以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、遊技機1の全体正面図である。本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に開閉自在に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する遊技盤21と、遊技者が操作することにより後述する打球発射装置43を作動させる打球操作ハンドル2と、打球発射装置43によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域形成レール4の先端に取り付けられ遊技領域5に打ち出された遊技球が打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間の発射径路に後戻りするのを防止する戻り球防止弁24と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、特別図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された特別図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって特別図柄表示装置6に特別図柄のスクロール表示を開始させる始動入賞口(電動チューリップ)11と、特別図柄表示装置6が特別図柄のスクロール表示中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、当該スクロール表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(通常最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、特別図柄表示装置6の画像表示部において3つの特別図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、特別図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球を打球発射装置43に供給するための打球供給皿12と、打球供給皿12に入りきらない球を貯留することができると共に、図示しない貯留球箱に遊技球を移動できるようになっている余剰球受皿13と、入賞することによって賞球が払い出される普通入賞口14と、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知したり、遊技状態が所定の状態(例えば大当り)になったときに点滅等して演出効果を高める遊技効果ランプ15と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、内枠23に開閉自在に設けられたガラス扉枠17と、一桁の普通図柄を表示し、その普通図柄が予め定められた普通図柄(当り)である場合、始動入賞口11としての電動チューリップの羽根を開放する7セグメントLED等で構成された普通図柄表示装置18と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19と、普通図柄表示装置18が普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(通常最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED26等とによって構成されている。
この様に構成される遊技機1は、まず、遊技者の打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置43から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される図示しない遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収されるようになっている。
遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、所定の賞球を遊技者に与えると共に、後述する始動入賞検出センサ116によって遊技球を検出し、特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に特別図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に特別図柄を停止させて抽選するスロットゲームを行い、左図柄表示部8の特別図柄と右図柄表示部10の特別図柄とが停止した時点で大当りを構成する特別図柄の組合せ(例えば、左図柄表示部8の特別図柄と右図柄表示部10の特別図柄とが同一の特別図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、特別図柄表示装置6にて所定のリーチアクションが表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の特別図柄が停止した時点で確定表示された特別図柄が予め定められた特別図柄の組合せである場合には大当りとなり、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放するようになっており、これら以外の特別図柄の組合せである場合には、はずれとなる。なお、大当りになる特別図柄の組合せには、次回の大当りが発生するまで大当りになる確率が上昇する高確率状態(所謂確率変動状態)になるものが含まれている。
また、遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、所定の賞球が遊技者に与えられる。また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、後述する作動ゲート検出センサ121によって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、確定表示された普通図柄が予め定められた普通図柄である場合には当りとなり、始動入賞口(電動チューリップ)11の羽根を所定時間開放するようなっている。
次に、遊技機1の裏面に配置されている各基板について説明する。図2は、遊技機1の全体裏面を示す略図である。50は機構板であり、前記した内枠23に図示しないヒンジ等で開閉自在に取り付けられおり、その略中央上部には遊技盤21の裏面部が臨むように開口部53が設けられている。機構板50の上部には、遊技島から供給される遊技球を貯留する球貯留タンク51が設けられ、球貯留タンク51に供給された遊技球はタンクレール52を通って賞球払出装置41に至り、上記したように始動入賞口11や普通入賞口14等への遊技球の入賞に基づいて、賞球払出装置41が駆動して所定の賞球が遊技者に払い出される。また、賞球払出装置41は、遊技者の金員の投入やプリペイドカード挿入後の球貸スイッチの操作等によっても駆動し、所定数の遊技球の貸出(貸球)も行う。
開口部53には、遊技機1に取り付けられた特別図柄表示装置6が臨んでおり、特別図柄表示装置6の裏面側には、表示制御基板39が特別図柄表示装置6に一体的に取り付けられている。また、機構板50の略下部には、メイン制御基板44、報知専用制御基板30、払出制御基板40、発射制御基板42、電源基板36、ランプ制御基板37、音声制御基板38がそれぞれ取り付けられており、一方機構板50の上部右隅には、ターミナル基板45が取り付けられている。なお後に詳述する本発明の腰部となる報知専用制御基板30は、螺子等で機構板50に容易に着脱できるようになっている。
図3は、遊技機1の主な回路構成を示すブロック図である。まず、遊技を実行するうえで中心的な役割を果たすメイン制御基板44は、遊技進行の制御プログラムを実行する8ビットのCPU102、CPU102が実行する制御プログラムを格納するROM103及びCPU102が処理するデータを一時的に記憶するRAM104を備えている。またメイン制御基板44は、入力回路101、出力回路110及びこれらを接続するバス115(データバス、アドレスバス、コントロールバス等)とを備えており、入力回路101を介して取得した各センサやスイッチからの信号に基づいて、CPU102が出力回路110に接続されている後述するサブ制御基板やその他の各種回路、機器等を制御するための所定の制御プログラムを実行する。
入力回路101には、始動入賞口11に設けられた遊技球の入賞を検出すると特別図柄変動開始信号を送る始動入賞検出センサ116と、始動入賞口11に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ123と、普通図柄作動ゲート19に設けられた遊技球の通過を検出すると普通図柄変動開始信号を送る作動ゲート検出センサ121と、大入賞口7を開放することにより大入賞口7内に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ117と、打球操作ハンドル2が回動操作されて遊技球が発射される時にオンする打球操作ハンドルスイッチ119と、打球操作ハンドル2の所定箇所に設けられ押圧操作することにより打球発射装置43の作動をオフさせて遊技球の発射を停止する打球操作ストップスイッチ120と、各入賞口に入賞した遊技球をセーフ球としてカウントし遊技球を賞品として払い出すために必要なセーフ信号を出力するセーフ球検出センサ122と、賞球払出装置41から払い出された賞球や貸球としての遊技球をカウントするための払出球検出センサ124とが接続されている。
出力回路110には、遊技盤面に配備されているLED(例えば、保留LED25や保留LED26)や各種表示ランプ(例えば、遊技効果ランプ15)等を点灯/点滅制御するランプ制御基板37と、大入賞口7としてのアタッカを開口動作するためのソレノイド106と、始動入賞口11としての電動チューリップを開放動作するためのソレノイド107と、スピーカ113より各種の効果音を拡声させるための音声制御を行う音声制御基板38と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続され、メイン制御基板44からの各種情報(例えば大当りや賞球、貸球等に係わる情報)等を遊技機1外部に出力する外部情報端子109が設けられたターミナル基板45とが接続されている。その他、出力回路110には、遊技領域5に向けてパチンコ球を弾発するための打球発射装置43の動作停止と動作停止解除とを制御する発射制御基板42が接続されている。
また、出力回路110には、払出制御基板40及び表示制御基板39が接続されている。払出制御基板40は、賞球払出装置41を駆動制御し、賞球や貸球の払出制御を行う。表示制御基板39は、LCDとしての特別図柄表示装置6に表示する画像及び7セグLEDとしての普通図柄表示装置18に表示する数字等を制御する。
これらランプ制御基板37、音声制御基板38、表示制御基板39、払出制御基板40、発射制御基板42は、遊技を実行するうえで補助的な役割を果たすサブ制御基板として機能し、これらのサブ制御基板37、38、39、40、42は、図示していないが、メイン制御基板44と同様にCPU、ROM、RAM等を主とするマイクロコンピュータを備え、メイン制御基板44からの一方向の指令(コマンド信号等)に基づいて動作する。なお、表示制御基板39のCPUは32ビットのものが、その他のサブ制御基板37、38、40、42は8ビットのものが使用されている。
例えば、払出制御基板40は、払出制御用CPU、この払出制御用CPUの作業領域やメイン制御基板44からの各賞球(貸球)コマンドに対応した賞球(貸球)数等を記憶保持するための記憶エリアを備えたRAM及び制御データ及び賞球(貸球)払出しのための制御プログラム等が記憶されたROMなどを備えている。即ち払出制御基板40は、メイン制御基板44のCPU102から一方向のストローブ信号や払出制御用コマンド信号等の制御信号を図示しない入力回路を介して受け、ストローブ信号が入力されると、払出制御用CPUは払出制御用コマンドを認識し、賞球払出装置41を駆動制御して賞球(貸球)の払出制御を行う。
このように、メイン制御基板44からサブ制御基板37、38、39、40、42へ制御信号(ストローブ信号やコマンド信号等)を一方向通信することにより、即ち、サブ制御基板37、38、39、40、42からメイン制御基板44への入力をなくすことにより、遊技機1全体の主な制御を司るメイン制御基板44への入力を少なくして、メイン制御基板44への不正な信号入力を極力排除でき、遊技場は適正な遊技を遊技者に提供できると共に、両者の通信に係わる回路構成やプログラムを簡素化でき、遊技機1を開発制作するうえで容易となりコストダウンにつながる。
なお、メイン制御基板44や払出制御基板40等を基板BOXに収納する場合には、この基板BOXを開けた痕跡が残るように所定の手段で封止する所謂かしめ構造を採用することが望ましい。これにより、さらにメイン制御基板44や払出制御基板40等への不正を排除することができるようになる。また、表示制御基板39に接続された普通図柄表示装置18は、メイン制御基板44の出力回路110に直接接続しても良く、また、入力回路101に接続した打球操作ハンドルスイッチ119と打球操作ストップスイッチ120は、発射制御基板42に直接接続するようにしてもよい。さらに、メイン制御基板44の入力回路101に接続された払出球検出センサ124は、払出制御基板40へも入力するようにしてもよい。これらは、各種装置の機能や配置及び各CPUの処理速度やROM、RAM等の記憶装置の容量等に応じて適宜設計すればよい。
次に、図4を参照しながら、本発明の要部回路構成について説明する。図3のブロック図では、主にメイン制御基板44とサブ制御基板37、38、39、40、42との回路構成を示したが、この図4のブロック図は、メイン制御基板44、報知専用制御基板30、表示制御基板39及び電源基板36の主な回路構成を示したものである。
まず電源基板36は、図示しない遊技島に設けられた主電源(AC24V)を、電源スイッチ55を介して電源回路56が受けており、電源回路56は、この主電源を基にメイン制御基板44やサブ制御基板37、38、39、40、42、あるいは報知専用制御基板30等、遊技機1の各制御装置や駆動装置等に作動電源(例えば全波24V、DC30V、DC12V、DC5V)を生成して供給する。なお、電源スイッチ55は、主電源AC24Vの供給を手動操作でオンオフさせるもので、オンオフ操作されるとその状態を保持するタイプ(モメンタリタイプ)が用いられている。
また、電源回路56には電源監視回路57が接続されており、この電源監視回路57は電源回路56の主電源の電圧(24V)が所定電圧V1(例えば12V)以下に降下すると、メイン制御基板44のCPU102のNMI端子(マスク不能割込端子)に停電信号を送出する(ハイレベルからローレベルに立ち下がる)ようになっている。即ち電源監視回路57は、不測の停電時や電源スイッチ55オフ操作時等により遊技機1への電源が遮断されたとき、メイン制御基板44へ停電信号を送出する。
さらに、電源基板36には、コンデンサ等により構成されたバックアップ電源回路59が設けられており、上述の停電信号は、このバックアップ電源回路59にも電源監視回路57から同時に送出されるようになっている。バックアップ電源回路59は、メイン制御基板44のRAM104に接続されており、電源監視回路57からの停電信号を受信するとRAM104にバックアップ用電源を供給する。即ちバックアップ電源回路59は、不測の停電時や電源スイッチ55オフ操作時等により遊技機1への電源が遮断されたときに、メイン制御基板44のRAM104をバックアップする。
図中、58はリセット回路であり、このリセット回路58は電源監視回路57に接続されており、停電の復帰時や電源スイッチ55オン操作時(電源投入時)等に、電源回路56の主電源電圧が未だ所定電圧V1以下になっている状態では、サブ制御基板37、38、39、40、42及び報知専用制御基板30の後述するサブCPU250のリセット端子にリセット信号を送出(ローレベルの信号を出力)し、一方、主電源電圧が所定電圧V1より上昇したとき当該リセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)ようになっている。そしてサブ制御基板37、38、39、40、42は、リセット回路58からのリセット信号の送出が停止されると起動する。
一方、メイン制御基板44及び報知専用制御基板30は、リセット信号の送出の停止がサブCPU250により遅延され、報知専用制御基板30は、サブ制御基板37、38、39、40、42が起動してから所定時間経過後に起動し、メイン制御基板44は、報知専用制御基板30が起動してから所定時間経過後に起動するようになっている。これらについては、後に詳述する。
また、上述したように、不測の停電時や電源スイッチ55オフ操作時等により遊技機1への電源が遮断されたときには、サブ制御基板37、38、39、40、42及び報知専用制御基板30のサブCPU250のリセット端子にリセット信号を送出する(ハイレベルからローレベルに立ち下がる)。この場合、メイン制御基板44及び報知専用制御基板30へのリセット信号の送出は、サブCPU250ではスルーされて遅延されることなく入力される。
ここで、メイン制御基板44へ入力されるこのリセット信号は、上記した停電信号よりも、例えば70ms程度遅れて入力されるようになっている。メイン制御基板44のCPU102は、この70msの間はまだ正常に動作するので、この期間に後述する図7に示す停電処理を実行する。そしてメイン制御基板44、サブ制御基板37、38、39、40、42及び報知専用制御基板30は、リセット信号を受信すると動作を停止する。
次に表示制御基板39は、膨大なデータを高速処理するためのOS等を読み込んで表示制御プログラムを実行するCPU151、CPU151が実行する表示制御プログラムを格納するROM152及びCPU151の作業領域を構成するRAM153、LCDとしての特別図柄表示装置6に表示する画像を制御するVDP173、VDP173が読み出す各コマンドに対応した表示制御データ(変動パターン等)及びキャラクタや図柄や背景等が記憶された画像データ用のキャラクタROM174、VDP173が処理する画像データ等を一時的に記憶保持するための記憶エリアを備えたVRAM177、VRAM177に記憶されている画像データをビデオ信号に変換し、一定周期毎に1フレームの画像を特別図柄表示装置6に表示するLCD駆動回路178等を備えている。
即ち表示制御基板39は、メイン制御基板44のCPU102から一方向のストローブ信号や表示制御用コマンド信号等の制御信号を図示しない入力回路を介して受け、ストローブ信号が入力されると、表示制御用CPU151は表示制御用コマンドを認識する。するとVDP173は、この表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄や背景等をキャラクタROM174から読み出し、上記画像データを一時記憶するVRAM177に格納する。そしてVDP173は、この格納された画像データを、表示順がくるとVRAM177から読み出し、CPU151からの指令に応じて所定の態様でLCD駆動回路178を介してLCD(特別図柄表示装置6)に表示する。
ところで表示制御基板39は、上記したように、電源が投入されてリセット回路58からのリセット信号の送出が停止されると起動し、その後初期設定等のプログラム処理を実行してから立ち上がってメイン制御基板44からのコマンドを受信できる状態になるのであるが、この初期設定等のプログラム処理の実行は、32ビットのCPU151が、膨大なデータを高速処理するためのOS(オペレーティングソフト)等をROM152から読み込みRAM153にロードする処理となるため、従って表示制御基板39が起動してから立ち上がるまでにかなりの時間(例えば10秒程度)が必要になり、これは、他のサブ制御基板37、38、40、42やメイン制御基板44及び報知専用制御基板30が起動してから立ち上がるまでの時間よりもよりも突出して長い時間になっている。
さらに、この表示制御基板39が起動してから立ち上がるまでの時間は、上記したように、膨大なデータを高速処理するためのOS等を読み込む初期設定等のプログラム処理の実行時間となるのであるが、この初期設定の時間は、CPU151の複雑なOSの読み込み時間のばらつきや、あるいは、コンピュータに関するあらゆる設定情報を集中管理するデータベースとしてのレジストリの再設定等に時間がかかることもあり、即ち表示制御基板39が起動してから立ち上がるまでの時間は、常に一定の時間になるとは言えず、どうしてもばらつきがでる。
上述したように、表示制御基板39を含む全てのサブ制御基板37、38、39、40、42は、メイン制御基板44からのコマンド信号等に基づいて遊技の制御を実行するようになっている。従って、停電の復帰時や電源スイッチ55オン操作時に、サブ制御基板37、38、39、40、42は、メイン制御基板44から送信されてくる遊技に係わるコマンドデータ等を確実に受け取るためには、メイン制御基板44よりも先にこの初期設定等のプログラムの実行を完了していることが必要となる。
そこで、表示制御基板39は、メイン制御基板44の初期設定等のプログラムの実行を表示制御基板39よりも遅く終了させるために、報知専用制御基板30のサブCPU250に、自身の初期設定等のプログラム処理が終了したときスタンバイ信号を送出する。即ち、このスタンバイ信号が送出された時点では、表示制御基板39を含む全てのサブ制御基板37、38、39、40、42は、初期設定等のプログラム処理を終えて立ち上がっており、メイン制御基板44からのコマンド信号を受信できる状態になっている。これらについては、後に詳述する。
次に、報知専用制御基板30について説明する。報知専用制御基板30は、CPU70と、CPU70が実行する制御プログラムを格納するROM71及びCPU70が処理するデータを一時的に記憶するRAM72等を主とする周知のマイクロコンピュータを備えている。報知専用制御基板30にはサブCPU250が設けられており、リセット回路58からのリセット信号は、このサブCPU250を介してメイン制御基板44のCPU102及び報知専用制御基板30のCPU70のリセット端子に入力される。また、表示制御基板39からのスタンバイ信号は、サブCPU250のNMI端子(マスク不能割込端子)にて受信する。
サブCPU250は、リセット信号の送出が停止されて起動すると、初期設定等のプログラム処理を実行した後、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されるまで待機している。そしてスタンバイ信号が入力されると、報知専用制御基板30に対してリセット信号の送出を停止させて報知専用制御基板30を起動させ、その一方では、スタンバイ信号が入力されると後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TAを作成し、この遅延時間TAが経過するとメイン制御基板44に対してリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させるようになっている。なお、この遅延時間TAは、本実施形態では約5秒である。これらについては、後に詳述する。
また報知専用制御基板30には、メイン制御基板44のRAM104に記憶保持される遊技に係わる各種の制御情報を消去(クリア)するためのRAMクリアスイッチ60が設けられており、このRAMクリアスイッチ60には、RAMクリアスイッチ60がオン操作されているときにメイン制御基板44のCPU102にRAMクリア信号を継続して送出するRAMクリアスイッチ回路61が接続されている。
RAMクリアスイッチ60は、押下操作されている間だけオン状態となるプッシュボタンタイプ(リターンタイプ)のものが用いられており、上述したメイン制御基板44のリセット信号の送出が停止される時に、RAMクリアスイッチ60がオン操作(押下操作)されていれば(RAMクリアスイッチ回路61からRAMクリア信号が送出されていれば)、メイン制御基板44のRAM104に記憶保持されている記憶内容はクリア(初期化)されるようになっている。即ち、メイン制御基板44のRAM104をクリアするときは、電源スイッチ55オン操作後(あるいは停電の復帰後)、メイン制御基板44が起動する時点(メイン制御基板44におけるリセット信号の送出が停止される時点)でRAMクリアスイッチ60がオン操作されていることが条件となる。
さらに報知専用制御基板30のCPU70の図示しない出力回路には、LEDドライバ回路を介して7セグメントLED75及びLED76が接続されている。7セグメントLED75は、上記RAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングをカウントダウン表示するものであり、一方、LED76は、RAMクリアスイッチ60のオン操作によりメイン制御基板44のRAM104がクリアされたとき、メイン制御基板44からのRAMクリア成信号を受けて点灯するものである(RAM104がクリアされなかったときは、LED76は消灯のままである)。これについて図5参照しながら説明する。
図5は、電源投入時の表示制御基板39、メイン制御基板44及び報知専用制御基板30の動作状態を示すタイミングチャートである。電源スイッチ55がオン操作されて遊技機1に電源が投入されると、表示制御基板39及びサブCPU250は、リセット信号の送出が停止されて起動し(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、表示制御基板39は、初期設定等のプログラム処理を実行した後にスタンバイ信号をサブCPU250に送出し、一方、サブCPU250は、初期設定等のプログラム処理を実行した後にスタンバイ信号を受信するまで待機している。
サブCPU250は、スタンバイ信号を受信すると、即座に報知専用制御基板30に対してリセット信号の送出を停止させて報知専用制御基板30を起動させ(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、一方、メイン制御基板44に対しては、遅延時間TA(5秒)経過後にリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させる(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。即ちサブCPU250は、スタンバイ信号を受信すると、即座に報知専用制御基板30を起動すると共に、遅延時間TA(5秒)経過後にメイン制御基板44を起動する。従って、報知専用制御基板30は、メイン制御基板44が起動する約5秒前に起動する。またこの場合、メイン制御基板44の起動する時期は、表示制御基板39がスタンバイ信号を送出してから5秒後であるので、この時点では、表示制御基板39を含む全てのサブ制御基板37、38、39、40、42は、初期設定等のプログラム処理を終えて確実に立ち上がっており、メイン制御基板44からのコマンド信号を取りこぼすことは皆無となる。
報知専用制御基板30は、起動するとほぼ同時に7セグメントLED75に「4」を表示し、その後1秒経過する毎に「3」「2」「1」「0」とカウントダウン表示を実行する。従って7セグメントLED75に「0」が表示された時点は、メイン制御基板44が起動する約1秒前となる。即ちメイン制御基板44においてリセット信号の送出が停止される約1秒前に、7セグメントLED75に「0」が表示される。
従って、遊技場の店員等がメイン制御基板44のRAM104をクリアする場合には、この7セグメントLED75のカウントダウン表示に合わせ、7セグメントLED75に「0」が表示されたタイミングでRAMクリアスイッチ60を押下操作すればよい。そしてRAMクリアスイッチ60が押下操作されている間に(RAMクリア信号が継続して送出されている間に)、メイン制御基板44のリセット信号の送出が停止されてメイン制御基板44が起動すると、RAM104に記憶保持されている記憶内容はクリア(初期化)される。つまり、本実施形態では、RAMクリアスイッチ60を押下操作してから約1秒経過後に、メイン制御基板44のRAM104の記憶内容はクリアされることになる。
そしてRAM104の記憶内容がクリアされると、メイン制御基板44のCPU102は、報知専用制御基板30のCPU70の図示しない入力回路にRAM104の記憶内容がクリアされたことを示すRAMクリア成信号を送出する。報知専用制御基板30のCPU70は、RAMクリア成信号を受信すると、LED76を所定の色(例えば赤)に所定時間(例えば5秒)点灯し、RAM104の記憶内容がクリアされたことを外部に報知する。従って、このLED76が点灯したことを確認した後に、RAMクリアスイッチ60の押下操作を解除すればよく、本実施形態では、LED76が点灯してから約1秒経過後にRAMクリアスイッチ60の押下操作を解除した場合を示している。即ち、本実施形態では、RAMクリアスイッチ60の押下操作を約2秒という短い時間実行するだけで、確実にメイン制御基板44のRAM104の記憶内容をクリアすることが可能となる。
この様に構成された遊技機1で実行される各処理を、図6以降のフローチャートを参照しながら説明する。図6は、不測の停電時や電源スイッチ55オフ操作時等により遊技機1への電源が遮断され、停電信号がCPU102のNMI端子へ入力されたときにメイン制御基板44が実行する停電処理を示すフローチャートである。
停電信号がCPU102のNMI端子へ入力されると、CPU102は、まずステップS10にて各レジスタ及びI/O等の値をスタックエリアへ書き込み、ステップS12へ移行してスタックポインタの値をRAM104のバックアップエリアへ書き込んで記憶保存する。次にステップS14へ移行して、CPU102は、停電が発生したときの遊技に係わる諸情報(データ)をRAM104のバックアップエリアへ書き込み、遊技機1において電源が遮断された時の遊技状態を記憶保存する。
そしてステップS16へ移行して、CPU102は、停電処理が実行されたことを示すバックアップフラグをオンにして、ステップS18へ移行してRAM104へのアクセスを禁止した後、無限ループとする。そして前述のリセット信号(ハイレベルからローレベルに立ち下がる)を受信すると、CPU102の動作は完全に停止し、これにより停電処理が終了する。
図7は、電源スイッチ55オン操作または停電の復帰により遊技機1へ電源が投入されたときにメイン制御基板44が実行する電源投入処理を示すフローチャートである。この電源投入処理は、CPU102のリセット端子に入力されていたリセット信号が、サブCPU250により遅延されてその入力が停止されたとき(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、CPU102が起動して開始される。
この電源投入処理が開始されると、CPU102は、まずステップS20にて割込禁止に設定し、ステップS22に移行してRAM104をアクセス可能な状態に設定する。そしてステップS24に移行して、RAMクリア信号が入力されているか否か、即ち報知専用制御基板30に設けられているRAMクリアスイッチ60がオン操作されているか否かを判定する。そしてRAMクリア信号が入力されておらずステップS24にてNOと判定した場合には、CPU102は、ステップS26に移行して、上記停電処理が実行されたことを示すバックアップフラグがオンになっているか否かを判定する。そしてステップS26にてYES、即ちバックアップフラグがオンになっていると判定された場合には、CPU102は、ステップS60に移行して電源復帰処理を実行する。この電源復帰処理については後述する。
一方、RAMクリア信号が入力されておりステップS24にてYESと判定した場合には、ステップS26をスキップして、即ちバックアップフラグがオンになっているか否かにかかわらず、CPU102は、ステップS28に移行してRAM104の記憶内容を消去するRAMクリアの処理を実行し、さらにステップS30に移行して初期化処理を実行する。この初期化処理では、例えばスタックポインタやI/Oに指定アドレスを設定したり、RAM104のワークエリア(例えばカウンタやバッファ、ポインタ等)に初期値を設定する。
そしてステップS32に移行して、CPU102は、タイマ割込を設定し(本実施形態では4ms毎に繰り返し発生するよう設定される)、ステップS34に移行して上記ステップS20において実行した割込禁止の処理を解除して、割込を許可する。そして以降CPU102は、タイマ割込がある毎に、つまり4ms毎にステップS36の遊技制御処理を繰り返し実行する。
図8は、メイン制御基板44が実行する遊技制御処理を示すフローチャートである。CPU102は、タイマ割込(4msec)毎にROM103に記憶されている各プログラム、即ち、以下に説明するS40〜S50の各処理を実行する。この遊技制御処理が開始されると、CPU102は、まずステップS40にて乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、例えば大当りを発生させるか否かを抽選する大当り乱数カウンタ、特別図柄表示装置6の左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10に確定表示させる特別図柄を決定する特別図柄決定乱数カウンタ、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用カウンタ、当りを発生させるか否かを抽選する当り乱数カウンタ、普通図柄表示装置18に確定表示させる普通図柄を決定する普通図柄決定乱数カウンタ等に用いられる乱数を更新する。これら乱数の更新は、例えば割込毎にインクリメント(1加算)され、所定の値になったらリセットされるような手段が用いられる。
ステップS40の乱数更新処理を終えると、CPU102は、ステップS42に移行して普通図柄遊技処理を実行し、次にステップS44に移行して当り処理を実行する。普通図柄遊技処理及び当り処理では、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過したことに基づいて、作動ゲート検出センサ121からの普通図柄変動開始信号により普通図柄表示装置18に普通図柄としての数字(例えば1〜9)を変動表示させ、所定の数(例えば7)が確定表示された場合に当りとなり、始動入賞口11としての電動チューリップの羽根を所定時間開放する処理を実行する。なお、普通図柄が変動表示中に普通図柄作動ゲート19を通過した遊技球は保留球となり、この保留球を最高4個まで記憶し、4つの保留LED26を順次点灯または消灯して、遊技者に当該普通図柄の変動表示が終了後、後何回当り抽選が行われるかを遊技者に報知するようになっている。
そしてCPU102は、ステップS46に移行して特別図柄遊技処理を実行し、次にステップS48に移行して大当り処理を実行する。特別図柄遊技処理及び大当り処理では、CPU102は、遊技球が始動入賞口11へ入賞したことに基づいて、始動入賞検出センサ116からの特別図柄変動開始信号により特別図柄表示装置6に所定の変動パターンにて3つの特別図柄をスクロール表示し、所定時間経過後に左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10に所定の特別図柄が確定表示された場合に大当りとなり、大入賞口(アタッカ)7を所定の態様で開口する大当り遊技を実行する(例えば大入賞口7を、30秒または遊技球が10個入賞するまで開口し、大入賞口7内の特定領域を遊技球が通過したら、その開口を最高で16回繰り返すような処理)。なお、特別図柄がスクロール表示中に始動入賞口11へ入賞した遊技球は保留球となり、この保留球を最高4個まで記憶し、4つの保留LED25を順次点灯または消灯して、遊技者に当該特別図柄のスクロール表示が終了後、後何回大当り抽選が行われるかを遊技者に報知するようになっている。
ここで大当りとなる特別図柄の組合せには、次回の大当りが発生するまで大当りになる確率が飛躍的に上昇して高確率状態(所謂確率変動状態)となる特定大当図柄が含まれている。例えば、本遊技機1において特別図柄を「1〜14」の数字図柄としたとき、大当りになる特別図柄の組合せとしては「1、1、1」〜「14、14、14」を設定し、そのうち奇数のゾロ目の数字図柄(「1、1、1」「3、3、3」「5、5、5」「7、7、7」「9、9、9」「11、11、11」「13、13、13」)は特定大当図柄、それ以外の偶数のゾロ目の数字図柄(「2、2、2」「4、4、4」「6、6、6」「8、8、8」「10、10、10」「12、12、12」「14、14、14」)は通常大当図柄として設定する。
特別図柄表示装置6に特定大当図柄が確定表示されると、当該大当り遊技の終了後、乱数の変更処理等により大当り及び当り確率が上昇し、特別図柄のスクロール表示時間及び普通図柄の変動表示時間が短縮し、さらに始動入賞口11としての電動チューリップの開放時間が延長し、即ち遊技者にとって極めて有利な遊技状態(確率変動状態)が発生し、この遊技状態は、次の大当りが発生するまで継続されるようになっている。一方、通常大当図柄が確定表示された場合には、当該大当り遊技の終了後は通常の遊技状態に戻るようになっている。なお、通常大当図柄が確定表示された場合には、その後特別図柄のスクロール表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで、上記特定大当図柄が確定表示された場合の特典のうち、大当り確率の上昇以外の特典を付与するようにしてもよい(所謂時短状態)。
ステップS48の大当り処理を終えると、CPU102は、ステップS50に移行してその他処理を実行する。このステップS50のその他処理においては、上記ステップS40〜ステップS48の処理以外にも様々な処理が実行されており、例えば遊技球の入賞により所定数の賞球を払い出す処理や、遊技状態に合わせて遊技効果ランプ15等を所定の態様に点灯制御したり効果音等をスピーカ113より拡声する処理や、外部情報端子109から大当り処理中や遊技状態が高確率状態になっていることを示す信号等を、遊技機1外部の図示しないホール管理コンピュータ等に出力する処理等が挙げられる。
図7に戻って、次に、ステップS26にてYESと判定された場合に実行される電源復帰処理を説明する。即ちステップS26にてYESと判定された場合には、ステップS60の電源復帰処理が実行されて、メイン制御基板44の各状態を電源が遮断される直前の状態に復帰させる。図9は、メイン制御基板44が実行する電源復帰処理を示すフローチャートである。この電源復帰処理が開始されると、CPU102はまずステップS62にて、前記停電処理のステップS16でRAM104に記憶保持したバックアップフラグをクリアし、次にステップS64に移行して、RAM104のバックアップエリアからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込む。
そしてステップS66に移行して、CPU102は、スタックエリアへ退避した各レジスタ及びI/O等の値を読み出して、これらの値を元のレジスタ及びI/O等へ書き込み、ステップS68に移行して、割込の状態を電源が遮断される前(停電前)の状態に戻し(割込処理の戻り番地を設定)、RAM104のバックアップエリアに記憶保持していた停電が発生したときの遊技に係わる諸情報(データ)に基づいて、上記ステップS36の遊技制御処理を、電源が遮断される直前の状態から再開する。従ってこの電源復帰処理により、例えば、遊技状態が大当り遊技状態や高確率状態(確率変動状態)の途中に停電が発生したのであれば、電源復帰後その続きの遊技状態から再開でき、これにより遊技者は、不測の不利益を回避できる。
次に、表示制御基板39が実行する電源投入処理について説明する。図10は、電源スイッチ55オン操作または停電の復帰により遊技機1へ電源が投入されたときに表示制御基板39が実行する電源投入処理を示すフローチャートである。この電源投入処理は、CPU151のリセット端子に入力されていたリセット信号が停止されたとき(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、CPU151が起動して開始される。
この電源投入処理が開始されると、CPU151は、ステップS120〜ステップS160の処理を実行するが、このうちステップS120、ステップS122、ステップS130、ステップS132、ステップS134の処理は、上述した図7に示すメイン制御基板44が実行する電源投入処理のステップS20、ステップS22、ステップS30、ステップS32、ステップS34と同様な処理であるので、ここでの説明は省略する。なお、ステップS130の初期化処理は、スタックポインタやI/Oに指定アドレスを設定したり、RAM153のワークエリア(例えばカウンタやバッファ、ポインタ等)に初期値を設定する以外にも、膨大なデータを高速処理するためのOS等をROM152から読み込みRAM153にロードする処理や、レジストリの再設定等の処理が行われ、メイン制御基板44の初期化処理に比べ、はるかに時間がかかるものとなっている。
しかしてステップS134の処理を終えると、CPU151は、ステップS135に移行して、報知専用制御基板30に設けられているサブCPU250のNMI端子に、自身の初期設定等のプログラム処理が終了してメイン制御基板44からのコマンド信号を受信できる状態になっていことを示すスタンバイ信号を送出する。そして、CPU151は、ステップS160に移行して、メイン制御基板44からのコマンド信号に基づいて表示制御処理を実行する。このステップS160の表示制御処理では、LCDとしての特別図柄表示装置6に表示する画像及び7セグLEDとしての普通図柄表示装置18に表示する数字等を制御する処理が、随時実行されることになる。
次に、サブCPU250が実行する遅延処理について説明する。図11は、サブCPU250が実行する遅延処理を示すフローチャートである。サブCPU250は、リセット信号の送出が停止されて起動すると、まずステップS297にて、上述した電源投入処理(図7)におけるステップS30の初期化処理と同様な初期設定等のプログラム処理を実行する。そして、この初期設定等のプログラム処理を終えると、次にサブCPU250は、ステップS298へ移行して、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されたか否かを判定する。つまり、サブCPU250は、電源が投入されて起動すると、初期化処理を行った後、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されるまで待機する。
そして、ステップS298にてYES、即ち表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されたときは、ステップS299へ移行して、サブCPU250は、報知専用制御基板30のCPU70のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、報知専用制御基板30は起動する。つまり、サブCPU250が実行するこの遅延処理において、ステップS297の初期化処理及びステップS298にてスタンバイ信号が入力されてYESとなる処理までの実行時間は、電源が投入されて表示制御基板39が起動して立ち上がるまでの時間(スタンバイ信号を送出するまでの時間)にほぼ等しい時間となっている。
ステップS299の処理を終えると、サブCPU250は、ステップS300へ移行して、カウンタAとして、例えば汎用のレジスタ等に遅延時間TA(5秒)に相当する値を設定する。そしてステップS301に移行して、サブCPU250は、カウンタAの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS302に移行して、ここでカウンタAの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタAの値が0になっていなければ(ステップS302にてNO)、サブCPU250は、再度ステップS301及びステップS302の処理を実行し、これは、カウンタAの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS302にてYES、即ちカウンタAの値が0になったときは、サブCPU250は、遅延時間TAが経過したとして、ステップS307に移行する。
このステップS300〜ステップS302の処理を実行することで、遅延時間TA(5秒)が作成されることになる。つまり、この遅延処理において、ステップS300にてカウンタAに設定される値(正の整数)は、遅延時間TAをステップS301及びステップS302の実行時間で除した値にほぼ等しいもので、従って図11に示すステップS301及びステップS302の処理により、遅延時間TAがソフトウェアによって作成されることになる。
そして、サブCPU250は、初期設定等のプログラム処理後に実行されるこの遅延処理のステップS300〜ステップS302の処理により、見かけ上の初期設定等のプログラム処理の終了時期を時間TAだけ遅延させることができる。ステップS307に移行すると、サブCPU250は、メイン制御基板44のCPU102のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、メイン制御基板44は起動する。つまり、サブCPU250が実行するこの遅延処理の実行時間は、電源が投入されてメイン制御基板44が起動するまでの時間にほぼ等しい時間となっている。
次に、報知専用制御基板30が実行する処理について説明する。図12は、報知専用制御基板30のCPU70が実行するRAMクリア報知処理を示すフローチャートである。このRAMクリア報知処理は、サブCPU250のNMI端子に表示制御基板39からのスタンバイ信号が入力され、CPU70のリセット端子に入力されていたリセット信号が停止されたとき(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、CPU70が起動して開始される。
このRAMクリア報知処理がされると、CPU70は、まずステップS80にて初期化処理を実行する。この初期化処理は、前述した電源投入処理におけるステップS30の初期化処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。そしてステップS82へ移行して、CPU70は、LEDドライバ回路を制御して7セグメントLED75に、RAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するためのカウントダウン表示を実行する。このカウントダウン表示は、CPU70が起動するとほぼ同時(起動してから数十ms程度経過後)に「4」が表示され、その後CPU70の内部タイマにより1秒経過毎に「3」「2」「1」「0」と表示される。
従って遊技場の店員等がメイン制御基板44のRAM104をクリアするときは、7セグメントLED75に「0」が表示されたタイミングでRAMクリアスイッチ60を押下操作すれば、その約1秒経過後にメイン制御基板44のCPU102が起動するので、RAM104はクリアされることになる。そしてステップS84へ移行して、CPU70は、メイン制御基板44のCPU102からRAM104の記憶内容がクリアされたことを示すRAMクリア成信号がオン(入力)したか否かを判定し、ステップS84にてNO、即ちRAMクリア成信号が所定時間待っても(例えば2秒)オン(入力)されない場合には、このRAMクリア報知処理を終了する。
一方、ステップS84にてYES、即ちRAMクリア成信号がオン(入力)した場合には、CPU70は、ステップS86へ移行して、LED76を所定の色に所定時間点灯し、RAM104の記憶内容がクリアされたことを外部に報知する。なお、このRAMクリア成信号は、RAM104がクリアされると即座にCPU70に入力されるので、7セグメントLED75に「0」が表示されてから約1秒(1秒を若干超える)後にLED76は点灯する。
従って遊技場の店員は、LED76が点灯したことを視認することで、RAMクリアスイッチ60の押下操作を解除すればよく、つまり遊技場の店員は、RAMクリアスイッチ60を約1秒強、長くて2秒弱押下操作するだけで、確実にRAM104をクリアすることができるようになる。これにより、例えば前日に大当り確率が高確率状態のまま閉店時間を迎え、その状態で遊技機1の電源が遮断された場合や、あるいは、入荷してはじめて遊技場で使用する遊技機1(所謂新台)の場合であっても、開店前にRAM104をクリアすることにより、遊技場は不測の不利益を被ることなく、安心して遊技機1を使用することができる。そしてステップS86の処理を終えると、CPU70は、このRAMクリア報知処理を終了する。
なお、7セグメントLED75に「0」が表示されてから所定時間(例えば2秒)経過してもLED76が点灯しないときは、RAM104のクリアに失敗したと判るので、この場合には、一旦、電源スイッチ55をオフにして遊技機1の電源を遮断し、その後電源スイッチ55をオンにして遊技機1へ電源を投入してから再び上記したようにRAMクリアスイッチ60を押下操作して、RAM104をクリアするようにすればよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の遊技機1では、表示制御基板39等のサブ制御基板が高性能化され、電源投入時からサブ制御基板が全て立ち上がるまでの時間(特に表示制御基板39が立ち上がるまでの時間)が長くなっている場合であっても、バックアップされているメイン制御基板44のRAM104をクリアするときは、RAMクリアスイッチ60を押下操作するタイミングが7セグメントLED75により適切に報知されるようになっている。しかも、メイン制御基板44は、立ち上がるまでに時間がかかる表示制御基板39が確実に立ち上がってから、即ち表示制御基板39がメイン制御基板44からのコマンド信号を確実に受信できる状態になってから、起動するようになっている。
即ち、報知専用制御基板30にサブCPU250を設け、このサブCPU250が表示制御基板39が立ち上がったときにスタンバイ信号を受けて報知専用制御基板30を起動し、さらにサブCPU250は、報知専用制御基板30が起動してから遅延時間TAが経過した後にメイン制御基板44を起動させるので、この遅延時間TAの間に報知専用制御基板30は、7セグメントLED75によってRAMクリアスイッチ60を押下操作するタイミングが報知可能となり、遊技場店員等の作業者は、RAMクリアスイッチ60を押下操作するタイミングが判るようになる。加えて、メイン制御基板44は、スタンバイ信号が送出された後に起動するので、表示制御基板39を含む全てのサブ制御基板37、38、39、40、42は、メイン制御基板44からのコマンド信号を取りこぼすことなく、確実に受信することができる。
このように構成される本実施形態では、作業者は、電源スイッチ55とRAMクリアスイッチ60とを時間差をおいて操作できると共に、RAMクリアスイッチ60を長い時間押し続けなければいけないといった手間が省け、即ち、RAMクリアスイッチ60の操作時間が短縮され、作業性が向上する。
特に遊技場では、RAMクリアの操作は、他の作業も集中する慌ただしい時間帯である開店前において、数多の遊技機1に対して行わなければならず極めて煩雑な作業となっているので、RAMクリアに係わる作業時間が短縮されることは、店員の作業を軽減し、極めて顕著な効果を奏する。例えば、複数の遊技機1の電源スイッチ55を順次オンにし、それから遊技機1のRAMクリアスイッチ60を報知専用制御基板30の7セグメントLED75の報知に合わせて順次押下操作するようにすれば、複数の遊技機1のRAMクリアをまとめて実行することも可能になる。
また、表示制御基板39の立ち上がる時間にばらつきがあっても、表示制御基板39が立ち上がったときに送出されるスタンバイ信号により、メイン制御基板44は、確実に表示制御基板39が立ち上がってから起動するので、従来のように、表示制御基板39の立ち上がりよりも遅くメイン制御基板44を起動させるための遅延時間に余裕を持たせる必要がなくなり、さらに、遊技盤21が変更されたとき等は、従来であれば、メイン制御基板44を起動させるための遅延時間も変更を余儀なくされるが、本発明によれば、スタンバイ信号により、この遅延時間を変更する必要がなく、常に一定の遅延時間にて対処できるので、例えば遅延時間の設定を変更する機能を追加したり、あるいは遅延時間の設定を変更するための作業等をする必要がなくなり、極めて使い勝手がよい。
また、報知専用制御基板30は、RAMをクリアするための装置が集約して設けられ(RAMクリアスイッチ60、RAMクリアスイッチ回路61、サブCPU250、CPU70、ROM71、RAM72、7セグメントLED75及びLED76等)、且つ、遊技機1裏面の機構板50に容易に着脱できるように取り付けられているので、報知専用制御基板30以外の基板(メイン制御基板44やサブ制御基板37、38、39、40、42等)を設計変更しなくてもよく、開発者の回路設計を容易にすると共に、遊技盤21が変更された場合であっても、そのまま利用でき、さらに遊技機1が廃棄される場合であっても、容易に取り外して他の遊技機1に取り付けることでリユースすることも可能となり、コストダウンがはかれる。
また、メイン制御基板44の遅延時間TAを、ソフトウェアによるプログラム処理により設定するようにしたので、これにより遅延処理を行うためのハードウェア資源(例えば遅延回路)が不要となり、開発者の回路設計を容易にすると共に、コストダウンがはかれる。さらに、ハードウェア資源が不要になることで、このRAMクリアスイッチ60を押下操作するタイミングの報知に係わる基板のサイズを最小限にして(本実施形態では報知専用制御基板30に相当)、これにより遊技機1の限られたスペースを有効に活用することが可能となる。またさらに、遅延時間の設定変更を行うときでも、簡単なプログラムの変更で容易に実行することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があっても本発明に含まれる。
例えば、本実施形態では、サブCPU250は、表示制御基板39からのスタンバイ信号を受信すると、報知専用制御基板30に対して、即座に7セグメントLED75にRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するためのカウントダウン表示を実行させるようにしたが、これは、スタンバイ信号を受信してから所定時間経過後に、このRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するようにしてもよい。そして、これを実現するには、サブCPU250は、スタンバイ信号を受信したら、上記した図11に示す遅延処理のステップS300〜ステップS302の処理に準じて、所定の遅延時間を設定した後に、報知専用制御基板30に対してリセット信号の送出を停止するようにすればよい。
また、報知専用制御基板30は、7セグメントLED75にまず「4」を表示し、その後1秒経過する毎に「3」「2」「1」「0」とカウントダウン表示を実行して、「0」が表示されたタイミングでRAMクリアスイッチ60を押下操作させるようにしたが、つまり報知専用制御基板30は、RAMクリアスイッチ60を押下操作させるタイミングの約5秒前から報知するようにしたが、これは、何秒前から報知するかは適宜設定すればよい。但し、あまり短いとタイミングを失するので、望ましくは3秒以上あったほうがよい。
また、カウントダウンの表示形態はこれに限らず、一般的に理解可能な形態であればどのような表示形態であってもよく、逆にカウントアップのような表示形態であってもよい。またこれらの場合、7セグメントLED75に変えて、液晶表示器等の表示器を採用するようにしてもよい。例えば、単純に複数のLEDを並べて、順次消灯または点灯してカウントダウン(またはカウントアップ)するような表示形態であってもよい。さらに、このような表示形態を予め複数設けておき、切り換えスイッチ等で所望の表示形態を選択できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、RAMクリアスイッチ60の押下操作によりRAMクリア信号がメイン制御基板44のCPU102に入力されてRAM104がクリアされることになるが、このRAMクリア信号は、電源スイッチ55のオン操作時にしかCPU102に受け付けられないようにしてもよい。つまりRAMクリアスイッチ60は、電源スイッチ55のオン操作時以外に操作しても無効にするのである。そもそもRAM104をクリアするときは、上述したように前日に大当り確率が高確率状態のまま閉店時間を迎えたとき等、管理上、RAM104がバックアップされている遊技機1を前日の状態から連続していない状態にしておきたいからである。
しかしながら、いつでもRAM104をクリアできる機能を付加した場合、誤ってRAMクリアスイッチ60を操作してRAM104をクリアしてしまうと、その時点で遊技機1の状態が初期状態に戻ってしまい、取り返しのつかない極めて重大な事になる(例えば、大当り遊技中に停電が発生し、その後復電したときに誤ってRAMクリアスイッチ60を操作してしまうとき等)。そこで、このようなRAMクリアスイッチ60の誤操作をなくすために、RAMクリアスイッチ60は、電源スイッチ55のオン操作時以外に操作しても無効にするのである。
何故なら、RAMクリアスイッチ60の操作は、開店前の時間に行われるのが殆どであり、当然、開店前には遊技機1に電源を投入すべく電源スイッチ55をオン操作することになるからである。具体的には、例えば電源スイッチ55をオン操作したことに基づいてメイン制御基板44のCPU102にRAMクリア許容信号を出力し、CPU102にRAMクリアスイッチ60からのRAMクリア信号がオンとなっている状態で、このRAMクリア許容信号が入力されたときにメイン制御基板44のRAM104をクリアするようにすればよい。
また、本実施形態では、報知専用制御基板30は、RAM104がクリアされたときは、メイン制御基板44からのRAMクリア成信号を受けてLED76を所定の色(例えば赤)に所定時間(例えば5秒)点灯して操作者にその旨を報知し、一方、RAM104がクリアされなかったときは、LED76は消灯のまま何も変化しないようにしたが、これは、LED76の色や点灯態様等(点灯、消灯、点滅等)を適宜選択することで種々設定できる。
例えば、RAM104がクリアされなかったときでも、LED76を所定の色(例えば青)に所定時間(例えば5秒)点灯して操作者にその旨を報知するようにしてもよい。具体的には、LED76を2色発光可能なものとしたり、あるいは、LED76と異なる発光色のLEDを1個追加するようにすればよい。
さらには、このようなLED76の役目を7セグメントLED75にさせてもよく、例えば、RAM104がクリアされときは「A」を点灯表示し、RAM104がクリアされなかったときは「H」を点滅表示させるというように、所定の文字や数字等を表示させたり、点灯態様を変えたりするようにすればよい。この場合には、結果としてLED76を設けなくてもよく、コストダウンがはかれる。
また、本実施形態では、メイン制御基板44やサブ制御基板37、38、39、40、42には、CPU、ROM、RAMをそれぞれ別体に設けるマイクロコンピュータの例を示したが、これらは全て一体型のワンチップとしたものを採用してもよく、あるいは、例えばCPUとRAMのみを一体型にしたような(所謂内蔵RAM型CPU)、所定のメモリとCPUとを一体型にしたチップを採用するようにしてもよい。
なお、以上説明した本発明の遊技機1は、パチンコ遊技機、スロットル遊技機、アレンジ遊技機、ジャン球遊技機、ピンボール遊技機等、CPU、ROM、RAM等を中心としたマイクロコンピュータが搭載される様々な遊技機で適用することができる。
次に、遊技機1の他の実施形態について説明する。図13は、メイン制御基板44、払出制御基板40、報知専用制御基板30、表示制御基板39及び電源基板36の主な回路構成を示したブロック図である。この実施形態では、メイン制御基板44のRAM104に加え、払出制御基板40のRAM212もバックアップされ、バックアップされたRAM212の記憶内容もRAMクリアスイッチ60の押下操作により消去されるようになっている。なお、本実施形態において前述した構成と同様な構成については、ここでの説明を省略する。
図13を参照して、電源監視回路57は電源回路56の主電源の電圧が所定電圧V1以下に降下すると、メイン制御基板44及び払出制御基板40のCPU102及びCPU210両者のNMI端子に停電信号を送出する。即ち電源監視回路57は、不測の停電時や電源スイッチ55オフ操作時等により遊技機1への電源が遮断されたとき、メイン制御基板44と払出制御基板40とに停電信号を送出する。
また、バックアップ電源回路59は、メイン制御基板44及び払出制御基板40のRAM104及びRAM212両者に接続されており、電源監視回路57からの停電信号を受信するとRAM104及びRAM212両者にバックアップ用電源を供給する。即ちバックアップ電源回路59は、不測の停電時や電源スイッチ55オフ操作時等により遊技機1への電源が遮断されたときに、メイン制御基板44のRAM104と払出制御基板40のRAM212とをバックアップする。
払出制御基板40は、メイン制御基板44及び報知専用制御基板30と同様に、リセット回路58からCPU210のリセット端子に入力されているリセット信号を、サブCPU250により遅延させて停止するようになっており、サブCPU250は、スタンバイ信号が入力されると、報知専用制御基板30に対してリセット信号の送出を停止させて報知専用制御基板30を起動させ、その一方では、スタンバイ信号が入力されると後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TB(4秒)を作成し、この遅延時間TBが経過すると払出制御基板40に対してリセット信号の送出を停止させて払出制御基板40を起動させる。
さらにサブCPU250は、遅延時間TB(4秒)を作成して払出制御基板40を起動させた後、後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TC(1秒)を作成し、この遅延時間TCが経過するとメイン制御基板44に対してリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させるようになっている。
つまり、払出制御基板40は、メイン制御基板44が起動する前の約1秒前に起動し、且つメイン制御基板44が起動する前に立ち上がってメイン制御基板からのコマンドを受信できる状態になる。即ち、払出制御基板40は1秒以内に立ち上がることが可能である。また払出制御基板40のCPU210は、報知専用制御基板30に設けられたRAMクリアスイッチ60によりRAMクリア信号が入力され、それによりRAM212に記憶保持されている記憶内容がクリア(初期化)されたときは、RAMクリア成信号を報知専用制御基板30のCPU70へ送出する。
さらに、報知専用制御基板30のCPU70には、上記した7セグメントLED75及びLED76に加えて、図示しない音声合成ICやアンプ等を介してスピーカ225が接続されており、このスピーカ225からRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングや、メイン制御基板44及び払出制御基板40のRAM104及びRAM212がクリアされたことを、音声により外部に報知する。これらの関係について図14を用いて説明する。
図14は、電源投入時のメイン制御基板44、払出制御基板40、表示制御基板39及び報知専用制御基板30の動作状態を示すタイミングチャートである。電源スイッチ55がオン操作されて遊技機1に電源が投入され、サブCPU250が表示制御基板39からのスタンバイ信号を受信すると、即座に報知専用制御基板30に対してリセット信号の送出を停止させて報知専用制御基板30を起動させ(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、一方、払出制御基板40に対しては、遅延時間TB(4秒)経過後にリセット信号の送出を停止させて払出制御基板40を起動させる(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。さらにサブCPU250は、払出制御基板40を起動させた後に、メイン制御基板44に対して遅延時間TC(1秒)経過後にリセット信号の送出を停止させて、メイン制御基板44を起動する。つまり払出制御基板40は、報知専用制御基板30が起動してから約4秒後に起動し、一方、メイン制御基板44は、報知専用制御基板30が起動してから約5秒後(払出制御基板40が起動してから約1秒後)に起動する。
図15は、サブCPU250が実行する遅延処理を示すフローチャートである。サブCPU250は、リセット信号の送出が停止されて起動すると、ステップS397及びステップS398にて、上述した遅延処理(図11)におけるステップS297の初期化処理及びステップS298のスタンバイ信号が入力されたか否かの判定処理と同じ初期設定等のプログラム処理を実行する。そして、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると、サブCPU250は、ステップS399へ移行して、報知専用制御基板30のCPU70のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、報知専用制御基板30は起動する。つまり報知専用制御基板30は、表示制御基板39が立ち上がったとき起動する。
ステップS399を終えると、サブCPU250は、ステップS400に移行して、ここでカウンタBとして、前記したように汎用のレジスタ等に遅延時間TB(4秒)に相当する値を設定する。そしてステップS401に移行して、サブCPU250は、カウンタBの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS402に移行して、ここでカウンタBの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタBの値が0になっていなければ(ステップS402にてNO)、サブCPU250は、再度ステップS401及びステップS402の処理を実行し、これは、カウンタBの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS402にてYES、即ちカウンタBの値が0になったときは、サブCPU250は、遅延時間TBが経過したとして、ステップS407に移行する。このステップS400〜ステップS402の処理を実行することで、遅延時間TB(4秒)がソフトウェアによって作成されることになる。
そしてステップS407に移行すると、サブCPU250は、払出制御基板40のCPU210のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、払出制御基板40は起動する。つまり払出制御基板40は、報知専用制御基板30が起動してから約4秒後に起動する。ステップS407を終えると、サブCPU250は、ステップS408に移行して、ここでカウンタCとして、前述と同様に汎用のレジスタ等に遅延時間TC(1秒)に相当する値を設定する。この遅延時間TCは、上述した遅延時間TA(5秒)から遅延時間TB(4秒)を減算した時間となっている。
そしてステップS409に移行して、サブCPU250は、カウンタCの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS410に移行して、ここでカウンタCの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタCの値が0になっていなければ(ステップS410にてNO)、サブCPU250は、再度ステップS409及びステップS410の処理を実行し、これは、カウンタCの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS410にてYES、即ちカウンタCの値が0になったときは、サブCPU250は、遅延時間TCが経過したとして、ステップS411に移行する。このステップS408〜ステップS410の処理を実行することで、遅延時間TC(1秒)がソフトウェアによって作成されることになる。
そしてステップS411に移行すると、サブCPU250は、メイン制御基板44のCPU102のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、メイン制御基板44は起動する。つまりメイン制御基板44は、報知専用制御基板30が起動してから約5秒後(払出制御基板40が起動してから約1秒後)に起動する。
図14に戻って、報知専用制御基板30は、起動するとほぼ同時に7セグメントLED75に「3」を表示し、その後1秒経過する毎に「2」「1」「0」とカウントダウン表示を実行する。さらに報知専用制御基板30は、スピーカ225から、7セグメントLED75に「3」が表示されると同時に「3」と発音し、その後1秒経過する毎に「2」「1」「0」と発音する。つまり、7セグメントLED75の表示に同期して、スピーカ225から7セグメントLED75の表示内容が発音される。
従って、遊技場の店員等がメイン制御基板44のRAM104及び払出制御基板40のRAM212をクリアする場合には、この7セグメントLED75のカウントダウン表示またはスピーカ225からの発音に合わせ、7セグメントLED75に「0」が表示されたタイミングまたはスピーカ225から「0」が発音されたタイミングでRAMクリアスイッチ60を押下操作すればよい。
そしてRAMクリアスイッチ60が押下操作されている間に(RAMクリア信号が継続して送出されている間に)、まず払出制御基板40のリセット信号の送出が停止されて払出制御基板40が起動すると、RAM212に記憶保持されている記憶内容はクリア(初期化)され、次にメイン制御基板44のリセット信号の送出が停止されてメイン制御基板44が起動すると、RAM104に記憶保持されている記憶内容はクリア(初期化)される。つまり、本実施形態では、RAMクリアスイッチ60を押下操作してから約1秒経過後に、払出制御基板40のRAM212の記憶内容がクリアされ、それから約1秒経過後に、メイン制御基板44のRAM104の記憶内容がクリアされることになる。
そしてRAM212の記憶内容がクリアされると、払出制御基板40のCPU210は、報知専用制御基板30のCPU70にRAM212の記憶内容がクリアされたことを示すRAMクリア成信号を送出し、RAM104の記憶内容がクリアされると、メイン制御基板44のCPU102は、報知専用制御基板30のCPU70にRAM104の記憶内容がクリアされたことを示すRAMクリア成信号を送出する。つまり、報知専用制御基板30には、まず払出制御基板40からのRAMクリア成信号が入力され、その約1秒経過後にメイン制御基板44からのRAMクリア成信号が入力される。
報知専用制御基板30のCPU70は、メイン制御基板44からのRAMクリア成信号を受信すると、LED76を所定の色に所定時間点灯し、RAM104及びRAM212の記憶内容がクリアされたことを外部に報知する。また、このLED76の点灯と同時にスピーカ225から、例えば「RAMは正常にクリアされました」というような音声を発音させる。従って、このLED76の点灯またはスピーカ225からのRAMがクリアされた旨の音声を確認したら、RAMクリアスイッチ60の押下操作を解除すればよく、本実施形態では、LED76が点灯してから約1秒経過後にRAMクリアスイッチ60の押下操作を解除した場合を示している。
即ち、本実施形態では、RAMクリアスイッチ60の押下操作を約3秒という短い時間、且つ一回の操作を実行するだけで、確実にメイン制御基板44のRAM104と払出制御基板40のRAM212の記憶内容を一度にクリアすることが可能となる。しかも、RAMクリアスイッチ60の押下操作するタイミングを表示と音声の両者で誘導しているので、作業者のRAMクリアに失敗する確率が低くなる。さらに、遊技機1の裏面に設けられた報知専用制御基板30にスピーカ225を設けたので、既存の遊技機1の表面に設けられたスピーカ113を使用する場合にくらべて、作業者は音が聞き取りやすい(何故なら、既存のスピーカ113は、遊技者が聞き取りやすいように遊技機1表面に対して発音するようになっているため)。
また、払出制御基板40の遅延時間TB及びメイン制御基板44の遅延時間TCは、サブCPU250のみで設定されるようになっており、さらにこのサブCPU250は、電源基板36からの1つのリセット信号及び表示制御基板39からの1つのスタンバイ信号に基づいて、この二つの遅延時間TA及び遅延時間TBを作り出している。即ち、本実施形態では、一つの遅延手段、即ち、サブCPU250のみで、一つの(共通の)リセット信号及びスタンバイ信号に基づき複数の遅延時間を作り出すことができるようになっている。
このように一つの遅延手段、即ち、サブCPU250のみで複数の遅延時間を作成することができるので、それぞれ個別に遅延時間を作成する場合(例えば、メイン制御基板44のCPU102及び報知専用制御基板30のCPU70それぞれが、前記したようにソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって、見かけ上の初期設定等のプログラム処理の終了時期を所定時間遅延する場合)に比べ、開発に手間がかからないと共に、遅延時間TBと遅延時間TCとの信頼性が高くなり、その結果、7セグメントLED75が報知するRAMクリアスイッチ60の押下操作のタイミングを、高い精度で誤差なく実行することができる。
なお、本実施形態では、メイン制御基板44が起動する約1秒前に払出制御基板40を起動させたが、この1秒という設定時間は、払出制御基板40が立ち上がる時間を考慮して適宜設定すればよい(望ましくはできるだけ短い時間)。即ち、この設定時間は、払出制御基板40が、メイン制御基板44が起動する前に立ち上がってメイン制御基板からのコマンドを受信可能な状態になれる最も短い時間が望ましく、例えば払出制御基板40の立ち上がりにかかる時間より若干長い時間に設定するのがよい。
また、本実施形態では、一つのRAMクリアスイッチ60だけでメイン制御基板44のRAM104と払出制御基板40のRAM212の記憶内容を一度にクリアするようにしたが、これは、メイン制御基板44のRAM104と払出制御基板40のRAM212をそれぞれクリアする別個の(二つの)RAMクリアスイッチを報知専用制御基板30に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、メイン制御基板44のRAM104に加えて払出制御基板40のRAM212をバックアップすると共に、これらRAM104及びRAM212の記憶内容をクリアできるようにしたが、これは、払出制御基板40のRAM212に変えて、もしくは、さらに加えて、その他のサブ制御基板(例えばランプ制御基板37、音声制御基板38、表示制御基板39、発射制御基板42)のRAMをバックアップすると共に、このRAMの記憶内容をクリアできるようにしてもよい。特に、メイン制御基板44や払出制御基板40以外のサブ制御基板37、38、39、42のRAM等もバックアップすることにより、RAMをクリアしたい制御基板が増えたときには、サブCPU250のみをプログラム変更すればよく、極めて使い勝手がよい。
また、本実施形態では、7セグメントLED75及びLED76に加えてスピーカ225を設け、これらによりRAMクリアスイッチ60の押下操作するタイミングやRAMがクリアされたことを外部に報知するようにしたが、これは、7セグメントLED75及びLED76に変えて、スピーカ225のみで報知するようにしてもよいし、あるいは、7セグメントLED75とスピーカ225の組合せや、LED76とスピーカ225の組合せにしてもよい。さらには、これらの選択を、切り換えスイッチ等で操作者が自由に選択できるようにしてもよい。
さらに、遊技機1の他の実施形態について説明する。図16は、メイン制御基板44、表示制御基板39及び電源基板36の主な回路構成を示したブロック図である。この実施形態では、報知専用制御基板30に変えて表示制御基板39にサブCPU250を設け、表示制御基板39が既存の特別図柄表示装置(LCD)6を表示制御して、RAMクリアスイッチ60の押下操作するタイミングを報知する例である。また、この実施形態においては、RAMクリアスイッチ60及びRAMクリアスイッチ回路61は、電源基板36に設けられている。なお、本実施形態において前述した構成と同様な構成については、ここでの説明を省略する。
図16を参照して、表示制御基板39は、前述したように、メイン制御基板44の起動を表示制御基板39の立ち上がりよりも遅くさせるために、表示制御基板39に設けられたサブCPU250に、自身の初期設定等のプログラム処理が終了したときスタンバイ信号を送出する。さらに表示制御基板39は、スタンバイ信号を送出すると同時に、特別図柄表示装置6にRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングをカウントダウン表示する。
サブCPU250は、スタンバイ信号が入力されると、後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TD(5秒)を作成し、この遅延時間TDが経過するとメイン制御基板44に対してリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させる。つまり、メイン制御基板44は、表示制御基板39が立ち上がってから(スタンバイ信号が送出されてから)5秒後に起動する。これらの関係について図17を用いて説明する。
図17は、電源投入時のメイン制御基板44、表示制御基板39、特別図柄表示装置(LCD)6及びRAMクリアスイッチ60の動作状態を示すタイミングチャートである。電源スイッチ55がオン操作されて遊技機1に電源が投入され、表示制御基板39からのスタンバイ信号を受信すると、サブCPU250は、遅延時間TD(5秒)経過後にリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させる(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。一方、表示制御基板39は、スタンバイ信号をサブCPU250に送出すると即座に特別図柄表示装置6に、RAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するためのカウントダウン表示を実行する。
図18は、電源スイッチ55オン操作または停電の復帰により遊技機1へ電源が投入されたときに表示制御基板39が実行する電源投入処理を示すフローチャートである。表示制御基板39のCPU151は、リセット信号の送出が停止されて起動すると、上述した電源投入処理(図10)と同様にステップS120〜ステップS160の処理を実行するが、ここでは、さらにステップS140、ステップS147及びステップS150を追加して処理することになる。
即ちCPU151は、図18に示すように、ステップS135にて表示制御基板39に設けられているサブCPU250のNMI端子に、自身の初期設定等のプログラム処理が終了してメイン制御基板44からのコマンド信号を受信できる状態になっていことを示すスタンバイ信号を送出すると、ステップS140に移行して、VDP173を介して特別図柄表示装置6に、即座に「4」を表示し、その後1秒経過する毎に「3」「2」「1」「0」とカウントダウン表示を実行する(図17参照)。
従って遊技場の店員等がメイン制御基板44のRAM104をクリアするときは、図17に示すように、特別図柄表示装置6に「0」が表示されたタイミングでRAMクリアスイッチ60を押下操作すれば、その約1秒経過後にメイン制御基板44のCPU102が起動するので、RAM104はクリアされることになる。そしてステップS147へ移行して、CPU151は、メイン制御基板44のCPU102からRAM104の記憶内容がクリアされたことを示すRAMクリア成信号がオン(入力)したか否かを判定し、ステップS147にてNO、即ちRAMクリア成信号が所定時間待っても(例えば2秒)オン(入力)されない場合には、ステップS160の表示制御処理へ移行する。
一方、ステップS147にてYES、即ちRAMクリア成信号がオン(入力)した場合には、CPU151は、ステップS150へ移行して、VDP173を介して特別図柄表示装置6に「RAMは正常にクリアされました」という文字を所定時間表示し、RAM104の記憶内容がクリアされたことを外部に報知する。なお、このRAMクリア成信号は、RAM104がクリアされると即座にCPU151に入力されるので、特別図柄表示装置6に「0」が表示されてから約1秒(1秒を若干超える)後に、特別図柄表示装置6に「RAMは正常にクリアされました」という文字が表示される(図17参照)。
従って遊技場の店員は、図17に示すように、特別図柄表示装置6に「RAMは正常にクリアされました」という文字が表示されたことを視認することで、RAMクリアスイッチ60の押下操作を解除すればよく、つまり遊技場の店員は、RAMクリアスイッチ60を約1秒強、長くて2秒弱押下操作するだけで、確実にRAM104をクリアすることができるようになる。
ここで、サブCPU250が実行する遅延処理について説明する。図19は、サブCPU250が実行する遅延処理を示すフローチャートである。サブCPU250は、リセット信号の送出が停止されて起動すると、ステップS497及びステップS498にて、上述した遅延処理(図11)におけるステップS297の初期化処理及びステップS298のスタンバイ信号が入力されたか否かの判定処理と同じ初期設定等のプログラム処理を実行する。そして、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると、サブCPU250は、ステップS500へ移行して、ここでカウンタDとして、前記したように汎用のレジスタ等に遅延時間TD(5秒)に相当する値を設定する。
そしてステップS501に移行して、サブCPU250は、カウンタDの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS502に移行して、ここでカウンタDの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタDの値が0になっていなければ(ステップS502にてNO)、サブCPU250は、再度ステップS501及びステップS502の処理を実行し、これは、カウンタDの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS502にてYES、即ちカウンタDの値が0になったときは、サブCPU250は、遅延時間TDが経過したとして、ステップS507に移行する。このステップS500〜ステップS502の処理を実行することで、遅延時間TD(5秒)がソフトウェアによって作成されることになる。
そしてステップS507に移行すると、サブCPU250は、メイン制御基板44のCPU102のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、メイン制御基板44は起動する。つまりメイン制御基板44は、表示制御基板39が立ち上がってから(スタンバイ信号が送出されてから)5秒後に起動する。
このように、本実施形態では、サブCPU250を表示制御基板39に設け、この表示制御基板39により既存の特別図柄表示装置(LCD)6を表示制御して、RAMクリアスイッチ60を押下操作するタイミングを報知するようにしたので、遊技機1に新たな基板や報知装置などのハードウェア資源を加える必要がなく、従って遊技機1の構成が極めて簡易となりコストダウンがはかれると共に、遊技機1の限られたスペースを極めて有効に活用することが可能となる。
また、サブCPU250を表示制御基板39に設けるようにしたので、スタンバイ信号を表示制御基板39からサブCPU250に入力するための配線の引き回し等が簡素化され、さらにサブCPU250も、メイン制御基板44に対してのみリセット信号の送出を停止するようにすればよいので、これによりサブCPU250のリセット信号に係わる配線やその引き回し等も簡素化される。
なお、本実施形態では、表示制御基板39は、特別図柄表示装置6にRAMクリアスイッチ60の押下操作のタイミングを報知させるようにしたが、これは特別図柄表示装置6に変えて普通図柄表示装置(7セグメントLED)18にて報知させるようにしてもよい。この場合には、RAMクリアスイッチ60の押下操作のタイミングは、特別図柄表示装置6と同様にカウントダウン表示すればよく、一方、RAM104がクリアされときは、所定の文字、例えば「H」を所定時間点灯あるいは点滅表示してその旨を報知するようにすればよい。
また、本実施形態では、表示制御基板39は、RAM104がクリアされたときは、メイン制御基板44からのRAMクリア成信号を受けて、特別図柄表示装置6に「RAMは正常にクリアされました」という文字を所定時間(例えば5秒)表示して操作者にその旨を報知し、一方、RAM104がクリアされなかったときは、特別図柄表示装置6の表示は何も変化しないようにしたが、これは、RAM104がクリアされなかったときにも特別図柄表示装置6に、例えば「RAMはクリアされていません」というような表示を行うようにしてもよい。
さらに、遊技機1の他の実施形態について説明する。図20は、メイン制御基板44、表示制御基板39、ランプ制御基板37及び電源基板36の主な回路構成を示したブロック図である。この実施形態では、報知専用制御基板30に変えてランプ制御基板37にサブCPU250を設け、ランプ制御基板37が既存の遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26を所定の態様に点灯制御して、RAMクリアスイッチ60の押下操作するタイミングを報知する例である。また、この実施形態においては、RAMクリアスイッチ60及びRAMクリアスイッチ回路61は、上記図16と同様に、電源基板36に設けられている。なお、本実施形態において前述した構成と同様な構成については、ここでの説明を省略する。
図20を参照して、ランプ制御基板37は、CPU251、ROM252、RAM253等からなるマイクロコンピュータと、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26を制御するランプ・LED駆動回路254とを備えている。また、ランプ制御基板37には、サブCPU250が設けられており、表示制御基板39は、このサブCPU250に、自身の初期設定等のプログラム処理が終了したときスタンバイ信号を送出する。
サブCPU250は、スタンバイ信号が入力されると、ランプ制御基板37に対してリセット信号の送出を停止させてランプ制御基板37を起動させ、その一方では、スタンバイ信号が入力されると後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TE(6秒)を作成し、この遅延時間TEが経過するとメイン制御基板44に対してリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させる。つまり、ランプ制御基板37は、表示制御基板39が立ち上がると(スタンバイ信号が送出されると)同時に起動し、メイン制御基板44は、表示制御基板39が立ち上がってから(スタンバイ信号が送出されてから)6秒後に起動する。これらの関係について図21を用いて説明する。
図21は、電源投入時のメイン制御基板44、ランプ制御基板37、表示制御基板39、遊技効果ランプ15、保留LED25、保留LED26及びRAMクリアスイッチ60の動作状態を示すタイミングチャートである。電源スイッチ55がオン操作されて遊技機1に電源が投入され、サブCPU250が表示制御基板39からのスタンバイ信号を受信すると、即座にランプ制御基板37に対してリセット信号の送出を停止させてランプ制御基板37を起動させ(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、一方、メイン制御基板44に対しては、遅延時間TE(6秒)経過後にリセット信号の送出を停止させてメイン制御基板44を起動させる(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。つまりランプ制御基板37は、表示制御基板39が立ち上がると(スタンバイ信号が送出されると)同時に起動し、一方、メイン制御基板44は、ランプ制御基板37が起動してから(スタンバイ信号が送出されてから)約6秒後に起動する。
図22は、サブCPU250が実行する遅延処理を示すフローチャートである。サブCPU250は、リセット信号の送出が停止されて起動すると、ステップS597及びステップS598にて、上述した遅延処理(図11)におけるステップS297の初期化処理及びステップS298のスタンバイ信号が入力されたか否かの判定処理と同じ初期設定等のプログラム処理を実行する。そして、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると、サブCPU250は、ステップS599へ移行して、ランプ制御基板37のCPU251のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、ランプ制御基板37は起動する。つまりランプ制御基板37は、表示制御基板39が立ち上がったとき起動する。
ステップS599を終えると、サブCPU250は、ステップS600に移行して、ここでカウンタEとして、前記したように汎用のレジスタ等に遅延時間TE(6秒)に相当する値を設定する。そしてステップS601に移行して、サブCPU250は、カウンタEの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS602に移行して、ここでカウンタEの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタEの値が0になっていなければ(ステップS602にてNO)、サブCPU250は、再度ステップS601及びステップS602の処理を実行し、これは、カウンタEの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS602にてYES、即ちカウンタEの値が0になったときは、サブCPU250は、遅延時間TEが経過したとして、ステップS607に移行する。このステップS600〜ステップS602の処理を実行することで、遅延時間TE(6秒)がソフトウェアによって作成されることになる。
そしてステップS607に移行すると、サブCPU250は、メイン制御基板44のCPU102のリセット端子へのリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。これにより、メイン制御基板44は起動する。つまりメイン制御基板44は、ランプ制御基板37が起動してから(表示制御基板39が立ち上がってから)約6秒後に起動する。
図21に戻って、ランプ制御基板37は、起動するとほぼ同時に遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26を、約0.3秒点灯後0.7秒消灯する動作を4回繰り返す。つまり、これは、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26が4秒間に4回点灯する動作となる。そして、ランプ制御基板37は、次に遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26を、0.1秒の点滅させる動作を2秒間繰り返す。従って、この0.1秒の点滅動作が開始された時点は、メイン制御基板44が起動する約2秒前となる。即ちメイン制御基板44においてリセット信号の送出が停止される約2秒前に、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26は点滅動作を開始する。
従って、遊技場の店員等がメイン制御基板44のRAM104をクリアする場合には、この遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26の点灯態様に合わせ、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26が点滅動作を開始したら、RAMクリアスイッチ60を押下操作すればよい。但し、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26が点滅動作を開始したら、即座にRAMクリアスイッチ60を押下操作するのは困難であるので、図21においては、この点滅動作の開始から1秒経過した時点でRAMクリアスイッチ60を押下操作した例が示してある。つまり、この理由により、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26の点滅動作時間を2秒とし、この点滅動作時間に余裕を持たせているのである。
そしてRAMクリアスイッチ60が押下操作されている間に(RAMクリア信号が継続して送出されている間に)、遅延時間TE(6秒)が経過すると、RAM104に記憶保持されている記憶内容はクリア(初期化)される。つまり、本実施形態では、RAMクリアスイッチ60を押下操作してから約1秒経過後に、メイン制御基板44のRAM104の記憶内容はクリアされることになる。
そしてRAM104の記憶内容がクリアされると、メイン制御基板44のCPU102は、ランプ制御基板37のCPU251の図示しない入力回路にRAM104の記憶内容がクリアされたことを示すRAMクリア成信号を送出する。ランプ制御基板37のCPU251は、RAMクリア成信号を受信すると、遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26を所定時間(例えば5秒)点灯し、RAM104の記憶内容がクリアされたことを外部に報知する。
このように、本実施形態では、サブCPU250をランプ制御基板37に設け、このランプ制御基板37により既存の遊技効果ランプ15、保留LED25及び保留LED26の点灯態様を制御して、RAMクリアスイッチ60を押下操作するタイミングを報知するようにしたので、上記したサブCPU250を表示制御基板39に設けたのと同様に、遊技機1に新たな基板や報知装置などのハードウェア資源を加える必要がなく、従って遊技機1の構成が極めて簡易となりコストダウンがはかれると共に、遊技機1の限られたスペースを極めて有効に活用することが可能となる。
さらに、遊技機1の他の実施形態について説明する。図23は、メイン制御基板44、払出制御基板40、報知専用制御基板30、表示制御基板39及び電源基板36の主な回路構成を示したブロック図である。図23は、上述した図13に対応しており、上述した実施形態では、サブCPU250を用いてソフトウェアによるプログラム処理により遅延時間を作成する例であるが、本実施形態では、ハードゥエア資源(遅延回路)を用いて遅延時間を作成する例である。
即ち本実施形態では、報知専用制御基板30に遅延回路62を設け、この遅延回路62にて電源基板36に設けられたリセット回路58からのリセット信号と表示制御基板39からのスタンバイ信号とを受信し、リセット信号の停止を所定時間遅延させて、メイン制御基板44、払出制御基板40及び報知専用制御基板30の起動を表示制御基板39の立ち上がりよりも所定時間遅延させるようにした例である(報知専用制御基板30は表示制御基板39の立ち上がりと同時に起動させている)。なお、本実施形態において前述した構成と同様な構成については、ここでの説明を省略する。
図23を参照して、上述した図13の実施形態に示した構成と異なるのは、報知専用制御基板30のサブCPU250の代わりに、遅延回路62を設けている点である。また、報知専用制御基板30のCPU70には、水晶発振器等から構成される発振回路78が接続されており、この発振回路78から基本クロックの8MHzがCPU70のクロック端子に供給されている。またCPU70には、分周回路77が接続されており、この分周回路77により、供給された基本クロック8MHzを1/4分周(分周比4)して内部クロック2MHzを生成している。
ここで遅延回路62について図24を参照しながら説明する。図24は、遅延回路62を示す回路図である。遅延回路62は、分周回路90、カウンタA83、カウンタB84及び出力回路91等から構成され、分周回路90のリセット端子には、電源基板36からのリセット信号が入力され、分周回路90のクロック端子には、CPU70から内部クロック2MHzが供給されており、さらに表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されている。
遅延回路62の分周回路90は、CPU70から供給された内部クロック2MHzを1/20000分周(分周比20000)してカウンタA83及びカウンタB84に分周出力する。また、遅延回路A62の分周回路90は、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されることに基づいて、リセット信号の送出を停止する。即ち、遅延回路A62の分周回路90は、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると、0.01秒(2MHz/20000)毎にカウンタA83及びカウンタB84に信号を出力する。
カウンタA83は、遅延回路62の分周回路90から入力された信号を順次カウントし、そのカウント値が500になった時点で出力回路91を介してメイン制御基板44のCPU102のリセット端子にリセット信号の送出を停止する。一方、カウンタB84は、遅延回路62の分周回路90から入力された信号を順次カウントし、そのカウント値が400になった時点で出力回路91を介して払出制御基板40のCPU210のリセット端子にリセット信号の送出を停止する。また、分周回路90は、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると、それと同時に報知専用制御基板30のCPU70のリセット端子にリセット信号の送出を停止する。
つまり、遅延回路62は、電源基板36からメイン制御基板44のCPU102へ入力しているリセット信号を、5秒(0.01秒×500)遅延させて停止すると共に、電源基板36から払出制御基板40のCPU210へ入力しているリセット信号を、4秒(0.01秒×400)遅延させて停止し、さらに電源基板36から報知専用制御基板30のCPU70へ入力しているリセット信号を、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると即座に停止する。即ち、遅延回路62は、単一の回路構成でありながら、電源基板36からの一つの(共通の)リセット信号及び表示制御基板39からの一つの(共通の)スタンバイ信号に基づいて複数の遅延時間を作り出している。
図25は、電源投入時のメイン制御基板44、払出制御基板40、表示制御基板39及び報知専用制御基板30の動作状態を示すタイミングチャートである。電源スイッチ55がオン操作されて遊技機1に電源が投入されると、表示制御基板39は、自身の初期設定等のプログラム処理を終了して立ち上がると、報知専用制御基板30に設けた遅延回路62にスタンバイ信号を送出する。遅延回路62は、スタンバイ信号を受信すると、ほぼ同時に報知専用制御基板30に対してリセット信号の送出を停止して(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、報知専用制御基板30を起動する。
また、遅延回路62は、スタンバイ信号を受信すると、遅延時間TB(4秒)経過後に払出制御基板40に対してリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)と共に、スタンバイ信号を受信してから遅延時間TF(5秒)経過後に、メイン制御基板44に対してリセット信号の送出を停止する(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)。つまり、報知専用制御基板30は表示制御基板39が立ち上がると(スタンバイ信号が送出されると)同時に起動し、払出制御基板40は、報知専用制御基板30が起動してから約4秒後に起動し、メイン制御基板44は、報知専用制御基板30が起動してから約5秒後(払出制御基板40が起動してから約1秒後)に起動する。なお、遅延時間TF(5秒)は、遅延時間TB(4秒)に上記図14に示した遅延時間TC(1秒)を加算した時間となっている。
このように、本実施形態では、メイン制御基板44の遅延時間TF及び払出制御基板40の遅延時間TBは、一つの遅延回路62で設定されるようになっており、さらにこの遅延回路62は、電源基板36からの一つの(共通の)リセット信号及び表示制御基板39からの一つの(共通の)スタンバイ信号に基づいて、この二つの遅延時間TF及び遅延時間TBを作り出している。即ち、本実施形態では、単一の遅延回路62にて、一つの(共通の)リセット信号及びスタンバイ信号に基づき複数の遅延時間を作り出すことができるようになっている。
このように、一つの(共通の)リセット信号及びスタンバイ信号に基づき、単一の遅延回路62にて複数の遅延時間を作り出すことで、一つ遅延時間を作り出すために一つずつリセット信号及びスタンバイ信号を入力したり遅延回路を設ける場合に比べ、それぞれのリセット信号及びスタンバイ信号の同期をとる必要もなく、またリセット信号及びスタンバイ信号を入力するための配線の数や引き回し等も簡略となり、これにより遊技機の開発が容易となる。さらに、遅延時間TFと遅延時間TBとの信頼性が、別個に遅延回路を設ける場合に比して高くなり、その結果、7セグメントLED75やスピーカ225が報知するRAMクリアスイッチ60の押下操作のタイミングを、高い精度で誤差なく実行することができる。
なお、分周回路90の分周比またはカウンタA83及びカウンタB84のカウント値は、任意に設定できるようになっており、これは例えば、分周回路90やカウンタA83及びカウンタB84にDIPスイッチ回路を接続し、DIPスイッチのスイッチングにより所定の回路を選択することで実現できる。これにより、遅延回路62は、任意に設定された遅延時間を作り出すことができ、即ち操作者は、所望の遅延時間を分周回路90に対して任意に設定できる。
次に、遅延回路62の他の実施形態を図26を用いて説明する。図26は、遅延回路62の他の実施形態を示す回路図である。この遅延回路62では、2つのシュミットトリガ反転回路(インバータ)80を直列に接続して構成するもので、この2つのシュミットトリガ反転回路80における信号の入出力タイミング間の遅延時間を利用する。遅延時間は、図26に示す抵抗81の値とコンデンサ82の容量との積によるものを確保でき、また抵抗を省略することも可能で、この場合には前段のシュミットトリガ反転回路80の出力抵抗値とコンデンサ82の容量との積による遅延時間が確保できる。
この例の遅延回路62は、設定する遅延時間TF及び遅延時間TBを確保できるようにシュミットトリガ反転回路80の数や、シュミットトリガ反転回路80に設けられる抵抗81の値及びコンデンサ82の容量を適宜選択し、2つの回路にて構成するようにすればよい。但し、スタンバイ信号は、それぞれの回路に入力する必要はある。
さらに、遊技機1の他の実施形態について説明する。図27は、メイン制御基板44、払出制御基板40、報知専用制御基板30、表示制御基板39及び電源基板36の主な回路構成を示したブロック図である。図27は、上述した図13に対応しており、上述した実施形態では、サブCPU250を用いてソフトウェアによるプログラム処理により遅延時間を作成する例であるが、本実施形態では、サブCPU250を省略してソフトウェアによるプログラム処理により遅延時間を作成する例である。即ち、本実施形態では、メイン制御基板44のCPU102及び払出制御基板40のCPU210が、プログラム処理により遅延時間を作成する。
図27を参照して、上述した図13の実施形態に示した構成と異なるのは、報知専用制御基板30に設けていたサブCPU250を省略し、電源基板36からのリセット信号をメイン制御基板44、払出制御基板40及び報知専用制御基板30のCPU102、CPU210及びCPU70のリセット端子に入力し、さらに表示制御基板39からのスタンバイ信号をメイン制御基板44、払出制御基板40及び報知専用制御基板30のCPU102、CPU210及びCPU70に入力した点である。
図28は、電源投入時のメイン制御基板44、払出制御基板40、表示制御基板39及び報知専用制御基板30の動作状態を示すタイミングチャートである。メイン制御基板44、払出制御基板40、報知専用制御基板30及び表示制御基板39は、電源基板36からのリセット信号の送出が停止されると起動し、表示制御基板39は、自身の初期設定等のプログラム処理が終了したときスタンバイ信号をメイン制御基板44、払出制御基板40及び報知専用制御基板30に送出する。メイン制御基板44は、スタンバイ信号が入力されると後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TF(5秒)を作成し、この遅延時間TFが経過すると立ち上がる。また、払出制御基板40は、スタンバイ信号が入力されると後述するソフトウェアによる待機時間カウンタ等を設定することによって遅延時間TB(4秒)を作成し、この遅延時間TBが経過すると立ち上がる。また、報知専用制御基板30は、スタンバイ信号が入力されると(表示制御基板39が立ち上がると)、即座に7セグメントLED75及びスピーカ225にRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングの報知を開始する。
図29は、遊技機1へ電源が投入されたときにメイン制御基板44が実行する電源投入処理を示すフローチャートである。この電源投入処理は、CPU102のリセット端子に入力されていたリセット信号が停止されたとき(ローレベルからハイレベルに立ち上がる)、CPU102が起動して開始される。この電源投入処理が、上述した図7の電源投入処理と異なるのは、CPU102は、ステップS622の初期化処理(図7ではステップS30)をステップS621のRAMアクセス許可の処理(図7ではステップS22)の後に実行し、さらにRAMアクセス許可の処理が終了すると、ステップS624へ移行して、遅延処理を実行する点である。
そして、このステップS624の遅延処理が終了した時点でメイン制御基板44は立ち上がり、即ちCPU102がステップS622の初期化処理後に実行するこの遅延処理により、見かけ上の初期設定等のプログラム処理を終了した時点でメイン制御基板44は立ち上がり、この時点でステップS629にてRAMクリアスイッチ60が押下操作されていることによりRAMクリアスイッチ回路61からRAMクリア信号が入力されていれば、メイン制御基板44のRAM104の記憶内容はクリアされることになる。
図30は、メイン制御基板44のCPU102が実行する遅延処理を示すフローチャートである。CPU102は、上述した電源投入処理(図7)におけるステップS30の初期化処理と同様な初期設定等のプログラム処理を終えると、まずステップS625にて、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されたか否かを判定する。つまり、CPU102は、電源が投入されて起動すると、初期化処理を行った後、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されるまで待機する。
そして、ステップS625にてYES、即ち表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されたときは、ステップS626へ移行して、CPU102は、前記したように汎用のレジスタ等に遅延時間TF(5秒)に相当する値を設定する。そしてステップS627に移行して、CPU102は、カウンタFの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS628に移行して、ここでカウンタFの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタFの値が0になっていなければ(ステップS628にてNO)、CPU102は、再度ステップS627及びステップS628の処理を実行し、これは、カウンタFの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS628にてYES、即ちカウンタFの値が0になったときは、CPU102は、遅延時間TFが経過したとして、この遅延処理を終了する。
つまり、CPU102が実行するこの遅延処理において、ステップS297の初期化処理及びステップS298にてスタンバイ信号が入力されてYESとなる処理までの実行時間は、電源が投入されて表示制御基板39が起動して立ち上がるまでの時間(スタンバイ信号を送出するまでの時間)にほぼ等しい時間となっている。また、この遅延処理では、ステップS626にてカウンタFに設定される値(正の整数)は、遅延時間TFをステップS627及びステップS628の実行時間で除した値にほぼ等しいもので、従って図30に示すステップS627及びステップS628の処理により、遅延時間TFがソフトウェアによって作成されることになる。そして、前記ステップS622の初期化処理後に実行されるこの遅延処理により、見かけ上の初期設定等のプログラム処理の終了時期を時間TFだけ遅延させることができる。
なお、払出制御基板40のCPU210も、遊技機1へ電源が投入されて起動した後、表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されると遅延処理を実行して遅延時間TB(4秒)を作成するが、このCPU210が実行する遅延処理は、メイン制御基板44のCPU102が実行する遅延処理に準じて行われるのでここでの説明は省略する。
図28に戻って、報知専用制御基板30は、スタンバイ信号が入力されると、7セグメントLED75に「3」を表示し、その後1秒経過する毎に「2」「1」「0」とカウントダウン表示を実行する。またスピーカ225は、7セグメントLED75に「3」が表示されると同時に「3」と発音し、その後1秒経過する毎に「2」「1」「0」と発音する。
従って7セグメントLED75に「0」が表示された時点及びスピーカ225から「0」と発音された時点は、払出制御基板40の遅延時間TB(4秒)が経過する約1秒前及びメイン制御基板44の遅延時間TF(5秒)が経過する約2秒前となる。即ち払出制御基板40が立ち上がる約1秒前及びメイン制御基板44が立ち上がる約2秒前に、7セグメントLED75に「0」が表示されると共に、スピーカ225から「0」と発音される。
そして本実施形態では、メイン制御基板44のRAM104及び払出制御基板40のRAM212をクリアする場合には、メイン制御基板44及び払出制御基板40が立ち上がる時点で、RAMクリアスイッチ60が押下操作されていればよく、従って、遊技場の店員等がメイン制御基板44のRAM104及び払出制御基板40のRAM212をクリアする場合には、この7セグメントLED75のカウントダウン表示またはスピーカ225からの発音に合わせ、7セグメントLED75に「0」が表示されたタイミングまたはスピーカ225から「0」が発音されたタイミングでRAMクリアスイッチ60を押下操作すればよい。
このように構成される本実施形態では、遅延時間を既存のCPU(メイン制御基板44及び払出制御基板40CPU102及びCPU210)を用いてソフトウェアによるプログラム処理を実行することにより設定するようにしたので、これにより遅延処理を行うためのハードウェア資源(例えば遅延回路)や上述したサブCPU250が不要となり、これにより遊技機1の限られたスペースを極めて有効に活用することが可能になると共に、コストダウンがはかれる。
次に、メイン制御基板44が実行する図30に示した遅延処理の他の実施形態について説明する。図31は、メイン制御基板44が実行する他の実施形態の遅延処理を示すフローチャートである。
この遅延処理が開始されると、CPU102は、まずステップS689にて表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されるまで待機する。そして、ステップS689にてYES、即ち表示制御基板39からスタンバイ信号が入力されたときは、ステップS690へ移行して、CPU102は、ステップS690にて、カウンタJとして、上記と同様に汎用のレジスタ等に遅延時間TF(5秒)に相当する値を設定する。そしてステップS691に移行して、CPU102は、カウンタJの値をディクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS692に移行して、賞球払出装置41から払い出された賞球や貸球としての遊技球をカウントする払出球検出センサ124のチェック処理を実行し、ステップS693に移行して、払出球検出センサ124のチェック結果に基づいて、記憶している未払いの総払出球数から実際に払出された賞球や貸球を減算する払出球数減算処理を実行する。
そしてステップS694に移行して、CPU102は、ここでカウンタJの値が0になったか否かを判定する。そしてカウンタJの値が0になっていなければ(ステップS694にてNO)、CPU102は、再度ステップS691〜ステップS694の処理を実行し、これは、カウンタJの値が0になるまで繰り返す。そして、ステップS694にてYES、即ちカウンタJの値が0になったときは、CPU102は、遅延時間TFが経過したとして、この遅延処理を終了する。つまり、この遅延処理では、ステップS690にてカウンタJに設定される値(正の整数)は、遅延時間TFをステップS691〜ステップS694の実行時間で除した値にほぼ等しいもので、従って図31に示すステップS691〜ステップS694の処理により、遅延時間TAがソフトウェアによって作成されることになる。
ここで、この遅延処理においては、ステップS692の払出球検出センサ124のチェック処理及びステップS693の払出球数減算処理を実行しているのが特徴となっているが、これは次の理由からによる。即ち、不測の停電等が復帰したとき、遊技者に不利益を与えないように、未払いの賞球や貸球を精算することは重要な課題であり、この課題を解決すべく払出制御基板40のRAM212をバックアップするのであるが、この払出制御基板40のRAM212もバックアップする構成では、メイン制御基板44が立ち上がる前に、RAM212に記憶されていた未払いの総払出球数に基づいて払出制御基板40が賞球払出装置41を駆動制御し、賞球や貸球の払出制御を行ってしまう可能性がある。
そこで、メイン制御基板44が立ち上がる前の遅延処理において、ステップS692の払出球検出センサ124のチェック処理及びステップS693の払出球数減算処理を実行すれば、このような場合でも、メイン制御基板44は正確な未払いの総払出球数を把握することができ、これによりメイン制御基板44は、以後の処理において、遊技場と遊技者双方に不利益を与えることなく適切に実行することができる。
なお、本実施形態では、報知専用制御基板30は、前述と同様に、表示制御基板39からのスタンバイ信号を受信すると、即座に7セグメントLED75にRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するためのカウントダウン表示を実行させるようにしたが、これは、スタンバイ信号を受信してから所定時間経過後に、このRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するようにしてもよい。そして、これを実現するには、報知専用制御基板30は、スタンバイ信号を受信したら、上記した図11に示す遅延処理のステップS300〜ステップS302の処理等に準じて、所定の遅延時間を設定した後に、このカウントダウン表示を実行するようにすればよい。
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
請求項1:主制御手段は、メイン制御基板44に相当し、副制御手段は、サブ制御基板(ランプ制御基板37、音声制御基板38、表示制御基板39、払出制御基板40、発射制御基板42)に相当し、電源手段は、電源基板36に相当し、遅延手段は、サブCPU250、遅延回路62に相当し、記憶手段は、RAM104に相当し、バックアップ電源供給手段は、バックアップ電源回路59に相当し、クリアスイッチは、RAMクリアスイッチ60に相当し、記憶消去手段は、RAMクリアスイッチ回路61に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、報知装置は、7セグメントLED75、スピーカ225、特別図柄表示装置(LCD)6、遊技効果ランプ15、保留LED25、保留LED26に相当し、報知手段は、報知専用制御基板30、表示制御基板39、ランプ制御基板37に相当し、主制御遅延手段は、サブCPU250が実行する図11、図15、図19、図22に示す遅延処理、遅延回路62に相当する。
請求項2:プッシュボタンタイプのクリアスイッチは、RAMクリアスイッチ60に相当する。
請求項3:報知制御手段は、報知専用制御基板30、表示制御基板39、ランプ制御基板37に相当し、報知制御遅延手段は、サブCPU250が実行する図11、図15、図19、図22に示す遅延処理、遅延回路62に相当する。
請求項4:主制御遅延手段と報知制御遅延手段とが、共通のリセット信号または/及び共通のスタンバイ信号に基づいて動作するようにしたことは、サブCPU250及び遅延回路62が共通のリセット信号または/及び共通のスタンバイ信号に基づいて動作することに相当する。
請求項5:遅延制御手段は、サブCPU250に相当し、遅延処理手段は、サブCPU250が実行する図11、図15、図19、図22に示す遅延処理に相当する。
請求項6:遅延回路は、遅延回路62に相当し、分周回路は、分周回路90に相当し、カウンタは、カウンタA83、カウンタB84に相当する。
請求項7:分周回路の分周比またはカウンタのカウント値を任意に設定できることは、本文後段の「なお、分周回路90の分周比またはカウンタA83及びカウンタB84のカウント値は、任意に設定できるようになっており、これは例えば、分周回路90やカウンタA83及びカウンタB84にDIPスイッチ回路を接続し、DIPスイッチのスイッチングにより所定の回路を選択することで実現できる。これにより、遅延回路62は、任意に設定された遅延時間を作り出すことができ、即ち操作者は、所望の遅延時間を分周回路90に対して任意に設定できる。」という記載に相当する。
請求項8:報知装置は、LED76、スピーカ225、特別図柄表示装置6、遊技効果ランプ15、保留LED25、保留LED26、スピーカ113に相当し、記憶手段が記憶していた遊技情報が消去された旨を報知装置に報知させることは、LED76を点灯させること、特別図柄表示装置6またはスピーカ113及びスピーカ225に「RAMは正常にクリアされました」という表示または音声を発生をさせること、及び遊技効果ランプ15、保留LED25、保留LED26を点滅から点灯に変化させることに相当する。
請求項9:遅延手段及び遅延制御手段は、メイン制御基板44、払出制御基板40に相当し、遅延制御手段が実行する所定のプログラム処理は、図30、図31に示すメイン制御基板44が実行する遅延処理に相当する。
請求項10:報知手段及び報知制御手段は、報知専用制御基板30に相当し、報知制御遅延処理手段は、本文後段の「なお、本実施形態では、報知専用制御基板30は、前述と同様に、表示制御基板39からのスタンバイ信号を受信すると、即座に7セグメントLED75にRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するためのカウントダウン表示を実行させるようにしたが、これは、スタンバイ信号を受信してから所定時間経過後に、このRAMクリアスイッチ60をオン操作するタイミングを報知するようにしてもよい。そして、これを実現するには、報知専用制御基板30のCPU70は、スタンバイ信号を受信したら、上記した図11に示す遅延処理のステップS300〜ステップS302の処理等に準じて、所定の遅延時間を設定した後に、このカウントダウン表示を実行するようにすればよい。」という記載に相当する。
請求項11:遊技媒体払出装置は、賞球払出装置41に相当し、払出制御手段は、払出制御基板40に相当し、払出記憶手段は、RAM212に相当し、遅延制御手段が実行する所定のプログラム処理は、図31に示すメイン制御基板44が実行する遅延処理に相当する。
請求項12:報知専用制御装置は、報知専用制御基板30に相当する。
請求項13:報知専用制御装置が遊技機の裏面部に着脱容易に設けられていることは、本文前段の「報知専用制御基板30は、螺子等で機構板50に容易に着脱できるようになっている。」という記載に相当する。
請求項14:表示装置は、特別図柄表示装置(LCD)6、普通図柄表示装置(7セグメントLED)18に相当し、発光装置は、遊技効果ランプ15、保留LED25、保留LED26に相当し、音声装置は、スピーカ113に相当し、報知手段及び副制御手段は、ランプ制御基板37、音声制御基板38、表示制御基板39に相当し、所定の報知態様は、カウントダウン、点灯から点滅への変化による報知に相当する。
請求項15:複数の報知態様を設けたこと及び選択手段は、本文後段の「また、カウントダウンの表示形態はこれに限らず、一般的に理解可能な形態であればどのような表示形態であってもよく、逆にカウントアップのような表示形態であってもよい。またこれらの場合、7セグメントLED75に変えて、液晶表示器等の表示器を採用するようにしてもよい。例えば、単純に複数のLEDを並べて、順次消灯または点灯してカウントダウン(またはカウントアップ)するような表示形態であってもよい。さらに、このような表示形態を予め複数設けておき、切り換えスイッチ等で所望の表示形態を選択できるようにしてもよい。」という記載に相当する。