JP2008001126A - タイヤの摩擦状態判定装置、自動車及びタイヤの摩擦状態判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの摩擦状態の判定精度を高くする。
【解決手段】車両は、高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出した場合(ステップS12)、該遷移の検出時点以後の摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて(ステップS13〜ステップS17)、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する(ステップS18)。
【選択図】図6

Description

本発明は、路面とタイヤとの間の摩擦状態を判定するタイヤの摩擦状態判定装置、自動車及びタイヤの摩擦状態判定方法に関する。
従来、車両の制動性能を向上させるため、制動制御装置としてABS(Anti-lock Brake System)装置が用いられている。
従来のABS装置では、タイヤのスリップ率Sと制動摩擦係数μとの関係に基づき、制動摩擦係数μがより大きくなる領域で制動が行われるよう制御している。
具体的には、スリップ率Sと制動摩擦係数μとの関係において、安定領域ではスリップ率Sの増加と共に制動摩擦係数μが増加し、スリップ率Sがスリップ率限界値Spよりも大となる領域では、スリップ率Sの増加とともに制動摩擦係数μが減少するという特性に鑑み、従来のABS装置では、スリップ率Sを監視し、スリップ率Sがスリップ率限界値Spを超過しないように、ブレーキ液圧(制動液圧)を減圧制御している。これにより、従来のABS装置では、運転者が急ブレーキをかけた場合に、スリップ率Sをスリップ率限界値Sp近傍に保持して、最短の停止距離とすることを目指している(以下、この方式に基づくABS装置を、スリップ率を用いたABS装置という。)。
ところが、スリップ率を用いたABS装置では、スリップ率Sや、それに基づくスリップ率限界値Spを取得する必要があるが、正確なスリップ率Skを取得することは困難である。即ち、スリップ率Skの算出には車体速度vを検出する必要があり、車輪速や前後Gセンサを用いて車体速度vを推定する現在の方法では、推定された車体速度vは一定の誤差を含んでいるため、正確なスリップ率Skを算出することが困難である。なお、より正確な車体速度vを検出する他の装置を備えると、コストが増大することとなり現実的でない。
また、車体速度vからスリップ率Sを算出する上記手法の場合、制動摩擦係数μがピークとなるスリップ率限界値Spについても、正確な値を取得することは困難であり、制動摩擦係数μkのピークが路面やタイヤの状況によって変動する状況下、これらに適応して、正確なスリップ率限界値Spを取得することはより困難である。
このように、スリップ率Sやスリップ率限界値Spを正確に取得することができない結果、タイヤの不安定状態を適確に判定できず、目標とする制動性能に対し、実際の制動性能が低下することとなる。
そこで、非特許文献1記載の技術では、タイヤが発生する制動力をセンシングし、そのセンシング情報を利用することで、スリップ率を用いたABS装置より高い制動性能を実現することとしている。具体的には、非特許文献1記載の技術においては、測定した制動力と、車輪速の振る舞いを監視し、制動力から算出される制動摩擦係数μと車輪速(車輪角速度)ωそれぞれの変化率((d/dt)μ、(d/dt)ω)がゼロ未満となるか否かに基づいて、タイヤの不安定状態を判定している。具体的には、制動摩擦係数μの変化率(d/dt)μがゼロ未満であり((d/dt)μ<0)、かつ車輪速ωの変化率(d/dt)ωがゼロ未満の場合((d/dt)ω<0)、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する。
このような手法によれば、タイヤの不安定状態の判定にスリップ率Sを用いないため、スリップ率Sの推定誤差の影響を受けず、そのため目標に対し、実際の制動性能が低下する程度を減少させることができる。
増田 洋司、鎌田 宗義、藤田 隆司,「路面とタイヤ間に作用する力の計測によるABS制御」,学術講演会前刷集,自動車技術会,2005年5月18日,No76−05,p15−18
しかしながら、一般的に車輪速ωや制動摩擦係数μは、増加傾向又は減少傾向にある場合でも、局所的に増減(局所変動)する場合がある。これは、車輪速ωや制動摩擦係数μを検出するためのセンサがノイズを含むことや路面表面が局所で異なることなどが影響していると考えられる。
このような局所的に増減する車輪速ωや制動摩擦係数μに基づき、非特許文献1に記載の手法によってタイヤの摩擦状態を判定してしまうと、タイヤの摩擦状態が不安定であるのにもかかわらず、タイヤの摩擦状態が安定していると判定してしまい、タイヤの摩擦状態を誤判定してしまう場合がある。
本発明の課題は、タイヤの摩擦状態の判定精度を高くすることである。
前記課題を解決するために、本発明に係るタイヤの摩擦状態判定装置は、
タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出手段と、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出手段と、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出した時点以後に、摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することで、低摩擦状態への遷移直後の局所変動を含む摩擦状態の変化に影響されることなく該摩擦状態の不安定判定を行えるタイヤの摩擦状態判定装置とすることができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両の構成を示す。
図1に示すように、車両は、ブレーキペダル1、マスタシリンダ2、ブレーキペダル1とマスタシリンダ2とを繋ぐリンク3、ABSアクチュエータ4、油圧配管5、タイヤ6、ブレーキディスク7及びブレーキキャリパ8を備えている。
図2は、車両における車輪付近の構成を示す。
図2に示すように、車両は、ホイール11、アクスル12、ブレーキシュー13、アクスルハウジング14、ベアリング15、車輪速センサ16及びブレーキトルクセンサ17を備えている。車輪速センサ16及びブレーキトルクセンサ17の検出値は、プロセッサ(演算処理部)18に入力され、プロセッサ18の演算値(制御信号)は、ABSアクチュエータ4に入力される。
ブレーキペダル1は、リンク3によりマスタシリンダ2に接続されている。ブレーキペダル1への運転者の踏力は、リンク3を介してマスタシリンダ2に伝達されて、ここで増幅されて、油圧を発生し、発生した油圧(制動液圧)が油圧配管5を経由してブレーキキャリパ8の油圧室(以下、キャリパ油圧室という。)に伝達される。
タイヤ6、ホイール11、アクスル12及びブレーキディスク7は一体となって回転する。ここで、自動車の車体側に固定されているアクスルハウジング14とアクスル12との間にベアリング15が配置されている。
アクスルハウジング14の外周にブレーキキャリパ8に設けられており、ブレーキキャリパ8には、ブレーキディスク7を挟むようにブレーキシュー13が設けられている。ブレーキシュー13とブレーキディスク7との摩擦力は、キャリパ油圧室の油圧(以下、キャリパ液圧という。)により変化し、ブレーキトルクを変化させる。ブレーキトルクは、前記摩擦力にブレーキシュー13の有効半径を乗じた値になる。ブレーキトルクは、ブレーキトルクセンサ17により検出される。
ブレーキトルクセンサ17は、ブレーキキャリパ8とアクスルハウジング14とを結合する部材に加わる歪みを検出する。ブレーキトルクは、ブレーキキャリパ8とアクスルハウジング14とを結合する部材に歪みを生じさせるから、この現象を利用し、ブレーキトルクセンサ17(プロセッサ18)によりブレーキトルクを検出している。例えば、予めブレーキトルクと該歪み量との関係を調べておき、実際に検出した歪み量に基づいて、ブレーキトルクを推定する。
図3は、ブレーキトルクセンサ17の検出値(歪み量)とブレーキトルクとの関係を示す。例えば、プロセッサ18は、このような関係の特性図をテーブルとして図示しない記憶手段に保持し、このテーブルを用いて、ブレーキトルクセンサ17が実際に検出した歪み量に対応するブレーキトルクを推定する(同図中の点線の矢印で示す手順で推定する)。
車輪速センサ16は、装着された車輪の車輪速(又は車輪角速度)を検出している。車輪速センサ16は、その検出値をプロセッサ18に出力する。
プロセッサ18は、タイヤの摩擦状態の不安定判定を行う。タイヤの摩擦状態の不安定判定については後で詳述する。プロセッサ18によるタイヤの摩擦状態の判定結果に基づいて、ABSアクチュエータ4がブレーキキャリパ8の油圧を調整する。具体的には、ABSアクチュエータ4は、プロセッサ18がタイヤの摩擦状態が不安定であると判定した場合、マスタシリンダ2とキャリパ油圧室を繋ぐ油圧経路を遮断するとともに、キャリパ液圧を減圧する(減圧状態にする)。また、ABSアクチュエータ4は、プロセッサ18がタイヤの摩擦状態が安定であると判定した場合、マスタシリンダ2とキャリパ油圧室を連通させる状態、すなわち、キャリパ液圧をマスタシリンダ液圧にする状態にする(ノーマル状態にする)。
図4は、プロセッサ18の処理手順を示す。プロセッサ18は離散時間で処理を実行する。
図4に示すように、処理を開始すると、先ずステップS1において、プロセッサ18は、次のように制動摩擦係数を算出する。
先ず、プロセッサ18は、ブレーキトルクセンサ17により検出したブレーキトルク及び車輪速センサ16により検出した車輪速に基づいて、制動力を推定する。
図5は、タイヤ6における、ブレーキトルクtb、車輪速(車輪角速度)ω、車体速度v及び制動力fxの関係を示す。この図5に示す関係があることで、タイヤ回転方向の運動方程式として、下記(1)式を得る。
I・(d/dt)ω=r・fx−tb ・・・(1)
ここで、rはタイヤ半径であり、Iはタイヤの回転慣性モーメントである。
そして、前記(1)式に基づいて、下記(2)式を得る。
fx=1/r・(I・(d/dt)ω+tb) ・・・(2)
ここで、タイヤ半径r、車輪速ω(車輪速センサ16の検出値)及びブレーキトルクtb(ブレーキトルクセンサ17の検出値)は、取得可能な情報であるから、(2)式により、制動力fxを算出できる。
そして、算出した制動力fxを用いて、下記(3)式により制動摩擦係数μを算出する。
μ=fx/W ・・・(3)
ここで、Wは輪荷重である。輪荷重Wは、静止状態での荷重配分から予め得られる定数で近似されたものや、前後Gにより荷重移動を考慮したものとすることができる。前後Gセンサで前後Gを推定することができ、4輪の制動力から前後Gを推定することもできる。
続いてステップS2において、プロセッサ18は、タイヤの摩擦状態の不安定判定を行う。
図6は、その処理手順を示す。プロセッサ18は、1サンプリング時間で図6に示す全処理(ステップS11→ステップS18又はステップS11→ステップS19)を実施する。
図6に示すように、処理を開始すると、先ずステップS11において、プロセッサ18は、不安定判定フラグflg_unstableを初期化しており、具体的には、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定する(flg_unstable=0)。不安定判定フラグflg_unstableが0であれば、タイヤの摩擦状態が安定していることを示し、不安定判定フラグflg_unstableが1であれば、タイヤの摩擦状態が不安定であることを示す。
続いてステップS12において、プロセッサ18は、前記ステップS1で算出した制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速センサ16から得られる車輪速ωが減少しているか否かを判定しており、具体的には、下記(4)式及び(5)式の両式を満たすか否かを判定する。
(d/dt)μ<0 ・・・(4)
(d/dt)ω<0 ・・・(5)
ここで、各値μ、ωの減少をその差分で判定することもできる。すなわち、今回のサンプリング値が前回のサンプリング値よりも小さい場合、減少していると判定する。また、各値μ、ωの減少を微分+ローパスフィルタで判定することもできる。微分+ローパスフィルタにより変化率の近似値が得られるから、その値が負である場合、減少していると判定する。
プロセッサ18は、制動摩擦係数μ及び車輪速ωが減少していると判定するまで、該ステップS12を実行し、制動摩擦係数μ及び車輪速ωが減少していると判定した場合、ステップS13に進む。
ステップS13では、プロセッサ18は、前記ステップS12を実行した際の制動摩擦係数μを記憶し(μ0=μ)、前記ステップS12を実行した際の車輪速ωを記憶する(ω0=ω)。さらに、プロセッサ18は、カウンタ値countをゼロに初期化する(count=0)。
続いてステップS14において、プロセッサ18は、前記ステップS12と同様に、制動摩擦係数μ及び車輪速ωが減少しているか否かを判定する。
ここで、プロセッサ18は、制動摩擦係数μ及び車輪速ωが減少している場合((d/dt)μ<0かつ(d/dt)ω<0)、ステップS15に進み、そうでない場合((d/dt)μ≧0又は(d/dt)ω≧0)、ステップS16に進む。
ステップS15では、プロセッサ18は、カウンタ値countをインクリメントする(count=count+1)。
続いてステップS17において、プロセッサ18は、カウンタ値countが所定値count0よりも大きいか否かを判定する。カウンタ値countは、前記ステップS14又はステップS16の条件が成立する継続期間を示すものとなるから、ステップS17では、その継続時間が所定値(所定時間)よりも大きいか否かを判定していることになる。プロセッサ18は、カウンタ値countが所定値count0よりも大きいと判定した場合(count>count0)、ステップS18に進み、そうでないと判定した場合(count≦count0)、ステップS18に進むことなく、前記ステップS14から再び処理を開始する。
ステップS18では、プロセッサ18は、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(flg_unstable=1)。すなわち、プロセッサ18は、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する。そして、プロセッサ18は、前記ステップS14から再び処理を開始する。
一方、前記ステップS14で制動摩擦係数μや車輪速ωが増加していると判定した場合に進むステップS16では、プロセッサ18は、制動摩擦係数μが前記ステップS13で得た記憶値μ0未満であり、かつ車輪速ωが前記ステップS13で得た記憶値ω0未満か否かを判定する。ここで、プロセッサ18は、制動摩擦係数μが記憶値μ0未満であり、かつ車輪速ωが記憶値ω0未満の場合(μ<μ0かつω<ω0)、前記ステップS15に進み、そうでない場合(μ≧μ0又はω≧ω0)、ステップS19に進む。
ステップS19では、プロセッサ18は、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定する(flg_unstable=0)。すなわち、プロセッサ18は、タイヤの摩擦状態が安定していると判定する。そして、プロセッサ18は、前記ステップS12から再び処理を開始する。
(動作)
次に動作を説明する。
車輪速センサ16及びブレーキトルクセンサ17の検出値がプロセッサ18に入力される。プロセッサ18は、車輪速センサ16及びブレーキトルクセンサ17により得た車輪速ω及びブレーキトルクtbに基づいて、制動力fxを算出し、その算出した制動力fxに基づいて、制動摩擦係数μを算出する(前記ステップS1)。
続いて、プロセッサ18は、次のようにタイヤの摩擦状態の不安定判定を行う(前記ステップS2)。
すなわち、プロセッサ18は、不安定判定フラグflg_unstableを初期化してから(前記ステップS11)、制動摩擦係数μ及び車輪速ωが減少していると判定したとき、すなわち、車輪速ωが減少傾向にある場合に、制動摩擦係数μが減少傾向に転じた場合、その時の制動摩擦係数μ及び車輪速ωを記憶する。これにより、その記憶値μ0,ω0はそれぞれ、制動摩擦係数μ及び車輪速ωが減少に転じた時点の値、すなわち制動摩擦係数μ及び車輪速ωのピーク値を示す。
また、プロセッサ18は、カウンタ値countをゼロに初期化するとともに(前記ステップS12の判定で“Yes”の場合、ステップS13)、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少している期間中、カウンタ値countをインクリメントしていき(前記ステップS14の判定で“Yes”の場合、ステップS15)、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(前記ステップS17の判定で“Yes”の場合、ステップS18)。
また、プロセッサ18は、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加する場合でも、制動摩擦係数μが記憶値μ0未満で、かつ車輪速ωが記憶値ω0未満の場合、カウンタ値countをインクリメントする(前記ステップS14の判定で“No”の場合、ステップS16の判定で“Yes”の場合、ステップS15)。なお、カウンタ値countをインクリメントしている期間中(カウンタ値countが所定値count0に達するまで)、不安定判定フラグflg_unstableは0に維持される。
一方、プロセッサ18は、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加し、かつ制動摩擦係数μが記憶値μ0以上になり、又は車輪速ωが記憶値ω0以上になる場合、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定する(前記ステップS14の判定で“No”の場合、ステップS16の判定で“No”の場合、ステップS19)。
そして、以上のようなプロセッサ18によるタイヤの摩擦状態の判定結果(不安定判定フラグflg_unstableの状態)に基づいて、ABSアクチュエータ4は、ブレーキキャリパ8の油圧を制御する。具体的には、ABSアクチュエータ4は、プロセッサ18がタイヤの摩擦状態が不安定である判定した場合(不安定判定フラグflg_unstable=1)、マスタシリンダ2とキャリパ油圧室を繋ぐ油圧経路を遮断するとともに、キャリパ液圧を減圧する(減圧状態にする)。また、ABSアクチュエータ4では、プロセッサ18がタイヤの摩擦状態が安定していると判定した場合(不安定判定フラグflg_unstable=0)、マスタシリンダ2とキャリパ油圧室を連通させる状態、すなわち、キャリパ液圧をマスタシリンダ液圧にする状態にする(ノーマル状態にする)。
(作用)
次に作用を説明する。
本実施形態では、車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少したとき、該減少期間中、カウンタ値countをインクリメントしていくとともに、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している。この作用について、図7を用いて説明する。
ここで、図7は、車輪速ω(同図(a))、制動摩擦係数μ(同図(b))、カウンタ値count(同図(c))及び不安定判定フラグflg_unstable(同図(d))の関係を示す。
同図(a)に示すように、車輪速ωが減少傾向を示す一方で、同図(b)に示すように、制動摩擦係数μが、大局的には増加傾向を示しながら、局所的には減少している(A点)。
ここで、従来の判定手法では、制動摩擦係数μが減少傾向((d/dt)μ<0)を示す場合(車輪速ωも減少していること((d/dt)ω<0)が前提)、タイヤの制動状態が不安定になっていると判定するので、図7に示すように制動摩擦係数μが増加傾向であれば、本来であればタイヤの摩擦状態が安定していると判定すべきところを、制動摩擦係数μの局所的な減少を検出したことで、タイヤの摩擦状態が不安定になっていると判定してしまい、誤判定してしまう場合があった。
これに対して、本実施形態では、車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少すると、該減少期間中、カウンタ値countをインクリメントしていくとともに、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定、すなわち、タイヤの摩擦状態が不安定になったと判定している。その一方で、カウンタ値countが所定値count0に達する前に、車輪速ωや制動摩擦係数μが増加傾向に転じ、かつ車輪速ωや該制動摩擦係数μが記憶値μ0以上になると、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定、すなわち、タイヤの摩擦状態が安定していると判定している。
これにより、制動摩擦係数μが大局的に増加傾向にある場合に局所的に減少すると(図7(b)のA点)、制動摩擦係数μについて記憶値μ0を得た後、カウンタ値countをインクリメントしていくようになる(図7(c))。しかし、制動摩擦係数μの減少が増加傾向中の局所的なものであるから、カウンタ値countが所定値count0に達する前に元の増加傾向に反転し、かつ制動摩擦係数μが記憶値μ0以上になると、不安定判定フラグflg_unstableが0に設定(維持)される(図7(d))、すなわちタイヤの摩擦状態が安定していると判定する(判定を維持する)。
すなわち、制動摩擦係数μが減少に転じた場合でも、該転じた時点から少なくとも所定期間内(count0)、タイヤの摩擦状態を不安定判定しないこととし、その一方で、所定期間内に制動摩擦係数μが該転じた時点の制動摩擦係数μ以上になった場合に、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定することで、制動摩擦係数μの局所的な変動(ここでは主に減少する変動)を排除して、制動摩擦係数μの増加傾向に基づいて、タイヤの摩擦状態を判定している。言い換えれば、制動摩擦係数μの変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となれば、タイヤの摩擦状態が不安定であるとの判定をする。
これにより、本実施形態では、大局的に増加傾向している最中の局所的な制動摩擦係数μの減少によりタイヤの摩擦状態が不安定になっていると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できるようになる。
また、このようなことから、制動摩擦係数μが増加傾向にある場合に局所的な減少を示す期間(図7(c)のcount1に相当)を経験値や実験値等により取得して、取得した期間に基づいて、所定値count0を設定する、例えば、経験値や実験値等により取得した期間よりも所定値count0を長くする。
なお、所定値count0を大きめに設定すれば、あらゆる状況下でタイヤの摩擦状態を誤判定してしまうのを防止できるが、所定値count0が大き過ぎると、タイヤの摩擦状態の不安定判定の応答性が低下することになるので、これら事象間のトレードオフを考慮して所定値count0を設定する。
また、サンプリング毎にカウント値countを1ずつ増加させているが、1以外の値により増加させることもでき、この場合、その値に応じて所定値count0も設定する。
また、ここでは、制動摩擦係数μに着目して、制動摩擦係数μが大局的に増加傾向にある場合に局所的に減少するときの処理を説明した。しかし、車輪速ωについても同様であり、車輪速ωが大局的に増加傾向にある場合に局所的に減少したときでも(この場合、制動摩擦係数μが減少傾向にあることが前提)、前述のように制動摩擦係数μに関して行ったと同様な処理により、タイヤの摩擦状態が不安定になっていると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できる。
また、本実施形態では、制動摩擦係数μが減少傾向に転じた後に、局所的に増加する場合でも、タイヤの摩擦状態の誤判定を抑制できる。これを、図8を用いて説明する。
図8は、車輪速ω(同図(a))、制動摩擦係数μ(同図(b))、カウンタ値count(同図(c))及び不安定判定フラグflg_unstable(同図(d))の関係を示す。
同図(a)に示すように、車輪速ωがある時点から減少傾向を示す一方で、同図(b)に示すように、制動摩擦係数μが、局所的には増加している(C点)。
ここで、従来の判定手法では、制動摩擦係数μが増加傾向((d/dt)μ>0)の場合(車輪速ωが減少していること((d/dt)ω<0)が前提)、タイヤの摩擦状態が安定していると判定するので、図8に示すように制動摩擦係数μが減少傾向であれば、本来であればタイヤの制動状態が不安定になっていると判定すべきところを、制動摩擦係数μの局所的な増加(C点)を検出したことで、タイヤの摩擦状態が安定していると判定してしまい、誤判定してしまう場合があった。
これに対して、本実施形態では、車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少すると、該減少期間中、カウンタ値countをインクリメントしていくとともに、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している。その一方で、制動摩擦係数μが増加する場合、該増加時の制動摩擦係数μが、記憶値μ0、すなわち減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ未満であれば、カウンタ値countをインクリメントしている(インクリメントを維持している)。
これにより、制動摩擦係数μが減少傾向に転じると(図8(b))、該減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μを記憶値μ0として得た後、カウンタ値countをインクリメントしていくようになる(図8(c))。ここでは、制動摩擦係数μが減少傾向に転じた後に、変動に起因してさらに大きく減少するときにも(図8(b)のB領域)、カウンタ値countをインクリメントする。そして、制動摩擦係数μが局所的に増加しても(C点)、制動摩擦係数μが記憶値μ0以上にならない限り、カウンタ値countをインクリメントする。
ここで、制動摩擦係数μの増加が、減少傾向中の局所的なものであるから、増加中(図8(b)のC領域)の制動摩擦係数μが記憶値μ0以上にならないので、制動摩擦係数μの増加中もカウンタ値countのインクリメントが維持される。また、それ以後も、図8(b)に示すように制動摩擦係数μが増減しても、そのときの制動摩擦係数μの増加が減少傾向中の局所的なものになるから、その増加中もカウンタ値countのインクリメントが維持される(図8(c))。そして、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに(図8(c))、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定、すなわちタイヤの摩擦状態が不安定になったと判定する(図8(d))。
以上のように、制動摩擦係数μが局所変動を示す場合でも、具体的には、制動摩擦係数μが減少傾向中に増加を示す場合でも、増加時の制動摩擦係数μが、該減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ(記憶値μ0)以上とならない限り、カウンタ値countをインクリメントするとともに、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定することで、制動摩擦係数μの局所的な変動(ここでは主に増加する変動)を排除して、制動摩擦係数μの減少傾向に基づいて、タイヤの摩擦状態を判定している。すなわち、制動摩擦係数μの変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となれば、タイヤの摩擦状態が不安定であるとの判定をする。
これにより、本実施形態では、大局的に減少傾向している最中の局所的な制動摩擦係数μの増加によりタイヤの摩擦状態が安定していると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できるようになる。
なお、ここでは、制動摩擦係数μに着目して、制動摩擦係数μが大局的に減少傾向にある場合に局所的に増加するときの処理を説明した。しかし、車輪速ωについても同様であり、車輪速ωが大局的に減少傾向にある場合に局所的に増加したときでも(この場合、制動摩擦係数μが減少傾向にあることが前提)、前述のように制動摩擦係数μに関して行った同様な処理により、タイヤの摩擦状態が安定していると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できる。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、前記第1の実施形態では、減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωを記憶している。これに対して、減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωの近傍の値、例えば減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωよりも小さい値又は大きい値を記憶しても、前述の効果と同様な効果を得ることができる。ここで、減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωの記憶値μ0,ω0を極端に小さくすると、減少傾向中の局所的な制動摩擦係数μの増加の影響を受けやすくなり(例えば、タイヤの摩擦状態が不安定なのに安定していると判定するようになり)、また、減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωの記憶値μ0,ω0を極端に大きくしても、局所的な減少を含む制動摩擦係数μの増加傾向を捉えられなくなるので(例えば、タイヤの摩擦状態が安定しているのに不安定であると判定するようになるので)、両者のトレードオフを考えて、記憶値μ0,ω0を設定する。
また、前記第1の実施形態では、車輪速(車輪角速度)及び制動摩擦係数に基づいて、タイヤの摩擦状態を判定している。これに対して、車輪速(車輪角速度)や制動摩擦係数の他の指標を用いてタイヤの摩擦状態を判定しても、前述と効果と同様な効果を得ることができる。
また、ローパスフィルタを用いても、制動摩擦係数μの変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となることを検出できる。ここで、タイヤの摩擦状態の誤判定を確実になくそうとすれば、強いローパスフィルタを用いる必要がある。また、制動摩擦係数μの変動帯域が比較的低周波数の範囲にまで及ぶことを考慮すると、さらに強いローパスフィルタを施す必要がある。しかし、ローパスフィルタを強くしすぎると、不安定判定が遅れてしまう場合がある。このようなことから、前述のように、制動摩擦係数μや車輪速ωの値そのものに基づいて、タイヤの摩擦状態を判定することで、そのように不安定判定が遅れてしまうことなどを防止できる。
なお、前記第1の実施形態の説明において、車輪速センサ16は、車輪速を検出する車輪速検出手段を実現しており、プロセッサ18のステップS1の処理は、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段を実現しており、これら車輪速検出手段及び制動摩擦係数検出手段は、タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出手段を実現しており、プロセッサ18のステップS12の処理は、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出手段を実現しており、プロセッサ18のステップS13〜ステップS18の処理は、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段を実現している。
また、前記第1の実施形態の説明において、プロセッサ18のステップS13の処理は、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段を実現しており、プロセッサ18のステップS14〜ステップS18の処理は、前記判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態を継続する時間が設定された時間になる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段を実現している。
(効果)
(1)タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出手段と、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出手段と、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段と、を備える。よって、タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出した時点以後に、摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することで、低摩擦状態への遷移直後の局所変動を含む摩擦状態の変化に影響されることなく該摩擦状態の不安定判定を行えるタイヤの摩擦状態判定装置とすることができる。
(2)前記判定基準は、摩擦状態の変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であるとする基準である。タイヤの摩擦状態が不安定であれば、摩擦状態の変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となるので、この現象を判定基準とすることで、タイヤの摩擦状態が不安定であるとする判定精度を高くできる。
(3)前記摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、前記遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、前記不安定判定手段は、前記判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態を継続する時間が設定された時間になる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する。車輪速及び制動摩擦係数に基づくタイヤの摩擦状態の判定に適用することで、同時に精度良くタイヤの摩擦状態を判定できる。
(4)車体に連結されたタイヤと、制動液圧を増加させて前記タイヤに制動力を付与する制動力付与手段と、前記タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出手段と、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出手段と、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段と、前記不安定判定手段の判定結果に基づいて、前記制動液圧を制御する制動液圧制御手段と、を備える。よって、タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出した時点以後に、摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することで、低摩擦状態への遷移直後の局所変動を含む摩擦状態の変化に影響されることなく該摩擦状態の不安定判定を行える自動車とすることができる。これにより、制動液圧制御を最適タイミングで行うことが可能な自動車とすることができる。
(5)タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出ステップと、前記摩擦状態検出ステップで検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出ステップと、前記遷移検出ステップで前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後の摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定ステップと、を含む。タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出した時点以後に、摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することで、低摩擦状態への遷移直後の局所変動を含む摩擦状態の変化に影響されることなく該摩擦状態の不安定判定を行えるタイヤの摩擦状態判定方法とすることができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態も車両であり、その車両の構成は、前記第1の実施形態と同様に、図1に示すような構成になる。
第2の実施形態では、前記第1の実施形態と同様に図4に示す処理を行うが、前記ステップS2における処理内容が異なっている。
図9は、第2の実施形態における、タイヤの摩擦状態の不安定判定(前記図4のステップS2における処理)の処理手順を示す。プロセッサ18は離散時間で判定処理を実行する。
図9に示す第2の実施形態における処理手順の基本的な部分は、前記図6に示した第1の実施形態における処理手順と同一であるが、第2の実施形態における処理では、特に、前記ステップS13に換えてステップS31を設け、さらに、前記ステップS17に換えてステップS32を設けている。以下の説明では、第2の実施形態における処理において、前記第1の実施形態における処理と同一符号を付してあるものについては、特に言及しない限りは同一である。
ステップS31では、プロセッサ18は、前記ステップS12の判定処理が成立したときの制動摩擦係数μを記憶し(μ0=μ)、前記ステップS12の判定処理が成立したときの車輪速ωを記憶する(ω0=ω)。前記1の実施形態における処理との比較では、カウンタ値countをゼロに初期化する処理を行っていない。
ステップS32では、プロセッサ18は、車輪速ωが、記憶値ω0から所定値ω1を減算した値(ω0−ω1)未満か否かを判定する。ここで、所定値ω1は、正値であり、車輪速ωの減少量を判定するためのしきい値である。プロセッサ18は、このステップS32において、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満の場合(ω<ω0−ω1)、ステップS18に進み、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)以上の場合(ω≧ω0−ω1)、ステップS18に進むことなく、前記ステップS14から再び処理を開始する。
(動作)
次に動作を説明する。
特に第2の実施形態では、プロセッサ18は、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少していると判定したとき、その時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωを記憶し(前記ステップS12の判定で“Yes”の場合、ステップS31)、その後、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少しており、さらに該車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満の場合、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(前記ステップS14の判定で“Yes”の場合、ステップS32の判定で“Yes”の場合、ステップS18)。また、プロセッサ18は、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加を示す場合でも、制動摩擦係数μが記憶値μ0未満で、かつ車輪速ωが記憶値ω0未満であり、さらに、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満の場合、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(前記ステップS14の判定で“No”の場合、ステップS16の判定で“Yes”の場合、ステップS32の判定で“Yes”の場合、ステップS18)。
(作用)
次に作用を説明する。
車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少し、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満になると、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定、すなわちタイヤの摩擦状態が不安定になっていると判定している。また、車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少した後に、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加に転じても、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定(維持)するとともに、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満になったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している。すなわち、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加に転じた場合でも、制動摩擦係数μや車輪速ωが減少傾向に転じた時点の値μ0,ω0以上とならない限り、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定する一方で、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満になったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している。すなわち例えば、車輪速ωが大局的に減少傾向を示しているのであれば、車輪速ωの増加は局所的なものであり、かつ車輪速ωはある値(前記減算値(ω0−ω1))未満になる可能性が高いとの前提の下、タイヤの摩擦状態を判定している。すなわち、車輪速ωの変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となれば、タイヤの摩擦状態が不安定であるとの判定をする。
これにより、大局的に減少傾向している最中の局所的な車輪速ωの増加によりタイヤの摩擦状態が安定していると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できるようになる。
ここで、現在値と過去値との差分値に基づくタイヤの摩擦状態の判定手法(従来手法)と本実施形態における判定手法とを比較する。
図10は、車輪速ωが大局的に減少傾向を示す場合において、局所的に増減する例を示す。
本実施形態では、車輪速ωが減少傾向に転じると(図10(a)のD点)、その時点の車輪速ωを記憶値ω0に記憶しており、記憶値ω0はその後変化しない(図10(c))。これに対して、局所的に増減により複数の極大値を得る従来手法では、直近の極大値を過去値にとして、その過去値と現在値との差分値を基にタイヤの摩擦状態を判定していた。例えば、差分値が所定値以上になる場合、タイヤの摩擦状態が不安定になっていると判定していた。
しかし、図11(a)に示すように、車輪速ωのサンプリング時間と車輪速ωの振動周期とが一致すると、車輪速ωが減少傾向を示している場合でも、図11(b)に示すように、差分値(この例では、極大値間の差分値)がそれほど大きくはならない。よって、過去値と現在値との差分値が所定値以上になる場合にタイヤの摩擦状態が不安定になっていると判定する従来手法では、車輪速ωのサンプリング時間と車輪速ωの振動周期とが一致すると、差分値が所定値以上にならない場合があり、この場合、本来であれば不安定と判定すべきところを安定していると誤判定してしまう。
これに対して、本実施形態では、車輪速ωが減少傾向に転じた時点の車輪速ωを記憶し、該記憶値ω0を基準値(固定値)として、減算値(ω0−ω1)と現在の車輪速ωとを比較することで(ω0−ω1>ω)、車輪速ω0を基準値とした差分値(ω0−ω)と所定値ω1とを比較して(ω0−ω>ω1)、タイヤの摩擦状態を判定している。これにより、車輪速ωのサンプリング時間と車輪速ωの振動周期とが一致する場合でも、差分値(ω0−ω)を判定に用いるのに十分な値として確保することができ、この結果、タイヤの摩擦状態を的確に判定することができる。すなわち、差分値(ω0−ω)を用いることで、よりロバストに車輪速の減少を検出できるようになり、その結果、ロバストな不安定判定を実現できるようになる。
また、差分値(ω0−ω)は、車輪速ωの変化率((d/dt)ω)の積分値に相当するため、車輪速ωのノイズ成分の影響を受けにくくなるので、この結果、タイヤの摩擦状態の判定に差分値(ω0−ω)を用いることで、判定精度を高くすることができる。
(効果)
(1)摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、遷移検出手段が低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、不安定判定手段は、判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態となり、かつ前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速よりも小さく設定された値未満となる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する。これにより、設定値(小さく設定する値)を、局所変動を含む車輪速を区別するのに最適な値にすることで、タイヤの摩擦状態の判定精度を高くできる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態を説明する。
(構成)
第3の実施形態も車両であり、その車両の構成は、前記第1及び第2の実施形態と同様に、図1に示すような構成になる。
第3の実施形態では、前記第1の実施形態と同様に図4に示す処理を行うが、前記ステップS2の処理が異なっている。
図12は、第3の実施形態における、タイヤの摩擦状態の不安定判定(前記図4のステップS2の処理)の処理手順を示す。プロセッサ18は離散時間で判定処理を実行する。
図12に示す第3の実施形態における処理手順の基本的な部分は、前記図9に示した第2の実施形態における処理手順と同一であるが、第3の実施形態における処理では、特に、前記ステップS32に換えてステップS41を設けている。
ステップS41では、プロセッサ18は、プロセッサ18は、制動摩擦係数μが、記憶値μ0から所定値μ1を減算した値(μ0−μ1)未満か否かを判定する。ここで、所定値μ1は、正値であり、制動摩擦係数μの減少量を判定するためのしきい値である。プロセッサ18は、このステップS41において、車輪速μが前記減算値(μ0−μ1)未満の場合(μ<μ0−μ1)、ステップS18に進み、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)以上の場合(μ≧μ0−μ1)、ステップS18に進むことなく、前記ステップS14から再び処理を開始する。
なお、第3の実施形態における処理において、前記第1及び第2の実施形態における処理と同一符号を付してあるものについては、特に言及しない限りは同一である。
(動作)
次に動作を説明する。
特に第3の実施形態では、プロセッサ18は、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少していると判定したとき、その時点の制動摩擦係数μ及び車輪速ωを記憶し(前記ステップS12の判定で“Yes”の場合、ステップS31)、その後、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少している場合しており、さらに該制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満の場合、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(前記ステップS14の判定で“Yes”の場合、ステップS41の判定で“Yes”の場合、ステップS18)。また、プロセッサ18は、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加を示す場合でも、制動摩擦係数μが記憶値μ0未満で、かつ車輪速ωが記憶値ω0未満であり、さらに、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満の場合、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(前記ステップS14の判定で“No”の場合、ステップS16の判定で“Yes”の場合、ステップS41の判定で“Yes”の場合、ステップS18)。
(作用)
次に作用を説明する。
車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少し、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満になると、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定、すなわちタイヤの摩擦状態が不安定になっていると判定している。また、車輪速ω及び制動摩擦係数μが減少した後に、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加に転じても、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定(維持)するとともに、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満になったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している。すなわち、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加に転じた場合でも、制動摩擦係数μや車輪速ωが減少傾向に転じた時点の値μ0,ω0以上とならない限り、不安定判定フラグflg_unstableを0に設定する一方で、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満になったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している。すなわち例えば、制動摩擦係数μが大局的に減少傾向を示しているのであれば、制動摩擦係数μの増加は局所的なものであり、かつ制動摩擦係数μは前記減算値(μ0−μ1)未満になる可能性が高いとの前提の下、タイヤの摩擦状態を判定している。すなわち、制動摩擦係数μの変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となれば、タイヤの摩擦状態が不安定であるとの判定をする。
これにより、大局的に減少傾向している最中の局所的な制動摩擦係数μの増加によりタイヤの摩擦状態が安定していると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できるようになる。
また、前記第2の実施形態にて車輪速ωについて説明したのと同様な理由から、差分値(μ0−μ)を用いることで、よりロバストに制動摩擦係数の減少を検出できるようになり、その結果、ロバストな不安定判定を実現できるようになる。
また、差分値(μ0−μ)は、制動摩擦係数μの変化率((d/dt)μ)の積分値に相当するため、制動摩擦係数μのノイズ成分の影響を受けにくくなるので、この結果、タイヤの摩擦状態の判定に差分値(μ0−μ)を用いることで、判定精度を高くすることができる。
また、前記第2の実施形態では、車輪速ωが前記減算値(ω0−ω1)未満になると、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定している(不安定判定フラグflg_unstableを1に設定している)。すなわち、車輪速ωの低下を指標として、タイヤの摩擦状態を判定している。よって、車輪速ωがゆっくりと変化(低下)すると、すなわちゆるやかに車輪がロック状態になると、それに応じてタイヤの摩擦状態の判定も遅くなる。これに対して、第3の実施形態のように、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満になったときに、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定(不安定判定フラグflg_unstableを1に設定)することで、車輪速ωがゆっくりと変化するような場合でも、制動摩擦係数μが前記減算値(μ0−μ1)未満になることを満たした時点で、タイヤの摩擦状態が不安定(不安定判定フラグflg_unstableを1に設定)であると判定できる。
(効果)
(1)摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、遷移検出手段が低摩擦状態への遷移した検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、不安定判定手段は、判定基準として、遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態となり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数よりも小さく設定した値未満となる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する。これにより、設定値(小さく設定した値)を、局所変動を含む制動摩擦係数を区別するのに最適な値にすることで、タイヤの摩擦状態の判定精度を高くできる。
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態を説明する。
(構成)
第4の実施形態も車両であり、その車両の構成は、前記第1〜第3の実施形態と同様に、図1に示すような構成になる。
第4の実施形態では、前記第1の実施形態と同様に図4に示す処理を行うが、前記ステップS2の処理が異なっている。
図13は、第4の実施形態における、タイヤの摩擦状態の不安定判定(前記図4のステップS2の処理)の処理手順を示す。プロセッサ18は離散時間で判定処理を実行する。
図13に示す第4の実施形態における処理手順の基本的な部分は、前記図6に示した第1の実施形態における処理手順と同一であるが、第4の実施形態における処理では、特に、前記ステップS15に換えてステップS51を設けている。
ステップS51では、プロセッサ18は、カウンタ値countに、記憶値μ0から実測の制動摩擦係数μを減算した値(μ0−μ)を加算する。
なお、第4の実施形態における処理において、前記第1の実施形態における処理と同一符号を付してあるものについては、特に言及しない限りは同一である。
(動作)
次に動作を説明する。
特に第4の実施形態では、プロセッサ18は、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少している期間中、記憶値μ0から現在の制動摩擦係数μを減算した値(μ0−μ)をカウンタ値countに加算していき(前記ステップS14の判定で“Yes”の場合、ステップS51)、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったときに、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定する(前記ステップS17の判定で“Yes”の場合、ステップS18)。また、プロセッサ18は、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加を示す場合でも、制動摩擦係数μが記憶値μ0未満で、かつ車輪速ωが記憶値ω0未満の場合、カウンタ値countに記憶値μ0から現在の制動摩擦係数μを減算した値(μ0−μ)を加算する(前記ステップS14の判定で“No”の場合、ステップS16の判定で“Yes”の場合、ステップS51)。
(作用)
次に作用を説明する。
前述のように、制動摩擦係数μが減少し、かつ車輪速ωが減少している期間中、カウンタ値countに記憶値μ0から現在の制動摩擦係数μを減算した値(μ0−μ)を加算している。すなわち、図14に斜線領域として示すように、記憶値μ0と各サンプリングで得た制動摩擦係数μとの差分値の積分値を得ている。
さらに、制動摩擦係数μや車輪速ωが増加を示す場合でも、制動摩擦係数μが記憶値μ0未満であり、かつ車輪速ωが記憶値ω0未満の場合、同様に、カウンタ値countに記憶値μ0から現在の制動摩擦係数μを減算した値(μ0−μ)を加算している。すなわち、制動摩擦係数μが減少傾向に転じた後に、増加を示す場合でも、制動摩擦係数μが減少傾向に転じた時点の制動摩擦係数μ(μ0)以上にならない限り、カウンタ値countに減算値(μ0−μ)を加算している。そして、カウンタ値countが所定値count0よりも大きくなったとき、不安定判定フラグflg_unstableを1に設定することで、制動摩擦係数μの局所的な変動(ここでは主に増加する変動)を排除して、制動摩擦係数μの減少傾向に基づいて、タイヤの摩擦状態を判定している。すなわち、制動摩擦係数μの変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となれば、タイヤの摩擦状態が不安定であるとの判定をする。
これにより、本実施形態では、大局的に減少傾向している最中の局所的な制動摩擦係数μの増加によりタイヤの摩擦状態が安定していると誤判定してしまうのを抑制して、タイヤの摩擦状態を的確に判定できるようになる。
図15は、スリップ率Sと制動摩擦係数μとの関係を示し、スリップ率の増加に対して制動摩擦係数μの減少割合が少ない路面特性における関係を示す。
ここで、このような特性を有する路面について、例えば、前記第3の実施形態における処理でタイヤの摩擦状態の不安定判定をするとした場合、第3の実施形態における所定値μ1は図15中に示すΔμに相当する。ここで、制動摩擦係数μの推定精度やセンサノイズを考慮すれば、Δμ(μ1)をある程度大きい値に設定する必要がある。しかし、Δμ(μ1)を大きくすると、図15に示すように、制動摩擦係数μ(実線)が前記減算値(μ0−μ1(Δμ))未満になり難くなり、その結果、第3の実施形態における処理では、タイヤの摩擦状態の不安定判定が遅くなってしまう。これは、制動摩擦係数μの低下割合が少なくなるほど、顕著になる。
これに対して、第4の実施形態では、記憶値μ0と各サンプリングで得た制動摩擦係数μとの差分値を積分し、その積分値(count)が所定値(count0)よりも大きくなった場合、タイヤの摩擦状態が不安定とする判定をするため、たとえ制動摩擦係数μの低下割合が少なくても、積分値(count、図15の点線の値に相当)が所定値(count0)を早い時期に越えるようになるので、タイヤの摩擦状態の不安定判定が遅くなってしまうのを抑制できる。また、タイヤの摩擦状態の不安定判定に用いる値を、減算値(μ0−μ)の積分値とすることで、制動摩擦係数μに含まれるノイズ成分のタイヤの摩擦状態の不安定判定への影響を少なくして、タイヤの摩擦状態の不安定判定を制動摩擦係数μのノイズに強いものとすることができる。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、前記第4の実施形態では、制動摩擦係数μについての記憶値μ0と各サンプリングで得た制動摩擦係数μとの差分値を積分し、その積分値(count)が所定値(count0)よりも大きくなった場合、タイヤの摩擦状態が不安定とする判定をしている。これと同様にして、車輪速ωの変動に着目して、タイヤの摩擦状態が不安定とする判定をすることもできる。すなわち例えば、前記ステップS51において、制動摩擦係数μについての記憶値μ0と各サンプリングで得た制動摩擦係数μとの差分値を積分し、積分値(count)が所定値(count0)よりも大きくなった場合(前記ステップS17の判定で“Yes”の場合)、タイヤの摩擦状態が不安定とする判定をすることもできる。これにより、車輪速ωの低下割合が少なくても、タイヤの摩擦状態の不安定判定が遅くなってしまうのを抑制できる。
また、制動摩擦係数μに関する前記差分値の積分値による判定と車輪速ωに関する前記差分値の積分値による判定とを組み合わせて、タイヤの摩擦状態を判定することもできる。また、前記第1〜第4の実施形態の処理を組み合わせて、タイヤの摩擦状態を判定することもできる。
(効果)
(1)摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、遷移検出手段が低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、前記遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、前記不安定判定手段は、判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態となり、かつその状態になっている期間中における、前記車輪速検出手段が検出した車輪速と前記記憶手段に記憶した車輪速との差分の積分値、及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数と前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数との差分の積分値のうちの少なくとも何れかが、設定されたしきい値に達する場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する。これにより、減少傾向にある車輪速や制動摩擦係数の変化が小さい場合でも、タイヤの摩擦状態の判定を的確に行うことができる。
本発明の実施形態に係る車両の構成を示す図である。 前記車両における車輪付近の構成を示す図である。 ブレーキトルクセンサの検出値(歪み量)とブレーキトルクとの関係を示す特性図である。 プロセッサの処理手順を示すフローチャートである。 タイヤにおける、ブレーキトルクtb、車輪速(車輪角速度)ω、車体速度v及び制動力fxの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるプロセッサの摩擦状態の不安定判定の処理手順を示すフローチャートである。 前記第1の実施形態における作用及び効果の説明に使用したタイムチャートであり、制動摩擦係数μが大局的に増加傾向にある場合に局所的に減少するときのものである。 前記第1の実施形態における作用及び効果の説明に使用したタイムチャートであり、制動摩擦係数μが大局的に減少傾向にある場合に局所的に増加するときのものである。 本発明の第2の実施形態におけるプロセッサの摩擦状態の不安定判定の処理手順を示すフローチャートである。 前記第2の実施形態における作用及び効果の説明に使用したタイムチャートである。 従来手法の説明に使用した特性図である。 本発明の第3の実施形態におけるプロセッサの摩擦状態の不安定判定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態におけるプロセッサの摩擦状態の不安定判定の処理手順を示すフローチャートである。 前記第4の実施形態における作用及び効果の説明に使用した特性図である。 従来手法の説明に使用した特性図である。
符号の説明
4 ABSアクチュエータ、6 タイヤ、16 車輪速センサ、17 ブレーキトルクセンサ、18 プロセッサ

Claims (8)

  1. タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出手段と、
    前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出手段と、
    前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段と、
    を備えることを特徴とするタイヤの摩擦状態判定装置。
  2. 前記判定基準は、摩擦状態の変化から局所変動を除いた振る舞いが減少傾向となる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であるとする基準であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩擦状態判定装置。
  3. 前記摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、
    前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、
    前記不安定判定手段は、前記判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態を継続する時間が設定された時間になる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩擦状態判定装置。
  4. 前記摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、
    前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、
    前記不安定判定手段は、前記判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態となり、かつ前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速よりも小さく設定された値未満となる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩擦状態判定装置。
  5. 前記摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、
    前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、
    前記不安定判定手段は、前記判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態となり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数よりも小さく設定した値未満となる場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩擦状態判定装置。
  6. 前記摩擦状態検出手段は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、タイヤの制動摩擦係数を検出する制動摩擦係数検出手段とを備えるとともに、
    前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点の前記車輪速検出手段が検出した車輪速及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記遷移検出手段は、前記車輪速手段が検出した車輪速が減少傾向にある場合に、前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が増加傾向から減少傾向に遷移した場合、前記タイヤと路面との摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したとする検出をし、
    前記不安定判定手段は、前記判定基準として、前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記車輪速検出手段が検出した車輪速が減少し、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が減少する状態、及び前記車輪速検出手段が検出した車輪速が前記記憶手段に記憶した車輪速未満であり、かつ前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数が前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数未満である状態のうちの何れかの状態となり、かつその状態になっている期間中における、前記車輪速検出手段が検出した車輪速と前記記憶手段に記憶した車輪速との差分の積分値、及び前記制動摩擦係数検出手段が検出した制動摩擦係数と前記記憶手段に記憶した制動摩擦係数との差分の積分値のうちの少なくとも何れかが、設定されたしきい値に達する場合、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩擦状態判定装置。
  7. 車体に連結されたタイヤと、
    制動液圧を増加させて前記タイヤに制動力を付与する制動力付与手段と、
    前記タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出手段と、
    前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出手段と、
    前記遷移検出手段が前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後に、前記摩擦状態検出手段が検出した摩擦状態の変化に対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定手段と、
    前記不安定判定手段の判定結果に基づいて、前記制動液圧を制御する制動液圧制御手段と、
    を備えることを特徴とする自動車。
  8. タイヤと路面との摩擦状態を検出する摩擦状態検出ステップと、
    前記摩擦状態検出ステップで検出した摩擦状態が高摩擦状態から低摩擦状態に遷移したことを検出する遷移検出ステップと、
    前記遷移検出ステップで前記低摩擦状態への遷移を検出した時点以後の摩擦状態の変化を対し、局所変動を含む摩擦状態の変化に対応する判定基準を用いて、タイヤの摩擦状態が不安定であると判定する不安定判定ステップと、
    を含むことを特徴とするタイヤの摩擦状態判定方法。
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CN113069774A (zh) * 2020-01-06 2021-07-06 北京小米移动软件有限公司 车辆及其控制方法、装置、终端和存储介质

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