JP2008010157A - 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにそれを備えた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにそれを備えた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程が簡単で、工業的に有利で、放電容量の大きな非水電解質二次電池用正極活物質を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池用正極活物質に、化学式HLiCo1−a−b−cNiMn(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、0<x≦1、0<y≦1、0<x+y≦2、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表されるプロトン含有遷移金属酸化物を用いる。また、化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させることによって、このプロトン含有遷移金属酸化物を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質としてのプロトン含有遷移金属酸化物およびその製造方法、ならびにそのプロトン含有遷移金属酸化物を備えた非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯電話およびデジタルカメラなどの電子機器の電源として、小形で軽量なリチウムイオン二次電池が広く用いられている。このような電子機器の多機能化は著しく進み、現在、使用されているコバルト酸リチウム/炭素材料系、マンガン酸リチウム/炭素材料系およびニッケル酸リチウム/炭素材料系などのリチウムイオン二次電池に代わる高エネルギー密度の電池が期待されている。
そのなかでも、ニッケル酸リチウムは、コバルト酸リチウムと同じ結晶構造の層状化合物であり、エッジを共有しているNiO八面体の層間にリチウムが挿入されている。ニッケル酸リチウムは上記正極活物質の中で最も高い放電容量を示しており、高容量活物質としての期待が高い。
ニッケル酸リチウムの製造方法は、ニッケル源としてNi(NO)、Ni(OH)、NiCOまたはNiOなどを、リチウム源としてLiOH、LiNO、LiCO、LiOなどを使用し、両者を混合したのち酸素気流中で約600〜900℃の熱処理をおこなうことが一般的であるが、固相焼成法ではない製造方法も検討されている。
特許文献1には、低温合成法のひとつして、オキシ水酸化ニッケルとリチウムイオンを含有する溶液とを反応させるニッケル酸リチウムの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、化学式HLiMO(ただし、0≦x≦2、0≦y≦2、1≦x+y≦2、MはCo、Niの中から選択される1種または2種の遷移金属)で表される化合物を、リチウムイオンを含有する溶液中で化学的に酸化するLiMOの製造方法が開示されている。しかし、特許文献1および特許文献2に記載の正極活物質は、いずれもNiとCoとMnとを同時に含むものではない。
また、特許文献3には、イオン交換による一般式AMO(ただし、0≦x≦2、0≦y≦2、1.5≦z≦3、M=Mn、Fe、Ni、Co、V、CrまたはSc、AおよびBはH、Li、Na、K、Cs、Ca、MgおよびRbならびにこれらの混合物よりなる元素)で表される活物質の、低温イオン交換法による合成法が開示されている。しかし、得られた正極活物質としてはLiMnOおよびLiMnが例示されているにすぎない。
さらに、特許文献4には、一般式H1-xMO(ただし、x=0.99〜0、Aは1a族のアルカリ金属、M=Co、Ni)の製造方法が開示されているが、HLi1-xCoOおよびHLi1-xNiOのみが記載されており、NiとCoとMnとを同時に含むものは例示されていない。
また、非水系二次電池の正極活物質としてオキシ水酸化ニッケルを利用する試みがあり、特許文献5にはNiOOHLiが開示され、特許文献6には、20〜75モル%のコバルトを含むオキシ水酸化ニッケルが開示されている。さらに、特許文献7には、10モル%のコバルトを含むオキシ水酸化ニッケルに水酸化リチウムの水溶液を通液し、水素イオンとリチウムイオンとのイオン交換反応をおこなうコバルト含有ニッケル酸リチウムの製造方法が開示されている。しかし、いずれにおいても、NiとCoとMnとを同時に含む正極活物質は例示されていない。
なお、特許文献6や特許文献7には、これらの正極活物質における水素とリチウムの含有比率については何ら明確にされていない。
さらに、特許文献8および特許文献9には、非水系二次電池の正極活物質として、LiとNiとCoとMnを含む複合酸化物が開示されているが、これらの複合酸化物はプロトンを含まない。
特開平09-219193号公報 特開平09-320588号公報 特開平06-349494号公報 特許第3263082号公報 特開2000-323174号公報 特開昭63-19760号公報 特開2000-123836号公報 特開2005-100947号公報 特開2000-133262号公報
非水系二次電池の正極活物質としてのプロトンを含有したニッケル酸リチウムにおいて、組成式のモル比あたりのニッケルの量を0.5以下にすると、ニッケルの価数により、充電電気量が制限されてしまうという問題点があった。
また、非水系二次電池の正極活物質としてのプロトンを含まない複合酸化物であるLiNi1/3Mn1/3Co1/3では、Ni、MnおよびCoを含む3成分の複合水酸化物を作製して、これをリチウム化合物と混合後に焼成する過程を経るために、製造工程が複雑であった。
そこで、本発明の目的は、製造工程が簡単で、工業的に有利で、放電容量の大きな非水電解質二次電池用正極活物質を提供することにある。
請求項1の発明は、非水電解質二次電池用正極活物質が、化学式HLiCo1−a−b−cNiMn(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、0<x≦1、0<y≦1、0<x+y≦2、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表されることを特徴とする。
請求項2の発明は、上記非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させることを特徴とする。
請求項3の発明は、非水電解質二次電池において、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を備えたことを特徴とする。
本発明において、非水電解質二次電池用正極活物質に化学式HLiCo1−a−b−cNiMn(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、0<x≦1、0<y≦1、0<x+y≦2、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表されるプロトン含有遷移金属酸化物を用いることにより、単位質量当たりの放電容量の大きい非水電解質二次電池を得ることができるものである。
本発明の正極活物質においては、Niを0.5以下としても、NiとMnをあわせた量を組成式のモル比あたり1/3から2/3の間とすることで、Mnの存在により、充電過程におけるNiの3価から4価への価数変化がスムースに行われ、Mnを含まないニッケル酸リチウムでの、充電過程でNiの価数が3価から3.7価程度までしか酸化されず、充電電気量が十分に得られないという問題がなくなるものと考えられる。
本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質に、化学式HLiCo1−a−b−cNiMn(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、0<x≦1、0<y≦1、0<x+y≦2、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表されるプロトン含有遷移金属酸化物を用いることを特徴とする。このプロトン含有遷移金属酸化物は、化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させる方法で作製することができる。また本発明は、上記プロトン含有遷移金属酸化物を非水電解質二次電池の正極活物質に用いることを特徴とする。
本発明の化学式HLiCo1−a−b−cNiMnで表されるプロトン含有遷移金属酸化物においては0<x≦1とする。x=0すなわち遷移金属酸化物にHが含まれない場合、従来のニッケル酸リチウムと同様に、高率放電特性が低下するという問題があった。またxの値が1より大きい材料は、水酸化ニッケルからの酸化が十分でないものに過ぎないため、正極活物質として十分な充放電容量を得ることができない。
yは電池の充放電において、プロトン含有遷移金属酸化物に吸蔵または放出されるLiのモル数を示しており、yが1以上になるとサイクル性能が劣化するため、y<1とする必要がある。
電池作成前のx+yの値は、次の式(1)で表すことができる。
x+y=4−(Co、NiおよびMnの平均価数)・・・・・(1)
すなわち、本発明の化学式HLiCo1−a−b−cNiMnは正極活物質を製造する時点における化学式である。すなわち、これは、電池の仕込み時の組成である。この化学式で示されるプロトン含有遷移金属酸化物が充電される過程では、リチウムイオンがプロトン含有遷移金属酸化物から脱離して、電子の移動が生じる。例えば、リチウムイオンの脱離とともに、電子数としてzの移動が生じた場合には、化学式がHLiy−zCo1−a−b−cNiMnの正極活物質となる。このとき、Co、Ni、MnおよびMの平均価数は[4−(x+y)]から[4−(x+y−z)]に変化する。
電池に組み立てる前の正極活物質は放電状態にあるので、1≦x+y≦2の範囲にある。この正極活物質が充電されるにしたがってLiが抜けていき、この正極活物質が満充電状態ではyは限りなく0に近い値となる。例えば、放電状態の正極活物質において、x=0.1、y=0.9の場合、満充電状態ではyは0に近い値となるので、x+yは0.1に近い値となる。したがって、本発明のプロトン含有遷移金属酸化物において、x+yの値は充放電状態によって0<x+y≦2の範囲で変化する。
なお、「満充電状態」とは、プロトン含有遷移金属酸化物を正極活物質に用いた非水電解質二次電池を、0.1CmA定電流で4.3V(vs.Li/Li)まで充電し、さらに4.3V(vs.Li/Li)定電圧充電を5時間おこなった状態を意味する。
また、Niの置換量a(モル)は1/6<a<1/3とする。aが1/6より小さい場合には、十分な充放電容量を得ることができない。これは、Niの価数を制御する目的で置換したMnが十分に固溶しなかったことが原因であると考えられる。また、aが1/3より大きい場合には、十分な充放電容量を得ることができない。これは、ニッケル酸リチウムの場合と同様に、Niの価数変化がスムーズに行われないことが原因であると考えられる。
さらに、Mnの置換量b(モル)は1/6<b<1/3とする。bが1/6より小さい場合には、十分な充放電容量を得ることができない。これは、ニッケル酸リチウムの場合と同様に、Niの価数変化がスムーズに行われないことが原因であると考えられる。また、bが1/3より大きい場合には、十分な充放電容量を得ることができない。これは、Niの価数を制御する目的で置換したMnが十分に固溶しなかったことが原因であると考えられる。
したがって、(a+b)は1/3よりも大きく、2/3よりも小さくなる。本発明の正極活物質においては、Niの置換量aを1/6<a<1/3とした場合でも、NiとMnをあわせた量(a+b)は組成式のモル比あたり1/3よりも大きく、2/3よりも小さくなる。
本発明でプロトン含有遷移金属酸化物を製造する場合に使用するリチウムイオンを含む溶液は、不飽和のリチウムイオンを含む溶液でもよいし、飽和以上のリチウム化合物を含む液相分散系であってもよい。リチウムイオン源は1種でも2種以上の混合物でもかまわない。
リチウムイオン源としては、水酸化リチウム、水酸化リチウム1水和物、炭酸リチウム、酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、修酸リチウム、酢酸リチウム、またはくえん酸リチウムから選択される少なくとも1種を含ませることが好ましい。
リチウムイオンを含む溶液の溶媒としては、好ましくは水を用いることがよいが、有機溶媒を用いてもかまわない。この溶液中には、必ずしも陽イオンとしてリチウムイオン(およびプロトン)のみが含まれている必要はなく、たとえばナトリウムイオンやカリウムイオンなどが含まれていてもかまわない。
リチウムイオンの濃度は、反応速度の面から、水酸化ニッケルのモル数に対してリチウムイオンのモル数が過剰であることが好ましい。
本発明でプロトン含有遷移金属酸化物を製造する場合に使用する酸化剤は、酸素、オゾン、ペルオキソ二硫酸塩、次亜塩素酸塩、過マンガン酸塩、二クロム酸塩、臭素、塩素から選択される少なくとも1種を用いることができる。また、酸化剤を用いる化学的な酸化方法だけではなく、電気化学的な手法を用いてもよい。酸化剤の量は反応速度の面から、化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)で表される遷移金属水酸化物1モルに対して過剰のモル数であることが好ましい。
化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)で表される遷移金属水酸化物と酸化剤とを、またはこれらとリチウムイオンとを接触させる時間は、特に制限されないが、1〜240時間が好ましい。なお、溶液の温度を高くすることによって、反応速度を大きくすることができるが、溶液を沸騰させないためには、用いる溶媒の沸点以下の温度とすることが好ましく、また、25〜80℃の範囲とすることが作業性の面を考慮するとより好ましい。
化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させて得られた生成物を、リチウムイオンを含む溶液に通液する。ここで「通液」とは、化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させて得られた生成物に、リチウムイオンを含む溶液を徐々に加えて、攪拌した後、ろ過したり、生成物とリチウムイオンを含む溶液とを混合して、攪拌した後、ろ過することなどを意味する。
リチウムイオンを含む溶液に通液する工程に用いる溶液は、化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させる工程で用いたものと同じリチウムイオンを含む溶液を用いることができる。
化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させることにより得られるプロトン含有遷移金属酸化物は、電気化学的にアルカリ金属を吸蔵・放出することが可能となるため、これを含む電極を用いることにより、優れた特性を示す非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の非水電解質二次電池において、負極活物質には特に制限はなく、負極活物質には黒鉛や非晶質炭素などの炭素材料、酸化物、または窒化物などを使用できる。これらの中では、容量や充放電サイクル性能が優れていることから、黒鉛や非晶質炭素などの炭素材料や酸化物を使用することが好ましい。
正極および負極を作製するときに使用する結着剤として、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)などから選択される少なくとも1種を用いることができる。
結着剤を混合するときに用いる溶媒として、非水溶媒または水溶液のいずれも使用できる。非水溶媒として、N―メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどを使用できる。一方、水溶液には、分散剤、増粘剤などを加えて用いることができる。
電極の集電体として、鉄、銅、ステンレス、ニッケルおよびアルミを用いることができる。また、その形状として、シート、発泡体、メッシュ、多孔体およびエキスパンド格子などを用いることができる。さらに、集電体には任意の形状で穴を開けて用いることができる。
電解液に使用する有機溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、スルホラン、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1、3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネートなどを、単独または混合して使用することができる。また、電解液中にビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート系、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンなどのベンゼン系、プロパンスルトンなどの硫黄系の化合物を単独または混合して使用できる。
さらに、電解液と固体電解質とを組み合わせて使用することができる。固体電解質として、結晶質または非晶質の無機固体電解質を用いることができる。前者には、LiI、LiN、Li1+xTi2-x(PO)(M=Al、Sc、Y、La)、Li0。5-3x0。5+xTiO(R=La、Pr、Nd、Sm)、またはLi4−xGe1-xに代表されるチオLISICONを用いることができ、後者にはLiI-LiO-B系、LiO-SiO系、LiI−LiS−B系、LiI−LiS−SiS系、LiS−SiS−LiPO系などを用いることができる。
有機溶媒に溶解する塩としては、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF(CF)、LiPF(CF)、LiPF(CF)、LiPF(CF)、LiPF(CF)、LiPF(C)、LiCFSO、LiN(SOCF)、LiN(SOCFCF)、LiN(COCF)、LiN(COCFCF)、LiCBOなどを単独あるいは混合して使用することができる。これらのなかにおいて、サイクル性能が良好になることから、リチウム塩としてはLiPFが好ましい。さらに、これらのリチウム塩の濃度は、0.5〜2.0mol/dmの範囲が好ましい。
非水電解質二次電池のセパレータとして、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンおよびポリオレフィンなどの微多孔膜を使用できる。
非水電解質二次電池の形状は特に限定されるものではなく、角形、楕円形、コイン形、ボタン形、シート形などを用いることができる。
つぎに、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜4および比較例1〜10]
[実施例1]
遷移金属水酸化物(Co1/2Ni1/3Mn1/6(OH))5.0gを80℃の7.0mol/dmの水酸化リチウム水溶液125mlに分散した後に、12%の次亜塩素酸ソーダ43mlを加え、80℃に保ち、3時間攪拌した。これをろ過した後に、14.0mol/dmの水酸化リチウム水溶液21mlを加えて、0.5時間攪拌して、ろ過して、65℃で12時間乾燥して、H0.2Li0.8Co1/2Ni1/3Mn1/6で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末aを得た。
この粉末a(正極活物質)89質量%と、アセチレンブラック4質量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)7質量%とをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で混合し、ペーストを作製した。このペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗布して、150℃で減圧乾燥することにより、NMPを蒸発させた。これをローラーで加圧したのち、スリッターにて30mmW×40mmL×50μmTの大きさにして、本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末aを含む正極Aを製作した。
[実施例2]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo1/3Ni1/3Mn1/3(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co1/3Ni1/3Mn1/3で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末bを得た。粉末aの代わりに粉末bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末bを含む正極Bを作製した。
[実施例3]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo2/3Ni1/6Mn1/6(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co2/3Ni1/6Mn1/6で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末cを得た。粉末aの代わりに粉末cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末cを含む正極Cを作製した。
[実施例4]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo1/2Ni1/6Mn1/3(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co1/2Ni1/6Mn1/3で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末dを得た。粉末aの代わりに粉末dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末dを含む正極Dを作製した。
[比較例1]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo7/12Ni1/3Mn1/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.4Li0.6Co7/12Ni1/3Mn1/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末eを得た。粉末aの代わりに粉末eを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末eを含む正極Eを作製した。
[比較例2]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo1/4Ni1/3Mn5/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.8Li0.2Co1/4Ni1/3Mn5/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末fを得た。粉末aの代わりに粉末fを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末fを含む正極Fを作製した。
[比較例3]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo3/4Ni1/6Mn1/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.4Li0.6Co3/4Ni1/6Mn1/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末gを得た。粉末aの代わりに粉末gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末gを含む正極Gを作製した。
[比較例4]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo5/12Ni1/6Mn5/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.8Li0.2Co5/12Ni1/6Mn5/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末hを得た。粉末aの代わりに粉末hを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末hを含む正極Hを作製した。
[比較例5]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo7/12Ni1/12Mn1/3(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.4Li0.6Co7/12Ni1/12Mn1/3で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末iを得た。粉末aの代わりに粉末iを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末iを含む正極Iを作製した。
[比較例6]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo1/4Ni5/12Mn1/3(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.5Li0.5Co1/4Ni5/12Mn1/3で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末jを得た。粉末aの代わりに粉末jを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末jを含む正極Jを作製した。
[比較例7]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo3/4Ni1/12Mn1/6(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.4Li0.6Co3/4Ni1/12Mn1/6で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末kを得た。粉末aの代わりに粉末kを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末kを含む正極Kを作製した。
[比較例8]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo5/12Ni5/12Mn1/6(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.5Li0.5Co5/12Ni5/12Mn1/6で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末lを得た。粉末aの代わりに粉末lを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末lを含む正極Lを作製した。
[比較例9]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo1/6Ni1/6Mn2/3(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.8Li0.2Co1/6Ni1/6Mn2/3で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末mを得た。粉末aの代わりに粉末mを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末mを含む正極Mを作製した。
[比較例10]
実施例1と同じ遷移金属水酸化物(Co2/3Ni1/6Mn1/6(OH))97gを炭酸リチウム74gとを混合して、大気中で12時間、1000℃で焼結して、LiCo2/3Ni1/6Mn1/6で表されるプロトン含有遷移金属酸化物の粉末nを得た。粉末aの代わりに粉末nを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末nを含む正極Nを作製した。
[プロトン含有遷移金属酸化物の組成分析]
実施例1〜4および比較例1〜10で得られた粉末a〜nに含まれるリチウム含有量は誘導結合プラズマ分析(ICP)を用いて定量した。また、粉末a〜nの遷移金属の平均価数を酸化還元適定で測定した。
粉末a〜nに含まれるプロトン含有遷移金属酸化物の組成を表1に示した。なお、表1において、「y(Li含有量)」はLi/(Coi+Ni+Mn)のモル比を示す。また、粉末a〜nの遷移金属の平均価数はいずれも3.0であったため、x+y=1となるので、粉末a〜nに含まれる1モルあたりのHの量(x)はつぎの式(2)から求められる。
x=1.0−y(Li含有量)・・・・・・(2)
Figure 2008010157
[電気化学的な電位挙動の測定]
実施例1〜4で得られた正極A〜Dおよび比較例1〜10で得られた正極E〜Nを、参照極および対極として金属リチウム板を、電解液としてECとDECとの体積比1:1の混合溶媒に1mol/dmのLiClOを溶解させたものを用い、3極式のガラスセルを製作した。この電極の電気化学的な電位挙動はつぎのようにして調べた。
25℃において、電流0.1CmAで4.3Vvs.Li/Liまで充電したのち、1.5Vvs.Li/Liまで放電をおこなった。その1サイクル目の充電容量および放電容量を表2に示す。
Figure 2008010157
表2からわかるように、実施例1〜4の正極A〜Dでは、比較例10の正極Nと比較して、活物質の質量あたり193.4〜194.9mAhという特に大きな充電電気量および活物質の質量あたり285.2〜290.9mAhの大きな放電容量を得ることができた。
ここで、1サイクル目に電位が貴にシフトする充電はリチウムの脱離にあたり、プロトン含有遷移金属酸化物から電気化学的にリチウムが脱離することが可能であることが明らかになった。
一方、比較例1〜9の正極E〜Mでは、充分な充放電容量が得られなかった。この理由としては、Niの価数を制御する目的で置換したMnが十分に固溶しなかったことが原因であると考えられる。
なお、実施例1〜4で用いたプロトン含有遷移金属酸化物の粉末a〜dでは、電池に組み立てる前はすべてx+y=1であったが、x+yの値は水酸化リチウム水溶液および酸化剤の濃度、反応温度および反応時間などの合成条件によって、任意の値を得ることができる。例えば、実施例1で、水酸化リチウム水溶液の濃度を3.5mol/dmとし、攪拌時間を12時間とした場合、遷移金属の平均価数が2.5、y=0.6のプロトン含有遷移金属酸化物が得られた。ここで、x+y=1.5であるので、x=0.9である。
[実施例5および6]
[実施例5]
実施例1で得られた正極活物質粉末aを含む電極Aを正極板とした。30mmW×40mmLの大きさの金属Li箔を負極板とした。このようにして得られた正極および負極を、厚さ20μm、多孔度40%の連通多孔体であるポリエチレンセパレータを間に挟んで重ねて、高さ70mm、幅34mm、厚さ1mmの容器中に挿入して、内部に非水電解液を注入することによって、本発明の実施例5の非水電解質二次電池Oを得た。この非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:1の混合溶媒に1mol/dmのLiPFを溶解したものを用いた。
[実施例6]
実施例1で得られた正極活物質粉末aを含む電極Aを正極板とした。さらに、平均粒径10μmの鱗片状黒鉛80質量%とPVDF20質量%とをNMP中で混合してペーストを作製した。このペーストを厚さ15μmの銅箔上に塗布して、150℃で乾燥することにより、NMPを蒸発させた。これを、ロールプレスで圧縮成型し、スリッターで30mmW×40mmL×35μmTの大きさに切断して負極板を作製した。
さらにまた、このようにして得られた正極および負極を、厚さ20μm、多孔度40%の連通多孔体であるポリエチレンセパレータを間に挟んで重ねて、高さ70mm、幅34 mm、厚さ1mmの容器中に挿入して、内部に非水電解液を注入することによって、本発明の実施例6の非水電解質二次電池Pを得た。この非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:1の混合溶媒に1mol/dmのLiPFを溶解したものを用いた。
電池OおよびPを、25℃において、0.2CmAで4.2Vまでの定電流−定電圧で8時間充電した後、1.5Vまで0.2CmAの定電流での放電を50サイクルおこなった。1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目のその割合を「放電容量維持率、%」とする。その結果を1サイクル目の充電電気量および放電容量とあわせて表3に示す。
Figure 2008010157
これらの電池は、それぞれ、繰り返し充放電をすることが可能であった。また、実施例6の電池Pは、放電は4.2Vから1.5Vまで、連続的に変化して放電容量の値は正極あたり約147mAh/gに相当し、電池として充分実用的な値である。さらに50サイクル後の放電容量維持率は92.0%と、リチウム金属負極を用いた実施例5の電池Oと比較して、優れたサイクル性能を示した。
[実施例7〜12]
[実施例7]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo5/12Ni1/3Mn1/6Al1/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co5/12Ni1/3Mn1/6Al1/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末qを得た。粉末aの代わりに粉末qを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末qを含む正極Qを作製した。
[実施例8]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo5/12Ni1/3Mn1/6Mg1/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co5/12Ni1/3Mn1/6Mg1/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末rを得た。粉末aの代わりに粉末rを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末rを含む正極Rを作製した。
[実施例9]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo5/12Ni1/3Mn1/6Zn1/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co5/12Ni1/3Mn1/6Zn1/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末sを得た。粉末aの代わりに粉末sを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末sを含む正極Sを作製した。
[実施例10]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo5/12Ni1/3Mn1/6Cr1/12(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co5/12Ni1/3Mn1/6Cr1/12で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末tを得た。粉末aの代わりに粉末tを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末tを含む正極Tを作製した。
[実施例11]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo4/10Ni1/3Mn1/6Al1/10(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co54/10Ni1/3Mn1/6Al1/10で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末uを得た。粉末aの代わりに粉末uを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末uを含む正極Uを作製した。
[実施例12]
遷移金属水酸化物としてCo1/2Ni1/3Mn1/6(OH)に代えてCo4/10Ni1/3Mn1/6Mg1/10(OH)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、H0.2Li0.8Co4/10Ni1/3Mn1/6Mg1/10で表される本発明のプロトン含有遷移金属酸化物の粉末vを得た。粉末aの代わりに粉末vを用いたこと以外は実施例1と同様にして、粉末vを含む正極Vを作製した。
[電気化学的な電位挙動の測定]
実施例7〜12で得られた正極Q〜Vを、実施例1と同じ3極式のガラスセルを用い、実施例1と同じ条件で、電気化学的な電位挙動を調べた。その1サイクル目の充電容量および放電容量を表4に示す。
Figure 2008010157
表4からわかるように、実施例7〜12の正極Q〜Vでは、活物質の質量あたりの充電電気量および放電容量は、実施例1〜4と同程度であることがわかった。この結果から、H0.2Li0.8Co1/2Ni1/3Mn1/6で表されるプロトン含有遷移金属酸化物のCoの一部を、Co、Ni、Mn以外の金属元素で置換し、置換量が1/10以下の場合には、置換しなかった場合と同程度の活物質の質量あたの充電電気量および放電容量が得られることがわかった。

Claims (3)

  1. 化学式HLiCo1−a−b−cNiMn(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、0<x≦1、0<y≦1、0<x+y≦2、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表されることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 化学式Co1−a−b−cNiMn(OH)(ただし、MはCo、Ni、Mn以外の金属元素、1/6≦a≦1/3、1/6≦b≦1/3、0≦c≦1/10、1/3≦a+b+c≦2/3)で表される遷移金属水酸化物とリチウムイオンを含む溶液と酸化剤とを接触させることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質を備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。
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