JP2008001760A - 接着性樹脂組成物 - Google Patents

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Noriyasu Yano
徳康 矢野
Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
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Abstract

【課題】環状オレフィン系樹脂で構成された層と他の熱可塑性樹脂で構成された層との接着性を向上できる接着用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層と、他の熱可塑性樹脂で構成された層とを接着するための接着性樹脂組成物であって、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度20℃/分で測定したとき、吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)における融解開始温度が−20℃〜+50℃の範囲に存在し、かつ前記吸熱曲線における融解終了温度が70〜100℃の範囲に存在する粘着成分(A)、及び前記吸熱曲線における融解ピークの半値幅が20℃以下であるポリオレフィン系樹脂(B)で構成された接着用樹脂組成物を調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光拡散シートなどに有用な環状ポリオレフィン系樹脂層を含む積層シートの接着剤として利用される接着性樹脂組成物及びこの接着性樹脂組成物を用いた積層シートに関する。
環状オレフィン系樹脂は、透明性、耐薬品性、防湿性、機械的特性などに優れるため、このような特性を利用して光学用途にも利用されている。特に、透明性が高いメタクリル酸メチル系樹脂やポリカーボネート系樹脂が、光拡散シートなどの材料として汎用されている。しかし、例えば、メタクリル酸メチル系樹脂を用いた光拡散シートは、吸湿による反りが大きい。さらに、光拡散剤を含む樹脂組成物を押出成形すると、表面が荒れるため、透過光の無用な散乱を引き起こし、映し出される画像の画質を低下させる。
そこで、光拡散シートにおける反りや表面の荒れを抑制するために、共押出しにより保護層を形成した積層シートが利用されている。特に、防湿性の高い環状オレフィン系樹脂で構成された保護層を形成することにより吸湿を抑制でき、両面に保護層を形成することにより光拡散層の製造工程における表面の荒れを抑制できる。なお、このような積層シートでは、通常、光拡散層と保護層との間に接着性樹脂で構成された接着層が形成され、両層の接着を強固にしている。
しかし、多層化には煩雑な工程が必要であるだけでなく、保護層を形成した場合であっても、光拡散層と保護層とは、熱膨張率、吸水率などが異なるのが通常であり、使用中の温度変化、湿度変化などによって反りが生じ易い。さらに、接着性樹脂としては、オレフィン系接着性樹脂やアクリル系接着性樹脂などが使用されているが、光拡散層と保護層との接着性は充分でなく、打ち抜きにより、端部においてシート間の剥離が生じ易い。
一方、食品や医薬品又は繊維分野などの各種材料における接着剤として、特許第3312984号公報(特許文献1)には、融点70〜132℃、密度0.88〜0.945g/cm及びメルトフローレート0.05〜50g/10分のエチレン系重合体(但し、エチレン・酢酸ビニル共重合体を除く)及び不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性され、赤外分光光度計により測定された含量が0.01〜10重量%である前記エチレン系重合体(A)、粘着剤(B)、及びビニル芳香族化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有するブロック共重合体又はその水添物(C)を含有し、成分(A)〜(C)の合計量あたり、成分(A)が40〜98重量%、成分(B)が1〜59重量%及び成分(C)が1〜59重量%である接着性樹脂組成物が開示されている。この文献には、ポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂などから選択された複数種の樹脂で共押出により積層フィルムが製造されている。
特許第3312984号公報(請求項1、実施例、[発明の効果]の欄)
従って、本発明の目的は、環状オレフィン系樹脂で構成された層と他の熱可塑性樹脂で構成された層との接着性を向上できる接着用樹脂組成物及びこの接着用樹脂組成物を用いた積層シートを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、反りや表面の荒れが抑制された光拡散シートを簡便に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の粘着成分と特定のポリオレフィン系樹脂とを組み合わせると、環状オレフィン系樹脂で構成された層と他の熱可塑性樹脂で構成された層との接着性を向上できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の接着性樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層と、他の熱可塑性樹脂で構成された層とを接着するための接着性樹脂組成物であって、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度20℃/分で測定したとき、吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)における融解開始温度が−20℃〜+50℃の範囲に存在し、かつ前記吸熱曲線における融解終了温度が70〜100℃の範囲に存在する粘着成分(A)、及び前記吸熱曲線における融解ピークの半値幅が20℃以下であるポリオレフィン系樹脂(B)で構成されている。前記粘着成分(A)は、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、エチレン系共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、及び熱可塑性エラストマーからなる群から選択された少なくとも一種であってもよい。前記ポリオレフィン系樹脂(B)は、ポリエチレン系樹脂及び/又は酸変性ポリエチレン系樹脂であってもよい。前記ポリオレフィン系樹脂(B)は、酸変性されていてもよいポリオレフィン系樹脂であり、かつ融点が70〜170℃であり、190℃におけるメルトフローレートが0.1〜20g/10分であり、かつ密度が0.87〜1g/cmであってもよい。前記粘着成分(A)とポリオレフィン系樹脂(B)との割合(重量比)は、例えば、粘着成分(A)/ポリオレフィン系樹脂(B)=0.1/99.9〜80/20程度であってもよい。前記環状ポリオレフィン系樹脂は、多環式オレフィンを含む重合体であってもよい。前記他の熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種(特に、ポリメタクリル酸メチル系樹脂)であってもよい。
本発明には、環状オレフィン系樹脂で構成された表層が、他の熱可塑性樹脂で構成された基材層の少なくとも一方の面に、前記接着性樹脂組成物で構成された接着層を介して形成されている積層シートも含まれる。この積層シートは、共押出により得られ、かつ接着層を構成する接着性樹脂組成物のメルトフローレートが、表層を構成する環状オレフィン系樹脂及び基材層を構成する熱可塑性樹脂のいずれのメルトフローレートに対しても0.1〜10倍程度であってもよい。この積層シートは、基材層の両面に表層が形成されていてもよい。この積層シートの内部ヘイズは10%以下であってもよい。この積層シートは、例えば、光拡散シートとして利用できる。
本発明には、環状オレフィン系樹脂と前記接着性樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出して前記積層シートを製造する方法も含まれる。
本発明では、特定の粘着成分と特定のポリオレフィン系樹脂とを組み合わせているため、環状オレフィン系樹脂で構成された層と他の熱可塑性樹脂で構成された層との接着性を向上でき、例えば、得られた積層シートを打ち抜いてもシート端部での剥離を抑制できる。さらに、保護層を状オレフィン系樹脂とし、本発明の接着用樹脂組成物を用いると、反りや表面の荒れが抑制された光拡散シートを簡便に製造できる。
[接着用樹脂組成物]
本発明の接着用樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層と、他の熱可塑性樹脂で構成された層とを接着するために用いられ、下記粘着成分(A)及び下記ポリオレフィン系樹脂(B)で構成されている。
(A)粘着成分
粘着成分(A)は、JIS K7121に準じて、DSCを用いて昇温速度20℃/分で測定したとき、吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)における融解開始温度が−20℃〜+50℃(特に−10℃〜+40℃)程度の範囲に存在し、かつ前記吸熱曲線における融解終了温度が70〜100℃(特に80〜95℃)程度の範囲に存在する。
このような特性を有する粘着成分としては、例えば、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、エチレン系共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの粘着成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂(炭素数5〜9程度の高級オレフィン系炭化水素を主成分とする樹脂)、芳香族系石油樹脂(ビニルトルエンやインデンなどを主成分とする樹脂など)、ジシクロペンタジエンを主成分とするジシクロペンタジエン系石油樹脂、又はこれらの水添物(例えば、80%以上の水添率で水素添加した樹脂)などが挙げられる。これらの石油樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
このような石油樹脂は、具体的には、トーホーハイレジン(東邦石油樹脂(株)製)、ピコペール(ピコ社製)、アルコンPおよびM(荒川化学工業(株)製)、アドマープ(出光石油化学工業(株)製)、スーパースタータック(ライヒホールド(株)製)、エスコレッツ(エッソ化学(株)製)、トーホーペトロレジン(東燃石油樹脂(株)製)、ハイレッツ(三井石油化学工業(株)製)、クイントン(日本ゼオン(株)製)などの商品名で上市されている。
テルペン樹脂には、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、及びこれらの水添物(例えば、80%以上の水添率で水素添加した樹脂)が含まれる。具体的には、例えば、ピネン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ピサポレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレンなどのテルペン類の重合体又はこれらの水添物などが挙げられる。これらのテルペン樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。このようなテルペン樹脂は、ピコライトS又はピコライトA(ピコ社製)、YSレジン又はクリアロン(安原油脂(株)製)などとして市販されている。
ロジン系樹脂には、天然ロジン、重合ロジン、及びこれらの誘導体(多価アルコールとのエステルなど)が含まれる。具体的には、例えば、ペンタエリストエステルロジン、グリセリンエステルロジン、又はこれらの水添物(例えば、80%以上の水添率で水素添加した樹脂)などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。このようなロジン系樹脂は、ガムロジン、ウッドロジン、エステルガムA、ペルセンA又はペルセンC(荒川化学工業(株)製)、ペンタリンA、ペンタリンC又はフォーラル105(理化ハーキュレス(株)製)などの商品名で上市されている。
エチレン系共重合体としては、通常、エチレンを主成分としα−オレフィンを共重合したエチレン・α−オレフィンランダム共重合体が使用される。α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンが使用でき、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、4−メチル−1−ペンテンなどが使用できる。これらのα−オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのα−オレフィンのうち、プロピレンが好ましい。
エチレン系共重合体は、接着性の点から、融点が60℃以下(0〜60℃)、好ましくは10〜50℃程度である。密度も、接着性の点から、例えば、0.8〜0.9g/cm、好ましくは0.85〜0.87g/cm程度である。190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、接着性及び成形性の点から、0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜30g/10分程度である。
このような特性を示すエチレン系共重合体としては、具体的には、エチレン・プロピレン系エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン−1系エラストマー(EBR)、プロピレン・ブテン−1系エラストマー(PBR)などが挙げられる。これらのエチレン系共重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
変性ポリオレフィン系樹脂としては、通常、官能基が導入されたポリオレフィン系樹脂が使用できる。オレフィン系樹脂には、オレフィンの単独又は共重合体が含まれる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどのα−C2−10オレフィン(好ましくはα−C2−8オレフィン、さらに好ましくはα−C2−4オレフィン)などが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのオレフィンのうち、エチレン及び/又はプロピレン、特に少なくともエチレンを含むのが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、前記エチレン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体など)、α−オレフィンと共役ジエンとの共重合体(例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、イソブテン−イソプレン共重合体など)、α−オレフィンと他のビニル系単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、又はこれらの塩素化物などが挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリオレフィン系樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが好ましい。
このようなポリオレフィン系樹脂に官能基が導入された変性ポリオレフィン系樹脂は、主鎖及び末端のいずれにも導入された樹脂であってもよい。さらに、ポリオレフィン系樹脂の側鎖などに官能基を有する化合物を導入した変性樹脂であってもよく、官能基を有する共重合性単量体が、ポリオレフィン系樹脂の骨格に共重合された樹脂であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂に導入される官能基としては、カルボキシル基又はその無水物基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシル基又はその無水物基を有する化合物(又は共重合性単量体)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸又はその無水物、イタコン酸又はその無水物、クロトン酸又はその無水物、シトラコン酸又はその無水物などの不飽和カルボン酸またはその無水物などが挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノ又はジグリシジルエステル、イタコン酸モノ又はジグリシジルエステル、アリルコハク酸モノ又はジグリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテンなどのエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート−6−ヘキサノリド付加重合物、2−プロペン−1−オールなどのアルケニルアルコール、2−プロピン−1−オールなどのアルキニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに、水酸基を有する化合物には、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルのケン化物なども含まれる。
イソシアネート基を有する化合物としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート、イソプロペニルイソシアネートなどが挙げられる。
オキサゾリン基を有する化合物としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、4,4,6−トリメチル−2−ビニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリンなどが挙げられる。
カルボジイミド基を有する化合物としては、例えば、メチルビニルカルボジイミド、イソプロペニルメチルカルボジイミド等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの化合物のうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する化合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する化合物、2−イソシアネートエチル(メタ)クリレートなどのイソシアネート基を有する化合物などが好ましい。
変性ポリオレフィン系樹脂としては、官能基を有する化合物を共重合性単量体として共重合させたポリオレフィン系樹脂が好ましい。官能基を有する化合物の割合は、ポリオレフィン系樹脂を構成するα−オレフィンの合計量に対して、例えば、0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%(特に0.2〜5重量%)程度である。
このような変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート−(無水)マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(無水)マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物などが挙げられる。これらの変性ポリオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの変性ポリオレフィン系樹脂のうち、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート−(無水)マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体などが好ましい。
熱可塑性エラストマーには、ゴム成分、芳香族ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが含まれる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの熱可塑性エラストマーのうち、ゴム成分、芳香族ビニル系エラストマー、特にジエン系ゴム成分、芳香族ビニル−ジエン系ブロック共重合体又はその水添物が好ましい。
ジエン系ゴム成分としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM))などが挙げられる。
芳香族ビニル−ジエン系ブロック共重合体又はその水添物は、芳香族ビニル系単量体を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと、共役ジエン系単量体を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有するブロック共重合体又はその水添物であり、式
A−B; A−B−A; B−A−B−A; A−B−A−B−A
(式中、Aは芳香族ビニル系重合体ブロックを示し、Bは(水添)共役ジエン系重合体ブロックを示す)
で表すことができる。以下、前記式に準じて、ブロック共重合体を、A−B−A型又はA−B型ブロック共重合体等と称することがある。これらの構造のうち、A−B−A型構造を有するブロック共重合体が好ましい。
芳香族ビニル系体単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらの芳香族ビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、通常、スチレンが使用される。
共役ジエン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエン系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましい。
芳香族ビニル系単量体(ブロック)の割合は、接着強度の点から、例えば、ブロック共重合体中10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%程度である。
このブロック共重合体が水添物である場合、その水添率は、熱安定性の点から、高い方が好ましく、例えば、90%以上(例えば、90〜100%程度)、好ましくは95%以上(例えば、95〜99.9%程度)である。
このブロック共重合体の数平均分子量は、接着強度及び加工性の点から、例えば、10,000〜400,000、好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜200,000程度である。さらに、このブロック共重合体の数平均分子量が大きい場合(例えば、100,000〜400,000程度)には、接着強度及び加工性の点から、流動性改良剤(プロセスオイル、液状ポリブタジエン、数平均分子量が6,000未満の前記ブロック共重合体)を、前記ブロック共重合体に対して1〜40重量%(特に3〜30重量%)程度の範囲で組み合わせてもよい。
さらに、このブロック共重合体も、前記変性オレフィン系樹脂の項で例示された官能基によって変性されていてもよい。
芳香族ビニル−ジエン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、又はこれらの水添物などが挙げられる。
A−B−A型ブロック共重合体は、水添スチレン−ブタジエン系ブロックコポリマーとして“タフテック”Hタイプ(旭化成(株)製)、“クレイトン”G1600タイプ(シェル化学製商品名)、水添スチレン−イソプレン系ブロックコポリマーとして、“セプトン”2000タイプ((株)クラレ製)、スチレン−ブタジエン系ブロックコポリマー、およびスチレン−イソプレン系ブロックコポリマーとして、“カリフレックス”TRタイプ(シェル化学社製)、ベクトール(デキシコ社製)などの商品名で上市されている。また、A−B型ブロック共重合体は、水添スチレン−イソプレン系ブロックコポリマーとして、“セプトン”1000タイプ((株)クラレ製)、“クレイトン”G1700タイプ(シェル化学社製)などの商品名で上市されている。
(B)ポリオレフィン系樹脂
ポリオレフィン系樹脂(B)は、DSCを用いて昇温速度20℃/分で測定したとき、吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)における融解ピークの半値幅が20℃以下(例えば、1〜20℃、特に3〜15℃程度)である。このような特性を有するポリオレフィン系樹脂(B)は、高い結晶性を有している。
ポリオレフィン系樹脂(B)には、オレフィンの単独又は共重合体が含まれる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどのα−C2−10オレフィン(好ましくはα−C2−8オレフィン、さらに好ましくはα−C2−4オレフィン)などが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのオレフィンのうち、エチレン、プロピレン、特に少なくともエチレンを含むのが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(B)は、オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、例えば、重合性ニトリル化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸など)、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、共役ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが例示できる。共重合性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。共重合性単量体の割合は、全単量体中0〜50モル%、好ましくは0.1〜25モル%、さらに好ましくは1〜10モル%程度である。
ポリオレフィン系樹脂(B)としては、前記融解ピークを有し、結晶性である限り、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80重量%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ(メチルペンテン−1)樹脂などが挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体などが例示できる。
前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性単量体との共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
さらに、ポリオレフィン系樹脂(B)は、前述の粘着成分(A)における変性ポリオレフィン系樹脂と同様に、官能基(カルボキシル基又はその無水物基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基など)を有する化合物で変性された変性ポリオレフィン系樹脂、特に、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性された酸変性ポリオレフィン系樹脂であってもよい。不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸又はその無水物、イタコン酸又はその無水物、クロトン酸又はその無水物、シトラコン酸又はその無水物などの不飽和カルボン酸又はその無水物などが挙げられる。酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなどが挙げられる。
これらのポリオレフィン系樹脂(B)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリオレフィン系樹脂(B)のうち、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、酸変性ポリオレフィンなどが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(B)の融点は、例えば、70〜170℃、好ましくは80〜1865℃、さらに好ましくは90〜160℃(特に100〜140℃)程度である。
ポリオレフィン系樹脂(B)の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、例えば、0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜15g/10分、さらに好ましくは1〜10g/10分程度である。
ポリオレフィン系樹脂(B)の密度(ASTM−D1505)は、例えば、0.87〜1g/cm、好ましくは0.8〜0.95g/cm、さらに好ましくは0.89〜0.93g/cm(特に0.9〜0.915g/cm)程度である。
前記粘着成分(A)(複数の成分を用いる場合はその合計量)とポリオレフィン系樹脂(B)との割合(重量比)は、例えば、粘着成分(A)/ポリオレフィン系樹脂(B)=0.1/99.9〜80/20、好ましくは1/99〜70/30、さらに好ましくは5/95〜60/40程度である。更に詳しくは、粘着成分(A)として、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂を用いる場合、これらの粘着成分(複数の成分を用いる場合はその合計量)と、ポリオレフィン系樹脂(B)との割合(重量比)は、例えば、粘着成分/ポリオレフィン系樹脂(B)=0.1/99.9〜40/60、好ましくは0.5/99.5〜30/70、さらに好ましくは1/99〜20/80程度である。一方、粘着成分(A)として、エチレン系共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマーを用いる場合、これらの粘着成分(複数の成分を用いる場合はその合計量)と、ポリオレフィン系樹脂(B)との割合(重量比)は、例えば、粘着成分/ポリオレフィン系樹脂(B)=5/95〜80/20、好ましくは1/99〜60/40程度である。
本発明の接着用樹脂組成物の融点は、例えば、130℃以下(例えば、50〜130℃)、好ましくは60〜125℃程度であり、ビカット軟化点は、例えば、80℃以下(例えば、30〜80℃)、好ましくは40〜70℃程度である。
本発明の接着用樹脂組成物には、慣用の添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤又は軟化剤、難燃剤、導電剤、着色剤、充填剤(シリカ、タルク、金属フィラーなどの粒状充填剤や、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの繊維状充填剤など)、安定剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤などの光安定化剤、熱安定化剤など)、結晶核成長剤、分散剤、発泡剤、抗菌剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤の割合は、種類に応じて選択すればよく、特に限定されないが、粘着成分(A)及びポリオレフィン系樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.01〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部程度である。
(接着性樹脂組成物の製造方法)
本発明の接着性樹脂組成物は、押出機や射出成形機を用いた場合に、溶融混練時の分散性を向上させる観点から、粘着成分(A)及びポリオレフィン系樹脂(B)を予め混合し、これをストランド状に押し出し、ペレット化して用いるのが好ましい。
両者を混合する方法としては、特に限定されず、両成分をVブレンダー、リボンブレンダー、スーパーミキサーなどの慣用の混合装置を用いて混合する方法などが挙げられる。
次に得られた混合物を、通常の熱可塑性樹脂に用いられている混練機、例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサーなどを用いて溶融混練し、ストランド状に押し出し、カッティングするか、溶融物を冷却し粉砕することにより、接着用樹脂組成物を調製してもよい。
溶融混練時の温度は120〜280℃、好ましくは140〜260℃、さらに好ましくは150〜250℃程度である。混練機のスクリュー回転数は、通常、60〜350rpm、好ましくは80〜300rpm程度が好ましい。
このような接着用樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂層と他の熱可塑性樹脂層とを接着するのに有用である。
(環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層)
前記環状ポリオレフィン系樹脂は、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンを少なくとも重合成分とする樹脂であればよい。環状オレフィンは、単環式オレフィンであってもよく、多環式オレフィンであってもよい。
代表的な環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン類、シクロペンタジエン類又はジシクロペンタジエン類、ノルボルネン類とシクロペンタジエンとの縮合により得られる1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン類、ヘキサシクロ[6.6.1.1.1.0.0]ヘプタデセン−4類、1−ブテンとシクロペンタジエンとから合成される6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの多環式オレフィンが例示できる。
また、環状オレフィンは、置換基{例えば、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基などのC1−10アルキル基、好ましくはC1−5アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基)、アルケニル基(例えば、プロペニル基などのC2−10アルケニル基など)、シクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC5−10シクロアルケニル基など)、アルキリデン基(例えば、エチリデン基などのC2−10アルキリデン基、好ましくはC2−5アルキリデン基など)など]、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1−10アルコキシ基、好ましくはC1−6アルコキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC2−5アシル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−10アルコキシ−カルボニル基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基(=O)、複素環基(ピリジル基などの窒素原子含有複素環基など)など}を有していてもよい。環状オレフィンは、単独で又は2種以上組みあわせて置換基を有していてもよい。
具体的な環状オレフィンとしては、単環式オレフィン類[例えば、シクロアルケン(例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのシクロC3−10アルケンなど)など、シクロアルカジエン(例えば、シクロペンタジエンなどのシクロC3−10アルカジエン)など];二環式オレフィン類{例えば、ビシクロアルケン[例えば、ノルボルネン類(例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5又は5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,6−ジメトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,6−ジ(トリフルオロメチル)−2−ノルボルネン、7−オキソ−2−ノルボルネンなど)などのC4−20ビシクロアルケンなど]、ビシクロアルカジエン[例えば、ノルボルナジエン類(例えば、2,5−ノルボルナジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−シアノ−2,5−ノルボルナジエン、5−メトキシカルボニル−2,5−ノルボルナジエン、5−フェニル−2,5−ノルボルナジエン、5,6−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、5,6−ジ(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエン、7−オキソ−2−ノルボルナジエンなど)など]など}、三環式オレフィン{例えば、トリシクロアルケン[例えば、ジヒドロジシクロペンタジエン類(ジヒドロジシクロペンタジエンなど)などのC6−25トリシクロアルケンなど]、トリシクロアルカジエン[例えば、ジシクロペンタジエン類(ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエンなど)、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエンなどのC6−25トリシクロアルカジエンなど]など}、四環以上の多環式オレフィン{例えば、四環式オレフィン[例えば、テトラシクロアルケン(例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどのC8−30テトラシクロアルケンなど)など]、五環式オレフィン[例えば、ペンタシクロアルカジエン(例えば、トリシクロペンタジエンなどのC10−35ペンタシクロアルカジエン)など]、六環式オレフィン[例えば、ヘキサシクロアルケン(例えば、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンなどのC12−40ヘキサシクロアルケン)など]など}などの多環式オレフィン類などが挙げられる。
これらの環状オレフィンは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのうち、ノルボルネン類などの多環式オレフィンが好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンの単独又は共重合体(例えば、単環式オレフィンと多環式オレフィンとの共重合体など)であってもよく、環状オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。
共重合性単量体としては、共重合可能な限り特に限定されないが、鎖状オレフィン[アルケン(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのC2−20アルケン)、アルカジエン(例えば、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役C5−20アルカジエン)など]などが例示できる。これらの共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。共重合性単量体は、α−オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどのC2−10α−オレフィン類、特にC2−6α−オレフィン類)であってもよい。
さらに、本発明の目的を損なわない範囲内で、共重合性単量体として、重合性ニトリル化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸など)、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、共役ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などを用いてもよい。これらの共重合性単量体も単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
環状ポリオレフィン系共重合体において共重合性単量体(例えば、エチレンなどのα−オレフィン類)の割合は、全単量体中0〜99モル%程度の範囲から選択でき、例えば、1〜95モル%、好ましくは10〜90モル%、さらに好ましくは20〜90モル%(特に30〜85モル%)程度であってもよい。特に、共重合性単量体がエチレンである場合、エチレンの割合は、外観特性や機械的特性などのバランスに優れる点から、例えば、35〜80モル%、好ましくは40〜70モル%程度であってもよい。
好ましい環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体や、多環式オレフィン(例えば、二乃至六環式オレフィンなど)を重合成分とする樹脂、特に、多環式オレフィン(前記ノルボルネン類や前記ジシクロペンタジエン類などのノルボルネン骨格を有する単量体)とα−オレフィンとの共重合体である。特に、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体(例えば、エチレンとノルボルネン系単量体との共重合体などのα−C2−4オレフィンと多環式オレフィンとの共重合体など)は、オレフィン系重合体(エチレン系重合体など)と環状オレフィン重合体との性質を兼ね備えており、鎖状オレフィンの共重合比率を調整することにより、高分子量の重合体を得ることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂の軟化点は、70℃以上であればよく、例えば、80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは120〜220℃(特に130〜210℃)程度である。なお、軟化点は、ガラス転移点、共重合成分の割合、分子量などを調整して制御することができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、数平均分子量10000を超える高分子量環状オレフィン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂(A1)の数平均分子量は、例えば、15000〜200000、好ましくは20000〜100000、さらに好ましくは30000〜80000(特に40000〜70000)程度である。
環状ポリオレフィン系樹脂は、付加重合により得られた樹脂であってもよく、開環重合(開環メタセシス重合など)により得られた樹脂であってもよい。また、環状ポリオレフィン系樹脂(例えば、開環メタセシス重合により得られた樹脂など)は、水素添加された水添樹脂であってもよい。また、環状オレフィン系樹脂は、結晶性又は非晶性樹脂であってもよく、通常、非晶性樹脂であってもよい。なお、環状オレフィン系樹脂は、慣用の重合方法(例えば、チーグラー型触媒を用いた付加重合、メタロセン系触媒を用いた付加重合、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合など)により調製してもよい。
環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層にも、前記接着用樹脂組成物の項で例示された慣用の添加剤が含まれていてもよい。
(他の熱可塑性樹脂で構成された層)
前記他の熱可塑性樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、前記環状オレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂などが例示できる。さらに、他の熱可塑性樹脂は、光学用途に使用する場合など、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂(例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6やポリアミド12などの脂肪族ポリアミド、MXD6などの芳香族ポリアミドなど)などであってもよい。これらの熱可塑性樹脂の中でも、透明性などの点から、アクリル系樹脂、特にポリメタクリル酸メチル系樹脂が好ましい。
ポリメタクリル酸メチル系樹脂は、例えば、メタクリル酸メチル単位を主成分として含有していればよく、他の共重合性単量体を含有していてもよい。
他の共重合性単量体としては、例えば、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体[例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸など]、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸エステル類など]、シアン化ビニル系単量体[例えば、(メタ)アクリロニトリルなど]、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、共役ジエン類(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)、芳香族ビニル系単量体(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなど)、マレイミド類(例えば、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなど)などが挙げられる。これらの他の共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合性単量体のうち、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体、ブタジエンなどの共役ジエン類、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体などが好ましい。
ポリメタクリル酸メチル系樹脂において、メタクリル酸メチル単位の割合は、例えば、全単量体中10モル%以上(例えば、10〜100モル%)、好ましくは50モル%以上(例えば、50〜99.9モル%)、さらに好ましくは80モル%以上(例えば、80〜99.5モル%)、特に90モル%以上(例えば、90〜99モル%)であってもよい。
ポリメタクリル酸メチル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)、メタクリル酸メチル変性ABS樹脂(透明ABS樹脂)、メタクリル酸変性アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂(メタクリル酸変性AAS樹脂)などが挙げられる。これらのポリメタクリル酸メチル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリメタクリル酸メチル系樹脂のうち、透明性などの点から、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、メタクリル酸メチル含量が50モル%以上(例えば、50〜80モル%程度)のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)などが好ましい。
他の熱可塑性樹脂で構成された層にも、前記接着用樹脂組成物の項で例示された慣用の添加剤が含まれていてもよい。
両層を構成する樹脂のうち、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、他の熱可塑性樹脂(特にポリメタクリル酸メチル系樹脂)のガラス転移温度以上であるのが好ましく、例えば、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が、他の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも5〜100℃(好ましくは10〜50℃)程度高いのが好ましい。
[積層シート]
本発明の積層シートは、前記環状オレフィン系樹脂で構成された表層が、前記他の熱可塑性樹脂で構成された基材層の少なくとも一方の面に、前記接着性樹脂組成物で構成された接着層を介して形成されている。本発明の積層シートは、前記接着層を介した前記表層と基材層とが含まれていればよく、前記基材層と前記表層との積層シート、前記基材層の両面に前記表層が形成された積層シート、前記表層の両面に前記基材層が形成された積層シート、前記基材層と前記表層とが交互に4層形成された積層シートなどであってもよい。特に、他の熱可塑性樹脂がポリメタクリル酸メチル系樹脂などの透明性が高い樹脂である場合、本発明の積層シートは、光学用途、特に、光拡散シートして好ましい。光拡散シートは、特に、環状オレフィン系樹脂で構成された基材層として、この基材層(光拡散層)の両面に、他の熱可塑性樹脂で構成された表層(保護層)を形成してもよい。さらに、本発明の積層シートは、目的を損なわない範囲(例えば、光拡散シートの場合、透明性を損なわない範囲)で、他の樹脂(例えば、ゴム弾性成分など)や無機成分などで構成された層を積層してもよい。
基材層及び表層の厚みは、用途に応じて、例えば、0.005〜20mm程度の範囲から選択でき、例えば、0.01〜15mm、好ましくは0.02〜10mm、さらに好ましくは0.03〜5mm(特に0.05〜3mm)程度である。
なお、基材層の両面に表層を形成した光拡散シートの場合、基材層(光拡散層)の厚みは、例えば、0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mm、さらに好ましくは0.5〜5mm(特に1〜3mm)程度である。光拡散層の厚みが小さすぎると、十分な光拡散性を有するために、光拡散剤の含有量が多くなり過ぎ、共押出成形が困難となる傾向があり、また全面に亘って均一な光拡散性を有するシートを得るのが困難となる傾向にある。一方、厚みが大きすぎると、投射される画像が不鮮明になり易い。
表層(保護層)の厚みは、例えば、0.005〜0.5mm、好ましくは0.01〜0.4mm、さらに好ましくは0.03〜0.3mm(特に0.05〜0.2mm)程度である。保護層の厚みが小さすぎると、映像に深みが感じられない傾向にある。また、厚みが大きすぎると、それに見合った効果が得にくく、経済的に不利であるばかりか、共押出成形による生産性が低下する傾向にある。光拡散層の両面に形成される各保護層の厚みは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよいが、反り防止の観点から、互いに同一であるのが好ましい。さらに、各保護層を構成する樹脂の種類も、互いに異なっていてもよいが、同様の理由から、互いに同種であるのが好ましい。
接着層の厚みは、例えば、例えば、0.005〜3mm程度の範囲から選択でき、例えば、0.01〜2mm、好ましくは0.02〜1mm、さらに好ましくは0.03〜0.5mm(特に0.04〜0.1mm)程度である。
この積層シート(特に、他の熱可塑性樹脂で構成された層として、ポリメタクリル酸メチル系樹脂で構成された層を用いた場合)は、透明性が高く、例えば、内部ヘイズ(層の内部で散乱を引き起こす内部ヘイズ)は、例えば、20%以下(例えば、0.01〜10%)、好ましくは15%以下(例えば、0.1〜15%)、さらに好ましくは10%以下(例えば、0.5〜10%)であってもよい。
なお、内部ヘイズは、例えば、予め、所定の光路長(例えば1cm)のセル中にホワイトオイル(エクソンモービル社製、商品名「クリストールJ−352」など)やエチレングリコールなどを充填してヘイズを測定しておき、このセル中にフィルムを浸漬しヘイズを測定し、両者の差を算出することにより求めることができる。
光拡散シートとして使用される場合、異なる樹脂成分を組み合わせて光拡散層を形成してもよいが、通常、基材層及び/又は表層(特に基材層)に光拡散剤が配合される。特に、基材層に光拡散剤を配合して、その両面に表層(保護層)を共押出で形成すると、基材層が保護層に挟まれた状態で共押出しされるので、光拡散剤による表面の荒れが抑制される。
光拡散剤としては、通常、透明樹脂(基材層に配合される場合は、環状オレフィン系樹脂)とは屈折率が異なる粒子が用いられる。具体的には、透明樹脂の屈折率(n1)と光拡散剤の屈折率(n2)との差(Δn=|n1−n2|)は、光拡散性と透過性とのバランスの点から、例えば、0.02以上(例えば、0.02〜0.2、好ましくは0.03〜0.15程度)であるのが、光を十分に拡散できる点で好ましい。
光拡散剤は、粒状の無機又は有機化合物で構成された無機又は有機系光拡散剤であり、その平均粒子径は、通常、1〜100μm、好ましくは2〜50μm、さらに好ましくは3〜30μm程度である。平均粒子径が小さすぎると、可視光の散乱が過度になり、一方、大きすぎると、拡散のための使用量が多くなる傾向があり、シートの機械的強度も低下する。
無機系光拡散剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、硝子、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの無機系光拡散剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機系光拡散剤は、脂肪酸などの有機成分で表面処理されていてもよい。
有機系光拡散剤としては、例えば、芳香族ビニル系重合体粒子(架橋ポリスチレン粒子など)、アクリル系重合体粒子(架橋ポリメタクリル酸メチル粒子など)、シロキサン系重合体粒子などが挙げられる。これらの有機系光拡散剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機系光拡散剤の重量平均分子量は、例えば、高分子量であるのが好ましく、例えば、50万〜500万、好ましくは100万〜400万程度である。さらに、架橋重合体粒子が好ましく、例えば、アセトンに溶解させたときのゲル分率は、10%以上(例えば、10〜60%)、好ましくは15〜50%程度である。
芳香族ビニル系重合体粒子としては、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体を全単量体中50モル%以上含有している重合体粒子が好ましい。スチレンなどの芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、前記他の熱可塑性樹脂で構成された層におけるポリメタクリル酸メチル系樹脂の項で例示された共重合性単量体などが挙げられる。さらに、芳香族ビニル系重合体粒子は、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に2個以上有する多官能単量体を共重合させて得られる架橋重合体粒子であるのが好ましい。
多官能性単量体としては、例えば、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートのような多価アルコール類のメタクリル酸エステル類、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートのような多価アルコール類のアクリル散エステル類、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートのような芳香族多官能単量体などが挙げられる。この多官能性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
スチレン系重合体粒子の屈折率は、単量体単位の成分、組成比などにもよるが、通常、1.53〜1.61、好ましくは1.55〜1.6程度である。
アクリル系重合体粒子としては、他の熱可塑性樹脂で構成された層におけるポリメタクリル酸メチル樹脂の項で例示された(メタ)アクリル系単量体(特に、メタクリル酸メチル)を全単量体中50モル%以上含有している重合体粒子が好ましい。(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な単量体としては、前記他の熱可塑性樹脂で構成された層におけるポリメタクリル酸メチル系樹脂の項で例示された芳香族ビニル系単量体や、シアン化ビニル系単量体などが挙げられる。さらに、アクリル系重合体粒子も、前記多官能単量体を共重合させて得られる架橋重合体粒子であるのが好ましい。
アクリル系重合体粒子の屈折率は、単量体単位の種類、組成比などにもよるが、通常、1.46〜1.55、好ましくは1.48〜1.53程度である。
シロキサン系重合体粒子には、常温で固体状のシリコーンゴム粒子やシリコーン樹脂粒子が含まれる。シロキサン系重合体は、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシランなどのクロロシラン類を加水分解、縮合して得られる重合体であってもよい。この重合体は、さらに過酸化ベンゾイル、過酸化−2,4−ジクロルベンゾイル、過酸化−p−クロルベンゾイル、過酸化ジキュミル、過酸化ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどの過酸化物を作用させることにより架橋させてもよく、末端にシラノール基を有している場合には、アルコキシシラン類などと縮合架橋させてもよい。このような重合体の中でも、珪素原子1個あたりに有機基が2〜3個結合した架橋重合体が好ましい。
シロキサン系重合体粒子は、例えば、特開昭59−68333号公報や特開昭60−13813号公報に記載の方法で得られた球状粒子であってもよい。
シロキサン系重合体粒子の屈折率は、単量体単位の種類、組成比などにもよるが、通常、1.4〜1.47、好ましくは1.41〜1.45程度である。
光拡散剤の割合は、透明樹脂との屈折率の差(Δn)、光拡散剤の平均粒子径、層の厚みなどを勘案して、目的とする光拡散性に応じて適宜選択されるが、透明樹脂(基材層に配合された場合には環状オレフィン系樹脂)100重量部に対して、例えば、0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部程度である。
[積層シートの製造方法]
本発明の積層シートは、慣用の成形法(例えば、押出成形法、射出成形法など)により、予め別個に形成されたシートを、前記接着用樹脂組成物を用いてラミネートしてもよいが、簡便性及び生産性の点から、接着用樹脂組成物と共に共押出により製造するのが好ましい。
共押出成形により本発明の積層シートを製造する方法としては、例えば、基材層を構成する樹脂成分と、接着層を構成する接着用樹脂組成物と、表層を構成する樹脂成分とを、それぞれ加熱して溶融し、共押出成形用ダイから共押出しする方法が利用できる。
加熱溶融方法としては、通常の共押出成形と同様に、成分の数に応じて、複数基の押出機を用いて、前記各成分をそれぞれ加熱して溶融する方法が挙げられる。押出機としては、一軸押出機、二軸押出機などが用いられる。複数基の押出機でそれぞれ別個に溶融された各成分は、共押出成形用ダイに送られるが、光拡散剤を配合する場合は、予め樹脂成分に光拡散剤を分散させてから押出機に投入してもよく、押出機に樹脂成分と光拡散剤とを別個に投入して溶融してもよい。光拡散剤と樹脂成分とは、ダイに送られる前に、樹脂成分が溶融状態となっていればよい。さらに、他の添加剤が配合される場合も、他の添加剤は、樹脂成分および光拡散剤と共に押出機に投入してもよい。
共押出成形用ダイとしては、通常の積層シートを製造するために用いられるTダイ、コートハンガーダイなどが用いられ、具体的には、フィードブロックダイ、マルチマニホールドダイなどが用いられる。光拡散シートの場合、例えば、基材層の両面に表層が積層されるように、共押出成形用ダイから共押出ししてもよい。
共押出法において、接着層を構成する接着性樹脂組成物のメルトフローレートと、表層又は基材層を構成する樹脂成分のメルトフローレートとは、その差が大きすぎないのが好ましい。接着層を構成する接着性樹脂組成物のメルトフローレートは、表層を構成する環状オレフィン系樹脂のメルトフローレートに対して、例えば、0.1〜10倍、好ましくは0.2〜8倍、さらに好ましくは0.3〜5倍程度である。接着層を構成する接着性樹脂組成物のメルトフローレートは、基材層を構成する他の熱可塑性樹脂のメルトフローレートに対しても、例えば、0.1〜10倍、好ましくは0.2〜8倍、さらに好ましくは0.3〜5倍程度である。
このようにして積層されたシートは、通常、両面から、少なくとも一対の冷却ロールに挟み込んで冷却される。さらに、積層されたシートは、共押出による積層後、テンター法、インフレーション法、ブロー成形法などによって延伸して薄肉化してもよい。特に、本発明では、共押出により接着強度の高い積層シートを簡便に得ることができるとともに、延伸後においても層間接着強度が高い。
本発明の積層シートの表面は、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理などによって、表面処理してもよい。
本発明の接着用樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層と、他の熱可塑性樹脂(特にポリメタクリル酸メチル系樹脂)で構成された層とを強固に接着できるため、この接着用樹脂組成物を用いた積層シートは、透明性、耐薬品性、防湿性、機械的特性などに優れるため、光学部品(カメラやビデオなどの光学部品、レンズ、パネル、光記録材料など)、電気又は電子用部品(コネクター、フィルム状コンデンサ、絶縁部材(絶縁層)、半導体用備品又は包装材料など)、医薬又は医療機器用品(薬品用容器、注射器、血液検査用セル、集尿ビン、ビーカー、シリンダー、シリンジなど)、実験器具(光学用セル、光学用機器、ビーカー、フラスコなど)、容器又は包装材料(食品や薬品などのブリスターパッケージ、シュリンクフィルム、飲料用タンク、化粧品容器用キャップなど)などとして利用できる。
さらに、他の熱可塑性樹脂として、ポリメタクリル酸メチル系樹脂などの透明性樹脂を用いた場合には、透明性に優れるため、光学用途、例えば、カメラやビデオなどの光学部品、光拡散シート(例えば、パーソナルコンピューター、液晶テレビ、携帯電話、時計、電卓などの電気製品の表示部に用いられる光拡散シートなど)などとして幅広く利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた基材層及び表層の樹脂、接着用樹脂組成物又は接着成分、及びそれらの配合は以下の通りであり、評価項目は以下の方法で測定した。
[基材層及び表層の樹脂]
アクリル系樹脂:三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペットVH5」
環状オレフィン系樹脂:Topas Advanced Polymers GmbH社製、商品名「TOPAS6013」、数平均分子量47000、熱変形温度206℃、ガラス転移温度130℃、密度1.02。
[接着用樹脂組成物及びその成分]
接着剤A:三井化学(株)製、商品名「アドマーSF731」、ビカット軟化点43℃、密度0.88g/cm、MFR(190℃)2.6g/10分
接着剤B:三井化学(株)製、商品名「アドマーSE800」、ビカット軟化点59℃、密度0.9g/cm、MFR(190℃)4.4g/10分
接着剤C:三菱化学(株)製、商品名「モディックF502」、融点70℃、ビカット軟化点56℃、密度0.91g/cm、MFR(190℃)1g/10分
接着剤D:三菱化学(株)製、商品名「モディックF515A」、融点124℃、ビカット軟化点56℃、密度0.9g/cm、MFR(190℃)6g/10分
接着剤E:三菱化学(株)製、商品名「モディックF534A」、融点120℃、ビカット軟化点55℃、密度0.9g/cm、MFR(190℃)3.5g/10分。
接着剤F:住友3M(株)製、商品名「THV220G」
接着剤G:呉羽化学(株)製、商品名「KF1000」
接着剤H:三菱化学(株)製、商品名「モディックL112A」、融点111℃、ビカット軟化点95℃、密度0.92g/cm、MFR(190℃)1g/10分
接着剤I:住友化学(株)製、商品名「アクリフトWH206」、融点86℃、ビカット軟化点60℃、密度0.93g/cm、MFR(190℃)2g/10分
接着剤J:住友化学(株)製、商品名「ボンダインLX4110」
接着剤K:三菱化学(株)製、商品名「モディックL553」、融点118℃、ビカット軟化点84℃、密度0.92g/cm、MFR(190℃)1.4g/10分
接着剤L:住友化学(株)製、商品名「ボンドファストE」、融点103℃、ビカット軟化点75℃、密度0.94g/cm、MFR(190℃)3g/10分
接着剤M:日本油脂(株)製、商品名「モディパーA5200」、ビカット軟化点59℃、MFR(190℃)3.4g/10分
接着剤N:日本油脂(株)製、商品名「モディパーA4200」、MFR(190℃)0.1g/10分。
変性PE−A:無水マレイン酸変性ポリエチレン(無水マレイン酸含量10重量%)、MFR(190℃)6.1g/10分
変性PE−B:無水マレイン酸変性ポリエチレン(無水マレイン酸含量5重量%)、MFR(190℃)3.2g/10分
変性PE−C:無水マレイン酸変性ポリエチレン(無水マレイン酸含量1重量%)、MFR(190℃)1.2g/10分
接着剤O:三菱化学(株)製、商品名「LF480M」
接着剤P:日本ユニカー(株)製、商品名「NUC6220」
石油樹脂:荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンP」
テルペン樹脂:安原油脂(株)製、商品名「クリアロン」。
これらの接着用樹脂組成物及び接着成分の配合例を以下の表1に示す。
Figure 2008001760
[接着性]
(手剥がしの感触)
得られた積層シートを、25mm巾×20cm長さにカットした試験片を上記剥離面において、手で剥がしたときの剥がれ難さを下記官能評価で評価した。
○:基材層(アクリル層)が破断し、きれいに剥がせない
△:多少抵抗を感じながら剥がせる
×:抵抗なしに剥がせる。
(剥離強度)
測定方法はISO 8510−2「接着材−剥離接着強さ試験方法:181度剥離」(試験片サイズ:25mm巾×20cm長さ、引張速度:100mm/分)に順じて測定した。
[加工性(端部のめくれ)]
得られた積層シートを、縦50mm×横100mmの打抜き器で打抜いたときの端部のめくれ具合を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:端部のめくれ無し
△:四角のみめくれ有り
×:端部のめくれ有り。
(透明性)
ISO 14782「プラスチック−透明性材料のヘーズの求め方」に順じて、内部ヘイズを測定した。
(メルトフローレート)
表層に対する接着層のMFRの比、基材層に対する接着層のMFRの比を、JIS K7210に従って測定した。
実施例1
基材層を構成する樹脂として、アクリル系樹脂を用い、表層を構成する樹脂として、環状オレフィン系樹脂を用い、かつ接着層を構成する樹脂組成物として、配合1の接着用樹脂組成物を用いて、アクリル系樹脂及び環状オレフィン系樹脂は、直径40mmφ押出機により、接着用樹脂組成物のペレットは直径32mmφ押出機により、それぞれ220℃で溶融混練し、共押出で積層シート(接着層を介して、基材層と表層とが積層され、厚み比が、基材層/接着層/表層=0.1mm/0.05mm/0.1mmである積層シート)を成形した。ダイは420mm幅のコートハンガーダイを用いた。得られた積層シートを用いて、接着性、透明性、加工性の評価を行った。結果を表2に示す。さらに、この実施例で用いた配合1の接着用樹脂組成物を、JIS K7121に準じて、DSCを用いて昇温速度20℃/分で測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図1に示す。図1において、3本のチャートのうち、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
実施例2
接着層を構成する樹脂組成物として、配合2の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。さらに、この実施例で用いた配合2の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図2に示す。図2においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
実施例3
接着層を構成する樹脂組成物として、配合3の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。さらに、この実施例で用いた配合3の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図3に示す。図3においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
実施例4
接着層を構成する樹脂組成物として、配合4の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。
実施例5
接着層を構成する樹脂組成物として、配合5の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。さらに、この実施例で用いた配合4の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図4に示す。図4においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
実施例6〜14
接着層を構成する樹脂組成物として、表2に示すように、配合6〜8、18〜23の接着用樹脂組成物をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。
比較例1
接着層を構成する樹脂組成物として、配合9の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。なお、積層シートの剥離は、接着層と基材層(アクリル層)との界面で発生した。さらに、この比較例で用いた配合9の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図5に示す。図5においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
比較例2
接着層を構成する樹脂組成物として、配合10の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。なお、積層シートの剥離は、接着層と基材層(アクリル層)との界面で発生した。さらに、この比較例で用いた配合10の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図6に示す。図6においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
比較例3
接着層を構成する樹脂組成物として、配合11の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。なお、積層シートの剥離は、接着層と基材層(アクリル層)との界面で発生した。さらに、この比較例で用いた配合11の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図7に示す。図7においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
比較例4
接着層を構成する樹脂組成物として、配合12の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。なお、積層シートの剥離は、接着層と基材層(アクリル層)との界面で発生した。さらに、この実施例で用いた配合12の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図8に示す。図8においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
比較例5
接着層を構成する樹脂組成物として、配合13の接着用樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。なお、積層シートの剥離は、接着層と基材層(アクリル層)との界面で発生した。さらに、この比較例で用いた配合13の接着用樹脂組成物を、DSCで測定したときの吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)を図9に示す。図9においても、最下部にあるチャートがセカンド・ヒーティングを示す。
比較例6〜11
接着層を構成する樹脂組成物として、表2に示すように、配合14〜17、24〜25の接着用樹脂組成物をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。結果を表2に示す。
Figure 2008001760
表2の結果から明らかなように、本発明の接着用樹脂組成物を用いた積層シートは、剥離が発生しておらず、また、いずれも剥離強度が500gf/25mm以上の高い値を示している。さらに、打ち抜き加工しても端部でめくれが発生していないため、カッティング加工における生産性が高い。さらに、内部ヘイズは、いずれも10%以下であり、高い透明性を示している。これに対して、比較例の積層シートでは、剥離が生じ、加工性も低い。
図1は、実施例1で用いた本発明の接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図2は、実施例2で用いた本発明の接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図3は、実施例3で用いた本発明の接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図4は、実施例5で用いた本発明の接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図5は、比較例1で用いた接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図6は、比較例2で用いた接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図7は、比較例3で用いた接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図8は、比較例4で用いた接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。 図9は、比較例5で用いた接着用樹脂組成物をDSCで測定したときの吸熱曲線(チャート)である。

Claims (13)

  1. 環状ポリオレフィン系樹脂で構成された層と、他の熱可塑性樹脂で構成された層とを接着するための接着性樹脂組成物であって、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度20℃/分で測定したとき、吸熱曲線(セカンド・ヒーティング)における融解開始温度が−20℃〜+50℃の範囲に存在し、かつ前記吸熱曲線における融解終了温度が70〜100℃の範囲に存在する粘着成分(A)、及び前記吸熱曲線における融解ピークの半値幅が20℃以下であるポリオレフィン系樹脂(B)で構成されている接着性樹脂組成物。
  2. 粘着成分(A)が、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、エチレン系共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、及び熱可塑性エラストマーからなる群から選択された少なくとも一種である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリオレフィン系樹脂(B)が、酸変性されていてもよいポリオレフィン系樹脂であり、かつその融点が70〜170℃であり、190℃におけるメルトフローレートが0.1〜20g/10分であり、かつ密度が0.87〜1g/cmである請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 粘着成分(A)とポリオレフィン系樹脂(B)との割合(重量比)が、粘着成分(A)/ポリオレフィン系樹脂(B)=0.1/99.9〜80/20である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 環状ポリオレフィン系樹脂が、多環式オレフィンを含む重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 他の熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 他の熱可塑性樹脂がポリメタクリル酸メチル系樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  8. 環状オレフィン系樹脂で構成された表層が、他の熱可塑性樹脂で構成された基材層の少なくとも一方の面に、請求項1記載の樹脂組成物で構成された接着層を介して形成されている積層シート。
  9. 共押出により得られ、かつ接着層を構成する接着性樹脂組成物のメルトフローレートが、表層を構成する環状オレフィン系樹脂及び基材層を構成する熱可塑性樹脂のいずれのメルトフローレートに対しても0.1〜10倍である請求項8記載の積層シート。
  10. 基材層の両面に表層が形成されている請求項8記載の積層シート。
  11. 内部ヘイズが10%以下である請求項8記載の積層シート。
  12. 光拡散シートである請求項8記載の積層シート。
  13. 環状オレフィン系樹脂と請求項1記載の樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出して請求項8記載の積層シートを製造する方法。
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