JP5026017B2 - 平板型固体酸化物形燃料電池のセパレータ - Google Patents

平板型固体酸化物形燃料電池のセパレータ Download PDF

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Description

本発明は、平板型固体酸化物形燃料電池のスタック構造に係り、特に各セル間に積層されるセパレータに関するものである。
燃料電極と酸化剤電極がセラミックスの電解質を介して配置され、燃料として最終的に水素を、酸化剤として酸素や空気を供給することで、水の電気分解の逆の反応を利用して発電する固体酸化物形燃料電池では、燃料電池の実用上十分な発電量を得るために、上述の固体酸化物形燃料電池の単位構成要素(セル)を複数個、直列および並列に電気的に接続すること(スタック化)が必要となる。
燃料電池動作の際には、電池の負極側(燃料電極側)を還元雰囲気に晒し、正極側(酸化剤電極側)を酸化雰囲気に晒し、かつ十分な発電効率を得るために、電解質のイオン伝導性を確保することができ容易に酸化還元が起こる600℃以上の高温に燃料電池本体を保つ必要がある。したがって、固体酸化物形燃料電池では、互いに異なる雰囲気に晒される正極と負極間をガス不透過でかつ導電性のあるセラミックス材料もしくは金属材料からなる部品(セパレータ)で電気的に接続する必要がある。平板型の燃料電池セルに対してこのようなスタック化を行う方法には、さまざまな方法があり、実証されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2005−19268号公報 特開2005−174884号公報
このようなスタック化にあっては、数10から100枚程度のセルを接続して1つのスタックとするのであるが、この数10から100枚程度のセルのうち1つでも割れたり、出力の劣ったりするものがあると、スタック全体の特性に影響するので、スタックを組み立てる前に十分にセルの検査を行い、また組み立て工程にも細心の注意を払う必要があった。それでも、完全に良好なスタックを得ることは大変難しいという問題点があった。
また、固体酸化物形燃料電池は600℃以上の高温で動作するため、一度発電状態にすると、スタックのなかのセルを取り替えることは、非常に困難であり、たとえ取り替えることができたとしても、従来のスタック化の方法では、スタックからセルを分離する際に、セルのカソードもしくはアノードの電極面とセパレータとの間を乖離させてセルを取り替える必要があり、取替えるセル以外のセルにも取替え作業の影響による劣化があり、初期と同等の特性を得ることはきわめて難しいという問題点があった。また、セパレータとセル間の積層による圧力でセルのシールを安定化している場合もあり、セルの取替えがスタックのシール特性を激しく損なう場合もしばしば見られた。
本発明は、上記スタック構成の問題を解決するためになされたものであって、スタックの組み立て時の歩留まりを向上させることができ、スタック内のセルの交換やメンテナンスを、他のセルの発電特性やシール性能に影響を及ぼすことなく容易に行うことができるセパレータを提供することを目的とする。
本発明は、固体酸化物からなる電解質を空気極と燃料極とで狭持してなる平板型のセルを複数枚積層した平板型固体酸化物形燃料電池スタックにおいて、各セル間に積層されるセパレータが、前記セルの燃料極側の面に積層され、前記燃料極に燃料ガスを供給して発電後の燃料ガスを排出するアノードセパレータと、前記セルの空気極側の面に積層され、前記空気極に酸化剤ガスを供給して発電後の酸化剤ガスを排出するカソードセパレータとからなり、前記スタックの積層時に互いに接する前記アノードセパレータと前記カソードセパレータとの間に、燃料電池の運転温度では焼結しない導電性の粉体を成分とするセパレータ接続層を有するものである。
また、本発明の平板型固体酸化物形燃料電池のセパレータの1構成例は、前記アノードセパレータと前記カソードセパレータの各々の外周部に突起を有するものである。
本発明によれば、セパレータをアノードセパレータとカソードセパレータに分離することが可能となり、セルを挟むカソードセパレータとアノードセパレータとの間を最小単位として、他のセルの発電特性やシール性能に大きな影響を及ぼすことなく、任意のセルを取り出して交換することができる。これにより、本発明では、たとえ一度スタックとして組まれた後でも、不具合のあるセルのみをスタックから取り除いたり、取り替えたりすることが可能となり、スタックの組み立て時の歩留まりを大きく向上させることができると共に、運転中に発生したセルの破損や劣化に対しても、必要最小限の取替えで対応できるようになるため、メンテナンス性も大きく向上させることができ、スタックの性能向上、ひいてはコストダウンにまで寄与することができる。また、本発明では、各セルを比較的丈夫なアノードセパレータとカソードセパレータで挟んでユニット化して、各ユニットを積層していけばよいので、スタックの組み立ての際の作業性を著しく向上させることができる。
また、本発明では、スタックの積層時に互いに接するアノードセパレータとカソードセパレータとの間に、燃料電池の運転温度では焼結しない導電性の粉体を成分とするセパレータ接続層を設けることにより、燃料電池の運転時の高温によるアノードセパレータとカソードセパレータの焼きつきを防ぐことができ、セルの交換を容易に行うことができる。
また、本発明では、アノードセパレータとカソードセパレータの各々の外周部に突起を設けることにより、セルを挟むカソードセパレータの突起とアノードセパレータの突起との間を動かないように固定することができ、その結果、スタックの良好なセルの部分を結束して保護した上で、不良なセルを含む最小単位のみを交換することができ、スタックの性能を損なうことなくスタックの補修、改良を行うことができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す分解斜視図、図2(A)は図1の平板型固体酸化物形燃料電池スタックで用いる燃料極支持型のセルの構造を示す断面図、図2(B)は電解質支持型のセルの構造を示す断面図である。
平板型固体酸化物形燃料電池スタック1は、平板型のセル2とセパレータ3とを交互に複数枚積層して機械的に一体に結合すると共に電気的に接続することにより形成されている。なお、図1は、各々10枚のセル2とセパレータ3とを交互に積層した状態を示している。図1における11は最端部(図1の下端)のアノードを終端する負極終端セパレータ、12は最端部(図1の上端)のカソードを終端する正極終端セパレータである。
図1に示したセパレータ3には、セパレータ3に燃料を供給する燃料供給マニホールド4、燃料を排出する燃料排出マニホールド5および酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給マニホールド6がそれぞれパイプ9a,9b,9cを介して接続されている。図1に示したスタック1の構造例においては、酸化剤ガスはセパレータ間の隙間から排出される。セパレータ3の材質としては、フェライト系ステンレスなどの耐熱金属のほか、ランタンクロマイトなどのセラミックス材料を用いることができるが、コストや熱膨張係数、耐久性などからクロムを18%以上含むようなフェライト系ステンレス鋼を用いることが好ましい。
図2(A)において、燃料極を電極支持体とする燃料極支持型のセル2は、燃料極22と、この燃料極22の上に積層形成された電解質21および空気極23からなるものである。
一方、図2(B)において、電解質を電極支持体とする電解質支持型のセル2は、電解質21の基板の一方の面に燃料極22を形成し、反対側の面に空気極23を形成したものである。
電解質21の材質としては、電子を通さず、酸素イオンの導伝特性が高いセラミックス材料、例えば酸化スカンジウム(Sc23)、酸化アルミ(Al23)、アルミナ添加スカンジア安定化ジルコニア(SASZ)やイットリア(Y23)安定化ジルコニア(YSZ)などのジルコニア材料が用いられる。
空気極23の材質としては、高温酸化雰囲気下で安定で、触媒能が高く、かつ高い電子導電性を有する酸化物あるいは金属、例えば銀(Ag)や白金(Pt)、導電性酸化物であるストロンチウム添加ランタンマンガナイト((La,Sr)MnO3,LSM)やランタンニッケル鉄酸化物(La(Ni,Fe)O3,LNF)などの材料が用いられる。
燃料極22の材質としては、電子導電性を有する酸化物あるいは貴金属、例えばニッケル(Ni)−YSZサーメット、Pt等の材料が用いられる。
本実施の形態は、図1に例として示したようなスタック1の構造においてセパレータ3を、カソード(空気極23)に接続するカソードセパレータとアノード(燃料極22)に接続するアノードセパレータとに分離できるようにしたものである。
以下、図3、図4を用いてそのようなセパレータ3の機能を説明する。図3は燃料ガスG1の流れが分かるようにした、図1の平板型固体酸化物形燃料電池スタック1の断面図、図4は酸化剤ガスG2の流れが分かるようにした、図1の平板型固体酸化物形燃料電池スタック1の断面図である。言うまでもなく、図3、図4は同じ平板型固体酸化物形燃料電池スタック1の断面を切断面を変えて示すものである。
前述のとおり、セパレータ3は、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32とからなっており、これらアノードセパレータ31とカソードセパレータ32は分離面33で分離できるようになっている。
セル2は、アノードとアノードセパレータ31とが接するようにアノードセパレータ31の上に搭載され、セル2の上にカソードセパレータ32が積層される。このとき、燃料ガスG1が漏れることを防止するために、セル2とアノードセパレータ31との間にはセルセパレータシール部34が設けられている。なお、図3、図4の例では、燃料極支持型のセル2を用いているが、電解質支持型のセル2を用いてもよいことは言うまでもない。
例えば金属からなる管状の燃料供給マニホールド4は、パイプ9aを介してアノードセパレータ31と接続される。燃料供給マニホールド4は、管状もしくは円環状の絶縁リング7と交互に積層され、アノードセパレータ31と接するセル2の燃料極に燃料ガスG1を供給するパイプを構成している。また、燃料供給マニホールド4と絶縁リング7との接続部から燃料ガスG1が漏れることを防止するために、燃料供給マニホールド4と絶縁リング7との接続部はシールリング8によって覆われている。
アノードセパレータ31には、パイプ9aと連通する流路10aが形成されている。燃料ガスG1は、燃料供給マニホールド4からパイプ9aを通って流路10aに流入し、セル2の燃料極に供給される。
同様に、例えば金属からなる管状の燃料排出マニホールド5は、パイプ9bを介してアノードセパレータ31と接続される。燃料排出マニホールド5は、絶縁リング7と交互に積層され、発電後の燃料ガスG1を排出するパイプを構成している。燃料排出マニホールド5と絶縁リング7との接続部から燃料ガスG1が漏れることを防止するために、燃料排出マニホールド5と絶縁リング7との接続部はシールリング8によって覆われている。
アノードセパレータ31には、パイプ9bと連通する流路10bが形成されている。発電後の燃料ガスG1は、この流路10bからパイプ9bを通って燃料排出マニホールド5に排出される。
例えば金属からなる管状の酸化剤ガス供給マニホールド6は、パイプ9cを介してカソードセパレータ32と接続される。この酸化剤ガス供給マニホールド6は、絶縁リング7と交互に積層され、カソードセパレータ32と接するセル2の空気極に酸化剤ガスG2を供給する。カソードセパレータ32には、パイプ9cと連通する流路10cが形成されている。酸化剤ガスG2は、酸化剤ガス供給マニホールド6からパイプ9cを通って流路10cに流入し、セル2の空気極に供給される。
なお、絶縁リング7を使用する理由は、燃料供給マニホールド4、燃料排出マニホールド5及び酸化剤ガス供給マニホールド6が、セル同士を接続する電気的な経路とならないように、各マニホールドを絶縁するためである。
また、図4の例では、発電後の酸化剤ガスG2をカソードセパレータ32の外周部から排出するため、酸化剤ガス排出マニホールドを使用していないが、酸化剤ガスG2もマニホールドを通じて排出する場合には、他のマニホールドと同様に酸化剤ガス排出マニホールドをカソードセパレータ32に接続すればよい。
以上のように、平板型固体酸化物形燃料電池セルを積層する際に用いるセパレータ3をアノードに接続するアノードセパレータ31とカソードに接続するカソードセパレータ32とに分離できるようにすると、例えば一度組み上げたスタック1を分解する際に、セル2のカソードとセパレータ3との間、あるいはセル2のアノードとセパレータ3との間を分離できるだけでなく、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32との間でも分離が可能になる。
図5(A)、図5(B)はスタック1からセル2を取り出す際の最小単位を示す断面図であり、図5(A)は図3と同じ切断面で最小単位を切断した場合の断面図、図5(B)は図4と同じ切断面で最小単位を切断した場合の断面図である。図3、図4で説明したようなアノードセパレータ31とカソードセパレータ32を用いることで、セパレータ3の分離面33によってセパレータ3を分離することが可能となり、図5(A)、図5(B)に示すようにセル2を挟むカソードセパレータ32とアノードセパレータ31との間を最小単位として、スタック1から任意のセル2を取り出すことが可能になる。
このように、本実施の形態では、任意のセル2を交換したとしても、他の最小単位のセル2については、アノードとアノードセパレータ31の間やカソードとカソードセパレータ32の間に何らの影響も与えないので、これらのセル2の発電特性が損なわれることはない。さらに、セル2のシールも通常は最小単位の中で行われるため、シール性能に影響を与えることもない。したがって、交換の必要がない他のセル2の発電特性やシール性能に影響を及ぼすことなく、任意のセル2を交換することができる。
また、本実施の形態では、各セル2を比較的丈夫なアノードセパレータ31とカソードセパレータ32で挟んでユニット化して、各ユニットを積層していけばよいので、スタック1の組み立ての際の作業性を著しく向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は本発明の第2の実施の形態に係る平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す断面図である。本実施の形態においても、スタック全体の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態は、第1の実施の形態のアノードセパレータ31とカソードセパレータ32との間に、導電性の粉体をセパレータ接続層41として設けたものである。
セパレータ接続層41の材質としては、導電性のセラミックス粉末、白金やルテニウム、あるいは白金やルテニウムとセラミックスとの混合物が用いられる。
セパレータ接続層41の材質としてセラミックス粉末を用いる場合、このセラミックス粉末は電気伝導度が高く、かつ燃料電池の動作温度である、600℃から1000℃の温度では容易に焼結が進まないものが好ましい。
このような条件を満たす導電性酸化物としては、ストロンチウム添加ランタンマンガナイト((La,Sr)MnO3,LSM)やランタンニッケル鉄酸化物(La(Ni,Fe)O3,LNF)、ストロンチウム添加ランタンコバルタイト((La,Sr)CoO3)、ストロンチウム添加ランタンコバルト鉄酸化物((La,Sr)(Co,Fe)O3)などの材料を用いることができる。これらの材料はセル2の空気極23としても用いられるが、セパレータ接続層41に用いる場合には熱膨張係数に関する制約が緩いので、選択の範囲が広くなる。
セパレータ接続層41を構成する粉体は、粒径が小さくなり過ぎると、燃料電池の運転温度で焼結が進み易くなり、また粒径が大きくなり過ぎると、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32の接続抵抗が増すことになる。したがって、粉体の粒径は、セラミックスを用いる場合、平均粒径1μm程度が最も好ましく、最大で高々10μm程度であることが好ましい。
アノードセパレータ31とカソードセパレータ32との間にセパレータ接続層41を設ける方法としては、一般的なコーティングの手法を用いることができる。例えばセラミックス粉末を有機バインダーと混合してペースト化したものをセパレータの分離面33に塗布する方法や、分離面33にセラミックス粉末を溶射する方法、あらかじめセラミックス粉末を有機バインダーと共にシート化して挟み込む方法など様々な方法を用いることができる。
セパレータ接続層41は、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32の接続抵抗を考慮すると、薄い方が好ましい。セパレータ接続層41の厚さの下限値は粉体の粒径で決まることは言うまでもない。一方、厚さの上限値は、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32の接続抵抗を考慮して10μm程度以下であることが好ましい。
前述のとおり、スタック1は600℃以上の高温で運転されるが、セパレータ3の材質としてフェライト系ステンレス鋼などの耐熱金属を用いる場合、第1の実施の形態のようにセパレータ3を単にアノードセパレータ31とカソードセパレータ32に分離できるようにするだけでは、運転につれてアノードセパレータ31とカソードセパレータ32が焼きついて分離できなくなる可能性がある。
これに対して、本実施の形態では、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32との間に、燃料電池の運転温度では焼結しない導電性の粉体をセパレータ接続層41として設けることにより、高温での発電後であっても、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32が焼きついて分離しなくなることを防ぐことができ、セル2の交換を容易に行えるようになる。さらに、セル2を交換した後の再組み立ての際にもセパレータ接続層41を塗布することによって、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32の接続の抵抗を低減することができ、簡便に高性能のスタックを得ることが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図7は本発明の第3の実施の形態に係る平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す断面図であり、図7(A)は図3と同じ切断面で最小単位を切断した場合の断面図、図7(B)は図4と同じ切断面で最小単位を切断した場合の断面図である。本実施の形態においても、スタック全体の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態は、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32の各々の外周部に結束用突起61,62を設けたものである。
この結束用突起61,62は、アノードセパレータ31やカソードセパレータ32と一体成形してもよいし、別の部品として用意して、アノードセパレータ31やカソードセパレータ32に取り付けるようにしてもよい。結束用突起61,62は、一様な太さではなく、後述のように針金やゴム紐などを結び付け易いように太さに変化がついていることが好ましい。図7(A)、図7(B)の例では、結束用突起61,62の先端部を球状にすることにより、針金やゴム紐が外れることを防止できる。
図8に結束用突起61,62の配置例を示す。結束用突起61,62は、例えば120度の間隔で3箇所ずつ設けることが望ましい。
以上のように、本実施の形態では、アノードセパレータ31とカソードセパレータ32の各々の外周部に結束用突起61,62を設けることにより、スタック1の分解やセル2の交換の必要が生じた際に、交換の必要のない最小単位については、その最小単位のセル2を挟むカソードセパレータ32の結束用突起62とアノードセパレータ31の結束用突起61とを針金やゴムひもなどを用いて結び付けることができる。
これにより、セル2のカソードとカソードセパレータ32との間や、セル2のアノードとアノードセパレータ31との間、あるいはセルセパレータシール部34などが動いたりずれたりすることを防ぐことができる。その結果、スタック1の良好なセルの部分を結束して保護した上で、不良なセル2を含む最小単位のみを交換することを可能とし、交換したい箇所以外のセルの破壊や劣化を防止して、スタック1の性能を損なうことなくスタック1の補修、改良を行うことができる。
なお、本実施の形態では、セルの結束方法として、カソードセパレータ32の結束用突起62とアノードセパレータ31の結束用突起61とを針金やゴムひもなどを用いて結び付ける方法を挙げたが、結束用突起61,62にそれぞれボルト締めのためのねじ孔を設け、結束用突起61と62との間をボルトで固定することにより、スタック1の良好なセルの部分を結束するようにしてもよい。
以上、図1〜図8に示した平板型固体酸化物形燃料電池のスタック構造に基づいて本発明を説明したが、本発明は図1〜図8に示した平板型固体酸化物形燃料電池のスタック構造に限定されるものではなく、あらゆる構造の平板型固体酸化物形燃料電池のスタックに対して適用できる。
本発明は、平板型固体酸化物形燃料電池に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す分解斜視図である。 図1の平板型固体酸化物形燃料電池スタックで用いる燃料極支持型および電解質支持型のセルの構造を示す断面図である。 図1の平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す断面図である。 図1の平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す別の断面図である。 本発明の第1の実施の形態においてスタックからセルを取り出す際の最小単位を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る平板型固体酸化物形燃料電池スタックの構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態における結束用突起の配置例を示す斜視図である。
符号の説明
1…平板型固体酸化物形燃料電池スタック、2…セル、3…セパレータ、4…燃料供給マニホールド、5…燃料排出マニホールド、6…酸化剤ガス供給マニホールド、7…絶縁リング、8…シールリング、9a,9b,9c…パイプ、10a,10b,10c…流路、11…負極終端セパレータ、12…正極終端セパレータ、21…電解質、22…燃料極、23…空気極、31…アノードセパレータ、32…カソードセパレータ、33…分割面、34…セルセパレータシール部、41…セパレータ接続層、61,62…結束用突起。

Claims (2)

  1. 固体酸化物からなる電解質を空気極と燃料極とで狭持してなる平板型のセルを複数枚積層した平板型固体酸化物形燃料電池スタックにおいて、各セル間に積層されるセパレータであって、
    前記セルの燃料極側の面に積層され、前記燃料極に燃料ガスを供給して発電後の燃料ガスを排出するアノードセパレータと、
    前記セルの空気極側の面に積層され、前記空気極に酸化剤ガスを供給して発電後の酸化剤ガスを排出するカソードセパレータとからなり、
    前記スタックの積層時に互いに接する前記アノードセパレータと前記カソードセパレータとの間に、燃料電池の運転温度では焼結しない導電性の粉体を成分とするセパレータ接続層を有することを特徴とする平板型固体酸化物形燃料電池のセパレータ。
  2. 請求項記載の平板型固体酸化物形燃料電池のセパレータにおいて、
    前記アノードセパレータと前記カソードセパレータの各々の外周部に突起を有することを特徴とする平板型固体酸化物形燃料電池のセパレータ。
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