JP2018145137A - 多剤合成装置 - Google Patents
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放射性標識化合物の合成装置には、複数の種類の放射性標識化合物の合成に対応できるものがある。このような装置を、本明細書では多剤合成装置とも記す。公知の多剤合成装置としては、例えば、特許文献1に記載の薬剤製造システムがある。特許文献1に記載の薬剤製造システムは、複数のモジュールを収容できるラックを備えている。複数のラックの少なくとも一部には試薬を注入するシリンジが固定されており、複数のシリンジには異なる試薬がそれぞれ収容されている。特許文献1に記載の薬剤製造システムは、製造すべき放射性標識化合物に応じてラックを切り替える、あるいはシリンジを入れ替えて複数種の放射性標識化合物を製造可能にしている。
このような特許文献1には、製造流路カートリッジ等の流路に関する部品を製造毎の使い捨てにすることによってプロセスに対する反応残存物の影響を小さくし、流路の汚染を防ぐことが記載されている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、放射性標識化合物の合成中に他の放射性標識化合物に係る物質が混入することをより高い精度で防ぐことが可能な多剤合成装置を提供することを目的とする。
本実施形態では、流路P1を、反応器101と、反応器101と隣接する弁体である電磁弁54との間にある流路とした。また、流路P2を、反応器101と隣接する弁体であるバルブ71との間にある流路とした。また、気体供給流路55及び排気流路59が共有されずに別々に設置される態様とした。
また、電磁弁54を開放すると、駆動ガスは供給用逆止弁部31を介して反応器101に流れ込む。反応器101に駆動ガスが流れ込むことにより、反応液は製品回収部110(図2)に送られる。また、反応時に発生した気体は反応器101内に導入されたヘリウム等の気体と共に真空ポンプ1に吸引されて廃ガス処理部106に送られる。このとき、供給用逆止弁部31は、反応器101内に流れ込んだ気体が気体供給流路55から再び気体供給流路55の側に向かうことを防いでいる。このようにすることにより、本実施形態は、気体供給流路55よりも駆動ガスの上流に反応器101内で生じた中間生成物や反応残存物が入ることを防ぐことができる。また、排気用逆止弁部32は、いったん製品回収部110に向かった気体が反応器101の側に環流することを防いでいる。このようにすることにより、本実施形態は、気体と共に吸引された中間生成物や反応残存物が再び反応器101に入ることを防ぐことができる。
多剤合成装置100は、当該多剤合成装置100の動作制御を行う制御部(不図示)を備えており、制御部の制御下で多剤合成装置100の各構成要素の動作制御を行うことにより、所定の放射性標識化合物の製造に必要な各工程を自動的に行って、当該所定の放射性標識化合物を自動的に製造することが可能に構成されている。より具体的には、モータ等の電気部品の動作制御を制御部が行うことによって、所定の放射性標識化合物が自動的に製造される。
モジュール40には、多剤合成装置100を用いて製造される化合物の種類や製造の方法等に応じた構成要素が搭載されている。構成要素を複数搭載する場合、構成要素は、上下に並んで配置(縦積みで配置)されていても良いし、水平方向に並んで配置されていても良いし、上下に並んで配置された構成要素と水平方向に並んで配置された構成要素とが混在していても良い。
一例として、多剤合成装置100には、複数の三方活栓62を直列に備える流路カートリッジ60が着脱可能に設けられている。流路カートリッジ60は、放射性標識化合物の製造過程で用いられる液体の流路の少なくとも一部分を構成するものである。流路カートリッジ60は、例えば、相互に連結された複数の三方活栓62と、三方活栓62に装着されたシリンジ63と、三方活栓62に装着された陰イオン交換カラム10等のカラムと、最上位置の三方活栓62の上側に連結された液溜61と、を備えている。
この場合、モジュール40には、流路カートリッジ60の液溜61を保持するカートリッジ保持部(不図示)が設けられている。
なお、本発明は、この例に限らず、要求される機能を充足する限りにおいて、流路切り替えバルブとしては、三方活栓62に代えて二方活栓を用いても良い。
モジュール40には、シリンジ63のプランジャをモータやバネ等で移動させるシリンジ駆動機構(不図示)が設けられており、シリンジ63からの液の排出やシリンジ63への液の吸入を自動的に行うことが可能となっている。
なお、多剤合成装置100は、図示しないプラスチックチューブ等の流路構成部材を含んでおり、三方活栓62、陰イオン交換カラム10、入出力ポート等に対して、適宜に流路構成部材が接続されることにより、流路が構成されている。
反応器101を含む反応部108は、筐体400の外部に配置されている。本実施形態では、筐体400の内部を以降「装置内部」とも記す。廃ガス処理部106は、反応器101に接続されている。また、本実施形態では、筐体400の外部を以降「装置外部」とも記す。
逆止弁321は、逆止弁311と同様の上記フッ素樹脂製とすることができる。また、流路P2は、例えばPEEK製の外径が1.6mm程度の管とすることができる。流路65、66は、例えばPFA製の外径が3mm程度の管とすることができる。流路67は、例えば、フッ素樹脂フィルム製の外径が1.6mm程度の管とすることができる。
ターゲット回収液供給部107から液溜61に供給された回収液(18O水)は、ガス供給部105からのガス圧力で液溜61から押し出され、三方活栓62dを経由して陰イオン交換カラム10に送られる。
次に、三方活栓62bに接続されているシリンジ63を動作させることにより、シリンジ63から水(1.5mL)を押し出し、この水を三方活栓62a、62b、62c、62d、陰イオン交換カラム10、三方活栓62k、62lを経由して廃液トラップバイアル103に廃棄して、陰イオン交換カラム10を洗浄する。
これにより、陰イオン交換カラム10に含まれる微量の不純物を除去する。さらにガス供給部105から供給される駆動ガスを三方活栓62a、62b、62c、62d、陰イオン交換カラム10、三方活栓62k、62l、廃液トラップバイアル103を経由して廃ガス処理部106に排気する。
次に、三方活栓62hに接続されているシリンジ63から、原料を含むアセトニトリル溶液が吐出され、三方活栓62h、62i、62jを介して反応器101に導入される。なお、この溶液は、ガス供給部105から三方活栓62eに導入される駆動ガスによって、全量が反応器101に送られる。
上記したように、18Fを含む溶液、相間移動触媒溶液及び標識前駆体化合物アセトニトリル溶液が反応器101内に供給される処理において、各溶液はガス供給部105からの駆動ガスと共に反応器101内に供給される。この際、本実施形態では、供給用逆止弁部31が反応器101から流出する気体の流れを遮断し、駆動ガスと共に101内に供給される溶液が反応器101から供給用逆止弁部31を超えて気体供給流路55の上流に向かうことを防いでいる。
本実施形態は、排気用逆止弁部32を設け、圧力差等とは無関係に図1に示した廃ガス処理部106の側から排気用逆止弁部32を超えて上流側に気体が流れることを防ぎ、残存する溶媒が気体と共に反応器101へ流れることを防ぐことができる。
その後、反応器101が密閉された後、公知の方法により加水分解が行われる。
このとき、反応液は、保持部84、カラム管82、三方活栓81、捕集器具20、フィルタ83をこの順に通過する。これにより、中和、精製された製品が、製品回収バイアル104に回収される。
(1) 化学構造の異なる複数の放射性標識化合物の合成に使用される多剤合成装置であって、
前記放射性標識化合物の合成過程で用いられる液体をそれぞれ保持する複数の液体保持部と、
前記液体保持部に保持される液体が導入されて、前記液体を反応させる反応器と、
前記反応器に気体を供給する気体供給流路と、
前記反応器と前記反応器内の気体を吸引する吸引装置とを接続し、前記反応器から前記気体を前記吸引装置に導く排気流路と、
前記気体供給流路上に設けられ、前記反応器から前記気体供給流路に向かう気体の流れを遮断する供給用逆止弁部と、
前記排気流路上に設けられ、前記排気流路から前記反応器に向かう気体の流れを遮断する排気用逆止弁部と、を備えることを特徴とする、多剤合成装置。
(2) 前記供給用逆止弁部及び前記排気用逆止弁部の少なくとも一方は、逆止弁と、当該逆止弁を着脱可能なコネクタと、を有する、(1)の多剤合成装置。
(3) 少なくとも前記液体保持部が収容される収容部を有し、前記供給用逆止弁部及び前記排気用逆止弁部の少なくとも一方は、前記収容部の外部に配置される、(1)または(2)の多剤合成装置。
(4)前記気体供給流路及び前記排気流路が共有されずに別々に設置されている、(1)乃至(3)のいずれか一つの多剤合成装置。
(5) 前記供給用逆止弁部は、前記気体供給流路上にあって前記反応器と前記反応器に隣接する弁体との間に設けられる、(1)から(4)のいずれか1つの多剤合成装置。
(6) 前記排気用逆止弁部は、前記排気流路上にあって前記反応器と前記反応器に隣接する弁体との間に設けられる、(1)から(5)のいずれか1つの多剤合成装置。
10・・・陰イオン交換カラム
20・・・捕集器具
31・・・供給用逆止弁部
32・・・排気用逆止弁部
40・・・モジュール
51、52、53・・・バルブ
54・・・電磁弁
55・・・気体供給流路
56、57、58・・・流路
59・・・排気流路
60・・・流路カートリッジ
61・・・液溜
62a〜62l、81・・・三方活栓
63・・・シリンジ
65、66、67・・・流路
68・・・マニホールド
69・・・圧力計
71・・・バルブ
82・・・カラム管
83・・・フィルタ
84・・・保持部
100・・・多剤合成装置
101・・・反応器
102・・・ターゲット水回収バイアル
103・・・廃液トラップバイアル
104・・・製品回収バイアル
105・・・ガス供給部
106・・・廃ガス処理部
107・・・ターゲット回収液供給部
108・・・反応部
110・・・製品回収部
111・・・加熱器
311、321・・・逆止弁
312、322、323・・・変換コネクタ
400・・・筐体
Claims (4)
- 化学構造の異なる複数の放射性標識化合物の合成に使用される多剤合成装置であって、
前記放射性標識化合物の合成過程で用いられる液体をそれぞれ保持する複数の液体保持部と、
前記液体保持部に保持される液体が導入されて、前記液体を反応させる反応器と、
前記反応器に気体を供給する気体供給流路と、
前記反応器と前記反応器内の気体を吸引する吸引装置とを接続し、前記反応器から前記気体を前記吸引装置に導く排気流路と、
前記気体供給流路上に設けられ、前記反応器から前記気体供給流路に向かう気体の流れを遮断する供給用逆止弁部と、
前記排気流路上に設けられ、前記排気流路から前記反応器に向かう気体の流れを遮断する排気用逆止弁部と、を備えることを特徴とする、多剤合成装置。 - 前記供給用逆止弁部及び前記排気用逆止弁部の少なくとも一方は、逆止弁と、当該逆止弁を着脱可能なコネクタと、を有する、請求項1に記載の多剤合成装置。
- 少なくとも前記液体保持部が収容される収容部を有し、前記供給用逆止弁部及び前記排気用逆止弁部の少なくとも一方は、前記収容部の外部に配置される、請求項1または2に記載の多剤合成装置。
- 前記気体供給流路及び前記排気流路が共有されずに別々に設置されている、請求項1乃至3いずれか一項に記載の多剤合成装置。
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JP2020163277A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | ヤマト科学株式会社 | 容器の配管接続構造 |
JP2020171212A (ja) * | 2019-04-09 | 2020-10-22 | ヤマト科学株式会社 | 固相合成装置 |
CN112289478A (zh) * | 2019-07-25 | 2021-01-29 | 韩国原子力医学院 | 使用流体靶生产核素的设备 |
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