JP2008004768A - 積層電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリーンシート間において、高い接着力を確保しながら、クラックのない高品質、かつ、高性能の積層電子部品を製造し得る製造方法を提供すること。
【解決手段】
セラミック塗膜2の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜3を形成する。セラミック塗料及び電極塗料の少なくとも一方に含まれる有機ビヒクルは、溶剤と、溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分21又は31と、溶剤に対して非相溶性である非相溶性樹脂成分22又は32とを含有している。こうして得られたグリーンシートの複数枚を順次に積層し、非相溶性樹脂成分22又は32を、グリーンシート間接着剤として働かせる。
【選択図】図10

Description

本発明は、積層電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサで代表される積層電子部品は、例えば特許文献1〜3に開示されているように、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いてセラミック塗膜を形成し、次に、セラミック塗膜の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜を形成し、こうして得られたグリーンシートの複数枚を順次に積層し、加熱圧着する工程を経て製造される。この後、個品化のための切断工程、焼成工程、端子電極付与工程等を経て、積層電子部品の完成品が得られる。
セラミック塗料や電極塗料に用いられる有機ビヒクルは、セラミック粉体や導電性粉体を結合する樹脂成分としての機能の他に、積層されたグリーンシート間を接着する接着剤としての役割を担っている。この観点からは、有機ビヒクルはその含有量が多い方がよい。
他方、有機ビヒクルは、焼成工程においてバーンアウトされるから、有機ビヒクルの含有量が多いと、焼成工程においてクラックが発生するなど、構造欠陥を生じ易くなるし、また、最終製品たる積層電子部品としての性能向上の観点から、不利益になることはあっても、利益になることは殆どない。従って、この観点からは、有機ビヒクルの量を低減したい。
そうすると、従来技術に従う限り、結局は、有機ビヒクルの量について、妥協せざるを得ないことになるから、高い接着力を確保しながら、クラックのない高品質、高性能の積層電子部品を得ることに限界を生じることになる。
グリーンシート間に接着層を設けて接着力を上げ、反射的にグリーンシートに含まれる有機ビヒクルの量を低減する提案もなされているが、この場合は、接着層が焼成工程においてバーンアウトされてしまうので、接着層のあった位置に層状の隙間が生じてしまうという問題点を生じる。
特開平10−135070号公報 特開平05−205970号公報 特開2001−167971号公報
本発明の課題は、グリーンシート間において、高い接着力を確保しながら、クラックのない高品質、かつ、高性能の積層電子部品を製造し得る製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る製造方法は、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いてセラミック塗膜を形成し、前記セラミック塗膜の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜を形成する。ここで、前記セラミック塗料及び電極塗料の少なくとも一方に含まれる前記有機ビヒクルは、溶剤と、前記溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分と、前記溶剤に対して非相溶性となる非相溶性樹脂成分とを含有する。こうして得られたグリーンシートの複数枚を順次に積層し、前記非相溶性樹脂成分を、グリーンシート間接着剤として働かせる工程を含む。
本発明に係る製造方法においても、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いてセラミック塗膜を形成し、前記セラミック塗膜の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜を形成し、こうして得られたグリーンシートの複数枚を順次に積層する工程を含む点では、従来と異ならない。
従来と異なる特徴点は、前記セラミック塗料及び電極塗料の少なくとも一方に含まれる前記有機ビヒクルが、溶剤と、相溶性樹脂成分と、非相溶性樹脂成分とを含有することである。そして、グリーンシートの複数枚を順次に積層する際に、前記非相溶性樹脂成分を、グリーンシート間接着剤として働かせる。
勿論、従来と同様に、相溶性樹脂成分も、グリーンシート間接着剤として機能するが、本発明では、この従来技術に対して、非相溶性樹脂成分を、グリーンシート間樹脂成分として機能させることができるので、相溶性樹脂成分は、接着剤としての機能よりも、セラミック粉体や導電粉体の分散性、電子部品としての特性維持の面からその量を定め、接着剤としての役割の多くを、接着性に富む非相溶性樹脂成分に担わせることができる。この結果、相溶性樹脂成分及び非相溶性樹脂成分の総量を、相溶性樹脂成分を単独で用いる従来よりも減少させ、最終的に得られる積層電子部品の特性を向上させながら、同時にグリーンシート間接着力を高め、クラックなどの構造欠陥の発生を抑制することが可能になる。
しかも、有機ビヒクルは、溶剤と、この溶剤に対して相溶性を有する相溶性樹脂成分を含有するので、導電性粉体を分散させるのに、何ら問題はない。
非相溶性樹脂成分による接着力を得るための具体的手段としては、グリーンシートの複数枚を順次に積層した後、前記非相溶性樹脂成分の融点以上に加熱しながら加圧する工程を含むことができる。この場合、相溶性樹脂成分は、好ましくは、非相溶性樹脂成分よりも高い融点を有するものとする。この条件下では、相溶性樹脂成分が溶融するよりも先に、非相溶性樹脂成分を溶融させ、その接着力を優先させて、確実に接着することができる。
一つの形態として、前記電極塗膜を形成した後、前記電極塗膜の周囲に、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いて、前記電極塗膜による段差を吸収する段差吸収用セラミック塗膜を形成する工程を含むことができる。この場合、段差吸収用セラミック塗膜を形成するためのセラミック塗料に、上述した非相溶性樹脂成分を含ませることができる。これにより、段差吸収用セラミック塗膜においても、前記非相溶性樹脂成分を、グリーンシート間接着剤として働かせることができる。
最初のセラミック塗膜、電極塗膜及び段差吸収用セラミック塗膜の全てに、非相溶性樹脂成分を含ませることは必要でない。少なくとも、1つの塗膜に非相溶性樹脂成分を含ませればよい。
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
図1〜図8は本発明に係る積層電子部品の製造方法を、概略的に説明する図である。実施例では、積層セラミックコンデンサの製造方法を念頭において説明するが、他の積層電子部品、例えば、積層インダクタ、積層誘電体フィルタ、積層圧電素子又はそれらを組み合わせた複合電子部品にも、適用が可能である。まず、図1に図示するように、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用い、これをドクターブレード、ノズルなど、公知の塗布装置により、支持体1の上に塗布することにより、セラミック塗膜2を形成する。セラミック塗膜2の厚みは、例えば1〜100μmの範囲である。
セラミック粉体は、得ようとする電子部品に応じて選択される。積層セラミックコンデンサを製造しようとする場合には、セラミック粉体は、チタン酸バリウム系粉体が主に用いられる。有機ビヒクルは、溶剤と、この溶剤に対して相溶性となる相溶性樹脂成分(バインダ)とを含む。相溶性樹脂成分には、例えば、アクリル系樹脂やポリビニルブチラール系樹脂が用いられる。溶剤は相溶性樹脂成分との関係で選択される。例えば、相溶性樹脂成分としてアクリル系樹脂が用いられた場合は、溶剤としてアセトンが用いられ、相溶性樹脂成分としてポリビニルブチラール系樹脂が用いられた場合は、溶剤として、エタノールが用いられる。もっとも、これは一例であって、これまで知られた相溶性樹脂成分と、溶剤との組み合わせが適用できることは言うまでもない。
支持体1は、一般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの可撓性フィルムによって構成される。支持体1の塗布面は剥離処理がなされていてもよい。実際の量産工程においては、供給ロールと巻き取りロールとの間で、支持体1を一定方向に走行させ、その走行の途中において、上述した誘電体塗布工程、乾燥工程、及びこれから説明する内部電極印刷工程などが繰り返される。
上述した工程において、セラミック塗料を構成する有機ビヒクル中に、溶剤及びこの溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分が含まれる点は、従来と異ならない。本発明の特徴点は、セラミック塗料に含まれる有機ビヒクルが、本来有する溶剤及び相溶性樹脂成分に加えて、非相溶性樹脂成分を含有する点にある。
図2は、この状態を模式的に拡大して示す図で、セラミック塗料を用いて形成されたセラミック塗膜2に、溶剤及び相溶性樹脂成分21の他、非相溶性樹脂成分22が含有されている。非相溶性樹脂成分22は、好ましくは、粒子とする。相溶性樹脂成分21として、アクリル系樹脂が用いられ、溶剤としてアセトンが用いられた場合、非相溶性樹脂成分22としては、ポリビニルアルコール系樹脂を用いることができる。また、相溶性樹脂成分21としてポリビニルブチラール系樹脂が用いられ、溶剤としてエタノールが用いられた場合は、非相溶性樹脂成分22として、ポリエチレン系樹脂を用いることができる。
相溶性樹脂成分21に対する非相溶性樹脂成分22の比率は、相溶性樹脂成分21の本来の役割、即ち、溶剤によって溶かされた状態でセラミック粉体を均一に分散させる機能が損なわれない範囲に設定しなければならない。その範囲は、セラミック粉体の粒径や充填度などにも影響を受けるし、製造プロセスの影響も受けるので、個別的、実験的、経験的に定めるのが望ましい。
次に、セラミック塗膜2を乾燥させた後、図3に示すように、セラミック塗膜2の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜3を形成する。電極塗膜3の厚みは、例えば1〜100μmの範囲である。電極塗膜3は、例えば、スクリーン印刷などの手段によって形成することができる。
導電性粉体としてはこれまで提案され、これから提案されることのあるものを広く用いることができる。有機ビヒクルは、導電性粉体を均一に分散させるもので、溶剤と、この溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分とを含有する。一般には、セラミック塗膜2と熱膨張係数を合わせるなどの目的から、導電性粉体に対して、共材として、セラミック塗膜2に含まれるセラミック粉体と同種のセラミック粉体が用いられ、これらの粉体を、有機ビヒクル中に分散させる。有機ビヒクルを構成する相溶性樹脂成分は、例えば、エチルセルロース系樹脂が用いられる。これに適合する溶剤としては、例えばターピネオールが用いられる。
電極塗料及び電極塗膜3は、上述した従来のものであってもよいが、本発明を適用したものであってもよい。実施例は、本発明を適用した場合を示し、電極塗膜3は、図4に図示するように、本来有する溶剤及び相溶性樹脂成分31に加えて、非相溶性樹脂成分32を含有する。有機ビヒクルを構成する相溶性樹脂成分31として、エチルセルロース系樹脂を用い、溶剤としてターピネオールを用いた場合は、非相溶性樹脂32として、ポリビニルアルコール系樹脂を用いることができる。電極塗膜3に非相溶性樹脂32を含有させた場合は、セラミック塗膜2に含まれる有機ビヒクルを、非相溶性樹脂成分22を含まず、本来有する溶剤及び相溶性樹脂成分21だけの組成とすることもできる。
さらに、実施例では、図5に示すように、電極塗膜3を形成した後、電極塗膜3の周囲に、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いて、電極塗膜3による段差を吸収する段差吸収用セラミック塗膜4を形成する工程を含んでいる。段差吸収用セラミック塗膜4は、スクリーン印刷などの手段によって形成することができる。ただし、この工程は、積層数や、積層電子部品の種類によっては省略することができる。
段差吸収用セラミック塗膜4は、溶剤、及び、この溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分とを含有する有機ビヒクルと、セラミック粉体とを混合したセラミック塗料を用いて形成することができる。更に、この組成に、溶剤に対して非相溶性となる非相溶性樹脂成分を加えたセラミック塗料を用いて形成してもよい。実施例は、非相溶性樹脂成分を加えた場合を示す。
実施例に示す段差吸収用セラミック塗膜4は、図6に拡大して示すように、本来有する溶剤及び相溶性樹脂成分41に加えて、非相溶性樹脂成分42を含有する。有機ビヒクルを構成する相溶性樹脂成分41として、エチルセルロース系樹脂を用い、溶剤としてはターピネオールを用いた場合、非相溶性樹脂42として、ポリエチレン系樹脂を用いることができる。段差吸収用セラミック塗膜4に非相溶性樹脂42を含ませた場合は、セラミック塗膜2及び電極塗膜3は、非相溶性樹脂成分22、32を含まず、本来有する溶剤及び相溶性樹脂成分21、31だけの組成とすることもできる。
次に、乾燥工程等を経た後、図7に示すように、支持体1から、セラミック塗膜2、電極塗膜3及び段差吸収用セラミック塗膜4を有するグリーンシートを剥離する。こうして得られた必要枚数のグリーンシートを、図8に示すように、受け台5の一面上で順次に積層する。積層セラミックコンデンサでは、積層されるグリーンシート枚数が数百枚に及ぶこともある。
この後、図9に示すように、受け台5の上に積層されたグリーンシートの積層体を、例えば、ヒータ61を有する熱プレス6により加熱しながら加圧する。この工程において、図10に拡大して示すように、非相溶性樹脂成分22、32及び42が溶融7し、隣接するグリーンシートAとグリーンシートBが接着される。非相溶性樹脂成分22、32及び42の溶融による接着作用について、説明の簡単化のため、セラミック塗膜2に含まれる非相溶性樹脂成分22を代表的に説明する。
セラミック塗膜2において、相溶性樹脂成分21も、グリーンシート間接着剤として機能させることは可能であるが、本発明では、主として、非相溶性樹脂成分22を、隣接するグリーンシートAーBを接着する接着剤として機能させる。相溶性樹脂成分21は、接着剤としての機能よりも、セラミック粉体や導電粉体の分散性、電子部品としての特性維持の面からその量を定め、接着剤としての役割の多くを、非相溶性樹脂成分22に担わせる。これにより、相溶性樹脂成分21及び非相溶性樹脂成分22の総量を、相溶性樹脂成分21を単独で用いる従来の場合よりも減少させ、最終的に得られる積層電子部品の特性を向上させながら、グリーンシート間接着力を高め、クラックなどの構造欠陥の発生を抑制することが可能になる。
相溶性樹脂成分21は、好ましくは、非相溶性樹脂成分22よりも高い融点を有するものとする。この条件下では、相溶性樹脂成分21が溶融するよりも低温度で、非相溶性樹脂成分22を溶融させ、その接着力を優先させて、確実に接着することができる。
具体例として、相溶性樹脂成分21としてアクリル系樹脂を用い、溶剤としてアセトンを用い、非相溶性樹脂成分22として、ポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合を例にとって説明する。非相溶性樹脂成分22を含まず、相溶性樹脂成分21を含むだけの従来のグリーンシートの場合、軟化温度Tgが約30℃、熱分解温度が350〜400℃の範囲であり、プレス時の加熱温度が80〜90℃の範囲となる。
これに対して、非相溶性樹脂成分22としてポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合、軟化温度30℃、融点60〜70℃の範囲に選定することができる。従って、加熱圧着工程において、非相溶性樹脂成分22を相溶性樹脂成分21よりも低温で溶融させ、相溶性樹脂成分21の接着力に依拠することなく、非相溶性樹脂成分22の接着力で、確実に接着することができる。このため、非相溶性樹脂成分22による接着力を確保しつつ、相溶性樹脂成分21の添加量を削減し、最終的に得られる積層電子部品の特性を向上させながら、同時にグリーンシート間接着力を高め、クラックなどの構造欠陥の発生を抑制することが可能になる。相溶性樹脂成分21としてポリビニルブチラール系樹脂を用い、溶剤としてエタノールを用い、非相溶性樹脂成分22として、ポリエチレン系樹脂を用いた場合も、ほぼ同様である。
更に、実施例では、セラミック塗膜2のみならず、電極塗膜3及び段差吸収用セラミック塗膜4にも、非相溶性樹脂成分32、42を含ませてあるから、電極塗膜3及び段差吸収セラミック塗膜4においても、非相溶性樹脂成分32及び42を、グリーンシート間接着剤として働かせることができる。従って、これらの部分においても、同様の作用効果が得られる。
図11、図12は別の積層工程を示す図である。この実施例では、図11に図示するように、支持体1によって支持されたままのグリーンシートを、先に積層されたグリーンシートの上に積層する。そして、積層後に支持体1を剥離する。この積層プロセスを採用する場合は、支持体1により補強作用が得られるので、グリーンシートを薄くすることができる。従って、グリーンシートを薄くして、取得容量を増大させる必要のある積層セラミックコンデンサの製造に適する。もっとも、支持体1の剥離力よりもグリーンシート間接着力が大きくなるように、有機ビヒクルを調製する必要がある。
図11、図12に図示された工程において、セラミック塗膜2、電極塗膜3又は段差吸収用セラミック塗膜4に含有されている非相溶性樹脂成分22、32又は42が溶融し、隣り合うグリーンシートが互いに接着される。
非相溶性樹脂成分22、32又は42の溶融及びその後の冷却により、接着処理の済んだグリーンシート積層体は、この後、切断工程、焼成工程、及び、端子付与工程等の周知の工程に付され、積層電子部品の完成品が得られる。本発明において、接着処理の済んだグリーンシート積層体は、高い接着力を有するので、切断工程において、グリーンシートが剥離するなどの事故を確実に回避することができる。焼成工程においては、有機ビヒクルがバーンアウトされるが、前述したように、有機ビヒクルの総量を低減できるから、クラック発生率及び空孔率の低い高品質、高信頼度の積層電子部品が得られる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る積層電子部品の製造工程を説明する図である。 図1の拡大断面図である。 図1及び図2に示した工程の後の工程を説明するである。 図3の拡大断面図である。 図3及び図4に示した工程の後の工程を説明するである。 図5の拡大断面図である。 図6に示した工程の後の工程を示す図である。 図7に示した工程の後の工程を示す図である。 図8に示した工程の後の工程を示す図である。 図9に示した工程を通して得られるグリーンシートの部分拡大断面図である。 本発明に係る製造方法の別の例を示す図である。 図11に示した工程の後の工程を示す図である。
符号の説明
1 支持体
2 セラミック塗膜
21 相溶性樹脂成分
22 非相溶性樹脂成分
3 電極塗膜
31 相溶性樹脂成分
32 非相溶性樹脂成分
4 段差吸収用セラミック塗膜
41 相溶性樹脂成分
42 非相溶性樹脂成分

Claims (5)

  1. セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いてセラミック塗膜を形成し、
    前記セラミック塗膜の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜を形成し、
    前記セラミック塗料及び電極塗料の少なくとも一方に含まれる前記有機ビヒクルは、溶剤と、前記溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分と、前記溶剤に対して非相溶性である非相溶性樹脂成分とを含有しており、
    こうして得られたグリーンシートの複数枚を順次に積層し、前記非相溶性樹脂成分を、グリーンシート間接着剤として働かせる、
    工程を含む積層電子部品の製造方法。
  2. セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いてセラミック塗膜を形成し、
    前記セラミック塗膜の上に、導電性粉体と有機ビヒクルとを混合した電極塗料を用いて電極塗膜を形成し、
    前記電極塗膜を形成した後、前記電極塗膜の周囲に、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いて、前記電極塗膜による段差を吸収する段差吸収用セラミック塗膜を形成し、
    前記セラミック塗料、前記電極塗料及び前記段差吸収用セラミック塗膜のための前記セラミック塗料の少なくとも一つに含まれる前記有機ビヒクルは、溶剤と、前記溶剤に対して相溶性のある相溶性樹脂成分と、前記溶剤に対して非相溶性である非相溶性樹脂成分とを含有しており、
    こうして得られたグリーンシートの複数枚を順次に積層し、前記非相溶性樹脂成分を、グリーンシート間接着剤として働かせる、
    工程を含む積層電子部品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載された製造方法であって、前記グリーンシートの複数枚を順次に積層した後、前記非相溶性樹脂成分の融点以上に加熱しながら加圧する工程を含む、製造方法。
  4. 請求項3に記載された製造方法であって、前記相溶性樹脂成分は、前記非相溶性樹脂成分よりも高い融点を有する、製造方法。
  5. 請求項1乃至3の何れかに記載された製造方法であって、前記電極塗膜を形成した後、前記電極塗膜の周囲に、セラミック粉体と、有機ビヒクルとを混合したセラミック塗料を用いて、前記電極塗膜による段差を吸収する段差吸収用セラミック塗膜を形成する工程を含む、製造方法。
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