JP2008005646A - 永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置 - Google Patents

永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石式同期電動機の初期磁極位置を正確に推定する。
【解決手段】位相計測制御部100は、電気角位相の大きさを順次段階的に増加していく。また指令出力期間においてパルス状に出力されるd軸電流指令Id*と、d軸電流検出値Id(θ)との偏差に応じて、電流制御部7によりPMモータ2がベクトル制御される。位相計測制御部100では、指令出力期間の終了時点から電流検出期間が経過した時点でのd軸電流検出値Id(θ)の値である判定検出値を求める。そして、各電気角位相θと、各電気角位相θでの各判定検出値とを対応させた対照データを求める。そして対照データから、判定検出値が最大となる第1の電気角と、判定検出値が2番目に大きくなる第2の電気角とを求め、第1と第2の電気角での判定検出値差が予め決めた設定値よりも大きいときに、第1の電気角を初期磁極位置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置に関するものであり、ノイズが発生しても、または、磁気飽和によるインダクタンスの変化が少ないモータであっても、正確に初期磁極位置を推定することができるように工夫したものである。
永久磁石を界磁源とする永久磁石式同期電動機(以下「PMモータ」と称する)でベクトル制御を行う場合には、ロータに張り付けた磁石の位置(以下「磁極位置」と称する)に応じた電流制御が必要となる。そのため、PMモータのベクトル制御では、ロータの磁極位置を検出することが必要となる。
そこで、現状のPMモータのベクトル制御装置では、絶対値エンコーダをモータに取り付ける場合が多い。
また、絶対値エンコーダを取り付けない場合には、ロータの停止中に、高調波電流や高調波電圧を用いて初期磁極位置推定を行い、モータ回転中はオブザーバや誘起電圧を利用して磁極位置を推定して運転する方式が取られている。
初期磁極位置の推定は、PMモータの固定子巻線のインダクタンスがロータの磁極位置によって変化することを利用して行われる。つまり、磁気飽和によってインダクタンスが一番小さくなる電気角位相を検出している。具体的には、計測用の電圧発生位相の電気角位相を変えながらインダクタンスを測定し、インダクタンスが一番小さくなる電気角位相を制御軸(d軸)とする。
特開2001−78486
ところで、PMモータの設計によっては磁気飽和によるインダクタンスの変化が少ないものがある。また、専用の計測器ではなく、通常使用されているインバータ自身を用いて計測している。そのため、製品コストの問題により、電流検出器として精度の高いものを使用できず、使用環境によっては外来ノイズによる誤検出をする可能性もある。しかし、このような条件においても、精度よくインダクタンスを測定することが必要になる。
インダクタンスの測定には、パルス状の電圧を出力してその電流応答によりインダクタンスを測定する方法や、パルス状の電流指令に対して電流制御を行いそのときの出力電圧指令の大きさによってインダクタンスを測定する方法が知られている。
しかし、従来のような最小インダクタンスの位相を検出する方法では、図9に示すように、インダクタンスLの変化は磁気飽和だけでなく、突極性によるd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqのインダクタンスの差もあり、電気角の0〜360°間に1回脈動する成分と、2回脈動する成分とが存在する。
なお、図9(a)において、横軸は電気角位相θ、縦軸は判定検出値Idhであり、図9(b)において、横軸は電気角位相θ、縦軸はインダクタンスLである。
なお、判定検出値Idhは、本願の実施例で用いているものと同じ意味合いのものである。この判定検出値Idhを簡単に説明すると、パルス状の電流指令をベクトル制御装置に入力したときに、PMモータに流れるd軸電流の値を示すものである。また、インダクタンスLは、判定検出値を逆比例演算したものとなる。
図9の場合には、判定検出値Idhが最大ピークとなる位相、即ちインダクタンスLが最小ピークとなる位相が明確であるため、インダクタンスLが最小ピークとなる磁極位置θaを初期磁極位置として正しく推定することができる。
上述したようにインダクタンスの変化要因は複数存在するため、磁気飽和による位相推定方式を適用するには、磁極位置のインダクタンスと対極にある位置のインダクタンスにある程度の差がないと、正確な計測はできない。特に、磁気飽和の少ないモータでは、ノイズの影響により正しい磁極位置を推定できない場合がある。
例えば図10(a)(b)に示すように、ノイズが発生した場合には、ノイズにより判定検出値Idhが大きくなった電気角位相を、初期磁極位置として誤って推定してしまう。
また、計測電流が適正でない場合については磁気飽和が発生しないため、同じように推定できない場合がある。仮に、180°誤った磁極位置推定値を使用して運転すると、トルク指令と逆方向のトルクが発生し、逆方向に回転する異常が発生し危険である。
本発明は、上記従来技術に鑑み、PMモータの初期磁極位置を正確に推定することができる、永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成は、
値が初期値から順次段階的に増加していく電気角位相を出力する位相発生部と、
指令出力期間と休止期間とが交互に設定されており、指令出力期間ではd軸電流指令を出力する電流指令設定部と、
三相の電圧指令を基に永久磁石式電動機を駆動するインバータと、
前記インバータから永久磁石式同期電動機に供給される三相の電流の電流検出値を、前記電気角位相を用いて三相/二相変換してd軸電流検出値を出力する三相/二相変換部と、
前記d軸電流指令と前記d軸電流検出値との偏差を基に、q軸電圧指令及びd軸電圧指令を出力する電流制御部と、
前記電気角位相を用いて前記q軸電圧指令及びd軸電圧指令を二相/三相変換して、前記インバータを駆動するための三相の電圧指令を求める二相/三相変換部と、
前記指令出力期間の終了時点から予め決めた電流検出期間が経過した時点での、前記d軸電流検出値の値である判定検出値を取り込む判定検出値取り込み手段と、
値の異なる各電気角位相と、値の異なる各電気角位相にした時の各判定検出値とを対にして対照データとして記憶する蓄積部と、
前記対照データから、判定検出値が最大となる、即ちインダクタンスが最小となる第1の電気角位相を求めると共に、この第1の電気角位相のときの判定検出値を第1ピーク判定検出値とする第1の電気角位相検出部と、
前記対照データから、判定検出値が2番目に大きくなる、即ちインダクタンスが2番目に小さくなる第2の電気角位相を求めると共に、この第2の電気角位相のときの判定検出値を第2ピーク判定検出値とする第2の電気角位相検出部と、
第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値よりも大きいときに、第1の電気角位相を初期磁極位置として出力する初期磁極位置出力手段と、
を有することを特徴とする。
また本発明の構成は、
値が初期値から順次段階的に増加していく電気角位相を出力する位相発生部と、
指令出力期間と休止期間とが交互に設定されており、指令出力期間ではd軸電流指令を出力する電流指令設定部と、
三相の電圧指令を基に永久磁石式電動機を駆動するインバータと、
前記インバータから永久磁石式同期電動機に供給される三相の電流の電流検出値を、前記電気角位相を用いて三相/二相変換してd軸電流検出値を出力する三相/二相変換部と、
前記d軸電流指令と前記d軸電流検出値との偏差を基に、q軸電圧指令及びd軸電圧指令を出力する電流制御部と、
前記電気角位相を用いて前記q軸電圧指令及びd軸電圧指令を二相/三相変換して、前記インバータを駆動するための三相の電圧指令を求める二相/三相変換部と、
前記指令出力期間の終了時点から予め決めた電流検出期間が経過した時点での、前記d軸電流検出値の値である判定検出値を取り込む判定検出値取り込み手段と、
値の異なる各電気角位相と、値の異なる各電気角位相にした時の各判定検出値とを対にして対照データとして記憶する蓄積部と、
前記対照データから、判定検出値が最大となる、即ちインダクタンスが最小となる第1の電気角位相を求めると共に、この第1の電気角位相のときの判定検出値を第1ピーク判定検出値とする第1の電気角位相検出部と、
第1の電気角位相から180°位相がずれた電気角位相を第2の電気角位相とし、前記対照データを参照して第2の電気角位相のときの判定検出値を第2ピーク判定検出値とする第2の電気角位相検出部と、
第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値よりも大きいときに、第1の電気角位相を初期磁極位置として出力する初期磁極位置出力手段と、
を有することを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記初期磁極位置出力手段は、
第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値以下であるときには、前記電流指令設定部により設定するd軸電流指令の値を増加させ、値を増加させたd軸電流指令の下で得た第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値よりも大きくなったら、このときの第1の電気角位相を初期磁極位置として出力することを特徴とする。
本発明では、電気角位相θ1でのインダクタンスと、この電気角位相θ1に対して対極の(または180°位相がずれた)電気角位置θ2でのインダクタンスとの差が十分に大きくなる場合に、電気角位相θ1を初期磁極位置として判定するため、外来ノイズが存在していても、インダクタンスの変化要因が複数存在していても、さらには、磁気飽和によるインダクタンスの変化が少ないPMモータであっても、正確に初期磁極位置を推定することができる。
このように正確な磁極位置が推定できるため、トルク指令と逆のトルクが発生して逆方向に回転する異常の発生を防止できる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る、永久磁石式同期電動機の磁極位置推定装置を示す。
ここで、本発明の説明に先立ち、ベクトル制御を利用してPMモータをインバータ駆動する制御装置を図11を参照して説明する。
図11に示すようにインバータ1からPMモータ2に等価三相電流(または等価三相電電圧)を供給することによりPMモータ2が回転する。速度検出器10(エンコーダ)は、PMモータ2の回転子と共に回転してパルス信号Pを出力する。位相検出部11は、パルス信号Pを基に、PMモータ2の回転子位置(位相)即ち磁極位置を示す位相検出値θを求め、速度検出部12は、パルス信号Pを基に、PMモータ2の回転子速度を示す速度検出値ωrを求める。角速度検出部13は、PMモータ2の極数pと速度検出値ωrとから角速度検出値ωを求める。
電流検出部3、4は、u相及びw相の電流検出値Iu、Iwを求める。三相/二相変換部5は、電流検出値Iu、Iwからv相の電流検出値Ivを求め、更に三相の電流検出値Iu、Iv、Iwを三相/二相変換し、位相検出値θを用いて回転座標系のq軸電流検出値Iq及びd軸電流検出値Idを求める。
トルク制御部6は、トルク指令T*が入力されると速度検出値ωrを用いて、回転座標系のd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*を求める。
電流制御部7は、回転座標系のq軸電流指令Iq*及びd軸電流指令Id*と、q軸電流検出値Iq及びd軸電流検出値Idとの偏差(Iq*−Iq、Id*−Id)を比例・積分演算子且つ角速度ωを用いることにより、回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を求める。
二相/三相変換部8は、位相検出値θを用いて回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を座標変換して、静止座標系の3層電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を求める。
PWM制御部9は、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に応じてPWM制御をし、インバータ1は、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を基に制御され、等価三相電力をPMモータ2に供給し、PMモータ2が回転する。
[初期磁極位置推定動作の説明]
次に、図1を参照しつつ、本発明の実施例1に係る永久磁石式同期電動機の磁極位置推定装置による初期磁極位置推定動作を、構成と共に説明する。この初期磁極位置を推定する動作を行う時には、PMモータ2のロータが回転しないようブレーキ等で固定する。
初期磁極位置の推定をするためには、位相計測制御部100と、電流指令設定部200と、偏差演算部201を用いる。また、トルク制御部6からはq軸電流指令Iq*及びd軸電流指令Id*は出力されない。
位相計測制御部100は、図2に示すような、機能ブロックを有している。
この位相計測制御部100の360°位相発生部102は、計測制御部101により制御されて、まず、電気角位相θの値を初期値である0°に設定する。値が0°に設定された電気角位相θは、電流指令設定部200,三相/二相変換部5及び二相/三相変換部8に送られる。また電気角位相θは蓄積部103にも転送される。
位相計測制御部100のd軸電流指令設定部104は、d軸電流指令Id*の値を予め設定した初期値に設定して出力する(図5のステップS1)。初期値に設定されたd軸電流指令Id*は、電流指令設定部200に送られる。
電流指令設定部200は、すべての期間においてq軸電流指令Iq*の値を零にしたまま(つまりq軸電流指令Iq*は出力せずに)、図3(a)に示すように、
(1)休止期間ではd軸電流指令Id*を出力せず、
(2)指令出力期間では、d軸電流指令設定部104にて設定された値となっているd軸電流指令Id*を出力する。
なお、休止期間と指令出力期間は交互に設定している。また、休止期間と指令期間の長さは予め設定しており、例えば、休止期間は2.5〜3.0msに設定し、指令期間は7.0〜10msに設定してある。
偏差演算部201は、電流指令設定部200から送られてくるd軸電流指令Id*と、三相/二相変換部5から出力されてくるd軸電流検出値Id(θ=0°)との偏差(Id*−Id(θ=0°))を求めて出力する。なお、三相/二相変換部5から出力されてくるd軸電流検出値Id(θ=0°)についての説明は、後述する。
電流制御部7は、偏差(Id*−Id(θ=0°))を比例・積分演算をして回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を求める。二相/三相変換部8は、電気角位相θ(=0°)を用いて回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を座標変換して、静止座標系の三相の電圧指令Vu*、Vv*,Vw*を求める。
PWM制御部9は、電圧指令Vu*、Vv*,Vw*に応じてPWM制御をし、インバータ1は、電圧指令Vu*、Vv*,Vw*に応じて位相調整をして、PWM制御及び位相調整がされた等価三相電力がPMモータ2に供給される。
電流検出部3,4はu相及びw相の電流検出値Iu,Iwを求める。
三相/二相変換部5は、電流検出値Iu,Iwからv相の電流検出値Ivを求め、更に三相の電流検出値Iu,Iv,Iwを三相/二相変換し、電気角位相θ(=0°)を用いて、電気角位相θが0°のときの回転座標系のd軸電流検出値Id(θ=0°)を求める。
このd軸電流検出値Id(θ=0°)は、偏差演算部201と、位相計測制御部100に送られる。偏差演算部201では、前述したように、d軸電流指令Id*とd軸電流検出値Id(θ=0°)との偏差演算を行う。
d軸電流検出値Id(θ=0°)は、図3(b)に示すように、指令出力期間ではd軸電流指令Id*に応じた一定の値となり、休止期間では、その値が漸減する。この休止期間におけるd軸電流検出値Id(θ)の減少割合は、PMモータ2のリアクタンスの値(この値は電気角位相θの値によって異なってくる)によって決定される。
d軸電流検出値Id(θ=0°)が入力される位相計測制御部100では、ゲートコントロール電流サンプルタイミング制御部105の制御により、スイッチング手段106が、指令出力期間の終了時点から、予め決めた電流検出期間T2が経過した時点で瞬時的に投入される。このため、スイッチング手段106が投入された時点でのd軸電流検出値Id(θ=0°)の値である判定検出値Idhを取り込む(図3(b)参照)。
この判定検出値Idhは、蓄積部103に送られる。
このため蓄積部103では、電気角位相θ=0°と、θ=0°とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)とを対にして記憶する(図5のステップS2)。
なお、ゲートコントロール電流サンプルタイミング制御部105は、図3(a)に示すタイミングでPWM制御部9から電圧指令を出力させるために、ゲートコントロール指令GENをPWM制御部9に送っている。
次に、位相計測制御部100の360°位相発生部102は、計測制御部101により制御されて、電気角位相θの値を1°に設定する。値が1°に設定された電気角位相θは、電流指令設定部200,三相/二相変換部5及び二相/三相変換部8に送られる。また、値を1°に設定された電気角位相θは蓄積部103にも転送される。
このように電気角位相θを1°に設定したら、位相計測制御部100では、ゲートコントロール電流サンプルタイミング制御部105とスイッチング手段106が、電気角位相θが0°の時と同じ動作をして、θ=1°としたときの判定検出値Idh(θ=1°)を取り込む。このため、蓄積部103には、電気角位相θ=1°と、θ=1°とした場合における判定検出値Idh(θ=1°)とが対にして記憶される(図5のステップS2)。
以降は、計測制御部101の制御により、360°位相発生部102により設定する電気角位相θの値を1°づつ順次段階的に増加していき、各電気角位相毎に上述したのと同様な動作を繰り返す。
これにより蓄積部103には、各電気角位相(θ=0°〜359°)と、各電気角位相とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)〜Idh(θ=359°)とを対にした対照データが蓄積される(図5のステップS2)。
蓄積部103に蓄積された、各電気角位相(θ=0°〜359°)と、各電気角位相とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)〜Idh(θ=359°)とを対にした対照データは、例えば、図4(a)に示すようなものとなる。
PMモータ2のインダクタンスは、判定検出値Idhを逆比例演算したものである。即ち、インダクタンスL∝(1/Idh)の関係がある。したがって、インダクタンスLと電気角位相θとの関係は、図4(b)のようになる。
位相計測制御部100の第1の電気角位相検出部107は、蓄積部103から、例えば図4(a)に示すような電気角位相θと判定検出値Idhとの関係を対応させた対照データを受け取り、図4(b)に示すような、電気角位相θとインダクタンスLとの関係を示す関係データを作成する。
そして、電気角位相検出部107は、図4(a)(b)に示すデータから、インダクタンスLが最も最小となる電気角位相θ1と、この電気角位相θ1のときの判定検出値Idhの値である第1ピーク判定検出値Idh1を求める(図5のステップS3)。
位相計測制御部100の第2の電気角位相検出部108は、蓄積部103から、例えば図4(a)に示すような電気角位相θと判定検出値Idhとの関係を対応させた対照データを受け取り、図4(b)に示すような、電気角位相θとインダクタンスLとの関係を示す関係データを作成する。
そして、電気角位相検出部108は、図4(a)(b)に示すデータから、インダクタンスLが、次に最小となる(2番目に最小となる)電気角位相θ2と、この電気角位相θ2のときの判定検出値Idhの値である第2ピーク判定検出値Idh2を求める(図5のステップS4)。
計測差検出・判定部109は、第1ピーク判定検出値Idh1と第2ピーク判定検出値Idh2との差の絶対値である判定検出値差Idh3を求め(図5のステップS4)、この判定検出値差Idh3が、予め決めた設定値αよりも大きいか否か判定する(図5のステップS5)。
判定検出値差Idh3が設定値αよりも大きいときには(図5のステップS6)、計測差検出・判定部109は、スイッチング手段110を投入し、電気角位相θ1を初期磁極位置として出力する(図5のステップS7)。
一方、判定検出値差Idh3が設定値α以下であるときには(図5のステップS6)、計測差検出・判定部109は、スイッチング手段110を開放したままとし、電気角位相θ1は出力しない。
この場合には、計測差検出・判定部109は、計測制御部101に対して再計測指令を出力すると共に、d軸電流指令設定部104に対してd軸電流指令の値を増加補正する指令を出力する(図5のステップS8)。
このように、判定検出値差Idh3が設定値α以下であるときには、d軸電流指令設定部104は、初回のd軸電流指令の値(初期値)に、予め決めた電流指令値の値を加えた値としたd軸電流指令Id*を出力する。
そして、d軸電流指令Id*の値が増加した状態で、再度、上述した動作をする。
つまり、360°位相発生部102にて発生する電気角位相θの値を0°から1°づづ順次増加しつつ、各電気角位相θにおける判定検出値Idh(θ)を求め、各電気角位相(θ=0°〜359°)と、各電気角位相とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)〜Idh(θ=359°)とを対にした対照データを作成する。
更に、電気角位相検出部107,108にてピーク判定検出値Idh1,Idh2を求め、判定検出値差Idh3が設定値αよりも大きくなっていたら、計測差検出・判定部109は、スイッチング手段110を投入し、このときの電気角位相θ1を初期磁極位置として出力する。
なお、d軸電流指令Id*の値を1回だけ増加させて上記処理をしても、判定検出値差Idh3が設定値α以下になった場合には、前回のd軸電流指令の値(初期値に対して1回増加補正した値)に、予め決めた電流指令値の値を更に加えた値としたd軸電流指令Id*を出力して、上記動作を繰り返す。
そして、d軸電流指令Id*の値を増加させて上記処理を行う一連の動作を繰り返していけば、いずれは判定検出値差Idh3が設定値αよりも大きくなるので、そのときには、計測差検出・判定部109は、スイッチング手段110を投入し、そのときの電気角位相θ1を初期磁極位置として出力する。
このように実施例1では、インダクタンスLが最小となる電気角位相θ1でのピーク判定検出値Idh1と、インダクタンスLが次に最小となる(2番目に最小となる)電気角位相θ2でのピーク判定検出値Idh2との差が十分に大きい場合、換言すると、電気角位相θ1でのインダクタンスと、この電気角位相θ1に対して対極にある電気角位置θ2でのインダクタンスとの差が十分に大きくなる場合に、電気角位相θ1を初期磁極位置として推定する。
このように、電気角位相θ1でのインダクタンスと、この電気角位相θ1に対して対極にある電気角位置θ2でのインダクタンスとの差が十分に大きくなる場合に、電気角位相θ1を初期磁極位置として判定するため、外来ノイズが存在していても、インダクタンスの変化要因が複数存在していても、さらには、磁気飽和によるインダクタンスの変化が少ないPMモータであっても、正確に初期磁極位置を推定することができる。
このように正確な磁極位置が推定できるため、トルク指令と逆のトルクが発生して逆方向に回転する異常の発生を防止できる。
次に、本発明の実施例2に係る、永久磁石式同期電動機の磁極位置推定装置を説明する。実施例2では、図1に示す位相計測制御部100の代わりに、図6に示す位相計測制御部300を用いる。
ここで、実施例2の説明に先立ち、ベクトル制御を利用してPMモータをインバータ駆動する制御装置を図11を参照して説明する。
図11に示すようにインバータ1からPMモータ2に等価三相電流(または等価三相電電圧)を供給することによりPMモータ2が回転する。速度検出器10(エンコーダ)は、PMモータ2の回転子と共に回転してパルス信号Pを出力する。位相検出部11は、パルス信号Pを基に、PMモータ2の回転子位置(位相)即ち磁極位置を示す位相検出値θを求め、速度検出部12は、パルス信号Pを基に、PMモータ2の回転子速度を示す速度検出値ωrを求める。角速度検出部13は、PMモータ2の極数pと速度検出値ωrとから角速度検出値ωを求める。
電流検出部3、4は、u相及びw相の電流検出値Iu、Iwを求める。三相/二相変換部5は、電流検出値Iu、Iwからv相の電流検出値Ivを求め、更に三相の電流検出値Iu、Iv、Iwを三相/二相変換し、位相検出値θを用いて回転座標系のq軸電流検出値Iq及びd軸電流検出値Idを求める。
トルク制御部6は、トルク指令T*が入力されると速度検出値ωrを用いて、回転座標系のd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*を求める。
電流制御部7は、回転座標系のq軸電流指令Iq*及びd軸電流指令Id*と、q軸電流検出値Iq及びd軸電流検出値Idとの偏差(Iq*−Iq、Id*−Id)を比例・積分演算子且つ角速度ωを用いることにより、回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を求める。
二相/三相変換部8は、位相検出値θを用いて回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を座標変換して、静止座標系の3層電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を求める。
PWM制御部9は、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に応じてPWM制御をし、インバータ1は、電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を基に制御され、等価三相電力をPMモータ2に供給し、PMモータ2が回転する。
[初期磁極位置推定動作の説明]
次に、図6を参照しつつ、本発明の実施例2に係る永久磁石式同期電動機の磁極位置推定装置による初期磁極位置推定動作を、構成と共に説明する。この初期磁極位置を推定する動作を行う時には、PMモータ2のロータが回転しないようブレーキ等で固定する。
初期磁極位置の推定をするためには、位相計測制御部300(図6参照)と、電流指令設定部200と、偏差演算部201を用いる。また、トルク制御部6からはq軸電流指令Iq*及びd軸電流指令Id*は出力されない。
位相計測制御部300は、図6に示すような、機能ブロックを有している。
この位相計測制御部300の360°位相発生部302は、計測制御部301により制御されて、まず、電気角位相θの値を初期値である0°に設定する。値が0°に設定された電気角位相θは、電流指令設定部200,三相/二相変換部5及び二相/三相変換部8に送られる。また電気角位相θは蓄積部303にも転送される。
位相計測制御部300のd軸電流指令設定部304は、d軸電流指令Id*の値を予め設定した初期値に設定して出力する(図8のステップS11)。初期値に設定されたd軸電流指令Id*は、電流指令設定部200に送られる。
電流指令設定部200は、すべての期間においてq軸電流指令Iq*の値を零にしたまま(つまりq軸電流指令Iq*は出力せずに)、図3(a)に示すように、
(1)休止期間ではd軸電流指令Id*を出力せず、
(2)指令出力期間では、d軸電流指令設定部104にて設定された値となっているd軸電流指令Id*を出力する。
なお、休止期間と指令出力期間は交互に設定している。また、休止期間と指令期間の長さは予め設定しており、例えば、休止期間は2.5〜3.0msに設定し、指令期間は7.0〜10msに設定してある。
偏差演算部201は、電流指令設定部200から送られてくるd軸電流指令Id*と、三相/二相変換部5から出力されてくるd軸電流検出値Id(θ=0°)との偏差(Id*−Id(θ=0°))を求めて出力する。なお、三相/二相変換部5から出力されてくるd軸電流検出値Id(θ=0°)についての説明は、後述する。
電流制御部7は、偏差(Id*−Id(θ=0°))を比例・積分演算をして回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を求める。二相/三相変換部8は、電気角位相θ(=0°)を用いて回転座標系のq軸電圧指令Vq*及びd軸電圧指令Vd*を座標変換して、静止座標系の三相の電圧指令Vu*、Vv*,Vw*を求める。
PWM制御部9は、電圧指令Vu*、Vv*,Vw*に応じてPWM制御をし、インバータ1は、電圧指令Vu*、Vv*,Vw*に応じて位相調整をして、PWM制御及び位相調整がされた等価三相電力がPMモータ2に供給される。
電流検出部3,4はu相及びw相の電流検出値Iu,Iwを求める。
三相/二相変換部5は、電流検出値Iu,Iwからv相の電流検出値Ivを求め、更に三相の電流検出値Iu,Iv,Iwを三相/二相変換し、電気角位相θ(=0°)を用いて、電気角位相θが0°のときの回転座標系のd軸電流検出値Id(θ=0°)を求める。
このd軸電流検出値Id(θ=0°)は、偏差演算部201と、位相計測制御部300に送られる。偏差演算部201では、前述したように、d軸電流指令Id*とd軸電流検出値Id(θ=0°)との偏差演算を行う。
d軸電流検出値Id(θ=0°)は、図3(b)に示すように、指令出力期間ではd軸電流指令Id*に応じた一定の値となり、休止期間では、その値が漸減する。この休止期間におけるd軸電流検出値Id(θ)の減少割合は、PMモータ2のリアクタンスの値(この値は電気角位相θの値によって異なってくる)によって決定される。
d軸電流検出値Id(θ=0°)が入力される位相計測制御部300では、ゲートコントロール電流サンプルタイミング制御部305の制御により、スイッチング手段306が、指令出力期間の終了時点から、予め決めた電流検出期間T2が経過した時点で瞬時的に投入される。このため、スイッチング手段306が投入された時点でのd軸電流検出値Id(θ=0°)の値である判定検出値Idhを取り込む(図3(b)参照)。
この判定検出値Idhは、蓄積部303に送られる。
このため蓄積部303では、電気角位相θ=0°と、θ=0°とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)とを対にして記憶する(図8のステップS12)。
なお、ゲートコントロール電流サンプルタイミング制御部305は、図3(a)に示すタイミングでPWM制御部9から電圧指令を出力させるために、ゲートコントロール指令GENをPWM制御部9に送っている。
次に、位相計測制御部300の360°位相発生部302は、計測制御部301により制御されて、電気角位相θの値を1°に設定する。値が1°に設定された電気角位相θは、電流指令設定部200,三相/二相変換部5及び二相/三相変換部8に送られる。また、値を1°に設定された電気角位相θは蓄積部303にも転送される。
このように電気角位相θを1°に設定したら、位相計測制御部300では、ゲートコントロール電流サンプルタイミング制御部305とスイッチング手段306が、電気角位相θが0°の時と同じ動作をして、θ=1°としたときの判定検出値Idh(θ=1°)を取り込む。このため、蓄積部303には、電気角位相θ=1°と、θ=1°とした場合における判定検出値Idh(θ=1°)とが対にして記憶される(図8のステップS12)。
以降は、計測制御部301の制御により、360°位相発生部302により設定する電気角位相θの値を1°づつ順次段階的に増加していき、各電気角位相毎に上述したのと同様な動作を繰り返す。
これにより蓄積部303には、各電気角位相(θ=0°〜359°)と、各電気角位相とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)〜Idh(θ=359°)とを対にした対照データが蓄積される(図8のステップS12)。
蓄積部303に蓄積された、各電気角位相(θ=0°〜359°)と、各電気角位相とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)〜Idh(θ=359°)とを対にした対照データは、例えば、図7(a)に示すようなものとなる。
PMモータ2のインダクタンスは、判定検出値Idhを逆比例演算したものである。即ち、インダクタンスL∝(1/Idh)の関係がある。したがって、インダクタンスLと電気角位相θとの関係は、図7(b)のようになる。
位相計測制御部300の第1の電気角位相検出部307は、蓄積部303から、例えば図7(a)に示すような電気角位相θと判定検出値Idhとの関係を対応させた対照データを受け取り、図7(b)に示すような、電気角位相θとインダクタンスLとの関係を示す関係データを作成する。
そして、電気角位相検出部307は、図7(a)(b)に示すデータから、インダクタンスLが最も最小となる電気角位相θ1と、この電気角位相θ1のときの判定検出値Idhの値である第1ピーク判定検出値Idh1を求める(図8のステップS13)。
なお、この実施例2の例では、インダクタンスLが2番目に最小となる電気角位相が不明確である。この点が、実施例1とは異なるところである。
そこで実施例2では、電気角位相検出部307により求めた、インダクタンスLが最も最小となる電気角位相θ1に対して対極にある(θ1から180°位相がずれた位置にある)電気角位相θ2を、電気角位相算出部311により演算して求める。
具体的には、図8のステップS14〜S16に示すように、θ2=θ1+180°の演算をし(ステップS14)、この演算をして得たθ2が360°以下であれば(ステップS15)、ステップS14にて演算したθ2をθ1の対極の電気角とする。
また、ステップS14の演算をして得たθ2が360°を越える場合には(ステップS15)、ステップS16にて、θ2=360°−θ2の演算をして、このステップS16で演算して得たθ2をθ1の対極の電気角とする。
位相計測制御部300の第2の電気角位相検出部308は、蓄積部303から、例えば図7(a)に示すような電気角位相θと判定検出値Idhとの関係を対応させた対照データを受け取り、図7(b)に示すような、電気角位相θとインダクタンスLとの関係を示す関係データを作成する。
そして、電気角位相検出部308は、電気角位相算出部311にて演算した電気角位相θ2を取り込み、この電気角位相θ2のときの判定検出値Idhの値を第2ピーク判定検出値Idh2として求める。
つまり電気角位相θ2のときには、図7(a)に示すように、判定検出値Idhにピーク特性は存在しないが、電気角位相θ2のときに判定検出値Idhが第2のピークになったとみなして、第2ピーク判定検出値Idh2を求めているのである。
計測差検出・判定部309は、第1ピーク判定検出値Idh1と第2ピーク判定検出値Idh2との差の絶対値である判定検出値差Idh3を求め(図8のステップS18)、この判定検出値差Idh3が、予め決めた設定値αよりも大きいか否か判定する(図8のステップS19)。
判定検出値差Idh3が設定値αよりも大きいときには(図8のステップS19)、計測差検出・判定部309は、スイッチング手段310を投入し、電気角位相θ1を初期磁極位置として出力する(図8のステップS20)。
一方、判定検出値差Idh3が設定値α以下であるときには(図8のステップS19)、計測差検出・判定部309は、スイッチング手段310を開放したままとし、電気角位相θ1は出力しない。
この場合には、計測差検出・判定部309は、計測制御部301に対して再計測指令を出力すると共に、d軸電流指令設定部304に対してd軸電流指令の値を増加補正する指令を出力する(図8のステップS21)。
このように、判定検出値差Idh3が設定値α以下であるときには、d軸電流指令設定部304は、初回のd軸電流指令の値(初期値)に、予め決めた電流指令値の値を加えた値としたd軸電流指令Id*を出力する。
そして、d軸電流指令Id*の値が増加した状態で、再度、上述した動作をする。
つまり、360°位相発生部302にて発生する電気角位相θの値を0°から1°づづ順次増加しつつ、各電気角位相θにおける判定検出値Idh(θ)を求め、各電気角位相(θ=0°〜359°)と、各電気角位相とした場合における判定検出値Idh(θ=0°)〜Idh(θ=359°)とを対にした対照データを作成する。
更に、電気角位相検出部307,308にてピーク判定検出値Idh1,Idh2を求め、判定検出値差Idh3が設定値αよりも大きくなっていたら、計測差検出・判定部309は、スイッチング手段310を投入し、このときの電気角位相θ1を初期磁極位置として出力する。
なお、d軸電流指令Id*の値を1回だけ増加させて上記処理をしても、判定検出値差Idh3が設定値α以下になった場合には、前回のd軸電流指令の値(初期値に対して1回増加補正した値)に、予め決めた電流指令値の値を更に加えた値としたd軸電流指令Id*を出力して、上記動作を繰り返す。
そして、d軸電流指令Id*の値を増加させて上記処理を行う一連の動作を繰り返していけば、いずれは判定検出値差Idh3が設定値αよりも大きくなるので、そのときには、計測差検出・判定部309は、スイッチング手段310を投入し、そのときの電気角位相θ1を初期磁極位置として出力する。
このように実施例2では、インダクタンスLが最小となる電気角位相θ1でのピーク判定検出値Idh1と、電気角位相θ1から180°位相がずれた電気角位相θ2でのピーク判定検出値Idh2との差が十分に大きい場合、換言すると、電気角位相θ1でのインダクタンスと、この電気角位相θ1に対して対極にある電気角位置θ2でのインダクタンスとの差が十分に大きくなる場合に、電気角位相θ1を初期磁極位置として推定する。
このように、電気角位相θ1でのインダクタンスと、この電気角位相θ1に対して対極にある電気角位置θ2でのインダクタンスとの差が十分に大きくなる場合に、電気角位相θ1を初期磁極位置として判定するため、外来ノイズが存在していても、インダクタンスの変化要因が複数存在していても、さらには、磁気飽和によるインダクタンスの変化が少ないPMモータであっても、正確に初期磁極位置を推定することができる。
このように正確な磁極位置が推定できるため、トルク指令と逆のトルクが発生して逆方向に回転する異常の発生を防止できる。
しかも、電気角位相θ2のときに、判定検出値にピークが存在していなくても、正確に初期磁極位置の推定をすることができる。
本発明を適用したベクトル制御装置を示すブロック構成図。 本発明の実施例1において使用する位相計測制御部を示すブロック構成図。 実施例1における、d軸電流指令及びd軸電流検出値を示す特性図。 実施例1における、判定検出値差及びインダクタンスを示す特性図。 実施例1の動作を示すフロー図。 本発明の実施例2において使用する位相計測制御部を示すブロック構成図。 実施例2における、判定検出値差及びインダクタンスを示す特性図。 実施例2の動作を示すフロー図。 従来例における、判定検出値及びインダクタンスを示す特性図。 従来例における、判定検出値及びインダクタンスを示す特性図。 ベクトル制御装置を示すブロック構成図。
符号の説明
1 インバータ
2 PMモータ
3,4 電流検出部
5 三相/二相変換部
6 トルク制御部
7 電流制御部
8 二相/三相変換部
9 PWM制御部
100,300 位相計測制御部
200 電流指令設定部

Claims (3)

  1. 値が初期値から順次段階的に増加していく電気角位相を出力する位相発生部と、
    指令出力期間と休止期間とが交互に設定されており、指令出力期間ではd軸電流指令を出力する電流指令設定部と、
    三相の電圧指令を基に永久磁石式電動機を駆動するインバータと、
    前記インバータから永久磁石式同期電動機に供給される三相の電流の電流検出値を、前記電気角位相を用いて三相/二相変換してd軸電流検出値を出力する三相/二相変換部と、
    前記d軸電流指令と前記d軸電流検出値との偏差を基に、q軸電圧指令及びd軸電圧指令を出力する電流制御部と、
    前記電気角位相を用いて前記q軸電圧指令及びd軸電圧指令を二相/三相変換して、前記インバータを駆動するための三相の電圧指令を求める二相/三相変換部と、
    前記指令出力期間の終了時点から予め決めた電流検出期間が経過した時点での、前記d軸電流検出値の値である判定検出値を取り込む判定検出値取り込み手段と、
    値の異なる各電気角位相と、値の異なる各電気角位相にした時の各判定検出値とを対にして対照データとして記憶する蓄積部と、
    前記対照データから、判定検出値が最大となる、即ちインダクタンスが最小となる第1の電気角位相を求めると共に、この第1の電気角位相のときの判定検出値を第1ピーク判定検出値とする第1の電気角位相検出部と、
    前記対照データから、判定検出値が2番目に大きくなる、即ちインダクタンスが2番目に小さくなる第2の電気角位相を求めると共に、この第2の電気角位相のときの判定検出値を第2ピーク判定検出値とする第2の電気角位相検出部と、
    第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値よりも大きいときに、第1の電気角位相を初期磁極位置として出力する初期磁極位置出力手段と、
    を有することを特徴とする永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置。
  2. 値が初期値から順次段階的に増加していく電気角位相を出力する位相発生部と、
    指令出力期間と休止期間とが交互に設定されており、指令出力期間ではd軸電流指令を出力する電流指令設定部と、
    三相の電圧指令を基に永久磁石式電動機を駆動するインバータと、
    前記インバータから永久磁石式同期電動機に供給される三相の電流の電流検出値を、前記電気角位相を用いて三相/二相変換してd軸電流検出値を出力する三相/二相変換部と、
    前記d軸電流指令と前記d軸電流検出値との偏差を基に、q軸電圧指令及びd軸電圧指令を出力する電流制御部と、
    前記電気角位相を用いて前記q軸電圧指令及びd軸電圧指令を二相/三相変換して、前記インバータを駆動するための三相の電圧指令を求める二相/三相変換部と、
    前記指令出力期間の終了時点から予め決めた電流検出期間が経過した時点での、前記d軸電流検出値の値である判定検出値を取り込む判定検出値取り込み手段と、
    値の異なる各電気角位相と、値の異なる各電気角位相にした時の各判定検出値とを対にして対照データとして記憶する蓄積部と、
    前記対照データから、判定検出値が最大となる、即ちインダクタンスが最小となる第1の電気角位相を求めると共に、この第1の電気角位相のときの判定検出値を第1ピーク判定検出値とする第1の電気角位相検出部と、
    第1の電気角位相から180°位相がずれた電気角位相を第2の電気角位相とし、前記対照データを参照して第2の電気角位相のときの判定検出値を第2ピーク判定検出値とする第2の電気角位相検出部と、
    第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値よりも大きいときに、第1の電気角位相を初期磁極位置として出力する初期磁極位置出力手段と、
    を有することを特徴とする永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記初期磁極位置出力手段は、
    第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値以下であるときには、前記電流指令設定部により設定するd軸電流指令の値を増加させ、値を増加させたd軸電流指令の下で得た第1ピーク判定検出値と第2ピーク判定検出値との差の絶対値が、予め決めた設定値よりも大きくなったら、このときの第1の電気角位相を初期磁極位置として出力することを特徴とする永久磁石式同期電動機の初期磁極位置推定装置。
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