JP2008000453A - 遊技機 - Google Patents

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JP2008000453A JP2006174256A JP2006174256A JP2008000453A JP 2008000453 A JP2008000453 A JP 2008000453A JP 2006174256 A JP2006174256 A JP 2006174256A JP 2006174256 A JP2006174256 A JP 2006174256A JP 2008000453 A JP2008000453 A JP 2008000453A
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Yasuhisa Fujii
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Abstract

【課題】前枠扉の開放に伴って、遊技者に払い出された遊技球が、前枠扉の球払出口の後側から零れ落ちてしまうことを防止する遊技機を提供する。
【解決手段】前枠扉6を貫通して後方へ突成した球導出受部50は、遊技球の貯留領域53を規定する底部を少なくとも含む球受基体51に、該貯留領域53を規定する壁部を含む貯留領域変換部材52を、球受け位置と貯留領域を拡張する拡張位置とに変位可能とするように配設したものであり、前枠扉6の開放に伴って、貯留領域変換部材52が球送出口34の口縁に形成された変換案内部61により球受け位置から拡張位置へ変換するようにした。これにより、球導出受部50の貯留領域53上に遊技球がいっぱい溜まっている場合に、前枠扉6を開放しても、該貯留領域53が拡張することから、該遊技球を充分な余裕を持って保持でき、遊技球が零れ落ちてしまうことを防ぎ得る。
【選択図】図5

Description

本発明は、遊技球を遊技媒体とし、該遊技球を前枠扉に配設された球貯留皿に払い出す遊技機に関する。
遊技球を遊技媒体とする遊技機にあっては、遊技中に所定条件が成立した場合に、所定個数の遊技球を、前枠扉に配設された球貯留皿に払い出すようにしたものが一般的である。このような遊技機には、所定個数の遊技球を払い出す作動を実行する払出装置が本体枠に設けられており、この本体枠に、払出装置により払い出された遊技球を前方へ流出する球送出口が設けられている。そして、本体枠に片開き可能に枢支された前枠扉には、その閉鎖状態で前記球送出口と連通して遊技球を球貯留皿へ流出する球払出口が設けられている。
このような遊技機は、前枠扉が開放されると、本体枠の球送出口と前枠扉の球払出口とが離間する。このため、遊技中に球詰まりが発生した場合に、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっていると、前枠扉を開放した時に、遊技球が球送出口から零れ落ちてしまう。これを防止するために、例えば、球送出口の直上流位置に、遊技球を下方へ誘導する排出路が連通すると共に、前枠扉の閉鎖状態で球送出口に嵌入する、上方開口した球導出受部が設けられた構成が知られている。ここで、球導出受部は、前枠扉の球払出口から後方へ突出するように形成されている。この構成は、前枠扉の閉鎖状態で、球導出受部が球送出口へ嵌入して排出路を閉鎖し、払出装置から払い出された遊技球を受けて、該遊技球を球払出口を介して球貯留皿へ導出する。前枠扉が開放されると、球導出受部が球送出口から退出するため、排出路を上端開口が開放されて、遊技球が排出路を流下する。これにより、前枠扉の開放した時に、球送出口より上流側に遊技球が溜まっていても、該遊技球が球送出口から零れ落ちることを防止している。尚、遊技機には、その下部に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿が配設された構成が一般的であり、前記排出路は、この余剰球貯留皿に連通するように設けられている。
また、上記した構成にあって、球送出口に、前枠扉の閉鎖状態で開放し、前枠扉の開放に伴って閉鎖する開閉扉を備えた構成もある。この開閉扉としては、球送出口の下縁に前後方向へ回動可能に軸支され、起立して球送出口を閉鎖する位置に付勢されて設けられている。かかる構成にあって、前枠扉の閉鎖する時には、球導出受部が開閉扉を後方へ押し付けて球送出口に嵌入し、前枠扉を開放する時には、球導出受部が球送出口から退出することにより、開閉扉が付勢力に従って起立位置となって球送出口を閉鎖する。すなわち、前枠扉を開放した時には、球送出口が自動的に閉鎖されるため、該球送出口の上流に貯留する遊技球が球送出口から零れ落ちることを防止できるのである。
さらにまた、別構成として、球送出口の下方に、前枠扉の開放に伴って前方へ回動する受皿部材が軸支されており、前枠扉を開放した時に、球送出口から零れた遊技球を受皿部材により受け止めるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。ここで、受皿部材に受け止められた遊技球は、余剰球貯留皿へ連通する排出路へ流下するようになっている。すなわち、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっている状態で、前枠扉を開放した場合に、球送出口から零れた遊技球を受皿部材により受け止めて、排出路を介して余剰球貯留皿へ流出する。
特開2004−275207号公報
ところで、上述したように球送出口の直上流位置に遊技球を排出する排出路を設けた構成や、球送出口に開閉扉を設けた構成にあっては、球送出口よりも上流側にまで溜まった遊技球が球送出口から零れ落ちることを防止したものである。しかし、前枠扉側に配設された球導出受部については充分に考慮されていない。仮に、球導出受部が、遊技球を貯留可能な領域を有しているものであっても、この貯留領域いっぱいに遊技球が溜まっている場合に、前枠扉を勢いよく開放すると、その振動によって、遊技球が零れ落ちてしまうことが懸念される。
また、上述した従来の、球送出口の下方に零れた遊技球を受ける受皿部材が設けられた構成にあっても、前枠扉を勢いよく開放した場合には、球払出口の裏側から零れた遊技球を確実に受け止めることができない。
上述したように、球詰まりなどによって前枠扉を開放した時に、払出装置から払い出された遊技球が零れ落ちてしまうと、該遊技球が遊技者の持ち球であることから、遊技者との間でトラブルが生じたり、遊技者に不快感を与えることとなる。このため、例え球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっている状態であっても、前枠扉の開放時に、その遊技球が零れ落ちることを確実に防止できる構成が求められている。
本発明は、前枠扉の開放時に、払出装置から払い出された遊技球が零れ落ちることを防ぎ得る遊技機を提案するものである。
本発明は、遊技球を払い出す払出装置と、該払出装置により払い出された遊技球を前方へ流出する球送出口を備えた本体枠と、球貯留皿が前面に配設され、前記本体枠の前面側に片開き可能に枢支された前枠扉と、前記球貯留皿から前記前枠扉を貫通して後方へ突成され、該前枠扉の閉鎖状態で前記球送出口に嵌入して、前記払出装置により払い出された遊技球を受けて前記球貯留皿へ導出する球導出受部とを備えた遊技機において、前記球導出受部が、前記前枠扉の後面から突出するように形成され、遊技球の貯留領域を規定する壁部および底部のうち、少なくとも底部を含む球受基体と、前記貯留領域を規定する壁部および底部のうち、少なくとも壁部を含み、前記球受基体と協同して前記貯留領域を規定すると共に、前記球受基体に、該貯留領域を拡張する方向へ変位可能に配設され、前記球送出口に嵌入して遊技球を受ける球受け位置と、該球受け位置から前記貯留領域を拡張する方向へ変位した拡張位置とに変換される貯留領域変換部材とから構成されてなり、前記球送出口の口縁に形成され、前記前枠扉の開放に伴って、前記貯留領域変換部材を球受け位置から拡張位置へ案内する変換案内部を備えていることを特徴とする遊技機である。
ここで、前枠扉の前面、後面とは、前枠扉が本体枠に閉鎖された状態における前面、後面とを指す。前後方向についても同様である。
かかる構成は、前枠扉の閉鎖状態で球送出口に嵌入する球導出受部を備えた構成にあって、該球導出受部の、遊技球を貯留しておくことのできる貯留領域を、前枠扉の開放に伴って貯留領域変換部材が球受け位置から拡張位置へ変位することによって、前枠扉の閉鎖状態に比して、前枠扉の開放状態で拡張(増大)するようにしたものである。これにより、前枠扉の閉鎖状態で貯留している遊技球を、前枠扉が開放されることによって、余裕を持って保持することができることとなる。すなわち、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まっている時に、前枠扉を開放したとしても球導出受部の貯留領域いっぱいに溜まった遊技球を、拡張した貯留領域により余裕をもって貯留できるため、該遊技球が開放による振動で零れ落ちることを防ぎ得る。そして、例え前枠扉を勢いよく開放したとしても、その振動によって遊技球が球導出受部から零れ落ちることを防止できる。したがって、本発明の構成は、上述した従来の、受け皿部材を備えた構成に比して、前枠扉の開放時に、遊技球を零れ落ちないようにする作用効果が高い。
ここで、上記した球導出受部としては、遊技球を貯留可能な貯留領域を有しており、該貯留領域が壁部および底部により規定されたものとしている。そして、球受基体が、この貯留領域を規定する底部を少なくとも含み、かつ貯留領域変換部材が、該貯留領域を規定する壁部を少なくとも含むものとしており、これら球受基体と貯留領域変換部材とが、協同して遊技球の貯留領域を定めている。そして、貯留領域変換部材としては、球受基体の内部で、前後方向又は左右方向へ変位することにより、遊技球の貯留領域が拡縮(増減)する構成や、球受基体から後方へ引き出されることにより、該貯留領域を拡張する構成が好適に用い得る。
また、本構成にあっては、貯留領域変換部材が、前枠扉の開閉に伴って、変換案内部と直接的又は間接的に連係して前後方向に変位することにより、球受け位置と拡張位置との間で変位する構成が好適に用い得る。
尚、本構成としては、上述したように、球送出口の直上流側に排出路を設けた構成や、球送出口に、球導出受部により開閉する開閉扉を設けた構成にも好適に用い得る。これらの構成は、上述したように、球送出口よりも上流側にまで遊技球が溜まっている場合に、前枠扉を開放した時、球送出口から遊技球が零れることを防止できる作用効果を有している。このため、遊技機として、上述した本発明の作用効果と共に、球送出口よりも上流側まで遊技球が溜まった状態で前枠扉を開放したとしても、該遊技球が前枠扉側および本体枠側から零れ落ちることを防ぐことができるのである。
上述した遊技機にあって、前記球受基体の後端部に、後方へ開放する引出開放部を形成し、前記貯留領域変換部材を、前記球受基体内に前後方向へ移動可能に支持されて、前記引出開放部を閉じる球受け位置と、該球受け位置から後方へ引き出された拡張位置とに変換される引出底片により構成したものが提案される。
かかる構成にあっては、前枠扉の開閉に伴って、球受基体に形成した引出開放部から引出底片を出し入れすることにより、球受け位置と拡張位置とに変位するようにしたものである。そして、引出底片が後方へ引き出された拡張位置とした場合には、球受け位置とした場合に比して、該引出底片の引き出された分だけ貯留領域が拡張する。この構成にあっては、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮することができる。
ここで、貯留領域の拡張する領域は、引出底片が球受基体の後方へ引き出すことによって生じるものであるから、比較的大きく設定され易い。このため、前扉の開放時に、充分に余裕と持って遊技球を貯留できる貯留領域とすることができ、開放時の振動等によって遊技球が零れ落ちることを防ぐ効果に一層優れる。尚、貯留領域の拡張量は、引出底片を引き出す変位量と比例して大きくなるため、該変位量の設定如何によって定められるものである。
また、引出開放部としては、球受基体の後端部の一部分を開放した構成としても良いし、該後端部のほぼ全体を開放した構成としても良い。そして、引出開放部を大きく設定することによって、上記した貯留領域の拡張量も大きくなる。
上述した遊技機にあって、前記球受基体の後端部に、後方へ開放する引出開放部を形成し、前記貯留領域変換部材を、前記球受基体の左右一側の後端部に前後方向へ回動可能に軸支され、該支軸部を頂点する略扇形の引出底片より構成し、前記引出開放部を閉じる球受け位置と、引出開放部から後方へ引き出された拡張位置とに回動されるものが提案される。
かかる構成にあっては、略扇形の引出底片を、前枠扉の開放に伴って後方へ回動して拡張位置とし、前枠扉の閉鎖に伴って前方へ回動して球受け位置とするようにしたものである。そして、引出底片が、球受け位置から回動して引出開放部から引き出されることにより、この引き出された領域分だけ、貯留領域が拡張する。この構成にあっても、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮することができる。
この構成にあっても、上述したように、貯留領域の拡張する領域を比較的大きく設定し易いことから、前扉の開放時に、充分に余裕と持って遊技球を貯留できる貯留領域とすることができ、開放時の振動等によって遊技球が零れ落ちることを防ぐ効果に一層優れる。
また、引出開放部にあっても、上述したように、球受基体の後端部の一部分を開放した構成としても良いし、該後端部のほぼ全体を開放した構成としても良い。そして、引出開放部を大きく設定することによって、上記した貯留領域の拡張量も大きくなる。
上述した遊技機にあって、前記貯留領域変換部材を構成する引出底片の下面に設けられ、前記前枠扉の開放に伴って、前記球送出口の下縁に設けられた変換案内部と当接して、引出底片を球受け位置から引き出して拡張位置とし、前枠扉の閉鎖に伴って、前記変換案内部と当接して引出底片を拡張位置から押し込んで球受け位置とする係合部を備えた構成が提案される。
かかる構成にあっては、前枠扉の開閉に伴って、引出底片の下縁に設けた係合部が、球送出口の下縁に設けられた変換案内部と当接することにより、当該引出底片を前後方向へ変位させるようにしたものである。これにより、引出底片を、前枠扉の開閉に従って、球受け位置と拡張位置とに円滑に変位させることができる。したがって、上述した本発明の作用効果を安定して発揮でき得る。
ここで、引出突片は、球受基体に、上下方向に遊びを有して、前後方向へ移動可能又は回動可能に支持されたものとした構成が好適である。この構成にあっては、引出突片の係合部が変換案内部と当接して球受け位置又は拡張位置となった時に、該係合部が変換案内部を乗り越えることができる。これにより、係合部を引出突片の前端部位に設けた構成として、前枠扉の開放によって球送出口から出る時点で引出突片が拡張位置となり、前枠扉の閉鎖によって球送出口に入る時点で引出突片が球受け位置となる。
尚、係合部としては、変換案内部と当接することができるものであって、例えば、下方へ突出した突出片としたり、前後方向へ遊転可能なローラとする等が好適に用い得る。また、変換案内部としては、例えば、球送出口の下縁から上方へ突出する突出片や、前後方向へ遊転可能なローラとすることができる。そして、この変換案内部は、球導出受部の球送出口への入出時に、係合部とは当接するものの、球受基体とは当接しないようにする。
上述した遊技機にあって、前記貯留領域変換部材を構成する引出底片を、前記球受基体に対して後方へ付勢する付勢手段と、前記引出底片の底部に形成された係合孔と、前記球受基体の底部に形成され、球受け位置にある引出底片の係合孔と連通する挿通孔と、前記引出底片の下面に上下方向へ回動可能に軸支され、該支軸よりも後側に設けられた、前記前枠扉の開放に伴って球送出口の下縁に設けられた変換案内部と当接して上方へ回動する第一作動部と、前記支軸よりも前側に設けられた、前記前枠扉の閉鎖に伴って変換案内部と当接して上方へ回動する第二作動部と、該第二作動部から上方へ突成された、球受け位置とした引出底板の係合孔に挿通孔を介して係止される係止突部とから構成したロック部材とを備えたものとした構成が提案される。
かかる構成にあっては、付勢手段により拡張位置へ付勢されている引出底片を、該付勢力に抗して球受け位置へ変位して、ロック部材により球受基体に係止することにより、該球受け位置で保持できるようにしたものである。そして、引出底片が球受け位置で保持されている状態で、ロック部材を球受基体から解除することにより、引出底片を付勢力に従って拡張位置へ変位するようにしている。
すなわち、前枠扉の閉鎖状態で引出底片が球受け位置で保持されているところから、前枠扉が開放されると、ロック部材の第一作動部が変換案内部と当接して上方へ回動することにより、第二作動部が下方へ回動して係止突部が係合孔及び挿通孔から外れ、引出底片が付勢力により拡張位置へ移動又は回動する。一方、前枠扉が閉鎖されると、ロック部材の第二作動部が変換案内部を当接して上方へ回動するが、係止突部が球受基体の下面に当接して第二作動部の回動を制限する。このため、第二作動部が変換案内部に当接した状態が維持され、引出底片が後方へ移動又は回動できない。これは、球受基体に対して相対的に拡張位置から前方へ移動又は回動することである。そして、引出底片が球受け位置となると、係止突部が挿通孔と係合孔に嵌入することから、第二作動部と変換案内部との当接が解除されると共に、引出底片が球受け位置に保持されるのである。
このように、本構成にあっては、前枠扉の開閉に伴って、引出底片を円滑に球受け位置と拡張位置とに変位することができる。したがって、上述した本発明の作用効果を安定して発揮できることとなる。
上述した遊技機にあって、前記変換案内部を、前記球送出口の少なくとも左右一側の側縁から側方突成した案内突片により構成し、前記球受基体の少なくとも左右一側の側面に、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記案内突片が臨む進入開口を形成し、前記貯留領域変換部材を、その前縁が前記球受基体の進入開口を形成した側面に左右方向へ回動可能に支持されて、前記貯留領域の少なくとも一側の壁部を成す可動側板により構成し、前記前枠扉の開放状態で、前記球受基体の、前記進入開口が形成された側面と近接する拡張位置に保持され、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記球受基体の進入開口から進入した前記案内突片と当接して内方へ変位した球受け位置に保持されるものとした構成が提案される。
かかる構成にあっては、球導出受部の有する貯留領域を規定する壁部の少なくとも左右一方を、可動側板(貯留領域変換部材)により構成し、該可動側板を、内方へ傾斜した球受け位置から、球受基体の一方の側面に近接する拡張位置へ回動することにより、貯留領域を拡張するようにしたものである。このように、本構成にあっては、可動側板を、球受基体の内部で左右方向へ傾動することにより、球受け位置と拡張位置とに変位するものである。ここで、可動側板は、球導出受部が球送出口に入出することにより、球送出口の側縁に設けた案内突片と当接し、左右方向に回動して、球受け位置と拡張位置とに安定して変位するようになっている。すなわち、前枠扉の閉鎖状態で可動側板が球受け位置にあり、前枠扉を開放することによって、可動側板が球受け位置から拡張位置へ外方傾動して、貯留領域を拡張する。これにより、球受け位置で貯留領域いっぱいに遊技球が溜まっている時に、前枠扉を開放したとしても、該遊技球を貯留領域が拡張することにより余裕を持って貯留でき、該開放によって遊技球が零れ落ちることを防ぎ得る。本構成は、上述した本発明の作用効果が適正かつ安定的に発揮できるものである。
また、本構成は、前枠扉の開閉に伴って、可動側板が球受基体内で傾動するものであるから、球導出受部の外寸法が変化しないため、球送出口への入出を円滑かつ安定的に行い得るという優れた利点も有する。
尚ここで、可動側板が変位する内方とは、貯留領域の中心部へ向かう方向を表し、球受け基体の左側面に支持された可動側板にあっては右方向、球受基体の右側面に支持された可動側板にあっては左方向を示している。また、外方とは、前記内方と逆方向を表している。
本発明は、上述したように、前枠扉を貫通して後方へ突成した球導出受部を、遊技球の貯留領域を規定する壁部を少なくとも含む球受基体に、球受け位置と貯留領域を拡張する拡張位置とに前後方向に変位可能とするように、該貯留領域を規定する底部を含む貯留領域変換部材を備えたものとし、前枠扉の開放に伴って、貯留領域変換部材が球送出口の口縁に形成された変換案内部により球受け位置から拡張位置へ変換するものとしたから、球導出受部の貯留領域に遊技球がいっぱい溜まっている場合に、前枠扉を開放しても、該貯留領域が拡張して、遊技球を余裕をもって留め得ることができる。このため、例え勢いよく前枠扉を開放しても、該開放時の振動によって遊技球が球導出受部から零れ落ちてしまうことを防ぎ得るという優れた作用効果を発揮する。
また、貯留領域変換部材を、前記球受基体内に前後方向へ移動可能に支持された引出底片により構成し、前枠扉の開閉に伴って、球受基体に形成された引出開放部を閉じる球受け位置と、該球受け位置から後方へ引き出された拡張位置とに変換するようにしたから、前枠扉の開閉に伴って引出底片を円滑に変換させることができ、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮でき得る。
また、貯留領域変換部材を、球受基体の左右一側の後端部に前後方向へ回動可能に軸支された引出底片により構成し、前枠扉の開閉に伴って、球受基体に形成された引出開放部を閉じる球受け位置と、該球受け位置から後方へ引き出された拡張位置とに変換するようにしたから、前枠扉の開閉に伴って引出底片を円滑に変換させることができ、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮でき得る。
また、貯留領域変換部材を構成する引出底片の下面に係合部を設け、前枠扉の開閉に伴って、該係合部が、球送出口の下縁に設けた変換案内部と当接することにより、球受け位置と拡張位置とに移動又は回動するようにしたから、引出底片が前扉の開閉に従って、円滑に移動又は回動でき、上述した本発明の作用効果を安定して発揮し得る。
また、貯留領域変換部材を構成する引出底片の下面に、上下方向へ回動可能にロック部材を軸支し、該ロック部材が前枠扉の開放に伴って変換案内部と当接することにより、付勢手段により後方へ付勢された引出底片を、ロック部材の係止突片を球受基体の挿通孔と引出底片の係合孔とに係止して保持した球受け位置と、ロック部材の第一作動部が変換案内部と当接することにより、係止突片が挿通孔と係合孔から外れて付勢力に従って移動又は回動する拡張位置とに変位するようにしたから、前枠扉の開閉に伴って引出底片を円滑に移動又は回動させることができ、上述した本発明の作用効果を安定的に発揮でき得る。
また、貯留領域変換部材を、その前縁が前記球受基体の進入開口を形成した側面に左右方向へ回動可能に支持されて、前記貯留領域の少なくとも一側の壁部を成す可動側板により構成し、前扉の開放状態で、球受基体の側面と近接する拡張位置とし、前枠扉の閉鎖状態で、変換案内部を構成する案内突片と当接して内方変位した球受け位置とするようにしたから、可動側板が、前枠扉の開閉に伴って案内突片と当接して左右方向へ傾動することにより、球受け位置と拡張位置とに円滑に変位する。このため、上述した本発明の作用効果を適正かつ安定的に発揮し得る。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、遊技島設備に固定される木製の外枠2と、該外枠2の開口部分に取り付けられた遊技機本体3とから構成されている。尚、このパチンコ遊技機1が、本発明にかかる遊技機である。
遊技機本体3は、板状の本体枠5を備え、この本体枠5が上記外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。この本体枠5の前面側には前枠扉6が開閉可能に配設されており、本体枠5の背面側には裏機構板7が配設されている(図3参照)。
上記した本体枠5には、遊技盤9が配設されており、該遊技盤9の前面には、案内レール13が湾曲状に設けられている。そして、この案内レール13により区画された円形領域は、大入賞口や普通入賞口などを備えた各種入賞装置(図示省略)や遊技釘などが配設された遊技領域12となっている。
また、本体枠5には、遊技盤9の直下に発射装置15が配設されている。そして、発射装置15の前側には、該発射装置15の発射位置に遊技球を一個ずつ送り出す電動式の球送り機構を備えた整流器20が配設されている。
また、本体枠5の前面下部には、図1,2のように、下部パネル23が設けられており、この下部パネル23の前面中央に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿11が配設されている。この余剰球貯留皿11内には球放出口24が開口しており、該球放出口24から余剰球貯留皿11内に遊技球が放出される。また、余剰球貯留皿11の底部には遊技球排出用の球抜孔25が形成されており、余剰球貯留皿11の底部に設けられた球抜スライダ26を移動操作すると球抜孔25が開放し、余剰球貯留皿11の遊技球を下方へ排出可能となる。
余剰球貯留皿11の右方には発射ハンドル28が突設される。発射ハンドル28の外周部には回動操作可能な発射レバー29が設けられており、発射ハンドル28の内部には、発射レバー29の回動角度を検知する発射強度電子ボリューム(図示省略)が配設される。発射強度電子ボリュームは、上記した発射装置15や整流器20の作動を制御する発射制御基板(図示省略)に接続される。すなわち、発射レバー29の操作に従って発射強度電子ボリュームから発射制御基板に信号が入力され、これに従って該発射制御基板は、整流器20の球送り機構を作動すると共に、発射装置15を駆動制御し、整流器20から発射位置に送り出された遊技球が発射されるのである。
また、上記した裏機構板7は、図3のように、本体枠5の背面側に取り付けられている。この裏機構板7には、その上部に、図示しない遊技島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク30が設けられており、球タンク30の直下に、該球タンク30内の遊技球を流下させるタンクレール45が設けられている。そして、このタンクレール45の下端部と連通して遊技球を下方の球払出装置31に導く上下方向の球通路46が設けられている。さらに、払出装置31には、後述する球送出口34に連通する球流通路32と、上記した余剰球貯留皿11の球放出口24へ流下させるバイパス路36とが分岐して接続されている。ここで、払出装置31から払い出された遊技球は、通常球流通路32へ流下するように、分岐形状が形成されている。そして、遊技球が球流通路32に溜まってしまった場合や、比較的多量の遊技球が短時間で払い出された場合に、後から払い出された遊技球がバイパス路36へ流下して余剰球貯留皿11へ放出される。
この裏機構板7には、遊技盤9の裏面側に突出した状態で取り付けられる制御装置や該制御装置の保護カバー(いずれも図示省略)との干渉を避けるために、その略中央部に矩形状の開口部47が形成されている。すなわち、この開口部47内に、遊技全般を制御する主制御基板、払出装置31を制御する払出制御基板、発射装置15を制御する発射制御基板等の各種基板が夫々配設されることとなる(図示省略)。さらに裏機構板7の上部位置には、遊技状態等の所要情報信号を出力する情報端子基板48が、球タンク30の横に並べて配設されている。
一方、上記した前枠扉6は、その左側縁がヒンジ部材17によって本体枠5に枢着されている。ここで、前枠扉6は、上記した下部パネル23よりも上の領域をほぼ全体的に前面から覆うように設けられており、本体枠5に閉鎖された状態で、上記した遊技盤9、発射装置15、整流器20を前方から覆うこととなる。
この前枠扉6の中央には、透明板18を保持する略円形の遊技領域開口部19が形成されており、前枠扉6を閉鎖した状態で、該遊技領域開口部19を介して、上記した遊技盤9の遊技領域12を前方から視認可能となっている。
また、前枠扉6の下部前面には、発射球貯留皿10が配設されている。この発射球貯留皿10は、その右側内部に、遊技球を整列する整列部38が形成されており、該整列部38の右端に、遊技球を取り込む球取込口39が形成されている(図2参照)。また、発射球貯留皿10の内底面は、遊技球が整列部38を流下して球取込口39へ流入するように右方向へ下方傾斜している。そして、前枠扉6の閉鎖状態で、球取込口39から流入した遊技球が整流器20に流入する。すなわち、この発射球貯留皿10は、発射装置15へ送る遊技球を貯留するためのものである。尚、発射球貯留皿10により、本発明にかかる球貯留皿が構成されている。
さらに、前枠扉6には、図2のように、発射球貯留皿10の左側位置に開口した球払出口33が設けられており、この球払出口33が前枠扉6の厚み方向に貫通するように設けられている。そして、本体枠5には、前枠扉6の閉鎖状態で、球払出口33と対向する位置に球送出口34が設けられている。この球送出口34は、上述した球流通路32と連通しており、払出装置31により払い出された遊技球を流出して球払出口33を介して発射球貯留皿10へ流出するためのものである(図3参照)。
上記した球流通路32の、球送出口34の直上流位置には、図3,4のように、下端を球放出口24に連通する排出路35が連通している。これにより、球流通路32を流下した遊技球は、球送出口34から流出せずに排出路35へ流れた場合、球放出口24を介して余剰球貯留皿11へ放出される。尚、この排出路35は、その下端が上記したバイパス路36と合流して球放出口24に連通している。
また、この球送出口34の下縁内側には、図5,6ように、開閉扉40が前後方向へ回動可能に軸支されている。この開閉扉40は、起立位置で球送出口を後方から遮蔽し(図5(A)参照)、後方へ回動することにより球送出口34を開放する(図5(C)参照)。さらに、開閉扉40は、常態で起立位置に保持されるように、図示しない付勢バネによって付勢されている。
次に、本発明の要部について、以下の各実施例に従って説明する。
前枠扉6には、図2のように、球払出口33から後方へ突出するように、その後部を上方開口した球導出受部50が配設されている。この球導出受部50は、図5(A)のように、前枠扉6が閉鎖された状態で、球送出口34から嵌入して排出路35の上端部を遮蔽している。この状態で、球流通路32を流下した遊技球を受け止め、該遊技球を球送出口34から流出して、球払出口33へ案内する。これにより、上記した払出装置31により払い出された遊技球が球払出口33から発射球貯留皿10へ流出することとなる。
上記した球導出受部50は、図4のように、球受基体51と、球受基体51内に前後方向へ移動可能に支持された引出底片52とにより構成されており、該球受基体51と引出底片52とにより規定された、遊技球を貯留可能な貯留領域53を有している。
ここで、球受基体51は、前枠扉6に嵌合されて球払出口33を構成するトンネル状の環状基体部55と、この環状基体部55の後方へ突成した嵌入基体部56とから構成されている。この嵌入基体部56は、平板状の底部56bと、該底部56bの両側縁から上方へ起立する側壁部56a,56aとから構成されており、上方に開放すると共に後方へ開放する断面略コ字形を成す。この嵌入基体部56の後方へ開放された部位が、引出開放部54である。そして、この嵌入基体部56は、その底部56bの前端が環状基体部55の底部55bの後端から連成されていると共に、両側壁部56a,56aの各前端が環状基体部55の両側壁部55a,55aの各後端から夫々連成されている。さらに、両側壁部56a,56aには、それぞれの後部内面に、内方へ突出する規制部57,57が形成されている。
上記した引出底片52は、その底面を成す平板状の底部52aと、該底部52aの両側端から上方へ起立する側壁部52b,52bと、該底部52aの後端から上方へ起立する閉鎖壁部52cとから構成されている。すなわち、この引出底片52は、上方を開放すると共に前方を開放する形状の、いわゆる塵取り形となっている。また、両側壁部52b,52bには、その前端部位に、外方へ突出する鉤部58,58が夫々形成されている。さらに、底部52aの後端部には、下方へ突出する係合部60が形成されている(図5,6参照)。この係合部60は、その前後を下方傾斜する傾斜曲面状とした断面山形としている。
この引出底片52が、図4のように、球受基体51内に前後方向へ移動可能とするように摺動自在に支持されている。すなわち、引出底片52は、閉鎖壁部52cにより引出開放部54を閉じる球受け位置(図5(A)参照)と、該球受け位置から後方へ引き出されて、鉤部58,58が規制部57,57に係止される拡張位置(図5(C)参照)とに移動可能となっている。ここで、球受け位置では、上記した係合部60が球受基体51の底部56bの後端に当接して、前方への移動を規制している。逆に、引出底片52は、球受け位置から後方へ引き出されると、その鉤部58,58が球受基体51の規制部57,57に係止されて、後方への移動を規制される。このように、引出底片52は前後方向の移動範囲を制限し、その球受け位置と拡張位置とを規定している。尚、係合部60は、引出底片52が球受基体51に支持されている状態で、該嵌入基体部56の底部56bより下方へ突出するように形成されている。
ここで、引出底片52は球受基体51内に前後方向へ摺動可能に支持されているだけなので、球受基体71に対して上方へ動くことが可能となっている。尚、引出底片52は、球受け位置にある場合、球受基体51内に収容された状態にある。
このような球受基体51と引出底片52とにより、上記した貯留領域53を規定する壁部および底部が構成されている。すなわち、球受基体51の、環状基体部55の両側壁部55a,55aおよび嵌入基体部56の両側壁部56a,56aと、引出底片52の側壁部52b,52bおよび閉鎖壁部52cとによって、本発明にかかる、貯留領域53を規定する壁部が構成されている。そして、球受基体51の、環状基体部55の底部55bおよび嵌入基体部56の底部56bと、引出底部52の底部52aとによって、本発明にかかる、貯留領域53を規定する底部が構成されている。
この貯留領域53は、引出底片52が、球受け位置と拡張位置との間で前後方向へ移動するに伴って拡縮(増減)する。すなわち、球受け位置では、引出底片52が引出開放部54を閉じた位置であるため、球受基体51の内部領域が貯留領域53である(図5(A)参照)。一方、拡張位置では、引出底片52が引出開放部54から後方へ引き出された位置であるため、球受基体51の内部領域に、引き出された引出底片52の内部領域を加えた領域が貯留領域53となる(図5(C)参照)。このように、引出底片52が球受け位置から拡張位置へ移動することにより、引出底片52の引き出された内部領域分だけ、貯留領域53が拡張する。
一方、球送出口34の下縁には、図5,6のように、上方へ突出する変換案内突部61が設けられており、上記した球導出受部50が球送出口34に入出するに伴って、引出底片52の係合部60に前後いずれか一方から当接する。この変換案内突部61にあっても、係合部60と同様に、断面山形としている。このような変換案内突部61および係合部60が、前後いずれか一方から当接することにより、引出底片52を球受基体51に対して引き出したり押し込んだりする。そして、引き出された場合に、上記した鉤部58,58が規制部57,57と当接すると、これ以上引き出されなくなるため、引出底片52が上方へ動いて、係合部60が変換案内突部61を乗り越える。これは、上述したように引出底片52が球受基体51に対して上方へ動くことができるためである。さらに、係合部60と変換案内突部61を夫々に断面山形としたことにより、係合部60が変換案内突部61を乗り越え易くし、この乗り越える時に生ずる振動を低減している。尚、この変換案内突部61により、本発明にかかる変換案内部が構成されている。
本実施例にあって、球導出受部50は、その球受基体51の底面が、球送出口34の変換案内突部61に接触しないように、それぞれの高さ位置が設定されている。
上述した球導出受部50が、前枠扉6の開閉に伴って、貯留領域53を増減する作動について説明する。
前枠扉6の閉鎖状態で、球導出受部50は、図5(A)のように、その引出底片52が球受基体51内に収納されて引出開放部54を閉じている球受け位置にある。この閉鎖状態から前枠扉6を開放すると、球導出受部50が球送出口34から前方へ退出し、引出底片52の係合部60が変換案内突部61に後方から当接する。これにより、引出底片52は、球受基体51に対して移動できず、図5(B)のように、相対的に球受基体51から後方へ引き出されることとなる。そして、引出底片52は、その鉤部58,58が球受基体51の規制部57,57に係止されて球受け位置まで引き出されると、球受基体51に対して後方への移動を規制される。このため、引出底片52が球受基体51により前方へ引っ張られることとなり、上方へ動き、係合部60が変換案内突部61を乗り越える。こうして、前枠扉6の開放に伴って、引出底片52が球受け位置から拡張位置へ引き出され、当該球導出受部50の貯留領域53を拡張する。そして、図5(C)のように、球導出受部50が球送出口34から前方へ完全に退出する。
また、図6(A)のように開放状態の前枠扉6を閉鎖すると、球導出受部50が球送出口34へ入っていく。このとき、引出底片52が拡張位置にあるため、その係合部60が、図6(B)のように、球送出口34の変換案内突部61に前方から当接する。これにより、引出底片52は、球受基体51に対して移動できず、相対的に球受基体51内へ押し込まれることとなる。係合部60が球受基体51の底部56b後端に当接して球受け位置となると、引出底片52は球受基体51によって後方へ押し込まれるため、係合部60が変換案内突部61を乗り越える。そして、図6(C)のように、球導出受部50が球送出口34に嵌入完了する。このように、前枠扉6の閉鎖に伴って、引出底片52が拡張位置から、引出開放部54を閉じる球受け位置へ移動する。
ここで、本実施例にあっては、係合部60を引出底片52の前端部に形成すると共に、変換案内突部61を球送出口34の下縁に設けた構成である。このため、前枠扉6の開放時には、引出底片52が球受け位置に在るままで、球受基体51が球送出口34から前方へ退出していき、該球受基体51の嵌入基体部56が球送出口34から退出した時点から、引出底片52が球受け位置から後方へ引き出されて拡張位置となる。一方、前枠扉6の閉鎖時には、引出底片52が拡張位置から前方へ押し込まれて球受け位置となった時点から、球受基体51の嵌入基体部56が球送出口34へ嵌入していく。すなわち、球導出受部50は、少なくとも部分的に球送出口34に嵌入している状態では常に引出底片52が球受け位置となっているのである。
これにより、球導出受部50が球送出口34から前方へ退出する場合に、球流通路32内に溜まっている遊技球を、徐々に開放する排出路35へ流下させることができると共に、該球導出受部50の貯留領域53上に溢れている遊技球を、球送出口34の上縁により排出路35へ落とすことができる。これにより、前枠扉6が開放された状態で、球導出受部50の貯留領域53内にある遊技球は、引出底片52が球受け位置である状態で貯留できる数量となるため、引出底片52が拡張位置となった場合には、この遊技球を余裕をもって安定的に保持できることとなる。また、前枠扉6の閉鎖時に、引出底片52が球受け位置となっても、遊技球がその貯留領域53により貯留可能な数量であるため、遊技球を零すことなく保持でき得る。
上述したように、本実施例の球導出受部50は、前枠扉6を開放することにより、引出底片52を球受基体51から引き出して拡張位置とし、前枠扉6を閉鎖することにより、引出底片52を球受基体51に押し入れて球受け位置とするものである。これにより、前枠扉6の閉鎖状態で球導出受部50の貯留領域53に比較的多数の遊技球が溜まっている時に、前枠扉6を開放したとしても、その開放に伴って貯留領域53の容積が拡張することから、その遊技球を余裕を持って安定して保持することができる。そして、前枠扉6を勢いよく開放したとしても、その振動によって、遊技球が球導出受部50から零れ落ちてしまうことを防ぎ得る。
また、上述したように、前枠扉6が開放されると、球送出口34は開閉扉40により遮蔽される。これにより、遊技球が球流通路32内にまで溜まっていた場合に、前枠扉6を開放しても、該遊技球は球送出口34から流出することなく、排出路35へ流下して、余剰球貯留皿11へ排出される。
すなわち、遊技球が球流通路32内にまで多量に溜まっている状態で、球詰まりなどの不具合が生じて前枠扉6を開放したとしても、これら遊技球のうち、球導出受部50の貯留領域53内に在るものは該貯留領域53が拡張することにより安定的に保持され、球導出受部50より上側に溜まっていたものは排出路35を流下して余剰球貯留皿11へ移動する。したがって、前枠扉6を開放した場合に、払出装置31の作動により遊技者に払い出された遊技球が零れ落ちてしまい、遊技球を補填しなければならなくなったり、遊技者に不快感を生じさせたりすること等を、本実施例の構成は防止できる。
さらに、本実施例にあっては、前枠扉6の開閉に伴って、球導出受部50が球送出口34に出入りすることにより、引出底片52の係合部60が球払出口33の変換案内突部61と当接して、当該引出底片52を球受け位置と拡張位置とに変換するようにしているから、この変換が安定的かつ円滑に行われるという利点も有している。
尚、本実施例にあっては、上述したように、引出底片52の、後方へ引き出した内部領域分だけ、貯留領域53が拡張するものであるから、この拡張する容積を比較的大きく設定し易い。このため、前枠扉6を開放した場合に、球導出受部50に溜まっている遊技球を充分な余裕を持って保持できる構成となり得る。
実施例2にあっては、図7,8のように、球導出受部70を、球受基体71と、該球受基体71に前後方向へ回動可能に軸支された引出底片72とにより構成しており、該球受基体71と引出底片72とにより規定された、遊技球を貯留可能な貯留領域73を有するものとしている。また、球送出口34には、開閉扉40が配設されている。
上記した球受基体71は、前枠扉6に嵌合されて球払出口33を構成するトンネル状の環状基体部75と、この環状基体部75の後方へ突成した嵌入基体部76とから構成されている。この嵌入基体部76は、平面状の底部76bと、該底部76bの両側縁から上方へ起立する側壁部76a,76aとから構成されている。ここで、底部76bは、その後端が左右方向に傾斜した形状となっており、左側の側壁部76aが、右側に比して後方へ突出している。嵌入基体部76は、上方に開放すると共に後方へ開放する断面略コ字形を成す。この嵌入基体部76の後方へ開放された部位が、引出開放部74である。そして、この嵌入基体部76は、その底部76bの前端が環状基体部75の底部75bの後端から連成されていると共に、両側壁部76a,76aの各前端が環状基体部75の両側壁部75a,75aの各後端から夫々連成されている。また、球受基体71の右側の側壁部76aの後端には、内方へ突出する規制部77が設けられている。
この嵌入基体部76には、その後方へ突出した左側の側壁部76aの後端部に、引出底片72が上下方向の支軸79(図8参照)により軸支されている。この引出底片72は、支軸79により軸支された部位を頂点する略扇形を成す平板状の底部72aと、該底部72aの後端から上方へ起立する後壁部72bと、底部72aの円弧端から上方へ起立した円弧壁部72cとから構成されている。すなわち、引出底片72は、上方を開放すると共に前方へ開放した形状となっている。この引出底片72は、支軸79を回転中心として、前方へ回動することにより、その底部72aと円弧壁部72cとの各後側部分が球受基体71内へ収まって引出開放部74を閉じる(図7(B)参照)。また、後方へ回動することにより、引出開放部74から後方へ引き出される(図7(A)参照)。
ここで、引出底片72の円弧壁部72cの前端には、外方へ突出する鉤部78が設けられている。この引出底片72は、後方へ回動した場合に、図7(A)のように、その鉤部78が、上記した球受基体71の規制部77に係止することにより、後方回動を規制される。この鉤部78が規制部77と係止した位置が、引出底片72の拡張位置である。また、引出底片72を前方へ回動することにより、図7(B)のように、引出底片72は、その後壁部72bがほぼ左右横方向に沿った位置で、引出開放部74を閉じる球受け位置となる。
このような球受基体71と引出底片72とにより、上記した貯留領域73を規定する壁部および底部が構成されている。すなわち、球受基体71の、環状基体部75の両側壁部75a,75aおよび嵌入基体部76の両側壁部76a,76aと、引出底片72の後壁部72bおよび円弧壁部72cとによって、本発明にかかる、貯留領域73を規定する壁部が構成されている。そして、球受基体71の、環状基体部75の底部75bおよび嵌入基体部76の底部76bと、引出底部72の底部72aとによって、本発明にかかる、貯留領域73を規定する底部が構成されている。
この貯留領域73は、上述した実施例1の場合と同様に、引出底片72が、上記した球受け位置と拡張位置との間で前後方向へ回動することにより、拡縮(増減)することとなる。すなわち、引出底片72が球受け位置から拡張位置へ回動することにより、引出底片72の引き出された内部領域分だけ、貯留領域73が拡張する。
また、引出底片72には、上記した球受け位置とした状態で、その底部72aの、球受基体71内に収容されている部位に、板厚方向(上下方向)に貫通する係合孔82が形成されている。そして、球受基体71の嵌入基体部76の底部76bには、球受け位置とした引出底片72の係合孔82と連通する挿通孔83が、板厚方向(上下方向)に貫通している。
さらに、引出底片72の底部72aには、図8のように、球受け位置とした状態で球受基体71内に収容されない後端部位に、当該引出底片72の後壁部72bに沿った左右方向の支軸84により、ロック部材85が軸支されている。このロック部材85は、支軸84を回転中心として、上下方向に回動自在となっている(図9,10参照)。
このロック部材85は、縦断面が略S字形を成し、支軸84に軸支された部位の前後に第一作動部86と第二作動部87とを備えた構成となっている。ここで、第一作動部86は、軸支された部位よりも後側に設けられており、下方へ突出した形状となっている。また、軸支された部位の前側は、前方へ下方傾斜しており、この最も突出した部分を第二作動部87として構成している。さらに、第二作動部87よりも先端側(前方側)には、上方へ突出した係止突部88が延成されている。このロック部材85は、引出底片72が球受け位置にある場合に、係止突部88が上記した挿通孔83と係合孔82とに嵌入するように形成されている(図7(B)参照)。
ここで、ロック部材85は、支軸84に軸支された部位の前側部分に比して、後側部分が重くなるように形成されている。このため、ロック部材85は、その係止突部88が挿通孔83と係合孔82とに嵌入していない(外れている)場合、第二作動部87が下方へ傾斜した状態となる(図9(D)参照)。
また、上記した引出底片72は、図8のように、球受基体71に軸支された部位の外側で、板バネ89により、該球受基体71と共に支持されている。これにより、引出底片72は、球受基体71に対して、後方へ付勢されている。すなわち、引出底片72は、常態で、図7(A)のように、その鉤部78が球受基体71の規制部77に係止された拡張位置となる。そして、この引出底片72を、板バネ89の付勢力に抗して前方へ回動して球受け位置とし、図7(B)のように、上記したロック部材85の係止突部88を挿通孔83と係合孔82とに嵌入することにより、この球受け位置で保持する。ここで、ロック部材85の係止突部88が挿通孔83と係合孔82とに嵌入した状態であっても、板バネ89の付勢力が働いていることにより、係止突部88が両孔82,83にしっかりと係合されて保持されることとなる。
ここで、ロック部材85は、上述したように、上下方向へ回動自在に支持されているものであるから、その係止突部88が挿通孔83と係合孔82とに嵌入して引出底片72を球受け位置に保持した状態で、第一作動部86を後方へ上方回動させることにより、相対的に第二作動部87が下方回動して、係止突部88が挿通孔83と係合孔82から外れる。これによって、引出底片72は、板バネ89の付勢力に従って拡張位置へ回動する。尚、この板バネ89により、本発明にかかる付勢手段が構成されている。
一方、球送出口34の下縁には、図9,10のように、その前面から上方へ突出する変換案内突部81が設けられている。この変換案内突部81、前枠扉6の開閉に伴って、球送出口34に出入りする球導出受部70のロック部材85と当接するのである。すなわち、ロック部材85の係止突部88が挿通孔83と係合孔82とに嵌入した状態(引出底片72の球受け位置)では、図9のように、第一作動部86が変換案内突部81と当接し、該第一作動部86を上方へ回動する。これにより、係止突部88が下方へ回動して両孔82,83から外れ、引出底片72が拡張位置へ回動変位する。一方、ロック部材85の第二作動部87が下方へ傾斜した状態(引出底片72の拡張位置)では、図9のように、該第二作動部87が変換案内突部81と当接して、該第二作動部87を上方へ回動する。この時、引出底片72が球受け位置から後方へ引き出された状態にあるから、係止突部88が球受基体71の下面と当接し、第二作動部87の上方回動が規制される。このため、第二作動部87と変換案内突部81とが当接したままとなり、該第二作動部87を介して引出底片72を前方へ押し込んでいく。そして、引出底片72が球受け位置となると、係止突部88が挿通孔83と係合孔82とに嵌入することとなる。
尚、このロック部材85にあっては、その係止突部88が挿通孔83と係合孔82とに嵌入している状態で、第二作動部87が変換案内突部81および球送出口34の口縁と接触しないように形成されていると共に、第二作動部87が下方傾斜している状態では、第一作動部86が変換案内突部81および球送出口34の口縁と接触しないように形成されている。
本実施例にあって、変換案内突部81が、本発明にかかる変換案内部を構成している。
上述した球導出受部70が、前枠扉6の開閉に伴って、貯留領域73を増減する作動について説明する。
前枠扉6の閉鎖状態で、球導出受部70は、図9(A)のように、ロック部材85の係止突部88が、球受け位置とした引出底片72の係合孔82と球受基体71の挿通孔83とに嵌入して係合し、該引出底片72を球受け位置で保持している(図7(B)参照)。この状態で、球導出受部70は球送出口34に嵌入しており、球流通路32を流下した遊技球を受け止め、球送出口34から球払出口33を介して発射球貯留皿10へ払い出す。
この閉鎖状態から前枠扉6を開放すると、球導出受部70が球送出口34から前方へ退出し、図9(B)のように、ロック部材85の第一作動部86が変換案内突部81に後方から当接する。これにより、図9(C),(D)のように、第一作動部86が上方へ回動し、これに伴って第二作動部87が下方へ回動することから、係止突部88が挿通孔91と係合孔82とから抜き出るため、引出底片72が、板バネ89の付勢力に従って後方へ回動して拡張位置となる(図7(A)参照)。このように、前枠扉6の開放に伴って、引出底片72が球受け位置から拡張位置へ回動することにより、球導出受部70の貯留領域73が拡張する。
また、前枠扉6を開放状態から閉鎖すると、図10(A),(B)のように、拡張位置にある引出底片72が、その後端部から球送出口34に進入し、ロック部材85の第二作動部87が変換案内突部81と当接する。これにより、第二作動部87が上方へ回動するが、係止突部88の先端部は球受基体71の下面に当接するため、第二作動部87の上方回動が規制される。このため、第二作動部87が変換案内突部81と当接したまま、当該球導出受部70は球送出口34に進入していくこととなるから、変換案内突部81が第二作動部87を介して引出底片72を球受基体71に対して相対的に前方へ押し込んでいく。そして、図10(C)のように、引出底片72が球受け位置まで押されると、挿通孔83と係合孔82とが連通し、両孔82,83にロック部材85の係止突部88が嵌入して第二作動部87が上方へ回動する。このようにして、引出底片72が、前枠扉6の閉鎖に伴って拡張位置から球受け位置に回動変位される。そして、係止突部88が挿通孔83と係合孔82に嵌入すると、第二作動部87が変換案内突部81と当接しなくなるため、図10(D)のように、当該球導出受部70が球送出口34に嵌入される。
上述したように、本実施例2にあっては、前枠扉6の開放に伴って、引出底片72を球受け位置で保持するロック部材85を回動させることにより、該引出底片72を板バネ89の付勢力により拡張位置へ回動し、前枠扉6の閉鎖に伴って、ロック部材85を介して引出底片72を球受け位置まで押し込み、該ロック部材85により球受け位置で保持するようにした構成である。これにより、上述した実施例1と同様に、遊技球が球流通路32内にまで多量に溜まっている状態で、前枠扉6を勢いよく開放しても、球導出受部80に受け止められている遊技球を、その貯留領域73が拡張することにより安定して保持でき、この開放に伴い遊技球が零れ落ちることを防ぐことができ得る。
また、本実施例2にあっては、ロック部材85を引出底片72の前端部分に設け、変換案内突部81を球送出口34の下縁に設けた構成であるから、上述した実施例1と同様に、当該球導出受部70は、少なくとも部分的に球送出口34に嵌入している状態では常に引出底片72を球受け位置とするようになっている。これにより、前枠扉6の開放により拡張位置となった引出底片72が、その貯留領域73内の遊技球を余裕を持って安定的に保持できると共に、前枠扉6の閉鎖により球受け位置となった場合にも、貯留領域73内の遊技球を零すことなく保持でき得る。
このように、本実施例2は、上述した実施例1と同様の作用効果を発揮し得るものである。そして、本実施例2にあって、上述した以外の構成要素は、実施例1と同じとし、同じ符号を用いて、その説明を省略した。
実施例3にあっては、図11のように、前枠扉6の開放状態で球送出口34に嵌入する球導出受部90が、球受基体91の内部に、左右方向へ回動可能に軸支された可動側板92を備えた構成である。そして、この球導出受部90は、球受基体91と可動側板92とにより規定された、遊技球を貯留可能な貯留領域93を有している。尚、球送出口34には、開閉扉40が配設されている。
ここで、球導出受部90を構成する球受基体91は、前枠扉6に嵌合されて球払出口33を構成するトンネル状の環状基体部95と、この環状基体部95の後方へ突成した嵌入基体部96とから構成されている。この嵌入基体部96は、環状基体部95の底部95bの後端から後方へ連成された底部96cと、該底部96cの両側縁から起立した側壁部96a,96aと、底部96cの後縁から起立した後壁部96bとから形成されており、上方開口している。この嵌入基体部96の両側壁部96a,96aの前端は、環状基体部95の両側壁部95a,95aの後端に連成している。さらに、嵌入基体部96を構成する左側壁部96aには、その後端から前方へ開口する進入開口98が夫々形成されている。この進入開口98の後端は、後壁部96bの左側端部分に延成されている。
また、上記した可動側板92は、その前端が球受基体91の左側内面に左右方向へ回動可能に軸支されている。そして、可動側板92には、左方へ付勢するコイルバネ(図示省略)が配設されている。すなわち、可動側板92は、常態で、図12(A)のように、嵌入基体部96の左側壁部96aに近接した状態で保持される。この保持された位置が、可動側板92の拡張位置である。尚、図12においては、遊技球を省略して描いている。
この可動側板92は、ほぼ垂直に起立した平板状の側壁部92aと、該側壁部92aの下側に形成された傾斜部92bとを備えている。この傾斜部92bは、内方へ傾斜し、かつ後方へ向かって徐々に幅広となる形状を成す。このように傾斜部92bを設けたことにより、球導出受部90が受けた遊技球を球払出口33から流出し易くなっている。さらに、可動側板92の後端部は、内方へ湾曲した案内曲部92cとなっている。
本実施例3にあっては、球受基体91内で、可動側板92よりも右側に形成された領域が、遊技球の貯留領域93である。すなわち、球受基体91の、環状基体部95の両側壁部95a,95aと、嵌入基体部96の右側壁部96aおよび後壁部96bと、可動側板92とによって、本発明にかかる、貯留領域93を規定する壁部が構成されている。そして、球受基体91の、環状基体部95の底部95bと、嵌入基体部96の底部96cとによって、本発明にかかる、貯留領域93を規定する底部が構成されている。
一方、球送出口34には、図12のように、その左側縁に、右方へ突出する案内突片99が設けられている。この案内突片99は、上記した球導出受部90が球送出口34へ嵌入した時に、その球受基体91の進入開口98に進入する位置に設けられている。そして、球導出受部90が球送出口34に嵌入した状態(前枠扉6の閉鎖状態)で、図12(C)のように、進入開口98から内方へ突出して、可動側板92の外面に当接する。これにより、可動側板92が右方へ傾動する。ここで、前枠扉6の閉鎖状態で、可動側板92が案内突片99により右方へ傾斜した状態が、本発明の球受け位置となる。そして、この球受け位置では、可動側板92が右方へ傾斜した位置であることから、貯留領域93が、上記した拡張位置(図12(A)参照)とした場合に比して縮小している。
そして、球導出受部90は、前枠扉6を閉鎖状態から開放することにより、図12(C)から(B),(A)のように、可動側板92が付勢力に従って左方(外方)へ移動して拡張位置となり、貯留領域93を拡張する。また、前枠扉6を開放状態から閉鎖することにより、図12(A)から(B),(C)のように、案内突片99により可動側板92が付勢力に抗して右方へ移動し、球受け位置となる。
このように本実施例3にあっては、球受基体91内に可動側板92を左右方向へ回動可能に軸支した球導出受部90を、前枠扉6の閉鎖状態で可動側板92を球受け位置とし、前枠扉6を開放して球送出口34から排出した状態で可動側板92を拡張位置とするようにしたものである。これにより、例え、球流通路32内にまで遊技球が溜まっている状態で、前枠扉6を開放したとしても、その開放に伴って貯留領域93の容積が拡張することから、その遊技球を余裕を持って安定して保持することができる。そして、前枠扉6を勢いよく開放したとしても、その振動によって、遊技球が球導出受部90から零れ落ちてしまうことを防ぎ得る。すなわち、本実施例にあっても、上述した実施例1と同様の作用効果を発揮し得る。
また、本実施例3にあっては、上述した実施例1,2のような、引出底片を球受基体から後方へ引き出す構成と異なり、球受基体91内で可動側板92を左右方向へ回動することにより、貯留領域93を拡縮(増減)するものである。そのため、球送出口34に嵌入する球受基体91の嵌入基体部96の外寸法が変化しないから、球送出口34への一層入出を円滑かつ安定的に行い得るという優れた利点も有する。
上述した本実施例3にあって、上述した以外の構成要素は、実施例1と同じとし、同じ符号を用いて、その説明を省略した。また、可動側板92が、本発明にかかる貯留領域変換部材であり、案内突片99が、本発明にかかる変換案内部である。
本発明は、上述した実施例1〜3に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜変更することは勿論可能である。例えば、上述した実施例1にあって、引出底片52の係合部または球送出口34の変換案内突部のいずれか一方を、前後方向へ遊転可能としたローラにより構成し、係合部が変換案内突部を一層乗り越え易くするようにしても良い。また、実施例1に、実施例2のロック部材を設けた構成としても良いし、逆に、実施例2に係合部を設けた構成としても良い。また、実施例3にあって、球受基体の左右両側面に夫々に可動側板を軸支した構成や、右側面のみに可動側板を軸支した構成とすることもできる。さらに可動側板にコイルバネを設けず、該可動側壁の傾斜部上に乗った遊技球の重量により、外方へ移動する構成としても良い。
前枠扉6を閉鎖した状態のパチンコ遊技機1の斜視図である。 前枠扉6を開放した状態のパチンコ遊技機1の斜視図である。 パチンコ遊技機1の裏機構板7の背面図である。 実施例1の球導出受部50の、(A)拡張位置とした状態と、(B)球受け位置とした状態とを表す斜視図である。 実施例1の球導出受部50の、前枠扉6の開放に伴って球受け位置から拡張位置へ変位する作動態様を説明する縦断面図である。 実施例1の球導出受部50の、前枠扉6の閉鎖に伴って拡張位置から球受け位置へ変位する作動態様を説明する縦断面図である。 実施例2の球導出受部70の、(A)拡張位置とした状態と、(B)球受け位置とした状態とを表す斜視図である。 実施例2の球導出受部70の分解斜視図である。 実施例2の球導出受部70の、前枠扉6の開放に伴って球受け位置から拡張位置へ変位する作動態様を説明する横断面図である。 実施例2の球導出受部70の、前枠扉6の閉鎖に伴って拡張位置から球受け位置へ変位する作動態様を説明する横断面図である。 実施例3の球導出受部90の、(A)斜視図と、(B)分解斜視図である。 実施例3の球導出受部90の、拡張位置と球受け位置とに変換される作動態様を説明する横断面図である。
符号の説明
1 パチンコ遊技機(遊技機)
5 本体枠
6 前枠扉
10 発射球貯留皿(球貯留皿)
31 払出装置
33 球払出口
34 球送出口
35 排出路
50,70,90 球導出受部
51,71,91 球受基体
52,72 引出底片(貯留領域変換部材)
54,74 引出開放部
53,73,93 貯留領域
60 係合部
61,81 変換案内突部(変換案内部)
82 係合孔
83 挿通孔
85 ロック部材
86 第一作動部
87 第二作動部
88 係止片部
89 板バネ(付勢手段)
92 可動側板(貯留領域変換部材)
98 進入開口
99 案内突片(変換案内部)

Claims (6)

  1. 遊技球を払い出す払出装置と、
    該払出装置により払い出された遊技球を前方へ流出する球送出口を備えた本体枠と、
    球貯留皿が前面に配設され、前記本体枠の前面側に片開き可能に枢支された前枠扉と、
    前記球貯留皿から前記前枠扉を貫通して後方へ突成され、該前枠扉の閉鎖状態で前記球送出口に嵌入して、前記払出装置により払い出された遊技球を受けて前記球貯留皿へ導出する球導出受部と
    を備えた遊技機において、
    前記球導出受部が、
    前記前枠扉の後面から突出するように形成され、遊技球の貯留領域を規定する壁部および底部のうち、少なくとも底部を含む球受基体と、
    前記貯留領域を規定する壁部および底部のうち、少なくとも壁部を含み、前記球受基体と協同して前記貯留領域を規定すると共に、前記球受基体に、該貯留領域を拡張する方向へ変位可能に配設され、前記球送出口に嵌入して遊技球を受ける球受け位置と、該球受け位置から前記貯留領域を拡張する方向へ変位した拡張位置とに変換される貯留領域変換部材と
    から構成されてなり、
    前記球送出口の口縁に形成され、前記前枠扉の開放に伴って、前記貯留領域変換部材を球受け位置から拡張位置へ案内する変換案内部を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記球受基体の後端部に、後方へ開放する引出開放部を形成し、
    前記貯留領域変換部材を、前記球受基体内に前後方向へ移動可能に支持されて、前記引出開放部を閉じる球受け位置と、該球受け位置から後方へ引き出された拡張位置とに変換される引出底片により構成したものである請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記球受基体の後端部に、後方へ開放する引出開放部を形成し、
    前記貯留領域変換部材を、前記球受基体の左右一側の後端部に前後方向へ回動可能に軸支され、該支軸部を頂点する略扇形の引出底片より構成し、前記引出開放部を閉じる球受け位置と、該球受け位置から後方へ引き出された拡張位置とに変換されるものである請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記貯留領域変換部材を構成する引出底片の下面に設けられ、前記前枠扉の開放に伴って、前記球送出口の下縁に設けられた変換案内部と当接して、引出底片を球受け位置から引き出して拡張位置とし、前記前枠扉の閉鎖に伴って、前記変換案内部と当接して引出底片を拡張位置から押し込んで球受け位置とする係合部を備えたものである請求項2又は請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記貯留領域変換部材を構成する引出底片を、前記球受基体に対して後方へ付勢する付勢手段と、
    前記引出底片の底部に形成された係合孔と、
    前記球受基体の底部に形成され、球受け位置にある引出底片の係合孔と連通する挿通孔と、
    前記引出底片の下面に上下方向へ回動可能に軸支され、該支軸よりも後側に設けられた、前記前枠扉の開放に伴って球送出口の下縁に設けられた変換案内部と当接して上方へ回動する第一作動部と、前記支軸よりも前側に設けられた、前記前枠扉の閉鎖に伴って変換案内部と当接して上方へ回動する第二作動部と、該第二作動部から上方へ突成された、球受け位置とした引出底板の係合孔に挿通孔を介して係止される係止突部とから構成したロック部材と
    を備えたものである請求項2又は請求項3に記載の遊技機。
  6. 前記変換案内部を、前記球送出口の少なくとも左右一側の側縁から側方突成した案内突片により構成し、
    前記球受基体の少なくとも左右一側の側面に、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記案内突片が臨む進入開口を形成し、
    前記貯留領域変換部材を、その前縁が前記球受基体の進入開口を形成した側面に左右方向へ回動可能に支持されて、前記貯留領域の少なくとも一側の壁部を成す可動側板により構成し、前記前枠扉の開放状態で、前記球受基体の、前記進入開口が形成された側面と近接する拡張位置に保持され、前記前枠扉の閉鎖状態で、前記球受基体の進入開口から進入した前記案内突片と当接して内方へ変位した球受け位置に保持されるものとした請求項1に記載の遊技機。
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