JP2008010255A - 電気化学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のセルをスタックするのに際して、多数のセルを積層可能であり、セルの破損を生じにくく、シールのための構造を簡略化して部品点数を減らす。
【解決手段】電気化学装置は、第一のガスと接触する第一の電極、固体電解質膜および第二のガスと接触する第二の電極を備える複数の電気化学素子7、および各電気化学素子7を保持し、電気化学素子との間で第一のガスの流通路を形成する金属製の複数の支持部材1を備えている。複数の支持部材1が積層されており、各支持部材1に、第一のガスの流通路Tに連通する第一のガスの供給孔5および排出孔が形成されている。複数の支持部材の第一のガスの供給孔5が連通することによって第一のガスの供給路Wを形成する。複数の支持部材の第一のガスの排出孔が連通することによって第一のガスの排出路を形成する。
【選択図】 図4
【解決手段】電気化学装置は、第一のガスと接触する第一の電極、固体電解質膜および第二のガスと接触する第二の電極を備える複数の電気化学素子7、および各電気化学素子7を保持し、電気化学素子との間で第一のガスの流通路を形成する金属製の複数の支持部材1を備えている。複数の支持部材1が積層されており、各支持部材1に、第一のガスの流通路Tに連通する第一のガスの供給孔5および排出孔が形成されている。複数の支持部材の第一のガスの供給孔5が連通することによって第一のガスの供給路Wを形成する。複数の支持部材の第一のガスの排出孔が連通することによって第一のガスの排出路を形成する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、固体酸化物形燃料電池などの電気化学装置に関するものである。
燃料電池1枚当たりの電圧は1V程度であるので、大出力を得るには複数枚積層(スタック)しなければならない。そこで、いかに小型で積層数を増やし大出力を得ることができるかが問題となってくる。
固体酸化物形燃料電池は、いわゆる平板型と円筒型とに大別される。しかし、円筒型の固体酸化物形燃料電池では、単電池間の無駄なスペースが多いので、単位体積あたりの発電効率が低く、発電量の増大に構造的な限界がある。一方、平板型燃料電池の場合には、上下方向に多数の平板型単電池を積み重ね、隣接する単電池間をセパレータ(隔離板)で隔離する。そして、隣接する単電池とセパレータとの間の空間に燃料や酸化性ガスを流通させる。しかし、このガスの温度は例えば800〜1000℃と高温であり、このためにはマニホ―ルド部分の温度もある程度高温となる。この状態でマニホールドによって多数のガス流路を、酸化性ガスと燃料ガスとが接触しないようにシールすることは難しい。実際の組み立て工程では、多数の平板型単電池を積み重ねて上下方向へと加圧することが必要であるが、このような工程は熟練を必要とし、生産性が低い。またセルの破損が生じやすいため、多数積層することは事実上困難である。
このため、特許文献1のスタック構造では、平板型のセルの中に複数の貫通孔を形成し、各セルをそれぞれガス供給管で保持する。そして、各ガス供給管からそれぞれ燃料ガスをセル内に供給し、また各セルの外側に酸化ガスを流す。
特開平11−185793
しかし、特許文献1記載のような構造では、各セルを一本ごとに供給管で支持する必要があり、構造とシールが複雑になり、部品点数が多い。このため、小型化が困難であり、また製造コストが高くなる。
本発明の課題は、複数のセルをスタックするのに際して、多数のセルを積層可能であり、セルの破損を生じにくく、シールのための構造を簡略化して部品点数を減らすことを可能とすることである。
本発明は、第一のガスと接触する第一の電極、固体電解質膜および第二のガスと接触する第二の電極を備える複数の電気化学素子、および
各電気化学素子を保持し、電気化学素子との間で第一のガスの流通路を形成する金属製の支持部材を備えており、
複数の支持部材が積層されており、各支持部材に、第一のガスの流通路に連通する第一のガスの供給孔および排出孔が形成されており、複数の支持部材の第一のガスの供給孔が連通することによって第一のガスの供給路を形成しており、複数の支持部材の第一のガスの排出孔が連通することによって第一のガスの排出路を形成していることを特徴とする。
各電気化学素子を保持し、電気化学素子との間で第一のガスの流通路を形成する金属製の支持部材を備えており、
複数の支持部材が積層されており、各支持部材に、第一のガスの流通路に連通する第一のガスの供給孔および排出孔が形成されており、複数の支持部材の第一のガスの供給孔が連通することによって第一のガスの供給路を形成しており、複数の支持部材の第一のガスの排出孔が連通することによって第一のガスの排出路を形成していることを特徴とする。
本発明によれば、各電気化学素子を、それぞれ対応する各支持部材によって保持し、各支持部材とセルとの間に、第一のガス流通路を形成し、発電を行う。これと共に、支持部材には、ガス流通路に連通する供給孔を形成し、複数の支持部材を積層したときに、各供給孔が連通して供給路を形成するようにした。
これによって、金属製の支持部材を積層することでスタックを形成できるので、各セルには過大な荷重が加わりにくく、セルの破損が生じにくいので、多数のセルを積層しやすい。また、各セルと支持部材との間に第一のガス流通路を形成し、かつこのガス流通路へのガスの供給と排出とを行うための供給路および排出路は、支持部材を積層することで形成できる。したがって、ガスのシール構造を簡略化できる。
本発明では、電気化学素子は板状であるが、平板状には限らず、湾曲した板や円弧状の板でもよい。電気化学素子は、第一のガスと接触する第一の電極、固体電解質膜および、第二のガスと接触する第二の電極を備えている。
ここで、第一の電極、第二の電極は、アノードまたはカソードから選択する。これらのうち一方がアノードである場合には、他方はカソードである。これと同様に、第一のガス、第二のガスは、酸化性ガス、還元性ガスから選択する。
酸化性ガスは、酸素イオンを固体電解質膜へと供給可能なガスであれば特に限定されないが、空気、希釈空気、酸素、希釈酸素が挙げられる。還元性ガスとしては、H2、CO, CH4 とこれらの混合ガスを例示できる。
本発明が対象とする電気化学素子は、電気化学反応を生じさせるためのセル一般を意味している。例えば、電気化学素子は、酸素ポンプ、高温水蒸気電解セルとして使用できる。高温水蒸気電解セルは、水素の製造装置に使用でき、また水蒸気の除去装置に使用できる。また、電気化学素子を、NOx、SOxの分解セルとして使用できる。この分解セルは、自動車、発電装置からの排ガスの浄化装置として使用できる。この場合には、固体電解質膜を通して排ガス中の酸素を除去するのと共に、NOxを電解してN2とO2−とに分解し、この分解によって生成した酸素をも除去できる。また、このプロセスと共に、排ガス中の水蒸気が電解されて水素と酸素とを生じ、この水素がNOxをN2へと還元する。また、好適な実施形態では、電気化学素子が、固体酸化物形燃料電池である。
固体電解質の材質は特に限定されず、あらゆる酸素イオン伝導体を利用できる。例えば、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアであってよく、NOx分解セルの場合には、酸化セリウムも好ましい。
アノードの材質は、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又はランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ランタンマンガナイトが一層好ましい。ランタンコバルタイト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト(ランタンマンガナイトの場合)、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。また、パラジウム、白金、ルテニウム、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ルテニウム−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム−酸化セリウムサーメットであってもよい。
カソードの材質としては、白金、白金−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、ルテニウム、ルテニウム−ジルコニアサーメット等が好ましい。
各電気化学素子の形態は特に限定されない。電気化学素子は、アノード、カソードおよび固体電解質層の3層からなっていてよい。あるいは、電気化学素子は、アノード、カソードおよび固体電解質層以外に、例えば多孔質体層を有していて良い。
好適な実施形態においては、電気化学素子が実質的にセラミックスから形成されている。これによって、セルの安定性が高くなり、多数回の熱サイクルに対する電気化学装置全体の安定性が高くなる。
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る電気化学装置を示すものである。
図1は、支持部材1を示す平面図であり、図2(a)は、図1の支持部材1の断面図である。支持部材1は、本例では四辺形である。支持部材1の本体部分2の上端には突起8が形成されており、下端には突起18が形成されている。そして突起18内には、第一のガスの供給孔5が形成されている。また、突起18から上方へと向かって突起9が突出しており、突起9の内側に連通路19が形成されている。連通路19は分配溝3に連通している。
図1は、支持部材1を示す平面図であり、図2(a)は、図1の支持部材1の断面図である。支持部材1は、本例では四辺形である。支持部材1の本体部分2の上端には突起8が形成されており、下端には突起18が形成されている。そして突起18内には、第一のガスの供給孔5が形成されている。また、突起18から上方へと向かって突起9が突出しており、突起9の内側に連通路19が形成されている。連通路19は分配溝3に連通している。
図2(b)および図3に示すように、電気化学セル7を支持部材1の突起8および9の間に固定する。電気化学セル7と支持部材1との間に第一のガスの流通路Tを形成する。次いで、図2(c)および図3に示すように、電気化学素子7の外側に、絶縁材10を介しインターコネクタ11を設置する。インターコネクタ11の内側には第二のガスの流通路12が形成されている。ここで、インターコネクタ11には空間11aが形成されており、これによって、外部を流れる第二のガスが、空間11aを介して流通路12内に流入し、セル7に接触するようにする。こうして、図2(c)、図4に示すアセンブリ9を形成する。
複数の支持部材1を積層し、図4に示すようなスタックを形成する。この状態では、第一のガスの供給孔5が連通することで、ガス供給路Wを形成している。そしてガス供給路Wに、矢印Aのようにガスを流すと、ガスは各連通孔19および分配溝3を矢印Bのように流れ、ガス流通路T内を矢印Cのように流れ、セル7の第一の電極7cに対して接触する。そして、減損したガスは、矢印Dのように溝4を通って流れ、連通路20を通過し、ガス排出孔6から排出される。
第二のガスは、隣接するアセンブリ9A、9B、9C、9Dの空間13に供給され、支持部材11の空間11aを通過してガス流通路12へと流れ、電極27aに接触し、排出される。
空間12、13内には、所定の導電性かつ通気性を有する材料を設置しておく。こうした材質としては、ニッケル、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ステンレスなどの鉄基合金等の金属や、ランタンクロマイトなどの導電性セラミックスがある。また、この通気性材質の形態としては、フェルト、多孔質焼結体、メッシュなどを例示できる。
例えばセルをSOFCとし、セルの外側の流路12に酸化性ガスを流し、内側の流通路Tに燃料ガスを流すものとする。この場合には、電子(固体電解質層内では酸素イオンとして運搬)は、カソード7c、固体電解質層7bを通過してアノード7aへと流れ、アノード7aから、上述した通気性かつ導電性材料および支持部材11を介して、隣接するアセンブリの支持部材1に流れる。これにより、多数のセルの直列接続が可能となる。
好適な実施形態においては、隣接する支持部材の間に、第二のガスの流通路を形成できる。この例は図1〜4に示した。
支持部材を構成する金属は、具体的にはニッケル、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ステンレスなどの鉄基合金、ステライトなどのコバルト基合金等の金属を例示できる。
また、好適な実施形態においては、各支持部材に、第二のガスの流通路に連通する第二のガスの供給孔および排出孔を形成し、複数の支持部材の第二のガスの供給孔が連通することによって第二のガスの供給路を形成し、複数の支持部材の第二のガスの排出孔が連通することによって第二のガスの排出路を形成している。図5〜9および図10〜図13は、この例に係るものである。
好適な実施形態においては、電気化学素子が平面的に見て多角形をなしており、多角形の支持部材の一辺に沿って第一のガスの供給孔および排出孔が形成されており、支持部材の他辺に沿って第二のガスの供給孔および排出孔が形成されている。この場合には、各素子をそれぞれ二つ以上の異なる辺で支持部材によって支持するので、素子を多数重ねても素子に加わる応力が分散され、素子の破壊防止についての信頼性は一層改善される。
図5は、支持部材21を示す平面図であり、図6(a)は、図5の支持部材21の断面図である。支持部材21は、本例では四辺形である。支持部材21の本体部分2の上端には突起8および30が形成されており、下端には突起18が形成されている。突起18内には、第一のガスの供給孔5、排出孔6が形成されている。また、突起18から上方へと向かって突起9が突出しており、突起9の内側に連通路19が形成されている。連通路19は分配溝3に連通している。
突起30内には第二のガスの供給孔15が形成されており、供給孔15に連通孔17が連通している。図6(b)および図8、図9に示すように、電気化学セル7を支持部材21の突起8および9の間に固定する。電気化学セル7と支持部材21との間に第一のガスの流通路Tを形成する。次いで、図6(c)、図7、図8、図9に示すように、電気化学素子7の外側に、絶縁材10を介してインターコネクタ11を設置する。インターコネクタ11の内側には第二のガスの流通路12が形成されている。ここで、インターコネクタ11には空間11aが形成されており、これによって、外部を流れる第二のガスが、空間11aを介して流通路12内に流入し、セル7に接触するようにする。
複数のアセンブリ29を積層し、図8、図9に示すようなスタックを形成する。この状態では、第一のガスの供給孔5が連通することでガス供給路Wを形成している。そしてガス供給路Wに、矢印Aのようにガスを流すと、ガスは各連通孔19および分配溝3を矢印Bのように流れ、ガス流通路2内を矢印Cのように流れ、セル7の第一の電極に対して接触する。そして、減損したガスは、図9に示すように矢印Dのように溝4を通って流れ、連通路20を通過し、ガス排出孔6から排出される。排出孔6は、互いに連通することによって、ガス排出路Kを形成しており、ガスは排出路Kを矢印Eのように流れる。
また、第二のガスの供給孔15が連通することでガス供給路Pを形成している。そしてガス供給路Pに、矢印Fのようにガスを流すと、ガスは各連通孔17を矢印Gのように流れ、ガス流通路13内を流れ、セル7の第二の電極に対して接触する。そして、減損したガスは、図9に示すように矢印Hのように連通孔27を通過し、ガス排出孔16に入り、ガス排出路Qから矢印Jのように排出される。空間12、13内には、所定の導電性かつ通気性を有する材料を設置しておく。
図10は、支持部材41を示す平面図であり、図11(a)は、図10の支持部材41の断面図である。支持部材41は、本例では四辺形である。支持部材41の本体部分2の側辺には突起30が形成されている。本例では、支持部材の下端に突起18が形成されている。突起18内には、第一のガスの供給孔5および排出孔6が形成されている。また、突起18から上方へと向かって突起9が突出しており、突起9の内側に連通路19が形成されている。連通路19は分配溝3に連通している。突起18内には、第一のガスの供給孔5が形成されている。
側辺上の突起30内には第二のガスの供給孔15、排出孔16が形成されており、供給孔15に連通孔17が連通している。図11(b)および図13に示すように、電気化学セル7を支持部材41の突起18および30側に固定する。電気化学セル7と支持部材41との間に第一のガスの流通路13を形成する。次いで、図11(c)、図13に示すように、電気化学素子7の外側に、絶縁材10を介してインターコネクタ11を設置する。インターコネクタ11の内側には第二のガスの流通路12が形成されている。ここで、インターコネクタ11には空間11aが形成されており、これによって、外部を流れる第二のガスが、空間11aを介して流通路12内に流入し、セル7に接触するようにする。
複数のアセンブリ49を積層し、図11に示すようなスタックを形成する。この状態では、第一のガスの供給孔5が連通することでガス供給路Tを形成している。そしてガス供給路Tに、矢印Aのようにガスを流すと、ガスは各連通孔19および分配溝3を矢印Bのように流れ、ガス流通路2内を矢印Cのように流れ、セル7の第一の電極に対して接触する。そして、減損したガスは、溝4を通って流れ、連通路20を通過し、ガス排出孔6から排出される。
また、図8、図11に示すように、支持部材の側辺側において、第二のガスの供給孔15が連通することでガス供給路Pを形成している。そしてガス供給路Pに、矢印Fのようにガスを流すと、ガスは各連通孔17を矢印Gのように流れ、ガス流通路13内を流れ、セル7の第二の電極に対して接触する。そして、減損したガスは、図9に示すように、ガス排出孔16に入り、ガス排出路Qから矢印Jのように排出される。空間12、13内には、所定の導電性かつ通気性を有する材料を設置しておく。
(発電用セルの作製)
燃料極を基板とする固体酸化物形セル7を作製した。
(燃料極基板の作製)
平均粒径1μmの酸化ニッケル粉末50重量部とイットリア安定化ジルコニア(8YSZ、TZ-8Y:東ソー)50重量部を混合し、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)と純水を添加してスラリーを作製した。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥・造粒し、燃料極基板用粉末を得た。この粉末をプレス成形により縦150mm、横150mm、厚さ1.5mmの角板を成形した。その後、電気炉で空気中1400℃3時間焼成し、燃料極基板7cを得た。
燃料極を基板とする固体酸化物形セル7を作製した。
(燃料極基板の作製)
平均粒径1μmの酸化ニッケル粉末50重量部とイットリア安定化ジルコニア(8YSZ、TZ-8Y:東ソー)50重量部を混合し、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)と純水を添加してスラリーを作製した。このスラリーをスプレードライヤーで乾燥・造粒し、燃料極基板用粉末を得た。この粉末をプレス成形により縦150mm、横150mm、厚さ1.5mmの角板を成形した。その後、電気炉で空気中1400℃3時間焼成し、燃料極基板7cを得た。
(固体電解質膜の形成)
電解質には8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末を用いた。8YSZ粉末に水とバインダーを加え、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーを燃料極基板7cに上塗布、乾燥し、電気炉で空気中1400℃2時間焼成して電解質厚さ10μmの基板を得た。この基板を研削加工することによって、縦100mm、横100mm厚さ1mmの燃料極7c/固体電解質焼結体7bを作製した。
電解質には8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末を用いた。8YSZ粉末に水とバインダーを加え、ボールミルで16時間混合した。得られたスラリーを燃料極基板7cに上塗布、乾燥し、電気炉で空気中1400℃2時間焼成して電解質厚さ10μmの基板を得た。この基板を研削加工することによって、縦100mm、横100mm厚さ1mmの燃料極7c/固体電解質焼結体7bを作製した。
(空気極の形成)
空気極として平均粒径1μmのLaCaMnO3 (LCM)粉末にバインダーとしてエチルセルロース、溶剤としてターピネオールを加えペースト状にした。このペーストをスクリーン印刷で90mm×90mmサイズに成膜・乾燥後1200℃×1時間で焼き付け、燃料極7c/固体電解質7b/空気極7aの平板セル7を作製した。
空気極として平均粒径1μmのLaCaMnO3 (LCM)粉末にバインダーとしてエチルセルロース、溶剤としてターピネオールを加えペースト状にした。このペーストをスクリーン印刷で90mm×90mmサイズに成膜・乾燥後1200℃×1時間で焼き付け、燃料極7c/固体電解質7b/空気極7aの平板セル7を作製した。
(金属製支持部材1、21、41の作製)
本発明の支持部材は、小型かつセルに加わる応力が少なくなるように長さ130mm幅120mm厚さ6mmの材質SUS430の板を用いた。この板を、図1〜4、図5〜9または図10〜図13のように加工し、各例の支持部材を作製した。また、長さ100mm、幅100mm,厚さ1mmの材質SUS430の板を加工し、各例のカソード支持部材11を作製した。
本発明の支持部材は、小型かつセルに加わる応力が少なくなるように長さ130mm幅120mm厚さ6mmの材質SUS430の板を用いた。この板を、図1〜4、図5〜9または図10〜図13のように加工し、各例の支持部材を作製した。また、長さ100mm、幅100mm,厚さ1mmの材質SUS430の板を加工し、各例のカソード支持部材11を作製した。
(スタックの作製)
図1〜図4、図5〜図9、あるいは図10〜図13の各例に従い、各スタックを作製した。ただし、各スタックにおけるセルの積層数は20個とした。また、長さ100mm、幅100mm、厚さ0.5mmのマイカに長さ90mm、幅90mmのガス流路を中心に空け、絶縁材10とした。
図1〜図4、図5〜図9、あるいは図10〜図13の各例に従い、各スタックを作製した。ただし、各スタックにおけるセルの積層数は20個とした。また、長さ100mm、幅100mm、厚さ0.5mmのマイカに長さ90mm、幅90mmのガス流路を中心に空け、絶縁材10とした。
(比較例のセルの作製)
前記のようにして作製した固体電解質/燃料極基板から、縦120mm、横120mm、厚さ1mmに加工した後、外周部に幅10mm、長さ90mmのガス流路4カ所を穴加工であけた。そのガス流路内に縦90mm、横90mmの空気極を前記空気極の形成と同様に行い、平板セルを作製した。
前記のようにして作製した固体電解質/燃料極基板から、縦120mm、横120mm、厚さ1mmに加工した後、外周部に幅10mm、長さ90mmのガス流路4カ所を穴加工であけた。そのガス流路内に縦90mm、横90mmの空気極を前記空気極の形成と同様に行い、平板セルを作製した。
(比較例のスタックの作製)
縦120mm、横120mm、厚さ6mmの材質SUS430の板に加工後、外周部に幅10mm、長さ90mmのガス流路4カ所を穴加工であけ、幅5mm深さ2mmのガス通過用溝を作製し、表側を空気、裏側を燃料が流れるように支持部材を作製した。20個のセルと20個の支持部材とを交互に積層した。
縦120mm、横120mm、厚さ6mmの材質SUS430の板に加工後、外周部に幅10mm、長さ90mmのガス流路4カ所を穴加工であけ、幅5mm深さ2mmのガス通過用溝を作製し、表側を空気、裏側を燃料が流れるように支持部材を作製した。20個のセルと20個の支持部材とを交互に積層した。
(発電性能評価)
電気炉に各例のスタックをセットした。スタックに電圧線・電流線を接続し、燃料極側にN2,空気極側にAirを流しながら800℃まで昇温し、800℃に達した時点で燃料極側にH2を流して還元処理を行った。3時間の還元処理後、スタックの電流−電圧特性評価を実施した。また、降温後、セルの破損状況を確認した。800℃での発電特性と降温後のセルの破損状況を表1に示す。発電出力は1L当たりの出力で示されている。
電気炉に各例のスタックをセットした。スタックに電圧線・電流線を接続し、燃料極側にN2,空気極側にAirを流しながら800℃まで昇温し、800℃に達した時点で燃料極側にH2を流して還元処理を行った。3時間の還元処理後、スタックの電流−電圧特性評価を実施した。また、降温後、セルの破損状況を確認した。800℃での発電特性と降温後のセルの破損状況を表1に示す。発電出力は1L当たりの出力で示されている。
本発明の実施例1、2、3では、発電量は260W/L以上となり、比較例に比べて大幅に性能が向上した。これは比較例では、セルと支持部材を一括積層した為、セルにかかる応力が大きくセルが破損し、出力が落ちたことが原因と考えられる。
このように、本発明はセル破壊を引き起こす荷重をかけることなく、スタックサイズを小さくすることができるスタック構造である。
1、21、41 支持部材 3、4 溝 5 第一のガスの供給孔 6 第一のガスの排出孔 7 電気化学素子 8、9、18、30 突起 9、9A、9B、9C、9D、29、49 アセンブリ 11 インターコネクタ 12、13 第二のガスの流通路 15 第二のガスの供給孔 16 第二のガスの排出孔 17、19 連通孔 A、B、C、D、E 第一のガスの流れ F、G、H、J 第二のガスの流れ K 第一のガスの排出路 P 第二のガスの供給路 Q 第二のガスの排出路 W 第一のガスの供給路
Claims (4)
- 第一のガスと接触する第一の電極、固体電解質膜および第二のガスと接触する第二の電極を備える複数の電気化学素子、および
前記各電気化学素子を保持し、前記電気化学素子との間で前記第一のガスの流通路を形成する金属製の支持部材を備えており、
複数の前記支持部材が積層されており、前記の各支持部材に、前記第一のガスの流通路に連通する第一のガスの供給孔および排出孔が形成されており、複数の前記支持部材の前記第一のガスの供給孔が連通することによって第一のガスの供給路を形成しており、複数の前記支持部材の前記第一のガスの排出孔が連通することによって第一のガスの排出路を形成していることを特徴とする、電気化学装置。 - 隣接する前記支持部材の間に、前記第二のガスの流通路が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電気化学装置。
- 前記の各支持部材に、前記第二のガスの流通路に連通する第二のガスの供給孔および排出孔が形成されており、複数の前記支持部材の前記第二のガスの供給孔が連通することによって第二のガスの供給路を形成しており、複数の前記支持部材の前記第二のガスの排出孔が連通することによって第二のガスの排出路を形成していることを特徴とする、請求項2記載の電気化学装置。
- 前記支持部材が平面的に見て多角形をなしており、この多角形の支持部材の一辺に沿って前記第一のガスの供給孔および排出孔が形成されており、前記支持部材の他辺に沿って前記第二のガスの供給孔および排出孔が形成されていることを特徴とする、請求項3記載の電気化学装置。
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