JP4165688B2 - 電気化学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池は、いわゆる平板型と円筒型とに大別される。平板型の固体電解質型燃料電池においては、いわゆるセパレータと発電層とを交互に積層することにより、発電用のスタックを構成する。平板型の単電池を積層して集合電池を形成する場合には、還元性ガスと酸化性ガスとを分離するのに適した構造が必要である。また、単電池、ガスマニホールド、およびセパレータ(インターコネクター)の各材料の間の熱応力を低減することが必要である。
【0003】
特開平6−290798号公報に記載の固体電解質型燃料電池においては、円環形状(リング状)のセラミックス製単電池を複数積層し、集合電池を形成している。そして、各単電池をそれぞれ金属製の各セパレータによって保持する。このセパレータは、円板形状のガスマニホールドと、このガスマニホールドを包囲するフランジ部とを備えている。ガスマニホールドには、酸化性ガス用の貫通孔と還元性ガス用の貫通孔との2つを設けてある。また、フランジ部には、酸化性ガス用の溝と還元性ガス用の溝とを設ける。そして、上下に隣接する単電池の間にフランジ部を介在させる。ガスマニホールド部の酸化性ガス用貫通孔から酸化性ガスを供給すると、酸化性ガスはフランジ部の溝を流れ、単電池の空気極に接触する。また、ガスマニホールド部の還元性ガス用貫通孔から還元性ガスを供給すると、還元性ガスはフランジ部の溝を流れ、単電池の燃料極に接触し、発電が行われる。隣接するセパレータの間には絶縁板を挟み、セパレータ間の短絡が生じないようにする。
【0004】
また、従来の平板型固体電解質燃料電池では、ガスシール部分がセルの外周部に位置している。例えば、特開平6−290798号公報の図12には、平板型の固体電解質型燃料電池の分解斜視図が示されている。これによると、セラミックス製の固体電解質板、燃料極および空気極によって平板状の単電池を製造する。そして、このセラミックス製の単電池とセラミックス製のセパレータ板とを交互に積層することによって、スタックを構成する。この際、酸化性ガスを流すための溝と還元性ガスを流すための溝とが、立体的に直角方向に交差するようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−290798号公報に記載の固体電解質型燃料電池においては、例えば酸化性ガスをガス通路に流した時に、酸化性ガス中の酸素の利用率をある程度以上向上させることが困難であり、このために電気化学セルの稼働効率にも限界があった。
【0006】
本発明の課題は、一方の電極、他方の電極および固体電解質体を備えている電気化学セル、および電気化学セルの一方の電極と電気的に接続されているインターコネクターを備えている電気化学装置において、ガス中の有効成分の利用率を向上させ、あるいは電極内へのガスの取り込みを促進し、これによってセルの稼働効率を向上させ得るような構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一方の電極、他方の電極および一方の電極と他方の電極との間に介在する固体電解質体を備えている電気化学セルと、電気化学セルの一方の電極と電気的に接続されているインターコネクターとを備えている電気化学装置であって、インターコネクターと一方の電極との間にガス通路が設けられており、ガス通路にインターコネクターと一方の電極とを電気的に接続する導電体が設けられており、一方の電極が、板状の本体部分と、本体部分のガス通路側の表面に設けられた突起とを備えており、この突起とインターコネクターとの間にガス通路が介在しており、導電体がインターコネクターおよび一方の電極に接触することを特徴とする。
【0008】
本発明者は、電気化学装置中のガス通路を流れる有効成分の利用効率を向上させるための検討を行った。例えば酸化性ガス通路を酸化性ガスが流れるときには、流速が大きいと酸化性ガス中の酸素が利用されずに通過するので、酸素の利用効率が低下する。従って、酸素の利用効率を高くするためには、ガスの流速を小さくすることが必要と考えられる。しかし、ガス通路におけるガスの流速が小さくなると、電極内へのガス取込量が不足するか及び又は、ガス中の酸素が空間的に見て均一に利用されなくなり、酸素含有量が多い領域と少ない領域とに分かれると考えられる。例えば空気極表面においては酸素が欠乏し、空気極表面から離れた場所では酸素の欠乏はなく、全体としての酸素利用効率が低下する。以上のような理由から、電極内へのガスの取込不足及び又は、ガス中の有効成分の利用効率の向上には限界があった。
【0009】
本発明者は、インターコネクターと一方の電極との間に一方のガス通路を設け、両者を接続する導電体をこのガス通路に設置した場合に、一方の電極の一方のガス通路側の表面に突起を設けることを想到した。このような突起は、ガス通路中のガスの流速を低くした状態でも、電極内へのガスの取込をよくする及び又は、電極の表面近くの有効成分の分布を減少させるように働き、これによってガス中の有効成分のセルによる利用効率の向上に寄与し、セルの稼働効率の改善をもたらすことを発見し、本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の利点および作用効果、更には好適な実施形態について、図面を参照しつつ更に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る電気化学セル9を示す断面図であり、図2は、一方の電極11の表面を示す平面図である。電気化学セル9は、例えば一方の電極11、固体電解質層12、他方の電極13の三層構造からなる。図2に示すように、このセル9は、貫通孔9aの設けられた略円形をなしている。一方の電極11は、平板状の本体部分11aを備えている。本体部分11aの表面11eには、例えば同心円状に配置された複数のリング状突起11bが形成されており、隣接する突起11bの間には、リング状の細長い溝11cが形成されている。
【0012】
図3の電極21の本体部分21aの表面21eには、多数の細長い突起21bが形成されている。各突起21bは、周方向へと向かって配列されていると共に、径方向へと向かって配列されている。これによって、突起21bの間に、周方向に伸びる溝21cおよび径方向に伸びる溝21dが形成されている。
【0013】
図4においては、電極22の本体部分22aの表面22eには、矩形の突起22bが多数規則的に碁盤目状に配列されており、突起22bの間に溝22cが形成されている。図5においては、電極23の本体部分23aの表面23eには、円形の突起23bが多数規則的に碁盤目状に配列されており、突起23bの間に溝23cが形成されている。
【0014】
図6においては、電極24の本体部分24aの表面24eには、細長い真っ直ぐなストライプ状突起24bが、互いに平行に形成されている。隣接するストライプ状突起24bの間には、細長い真っ直ぐな溝24cが形成されている。
【0015】
次に、図1〜図6に例示したような電気化学セルを好適に利用可能な電気化学装置について例示する。図7〜図11はこの実施形態の電気化学装置に関するものである。
【0016】
図7は、保持部材1を概略的に示す断面図である。図8(a)は、保持部材1を主面5側から見た平面図であり、図8(b)は、保持部材1を主面6側から見た平面図である。
【0017】
保持部材1は、相対的に径の大きい本体部分1aと、相対的に径の小さい突出部1bとを備えている。本体部分1aおよび突出部1bを貫通するように、主面5と6との間に一対の貫通孔2A、2Bが形成されている。貫通孔2Aは一方のガス用の供給孔であり、貫通孔2Bは他方のガス用の供給孔である。5、6は、後述するように、隣接するインターコネクターとのシール面である。1c、4は、後述するように、電気化学セルとの間のシール面である。
【0018】
図9に示すように、電気化学セル9の貫通孔9a内に突出部1bが挿通されている。突出部1bの外周面4と電気化学セル9との間にはシール材10Bが介在している。電気化学セル9の一方の主面9bと本体部分1aのフランジ部のシール面1cとの間にはシール材10Aが介在している。
【0019】
本体部分1aの主面5側には、一方のガス流路7が形成されており、突出部1bの主面6側には、他方のガス流路8が形成されている。流路7は、図8(a)に示すように主面5側に形成された溝であり、一方の供給孔2Aに連通している。流路8は、図8(b)に示すように主面6側に形成された溝であり、他方の供給孔2Bに連通している。
【0020】
図10は、図9の保持構造20に対して、平板形状のインターコネクター15を積層した状態を示す断面図である。また、図11は、図10に示す保持構造20およびインターコネクター15を積層することによって得られた電気化学装置を示す概略断面図である。ただし、図11においては、紙面の制約から電気化学セル3層およびインターコネクター3層のみを図示したが、電気化学セルおよびインターコネクターの個数は自由に変更できる。
【0021】
本例では、インターコネクター15は平板形状であり、金属等の導電性材料からなっている。インターコネクター15には、貫通孔2A、2Bと適合する位置に一対の貫通孔16A、16Bが形成されている。インターコネクター15の主面15aは、保持部材1のシール面5に対してシール材17を介して矢印A方向に加圧され、シールされている。インターコネクター15の主面15bは、保持部材1の平坦なシール面6に対して、シール材17を介して矢印A方向に加圧され、シールされている。
【0022】
一方のガス通路28内には導電体27が設置されている。導電体27は、インターコネクター15および一方の電極11に接触し、両者の間を電気的に接続している。また、他方のガス通路29内にも導電体27が設置されており、導電体27は、インターコネクター15および他方の電極13に接触し、両者の間を電気的に接続している。
【0023】
複数のガス供給孔2Aおよび16Aは連通し、電気化学装置の全体にわたるガス供給孔21Aを形成している。複数のガス供給孔2Bおよび16Bは連通し、電気化学装置の全体にわたるガス供給孔21Bを形成している。ガス供給孔21Aに対して矢印Bのように一方のガスを供給すると、このガスは矢印Cのように、ガス流路7を主面9bと略平行に流れ、一方のガス通路28に流入し、電気化学反応に寄与する。ガス供給孔21Bに対して矢印Dのように他方のガスを供給すると、このガスは矢印Eのように、ガス通路8を主面9bと略平行に流れ、他方のガス通路29に流入し、電気化学反応に寄与する。
【0024】
本例によれば、例えば図10に示すように、ガス通路28中のガスの流速を低くした状態でも、突起11bによって電極内へのガスの取込が良くなる及び又は、ガスが混合される作用があり、表面11e近くの有効成分の分布を減少させるように働く。これによってガス中の有効成分のセルによる利用効率が向上し、セルの稼働効率の改善がもたらされる。
【0025】
好適な実施形態においては、突起の高さが10μm以上であり、これによって電極内へのガスの取込が良くなる及び又は、ガス中の有効成分の分布を減少させる効果が顕著となる。この観点からは、突起の高さを10μm以上とすることが更に好ましい。また、突起の高さが高くなると、突起の直下の領域においては表面から反応点までのガス拡散距離が長くなるため、必要なガス量の供給が妨げられ電極が効率的に利用されなくなり、セルの稼働効率が低下するおそれがある。このため、セルの稼働効率向上の観点からは、突起の高さを100μm以下とすることが好ましく、50μm以下とすることが更に好ましい。
【0026】
突起の形成方法は特に限定されない。しかし、電極膜表面に印刷法によって成膜されていることが好ましく、スクリーン印刷法によって成膜されていることが特に好ましい。スクリーン印刷法によれば、上述したような厚さの突起を、マスクを使用して、正確な平面的パターンに従って形成可能である。
【0027】
突起とその下地の電極板状部とは、セラミック組織的に見て連続していることが好ましく、両者の間には実質的に界面が見られないことが好ましい。電極板状部および突起をスクリーン印刷法によって連続的に形成することで、両者が連続的なセラミックス組織を持つようにできる。
【0028】
電極上に突起および凹部ないし溝を形成するためにスクリーン印刷を行う際には、以下のようなペースト原料を使用することが好ましい。
(セラミックスの種類) 好適なセラミックスの種類は、後述する各電極に好適なセラミックスと同じである。
(セラミック粉末の好適な粒径)平均粒径で10μm以下
(好適なバインダー)アクリル樹脂、エチルセルローズ、アルキルアセタール化ポリビニールアルコール等
(好適な溶剤)エチルカービトール、ブチルカービトール、テルピネオール、カービトールアセテート等
【0029】
また、スクリーンとしては、ナイロン、ポリエステル、テトロン、ステンレススチールを使用することが好ましい。
【0030】
電気化学セルの形態は特に限定されない。しかし、電気化学セルが、貫通孔を有する板状のセラミックス製の電気化学セルである場合には、例えば前述したような方法によって容易に集合化可能である。
【0031】
好適な実施形態においては、電気化学装置が、電気化学セルを保持する保持部材を備えている。この保持部材は、例えば図8〜図11に示すものであり、セラミックスからなり、平板状の本体部分、およびこの本体部分から突出し、貫通孔に挿通されるべき突出部を備えており、一方のガスを供給するための一方の供給孔と他方のガスを供給するための他方の供給孔とが設けられており、本体部分に、突出部を貫通孔に挿通した状態で一方の電極の表面に対するシール面が設けられている。
【0032】
セラミックス製の保持部材1によって各電気化学セル9を保持すると、本体部分と電気化学セルとが共にセラミックスであるので、保持部材が金属製の場合と比較して熱膨張差が少ない。したがって、電気化学セルと保持部材との熱膨張差による応力に基づく悪影響が及びにくく、電気化学セルとシール部分からのガスリークが長期間にわたって発生しにくい。また、インターコネクタのシール部分が中央部の保持部材にあり、セル外周部が固定されていないため、セルに発生した熱応力を外周方向に逃がすことができ、セル内部にクラックが発生しにくい。
【0033】
図10、図11においては、隣接する電気化学セル9を接続する導電体27は、エンボス加工された網である。しかし、導電体は、通気性の導電性部材であれば限定されず、フェルト、メッシュ、針状体、スポンジ状物であってよい。導電体の材質は、ニッケル、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ステンレスなどの鉄基合金を例示できる。
【0034】
特に好適な実施形態においては、導電体が、通気孔の設けられた板状体である。こうした板状体は、網、パンチングメタル、エッチングメタルを例示できる。
【0035】
好適な実施形態においては、一方のガスが酸化性ガスであり、他方のガスが還元性ガスである。
【0036】
酸化性ガスは、酸素イオンを固体電解質膜へと供給可能なガスであれば特に限定されないが、空気、希釈空気、酸素、希釈酸素が挙げられる。
【0037】
還元性ガスとしては、H2、CO, CH4 とこれらの混合ガスを例示できる。
【0038】
本発明が対象とする電気化学セルは、電気化学反応を生じさせるためのセル一般を意味している。
【0039】
例えば、電気化学セルは、酸素ポンプ、高温水蒸気電解セルとして使用できる。高温水蒸気電解セルは、水素の製造装置に使用でき、また水蒸気の除去装置に使用できる。また、電気化学セルを、NOx、SOxの分解セルとして使用できる。この分解セルは、自動車、発電装置からの排ガスの浄化装置として使用できる。この場合には、固体電解質膜を通して排ガス中の酸素を除去するのと共に、NOxを電解してNとO とに分解し、この分解によって生成した酸素をも除去できる。また、このプロセスと共に、排ガス中の水蒸気が電解されて水素と酸素とを生じ、この水素がNOxをNへと還元する。また、好適な実施形態では、電気化学セルが、固体電解質型燃料電池である。
【0040】
固体電解質体の材質は特に限定されず、あらゆる酸素イオン伝導体を利用できる。例えば、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアであってよく、NOx分解セルの場合には、酸化セリウムも好ましい。
【0041】
一方の電極、他方の電極は、それぞれ、陽極または陰極であってよい。
【0042】
陽極の材質は、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又はランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ランタンマンガナイトが一層好ましい。ランタンコバルタイト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト(ランタンマンガナイトの場合)、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。また、パラジウム、白金、ルテニウム、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ルテニウム−ジルコニアサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム−酸化セリウムサーメットであってもよい。
【0043】
陰極の材質としては、ニッケル、パラジウム、白金、ニッケル−ジルコニアサーメット、白金−ジルコニアサーメット、パラジウム−ジルコニアサーメット、ニッケル−酸化セリウムサーメット、白金−酸化セリウムサーメット、パラジウム−酸化セリウムサーメット、ルテニウム、ルテニウム−ジルコニアサーメット等が好ましい。
【0044】
インターコネクターの材質は、例えば、ニッケル、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ステンレスなどの鉄基合金がある。
【0045】
保持部材を形成するセラミックスの種類は特に限定されない。ただし、保持部材を導電性セラミックスによって形成すると、保持部材によって、セルの陽極と陰極とが短絡するおそれがあるので、このセラミックスは絶縁性であることが好ましい。また、酸化性ガスおよび還元性ガスを使用する場合には、セルの作動温度で酸化性ガスおよび還元性ガスに耐性の材質が好ましい。この観点からは、マグネシア−アルミナスピネル、ジルコニアが好ましい。また、好ましくはセルと熱膨張係数が同等のセラミックスが好ましく、陰極にNi-YSZサーメットを用いる場合には、MgO/AlO = 1 〜2.3(重量比) のマグネシア−アルミナスピネルが望ましい。
【0046】
セルと保持部材間のシール材の材質は特に限定されないが、やはりセルの作動温度で酸化性ガスまたは還元性ガスに対して耐性のある材質が好ましく、またセルと熱膨張が近い材質が好ましい。この観点からは、ガラスシールが好ましい。インターコネクターと保持部材間は、ガスケットなどでメカニカルシールを行うことが好ましい。
【0047】
電気化学セルの形態は特に限定されない。電気化学セルは、上述の例では、2つの電極と固体電解質層との3層を有している。しかし、電気化学セルは、電極および固体電解質層以外に、多孔質支持板を備えていてよい。
【0048】
【実施例】
(固体電解質燃料電池用のセルの作製)
(燃料極基板の作製)
酸化ニッケル粉末と8mol%イットリア安定化ジルコニア粉末とに対して、有機バインダーおよび水を添加してボールミル中で湿式混合し、混合物を乾燥し、造粒した。この造粒粉末を金型を用いてプレス成形し、1400℃で2時間焼成した。この焼成体を厚さ1mm に加工し、燃料極基板とした。
【0049】
(固体電解質膜の形成)
プラズマ溶射法で平均粒径20μmの8mol%イットリア安定化ジルコニア溶射粉末を出力40kwのプラズマ炎中に投入し、前記燃料極基板上に厚さ50μmの固体電解質膜を成膜した。その後、1350℃で2 時間熱処理をし、電解質膜の緻密化をした。
【0050】
(空気極の形成)
平均粒径3μmのランタンマンガナイト粉末100重量部と、エチルセルローズ3重量部と、テルピネオール30重量部とをアルミナ乳鉢で混合し、ペースト化した。こうして得た混練物をスクリーン印刷機で厚さ30μm塗布し、成膜した。
【0051】
次いで、比較例1(表1)においては、空気極上に突起を形成しなかった。一方、表1、表2に示すように、本発明例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10においては、上述のペーストを使用し、スクリーン印刷機を用いて、後述のような各パターンの突起を形成した。なお、高さの高い突起は重ね塗りをした。得られた空気極層を乾燥し、最高温度1250℃で1時間焼成し、空気極を形成した。
【0052】
ただし、本発明例1、2、3においては、図2に示すパターンのリング状突起11bおよびリング状溝11cを形成した。突起の高さ、幅、突起間の間隔は表1に示す。なお、表1、表2に示す各数値は、空気極の焼成後の数値である。本発明例4においては、図3に示すパターンの突起21bを形成した。各突起21bの高さ、幅、および径方向の間隔は表1に示す。突起の周方向の間隔は5mmである。本発明例5、6、7、8、9においては、図4、図5に示すパターンの突起22b、23bを形成した。本発明例10においては、図6に示すようなストライプ状の突起24bを形成した。各突起24bの幅は2mmであり、突起間の間隔は3mmであり、高さは0.03mmである。
【0053】
(導電体の作製)
100メッシュのステンレス金網を直径3mm のポンチ治具で深絞り加工をして導電体27を得た。
【0054】
(発電試験)
発電装置内に各電気化学セルとインターコネクターとを設置し、荷重を加え、電気炉内にセットした。還元側にアルゴンガスを流し、酸化側に空気を流しながら800 ℃に昇温後、還元側を水素に置換した。空気を1L/min、水素を1L/min流しながら、電流・電圧特性を測定した。得られた出力を表1、表2に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0004165688
【0056】
【表2】
Figure 0004165688
【0057】
以上の結果からわかるように、同じ条件で発電したときに、本発明例1−7においては、比較例に比べて高い出力が得られた。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電気化学装置によれば、電極内へのガスの取り込みが促進され、あるいは、ガス中の有効成分の利用率が向上し、これによってセルの稼働効率を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気化学セル9を示す断面図である。
【図2】一方の電極11の表面形態の一例を示す平面図である。
【図3】一方の電極21の表面形態の一例を示す平面図である。
【図4】一方の電極22の表面形態の一例を示す平面図である。
【図5】一方の電極23の表面形態の一例を示す平面図である。
【図6】一方の電極24の表面形態の一例を示す平面図である。
【図7】保持部材1の断面図である。
【図8】(a)は、保持部材1を主面5側から見た平面図であり、(b)は、保持部材1を主面6側から見た平面図である。
【図9】保持部材1に電気化学セル9を保持して得られた保持構造20を示す断面図である。
【図10】図9の保持構造20とインターコネクター15とを積層した状態を示す断面図である。
【図11】複数の保持構造20およびインターコネクター15を積層して得られた集合セルを示す。
【符号の説明】
1 保持部材 1a 本体部分 1b 突出部
1c シール面 2A 一方の供給孔 2B 他方の供給孔
4 シール面 5 本体部分1a側の主面(インターコネクター15に対するシール面) 6 突出部1b側の主面(インターコネクター15に対するシール面) 9 電気化学セル 9a 貫通孔
9b 電気化学セルの一方の主面 11、21、22、23、24 一方の電極 11a、21a、22a、23a、24a 電極の本体部分
11b、21b、22b、23b、24b 突起 11c、21c、21d、22c、23c 凹部 11e、21e、22e、23e、24e 本体部分の表面 12 固体電解質層 13 他方の電極
15 インターコネクター 15a、15b インターコネクターの主面 20 保持構造 21A、21B ガス供給孔 27 導電体 28 一方のガス通路 29 他方のガス通路

Claims (7)

  1. 一方の電極、他方の電極および前記一方の電極と前記他方の電極との間に介在する固体電解質体を備えている電気化学セルと、前記電気化学セルの前記一方の電極と電気的に接続されているインターコネクターとを備えている電気化学装置であって、
    前記インターコネクターと前記一方の電極との間にガス通路が設けられており、前記ガス通路に前記インターコネクターと前記一方の電極とを電気的に接続する導電体が設けられており、前記一方の電極が、板状の本体部分と、前記本体部分の前記ガス通路側の表面に設けられた突起とを備えており、この突起と前記インターコネクターとの間に前記ガス通路が介在しており、前記導電体が前記インターコネクターおよび前記一方の電極に接触する、電気化学装置。
  2. 前記突起の高さが10μm以上、100μm以下であることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 前記突起が印刷法によって成膜されていることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
  4. 前記一方の電極の表面において前記突起によって細長い溝が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  5. 前記電気化学セルが、貫通孔を有する板状のセラミックス製の電気化学セルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  6. 前記電気化学セルを保持する保持部材を備えており、この保持部材が、セラミックスからなり、平板状の本体部分、およびこの本体部分から突出し、前記貫通孔に挿通されるべき突出部を備えており、一方のガスを供給するための一方の供給孔と他方のガスを供給するための他方の供給孔とが前記本体部分および前記突出部を貫通するように前記保持部材に設けられており、前記本体部分に、前記突出部を前記貫通孔に挿通した状態で前記一方の電極の表面に対してシールするシール面が設けられていることを特徴とする、請求項5記載の装置。
  7. 前記導電体が、通気孔の設けられた板状体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の装置。
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