JP2007022995A - 11cポジトロン標識薬の中間体合成装置 - Google Patents

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Yuichiro Yoshida
勇一郎 吉田
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Abstract

【課題】 一台で多種類の11C標識薬の中間体を合成可能な中間体合成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 11CO2捕捉手段と、11CO2捕捉部の下流に接続される中間体合成用の反応部とを備える11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置であって、交換可能な11CO2反応剤供給部と、交換可能な中間体合成剤供給部とが、反応部に接続されることを特徴とする構成とすることにより、一台で多種類の11C標識薬の中間体を合成可能な中間体合成装置とした。
【選択図】 図2

Description

本発明はポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)に使用される11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置に関する。
従来から、癌の診断や脳の機能障害の診断、あるいは脳機能の解明に有効な手段としてポジトロン核種(以下、核種と記す)で標識された標識薬を利用したPETが注目されていた。特に最近は、2−デオキシ−2−18Fフルオロ−D-グルコース(以下18FDGと記す)をポジトロン標識薬に用いたPETによる悪性腫瘍の診断等に健康保険の適用が認められるようになり、PETによる診断が普及しつつある。
PET診断は、体内の代謝系、あるいは腫瘍部等が特定の生理活性物質を多く消費し、体内で局在することや、神経伝達物質やその類似体などが神経受容体に特異的に結合することを利用している。PET診断は、特定の生理活性物質等をポジトロン放出核種で標識し、体内に投与して腫瘍部等に局在化させ、核種が崩壊するとき放射するポジトロン(陽電子)が周囲の電子と衝突して消滅する際に放出される511keVの消滅放射線を体外から計測して画像形成する技術である。現在、ポジトロン標識薬として最も広く利用されている18FDGも、腫瘍部でグルコースが多く消費されることを利用した標識薬である。しかし、一般の薬や生体内に存在する生理活性物質などでフッ素を含んでいるものは少なく、これらを標識するには殆ど全ての物質に含まれている炭素の同位体である11Cを利用することが適している場合が多い。
ポジトロン標識薬としては、11Cパルミチン酸(脂肪酸代謝)、11Cメチオニン(アミノ酸代謝)、11Cハイドロキシエフェドリン(心筋交感神経機能)、11Cメチルスピペロン、11Cラクロプライド(脳受容体機能)等、多数の11C標識薬が知られている。
現在、11Cによる生理活性物質の標識は、一般には、サイクロトロンで生成させた11CO2とリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH4)を反応させ、さらにヨウ化水素酸(HI)を加えて中間体のヨウ化メチル(11CH3I)を合成し、この中間体から最終目的物の標識薬を合成することにより行なわれている。そして、11Cで標識されたポジトロン標識薬(以下、11C標識薬)を合成するための合成装置は、利用する11C反応中間体毎に設計されている。
ポジトロン核種で標識した11C標識薬の合成装置は、その特殊性から、通常の化学反応を利用した合成装置と比較して次のような性能が要求される。
1)ホットセルと呼ばれる狭隘な放射線遮蔽チャンバの中に設置されるので、小型であること。
2)放射線に長時間曝されても、劣化しない材料で構成されていること
3)様々な腐食性物質を扱う場合があるので、酸や有機物などに対し耐蝕性のある物質で構成されていること。
4)取扱量が極微量であるため、合成経路や部品などは極力デッドボリュームが少なくなるよう設計されていること。
5)人体への放射線被曝を防止するため、反応の自動制御が可能であること。
さらに、11C標識薬の場合、大気中のCO2が合成反応系内に混入すると11CO2が希釈され、最終的に得られる標識薬中の11Cの比率が低下する結果、ポジトロン標識薬の比放射能が低下するという問題が生じるため、気密性の高い合成装置であることが要求される。また、一度11C標識薬を合成すると反応経路には放射性物質や様々な化学物質が残留し、直ちに次の合成を行うことは困難である。その為、合成終了後自動的に汚染された合成経路を洗浄・乾燥することのできる機能を持った合成装置が要求される。
本願発明者らは、かかる11C標識薬の合成装置に対する技術的要求に鑑み、LiAlH4を用いて繰り返し製造に適し、準備作業が簡単であり、高比放射能が期待でき、しかも高収率を維持しうる11Cハロゲン化メチルの自動合成装置(本願にいう中間体合成装置に相当する)を、特許文献1に開示している。
特許文献1の自動合成装置は、反応器を含む合成反応部と、合成反応部に自動的に第1反応原料・第2反応原料を注入する第1注入部・第2注入部、ならびに合成反応後に製造経路を自動的に洗浄,乾燥および不活性ガス置換する自動洗浄部を備えている。そして、細管の少なくとも内側表面は耐食性材料からなる構成となっている。このような構成により、前記した11C標識薬の合成装置に対する技術的要求を満たした11Cハロゲン化メチルの自動合成装置となっている。そして、この11Cハロゲン化メチルを中間体として利用して、最終的に目的とする11C標識薬を合成する。
特開2005−53803号公報(段落0011〜0013、図1)
しかしながら、前述のように11C標識薬には多くの種類があり、また、今後さらに種類が増えると予想される。このような状況で、一台の11C標識薬の合成装置で使用可能な中間体が11Cハロゲン化メチルに限られると、多種類の11C標識薬を合成することは困難である。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、一台の装置で多種類の11C標識薬の中間体を合成可能な中間体合成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、11CO2捕捉手段と、11CO2捕捉部の下流に接続される中間体合成用の反応部とを備える11C標識薬の中間体合成装置であって、交換可能な11CO2反応剤供給部と、交換可能な中間体合成剤供給部とが、反応部に接続されることを特徴とする構成とした。
このように、中間体合成用の反応部(以下、反応部)に交換可能な11CO2反応剤供給部と、交換可能な中間体合成剤供給部とが接続されているので、11CO2反応剤供給部および/または中間体合成剤供給部を交換して11CO2反応液および/または中間体合成剤の種類を変更することにより、一台の装置で多種類の11C標識薬の中間体を合成することが可能になり、さらにはこの中間体を用いて多種類の11C標識薬を合成することが可能になる。
請求項2に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、前記反応部が、ループ状の細管からなる反応器を含んで構成されていることを特徴とする構成とした。
高比放射能の11C標識薬を得るには、合成反応系への大気中のCO2と水分の混入を防止する必要がある。このため、合成装置を構成する各容器等のデッドボリュームは小さいことが好ましい。ループ状の細管は、内部のガスや液体の置換が容易で、このような目的に適しており、反応部に好適に用いることができる。
請求項3に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、11CO2反応剤供給部は、少なくともLiAlH4と、グリニヤ試薬とを反応部に供給可能なことを特徴とする構成とした。
グリニヤ試薬は11CO2と反応して複合体を形成し、そこにLiAlH4を作用させて還元し、HIと反応させる等により、種々の反応性の高い中間体を、グリニヤ試薬の種類を変えることにより得ることができる。また、11CO2とLiAlH4とを直接反応させ、その後にHIと反応させることにより、現在最も広く利用されている中間体である11CH3Iを製造させることもできる。このように、少なくともLiAlH4と、グリニヤ試薬とを供給可能な構成とすることにより、一台の装置で11CH3Iを含む多種類の11C標識薬の中間体を合成することが可能になり、さらにはこの中間体を用いて多種類の11C標識薬を合成することが可能になる。
請求項4に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、中間体合成剤供給部から、HIと、水と、塩化チオニルからなる群から選択される少なくともいずれか一種を反応部に供給可能なことを特徴とする構成とした。
水は、11CO2反応剤供給部から供給されるグリニヤ試薬と組合せることで、11CO2から11Cカルボン酸を生成させることができる。水の代わりに塩化チオニルを用いれば、より反応性の高い11C酸クロライドを生成させることもできる。HIは11CO2反応剤供給部から供給されるLiAlH4と組合せて使用することで、11CH3Iを生成させることができる。また、グリニヤ試薬、LiAlH4と組合わせて使用することで、様々な11C標識アルキルハライドを生成させることができる。
このように、中間体として11CH3I、11C標識カルボン酸、11C標識カルボン酸クロライド、11C標識アルキルハライドを生成させることができるので、一台の装置で多種類の11C標識薬の中間体、およびこの中間体を用いて多種類の11C標識薬を合成することが可能になる。
請求項5に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、11CO2反応剤供給部および中間体合成剤供給部から反応部への液剤の供給速度を制御する手段と、反応部へ供給された液剤を反応部に滞留させる手段とを備えることを特徴とする構成とした。
このような制御手段により一定量の(通常30mL(マイクロリットル)程度)のLiAlH4を反応部へゆっくり供給し、反応部内に留め、六方バルブを閉鎖した後、加熱することにより試薬を反応させることができるので効率よく目的物を得ることができる。また、このようにすることにより、グリニヤ試薬等と反応した放射性物質がLiAlH4と反応することなく、また、LiAlH4と反応した放射性物質がHI等と反応することなく反応部の外に出てしまうことを防止できる。
請求項6に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、反応部の下流に、11C標識薬の中間体の分離カラムを備えることを特徴とする構成とした。
例えば、グリニヤ反応では反応温度、時間、試薬濃度を変更することで、数種類の化合物を同時に合成することができる。請求項4に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、反応部の下流に、11C標識薬の中間体の分離カラムを備えているので、前述のグリニヤ反応で生成した数種類の化合物をそれぞれ分取して数種類の11C標識薬の中間体として使用することができる。これにより、1回の合成で複数の11C標識薬を合成することが可能になる。
請求項7に記載の11C標識薬の中間体合成装置は、反応部及び合成に供される経路の洗浄手段及び乾燥・不活性ガス置換手段を備えることを特徴とする構成とした。
このような洗浄手段と乾燥・不活性ガス置換手段を備えることにより、合成反応終了後に反応部の反応物残渣と、合成に供される経路内の水分とCO2を除去できるので、中間体合成装置を解体して洗浄することなく別の中間体の合成反応を開始することができる。
このような11C標識薬の中間体合成装置によれば、一台の装置で多種類の11C標識薬の中間体を合成することが可能になる。また、11C標識薬の中間体の分離カラムを設ければ、1回の合成で複数の11C標識薬を合成することも可能になる。
<第1の実施形態>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の11C標識薬の中間体合成装置1の概略系統図である。
本実施形態の11C標識薬の中間体合成装置1は、サイクロトロン(図示せず)のターゲット部TGの下流に接続される11CO2捕捉部2と、この11CO2捕捉部2の下流に接続される中間体合成用の反応部3とを備え、この反応部3には、交換可能な11CO2反応剤供給部4と、交換可能な中間体合成剤供給部5とが接続されている。
さらに、反応部3の下流には、精製管65が接続され、さらに中間体合成装置1で合成された中間体から最終目的物の11C標識薬を合成するための11C標識薬合成装置(図示せず)が連結される。
上記に加えて、中間体合成装置1には、11CO2反応剤を移送するための第1のシリンジポンプ32、第2のシリンジポンプ34、中間体合成剤を移送するための第3のシリンジポンプ42、第4のシリンジポンプ43が設けられている。
また、11Cの移送状態を確認するための第1、および第2の放射能センサ11、12が付属し、さらに11CO2捕捉部2、反応部3には第1、第2の加熱冷却装置10、20が設けられ、図示しないユーティリティ供給設備から第1、第2の加熱冷却装置10、20に液体窒素や窒素ガス(又は空気)が供給可能に構成されている(図示せず)。
さらに、中間体合成装置1の合成に供される経路には、真空ポンプ等の減圧設備と、窒素ガス、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の不活性ガス供給源が接続されると共に、中間体を合成した後、反応部3や合成経路を洗浄するための洗浄部6が備えられている。
11CO2捕捉部2、反応部3、11CO2反応剤供給部4、中間体合成剤供給部5等を所定のプロセスフローとなるように連結する配管には、樹脂製のチューブ等を用いることができる。また、この配管上に、三方弁、六方弁等のバルブ類を適宜設けることができる。これらのバルブ類を、図示しない制御装置によって作動させることにより、自動的に中間体の合成を行うことができる。
なお、図1では特に断りの無い限りバルブ類の符号は省略し、文中で「流路を形成」というときは、これらのバルブ類を制御装置で作動させて流路を形成することを意味している。また、特に断りの無い限り、ユーティリティの供給や中間体合成剤の移送も図示しない制御装置で行なわれる。
次に、中間体合成装置1の各部について詳細に説明する。11CO2捕捉部2は、サイクロトロンで生成した11CO2を一時的に捕捉する機能を有するものであり、サイクロトロン(図示せず)のターゲット部TGの下流に接続される第1のループL1と、温度センサーを内蔵する第1の加熱冷却装置10と、第1の放射能センサ11と、バルブ類を含んで構成されている。
第1の加熱冷却装置10は、液体窒素等の吹き付けにより第1のループL1を11CO2の昇華点(−79℃)以下に冷却可能で、また電気ヒータ等により室温以上に加熱することができるものであればよい。このような加熱冷却装置10の一例として、本発明者らが特願2003−377124号に開示したものを用いることができる。また、第1、第2の放射能センサには、NaI(Tl)検出器、マイクロカロリメータ、半導体検出器等の公知のものを用いることができるが、狭い空間に設置する関係上可能な限り小型のものが望ましい。
図1に概念的に示すように、第1のループL1は、第1の加熱冷却装置10に挿入され、また、第1の放射能センサ11は、第1のループL1のループ部に近接して設けられる。このように構成することにより、ターゲット部TGから供給されるガス状の11CO2を、第1の加熱冷却装置10で冷却した第1のループL1に捕捉し、次いで、第1のループL1を加熱することにより、捕捉した11CO2を気化させて、第2のループL2に向けて移送することができる。このとき、第1の放射能センサ11により、第1のループL1での11CO2の捕捉・移送をモニタすることができる。
次に、11CO2捕捉部2の下流に接続されている、中間体合成用の反応部3について説明する。反応部3は、11CO2捕捉部2から移送されてくる11CO2に、11CO2反応剤と中間体合成剤とを作用させて、11C標識薬の中間体を合成する機能を有するものであり、上述の第1のループL1の下流に接続されるループ状の細管からなる反応器の第2のループL2と、第2の加熱冷却装置20と、第2の放射能センサ12と、六方弁等を含んで構成されている。なお、第2の加熱冷却装置20と、第2の放射能センサ12には、前記と同様のものを、六方弁には本発明者らが特願2004−142234号に開示したものを用いることができる。
第2のループL2の入口側には、第1のループL1、11CO2反応剤供給部4、中間体合成剤供給部5から延出する配管が六方弁を介して接続されるようになっている。第2のループL2は第2の加熱冷却装置20に挿入され、また、第2の放射能センサ12は第2のループL2のループ部に近接して設けることができる。そして、第2のループL2の出口側は、11C標識薬合成装置(図示せず)に連結されている。
このような構成により、合成反応の開始前に11CO2反応剤供給部4から11CO2反応剤を供給して第2のループL2の内面にコーティングしておき、次いで、11CO2捕捉部2から送られてくる11CO2と反応させ、次に中間体合成剤供給部5から中間体合成剤(以下、中間体合成剤または11CO2反応剤を単に液剤と記載する場合がある)を供給して中間体を合成することができる。
このとき、必要に応じて第2の加熱冷却装置20により第2のループL2を加熱または冷却し、あるいは、六方弁を閉じて一定時間、一定温度に保つこともできる。また、第2の放射能センサ12により、第2のループL2への11CO2の移送と、中間体の移送をモニタすることができる。この際、第2のループL2及び六方弁は、腐食性のガス又は液体と接触し、高温・高圧となるので、このような過酷な条件に耐えるものでなくてはならない。
次に、反応部3に接続される、交換可能な11CO2反応剤供給部4について説明する。
11CO2反応剤供給部4は、第2のループL2に薬剤を供給する機能を有し、化学反応しにくい11CO2から、化学的に活性の高い11Cを含む化合物を得るためのものである。薬剤は中間体の合成反応の種類に応じて選択され、気体状、液状のいずれであってもよい。本実施形態では、液状の11CO2反応剤、または11CO2反応剤を溶媒に溶かした液剤を用いる場合を想定して説明する。具体的には、グリニヤ試薬、LiAlH4のTHF溶液等を用いることができる。
本実施形態に係る交換可能な11CO2反応剤供給部4は、図1に示すように、第1の液剤貯槽31と、一端に第1の液剤貯槽31から延出する配管が接続され、他端に第1のシリンジポンプ32と不活性ガス供給配管が接続される第3のループL3と、同様にして構成される第2の液剤貯槽33、第2のシリンジポンプ34、第4のループL4とが含まれる。
さらにバルブ類が付属し、これらが1つの筐体やパネル等の部材に組み込まれる。このような構成により、目的に応じた11CO2反応剤供給部4(図1は2種類の反応剤用)を中間体合成装置1にネジ止め等で交換可能に取り付けることができる。11CO2反応剤供給部4と、第2のループL2との接続は、樹脂製のチューブやステンレスチューブ等の配管で行なうことができる。また、制御装置とバルブ類をつなぐ制御用ケーブルはコネクタで接続することができる。
次に、第3のループL3と第1のシリンジポンプ32の組み合わせを例に、第1の液剤貯槽31に貯留された11CO2反応剤を、第2のループL2に移送する操作について説明する。
まず、第1の液剤貯槽31に貯留されている液剤を、第1のシリンジポンプ32で第3のループL3に移送する。
次に、バルブを操作して第3のループL3から第2のループL2に至る流路を形成し、この流路に窒素を供給して第3のループL3内の液剤を、第2のループL2を経由して液受け63に圧送する。この操作で、液剤の薄膜を第2のループL2の内表面に形成する。ここに、11CO2を導入して11C複合体を合成する。さらに反応液剤が必要な場合には、第4のループL4から第2のループL2へシリンジポンプ34を使って徐々に液剤を第2のループL2に注入する。
なお、グリニヤ反応を行った後、LiAlH4溶液を第2のループL2に導入する場合、一定量の溶液を第2のループL2内に留める必要がある。そうしないと放射能を含んだ溶液が液受け63に流出してしまい、その後の反応が不可能となる。そこで、本実施形態の中間体合成装置1には、LiAlH4を反応部の第2のループL2にゆっくり送るための供給速度を制御する手段が設けられている。
図1では、第2のシリンジポンプ34、V16、V17及びシリンジ34が供給速度を制御する手段を構成し、図示しない制御装置でシリンジ34の往復頻度(回/分)を制御することによりLiAlH4溶液を反応部の第2のループL2にゆっくり送ることができる。
具体的には、第2の液剤貯槽33に貯留されたLiAlH4溶液を、V16を操作して一旦第2のシリンジポンプ34で第4のループL4に移送する。次いで、LiAlH4溶液をシリンジポンプ34で第2のループL2に向けて押し出しす操作を繰り返し、所定の液量のLiAlH4溶液を第2のループL2に至る経路に充填する。この後、V17を開いて窒素ガス緩衝容器45(テドラーバッグなど)と接続し、第2のシリンジポンプ34で窒素ガスを吸引し、V17を閉じて第2のシリンジポンプ34に吸引された窒素ガスを押し出すことにより、LiAlH4溶液を一定量送り出す。この操作を繰り返すことにより、所定量のLiAlH4溶液を第2のループL2内に送り込む。この際、第2のシリンジポンプ34の内容量は十分に小さいことが望ましく、ここでは100mL(マイクロリットル)程度のものを利用している。
また、中間体として11CH3Iを製造する場合には、合成に用いる液剤が析出しやすいため第2の液剤貯槽33、第2のシリンジポンプ34、第4のループL4及び切り替え用の3方バルブを含まない11CO2反応剤供給部4に交換すれば、送液の信頼性向上、比放射能の向上、ラインの洗浄・乾燥作業の簡便性向上が図れる。このように、11CO2反応剤供給部および/または中間体合成剤供給部を交換することにより、一台の装置で多種類の11C標識薬の中間体を合成することが可能となる。
次に、交換可能な中間体合成剤供給部5について説明する。中間体合成剤供給部5は、第2のループL2に生成させた11C複合体に対して、所定量の中間体合成用の液剤を所定の速度で移送し、第2のループL2内に留めて反応させることによって、中間体を生成させるためのものである。
図1に示すように、本実施形態に係る中間体合成剤供給部5は、第3の液剤貯槽41と、三方弁V1を介して第3の液剤貯槽41に連結される第5のループL5と、第5のループL5に接続される第3のシリンジポンプ42と、三方弁V1に接続される六方弁V2と、この六方弁V2に接続される第6のループL6とを備え、六方弁V2から延出する配管の一本は、第6のループL6と第3の液剤貯槽41とを連結可能な位置に配設されている。
そして、中間体合成剤供給部5を構成する各機器は、一つのパネルまたは筐体に組付けられており、中間体合成装置1にネジ止め等で交換可能に取り付けることができる。
ここで用いられる液剤は、濃ヨウ化水素酸や塩化チオニルなどの非常に反応性や腐食性の強いものが多い。このため、各液剤ごとに一つのパネルを用意しておき、洗浄部6を利用して洗浄乾燥した後中間体合成剤供給部5を交換すれば、交換時の液剤のボタ落ちを防ぐことができ、しかも同じ液剤のパネルを何度も繰り返し利用できる。
また、中間体合成剤供給部5には、第4のシリンジポンプ43とこれに接続される第7のループL7、および第2のループL2に至る配管が六方弁V2を介して連結される。中間体合成剤供給部5と、第2のループL2等との接続は、11CO2反応剤供給部4の場合と同様にして行なうことができる。
第6のループL6は、第2のループL2に移送する液剤を一時的に貯留したり、一定量を計量するためのものである。第5のループL5は、第6のループL6に液剤をシリンジポンプ42で送液する際に、液剤がシリンジポンプ42内に入って汚染することを防止するためのものである。
中間体合成剤供給部5に接続される第4のシリンジポンプ43と第7のループL7は、第6のループL6内に一時的に貯留される液剤を、ゆっくり第2のループL2へ移送するときに使用されるものである。なお、液剤の移送速度の暴走を押さえるため、第4のシリンジポンプ43にはストロークスピードの調整可能なものを用い、第7のループL7は内径の小さいもの(例えば内径0.25mm)を用いる。また、第6のループL6内に貯留された液剤を第2のループL2内に正確に輸送し、そこで反応させる場合にはシリンジポンプ43のストロークを短くし、所定の回数だけシリンジポンプを駆動することにより目的を達成する。
以上の説明から分かるように、第4のシリンジポンプ43と第7のループL7には液剤は浸入しないので、液剤の種類を変更するときは、交換可能に構成された中間体合成剤供給部5を交換するだけで足りる。すなわち、中間体合成剤供給部5を交換することにより、1台の装置で多種類の11C標識薬の中間体を合成することが可能になる。
次に、中間体合成剤供給部5から反応部3への液剤の供給について説明する。
まず、第3の液剤貯槽41に貯留されている液剤を、第3のシリンジポンプ42で第5のループL5内に吸引する。次に、三方弁V1と六方弁V2を操作して、第5のループL5から、第6のループL6を経由せずに第3の液剤貯槽41に戻る流路を形成し、この流路に液剤を流通させる。この操作により流路中の気泡を除くことができるので、第2のループL2へ供給する液剤を正確に計量することができる。
次に、三方弁V1、六方弁V2を操作して、第3のシリンジポンプ42を複数回作動させて、第3の液剤貯槽41から第6のループL6に液剤を移送する。このとき、移送する液剤の量は第3のシリンジポンプ42のストローク数で制御することができる。注入量が固定で、第6のループL6の内容量と同じ場合には、シリンジポンプ42の容量を大きくすることにより1回の操作でL6を液剤で満たすことができる。
次いで、六方弁V2を操作し、第4のシリンジポンプ43および第7のループL7により第6のループL6を加圧することによって、液剤を第2のループL2にゆっくりと移送する。このとき、液剤の移送速度および移送量は、第4のシリンジポンプ43のストロークスピードおよびストローク回数で調整することができる。また、急激な加圧を避けるため、第7のループL7の内径は細い(例えば内径0.25mm)ものを使用する。
このように液剤をゆっくり移送することにより、第2のループL2から液剤がオーバーフローして、第2のループL2内に生成していた放射性反応混合物が散逸することを防ぐことができる。また、第2のループL2へ移送する液剤の量を、ループ部分の容積の50〜80%が液剤で満たされるように調整することができる。このように、中間体合成剤供給部5は第2のループL2への液剤移送量と速度を調整可能に構成されているので、第2のループL2内で合成反応を最適条件で遂行することができる。
また、少量の液剤(例えば30μL)で反応をすることが可能となるため、第2のループL2の下流側に流れる液剤の除去が容易となり、同じ精製管65を用いて何度も合成を繰り返すことが可能となる。ここで精製管65には、例えばP25/アスカライト(商品名、米国A.H.Thomas社製のCO2吸収剤)を用いることができる。さらに、下流に11C標識薬合成装置を接続すれば様々な11C標識薬の繰り返し合成が容易となる。
また、洗浄部6を設けて、洗浄液貯留槽61に貯留された洗浄液を、中間体合成剤供給部5のV2を介して、反応部3の第2のループL2から、その下流にある廃液瓶64に至る配管を流通させる構成とすることができる。さらに、不活性ガスで洗浄液を十分に除去した後、真空排気し、不活性ガスを流すことにより、合成に供される経路を効率よく洗浄・乾燥・不活性ガス置換することができる。このようにして、ある中間体の合成が終了した後、反応部3の第2のループL2内の反応物残渣を除去し、さらに合成に供される経路の水分とCO2を除去することができる。これにより、中間体合成装置1の解体洗浄を行なうことなく、別の中間体の合成を開始することが可能になる。
合成に供される経路を減圧し、不活性ガスで置換する手段は、不活性ガス供給源と、真空ポンプ等の減圧設備と、バルブ、および図示しない制御装置で構成することができる。
なお、第1〜第3の液剤貯槽31、33、41、バルブV1、V2、V11、V12、V15、V16、V17、V22、V23等は、耐蝕性、気密性に優れた構造・材質でなければならない。特に、第1の液剤貯槽31と第2の液剤貯槽33は水分と大気中の炭酸ガスの混入を極力排除する必要があり、またバルブV15とV23は、非常に活性の高い薬液や強酸が導入され、閉鎖系状態で高温高圧になるため、この点は特に重要である。また、第1のシリンジポンプ32等の駆動源には、電動アクチュエータ、エアシリンダ等を用いることができる。
また、バルブ類の摺動部や樹脂製チューブの接続部から大気中のCO2が合成反応系内に混入して比放射能が低下したり、微量の水分が混入して第1の液剤貯槽31や第2の液剤貯槽33に貯留されている液剤と反応して析出物が生成し、液の輸送ルートが閉塞したりすることを防止するために、これらの部分を軟質でしかも化学的腐食に強い材料、例えばポリテトラフルオロエチレンを用いてシールすることが好ましい。
第1〜第7のループL1〜L7には、使用される薬剤の性質、使用温度などを考慮して、ガラス、ステンレス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン等の材質の細管を、ループ状に加工したものを適宜選択して用いることができる。
高比放射能の11C標識薬を得るには、合成反応系への大気中のCO2と水分の混入を防止する必要がある。このため、合成装置を構成する各容器等のデッドボリュームは小さいことが好ましい。ループ状の細管は、内部のガスや液体の置換が容易で、このような目的に適しており、中間体合成装置1に好適に用いることができる。あるいは、小容量のフラスコ等を用いることもできる。
次に、中間体合成に使用できる薬剤と、それを用いた中間体の合成について説明する。
11CO2反応剤供給部4から供給される11CO2反応剤は、11CO2を化学的に活性な化合物に転換できるものであればよく、例えばLiAlH4、グリニヤ試薬を用いることができる。あるいは、CH3Li等の有機金属化合物を用いることもできる。
中間体合成剤供給部5から供給される液剤は、11CO2を化学的に活性化した化合物と反応して、別の化合物と反応しうる化合物となるものであればよく、例えば、HI、水、塩化チオニル等を用いることができる。また、HIに替えてHBrを用いることもできる。
<アルキルハライドの合成>
CH3MgBrのTHF溶液を、第1の液剤貯槽31から第3のループL3に一旦移送した後、一定量を第2のループL2に窒素ガスにより移送し、次に、第2のループL2に所定時間窒素ガスを流通させて、第2のループL2の内面にCH3MgBrの薄膜を形成する。
次いで、第1のループL1から11CO2を窒素ガスに随伴させて、−5℃に冷却してある第2のループL2に所定時間流通させて11CO2とCH3MgBrの複合体を形成させる。そして、所定量のLiAlH4を、第2の液剤貯槽33から第4のループL4経由で第2のループL2にゆっくり移送しL2内に留める。この状態で徐々に加熱し、溶媒を留去する。その後、第3の液剤貯槽41に貯留しておいたHIを、第6のループL6経由で、ゆっくりと第2のループL2内に導入することにより、中間体のCH3 11CH2I(11Cヨウ化エチル)を得る。
<カルボン酸、カルボン酸クロライドの合成>
カルボン酸を合成する場合には、第3の液剤貯槽41に水を貯留しておく。
まず、CH3MgBrのTHF溶液を用い、上記と同様の操作で第2のループL2の内面にCH3MgBrの薄膜を形成する。
次いで、第1のループL1から、11CO2を窒素ガスに随伴させて、予め−5℃に冷却してある第2のループL2に所定時間流通させて11CO2とCH3MgBrの複合体を形成させる。なお、11CO2を第2のループL2に流通させる時間は、ループの形状に応じて適宜選択することができる。次に、第3の液剤貯槽41に貯留しておいた水を、一旦第5のループL5に移送した後、第4のシリンジポンプ43を用いてゆっくり第2のループL2内に導入することにより中間体のCH3 11COOHを得る。
また上記において、水の代わりに塩化チオニルを第3の液剤貯槽41から供給すれば、中間体のカルボン酸クロライド(CH3 11COCl)を得る。
<合成終了後の洗浄、不活性ガス置換>
以上例示したいずれかの合成が終了したら、反応部3を含む、V2からV22、V23、V15、第2のループL2、V15、V23、廃液瓶64に至る経路を形成し、洗浄部6の洗浄液を用いて前記経路を洗浄・乾燥した後、不活性ガス(窒素ガス)置換を行う。まず、洗浄部6の洗浄液貯留槽61aに貯留された0.1NのHCl/アセトン混合液を、窒素加圧により一定時間流通させ、引き続き洗浄液貯留槽61bから純アセトンを同経路に流通させる。その後、第2のループ状細管L2を第2の加熱冷却装置20で加熱しながら、窒素を流通させて乾燥させる。
合成に供される経路の不活性ガス置換は次のようにして行なうことができる。
真空ポンプ66を中間体合成装置1に接続しておき、中間体合成装置1に接続されている窒素供給バルブ及び廃液瓶64の下流に位置するバルブ(図示せず)を閉じ、真空ポンプを起動して減圧した後、窒素供給バルブを開けて不活性ガスを供給して置換する操作を行なう。
次に合成を繰り返す場合には、アルキルハライドの合成で述べた方法と同様にして11CO2反応剤を供給し、11C標識アルキルハライドや11C標識カルボン酸等を合成することが可能である。多数回にわたる1日の合成が終了した場合、LiAlH4やグリニヤ試薬が析出することを防ぐため、第1の液剤貯槽31,第2の液剤貯槽33を純粋なTHFに入れ替え、同様の操作でライン中に残存する試薬をTHFで置き換え、窒素ガス置換して保管する。
このように、本実施形態に係る中間体合成装置1は、交換可能な11CO2反応剤供給部4から少なくとも2種類の液剤を反応部3へ供給することが可能であり、さらに交換可能な中間体合成剤供給部5から少なくとも1種類の液剤を供給することが可能なので、これらの薬剤の組み合わせを種々変えることにより、一台の装置で多種類の11C標識薬の中間体を合成することが可能になる。例えば上記のように、11Cを含有するアルキルハライド、カルボン酸、カルボン酸クロライドを合成することが可能であり、さらにはこの中間体を用いて多種類の11C標識薬を合成することができる。
また、最終目的物の11C標識薬の比放射能を高くするには、合成反応操作中に大気中のCO2が反応系内に混入しないようにすることが重要である。本実施形態の11CO2反応剤供給部4、中間体合成剤供給部5は交換可能で、しかも気密を保持することができるので、例えば窒素雰囲気でグリニヤ試薬等の液剤を第1〜第3の液剤貯槽31、33、41に充填した後、中間体合成装置1に取り付けることにより、中間体の合成反応系に液剤に溶解した大気中のCO2が混入することを有効に防止することができる。また、このループ状の細管による方法は、使用する液剤の量が通常の反応容器を用いる場合と比べ1/10程度と少ないため、液剤中に元々混入しているCO2の量を減らすことができ、比放射能を向上させることが可能となる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、11C標識薬中間体の分離カラムCLを備える場合を、図2に示す概略系統図を参照しながら説明する。本実施形態では、第1の実施形態の反応部3と、11C標識薬合成装置との間に、中間体の分離カラムCLが設置されている場合を想定して説明する。これ以外の構成は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
分離カラムCLは、反応部3で反応条件を調整することにより2種類以上の中間体を生成させ、これを分取した後に11C標識薬合成装置(図示せず)へ移送し、2種以上の11C標識薬を合成するためのものである。換言すれば、2種類以上の中間体を分離カラムCLにより時間をずらして11C標識薬合成装置へ送ることにより、一回の中間体合成反応で2種類以上の11C標識薬を得ることを可能にするものである。
図2において、分離カラムCLは第2のループL2の下流に三方弁を介して接続され、バイパス配管を介して設けられている。バイパス配管により、1種類の中間体しか合成しない場合、分離カラムCLにより余分な時間が掛かることを防止することができる。
分離カラムCLの充填剤は、中間体の種類に応じて適宜選択することができる。気体状の中間体のときはガスクロマトグラフィ用のカラムと充填剤を用いることができ、液体状の中間体の場合には液体クロマトグラフィ用のカラムと充填剤等を用いることができる。
このような充填材として、例えば多孔質のポリマー、シリカゲル等を用いることができる。以下に、分離カラムCLを用いる場合の合成例を示す。
<分離カラムを使用した合成例>
グリニヤ反応では試薬濃度、反応温度、時間などの要因を変えることで2量体、3量体を同時に生成させることができる。
例えば、前記した11Cヨウ化エチルの合成操作において、11CO2を、−5℃に冷却してある第2のループL2に流通させてから更に25℃で1.5分間静置した後、LiAlH4とHIを作用させることにより、CH3 11CH2Iと、(CH32 11CHIの約1:1混合物を得ることができた。
そして、前記混合物を、分離カラムCLに室温で流通させて捕集する。次いで、不活性ガスを一定流速で流しながら分離カラムCLの温度を昇温速度15〜17℃/30秒で30℃から120℃まで急激に昇温し、前記混合物のそれぞれを分取してその後の11C標識薬の合成反応に利用することができる。
なお、前記混合物の場合、分離カラムCLの充填剤には、ポリスチレン系ポーラスポリマ(商品名ポラパックQ)を用いれば、保持時間の差(11Cヨウ化エチル:4.8分、11Cヨウ化イソプロピル:6.8分)を利用して分取することができる。
このように、分離カラムCLを用いることにより、一回の中間体合成反応で複数の11Cアルキルハライドを中間体として得ることができるので、この複数の中間体を利用して、1台の装置で多種類の11C標識薬を合成することが可能になる。なお、第2の実施形態においても合成終了後の反応部3の洗浄、合成経路の不活性ガス置換を行なうことができる。この場合、分離カラムCLは洗浄および減圧の対象外とする点を除き第1の実施形態と同じ方法で行なえるので、詳しい説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では第1のシリンジポンプ32等で液剤を移送する場合を例に説明したが、これに替えて、例えば第1の液剤貯槽31から第3のループL3への液剤の移送を窒素加圧により行い、計重器で所定量の液剤を計量・移送する構成とすることもできる。あるいは、11CO2反応剤供給部4と中間体合成剤供給部5から液状の薬剤を供給する場合を例に説明したが、例えば気体状の薬剤を反応部3に流通させる構成としてもよい。
さらに、中間体合成剤供給部5に液剤貯槽が1つ(第3の液剤貯槽41)ある場合を例に説明したが、複数の貯槽を設けることもできる。中間体合成剤供給部5に複数の貯槽を設ける構成にすると、一台の装置で合成可能な11C標識薬の中間体の種類を更に増やすことができる。また、ここでは反応剤供給部4を構成する2系統の薬剤供給装置、即ち、第1の液剤貯槽31、第3のループL3、第1のシリンジポンプ32と第2の液剤貯槽33,第4のループL4、第2のシリンジポンプ34を同じ構成としたが必要に応じて別な構成とすることも可能である。あるいは、反応部3と11C標識薬合成装置の間に、乾燥剤やCO2吸収剤が充填されたカラムを設けることもできる。
また、バルブの種類は、必要に応じて3方弁、6方弁、逆止弁等を適宜選択して用いることができ、本実施形態に限定されるものではない。
第1の実施形態に係る11C標識薬の中間体合成装置の概略系統図である。 第2の実施形態に係る11C標識薬の中間体合成装置の概略系統図である。
符号の説明
1 中間体合成装置
11CO2捕捉部
3 反応部
11CO2反応剤供給部4
5 中間体合成剤供給部
CL 分離カラム

Claims (7)

11CO2捕捉部と、前記11CO2捕捉部の下流に接続される中間体合成用の反応部とを備える11Cポジトロン標識薬中間体の合成装置であって、
交換可能な11CO2反応剤供給部と、
交換可能な中間体合成剤供給部とが、
前記反応部に接続されることを特徴とする11Cポジトロン標識薬中間体の合成装置。
前記反応部が、ループ状の細管からなる反応器を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置。
前記11CO2反応剤供給部は、少なくともLiAlH4と、グリニヤ試薬とを前記反応部に供給可能なことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置。
前記中間体合成剤供給部から、
HIと、水と、塩化チオニルとからなる群から選択される、少なくともいずれか一種を前記反応部に供給可能なことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置。
前記11CO2反応剤供給部および前記中間体合成剤供給部から前記反応部への液剤の供給速度を制御する手段と、
前記反応部へ供給された前記液剤を前記反応部に滞留させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置。
前記反応部の下流に、11Cポジトロン標識薬中間体の分離カラムを備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置。
前記反応部及び合成に供される経路の洗浄手段及び乾燥・不活性ガス置換手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の11Cポジトロン標識薬の中間体合成装置。
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