JP2008008770A - Ri化合物合成装置及びri化合物合成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】RI化合物合成装置1は、互いに連結された第1反応部A1と第2反応部A2との間で放射性同位元素化合物のスピペロン溶液を往復移動させる流体往復部25と、流体往復部25に[11C]ヨウ化メチルを導入する原料導入部28と、を備えている。そして、原料導入部28は、流体が通過する流体流路L2と、流体流路L2上に設けられ流体流路L2を通過する流体に[11C]ヨウ化メチルを供給する原料供給部27と、を有している。
【選択図】図1
Description
図1に示すマイクロシリンジ合成装置1は、スピペロン(第1の原料)と[11C]ヨウ化メチル(第2の原料)とを反応させ、ポジトロン放出断層撮影(PET)に用いられる放射性同位元素標識化合物(RI化合物)の[11C]メチルスピペロンを合成する装置である。この装置1において、第1の原料のスピペロンは、1 mg/mLのスピペロンDMF溶液20μLとNaHのDMF溶液1μL(NaH 0.1 mg程度を含む)との混合溶液(以下、「原料溶液」という)として導入され、第2の原料の[11C]ヨウ化メチルは、[11C]ヨウ化メチルガスと不活性ガスとの混合ガス(以下、「原料ガス」という)として導入される。
まず、バルブV1,V3を切り替えて、流路L2と流路L1とを連結すると共に、流路L1と流路L14とを連結する。また、バルブV2,V4を切り替えて、流路L2と流路L5とを連結すると共に、流路L5と流路L24とを連結する。この状態で、流路L14に原料ガス発生源26からの原料ガスを導入すると、原料ガスは、流路L1を通過して流路L2を流動しガス捕集器27を通過する。このとき、原料ガス中の[11C]ヨウ化メチルガスは、ガス捕集器27によって捕集され、不活性ガスのみが流路L2から流路L5へ排出される。不活性ガスは、流路L24を経て系外へ排出される。このように原料ガス発生源26や原料ガスをガス捕集器27に導入するための各流路が、原料準備手段として機能するので、第2の原料である[11C]ヨウ化メチルガスを、ガス捕集器27に予め捕集させることができる。なお、ここでは、窒素ガスが上記不活性ガスとして用いられる。
次に、バルブV1,V3を切り替えて、流路L3と流路L1とを連結すると共に、流路L1と流路L11とを連結する。また、切り替えバルブV2,V4を切り替えて、流路L4と流路L5とを連結すると共に、流路L5と流路L21とを連結する。更に、ピストン10b,20bは、最下点に移動させる。この状態で、シリンジポンプP10,P20を動作させピストン10b,20bを上昇させる。このとき、バイアル瓶11の原料溶液は、流路L11→流路L1→流路L3を通じて、全量が反応室A1に導入される。また、バイアル瓶21のDMFは、流路L21→L5→L4を通じて、全量が反応室A2に導入される。なお、この工程においては、加圧装置15,16によってバイアル瓶11,21内部が加圧されているので、反応室A1,A2には原料溶液,DMFがそれぞれスムーズに導入される。
次に、バルブV1,V2を切り替えて、流路L3と流路L2とを連結すると共に、流路L4と流路L2とを連結すると、反応室A1と反応室A2とが、流路L3,L2,L4を介して連通される。この状態で、ピストン10bを更に上昇させながら、同じ速さでピストン20bを下降させると、反応室A2のDMFが流路L4→流路L2→流路L3を通じて反応室A1に移動する。このとき、DMFが流路L2のガス捕集器27を通過すると、ガス捕集器27に捕集されていた[11C]ヨウ化メチルガスを溶解し、[11C]ヨウ化メチルのDMF溶液となる。その後、この溶液は、流路L2を流動し流路L3を通じて反応室A1に移動する。そして、反応室A1内では、原料溶液と上記[11C]ヨウ化メチルのDMF溶液とが混合され、スピペロンと[11C]ヨウ化メチルとが反応することになる。
その後、ピストン20bを上昇させながら、同じ速さでピストン10bを下降させると、原料溶液と上記[11C]ヨウ化メチルのDMF溶液との上記混合液が、反応室A1から、流路L3を通じて排出され、更に流路L2→流路L4を通じて反応室A2に導入される。更に、その後、逆にピストン10bを上昇させながら、同じ速さでピストン20bを下降させると、第1及び第2反応液は、反応室A2から、流路L4を通じて排出され、更に流路L2→流路L3を通じて反応室A1に導入される。
そして、第1の原料であるスピペロンと第2の原料である[11C]ヨウ化メチルとが反応し、十分に[11C]メチルスピペロンが生成された後、この生成物溶液を反応室A2に移動させた状態で、バルブV2を切り替えて流路L4と流路L5とを連結する。また、バルブV4を切り替えて流路L5と流路L22とを連結する。この状態でピストン20bを下降させると、反応室A2内の生成物溶液が、流路L4→流路L5→流路L22を通じて回収用のバイアル瓶22に排出される。
その後、バルブV1,V3を切り替えて流路L3と流路L1とを連結し、流路L1と流路L12とを連結する。この状態でピストン10bを上昇させると、バイアル瓶12内のエタノールが反応室A1に導入される。そして、上述した第1及び第2反応液の往復動作と同様に、エタノールを反応室A1,A2間で例えば1回往復させた後、バイアル瓶22に排出させる。このように、反応室A1,A2及び各流路L1〜L5に洗い込み溶媒としてのエタノールを通過させることで、反応室A1,A2及び各流路L1〜L5内に残った[11C]メチルスピペロンを回収することができる。
また、上記洗い込み工程と同様の操作により、反応室A1,A2及び各流路L1〜L5に、バイアル瓶13内に準備された洗浄液を通過させて洗浄することも可能である。なお、この場合の洗浄液は、最終的に廃液用のバイアル瓶23に排出され廃棄される。
図5に示すマイクロシリンジ合成装置31は、上述の合成装置1におけるバルブV1,V2に代えて、2ポジション−10ポートのバルブV33を備えている。なお、図2は、合成装置31の要部のみを示すものであり、例えば、バルブV3,V4に接続されたチューブC11〜C13,C21〜C23、シリンジポンプP10,P20、温度制御装置5、制御装置17、加圧装置15,16等が省略されている。また、この合成装置31において、上記合成装置1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すマイクロシリンジ合成装置51は、3本のマイクロシリンジ10,20,30を備えている点で、上述の合成装置1とは異なる。この合成装置51において、上記合成装置1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
まず、バルブV3,V53、V51,V2,V4を切り替えて、流路L14,L1,L6,L2,L5,L24をこの順に連結させる。この状態で、流路L14に原料ガス発生源26からの原料ガスを導入することで、上記合成装置1と同様に、ガス捕集器27に、第2の原料である[11C]ヨウ化メチルガスを、予め捕集させることができる。
次に、バルブV53,V3を切り替えて、流路L7と流路L1とを連結すると共に、流路L1と流路L11とを連結する。また、切り替えバルブV2,V4を切り替えて、流路L4と流路L5とを連結すると共に、流路L5と流路L21とを連結する。更に、ピストン10b,20b,30bは、最下点に移動させる。この状態で、シリンジポンプP30,P20を動作させてピストン30b,20bを上昇させる。このとき、バイアル瓶11の原料溶液は、流路L11→流路L1→流路L7を通じて、全量が反応室A3に導入される。また、バイアル瓶21のDMFは、流路L21→L5→L4を通じて、全量が反応室A2に導入される。
次に、バルブV53,V2を切り替えて、流路L6と流路L7とを連結すると共に、流路L4と流路L2とを連結する。更に、流路L3,L2,L6が互いに連結されるように、バルブV51を切り替える。このような操作により、反応室A1,A2,A3がすべて連通されることになる。そして、この状態で、ピストン20b、30bを同じ速度で下降させながら、ピストン10bをその2倍の速度で上昇させる。このとき、反応室A3の原料溶液は、流路L7→流路L6→流路L3を通じて反応室A1(第1の反応部)に移動する。また、反応室A2(第2の反応部)のDMFは、流路L4→流路L2(流体流路)→流路L3を通じて反応室A1に移動する。このとき、DMFが流路L2のガス捕集器27を通過する際に、ガス捕集器27に捕集されていた[11C]ヨウ化メチルガスを溶解し、[11C]ヨウ化メチルのDMF溶液として反応室A1に導入される。
その後、流路L3と流路L2のみが連結されるように、バルブV51の切り替えを行うことで、反応室A1と反応室A2のみが流路L3,L2,L4を通じて連通される。この状態でピストン10b,20bを交互に上下動させ、原料溶液と[11C]ヨウ化メチルのDMF溶液との混合液を反応室A1と反応室A2との間で往復させると、原料溶液と上記[11C]ヨウ化メチルのDMF溶液が互いに十分に接触し、[11C]メチルスピペロンが生成される。その後、生成物回収工程、洗い込み工程、装置洗浄工程を上述の合成装置1と同様に行い、処理を終了する。
図7に示すマイクロシリンジ合成装置71は、第1実施形態の合成装置1におけるマイクロシリンジ10に代えて、チューブC3に接続されたチャンバーA71(第1の反応部)とポンプP71とを備えている。ポンプP71は、チャンバーA71に接続され制御装置17の制御によって流体を吸引又は吐出する。この流体としては、ガスや、反応液と混合しない性質を持つ液体などが好適である。このようなポンプP71の動作により、チャンバーA71内の圧力を変化させ、第1及び第2反応液をチャンバーA71に導入したり、チャンバーA71から排出したりすることができる。また、同様に、この合成装置71は、マイクロシリンジ20に代えて、チューブC4に接続されたチャンバーA72(第2の反応部)とポンプP72とを備えており、第1及び第2反応液をチャンバーA72に導入したり、チャンバーA72から排出したりすることができる。
Claims (6)
- 放射性同位元素を反応させて、放射性同位元素標識化合物を得るRI化合物合成装置において、
互いに連結された第1及び第2の反応部を有し、前記第1の反応部と前記第2の反応部との間で前記放射性同位元素化合物の第1の原料を含む原料流体を往復移動させる流体往復部と、
流体が通過する流体流路と、前記流体流路上に設けられ前記流体流路を通過する流体に前記放射性同位元素標識化合物の第2の原料を供給する原料供給部と、を有し、前記流体往復部に前記第2の原料を導入する原料導入部と、
を備えたことを特徴とするRI化合物合成装置。 - 前記第2の原料を前記流体流路に通過させ、前記第2の原料を予め前記原料供給部に保持させる原料準備手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のRI化合物合成装置。
- 前記原料供給部は、
気体として前記流体流路を通過する前記第2の原料を捕集すると共に、予め捕集した前記第2の原料の気体を、前記流体流路を通過する液体に溶解させることを特徴とする請求項1又は2に記載のRI化合物合成装置。 - 前記第1の反応部の温度を制御する第1の温度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のRI化合物合成装置。
- 前記第2の反応部の温度を制御する第2の温度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のRI化合物合成装置。
- 放射性同位元素を反応させて、放射性同位元素標識化合物を得るRI化合物合成方法において、
互いに連結された第1及び第2の反応部を有する流体往復部において、前記第1の反応部と前記第2の反応部との間で前記放射性同位元素化合物の第1の原料を含む原料流体を往復移動させる流体往復工程と、
流体が通過する流体流路と、前記流体流路上に設けられ前記流体流路を通過する流体に前記第2の原料を供給する原料供給部とを有する原料導入部によって、前記流体往復部に前記放射性同位元素化合物の第2の原料を導入する原料導入工程と、を備えたことを特徴とするRI化合物合成方法。
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