JP4920301B2 - Ri化合物合成装置及びri化合物合成方法 - Google Patents
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Description
図1に示すマイクロシリンジ合成装置1は、1 mg/mLのスピペロンDMF溶液20μLとNaHのDMF溶液1μL(NaH 0.1 mg程度を含む)との混合溶液(以下「第1反応液」という)と、[11C]ヨウ化メチルを捕集したDMF溶液20μL(以下「第2反応液」という)と、を混合し反応させ、ポジトロン放出断層撮影(PET)に用いられる放射性同位元素標識化合物(RI化合物)の[11C]メチルスピペロンを合成する装置である。
まず、バルブV1,V3を切り替えて、流路L3と流路L1とを連結すると共に、流路L1と流路L11とを連結する。また、切り替えバルブV2,V4を切り替えて、流路L4と流路L5とを連結すると共に、流路L5と流路L21とを連結する。更に、ピストン10b,20bは、最下点に移動させる。この状態で、シリンジポンプP10,P20を動作させピストン10b,20bを上昇させる。このとき、バイアル瓶11の第1反応液は、流路L11→流路L1(第1の流路)→流路L3(第3の流路)を通じて、全量が反応室A1(第1の反応部)に導入される。また、バイアル瓶21の第2反応液は、流路L21→L5→L4を通じて、全量が反応室A2に導入される。なお、この工程においては、加圧装置15,16によってバイアル瓶11,21内部が加圧されているので、反応室A1,A2には第1反応液,第2反応液がそれぞれスムーズに導入される。
次に、バルブV1,V2を切り替えて、流路L3と流路L2とを連結すると共に、流路L4と流路L2とを連結すると、反応室A1と反応室A2とが、流路L3,L2,L4を介して連通される。この状態で、ピストン10bを更に上昇させながら、同じ速さでピストン20bを下降させると、反応室A2の第2反応液が流路L4→流路L2(第2の流路)→流路L3(第3の流路)を通じて反応室A1(第1の反応部)に移動する。そして、反応室A1内では、第1反応液と第2反応液とが混在し、両者が反応することになる。
その後、ピストン20bを上昇させながら、同じ速さでピストン10bを下降させると、第1及び第2反応液が、反応室A1から、流路L3(第3の流路)を通じて排出され、更に流路L2→流路L4(第4の流路)を通じて反応室A2(第2の反応部)に導入される。更に、その後、逆にピストン10bを上昇させながら、同じ速さでピストン20bを下降させると、第1及び第2反応液は、反応室A2から、流路L4(第4の流路)を通じて排出され、更に流路L2→流路L3(第3の流路)を通じて反応室A1に導入される。
そして、第1及び第2反応液が反応し、十分に[11C]メチルスピペロンが生成された後、この生成物溶液を反応室A2に移動させた状態で、バルブV2を切り替えて流路L4と流路L5とを連結する。また、バルブV4を切り替えて流路L5と流路L22とを連結する。この状態でピストン20bを下降させると、反応室A2内の生成物溶液が、流路L4→流路L5→流路L22を通じて回収用のバイアル瓶22に排出される。
その後、バルブV1,V3を切り替えて流路L3と流路L1とを連結し、流路L1と流路L12とを連結する。この状態でピストン10bを上昇させると、バイアル瓶12内のエタノールが反応室A1に導入される。そして、上述した第1及び第2反応液の往復動作と同様に、エタノールを反応室A1,A2間で例えば1回往復させた後、バイアル瓶22に排出させる。このように、反応室A1,A2及び各流路L1〜L5に洗い込み溶媒としてのエタノールを通過させることで、反応室A1,A2及び各流路L1〜L5内に残った[11C]メチルスピペロンを回収することができる。
また、上記洗い込み工程と同様の操作により、反応室A1,A2及び各流路L1〜L5に、バイアル瓶13内に準備された洗浄液を通過させて洗浄することも可能である。なお、この場合の洗浄液は、最終的に廃液用のバイアル瓶23に排出され廃棄される。
図2に示すマイクロシリンジ合成装置51は、3本のマイクロシリンジ10,20,30を備えている点で、上述の合成装置1とは異なる。この合成装置51において、上記合成装置1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
まず、バルブV53,V3を切り替えて、流路L7と流路L1とを連結すると共に、流路L1と流路L11とを連結する。また、切り替えバルブV2,V4を切り替えて、流路L4と流路L5とを連結すると共に、流路L5と流路L21とを連結する。更に、ピストン10b,20b,30bは、最下点に移動させる。この状態で、シリンジポンプP30,P20を動作させてピストン30b,20bを上昇させる。このとき、バイアル瓶11の第1反応液は、流路L11→流路L1→流路L7を通じて、全量が反応室A3に導入される。また、バイアル瓶21の第2反応液は、流路L21→L5→L4を通じて、全量が反応室A2に導入される。
次に、バルブV53,V2を切り替えて、流路L6と流路L7とを連結すると共に、流路L4と流路L2とを連結する。更に、流路L3,L2,L6が互いに連結されるように、バルブV51を切り替える。このような操作により、反応室A1,A2,A3がすべて連通されることになる。そして、この状態で、ピストン20b、30bを同じ速度で下降させながら、ピストン10bをその2倍の速度で上昇させる。このとき、反応室A3の第1反応液は、流路L7→流路L6(第1の流路)→流路L3(第3の流路)を通じて反応室A1(第1の反応部)に移動する。また、反応室A2の第2反応液は、流路L4→流路L2(第2の流路)→流路L3(第3の流路)を通じて反応室A1(第1の反応部)に移動する。
その後、流路L3と流路L2のみが連結されるように、バルブV51の切り替えを行うことで、反応室A1と反応室A2のみが流路L3,L2,L4を通じて連通される。この状態でピストン10b,20bを交互に上下動させ、第1及び第2反応液を反応室A1と反応室A2との間で往復させると、第1及び第2反応液が互いに十分に接触し、[11C]メチルスピペロンが生成される。その後、生成物回収工程、洗い込み工程、装置洗浄工程を上述の合成装置1と同様に行い、処理を終了する。
図3に示すマイクロシリンジ合成装置71は、第1実施形態の合成装置1におけるマイクロシリンジ10に代えて、チューブC3に接続されたチャンバーA71(第1の反応部)とポンプP71(第1の吸引吐出手段)とを備えている。ポンプP71は、チャンバーA71に接続され制御装置17の制御によって流体を吸引又は吐出する。この流体としては、ガスや、反応液と混合しない性質を持つ液体などが好適である。このようなポンプP71の動作により、チャンバーA71内の圧力を変化させ、第1及び第2反応液をチャンバーA71に導入したり、チャンバーA71から排出したりすることができる。また、同様に、この合成装置71は、マイクロシリンジ20に代えて、チューブC4に接続されたチャンバーA72(第2の反応部)とポンプP72(第2の吸引吐出手段)とを備えており、第1及び第2反応液をチャンバーA72に導入したり、チャンバーA72から排出したりすることができる。
Claims (7)
- 放射性同位元素を反応させて、放射性同位元素標識化合物を得るRI化合物合成装置において、
前記放射性同位元素標識化合物の原料である第1の流体が通過する第1の流路と、
前記放射性同位元素標識化合物の原料である第2の流体が通過する第2の流路と、
前記第1の流路及び前記第2の流路に連結され、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させる第3の流路と、
前記第3の流路を通過した前記第1及び第2の流体を導入し反応させる第1の反応部と、
前記第1及び第2の流体を流動させ前記第1の反応部に出入りさせる第1の吸引吐出手段と、
前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の反応部に導入した後、再び前記第3の流路を通じて前記第1の反応部から排出するように、前記第1の吸引吐出手段を制御する制御手段を備えることを特徴とするRI化合物合成装置。 - 前記第1の流路又は前記第2の流路に連結され、前記第1及び第2の流体を通過させる第4の流路と、
前記第4の流路を通過した前記第1及び第2の流体を導入し反応させる第2の反応部と、
前記第1及び第2の流体を流動させ前記第2の反応部に出入りさせる第2の吸引吐出手段と、を更に備え、
前記制御手段は、
前記第3流路を通じて前記第1の反応部から排出された前記第1及び第2の流体が、前記第4の流路を通じて前記第2の反応部に導入され、前記第4の流路を通じて排出されるように前記第1及び第2の吸引吐出手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のRI化合物合成装置。 - 前記制御手段は、
前記第4流路を通じて前記第2の反応部から排出された前記第1及び第2の流体が、再び前記第3の流路を通じて前記第1の反応部に導入され、前記第3の流路を通じて排出されるように前記第1及び第2の吸引吐出手段を制御することを特徴とする請求項2に記載のRI化合物合成装置。 - 前記制御手段は、
前記第3及び第4の流路を通過しながら、前記第1及び第2の流体を、前記第1の反応部と前記第2の反応部との間で複数回往復させるように、前記第1及び第2の吸引吐出手段を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載のRI化合物合成装置。 - 前記第1の反応部の温度を制御する第1の温度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のRI化合物合成装置。
- 前記第2の反応部の温度を制御する第2の温度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載のRI化合物合成装置。
- 放射性同位元素を反応させて、放射性同位元素標識化合物を得るRI化合物合成方法であって、
前記放射性同位元素標識化合物の原料である第1の流体が通過する第1の流路と、
前記放射性同位元素標識化合物の原料である第2の流体が通過する第2の流路と、
前記第1の流路及び前記第2の流路に連結され、前記第1の流体及び前記第2の流体を通過させる第3の流路と、
前記第3の流路を介して前記第1及び第2の流体を導入し反応させる第1の反応部と、
前記第1及び第2の流体を流動させ前記第1の反応部に出入りさせる第1の吸引吐出手段と、を備えたRI化合物合成装置において、
前記第1の流体及び前記第2の流体を前記第1の反応部に導入した後、再び前記第3の流路を通じて前記第1の反応部から排出するように、前記第1の吸引吐出手段を動作させることを特徴とするRI化合物合成方法。
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