、追従操舵制御においては、車両と追従対象の横方向位置が常時一致するということはなく、車両が追従対象に対し左右の僅かな変位を繰り返しながら追従していく挙動が示される。すなわち、追従操舵制御においては、僅かながら舵の切り返し(ステアリングホイールの回転方向の変化)が繰り返される。
ここで、舵の切り返し時には、操舵輪の向きの変化が完全に停止する瞬間がある。つまり、舵の切り返し時には、このように操舵輪の向きの変化が完全に停止する瞬間を経て、操舵輪の向きが逆向きに変化していく。
上記のように操舵輪の向きの変化が完全に停止することから、舵の切り返し時には、操舵機構における各種ギヤで静止摩擦が生じる。
また、舵の切り返し時には、操舵方向の切り替わりに伴い、操舵機構における各種ギヤにおいてバックラッシが生じる。
これら静止摩擦やバックラッシが、制御目標値に対する応答性を低下させる一因となっている。
このような応答性の低下に起因して、追従操舵制御においては、追従対象との位置誤差を修正するための修正舵が大きくなる。応答遅れが大きいと、修正舵により自車両の横方向位置が追従対象の横方向位置を大きく通り超してしまい、これが繰り返されることで車両挙動としてのふらつきが助長されることになる。
一方で、下記特許文献1には、操舵機構を駆動するモータの駆動信号に対し、該モータを微小振動させる(つまり操舵トルクに微小な振動成分を付与する)ためのディザ信号を重畳する技術が開示されている。
このディザ信号の重畳によりモータを微小振動させることで、上記のような静止摩擦やバックラッシに起因した操舵機構の応答遅れの抑制を図ることができる。
特開2003-11834号公報
しかしながら、上記特許文献1では、ディザ信号の重畳を、モータのPWM(パルス幅変調)制御におけるデューティ比が所定値以下となったとき、具体的には、モータの角速度が所定値以下のときに行うこととしている。
このため、特許文献1では、モータの角速度(つまり操舵速度)が所定値以下である全ての場合においてディザ信号の重畳が行われ得るものであり、ディザ信号重畳のための消費電力の増加や、操舵機構における各種ギヤの摩耗を誘発する虞がある。
本発明は上記の事情に鑑み為されたものであり、操舵機構の応答性を高めることによる追従操舵制御時の車両のふらつき抑制を図りつつ、消費電力の削減、及びギヤの摩耗抑制による操舵機構の長寿命化を図ることを目的とする。
本発明に係る操舵制御装置は、自車両前方における追従対象に前記自車両の横方向位置を追従させる追従操舵制御を行う車両における操舵制御装置であって、
前記追従対象と前記自車両との位置関係に基づき、前記追従操舵制御による舵の切り返しの有無を予測する予測部と、前記自車両の操舵速度が所定速度以下であると判定される場合であって、前記予測部により前記舵の切り返しがあると予測された場合に、操舵の制御信号にディザ信号を重畳する処理を行う重畳処理部と、を備えるものである。
ディザ信号は、操舵トルクに微小な振動成分を付与するための振動信号を意味する。ディザ信号の重畳により、静止摩擦やバックラッシに起因した操舵機構の応答遅れの抑制が図られる。そして、上記構成によれば、ディザ信号の重畳は、自車両の操舵速度が所定速度以下であることのみを条件として行われるのではなく、さらに、追従操舵制御による舵の切り返しがあると予測されたことを条件として行われる。このため、ディザ信号が重畳される頻度の低減が図られる。
上記した本発明に係る操舵制御装置においては、前記予測部は、前記追従操舵制御による目標舵角と前記自車両の実舵角との差に基づいて前記舵の切り返しの有無を予測する構成とすることが考えられる。
舵の切り返し時には、静止摩擦やバックラッシの影響により目標舵角と実舵角との間に差が生じる。このため、目標舵角と実舵角との差に基づき、舵の切り返しの有無を適切に予測することが可能となる。
上記した本発明に係る操舵制御装置においては、前記追従操舵制御は、前記追従対象を前記自車両の走行車線における中心線とした車線中央維持制御とされ、前記予測部は、前記自車両が前記中心線に対し外向きであるか否かを判定することで前記舵の切り返しの有無を予測する構成とすることが考えられる。
自車両が走行車線の中心線に対し外向きであれば、該中心線への追従のため舵の切り返しが生じるとの予測が立つ。
上記した本発明に係る操舵制御装置においては、前記重畳処理部は、前記ディザ信号の重畳開始後、前記自車両の実操舵速度が所定速度を超えたことに応じて前記ディザ信号の重畳を停止する処理を行う構成とすることが考えられる。
これにより、ディザ信号の重畳が無闇に継続されてしまうことの防止が図られる。
本発明によれば、操舵機構の応答性を高めることによる追従操舵制御時の車両のふらつき抑制を図りつつ、消費電力の削減、及びギヤの摩耗抑制による操舵機構の長寿命化を図ることができる。
第一実施形態としての操舵制御装置を含む車載システムの要部を示したブロック図である。 車線中央維持制御に係る処理内容を模式化して表すブロック図である。 自車両の位置を原点としたx-z座標系を表した図である。 第一実施形態におけるディザ信号の重畳に係る処理のフローチャートである。 実施形態におけるディザ信号の重畳停止に係る処理のフローチャートである。 実施形態によるふらつき抑制効果についての説明図である。 ディザ信号を重畳しない場合の比較図である。 第二実施形態におけるディザ信号の重畳に係る処理のフローチャートである。 走行車線における自車両の向きの説明図である。 車線中央維持制御中において自車両の向きがレーン中心線に対し外向きとなるタイミングを例示した図である。
<1.第一実施形態>
[1-1.操舵制御装置の構成]
以下、本発明に係る実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、第一実施形態としての操舵制御装置を含む車載システム1の要部を示している。本実施形態の操舵制御装置は、図中の構成において、少なくとも車線中央維持制御ユニット14を含む。図1では、操舵制御装置による制御対象としてのステアリング機構(操舵機構)30を示しており、また、操舵制御に用いるセンサ類として、車速センサ15、ヨーレートセンサ16、舵角センサ17、実舵角センサ18、及び操舵トルクセンサ19を示している。さらに、操舵制御の関連部位として表示部21、発音部22を示している。
ここで、舵角センサ17は、例えば、後述するステアリング機構30におけるステアリング軸32の回転角度を検出するロータリーエンコーダ等を有して構成され、自車両5の操舵角(ステアリングホイール34の回転角度)を検出する。
実舵角センサ18は、操舵輪40の実際の切れ角(操舵輪40の回転面と自車両5の前後方向とがなす角度)を実舵角として検出する。
操舵トルクセンサ19は、例えば、ステアリング軸32に対する入力トルクを検出することで、ステアリングホイール34を介して運転者が入力した操舵力(操舵入力トルク)を検出する。
撮像ユニット10は、自車両5において進行方向(前方)を撮像可能に設置された撮像部11L、撮像部11Rと、画像処理部12と、運転支援制御部13とを備えている。
撮像ユニット10には、自車両5の車速を自車速vとして検出する車速センサ15、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ16、及び、上記した舵角センサ17と実舵角センサ18が接続され、画像処理部12や運転支援制御部13はこれらセンサによる検出信号を入力可能とされている。また、撮像ユニット10には、運転者等の乗員からの操作入力情報である操作情報SDが入力され、画像処理部12や運転支援制御部13は操作情報SDに応じた処理を実行可能とされている。
撮像部11L、11Rは、いわゆるステレオ法による測距が可能となるように、例えば自車両5のフロントガラスの上部付近において車幅方向に所定間隔を空けて配置されている。撮像部11L、11Rの光軸は平行とされ、焦点距離はそれぞれ同値とされる。また、フレーム周期は同期し、フレームレートも一致している。撮像素子の画素数は例えば水平方向1280画素程度×垂直方向960画素程度である。
撮像部11L、11Rの各撮像素子で得られた電気信号(撮像画像信号)はそれぞれA/D変換され、画素単位で所定階調による輝度値を表すデジタル画像信号(撮像画像データ)とされる。撮像画像データは例えばカラー画像データとされる。
画像処理部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、ROMに格納されたプログラムに従った各種の処理を実行する。
画像処理部12は、撮像部11L、11Rが自車両5の前方を撮像して得た撮像画像データとしての各フレーム画像データを内部メモリに格納していく。そして、各フレームとしての二つの撮像画像データに基づき、外部環境として自車両5前方に存在する物体を認識するための各種処理を実行する。例えば、道路上に形成された規制線(例えば白線やオレンジ線等)、先行車両や障害物などの立体物等の認識を行う。
ここで、規制線は、車両の走行車線(走行レーン)を仕切る線を意味する。画像処理部12は、認識した規制線の情報に基づき、自車両5の走行車線を認識する。
画像処理部12は、自車両5前方の立体物の認識にあたり、撮像部11L、11Rにより得られた一対の撮像画像データ(ステレオ画像)に対し、画像内の対応する位置同士のずれ量(つまり視差)から三角測量の原理によって距離情報を求める処理を行い、この距離情報に基づいて三次元の距離分布を表すデータ(距離画像)を生成する。その後、このデータを基に、周知のグルーピング処理や、予め記憶されている三次元的な道路形状データ、立体物データ等と比較し、上述した規制線や、道路に沿って存在するガードレール・縁石等の側壁、車両等の立体物データを抽出する。
立体物データでは、立体物までの距離と、距離の時間的変化(自車両5に対する相対速度)が求められ、特に自車進行路上にある最も近い車両で、自車両5と略同方向を向くものが先行車両として抽出される。なお、先行車両の中で走行速度が略0km/hである車両は停止した先行車両として認識される。
また、立体物情報、及び、先行車両情報は、立体物や先行車両の後面の左端点と右端点の位置情報が記憶され、さらに、この後面における左端点と右端点との略中央が立体物又は先行車両の中心位置として記憶される。
さらに、先行車両情報については、自車両5前後方向をz軸、自車両5左右方向(横方向)をx軸としたx-z座標系の座標位置として表した先行車位置、先行車距離(先行車両との車間距離:以下「車間距離dc」と表記)、先行車速(「車間距離dcの変化量」+「自車速v」)、先行車加速度(先行車速の微分値)の情報も算出され、記憶される。
なお、先行車両以外の立体物位置、規制線の位置、自車両5の走行車線の位置についても、上記のx-z座標系上の座標位置として算出され、記憶される。
画像処理部12による上記の先行車両や立体物、走行車線等の画像認識結果は、各種の運転支援制御に用いられる。
本実施形態の操舵制御に関しては、特に走行車線に係る情報が運転支援制御部13に入力される。
運転支援制御部13は、画像処理部12による画像認識結果を表す入力情報を基に、各種運転支援のための制御を行う。
運転支援制御部13は、車線中央維持制御ユニット14を備えている。車線中央維持制御ユニット14は、例えばCPU、ROM及びRAM等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、ROMに格納されたプログラムに従った各種の処理を実行する。具体的に、車線中央維持制御ユニット14は、自車両5の走行車線における左右の中心線(後述するレーン中心線xc)を追従対象として、自車両5の横方向位置を該中心線に追従させる操舵制御(車線中央維持制御)を行う。
車線中央維持制御ユニット14は、車線中央維持制御時において、追従対象と自車両5との位置関係に基づいて目標とする操舵角(以下「目標舵角θs」と表記する)を求める。そして、この目標舵角θsに応じたステアリング指示電流値を、以下で説明するEPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)制御ユニット20に出力する。
なお、車線中央維持制御を実現するための具体的な処理の例については後に改めて説明する。
また、本例における運転支援制御部13は、運転者に対し運転支援に関する各種通知も行う。具体的に、運転支援制御部13は、表示部21や発音部22に対して表示情報や発音指示情報を供給する。
表示部21は、例えばマイクロコンピュータによる表示制御ユニットと表示デバイスを包括的に示している。表示デバイスとは、例えば運転者の前方に設置されたメータパネル内に設けられるスピードメータやタコメータ等の各種メータやMFD(Multi Function Display)、その他運転者に情報提示を行うためのデバイスである。表示部21では、操舵支援に関しては、警告表示や操舵制御の作動/停止を運転者に知覚させるための表示が行われる。
発音部22は、例えばマイクロコンピュータによる発音制御ユニットと、アンプ/スピーカ等の発音デバイスとを包括的に示している。発音部22では、操舵に関しては、警告音出力や操舵制御の作動/停止を運転者に知覚させるための通知音等の出力が行われる。
EPS制御ユニット20は、例えばマイクロコンピュータを有して構成され、運転支援制御部13(車線中央維持制御ユニット14)からのステアリング指示電流値や操舵トルクセンサ19による検出信号に基づき、ステアリング機構30におけるEPSモータ42を制御する。
EPS制御ユニット20は、操舵トルクセンサ19の検出信号から取得される操舵入力トルクの情報に基づき、該操舵入力トルクに応じた操舵のアシストトルクが得られるようにするためのステアリング指示電流値を求め、該指示電流値に基づきEPSモータ42を駆動する。これにより、運転者による操舵をアシストするパワーステアリング制御が実現される。
なお、運転者は、車線中央維持制御ユニット14による操舵制御の実行時においても操舵操作を行うことが可能とされているが、このように操舵制御中に手動操舵が行われた際には、EPS制御ユニット20において車線中央維持制御ユニット14からのステアリング指示電流値と上記のように求められたパワーステアリング制御のためのステアリング指示電流値とが合算され、合算された電流値に基づいてEPSモータ42が駆動される。
操舵制御の対象となるステアリング機構30は、例えば次のように構成される。
ステアリング機構30は、ステアリング軸32が、図示しない車体フレームにステアリングコラム33を介して回動自在に支持されている。ステアリング軸32の一端は運転席側に延出され、このステアリング軸32の一端部には、ステアリングホイール34が取り付けられている。ステアリング軸32の他端はエンジンルーム側に延出され、このステアリング軸32の他端部にはピニオン軸35が連結されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス36が配設され、このステアリングギヤボックス36には、ラック軸37が往復移動自在に挿通支持されている。ラック軸37の途中にはラック(図示せず)が設けられ、このラックに対し、ピニオン軸35に設けられたピニオン(図示せず)が噛合することにより、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が構成されている。
また、ラック軸37の左右両端はステアリングギヤボックス36から各々突出されており、該左右両端には、それぞれタイロッド38が連接されている。各タイロッド38は、それぞれラック軸37と連接される側とは逆側の端部にフロントナックル39が接続されている。それぞれのフロントナックル39は、操舵輪40L,40Rのうち対応する操舵輪40を支持すると共に、キングピン(図示せず)を介して車体フレームに支持されている。各フロントナックル39は、それぞれキングピンを中心に回動自在となるように対応するタイロッド38の端部に接続されている。
従って、ステアリングホイール34を操作し、ステアリング軸32、ピニオン軸35を回動させると、このピニオン軸35の回転によりラック軸37が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル39がキングピンを中心に回動して、操舵輪40L、40Rが左右方向へ転舵される。
また、ピニオン軸35には、アシスト伝達機構41を介してEPSモータ42が連設されており、このEPSモータ42により、ステアリングホイール34に加える操舵トルクのアシストや、目標舵角θsとなるような操舵トルクの付加が行われる。
[1-2.車線中央維持制御について]
図2及び図3を参照し、本例における車線中央維持制御の処理について説明する。
図2は、車線中央維持制御に係る車線中央維持制御ユニット14とEPS制御ユニット20の処理内容を模式化して表すブロック図であり、図3は、自車両5の位置を原点としたx-z座標系を表している。
図2においては、それぞれ破線で囲った範囲により車線中央維持制御ユニット14による処理とEPS制御ユニット20による処理との別を表している。
車線中央維持制御ユニット14は、自車両5の走行車線の情報に基づき、該走行車線の中心線であるレーン中心線xcを計算する。そして、図3に示すように、自車両5の前方に所定の時間Tm(例えば2秒等)と自車速vを乗算して得た距離Lmとなる箇所のレーン中心線xc上に前方注視点Cmを設定し、レーン中心線xcに沿って設定された前方注視点Cmに至る走行経路の曲率rrを算出する。また、車線中央維持制御ユニット14は、レーン中心線xcに対する自車両5の横方向におけるずれ量xd(以下「横位置偏差xd」と表記する)を算出する。
次いで、車線中央維持制御ユニット14は、算出された曲率rrに所定のフィードフォワードゲインKfを乗じて基本となる目標舵角(以下「基本目標舵角θsb」と表記する)を算出すると共に、FBコントローラ14aにおいて横位置偏差xdが減少するようにフィードバック制御則を用いて補正舵角θsaを算出する。
これら基本目標舵角θsbと補正舵角θsaは加算段14bで加算されて、目標舵角θsが算出される。加算段14bで得られた目標舵角θsは、ステアリング指示電流値に変換され、EPS制御ユニット20に出力される。
このステアリング指示電流値は、車線中央維持制御の指示電流値であり、前方注視点Cmを通過するように自車両5の走行を制御するための操舵制御値と換言できるものである。
一方、EPS制御ユニット20は、操舵トルクセンサ19によって検出された操舵入力トルクに基づきアシストマップ20aを検索して操舵アシストトルクを算出すると共に、算出した操舵アシストトルクに対応する操舵アシスト電流を示すステアリング指示電流値の計算を行う。
このステアリング指示電流値は、運転者によってステアリングホイール34を介して入力された操舵トルクに応じて所定の特性(アシストマップ20aの特性)に従って運転者の操舵をアシストするための操舵制御値に相当する。
EPS制御ユニット20において、上記のように計算された操舵アシスト用のステアリング指示電流値は、加算段20bにおいて車線中央維持制御用のステアリング指示電流値と加算される。
そして、このように加算されたステアリング指示電流値がEPSモータ42に供給され、EPSモータ42が駆動されることになる。
なお、車線中央維持制御において、目標舵角θsの計算には、ヨーレートセンサ16により検出されるヨーレートの情報を用いることもできる。
[1-3.第一実施形態としてのふらつき抑制手法]
前述のように、操舵機構(ステアリング機構30)においては、車線中央維持制御等の追従操舵制御時において、舵の切り返し時に各種ギヤ(例えばラックアンドピニオンにおけるギヤ等)に生じる静止摩擦やバックラッシに起因した応答遅れ(制御目標値に対する応答遅れ)が生じ、該応答遅れが大きい場合には自車両5のふらつきが助長されることになる。
なお、追従操舵制御とは、自車両前方における追従対象に自車両の横方向位置を追従させる操舵制御を意味する。
本実施形態においても、操舵機構の応答遅れの抑制を図るため、先に挙げた特許文献1と同様のディザ信号を用いる。ここで、ディザ信号は、操舵トルクに微小な振動成分を付与するための振動信号を意味する。本例において、ディザ信号としては、例えばsin波による振動信号を用い、その振幅や周波数については、操舵機構におけるバックラッシは乗り越えるが、実舵角は変化しない程度に設定する。ディザ信号に起因した振動成分は、自車両5におけるトーションバー(不図示)等の振動吸収要素によって少なくとも一部が吸収される。ディザ信号の振幅や周波数は、このような自車両5における振動吸収要素を考慮して、実舵角に変化を与えないような数値に定める。また、本例において、ディザ信号の振幅や周波数は、運転者にステアリングホイール34を介した振動が知覚されない程度の数値に定める。
本実施形態において、車線中央維持制御ユニット14は、車線中央維持制御の実行中において、以下の2条件を満たす状況となったことに応じてディザ信号の重畳処理を行う。すなわち、自車両5の操舵速度が所定速度以下であるとの条件と、追従操舵制御による舵の切り返しが予測されるとの条件である。
前者の条件に関して、車線中央維持制御ユニット14は、舵角センサ17により検出される操舵角の値を微分して操舵速度(舵角の変化速度)を求める。そして、該操舵速度が、所定の閾値THv以下であるか否かの判定を行う。
また、後者の条件に関して、車線中央維持制御ユニット14は、追従操舵制御による舵の切り返しの有無についての予測を行う。具体的に、本実施形態における車線中央維持制御ユニット14は、追従操舵制御による舵の切り返しの有無を、目標舵角θsと実舵角との差に基づいて予測する。
実舵角は、操舵輪40の実際の切れ角を意味し、本例では図1に示した実舵角センサ18の検出値を用いる。
ここで、舵の切り返し時には、前述した静止摩擦やバックラッシの影響により目標舵角θsと実舵角との間に差が生じる。このため、目標舵角θsと実舵角との差に基づき、舵の切り返しの有無を適切に予測することができる。
具体的に、車線中央維持制御ユニット14は、目標舵角θsと実舵角との差が所定の閾値THa以上であれば舵の切り返しがあるとの予測結果を得、該差が閾値THa以上でなければ舵の切り返しがないとの予測結果を得る。
本実施形態における車線中央維持制御ユニット14は、車線中央維持制御の実行中において、操舵速度が閾値THv以下であると判定される場合であって、目標舵角θsと実舵角との差が閾値THa以上である場合に、ディザ信号を操舵の制御信号に重畳する処理を行う。具体的に、本例においてディザ信号は、EPS制御ユニット20に出力するステアリング指示電流値の信号に対して重畳する。
ディザ信号を重畳する条件を上記の2条件としたことで、ディザ信号の重畳は、自車両5の操舵速度が所定速度以下であることのみを条件として行われるのではなく、さらに、追従操舵制御による舵の切り返しがあると予測されたことを条件として行われる。このため、ディザ信号が重畳される頻度の低減が図られ、消費電力の削減、及び操舵機構におけるギヤの摩耗抑制を図ることができる。
また、車線中央維持制御ユニット14は、ディザ信号の重畳開始後は、実操舵速度に基づいてディザ信号の重畳を停止する処理を行う。ここで、実操舵速度は、実舵角の変化速度を意味し、実舵角センサ18により検出される実舵角の微分値として求めることができる。
車線中央維持制御ユニット14は、ディザ信号の重畳中において、実操舵速度が所定の閾値THvr(0以上の値)を超えたことに応じてディザ信号の重畳を停止する。
これにより、ディザ信号の重畳開始後において、実際に操舵輪40が切れ角方向に動き始めたことに応じて、ディザ信号の重畳を停止することが可能となる。換言すれば、実際に操舵輪40が切れ角方向に動き始めたにも拘わらず、ディザ信号の重畳が無闇に継続されてしまうことの防止を図ることが可能とされる。
[1-4.処理手順]
上記により説明した第一実施形態としてのふらつき抑制手法を実現するために実行すべき具体的な処理手順の例を図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
図4及び図5に示す処理は、車線中央維持制御ユニット14のCPUがROM等に記憶されたプログラムに基づき実行する。
図4は、ディザ信号の重畳に係る処理のフローチャートである。車線中央維持制御ユニット14は、車線中央維持制御の実行中において、図4に示す処理を所定の処理周期により繰り返し実行する。
図4において、ステップS101で車線中央維持制御ユニット14は、操舵速度が閾値THv以下であるか否かを判定する。前述のように、操舵速度は、舵角センサ17により検出される操舵角の微分値として求めることができる。
操舵速度が閾値THv以下でないと判定した場合、車線中央維持制御ユニット14は図4に示す一連の処理を終える。すなわち、ディザ信号の重畳処理は行われない。
操舵速度が閾値THv以下であると判定した場合、車線中央維持制御ユニット14はステップS102に進んで目標舵角θsと実舵角との差が閾値THa以上であるか否かを判定する。すなわち、目標舵角θsと実舵角センサ18により検出される実舵角との差が閾値THa以上であるか否かを判定する。
目標舵角θsと実舵角との差が閾値THa以上でないと判定した場合、車線中央維持制御ユニット14は図4に示す一連の処理を終える。
一方、目標舵角θsと実舵角との差が閾値THa以上であると判定した場合、車線中央維持制御ユニット14は、ステップS103に進んでディザ信号重畳中であるか否かを判定し、ディザ信号重畳中でないと判定した場合には、ステップS104に進んでディザ信号重畳開始処理を実行する。すなわち、EPS制御ユニット20に出力するステアリング指示電流値の信号に対するディザ信号の重畳を開始する。このステップS103の重畳開始処理を実行したことに応じ、車線中央維持制御ユニット14は図4に示す一連の処理を終える。
また、車線中央維持制御ユニット14は、ステップS103でディザ信号重畳中であると判定した場合には、ステップS104の処理をパスして図4に示す一連の処理を終える。
図5は、ディザ信号の重畳停止に係る処理のフローチャートである。なお、車線中央維持制御ユニット14は、図5に示す処理を繰り返し実行する。
先ず、ステップS201で車線中央維持制御ユニット14は、ディザ信号重畳中となるまで待機し、ディザ信号重畳中となったら、ステップS202で実操舵速度が閾値THvrを超えるまで待機する。前述のように実操舵速度は、実舵角センサ18により検出される実舵角の微分値として求めることができる。
実操舵速度が閾値THvrを超えた場合、車線中央維持制御ユニット14はステップS203に進んでディザ信号重畳停止処理を実行する。すなわち、ステアリング指示電流値の信号に対するディザ信号の重畳を停止する処理を実行する。
ステップS203の停止処理を実行したことに応じ車線中央維持制御ユニット14は図5に示す一連の処理を終える。
ここで、第一実施形態では、目標舵角θsと実舵角との差に基づいて舵の切り返しの有無を予測しているが、目標舵角θsは、追従対象(本例ではレーン中心線xc)と自車両5との位置関係に基づき求められるものである。このため、第一実施形態のように目標舵角θsに基づき舵の切り返しの有無を予測することは、追従対象と自車両5との位置関係に基づき舵の切り返しの有無を予測することの範疇である。
[1-5.ふらつき抑制の効果について]
図6は、本実施形態によるふらつき抑制効果についての説明図であり、波形w1は車線中央維持制御における目標舵角θsを、波形w2は実舵角を、波形w3は自車両5の横位置偏差xdをそれぞれ表している。
図7では比較として、ディザ信号の重畳を行わない場合における波形w1、波形w2、及び波形w3を示している。
目標舵角θs(w1)に対する実舵角(w2)の遅れが、操舵制御系における応答遅れに相当する。ディザ信号を重畳しない図7の場合と比較すると、図6に示す本実施形態の場合には、応答遅れが大幅に改善されていることが分かる。またこれに伴い、横位置偏差xd(w3)についてもその振幅が大幅に小さくなっていることが分かる。
これら図6及び図7の比較より、本実施形態によれば、追従操舵制御時における自車両5のふらつきを大幅に抑制できることが分かる。
<2.第二実施形態>
続いて、第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、舵の切り返し有無の予測について、第一実施形態とは異なる手法を採るものである。
なお、第二実施形態において、車載システム1の構成については第一実施形態と同様となることから重複説明は避ける。
図8は、第二実施形態における車線中央維持制御ユニット14が実行するディザ信号の重畳に係る処理のフローチャートである。なお、図8に示す処理は、図4に示した処理と同様、所定の処理周期により繰り返し実行される処理となる。
この場合も車線中央維持制御ユニット14は、先ずステップS101で、操舵速度が閾値THv以下であるか否かを判定し、操舵速度が閾値THv以下でないと判定した場合は図8に示す一連の処理を終える。
一方、操舵速度が閾値THv以下であると判定した場合、車線中央維持制御ユニット14はステップS110に進み、自車両5がレーン外側を向いているか否かを判定する。換言すれば、自車両5がレーン中心線xcに対し外向きの状態にあるか否かを判定する。
図9は、走行車線における自車両5の向きの説明図である。
図中「A」で表す状態は、自車両5が走行車線(自車両5の走行車線)の内側を向いている状態、すなわち、レーン中心線xcを向いている状態である。一方、図中「B」や「C」に示す状態は、自車両5が走行車線(レーン)の外側を向いている状態、すなわち、レーン中心線xcに対し外向きとなっている状態である。
ここで、自車両5がレーン中心線xcに対し外向きとなっている状態とは、図中の黒丸で表す自車両5の位置(原点位置)が、レーン中心線xcから遠ざかっている状態と換言することができる。逆に、自車両5が走行車線の内側を向いている状態とは、自車両5の位置がレーン中心線xcに近づいている状態と換言することができる。
図8において、車線中央維持制御ユニット14は、ステップS110で自車両5がレーン中心線xcに対し外向きの状態でないと判定した場合は、図8に示す一連の処理を終える(つまりディザ信号の重畳は行われない)。
一方、ステップS110で自車両5がレーン中心線xcに対し外向きの状態であると判定した場合、車線中央維持制御ユニット14はステップS103に処理を進める。すなわち、ディザ信号を重畳中でなければステップS104でディザ信号重畳開始処理を行った上で図8に示す一連の処理を終え、ディザ信号を重畳中であれば、ステップS104の処理をパスして図8に示す一連の処理を終える。
図10は、車線中央維持制御中において自車両5の向きがレーン中心線xcに対し外向きとなるタイミングを示しており、具体的には、図中の時点T1、時点T2のタイミングが該当タイミングの例である。
車線中央維持制御中において、自車両5の向きがレーン中心線xcに対し外向きに変化した以降の期間D1や期間D2においては、レーン中心線xcに対する横位置偏差xdが増加していき、修正舵を入れるべく、目標舵角θsの絶対値が上昇していく。つまり、これら期間D1や期間D2において、目標舵角θsに対し実舵角を忠実に追従させて正確な修正舵を入れることが、ふらつき抑制を図る上で重要となる。
この一方で、時点T1や時点T2の直前の期間には、自車両5がレーン中心線xcに対し近づいていき横位置偏差xdが減少していくため、目標舵角θsの絶対値は略0を維持しており、従って実舵角としても略0の状態で維持されている(つまり操舵輪40の向きの変化が停止している)。
このため、上記のように期間D1や期間D2で修正舵を入れようとしても、時点T1や時点T2では前述した静止摩擦やバックラッシの影響により実舵角の応答遅れが生じ、その結果、ふらつきを助長することになる。
これに対し、上記した第二実施形態としての処理によれば、時点T1や時点T2のタイミングにおいてディザ信号の重畳を開始することが可能とされる。
このため、第二実施形態によっても、ディザ信号の重畳を車両のふらつき抑制を図る上での適切なタイミングで行うことが可能となり、消費電力の削減及びギヤの摩耗抑制による操舵機構の長寿命化を図りながら、車両のふらつき抑制効果を高めることができる。
なお、第二実施形態においても、車線中央維持制御ユニット14は、図5に示したディザ信号重畳停止のための処理を実行する。
<3.変形例>
ここで、実施形態としては上記した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例を採り得る。
例えば、上記では、図4や図7、及び図5に示した処理の実行主体を車線中央維持制御ユニット14とする例を挙げたが、これらの処理の一部又は全部を、例えばEPS制御ユニット20が実行するようにしてもよい。
また、上記では、ディザ信号をステアリング指示電流値の信号に重畳する例を挙げたが、例えば、EPSモータ42に供給されるモータ駆動信号に対しディザ信号を重畳することもできる。ディザ信号は、操舵の制御信号に対して重畳さればよく、具体的にどの信号に対して重畳するかについては適宜選択可能なものである。
また、上記では、追従操舵制御の例として、追従対象を走行車線の中心線(レーン中心線xc)とする車線中央維持制御を挙げたが、追従対象を自車両5の先行車両とする追従操舵制御を行う場合にも本発明は好適に適用することができる。
<4.実施形態のまとめ>
以上で説明してきたように、実施形態としての操舵制御装置(車線中央維持制御ユニット14)は、自車両前方における追従対象に自車両の横方向位置を追従させる追従操舵制御を行う車両における操舵制御装置であって、追従対象と自車両との位置関係に基づき、追従操舵制御による舵の切り返しの有無を予測する予測部(ステップS102又はS110参照)と、自車両の操舵速度が所定速度以下であると判定される場合であって、予測部により舵の切り返しがあると予測された場合に、操舵の制御信号にディザ信号を重畳する処理を行う重畳処理部(ステップS104参照)と、を備えている。
ディザ信号は、操舵トルクに微小な振動成分を付与するための振動信号を意味する。ディザ信号の重畳により、静止摩擦やバックラッシに起因した操舵機構の応答遅れの抑制が図られる。そして、上記構成によれば、ディザ信号の重畳は、自車両の操舵速度が所定速度以下であることのみを条件として行われるのではなく、さらに、追従操舵制御による舵の切り返しがあると予測されたことを条件として行われる。このため、ディザ信号が重畳される頻度の低減が図られる。
従って、操舵機構の応答性を高めることによる追従操舵制御時の車両のふらつき抑制を図りつつ、消費電力の削減、及びギヤの摩耗抑制による操舵機構の長寿命化を図ることができる。
また、実施形態としての操舵制御装置においては、予測部は、追従操舵制御による目標舵角と自車両の実舵角との差に基づいて舵の切り返しの有無を予測している(ステップS102参照)。
舵の切り返し時には、静止摩擦やバックラッシの影響により目標舵角と実舵角との間に差が生じる。このため、目標舵角と実舵角との差に基づき、舵の切り返しの有無を適切に予測することが可能となる。
従って、ディザ信号の重畳を車両のふらつき抑制を図る上での適切なタイミングで行うことが可能となり、消費電力の削減及びギヤの摩耗抑制による操舵機構の長寿命化を図りながら、車両のふらつき抑制効果を高めることができる。
さらに、実施形態としての操舵制御装置においては、追従操舵制御は、追従対象を自車両の走行車線における中心線とした車線中央維持制御とされ、予測部は、自車両が中心線に対し外向きであるか否かを判定することで舵の切り返しの有無を予測している(ステップS110参照)。
自車両が走行車線の中心線に対し外向きであれば、該中心線への追従のため舵の切り返しが生じるとの予測が立つ。
従って、ディザ信号の重畳を車両のふらつき抑制を図る上での適切なタイミングで行うことが可能となり、消費電力の削減及びギヤの摩耗抑制による操舵機構の長寿命化を図りながら、車両のふらつき抑制効果を高めることができる。
さらにまた、実施形態としての操舵制御装置においては、重畳処理部は、ディザ信号の重畳開始後、自車両の実操舵速度が所定速度を超えたことに応じてディザ信号の重畳を停止する処理を行っている(図5の処理を参照)。
これにより、ディザ信号の重畳が無闇に継続されてしまうことの防止が図られる。
従って、消費電力の削減効果やギヤの摩耗抑制効果を高めることができる。
1 車載システム、5 自車両、10 撮像ユニット、11L、11R 撮像部、12 画像処理部、13 運転支援制御部、14 車線中央維持制御ユニット、14a FBコントローラ、14b 加算段、15 車速センサ、16 ヨーレートセンサ、17 舵角センサ、18 実舵角センサ、19 操舵トルクセンサ、20 EPS制御ユニット、20a アシストマップ、20b 加算段、21 表示部、22 発音部、SD 操作情報、30 ステアリング機構、32 ステアリング軸、33 ステアリングコラム、34 ステアリングホイール、35 ピニオン軸、36 ステアリングギヤボックス、37 ラック軸、38 タイロッド、39 フロントナックル、40L、40R 操舵輪、41 アシスト伝達機構、42 EPSモータ

Claims (3)

  1. 自車両前方における追従対象に前記自車両の横方向位置を追従させる追従操舵制御を行う車両における操舵制御装置であって、
    前記追従対象と前記自車両との位置関係に基づき、前記追従操舵制御による舵の切り返しの有無を予測する予測部と、
    前記自車両の操舵速度が所定速度以下である第一条件と、前記予測部により前記舵の切り返しがあると予測される第二条件とを満たす場合に、操舵の制御信号にディザ信号を重畳する処理を行い、前記第一条件と前記第二条件の少なくとも何れかを満たさない場合は前記ディザ信号を重畳する処理は行わない重畳処理部と、を備え
    前記予測部は、前記追従操舵制御による目標舵角と前記自車両の実舵角との差に基づいて前記舵の切り返しの有無を予測する
    操舵制御装置。
  2. 自車両前方における追従対象に前記自車両の横方向位置を追従させる追従操舵制御を行う車両における操舵制御装置であって、
    前記追従対象と前記自車両との位置関係に基づき、前記追従操舵制御による舵の切り返しの有無を予測する予測部と、
    前記自車両の操舵速度が所定速度以下である第一条件と、前記予測部により前記舵の切り返しがあると予測される第二条件とを満たす場合に、操舵の制御信号にディザ信号を重畳する処理を行い、前記第一条件と前記第二条件の少なくとも何れかを満たさない場合は前記ディザ信号を重畳する処理は行わない重畳処理部と、を備え
    前記追従操舵制御は、前記追従対象を前記自車両の走行車線における中心線とした車線中央維持制御とされ、
    前記予測部は、
    前記自車両が前記中心線に対し外向きであるか否かを判定することで前記舵の切り返しの有無を予測する
    操舵制御装置。
  3. 前記重畳処理部は、
    前記ディザ信号の重畳開始後、前記自車両の実操舵速度が所定速度を超えたことに応じて前記ディザ信号の重畳を停止する処理を行う
    請求項1又は請求項2に記載の操舵制御装置。
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