JP2008008929A - 現像装置及びこれを備える画像形成装置 - Google Patents

現像装置及びこれを備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー担持ローラの表面上でトナーを安定してホッピングさせることである。
【解決手段】本現像装置は、トナー担持ローラ71の表面に沿うようにトナー担持ローラに設けられ互いに絶縁された多数の電極に周期的な電圧を印加することにより、トナー担持ローラ表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせるためのホッピング電界をトナー担持ローラ表面上に発生させるホッピング電界発生手段を有する。この現像装置は、トナー担持ローラ表面に担持されているトナーをトナー担持ローラ表面から離間させる離間力を現像領域外でトナーに付与するための離間電界を形成するための離間力付与手段91,92が、上記ホッピング電界発生手段とは別に備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナー担持体上のトナーを現像領域へ搬送して潜像担持体上の潜像を現像する現像装置、及びこれを備える複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
特許文献1には、トナー担持体上に設けられた電界カーテン発生手段によって電界カーテンを発生させてトナー担持体の表面に担持されているトナーを飛翔(ホッピング)させながら、トナーをトナー担持体の回転駆動に伴って現像領域へ搬送する現像装置が記載されている。この現像装置は、トナー担持体の表面に担持されているトナーに対して電界カーテンを安定して作用させるべく、トナー担持体の表面に接触するようにもうおけられた予備荷電ローラが設けられている。この予備荷電ローラは、トナー担持体との間でトナーを摩擦帯電するものであり、これにより十分に帯電したトナーが安定して電界カーテンの作用を受けた状態で現像領域へ搬送される。
また、特許文献2には、トナーを静電力でホッピングさせながら搬送するための電界を発生させる複数の電極を備えた搬送基板(トナー担持体)の一端側の面に現像剤搬送体からトナーを転送させ、その他端側の面に潜像担持体を対向させた現像装置が記載されている。この現像装置は、現像剤搬送体から転送されたトナーを固定配置された搬送基板上でホッピングさせながら潜像担持体と対向する現像領域へ静電力により搬送する。
特開平3−21967 特開2004−45943
上述した特許文献1及び2に記載の現像装置は、いずれもトナー担持体の表面上に電界を発生させてトナーをホッピングさせるものである。このようにトナーをホッピングさせるためには、トナー担持体表面とトナーとの付着力をなるべく弱くすること、トナー担持体の表面上に適正な電界を発生させることが重要である。
ところが、従来の現像装置では、トナー担持体表面にトナーが吸着してしまい、トナー担持体の表面上に発生させた電界ではトナーを安定してホッピングさせることができないという問題があった。その主な原因は、何らかの外力がトナーに働いて、トナー担持体表面に対するトナーの付着力が、電界から受ける静電力を越えて高まってしまうことである。特に、上記特許文献1に記載の現像装置のように、トナー担持体の表面上のトナーを予備荷電ローラで摩擦帯電する構成においては、トナーがトナー担持体の表面に押し付けられることによりトナー担持体表面に対するトナーの付着力が高まり、トナーを安定してホッピングさせることができない。
また、トナー担持体表面にトナーが吸着したまま外力を受け続けるなどすると、トナーがトナー担持体表面に固着してしまう場合もある。この場合、固着したトナーにより、その周辺に発生する電界が乱され、トナーを安定してホッピングさせることができなくなるという問題も発生する。
なお、トナー担持体の表面上に発生させる電界を大きくすれば、トナー担持体表面との付着力が高まったトナーをホッピングさせることも可能となる。しかし、この場合、大きな電界の作用を受けたトナーがトナー担持体の表面上から離脱しやすくなり、逆にトナーの安定したホッピングを実現できなくなる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー担持体の表面上でトナーを安定してホッピングさせることができる現像装置及びこれを備える画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナー担持体の表面に沿うように該トナー担持体に設けられ互いに絶縁された多数の電極に周期的な電圧を印加することにより、該トナー担持体の表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせるためのホッピング電界を該トナー担持体の表面上に発生させるホッピング電界発生手段を有し、該トナー担持体の表面に担持されているトナーを潜像担持体と対向する現像領域へ搬送して該潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることにより該潜像を現像する現像装置において、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーを該トナー担持体の表面から離間させる離間力を現像領域外で該トナーに付与する離間力付与手段を、上記ホッピング電界発生手段とは別に備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記ホッピング電界発生手段は、上記多数の電極に周期的な電圧を印加することにより互いに近接する電極間の電界の向きが周期的に反転するように、上記ホッピング電界を発生させるものであり、上記トナー担持体の表面を移動させることにより、該トナー担持体の表面に担持されているトナーを現像領域へ搬送することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記トナー担持体は、回転駆動するローラ部材で構成され、かつ、上記多数の電極における一の電極を起点にした奇数番目の電極の集合体である奇数番目電極群の電圧入力端子を該ローラ部材のローラ軸の一端部に有し、偶数目の電極の集合体である偶数番目電極群の電圧入力端子を該ローラ軸の他端部に有しており、上記ホッピング電界発生手段は、奇数番目電極群と偶数番目電極群との間に時間周期的な電位差を形成することで、上記ホッピング電界を発生させることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の現像装置において、上記離間力付与手段は、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーを静電力により該トナー担持体の表面から離間させるための離間電界を発生させる離間電界発生手段であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記離間電界発生手段が発生させる上記離間電界は振動電界であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の現像装置において、上記離間力付与手段は、上記トナー担持体の表面のうち上記現像領域に対してトナー搬送方向上流側で近接した表面部分に担持されているトナーに上記離間力を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像装置において、上記トナー担持体の表面に担持されたトナーの層厚を現像領域に搬送される前に規制する層厚規制部材を有し、上記離間力付与手段は、該層厚規制部材により層厚が規制された後であって現像領域に搬送される前のトナーに、上記離間力を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4又は5の現像装置において、上記トナー担持体の表面に担持されたトナーの層厚を現像領域に搬送される前に規制する層厚規制部材を有し、上記離間力付与手段は、該層厚規制部材を介して上記トナー担持体の表面に担持されているトナーに離間力を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4又は5の現像装置において、上記トナー担持体の表面にトナーを供給するトナー供給部材を有し、上記離間力付与手段は、該トナー供給部材を介して上記トナー担持体の表面に担持されているトナーに離間力を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の現像装置において、上記トナー担持体の表面層は、トナーとの摩擦によりトナーに対して正規の電荷を付与し得る電気的特性を備えた材料で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の現像装置において、上記トナー担持体の表面層は、体積抵抗率が109[Ω・cm]以上1012[Ω・cm]であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の現像装置において、上記多数の電極に印加する周期的な電圧は、各瞬間の電位平均値が潜像担持体に形成される画像部電位と非画像部電位との間の値となるように設定されていることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることにより該潜像を現像し、これにより得られたトナー像を最終的に記録材に転移させて画像形成を行う画像形成装置において、上記潜像担持体上の潜像を現像する手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、潜像担持体上に形成されたトナー像を複数互いに重ね合わせて得られる画像を記録材に形成することを特徴とするものである。
本発明においては、何らかの外力を受けてトナー担持体の表面に対する付着力が高まったトナーを、離間力付与手段により付与される離間力でトナー担持体表面から引き離すことができる。ここで、本発明では、この離間力付与手段がホッピング電界発生手段とは別のものである。そのため、ホッピング電界発生手段でトナーを適切にホッピングさせるための適切なホッピング電界を形成しつつも、トナー担持体の表面との付着力が高まったトナーに対してトナー担持体表面から離間させる大きな離間力を付与することができる。その結果、ホッピング電界発生手段が発生させた適切なホッピング電界でトナーを安定してホッピングさせることができる。また、トナー担持体表面へのトナー固着が発生することも抑制されるので、固着したトナーによりホッピング電界が乱れる事態も抑制される。
以上、本発明によれば、トナー担持体の表面上でトナーを安定してホッピングさせることができるという優れた効果が奏される。
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての複写機に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。なお、本実施形態1では、いわゆる中間転写方式のタンデム型画像形成装置を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。また、以下の説明において、記号Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒あるいはこれらの色用の部材であることを示す。
図2は、本実施形態1に係る複写機を示す概略構成図である。
この複写機は、プリンタ部100、給紙部200、プリンタ部100の上部に固定されたスキャナ部300、これに取り付けされた原稿自動搬送装置(以下、ADFという)400などを備えている。また、複写機内の各装置の動作を制御する図示しない制御部も備えている。
上記スキャナ部300は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読取センサ36で読み取り、読み取った画像情報をこの制御部に送る。制御部は、受け取った上記画像情報に基づいてプリンタ部100の露光装置21内に配設された図示しないレーザやLED等を制御して潜像担持体としての感光体40Y,40M,40C,40Kに向けてレーザ光を照射させる。この照射により、感光体40Y,40M,40C,40Kの表面には静電潜像が形成され、所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。これら4つの感光体40Y,40M,40C,40Kは、プリンタ部100のタンデム画像形成部20内に配設されている。
上記給紙部200は、ペーパーバンク43内に多段に設けられた複数の給紙カセット44、紙搬送路46、これの途中に適宜設けられた複数の搬送ローラ対47などを備えている。それぞれの給紙カセット44は、カセット内部に収容された転写紙を一番上のものから順次送り出す給紙ローラ42を有している。また、給紙ローラ42によって重送されてしまった複数の転写紙を個々に分離してから紙搬送路46に送り出す分離ローラ45なども有している。搬送ローラ対47は、給紙カセット44から受け取った転写紙を後段の搬送ローラ対47に向けて送り出す。本実施形態1に係る複写機においては、かかる構成の給紙部200による給紙の他に、手差し給紙も可能となっている。そして、この手差し給紙を実現するための、手差しトレイ51をプリンタ部100の側面に備えている。手差しトレイ51は給紙ローラ50や分離ローラ52を備えており、これらによって転写紙をプリンタ部100内に送り出す。
上記給紙部200や手差しトレイ51から送り込まれた転写紙は、レジストローラ対49に挟まれる。このレジストローラ対49は、挟み込んだ転写紙を所定のタイミングで二次転写ニップに送り込む。この二次転写ニップとは、中間転写ベルト10と、二次転写ローラ22との当接によって形成されるニップである。
ユーザーは、カラーコピーをとるために、まず、原稿をADF400の原稿台30上にセットするか、あるいはADF400の開操作によって露出させたスキャナ部300のコンタクトガラス32上にセットする。そして、図示しないスタートスイッチを押す。すると、ADF400からコンタクトガラス32上に搬送された原稿、あるいは初めからコンタクトガラス32上にセットされた原稿の画像情報を読み取るために、スキャナ部300の駆動が開始される。具体的には、第1走行体33の走行を開始してその光源から発した光を原稿面で反射させて第2走行体34に向けて送る。そして、同じく走行を開始した第2走行体34のミラーによってこの反射光を受けて結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れて画像情報を読み取る。上記制御部は、スキャナ部300から画像情報を受け取ると、上述のようなレーザ書込や現像プロセスによって感光体40Y,40M,40C,40K上にトナー像を形成させる。
図3は、上記プリンタ部100の一部構成を拡大して示す拡大構成図である。
タンデム画像形成部20は、4つのプロセスユニット18Y,18M,18C,18Kを有している。各プロセスユニットは、使用するトナーの色が互いに異なっているが、その他の構成についてはほぼ同様である。よって、Yトナーを用いるプロセスユニット18Yだけについてその構成を詳述し、他のプロセスユニットの説明については説明を省略する。
プロセスユニット18Yは、感光体40Y、帯電器64Y、現像装置70Y、ドラムクリーニング装置63Yなどを一体的に支持したプロセスカートリッジであり、複写機本体から着脱自在に構成されている。なお、プロセスカートリッジは、少なくとも感光体40Yと現像装置70Yとを一体的に支持したものであればよい。
感光体40Yは、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動されながら、帯電器64Yによってその表面が一様帯電される。そして、一様帯電後の表面に上述のレーザ書込光が照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置70Yのトナー担持体であるトナー担持ローラ71Yと対向する現像領域においてYトナーにより現像される。このような現像により感光体40Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト10上に一次転写される。一次転写工程を経た感光体40Yの表面に残った転写残トナーは、ドラムクリーニング装置63Yによってクリーニングされる。他のプロセスユニット18M,18C,18Kでも同様のプロセスが実施されて、それぞれの感光体40M,40C,40K上にMトナー像、Cトナー像、Kトナー像がそれぞれ形成される。
一方、像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト10は、3つの張架ローラ14,15,16に張架されながら、何れか1つの張架ローラが図示しない駆動手段によって回転駆動することにより、図中時計回りに無端移動する。各一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kは、各感光体40Y,40M,40C,40Kから中間転写ベルト表面移動方向下流側へズレた位置に配置されている。一次転写ローラ62Y,62M,62C,62Kには、電源9Y,9M,9C,9Kからそれぞれ一次転写バイアスが印加されることによって一次転写電界を形成する。感光体40Y,40M,40C,40K上に形成されたY、M、C、Kのトナー像は、この一次転写電界や一次転写ニップの圧力の影響を受けて中間転写ベルト10上に一次転写される。各トナー像は、Y、M、C、Kの順で、中間転写ベルト10上で互いに重なり合うように順次一次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
二次転写部には、紙搬送ベルト24、2つの張架ローラ22,23などが設けられている。一方の張架ローラ23が図示しない駆動手段によって回転駆動することで、紙搬送ベルト24が図中反時計回りに無端移動する。他方の張架ローラ22は、張架ローラ16に巻き付いた中間転写ベルト部分に、紙搬送ベルト24を押し当てている。この押し当てにより、中間転写ベルト10と紙搬送ベルト24との間に二次転写ニップが形成される。この二次転写ニップには、図示しない電源から張架ローラ22に二次転写バイアスが印加されることで二次転写電界が形成される。
レジストローラ対49は、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像が二次転写ニップへ進入するタイミングに合わせて、転写紙を二次転写ニップへ送り出す。二次転写ニップにおいては、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像が二次転写電界や二次転写ニップの圧力の影響を受けて転写紙上に二次転写される。転写紙は白色を呈しているため、4色重ね合わせトナー像が二次転写されると、これがフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って定着装置25内に送られる。そして、加熱ローラと加圧ローラとの間に挟まれてフルカラー画像が表面に定着せしめられた後、排紙ローラ対56を経由して機外の排紙トレイ57上に排出される。
次に、本発明の特徴部分である現像装置70Y,70M,70C,70Kの構成及び動作について説明する。なお、各現像装置は、使用するトナーの色が互いに異なっているが、その他の構成についてはほぼ同様である。よって、以下の説明では、Y、M、C、Kの色分け記号を省略して説明する。
図1は、本実施形態1における現像装置70の概略構成図である。
この現像装置70は、感光体40と対向する現像領域へトナーを搬送するためのトナー担持体としてのトナー担持ローラ71と、このトナー担持ローラ71へトナーを供給する供給ローラ72と、トナー担持ローラ71上に供給されたトナーの層厚を現像領域に搬送される前に規制する層厚規制部材としてのドクタブレード73と、トナーTと磁性キャリアCとから構成される二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)TCを収容する現像剤収容部74とを備えている。本実施形態1の現像剤としては、粒径55[μm]の磁性キャリアと粒径約7[μm]のポリエステルトナーとを重量比で5〜7[wt%]混合させた二成分現像剤を用いている。
供給ローラ72は、内部に固定配置される磁界発生手段としての固定磁石72bと、その固定磁石の周囲を回転する回転スリーブ72aとから構成されている。トナー担持ローラ71は図中時計回り方向に回転駆動し、供給ローラ72の回転スリーブ72aは図中反時計回り方向に回転駆動する。供給ローラ72は、現像剤収容部74内の現像剤TC中の磁性キャリアを磁力により表面に担持することで、その磁性キャリアに静電的に付着したトナーも一緒に表面に担持する。このようにして供給ローラ72の表面に担持された現像剤TCは、回転スリーブ72aの回転に伴ってトナー担持ローラ71との対向領域へ搬送される。この対向領域では、トナー担持ローラ71の表面を現像剤TCが摺擦することで、現像剤中のトナーのみが機械的にトナー担持ローラ71の表面へ移動する。また、本実施形態1では、供給ローラ72の回転スリーブ72aに直流電源72cを接続し、供給ローラ72上のトナーがトナー担持ローラ71へ向かうような静電力を作用させる電界を形成することで、トナーを静電的にトナー担持ローラ71の表面へ移動させるようにしている。
トナー担持ローラ71に供給されたトナーは、トナー担持ローラ71の回転駆動に伴って図中時計回り方向に搬送される。ドクタブレード73は、トナー担持ローラ71の表面との間に微小なギャップ(ドクタギャップ)が形成されるように配置されている。トナー担持ローラ71の表面に担持されたトナーは、ドクタギャップを通過することで適正な層厚に規制される。このようにして層厚が規制されたトナーは、トナー担持ローラ71の回転駆動に伴って現像領域へ搬送される。この現像領域には、後述するように現像電界が形成されており、この現像電界の作用を受けてトナー担持ローラ71上のトナーは感光体40上の静電潜像へ移動し、現像が行われる。
図4は、本実施形態1におけるトナー担持ローラ71を示す斜視図である。
このトナー担持ローラ71は、回転駆動することで表面が移動するローラ形状のもので、トナー担持ローラ71の表面に沿うようにトナー担持ローラ71に設けられた多数の電極81,82,83,84,・・・からなる電極パターンが、表面移動方向に沿ってp[μm]のピッチで配列されている。これらの電極81,82,83,84,・・・は互いに絶縁されている。本実施形態1においては、電極パターンにおける奇数番目の電極81,83,・・・の集合体を奇数番目電極群とし、その奇数番目電極群に電圧を入力するための電圧入力端子を、トナー担持ローラ71の一方のローラ軸75A(図中手前側のローラ軸)に設けている。また、電極パターンにおける偶数番目の電極82,84,・・・の集合体を偶数番目電極群とし、その偶数番目電極群に電圧を入力するための電圧入力端子を、トナー担持ローラ71の他方のローラ軸75B(図中奥側のローラ軸)に設けている。各ローラ軸端部75A,75Bには、図示しない電極ブラシ等によってそれぞれ交流電源76A,76Bから周期的な電圧である交流電圧が印加される。より詳しくは、奇数番目電極群の各電極81,83,・・・と偶数番目電極群の各電極82,84,・・・との間に形成される電界(ホッピング電界)の向きを周期的に反転させるような交流電圧を、各ローラ軸端部75A,75Bに印加する。これにより、トナー担持ローラ71の表面に担持されたトナーTは、このように周期的に反転するホッピング電界の作用を受けて、奇数番目電極群の各電極81,83,・・・と偶数番目電極群の各電極82,84,・・・との間をホッピングして往復移動するような運動を行う。このような運動をフレアと称し、このフレア状態のトナーを現像領域へ搬送して現像を行う方式をフレア現像方式と称する。トナー担持ローラ71の表面とフレア状態になったトナーとの付着力は非常に小さくなるので、非常に高効率な現像が実現可能となる。
なお、本実施形態1では、互いに隣り合う電極間に形成される電界の向きが周期的に反転するように、奇数番目電極群の各電極81,83,・・・と偶数番目電極群の各電極82,84,・・・との間に交流電圧を印加することでホッピング電界を形成しているが、トナー担持ローラ表面に担持されているトナーをホッピングさせるためのホッピング電界をトナー担持ローラ表面上に発生させることができるのであれば、トナー担持ローラ表面に沿うように設けられた多数の電極にどのような周期的な電圧を印加するようにしてもよい。したがって、必ずしも互いに隣り合う電極間において電界の向きが周期的に反転するように構成する必要はなく、2つ隣りの電極との間で電界の向きが周期的に反転するように構成してもよいし、その他の構成としてもよい。
次に、トナー担持ローラ71の製作方法の一例について説明する。
図5(a)及び(b)は、トナー担持ローラ71の製作方法を示す説明図である。
トナー担持ローラ71を製造する場合、まず、図5(a)に示すように、絶縁体であるアクリル樹脂の円筒71a内に設けられた軸穴71bに対し、ローラ軸75A,75Bとなるステンレス製の電極部材を図5(b)に示すように円筒71aの軸穴71bに圧入する。これらのローラ軸75A,75Bは、後述するように円筒71aに形成される奇数番目電極群の各電極81、83,・・・と偶数番目電極群の各電極82,84,・・・とにそれぞれ接続されることになる。
図6(a)乃至(e)は、トナー担持ローラ71に電極パターンを形成する工程の説明図である。なお、図6(a)乃至(e)は、トナー担持ローラ71の回転軸に沿って切断したときの断面図である。
図5(b)に示した電極パターン形成前のトナー担持ローラ71に対し、まず、図6(a)に示すように、そのローラ表面を外周旋削によって平滑に仕上げる。次に、図6(b)に示すように、溝のピッチが100[μm]、溝幅が50[μm]となるように、溝71cの切削を行う。そして、図10(c)に示すように、溝切削を行ったローラに無電解ニッケル80のメッキを施し、図10(d)に示すように、無電解ニッケル80のメッキを施したローラの外周を旋削して不要な導体膜を取り除く。この時点で電極81,82,83,84,・・・が溝71cの部分に互いに絶縁された状態て形成される。その後、このローラにシリコーン系樹脂をコーティングすることでローラ表面を平滑にし、同時に表面保護層(厚み約5[μm]、体積抵抗率約1010[Ω・cm])71dを形成する。なお、この表面保護層71dは、体積抵抗率が109〜1012[Ω・cm]の範囲内であるのが好ましい。
このような製作工程を経て、図7に示すような電極パターンがトナー担持ローラ71のローラ表面に沿って形成される。
このようなトナー担持ローラ71を用いて、その表面に担持されたトナーTをフレア状態にするためには、奇数番目電極群の各電極81,83,・・・と偶数番目電極群の各電極82,84,・・・との間の電位差の最大絶対値Vmax[V]を電極ピッチp[μm]で除した値が1よりも大きいとき(Vmax[V]/p[μm]>1)、フレアが活性化し始め、Vmax[V]/p[μm]>3のときにフレアが完全に活性化する。
なお、表面保護層71dの材料は、トナーTとの摩擦でトナーに正規極性の電荷を与えられる材質のものであることが好ましく、例えばガラス系のものや現像剤のキャリアコートに使用されている材料を用いることが好ましい。
また、電極ピッチpは現像ギャップdよりも小さいこと、すなわちp<dに設定するのが好ましい。
このようなトナー担持ローラ71を用いた現像装置70において、トナー担持ローラ71に供給されたトナーTは、各電極81,82,83,84,・・・に印加される交流電圧により発生したホッピング電界の作用を受けて、トナー担持ローラ71の表面上でフレア状態になる。そして、トナー担持ローラ71の回転駆動によりトナー担持ローラ71の表面が移動することで、感光体40と対向する現像領域へ搬送される。現像領域で現像に寄与せずにトナー担持ローラ71の表面に残存したトナーは、トナー担持ローラ71の回転に伴って再び供給ローラ72との対向位置に戻ってくる。このときも、トナー担持ローラ71上のトナーはフレア状態になっているので、トナー担持ローラ71に対するトナーの付着力は非常に低い。したがって、トナー担持ローラ71の表面に残存したトナーは、供給ローラ72上に担持された現像剤によって容易に掻き取られたり均されたりする。
本実施形態1においては、帯電器64により一様に帯電した感光体40の表面における非画像部を露光して電位を落とし、露光しない画像部の電位とトナー担持ローラ71の平均電位との電位差から生じる現像電界によって、感光体40の画像部にトナーを付着させるプロセスを採用している。本実施形態1では、奇数番目電極群の各電極81,83,・・・に印加される交流電圧と、偶数番目電極群の各電極82,84,・・・に印加される交流電圧は、同一振幅(VPP=200[V])で同一周波数(1k[Hz])の交番電圧であって位相が互いに180°ズレているものを用いており、トナー担持ローラ71の平均電位はゼロである。
もちろん、帯電器64により一様に帯電した感光体40の表面における画像部を露光して電位を落とし、その画像部の電位とトナー担持ローラ71の平均電位との電位差から生じる現像電界によって、感光体40の画像部にトナーを付着させるプロセスを採用してもよい。
ところで、トナー担持ローラ71の表面上のトナーに対して何らかの外力が作用してトナー担持ローラ71の表面との付着力が高まると、電極81,82,83,84,・・・によるホッピング電界だけではフレア状態になれないトナーが発生する。このようなトナーは、現像領域に搬送されても現像に寄与しないままトナー担持ローラ71の表面にとどまることが多い。そのため、このようなトナーが多くなると、現像効率が落ちてしまう。また、供給ローラ72上の現像剤による掻き取りによってもトナー担持ローラ71の表面からトナーを離脱させることができず、長期的にトナーがトナー担持ローラ71の表面にとどまり固着してしまう場合がある。この場合、その固着部分近傍に適正なホッピング電界が形成できなくなり、その固着部分近傍に担持されたトナーをフレア状態にすることが困難となる結果、その部分ではその後の現像効率が更に低下することになる。
そこで、本実施形態1では、トナー担持ローラ71の表面に担持されているトナーをトナー担持ローラ表面から静電力(離間力)により離間させるための離間電界を発生させる離間力付与手段としての離間電界発生手段である離間電界発生装置を設けている。この離間電界発生装置は、トナー担持ローラ71の表面移動方向(トナー搬送方向)における現像領域の上流側に近接したトナー担持ローラ表面部分に対向するように配置された電極板91と、この電極板91に交流電圧を印加するための交流電源92とを備えている。交流電源92から電極板91に交流電圧が印加されると、電極板91とトナー担持ローラ71との間には振動電界が形成される。
本実施形態1においては、供給ローラ72上の現像剤による摺擦や、ドクタギャップ通過時に、トナー担持ローラ71上のトナーがトナー担持ローラ表面側に押し付ける外力を受ける。このような外力によりトナー担持ローラ71の表面に対するトナーの付着力が高まる場合がある。本実施形態1では、このような外力によりトナー担持ローラ71の表面に対するトナーの付着力が高まっても、電極板91との対向領域を通過する際に振動電界の作用を受けて、トナー担持ローラ71の表面との付着力を弱めることができる。その結果、電極81,82,83,84,・・・によるホッピング電界の作用でフレア状態となることができる。
以上のように、本実施形態1では、トナー担持ローラ表面移動方向における現像領域の上流側に近接したトナー担持ローラ71の表面部分に担持されているトナーに対し、振動電界を作用させてトナー担持ローラ表面から離間させる離間力(静電力)が付与される。より詳しくは、トナー担持ローラ71上のトナーにトナー担持ローラ表面側への外力が加わる箇所よりもトナー担持ローラ表面移動方向下流側であって、現像領域よりもトナー担持ローラ表面移動方向上流側で、上記離間力を付与する。これにより、離間力を受けてフレア状態になったトナーを、再び外力の作用を受けることによりトナー担持ローラ表面に付着した状態になって静止状態になってしまう前に、現像領域へ送り込むことができる。よって、安定してフレア状態になっているトナーが現像領域へ搬送されるので、安定して高い現像効率を実現することができる。
〔実施形態2〕
次に、本発明を、画像形成装置としての複写機に適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
図8は、本実施形態2に係る複写機のプリンタ部の一部構成を拡大して示す拡大構成図である。
本実施形態2の複写機は、上記実施形態1で用いた現像装置70ど同様の構成を備えた現像装置170を利用して構成され、潜像担持体であるベルト状の感光体140上に各色のトナー像を重ねて形成するものである。この感光体140は図示しない2つのローラに掛け渡されており、図示しない駆動部により図中矢印方向に回転駆動される。感光体140の図中左側には、例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタの画像をそれぞれ感光体140の表面に形成するための各種装置が配置されている。なお、プリンタ部を除いた他の構成は、基本的には上記実施形態1のものと同様である。
この複写機でカラー画像を形成する場合、まず、感光体140の表面を帯電装置164Kにより一様に帯電する。帯電された感光体140の表面は、潜像形成手段としての図示しない露光装置により、Kの画像データで変調された光ビームLKによって露光される。これにより、感光体140の表面上にはKの静電潜像が形成される。このKの静電潜像は、現像装置170Kのトナー担持ローラ171Kの表面に担持されたフレア状態のトナーにより現像され、Kのトナー像となる。すなわち、供給ローラ172K上の現像剤から供給されたトナー担持ローラ171Kの表面上のトナーは、ドクターブレード173Kにより層厚が規制された後、電極板191Kによる振動電界の作用を受けて安定したフレア状態になってから現像領域へ搬送され、このトナーにより感光体140上の静電潜像が現像される。その後、感光体140の表面は除電器167Kにより除電される。
このようにして、感光体140の表面にKのトナー像が形成されたら、その表面は帯電装置164Yにより一様に帯電される。その後は、Kの作像プロセスと同様に、帯電された感光体140の表面は、図示しない露光装置によりYの画像データで変調された光ビームLYによって露光され、これにより形成されたYの静電潜像は、現像装置170Yのトナー担持ローラ171Yの表面に担持されたフレア状態のトナーにより現像され、Yのトナー像となる。その後、感光体140の表面は除電器167Yにより除電される。
その後、同様にCとMの作像プロセスが実行されることで、感光体140の表面上には各色トナー像が重なり合ったフルカラー画像が形成される。
一方、図示しない給紙装置から転写紙が給送され、この転写紙は電源から転写バイアスが印加される転写手段としての転写ローラ122により感光体140上のフルカラー画像が転写される。フルカラー画像が転写された転写紙は、定着器125によりフルカラー画像が定着され、機外へ排出される。
感光体140は、フルカラー画像転写後にクリーニング手段としてのクリーナ163により転写残トナー等が除去される。
本実施形態2においては、同一の感光体140上に4色分のトナー像を形成し、これを転写紙へ一括転写するという画像形成プロセスをとるため、上記実施形態1のような中間転写方式のタンデム型画像形成装置と比較して色ズレが少なく、高画質のフルカラー画像を得ることが可能である。
〔変形例1〕
次に、上記実施形態1の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。なお、本変形例1の現像装置は、上記実施形態2の複写機にあっても適用できることは言うまでもない。
図9は、本変形例1における現像装置270の概略構成図である。
上述したように、現像に寄与しないままトナー担持ローラ71の表面にとどまって現像領域を通過したトナーの多くは、トナー担持ローラ71の表面に付着したままフレア状態になっていない。このようなトナーの多くは、その後、供給ローラ72上の現像剤による掻き取られて現像装置270内に回収される。しかし、トナー担持ローラ表面との付着力が強い一部のトナーは、現像剤による掻き取りでは回収できず、トナー担持ローラ71の表面に長期的に滞在して、最終的にはトナー担持ローラ表面に固着してしまう場合がある。このような固着が発生すると、上述したように、その固着部分近傍に適正なホッピング電界が形成できなくなり、その固着部分近傍に担持されたトナーをフレア状態にすることが困難となる結果、その部分ではその後の現像効率が更に低下することになる。
そこで、本変形例1においては、電極板91を、トナー担持ローラ71の表面移動方向(トナー搬送方向)における現像領域の下流側に近接したトナー担持ローラ表面部分に対向するように配置した。これにより、トナー担持ローラ表面移動方向における供給ローラ72の上流側に近接したトナー担持ローラ71の表面部分に担持されているトナーに対し、振動電界を作用させてトナー担持ローラ表面から離間させる離間力(静電力)が付与される。これにより、現像に寄与しないままトナー担持ローラ71の表面にとどまって現像領域を通過したトナーを、フレア状態にしてから、供給ローラ72との対向領域へ送り込むことができる。よって、安定してフレア状態になっているトナーが供給ローラ72との対向領域へ搬送されるので、現像剤の掻き取りによるトナーの回収効率を高めることができる。その結果、トナー担持ローラ71の表面にトナーが固着してしまう事態を抑制でき、現像効率の低下を抑制できる。
〔変形例2〕
次に、上記実施形態1の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。なお、本変形例2の現像装置は、上記実施形態2の複写機にあっても適用できることは言うまでもない。
図10は、本変形例2における現像装置370の概略構成図である。
本変形例2においては、電極板91を設けずに、ドクタブレード73に交流電源92を接続し、ドクタギャップ内に振動電界を形成することで、トナー担持ローラ71の表面に対するトナーの付着力を弱める。よって、トナー担持ローラ71の表面に担持されているトナーは、ドクタギャップを通過する際に、層厚が規制されるとともに、トナー担持ローラ表面との付着力が弱められる。
本変形例2のように、トナー担持ローラ71の表面に対向配置される既存の部材に交流電圧を印加して、トナー担持ローラ表面から離間させる離間力(静電力)をトナーに付与すれば、部品点数を増やすことなく、トナー担持ローラ71の表面に対するトナーの付着力を弱めることができ、フレア状態のトナーを増やすことができる。
特に、本変形例2のようにドクタブレード73に交流電圧を印加する構成とすれば、ドクタギャップ内で離間力を受けてフレア状態になったトナーを、再び外力の作用を受けることによりトナー担持ローラ表面に付着した状態になって静止状態になってしまう前に、現像領域へ送り込むことができる。よって、上記実施形態1の場合と同様に、安定してフレア状態になっているトナーが現像領域へ搬送されるので、安定して高い現像効率を実現することができる。
〔変形例3〕
次に、上記実施形態1の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。なお、本変形例3の現像装置は、上記実施形態2の複写機にあっても適用できることは言うまでもない。
図11は、本変形例3における現像装置470の概略構成図である。
本変形例3においては、電極板91を設けずに、供給ローラ72の回転スリーブ72aに交流電源92を接続し、供給ローラ72とトナー担持ローラ71の表面との間に振動電界を形成することで、トナー担持ローラ71の表面に対するトナーの付着力を弱める。よって、トナー担持ローラ71の表面に担持されているトナーは、供給ローラ72とトナー担持ローラ71の表面との間において、トナー担持ローラ表面との付着力が弱められつつ、供給ローラ72上に担持された現像剤によって掻き取られたり均されたりする。
本変形例3のように、トナー担持ローラ71の表面に対向配置される既存の部材に交流電圧を印加して、トナー担持ローラ表面から離間させる離間力(静電力)をトナーに付与すれば、上記変形例2の場合と同様に、部品点数を増やすことなく、トナー担持ローラ71の表面に対するトナーの付着力を弱めることができ、フレア状態のトナーを増やすことができる。
特に、本変形例3のように供給ローラ72に交流電圧を印加する構成とすれば、現像に寄与しないままトナー担持ローラ71の表面にとどまって現像領域を通過したトナーを、フレア状態にして、これを供給ローラ72上の現像剤で掻き取ることができる。よって、上記変形例1の場合と同様に、現像剤の掻き取りによるトナーの回収効率を高めることができ、トナー担持ローラ71の表面にトナーが固着してしまう事態を抑制でき、現像効率の低下を抑制できる。
〔実験例1〕
次に、本発明者らが行った実験例(以下、本実験例を「実験例1」という。)について説明する。
図12は、本実験例1で用いた試験機の構成を示す説明図である。
図13は、この試験機にトナー担持体として用いたフレア現像基板を、フレア現像基板移動方向に沿って切断したときの断面図である。
本実験例1では、電極板91に印加する交流電圧のピークツゥピーク電圧(振幅)VPPを変化させたときのフレア活性度の変化について観察した。
本試験機は、図12に示すように、フレア現像基板500がスライドレール510に沿って移動可能に構成されており、フレア現像基板500はトナー供給部520との対向領域と感光体40との対向領域(現像領域)との間を往復移動できる。図13に示すように、フレア現像基板500は、ガラス基板501上にアルミ蒸着によって電極パターン502を形成し、その上に保護層503として厚み約3[μm]、体積抵抗率約1010[Ω・cm]の樹脂コートを施したものである。トナー供給部520は、一般的な二成分現像装置と同様の構成を有し、内部の二成分現像剤を供給ローラ72上に担持させ、その現像剤をフレア現像基板500に摺擦させる。本実験例1で用いた現像剤は、粒径約55[μm]の磁性キャリアと粒径約7[μm]のポリエステルトナーを重量比で5〜7[wt%]で混合した二成分現像剤である。また、トナー供給部520の供給ローラ72は、上述した実施形態1のものと同様の構成であり、図示しない電源から供給バイアスが印加されている。これにより、供給ローラ72上の現像剤中のトナーTは、フレア現像基板500との対向領域でフレア現像基板500へと転移する。
本実験例1では、フレア現像基板500をスライドレール510に沿って現像領域側へ移動させながら、そのフレア現像基板500の表面に回転駆動する供給ローラ72からトナーTを供給する。このとき、フレア現像基板500の電極パターン502には電源504から交流電圧が印加されており、フレア現像基板500の表面上にはホッピング電界が形成されている。供給ローラ72から供給された直後のトナーについてフレア現像基板500の表面上の動きを観察したところ、半分程度のトナーはフレア状態になっていたが、残りのトナーについてはフレア状態になっていなかった。なお、本実験例1で電極パターン502に印加した交流電圧は、上記実施形態1の場合と同様に、周波数が1k[Hz]でピークツゥピーク電圧(振幅)VPPが200[V]の交流電圧である。
本試験機には、現像領域の直前に電極板91を配置し、これに交流電源92から交流電圧を印加して、その電極板91とフレア現像基板500との間に振動電界を形成する。本実験例1では、この交流電圧として、周波数が1k[Hz]で、ピークツゥピーク電圧(振幅)VPPを振ったときのフレア活性度について観察した。
図14は、本実験例1の実験結果を示すグラフである。
このグラフは、横軸に電極板91に印加した交流電圧のピークツゥピーク電圧VPPをとり、縦軸にフレア活性度をとったものである。このフレア活性度とは、フレア現像基板500の表面をその法線方向から電子顕微鏡で観察したときに、静止しているトナーと動いているトナーとの比率を目視評価したもので、静止しているトナーが無いときのフレア活性度を「非常に活性」と評価し、静止しているトナーと動いているトナーとが半分ずつのときのフレア活性度を「やや活性」と評価し、動いているトナーが無いときのフレア活性度を「完全静止」と評価した。
本実験例1では、およそ150[V]以上のピークツゥピーク電圧VPPをもつ交流電圧を電極板91に印加すると、トナーのフレア活性度を高めることができることが確認された。
なお、この実験結果は、板状の電極板91に代えて、ワイヤー形状のものやローラ形状のものを用いた場合であっても、同様であることが確認された。したがって、上述した実施形態1及び2や各変形例において、電極板91に代えてワイヤー形状のものやローラ形状のものを用いても、同様の効果が得られる。このように、振動電界を形成するために交流電圧が印加される部材の形状は限定されないため、レイアウトの自由度は高い。
〔実験例2〕
次に、本発明者らが行った他の実験例(以下、本実験例を「実験例2」という。)について説明する。
本実験例2では、フレア現像基板500の表面の電気的特性がフレア活性度に与える影響を調べるために、上記実験例1で用いた試験機を用いて、フレア現像基板500の保護層503の体積抵抗率とフレア活性度との関係について確認する実験を行った。本実験例2で用いたフレア現像基板500の保護層503はシリコーン系樹脂とし、電極ピッチpは50[μm]とした。また、そこに分散させるカーボン微粒子の量を変更することにより、107〜1014[Ω・cm]の範囲内の互いに異なる体積抵抗率を持つ保護層(厚みは約5[μm])をそれぞれ備えた複数のフレア現像基板500を用いて、フレア活性度を観察した。なお、フレア活性度の観察方法は、上記実験例1と同様である。
図15は、本実験例2の実験結果を示すグラフである。
この実験結果から、フレア現像基板500の保護層503の体積抵抗率が109〜1012[Ω・cm]の範囲内である場合、フレア活性度が良好であることが判明した。
この実験結果について考察すると、フレア現像基板500の保護層503の体積抵抗率が高すぎる場合、トナーがホッピングを繰り返すことでトナーとの保護層503とが摩擦し合い、これにより保護層503に溜まった電荷が保護層503内に蓄積されて、保護層503が帯電したままの状態になってしまう。このように保護層503が帯電すると、その保護層503の電荷にトナーが静電的に拘束され、ホッピング電界によるホッピングを妨げられることが原因であると考えられる。
また、逆に、フレア現像基板500の保護層503の体積抵抗率が低すぎる場合、電極パターン502の間で電荷のリーク(ショート)が発生し、効率的なバイアス効果が得られなくなる。その結果、適正なホッピング電界が形成できず、トナーが良好にホッピングできないためだと考えられる。
以上より、本実験例2の実験結果から、上述した実施形態1及び2や各変形例におけるトナー担持ローラ71の表面保護層71dとしては、体積抵抗率が109〜1012[Ω・cm]のものを用いるのが好ましい。
〔実験例3〕
次に、本発明者らが行った更に他の実験例(以下、本実験例を「実験例3」という。)について説明する。
本実験例3では、フレア現像基板500の表面の摩擦帯電特性の影響を調べるために、フレア現像基板500の保護層503をフッ素系樹脂で形成したものについて、上記実験例3と同様にフレア活性度を観察した。その結果、保護層503として体積抵抗率が109〜1012[Ω・cm]の範囲内にあるフッ素系樹脂を用いた場合、シリコーン系樹脂であれば長時間フレア状態が維持されたのに対し、フレア状態が短時間で消滅し、トナーが静止状態になってしまった。
この観察後にフレア現像基板500上のトナーの帯電量を測定したところ、保護層503がシリコーン系樹脂の場合にはトナー帯電量が初期に比べて若干の低下が見られただけであったが、保護層503がフッ素系樹脂の場合にはトナー帯電量がほとんどゼロであった。試しに、帯電していないトナーをそれぞれの保護層503の表面に擦り付けてみたところ、保護層503がシリコーン系樹脂の場合にはトナーが正規の極性に摩擦帯電したのに対し、保護層503がフッ素系樹脂の場合にはほとんど摩擦帯電しなかったばかりか若干逆極性に摩擦帯電してしまった。
本実験例3の実験結果から、トナーがフレア状態になると、トナーとフレア現像基板500の表面とが多数回衝突することになる。そのため、フレア現像基板500の表面材質は、この多数回の衝突によりトナーの電荷を奪う材質でないのが好ましい。特に、フレア現像基板500の表面は、多数回の衝突によりトナーを正規極性に帯電させることができる材質であれば、より好ましい。
したがって、上述した実施形態1及び2や各変形例におけるトナー担持ローラ71の表面保護層71dの材質は、このような材質であることが好ましい。具体的には、表面保護層71dとして、例えばガラス系のものや、二成分現像剤のキャリアコートに使用されている材料で形成されたものを用いることが好ましい。
以上、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3に係る複写機は、潜像担持体としての感光体40Y,40M,40C,40K,140上の潜像にトナーを付着させることにより潜像を現像し、これにより得られたトナー像を最終的に記録材としての転写紙に転移させて画像形成を行う画像形成装置である。なお、上記複写機は、感光体40Y,40M,40C,40K,140上に形成されたトナー像を複数互いに重ね合わせて得られる画像を転写紙に形成するカラー画像形成装置であるが、モノクロ画像形成装置であってもよい。上記複写機に設けられている現像装置70,170,270,370,470は、トナー担持体としてのトナー担持ローラ71,171の表面に沿うようにトナー担持ローラ71,171に設けられ互いに絶縁された多数の電極81,82,83,84,・・・に周期的な電圧を印加することにより、トナー担持ローラ71,171の表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせるためのホッピング電界をトナー担持ローラ表面上に発生させるホッピング電界発生手段を有し、トナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーを感光体40Y,40M,40C,40K,140と対向する現像領域へ搬送して感光体上の潜像にトナーを付着させることにより潜像を現像するものである。そして、この現像装置70,170,270,370,470は、トナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーをトナー担持ローラ表面から離間させる離間力を現像領域外でトナーに付与する離間力付与手段としての離間電界発生装置を、上記ホッピング電界発生手段とは別に備えている。これにより、何らかの外力を受けてトナー担持ローラ表面に対する付着力が高まったトナーをトナー担持ローラ表面から引き離すことができる。その結果、ホッピング電界発生手段が発生させた適切なホッピング電界でトナーを安定してホッピングさせることができる。また、トナー担持ローラ表面へのトナー固着が発生することも抑制されるので、固着したトナーによりホッピング電界が乱れる事態も抑制される。
特に、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3においては、上記ホッピング電界発生手段が、多数の電極81,82,83,84,・・・に周期的な電圧を印加することにより互いに近接する電極間の電界の向きが周期的に反転するように上記ホッピング電界を発生させるものであり、トナー担持ローラ71,171の表面を移動させることによりトナー担持ローラ表面に担持されているトナーを現像領域へ搬送する。すなわち、本発明は、トナー担持ローラ71,171の表面上でトナーをホッピングさせるものであれば適用可能であり、したがってフレア現像方式以外の現像方式、例えば静電搬送方式であってもよい。ただし、フレア現像方式は、トナーが十分に帯電した状態でなくてもこれを搬送することが可能である点やトナー搬送能力が高い点で、トナーが十分に帯電した状態でなければ適正な搬送を行うことができずトナー搬送能力が低い上記特許文献2に記載のような静電搬送方式よりも優れている。
また、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3において、トナー担持ローラ71,171は、回転駆動するローラ部材で構成され、かつ、多数の電極81,82,83,84,・・・における一の電極を起点にした奇数番目の電極81,83,・・・の集合体である奇数番目電極群の電圧入力端子をローラ部材のローラ軸の一端部75Aに有し、偶数目の電極82,84,・・・の集合体である偶数番目電極群の電圧入力端子をローラ軸の他端部75Bに有しており、上記ホッピング電界発生手段は、奇数番目電極群と偶数番目電極群との間に時間周期的な電位差を形成することで上記ホッピング電界を発生させる。これにより、簡単な構成で、トナーをフレア状態にすることが可能なホッピング電界を形成できる。
また、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3において、離間電界発生装置は、トナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーを静電力によりトナー担持ローラ表面から離間させるための離間電界を発生させる離間電界発生手段である。トナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーをトナー担持ローラ表面から離間させる離間力としては、このような静電力に限らず、磁力などの他の力であってもよい。しかし、離間力として例えば磁力を利用する場合、トナーとして磁性トナーを用いる必要がある。しかし、磁性トナーは非磁性トナーに比べて製造コストが高いという欠点がある。この点で、非磁性トナーであってもこれをトナー担持ローラ表面から離間させることができる。
また、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3において、離間電界発生装置が発生させる離間電界は振動電界(交番電界)である。トナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーを静電力によりトナー担持ローラ表面から離間させるための離間電界は、直流電界であってもよいが、振動電界の方がトナー担持ローラ71,171の表面に強い付着力で付着したトナーを離間させる効果が高い。
また、上述した実施形態1及び2並びに変形例2において、離間電界発生装置は、トナー担持ローラ71,171の表面のうち現像領域に対してトナー搬送方向上流側で近接した表面部分に担持されているトナーに上記離間力を付与するものである。具体的には、上述した実施形態1及び2並びに変形例2においては、トナー担持ローラ71,171の表面に担持されたトナーの層厚を現像領域に搬送される前に規制する層厚規制部材としてのドクタブレード73,173を有しているので、離間電界発生装置は、ドクタブレード73,173により層厚が規制された後であって現像領域に搬送される前のトナーに上記離間力を付与する。これにより、その離間力を受けてフレア状態になったトナーを、再び外力の作用を受けることによりトナー担持ローラ表面に付着した状態になって静止状態になってしまう前に、現像領域へ送り込むことができる。よって、安定してフレア状態になっているトナーが現像領域へ搬送されるので、安定して高い現像効率を実現することができる。
また、上述した変形例2における離間電界発生装置は、ドクタブレード73,173を介してトナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーに離間力を付与するものである。これにより、部品点数を増やすことなく、トナー担持ローラ71,171の表面に対するトナーの付着力を弱めることができ、現像領域へ送り込むトナーをフレア状態にすることができる。
また、上述した変形例3においては、トナー担持ローラ71,171の表面にトナーを供給するトナー供給部材としての供給ローラ72,172を有し、離間電界発生装置は、供給ローラ72,172を介してトナー担持ローラ71,171の表面に担持されているトナーに離間力を付与するものである。これにより、部品点数を増やすことなく、トナー担持ローラ71,171の表面に対するトナーの付着力を弱めることができる。
また、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3において、トナー担持ローラ71,171の表面層である表面保護層71dは、トナーとの摩擦によりトナーに対して正規の電荷を付与し得る電気的特性を備えた材料であるシリコーン系樹脂で形成されている。これにより、上記実験例3で説明したように、トナー担持ローラ71,171の表面上でトナーを長期間安定してフレア状態に維持することができる。
また、上述した実施形態1及び2並びに変形例1、2及び3において、トナー担持ローラ71,171の表面保護層71dは、体積抵抗率が109[Ω・cm]以上1012[Ω・cm]である。これにより、上記実験例2で説明したように、トナー担持ローラ71,171の表面上でトナーを安定してフレア状態にすることができる。
また、多数の電極81,82,83,84,・・・に印加する周期的な電圧は、各瞬間の電位平均値が感光体40Y,40M,40C,40K,140に形成される画像部電位と非画像部電位との間の値となるように設定してもよい。この場合、所定極性に一様帯電した感光体表面の画像部を露光して電位を落とした静電潜像に、当該所定極性と同極性に帯電したトナーを静電的に付着させるための現像電界を、多数の電極81,82,83,84,・・・に印加される電圧によって適切に形成することができる。
実施形態1に係る複写機の現像装置を示す概略構成図。 同複写機を示す概略構成図。 同複写機のプリンタ部の一部構成を拡大して示す拡大構成図。 同現像装置のトナー担持ローラを示す斜視図。 (a)及び(b)は同トナー担持ローラの製作方法を示す説明図。 (a)乃至(e)は同トナー担持ローラに電極パターンを形成する工程の説明図。 同電極パターンを示す説明図。 実施形態2に係る複写機のプリンタ部の一部構成を拡大して示す拡大構成図。 変形例1における現像装置の概略構成図。 変形例2における現像装置の概略構成図。 変形例3における現像装置の概略構成図。 実験例1で用いた試験機の構成を示す説明図。 同試験機にトナー担持体として用いたフレア現像基板をフレア現像板移動方向に沿って切断したときの断面図。 実験例1の実験結果を示すグラフ。 実験例2の実験結果を示すグラフ。
符号の説明
10 中間転写ベルト
18 プロセスユニット
20 タンデム画像形成部
21 露光装置
40,140 感光体
70,170,270,370,470 現像装置
71,171 トナー担持ローラ
71d 表面保護層
72,172 供給ローラ
72a 回転スリーブ
72b 固定磁石
73,173 ドクタブレード
75A,75B ローラ軸
76A,76B 交流電源
81,82,83,84,・・・ 電極
91,191 電極板
92 交流電源
100 プリンタ部
300 スキャナ部
500 フレア現像基板
501 ガラス基板
502 電極パターン
503 保護層
504 電源
510 スライドレール
520 トナー供給部

Claims (14)

  1. トナー担持体の表面に沿うように該トナー担持体に設けられ互いに絶縁された多数の電極に周期的な電圧を印加することにより、該トナー担持体の表面に担持されている所定極性に帯電したトナーをホッピングさせるためのホッピング電界を該トナー担持体の表面上に発生させるホッピング電界発生手段を有し、
    該トナー担持体の表面に担持されているトナーを潜像担持体と対向する現像領域へ搬送して該潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることにより該潜像を現像する現像装置において、
    上記トナー担持体の表面に担持されているトナーを該トナー担持体の表面から離間させる離間力を現像領域外で該トナーに付与する離間力付与手段を、上記ホッピング電界発生手段とは別に備えていることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記ホッピング電界発生手段は、上記多数の電極に周期的な電圧を印加することにより互いに近接する電極間の電界の向きが周期的に反転するように、上記ホッピング電界を発生させるものであり、
    上記トナー担持体の表面を移動させることにより、該トナー担持体の表面に担持されているトナーを現像領域へ搬送することを特徴とする現像装置。
  3. 請求項2の現像装置において、
    上記トナー担持体は、回転駆動するローラ部材で構成され、かつ、上記多数の電極における一の電極を起点にした奇数番目の電極の集合体である奇数番目電極群の電圧入力端子を該ローラ部材のローラ軸の一端部に有し、偶数目の電極の集合体である偶数番目電極群の電圧入力端子を該ローラ軸の他端部に有しており、
    上記ホッピング電界発生手段は、奇数番目電極群と偶数番目電極群との間に時間周期的な電位差を形成することで、上記ホッピング電界を発生させることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1、2又は3の現像装置において、
    上記離間力付与手段は、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーを静電力により該トナー担持体の表面から離間させるための離間電界を発生させる離間電界発生手段であることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項4の現像装置において、
    上記離間電界発生手段が発生させる上記離間電界は振動電界であることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5の現像装置において、
    上記離間力付与手段は、上記トナー担持体の表面のうち上記現像領域に対してトナー搬送方向上流側で近接した表面部分に担持されているトナーに上記離間力を付与するものであることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項6の現像装置において、
    上記トナー担持体の表面に担持されたトナーの層厚を現像領域に搬送される前に規制する層厚規制部材を有し、
    上記離間力付与手段は、該層厚規制部材により層厚が規制された後であって現像領域に搬送される前のトナーに、上記離間力を付与するものであることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1、2、3、4又は5の現像装置において、
    上記トナー担持体の表面に担持されたトナーの層厚を現像領域に搬送される前に規制する層厚規制部材を有し、
    上記離間力付与手段は、該層厚規制部材を介して上記トナー担持体の表面に担持されているトナーに離間力を付与するものであることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1、2、3、4又は5の現像装置において、
    上記トナー担持体の表面にトナーを供給するトナー供給部材を有し、
    上記離間力付与手段は、該トナー供給部材を介して上記トナー担持体の表面に担持されているトナーに離間力を付与するものであることを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の現像装置において、
    上記トナー担持体の表面層は、トナーとの摩擦によりトナーに対して正規の電荷を付与し得る電気的特性を備えた材料で形成されていることを特徴とする現像装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の現像装置において、
    上記トナー担持体の表面層は、体積抵抗率が109[Ω・cm]以上1012[Ω・cm]であることを特徴とする現像装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の現像装置において、
    上記多数の電極に印加する周期的な電圧は、各瞬間の電位平均値が潜像担持体に形成される画像部電位と非画像部電位との間の値となるように設定されていることを特徴とする現像装置。
  13. 潜像担持体上の潜像にトナーを付着させることにより該潜像を現像し、これにより得られたトナー像を最終的に記録材に転移させて画像形成を行う画像形成装置において、
    上記潜像担持体上の潜像を現像する手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13の画像形成装置において、
    潜像担持体上に形成されたトナー像を複数互いに重ね合わせて得られる画像を記録材に形成することを特徴とする画像形成装置。
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