JP2008008190A - 回転式電動圧縮機 - Google Patents

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Shozo Hase
昭三 長谷
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Abstract


【課題】圧縮室に供給されるオイル量は各構成部品の隙間から圧縮室へ任意にしみ出す形になっているのでその量はコントロールされたものではない。そのためオイル不足によって、摩耗の進行や性能低下を招く原因となる。
【解決手段】補助端板にはローラと接触する面に微細なオイル供給溝を、オイル供給溝がローラの旋回運動でローラの端面により断続的に開閉する位置に設置された構成とした。また、オイル供給溝はローラがシリンダの吸入穴を通過してから圧縮室に連通する位置に設置した。また、オイル供給溝から圧縮室に流れ込むオイル量と圧縮機の冷媒吸込み量との質量比が0.3以下となるようにオイル供給溝の深さと幅と位置を設定したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷暖房、あるいは冷蔵庫等の冷却装置に用いられる回転式電動圧縮機に関する。
従来より、冷暖房あるいは冷蔵庫等の冷却装置にはローリングピストン型のロータリ圧縮機が用いられている。
この種の圧縮機を図4に示す。図4に示すように、密閉容器101内には、圧縮機構部102、電動機103を構成するステータ104、ロータ105、電動機103の回転を圧縮機構部102に伝達するクランク軸106を有している。また、密閉容器101には、低圧冷媒ガスを吸入する吸入管107、高圧冷媒ガスを吐出する吐出管108を備えている。
上記構成において、電動機103を構成するロータ105が回転すると、この回転はクランク軸106によって圧縮機構部102に伝達される。圧縮機構部102が回転して圧縮作用が発生すると、吸入管107より吸い込まれた低圧の冷媒ガスは、この圧縮機構部102で高圧の冷媒ガスに昇圧されて、密閉容器101内に吐き出される。この後、この高圧の冷媒ガスは、電動機103の隙間を通過して、ステータ104とロータ105を冷却した後、吐出管108より冷凍サイクル(図示せず)へ吐出される。
このような圧縮機においては、圧縮室には各構成部品の組立て隙間から若干量のオイルが適宜漏れ込む構成となっており、これらのオイルは通常運転中は圧縮機構部102内の潤滑を良くし、その一部は各構成部品の隙間をシールするために使われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平07−174089号公報
上記に述べた従来の圧縮機では、圧縮室に供給されるオイル量は各構成部品の隙間から圧縮室へ任意にしみ出す形になっているのでその量はコントロールされたものではなく、成り行きで供給されるオイル量が決定されているのが現状である。そのため、時には供給過少により各構成部品の接触部分に十分な潤滑オイルが行き届かず摩耗が進行してしまったり、各隙間においてオイルによる十分なシール性能が得られずに漏れによる性能低下を招く原因となっている。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、圧縮室に十分なオイル量を供給することでオイル量の不足を無くし、性能および信頼性が共に高い高性能な回転式電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、補助端板にはローラと接触する面に微細なオイル供給溝を、オイル供給溝がローラの旋回運動でローラの端面により断続的に開閉する位置に設置された構成とした。また、オイル供給溝はローラがシリンダの吸入穴を通過してから圧縮室に連通する位置に設置した。また、オイル供給溝から圧縮室に流れ込むオイル量と圧縮機の冷媒吸込み量との質量比が0.3以下となるようにオイル供給溝の深さと幅と位置を設定したものである。
本発明の回転式電動圧縮機は、圧縮室に十分でかつ最適な量を供給することができるので、性能および信頼性が共に高い高性能な回転式電動圧縮機を提供することができる。
第1の発明は、オイル供給溝がローラの旋回運動でローラの端面により断続的に開閉することで、オイル供給量をコントロールすることができる。
第2の発明は、オイル供給溝はローラがシリンダの吸入穴を通過してから圧縮室に連通する位置に設置する事により、オイルによる吸入冷媒の加熱を回避する事ができる。
第3の発明は、オイル供給溝から圧縮室に流れ込むオイル量と圧縮機の冷媒吸込み量との質量比が0.3以下となるようにオイル供給溝の深さと幅と位置を設定することで、オイル供給による冷凍サイクルへの影響を無視できる程度に小さくすることが可能となる。
また、これらの効果は冷凍サイクルの圧力が高く圧縮機構への負荷が大きくなる代替冷媒や自然冷媒で顕著に現れる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、ロータリ型の回転式電動圧縮機では、密閉容器1の内部に圧縮機構2を駆動する電動機3の固定子4が固定され、この電動機3の回転子5に圧縮機構2を駆動するクランク軸6が結合されている。
圧縮機構2は、クランク軸6によって駆動されるローラ7と、円筒状気筒であるシリンダ8とローラ7に当接してシリンダ8内を吸入室8aと圧縮室8bに仕切る仕切り板9およびシリンダ8の両端面を保持する端板にて構成されている。ここで端板はクランク軸6を保持する軸受けも兼ねる主端板10と補助端板11とにより上下から挟み込むように配設され、主端板10の外周で密閉容器1に溶接固定されている。シリンダ8には吸入孔12が具備され、吸入孔12に圧入された吸入接続管13より吸入ガスを吸入室8a内に導く。
ここで、図2および図3において、補助端板11には微細なオイル供給溝14があり中心部と圧縮室8bが連通する形になっているため、この溝を通って補助端板の中心部分のオイルが圧縮室に流れ込む構成になっている。また、オイル供給溝14がローラ7の旋回運動でローラの端面により断続的に開閉する位置に設置されているので、オイル供給溝14の位置により開閉のタイミングを調整する事ができるのでオイル供給量をコントロールする事ができる。また、オイル供給溝はローラがシリンダの吸入穴を通過してから圧縮室に連通する位置に設置されているためオイルによる吸入冷媒の加熱を回避する事ができる。
以上のように、本発明にかかる回転式電動圧縮機は、圧縮室に十分でかつ最適な量の潤滑油を供給することで、性能および信頼性が共に高い高性能な回転式電動圧縮機を提供することが可能となるので、乾燥機や除湿機、ヒートポンプ式給湯器等の用途にも適用できる。
本発明の一実施の形態における圧縮機の縦断面図 本発明の一実施の形態におけるオイル供給溝が圧縮室に開口している状態を示す図 本発明の一実施の形態におけるオイル供給溝が閉じている状態を示す図 従来の圧縮機の縦断面図
符号の説明
1 密閉容器
3 電動機
7 ローラ
8 シリンダ
8a 吸入室
8b 圧縮室
9 仕切り板
10 主端板
11 補助端板
14 オイル供給溝

Claims (5)

  1. 密閉容器内に電動機と、この電動機によって駆動されるクランク軸と、クランク軸にて駆動されるローラと、このローラを収納するシリンダと、このシリンダとローラに当接しシリンダ内を吸入室と圧縮室とに仕切る仕切り板と、シリンダの両端面に当接するとともにクランク軸を保持する軸受けを兼ねる主端板と補助端板とを有し、補助端板にはローラと接触する面に微細なオイル供給溝が設置されており、このオイル供給溝がローラの旋回運動でローラの端面により断続的に開閉する回転式電動圧縮機。
  2. オイル供給溝はローラがシリンダの吸入穴を通過してから圧縮室に連通する位置に設置された請求項1に記載の回転式電動圧縮機。
  3. オイル供給溝から圧縮室に流れ込むオイル量と圧縮機の冷媒吸込み量との質量比が0.3以下となるようにオイル供給溝の深さと幅と位置を設定してなる請求項1または請求項2に記載の回転式電動圧縮機。
  4. 圧縮されるガスが、塩素を含まない代替冷媒である請求項1〜請求項3に記載の回転式電動圧縮機。
  5. 圧縮されるガスが、二酸化炭素などの自然冷媒である請求項1〜請求項3に記載の回転式電動圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011163257A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Panasonic Corp 密閉型圧縮機
CN111287964A (zh) * 2018-12-06 2020-06-16 广东美芝精密制造有限公司 旋转式压缩机、气体压缩系统、制冷系统和热泵系统

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