JP6758065B2 - 放射性標識化合物の製造装置及び製造方法 - Google Patents

放射性標識化合物の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性標識化合物の製造装置及び製造方法に関する。
放射性標識化合物は、放射性同位元素で標識した化合物であり、放射性同位元素(核種)を所定の標識前駆体化合物に導入する工程などを経て製造され、放射性薬剤などとして用いられる。
特許文献1、2には、放射性標識化合物の製造に用いられる製造装置について記載されている。
特許文献3には、放射性標識化合物を合成する際に放出される排ガス中に含まれる放射性物質を、発塵量の少ない活性炭素繊維フィルタと圧損の少ない除塵フィルタとを含むフィルタユニットを用いて除去する方法について記載されている。
特開2010−270068号公報 特開2014−201571号公報 特開2015−203578号公報 特開2007−319254号公報
特許文献3の技術によれば、放射性物質をフィルタユニットによって除去することが可能であるが、依然として発塵の可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、排ガス中に含まれる放射性物質の濃度を、発塵を抑制しつつ十分に低下させることが可能な放射性標識化合物の製造装置及び製造方法を提供するものである。
本発明によれば、非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造装置であって、前記放射性標識化合物の合成が行われる合成部と、前記合成部から排ガスが導入される排ガス処理容器と、前記合成部側から前記排ガス処理容器内に前記排ガスを導入させる導入管と、前記排ガス処理容器から排気を行う排気管と、を備え、前記排ガス処理容器にはモレキュラーシーブスが貯留されており、前記導入管の先端は、前記排ガス処理容器内において前記モレキュラーシーブスを貯留している貯留領域の底部に配置され、前記排気管における前記排ガス処理容器の内側の端部は、前記貯留領域よりも上側に配置されており、前記排気管における前記排ガス処理容器の外側の端部は大気開放している放射性標識化合物の製造装置が提供される。
また、本発明によれば、非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造方法であって、前記放射性標識化合物の合成が行われる合成部からの排ガスを、モレキュラーシーブスが貯留されている排ガス処理容器に対して導入管を介して導入し、当該排ガス処理容器内に滞留させる工程と、前記滞留させる工程の後、前記排ガス処理容器内のガスを、排気管を介して大気放出する工程と、を備え、前記導入管の先端は、前記排ガス処理容器内において前記モレキュラーシーブスを貯留している貯留領域の底部に配置され、前記排気管における前記排ガス処理容器の内側の端部は、前記貯留領域よりも上側に配置されており、前記排気管における前記排ガス処理容器の外側の端部は大気開放している放射性標識化合物の製造方法が提供される。
本発明によれば、排ガス中に含まれる放射性物質の濃度を、発塵を抑制しつつ十分に低下させることが可能である。
実施形態に係る放射性標識化合物の製造装置の模式図である。 実施形態に係る放射性標識化合物の製造装置の全体構成の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
図1は実施形態に係る放射性標識化合物の製造装置100(以下、単に製造装置100)の模式図である。
図1に示すように、製造装置100は、非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する装置である。この製造装置100は、放射性標識化合物の合成が行われる合成部(反応容器101)と、合成部から排ガスが導入される排ガス処理容器130と、を備えている。排ガス処理容器130にはモレキュラーシーブス133が貯留されている。
製造装置100を用いて製造される放射性標識化合物は、特に限定されないが、有機化合物が好ましい。また、標識前駆体化合物に導入される放射性同位元素は、特に限定されないが、短半減期の放射性同位元素が好ましく、一例として、18F又は11Cを例示することができる。
排ガス処理容器130に貯留されているモレキュラーシーブス133は、柱形(例えば長柱形)に成形されたペレットタイプであることが望ましい。ただし、ペレットタイプ以外のモレキュラーシーブス133、たとえばビーズタイプ又はパウダータイプのモレキュラーシーブス133が貯留されていても良いし、ペレットタイプ、ビーズタイプ及びパウダータイプのモレキュラーシーブス133のうちのいずれか2種以上が排ガス処理容器130内に併存していても良い。
本実施形態によれば、排ガス処理容器130に貯留されているモレキュラーシーブス133によって、合成部(反応容器101)からの排ガス中に含まれる放射性物質を吸着することができるので、排ガス中に含まれる放射性物質の濃度を、発塵を抑制しつつ十分に低下させることが可能となる。
〔第2の実施形態〕
本実施形態では、製造装置100のより具体的な構成の例を説明する。本実施形態でも、引き続き、図1を用いた説明を行う。
図1に示すように、製造装置100は、反応容器101からの排ガスを処理する排ガス処理部120を備えている。排ガス処理部120は、排ガス処理容器130を含んで構成されている。
排ガス処理容器130は、例えば、上端に開口を有する有底筒状の本体部131と、本体部131の上端の開口を閉塞する状態で当該本体部131の上端部に気密に装着されている蓋部132と、を備えて構成されている。
本体部131は、内部にモレキュラーシーブス133を貯留している。本体部131の内部空間における下部は、モレキュラーシーブス133を貯留する貯留領域134となっている。
本体部131の内部空間における上部は、モレキュラーシーブス133が貯留されていない非貯留領域135となっている。
なお、貯留領域134の高さ寸法の方が非貯留領域135の高さ寸法よりも大きくても良いし、貯留領域134の高さ寸法よりも非貯留領域135の高さ寸法の方が大きくても良い。
蓋部132には、当該蓋部132を貫通している2つの貫通孔、すなわち第1貫通孔132a及び第2貫通孔132bが形成されている。
蓋部132の第1貫通孔132aには、中空管141が挿通されている。中空管141の一端(上端)は、排ガス処理容器130の外部(蓋部132よりも上側)に位置し、中空管141の他端(下端)は、排ガス処理容器130の内部(蓋部132よりも下側)に位置している。
同様に、蓋部132の第2貫通孔132bには、中空管142が挿通されている。中空管142の一端(上端)は、排ガス処理容器130の外部(蓋部132よりも上側)に位置し、中空管142の他端(下端)は、排ガス処理容器130の内部(蓋部132よりも下側)に位置している。
中空管141には、当該中空管141を軸方向に貫通している貫通孔141aが形成されており、中空管142には、当該中空管142を軸方向に貫通している貫通孔142aが形成されている。
中空管141の外周面は、第1貫通孔132aの内周壁面に対して、直接、又は、図示しないシール材を介するなどして、気密に密着している。同様に、中空管142の外周面は、第2貫通孔132bの内周壁面に対して、気密に密着している。
排ガス処理容器130は、特に限定されないが、例えば、市販のモレキュラーシーブスが充填されている容器を用いることができ、当該容器の上蓋に2つの孔(第1貫通孔132a、第2貫通孔132b)を形成し、これら孔にそれぞれ中空管141、142を装着することができる。
中空管142の貫通孔142aを介して、排ガス処理容器130の内部空間は、排ガス処理容器130の外部空間と連通している。これにより、中空管142は、排ガス処理容器130から排気を行う排気管として機能する。
すなわち、製造装置100は、排ガス処理容器130から排気を行う排気管を備え、排気管における排ガス処理容器130の外側の端部は大気開放している。
このため、排ガス処理容器130に対する排気の導入と並行して、排ガス処理容器130からの排気を行うことができる。
ここで、モレキュラーシーブス133は、吸着した物質を徐放的に放出する(徐放性を有する)ため、モレキュラーシーブス133の種類と量を適宜に調節することによって、モレキュラーシーブス133による吸着量とモレキュラーシーブス133からの放出量とのバランスを取ることができる。これにより、モレキュラーシーブス133を交換することなく排ガス処理容器130の使用可能な期間を長期間化することができ、例えば、半永久的に排ガス処理容器130を継続使用することも可能である。特に、標識前駆体化合物に導入される放射性同位元素の半減期が短い場合には、排ガスにける放射線濃度を十分に低減させた後で、排ガスを大気放出することが可能となる。
排ガス処理容器130からの排ガスにおける放射線濃度が所定のバックグラウンドレベル以下となるように、排ガス処理容器130には十分量のモレキュラーシーブス133が貯留されていることが好ましい。
製造装置100は、反応容器101側から排ガス処理容器130内に排ガスを導入させる導入管125を備えている。
導入管125の先端125aは、排ガス処理容器130内においてモレキュラーシーブス133を貯留している貯留領域134の底部に配置されている。
一方、排気管である中空管142における排ガス処理容器130の内側の端部(中空管142の下端)は、貯留領域134よりも上側に配置されている。中空管142の下端は、蓋部132の下面近傍に配置されていることが好ましい一例である。
このような構成により、反応容器101からの排ガスが排ガス処理容器130内に供給されてから、排ガス処理容器130から排気されるまでの期間の長さを十分に確保することができる。
導入管125は、排ガス処理容器130の外部から、中空管141の貫通孔141aを通して排ガス処理容器130の内部に導入されている。
より具体的には、導入管125は、例えば、フッ素樹脂等の樹脂チューブ、又は、内面にフッ素樹脂のコート層を有する樹脂チューブの先端部に鈍針を接続することにより構成することができ、この場合、導入管125の最先端は、鈍針の先端となる。好ましくは、この鈍針の先端が排ガス処理容器130の本体部131の底面上に配置されている。
なお、導入管125の外周面は、中空管141の貫通孔141aの内周壁面に対して、直接、又は、図示しないシール材を介するなどして、気密に密着している。
これにより、排ガス処理容器130の内部空間は、導入管125又は中空管142のみを介して外部空間と連通している。
より詳細には、排ガス処理部120は、例えば、反応容器(合成部)101の内部を減圧する真空ポンプ123と、三方切替バルブ122と、反応容器101と三方切替バルブ122とを相互に接続している第1配管(例えば、配管143、配管144等により構成される)と、三方切替バルブ122と真空ポンプ123とを相互に接続している配管(第2配管)145と、三方切替バルブ122と排ガス処理容器130とを相互に接続していて反応容器101側から排ガス処理容器130内に排ガスを導入させる導入管(つまり上述の導入管125)を備えている。
上述の第1配管は、例えば、配管143と、当該第1配管の途中に設けられた第1捕集トラップ121と、配管144と、を含んで構成されている。
反応容器101及び第1捕集トラップ121は、例えば、蓋付きのバイアル(バイアル瓶)により構成されている。
配管143の一端部は、反応容器101の蓋を貫通して反応容器101の内部に導入されており、他端部は、第1捕集トラップ121の蓋を貫通して第1捕集トラップ121の内部に導入されている。
配管144の一端部は、第1捕集トラップ121の蓋を貫通して第1捕集トラップ121の内部に導入されており、他端部は、三方切替バルブ122の第1ポート122aに接続されている。
導入管125の一端部は、三方切替バルブ122の第2ポート122bに接続されている。
また、配管145の一端部は、三方切替バルブ122の第3ポート122cに接続されており、他端部は、真空ポンプ123の吸気側に接続されている。
そして、三方切替バルブ122は、第1ポート122aと第2ポート122bとを相互に連通させる状態と、第1ポート122aと第3ポート122cとを相互に連通させる状態と、に切り替わり可能に構成されている。
すなわち、三方切替バルブ122は、反応容器101と真空ポンプ123とを相互に連通させるとともに排ガス処理容器130側を遮断する第1状態と、反応容器101と排ガス処理容器130とを相互に連通させるとともに真空ポンプ123側を遮断する第2状態と、に切り替わり可能である。
よって、反応容器101内を減圧状態にするときには、反応容器101からの排ガスを、排ガス処理容器130を通さずに、真空ポンプ123及び第2捕集トラップ124を通る経路とする一方で、反応容器101内を減圧状態にしないときには、反応容器101からの排ガスを、排ガス処理容器130を通して排気する、といったことが可能となる。
より詳細には、排ガス処理部120は、真空ポンプ123の排気側に設けられた第2捕集トラップ124を更に備えている。
第2捕集トラップ124は、例えば、蓋付きのバイアル(バイアル瓶)により構成されており、配管146を介して真空ポンプ123と接続されている。すなわち、配管146の一端部は、真空ポンプ123の排気側に接続されており、他端部は、第2捕集トラップ124の蓋を貫通して第2捕集トラップ124の内部に導入されている。
更に、排ガス処理部120は、第2捕集トラップ124の蓋を貫通している配管147を備えている。
このため、三方切替バルブ122を第1状態に切り替えるとともに真空ポンプ123を稼働させることにより、反応容器101から、配管143、第1捕集トラップ121、配管144、三方切替バルブ122、配管145、真空ポンプ123、配管146、第2捕集トラップ124及び配管147を介して排気を行うことができる。
一方、三方切替バルブ122を第2状態に切り替えることにより、反応容器101からの排気を、配管143、第1捕集トラップ121、配管144、三方切替バルブ122及び導入管125を介して、排ガス処理容器130内に導入することができる。
排ガス処理容器130の内部空間は、中空管142を介して、常時、外部空間と連通しているため、反応容器101からの排気が排ガス処理容器130に導入されるのと並行して、中空管142を介して排ガス処理容器130からの排気が行われる。
なお、第1捕集トラップ121は、バイアル等の空容器により構成されており、反応容器101からの排気に含まれる溶媒(水分を含む)等を捕集する機能を有する。これにより、真空ポンプ123に水分等が流入してしまうことを抑制できるため、真空ポンプ123の長寿命化に寄与する。
また、第2捕集トラップ124は、第1捕集トラップ121と同様にバイアル等の空容器により構成されており、第1捕集トラップ121により捕集できなかった溶媒(水分を含む)等を捕集する機能を有する。よって、配管147を介して大気放出される排気中に含まれる溶媒等の量を低減することができる。
製造装置100は、例えば、三方切替バルブ122の動作制御を行う制御部150を更に備えている。制御部150は、反応容器101に標識前駆体化合物を導入するタイミングで、三方切替バルブ122を第1状態から第2状態に切り替える制御が可能である。このタイミングについては、後述する他の実施形態においてより詳細に説明する。
なお、製造装置100の全体は、図示しないチャンバー内に収容されており、チャンバーの外部空間と内部空間とは気密に遮蔽されている。
〔第3の実施形態〕
次に、主に図2を参照して第3の実施形態を説明する。本実施形態に係る製造装置100の基本構造(排ガス処理部120以外の部分)は、例えば、特許文献1に記載されている薬剤製造システムと同様であるが、以下、簡単に説明する。
本実施形態に係る製造装置100は、様々な化合物の合成や精製に対応しうるように構成されている。
本実施形態の場合、制御部150は、三方切替バルブ122だけでなく、製造装置100の他の構成要素についても動作制御を行う。製造装置100は、制御部150の制御下で製造装置100の各構成要素の動作制御を行うことにより、所定の放射性標識化合物の製造に必要な各工程を自動的に行って、当該所定の放射性標識化合物を自動的に製造することが可能に構成されている。より具体的には、モータ等の電気部品の動作制御を制御部150が行うことによって、所定の放射性標識化合物が自動的に製造される。
図2に示すように、製造装置100は、各種の構成要素が搭載されるキャビネット40を備えている。キャビネット40には、製造装置100を用いて製造される化合物の種類や製造の方法などに応じた構成要素が搭載されている。なお、製造装置100は、キャビネット40に搭載された複数のモジュール(不図示)を備えていても良い。この場合、複数のモジュールは、上下に並んで配置(縦積みで配置)されていても良いし、水平方向に並んで配置されていても良いし、上下に並んで配置されたモジュールと水平方向に並んで配置されたモジュールとが混在していても良い。ただし、製造装置100は、複数のモジュールを含んでいなくても良い。
製造装置100は、放射性標識化合物の製造過程で用いられる液体の流路上に複数の三方活栓62を備えていることが一般的である。これら三方活栓62は、キャビネット40に対して着脱可能に設けられていてもよいし、着脱不能に固定的に設けられていてもよい。
一例として、製造装置100には、複数の三方活栓62を直列に備える流路カートリッジ60が着脱可能に設けられている。この場合、キャビネット40の前面上部には、流路カートリッジ60の液溜61を保持するカートリッジ保持部(不図示)が設けられている。
なお、本発明は、この例に限らず、要求される機能を充足する限りにおいて、流路切り替えバルブとしては、三方活栓に代えて二方活栓を用いても良い。
キャビネット40の前面には、それぞれ対応する三方活栓62を保持する複数のバルブホルダ(不図示)が設けられている。キャビネット40内には、各バルブホルダと対応する複数のモータが設けられており、各バルブホルダには各モータの回転軸が連結されている。モータが駆動することにより、対応するバルブホルダが回転するとともに、当該バルブホルダによって保持されている三方活栓62が回転し、流路カートリッジ60が構成する流路が切り替えられるようになっている。
いくつかの三方活栓62には、シリンジ63が連結されるようになっている。また、キャビネット40の前面には、シリンジ63を保持するシリンジ保持部(不図示)が設けられている。
キャビネット40内には、シリンジ63のプランジャをモータやバネなどで移動させるシリンジ駆動機構(不図示)が設けられており、シリンジ63からの液の排出やシリンジ63への液の吸入を自動的に行うことが可能となっている。
キャビネット40に設けられたモータ等の電気的に駆動する部品(電気部品)は、制御部150から出力される制御信号によって動作制御される。したがって、流路の切り替え等の動作は、制御部150の制御下で自動的に行うことができる。
また、キャビネット40の前面側には、放射性標識化合物の製造過程で用いられる液体の入出力ポート(不図示)が設けられていても良い。入出力ポートの奥には液体に様々な処理を行う構成要素が搭載されていてもよい。一例として、例えば液温を調節する構成要素や、液圧を上昇させるポンプなどが搭載されていてもよい。
流路カートリッジ60は、放射性標識化合物の製造過程で用いられる液体の流路の少なくとも一部分を構成するものである。流路カートリッジ60は、例えば、相互に連結された複数の三方活栓62と、三方活栓62に装着されたシリンジ63と、三方活栓62に装着された陰イオン交換カラム10などのカラムと、最上位置の三方活栓62の上側に連結された液溜61と、を備えている。
なお、流路カートリッジ60が上部に液溜61を備えることや、図示される陰イオン交換カラム10やシリンジ63の位置や数、三方活栓62の数、隣接する三方活栓までの距離などは、全て例示であり、具体的な要望に応じて様々に変更可能である。
なお、製造装置100は、図示しないプラスチックチューブ等の流路構成部材を含んでおり、三方活栓62、陰イオン交換カラム10、入出力ポートなどに対して、適宜に流路構成部材が接続されることにより、流路が構成されている。
プラスチックチューブ等により構成された流路に設けられたバルブ類の動作も制御部150によって自動制御されるようになっていることが好ましい。
流路カートリッジ60は、反応容器101、ターゲット水回収バイアル102、廃液トラップバイアル103、医薬品原料回収バイアル104等の各々に対して接続されている。これらの接続により、各シリンジ63からの試薬の供給や、陰イオン交換カラム10により精製された溶液の供給、さらにこれらの残存液の廃棄など、各バイアルへの液の共有や廃棄を行なうことができるようになっている。さらに、ガスの供給、廃棄も行なうことができるようになっている。
また、流路カートリッジ60は、キャビネット40に設けられているガス供給ピンチバルブ(不図示)にも接続されている。これにより、ヘリウム等の不活性ガスを流路カートリッジ60へ供給することが可能とされ、反応容器101にヘリウムガスを供給するなどして、不活性ガス下での反応を行なうことができるようになっている。
また、流路カートリッジ60は、キャビネット40に設けられているガス廃棄ピンチバルブ(不図示)にも接続されている。これにより、真空ポンプ123による吸引が可能となり、流路中の流体の移動を吸引力によって行なうことができるようになっている。
なお、図2に示されるガス供給部105、ターゲット回収液供給部107は、例えば、キャビネット40に内蔵されている。排ガス処理部120(図2、図1)の構成のうち、例えば、三方切替バルブ122はキャビネット40に搭載されており、他の構成(第1捕集トラップ121、真空ポンプ123、第2捕集トラップ124及び排ガス処理容器130は、キャビネット40の外部に配置されている。
製造装置100は、さらに、医薬品原料回収バイアル104の上側に配置されたカラム管82、三方活栓81、捕集器具21、捕集器具22、捕集器具23、フィルタ83、流路構成部材85等を備えており、これらはこの順に上下に並んで配置され、且つ、直列に接続されている。
カラム管82は、相対的に大径に形成されている上側部分と、相対的に細径に形成されている下側部分と、を含んで構成されている。製造装置100は、カラム管82の上側部分の下部を保持する保持部84を備えている。
製造装置100を用いて製造される放射性標識化合物の好適な一例としては、PET(ポジトロン断層法)やSPECT(単一光子放射断層撮影)を用いた核医学検査で使用される短寿命の放射性標識化合物が挙げられる。ただし、製造装置100によりその他の放射性標識化合物を製造しても良い。
〔第4の実施形態〕
本実施形態では、第3の実施形態で説明した製造装置100を用い、放射性同位元素である18Fを原料として、放射性標識化合物の一種である2−[18F]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコース(以下、FDGという)を製造する方法について説明する。
図2に示すように、キャビネット40の前面側には、12個の三方活栓62を上下に直列に備える流路カートリッジ60が保持されている。このため、キャビネット40の前面側には、12個のバルブホルダが上下に並ぶ配置で設けられている。
これら12個の三方活栓62の各々は、図2において、アルファベットが内側に記載された丸で示されている。以下の説明では、各三方活栓62を特定するために、丸内に記載されているアルファベット(a〜l)で各三方活栓62を呼称する場合がある。
キャビネット40の前面側には、例えば、6つのシリンジ63が設けられており、これらシリンジ63は、例えば、それぞれ以下に説明する容量となっており、以下に説明する溶液が充填されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、最上位置の三方活栓62(a)、及び、上から2番目の三方活栓62(b)の各々には、容量が5mlのシリンジ63が接続されており、これらシリンジ63にはそれぞれ水(HO)が充填されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から3番目の三方活栓62(c)には、容量が1mlのシリンジ63が接続されており、このシリンジ63には、炭酸カリウム(KCO)が充填されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から5番目の三方活栓62(f)には、容量が2.5mlのシリンジ63が接続されており、このシリンジ63には、塩酸が充填されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から8番目の三方活栓62(h)には、容量が1mlのシリンジ63が接続されており、このシリンジ63には、標識前駆体化合物(マンノーストリフレート)のアセトニトリル溶液が充填されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から9番目の三方活栓62(i)には、容量が2.5mlのシリンジ63が接続されており、このシリンジ63には、相間移動触媒(K.222)のアセトニトリル含有溶液が充填されている。
また、流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から4番目の三方活栓62(d)には、陰イオン交換カラム10が接続されている。
また、流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、最上位置の三方活栓62(a)は、液溜61を経由して、ターゲット回収液供給部107、ガス供給部105および排ガス処理部120に接続されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から4番目の三方活栓62(d)は、陰イオン交換カラム10を介して、上から11番目の三方活栓62(k)に接続されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から5番目の三方活栓62(e)は、ガス供給部105に接続されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から7番目の三方活栓62(g)は、医薬品原料回収部110が備えるカラム管82に接続されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、上から10番目の三方活栓62(j)は、昇降装置を備えた反応容器101に接続されている。
流路カートリッジ60の三方活栓62のうち、最下位置の三方活栓62(l)は、ターゲット水回収バイアル102と廃液トラップバイアル103に接続されている。
医薬品原料回収部110は、上下に直列に接続されている4連のカラムを備えている。
このうち最上位置のカラムであるカラム管82は、イオン遅滞樹脂が充填されていてHを吸着するHトラップである。
上から2番目のカラムである捕集器具21は、脂溶性化合物を化学的に吸着するC18逆相カラムである。
上から3番目のカラムである捕集器具22及び上から4番目のカラムである捕集器具23の各々は、アルミナベースの充填剤が充填されていて、未反応の18Fを静電的に吸着する。
なお、上述のように、カラム管82は、三方活栓81を介して捕集器具21に接続されている。また、捕集器具23は、フィルタ83を介して、医薬品原料回収バイアル104に接続されている。
排ガス処理容器130中に貯留されているモレキュラーシーブスのサイズは、特に限定されないが、13x(1/16)又は4A(1/16)であることが好ましく、このうち13x(1/16)であることが特に好ましい。
また、排ガス処理容器130中に貯留されているモレキュラーシーブス133の量は、特に限定されないが、例えば、250g以上であることが好ましく、500g以上であることが更に好ましい。
また、モレキュラーシーブス133がペレットタイプであることにより、排ガス中の非吸着物質(放射性物質を含む)をモレキュラーシーブス133が吸着した状態における排ガス処理容器130の圧損の増大を抑制でき、また、モレキュラーシーブス133の取り扱い性が良好となる。
なお、排ガス処理部120の真空ポンプ123には、図1に示す以外に、必要各所と配管を介して接続されており、必要各所からの排気が可能となっている。
次に、FDGの合成反応の流れを説明する。
先ず、サイクロトロンあるいは加速器のターゲット部で製造された18F核種を含む18O水が、ガス圧力によって、ターゲット回収液供給部107(HF溶液回収部)から、液溜61に供給される。なお、18O水を搬送してきたガスは、排ガス処理部120へ送られる。
ターゲット回収液供給部107から液溜61に供給された回収液(18O水)は、ガス供給部105からのガス圧力で液溜61から押し出され、三方活栓62(d)を経由して陰イオン交換カラム10に送られる。
さらに、18O水は、陰イオン交換カラム10を通過した後、三方活栓62(k)及び三方活栓62(l)をこの順に通過して、ターゲット水回収バイアル102に回収される。この際に、18O水に含まれる18F核種は陰イオン交換カラム10に吸着され、18O水と分離される。
次に、三方活栓62(b)に接続されているシリンジ63を動作させることにより、当該シリンジ63から水(1.5mL)を押し出し、この水を三方活栓62(a)、(b)、(c)、(d)、陰イオン交換カラム10、三方活栓62(k)、(l)を経由して廃液トラップバイアル103に廃棄して、陰イオン交換カラム10を洗浄する。
これにより、陰イオン交換カラム10に含まれる微量の不純物を除去する。さらにガス供給部105から供給されるヘリウムガスを三方活栓62(a)、(b)、(c)、(d)、陰イオン交換カラム10、三方活栓62(k)、(l)、廃液トラップバイアル103を経由して排ガス処理部120に排気する。
次に、真空ポンプ123の真空圧により、三方活栓62(c)に接続されているシリンジ63から炭酸カリウム溶液が陰イオン交換カラム10に導入される。なお、シリンジ63が完全に押し切られたあと、炭酸カリウム溶液は、ガス供給部105からのガスにより圧送されることにより、全量が三方活栓62(d)を経由して陰イオン交換カラム10に導入され、さらに、三方活栓62(k)、(j)を経由して、陰イオン交換カラム10から18Fが溶出され、18Fを含む溶液が反応部108の反応容器101に回収される。
次に、真空ポンプ123の真空圧により、三方活栓62(i)に接続されているシリンジ63から相間移動触媒溶液が、三方活栓62(j)を経由して、反応容器101に供給される。なお、シリンジ63が完全に押し切られたあと、相間移動触媒溶液は、ガス供給部105から三方活栓62(e)に導入されるヘリウムガスに圧送されることにより、全量が反応容器101に供給される。
溶液が完全に反応容器101に送られた後、加熱器111により反応容器101を加熱する。この工程は、溶液から水分と溶媒が除去される(溶液からの水分と溶媒の蒸散が行われる)第1蒸散工程である。この第1蒸散工程は、後述するフッ素化標識反応の前処理工程である溶媒置換の工程である。
この第1蒸散工程の際には、溶媒等は排ガス処理部120に排出される。すなわち、制御部150の制御下で、三方切替バルブ122が、反応容器101と真空ポンプ123とを相互に連通させるとともに排ガス処理容器130側を遮断する第1状態に切り替わるとともに、真空ポンプ123が稼働する。これにより、反応容器101からの溶媒等は、配管143を通じて、第1捕集トラップ121に捕集される。
次に、三方活栓62(h)に接続されているシリンジ63から、原料を含むアセトニトリル溶液が吐出され、三方活栓62(h)、(i)、(j)を介して反応容器101に導入される。なお、この溶液は、ガス供給部105から三方活栓62(e)に導入されるヘリウムガスによって、全量が反応容器101に送られる。
第1蒸散工程により、溶媒が除去されることにより、溶媒中で溶解していた放射性核種が排ガスとして反応容器101内に発生する。そして、第1蒸散工程の終了後、原料を含むアセトニトリル溶液が反応容器101に導入される前のタイミングで、制御部150の制御下で、三方切替バルブ122が、反応容器101と排ガス処理容器130とを相互に連通させるとともに真空ポンプ123側を遮断する第2状態に切り替わる。これにより、減圧状態だった反応容器101は、大気圧下となる。そして、原料を含むアセトニトリル溶液が反応容器101に導入されることで、導入方向に加圧されることとなり、このため、反応容器101からの排ガスは、配管143、第1捕集トラップ121、配管144、三方切替バルブ122、導入管125を介して、排ガス処理容器130の本体部131の底部に導入される。
このように、制御部150は、反応容器101に標識前駆体化合物を導入するタイミングで、三方切替バルブ122を第1状態から第2状態に切り替える制御が可能である。ここで、三方切替バルブ122を第1状態から第2状態に切り替える際に、真空ポンプ123の稼働は停止させなくてもよいし、停止させてもよい。
なお、反応容器101からの排ガスが本体部131内に導入されるのと並行して、本体部131の上端部の排ガスは、中空管142を介して排ガス処理容器130の外部に排気される。
次に、反応容器101が密閉された後、公知の方法によりフッ素化標識反応が行われる。
フッ素化標識反応の終了後、再び、制御部150の制御下で、三方切替バルブ122が第1状態に切り替わるとともに、真空ポンプ123が稼働する。
次に、加熱器111により反応容器101が加熱されることにより、反応容器101中の水分と溶媒の蒸散が行われる(第2蒸散工程が行われる)。
したがって、第2蒸散工程中も、第1蒸散工程中と同様に、反応容器101からの排ガスは、配管143、第1捕集トラップ121、配管144、三方切替バルブ122、配管145、真空ポンプ123、配管146、第2捕集トラップ124及び配管147をこの順に介して排気される。
上記の第2蒸散工程の終了後、再び、制御部150の制御下で、真空ポンプ123の稼働が停止するとともに、三方切替バルブ122が第2状態に切り替わる。
次に、三方活栓62(f)に接続されているシリンジ63から塩酸が吐出され、三方活栓(f)、(g)、(h)、(i)、(j)を介して反応容器101に導入される。なお、この塩酸は、ガス供給部105から三方活栓62(e)に導入されるヘリウムガスによって、全量が反応容器101に送られる。
このように反応容器101に塩酸が導入される工程中は、原料を含むアセトニトリル溶液が反応容器101に導入される工程中と同様に、反応容器101からの排ガスは、配管143、第1捕集トラップ121、配管144、三方切替バルブ122、導入管125を介して、排ガス処理容器130の本体部131に導入される。
その後、反応容器101が密閉された後、公知の方法により加水分解が行われる。
加水分解の終了後、ガス供給部105から反応容器101にヘリウムガスが導入され、反応液が加圧状態で三方活栓(j)、(i)、(h)、(g)を介して、医薬品原料回収部110に送られる。
このとき、反応液は、保持部84、カラム管82、三方活栓81、捕集器具21、捕集器具22、捕集器具23、フィルタ83をこの順に通過する。これにより、中和・精製された医薬品原料が、医薬品原料回収バイアル104に回収される。
ここで、三方切替バルブ122が第2状態に切り替わっている工程中、排ガス処理容器130に導入された排ガスは、排ガス処理容器130内に一定期間の間滞留した後、排ガス処理容器130の外部に排出される。すなわち、本体部131の底部に導入された排ガスは、ゆっくりと本体部131の上部に昇っていき、最終的に、中空管142を介して排ガス処理容器130の外部に排出されるが、その間に、排ガス中の放射性物質等がモレキュラーシーブス133によって吸着される。
ここで、モレキュラーシーブス133は、徐放性を有する一方で、18Fの半減期は約110分と短いため、放射性物質がモレキュラーシーブス133に吸着された後、モレキュラーシーブス133から放出されて、更に排ガス処理容器130から外部に排出されるまでの間に、十分に排ガスの放射線濃度を低減させることが可能である。
なお、反応容器101からの排ガスが排ガス処理容器130に導入されてから該排ガス処理容器130の外部に排出されるまでの期間の長さが、標識前駆体化合物に導入される放射性同位元素である18Fの半減期よりも長くなるように、排ガス処理容器130の容積、排ガス処理容器130への排ガスの導入量(導入レート)及び本体部131内における導入管125の先端125aの位置が設定されている。
このように、本実施形態に係る放射性標識化合物の製造方法は、非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造方法であって、放射性標識化合物の合成が行われる合成部(反応容器101)からの排ガスを、モレキュラーシーブス133が貯留されている排ガス処理容器130に導入し、当該排ガス処理容器130内に滞留させる工程と、を備える。
更には、非放射性の標識前駆体化合物に導入される放射性同位元素は18Fであり、反応容器101からの排ガスを排ガス処理容器130内に滞留させる工程の後、排ガス処理容器130内のガスを大気放出する工程を更に備える。
なお、本発明者が、本実施形態と同様の装置構成において、モレキュラーシーブス133として4A(1/16)を用い、図1の中空管(排気管)142から排気されたガス中の放射線をモニタリングしながら本実施形態と同様の放射性標識化合物の製造方法を実施したところ、十分に排ガスのピーク低減に寄与することが確認できた。また、モレキュラーシーブス133として13X(1/16)を用いると、さらに排ガスのピークが出にくく、バックグラウンドレベルを維持できたことが長期間のモニタリングから明らかとなった。
また、モレキュラーシーブス133を交換することなく数年間使用し続けたところ、製造装置100からのリークが発生していない限りにおいて、中空管(排気管)142からの排気における放射線濃度は、継続的にバックグラウンドレベルに維持することができた。放射線濃度がバックグラウンドレベルを超えた場合には、(a)三方切替バルブ122または三方切替バルブ122の継手部分からのリークの可能性、(b)導入管125または導入管125の継手部分からのリークの可能性、または、(c)配管144または配管144の継手部分からのリークの可能性があることが分かる。よって、中空管142からの排気における放射線濃度のモニタリングにより、上記(a)〜(c)のいずれかの箇所からのリークの有無を判別することが可能である。
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、第3及び第4の実施形態では、特許文献1に記載されている薬剤製造システムに本発明を適用する例を説明したが、本発明を適用可能な装置構成は上述の例に限定されず、合成部(反応容器)と、当該合成部を減圧状態にする真空ポンプと、を備える構成に対して、本発明を好適に適用することができる。
例えば、特許文献4に記載の放射性薬液合成装置の反応バイアル16に接続されたラインL9の代わりに、上述の配管143、第1捕集トラップ121、配管144、三方切替バルブ122、配管145、真空ポンプ123、配管146、第2捕集トラップ124、配管147、導入管125、排ガス処理容器130、中空管141及び中空管142を反応バイアル16に接続することができる。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造装置であって、前記放射性標識化合物の合成が行われる合成部と、前記合成部から排ガスが導入される排ガス処理容器と、を備え、前記排ガス処理容器にはモレキュラーシーブスが貯留されている放射性標識化合物の製造装置。
(2)前記排ガス処理容器から排気を行う排気管を備え、前記排気管における前記排ガス処理容器の外側の端部は大気開放している(1)に記載の放射性標識化合物の製造装置。
(3)前記合成部側から前記排ガス処理容器内に前記排ガスを導入させる導入管を備え、前記導入管の先端は、前記排ガス処理容器内において前記モレキュラーシーブスを貯留している貯留領域の底部に配置され、前記排気管における前記排ガス処理容器の内側の端部は、前記貯留領域よりも上側に配置されている(2)に記載の放射性標識化合物の製造装置。
(4)前記合成部を減圧状態にする真空ポンプと、三方切替バルブと、前記合成部と前記三方切替バルブとを相互に接続している第1配管と、前記三方切替バルブと前記真空ポンプとを相互に接続している第2配管と、前記三方切替バルブと前記排ガス処理容器とを相互に接続していて、前記合成部側から前記排ガス処理容器内に前記排ガスを導入させる導入管と、を更に備え、前記三方切替バルブは、前記合成部と前記真空ポンプとを相互に連通させるとともに前記排ガス処理容器側を遮断する第1状態と、前記合成部と前記排ガス処理容器とを相互に連通させるとともに前記真空ポンプ側を遮断する第2状態と、に切り替わり可能である(1)から(3)のいずれか一項に記載の放射性標識化合物の製造装置。
(5)前記三方切替バルブの動作制御を行う制御部を更に備え、前記制御部は、前記合成部に前記標識前駆体化合物を導入するタイミングで、前記三方切替バルブを前記第1状態から前記第2状態に切り替える制御が可能である(4)に記載の放射性標識化合物の製造装置。
(6)非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造方法であって、前記放射性標識化合物の合成が行われる合成部からの排ガスを、モレキュラーシーブスが貯留されている排ガス処理容器に導入し、当該排ガス処理容器内に滞留させる工程と、を備える放射性標識化合物の製造方法。
(7)前記放射性同位元素は18F又は11Cであり、前記滞留させる工程の後、前記排ガス処理容器内のガスを大気放出する工程を更に備える(6)に記載の放射性標識化合物の製造方法。
10 精製カラム
21、22、23 捕集器具
40 キャビネット
60 流路カートリッジ
61 液溜
62 三方活栓
63 シリンジ
81 三方活栓
82 カラム管
83 フィルタ
84 保持部
85 流路構成部材
100 放射性標識化合物の製造装置
101 反応容器(合成部)
102 ターゲット水回収バイアル
103 廃液トラップバイアル
104 医薬品原料回収バイアル
105 ガス供給部
107 ターゲット回収液供給部
108 反応部
110 医薬品原料回収部
111 加熱器
120 排ガス処理部
121 第1捕集トラップ
122 三方切替バルブ
122a 第1ポート
122b 第2ポート
122c 第3ポート
123 真空ポンプ
124 第2捕集トラップ
125 導入管
125a 先端
131 本体部
132 蓋部
132a 第1貫通孔
132b 第2貫通孔
133 モレキュラーシーブス
134 貯留領域
135 非貯留領域
130 排ガス処理容器
141 中空管
142 中空管(排気管)
141a、142a 貫通孔
143 配管(第1配管)
144 配管(第1配管)
145 配管(第2配管)
146 配管
147 配管
150 制御部

Claims (5)

  1. 非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造装置であって、
    前記放射性標識化合物の合成が行われる合成部と、
    前記合成部から排ガスが導入される排ガス処理容器と、
    前記合成部側から前記排ガス処理容器内に前記排ガスを導入させる導入管と、
    前記排ガス処理容器から排気を行う排気管と、
    を備え、
    前記排ガス処理容器にはモレキュラーシーブスが貯留されており、
    前記導入管の先端は、前記排ガス処理容器内において前記モレキュラーシーブスを貯留している貯留領域の底部に配置され、
    前記排気管における前記排ガス処理容器の内側の端部は、前記貯留領域よりも上側に配置されており、
    前記排気管における前記排ガス処理容器の外側の端部は大気開放している放射性標識化合物の製造装置。
  2. 前記合成部を減圧状態にする真空ポンプと、
    三方切替バルブと、
    前記合成部と前記三方切替バルブとを相互に接続している第1配管と、
    前記三方切替バルブと前記真空ポンプとを相互に接続している第2配管と、
    前記三方切替バルブと前記排ガス処理容器とを相互に接続していて、前記合成部側から前記排ガス処理容器内に前記排ガスを導入させる導入管と、
    を備え、
    前記三方切替バルブは、
    前記合成部と前記真空ポンプとを相互に連通させるとともに前記排ガス処理容器側を遮断する第1状態と、
    前記合成部と前記排ガス処理容器とを相互に連通させるとともに前記真空ポンプ側を遮断する第2状態と、
    に切り替わり可能である請求項1に記載の放射性標識化合物の製造装置。
  3. 前記三方切替バルブの動作制御を行う制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記合成部に前記標識前駆体化合物を導入するタイミングで、前記三方切替バルブを前記第1状態から前記第2状態に切り替える制御が可能である請求項に記載の放射性標識化合物の製造装置。
  4. 非放射性の標識前駆体化合物に放射性同位元素を導入して放射性標識化合物を製造する放射性標識化合物の製造方法であって、
    前記放射性標識化合物の合成が行われる合成部からの排ガスを、モレキュラーシーブスが貯留されている排ガス処理容器に対して導入管を介して導入し、当該排ガス処理容器内に滞留させる工程と、
    前記滞留させる工程の後、前記排ガス処理容器内のガスを、排気管を介して大気放出する工程と、
    を備え
    前記導入管の先端は、前記排ガス処理容器内において前記モレキュラーシーブスを貯留している貯留領域の底部に配置され、
    前記排気管における前記排ガス処理容器の内側の端部は、前記貯留領域よりも上側に配置されており、
    前記排気管における前記排ガス処理容器の外側の端部は大気開放している放射性標識化合物の製造方法。
  5. 前記放射性同位元素は18F又は11Cである請求項に記載の放射性標識化合物の製造方法。
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