JP2008000938A - シート状又は円筒状印刷基材の製造方法 - Google Patents

シート状又は円筒状印刷基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー彫刻法を用いて表面に微細な凹パターンを有する樹脂製印刷版を製造する方法の提供。
【解決手段】表面に凹凸パターンを有するシート状又は円筒状印刷基材の製造方法であって、パルス発振近赤外線レーザー光により印刷原版表面に凹パターンを形成するレーザー彫刻工程を含むこと、前記印刷原版の表面から少なくとも50μmの厚さの部分が、近赤外線領域および紫外線領域に光線透過性を有する樹脂硬化物からなること、かつ前記レーザー彫刻工程において用いられるパルス発振近赤外線レーザー光源の平均出力が0.01W以上5W未満であることを特徴とするシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、パルス発振近赤外線レーザーを用いて樹脂硬化物表面に微細パターンを形成して得られるシート状又は円筒状の樹脂製印刷基材の製造方法に関するものである。
段ボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧板などの建装材、ラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷は各種の印刷方式の中でその比重を高めている。このフレキソ印刷に用いられる印刷版の製作には、通常、感光性樹脂が用いられることが多く、液状の樹脂、又はシート状に成形された固体樹脂板を用い、フォトマスクを感光性樹脂上に置き、マスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、非架橋部分を現像液で洗い落とすという方法が用いられてきた。近年、より微細なパターンの形成を可能にするように、感光性樹脂表面にブラックレーヤーという薄い光吸収層を設け、これに近赤外線レーザー光を照射し感光性樹脂板上に直接マスク画像を形成後、そのマスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、光の非照射部分の非架橋部分を現像液で洗い落とす、いわゆるフレキソCTP(Computer to Plate)という技術も開発されている。しかしながら、この技術はレーザー光源として近赤外線レーザーを用いてレーザービーム径を10μm程度まで絞り込んでいるものの、露光、現像という従来の写真製版技術を用いているため、形成できるパターンの寸法は、20μmが限界であった。
また、別法として、特許文献1(日本国特許2846954号)には、直接レーザービームを樹脂版表面に照射してビームの照射された部分の樹脂を除去することにより凹パターンを形成するレーザー彫刻法が用いられているが、現状使用されているレーザー光源は炭酸ガスレーザーであるため、高精細なパターンの形成は望めない。これは、炭酸ガスレーザーの発振波長が約10μmであるので、レーザービーム径を20μm以下に絞り込むことが難しいためである。また、この特許文献1では、より高精細なパターンの形成のためにカーボンブラックを混合して光硬化させた感光性樹脂硬化物に近赤外線レーザーであるYAGレーザーの基本波(波長:1.06μm)を照射してパターンを形成することが試みられている。確かに、彫刻に用いるレーザーの発振波長をより短波長にすることにより、レーザービーム径を小さく絞ることが可能となるが、この近赤外線レーザーを用いた彫刻を可能とするには工夫が必要である。
一般的な有機化合物は近赤外線領域に強い光吸収を持たないので、近赤外線レーザーの光を吸収するように、感光性樹脂組成物にこの波長領域に強い光吸収特性を有する色素あるいは顔料を混合させる必要がある。特許文献1においても感光性樹脂組成物に近赤外線吸収用にカーボンブラックという黒色顔料を混合している。しかしながら、このような黒色顔料をはじめとする近赤外線吸収材料は、紫外線領域にも強い光吸収特性を示すことが一般的であり、特に紫外線を用いて光硬化させた感光性樹脂硬化物をレーザー彫刻に用いる場合には、光硬化物の硬化性を極端に低下させるという重大な問題点を有していた。したがって、近赤外線吸収材料を添加させた感光性樹脂系において、レーザー彫刻性の確保と機械的物性の確保を両立させることは極めて難しい課題であった。近赤外線レーザーと赤外線レーザーの両方のレーザーを用いて彫刻でき、かつ機械的物性を確保できる感光性樹脂硬化物を得ることは極めて難しい問題であった。
また、従来技術においては、連続発振の近赤外線レーザーや尖頭出力の小さなパルス発振近赤外線レーザーが彫刻に使用されているが、これらのレーザーの発振波長での光吸収特性が低い、すなわち該波長での光透過率の高い材料を彫刻するには、エネルギーが不十分であった。例えば、特許文献1の実施例において近赤外線レーザーが使用されているが、実施例で記載のあるパルス発振の近赤外線YAGレーザーは、平均出力が最も小さい例でも5Wであり、平均出力の大きなレーザーが使用されていた。また、パルスの時間幅は約200m秒と広いため尖頭出力は小さく、近赤外線吸収剤添加量を低く抑えた光吸収特性の低い材料を加工するには不十分であった。更に、レーザーの発振周波数が10Hzと極めて低いため、加工速度も極めて低いものであり、改善が求められていた。
一方、平均出力の大きな連続発振近赤外線レーザーあるいは尖頭出力が過度に大きなパルス発振近赤外線レーザーを用いた場合には、彫刻される材料に投入されるエネルギーが大きく、熱による材料の溶融等の影響が大きく、レーザービーム径を大きく越えた寸法の凹部が形成されたり、パターンエッジ部にだれが発生したりするために、やはり微細なパターンの形成が困難であった。
したがって、樹脂製印刷原版表面に微細なパターン(特に、幅が20μm以下の微細なパターン)の形成を可能にしたレーザー彫刻技術は、従来技術には存在していない。
特許第2846954号公報
本発明はレーザー光を照射して凹パターンを形成するレーザー彫刻法を用いて表面に凹パターンを有する樹脂製印刷版を製造する方法において、印刷原版表面に微細なパターン(特に、幅が20μm以下の微細なパターン)を形成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意検討した結果、レーザー彫刻により表面に凹凸パターンを有するシート状又は円筒状印刷基材を製造する方法において、印刷原版として、近赤外線領域および紫外線領域に光線透過性を有する樹脂硬化物を使用すること、かつ平均出力が0.01W以上5W未満であるパルス発振近赤外線レーザーを用いてレーザー彫刻することにより、微細な凹パターン(例えば、幅が1μm以上20μm未満、深さが1μm以上100μm未満の微細な凹パターン)を印刷原版表面に形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。また、微細なパターンと粗いパターンが混在している画像において、微細なパターンをパルス発振近赤外線レーザーで彫刻し、粗いパターンを赤外線レーザーで彫刻することができることを見出した。
本発明は下記の通りである。
1.表面に凹凸パターンを有するシート状又は円筒状の印刷基材の製造方法であって、パルス発振近赤外線レーザー光により印刷原版表面に凹パターンを形成するレーザー彫刻工程を含むこと、前記印刷原版の表面から少なくとも50μmの厚さの部分が、近赤外線領域および紫外線領域に光線透過性を有する樹脂硬化物からなること、かつ前記レーザー彫刻工程において用いられるパルス発振近赤外線レーザー光源の平均出力が0.01W以上5W未満であることを特徴とするシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
2.パルス発振近赤外線レーザーのパルス幅が1フェムト秒以上200ナノ秒以下である、上記1記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
3.パルス発振近赤外線レーザーから出力されるレーザービームのビーム径を1μm以上20μm未満に集光することを特徴とする上記1又は2に記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
4.樹脂硬化物の光線透過率が、該樹脂硬化物の厚さが50μmの場合に、レーザー彫刻工程で使用されるパルス発振近赤外線レーザーの発振波長において20%以上95%以下であり、かつ365nmにおいて1%以上80%以下である、上記1〜3いずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
5.レーザー彫刻工程として、更に、赤外線レーザーを用いて15μm以上100μm未満のビーム径で印刷原版表面をレーザー彫刻する工程を含む、上記1〜4のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
6.パルス発振近赤外線レーザーの発振波長が700nm以上3μm以下であり、かつ前記赤外線レーザーの発振波長が5μm以上20μm以下であることを特徴とする上記5に記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
7.パルス発振近赤外線レーザーのビーム数および前記赤外線レーザーのビーム数が、それぞれ、少なくとも1本であることを特徴とする上記5又は6記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
8.レーザー彫刻工程において、シート状印刷原版をシリンダー表面に巻きつけ固定した状態又は円筒状印刷原版をシリンダーに装着した状態で、シリンダーの長軸を固定し周方向へ回転させながら、レーザービームを該シリンダーの長軸方向に走引するか、又はガルバノミラーを用いて該シリンダーの長軸方向に走査することによりレーザー彫刻する、上記1〜7のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
9.パルス発振の近赤外線レーザーの、1パルス当たりの仕事率が10W以上20kW以下であり、繰り返し周波数が20Hz以上500MH以下であることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
10.パルス発振の近赤外線レーザー光が、エンドポンプ方式の半導体レーザー励起固体レーザーの基本波であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
11.樹脂硬化物が、20℃において液状の感光性樹脂を光硬化させて形成されたものであり、カーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、且つウレタン結合、ウレア結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有することを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
12.パルス発振近赤外線レーザーの1パルスで彫刻される樹脂硬化物の深さが、0.05μm以上10μm以下であることを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
本発明によれば、表面に微細でエッジ形状が鮮明な凹パターンを有する樹脂製印刷版を容易に製造できる。
以下、さらに詳細に本発明の好ましい実施態様を説明する。
本発明の製造方法は、レーザー光により印刷原版表面に凹パターンを形成する、いわゆるレーザー彫刻法を用いる。レーザー彫刻法とは、レーザー光を樹脂製印刷原版表面に照射してレーザー光が照射された部分の樹脂が除去されることにより凹パターンを形成するパターン形成方法である。
本発明の製造方法では、低い平均出力のレーザーを光源として使用することが可能となる点から、微細パターンを形成できるレーザー彫刻装置を低コストで製造することが可能となる。印刷原版の表面から少なくとも50μm(好ましくは50〜80μm、より好ましくは50〜100μm)の厚さの部分(以下、表面部分という)が、近赤外線域に光線透過性を有する樹脂硬化物からなることが必要である。また、機械的強度を十分に確保する点から、印刷原版の表面部分が、紫外線領域に光線透過性を有する樹脂硬化物からなることが必要である。なお、表面部分は、印刷原版が表面に後述の改質層を有する場合には、改質層を除いた部分を意味する。更に、印刷原版表面部分の樹脂硬化物の光線透過率が、レーザー彫刻工程で使用するパルス発振近赤外線レーザーの発振波長において20%以上95%以下であり、かつ365nmにおいて1%以上80%以下であることが好ましい。
なお、光線透過率は、厚さを50μmに設定して硬化させて作製した樹脂硬化物を用いて、紫外・可視・近赤外分光光度計における光線透過法により測定される値である。彫刻に用いる近赤外線レーザーの発振波長における光線透過率が20%以上95%以下の範囲であることは、深さ方向へのレーザー彫刻が十分深く行われ、低い平均出力のレーザーを光源として使用することが可能となる点で好ましい。より好ましくは、30%以上90%以下、更に好ましくは40%以上85%以下である。また、365nmという紫外線領域の波長における光線透過率が1%以上80%以下の範囲であることは、樹脂硬化物の機械的強度を十分に確保し印刷工程に用いることができる点で好ましい。より好ましくは5%以上80%以下、更に好ましくは、10%以上80%以下である。
本発明で用いるレーザーは、近赤外線領域に発振波長を有するパルス発振の近赤外線レーザーである。近赤外線領域とは、波長が700nm以上3μm以下の領域と定義する。近赤外線レーザーの種類は特に限定するものではないが、半導体レーザー励起固体レーザーあるいはランプ励起固体レーザーの基本波、半導体レーザー、ファイバーレーザー等を挙げることができる。特に発振の安定性、取り扱いの容易さから半導体レーザー励起固体レーザー、ファイバーレーザーが好ましい。固体レーザーの具体例としては、アレキサンドライトレーザー、チタンサファイアレーザー、Cr:LiSAFレーザー、F−Centerレーザー、Co:MgFレーザー、Nd:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、Nd:YVOレーザー、Er:ガラスレーザー、Ho:YAGレーザー、Ho:YSGGレーザー、Tm:YAGレーザー、Er:YAGレーザー等を挙げることができる。半導体レーザー励起固体レーザーの場合、励起方式がサイドポンプ方式とエンドポンプ方式の2種類存在するが、ビーム形状の優れたものを得るためにはエンドポンプ方式がより好ましい。
本発明で用いるレーザーはパルス発振の近赤外線レーザーであり、繰り返し周波数は20Hz以上500MHz以下であることが好ましい。より好ましい範囲は1kHz以上200MHz以下、更に好ましくは10kHz以上100MH以下である。発振周波数が20Hz以上500MHz以下の範囲であることは、高速にレーザービームを走査し彫刻することが可能であり、彫刻工程に要する時間を短縮することができる点で好ましい。
本発明で用いるパルス発振の近赤外線レーザーのパルス幅は、1フェムト秒以上200ナノ秒以下であることが好ましい。より好ましい範囲は10フェムト秒以上100ナノ秒以下、更に好ましくは10フェムト秒以上30ナノ秒以下である。パルス幅が1フェムト秒以上200ナノ秒以下であることは、レーザーの平均出力が小さくとも高い尖頭出力が得られるため、極めて短い時間内に大きなエネルギーを投入することができるので、感光性樹脂硬化物の彫刻が容易に実施でき、しかも熱の影響を抑制できる効果があるため、得られるパターンの形状が優れたものになる点で好ましい。フェムト秒、ピコ秒パルスを得る方法として、モードロック技術を用いることが好ましい。また、尖頭出力の大きな短パルスを得る方法として、Qスイッチを有するレーザーが好ましい。
本発明のパルス発振近赤外線レーザーの平均出力は、0.01W以上5W未満である。好ましくは0.05W以上2W以下、より好ましくは0.05W以上1W以下、更に好ましくは0.1W以上0.5W以下である。平均出力が0.01W以上5W未満であれば、樹脂硬化物を容易にレーザー彫刻することができ、得られるパターンのエッジ形状が鮮明となる。また、熱の影響が少なく、過度に溶融あるいは除去されることなく、レーザービーム径にほぼ等しい幅の凹パターンを得ることができる。
パルス発振近赤外線レーザーの1パルスあたりの仕事率が10W以上20kW以下であることが好ましい。より好ましい範囲は20W以上10kW以下、更に好ましくは100W以上5kW以下である。1パルスあたりの仕事率が10W以上であることは、樹脂硬化物を容易にレーザー彫刻することができ、得られるパターンのエッジ形状が鮮明となる点で好ましい。また、1パルスあたりの仕事率が20kW以下であることは、熱の影響が少なく、過度に溶融あるいは除去されることなく、レーザービーム径にほぼ等しい幅の凹パターンを得ることができる点で好ましい。1パルスあたりの仕事率(単位:W)とは、平均出力(単位:W)を繰り返し周波数(単位:パルス/秒)で割った値を、更にパルス幅(1パルスの時間幅、単位:秒)で割った値と定義する。この値が大きい程、1パルスあたりの仕事率は大きく、先頭出力が大きいことを意味する。
本発明では、微細なパターン(特に、幅が1μm以上20μm未満、深さが1μm以上100μm未満の微細な凹パターン)を精度良く形成するために、パルス発振近赤外線レーザーから出力されるレーザービーム径を、1μm以上20μm未満に集光し、集光されたビームを感光性樹脂硬化物からなる樹脂製印刷原版表面に照射することが好ましい。パルス発振近赤外線レーザーの1パルスで彫刻される樹脂硬化物の深さは、0.05μm以上10μm以下であることが好ましい。1パルスで彫刻される樹脂硬化物の深さが0.05μm以上10μm以下の範囲であることは、レーザービームの径と同程度の寸法の凹パターンを形成することができる点、繰り返し周波数の高いパルス発振近赤外線レーザーを用いることにより、同一場所を複数回のパルスで深く彫刻することが可能である点から好ましい。レーザービームを集光するためには、集光レンズを用いることが好ましい。
特にレーザービームを、ガルバノミラーを用いて単軸あるいは2軸方向へ比較的広い幅あるいは領域に走査する場合には、寸法の大きなfθレンズが好適に使用される。本発明では、レーザービームを照射する材料が、樹脂硬化物であるため、平均出力が低いレーザーを用いることにより、照射するビーム径にぼぼ等しい幅の凹パターンを形成することが可能である。本発明で使用するパルス発振近赤外線レーザーのレーザービームは、極めて微小なスポットへ集光して用いるため、集光前のレーザービームは、単一モード発振、すなわちTEM00モード発振であることが好ましい。更に、レーザーの横モードの品質を表わす指標であるM値が、1以上2以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、1以上1.5以下である。
レーザー彫刻においては、一般に、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。
本発明の方法は、パルス発振近赤外線レーザーを用いて微細なパターンの形成を行うが、より粗いパターン(例えば幅が20μmを超えるパターン)が同一印刷版内に存在する場合には、レーザー彫刻工程として、更に、赤外線レーザーを用いる彫刻工程を含むことが可能である。この場合、赤外線レーザーは連続発振、パルス発振のいずれでもよく、15μm以上100μm未満のビー径で樹脂製印刷原版表面をレーザー彫刻することが好ましい。短時間に彫刻処理が行われるように、発振波長が5μm以上20μm以下の赤外線レーザーを用いて彫刻することもできる。特に好ましい赤外線レーザーの具体例として、炭酸ガスレーザーを挙げることができる。炭酸ガスレーザーの発振モードは、連続発振でもパルス発振であっても良い。また、赤外線レーザーから出力されるレーザービーム径を15μm以上100μm未満に集光し、幅が15μmを越えて広く、深さが100μm以上の粗い凹パターンを形成することが可能である。
本発明において、パルス発振近赤外線レーザーのビーム数および赤外線レーザーのビーム数は、それぞれ、少なくとも1本であることが好ましい。複数本のレーザービームを用いることで彫刻スピードを大幅に向上させることができるためである。パスル発振近赤外線レーザーによる彫刻と、赤外線レーザーによる彫刻は、同時に実施しても、別々に実施しても構わない。彫刻に要する時間の短縮の観点からは、同時に実施することが好ましい。しかし、レーザー彫刻装置においてレーザービームの走査方式が異なる場合は、この限りではない。例えば、パルス発振近赤外線レーザーがガルバノミラーを用いて走査するのに対し、赤外線レーザーがガルバノミラーを用いずに彫刻する場合などである。
本発明のレーザー彫刻工程では、レーザー彫刻速度の点から、シート状印刷原版をシリンダー表面に巻きつけ固定した状態又は円筒状印刷原版をシリンダーに装着した状態で、該シリンダーの長軸を固定し周方向へ回転させながらレーザー光を照射することが好ましい。これは、シリンダーを高速回転させながらレーザー彫刻することが可能であるからである。レーザー光を照射する方法としては、レーザー彫刻における位置精度確保の点から、シリンダーを回転させながら、レーザービームを該シリンダーの長軸方向へ走引するか、あるいはガルバノミラーを用いて該シリンダーの長軸方向へ走査する方法が好ましい。レーザー彫刻に用いる彫刻装置は、シリンダーを装備し、回転させながら彫刻するタイプの装置であることが好ましい。特に円筒状印刷版を製造する場合に好ましい方法である。
本発明で用いるパルス発振近赤外線レーザーは高い発振周波数を有するため、レーザービームの走査方法において、ガルバノミラーを用いて走査する方式が好ましい。ガルバノミラーを用いてレーザービームを前記シリンダーの長軸方向へ走査する場合、シリンダーを1回転させて1周分のパターンを、シリンダーの長軸方向に分割された画像データにしたがってレーザー彫刻した後、前記ガルバノミラーをシリンダーの長軸方向へ移動させるか、あるいはシリンダーを長軸方向へ移動させる工程を含み、前記の一連の工程を繰り返し実施することにより全画像データに対応したパターンをレーザー彫刻することが可能となる。
本発明で用いるレーザー彫刻装置は、パルス発振近赤外線レーザー、シリンダーの長軸方向へレーザービームを走査するためのガルバノミラー、レーザービームを集光するための集光レンズ、光学シャッターあるいはメカニカルシャッターを有し、且つシリンダーの長軸を保持する機構、保持したシリンダーを周方向へ回転させる機構、更に、前記ガルバノミラーをシリンダーの長軸方向へ移動させる機構あるいはシリンダーをその長軸方向へ移動させる機構を有する装置であることが好ましい。更に、レーザー彫刻装置が、連続発振赤外線レーザーおよび光学シャッター、あるいはパルス発振赤外線レーザーおよび光学シャッターあるいはメカニカルシャッターを有し、レーザービームを集光するための集光レンズ、レーザービームをシリンダーの長軸方向へ移動させる機構あるいはシリンダーをその長軸方向へ移動させる機構を有する装置であることが好ましい。ガルバノミラーとは、コンピュータの制御によってレーザービームを単軸方向あるいは2軸方向へ走査するための光学部品であり、ガルバノスキャナーとも呼ばれている。ミラー部の駆動方式によりムービングコイルタイプとムービングマグネットタイプがあり、使用するレーザーの発振周波数、走査精度、走査面積により使い分けることができる。光学シャッターとして、音響光学変調器(AOモジュレータ)を用いることが好ましい。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。レーザー彫刻時に発生するガスあるいは微小な粉末状のカスが舞い上がる場合には、空気あるいは不活性ガスを彫刻部に吹き付けることが除去に効果がある。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
本発明において、レーザー光を照射し微細な凹パターンを形成する彫刻後に、版表面に残存する粉末状あるいは粘性のある液状カスを除去する工程に引き続き、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行っても構わない。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。更に、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光しても構わない。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光しても構わない。
次いで、本発明で用いられる印刷原版及びその製法について述べる。
本発明に用いられる樹脂製印刷原版は、表面部分が樹脂硬化物からなる。樹脂硬化物としては、近赤外線領域および紫外線領域に光線透過性を有する感光性樹脂硬化物であればよく、熱可塑性樹脂を主成分とする感光性固体樹脂、感光性液状樹脂等の感光性樹脂を光硬化、電子線硬化等させて得られる感光性樹脂硬化物、熱硬化性樹脂を熱硬化して得られる樹脂硬化物、ゴム系材料を加硫して得られる硬化ゴム材料等が使用できる。
感光性樹脂硬化物のうち、20℃において液状の感光性樹脂組成物を光硬化させて形成されたものが、得られるレリーフ画像作成用原版をシート状、もしくは円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる点で好ましい。前記感光性樹脂組成物は、好ましくは、20℃における粘度が10Pa・s以上10kPa・s以下である。さらに好ましくは、50Pa・s以上5kPa・s以下である。粘度が10Pa・s以上であることは、作製される印刷原版の機械的強度が十分であり、円筒状印刷原版に成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い点で好ましい。
粘度が10kPa・s以下であることは、常温でも変形し易く、加工が容易である点、シート状又は円筒状印刷原版に成形し易く、プロセスも簡便である点で好ましい。特に版厚精度の高い円筒状印刷原版を得るためには、円筒状支持体上に液状感光性樹脂層を形成する際に、該感光性樹脂組成物が重力により液ダレ等の現象を起こさないように粘度が100Pa・s以上が好ましく、より好ましくは200Pa・s以上、更に好ましくは500Pa・s以上である。また、本発明で用いる感光性樹脂組成物が特に20℃において液状である場合、円筒状支持体状に感光性樹脂組成物層を形成する際に、重力により液ダレを起こすことなく、所定の厚さを保持できる点から、チキソトロピー性を有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂硬化物はカーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、且つウレタン結合、アミド結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有するか又はウレア骨格を有することがレーザー彫刻性、機械的物性、耐溶剤性の良好な印刷基材を得ることができる点で好ましい。好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、高分子化合物である樹脂(a)、分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(b)および光重合開始剤を含むことが好ましい。
樹脂(a)は、数平均分子量が1000以上30万以下の化合物であることが好ましい。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上10万以下、更に好ましい範囲は5000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量が1000以上であることは、後に架橋して作製する印刷原版が強度を保ち、この原版から作製したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる点で好ましい。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であることは、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のレーザー彫刻印刷原版を作製することができる点で好ましい。ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
樹脂(a)は、分子内に重合性不飽和基を有する化合物であっても構わない。本発明の「重合性不飽和基」の定義は、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。ラジカル重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。付加重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等が挙げられる。特に好ましい樹脂(a)として1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。1を越える量がよりに好ましい。1分子あたり平均で0.7以上であることは、樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度に優れ、レーザー彫刻時にレリーフ形状が崩れ難くなる点で好ましい。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えらるのものとなる点でも好ましい。樹脂(a)において、重合性不飽和基の位置は、高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接結合していることが好ましい。樹脂(a)1分子に含まれる重合性不飽和基の数の平均は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)による分子構造解析法で求めることができる。
樹脂(a)として、分子主鎖中、分子末端あるいは側鎖中に重合性不飽和基を有する化合物を用いても良い。特に分子末端に重合性不飽和基を導入する好適な方法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、アルコキシカルボニル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などがあげられる。
樹脂(a)としては、レーザー彫刻時に液状化し易い樹脂や分解し易い樹脂が好ましい。分解し易い樹脂としては、分子鎖中に分解し易いモノマー単位としてスチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、エステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、カルバモイル化合物類、ヘミアセタールエステル化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等が含まれている樹脂が好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、脂肪族カルバメート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマー等の分子構造を有するポリマーは、分解し易いものの代表例である。また、分子鎖中に酸素原子を多数含有するポリマーが分解性の観点から好ましい。
これらの中でも、カーボネート基、カルバメート基、メタクリル基をポリマー主鎖中に有する化合物は、熱分解性が高く好ましい。例えば、(ポリ)カーボネートジオールや(ポリ)カーボネートジカルボン酸を原料として合成したポリエステルやポリウレタン、(ポリ)カーボネートジアミンを原料として合成したポリアミドなどを熱分解性の良好なポリマーの例として挙げることができる。これらのポリマー主鎖、側鎖に重合性不飽和基を含有しているものであっても構わない。特に、末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性官能基を有する場合には、主鎖末端に重合性不飽和基を導入することも容易である。特に、分子内にカーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、且つウレタン結合、ウレア結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有する化合物が好ましい。これらの化合物はレーザー彫刻性、機械的物性、耐溶剤性がより良好な印刷基材を得ることができる点で好ましい。
樹脂(a)の他の例として、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン類等の分子主鎖あるいは側鎖に重合性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。また、重合性不飽和基を有しない高分子化合物を出発原料として、置換反応、脱離反応、縮合反応、付加反応等の化学反応により重合性不飽和基を分子内に導入した高分子化合物を挙げることもできる。重合性不飽和基を有しない高分子化合物の例としてポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン等のポリハロオレフィン類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエーテル等のC−C連鎖高分子の他、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル類、ポリフェニレンチオエーテル等のポリチオエーテル類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリジアルキルシロキサン等の高分子化合物、或いはこれらの高分子化合物の主鎖にヘテロ原子を有する高分子化合物、複数種のモノマー成分から合成されたランダム共重合体、ブロック共重合体を挙げることができる。更に、分子内に重合性不飽和基を導入した高分子化合物を複数種混合して用いることもできる。
特にフレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合には、樹脂(a)が、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂を含有することが好ましく、ガラス転移温度0℃以下の液状樹脂を含有することがより好ましい。また、上記液状樹脂の含有量は、樹脂(a)全体に対して30wt%以上であることが好ましい。このような液状樹脂として、例えばポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポイソプレン等の炭化水素類、アジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類、(メタ)アクリル酸及び/またはその誘導体の重合体及びこれらの混合物やコポリマー類を用いて合成され、分子内に重合性不飽和基を有する化合物を用いることができる。特に耐候性の観点からポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が好ましい。ここで言う液状樹脂とは、容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味し、外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するエラストマーに対応する言葉である。樹脂(a)が20℃において液状樹脂である場合は、感光性樹脂組成物も20℃において液状であるので、これから得られるレリーフ画像作成用原版をシート状、もしくは円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる点で好ましい。
有機化合物(b)は、分子内に重合性不飽和基を有する化合物である。樹脂(a)との希釈のし易さから数平均分子量は1000以下であることが好ましい。重合性不飽和基の定義は、樹脂(a)の箇所でも記載したように、ラジカルまたは付加重合反応に関与する重合性不飽和基である。ラジカル重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。付加重合反応に関与する重合性不飽和基の好ましい例としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、環状イミノエーテル基等が挙げられる。
有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。前記化合物の誘導体の例としては、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族骨格を有する化合物、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−、フルオレン−などの芳香族骨格を有する化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパン等の多価アルコール類とのエステル化合物、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
また、付加重合反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製、商標名「HF−105」)を挙げることができる。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)はその目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。例えば印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)として脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。この場合、脂環族または芳香族の誘導体の含有量は、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。なお前記芳香族の誘導体は、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
本発明では、樹脂(a)あるいは有機化合物(b)が、分子鎖中に存在する酸素原子あるいは窒素原子に対しα位に存在する水素原子を有する化合物、チオールのような硫黄原子に直接結合している水素原子を有する化合物を、感光性樹脂組成物全体量の少なくとも20wt%以上含有することが好ましい。より好ましくは40wt%以上である。前記酸素原子の由来原子団としては、アルコール、エーテル、エステル、カーボネート等を挙げることができ、また前記窒素原子の由来原子団としてはウレタン、ウレア、アミド等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂硬化物を得るには、感光性樹脂組成物を光もしくは電子線の照射により架橋するが、その際に光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷原版を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できる。ラジカル重合反応を誘起させる光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)と崩壊型光重合開始剤(e)が、特に効果的な光重合開始剤として用いられる。
水素引き抜き型光重合開始剤(d)は特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率良く励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。芳香族ケトンの具体例としては、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンあるいはその誘導体を指し、具体的には3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とはミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とはアントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。水素引き抜き型光重合開始剤(d)の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.5wt%以上5wt%以下である。添加量がこの範囲であることは、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、低退行性を確保することができる点で好ましい。
崩壊型光重合開始剤(e)とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、「感光性高分子」(講談社、1977年出版、頁228)に記載の化合物を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。有機イオウ化合物としては、芳香族チオール、モノおよびジスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、S−アシルジチオカルバメート、チオスルホネート、スルホキシド、スルフェネート、ジチオカルボネート等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。崩壊型光重合開始剤(e)の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であることは、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる点で好ましい。
上記水素引き抜き型光重合開始剤(d)、崩壊型光重合開始剤(e)に代えて、水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記一般式(1)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2008000938
(式(1)中、Rは各々独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、Xは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下が好ましく、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下である。添加量がこの範囲であることは、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる点で好ましい。
また、光重合開始剤として、光を吸収して酸を発生することにより、付加重合反応を誘起させる光重合開始剤を用いることもできる。例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤、あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。これらの光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下の範囲が好ましい。
感光性樹脂樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、近赤外線吸収剤を含有することが可能である。感光性樹脂硬化物の機械的物性確保の点から、近赤外線吸収剤の含有量は10ppm以上20000ppm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は50ppm以上10000ppm以下、更に好ましい範囲は100ppm以上5000ppm以下である。近赤外線吸収剤の具体例として、下記に示す化合物を挙げることができる。フタロシアニン色素、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、インドリウム系色素、ベンズインドリウム系色素、ベンゾチアゾリウム系色素、キノリニウム系色素、顕色剤と反応させたフタリド化合物等を挙げることができる。全てのシアニン系色素が、前述した光吸収特性を有するものではない。置換基の種類および分子内での位置、共役結合の数、対イオンの種類、色素分子の存在する周囲の環境などにより、光吸収特性が極めて大きく変化する。また、一般に市販されているレーザー色素、過飽和吸収色素、近赤外線吸収色素を使用することもできる。
例えば、レーザー色素として、「ADS740PP」、「ADS745HT」、「ADS760MP」、「ADS740WS」、「ADS765WS」、「ADS745HO」、「ADS790NH」、「ADS800NH」(いずれもアメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)製、商標)、「NK−3555」、「NK−3509」、「NK−3519」(いずれも株式会社林原生物化学研究所社製、商標)を挙げることができる。また、近赤外線吸収色素として、「ADS775MI」、「ADS775MP」、「ADS775HI」、「ADS775PI」、「ADS775PP」、「ADS780MT」、「ADS780BP」、「ADS793EI」、「ADS798MI」、「ADS798MP」、「ADS800AT」、「ADS805PI」、「ADS805PP」、「ADS805PA」、「ADS805PF」、「ADS812MI」、「ADS815EI」、「ADS818HI」、「ADS818HT」、「ADS822MT」、「ADS830AT」、「ADS838MT」、「ADS840MT」、「ADS845BI」、「ADS905AM」、「ADS956BI」、「ADS1040T」、「ADS1040P」、「ADS1045P」、「ADS1050P」、「ADS1060A」、「ADS1065A」、「ADS1065P」、「ADS1100T」、「ADS1120F」、「ADS1120P」、「ADS780WS」、「ADS785WS」、「ADS790WS」、「ADS805WS」、「ADS820WS」、「ADS830WS」、「ADS850WS」、「ADS780HO」、「ADS810CO」、「ADS820HO」、「ADS821NH」、「ADS840NH」、「ADS880MC」、「ADS890MC」、「ADS920MC」(いずれもアメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)製、商標)、「SDO−1000B」(いずれも有本化学工業株式会社製、商標)、「NK−3508」、「NKX−114」(いずれも株式会社林原生物化学研究所社製、商標)を挙げることができる。
また、顕色剤と反応させたフタリド化合物は、特許第3271226号公報に記載されているものを用いることもできる。また、リン酸エステル金属化合物、例えば特開平6−345820号公報、WO99/10354号パンフレットに記載のあるリン酸エステルと銅塩との複合体を用いることもできる。更に、近赤外線領域に光吸収特性を有する数平均粒子径が0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.08μm以下の超微粒子を用いることもできる。例えば、酸化イットリウム、酸化錫および/または酸化インジウム、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物、あるいは金、銀、パラジウム、白金等の金属などを挙げることもできる。更に、数平均粒子径が5μm以下、より好ましくは1μm以下の、ガラス等の微粒子中に銅、錫、インジウム、イットリウム、クロム、コバルト、チタン、ニッケル、バナジウム、希土類元素のイオン等の金属イオンを添加したものを用いることもできる。
また、感光性樹脂組成物と反応し光吸収波長が変化するような色素の場合、マイクロカプセル中に含有させることもできる。その場合、カプセルの数平均粒子径は、10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下である。イオン交換体微粒子に銅、錫、インジウム、イットリウム、希土類元素等の金属イオンを吸着させたものを用いることもできる。イオン交換体微粒子としては、有機系樹脂微粒子であっても無機系微粒子であっても構わない。無機系微粒子としては、例えば非晶質リン酸ジルコニウム、非晶質ケイリン酸ジルコニウム、非晶質ヘキサメタリン酸ジルコニウム、層状リン酸ジルコニウム、網状リン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、ゼオライト等を挙げることができる。有機系樹脂微粒子としては、通常使用されているイオン交換樹脂、イオン交換セルロース等を挙げることができる。
感光性樹脂組成物には無機多孔質体(f)を添加することが好ましい。無機多孔質体(f)とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子であり、レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。本発明の無機多孔質体は粘稠な液状カスの除去を最大の目的として添加するものであり、数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量がその性能に大きく影響する。
無機多孔質体(f)は数平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。この数平均粒径の範囲のものを用いた場合、本発明に用いる樹脂組成物より得られる原版をレーザーで彫刻する際に粉塵が舞い難いため彫刻装置内を汚染し難くするほか、樹脂(a)及び有機化合物(b)との混合を行う際に粘度の極端に上昇させず、気泡の巻き込みも抑制できるので好ましい。また、レーザー彫刻した際レリーフ画像に欠損が生じし難く、印刷物の精細さを確保できる点で好ましい。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。無機多孔質体の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した値である。
無機多孔質体(f)の比表面積の範囲は、10m/g以上1500m/g以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、100m/g以上800m/g以下である。比表面積が10m/g以上である場合、レーザー彫刻時の液状カスの除去が充分となり、また、1500m/g以下であると、感光性樹脂組成物の粘度上昇を抑え、また、チキソトロピー性を抑えることができるので好ましい。なお、比表面積は、−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
無機多孔質体(f)の平均細孔径は、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収量に大きく影響を及ぼす。平均細孔径の好ましい範囲は、1nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上200nm以下、更に好ましくは2nm以上50nm以下である。平均細孔径が1nm以上であると、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収性が確保できるので好ましく、1000nm以下である場合、粒子の比表面積が大きく液状カスの吸収量を十分に確保できるので好ましい。平均細孔径が1nm未満の場合、液状カスの吸収量が少ない理由については明確になっていないが、液状カスが粘稠性であるため、ミクロ孔に入り難く吸収量が少ないためではないかと推定している。平均細孔径は、窒素吸着法を用いて測定した値である。平均細孔径が2〜50nmのものは特にメソ孔と呼ばれ、メソ孔を有する多孔質粒子が液状カスを吸収する能力が極めて高い。細孔径分布は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
無機多孔質体(f)の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上10ml/g以下、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1ml/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また10ml/g以下の場合、粒子の機械的強度を確保することができるので好ましい。細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
液状カス吸着量を評価する指標として、吸油量がある。これは、無機多孔質体100gが吸収する油の量で定義する。本発明で用いる無機多孔質体の吸油量の好ましい範囲は、10ml/100g以上2000ml/100g以下、より好ましい範囲は50ml/100g以上1000ml/100g以下である。吸油量が10ml/100g以上であると、レーザー彫刻時に発生する液状カスの除去が十分であり、また2000ml/100g以下であると、無機多孔質体の機械的強度を十分に確保できるので好ましい。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行うことができる。
無機多孔質体(f)は、特に赤外線波長領域のレーザー光照射により変形あるいは溶融せずに多孔質性を保持することが好ましい。より好ましくは950℃において2時間処理した場合の灼熱減量が、15wt%以下であり、更に好ましくは10wt%以下である。
本発明の無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。特に耐磨耗性の観点からは、球状粒子が好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体など使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。また、層状粘土化合物などのように、層間に数nm〜100nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本発明においては層間に存在する空隙の間隔を細孔径と定義する。
また、無機多孔質体の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化あるいは疎水性化した粒子を用いることもできる。
光、特に紫外線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させレーザー彫刻印刷原版を作製する場合、光線透過性が硬化反応に影響する。したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが有効である。
無機多孔質体(f)は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体(f)を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
感光性樹脂組成物中に無機多孔質体を混合する方法として、熱可塑性樹脂を加熱して流動化させた状態で直接無機多孔質体(f)を添加する方法、あるいは熱可塑性樹脂と光重合性有機化合物(b)を最初に混錬した中に無機多孔質体(f)を添加する方法のいずれでも構わない。
本発明に用いる感光性樹脂組成物における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び無機多孔質体(f)の割合は、通常、樹脂(a)100質量部に対して、有機化合物(b)は5〜200質量部が好ましく、20〜100質量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体(c)は1〜100質量部が好ましく、2〜50質量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20質量部である。有機化合物(b)の割合が、5質量部以上の場合、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとりやすく、200質量部以下の場合、架橋硬化の際の収縮が低減でき、厚み精度が良好であるので好ましい。又、無機多孔質体(f)の量が1質量部以上の場合、レーザー彫刻の際に、彫刻液状カスの発生をより効果的に抑制でき、100質量部以下の場合印刷版の機械的強度が高く、透明性が良好であり、特にフレキソ版として利用する際には、好適な硬度を得ることができるので、好ましい。
その他、本発明に用いる樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本発明の印刷原版は、上記感光性樹脂組成物をシート状又は円筒状に成形した後、感光性樹脂組成物を硬化することにより得られる。樹脂組成物をシート状、もしくは円筒状に成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行なうことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などをほどこしても良い。通常はPETやニッケルなどの素材からなるシート状支持体上に接着剤層を介し、又は介さずに直接成形される場合が多いが、直接印刷機のシリンダー上に成形する場合などもありうる。また、繊維強化プラスチック(FRP)製、プラスチック製あるいは金属製の円筒状支持体を用いることもできる。円筒状支持体は軽量化のために一定厚みで中空のものを使用することができる。シート状支持体あるいは円筒状支持体の役割は、印刷原版の寸法安定性を確保することである。したがって、寸法安定性の高いものを選択することが好ましい。
線熱膨張係数を用いて評価すると、好ましい材料の上限値は100ppm/℃以下、更に好ましくは70ppm/℃以下である。材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。例えば、厚み4.5μmの全芳香族ポリアミドフィルムの両面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートの層を積層したシート等でもよい。また、多孔質性のシート、例えば繊維を編んで形成したクロスや、不織布、フィルムに細孔を形成したもの等をシート状支持体あるいは円筒状支持体として用いることができる。シート状支持体あるいは円筒状支持体として多孔質性シートあるいは多孔質性円筒を用いる場合、感光性樹脂組成物を孔に含浸させた後に光硬化させることで、感光性樹脂硬化物層とシート状支持体あるいは円筒状支持体とが一体化するために高い接着性を得ることができる。クロスあるいは不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アルミナ・シリカ繊維、ホウ素繊維、高珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、サファイア繊維などの無機系繊維、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド等の合成繊維を挙げることができる。また、バクテリアの生成するセルロースは、高結晶性ナノファイバーであり、薄くて寸法安定性の高い不織布を作製することのできる材料である。
また、シート状支持体あるいは円筒状支持体の線熱膨張係数を小さくする方法として、充填剤を添加する方法、全芳香族ポリアミド等のメッシュ状クロス、ガラスクロスなどに樹脂を含浸あるいは被覆する方法などを挙げることができる。充填剤としては、通常用いられる有機系微粒子、金属酸化物あるいは金属等の無機系微粒子、有機・無機複合微粒子など用いることができる。また、多孔質微粒子、内部に空洞を有する微粒子、マイクロカプセル粒子、低分子化合物が内部にインターカレーションする層状化合物粒子を用いることもできる。特に、アルミナ、シリカ、酸化チタン、ゼオライト等の金属酸化物微粒子、ポリスチレン・ポリブタジエン共重合体からなるラテックス微粒子、高結晶性セルロース等の天然物系の有機系微粒子等が有用である。
本発明で用いるシート状支持体あるいは円筒状支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、感光性樹脂組成物層あるいは接着剤層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
成形された感光性樹脂組成物層を光照射等により架橋させて印刷原版を形成する。また、成型しながら光照射により架橋させることもできる。硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。感光性樹脂組成物層に照射される光は、200nmから300nmの波長の光を有することが好ましい。特に水素引き抜き型光重合開始剤(d)は、この波長領域に強い光吸収を有するものが多いため、200nmから300nmの波長の光を有する場合、感光性樹脂硬化物層表面の硬化性を充分に確保することができる。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
レーザー彫刻に用いる原版の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、印刷版として用いる場合には、一般的に0.1〜7mmの範囲である。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。
本発明では、レーザー彫刻される層の下部にエラストマーからなるクッション層を形成することもできる。クッション層は、ショアA硬度が20から70度のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が20度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができるので好ましい。また、70度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができるので好ましい。より好ましいショアA硬度の範囲は、30〜60度である。
前記クッション層は、特に限定せず、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー等ゴム弾性を有するものであれば何でも構わない。ナノメーターレベルの微細孔を有する多孔質エラストマー層であってもよい。特にシート状あるいは円筒状印刷版への加工性の観点から、光で硬化する液状感光性樹脂組成物を用い、硬化後にエラストマー化する材料を用いることが簡便であり好ましい。
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
光硬化型エラストマーとしては、前記熱可塑性エラストマーに光重合性モノマー、可塑剤および光重合開始剤等を混合したもの、プラストマー樹脂に光重合性モノマー、光重合開始剤等を混合した液状組成物などを挙げることができる。微細パターンの形成機能が重要な要素である感光性樹脂組成物の設計思想とは異なり、光を用いて微細なパターンの形成を行う必要がなく、全面露光により硬化させることにより、ある程度の機械的強度を確保できれば良いため、材料の選定において自由度が極めて高い。
また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の非硫黄架橋型ゴムを用いることもできる。
更に、テレケリック液状ゴムを反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
また、レーザー彫刻印刷版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。
広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基とは、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジモノクロロシリル基、モノエトキシシリル基、モノメトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更に本発明のシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、あるいは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。
また、チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルスルフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等の化合物を挙げることができる。
表面に固定化したカップリング剤分子が特に重合性反応基を有する場合、表面への固定化後、光、熱、あるいは電子線を照射し架橋させることにより、より強固な被膜とすることもできる。
上記のカップリング剤に、必要に応じ、水−アルコール、或いは酢酸水−アルコール混合液で希釈して、調製することができる。処理液中のカップリング剤の濃度は、0.05〜10.0重量%が好ましい。
カップリング剤処理は、前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷原版、あるいはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適用することが出来る。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下で行うことが好ましく、加熱温度としては50〜150℃が好ましい。
カップリング剤で印刷版表面を処理する前に、キセノンエキシマランプ等の波長が200nm以下の真空紫外線領域の光を照射する方法、あるいはプラズマ等の高エネルギー雰囲気に曝すことにより、印刷版表面に水酸基を発生させ高密度にカップリング剤を固定化することもできる。
本発明の印刷原版は印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線吸収フィルター等の機能性材料のパターン形成、液晶ディスプレイあるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止剤層の塗膜・パターン形成、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に応用し利用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(1)粘度
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(2)数平均分子量の測定
樹脂(a)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置「HLC−8020」(商標、日本国、東ソー社製の)とポリスチレン充填カラム「TSKgelGMHXL」(商標、日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(3)重合性不飽和基の数の測定
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて、測定装置「AVANCE 600MHz」(BRUKER BIOSPIN社製)により、分子構造解析し求めた。
(製造例1;樹脂(ア)の製造)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオール「PCDL L4672」(商標、数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(製造例2;樹脂(イ)の製造)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1830、OH価61.3)500gとトリレンジイソシアネート52.40gを加え60℃に加温下に約3時間反応させた後、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート6.2gとポリプロピレングリコールモノメタクリレート(数平均分子量400)7.9gを添加し、さらに2時間反応させたのち、エタノールを20g加えてさらに2時間反応させた。末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均で0.5個)である数平均分子量約20000の樹脂(イ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(実施例1)
[クッション層の製造]
樹脂(a)として樹脂(ア)65質量部、有機化合物(b)としてフェノキシエチルアクリレート33質量部、メチルスチリル変性シリコーンオイル「KF−410」(信越化学工業社製、商標)1質量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6質量部、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン1重量部を混合し感光性樹脂組成物(ウ)を調製した。感光性樹脂組成物(ウ)の20℃における粘度は、1600Pa・sであった。
作製した感光性樹脂組成物(ウ)を、PETフィルム上に厚さ0.5mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射してクッション層を得た。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(「UV−35−APRフィルター」(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。
感光性樹脂組成物(ウ)を光硬化させて得られた感光性樹脂硬化物のショアA硬度は、40度であった。なお、ショアA硬度測定に際し、表面のPETカバーフィルムは剥離した。
[印刷原版層の製造]
また、製造例2で得られた樹脂(イ)100質量部に対し、重合性モノマーとしてフェノキシエチルメタクリレート25質量部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート19質量部、トリチロールプロパントリアクリレート5質量部、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、「サイロスフェアC−1504」(商標、以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)5質量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.6質量部とベンゾフェノン1質量部、その他添加剤として2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン0.5質量部を加えて20℃で液状の感光性樹脂組成物(エ)を作成した。液状感光性樹脂組成物(エ)の20℃における粘度は、1200Pa・sであった。感光性樹脂組成物(エ)100質量部に対し、中心金属がバナジウムであるフタロシアニン色素を0.02質量部添加した感光性樹脂組成物(オ−1)を調整した。
得られた感光性樹脂組成物(オ−1)をPETフィルム上に厚さ0.5mmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射し、レーザー彫刻印刷原版層を形成した。照射したエネルギー量は、4000mJ/cm(「UV−35−APRフィルター」(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。
更に、別途、感光性樹脂組成物(オ−1)を、PETフィルム上に厚さ50μmmmのシート状に成形し、その上に厚さ15μmのPETカバーフィルムを被覆して、高圧水銀灯から出てくる光を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射して光線透過率測定用サンプルを得た。照射したエネルギー量は、2000mJ/cm(「UV−35−APRフィルター」(商標、オーク製作所社製)で測定した照度を時間積分した値)であった。紫外・可視・近赤外分光光度計「V−570」(日本分光社製、商標)を用いて、光線透過率を測定したところ、波長365nmにおいて、59%であった。また、近赤外線レーザーの発振波長である1064nmにおける光線透過率は、91%であった。
[印刷原版の製造]
得られたレーザー彫刻印刷原版層の両面に付いたPETフィルムを剥がし、上記のクッション層上に両面接着テープを介して、貼り付けることにより、クッション層上にレーザー彫刻層を積層したシート状印刷原版を形成した。
微細パターンのレーザー彫刻は、エンドポンプ式半導体レーザー励起Qスイッチ固体レーザーであるNd:YVOレーザーの基本波1064nm「BL6−106Q」(スペクトラフィジックス社製、商標)を用いて、ビーム径を10μmにレンズで集光して実施した。レーザーの繰り返し周波数は35kHz、パルス幅は8ナノ秒、平均出力は1W、1パルスあたりの仕事率は3.6kWであった。レーザービームを固定し、彫刻する試料(シート状印刷原版)を固定し、XYステージを動かすことにより複数本の直交したライン状の凹パターンを形成した。ビームのクォリティーを示すM値は1.2未満であった。ライン状の凹パターンを形成した領域は50mm×50mmであり、この領域に幅8μm長さ40mmのライン状凹パターンを、等間隔に30本彫刻し、これらのライン状凹パターンに直交する幅8μm長さ40mmライン状凹パターンを、等間隔に30本彫刻した。ステッピングモータで駆動するXYステージは、5mm/秒の速さで動かした。得られたライン状凹パターンの深さは20μmであった。80パルスで20μmの深さを彫刻したことになるので、1パルス当たりの彫刻深さは、0.25μmであった。得られたパターンのエッジは鮮明であった。
更に、上記のように微細凹パターンを表面に形成されたシート状印刷版をシリンダー上に巻きつけ、炭酸ガスレーザー彫刻機「ZED−mini−1000」(商標:、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて、粗いパターンを形成した。微細凹パターンが表面に形成された50mm×50mmの領域の外側に、幅5mm、深さ300μmの70°にテーパーのついた溝パターンを形成した。
上記のようにして凹パターンを形成したシート状印刷版を、フレキソ印刷仕様の精密印刷機「JSC−m4050−M」(日本電子精機社製、商標)を用いて、ガラス基板上に印刷を行った。適正な印圧のもとで、凹パターンに対応した白抜き線が印刷できた。
(実施例2)
実施例1と同様にして、シート状印刷原版を作製した。微細パターンのレーザー彫刻は、パルスファイバーレーザー「PFL−9」(JDS Uniphase社製、商標)を用いて、波長1060nmのビーム径を8μmにfθレンズで集光して実施した。レーザーの繰り返し周波数は50kHz、パルス幅は120n秒、平均出力は1W、1パルスあたりの仕事率は167Wであった。試料を固定し、レーザービームを、ガルバノミラーを用いてXY方向へ走査し凹パターンを形成した。ビームのクォリティーを示すM値は1.8未満であった。実施例1と同じデザインでライン状凹パターンを形成した。得られた凹パターンは、幅10μm、深さ25μmであった。1パルス当たりの彫刻深さは、0.3μmであった。得られたパターンのエッジは鮮明であった。
(実施例3)
実施例1で用いた感光性樹脂組成物(エ)に、中心金属がバナジウムであるフタロシアニン系色素を2500ppm添加した感光性樹脂組成物(オ−2)を調整し、レーザー彫刻層を形成した。感光性樹脂組成物(オ−2)を用い、厚さを0.15mmとする以外は、実施例1と同様にしてシート状印刷版を作製した。感光性樹脂組成物(オ−2)を用いて、別途形成した厚さ50μmの感光性樹脂硬化物の波長365nmにおける光線透過率は、10%であった。また、近赤外線レーザーの発振波長である1064nmにおける光線透過率は、51%であった。
パルス発振紫外線レーザーを用いて形成された凹パターンの寸法は、幅が12μm、深さが10μmであった。エッジは鮮明であった。
(比較例1)
レーザー光源としてパルス発振固体レーザー「HIPPO−106Q」(スペクトラフィジックス社製、商標)を用いる以外は、実施例1と同様にして凹パターンを形成したシート状印刷版を作製した。レーザーの繰り返し周波数は50kHz、パルス幅は15ナノ秒、平均出力は17Wであった。1パルスあたりの仕事率は、22.7kWであった。レーザービーム径を8μmにレンズで集光して実施した。得られた凹パターンの幅は30μmと、ビーム径に比較して大きかった。また、深さは 40μmであった。
(比較例2)
シリカを含有する厚さ1mmのシリコーンゴムシートを用いて、実施例1と同じパルス発振近赤外線レーザーを用いて、同じ彫刻条件でレーザー彫刻を実施した。線状の痕跡は見られたが、深さは1μm未満であった。使用したシリコーンゴムは、感光性樹脂硬化物ではなく、近赤外線領域及び紫外線領域の光線透過性の極めて低い材料であった。
用いたシリコーンゴムを、厚さ50μmにスライスして365nmにおける光線透過率を測定したところ、光線透過率は0.1%未満であり、近赤外線レーザーの発振波長である1064nmでの光線透過率は1%未満であった。
本発明は、パルス発振近赤外線レーザーを用いて樹脂硬化物表面に微細パターンを形成して得られるシート状又は円筒状の樹脂製印刷基材の製造方法として最適である。

Claims (12)

  1. 表面に凹凸パターンを有するシート状又は円筒状の印刷基材の製造方法であって、パルス発振近赤外線レーザー光により印刷原版表面に凹パターンを形成するレーザー彫刻工程を含むこと、前記印刷原版の表面から少なくとも50μmの厚さの部分が、近赤外線領域および紫外線領域に光線透過性を有する樹脂硬化物からなること、かつ前記レーザー彫刻工程において用いられるパルス発振近赤外線レーザー光源の平均出力が0.01W以上5W未満であることを特徴とするシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  2. パルス発振近赤外線レーザーのパルス幅が1フェムト秒以上200ナノ秒以下である、請求項1記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  3. パルス発振近赤外線レーザーから出力されるレーザービームのビーム径を1μm以上20μm未満に集光することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  4. 樹脂硬化物の光線透過率が、該樹脂硬化物の厚さが50μmの場合に、レーザー彫刻工程で使用されるパルス発振近赤外線レーザーの発振波長において20%以上95%以下であり、かつ365nmにおいて1%以上80%以下である、請求項1〜3いずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  5. レーザー彫刻工程として、更に、赤外線レーザーを用いて15μm以上100μm未満のビーム径で印刷原版表面をレーザー彫刻する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  6. パルス発振近赤外線レーザーの発振波長が700nm以上3μm以下であり、かつ前記赤外線レーザーの発振波長が5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  7. パルス発振近赤外線レーザーのビーム数および前記赤外線レーザーのビーム数が、それぞれ、少なくとも1本であることを特徴とする請求項5又は6記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  8. レーザー彫刻工程において、シート状印刷原版をシリンダー表面に巻きつけ固定した状態又は円筒状印刷原版をシリンダーに装着した状態で、シリンダーの長軸を固定し周方向へ回転させながら、レーザービームを該シリンダーの長軸方向に走引するか、又はガルバノミラーを用いて該シリンダーの長軸方向に走査することによりレーザー彫刻する請求項1〜7のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  9. パルス発振の近赤外線レーザーの、1パルス当たりの仕事率が10W以上20kW以下であり、繰り返し周波数が20Hz以上500MH以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  10. パルス発振の近赤外線レーザー光が、エンドポンプ方式の半導体レーザー励起固体レーザーの基本波であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  11. 樹脂硬化物が、20℃において液状の感光性樹脂を光硬化させて形成されたものであり、カーボネート結合、エステル結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有し、且つウレタン結合、ウレア結合、アミド結合から選ばれる少なくとも1種類の結合を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
  12. パルス発振近赤外線レーザーの1パルスで彫刻される樹脂硬化物の深さが、0.05μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のシート状又は円筒状印刷基材の製造方法。
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