JP2008013045A - 操舵角制御装置 - Google Patents

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吉孝 増田
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敦 佐藤
Hideo Yamada
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Abstract

【課題】ユーザーの誤操作によって無駄に車両のメカ及びタイヤに負担をかけるようなことがない四輪独立操舵機構用の操舵角制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、四輪独立操舵機構を有し、前輪のみの操舵による通常モードと、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、その場で車両が回転する回転モードを備える操舵角制御装置に関するものであり、各モードを選択するスイッチ6と、遅延タイマ8と、車輪の駆動を行うアクチュエータ9と備えており、運転者によってあるモード選択スイッチ6が押下されると、当該モード選択スイッチが所定の時間押下され続けていることを遅延タイマ8で計時した上で、アクチュエータ9によって車輪の操舵角の変更を行うようにECU5が制御を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、四輪独立操舵機構を有する四輪独立操舵車の走行モードを切り替えるための制御を行う操舵角制御装置に関する。
従来より、四輪独立操舵機構を有する車両は、前輪のみの操舵による通常モードや、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する所謂カニモード等の走行モードで走行を可能とするものであった。このような四輪独立操舵機構を有する車両の例としては、例えば、特許文献1(特開平8−230708号公報)に、走行時の安定性を確保するために、前輪および/または後輪ステアリングにより複数のステアリングモードを選択可能なホイール式クレーンの、走行速度を検出し、その走行速度に基づいてリアステアリングロック作動、リアステアリングロック解除作動、あるいはステアリングモード切換作動の指令信号を出力するステアリング制御方法であって、走行速度が所定の値以下であることを検出したのち、リアステアリングロック解除の作動指令信号を出力することを特徴とするホイール式クレーンのステアリングモード切換制御方法が開示されている。また、特許文献2(特開平9−263254号公報)に、ステアリングモード切り換えスイッチを切り換えた時、前後車輪角がそのモードに合っていない場合、速やかに車輪角を設定モードに合わせるために、前後車輪の可動部に角度センサーを取り付け角度を検知し、モード補正ボタンを押すことによりコントローラーが、逆ステアリング補正バルブステアリングモード切り換えバルブ、後2輸ステアリング用切り換えバルブを制御して、ステアリングバルブからの油圧で、前後車輪角を設定モードに合し、運転者にブザーと車輪角OKランプで報知する四輪操舵装置が記載されている。
特開平8−230708号公報 特開平9−263254号公報
発明者らが現在開発を行っている四輪独立操舵機構を有する車両においては、運転者は四輪独立操舵車の走行モードを車両停止時に切り替えて、切り替えられた走行モードに応じて個々のタイヤの角度を変更するようにしているが、車両の停止時にこれを行うために、タイヤ角を変更するためのメカニカルな構成に負担がかかったり、タイヤがその場で大きく地面とこすれあうために、タイヤの摩耗が生じたりするということがある。したがって、四輪独立操舵機構を有する車両においては、車両への負担を軽減するために走行モードの変更は頻繁には行いたくないという背景がある。ところで、運転者は走行モードの選択を、運転席に備えられた操作スイッチ等により行うが、運転者がスイッチの選択をミスすると、ミスのたびにタイヤの角度を変更することとなり、上述のような負担を車両のメカ部分及びタイヤに強いることとなる。そこで、運転者の走行モードの選択ミスに対して何らかの対応を行い、車両のメカ、タイヤの負担の軽減を図らねばならないが、従来の技術ではそのようなことが考慮されていなかった。
このような課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数の車輪を独立して操舵可能な独立操舵機構を有し、複数の操舵モードを変更することで異なる移動モードを達成可能な車両の操舵角操舵角制御装置において、各モード選択手段と、計時を行うタイマと、車輪の操舵を行うアクチュエータと備えており、運転者によってあるモード選択手段が選択された時に該タイマの計時を開始し、該タイマが所定の時間を計時した後に、該アクチュエータによって車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の操舵角制御装置において、該アクチュエータは、該タイマの計時完了時に選択されている操舵モードになるように車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の操舵角制御装置において、該タイマの計時中に操舵モードが選択された時、該所定の時間を待たず、選択された操舵モードになるように車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の操舵角制御装置において、該操舵モードは、所定の車輪のみを同方向に操舵する通常モードと、該所定の車輪を含む全車輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、その場で車両が回転する回転モードを備えることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の操舵角制御装置において、該平行移動モードにおいては、前方向への移動、後ろ方向への移動、左前方向への移動、右後ろ方向への移動、右前方向への移動、左後ろ方向への移動、真左への移動、真右への移動の8方向への移動が可能であり、該8方向のいずれかを選択するための方向選択手段を有しており、運転者によってある方向選択手段が選択されると、当該方向選択手段が所定の時間選択され続けていることを該タイマで計時した上で、該アクチュエータによって車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする。
本発明の実施の形態の操舵角制御装置によれば、モード選択スイッチや方向選択スイッチが所定の時間押されていたことをタイマによって計測し確認してから、実際に選択されたモード、選択方向に対応するタイヤ配置パターンへとタイヤの操舵角を変更するようにサーボモータを制御するので、ユーザーの誤操作によって無駄に車両のメカ及びタイヤに負担をかけるようなことがない。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の運転席におけるスイッチ類を示す図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置のシステム構成の概要を示す図である。
図1において、1は運転席、2はモード選択スイッチパネル、3はステアリング、4は方向選択スイッチを示している。また、図2のシステム構成図において、5はECU(電子制御ユニット)、6はモード選択スイッチ、7は方向選択スイッチ、8は遅延タイマ、9はサーボモータなどのアクチュエータをそれぞれ示している。なお、システム構成図上では、モード選択スイッチ6、方向選択スイッチ7として示されているが、それぞれの実際の物理的な形状・配置等は、後述するようになっている。
本実施形態の操舵角制御装置は、車両に設けられた四輪の操舵角それぞれを独立に駆動して各種の走行モードを選択・制御するものである。本実施形態の操舵角制御装置では、このような走行モードとして、大きく分けて、前輪のみの操舵による通常モード、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が8方向へ平行移動する平行移動モード(本明細書では、これを「8方向モード」と称することとする)、その場で車両が回転する回転モードを備えるものである。
本実施形態の操舵角制御装置が搭載された運転席1においては、モード選択スイッチパネル2は、「通常モード」、「8方向モード」、「回転モード」を選択するためのスイッチが搭載されるパネルであり、特にステアリング3には、「8方向モード」が提供する8方向への移動のうちどの方向に移動するかを選択する方向選択スイッチ4が設けられている。
図2において、ECU(電子制御ユニット)5はCPUなどの演算装置からなり、モード選択スイッチ6、方向選択スイッチ7からの信号を受け、不図示の不揮発性記憶手段等に記憶されたプログラムに基づいて制御を行い、車輪の操舵を行う例えばサーボモータなどのアクチュエータ9を駆動する。ここで、アクチュエータ9は、車両の四輪それぞれに設けられている操舵角を変更するための機構であり、モード選択スイッチ6、方向選択スイッチ7により、「通常モード」、「8方向モード」、「回転モード」のモード選択、「8方向モード」における方向選択がなされるとそれに応じて、四輪の操舵角を後述するように変更するものである。また、遅延タイマは、モード選択スイッチ6、方向選択スイッチ7が押下された時に、その押下時間を計測するものであり、詳細については後述する。
図2の操舵角制御装置のシステム構成においては、本発明の実施の形態に係る部分のみを図示しており、ECU(電子制御ユニット)5には、操舵角制御装置以外の他の制御を行うためのセンサ類、またそれらのセンサ類のセンシング結果によって車両搭載の各種機器を制御する制御装置類、大容量記憶装置、通信装置などが接続されている。ECU(電子制御ユニット)5には、不図示のROM等の不揮発性記憶手段が接続されており、当該不揮発性記憶手段は、本実施形態に係る操舵角制御装置のシステムを動作させるためのプログラム、及び前述したような他の制御のためのプログラムが記憶・格納されている。
次に、本実施形態の操舵角制御装置における走行モードの選択について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の各走行モード切り替えにつき示す図であり、図4は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の各走行モードのモード選択スイッチを示す図である。本実施形態の操舵角制御装置では、走行モードとして、前輪のみの操舵による通常モード11、前輪後輪が同方向に操舵され、車両が8方向へ平行移動する平行移動モードである8方向モード12、その場で車両が回転する回転モード13を備えるものであり、これらの各モードを選択するためにモード選択スイッチパネル2には、通常モード選択スイッチ21、8方向モード選択スイッチ22、回転モード選択スイッチ23が設けられる。これらのスイッチはいずれも押下式のものであり、運転者は後述するように一定時間スイッチを押し続けない限り、モード選択動作が開始されない仕組みとなっている。いずれのモード間の切り替えも車両の停止中に行われるものである。通常モード11は、前輪のみの操舵によって車両の進行方向を決定する方式である。8方向モード12、回転モード13については後に詳述する。
次に、本実施形態の操舵角制御装置における8方向モード、回転モードについて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の8方向モード、回転モードを示す図であり、図6は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の8方向モードの方向選択スイッチを示す図であり、図7は本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置による通常モードと8方向モードの走行状態の違いを説明するための図である。
図5において示されるのは、8方向モード、回転モードにおける車両とタイヤの操舵角との関係図、及びそのときの左前輪の操舵角、右前輪の操舵角、左後輪の操舵角、右後輪の操舵角である。8方向モードとは、「前方への走行するモード」、「後方への走行するモード」、「右前方に走行するモード」、「左後方に走行するモード」、「左前方に走行するモード」、「右後方に走行するモード」、「真左に走行するモード」、「真右に走行するモード」の8種類モードのことを示している。それぞれのモードにおいては、図示するようなそれぞれのタイヤの操舵角のパターンとなる。ここで、8方向モードの方向選択スイッチについて説明すると、図6に示すように、方向選択スイッチ4はステアリング3の周方向に均等に8つ並んだ構成となっている。本実施形態の操舵角制御装置においては、8方向モードがモード選択スイッチによって選択されると、ステアリング3は不図示の機構によって中立位置にロックされて、ただ方向選択スイッチ4の選択によってのみ車両の移動が可能となるように構成されている。図7(A)は、通常モードによって車両が(I)から(II)へと右側にカーブする様子を示している。これに対して、本実施形態の操舵角制御装置によって、例えば、8方向モードのうち「左前方に走行するモード」が選択されると、車両は図7(B)に示すように(I)から(II)へと平行移動する。
回転モードは、図5に示すように、前輪がハの字状、後輪が上下逆さまのハの字状のタイヤパターンとなって、その場で、車両が回転するようなモードである。なお、このとき、タイヤの角度は、車両のホイールベースや車幅によって変化するものであり、必ずしも45°のハの字状とはならない。
ところで、以上のように構成された操舵角制御装置においては、例えば、運転者が方向選択スイッチ4で「右前方に走行するモード」を選択しようとしていたのに、「左前方に走行するモード」を選択してしまい、慌ててこれに気付き、あらためて「右前方に走行するモード」を選択するという操作を行うと、タイヤパターンは一端パターン(3)となってから次にパターン(2)となる、というように無駄にタイヤの操舵角を変更することとなる。「発明が解決しようとする課題」の欄にも記載したように、四輪独立操舵機構を有する車両においては、このような操舵角の変更は、車両の停車時に行う。このため、タイヤ角を変更するためのメカニカルな構成に負担がかかったり、タイヤがその場で大きく地面とこすれあうために、タイヤの摩耗が生じたりする。すなわち、運転者のちょっとした操作ミスでも、車両のメカ及びタイヤに大きな負担を強いることとなる。このような課題を解決するために、本実施形態の操舵角制御装置においては、モード選択スイッチ21、22、23や方向選択スイッチ4が所定の時間押されていたことを遅延タイマ8によって計測し確認してから、実際に選択されたモード、選択方向に対応するタイヤ配置パターンへとタイヤの操舵角を変更することによって、無駄に車両のメカ及びタイヤに負担をかけないようにする。
以下、これを具体的にどのように行うかにつき説明する。図8乃至図10は、本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。図8乃至図10の動作フローは、不図示の不揮発性記憶手段に記述された本実施形態の操舵角制御装置用のプログラムに基づいて、図2におけるECU5、モード選択スイッチ6、方向選択スイッチ7、遅延タイマ8、アクチュエータ9が協働することによって実現される。当該プログラムは、車両全体の制御用プログラムの一つのルーチンである、というように考えることができる。
まず図8について説明する。図8の制御ブローにおいては、どのスイッチが押されてどのような切り替え動作を運転者が所望しているのかを判定することが主となる。このような判定を行うのは、遅延させるべき動作が、モード選択スイッチを押下しているときに生じるのか、方向選択スイッチを押下しているときに生じるのか、で異なってくるためである。
まずステップS100で操舵角制御装置の制御フローのルーチンが開始されると、ステップS101において、通常モードから、8方向モード又は回転モードへの切り替えであるのかを判定する。ここで、判定結果がYesである場合には、ルーチンAと進む。判定結果がNoである場合には、次にステップS102へと進み、8方向モード、回転モードの中での切り替え動作であるのかどうかを反手する。このステップS102での判定結果がYesである場合にはルーチンBへと進む。ステップS102での判定結果がNoであるときには、ステップS103へと進む。ステップS103においては、8方向モード又は回転モードから通常モードへの切り替えかどうかが判定される。ステップS103における判定結果が、Noである場合には、ステップS104へと進み、操舵角制御装置の制御フローのルーチンを終了する。
ステップS103における判定結果が、Yesである場合には、ステップS105へと進み、遅延タイマ8による計時をスタートさせる。S106においては、モード選択スイッチ(21)が所定の時間以上押下されていたかどうかを遅延タイマ8による計時に基づき判定する。この反手結果がNoである場合には、ステップS101へと戻り、再び、どのスイッチが押されてどのような切り替え動作を運転者が所望しているのかをチェックするルーチンに入る。
ステップS106における判定結果がYesである場合には、ユーザーは間違わずに操作スイッチを押下していたものであると判定することができるので、ステップS107へと進み、遅延タイマをオフして、ステップS108で通常モードへの切り替えを行う。すなわち、ステップS109において、実際にアクチュエータ9を駆動してタイヤ角度を通常モードのタイヤ角度(タイヤパターン)に変更する。、
なお、上記の所定の時間は0.7秒程度に設定しておくことが望ましい。ユーザーが誤操作をしたのか、しなかったのかを判定できて、かつ、ユーザーに対して操作上のレスポンス遅延による不快感を与えない時間が、およそ0.7秒程度であるからである。
次に、ルーチンAについて、図9を参照しつつ説明する。ステップS200でルーチンAが開始されると、ステップS201において、回転モードのモード選択スイッチ23が押下されているのかどうかが判定される。この判定結果がYesである場合には、S203で遅延タイマ8のカウントをスタートさせて、以後、モード選択スイッチ23が押され続けたかどうかが判断される。
ステップS201での判定結果がNoである場合は、方向選択スイッチ4が押下されていることであるので(ステップS202)、S203で遅延タイマ8のカウントをスタートさせて、以後、同じ方向選択スイッチ4が押され続けられているかどうかが判断される。
ステップS204では、モード選択スイッチ23又は方向選択スイッチ4が所定の時間押され続けられているかどうかが判断される。ステップS204での判断結果がNoである場合には、ステップS205へと進み、図8のメインルーチンのステップS101へと戻る。
ステップS204での判断結果がYesである場合には、ユーザーは間違わずに同じ操作スイッチを押下し続けていたものであると判定することができるので、ステップS206へと進み、遅延タイマをオフして、ステップS207でユーザーの所望するモード、方向を確認した上で、ステップS208において、実際にアクチュエータ9を駆動してタイヤ角度を運転者所望のタイヤ角度(タイヤパターン)に変更する。
上記の所定の時間は0.7秒程度に設定しておくことが望ましい。ユーザーが誤操作をしたのか、しなかったのかを判定できて、かつ、ユーザーに対して操作上のレスポンス遅延による不快感を与えない時間が、およそ0.7秒程度であるからである。
次に、ルーチンBについて、図10を参照しつつ説明する。ステップS300でルーチンBが開始されると、ステップS301において、8方向モードのどれかの方向選択されているのか、回転モードが選択されているのかの現状について把握される。そして、ステップS302において、その動作が行われているのか判定される。判定結果がYesである場合には、戻ってループする。ステップS302において、動作が終わっていると判定されるとNoであるので、次に、ステップS303で、方向選択スイッチ4又は回転モードのモード選択スイッチ23の押下があったのかが判定される。ステップS303でNoである場合には、このS303をループする。ステップS303の判定結果がYesである場合には、ステップS304において遅延タイマ8を作動させる。
ステップS305では、モード選択スイッチ23又は方向選択スイッチ4が所定の時間押され続けられているかどうかが判断される。ステップS305での判断結果がNoである場合には、ステップS306へと進み、図8のメインルーチンのステップS101へと戻る。
ステップS305での判断結果がYesである場合には、ユーザーは間違わずに同じ操作スイッチを押下し続けていたものであると判定することができるので、ステップS307へと進み、遅延タイマをオフして、ステップS308でユーザーの所望するモード、方向を確認した上で、ステップS309において、実際にアクチュエータ9を駆動してタイヤ角度を運転者所望のタイヤ角度(タイヤパターン)に変更する。
上記の所定の時間は0.7秒程度に設定しておくことが望ましい。ユーザーが誤操作をしたのか、しなかったのかを判定できて、かつ、ユーザーに対して操作上のレスポンス遅延による不快感を与えない時間が、およそ0.7秒程度であるからである。
以上、本発明の実施の形態の操舵角制御装置によれば、モード選択スイッチ21、22、23や方向選択スイッチ4が所定の時間押されていたことを遅延タイマ8によって計測し確認してから、実際に選択されたモード、選択方向に対応するタイヤ配置パターンへとタイヤの操舵角を変更するので、ユーザーの誤操作に伴って無駄に車両のメカ及びタイヤに負担をかけるようなことがない。
次に、本発明の他の実施形態につき説明する。図11乃至図13は、本発明の他の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。図11乃至図13の動作フローは、不図示の不揮発性記憶手段に記述された本実施形態の操舵角制御装置用のプログラムに基づいて、図2におけるECU5、モード選択スイッチ6、方向選択スイッチ7、遅延タイマ8、アクチュエータ9が協働することによって実現される。当該プログラムは、車両全体の制御用プログラムの一つのルーチンである、というように考えることができる。
まず図11について説明する。図11の制御ブローにおいては、どのスイッチが押されてどのような切り替え動作を運転者が所望しているのかを判定することが主となる。このような判定を行うのは、遅延させるべき動作が、モード選択スイッチを押下しているときに生じるのか、方向選択スイッチを押下しているときに生じるのか、で異なってくるためである。
まずステップS400で操舵角制御装置の制御フローのルーチンが開始されると、ステップS401において、通常モードから、8方向モード又は回転モードへの切り替えであるのかを判定する。ここで、判定結果がYesである場合には、ルーチンCと進む。判定結果がNoである場合には、次にステップS402へと進み、8方向モード、回転モードの中での切り替え動作であるのかどうかを反手する。このステップS402での判定結果がYesである場合にはルーチンDへと進む。ステップS102での判定結果がNoであるときには、ステップS403へと進む。ステップS403においては、8方向モード又は回転モードから通常モードへの切り替えかどうかが判定される。ステップS403における判定結果が、Noである場合には、ステップS404へと進み、操舵角制御装置の制御フローのルーチンを終了する。
ステップS403における判定結果が、Yesである場合には、ステップS405へと進み、遅延タイマ8による計時をスタートさせる。ステップS406においては、モード選択スイッチ又は方向選択スイッチが新たに押されたかどうかを判定する。ここで、あらたなスイッチが押されていると判定されると、ステップS408へと進む。ステップS408以降は後述するように、モードや方向選択を切り替えて、タイヤの操舵角を変更するフローであるので、この実施の形態においては、モード選択スイッチ又は方向選択スイッチが新たに押された場合には、直ぐにモードや方向の切り替えを行うものである。
ステップS406において、あらたなスイッチが押されていると判定されないと、ステップS407へと進む。次に、ステップS407においては、モード選択スイッチ(21)が選択された後、所定の時間以上経過したかどうかを遅延タイマ8による計時に基づき判定する。この反手結果がNoである場合には、ステップS406へと戻る。
ステップS407における判定結果がYesである場合には、ユーザーは間違わずに操作スイッチを選択していたものであると判定することができるので、ステップS408へと進み、遅延タイマをオフして、ステップS409で通常モードへの切り替えを行う。すなわち、ステップS410において、実際にアクチュエータ9を駆動してタイヤ角度を通常モードのタイヤ角度(タイヤパターン)に変更する。
なお、上記の所定の時間は0.7秒程度に設定しておくことが望ましい。ユーザーが誤操作をしたのか、しなかったのかを判定できて、かつ、ユーザーに対して操作上のレスポンス遅延による不快感を与えない時間が、およそ0.7秒程度であるからである。
次に、ルーチンCについて、図12を参照しつつ説明する。ステップS500でルーチンCが開始されると、ステップS501において、回転モードのモード選択スイッチ23が押下されているのかどうかが判定される。この判定結果がYesである場合には、S503で遅延タイマ8のカウントをスタートさせて、以後、モード選択スイッチ23が押され続けたかどうかが判断される。
ステップS501での判定結果がNoである場合は、方向選択スイッチ4が押下されていることであるので(ステップS502)、S503で遅延タイマ8のカウントをスタートさせて、以後、同じ方向選択スイッチ4が押され続けられているかどうかが判断される。ステップS506においては、モード選択スイッチ又は方向選択スイッチが新たに押されたかどうかを判定する。ここで、あらたなスイッチが押されていると判定されると、ステップS506へと進む。ステップS506以降は後述するように、モードや方向選択を切り替えて、タイヤの操舵角を変更するフローであるので、この実施の形態においては、モード選択スイッチ又は方向選択スイッチが新たに押された場合には、直ぐにモードや方向の切り替えを行うものである。
ステップS504において、あらたなスイッチが押されていると判定されないと、ステップS505へと進む。次に、ステップS505においては、モード選択スイッチ23又は方向選択スイッチ4が、選択された後、所定の時間以上経過したかかどうかが判断される。ステップS2505での判断結果がNoである場合には、ステップS504へと進む。
ステップS505での判断結果がYesである場合には、ユーザーは間違わずに同じ操作スイッチを選択していたものであると判定することができるので、ステップS506へと進み、遅延タイマをオフして、ステップS507でユーザーの所望するモード、方向を確認した上で、ステップS508において、実際にアクチュエータ9を駆動してタイヤ角度を運転者所望のタイヤ角度(タイヤパターン)に変更する。
上記の所定の時間は0.7秒程度に設定しておくことが望ましい。ユーザーが誤操作をしたのか、しなかったのかを判定できて、かつ、ユーザーに対して操作上のレスポンス遅延による不快感を与えない時間が、およそ0.7秒程度であるからである。
次に、ルーチンDについて、図13を参照しつつ説明する。ステップS600でルーチンDが開始されると、ステップS601において、8方向モードのどれかの方向選択されているのか、回転モードが選択されているのかの現状について把握される。そして、ステップS602において、その動作が行われているのか判定される。判定結果がYesである場合には、戻ってループする。ステップS602において、動作が終わっていると判定されるとNoであるので、次に、ステップS603で、方向選択スイッチ4又は回転モードのモード選択スイッチ23の押下があったのかが判定される。ステップS603でNoである場合には、このS603をループする。ステップS603の判定結果がYesである場合には、ステップS604において遅延タイマ8を作動させる。
ステップS605においては、モード選択スイッチ又は方向選択スイッチが新たに押されたかどうかを判定する。ここで、あらたなスイッチが押されていると判定されると、ステップS607へと進む。ステップS607以降は後述するように、モードや方向選択を切り替えて、タイヤの操舵角を変更するフローであるので、この実施の形態においては、モード選択スイッチ又は方向選択スイッチが新たに押された場合には、直ぐにモードや方向の切り替えを行うものである。
ステップS605において、あらたなスイッチが押されていると判定されないと、ステップS506へと進む。次に、ステップS606においては、モード選択スイッチ23又は方向選択スイッチ4が選択された後、所定の時間以上経過したかどうかが判断される。ステップS606での判断結果がNoである場合には、ステップS605へと進む。
ステップS606での判断結果がYesである場合には、ユーザーは間違わずに同じ操作スイッチを選択していたものであると判定することができるので、ステップS607へと進み、遅延タイマをオフして、ステップS608でユーザーの所望するモード、方向を確認した上で、ステップS609において、実際にアクチュエータ9を駆動してタイヤ角度を運転者所望のタイヤ角度(タイヤパターン)に変更する。
上記の所定の時間は0.7秒程度に設定しておくことが望ましい。ユーザーが誤操作をしたのか、しなかったのかを判定できて、かつ、ユーザーに対して操作上のレスポンス遅延による不快感を与えない時間が、およそ0.7秒程度であるからである。
以上、本発明の他の実施の形態の操舵角制御装置によれば、モード選択スイッチ21、22、23や方向選択スイッチ4が選択された後、所定の時間以上選択されていたことを遅延タイマ8によって計測し確認してから、実際に選択されたモード、選択方向に対応するタイヤ配置パターンへとタイヤの操舵角を変更するので、ユーザーの誤操作に伴って無駄に車両のメカ及びタイヤに負担をかけるようなことがない。また、モード選択スイッチ21、22、23や方向選択スイッチ4が新たに押されたかどうかを判定し、新たに押された場合には、直ぐにモードや方向の切り替えを行うものであるので、ユーザーに操作上の停滞感等を感じさせるようなことはない。
本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の運転席におけるスイッチ類を示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置のシステム構成の概要を示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の各走行モード切り替えにつき示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の各走行モードのモード選択スイッチを示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の8方向モード、回転モードを示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の8方向モードの方向選択スイッチを示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置による通常モードと8方向モードの走行状態の違いを説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。 本発明の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る操舵角制御装置の制御フローを示す図である。
符号の説明
1・・・運転席、2・・・モード選択スイッチパネル、3・・・ステアリング、4・・・方向選択スイッチ、5・・・ECU(電子制御ユニット)、6・・・モード選択SW、7・・・方向選択SW、8は遅延タイマ、9・・・アクチュエータ

Claims (5)

  1. 複数の車輪を独立して操舵可能な独立操舵機構を有し、複数の操舵モードを変更することで異なる移動モードを達成可能な車両の操舵角制御装置において、
    各モード選択手段と、計時を行うタイマと、車輪の操舵を行うアクチュエータと備えており、
    運転者によってあるモード選択手段が選択された時に該タイマの計時を開始し、該タイマが所定の時間を計時した後に、該アクチュエータによって車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする操舵角制御装置。
  2. 該アクチュエータは、該タイマの計時完了時に選択されている操舵モードになるように車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の操舵角制御装置。
  3. 該タイマの計時中に操舵モードが選択された時、該所定の時間を待たず、選択された操舵モードになるように車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操舵角制御装置。
  4. 該操舵モードは、所定の車輪のみを同方向に操舵する通常モードと、該所定の車輪を含む全車輪が同方向に操舵され、車両が平行移動する平行移動モードと、前輪がハの字状、後輪が上下逆のハの字状に操舵され、その場で車両が回転する回転モードを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の操舵角制御装置。
  5. 該平行移動モードにおいては、前方向への移動、後ろ方向への移動、左前方向への移動、右後ろ方向への移動、右前方向への移動、左後ろ方向への移動、真左への移動、真右への移動の8方向への移動が可能であり、該8方向のいずれかを選択するための方向選択手段を有しており、運転者によってある方向選択手段が選択されると、当該方向選択手段が所定の時間選択され続けていることを該タイマで計時した上で、該アクチュエータによって車輪の操舵角の変更を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の操舵角制御装置。
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