JP2008010508A - 磁気半導体メモリ装置、およびこれを備える電子機器、並びに、その情報書込み読出し方法 - Google Patents

磁気半導体メモリ装置、およびこれを備える電子機器、並びに、その情報書込み読出し方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小さな書込み電流を用いて大きな出力信号を得ることができる磁気半導体メモリ装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る磁気半導体メモリ装置1は、トンネル磁気抵抗効果(TMR)を用いて、記録された情報を読み出すMRAMであって、隣接する2つの磁気抵抗素子4・5を備えており、これら磁気抵抗素子4・5によって1つのメモリセルが形成されている。このメモリセルには、第1のビット線2a、第2のビット線2b、およびワード線3が接続されている。この構成により、例えば、磁気抵抗素子4・5に情報の書込みを行う際に、磁気抵抗素子4・5の状態をそれぞれ高抵抗または低抵抗とする。その結果、メモリセルにおける情報の書込み時には、大きな抵抗値を得ることが可能となるので、小さな書込み電流を用いたとしても、大きな出力信号を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの磁気抵抗素子を用いて1値の情報を記憶する磁気半導体メモリ装置およびその代表的な利用技術に関するものであり、より具体的には、トンネル磁気抵抗効果により情報の書込みおよび読出しを可能とする磁気半導体メモリ装置とその利用技術に関するものである。
従来、不揮発性RAM(Random Access Memory)として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)が実用化に向け広く研究されている。MRAMは、金属磁性薄膜の磁化を活用することによって情報を記憶し、トンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling Magneto Resistive)を用いて、その情報を読み出すものである。MRAMは、書込み速度・読出し速度、セル面積、駆動電圧および書換え回数の点で他のメモリデバイスに比べ利点を多く有している。
MRAMにおいて、情報は磁気抵抗素子に記憶される。磁気抵抗素子は、電気抵抗特性の異なる磁性金属材料を積層した構造を有しており、一般的には、一層の非磁性絶縁体薄膜を2層の強磁性体薄膜で挟んだ構造となっている。上記2層の強磁性体薄膜の内、一方は自由層、他方は固定層となっている。上記自由層とは、その磁化が固定されておらず、外部磁場により磁化の方向を改変できる強磁性体薄膜である。また、上記固定層とはその磁化方向が固定されており、外部磁場によって磁化の方向が改変されることがない強磁性体薄膜である。この自由層および固定層の磁化が平行または反平行であるかにより、1ビットの情報が記憶される。
磁気抵抗素子に対する情報の書込みは、自由層の直近に電流を流し、この電流により誘起される磁場によって、上記自由層の磁化方向が改変されることによって行われる。磁気抵抗素子の積層方向に電流を流した場合、固定層と自由層との磁化方向が平行であるときは、抵抗が小さく、反平行であるときは抵抗が大きくなる。これを利用し、情報の読み出しは、磁気抵抗素子に電流を流した時の電圧値の違いを読み取ることによって行われる。
以下、従来の磁気半導体メモリ装置について説明する。図12は、従来の磁気半導体メモリ装置100の構造を示している。磁気半導体メモリ装置100では、ビット線101、磁気抵抗素子103、ワード線102がそれぞれ順に積層されている。ビット線101は磁気抵抗素子103に対し平行に積層されており、ワード線102は磁気抵抗素子103に対し垂直に積層されている。また、磁気抵抗素子103は、自由層104、トンネル絶縁膜105、固定層106が積層されることで構成されている。なお、自由層104およびビット線101、固定層106およびワード線102とが接している。
磁気半導体メモリ装置100に情報を記憶させる方法としては、まず、ビット線101および書きこみ用のワード線102の両方に電流を流し、磁場を発生させる。ビット線101およびワード線102を流れる電流によって発生する磁場は、それぞれ単独では、自由層104の保持力に比べ小さいため、自由層104の磁化方向を改変させることはできない。
しかしながら、ビット線101およびワード線102の交点付近においては、上記2つの磁場が合成された磁場によって、上記交点における自由層104の磁化方向を改変することができる。また、上記合成された磁場よりも固定層106の保持力は十分高いため、固定層106の磁化方向は改変されない。従って、自由層104および固定層106の磁化方向を、互いに平行な状態または反平行な状態にすることができる。すなわち、互いに磁化方向が平行である状態をデータ1、反平行である状態をデータ0として、1つの磁気抵抗素子103に記憶させることができる。
記憶させた情報を読み出す方法としては、ビット線101とワード線103との間に電圧を印加することによって、磁気抵抗素子103の積層方向に電流を流す。一般的に、磁気抵抗素子103は、2つの強磁性層の磁化方向が互いに平行である場合、高い抵抗値を示す。一方、磁化方向が互いに反平行である場合には、低い抵抗値を示す。
そのため、磁気抵抗素子103の積層方向に流れる電流値を読み取り、得た出力信号をリファレンスセル等から得られる基準信号と比較することによって、データ1またはデータ0の状態を判別することができる。なお、基準信号は、磁気抵抗素子103が高い抵抗値を示す場合の出力信号と、低い抵抗値を示す場合の出力信号との中間値に設定する必要がある。
上記出力信号が小さい場合には、磁気半導体メモリ装置100を高集積した場合に、配線抵抗などによるノイズが磁気半導体メモリ装置100に大きな悪影響を及ぼすことになる。そのため、より大きな出力信号を得ることが望ましい。しかしながら、磁気半導体メモリ装置100において、自由層104および固定層106における磁化方向が、互いに平行である場合の抵抗値と、互いに反平行である場合の抵抗値との比(比抵抗値)は、最大でも40%程度であり、大きな出力信号を得ることが困難であった。したがって、磁気半導体メモリ装置100では高集積した場合、ノイズによる悪影響が生じるため、大容量メモリデバイスとして用いることは困難であった。
大きな出力信号を得るため、トンネル絶縁膜の膜質の改良、上記比抵抗値の増大等について研究がなされているが、磁気半導体メモリ装置100の構成では、大容量に対応可能な出力信号を得ることは、未だ達成されていない。
そこで、大きな出力信号を得るために、2つの磁気抵抗素子を用いて、1ビットの情報を記憶する磁気半導体メモリ装置200が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。図13は、磁気半導体メモリ装置200の構造を示している。
磁気半導体メモリ装置200は、第1の磁気抵抗素子203aおよび磁気抵抗素子204を有している。磁気半導体メモリ装置200は、第1のビット線201a、自由層104、トンネル絶縁膜205a、固定層205a、ワード線202、第2の自由層204b、トンネル絶縁膜205b、第2の固定層206b、第2のビット線201bがそれぞれ順に積層され、構成されている。磁気半導体メモリ装置200は、第1の磁気抵抗素子203aと第2の磁気抵抗素子203bとに互いに反対の情報を記憶させることを特徴としている。
互いに反対の情報を記憶させるとは、一方の磁気抵抗素子に対しビット“0”を記録し、他方の磁気抵抗素子に対しビット“1”を記録させることによってなされる。ビット“0”とは、第1の磁気抵抗素子203aの抵抗値が高い状態(第1の自由層204aと第1の固定層206aとの磁化方向が反平行)であり、かつ、第2の磁気抵抗素子203bの抵抗値が低い状態(第2の自由層204bと第2の固定層206bとの磁化方向が反平行)である。また、ビット“1”とは、第1の磁気抵抗素子203aの抵抗値が低い状態であり、かつ、第2の磁気抵抗素子203bの抵抗値が高い状態を表す。また、情報の読出しは、2つの磁気抵抗素子における抵抗値の差を検出することによって行われる。
また、高集積を行うために、2つの磁気抵抗素子を用いて、3値または4値の情報を記憶する強磁性トンネル接合素子を用いた磁気半導体メモリ装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2の磁気半導体メモリ装置は、書込み用のビット線を2つの磁気抵抗素子において共通して使用することによって、3値または4値の情報を記憶することが可能である。これにより、磁気半導体メモリ装置の高集積化を達成している。
特開2002−25245号公報(平成14年1月25日公開) 特開2001−217398号公報(平成13年8月10日公開)
しかしながら、上記従来の磁気半導体メモリ装置では、高集積化を達成しているものの付随する問題点を有している。
具体的には、特許文献1の磁気半導体メモリ装置200では情報を書き込む場合、2つのビット線に同じ方向に電流を流す必要がある。この場合、2方向の電流が誘起するそれぞれの磁場は干渉し、ビット線の間では互いに弱めあうこととなる。磁気半導体メモリ装置200の微細化に伴って、このような干渉による磁場の減少は、ビット線間の距離が縮まるにつれ顕著になる。そのため、上記磁場の減少分を補うため、ビット線には大きな書込み電流を流す必要がある。大きな電流を流すためには、周辺回路の性能の改善、導線の特性の改善が必要となり、製造コストや面積の増大を伴うこととなる。
また、特許文献2の磁気半導体メモリ装置では、3値または4値の情報を読み出すときに、メモリセルの出力信号と複数のリファレンスセルの基準信号とを比較する必要が生じる。そのため、従来の磁気半導体メモリ装置に比べ、読出し時間が増大するという問題が生じる。そのため、実用的に用いることはできない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小さな書込み電流を用いて大きな出力信号を得ることができる磁気半導体メモリ装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、隣接する2つの磁気抵抗素子を備えるセルにおいて、互いの素子の抵抗状態を同様の状態とすることにより、従来と比較して信号出力が増大することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る磁気半導体メモリ装置は、上記の課題を解決するために、隣接する2つの磁気抵抗素子を少なくとも有するセルを備えている磁気半導体メモリ装置において、上記セルにおける2つの磁気抵抗素子の磁化方向をそれぞれ改変することによって、当該セルの状態を、上記磁気抵抗素子の両方が高抵抗を示す第1の状態、または、上記磁気抵抗素子の両方が低抵抗を示す第2の状態に改変可能とすることを特徴としている。
上記構成によれば、例えば、上記2つの磁気抵抗素子に情報の書込みを行う際に、2つの磁気抵抗素子の状態をそれぞれ高抵抗または低抵抗とする。これにより、メモリセルにおける情報の書込み時には、大きな抵抗値を得ることが可能となるので、小さな書込み電流を用いたとしても、大きな出力信号を得ることができる。これにより、メモリセルにおいて配線などからのノイズを受け難くなるため、磁気半導体メモリ装置の高集積化・小型化を実現することが可能となる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、具体的には、上記セルが有する2つの磁気抵抗素子は、垂直方向に隣接して配置しているとともに、各磁気抵抗素子には複数の配線が接続されており、これら複数の配線それぞれに電流を流すことによって、各磁気抵抗素子の磁化方向を改変する構成を挙げることができる。
上記構成によれば、上記セルが、垂直方向に隣接する2つの磁気抵抗素子を備えていれば、2つの磁気抵抗素子が垂直方向に積層された状態となる。そのため、磁気半導体メモリ装置の面積を増大させることがない状態で、大きな出力信号を得るための構成を実現することができる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、さらに、上記磁気抵抗素子が、一対の強磁性薄膜と、これら強磁性薄膜に挟持されるトンネル絶縁膜とを備えるトンネル接合素子であり、上記一対の強磁性薄膜の一方は磁化方向を固定した固定層であるとともに、他方は磁化方向を可変とする自由層であることが好ましい。
上記構成によれば、固定層、トンネル絶縁層、および自由層の順で積層されるトンネル接合素子を2つ用いてセルを構築するので、より実用性に優れたMRAMを提供することができる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、さらに、上記磁気抵抗素子に接続される複数の配線は、上記固定層および自由層のそれぞれに少なくとも1つ接続されていることが好ましい。これにより、各強磁性薄膜に独立して電流を流すことができるので、上記第1の状態または第2の状態を実現する自由度を向上することができる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、さらに、上記複数の配線のうち、固定層に接続される固定側配線と、自由層に接続される自由側配線とは、互いに交差していることが好ましい。これにより、配線同士の交差位置にセルを配置すればよいので、複数のセルをマトリクス状に配置して高集積化することが可能となる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、さらに、垂直方向に配置する2つの磁気抵抗素子は、互いに隣接する側に自由層が配置しているとともに、これら隣接する2つの自由層に1つの自由側配線を接続することにより、自由層に接続する配線を共有することが特に好ましい。
上記構成によれば、自由側配線を共有化するため、2つの磁気抵抗素子の積層状態を維持しつつ、構成要素を実質的に削減することが可能になる。そのため、高集積化および小型化を妨げることなく、大きな出力信号を得ることができることに加え、製造工程の簡素化や、製造コストの増大の回避も図ることが可能となる。
また、上記のように、自由層に接続する配線を共有する構成では、垂直に配置する2つの磁気抵抗素子は、内側の自由層から見て外側に位置する固定層のそれぞれに固定側配線が1つずつ接続されている構成とすればよい。
上記構成によれば、固定側配線、固定層、トンネル絶縁層、自由層、自由側配線、自由層、トンネル絶縁層、固定層、および固定側配線というように、自由側配線を基準に上下対称となるように各層や配線を積層する構成を有することになる。この構成であれば、それぞれの磁気抵抗素子において、2つの固定側配線と1つの自由側配線との距離が等しくなるため、例えば情報の書込みの際には、各磁気抵抗素子の自由層に対して常に同じ大きさの磁場を印加することが可能となる。その結果、上記第1の状態または第2の状態を実現して大きな出力信号を得ることができるだけでなく、セルを製造するにあたってのプロセスマージンを広く確保することもできる。それゆえ、製造工程の煩雑化を回避可能であるとともに、製造コストの低減も図ることが可能となる。
しかも、上記構成では、2つの磁気抵抗素子における固定層が、それぞれセルの外側に設けられることになるので、情報の書込みを行う場合には、自由層の磁化方向を改変する合成磁場を強めることができる。これにより、小さな電位の書込み電流を用いて、自由層の磁化方向を良好に改変することができる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、上記固定側配線がビット線であり、自由側配線がワード線である構成とすることができる。すなわち、固定側配線および自由側配線が互いに交差しているので、本発明の技術分野で知られているビット線およびワード線の構成をそのまま適用することが可能となる。
上記磁気半導体メモリ装置においては、上記セルとして、メモリセルおよびリファレンスセルの少なくとも一方を備えることができる。すなわち、本発明においては、上記構成のセルを、メモリセルにもリファレンスセルにも用いることが可能であり、求められる機能等に応じて、他のタイプのセルにも応用することが可能である。
ここで、上記セルがメモリセルであるときには、2つの磁気抵抗素子の双方にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ同方向とすることで、上記第1の状態を実現する一方、2つの磁気抵抗素子の双方にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ逆方向とすることで、上記第2の状態を実現することが特に好ましい。
上記構成によれば、固定層および自由層の磁化方向を互いに平行かつ同方向、すなわち正平行状態とすることで、上記第1の状態を実現できるとともに、固定層および自由層の磁化方向を互いに平行かつ逆方向、すなわち反平行状態とすることで、上記第2の状態を実現することができる。これにより、磁化方向の変更によって第1の状態または第2の状態を切り替えることが可能となるので、簡素な制御により、上記第1の状態または第2の状態を容易に実現することが可能となる。
さらに、上記メモリセルに情報の書込みを行うときには、2つの磁気抵抗素子の固定層にそれぞれ接続される、互いに平行な固定側配線に対して、逆方向の電流が同時に流される。また、上記メモリセルから情報の読出しを行うときには、2つの磁気抵抗素子の隣接する自由層に接続される、1つの自由側配線の状態を、電位が一定の浮遊状態にするとともに、2つの磁気抵抗素子の固定層にそれぞれ接続される、互いに平行な固定側配線に対して、互いに電位の異なる電流が流される。
上記各構成によれば、互いに平行な固定側配線に加える電流の向きを正方向または逆方向に変えることで、メモリセルに対する情報の書込みまたは読出しを切り替えることができる。これにより、簡素な制御により、メモリセルへの情報の読書きを行うことが可能となる。
また、上記セルがリファレンスセルであるときには、2つの磁気抵抗素子の何れか一方にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ同方向とする一方、他方の磁気抵抗素子にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ逆方向とすることが特に好ましい。
上記構成によれば、磁気半導体メモリ装置において、リファレンスセルを設ける場合においても、小さな電流値でメモリセルとリファレンスセルとの電位等の比較を行うことができるだけでなく、メモリセルおよびリファレンスセルを共通の構成とすることができるので、磁気半導体メモリ装置の製造工程の煩雑化を回避したり、製造コストの低減を図ったりすることが可能となる。
なお、本発明には、上記磁気半導体メモリ装置を備える電子機器も含まれる。当該電子機器としては、特に、携帯電話、携帯情報端末、携帯型ゲーム機器等の携帯電子機器を好ましく挙げることができる。
上記構成の電子機器であれば、情報を書込む際に、小さな書込み電流で大きな出力信号を得ることができるとともに、高速で情報の読出し動作を行うことができる。そのため、動作速度に優れた電子機器を提供することができる上に、書込み電流値が小さくて済むので携帯型の電子機器として特に好ましい構成を実現することができる。
さらに、本発明には、磁気半導体メモリ装置の情報書込み読出し方法も含まれる。具体的には、3種類の独立した配線である第1の配線、第2の配線、および第3の配線と、2つの独立した素子である第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子とを備えており、第1の配線と第2の配線との間に第1の磁気抵抗素子が設けられているとともに、第2の配線と第3の配線との間に第2の磁気抵抗素子が設けられており、第1および第3の配線は互いに平行に設けられているとともに、これら第1および第3の配線の設けられる方向に交差する方向に第2の配線が設けられており、上記第1および第2の磁気抵抗素子は、トンネル絶縁膜を挟んで配置された第1の強磁性薄膜および第2の強磁性薄膜とを有する構造と含む磁気半導体メモリ装置の情報記録再生方法であって、上記磁気抵抗素子における、2つの強磁性薄膜の一方の磁化方向をあらかじめ固定しておき、他方の磁化方向を改変させる磁化改変工程を有しており、当該磁化改変工程では、両方の強磁性薄膜の磁化方向を平行かつ同一とする平行状態と、両方の磁化方向を平行かつ逆向きとする反平行状態とに設定可能であり、さらに、第1および第2の磁気抵抗素子が互いに平行状態となる第1の状態と、互いに反平行状態となる第2の状態とを設定可能とすることを特徴とする方法を挙げることができる。
上記方法においては、情報の書込みを行うときには、上記第1の配線および第3の配線に同時に逆方向の電流を流せばよく、情報の読出しを行うときには、上記第2の配線を電気的に浮遊状態にした後に、第1の配線と第3の配線とにそれぞれ電位の異なる電流を流せばよい。
上記方法によれば、上記2つの磁気抵抗素子に情報の書込みを行う際に、2つの磁気抵抗素子の状態がそれぞれ、高抵抗または低抵抗として情報の書込みを行うので、磁気半導体メモリ装置において、大きな抵抗値を得ることができ、小さな書込み電流を用いたとしても、大きな出力信号を得ることができる。
以上のように、本発明は、2つの磁気抵抗素子から構成される磁気半導体メモリ装置において、その両方が高抵抗である状態を第1の状態、両方が低抵抗である状態を第2の状態として、これら2種類の状態を記憶可能とするものであり、特に、2つの磁気抵抗素子としてトンネル接合素子を用い、かつ、これらトンネル結合素子を、その積層構造が上下対称に隣接配置させることを好ましい構成とするものである。
それゆえ、本発明では、2つの磁気抵抗素子を、好ましくは半導体基板面に対して垂直に積層した状態で、第1の状態および第2の状態を実現することができるので、小さな書込み電流であっても大きな出力信号を得ることができ、かつ、情報の高速読出しも可能となる。その結果、実用性に優れたMRAMを提供できるだけでなく、本発明を用いることで、消費電力が少なく、かつ、高機能な電子機器を提供することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は本実施の形態に係る磁気半導体メモリ装置1の基本構造を示している。本実施の形態に係る磁気半導体メモリ装置1は、トンネル磁気抵抗効果(TMR)を用いて、記録された情報を読み出すMRAMである。磁気半導体メモリ装置1は、図1に示すように、隣接する2つの磁気抵抗素子4・5を備えており、これら磁気抵抗素子4・5によって1つのメモリセルが形成されている。このメモリセルには、第1のビット線2a、第2のビット線2b、および第3のビット線3が接続されている。
より具体的には、磁気半導体メモリ装置1は、第1のビット線2aおよびワード線3の間に磁気抵抗素子4を設け、ワード線3および第2のビット線2bの間に磁気抵抗素子5を設けている。第1のビット線2aおよび第2のビット線2bは、互いに平行となるように設けられている。これらビット線2aおよび2bの設けられる方向を第1の方向としたとき、ワード線3は、第1の方向に交差する方向、特に直交する方向となる第2の方向に沿って設けられる。
上記メモリセルは、隣接する2つの磁気抵抗素子4および5を少なくとも有する構造となっていればよく、その具体的な構成は特に限定されるものではない。本実施の形態では、図1に示すように、2つの磁気抵抗素子4および5は、垂直方向に隣接して配置することによってメモリセルを構成している。
上記構成によれば、2つの磁気抵抗素子4および5が垂直方向に積層された状態となる。そのため、磁気半導体メモリ装置の面積を増大させることがない状態で、大きな出力信号を得るための構成を実現することができる。また、後述するように、磁気抵抗素子4および5が積層構造を有しており、さらに、磁気抵抗素子4および5は配線により挟持されているだけでなく、配線とともに積層されているということができる。このように、本実施の形態に係る構成では、磁気半導体メモリ装置1そのものを積層構成で形成できるので、既存の半導体製造に用いられる積層処理技術を利用して製造することもできる。
ここで、前記特許文献1では、2つの磁気抵抗素子を隣接させて配置し、これらに対して互いに反対のデータを記憶させて、そのトンネル電流の差分を検出し、情報の読出し精度を向上させる技術を開示している。つまり、この技術も、本実施の形態と同様に、磁気抵抗素子を垂直方向に隣接させている。
これに対して本発明では、後述するように、2つの磁気抵抗素子4および5の状態をそれぞれ同レベルの抵抗状態とすることにより、小さな書込み電流であっても大きな出力信号を得ることができる。つまり、本発明では、同様に2つの素子を隣接配置させているものの、特許文献1に開示の技術とは、求める機能やその機能を実現するための作用が基本的に異なっている。
なお、メモリセルにおける磁気抵抗素子4および5の隣接構成としては、垂直以外の方向に隣接していてもよいし、メモリセルには、磁気抵抗素子4および5、並びにビット配線2aおよび2b、ワード線3以外の構成を含んでいてもよいことはいうまでもない。
上記メモリセルを構成する磁気抵抗素子4および5は、本実施の形態では何れも同様の構成を有している。具体的には、上記磁気抵抗素子4および5は、何れも、一対の強磁性薄膜と、これら強磁性薄膜に挟持されるトンネル絶縁膜とを備えるトンネル接合素子となっている。
より具体的には、図1に示すように、図中上方の磁気抵抗素子4は、磁化方向が固定された強磁性薄膜である固定層4aと、磁気方向が可変である強磁性薄膜である自由層4cと、固定層4aおよび自由層4cによって挟持されたトンネル絶縁膜4bから成っている。なお、説明の便宜上、この磁気抵抗素子4を「第1の磁気抵抗素子4」と称する。また、図中下方の磁気抵抗素子5は、固定層5aと、自由層5cと、これらによって挟持されるトンネル絶縁膜5bからなっている。なお、説明の便宜上、この磁気抵抗素子5を「第2の磁気抵抗素子5」と称する。
このように、本実施の形態で用いられる磁気抵抗素子4または5は、何れも、少なくとも2層の強磁性薄膜を備えており、かつ、その一方は磁化方向を固定した固定層4aまたは5aであるとともに、他方は磁化方向を可変とする自由層4cまたは5cとなっている。この構成によれば、固定層4aまたは4a、トンネル絶縁層4bまたは5b、および自由層4cまたは5cの順で積層されるトンネル接合素子(磁気抵抗素子4または5)を2つ用いてセルを構築するので、より実用性に優れたMRAMを提供することができる。
もちろん本発明で用いられる磁気抵抗素子の具体的な構成は、上記トンネル接合素子に限定されるものではなく、固定層、トンネル絶縁層、自由層以外の構成を含んでいてもよいし、公知の他の構成を有する素子であってもよい。具体的には、固定層の磁化方向を固定するための反強磁性層、磁化方向の改変に必要な外部磁場の増大を抑制するための非磁性層等の構成を含む素子であってもよい。本発明において重要な点は、後述するように、2つの磁気抵抗素子の両方が高抵抗を示す第1の状態、または、上記磁気抵抗素子の両方が低抵抗を示す第2の状態に改変可能とすることにより、小さな電流であっても大きな出力値を得ることにあるので、このような機能または作用を実現できるのであれば、上記トンネル接合素子の構成には限定されない。
また、上記2つの磁気抵抗素子4または5の外形も特に限定されるものではない。図1に示す構成では、ビット配線2aおよび2bに沿って延びる形状、すなわち第1の方向に沿って長手方向を有する構成を有しているが、これ以外の形状であってもよい。具体的には、第二の方向に沿って長手方向を有する構成や、第一の方向および第二の方向それぞれに沿って同じ長さを持つ直方体となる構成や、第一の方向および第二の方向に対し垂直に伸びる円錐となる構成であってもよい。
上記第1の磁気抵抗素子4または第2の磁気抵抗素子5が備える固定層4aまたは5aの具体的な構成は特に限定されるものではなく、公知の強磁性薄膜を用いればよい。固定層4aおよび5aとして用いられる材料としては、公知の金属や合金等を挙げることができる。具体的には、例えば、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等の金属単体;鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、イリジウム−マンガン合金、ニッケル−鉄−コバルト合金等の合金を好ましく用いることができるが、特に限定されるものではない。
上記固定層4aおよび5aの厚さも特に限定されるものではない。しかし、あまりに薄くすると、磁化反転に対する障壁が常温に比べ小さくなり超常磁性となる。そのため、固定層4aおよび5aの厚さは0.1nm以上であることが好ましい。さらに、加工技術および微細化の点を考慮すると、0.5nm以上100nm以下の範囲がより好ましい。
固定層4aおよび固定層5aは、その磁化方向を改変することができない強磁性薄膜であり、本実施の形態では、固定層4aの磁化方向A1(図中矢印)は、図1に示すように、第2方向(ワード線3の設けられている方向)に平行で、かつ、同図奥側方向に固定されている。同様に、固定層5aの磁化方向A2(図中矢印)も、磁化方向A1と同一の方向に固定されている。
次に、上記第1の磁気抵抗素子4または第2の磁気抵抗素子5が備える自由層4cまたは5cの具体的な構成も特に限定されるものではなく、基本的には、上記固定層4aまたは5aと同様の構成であればよい。つまり、用いられる材料もその厚さも固定層4aおよび5aと同様の条件であればよい。
ここで、自由層4cおよび5cは、その磁化を改変することが可能な強磁性層であり、1軸もしくは複数軸の磁気異方性を有している。本実施の形態では、自由層4cおよび5cにおける改変可能な磁化方向すなわち磁化容易軸の方向は、図1に示すように、固定層4aおよび5aの磁化方向と平行である。すなわち、自由層4cの磁化容易軸の方向B1(図中双方向の矢印)は、第2方向に平行であり、同図奥側の方向と手前側の方向となっている。同様に、自由層5cの磁化容易軸の方向B2も、磁化容易軸の方向B1と同じく、第2方向に平行であり、同図奥側の方向と手前側の方向となっている。
なお、本実施例において、自由層4cおよび5cの磁化容易軸は、上記のように第2方向(ワード線3の配置方向)に平行な方向としたが、この構成に限られるものではない。具体的には、自由層4c・5cが磁化容易軸を持たない構成、第2方向以外の方向に磁化容易軸を持つ構成、第2方向とそれ以外の方向に複数の磁化容易軸を持つ構成でも構わない。しかし、磁化の改変に必要な電流、磁化の保持時間などの点から、第2方向に磁化容易軸を持つ構成が好ましい。
次に、上記第1の磁気抵抗素子4または第2の磁気抵抗素子5が備えるトンネル絶縁層4bまたは5bの具体的な構成も特に限定されるものではなく、トンネル接合素子の分野で公知の絶縁層を用いればよい。
具体的には、例えば、本実施の形態で用いられるトンネル絶縁層4bおよび5bの材料としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物を好ましく用いることができる。また、トンネル絶縁膜4bおよび5bの厚さは特に限定されるものではない。しかし、比抵抗値を十分に得るためにはできるだけ薄くすることが望ましい。加工技術および微細化の点を考慮すると、トンネル絶縁膜4bおよび5bの厚さは0.5nm以上10nm以下の範囲であることがより好ましい。
次に、上記第1の磁気抵抗素子4または第2の磁気抵抗素子5に接続される配線としては、前述したように、第1方向に平行な第1のビット線2aおよび第2のビット線2bと、第2方向(第1の方向に交差、好ましくは直行する方向)に平行なワード線3とが設けられている。
本発明では、1つの磁気抵抗素子4または5には、それぞれの磁気抵抗素子4または5の抵抗状態を変化させるために電流を流すことが可能な配線が接続されていればよく、言い換えれば、各磁気抵抗素子4または5には複数の配線が接続されており、これら複数の配線それぞれに電流を流すことによって、各磁気抵抗素子の磁化方向を改変できるようになっていればよい。
本実施の形態では、上記磁気抵抗素子4または5に接続される複数の配線としては、上記固定層4aまたは5aと、自由層4cまたは5cのそれぞれに少なくとも1つの配線が接続されている構成となっている。すなわち、固定層4aには第1のビット線2aが、固定層5aには第2のビット線2bが接続されている一方、自由層4cおよび5cには、ワード線3が接続されている。このように、各強磁性薄膜それぞれに配線を接続することで、各強磁性薄膜に独立して電流を流すことができる。
ここで、本実施の形態では、第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5からなるメモリセルを図中上方から見れば、第1のビット線2a、固定層4a、トンネル絶縁層4b、自由層4c、ワード線3、自由層5c、トンネル絶縁層5b、固定層5a、第2のビット線2bの順で積層する積層構造となっている、換言すれば、垂直方向に配置する2つの磁気抵抗素子4および5では、互いに隣接する側に自由層4cおよび5cが配置しており、これら隣接する2つの自由層4cおよび5cに1つのワード線3を接続することにより、自由層4cおよび5cに接続する配線を共有している。また、垂直に配置する2つの磁気抵抗素子4および5では、内側の自由層4cおよび5cから見て外側に位置する固定層4aおよび5aのそれぞれに第1のビット線2aまたは第2のビット線2bが1つずつ接続されている。
上記構成によれば、ワード線3を共有化するため、2つの磁気抵抗素子4および5の積層状態を維持しつつ、構成要素を実質的に削減することが可能になる。そのため、高集積化および小型化を妨げることなく、大きな出力信号を得ることができることに加え、製造工程の簡素化や、製造コストの増大の回避も図ることが可能となる。
また、上記構成によれば、ワード線3を基準に上下対称となるように各層や配線を積層する構成をとることになる。この構成であれば、それぞれの磁気抵抗素子4および5において、2つのビット線2aおよび2bと1つのワード線3との距離が等しくなるため、例えば情報の書込みの際には、各磁気抵抗素子4または5の自由層4cまたは5cに対して常に同じ大きさの磁場を印加することが可能となる。その結果、大きな出力信号を得ることができるだけでなく、メモリセルを製造するにあたってのプロセスマージンを広く確保することもできる。それゆえ、製造工程の煩雑化を回避可能であるとともに、製造コストの低減も図ることが可能となる。
しかも、上記構成では、2つの磁気抵抗素子4または5の固定層4aまたは5aが、それぞれメモリセルの外側に設けられることになるので、情報の書込みを行う場合には、自由層4cまたは5cの磁化方向を改変する合成磁場を強めることができる。これにより、小さな電位の書込み電流を用いて、自由層4cおよび5cの磁化方向を良好に改変することができる。
なお、本実施の形態では、磁気抵抗素子4または5の固定層4aまたは5aには、ビット線2aまたは2bが、自由層4cまたは5cには、ワード線3が接続されており、さらに、ビット線2aおよび2bとワード線3とは互いに直交して配置しているが、もちろんこの構成にのみ限定されるものではない。
メモリセルに接続する複数の配線のうち、固定層4aまたは5aに接続される配線を「固定側配線」と称し、自由層4cまたは5cに接続される配線を「自由側配線」と称した場合、本実施の形態では、固定側配線がビット線2aおよび2bであり、自由側配線がワード線3であるが、これが入れ替わって、固定側配線がワード線であり自由側配線がビット線であってもよい。MRAMでは、ビット線およびワード線に流れる電流で誘起される磁場によって情報の書込みを行うため、言い換えれば、情報の書込みが可能であれば、ビット線およびワード線の配置は逆であっても構わない。
また、本実施の形態では、ビット線2aおよび2bとワード線3とが直交している、すなわち固定側配線と自由側配線とが直交して交差する構成を有しているが、この構成にも限定されない。上記各配線が直交して交差すれば、交差する各配線により形成される領域は正方形(あるいは長方形でもよい)になるが、これが菱形形状となるように、各配線が傾斜して交差してもよい。
本実施の形態に係る磁気半導体メモリ装置1では、上記メモリセルにおける2つの磁気抵抗素子4および5の磁化方向をそれぞれ改変することによって、当該メモリセルの状態を、上記磁気抵抗素子4および5の両方が高抵抗を示す第1の状態、または、上記磁気抵抗素子4および5の両方が低抵抗を示す第2の状態に改変可能とする。これにより、例えば、メモリセルにおける情報の書込み時には、大きな抵抗値を得ることが可能となるので、小さな書込み電流を用いたとしても、大きな出力信号を得ることができる。その結果、メモリセルにおいて各配線等からのノイズを受け難くなるため、磁気半導体メモリ装置1の高集積化・小型化を実現することが可能となる。
本実施の形態では、より具体的には、第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5の双方にて、まず、固定層4aおよび5aの磁化方向と自由層4cおよび5cの磁化方向とを互いに平行かつ同方向とすることで、上記第1の状態を実現する。すなわち、本実施の形態では、固定層4aおよび5aの磁化方向と自由層4cおよび5cの磁化方向とを互いに平行かつ同方向、すなわち正平行状態とすることで、上記第1の状態を実現することができる。また、上記固定層4aおよび5aの磁化方向と自由層4cおよび5cの磁化方向とを互いに平行かつ逆方向とすることで、上記第2の状態を実現する。すなわち、固定層4aおよび5aの磁化方向と自由層4cおよび5cの磁化方向を互いに平行かつ逆方向、すなわち反平行状態とすることで、上記第2の状態を実現することができる。
このように、本実施の形態では、ビット線2aおよび2bとワード線3とから流す電流により、固定層4aおよび5aと自由層4cおよび5cとの磁化方向を変更し、第1の状態または第2の状態を切り替えることが可能となる。その結果、簡素な制御により、上記第1の状態または第2の状態を容易に実現することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、メモリセルに情報の書込みを行うときには、固定層4aに接続される第1のビット線2aと、固定層5aに接続される第2のビット線2bとに対して、逆方向の電流を同時に流す。また、メモリセルから情報の読出しを行うときには、ワード線3の状態を、電位が一定の浮遊状態にするとともに、第1のビット線2aと第2のビット線2bとに対して、互いに電位の異なる電流を流す。これにより、互いに平行なビット線2aおよび2bに加える電流の向きを正方向または逆方向に変えることで、メモリセルに対する情報の書込みまたは読出しを切り替えることができる。これにより、簡素な制御により、メモリセルへの情報の読書きを行うことが可能となる。
以下、上記磁気半導体メモリ装置1の動作について、図2ないし図8に基づいてより詳細に説明する。まず、磁気半導体メモリ装置1を用いて情報を書込む際の動作を、図2から図7までに基づき説明すると、以下の通りである。
本実施の形態に係る磁気半導体メモリ装置1において、情報の書込みは第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5の両方における磁化方向を平行関係の状態(第1の状態)または反平行関係の状態(第2の状態)に改変することによってなされる。換言すれば、第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5の両方が高抵抗を示す状態(第1の状態)または低抵抗を示す状態(第2の状態)に改変することによってなされると表現することもできる。本実施の形態では、上記第1の状態をデータ1、上記第2の状態をデータ0としてこれらの状態を情報として書込みが行われる。
図2は磁気半導体メモリ装置1を用い、データ1として情報の書込み方法を行う場合における、第1のビット線2a・第2のビット線2bおよびワード線3を流れる電流の方向を示している。
同図において、ワード線3に流れる読出し電流E1の向きは、ワード線3に平行方向であって、その矢印方向で示される図中前側方向である。また、第1のビット線2aに流れる読出し電流C1の向きは、読出し電流E1の方向と反時計周りに90°方向であって、その矢印方向で示される図中右側方向である。さらに、第2のビット線2bに流れる読出し電流D1の向きは、読出し電流C1の流れる方向に対し逆方向となっている。磁気半導体メモリ装置1に上記の読出し電流C1・D1・E1を流すことによって磁場が誘起される。
図3は、第1のビット線2aの方向から、磁気半導体メモリ装置1に情報を書込む際における自由層4cに作用する磁場6a・7a・8aおよび合成磁場9aを示している。磁場6aは読出し電流C1によって誘起される磁場であり、磁場7は読出し電流D1によって誘起される磁場であり、磁場8aは読出し電流E1によって誘起される磁場をそれぞれ示している。
磁場6a・7aの方向は、同図中上側であり、図2における固定層4aの磁化方向A1と同じ方向である。また、磁場8の方向は、図3において左側方向であり、図2における読出し電流D1の流れる方向と同じ方向である。磁場6a・7a・8aが合成されることによって、自由層4cには合成磁場9aが誘起される。この合成磁場9によって自由層4cの磁化方向B1を改変する。
磁場6a・7aは方向が同じであるので、合成磁場9aを誘起する際に磁場を全く弱めあうことがなく、逆に強めあう効果が生じる。したがって、第1のビット線2a、第2のビット線2bおよびワード線3に小さな電位の読出し電流C1、D1、E1を流した場合であっても、自由層4cの磁化方向B1を改変することが可能な合成磁場9aを誘起することが可能である。すなわち、小さな電位の書込み電流によって、情報の改変を行うことができる。
自由層4cの磁化容易軸は、磁場6aの磁化方向と同じ方向であるため、合成磁場9aによって自由層4cの磁化方向B1は、ほぼ磁場6aと同じ方向になる。一方、固定層4aの磁化方向A1も磁場6aと同じ方向であるので、第1の磁気抵抗素子4において、固定層4aと自由層4cとの磁化方向A1・B1は互いに平行関係となる。
図4は、第1のビット線2aの方向から、磁気半導体メモリ装置1に情報を書込む際における自由層5cに作用する磁場6b・7b・8bおよび合成磁場9bを示している。磁場6bは読出し電流D1によって誘起される磁場であり、磁場7bは読出し電流C1によって誘起される磁場であり、磁場8bは読出し電流E1によって誘起される磁場をそれぞれ示している。
同図における合成磁場9bは、図3に示す磁場6a・7aと同様に、磁場6b・7bはその磁化方向が同じ方向であるので、合成磁場9bを誘起する際に磁場を全く弱めあうことがなく、逆に強めあう結果となる。また、第2の磁気抵抗素子5において、固定層5aと自由層5cとの磁化方向A1・B2は互いに平行関係となる。
上記のように、磁気半導体メモリ装置1において、第1の磁気抵抗素子4における固定層4aの磁化方向A1と自由層4cの磁化方向B1を平行関係とし、第2の磁気抵抗素子5における固定層5aの磁化方向A2と自由層5cの磁化方向B2とを平行関係にすることによって、データ1の情報を書込むことができる。
図5は、磁気半導体メモリ装置1にデータ1として情報が書込まれた場合における、第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5における磁化方向を示している。同図に示すように、データ1が情報として書込まれている場合、固定層4aの磁化方向A1、自由層4cの磁化方向B1、自由層5cの磁化方向B2、固定層4aの磁化方向A2は全て同図中、矢印で示される同図奥側方向であり、全て平行関係にある。
図6は磁気半導体メモリ装置1を用い、データ0として情報の書込み方法を行う場合における、第1のビット線2a・第2のビット線2bおよびワード線3を流れる電流の方向を示している。
同図に示すように、データ0として情報を書込む場合、図2におけるデータ1として情報の書込みを行う場合とは異なり、第1のビット線2a、第2のビット線2b、ワード線3にそれぞれ流す書込み電流C2・D2・E2の方向は、データ1を書込む方法における書込み電流と逆方向である。
データ0として情報を書込み場合に、書込み電流C2・D2・E2によって誘起されるそれぞれの磁場および合成磁場については、図示しないがデータ1として情報を書込む場合と同様に、小さな電位の読出し電流C2、D2、E2を流した場合であっても、自由層4c・5cの磁化方向を改変することが可能な合成磁場を誘起することが可能である。すなわち、小さな電位の書込み電流によって、情報の改変を行うことができる。
図7は、データ0として情報を書込む場合の固定層4a・5aおよび自由層4c・5cにおける磁化方向A1・A2・B1・B2を示している。データ1として情報を書込む場合とは異なり、磁化方向A1・B1および磁化方向A2・B2はそれぞれ反平行関係にある。すなわち、上記の状態をデータ0として、磁気半導体メモリ装置1に情報を書込むことができことを示している。
上記のように、データ1またはデータ0として情報を書込む場合に、第1のビット線22aと第2のビット線2bとに流す読出し電流を逆方向に流すことによって、読出し電流によって合成される合成磁場を強めることができる。そのため、小さな電位の読出し電流によって、自由層の磁化方向を改変することができる。したがって、磁気半導体メモリ装置1の微細化を行った場合、書込み電流の電位を増加させる必要がない。
さらに、磁気半導体メモリ装置1を用いて情報を読出す際の動作を、図8に基づき説明すると、以下の通りである。
図8は磁気半導体メモリ装置1を用い、情報の読出しを行う場合における、磁気半導体メモリ装置1において流れる電流の方向を示している。情報の読出しは、固定層4aの磁化方向A1および自由層4cの磁化方向B1、固定層5aの磁化方向A2および自由層5cの磁化方向B2の両方がそれぞれ平行である状態、またはそれぞれ反平行である状態であることによって、異なる抵抗値が示されることを利用して行う。
磁気半導体メモリ装置1を用いた情報の読出し方法の一例を以下に示す。まず、ワード線3を電気的に浮遊の状態にする。その後、第1のビット線2aに読出し電流Fを一方向に流し、第2のビット線2bに読出し電流Gを、読出し電流Fと逆方向に流す。読出し電流Fは、読出し電流Gよりも高電位である。
このように読出し電流F・Gを流すことによって、第1の磁気抵抗素子4から第2の磁気抵抗素子5の内部に電場が生じるので、第1の磁気抵抗素子4から第2の磁気抵抗素子5の方向に読出し電流H1・H2が流れる。この電流H1・H2の電位の大きさを検出することによって、得た読出し信号(出力信号)の値から固定層4a・5a、自由層4c・5cの磁化方向を判別することができる。つまり、データ1の状態であれば、データ0の状態に比べ低い抵抗値が検出される。また、データ0の状態であれば、データ1の状態に比べ高い抵抗値が検出される。
上記読出し信号の具体的な値について説明する。第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5のそれぞれの抵抗値は、一般的に接合面積1μm当たり10Ωから10Ω程度である。磁気半導体メモリ装置1の第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5のそれぞれの抵抗値を10kΩ、比抵抗を25%と仮定し、読出し電流を10μAとすると、読出し信号は50mVになる。
一方、従来の1ビットを1つの磁気抵抗素子に記憶する磁気半導体メモリ装置において、その磁気抵抗素子の抵抗値、比抵抗値、読出し電流を、磁気抵抗素子4と同様とすると、読出し信号は25mVである。
したがって、磁気半導体メモリ装置1を用いる情報の読出し方法によれば、従来の磁気半導体メモリ装置を用いた読出し信号を得ることができるため、大きな読出し信号を得ることができる。また、従来の磁気半導体メモリ装置に比較して、高速で情報の読出しを行うことができる。
以上のように、本実施の形態では、3種類の独立した配線である第1のビット線2a(第1の配線)、ワード線3(第2の配線)、および第2のビット線2b(第3の配線)と、2つの独立した素子である第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5とを備えており、第1のビット線2aとワード線3との間に第1の磁気抵抗素子4が設けられているとともに、ワード線3と第2のビット線2bとの間に第2の磁気抵抗素子5が設けられており、第1のビット線2aおよび第2のビット線2bは互いに平行に設けられているとともに、これら配線の設けられる方向(第1方向)に交差する方向(第2方向)にワード線3が設けられており、上記第1の磁気抵抗素子4または第2の磁気抵抗素子5は、トンネル絶縁膜4bまたは5bを挟んで配置された固定層(第1の強磁性薄膜)4aまたは5aおよび自由層(第2の強磁性薄膜)4cまたは5cとを有する構造と含む磁気半導体メモリ装置において、上記磁気抵抗素子4および5における、2つの強磁性薄膜の一方(固定層4aまたは5a)の磁化方向をあらかじめ固定しておき、他方(自由層4cまたは5c)の磁化方向を改変させる磁化改変工程を有しており、当該磁化改変工程では、両方の強磁性薄膜の磁化方向を平行かつ同一とする平行状態と、両方の磁化方向を平行かつ逆向きとする反平行状態とに設定可能であり、さらに、第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5が互いに平行状態となる第1の状態と、互いに反平行状態となる第2の状態とを設定可能とするようになっている。
特に、情報の書込みを行うときには、上記第1のビット線2aおよび第2のビット線2bに同時に逆方向の電流を流し、情報の読出しを行うときには、上記ワード線3を電気的に浮遊状態にした後に、第1のビット線2aと第2のビット線2bとにそれぞれ電位の異なる電流を流す。
これにより、上記2つの磁気抵抗素子4および5に情報の書込みを行う際に、2つの磁気抵抗素子4および5の状態がそれぞれ、高抵抗または低抵抗として情報の書込みを行うので、磁気半導体メモリ装置1において、大きな抵抗値を得ることができ、小さな書込み電流を用いたとしても、大きな出力信号を得ることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図9ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1では、磁気半導体メモリ装置が備える、隣接する2つの磁気抵抗素子を少なくとも有するセルがメモリセルであったが、本実施の形態では、さらに、同様の構成を有するリファレンスセルも備えている場合について、具体的に説明する。
まず、リファレンスセルを有する磁気半導体メモリ装置20について以下に説明する。本実施の形態の磁気半導体メモリ装置20は、第1の方向に設けられた、第1の配線である第1のリファレンス線12aと、第1の方向に交差する第2の方向に設けられた、第2の配線であるダミーワード線13と、第1の方向に設けられた第3の配線である第2のリファレンス線12bとを備えている。
さらに、磁気半導体メモリ装置20には、第1のリファレンス線12aとダミーワード線13との間に第1の磁気抵抗素子14が設けられており、ダミーワード線13と第2のビット線12bとの間には第2の磁気抵抗素子15が設けられている。第1の磁気抵抗素子14および第2の磁気抵抗素子15のそれぞれは、固定層4a・4aによって挟持されたトンネル絶縁膜4bから成っている。また、第1の磁気抵抗素子14における磁化方向A1と磁化方向B1とは反平行関係であり、第2の磁気抵抗素子15における磁化方向A2と磁化方向B2とは平行関係である。なお、これら、磁気抵抗素子14・15によって1つのリファレンスセルが形成されている。
上記のように磁化方向が固定されているので、磁気半導体メモリ装置20の第1の磁気抵抗素子14と第2の磁気抵抗素子15とが有する抵抗値は、磁気半導体メモリ装置1においてデータ0として情報が書込まれた状態の抵抗値と、データ1として情報が書込まれた第2の磁気抵抗素子における抵抗値の中間の値である。
図10は、本実施の形態におけるリファレンスセルおよびメモリセルを備える磁気半導体メモリ装置30の構成を示している。磁気半導体メモリ装置30は、電気的に等価な回路である。磁気半導体メモリ装置30において、前記実施の形態の磁気半導体メモリ装置1が備えるメモリセルは、破線で示された部分に位置するメモリセル40・41・42・43にそれぞれ対応している。メモリセル40・41・42・43はそれぞれ第1の磁気抵抗素子4および第2の磁気抵抗素子5から構成されている。
メモリセル41と、第1の磁気抵抗素子4が接続されている第1のビット線2aとは、選択トランジスタ15aを介して第1のデータ線7aに接続されている。また、第2の磁気抵抗素子5は第2のビット線2bを介して第2のデータ線7bに接続されている。さらに、第1の磁気抵抗素子4と第2の磁気抵抗素子5との間に設置されたワード線3は、第1のデータ線7aおよび第2のデータ線7bに接続されている。他のメモリ素子41・42・43についても同様である。
リファレンスセル50は、メモリセル40に隣接して設けられており、第1のリファレンス線12aは、読出し選択トランジスタ9aと接続されている。また、第2のリファレンス線12bは、選択線14aと接続されている。さらに、ダミーワード線13は、第1のデータ線16aおよび第2のデータ線16bに接続されている。
選択トランジスタ15a・15b・15c・15dは、それぞれ独立した選択線14a・14b・14c・14dによって制御される。また、第1のデータ線16aは読出し選択トランジスタ21aと接続され、第2のデータ線16bは読出し選択トランジスタ21bと接続されている。さらに、読出し選択トランジスタ21a・21bは、読出し選択線17およびセンスアンプ22と接続されている。
また、第1のデータ線16aは、データ選択トランジスタ18を介して、バイアス電圧クランプ回路19に接続されている。この選択トランジスタ18は、選択線14eによって制御されている。なお、磁気半導体メモリ装置30では、メモリセル40・41・42・43が4箇所に配列されているが、この配列数は特に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
次に、第1のメモリセル40に書込まれた情報を読出す場合における磁気半導体メモリ装置30の動作について説明する。読出しを行う際における初期状態では、読出し選択線17、選択線14a・14eにおける電位はゼロに設定されている。まず、選択線14a・14eの電位をVDDに設定し、読出し選択トランジスタ18と選択トランジスタ15aとをオン状態にする。これによって、リファレンスセル50とメモリセル40とは、共に一端の電位はVbiasとなり、他端の電位はゼロ電位となる。
さらに、読出し選択線17の電位をVDDに設定し、読出し選択トランジスタ21a・21bをオン状態にする。上記の状態では、リファレンスセル50とメモリセル40は共にセンスアンプ22に接続され、それぞれの出力信号を比較することができる。上記の情報の読出し方法によって、メモリセル40に記憶された情報を読み出すことが可能である。他のメモリセルの情報を読出す方法についても同様の方法を用いて行うことができる。
以上のように、本実施の形態の磁気半導体メモリ装置30は、磁気半導体メモリ装置1と同様の構成を有するメモリセル40・41・42・43を備えているとともに、これらメモリセルと同様の構成を有するリファレンスセル50を備えている。そのため、メモリセル40〜43によって、従来の磁気半導体メモリ装置に比べ大きな出力信号を得ることができ、情報を高速に読出すことが可能であり、かつ、メモリセル40〜43と実質的に同一構成のリファレンスセル50を備えることで、リファレンスセルを設ける場合においても、小さな電流値でメモリセルとリファレンスセルとの電位等の比較を行うことができるだけでなく、メモリセルおよびリファレンスセルを共通の構成とすることができるので、磁気半導体メモリ装置の製造工程の煩雑化を回避したり、製造コストの低減を図ったりすることが可能となる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した磁気半導体メモリ装置1を備える電子機器について具体的に説明する。
図11は、本実施の形態に係る携帯電子機器60の構造の一例を示している。本実施の形態に係る携帯電子機器60は、制御回路21に、信号線26を介して、電池22、RF回路(無線周波数回路)23および表示部24がそれぞれ接続されている。さらに、RF回路23は信号線26を介して、電池22およびアンテナ25と接続されている。制御回路21には磁気半導体メモリ装置1が備えられている。
制御回路21、電池22、RF回路23、表示部24、アンテナ25および信号線26等の具体的な構成は特に限定されるものではなく、携帯電子機器の分野で公知の構成を好適に用いることができる。
ここで、本実施の形態では、携帯電子機器60の制御回路21に、前記磁気半導体メモリ装置1が含まれている。そのため、小さな電流値でも情報を書込む際に大きな出力信号を得ることができるとともに、高速で読出し動作を行うことができる。そのため、動作速度に優れた電子機器を提供することができる上に、書込み電流値が小さくて済むので携帯型の電子機器として特に好ましい構成を実現することができる。
また、本実施の形態では、前記実施の形態2で説明した、リファレンスセル20を有する磁気半導体メモリ装置30を用いることもできる。その場合、磁気半導体メモリ装置30の製造コストを低減できるため、携帯電子機器60を安価で製造することができる。
なお、携帯電子機器60としては、携帯情報端末機器、携帯電話機器、ゲーム機器などを挙げることができる。また、本発明を適用可能な電子機器は、必ずしも携帯型の電子機器に限定されるものではなく、公知の各種電子機器に広く用いることができることは言うまでも無い。
本発明によれば、大きな出力信号を得ることができるため、高集積化・小型化された磁気半導体メモリ装置を提供することができる。そのため、これを用いる。電子機器、特に携帯情報端末機器、携帯電話機器、ゲーム機器などに好適に利用することができる。
本発明の一実施形態における磁気半導体メモリ装置の一例を示す斜視図である。 図1に示す磁気半導体メモリ装置において、データ1として情報の書込み方法を行う場合に、磁気抵抗素子に接続される配線に流れる電流の方向と、磁気抵抗素子に生じる磁化方向との対応を模式的に示す斜視図である。 図2に示す磁気半導体メモリ装置において、第1のビット線の方向から第1の磁気抵抗素子の自由層に作用する磁場および合成磁場の状態を模式的に示す平面図である。 図2に示す磁気半導体メモリ装置において、第1のビット線の方向から第2の磁気抵抗素子の自由層に作用する磁場および合成磁場の状態を模式的に示す平面図である。 図2に示す磁気半導体メモリ装置に、データ1として情報が書込まれた場合における、第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子の磁化方向を模式的に示す斜視図である。 図1に示す磁気半導体メモリ装置において、データ0として情報の書込み方法を行う場合に、磁気抵抗素子に接続される配線に流れる電流の方向と、磁気抵抗素子に生じる磁化方向との対応を模式的に示す斜視図である。 図6に示す磁気半導体メモリ装置に、データ0として情報を書込む場合における、第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子の磁化方向を模式的に示す斜視図である。 図1に示す磁気半導体メモリ装置において、情報の読出しを行う場合に流れる電流の方向を模式的に示す斜視図である。 本発明の他の実施形態における磁気半導体メモリ装置が備えるリファレンスセルの構造を示す斜視図である。 図9に示すリファンレンスセルを備える磁気半導体メモリ装置の構成を示す回路図である。 本発明に係る磁気半導体メモリ装置を備える携帯電子機器の概略構成の一例を示すブロック図である。 従来技術に係る磁気半導体メモリ装置の構造を示す斜視図である。 従来技術に係る他の磁気半導体メモリ装置の構造を示す斜視図である。
符号の説明
1・20・30・40・41・42・43 磁気半導体メモリ装置
2a 第1のビット線
2b 第2のビット線
3 ワード線
4 第1の磁気抵抗素子
4a 第1の固定層
4b 第1のトンネル絶縁膜
4c 第1の自由層
5 第2の磁気抵抗素子
5a 第2の固定層
5b 第2のトンネル絶縁膜
5c 第2の自由層
50 リファレンスセル
60 携帯電子機器

Claims (18)

  1. 隣接する2つの磁気抵抗素子を少なくとも有するセルを備えている磁気半導体メモリ装置であって、
    上記セルにおける2つの磁気抵抗素子の磁化方向をそれぞれ改変することによって、当該セルの状態を、上記磁気抵抗素子の両方が高抵抗を示す第1の状態、または、上記磁気抵抗素子の両方が低抵抗を示す第2の状態に改変可能とすることを特徴とする磁気半導体メモリ装置。
  2. 上記セルが有する2つの磁気抵抗素子は、垂直方向に隣接して配置しているとともに、
    各磁気抵抗素子には複数の配線が接続されており、これら複数の配線それぞれに電流を流すことによって、各磁気抵抗素子の磁化方向を改変することを特徴とする請求項1に記載の磁気半導体メモリ装置。
  3. 上記磁気抵抗素子が、一対の強磁性薄膜と、これら強磁性薄膜に挟持されるトンネル絶縁膜とを備えるトンネル接合素子であり、
    上記一対の強磁性薄膜の一方は磁化方向を固定した固定層であるとともに、他方は磁化方向を可変とする自由層であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気半導体メモリ装置。
  4. 上記磁気抵抗素子に接続される複数の配線は、上記固定層および自由層のそれぞれに少なくとも1つ接続されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気半導体メモリ装置。
  5. 上記複数の配線のうち、固定層に接続される固定側配線と、自由層に接続される自由側配線とは、互いに交差していることを特徴とする請求項4に記載の磁気半導体メモリ装置。
  6. さらに、垂直方向に配置する2つの磁気抵抗素子は、互いに隣接する側に自由層が配置しているとともに、これら隣接する2つの自由層に1つの自由側配線を接続することにより、自由層に接続する配線を共有することを特徴とする請求項4または5に記載の磁気半導体メモリ装置。
  7. さらに、垂直に配置する2つの磁気抵抗素子は、内側の自由層から見て外側に位置する固定層のそれぞれに固定側配線が1つずつ接続されていることを特徴とする請求項6に記載の磁気半導体メモリ装置。
  8. 上記固定側配線がビット線であり、自由側配線がワード線であることを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の磁気半導体メモリ装置。
  9. 上記セルとして、メモリセルおよびリファレンスセルの少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の磁気半導体メモリ装置。
  10. 上記セルがメモリセルであるときには、2つの磁気抵抗素子の双方にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ同方向とすることで、上記第1の状態を実現する一方、
    2つの磁気抵抗素子の双方にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ逆方向とすることで、上記第2の状態を実現することを特徴とする請求項9に記載の磁気半導体メモリ装置。
  11. さらに、上記メモリセルに情報の書込みを行うときには、2つの磁気抵抗素子の固定層にそれぞれ接続される、互いに平行な固定側配線に対して、逆方向の電流が同時に流されることを特徴とする請求項10に記載の磁気半導体メモリ装置。
  12. さらに、上記メモリセルから情報の読出しを行うときには、2つの磁気抵抗素子の隣接する自由層に接続される、1つの自由側配線の状態を、電位が一定の浮遊状態にするとともに、
    2つの磁気抵抗素子の固定層にそれぞれ接続される、互いに平行な固定側配線に対して、互いに電位の異なる電流が流されることを特徴とする請求項10に記載の磁気半導体メモリ装置。
  13. 上記セルがリファレンスセルであるときには、2つの磁気抵抗素子の何れか一方にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ同方向とする一方、
    他方の磁気抵抗素子にて、固定層の磁化方向と自由層の磁化方向とを互いに平行かつ逆方向とすることを特徴とする請求項10に記載の磁気半導体メモリ装置。
  14. 請求項1から13の何れか1項に記載の磁気半導体メモリ装置を備えることを特徴とする電子機器。
  15. 携帯型である請求項14に記載の電子機器。
  16. 3種類の独立した配線である第1の配線、第2の配線、および第3の配線と、2つの独立した素子である第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子とを備えており、
    第1の配線と第2の配線との間に第1の磁気抵抗素子が設けられているとともに、第2の配線と第3の配線との間に第2の磁気抵抗素子が設けられており、
    第1および第3の配線は互いに平行に設けられているとともに、これら第1および第3の配線の設けられる方向に交差する方向に第2の配線が設けられており、
    上記第1および第2の磁気抵抗素子は、トンネル絶縁膜を挟んで配置された第1の強磁性薄膜および第2の強磁性薄膜とを有する構造と含む磁気半導体メモリ装置における情報の記録再生方法であって、
    上記磁気抵抗素子における、2つの強磁性薄膜の一方の磁化方向をあらかじめ固定しておき、他方の磁化方向を改変させる磁化改変工程を有しており、
    当該磁化改変工程では、両方の強磁性薄膜の磁化方向を平行かつ同一とする平行状態と、両方の磁化方向を平行かつ逆向きとする反平行状態とに設定可能であり、
    さらに、第1および第2の磁気抵抗素子が互いに平行状態となる第1の状態と、互いに反平行状態となる第2の状態とを設定可能とすることを特徴とする磁気半導体メモリ装置の情報書込み読出し方法。
  17. 情報の書込みを行うときには、上記第1の配線および第3の配線に同時に逆方向の電流を流すことを特徴とする請求項16に記載の情報書込み読出し方法。
  18. 情報の読出しを行うときには、上記第2の配線を電気的に浮遊状態にした後に、第1の配線と第3の配線とにそれぞれ電位の異なる電流を流すことを特徴とする請求項16に記載の情報書込み読出し方法。
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