JP2008008503A - レンジフード及びレンジフードシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来と異なる方式を採用して、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保とのバランスをとることができるレンジフード及びレンジフードシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、レンジフード及びレンジフードシステムに関する。本発明のレンジフードシステム(1)は、加熱調理器(2)と、その上方に配置されたレンジフード(4)を有する。レンジフード(4)は、下向きのフード開口(20)が設けられたフード本体(8) と、フード本体(8)を水平方向に移動させる水平方向移動装置(12)を有する。水平方向移動装置(12)は、フード開口(20)が移動すべき水平方向位置までフード開口(20)を移動させるための水平移動指示信号によって作動する。フード開口(20)が移動すべき水平方向位置は、例えば、加熱調理器(2)における作動中の加熱箇所(6a,6b,6c)に応じて定められる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、レンジフード及びレンジフードシステムに関する。本発明のレンジフードシステム(1)は、加熱調理器(2)と、その上方に配置されたレンジフード(4)を有する。レンジフード(4)は、下向きのフード開口(20)が設けられたフード本体(8) と、フード本体(8)を水平方向に移動させる水平方向移動装置(12)を有する。水平方向移動装置(12)は、フード開口(20)が移動すべき水平方向位置までフード開口(20)を移動させるための水平移動指示信号によって作動する。フード開口(20)が移動すべき水平方向位置は、例えば、加熱調理器(2)における作動中の加熱箇所(6a,6b,6c)に応じて定められる。
【選択図】図1
Description
本発明は、レンジフード及びレンジフードシステムに係わり、更に詳細には、フード開口を移動させることができるレンジフード、及びかかるレンジフードと加熱調理器とを有するレンジフードシステムに関する。
従来、加熱調理器の上方にレンジフードを配置して、加熱調理器による調理の際に発生した水蒸気や油煙等を捕集するためのレンジフードシステムが知られている。最近では、加熱調理器が壁に沿って配置される壁配置型キッチンだけでなく、加熱調理器が壁から離れたところに配置される、所謂、アイランド型キッチンが普及し始めている。壁配置型キッチンにおいてもアイランド型キッチンにおいても、水蒸気や油煙等を効果的に捕集することが試みられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1及び2に開示されたレンジフードは両方とも、上下に伸縮するフード本体を有している。これらのレンジフードでは、加熱調理器による調理時、フード本体を下方に伸ばすことによって、フード本体の下縁によって構成されるフード開口を加熱調理器に近づけることができる。それにより、これらのレンジフードは、水蒸気や油煙等を効果的に捕集している。
また、特許文献1に開示されたレンジフードは、更に、フード本体から横方向に突出した庇部分を有している。フード本体の下縁及び庇部分の下縁によって構成されるフード開口は、フード本体の下縁だけによって構成されるフード開口よりも拡大される。それにより、このレンジフードは、水蒸気や油煙等を効果的に捕集している。加えて、フード開口を下限位置まで下降させたとき、庇部分は、加熱調理器を使用する調理者の妨げにならないように、レンジフード本体に向かって引込むように構成されている。
上述したように、特許文献1及び2に開示されたレンジフードは、フード本体を下方に伸ばす方式、即ち、フード開口を加熱調理器に近づける方式を採用することによって、水蒸気や油煙等を効果的に捕集している。しかしながら、フード本体を下方に伸ばし、フード開口を加熱調理器に近づけると、フード本体は、加熱調理器を使用する調理者の妨げになることがある。
また、特許文献1に開示されているレンジフードは、フード開口を加熱調理器に近づける方式に加えて、フード開口を拡大する方式を採用することによって、水蒸気や油煙等を効果的に捕集している。しかしながら、フード開口を下限位置まで下降させると、加熱調理器を使用する調理者の妨げになる。そのため、このレンジフードでは、庇部分をフード本体向かって引込めることによって、調理者のための空間を確保している。
上述したように、水蒸気や油煙等の捕集のためにフード開口を加熱調理器に近づけたりフード開口を拡大したりすることと、加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保することとの間には、トレードオフの関係がある。
そこで、本発明は、従来のレンジフードと異なる方式を採用して、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整ができるレンジフード及びレンジフードシステムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明によるレンジフードは、加熱調理器の上方に配置されるレンジフードであって、下向きのフード開口が設けられたフード本体と、フード開口を水平方向に移動させるための水平方向移動装置と、を有し、水平方向移動装置は、フード開口が移動すべき水平方向位置までフード開口を移動させるための水平移動指示信号によって作動することを特徴としている。
このように構成された本発明によるレンジフードでは、水平移動指示信号によって、水平方向移動装置を作動させ、それにより、フード開口を、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整がされた水平方向位置まで移動させることができる。
本発明によるレンジフードにおいて、好ましくは、フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱調理器における作動中の加熱箇所に応じて定められる。
このように構成されたレンジフードでは、作動中の加熱箇所に応じて、フード開口を、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整がされた水平方向位置に移動させることができる。詳細には、加熱調理器は、普通、水平方向位置が異なる複数の加熱箇所を有している。また、調理時、すべての加熱箇所で調理されることもあれば、一部の加熱箇所で調理されることもある。従って、どの加熱箇所が作動中であるかに応じて、水蒸気や油煙が発生する水平方向位置が異なっている。上記構成によるレンジフードは、水蒸気や油煙が発生する水平方向位置に応じて、フード開口が移動すべき水平方向位置を定め、それにより、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整ができる。
このレンジフードにおいて、更に好ましくは、加熱調理器における作動中の加熱箇所が1つであるとき、フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱箇所の中心位置の水平方向位置に定められ、加熱調理器における作動中の加熱箇所が2つであるとき、フード開口が移動すべき水平方向位置は、2つの加熱箇所の中心位置の中点の水平方向位置に定められる。
また、上記レンジフードにおいて、更に好ましくは、更に、コントローラを有し、このコントローラは、加熱調理器における作動中の加熱箇所を指示する加熱箇所指示信号を加熱調理器から受信し、水平移動指示信号を前記水平方向移動装置に送信し、フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱箇所指示信号に応じて定められる。
また、本発明のレンジフードにおいて、好ましくは、更に、フード開口を上下方向に移動させるための上下方向移動装置を有し、フード開口が移動すべき水平方向位置は、フード開口の上下方向位置に応じて定められる。
このように構成されたレンジフードでは、フード開口の上下方向位置に応じて、フード開口を、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整がされた水平方向位置に移動させることができる。詳細には、加熱調理器から発生した水蒸気や油煙等は、上昇するにつれて水平方向に広がっていく。従って、フード開口を比較的高い上下方向位置に配置したときと比較的低い位置に配置したときとでは、捕集すべき水蒸気や油煙等の水平方向の広がり領域の大きさが異なっている。上記構成のレンジフードは、フード開口の上下方向位置により定められる水蒸気や油煙等の水平方向の広がり領域に応じて、フード開口が移動すべき水平方向位置を定め、それにより、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整ができる。
このレンジフードにおいて、更に好ましくは、加熱調理器の調理者側の加熱箇所が作動中であり、且つ、フード開口を上下方向移動装置によって上方に移動させるとき、フード開口の水平方向位置が調理者側に移動する。
また、上記レンジフードにおいて、更に好ましくは、更に、コントローラと、フード開口の上下方向位置を検出するためのセンサと、有し、コントローラは、フード開口の上下方向位置を指示する上下方向位置信号をセンサから受信し、水平移動指示信号を水平方向移動装置に送信し、フード開口が移動すべき水平方向位置は、上下方向位置信号に応じて定められる。
また、上記目的を達成するために、本発明によるレンジフードシステムは、加熱調理器と、加熱調理器の上方に配置されるレンジフードと、コントローラと、を有するレンジフードシステムであって、レンジフードは、下向きのフード開口が設けられたフード本体と、フード開口を水平方向に移動させるための水平方向移動装置と、を有し、水平方向移動装置は、フード開口が移動すべき水平方向位置までフード開口を移動させるための水平移動指示信号によって作動し、コントローラは、加熱調理器における作動中の加熱箇所を指示する加熱箇所指示信号を加熱調理器から受信し、水平移動指示信号を水平方向移動装置に送信し、フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱箇所指示信号に応じて定められることを特徴としている。
上記レンジフードシステムにおいて、好ましくは、レンジフードは、更に、フード開口を上下方向に移動させるための上下方向移動装置と、フード開口の上下方向位置を検出するためのセンサと、有し、コントローラは、更に、フード開口の上下方向位置を指示する上下方向位置信号をセンサから受信し、フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱箇所指示信号及びに上下方向位置信号応じて定められる。
このように構成されたレンジフードシステムでは、作動中の加熱箇所及びフード開口の上下方向位置に応じて、フード開口を、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整がされた水平方向位置に移動させることができる。
以上説明した通り、本発明によるレンジフード及びレンジフードシステムは、従来のレンジフードとは異なる方式を採用して、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整ができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
最初、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態であるレンジフード及びレンジフードシステムを説明する。図1は、本発明の実施形態であるレンジフードシステムの正面断面図であり、図2は、図1のレンジフードシステムの線II−IIにおける側面断面図である。図3は、レンジフードの底面図である。
図1〜図3に示すように、レンジフードシステム1は、加熱調理器2と、その上方に配置されたレンジフード4とを有している。以下、レンジフード4の位置を説明するために、互いに直交する3つの方向X、Y、Zを用いる。X方向は、加熱調理器を使用する調理者から見て左右の向きの水平方向であり、Y方向は、調理者から見て前後方向の水平方向であり、Z方向は、上下方向である。加熱調理器2は、例えば、電磁加熱調理器であり、3つの加熱箇所、即ち、コンロ6a、6b、6cを有している(図4参照)。
レンジフード4は、フード本体8と、フード本体8に収容されたファン10と、フード本体8の全体を水平方向X、Yに移動させるための水平方向移動装置12とを有している。
フード本体8は、上側に配置された上筒体14と下側に配置された下筒体16とを有している。上筒体14及び下筒体16は、入れ子式に互いに対してZ方向に移動するように構成されている。上筒体14及び下筒体16の断面は、円形であってもよいし、矩形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
上筒体14は、周壁14aと、その上端部から延びる上フランジ14bを有している。上フランジ14bは、天井板Cよりも上に位置し、後述する水平方向移動装置12のフード本体支持部18に固定されている。上筒体14は、天井板Cに設けられた天井孔Caを貫いて延びている。
下筒体16は、周壁16aと、その下端部から外方に延びる下フランジ16bと、下フランジ16bの周縁から下方に延びる開口周壁16cとを有している。下筒体16の周壁16aは、上筒体14の周壁14aの内方に配置されている。下筒体16の開口周壁16cは、下向きのフード開口20を形成する下縁16dを有している。フード開口20によって囲まれる領域により、フード開口領域が定められる。フード開口20は、実質的に水平方向平面内にある。本実施形態では、フード開口20の輪郭は、矩形であり、フード開口20の中心位置をPhで表す(図3参照)。
下筒体16の外向き下フランジ16bと開口周壁16cとによって形成される空間22には、フード開口20の面積を小さくするための整流板24が設けられている。整流板24は、ファン10によって吸引される空気の通路が整流板24の周囲に形成されるように、開口周壁16dと間隔をおいて配置され、ブラケット24aによって開口周壁16cに固定されている。
ファン10は、下筒体16の下フランジ16bに固定されたファンベース26aの上に固定され、その排気口10aは、上下方向に伸縮自在なダクト26bを介して、天井板Cの上方に配置された排気ダクト26cに接続されている。ファンベース26aは、ファン10によって吸引される空気が通る孔又は切欠き26dを有している。
ファン10及び下筒体16は、上下方向移動装置28によって上下方向(Z方向)に移動可能である。上下方向移動装置28は、後述する水平方向移動装置12のフード本体支持部18とファンベース26aとの間に延びるパンタグラフ式のリンク機構28aと、フード本体支持部18の上に配置された複数のモータ28bと、各モータ28bの軸に固定されたプーリ28cと、各プーリ28cに巻き付けられたワイヤ28dとを有し、ワイヤ28dは、フード本体支持部18に取り付けられた滑車28eを介してファンベース26aに連結されている。かくして、下筒体16のフード開口20は、上下方向移動装置28のプーリ28cにワイヤ28dを巻き上げたり巻きほどいたりすることによって、上下に移動可能である。
上下方向移動装置28は、更に、ファンベース26bに固定された下筒体16のフード開口20の上下方向位置(Z方向位置)を検出するためのZ方向センサ28fを有している。Z方向センサ28fは、例えば、モータ28bの回転角度を検出するためのエンコーダである。
水平方向移動装置12は、天井板に固定されたX方向移動装置30と、X方向移動装置30の上に設けられたY方向移動装置32とを有している。X方向移動装置30は、Y方向に間隔をおいてX方向に延びるように天井板に固定された2本のX方向レール30aと、各X方向レール30aに2つずつ設けられ且つX方向レール30aに沿って摺動するX方向スライダ30bと、X方向スライダ30bをX方向に駆動するX方向駆動部30cとを有している。Y方向移動装置32は、X方向に間隔をおいてY方向に延びるようにX方向スライダ30bに固定された2本のY方向レール32aと、各Y方向レール32aに2つずつ設けられ且つY方向レール32a沿って摺動するY方向スライダ32bと、Y方向スライダ32bをY方向に駆動するY方向駆動部32cとを有している。X方向駆動部30c及びY方向駆動部32cは、例えば、ステッピングモータと、このステッピングモータに連結されたボールねじと、このボールねじと螺合し且つY方向スライダと連結されたボールねじナットである。また、上述したフード本体支持部18が、Y方向スライダ32bに固定されている。かくして、フード本体支持部18に固定されたフード本体4及びその下縁16dに形成されたフード開口20は、水平方向移動装置12によってX方向及びY方向に移動可能である。
X方向移動装置30は、更に、X方向スライダ30bの位置を検出するためのX方向センサ30dを有している。また、Y方向移動装置32は、更に、Y方向スライダ32bの位置を検出するためのY方向センサ32dとを有している。X方向センサ30d及びY方向センサ32dは、例えば、エンコーダである。
レンジフードシステム1は、更に、レンジフード4を制御するコントローラ34を有し、加熱調理器2は、操作部36を有している。コントローラ34は、天井板Cに埋め込まれており、コントローラ34及び操作部36はそれぞれ、それらを互いに無線的に接続するための受信部38a及び送信部38bとを有している。
操作部36は、各コンロ6a、6b、6cの作動停止ボタン36a、36b、36cと、フード開口20を上下移動させるための上昇ボタン36d及び下降ボタン36eと、揚げ物モードボタン36f及び煮物モードボタン36gとを有している。操作部36は、作動停止ボタン36a、36b、36cの作動に基づいて、加熱調理器2においてどのコンロが作動中であるかを指示する加熱箇所指示信号をコントローラ34に送信し、上昇ボタン36d及び下降ボタン36eの作動に基づいて、フード開口20の上下移動を指示する上下移動指示信号をコントローラ34に送信し、揚げ物モードボタン36f及び煮物モードボタン36gに基づいて、モード指示信号をコントローラ34に送信する。
コントローラ34は、上下方向移動装置28のモータ28b及びZ方向センサ28f、X方向駆動部30c及びX方向センサ30d、Y方向駆動部32c及びY方向センサ32dに接続されている(接続は図示せず)。また、コントローラ34は、メモリ34aを有し、メモリ34aには、加熱箇所指示信号、上下移動指示信号及び/又はモード指示信号に対応して予め定められた、フード開口20の中心位置Phが移動すべき水平方向位置が記憶されている。
次に、図4〜図6を参照して、レンジフードシステム1の第1の動作例を説明する。図4〜図6は、加熱調理器の作動状態とフード開口の水平方向位置との関係を示す加熱調理器の平面図である。第1の動作例は、水蒸気や油煙等の捕集を優先させるために、加熱調理器2の作動中のコンロをフード開口20の中央に配置する動作である。
コントローラ34は、加熱調理器2の操作部36から受信した加熱箇所指示信号に応じて、フード開口20の中心位置Phが移動すべき水平方向位置をメモリ34aから読み出す。上述したように、加熱箇所指示信号は、どのコンロが作動中であるかを指示する信号である。表1は、作動中のコンロと、それに応じてフード開口20の中心位置Phが移動すべき水平方向位置との関係を示す。
表1から分かるように、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、加熱調理器2においてどのコンロが作動しているかに応じて変化する。図4に示すように、作動中のコンロが1つである場合、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、フード開口20の中心位置Phが、作動中のコンロの中心位置に一致する位置である。例えば、コンロ6cだけが作動中の場合、フード開口20の中心位置Phは、コンロ6cの中心位置P3に一致し、そのときのフード開口領域は、ZONE3である。また、図5に示すように、作動中のコンロが2つである場合、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、フード開口20の中心位置Phが、作動中の2つのコンロの中心位置の中点に一致する位置である。例えば、コンロ6a、6bが作動中の場合、フード開口20の中心位置Phは、コンロ6aの中心位置とコンロ6bの中心位置の中点P4の水平方向位置に一致し、そのときのフード開口領域は、ZONE4である。また、図6に示すように、3つのコンロ6a、6b、6cすべてが作動している場合、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、フード開口20の中心位置Phが3つのコンロ6a、6b、6cの中心位置によって定められる三角形の重心P0に一致する位置であり、そのときのフード開口領域は、ZONE0である。
次いで、コントローラ34は、読み出した水平方向位置にフード開口20を移動させるための水平移動指示信号を水平方向移動装置12に送信し、水平方向移動装置12を作動させる。具体的には、X方向移動装置30のX方向駆動部30c及びY方向移動装置32のY方向駆動部32cを作動させ、X方向センサ30d及びY方向センサ32dが水平移動指示信号に対応する水平方向位置を指示するまで、X方向スライダ30b及びY方向スライダ32bをX方向及びY方向に移動させる。
次に、図7及び図8を参照して、レンジフードシステム1の第2の動作例を説明する。図7は、加熱調理器の作動状態とフード開口の水平方向位置との関係を示す加熱調理器の平面図である。図8は、調理者とフード開口の水平方向位置との関係を示すレンジフードシステムの側面図である。第2の動作例は、調理者のための空間を確保するために、第1の動作例を変形した動作である。
第2の動作例を、コンロ6cだけが作動中である場合を例にあげて、第1の動作例と対比して説明する。第1の動作例では、上述したように、フード開口20の中心位置Phの水平方向位置をコンロ6cの中心位置と同じ水平方向位置P3に一致させた(図4及び図7参照)。これに対し、第2の動作例では図7に示すように、フード開口20の中心位置Phを、水平方向位置P3よりも調理者の奥側の水平方向位置P7にY方向に定める。そのときのフード開口領域は、ZONE7になる。第2の動作例のその他の動作は、第1の動作例と同様であるので説明を省略する。
第2の動作例では、第1の動作例よりも調理者のための空間を確保することができる。詳細には、図8に示すように、加熱調理器2からのフード開口の高さがHLであるとき、フード開口20の開口領域Z0は、水蒸気や油煙等の水平方向の広がり領域ZLよりも大きく設計され、広がり領域ZLは開口領域Z0に包含されている。広がり領域ZLが開口領域Z0に包含されていれば、フード開口20の水平方向位置が変化しても、水蒸気や油煙等の捕集の効果はほとんど変わらない。従って、広がり領域ZLが開口領域Z0に包含されるように、フード開口20、即ち、フード本体8を調理者からY方向に遠ざけることができ、それにより、調理者のための空間を確保することができる。
また、第2の動作例では、作動中のコンロの箇所が変化したときのフード開口20、即ち、フード本体6の水平方向移動範囲を第1の動作例よりも小さくすることができる。
次に、図7を参照して、レンジフードシステム1の第3の動作例を説明する。第3の動作例は、第2の動作例を更に変形した動作である。
第3の動作例を、コンロ6cだけが作動中である場合を例にあげて、第2の動作例と対比して説明する。第2の動作例では、上述したように、フード開口20の中心位置Phの水平方向位置を、水平方向位置P7に一致させた(図7参照)。これに対し、第3の動作例では、フード開口20の中心位置を、水平方向位置P7よりも加熱調理器2の中心寄りの水平方向位置P8にX方向に定める。そのときのフード開口領域は、ZONE8になる。第3の動作例のその他の動作は、第1の動作例及び第2の動作例と同様であるので説明を省略する。
第3の動作例では、第2の動作例と同様、広がり領域ZLが開口領域Z0に包含されている。また、第3の動作例では、作動中のコンロの箇所が変化したときのフード開口20、即ち、フード本体6の水平方向移動範囲を第2の動作例よりも更に小さくすることができる。それにより、フード開口20の高さが低いときの圧迫感を軽減することができる。
次に、図8〜図10を参照して、レンジフードシステム1の第4の動作例を説明する。図9は、フード開口の高さとフード開口の中心位置との関係を示すグラフである。図10は、図9に対応するフード開口の水平方向位置を示す加熱調理器の平面図である。第4の動作例は、フード開口20を第3の動作例の状態から上昇させたときに、水蒸気や油煙等の捕集の効果を維持するための動作である。
加熱調理器2からのフード開口の高さがHLであり且つフード開口領域がZONE8である状態で、調理者が加熱調理器2の操作部36の上昇ボタン36dを押すと、操作部36は、上下移動指示信号をコントローラ34に送信する。コントローラ34は、操作部36から受信した上下移動指示信号を上下方向移動装置28に送信し、上下方向移動装置28を作動させる。具体的には、モータ28bを作動させて、ワイヤ28dをプーリ28cによって巻き上げ、ファン10及び下筒体16を上昇させる。それにより、フード開口20が上昇する。調理者が上昇ボタン36dを押すことをやめると、モータ28bが停止し、ファン10及び下筒体の上昇、即ち、フード開口20の上昇が停止する。
次いで、コントローラ34は、センサ28fが検出したフード開口20の上下方向位置に応じて、フード開口20の中心位置Phが移動すべき水平方向位置をメモリ34aから読み出す。フード開口20の上下方向位置と移動すべきフード開口20の中心位置Phの関係は、図9のグラフに表されている。
図9に示すように、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、加熱調理器2からのフード開口20の高さに応じて変化する。図8〜図10に示すように、フード開口の高さが、HLからHHに変化したとき、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、PL(即ち、P8)からPHに変化する。
次いで、コントローラ34は、読み出した水平方向位置にフード開口20を移動させるための水平移動指示信号を水平方向移動装置12に送信し、水平方向移動装置12を作動させる。具体的には、X方向移動装置30のX方向駆動部30c及びY方向移動装置32のY方向駆動部32cを作動させ、X方向センサ30d及びY方向センサ32dが水平移動指示信号に対応する水平方向位置を指示するまで、X方向スライダ30b及びY方向スライダ32bをX方向及びY方向に移動させる。
フード開口の高さをHHからHLに戻す場合、調理者が加熱調理器2の操作部36の下降ボタン36eを押す。コントローラ34の動作は、上昇ボタン36dを押したときと同様であるが、モータ28bを作動させて、ワイヤ28dをプーリ28cによって巻きほどき、ファン10及び下筒体16を下降させることが異なる。
第4の作動例では、水蒸気や油煙の捕集を維持しながら、背が高い調理者のための空間を確保することができる。詳細には、図8に示すように、フード開口20の高さHLにあるフード本体8は、背が低い調理者BLの調理作業の妨げとならないが、背が高い調理者BHの調理作業の妨げになることがある。この場合、フード本体6、即ち、フード開口20を上昇させて、背が高い調理者BHのための空間を確保する必要がある。他方、水蒸気や油煙等の水平方向の広がり領域は、それが上昇するにつれて広がっていく。即ち、フード高さがHLであるときに対応する広がり領域がZLであるのに対し、フード高さがHHに高くなると、その高さに対応する広がり領域がZHに広がる。このため、フード開口領域の水平方向位置を変えないままフード高さをHLからHHまで上昇させると、フード開口領域はZONE8からZONE8′に移動し、捕集できない水蒸気や油煙等が生じてしまう。従って、フード開口20の高さをHLからHHまで上昇させたとき、フード開口20が移動すべき中心位置を水平方向、即ち、X及びY方向に移動させ、水平方向位置PHにする必要がある。そのときのフード開口領域は、ZONE9になる。水平方向位置PHは、例えば、第1の作動例における水平方向位置P3である。その結果、調理者側のコンロ6cが作動しているとき、フード開口20の位置を上昇させると、フード開口は、水平方向において調理者側に移動する。
次に、レンジフードシステム1の第5の動作例を説明する。第5の動作例は、調理モードに応じて、フード開口20の高さを予め定められた高さにし、フード開口の水平方向位置を第1の動作例で定められる水平方向位置に強制的に移動させる動作である。
例えば、揚げ物を調理する場合、特に油煙を捕集することが望まれる。従って、加熱調理器の操作部36の揚げ物ボタン36fを押すと、油煙の捕集を優先させるためにフード開口20が移動すべき高さは、加熱調理器2に比較的近い高さに定められ、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、表1に定められる水平方向位置に定められる。また、煮物を調理する場合、主に水蒸気が発生するので、揚げ物の調理の場合ほど捕集を優先させる必要はない。従って、煮物ボタン36Gを押すと、調理者のための空間の確保を優先させるために、フード開口20が移動すべき高さは、加熱調理器2から比較的遠い高さに定められ、フード開口20が移動すべき水平方向位置は、表1に定められる水平方向位置に定められる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
上述したレンジフード及びレンジフードシステムは、フード開口を水平方向移動装置によって移動させることにより、水蒸気や油煙等の捕集と加熱調理器を使用する調理者のための空間の確保との間のバランス調整ができることができるが、どのようなバランス調整を行うか、即ち、フード開口が移動すべき水平方向位置は、調理者によって異なっている。従って、かかるバランス調整が行えるレンジフード及びレンジフードシステムであれば、上述した動作例以外の動作が行われてもよい。
また、上記実施形態では、レンジフード4を天井板Cに設置したが、それに限らず、レンジフードをウォールキャビネットに設置してもよい。また、コントローラは、天井板Cに配置されたが、レンジフード4に内蔵されていてもよいし、加熱調理器2に内蔵されていてもよいし、キャビネット等の他の場所に配置されていてもよい。また、上記実施形態では、ファン10がフード本体8の下筒体と一緒に上下する構造を採用したが、ファン10を天井板Cの上に固定し、それからフード開口20まで可撓性のダクトを配置してもよい。
また、作動中のコンロの箇所が変化したときのフード開口20、即ち、フード本体6の水平方向移動範囲は、フード高さが低い方が小さくなるので、通常の動作では、フード開口20の高さが比較的低いことが好ましい。
1 レンジフードシステム
2 加熱調理器
4 レンジフード
6a、6b、6c コンロ
8 フード本体
20 フード開口
28 上下方向移動装置
28f Z方向センサ
30 X方向移動装置
30d X方向センサ
32 Y方向移動装置
32d Y方向センサ
Ph フード開口中心位置
2 加熱調理器
4 レンジフード
6a、6b、6c コンロ
8 フード本体
20 フード開口
28 上下方向移動装置
28f Z方向センサ
30 X方向移動装置
30d X方向センサ
32 Y方向移動装置
32d Y方向センサ
Ph フード開口中心位置
Claims (10)
- 加熱調理器の上方に配置されるレンジフードであって、
下向きのフード開口が設けられたフード本体と、
前記フード開口を水平方向に移動させるための水平方向移動装置と、を有し、
前記水平方向移動装置は、前記フード開口が移動すべき水平方向位置まで前記フード開口を移動させるための水平移動指示信号によって作動することを特徴とするレンジフード。 - 前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱調理器における作動中の加熱箇所に応じて定められることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。
- 加熱調理器における作動中の加熱箇所が1つであるとき、前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、加熱箇所の中心位置の水平方向位置に定められることを特徴とする請求項2に記載のレンジフード。
- 加熱調理器における作動中の加熱箇所が2つであるとき、前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、2つの加熱箇所の中心位置の中点の水平方向位置に定められることを特徴とする請求項2に記載のレンジフード。
- 更に、コントローラを有し、このコントローラは、加熱調理器における作動中の加熱箇所を指示する加熱箇所指示信号を加熱調理器から受信し、前記水平移動指示信号を前記水平方向移動装置に送信し、
前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、前記加熱箇所指示信号に応じて定められることを特徴とする請求項2に記載のレンジフード。 - 更に、前記フード開口を上下方向に移動させるための上下方向移動装置を有し、
前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、前記フード開口の上下方向位置に応じて定められることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード。 - 加熱調理器の調理者側の加熱箇所が作動中であり、且つ、フード開口を前記上下方向移動装置によって上方に移動させるとき、前記フード開口の水平方向位置が調理者側に移動することを特徴とする請求項6に記載のレンジフード。
- 更に、コントローラと、
前記フード開口の上下方向位置を検出するためのセンサと、有し、
前記コントローラは、前記フード開口の上下方向位置を指示する上下方向位置信号を前記センサから受信し、前記水平移動指示信号を前記水平方向移動装置に送信し、
前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、前記上下方向位置信号に応じて定められることを特徴とする請求項6に記載のレンジフード。 - 加熱調理器と、前記加熱調理器の上方に配置されるレンジフードと、コントローラと、を有するレンジフードシステムであって、
前記レンジフードは、下向きのフード開口が設けられたフード本体と、前記フード開口を水平方向に移動させるための水平方向移動装置と、を有し、
前記水平方向移動装置は、前記フード開口が移動すべき水平方向位置まで前記フード開口を移動させるための水平移動指示信号によって作動し、
前記コントローラは、加熱調理器における作動中の加熱箇所を指示する加熱箇所指示信号を加熱調理器から受信し、前記水平移動指示信号を前記水平方向移動装置に送信し、
前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、前記加熱箇所指示信号に応じて定められることを特徴とするレンジフードシステム。 - 前記レンジフードは、更に、前記フード開口を上下方向に移動させるための上下方向移動装置と、前記フード開口の上下方向位置を検出するためのセンサと、有し、
前記コントローラは、更に、前記フード開口の上下方向位置を指示する上下方向位置信号を前記センサから受信し、
前記フード開口が移動すべき水平方向位置は、前記加熱箇所指示信号及びに前記上下方向位置信号応じて定められることを特徴とする請求項9に記載のレンジフードシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006176417A JP2008008503A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | レンジフード及びレンジフードシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006176417A JP2008008503A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | レンジフード及びレンジフードシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008008503A true JP2008008503A (ja) | 2008-01-17 |
Family
ID=39066884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006176417A Pending JP2008008503A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | レンジフード及びレンジフードシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008008503A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013020326A1 (zh) * | 2011-08-05 | 2013-02-14 | Yang Chengyuan | 电动升降式吸油烟机外壳 |
CN104368581A (zh) * | 2014-05-16 | 2015-02-25 | 庄明 | 可移动负压式净化装置及可移动负压式净化系统 |
CN110925838A (zh) * | 2019-11-26 | 2020-03-27 | 中山市丰业电器有限公司 | 一种具有净化功能的电烤炉 |
CN114673673A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-06-28 | 杭州老板电器股份有限公司 | 油烟机用风机机构和吸油烟机 |
-
2006
- 2006-06-27 JP JP2006176417A patent/JP2008008503A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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