JP2014223425A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】正当性判定の対象とならない記憶領域を用いて維持タイマを計時する遊技機を提供する。【解決手段】演出制御装置は、維持タイマの計時が終了する前に遊技制御装置からの制御指令データを受信可能な指令受信可能状態となり、タイマ計時手段として機能する遊技制御装置は、正当性判定手段による正当性の判定の対象とならない第1の記憶領域を用いて維持タイマを計時し、維持タイマの計時が終了すると、正当性判定手段による正当性の判定の対象とならない第2の記憶領域を用いて、正当性判定手段による正当性の判定の対象とならない第3の記憶領域に、遊技に必要な初期データを設定する。【選択図】図14

Description

本発明は、遊技制御装置と、遊技制御装置からの指令を受信して制御を行う従属制御装置とを備える遊技機における電源投入時の処理に関する。
電源が断たれた後の復帰時に、払出しの不都合な状態が解消するまで賞媒体の払出し動作を停止できるようにすること、さらに、賞媒体の払出しに関して遊技者とホール側とでトラブルが発生しないようにすることを目的として、停電からの復帰時に、払出し制御手段が主制御手段よりも先に起動して払出し制御が開始された場合、初期化スイッチが操作されていないため、払出し動作復帰処理が実行され、その後、主制御手段から払出し再開コマンドを受信するまで、払出し動作を停止して、払出し再開可能な状態で待機する遊技機が知られている。この遊技機では、後から起動した主制御手段は補給切れ検出スイッチや満杯検出スイッチからの検出スイッチに基づいて払出しに関するエラーを検出しない場合に、主制御手段から払出し再開コマンドが送信されてくるので、払出し制御手段はその払出し再開コマンド受信を切掛けに払出し動作を再開する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−224394号公報
ところで、特許文献1に開示された遊技機では、正当性判定の対象とならない記憶領域を用いて維持タイマを計時するものではなかった。
本発明は、正当性判定の対象とならない記憶領域を用いて維持タイマを計時することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、
前記遊技制御装置からの指令に対応して遊技に関わる演出の制御を行う演出制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
前記演出制御装置に送信する制御指令データを格納する格納手段と、
前記格納された制御指令データを前記演出制御装置に送信する送信手段と、
所定の起動信号に対応して前記送信手段を初期状態にする初期化手段と、
遊技制御プログラムにより所要の演算処理を行う演算処理手段と、
前記演算処理手段によって更新される情報が記憶される記憶手段と、
前記起動信号の発生後に、前記記憶手段に記憶された情報の正当性を判定する正当性判定手段と、
前記送信手段を前記初期状態のまま所定時間維持するための維持タイマを計時するタイマ計時手段と、を備え、
前記演出制御装置は、前記維持タイマの計時が終了する前に前記送信手段からの制御指令データを受信可能な指令受信可能状態となり、
前記タイマ計時手段は、第1の記憶領域を用いて前記維持タイマを計時し、
前記遊技制御装置は、前記維持タイマの計時が終了すると、第2の記憶領域を用いて、第3の記憶領域に、前記遊技に必要な初期データを設定し、
前記第1の記憶領域、前記第2の記憶領域、前記第3の記憶領域は、前記正当性判定手段による正当性の判定の対象とならない領域であることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、正当性判定の対象とならない記憶領域を用いて維持タイマを計時することができる。
パチンコ遊技機およびカードユニットの正面図である。 パチンコ遊技機の斜視図である。 パチンコ遊技機の平面図である。 遊技盤の正面図である。 送風演出ユニットの説明図である。 風向可変機構および非接触検出部の説明図である。 パチンコ遊技機の制御系統のブロック図である。 変動表示装置に表示される表示内容の説明図であり、(a)は送風演出ユニットが送風動作を実行している場合の説明図、(b)は(a)の状態で非接触検出部が非検出体を検出した場合の説明図である。 遊技用演算処理装置(アミューズチップ)のブロック図である。 遊技制御装置に備わる遊技用演算処理装置(アミューズチップ)周辺のブロック図である。 ユーザワークRAMの説明図である。 スタック領域の説明図である。 遊技制御装置、払出制御装置、及び演出制御装置の電源投入時処理のフローチャートである。 遊技制御装置メイン処理の前半部のフローチャートである。 遊技制御装置メイン処理の後半部のフローチャートである。 ディレイ処理の説明図である。 他の実施形態におけるディレイ処理の説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 電源投入時の遊技制御装置、払出制御装置、及び演出制御装置が行う処理、並びに、遊技制御装置に備わる通信ポートの状態のタイミングチャートである。 遊技制御装置から演出制御装置及び払出制御装置へ指令を送信する場合の手順を説明するためのフローチャートである。 遊技制御装置から払出制御装置及び演出制御装置に送信される指令信号の説明図である。 払出制御装置に送信される信号の説明図である。 演出制御装置に送信される信号の説明図である。 MODE部「30H」における変動パターンの設定の説明図である。 パチンコ遊技機の仕様を説明する図である。 変動表示装置の表示内容の説明図である。 演出制御装置メイン処理の後半部のフローチャートである。 図柄変動開始処理のフローチャートである。
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1〜図4に示すように、矩形状の機枠(外枠)2に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3には矩形状の遊技盤5を前方から収納可能とし、遊技盤5の表面には遊技領域6を区画形成している。また、前面枠3の前側には、一側(図1中、左側)が軸着された透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8には、遊技領域6を前方から被覆する透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域6をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット11を設け、透明部材保持枠8の下方には、下皿ユニット12を上皿ユニット11に対して左右方向にずれた位置に配置している。また、下皿ユニット12の一側部(図1中、右側部)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)14を備えている。さらに、下皿ユニット12の他側部、および透明部材保持枠8の上縁部の左右両側には、音を発生させて演出動作を行うスピーカ15を配置している。
そして、パチンコ遊技機1(前面枠3)の側方には、パチンコ遊技機1とは別体の縦長なカードユニット(球貸ユニット)20を設けている。カードユニット20は、前面の上部に紙幣識別装置(紙幣受入部)21を設け、前面の下部にはカードリーダライタ22を備え、該カードリーダライタ22が球貸用プリペイドカードを受け入れて球貸用プリペイドカードに記憶された金額情報または球貸可能度数情報等の有価価値情報を読取可能としている。また、カードユニット20には、パチンコ遊技機1内の制御装置の一部や、透明部材保持枠8の下部に設けられた構成(遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン23、カードユニット20からプリペイドカードを排出する場合に操作する排出ボタン24、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部25)を接続している。
遊技盤5は、図4に示すように、合板やプラスチックなどで形成された矩形状の遊技盤本体27を備え、該遊技盤本体27の表面に複数のサイドケース28を止着して遊技領域6を区画形成し、遊技領域6の側方(図4中、左側方)には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域6の一側上部まで案内する発射球案内路29をガイドレール30により縦長な円弧状に形成している。また、遊技領域6内の略中央には包囲枠体(センターケース)32を備え、該包囲枠体32の後方には変動表示装置(表示装置)33を備え、変動表示装置33の前面に設けられた表示部33aを包囲枠体32の開口から遊技盤5の前方へ臨ませ、複数(本実施形態では3つ)の識別情報を変動表示させる特図(特別図柄)変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)の演出表示を表示部33aで表示可能としている。なお、変動表示装置33の表示部33aにおいては、平面的に見える従来どおりの表示画像(所謂2D方式の表示画像)を表示してもよいし、あるいは、両眼の視差を利用する等して立体的に見えるようにした所謂3D方式の表示画像を表示してもよい。
そして、遊技領域6のうち包囲枠体32の下方には第1始動入賞口36を配置し、該第1始動入賞口36の側方、詳しくは第1始動入賞口36を挟んで発射案内路29とは反対側には、羽根状の普通電動役物37aが左右に備えられた第2始動入賞口37を配置している。そして、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づいて変動表示装置33が表示部33aで第1特図変動表示ゲームの演出表示(識別情報の変動表示)を実行し、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づいて変動表示装置33が表示部33aで第2特図変動表示ゲームの演出表示(識別情報の変動表示)を表示するように設定されている。さらに、第1始動入賞口36の下方には大入賞口38を配置し、該大入賞口38の左右両側方には、一般入賞口39が備えられたサイドランプ40を配置し、包囲枠体32の側方であって第2始動入賞口37の上方に位置する箇所には普図始動ゲート41を配置している。また、大入賞口38の下方に位置する遊技領域6の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口44を設け、遊技領域6のうち包囲枠体32、各始動入賞口36,37、サイドランプ40、大入賞口38等の取付部分を除いた箇所には複数の遊技釘45を植設している。そして、サイドケース28のうちアウト口44の側方(図4中、右側方)の位置には、普図表示器46や特図表示器47など(図7参照)が備えられた一括表示装置48を配置し、該一括表示装置48において普図(普通図柄)変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示を行う。
次に、透明部材保持枠8に備えられ、送風による演出を実行可能な構成について説明する。図3に示すように、パチンコ遊技機1の前面に設けられた透明部材保持枠8の前方、詳しくは変動表示装置33を含む遊技盤5を被覆する透明部材9の前方には検出空間50を設定し、透明部材保持枠8の前面のうち透明部材9を挟んで当該透明部材保持枠8の軸着部とは反対側の側縁部(図3中、右側縁部)には、検出空間50側へ送風可能な送風演出ユニット52を前方へ向けて突設して検出空間50の側方に臨ませている。
送風演出ユニット52は、図5に示すように、縦長な薄肉箱状のユニットケース54を備え、該ユニットケース54の下部には空気取入口55を開設し、検出空間50側に向いた側面には矩形状の送風口56を上下方向に並んだ状態で複数(本実施形態では4つ)開設している。また、空気取入口55と送風口56とを連通させて空気の通路となるユニットケース54の内部のうち、最も下側に位置する送風口56と空気取入口55との間には、空気取入口55から取り込んだ空気を加熱可能な加熱手段であるヒータ58を備え、各送風口56に臨む箇所には、回転羽根59を送風モータ60で回動して送風動作を実行可能な送風装置61を備えている。なお、送風装置61においては、送風口56と送風モータ60との間に回転羽根59を配置し、該回転羽根59を送風モータ60から送風口56側へ向けて延出された出力軸に軸着して、送風装置61から発生する風の向きを検出空間50に向かう方向に設定している。
また、各送風口56には、送風装置61から発生した風の向き(詳しくは送風口56から送出される風の向き)を変化可能とする風向可変機構64を備えている。風向可変機構64は、図6に示すように、同じ姿勢に設定された複数枚の短冊状の羽板66を送風口56内に隙間を空けて互いに平行となる状態で配置し、各羽板66の長手方向の両端部を送風口56の開口縁に回動可能な状態で軸着している。さらに、各羽板66の長手方向の一端部同士を羽板66の長手方向とは異なる方向(詳しくは羽板66の長手方向とは直交する方向)に延在する連結ロッド67で連結するとともに、連結ロッド67と各羽板66との連結部を各羽板66の回動中心から外した箇所に設定し、連結ロッド67の端部を風向可変ソレノイド68に接続している。そして、風向可変ソレノイド68が連結ロッド67を羽板66の並び方向に沿って移動させることにより各羽板66を同位相で回動して、隣り合う羽板66間に形成される間隙の状態(詳しくは送風装置61側(ユニットケース54の内側)から検出空間50側へ向かう傾斜状態)、ひいて羽板66間の間隙を通って送出される風の向きを変化させるように構成されている。
なお、図5および図6に示すように、上から1つ目および3つ目(上から奇数番目)の送風口56に備えられた風向可変機構64は、図5および図6に示すように、羽板66をその長手方向がパチンコ遊技機1の前後方向に平行となる横向き姿勢に設定し、羽板66の検出空間50側に露出した縁部が上下方向に移動して、風の向きを検出空間50の上部に向かう方向と下部に向かう方向との間で変化できるように構成されている。また、上から2つ目および4つ目(上から偶数番目)の送風口56に備えられた風向可変機構64は、羽板66をその長手方向がパチンコ遊技機1の上下方向に平行となる縦向き姿勢に設定し、羽板66の検出空間50側に露出した縁部がパチンコ遊技機1の前後方向に移動して、風の向きを検出空間50の前部(遊技者側)に向かう方向と後部(透明部材9側)に向かう方向との間で変化できるように構成されている。
さらに、ユニットケース54の側面(検出空間50側に向いた側面)のうち上下に隣り合う送風口56の間には、検出空間50における被検出体(例えば、遊技者の頭、手、腕)の有無を非接触で検出可能な非接触検出部70を配置している。具体的には、発光部と受光部とで構成された非接触検出部70を配置し、発光部から検出空間50へ向けて光を照射し、検出空間50内に被検出体が位置する場合には、被検出体が反射する反射光を受光部で受光して被検出体の有無を非接触で検出するように構成されている。
そして、送風演出ユニット52に備えられた送風装置61(送風モータ60)、ヒータ58、風向可変機構64(風向可変ソレノイド68)、非接触検出部70は、図7に示すように、パチンコ遊技機1の遊技進行に伴う演出動作の制御を行う演出制御装置75に接続されて動作を制御される。また、演出制御装置75を備えたパチンコ遊技機1の制御系統においては、遊技制御装置80が中心となってパチンコ遊技機1の制御を実行する。なお、パチンコ遊技機1の制御系統については、後で詳細に説明する。
次に、上記した構成の送風演出ユニット52を有するパチンコ遊技機1の動作、特に、送風演出ユニット52が実行する演出動作について説明する。なお、遊技制御装置80は、予め変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を行っておらず、且つ大当たり状態を発生していない状態(通常遊技状態)で遊技進行を制御しているものとする。また、送風装置61、ヒータ58、風向可変機構64はいずれも動作しておらず、検出空間50には被検出体が位置していないものとする。
発射装置から発射された遊技球が発射球案内路29を通って遊技領域6へ飛入し、遊技領域6を流下して普図始動ゲート41へ入賞(通過)すると、遊技制御装置80が普図変動表示ゲームを実行し、この普図変動表示ゲームの結果態様に応じて異なる制御信号を一括表示装置48へ送信し、結果態様を示す普通図柄を一括表示装置48で表示する制御を行う。そして、普図変動表示ゲームの結果態様が「当り」を示す状態になった場合には、第2始動入賞口37の普通電動役物37aを開いて、遊技球が第2始動入賞口37へ入賞し易い状態に変換し、「はずれ」を示す状態になった場合には普通電動役物37aを閉じた状態に維持する。
また、遊技領域6を流下する遊技球が第1始動入賞口36へ入賞すると、遊技制御装置80が第1始動入賞口36への入賞を契機(始動条件)にして第1特図変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口37へ入賞すると、遊技制御装置80が第2始動入賞口37への入賞を契機(始動条件)にして第2特図変動表示ゲームを実行する。さらに、遊技制御装置80は、各特図変動表示ゲームの結果態様に応じて異なる制御信号を一括表示装置48および演出制御装置75へ送信する。この結果、一括表示装置48では停止結果態様を示す特別図柄を表示し、演出制御装置75では、各特図変動表示ゲームの進行に応じた表示(ゲームの結果態様が決定する前の段階の演出表示であって、表示部33aにおける識別情報の変動表示)を変動表示装置33に実行させる制御を実行し、その後に、結果態様に対応する演出表示(具体的には、識別情報を変動表示した後に停止表示する演出表示)を変動表示装置33に実行させる制御を行う。そして、各特図変動表示ゲームの結果態様が、予め定めた特別表示態様である「大当り」であった場合には、遊技制御装置80は、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を予め設定された期間に亘って発生させて大入賞口38を開き、遊技球が大入賞口38に入賞し易い状態に変換する一方、「はずれ」であった場合には、大入賞口38を閉じた状態に維持して、遊技球の大入賞口38への入賞を規制する。
そして、演出制御装置75は、各特図変動表示ゲームの進行に応じた演出表示の制御において変動表示装置33に後述のリーチ状態を表示する場合には、図8(a)に示すように、変動表示装置33に表示される表示内容を送風に関連する表示(具体的には、風車が回転する状態を示す動画)に設定し、この表示に対応して送風装置61に送風動作を行わせる制御を行う。さらに、変動表示装置33に「風を止めろ」等のメッセージを表示する制御を実行して、手を検出空間50へ差し入れることを遊技者に促す。行動を促された遊技者が手(被検出体)を検出空間50に差し入れて非接触検出部70が被検出体を検出すると、演出制御装置75は、非接触検出部70における検出に対応して変動表示装置33に表示される表示内容を変更する制御、具体的には、図8(b)に示すように、風車が回転状態から停止状態となる表示内容に変更する制御を実行する。したがって、変動表示装置33における表示の演出と、送風による演出との相乗効果を期待することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、非接触検出部70の検出結果によって変動表示装置33における表示内容(演出内容)を変化させるので、従来の演出ボタンのように遊技者が押圧して演出内容を変化させる必要がない。したがって、演出内容の変化開始を入力する構成要素が遊技者の押圧操作により破損してしまう虞がない。そして、送風装置61から発生した風の向きを検出空間50に向かう方向に設定したので、遊技者が体の一部を検出空間50に移動して非接触検出部70に検出させれば、送風装置61からの風を十分に受けることができる。したがって、遊技者が目や耳だけではなく肌でも演出動作を認識することができ、従来にはない斬新な遊技演出を実現することができる。
さらに、演出制御装置75は、送風装置61に送風動作を行わせる制御において、特図変動表示ゲームのゲーム結果が大当りとなる期待度、言い換えると特図変動表示ゲームの実行後に特別遊技を発生させる確率に対応して、遊技者に大当りの発生の期待を煽る演出動作を送風演出ユニット52により実行する。具体的には、送風状態調整機構(送風モータ60,ヒータ58)により風(送風装置61の駆動により発生する風)の強さまた温度を調整する制御を実行し、大当りとなる期待度(特別遊技発生確率)が高ければ高いほど風の強さを強く、また、風の温度を高くする。さらには、大当りとなる期待度(特別遊技発生確率)が予め設定された値以上である場合には、風向可変機構64を駆動して風の向きを予め設定された方向(例えば、風が遊技者側に近い位置に到達する方向)に変化させたり、あるいは、ランダムに変化させたりする。このように、送風演出ユニット52に風向可変機構64および送風状態調整機構を備えれば、風向、風の強さや温度を変化させて斬新な遊技演出を実行することができる。
そして、パチンコ遊技機1は、送風装置61および非接触検出部70を含む送風演出ユニット52を透明部材保持枠8に備えたので、送風装置61をパチンコ遊技機1の機種変更作業において交換不要な共通構成部材の一部とすることができる。なお、送風演出ユニット52は、透明部材保持枠8の上部または下部に備えてもよいし、カードユニット20が併設されていない場合、あるいはカードユニット20の操作の邪魔にならない場合には、透明部材保持枠8の軸着側縁(図1中、左側縁)に備えてもよい。
ところで、上記実施形態の送風演出ユニット52は、風向可変機構64を駆動したとしても風の向き(行き先)が検出空間50から外れない状態に設定しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、風向可変機構64を駆動して風が隣り合うパチンコ遊技機1の間の前方、言い換えると、隣り合うパチンコ遊技機1で別個に遊技を行う遊技者の間に吹くように変化させることができれば、送風演出ユニット52を遊技演出用の構成としてだけではなく、隣り合う遊技者の間を風で遮るエアーカーテンとしても活用することができる。
ところで、上記実施形態では、送風演出ユニット52にヒータ58(加熱手段)を備えて、室温よりも温度が高い温風を送風口56から送出可能としたが、本発明はこれに限定されない。要は、送風装置61が発生する風の温度を調整可能な送風状態調整機構を備えていればよい。例えば、ヒータ58等の加熱手段の代わりにペルチェ素子等の冷却手段をユニットケース54内のうち空気取入口55の近傍に配置し、室温よりも温度が低い冷風を送風口56から送出できるようにしてもよい。また、加熱手段と冷却手段とを併せて配置し、送風口56から温風を送出したり、冷風を送出したりするように構成してもよい。
次に、パチンコ遊技機1の制御系統について、図7に基づいて説明する。
遊技制御装置80は、遊技用マイコン(遊技用演算処理装置600)101、入力I/F(Interface)105、出力I/F(Interface)106及び検査装置接続端子107を備える。
遊技用マイコン101は、CPU102、ROM(Read Only Memory)103及びRAM(Random Access Memory)104を備える。
CPU102は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM103は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM104は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
遊技制御装置80には検査装置接続端子107が設けられており、検査装置接続端子107からは、遊技用マイコン101に一意に設定された識別番号を出力することができる。これによって、検査装置接続端子107に図示しない検査装置を接続すると、検査装置はパチンコ遊技機1を識別することができる。
CPU102は、入力I/F105を介して各種検査装置(始動入賞領域38への入賞を出する特図始動SW38A、普図始動ゲート41への入賞を検出する普図始動SW41A、カウントSW(スイッチ)38A、一般入賞口39の入賞を検出する入賞口SW39A、オーバーフローSW(スイッチ)109、球切れSW(スイッチ)110、及び枠開放SW(スイッチ)111)からの検出信号を受けて、大当り抽11111111選等、種々の処理を行う。
オーバーフロースイッチ109は、遊技球を貯留および排出する機構を備えた下皿ユニット12に遊技球が所定数以上貯留されていることを検出する。球切れスイッチ110は、前面枠3の裏面側に配置された球貯留ユニット(図示せず)に配設され、球貯留ユニットに貯留される遊技球が所定数以下になることを検出する。枠開放スイッチ111は、パチンコ遊技機1の前面に開閉回動可能に組み付けられた前面枠3が開いたことを検出する。
また、CPU102は、出力I/F106を介して、普図表示器46、特図表示器47、普電SOL(ソレノイド)95、大入賞口SOL(ソレノイド)96、払出制御装置210及び演出制御装置75に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図表示器46は、遊技球が普図始動ゲート41に入賞した場合に行われる変動表示ゲームが表示される。特図表示器47には、遊技球が第1始動入賞口36または第2始動入賞口37に入賞した場合に行われる変動表示ゲームが表示される。
普電SOL95は、第2始動入賞口37に備わる普通電動役物37aを開放して、第2始動入賞口37への入口が所定の時間だけ開放させる。
大入賞口SOL96は、大入賞口38が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)にする。
また、遊技制御装置80は、パチンコ遊技機1に関する情報を、外部情報端子108を介して、遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に出力する。
遊技制御装置80は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として、演出制御装置75へ送信する。
次に、払出制御装置210及び演出制御装置75について説明する。
演出制御装置(表示制御装置)75は、遊技制御装置80から入力される各種信号に基づいて、スピーカ15や変動表示装置33を制御するとともに、発光により遊技演出を行う発光装置145や、演出動作を実行する可動物(図示せず)を駆動するために設けられた駆動源146、送風演出ユニット52を制御する。なお、演出制御装置75には、可動物の位置検出を行うための位置検出センサ(図示せず)からの信号も入力される。
演出制御装置75は、遊技用マイコン(遊技用演算処理装置600)151、ドライバ155、音回路156、VDP157、及び監視回路158を備え、送風演出ユニット52の非接触検出部70からの検出信号を受信可能である。
遊技用マイコン151は、CPU152、ROM153及びRAM154を備える。
CPU152は、演出制御を統括的に制御する制御装置である。ROM154は、演出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM154は、演出制御時にワークエリアとして利用される。
ドライバ155は、CPU152からの指令により、発光装置145、駆動源146、
送風装置61、ヒータ58、風向可変機構64を制御する。音回路156は、CPU152からの指令により、効果音を生成してスピーカ15から出力する。
VDP157は、CPU152からの指令により、図示しないキャラクタROMからフォントデータを読み出して画像データを生成し、変動表示装置33へ出力する。監視回路158は、CPU152の動作を監視して、異常(プログラムの暴走など)が発生するとCPU152をリセットする機能を有する。
払出制御装置210は、遊技制御装置80からの賞球指令信号に基づいて、前面枠3の裏面側に設けられた払出装置(図示せず)の払出モータ220を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う装置である。また、払出制御装置210は、カードユニット20からの貸球要求信号に基づいて、遊技制御装置80が送信する払出指令信号に基づいて、払出装置の払出モータ220を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う装置である。
払出制御装置210は、遊技用マイコン(遊技用演算処理装置600)211、入力I/F(Interface)215、入出力I/F(Interface)216及び検査装置接続端子217を備える。
遊技用マイコン211は、CPU212、ROM213及びRAM214を備える。
CPU212は、払い出しを統括的に制御する制御装置であって、払出制御を司る。ROM213は、払出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM214は、払出制御時にワークエリアとして利用される。
CPU212は、入力I/F215を介して払出球検出センサ112、オーバーフロースイッチ109、球切れスイッチ110、エラー解除スイッチ223、税率設定スイッチ226、及び貸出料金設定スイッチ227からの入力を受ける。
エラー解除スイッチ223は、払出制御装置210にエラーが発生した場合に、遊技店の店員等が発生したエラーの原因を解消した際に、遊技店の店員等によって操作され、エラー状態を解除するためのスイッチである。
税率設定スイッチ226は、遊技球の貸し出しに対して課税される間接税の税率を設定するスイッチである。貸出料金設定スイッチ227は、貸し出される遊技球の有価価値を設定するためのスイッチである。
また、CPU212は、入出力I/F216を介して、払出モータ220、発射制御装置221、エラーナンバー表示器222、税率表示器224及び貸出料金表示器225に指令信号を送信する。また、CPU212は、入出力I/F216を介して遊技制御装置80から各種信号を受信する。
払出モータ220は、実際に払出装置で遊技球を払い出すために駆動されるモータである。具体的には、払出モータ220には、1個の遊技球を貯留可能な球嵌合部を所定個数を有するスプロケットを回転させることによって、遊技球を払い出す。
発射制御装置221は、遊技球を遊技盤5に発射するための発射装置を制御する。エラーナンバー表示器222は、払出制御装置210の裏面側に配設され、払出制御装置210で発生したエラーの種類を特定可能に表示する。
税率表示器224は、払出制御装置210の裏面側に配設され、税率設定スイッチ226によって設定された間接税の税率を表示する。貸出料金表示器225は、払出制御装置210の裏面側に配設され、貸出料金設定スイッチ227によって設定された貸し出される遊技球の有価価値を表示する。
なお、遊技制御装置80、演出制御装置75、及び払出制御装置210は、電源装置160に接続される。
電源装置160は、バックアップ電源161、RAMクリアスイッチ162を備える。
バックアップ電源161は、停電時においても、遊技制御装置80、演出制御装置75、及び払出制御装置210に電源を供給する(演出制御装置75には供給しなくてもよい)。
RAMクリアスイッチ162は、遊技制御装置80に備わるRAM104及び払出制御装置210に備わるRAM214に記憶されている情報を初期化するスイッチである。
また、パチンコ遊技機1に備わる球貸ボタン23が操作されると、カードユニット20は、プリペイドカード又は会員カード等のカードに記憶されている有価価値から貸し出される遊技球分の有価価値を減算して、減算した有価価値の値をパチンコ遊技機1の残高表示部25に表示する。また、パチンコ遊技機1に備わる排出ボタン24が操作されると、カードユニット20は、カードリーダライタ22に挿入されたカードを排出する。
遊技制御装置80に備わる遊技用マイコン101と払出制御装置210に備わる遊技用マイコン211とは、SIO接続及び暗号化信号接続により接続される。
SIO接続では暗号化されない非暗号化信号(平文データ)が通信され、暗号化信号接続では暗号化された暗号化信号(暗号化データ)が通信される。
なお、遊技制御装置80に備わる遊技用マイコン101及び払出制御装置210に備わる遊技用マイコン211は、SIO接続及び暗号化信号接続のためのポートを備える。
次に、遊技制御装置80に備わる遊技用マイコン101及び払出制御装置210に備わる遊技用マイコン211(以下、総称して遊技用演算処理装置600という)について、図9を用いて詳細に説明する。
図9は、本実施形態の遊技用演算処理装置(アミューズチップ)600のブロック図である。
遊技用演算処理装置600はいわゆるアミューズチップ用のICとして製造され、遊技制御を行う遊技領域部600Aと情報管理を行う情報領域部600Bとに区分される。
まず、遊技領域部600AはCPUコア601(図10のCPU102或いはCPU212に相当)、ユーザプログラムROM602(図10のROM103或いはROM213に相当)、HWパラメータROM603(ユーザプログラムROM602及びHWパラメータROM603を総称して、ROM(不揮発性記憶手段)という)、ユーザワークRAM604(図10のRAM104或いはRAM214に相当)、ミラードRAM605(ユーザワークRAM604及びミラードRAM605を総称して、RAM(揮発性記憶手段)という)、外部バスインターフェース(I/F)606、バス切替回路607、乱数生成回路608、クロックジェネレータ609、リセット/割込制御回路610、アドレスデコーダ611、出力制御回路612、ブートブロック613、復号化・ROM書込回路614、シリアル送受信回路615、暗号化送受信回路616、及びバス617により構成される。
CPUコア601は、遊技制御のための演算処理を行う演算処理手段として機能する。ユーザプログラムROM602は、制御プログラムを格納する。制御プログラムは、遊技用演算処理装置600が遊技制御装置80に備わる遊技用マイコン101である場合には、遊技の制御を行うための遊技制御プログラムであり、遊技用演算処理装置600が払出制御装置210に備わる遊技用マイコン211である場合には、遊技球の払い出しを行うための払出制御プログラムであり、遊技用演算処理装置600が演出制御装置75に備わる遊技用マイコン151である場合には、演出の制御を行うための演出制御プログラムである。
HWパラメータROM603は、正当性確認情報を格納する。正当性確認情報とは、遊技用演算処理装置600の正当性の簡易チェックを行う場合の情報であり、例えば、パチンコ遊技機1の一意な識別子を示す固有ID、メーカコード(パチンコ遊技機1の製造メーカ毎に割り振られた固有の製造メーカの一意な識別子)、パチンコ遊技機1のランク(1種、2種等)を示すランクコード、製造メーカがパチンコ遊技機1の種類に設定する機種コード、検査番号を示す検査コード、電源投入時にRAMをバックアップするか否かを示すRAMバックアップコード、税率設定スイッチ226によって設定された税率、貸出料金設定スイッチ227によって設定された貸出料金等である。また、HWパラメータROM603には、最初に貸出情報要求を送信した検査装置の一意な識別子である固有IDが一つのみ記憶される。
第三者機関又はパチンコ遊技機1の製造メーカがユーザプログラムROM602にプログラムを書き込む際に、正当性確認情報がHWパラメータROM603に書き込まれる。
遊技用演算処理装置600の簡易チェックを行う場合、遊技用演算処理装置600の電源立ち上がり時に、遊技用演算処理装置600自身が演算した演算値と、正当性確認情報(すなわち、第三者機関等によって予め設定された結果値)とを比較判定することで、簡易的な遊技用演算処理装置600のチェックを可能にする構成になっている。
ユーザワークRAM604は、遊技領域部600Aにおけるプログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられるものである。このユーザワークRAM604には、バックアップ電源161(図7参照)からのバックアップ電源が供給されているので、パチンコ遊技機1への電源供給が途絶えても、記憶データが保持されるように構成されている。
ミラードRAM605は、クロックの立ち下がり時にユーザワークエリアに記憶された情報を複製し、複製した情報を記憶する(CPUコアがZ80の場合には、クロックの立ち上がり時に処理を実行するため、同期して動くことがないようにしている。)。
外部バスインターフェース606は、メモリリクエスト信号MREQ、入出力リクエスト信号IORQ、メモリ書込み信号WR、メモリ読み出し信号RD及びモード信号MODEなどのインターフェースであり、また、バス切替回路607は、16ビットのアドレス信号A0〜A15や8ビットのデータ信号D0〜D7のインターフェースである。
例えば、MODE信号をハイレベルにした状態で、アドレス信号A0〜A15を順次にインクリメントしながら、データ信号D0〜D7を加えると、ユーザプログラムROM602への書き込みモードとなってパチンコ遊技機1の製造メーカ又は第三者機関によるプログラムの書き込みが可能になる。
なお、書き込みモードはプログラムの書き込みを可能にするものであり、ブートブロック613に記憶されるブートプログラムを書き込みできるようにするものではない。
また、ユーザプログラムROM602へのプログラムの書き込みが終了すると、HWパラメータROM603の所定領域に書込終了コードが記録(例えば、所定のコード若しくは所定ビットを物理的に切断することで記録)されるようになっており、HWパラメータROM603に書込終了コードが記録されている場合には、ユーザプログラムROM602への新たなプログラムの書き込みができないようになっている。
乱数生成回路608は遊技の実行過程において遊技価値(例えば、大当り)を付加するか否か等に係わる乱数(乱数は、大当たりの決定や停止時の図柄の決定等に使用)を生成するもので、一様性乱数を生成する数学的手法(例えば、合同法又はM系列法等)を利用している。なお、遊技用演算処理装置600が払出制御装置210に備わる遊技用マイコン211である場合には、乱数生成回路608はなくてもよい。
クロックジェネレータ609は、所定周期(例えば、4m秒)で生成されるタイマ割込信号と、クロック信号を生成する。クロックジェネレータ609が生成したタイマ割込信号及びクロック信号はCPUコア102に入力される。CPUコア102は、タイマ割込信号が入力されると、図18に示すタイマ割込処理を実行する。
リセット/割込制御回路610は、外部からの入力されたリセット信号(RST)を検出すると、遊技用演算処理装置600の内部に備えた各回路にリセット信号を伝達する。また、所定の割り込み条件の発生を検出すると、割り込みの発生をCPUコア601に知らせる。
アドレスデコーダ611は内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。
出力制御回路612はアドレスデコーダ611からの信号制御を行って外部端子より8ビットのチップセレクト信号(CS0〜CS7)を外部に出力するとともに、遊技用演算処理装置600の内部に備えた回路を選択するチップセレクト信号を発生する機能を有する。ブートブロック613は、ブートプログラムを記憶し、電源投入時に遊技用演算処理装置600の初期化に係わる処理を行う。
復号化・ROM書込回路614は、ユーザプログラムROM602及びHWパラメータROM603への書込みモードの際に使用されるもので、モード信号MODEが[H]レベルになっている間、バス切替回路607を介してアドレス信号A0〜A15やデータ信号D0〜D7を取り込み、そのデータ信号D0〜D7に含まれる情報(暗号化されたプログラム及び暗号化された変更後の固有ID)を復号化処理した後、バス617を介してユーザプログラムROM602及びHWパラメータROM603に出力する(書き込む)というものである。
送信手段として機能するシリアル送受信回路615は、SIO接続で暗号化されていない平文データを送受信するための回路である。
暗号化送受信回路616は、暗号化信号接続で暗号化された暗号化データを送受信する回路である。暗号化送受信回路616には、暗号化データの信号線が接続される。暗号化送受信回路616は、暗号化データの信号線を介してデータを送受信する。
バス617はデータバス(図10のデータバス660)、アドレスバス(図10のアドレスバス650)及び制御バスを含むものであり、情報領域部600Bまで延びている。
次に、遊技用演算処理装置600における情報管理を行う情報領域部600Bは、HPGプログラムROM618、IDプロパティメモリ619、バスモニタ回路620、HPGワークRAM621、制御回路622、外部通信制御回路623、バス624、及び遊技領域部600Aから延びるバス617の一部を含んで構成される。
HPGプログラムROM618は、各種検査動作を行うHPGプログラムが格納される。
IDプロパティメモリ619には、図示しない検査装置から外部通信制御回路623を介して受信した要求に基づいて、HWパラメータROM603に記憶されている情報を図示しない検査装置にすぐに出力できるように、遊技用演算処理装置600の電源投入時(システムリセット時)にHWパラメータに記憶されている情報を複製して記憶する。なお、IDプロパティメモリ619は、遊技領域部600A側及び情報領域部600B側の双方よりアクセスが可能な構成になっている。
バスモニタ回路620は、情報領域部600B側より遊技領域部600A側のバス617の状態監視及び制御を行う。ここでの制御とは、HWパラメータROM603の内容をIDプロパティメモリ619に複写する際のタイミング制御や、ユーザプログラムROM602に格納されたプログラムを外部に出力する際(遊技領域部600A側のバス617を開放してユーザプログラムROM602からプログラムを読み込んで情報領域部600B側より外部に出力する際)のタイミング制御である。なお、プログラムは、外部通信制御回路623で暗号化されてから出力される。
HPGワークRAM621は、情報領域部600Bにおけるプログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられるものである。
制御回路622は情報領域部600B側を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路622は、例えば、バスモニタ回路620を介してCPUコア102の動作を監視し、非動作中に遊技領域部600AのユーザワークRAM604に記憶された内容をミラードRAM605へコピーする。
また、図示しない検査装置からの要求に応答して情報領域部600BのIDプロパティメモリ619の内容を外部へ転送したり、プログラム要求に応答してバスモニタ回路620を介してユーザプログラムROM602内のプログラムを外部へ転送したりする。制御回路622のメモリは、転送時のタイミング調節のために用いられる。
外部通信制御回路623は図示しない検査装置との通信を行うもので、例えば、外部からの指令に基づいて遊技用演算処理装置600内に格納されている情報(例えば、固有ID、プログラム、実払出数等)を暗号化した後、外部へ転送する等の処理を行う。
遊技用演算処理装置600では、遊技領域部600Aと情報領域部600Bがバスモニタ回路620を介して独立して動作する。すなわち、情報領域部600B側は遊技領域部600AにおけるCPUコア102の作動に関係なく(プログラム実行に関係なく)動作可能である。
なお、図9では図示されていないが、遊技用演算処理装置600には、図10で後述するセキュリティ回路630、RAMアクセス規制回路640を備えている。
図10は、本実施形態の遊技制御装置80に備わる遊技用演算処理装置(アミューズチップ)600とその周辺のブロック図である。
遊技用演算処理装置600は、セキュリティ回路630、CPUコア102(図9では601)、RAMアクセス規制回路640、ユーザワークRAM104(図9では604)、バス切替回路607、アドレスデコーダ611、出力制御回路612、及び、ユーザプログラムROM103(図9では603)を備える。
なお、遊技用演算処理装置600に備わるこれらの回路等は、アドレスバス650及びデータバス660を介して接続されている。
また、遊技制御装置80は、遊技用演算処理装置600の外部にて、演出制御装置75に接続される演出制御通信ポート670、及び、払出制御装置210に接続される払出制御通信ポート680を備える。
以下、演出制御通信ポート670及び払出制御通信ポート680を総称して、通信ポート(送信手段)670、680という。通信ポート670、680は、本実施形態における通信用ポート(指令出力手段)として機能するものであり、図7に示す出力I/F106に含まれる。
通信ポート670、680は、遊技用演算処理装置600の外部のデータバス690を介して遊技用演算処理装置600に接続される。
なお、データバス660、690は、D0〜D7の8ビットの信号線によって構成される。
遊技用演算処理装置600に電源が投入される際には、RST端子(図9)を介して電源装置160からリセット信号(起動信号)が入力され、リセット割込制御回路610(図9)が作動する。
セキュリティ回路630は、このリセット信号が入力されるとHWパラメータROM602に記憶された正当性確認情報を用いて、セキュリティチェック処理を実行する。このセキュリティチェック処理は、ユーザプログラムROM103に記憶されたプログラムの正当性の判定を行う処理である。
セキュリティ回路630は、このセキュリティチェック処理を実行している間は、CPUコア102のリセット端子(RES(負論理))にリセット信号を継続して出力することで、CPUコア102の起動を待機させる。
CPUコア102は、前述のリセット端子(RES(負論理))と、書込指令出力端子(WR(負論理))、及び読出指令出力端子(RD(負論理))を備える。リセット端子はセキュリティ回路630に接続されており、遊技用演算処理装置600にリセット信号が入力されると、前述のように、セキュリティチェック処理を実行している間に渡って、CPUコア102に対するリセット信号がリセット端子に入力される。
CPUコア102のリセット端子にリセット信号が入力されると、CPUコア102は、CPUコア102に備わるレジスタ(REG)を初期化する。
また、CPUコア102がユーザワークRAM104にデータの書き込みを指令する書込指令を出力する場合には、CPUコア1021の書込指令出力端子からは所定値よりも低い電圧のローレベルの信号が出力される。
同様に、CPUコア102がユーザワークRAM104からデータの読み出しを指令する読出指令を出力する場合には、CPUコア102の読出指令出力端子からは所定値よりも低い電圧のローレベルの信号が出力される。
つまり、書込指令出力端子及び読出指令出力端子は、通常電圧がハイレベルに維持されており、ユーザワークRAM104への読み書きを行うときにのみ電圧がローレベルになる。
まず、ユーザワークRAM104のデータの読み出しについて説明する。
CPUコア102から、ユーザワークRAM104の読出指令入力端子(RD(負論理))に読出指令が入力されると、アドレスバス650及びデータバス660を介してCPUコア102に読出データが出力される。
このとき、CPUコア102からアドレスバス650へは、ユーザワークRAM104のアドレスが出力され、アドレスデコーダ611からユーザワークRAM104のチップ選択端子(所謂CS端子に相当、図示は略)に選択信号が入力されることによって、ユーザワークRAM104が選択される。
次いで、選択されたユーザワークRAM104は、アドレスバス650が指定する記憶領域のデータをデータバス660へ出力する。次いで、CPUコア102は、データバス660へ出力されたデータを内部へ取り込む。このような手順により、CPUコア102はユーザワークRAM104からデータを読み出す。
次に、ユーザワークRAM104へのデータの書き込みについて説明する。
CPUコア102に備わる書込指令出力端子は、RAMアクセス規制回路640のORゲート回路642に備わる二つの入力端子のうち一方の入力端子に接続される。
ORゲート回路642の他方の入力端子は、RAMアクセス規制回路640のフリップフロップ回路641の出力端子(Q(負論理))に接続され、ORゲート回路642の出力端子は、ユーザワークRAM104の書込指令入力端子(WR(負論理))に接続されている。
また、ユーザワークRAM104の書込指令入力端子に所定値以下の電圧であるローレベルの信号が入力されると、ユーザワークRAM104への書き込みが許容される。
このため、ORゲート回路642の二つの入力端子にそれぞれローレベルの信号が入力されなければ、ユーザワークRAM104への書き込みが許容されない。言い換えれば、ORゲート回路642の少なくとも一方の入力端子にハイレベルの信号が入力されていると、ユーザワークRAM104への書き込みが規制(禁止)される。
ここで、RAMアクセス規制回路640のフリップフロップ回路641について説明する。
フリップフロップ回路641は、例えば、型番が74HC74のロジックICを用いる。このフリップフロップ回路641は、D型のフリップフロップ回路であり、入力端子として、データ端子(D)、クリア端子(CLR(負論理))、クロック端子(CK(正論理))、及びプリセット端子(PR(負論理))を備えるとともに、出力端子(Q(正論理),Q(負論理))を備える。
データ端子には、データバス660を構成する信号線D0〜D7のうち所定の一本の信号線(例えば、D0)が接続されている。
クリア端子には電源装置160からリセット信号線が接続され、リセット信号が入力されるとクリア端子はローレベルとなる。このとき、このときフリップフロップ回路641は、出力端子Q(正論理)からローレベルの信号を出力させ、出力端子Q(負論理)からハイレベルの信号を出力させる。出力端子Q(正論理)からの出力と、出力端子Q(負論理)からの出力は、相互に反転するレベルとなっている。
また、クロック端子は、出力制御回路612に接続されており、通常、ローレベルに維持されている。
このフリップフロップ回路641に備えた出力端子Q(負論理)からの信号レベルは、CPUコア102によって、自在に設定できるようになっている。この設定は、CPUコア102が、フリップフロップ回路641に割り当てられたアドレスの記憶領域に所定のデータを書き込むことで実現される。
具体的には、CPUコア102によってフリップフロップ回路641に割り当てられたアドレスの記憶領域にデータを書き込む処理が行われると、CPUコア102からアドレスバス650へは、フリップフロップ回路641のアドレスが出力される。次に、アドレスデコーダ611から、出力制御回路612を介して、フリップフロップ回路641のクロック端子にクロック信号が入力され、クロック端子の電圧レベルは立ち上がりハイレベルとなる。
このときフリップフロップ回路641は、データ端子に入力されている信号を取り込んで、取り込んだ信号を出力端子Q(正論理)から出力し、取り込んだ信号の反転値を出力端子Q(負論理)から出力する。
また、フリップフロップ回路641は、出力制御回路612がクロック信号の入力を終了した場合には、クロック端子の電圧レベルは立ち下がりローレベルとなり、出力端子Q(正論理)及び出力端子Q(負論理)の電圧レベルを保持する。
プリセット端子は、図示しないプルアップ抵抗に接続され、プリセット端子の電圧レベルは常にハイレベルとなる。
また、出力端子Q(負論理)は、ORゲート回路652の入力端子に信号を出力する。出力端子Q(正論理)には何も接続されない。
次に、フリップフロップ回路641の入力状態に応じた各種動作について説明する。
フリップフロップ回路641は、前述したように、クロック端子の電圧レベルの立ち上り、つまりクロック信号の入力開始時に、データ端子の電圧レベルを読み取り、読み取った電圧レベルの反転値を出力端子Q(負論理)から出力する。
一方、フリップフロップ回路641は、クロック端子の電圧レベルの立ち下がり、つまり、クロック信号の入力終了時に、クロック端子の電源レベルの立ち上がり時の出力端子Q(負論理)からの出力を保持する。
出力端子Q(負論理)からハイレベルの信号がORゲート回路642の入力端子に出力されていると、ORゲート回路642の他方の入力端子にローレベル及びハイレベルのいずれの信号が入力されても、ORゲート回路642の出力端子からはハイレベルの信号が出力される。
このため、フリップフロップ回路641の出力端子Q(負論理)からハイレベルの信号が出力されていれば、ORゲート回路642の他方の入力端子に書込指令信号が入力されても(当該他方の入力端子にローレベルの信号が入力されても)、ユーザワークRAM104の書込指令入力端子にはローレベルが入力されなくなり、RAM書込禁止状態が発生する。
RAMアクセス規制回路640をRAM書込禁止状態にするかRAM書込許可状態にするかは、クロック信号がフリップフロップ回路641に入力されたときのフリップフロップ回路641のデータ端子に入力される電圧レベル、又はリセット信号の入力の有無に基づく。
前述のようにCPUコア102は、出力制御回路612を制御してクロック信号の出力を制御でき、データバス660の信号線の出力も制御できるので、フリップフロップ回路641の出力端子Q(負論理)から出力される信号は、CPUコア102によって制御可能である。言い換えると、CPUコア102は、データバス660の信号レベルを制御することによってRAMアクセス規制回路640の書込状態を制御できる。
さらに、前述のようにフリップフロップ回路641のクリア端子にリセット信号が入力された場合には、フリップフロップ回路641は、出力端子Qの電圧レベルをローにするため、出力端子Q(負論理)の電圧レベルはハイになる。このため、フリップフロップ回路641にリセット信号が入力された場合には、RAMアクセス規制回路640では、RAM書込禁止状態が発生することになる。
次に、通信ポート670、680について説明する。
通信ポート670、680は、D型のフリップフロップ回路によって構成される。例えば、このフリップフロップ回路には、例えば、型番が74HC273のロジックICが用いられる。
このフリップフロップ回路は、D0〜D7端子(図ではD0_D7)、クロック端子(CK)、クリア端子(CLR(負論理))、及び出力端子Q0〜Q7(図ではQ0_Q7)を備える。
DO〜D7端子は、データバス690に接続され、演出制御装置75又は払出制御装置210に送信するデータをデータバス690から取得するための端子である。
クリア端子には、電源装置160からリセット信号線が接続され、リセット信号が入力されるとリセット端子の電圧レベルはローレベルとなる。このとき、通信ポート670、680は、出力端子Q0〜Q7の全てからローレベルの信号を出力させる。
この通信ポート670、680に備えた出力端子Q0〜Q7からの信号レベルは、CPUコア102によって、自在に設定できるようになっている。この設定は、CPUコア102が、通信ポート670又は通信ポート680に割り当てられたアドレスの記憶領域に所定のデータを書き込むことで実現される。
具体的には、CPUコア102によって通信ポート670(又は通信ポート680)に割り当てられたアドレスの記憶領域にデータを書き込む処理が行われると、CPUコア102からアドレスバス650へは、通信ポート670(又は通信ポート680)のアドレスが出力される。
次に、アドレスデコーダ611から、出力制御回路612を介して、通信ポート670(又は通信ポート680)のクロック端子にクロック信号が入力され、クロック端子の電圧レベルは立ち上がりハイレベルとなる。
通信ポート670、680は、クロック端子の電圧レベルの立ち上り、つまりクロック信号の入力開始時に、D0〜D7端子を介してデータバス690からデータを読み取り、読み取ったデータをQ0〜Q7端子から出力する。
また、通信ポート670、680は、クロック端子の電圧レベルの立ち下がり、つまりクロック信号の入力終了時に、Q0〜Q7端子の電圧レベルを保持する。
前述のように、出力制御回路612が払出制御装置210に接続される通信ポート680へクロック信号を入力すると、通信ポート680は、クロック信号が入力されたタイミングで、データバス690からデータを読み取り、読み取ったデータを払出制御装置210へ出力する。
また、前述のように、通信ポート670、680にリセット信号が入力されると、通信ポート670、680を初期化する。具体的には、リセット信号が入力されると、D0〜D7端子の電圧レベルに拘らず、Q0〜Q7端子の電圧レベルがローレベルとなり、通信ポート670、680が初期状態となる。
なお、前述したセキュリティ回路630、RAMアクセス規制回路640、及び通信ポート670、680の起動(リセット)は、電源装置160からのリセット信号を、前述のリセット割込制御回路610(図9)を介して受け入れた場合に実行される。
但し、電源装置160からのリセット信号は、必ずしもリセット割込制御回路610を介して各回路に入力される必要はなく、リセット割込制御回路610を経由しない別個の信号線を介して各回路に入力されるような構成でもよい。
また、払出制御装置210は、通信ポート670、680を備えてはいないが、通信ポート680からの出力信号を受け入れる図示しない受信用ポート(指令入力手段)を備えている点が、図10に示した遊技制御装置80と異なっている。その他の構成は、図10に示した遊技制御装置80と同じ構成である。
また、演出制御装置75は、通信ポート670、680を備えてはいないが、通信ポート670からの出力信号を受け入れる図示しない受信用ポート(指令入力手段)を備えている点が、図10に示した遊技制御装置80と異なっている。
さらに、遊技用演算処理装置600がRAMアクセス規制回路640を備えていない。その他の構成は、図10に示した遊技制御装置80と同じ構成である。
なお、払出制御装置210及び演出制御装置75に備えた受信用ポートは、型番が74HC244のロジックICを用いる。74HC244はスリーステートバッファであり、遊技制御装置80の通信ポート670、680からの信号を、スリーステートバッファのデータ入力側に接続し、スリーステートバッファのデータ出力側を、払出制御装置210(又は演出制御装置75)に形成したデータバス690に接続する構成となる。
図11は、本実施形態のユーザワークRAM104の説明図である。
ユーザワークRAM104は、第1停電復旧領域701、ワークエリア702、第2停電復旧領域703、チェックサム領域704、使用禁止領域705、及びスタック領域706を有する。
ユーザワークRAM104には、アドレス「2800H」〜「29FFH」が割り当てられており、第1停電復旧領域701にはアドレス「2800H」が割り当てられ、ワークエリア702にはアドレス「2801H」〜「2917H」が割り当てられ、第2停電復旧領域703にはアドレス「2918H」が割り当てられ、チェックサム領域704にはアドレス「2919H」が割り当てられ、使用禁止領域705にはアドレス「291AH」〜「297FH」が割り当てられ、スタック領域706にはアドレス「2980H」〜「29FFH」が割り当てられる。
ユーザワークRAM104の各領域について説明する。
第1停電復旧領域701及び第2停電復旧領域703は、パチンコ遊技機1へ電源が供給開始されたときに参照される情報が格納されており、直前の電源供給停止のとき(停電発生やパチンコ遊技機1の電源スイッチをオフにしたとき)に、電源遮断の処理が正しく実行されていたかたか否かを示す情報(電源遮断確認フラグ)が格納されている。
ワークエリア702には、遊技制御で必要な変数等が格納され、図14及び図15に示す遊技制御装置メイン処理並びに図16に示すタイマ割込処理等で、これらの変数が更新される。チェックサム領域704には、停電発生時に算出されたユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701、ワークエリア702、チェックサム領域704、第2停電復旧領域703のチェックサムが格納される。
使用禁止領域705は使用されない記憶領域であり、当該領域へのアクセスがあると、CPUコア102がリセットされるようになっている。
スタック領域706には、CPUコア102で演算されているデータの一部を一時的に退避させる場合に、退避データが格納される。また、割込みが発生した場合の戻りアドレスや、サブルーチンや関数を呼び出す場合の戻りアドレスも格納される。
図12は、本実施形態のスタック領域706の説明図である。
図12では、スタック領域706に戻りアドレスが格納される場合について、説明する。
まず、スタック領域706に何もデータが格納されていない状態では、スタックポインタ(SP)は、スタック領域の最終領域(29FFH)に隣接する領域(2A00H)をスタックポインタ初期値として示している。
なお、このスタックポインタ初期値が示す領域は、スタック領域には含まれない領域(本実施形態では、ユーザワークRAM104の記憶領域にも含まれていない領域)である。
次に、スタック領域706に退避データが格納されたり、割込み発生やサブルーチン呼び出しによって、スタック領域706に戻りアドレスが格納されたりすると、最後にデータ(又はアドレス)が格納された領域を、スタックポインタによって示すことになる。
そして、スタック領域706から退避データが復帰したり、戻りアドレスを取り出した際(割込み処理やサブルーチンの処理が終了して呼び出し元に戻る際)には、その時点でスタックポインタが示しているデータ(又はアドレス)が取り出され、次にデータが取り出される予定の格納領域が、スタックポインタによって示される。
このようにして、スタック領域706に格納された戻りアドレスは、後に格納された戻りアドレスから先に読み出される。
なお、図12では、スタックポインタが第3戻りアドレスを指しているときに、新たに、割込みやサブルーチン呼び出しが発生して、戻りアドレスを第4戻りアドレスとして格納した様子を示している。この後、第4戻りアドレスの格納領域(29F8H)が、スタックポインタによって示されることになる。
図13は、本実施形態の各装置(遊技制御装置80、払出制御装置210、及び演出制御装置75)の電源投入時処理のフローチャートである。
具体的には、図13(A)は、遊技制御装置80の電源投入時処理のフローチャートであり、図13(B)は、払出制御装置210の電源投入時処理のフローチャートであり、図13(C)は、演出制御装置75の電源投入時処理のフローチャートである。
遊技制御装置80の電源投入時処理(図13(A))から説明する。この電源投入時処理は、最初からCPU102によって実行される処理ではなく、まず遊技制御装置80に備わる各種ハードウェアによって実行され、後にCPU102によって実行される処理である。
まず、遊技制御装置80に電源装置160からリセット信号(所定の起動信号)が伝達される(901)。
このリセット信号は、電源装置160から、セキュリティ回路630(図10参照)、RAMアクセス規制回路640のフリップフロップ回路641のクリア端子(図10参照)、及び通信ポート670、680のクリア端子に入力される。
具体的には、これらのクリア端子には、電源が投入されると、所定時間所定の電圧(例えば、5V)以下の電圧が印加されることによって、リセット信号が入力され、所定時間経過後に所定の電圧が印加されることによって、リセット信号が入力されなくなる。
なお、セキュリティ回路630は、電源装置160からリセット信号が入力されると、後述のセキュリティチェック処理が終了するまでCPUコア102のリセット端子にリセット信号を出力し続けて、CPUコア102の起動を待機させる。
そして、通信ポート670、680のクリア端子にリセット信号が入力されたので、通信ポート670、680のD0〜D7端子及びQ0〜Q7端子の電圧レベルがローに制御され、各種装置(普電SOL95、大入賞口SOL96等)に接続される出力I/F106のポートをすべて0に設定することにより、通信ポート670、680、及び出力I/F106がハードウェア(初期化手段)により初期化される(902)。
次に、RAMアクセス規制回路640によって、ユーザワークRAM104への書き込み規制されるRAM書込禁止状態が発生する(903)。
具体的には、図10で説明したように、フリップフロップ回路641のクリア端子にはリセット信号が入力されるため、フリップフロップ回路641の出力端子Q(負論理)からハイレベルの信号が出力される状態となる。
これにより、ORゲート回路642の他方の入力端子にハイレベルの信号が入力されても、ローレベルの信号が入力されても、ユーザワークRAM104の書込指令入力端子にはハイレベルの信号が入力されることになるため、RAM書込禁止状態が発生する。
次に、リセット信号が入力された図10に示すセキュリティ回路630が自己診断処理を実行する(904)。自己診断処理は、セキュリティ回路630が初期化されているか否かを判定する処理である。
そして、自己診断処理によって、セキュリティ回路630が初期化されていると判定された判定された場合には、セキュリティ回路630は、セキュリティチェック処理を実行する(905)。
セキュリティチェック処理は、図10で説明したように、HWパラメータROM603(図9参照)に記憶された正当性確認情報を用いて、ユーザプログラムROM602(図9参照)に記憶されたプログラムの正当性の判定を行う処理である。
ステップ905の処理で、セキュリティチェック処理を実行すると、遊技制御装置80のメイン処理へ移行する。このとき、セキュリティ回路630は、CPUコア102のリセット端子に出力していたリセット信号を停止することで、CPUコア102が起動する。このため、遊技制御装置80のメイン処理は、CPUコア102によって実行される。遊技制御装置80のメイン処理は図14で説明する。
次に、払出制御装置210の電源投入時処理(図13(B))を説明する。前述したように、払出制御装置210は、通信ポート670、680の代わりに、図示しない受信用ポート(図7の入出力I/F216入力に含まれる)を備えている点以外は、図10に示した遊技制御装置80と同じ構成である。図10に示す遊技制御装置80の構成部と同じ構成部については、同じ符号を付与する。
まず、払出制御装置210に電源装置160からリセット信号が伝達される(911)。なお、ステップ911の処理の具体的な説明は、ステップ901の処理と同じである。
そして、払出制御装置210にリセット信号が入力されたので、払出制御装置210の出力ポート(図7の入出力I/F216に含まれる)の電圧レベルが0に設定され、各種装置(払出モータ220、及び発射制御装置221等)に接続される入出力I/F216のポートがすべて0に設定され、入出力I/F216がハードウェアにより初期化される(912)。
次に、払出制御装置210のRAMアクセス規制回路640によって、RAM214への書き込み規制されるRAM書込禁止状態が発生する(913)。なお、ステップ913の処理の具体的な説明は、ステップ903の処理と同じである。
次に、リセット信号が入力された払出制御装置210のセキュリティ回路630が自己診断処理を実行する(914)。なお、ステップ914の処理の具体的な説明は、ステップ904の処理と同じである。
そして、自己診断処理によって、セキュリティ回路630が初期化されていると判定された判定された場合には、セキュリティ回路630は、セキュリティチェック処理を実行する(915)。なお、ステップ915の処理の具体的な説明は、ステップ905の処理と同じである。
そして、払出制御装置210は、電源投入時の初期化処理を実行する(916)。電源投入時の初期化処理は、RAM214等を初期化する処理であって、CPU212によって実行される。また、RAM214を初期化する前に、ステップ913の処理で発生したRAM書込禁止状態が解除されて、RAM214はRAM書込可能状態となる。
次に、払出制御装置210は、前述の図示しない受信ポート(図10の遊技制御装置80の排出制御通信ポート670に接続されている)からのデータの取り込みを許可することによって、遊技制御装置80からの指令を受信可能な状態を発生させる(917)。
そして、払出制御装置210は、受信用ポートから遊技制御装置80から送信されたデータを取り込む(918)。
ステップ918の処理について、払出制御装置210の構成は遊技制御装置80の構成とほぼ同じであるため図10を用いて説明すると、払出制御装置210の出力選択回路612によって、この受信用ポート(遊技制御装置80の排出制御通信ポート670に接続されている)が選択されると、遊技制御装置80の排出制御通信ポート670から出力されているQ0〜Q7のデータを取り込み、取り込んだデータを払出制御装置210のデータバス690に出力する。
そして、払出制御装置210のCPU212は、受信用ポートによって取り込まれたデータが初期化指令であるか否かを判定する(919)。ここでは、まず、排出制御通信ポート670から出力されているQ7の信号(図21(A)で後述するSTBに相当)が立ち上がるタイミングを待つ。
そして、Q7の信号が立ち上がったタイミングにて、排出制御通信ポート670から出力されているQ0〜Q6の信号(図21(A)で後述するDATAに相当)が、予め規定されている初期化指令(図22で詳細を後述)であるか否かにより判定する。
ステップ919の処理で、通信ポートによって取り込まれたデータが初期化指令でないと判定された場合、ステップ918の処理で戻り、初期化指令が取り込まれるまで、ステップ918の処理を実行する。
一方、ステップ918の処理で、受信用ポートによって取り込まれたデータが初期化指令であると判定された場合は、払出制御装置210の初期化に必要な全ての初期化指令を受信するまでステップ918〜919の処理を繰り返した後に、通信開始時の初期化処理を実行して(920)、払出制御装置メイン処理へ移行する。
次に、演出制御装置75の電源投入時処理(図13(C))を説明する。
前述したように、演出制御装置75は、通信ポート670、680の代わりに、図示しない受信用ポートを備えている点、及び、遊技用演算処理装置600がRAMアクセス規制回路640を備えない点以外は、図10に示した遊技制御装置80と同じ構成である。図10に示す遊技制御装置80の構成部と同じ構成部については、同じ符号を付与する。
まず、演出制御装置75に電源装置160からリセット信号が伝達される(921)。なお、ステップ921の処理の具体的な説明は、ステップ901の処理と同じである。
そして、演出制御装置75にリセット信号が入力されたので、演出制御装置75の受信用ポートがハードウェアにより初期化される(922)。
そして、演出制御装置75は、電源投入時の初期化処理を実行する(923)。電源投入時の初期化処理は、RAM154等を初期化する処理であって、CPU152によって実行される。このとき、CPU152は、位置検出センサ(図示せず)からの信号入力を監視しながら、駆動源146を制御することで、可動物を初期位置に戻す制御を開始する。
次に、演出制御装置75は、受信用ポートに対してデータの取り込みを許可することによって、遊技制御装置80からの指令を受信可能な状態を発生させる(924)。
そして、演出制御装置75は、受信用ポートから遊技制御装置80から送信されたデータを取り込む(925)。
ステップ925の処理について、演出制御装置75の構成は遊技制御装置80の構成とほぼ同じであるため図10を用いて説明すると、演出制御装置75の出力選択回路612によって、この受用信ポート(遊技制御装置80の演出制御通信ポート680に接続されている)が選択されると、遊技制御装置80の演出制御通信ポート680から出力されているQ0〜Q7のデータを取り込み、取り込んだデータを演出制御装置75のデータバス690に出力する。
そして、演出制御装置75のCPU152は、受信用ポートによって取り込まれたデータが初期化指令であるか否かを判定する(926)。ここでは、まず、演出制御通信ポート680から出力されているQ7の信号(図21(A)で後述するSTBに相当)が立ち上がるタイミングを待つ。
そして、Q7の信号が立ち上がったタイミングにて、演出制御通信ポート680から出力されているQ0〜Q6の信号(図21(A)で後述するDATAに相当)が、予め規定されている初期化指令(図23で詳細を後述)であるか否かにより判定する。
ステップ926の処理で、受信用ポートによって取り込まれたデータが初期化指令でないと判定された場合、ステップ925の処理で戻り、初期化指令が取り込まれるまで、ステップ925の処理を実行する。
但し、受信用ポートによって取り込まれたデータのパターン(Q0〜Q7のパターン)が、図27で後述する仕様特定信号となっている場合には、図27のステップ2212の仕様の確定の処理へ移行するが、これについては後述する。
一方、ステップ926の処理で、受信用ポートによって取り込まれたデータが初期化指令であると判定された場合は、演出制御装置75の初期化に必要な全ての初期化指令を受信するまでステップ925〜926の処理を繰り返した後に、通信開始時の初期化処理を実行する(927)。
ここでは、初期化指令のうち、パチンコ遊技機1の仕様を特定する情報(初期化時仕様特定情報)が含まれている指令に基づいて、演出制御装置75は、当該パチンコ遊技機1の仕様を判別する。そして、演出制御装置75のCPU152は、RAM154にパチンコ遊技機1の仕様を判別した結果の情報(遊技仕様情報)を記憶する。さらに、初期化指令に含まれる確率状態の情報に対応させて、前述の可動物60〜62の位置を変更する処理を行う。
なお、ステップ927の通信開始時の初期化処理を開始する時点において、即ち初期化指令を受信できた時点において、前述のステップ923で開始した可動物を初期位置に戻す処理が完了していないときは、位置検出センサからの信号入力により、当該可動物が初期位置に戻ったことが確認されてから、この通信開始時の初期化処理を実行する。
ステップ927の処理を終えると、演出制御装置メイン処理(図27に後述)へ移行する。
次に、遊技制御装置80のCPU102によって実行される遊技制御装置メイン処理を、図14及び図15を用いて説明する。
図14は、本実施形態の遊技制御装置メイン処理の前半部のフローチャートであり、図15は、本実施形態の遊技制御装置メイン処理の後半部のフローチャートである。
まず、遊技制御装置80は、CPU102への割込みを禁止する(1001)。
そして、遊技制御装置80は、図12に示すスタック領域706の予め設定された所定のアドレス(図12で前述したスタックポインタ初期値)にスタックポインタを設定し(1002)、割込モードを設定する(1003)。
割込モードは、CPU102が内蔵デバイスからの割込要求の処理を可能とし、また、プログラムにおいて割込要求の処理を実行する位置を設定することを可能とするものである。
次に、遊技制御装置80は、入力I/F105からRAMクリアSW信号の状態を取り込み、取り込んだRAMクリアSW信号の状態をCPU102のレジスタに記憶する(1004)。
そして、遊技制御装置80は、タイマ計時手段として機能して、RAM104を使用しないディレイ処理を実行する(1005)。このディレイ処理は、所定時間処理を待機させる処理であり、具体的には、チェックサムが算出されない記憶領域にて、所定の数が0になるまでデクリメントし続ける処理である。なお、ディレイ処理については、図16及び図17で詳細を説明する。
次に、遊技制御装置80は、再度、入力I/F105からRAMクリアSW信号の状態を取り込み、取り込んだRAMクリアSW信号の状態をCPU102のレジスタに記憶する(1006)。
なお、CPU102が二つのRAMクリア信号の状態を比較できるように、ステップ1004の処理でRAMクリアSW信号の状態を記憶するレジスタの領域、及び、ステップ1006の処理でRAMクリアSW信号の状態を記憶するレジスタの領域は、異なる領域である。
次に、遊技制御装置80は、ステップ903の処理で発生したRAM書込禁止状態をRAM書込可能状態にする(1007)。
具体的には、CPU102の指令によって、フリップフロップ回路641のクロック端子にクロック信号を出力制御回路612から入力させ、かつ、フリップフロップ回路641のデータ端子に接続された信号線の信号レベルをハイレベルにする。
これにより、フリップフロップ回路641の出力端子Q(正論理)からハイレベルの信号が出力され、出力端子Q(負論理)からローレベルの信号が出力されるため、ORゲート回路652の入力端子にローレベルの信号が入力されることにより、RAM書込可能状態になる。
次に、遊技制御装置80は、判定対象外記憶領域の一種であるスタック領域706(第2の記憶領域)を使用して、各種設定処理を実行する(1008)。この設定処理は、例えば、サブルーチンや関数を呼び出して、判定対象外記憶領域の一種であり遊技制御に必要な各種記憶領域(第3の記憶領域)に初期データを設定する処理である。
これらのサブルーチンや関数は、遊技制御プログラムに記述した複数の箇所から呼び出される形態となっており、遊技制御プログラムの容量削減に貢献している。一方で、サブルーチンや関数を呼び出す際には、前述したように、戻りアドレスをスタック領域706に待避する処理を必要とする。
そして、遊技制御装置80は、ステップ1004の処理でレジスタに記憶されたRAMクリアSW信号の状態とステップ1008の処理でレジスタに記憶されたRAMクリアSW信号の状態とを比較して、どちらのRAMクリアSW信号の状態も、RAMクリアSW162が操作されたことを示しているか否かを判定する(1009)。
ステップ1009の処理では、異なるタイミングで取得したRAMクリア信号の状態に基づいてRAMクリアSW162が操作されたか否かを判定しているので、ノイズ等による誤判定を防止できる。
ステップ1009の処理で、RAMクリアSW162が操作されたと判定された場合、遊技制御装置80は、ユーザワークRAM104のすべての記憶領域を初期化する(1010)。
そして、遊技制御装置80は、初期化指令信号を払出制御装置210及び演出制御装置75へ送信する(1011)。ここでは、払出制御装置210を初期化させるために必要な初期化指令信号(図22で後述)を全て送信する。また、演出制御装置75を初期化させるために必要な初期化指令信号(図23で後述)を全て送信する。
この初期化指令信号を送信する際には、当該パチンコ遊技機1の仕様を特定する情報(初期化時仕様特定情報)を含んで送信する。当該パチンコ遊技機1の仕様は、遊技制御装置80のROM103に予め記憶されている。
そして、ステップ1011の処理を終えると、図15に示すステップ1017の処理に進む。
一方、ステップ1009の処理で、RAMクリアSW162が操作されていないと判定された場合、遊技制御装置80は、ユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701及び第2停電復旧領域703に、電源遮断確認フラグが格納されているか(正確には、電源遮断確認フラグがオンとなっているか)を確認する(1012)。
そして、遊技制御装置80は、直前の電源供給停止のときに、電源遮断の処理が正しく実行されていたか否かを判定する(1013)。
具体的には、遊技制御装置80は、第1停電復旧領域701及び第2停電復旧領域703の両方に電源遮断確認フラグが格納されている場合には、電源遮断の処理が正しく実行されているものであると判定し、一方、第1停電復旧領域701及び第2停電復旧領域703の少なくとも一方に電源遮断確認フラグが格納されていない場合(少なくとも一方の電源遮断確認フラグがオフの場合)には、電源遮断の処理が正しく実行されていないと判定する。
ステップ1013の処理で電源遮断の処理が正しく実行されていたと判定された場合には、遊技制御装置80は、正当性判定手段として機能し、ユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701、ワークエリア702、チェックサム領域704、及び第2停電復旧領域703を用いてチェックサムを算出して、算出したチェックサムがチェックサム領域704に格納されているチェックサムと一致するか否かを照合する(1014)。
なお、チェックサム領域704に格納されているチェックサムは、停電検出時のユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701、ワークエリア702、チェックサム領域704、及び第2停電復旧領域703を用いてチェックサムを算出して、格納されたものである。
つまり、ステップ1014の処理は、停電検出時のユーザワークRAM104に格納された情報と電源投入時のユーザワークRAM104に格納された情報とが一致するか否かを照合する処理である。
そして、ステップ1014の処理の照合結果が、算出したチェックサムとチェックサム領域704に格納されたチェックサムとが一致するものであるか否かを判定する(1015)。
ステップ1014の処理で算出したチェックサムとチェックサム領域704に格納されたチェックサムとが一致しないとステップ1015の処理で判定された場合、つまり、停電検出時のユーザワークRAM104に格納された情報と電源投入時のユーザワークRAM104に格納された情報とが一致しない場合には、遊技制御装置80は、ステップ1010の処理に進み、ユーザワークRAM104のすべての領域を初期化し、ステップ1011の処理にて初期化指令を払出制御装置210及び演出制御装置75に送信する。
一方、ステップ1014の処理で、ステップ1014の処理で算出したチェックサムとチェックサム領域704に格納されたチェックサムとが一致するとステップ1015の処理で判定された場合、つまり、停電検出時のユーザワークRAM104に格納された情報と電源投入時のユーザワークRAM104に格納された情報とが一致する場合には、遊技制御装置80は、遊技制御装置80の起動に必要な領域(ユーザワークRAM104の一部の領域)を初期化する(1016)。
このとき、ユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701及び第2停電復旧領域703の各々にて、電源遮断確認フラグが消去(正確には、各領域にて電源遮断確認フラグがオフ)される。
そして、遊技制御装置80は、初期化指令を払出制御装置210及び演出制御装置75に送信する(1011)。
これらの処理が完了すると、遊技制御装置80に関する初期化処理が完了となる。次いで、図15に示すステップ1017の処理に進む。
次に、ステップ1011の処理で初期化指令が払出制御装置210及び演出制御装置75に送信された後、遊技制御装置80は、各種時間を計測やタイマ割込みを行うためのCTC(Counter Timer Circuit)を起動し(1017)、遊技制御に関する乱数を生成する乱数回路を初期化する(1018)。そして、遊技制御装置80は、ステップ1001の処理で禁止されたCPU102への割込みを許可する(1019)。
次に、遊技制御装置80は、初期値乱数を更新する初期値乱数更新処理を実行する(1020)。初期値乱数とは、遊技制御に関する乱数のカウンタ(例えば、第1始動入賞口36または第2始動入賞口37へ入賞したタイミングで取得される乱数のカウンタ)が上限値に達した場合に初期値に戻るが、その初期値を決定するための乱数である。
そして、遊技制御装置80は、停電検出信号が入力されたか否かを確認し(1021)、ステップ1021の処理での確認結果が、停電検出信号が入力されたことを示すか否かを判定する(1022)。
ステップ1022の処理で、停電検出信号が入力されていないと判定された場合、停電は発生していないので、ステップ1020の処理に戻る。
一方、ステップ1022の処理で、停電検出信号が入力されたと判定された場合、遊技制御装置80は、CPU102への割込みを禁止し(1023)、出力I/F106に備わる出力ポートの電圧レベルをローレベルに設定する(1024)。
次に、遊技制御装置80は、ユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701及び第2停電復旧領域703に、電源遮断確認フラグを格納(正確には、各領域にて電源遮断確認フラグをオン)し(1025)、ユーザワークRAM104の第1停電復旧領域701、ワークエリア702、チェックサム領域704、及び第2停電復旧領域703を用いてチェックサムを算出して、算出したチェックサムをチェックサム領域704に格納する(1026)。
次に、遊技制御装置80は、RAMアクセス規制回路640によってユーザワークRAM104をRAM書込禁止状態にする(1027)。
具体的には、CPU102の指令によって、フリップフロップ回路641のクロック端子にクロック信号を出力制御回路612から入力させ、かつ、フリップフロップ回路641のデータ端子に接続された信号線の信号レベルをローレベルにする。
これにより、フリップフロップ回路641の出力端子Q(正論理)からローレベルの信号が出力され、出力端子Q(負論理)からハイレベルの信号が出力されるため、ORゲート回路652の入力端子にハイレベルの信号が入力されることにより、RAM書込禁止状態になる。
そして、遊技制御装置80は、パチンコ遊技機1の電源が切れるまで待機する(1028)。なお、遊技制御装置80には、バックアップ電源が接続されているので、停電が発生しても、すぐに電源が切れることはない。
なお、本実施形態では、ステップ1014の処理で電源断時のユーザワークRAM104と電源投入時のユーザワークRAM104との正当性を判定する前のステップ1007の処理でRAM書込可能状態にしたが、RAM書込可能状態にするタイミングは、遅くともステップ1014の処理の正当性に応じて行われるステップ1010又は1016の処理におけるユーザワークRAM104の初期化処理の実行直前であればよい。
このように、パチンコ遊技機1にて電源供給が遮断した場合には、必要な電源遮断処理を実行した後は、ユーザワークRAM104をRAM書込禁止状態に設定し、パチンコ遊技機1にて再度電源供給が復帰したときでも、すぐにユーザワークRAM104をRAM書込可能状態としないで、ハードウェアに関する初期化処理を一定時間実行し、ステップ1014の処理の正当性に応じて行われるステップ1010又は1016の処理におけるユーザワークRAM104の初期化処理の実行直前になって、ようやくRAM書込可能状態にすることによって、ユーザワークRAM104の初期化まで不用意なユーザワークRAM104の書き込みを防止できる。
そのため、ステップ1014の処理における正当性判定が行われる直前には、RAM書込禁止状態になっているので、電源投入後にユーザワークRAM104に誤った書き込みがなされ、ステップ1014の処理で誤った判定がされることを防止できる。
なお、本実施形態では、ステップ1008の処理でスタック領域706を用いた各種設定処理を実行するために、ステップ1014の処理における正当性判定処理の前のステップ1007の処理でRAM書込可能状態にしている。
これによって、正当性判定を行う前に正当性判定の対象とはならないスタック領域706を用いた各種設定処理を行うことができるようになるため、遊技制御装置80の各種設定を早い段階で行うことができるので遊技制御装置80の起動を高速化でき、また、スタック領域706を用いるので処理プログラムが共通化でき、プログラム容量を削減できる。
なお、図14では、ステップ1010又は1016の処理でユーザワークRAM104を初期化した後、ステップ1015の処理で初期化指令信号を送信しているが、ステップ1014における正当性判定の実行前のステップ1008の処理の実行後に初期化指令信号を送信してもよい。
この場合には、ステップ1014の処理における正当性判定の実行前であるので、正当性判定に寄与しないスタック領域706又はCPU102に備わるレジスタを用いて、初期化指令信号を送信する。
ステップ1010又は1016の処理では、RAM104の一部領域を初期化する処理であるステップ1016の処理が、RAM104の全領域を初期化する処理であるステップ1010の処理よりも実行時間が長いため、ステップ1010の処理を実行するかステップ1016の処理を実行するかによって、初期化指令信号が送信される時間が異なってしまう。
ステップ1014の処理における正当性判定の実行前に初期化指令信号を送信することによって、ステップ1011の処理で初期化指令信号を送信するよりも早く初期化指令信号を送信できる。また、電源投入から一定時間で初期化指令信号を送信することができる。
図16は、本実施形態のディレイ処理の説明図である。
このディレイ処理は、図14のステップ1005で実行されるが、当該ディレイ処理を実行している時点では、ユーザワークRAM104の値が更新できないようにRAM書込禁止状態となっている。これは、直前の停電発生時に格納されたチェックサムと、電源投入直後となる現時点でのチェックサムとの照合を行うためである。
このため、図14に示すステップ1005の処理のディレイ処理では、正当性の判定が行われる記憶領域が含まれたユーザワークRAM104を用いず、他の記憶領域(正当性判定の対象とならない判定対象外記憶領域)を用いてディレイ処理を実行しなければならない。したがって、本実施形態のディレイ処理は、CPUコア102に備わるレジスタ(汎用レジスタ)を用いて実行される。
以下に、判定対象外記憶領域の一種であるレジスタ(第1の記憶領域)を用いたディレイ処理を説明する。なお、CPUコア102として、Z80系のCPUを用いるものとするので、Z80系のCPUで使用されるレジスタ及びアセンブリ言語を用いて説明を行う
まず、行1201は、当該ディレイ処理の最初の処理に相当し、CPUコア102のレジスタ(図10参照)のHレジスタ及びLレジスタを1つのペアとして構成したHLレジスタに、「0400H」をロードする。具体的には、Hレジスタに「04H」がロードされ、Lレジスタには「00H」がロードされる。
次に、行1203に進み、行1203では、HLレジスタの値をデクリメントする。1回目に行1203が実行された場合には、HLレジスタの値は「03FFH」となる。
そして、行1204に進み、行1204では、Hレジスタに格納された値をAレジスタにロードする。
そして、行1205に進み、AレジスタとLレジスタとの論理和が算出される。行1206では、行1205で算出された論理和がゼロでなければ、行1202に戻る。従って、Hレジスタ及びLレジスタの両方が「00H」となるまで、行1203〜1206の処理を繰り返すことになる。
つまり、図16では、維持タイマとして使用されるHレジスタ及びLレジスタに格納された「0400H」が「0000H」になるまでデクリメントされるもので、合計1024回デクリメントが行われる。この間、図14に示す遊技制御装置メイン処理は、ステップ1005の処理で待機するため、遊技制御装置80の起動が遅延することとなる。
また、このディレイ処理中は、ユーザワークRAM104へのアクセスが全く行われない。即ち、正当性の判定が行われる記憶領域が含まれたユーザワークRAM104の値を書き換えることなく、ディレイ処理を実行することができる。
図17は、本実施形態の変形例のディレイ処理の説明図である。
前述の図16のディレイ処理は、ユーザワークRAM104の記憶領域を全く使用しないで処理を行うものであったが、この変形例では、ユーザワークRAM104の記憶領域のうち、正当性判定の対象となっている第1停電復旧領域701、ワークエリア702、チェックサム領域704、第2停電復旧領域703の各記憶領域にはアクセスしないが、正当性判定の対象外のスタック領域706を使用して、処理を行うようにしている。
そのため、図14のステップ1005にて、図17の手順でディレイ処理を実行する場合には、ステップ1005の実行前に、ユーザワークRAM104をRAM書込可能状態に設定しておく必要がある。例えば、図14のステップ1007のRAM書込可能状態への変更の処理を、ステップ1005の処理の直前で実行する。
以下にスタック領域706を用いたディレイ処理を説明する。
まず、行1301は、当該ディレイ処理の最初の処理に相当し、CPUコア102のレジスタのAレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ)に格納されている情報を、AFレジスタペアとして、スタック領域706に退避させる。
行1302では、CPUコア102のレジスタのHレジスタ及びLレジスタに格納されている情報を、1つのペアとして構成したHLレジスタと見なして、スタック領域706に退避させる。
行1303では、このHLレジスタに、「0400H」をロードする。具体的には、Hレジスタに「04H」がロードされ、Lレジスタには「00H」がロードされる。
次に、行1305に進み、行1305では、HLレジスタの値をデクリメントする。1回目に行1305が実行された場合には、HLレジスタの値は「03FFH」となる。
そして、行1306に進み、行1306では、Hレジスタに格納された値をAレジスタにロードする。
そして、行1307に進み、AレジスタとLレジスタとの論理和が算出される。行1308では、行1307で算出された論理和がゼロでなければ、行1304に戻る。従って、Hレジスタ及びLレジスタの両方が「00H」となるまで、行1305〜1308の処理を繰り返すことになる。
また、行1308では、行1307で算出された論理和がゼロである場合には、行1309に進み、スタック領域706に退避させたHレジスタに格納された情報をCPUコア102のHレジスタに戻し、スタック領域706に退避させたLレジスタに格納された情報をCPUコア102のLレジスタに戻す。
そして、行1310に進み、スタック領域706に退避させたAレジスタに格納された情報をCPUコア102のAレジスタに戻し、スタック領域706に退避させたFレジスタに格納された情報をCPUコア102のFレジスタに戻す。
このように、図17のディレイ処理では、ディレイ処理で使用されるCPUコア102のAレジスタ、Fレジスタ、Hレジスタ、及びLレジスタに格納されていた情報を、ディレイ処理が行われる前にスタック領域706に退避させるので、Aレジスタ、Fレジスタ、Hレジスタ、及びLレジスタに格納されていた情報がディレイ処理により消失してしまうことを防止できる。
図16及び図17で説明したように、本実施形態では、ディレイ処理をハードウェアを用いずに、正当性判定に寄与しない、つまりチェックサムを算出しない領域を用いてソフトウェアにより実現(維持タイマを計時)しているので、図14に示すステップ1014の正当性判定を正確に行うことができるとともに、ハードウェアでディレイ処理を実現するよりも安価に実現することができる。
図16及び図17の各手法を比較すると、CPUコア102で使用できるレジスタの数が少ない場合には、図17の手法の方が効果的である。但し、正当性判定の対象となっている第1停電復旧領域701、ワークエリア702、チェックサム領域704、第2停電復旧領域703の各記憶領域を、ノイズ等によって書き換えてしまうことを極力防止したいのであれば、ディレイ処理中を通してユーザワークRAM104をRAM書込禁止状態としている図16の手法の方が、優れているともいえる。
図18は、本実施形態のタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、遊技制御装置80のCPUコア102によって実行される。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、遊技制御装置メイン処理(図14及び図15参照)が実行される。そして、ステップ1017の処理で起動させたCTCによって、所定時間周期(例えば、4ミリ秒周期)でタイマ割込みが発生すると、遊技制御装置80のCPU102によって、タイマ割込処理が繰り返し実行される。
ただし、これらの処理(1412〜1422の処理)は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれなくてもよい。例えば、入出力処理(S1412)においては、毎回入力信号を監視するが、出力処理は割り込みの発生の1回おきに実行されてもよい。つまり、1回の割り込み処理で一通りの処理をすべて完了するのではなく、この割込処理が複数回繰り返し実行されて一連の遊技制御処理が完了してもよい。
本実施形態のタイマ割込処理においては、まず、レジスタのデータを退避する(1411)。
次に、入出力処理を実行する(1412)。入出力処理は、入力処理と出力処理とを含む。入力処理は、入力I/F105を介して各種センサ(特図始動SW38A、普図始動SW41A、カウントSW38A、入賞口SW39A、オーバーフローSW109、球切れSW110、枠開放SW111など)から入力される信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する処理である。
出力処理は、出力I/F106を介して、特図ゲーム処理(1419)及び普図ゲーム処理(1420)にて設定されたパラメータに基づいて、特図表示器47、普図表示器46、普電SOL95、大入賞口SOL96を制御するための信号を出力する。
なお、前述したように、入力処理と出力処理とは1回のタイマ割り込みで同時に実行されなくてもよい。
次に、各種処理で送信バッファ(格納手段)にセットされた制御指令データ(コマンド)を演出制御装置75及び払出制御装置210等に出力するコマンド送信処理を行う(1413)。具体的には、演出制御装置75に特図変動表示ゲームに係わる演出指令信号(演出コマンド)を出力したり、払出制御装置124に払出指令信号(払出コマンド)を出力したりする。
なお、払出コマンドについては図21で詳細を説明し、演出コマンドについては図22で詳細を説明する。
その後、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理1を行う(1414)。なお、この乱数更新処理1では、特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する当たり図柄乱数カウンタの値、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための普図当たり乱数にも1ずつ加算する。
次に、乱数の初期値を更新し、乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(1415)。1415の初期値乱数更新処理は、図15に示す初期値乱数更新処理(1020)と同じなので、説明を省略する。
そして、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示パターンを決定する乱数を更新するための変動表示パターン乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理2を行う(1416)。
次に、各入賞口に遊技球が入賞していないかを監視するために、入賞口監視処理を行う(1417)。具体的には、特図始動SW38A、普図始動SW41A、カウントSW38A、入賞口SW39Aから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する。
このとき、特図始動SW38Aによる遊技球の検出があれば、特図乱数カウンタ値(特図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が特図始動入賞記憶領域に記憶され、普図始動SW41Aによる遊技球の検出があれば、普図乱数カウンタ値(普図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が普図始動入賞記憶領域に記憶される。
その後、排出球の球詰まりや、各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う(1418)。
その後、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(1419)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(1420)を行う。
特図ゲーム処理(1419)は、特図始動SW38Aで検出された第1始動入賞口36または第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づいて抽出され、特別図柄始動入賞記憶に記憶された特別図柄乱数カウンタ値(1417の処理で抽出・記憶された特図変動表示ゲームの結果に関する乱数)が当たりか否か判定し、特図表示器47で特図変動表示ゲームを実行する。
なお、特図始動入賞記憶には、直ちに前記変動表示ゲームを実行することができない状態で第1始動入賞口36または第2始動入賞口37へ遊技球が入賞した場合に、抽出された乱数が始動入賞記憶として記憶される。
また、特図表示器47の表示に対応する識別情報の変動表示のための処理を行う。抽出された乱数が所定の値であれば、特別図柄に関する当たり状態となり、識別情報の変動表示が当たり図柄で停止する。また、当たり状態になると、大入賞口38に遊技球を受け入れやすい開状態になる。
普図ゲーム処理(1420)は、普図始動SW41Aで検出された普図始動ゲート41への遊技球の通過に基づいて抽出され、普通図柄始動入賞記憶に記憶された普通図柄乱数カウンタ値(1417の処理で抽出・記憶された普図変動表示ゲームの結果に関する乱数)が当たりか否かを判定し、普図表示器46で普図変動表示ゲームを実行する。普図乱数カウンタ値が所定の値であれば、普図に関する当たり状態となり、普通図柄の変動表示が当たり状態で停止するためのパラメータを設定する。
次に、遊技制御装置80は、パチンコ遊技機1に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(特図表示器47及び普図表示器46)に出力する信号を編集する処理を行う(1421)。具体的には、特図変動表示ゲームが開始されると、今回開始した特図変動表示ゲームの実行回数を減じた特別図柄入賞記憶数を特図表示器47の特図記憶表示部に表示するためのパラメータを編集する。
同様に、普通図柄の変動表示ゲームが開始されると、今回開始した普図変動表示ゲームの実行回数を減じた普通図柄入賞記憶数を普図表示器46の普図記憶表示器に表示するためのパラメータを編集する。
その後、検査装置接続端子107を介して接続される管理用コンピュータにパチンコ遊技機1の状態を出力するための外部情報を編集する外部情報編集処理を行う(1422)。外部情報には、図柄が確定したか、当たりであるか、確率変動中であるか、変動時間短縮中であるか、変動表示ゲームのスタート等、変動表示ゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。また、エラーが発生したことを示すエラー信号も含まれる。
次に、タイマ割り込み処理の終了を宣言する(1423)。
その後、一時退避していたレジスタを復帰する復帰処理(1424)及び禁止設定されていた割り込みの許可設定をする処理を行う(1425)。そして、タイマ割り込み処理を終了し、遊技制御装置メイン処理(図14及び図15)に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで初期値乱数更新処理等(図15のステップ1020〜1022の処理)を繰り返す。
図19は、本実施形態の電源投入時の遊技制御装置80、払出制御装置210、及び演出制御装置75が行う処理、並びに、遊技制御装置80に備わる通信ポート670、680の状態のタイミングチャートである。
リセット信号が、払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670に伝達されると、図13に示すステップ902の処理により、払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670の各々に備えられたQ0〜Q7端子の電圧レベルをすべてローレベルに設定することで、払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670を不定状態(1501)から初期状態(1502)にする。
この払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670の初期状態は、遊技制御装置80が図14に示すステップ1011の処理で初期化指令を送信するために、初期化指令が払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670に設定されるまで(1503)継続する。
一方、遊技制御装置80のセキュリティ回路630にリセット信号が伝達されると、図13に示すステップ904の処理で自己診断処理を実行し、ステップ905の処理でセキュリティチェック処理を実行する(1504)。セキュリティチェック処理の実行後にCPU102が起動し、CPU102によって遊技制御装置メイン処理(図14及び図15)が実行される。
CPU102は、ディレイ処理の実行(1506)前に1回目のRAMクリア信号の取り込み(1505)と、ディレイ処理の実行後に2回目のRAMクリア信号の取り込み(1507)と、を行う。言い換えると、1回目のRAMクリア信号取り込み(1505)と2回目のRAMクリア信号取り込み(1507)とは、ディレイ処理(1506)を挟んで実行される。
このように、1505及び1507の各時点で実行されるRAMクリア信号取り込みの間に、ディレイ処理を実行するので、ディレイ処理の間に、1回目のRAMクリア信号取り込みで取り込んだチャタリング除去等を行うことができる。
ディレイ処理(1506)で処理を待機させた後に、図14に示すステップ1016及び1010の処理でRAM104の初期化処理を行い(1508)、ステップ1011の処理で初期化指令を送信してから、通常の遊技制御を行う(1509)。
なお、通常の遊技制御を実行すると、遊技状態に応じて、払出制御指令を払出制御装置210に送信するために、払出制御指令が払出制御通信ポート680に設定される(1510)。また、通常の遊技制御の実行中には、遊技状態に応じて、演出制御指令を演出制御装置75に送信するために、演出制御指令が演出制御通信ポート670に設定される(1511)。
なお、通常の遊技制御が実行されている間は、演出制御指令が出力されていない期間を用いて、当該パチンコ遊技機1の仕様を特定する仕様特定信号のビットパターン(図25の定常出力ビットパターン2003)が演出制御通信ポート670に設定される。
一方で、払出制御装置210のセキュリティ回路にリセット信号が伝達されると、払出制御装置210のセキュリティ回路は、図13に示すステップ914の処理で自己診断処理を実行し、ステップ915の処理でセキュリティチェック処理を実行する(1512)。
セキュリティチェック処理の実行後にCPU212が起動し、CPU212によって、図13のステップ916の処理で電源投入時の初期化処理を実行する(1513)。払出制御装置210の初期化処理が実行されると、払出制御装置210の受信用ポートの状態を、遊技制御装置80からの指令を受信可能な状態にする(1514)。
また、演出制御装置75にリセット信号が伝達されると、演出制御装置75は、図13のステップ923の処理で電源投入時の初期化処理を実行する(1515)。演出制御装置75の初期化処理が実行されると、演出制御装置75の受信用ポートの状態を、遊技制御装置80からの指令を受信可能な状態にする(1516)。
遊技制御装置80は、ディレイ処理を実行することで、RAM104の初期化処理の実行開始のタイミングを遅延させている。言い換えると、ディレイ処理によって、演出制御装置75や払出制御装置210へ初期化指令を送信するタイミングを遅延させている。
このため、ディレイ処理によって、払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670が初期状態を維持する時間を十分に確保し、その間に、払出制御装置210及び演出制御装置75は、初期化処理を実行し、自身の受信用ポートを遊技制御装置80からの指令を受信可能な状態にすることができる。
したがって、ディレイ処理を設けることで、図19のように、リセット信号が、遊技制御装置80、払出制御装置210及び演出制御装置75に同時に伝達される構成の遊技機であっても、ハードウェア等で構成した遅延回路を設けることなく、各制御装置が起動を開始するタイミングを適切に設定することができる。
よって、図19のように、まず、払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670が初期状態に維持され、その状態で、払出制御装置210及び演出制御装置75の受信用ポートが指令受信可能状態になり、次いで、払出制御装置210及び演出制御装置75に初期化指令を送信させることを確実に実行できるようになる。
もし仮に、パチンコ遊技機1への電源投入直後において、遊技制御装置80の払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670が初期状態に維持される以前に、払出制御装置210若しくは演出制御装置75の受信用ポートが指令受信可能状態になると、払出制御通信ポート680及び演出制御通信ポート670から出力される信号レベルが不安定であるから、払出制御装置210若しくは演出制御装置75にてこの不安定な信号レベルの情報を、正規な信号であると誤って受信する恐れがあり、誤作動を引き起こす可能性がある。
また、払出制御装置210若しくは演出制御装置75の受信用ポートが指令受信可能状態になる前に、遊技制御装置80から、払出制御装置210若しくは演出制御装置75へ初期化指令を送信してしまうと、払出制御装置210や演出制御装置75で初期化指令を受信できなくなり、誤作動を引き起こす可能性がある。
特に、本実施形態のパチンコ遊技機1のように、遊技制御装置80から払出制御装置210へ単方向で指令を送信する構成や、遊技制御装置80から演出制御装置75へ単方向で指令を送信する構成の場合には、指令された情報が正しく送信されているかを確認する術がないことから、このような構成がとても効果的である。
また、図14及び図19では、RAMクリア信号の取り込みが2回である例を示したが、複数回であればよい。この複数回の間にディレイ処理を実行することによって、ディレイ処理実行直前のRAMクリア信号取り込みのチャタリング除去等にかかる時間をディレイ処理による遅延時間と重複させることができるので、処理が効率化する。
図20は、遊技制御装置80から、演出制御装置75及び払出制御装置210へ、指令を送信する場合の手順を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態では、遊技制御装置80から演出制御装置75及び払出制御装置210へ、初期化指令信号を送信する場合と、遊技制御装置80から演出制御装置75及び払出制御装置210へ、通常の指令(演出指令信号、払出指令信号)を送信する場合とを比較して説明を行う。
図20の(a)は、初期化指令信号を送信する場合のフローチャートであり、図14のステップ1011の初期化指令通信処理に相当する。図20の(b)は、通常の指令(演出指令信号、払出指令信号)を送信する場合のフローチャートであり、図18のステップ1413のコマンド送信処理に相当する。
まず、図20の(a)では、演出制御装置75へ最初に送信される初期化指令信号を選択し(1601A)、選択した初期化指令信号のモード(MODE)部に対応するデータを、演出制御通信ポート670に出力し、一定時間その出力状態を維持する(1602A)。モード部については後述する。
次に、演出制御通信ポート670のストローブ(STB)信号に相当するビットをオンに設定し、一定時間その出力状態を維持し(1603A)、その後、ストローブ信号に相当する当該ビットをオフに設定して、一定時間その出力状態を維持する(1604A)。
次に、演出制御装置75へ送信される初期化指令信号のアクション(ACTION)部に対応するデータを、演出制御通信ポート670に出力し、一定時間その出力状態を維持する(1605A)。アクション部については後述する。
次に、演出制御通信ポート670のストローブ(STB)信号に相当するビットをオンに設定し、一定時間その出力状態を維持し(1606A)、その後、ストローブ信号に相当する当該ビットをオフに設定して、一定時間その出力状態を維持する(1607A)。
次に、一定時間d(詳細は後述)の待機を行い(1608A)、次に送信すべき初期化指令信号が残っていれば(1609A)、ステップ1601Aへ戻って次の初期化指令信号の送信を行うことを繰り返す(1601A〜1609A)。
なお、ステップ1609Aのときに、演出制御装置75へすべての初期化指令信号を送信し終えている場合には、ステップ1601Aに戻って払出制御装置210へ最初に送信する初期化指令信号を選択して、1602A〜1609Aの処理を繰り返す。
但し、払出制御装置210への初期化指令信号は、演出制御通信ポート670ではなく排出制御通信ポート680へ出力し、ストローブ(STB)信号も排出制御通信ポート680のビットを使用することになる。
その後、払出制御装置210へすべての初期化指令信号を送信し終えると、出力ステップ1609Aが「YES」の判定となるので、演出制御通信ポート670に仕様特定信号を出力する(1610A)。
ここでは、図25で後述する定常出力ビットパターン2003のデータを、演出制御通信ポート670のQ0〜Q7の各ビットに出力する。このビットバターンの信号(図21で後述する「TYPE」に相当)は、演出制御通信ポート670から次の指令を送信するまで継続するので、演出指令信号を送信していない間は、定常的に出力されることになる(詳細は図21で後述)。
そして、ステップ1610Aの処理を終了すると、呼び出し元(図15のステップ1011の初期化指令通信処理の次の処理)に復帰する。
一方、図20の(b)では、演出制御装置75へ演出指令信号を送信するタイミングかを判定し(1601B)、演出指令信号の送信タイミングであれば、送信する演出指令信号のモード(MODE)部に対応するデータを、演出制御通信ポート670に出力し、一定時間その出力状態を維持する(1602B)。
次に、演出制御通信ポート670のストローブ(STB)信号に相当するビットをオンに設定し、一定時間その出力状態を維持し(1603B)、その後、ストローブ信号に相当する当該ビットをオフに設定して、一定時間その出力状態を維持する(1604B)。
次に、演出制御装置75へ送信される初期化指令信号のアクション(ACTION)部に対応するデータを、演出制御通信ポート670に出力し、一定時間その出力状態を維持する(1605B)。
次に、演出制御通信ポート670のストローブ(STB)信号に相当するビットをオンに設定し、一定時間その出力状態を維持し(1606B)、その後、ストローブ信号に相当する当該ビットをオフに設定して、一定時間その出力状態を維持し(1607B)、演出制御通信ポート670に仕様特定信号を出力して(1608B)から、呼び出し元(図18のステップ1413のコマンド送信処理の次の処理)へ復帰する。
このステップ1608Bにて、演出制御通信ポート670に仕様特定信号を出力する場合でも、前述のステップ1610A同様に、図25で後述する定常出力ビットパターン2003のデータを、演出制御通信ポート670のQ0〜Q7の各ビットに出力する。
前述同様に、このビットバターンの信号(図21で後述する「TYPE」に相当)は、演出制御通信ポート670から次の指令を送信するまで継続するので、演出指令信号を送信していない間は、定常的に出力されることになる(詳細は図21で後述)。
一方、ステップ1601Bにて、演出制御装置75へ演出指令信号を送信するタイミングではないときには、排出制御装置150へ排出指令信号を送信するタイミングであるかを判定し(1609B)、排出指令信号の送信タイミングであれば、排出指令信号を送信する(1610B)。このとき、排出指令信号は、前述の1602B〜1607Bの手順と同一の手順で、排出制御通信ポート680から出力される。
ステップ1601Bにて、排出制御装置150へ排出指令信号を送信するタイミングでない場合、及びステップ1609Bの排出指令送信の処理が終了した場合は、呼び出し元(図18のステップ1413のコマンド送信処理の次の処理)へ復帰する。
図21は、本実施形態の遊技制御装置80から払出制御装置210及び演出制御装置75に送信される指令信号の説明図である。
特に、図21(A)は、本実施形態の遊技制御装置80から払出制御装置210及び演出制御装置75に送信される初期化指令信号の説明図であり、図21(B)は、本実施形態の遊技制御装置80から払出制御装置210及び演出制御装置75に送信される払出指令信号及び演出指令信号の説明図である。
まず、図21(A)を用いて初期化指令信号から説明する。これは、前述の図20(a)のフローチャートに従った手順の処理に対応する。
初期化指令信号は、モード(MODE)部とアクション(ACTION)部とからなり、図14に示すステップ1011の処理の初期化指令通信処理で送信される。
図14に示すステップ1011の処理の初期化指令通信処理は、図20(a)で前述したように、モード部及びアクション部を送信する送信処理を、初期化指令信号の送信が完了するまで複数回繰り返すループ処理である。図21(A)では3回送信処理を繰り返すことによって初期化指令信号を送信するものとする。
通信ポート670、680のQ0〜Q6端子は、モード部及びアクション部のデータを送信するために用いられ、Q7端子は、読み取り用のタイミング信号であるストローブ信号を送信するために用いられる。
各回の送信処理では、Q7端子からストローブ信号を所定時間出力し、Q0〜Q6端子からモード部及びアクション部を送信する。受信対象となる払出制御装置210又は演出制御装置75は、Q7端子からストローブ信号が入力されると、Q0〜Q6端子から入力されているモード部又はアクション部を取り込む。
図20(a)で前述したように、初期化指令通信処理では、送信処理を実行した後に、所定時間(d)だけ処理をソフトウェア的に待機させるソフトタイマディレイ処理を実行して、再度送信処理を実行する。
一方、初期化指令信号のすべてのデータを送信した場合には、初期化指令通信処理を抜けて、図14に示す遊技制御装置メイン処理に戻る。
図21(A)では、初期化指令信号を送信するたびに、時間値dのソフトウェアディレイ処理が実行されている。このため、初期化指令信号の送信周期はf1となっており、初期化指令信号のすべてのデータの送信が完了するまでの時間(3回目の送信処理が終了するまでの時間)はTとなっている。
そして、すべてのデータの送信が完了すると、図25で後述する定常出力ビットパターン2003のデータが、演出制御通信ポート670のQ0〜Q7の各ビットに出力される(図中の「TYPE」に相当)。
このビットバターンの信号は、演出制御通信ポート670から次の指令を送信するまで継続するので、演出指令信号を送信していない間は、定常的に出力されることになる。
なお、図25で後述する定常出力ビットパターン2003のデータは、「71H」「72H」「73H」なので、演出制御通信ポート670のQ7のビットは常に「0」である。従って「TYPE」のデータ(仕様特定信号)が出力されている間は、演出制御通信ポート670のSTBが立ち上がらない。
次に、図21(B)を用いて通常時に払出制御装置210又は演出制御装置75に送信される指令信号について説明する。
この通常時の指令信号は、図18に示すステップ1413の処理のコマンド送信処理で送信される。
指令信号のすべてのデータは、1回のタイマ割込によるコマンド送信処理で送信が完了せずに、複数回のタイマ割込によるコマンド送信処理で送信が完了する。言い換えると、指令信号は、複数回のタイマ割込処理にまたがって送信されるものである。図21(B)では、3回のタイマ割込によるコマンド送信処理で指令信号のすべてのデータの送信が完了するものとする。
各回のコマンド送信処理の実行周期(f2)は、タイマ割込の発生周期と同期しており、4ミリ秒周期となる。
また、通常時の指令信号は、初期化指令信号と同じく、モード部及びアクション部からなる。換言すると、通常時の指令信号と初期化指令信号とは、モード部が出力されている時間、アクション部が出力されている時間、及びストローブ信号の出力時間が共通となっており、即ちフォーマットが共通している。
従って、通信ポート670、680のQ0〜Q6端子からモード部及びアクション部のデータを送信し、Q7端子からストローブ信号を出力することも、初期化指令信号の場合と同じである。
図21(A)及び(B)において、初期化指令信号はループ処理のソフトウェアディレイ処理によるディレイ時間(d)を設定する際に、初期化指令信号の送信周期(f1)が、通常時の指令信号の送信周期(f2)よりも短くなるように設定する。
このため、初期化指令信号は通常時の指令信号よりも高速に送信することができ、初期化指令信号のすべてのデータの送信が完了するまでの時間も、一つの通常時の指令信号のすべてのデータの送信が完了するまでの時間よりも短縮できる。
したがって、電源投入時から、払出制御装置210及び演出制御装置75が通常時の指令信号に基づく制御を行うまでの時間を短縮することができる。
なお、モード部とアクション部のデータ送信が完了すると、図25で後述する定常出力ビットパターン2003のデータが、演出制御通信ポート670のQ0〜Q7の各ビットに出力される(図中の「TYPE」に相当)。このビットバターンの信号は、演出制御通信ポート670から次の指令を送信するまで継続するので、演出指令信号を送信していない間は、定常的に出力されることになる。
図22は、本実施形態の払出制御装置210に送信される信号の説明図である。
払出制御装置210に送信される信号は、初期化指令信号と通常時の指令信号である払出指令信号とがあり、これらの信号は、モード部及びアクション部からなる共通のフォーマットで送信される。
まず、初期化指令信号について説明する。
初期化指令信号は、前半の初期化指令信号と後半の初期化指令信号とからなる。
前半の初期化指令信号は、モード部が「40H」であり、アクション部は「00H〜7FH」のいずれかの値となる。前半の初期化指令信号のアクション部は、払出制御装置210に設定されている認証コードに対応する値(「00H〜7FH」のいずれかの値)となる。この払出制御装置210に設定されている認証コードに対応する値は、例えば、RAM104に設定されているものとする。
この前半の初期化指令信号の出力時期は、遊技制御装置80に電源投入時であり、具体的には、図14に示すステップ1011の処理である。
後半の初期化指令信号は、モード部が「40H」であり、アクション部は「7FH〜00H」のいずれかの値となる。後半の初期化指令信号のアクション部は、前半の初期化信号のアクション部の値の負論理となる値(反転ビット)となる。
この後半の初期化指令信号の出力時期は、前半の初期化指令信号の出力が完了した直後となる。
払出制御装置210は、前半の初期化指令信号を受信すると、受信した初期化指令信号のアクション部の値と自身に設定された認証コードとが一致するかを認証する。
受信した初期化指令信号のアクション部の値と自身に設定された認証コードとが一致しない場合には、払出制御装置210は、通常時の指令信号に基づく制御を禁止する。つまり、払出指令信号に基づく遊技媒体の払い出しを禁止する。
一方、受信した初期化指令信号のアクション部の値と自身に設定された認証コードとが一致する場合には、払出制御装置210は、後半の初期化指令信号を受信し、受信した後半の初期化指令信号のアクション部の値の負論理となる値が、自身に設定された認証コードと一致するかを認証する。
受信した後半の初期化指令信号のアクション部の値の負論理となる値が、自身に設定された認証コードと一致しない場合には、後半の初期化指令信号を正確に受信できていないため、遊技制御装置80と払出制御装置210との間で断線が生じている可能性があることから、払出制御装置210はエラーを報知する。
次に、払出指令信号について説明する。
払出制御装置210によって払い出される遊技媒体の個数に対応して、15個の払出制御指令信号が用意されている。
払出指令信号のモード部は「21H〜2FH」である。なお、このモード部の二桁目は、払出指令信号が払い出しを指令する遊技媒体の個数と一致する。また、払出指令信号のアクション部は「5EH〜50H」となる。このアクション部は、モード部の値の負論理となっている。
例えば、1個の遊技媒体の払い出しを指令する払出指令信号のモード部は「21H」であり、アクション部は「5EH」である。
なお、払出指令信号の出力時期は、一般入賞口39,53、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、大入賞口38に遊技球が入賞したタイミングで出力される。
また、払出制御装置210は、払出指令信号を受信すると、受信した払出指令信号のモード部の負論理となる値が、アクション部の負論理となる値と一致しなければ、受信した払出指令信号に対応する個数の遊技媒体の払い出しを許可しない。
図23は、本実施形態の演出制御装置75に送信される信号の説明図である。
演出制御装置75に送信される信号は、初期化指令信号と通常時の指令信号である演出指令信号とがあり、これらのモード部及びアクション部からなる共通のフォーマットで送信される。
まず、初期化指令信号について説明する。
初期化指令信号には、RAM104のすべての領域が初期化されたか否かを示す電源投入通知信号と、パチンコ遊技機1の仕様を特定するための指令信号(初期化時仕様特定情報を含んだ指令)とがある。
また、直前の電源遮断時におけるパチンコ遊技機1の遊技状態(低確率状態、高確率状態、入賞抑制状態、入賞促進状態)を通知する信号や、直前の電源遮断時における特別図柄入賞記憶の数を通知する信号も、初期化指令信号に含まれる。
RAM104のすべての領域が初期化されたことを示す電源投入信号のモード部は「10H」であり、アクション部は「01H」である。RAM104のすべての領域が初期化されたこととは、図14に示すステップ1010の処理が実行されたことである。
一方、RAM104のすべての領域が初期化されていないこと、つまり、RAM104の一部の領域が初期化されたことを示す電源投入信号のモード部は「10H」であり、アクション部は「02H」である。
RAM104のすべての領域が初期化されていないこと、つまり、RAM104の一部の領域が初期化されたこととは、図14に示すステップ1014の処理が実行されたことである。
したがって、図14に示すステップ1010の処理が実行された場合には、ステップ1011の処理で、モード部が「10H」でアクション部が「01H」である初期化指令信号が送信される。図14に示すステップ1014の処理が実行された場合には、ステップ1011の処理で、モード部が「10H」でアクション部が「02H」である初期化指令信号が送信される。
演出制御装置75は、RAM104のすべての領域が初期化されたことを示す電源投入信号を受信すると、RAM104のすべての領域が初期化されたことを変動表示装置33に表示する。
また、演出制御装置75は、RAM104のすべての領域が初期化されていないことを示す電源投入信号を受信すると、RAM104のすべての領域が初期化されていないことを変動表示装置33に表示する。
また、起動時に送信される仕様を特定するための指令信号のモード部は「11H」であり、アクション部は「01H〜03H」である。アクション部は、パチンコ遊技機1の仕様に対応する「01H〜03H」のいずれかの値である。なお、パチンコ遊技機1の仕様に対応する値は、ROM103に設定されている。
また、遊技状態(低確率状態、高確率状態、入賞抑制状態、入賞促進状態)を通知する信号は、モード部が「20H」となっており、アクション部には、直前の電源遮断時における遊技状態別に対応付けられた値が格納される。
例えば、低確率状態であればアクション部は「01H」であり、高確率状態であればアクション部は「02H」となる。演出制御装置75は、遊技状態を通知する信号を受信すると、遊技状態を報知するための演出を行う。
また、特別図柄入賞記憶の数を通知する信号は、モード部が「28H」となっており、アクション部は「00H〜04H」のいずれかの値である。アクション部は、直前の電源遮断時における始動記憶数(0〜4)に対応した値である。
演出制御装置75は、始動記憶数演出指令信号を受信すると、変動表示装置33の図示しない飾り始動記憶数表示部に、受信した始動記憶数演出指令信号に対応する始動記憶数を表示する。
これらの仕様特定信号、遊技状態を通知する信号、及び特別図柄入賞記憶の数を通知する信号の出力時期は、電源投入時であり、図14に示すステップ1011の処理で送信される。
なお、これらの各信号と電源投入通知信号の出力順序は、何れが先であっても後であってもよい。さらに、電源投入時に、遊技制御装置80から演出制御装置75へ通知すべき情報が他にもあれば、初期化指令信号として一緒に送信してもよい。
このように、本実施形態では、初期化指令信号(電源投入通知信号、仕様特定信号、遊技状態を通知する信号、及び特別図柄入賞記憶の数を通知する信号)の種類が多くなっても、メイン処理のループによって初期化指令信号を順に送信するので、全ての初期化指令信号を送信するまでの時間が短縮される。
次に、各演出指令信号について説明する。
まず、変動表示装置33で実行される変動表示ゲームにおいて図柄の変動開始を指示する変動開始演出指令信号について説明する。
変動開始演出指令信号のモード部は「30H」であり、アクション部は「01H〜6FH」のいずれかの値である。アクション部は、図柄の変動表示を開始してから停止するまでの変動時間に対応する値である。
なお、各アクション部においては、図24に示すように、図柄の変動パターンを別個に設定している。例えば、アクション部「01H」においては、変動パターンを「リーチなし」に設定するとともに、このときの大当りの期待度(変動表示ゲーム実行後の特別遊技発生の確率)を「0%」としている。また、アクション部「02H」においては、変動パターンを「リーチA」に設定するとともに、このときの大当りの期待度を「10%」としている。さらに、アクション部「03H」においては、変動パターンを「リーチB」に設定するとともに、このときの大当りの期待度を「30%」としている。そして、アクション部「04H」においては、変動パターンは「リーチC」に設定されており、このときの大当りの期待度を「50%」としている。
演出制御装置75は、変動開始演出指令信号を受信すると、変動表示装置33において図柄の変動表示を開始し、変動表示ゲームを開始する。
変動開始演出指令信号は、変動表示装置33において変動表示ゲームの図柄の変動表示を開始するタイミングで送信する。具体的には、変動表示装置33で変動表示ゲームが終了した場合に始動記憶がある場合、又は変動表示装置33で変動表示ゲームが実行されていない場合に第1始動入賞口36または第2始動入賞口37に遊技球が入賞した場合である。
変動表示装置33における変動表示ゲームにおける停止図柄を特定する停止図柄演出指令信号について説明する。
停止図柄演出指令信号のモード部は「31H」であり、アクション部は「01H〜6FH」のいずれかの値である。アクション部は、停止図柄に対応する値である。
演出制御装置75は、停止図柄演出指令信号を受信すると、受信した停止図柄演出指令信号に基づいて、変動表示装置33における変動表示ゲームの停止図柄を特定する。
停止図柄演出指令信号は、変動表示装置33の変動表示ゲームの変動表示を開始するときであって、変動開始演出指令信号の送信が完了した直後に送信される。
変動時間が経過し、変動表示中の図柄を停止するための停止通知演出指令信号について説明する。
停止通知演出指令信号のモード部は「40H」であり、アクション部は「01H」である。
演出制御装置75は、停止通知演出指令信号を受信すると、変動表示装置33で変動表示している図柄を停止させる。
停止通知演出指令信号は、変動時間が経過したタイミングで送信される。
特別遊技状態発生中に送信される大当たり関連演出指令信号について説明する。
大当たり関連演出指令信号のモード部は「48H」であり、アクション部は「01H〜6FH」のいずれかの値である。アクション部は、特別遊技状態の進行状況に応じた値である。
演出制御装置75は、大当たり関連演出指令信号を受信すると、受信した大当たり関連演出指令信号に基づいて、特別遊技状態に関連する演出を行う。
パチンコ遊技機1においてエラーが発生した場合にエラーの発生を報知するためのエラー関連演出指令信号について説明する。
エラー関連演出指令信号のモード部は「50H」であり、アクション部は「01H〜6FH」のいずれかの値である。アクション部は発生したエラーに対応した値である。
演出制御装置75は、エラー関連演出指令信号を受信すると、エラー関連演出指令信号に基づいて、発生したエラーを報知するための演出を行う。
エラー関連演出指令信号は、遊技制御装置80がエラーを検出したタイミングで送信される。
なお、前述の遊技状態を通知する信号(モード部=「20H」)は、電源投入時だけでなく、通常の遊技中において遊技状態が変化した場合にも送信される。例えば、遊技中において低確率状態が発生したときに、モード部=「20H」且つアクション部=「01H」の信号が送信され、遊技中において、高確率状態が発生したときに、モード部=「20H」且つアクション部=「02H」の信号が送信される。
また、前述の特別図柄入賞記憶の数を通知する信号(モード部=「30H」)は、電源投入時だけでなく、通常の遊技中において第1始動入賞口36または第2始動入賞口37に遊技球が入賞して始動記憶数が増加した場合にも、指令信号が送信される。例えば、遊技中において第1始動入賞口36または第2始動入賞口37に遊技球が入賞して始動記憶数が「3」に変化したときには、モード部=「30H」且つアクション部=「03H」の信号が送信される。
従って、これらの遊技状態を通知する信号、及び特別図柄入賞記憶の数を通知する信号は、演出指令信号としても機能することになる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の仕様について説明する。図25は、パチンコ遊技機1の仕様を説明する図である。本実施形態では、パチンコ遊技機1には3種類の仕様があると仮定して、説明を行う。なお、仕様の種類は、必ずしも3種類に限定されない。
まず、パチンコ遊技機1の仕様について説明する。パチンコ遊技機1には、遊技盤5や各制御装置(遊技制御装置80、演出制御装置75)に設けた各種のハードウェアが互いに共通でありながらも、その動作態様を互いに異ならせた、所謂、シリーズ機というものが存在する。
これらのシリーズ機同士は、共通の演出制御装置75を用いるが、変動表示装置33に表示される画像の内容が多少異なっている。本実施の形態では、同一のシリーズ機間で、変動表示装置33に表示される画像の内容が異なる場合に、パチンコ遊技機1の仕様が異なるという扱いにする。
なお、演出制御装置75には、同一のシリーズ機の全てに仕様の画像が表示できるように、制御ROM153やキャラクタROM(図示せず)に、必要なデータが予め記憶されている。
演出制御装置75は、遊技制御装置80から送信された初期化指令信号を読み取ることにより、或いは、演出制御通信ポート670から定常的に出力されている仕様特定信号を読み取ることによりパチンコ遊技機1の仕様を識別し、仕様に対応する遊技演出を実行する。
図25の機種名の列2001は、各仕様に対応付けられた機種名が定義されている。ここでは、「仕様A」のパチンコ遊技機1であれば機種名が「CR×××」となり、「仕様B」のパチンコ遊技機1であれば機種名が「CR△△△」となり、「仕様C」のパチンコ遊技機1であれば機種名が「CR☆☆☆」となる。
初期化時ACTIONコードの列2002は、初期化指令信号(遊技機仕様の通知)の指令に含まれるACTION部の値(初期化時仕様特定情報)と、パチンコ遊技機1の仕様との対応関係を示している。
演出制御装置75が、遊技制御装置80からMODE部が「11H」の指令(遊技機仕様の通知)を受信すると、その指令に含まれるACTION部の値が「01H」であれば、パチンコ遊技機1の仕様は「仕様A」となり、ACTION部の値が「02H」であれば、パチンコ遊技機1の仕様は「仕様B」となり、ACTION部の値が「03H」であれば、パチンコ遊技機1の仕様は「仕様C」となることを示している。
定常出力ビットパターンの列2003は、演出制御通信ポート670から定常的に出力される仕様特定信号と、パチンコ遊技機1の仕様との対応関係を示している。
異常発生によって再起動した演出制御装置75が演出制御通信ポート670の仕様特定信号を読みとった場合において、読みとった信号のビットパターンが「71H」であれば、パチンコ遊技機1の仕様は「仕様A」となり、読みとった信号のビットパターンが「72H」であれば、パチンコ遊技機1の仕様は「仕様B」となり、読みとった信号のビットパターンが「73H」であれば、パチンコ遊技機1の仕様は「仕様C」となることを示している。
なお、仕様特定信号として規定されている「71H」「72H」「73H」といった値は、図23に規定する指令信号の数値とは異なる値としている。これは、静電気などの影響で演出制御装置75がリセットされ、再起動したときに、演出制御通信ポート670に出力されている信号が図23に規定する指令信号なのか仕様特定信号なのかを、明確に識別するためである。
図柄デザインの列2004は、各仕様に対応付けられている図柄のデザインが規定されている。図柄とは、変動表示装置33で実行される変動表示ゲームの識別情報である。当該パチンコ遊技機1は、どの仕様であっても、白い図柄が「通常図柄」、黒い図柄が「確変図柄」に対応することになっている。そして、各仕様毎に確率変動状態への移行頻度が異なっていることを視覚的に表現するために、変動表示ゲームで使用される識別情報の色を仕様別に異ならせている。
ここでは、「仕様A」のパチンコ遊技機1であれば、使用されている図柄のうちの「1」「3」「5」「7」が「確変図柄」となり、他の図柄が「通常図柄」となる。また、「仕様B」のパチンコ遊技機1であれば、使用されている図柄のうちの「3」「7」が「確変図柄」となり、他の図柄が「通常図柄」となる。また、「仕様C」のパチンコ遊技機1であれば、使用されている図柄のうちの「7」のみが「確変図柄」となり、他の図柄が「通常図柄」となる。
出現キャラクタの列2005は、各仕様に対応付けられているキャラクタが規定されている。キャラクタとは、変動表示装置33で実行される変動表示ゲームにて出現するものであり、詳細は図26で後述する。
ここでは、「仕様A」のパチンコ遊技機1であれば、図に示す飛行体がキャラクタとなり、「仕様B」のパチンコ遊技機1であれば、図に示す船舶がキャラクタとなり、「仕様C」のパチンコ遊技機1であれば、図に示す車両がキャラクタとなる。
リーチ時変動時間の列2006は、各仕様に対応付けられているリーチ時の変動時間が規定されている。変動表示装置33で実行される変動表示ゲームでは、2つの図柄が揃って大当りの可能性を報知するリーチ状態が発生(詳細は図26で後述)するが、このリーチ状態の時間を規定している。なお、リーチ状態の時間は3種類に区分されており、時間値が短いものから順に、「短リーチ」「中リーチ」「長リーチ」となっている。
ここでは、「短リーチ」「中リーチ」「長リーチ」の各リーチが発生した場合には、「仕様A」のパチンコ遊技機1のときに、それぞれ、「20秒」「25秒」「30秒」の時間に対応するリーチ状態となり、「仕様B」のパチンコ遊技機1のときに、それぞれ、「10秒」「15秒」「20秒」の時間に対応するリーチ状態となり、「仕様C」のパチンコ遊技機1のときに、それぞれ、「8秒」「12秒」「16秒」の時間に対応するリーチ状態となる。
大当り確率の列2007は、各仕様に対応付けられている大当り確率が規定されている。大当り確率とは、変動表示装置33で実行された変動表示ゲームが、遊技者に特典を付与する特別結果態様となる確率である。
ここでは、「仕様A」のパチンコ遊技機1であれば、大当り確率が「1/350」となり、「仕様B」のパチンコ遊技機1であれば、大当り確率が「1/250」となり、「仕様C」のパチンコ遊技機1であれば、大当り確率が「1/150」となる。
次に、変動表示装置33で実行される変動表示ゲームの進行について説明する。図26は、本実施形態の変動表示装置33の表示内容の説明図である。なお、図26は、パチンコ遊技機1の仕様が「仕様A」のときの変動表示装置33の表示内容とする。
前述したように、第1始動入賞口36または第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、変動表示装置33にて変動表示ゲームが実行される。これらの始動入賞口25、30に遊技球が入賞していない状態では、図26の(a)に示すように、左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103が、変動表示装置33の表示領域に停止した状態で表示される。
また、変動表示装置33の表示領域には、機種名を表示する領域2104、変動表示ゲームの保留記憶数を表示する領域2105、変動表示ゲームの大当り確率を表示する領域2106が形成される。
ここでは、図25で前述した図柄デザインのうち、「仕様A」に対応するデザインの図柄が、左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103に表示される。また、機種名を表示する領域2104、大当り確率を表示する領域2106にも、「仕様A」に対応するものが表示される。
もし、当該パチンコ遊技機1の仕様が「仕様B」や「仕様C」であれば、左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103の図柄デザインや、機種名を表示する領域2104、大当り確率を表示する領域2106の表示が、「仕様B」や「仕様C」に対応するものに変更される。
次に、第1始動入賞口36または第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103の各々が縦方向に変動表示して、変動表示ゲームが実行される。変動表示ゲームの実行開始から、一定の時間が経過すると、左図柄2101が停止表示し、次いで、右図柄2103が停止表示する。
このとき、左図柄2101と右図柄2103とが同一の図柄で停止表示されていない場合には、直ちに、中図柄2102が停止表示されて外れが確定する。左図柄2101と右図柄2103とが同一の図柄で停止表示されているときは、リーチ状態が発生する。
図26の(b)は、リーチ状態が発生した様子を示す。リーチ状態が発生すると、中図柄2102が縦方向に通常よりもゆっくりと変動表示し、所定時間経過後に中図柄2102は停止表示する。
なお、このリーチ状態の間に、キャラクタ2107が変動表示装置33の表示領域に出現する場合もある。この場合、図25で前述したキャラクタのうち、「仕様A」に対応するキャラクタが選択されて表示される。
また、このリーチ状態は、遊技制御装置80から指令された時間にわたって実行される。遊技制御装置80からは、図25で前述した「短リーチ」「中リーチ」「長リーチ」のうちの何れのリーチ状態を発生すべきかの指令が、変動表示ゲームの実行開始時に伝達されるので、図25で前述したリーチ時の変動時間のうちから「仕様A」に対応するものが選択されて実行される。例えば、遊技制御装置80から「長リーチ」の実行を指令されれば、リーチ状態の時間が30秒となるように表示を行う。
もし、当該パチンコ遊技機1の仕様が「仕様B」や「仕様C」であれば、キャラクタ2107は「仕様B」や「仕様C」に対応するものに変更され、リーチ状態の時間も、「仕様B」や「仕様C」に対応するものに変更される。
そして、図26の(b)でリーチ状態が発生し、中図柄2102が、左図柄2101(右図柄2103)と同一の図柄で停止表示すると大当りとなり、特別遊技状態が発生する。中図柄2102が、左図柄2101(右図柄2103)と異なった図柄で停止表示すると、外れである。
ここで、大当り発生となったときの各停止図柄(左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103)が、黒い配色の「確変図柄」であった場合には、特別遊技状態の終了後に、変動表示ゲームの大当り確率が10倍アップする確率変動状態(高確率状態)が発生する。
一方で、大当り発生となったときの各停止図柄が、白い配色の「通常図柄」であった場合には、特別遊技状態の終了後に、変動表示ゲームの大当り確率がアップしない通常状態(低確率状態)が発生する。
なお、大当り発生となったときの各停止図柄によって、特別遊技状態の終了後の遊技状態を、高確率状態と低確率状態の何れかに設定することに限定せず、大当り発生となったときの各停止図柄によって、特別遊技状態の終了後の遊技状態を、前述の入賞抑制状態と入賞促進状態の何れかに設定するような制御をおこなってもよい。このような構成であれば、入賞抑制状態と入賞促進状態が発生する頻度を、パチンコ遊技機1の仕様毎に異ならせることができる。
図27は、本実施形態の演出制御装置メイン処理の後半部のフローチャートである。
演出制御装置75の制御に関しては、図13の(C)にてパチンコ遊技機1への電源投入直後の処理について説明したが、初期化指令信号を受信した後の処理について、ここで説明することにする。
まず、遊技制御装置80から送信される演出指令信号を受信するまで待機する(2201)。演出指令信号を受信したら、受信した信号の種別によって分岐する(2202)。
なお、演出制御通信ポート680のQ7(STB)のビットが立ち上がったタイミングが、演出指令信号を受信したタイミングであり、その時点での演出制御通信ポート680のQ0〜Q6の値を、演出指令信号として取り込むことになる(図21等参照)。
受信した信号が、変動表示ゲームの開始に関するものであれば、ステップ2203−1に分岐して、変動表示ゲームにて変動表示装置33に表示される図柄(識別情報)の変動開始の処理を行い、変動表示ゲームの停止に関するものであれば、ステップ2203−2に分岐して、変動表示ゲームにて変動表示装置33に表示される図柄(識別情報)の変動停止の処理を行う。
具体的には、ステップ2201で受信した指令が、図柄変動開始の通知(図23のMODE部が「30H」)の場合には、ACTION部で指定される変動時間の変動パターンや大当り発生の期待度を乱数を用いて決定する。
この場合、図25で前述した「短リーチ」「中リーチ」「長リーチ」などの種別が指定されることもあるので、RAM154に記憶した遊技仕様情報を参照し、当該パチンコ遊技機1の仕様(図25の仕様A〜C)に対応したリーチ時間に対応させて、変動パターンを決定する。このときに所定の条件であれば前述の可動物を可動させたり、送風演出ユニット52を駆動したりする。
送風演出ユニット52の駆動については、図27に示すように、図柄変動開始処理の開始後、ステップ2801において、受信した変動開始演出指令信号のアクション部に基づいて変動パターン(図24参照)を決定し、ステップ2802において送風状態(風の強度、温度、送風方向)を決定する。そして、ステップ2803に移行して、送風演出ユニット52および変動表示装置33による図柄変動開始後の演出内容(図8参照)を決定し、ステップ2804に移行して、送風演出ユニット52や変動表示装置33による演出を実行するか否かを判定し、実行しない場合にはステップ2805に移行して図柄変動を開始し、図柄変動開始処理を終了する。一方、演出を実行する場合には、ステップ2806に移行して図柄変動を開始し、さらにステップ2807に移行して送風演出ユニット52および変動表示装置33による演出動作を開始する。そして、ステップ2808において、非接触検出部70が被検出体(遊技者の手)を検出したか否かを判定し、検出していなければ図柄変動開始処理を直ちに終了し、検出していればステップ2809に移行して、変動表示装置33における演出内容(表示内容)を変更し(図8(b)参照)、図柄変動開始処理を終了する。
また、ステップ2201で受信した指令が、停止図柄の通知(図23のMODE部が「31H」)の場合には、ACTION部で指定されるデータに対応させて、変動表示ゲームの最終結果となる停止図柄を決定する。この場合も、RAM154に記憶した遊技仕様情報を参照し、当該パチンコ遊技機1の仕様(図25の仕様A〜C)に対応した停止図柄を選択する。
次いで、図柄変動開始の指令の受信により決定した変動パターンに従って、変動表示装置33の表示領域で左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103の変動表示を行う(図26参照)。変動表示ゲームの実行中は、必要により当該パチンコ遊技機1の仕様(図25の仕様A〜C)に対応したキャラクタ2107を出現させる(図26参照)。
また、ステップ2201で受信した指令が、図柄変動停止の通知(図23のMODE部が「40H」)の場合には、変動表示装置33の表示領域で変動表示している左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103を、停止表示させる。
この場合も、RAM154に記憶した遊技仕様情報を参照し、当該パチンコ遊技機1の仕様(図25の仕様A〜C)に対応したデザインの停止図柄で停止表示する。
なお、ステップ2201で受信した指令が、高確率状態の発生(又は低確率状態の発生)の通知する指令(図23のMODE部が「20H」)の場合には、発生した確率状態に対応させて、変動表示装置33の表示領域に表示されている左図柄2101、中図柄2102、右図柄2103の背景表示を変更し、高確率状態の発生(又は低確率状態の発生)を遊技者に報知する。
このステップ2203の処理を実行したら、次の指令を受信するために、ステップ2201へ移行する。
一方、ステップ2201で受信した指令が、保留記憶表示の変更に関するものであれば、ステップ2204に分岐して、変動表示装置33の保留記憶数を表示する領域2105(図26)の表示を変更する。
具体的には、ステップ2201で受信した指令が、保留記憶数の通知(図23のMODE部が「28H」)の場合には、ACTION部で指定される保留記憶数の表示となるように、領域2105を変更する。ステップ2204の処理を実行したら、次の指令を受信するために、ステップ2201へ移行する。
一方、ステップ2201で受信した指令が、大当り関連の表示の変更に関するものであれば、ステップ2205に分岐して、変動表示装置33にて大当り時の演出に関する表示を開始する。具体的には、ステップ2201で受信した指令が、大当り関連の通知(図23のMODE部が「48H」)の場合には、ACTION部で指定される情報に対応させて、変動表示装置33の表示内容を変更させる。このときに所定の条件であれば前述の可動物を可動させる。
この場合も、RAM154に記憶した遊技仕様情報を参照し、当該パチンコ遊技機1の仕様(図25の仕様A〜C)に対応した大当り演出を行う。ステップ2205の処理を実行したら、次の指令を受信するために、ステップ2201へ移行する。
一方、ステップ2201で受信した指令が、エラーの報知に関するものであれば、ステップ2206に分岐して、変動表示装置33にてエラーの報知に関する表示を開始又は終了する。
具体的には、ステップ2201で受信した指令が、エラー関連の通知(図23のMODE部が「50H」)の場合には、ACTION部で指定される情報に対応させて、変動表示装置33にてエラー報知を開始又は終了させる。ステップ2206の処理を実行したら、次の指令を受信するために、ステップ2201へ移行する。
なお、演出制御装置75は、ノイズ等の発生により、CPU152がプログラムの通りに動作せず、暴走する可能性も否定できない。このような場合は、監視回路158の作用によりCPU152がリセットされ、演出制御装置75が再起動する。
但し、ノイズ等の影響で演出制御装置75のみが再起動した場合であっても、遊技制御装置80が再起動していない場合は、遊技制御装置80から演出制御装置75へ初期化指令信号(遊技機仕様の通知)が送信されないので、演出制御装置75はパチンコ遊技機1の仕様を判別することができない。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、演出制御装置75のみが再起動し、遊技制御装置80が再起動していない場合でも、演出制御装置75は、遊技制御装置80の演出制御通信ポート670から定常的に出力されている仕様特定信号を読み取って、パチンコ遊技機1の仕様を判別でいるように構成している。このように、演出制御装置75のみが再起動した場合の処理を、図27を用いて「不具合検出時」の処理として説明する。
まず、演出制御装置75は、ノイズ等の影響で、監視回路158によりCPU152がリセットされる(2207)と、ハードウェアによる出力ポート初期化(2208)、電源投入時の初期化処理(2209)、指令受信可能状態の発生(2210)、通信ポートのデータ取り込み(2211)の処理を行う。なお、これらの処理は、図13のステップ922〜925の処理と、同じ処理である。
このとき、パチンコ遊技機1に電源投入を行った直後であれば、演出制御通信ポート670(図10)から出力されるビットのパターンは、初期状態(全ビットが0の状態)となるので、図13のステップ926のように初期化指令信号の受信を待機する状態となるが、遊技制御装置80が再起動していない場合は、演出制御通信ポート670からは仕様特定信号(定常的に出力される仕様特定信号)に対応するビットパターン(図25の2003の列)のデータが出力されている。
そこで、図27のステップ2211にて演出制御通信ポート670から取り込んだデータが、仕様特定信号(定常的に出力される仕様特定信号)に対応する場合には、その仕様特定信号に対応してパチンコ遊技機1の仕様を識別し、仕様に対応するデータを遊技仕様情報としてRAM154に記憶する(2212)。
この場合、図21で前述したように、仕様特定信号のビットパターンは、「71H」「72H」「73H」等に設定されており、演出制御通信ポート670のQ7のビットは常に「0」である。
従って仕様特定信号が出力されている間は、演出制御通信ポート670のSTBが立ち上がらないので、演出制御通信ポート670のQ0〜Q7のビットを読みこんで、仕様特定信号のビットパターンと一致しているかによりパチンコ遊技機1の仕様を識別する。
なお、演出制御通信ポート670に演出指令信号が出力されているタイミングで、或いは、演出制御通信ポート670が初期状態のときに、ステップ2211が実行されると、演出制御通信ポート670から仕様特定信号とは異なるデータを取り込む可能性がある。
そこで、ステップ2211で、一定期間に渡って初期状態のデータ(Q0〜Q7のビットが「00H」)を取りこんだ場合は、図13のステップ926へ移行して、初期化指令信号の受信を待機する。
また、ステップ2211で、初期状態でも仕様特定信号でもないビットパターンのデータ(例えば、演出指令信号に対応するデータ)を取りこんだ場合は、演出制御通信ポート670のビットパターンが、初期状態又は仕様特定信号の何れかになるまで待機すればよい。
この場合でも、図25で前述したように、仕様特定信号として規定されている「71H」「72H」「73H」といった値は、指令信号の数値とは異なる値(初期状態の「00H」とも異なる値)としているので、静電気などの影響で演出制御装置75がリセットされ、再起動したときに、演出制御通信ポート670に出力されている信号が仕様特定信号なのか否かを、明確に識別することができる。
ステップ2212の処理を終えたら、遊技制御装置80からの指令を受信するためにステップ2201へ移行する。
本実施の形態によれば、演出制御通信ポート670には、仕様特定信号が定常的に出力されているので、演出制御装置75がいつ起動を開始しても、演出制御通信ポート670から仕様特定信号を取り込んで、直ちにパチンコ遊技機1の仕様を識別することが可能となる。
よって、演出制御装置75が再起動したときには、遊技制御装置80からの演出指令信号を受信する以前に、パチンコ遊技機1の仕様を識別することが出来るので、演出制御装置75の再起動時でも、パチンコ遊技機1の仕様に合わせた演出処理を的確に行うことができる。
また、電源投入直後に演出制御通信ポート670が初期状態になって所定時間保持され、この間に演出制御装置75が指令受信可能状態になるので、電源投入時に演出制御装置75が起動したときに、演出制御通信ポート670が不安定な状態のまま誤ったデータが送信されることを防止できる。そして、遊技制御装置80から演出制御装置75へ初期化指令信号が送信され、演出制御装置75は、この初期化指令信号によりパチンコ遊技機1の仕様を判別することができる。
従って、パチンコ遊技機1に電源が投入された直後においては、演出制御通信ポート670に仕様特定信号を出力しなくても、初期化指令信号によって演出制御装置75にパチンコ遊技機1の仕様を判別させることができる。
また、通信ポート670、680が初期状態になって所定時間保持される際には、遊技制御装置80への電源投入時において、正当性が判定されるRAM104の記憶領域を使用せずにディレイ処理を行うので、通信ポート670、680が初期状態のまま維持されている時間を延長でき、この延長時間期間中に従属制御装置(演出制御装置75、払出制御装置210)が遊技制御装置80からの指令を受信可能になる。
これによって、電源投入直後に通信ポートが初期状態になって所定時間保持され、この間に従属制御装置が指令受信可能状態になるので、従属制御装置が起動したときに、通信ポートが不安定な状態のまま誤ったデータが送信されることを防止できる。また、ソフトウェアを用いて所定時間のディレイ処理を行うことによって、通信ポートが初期状態をなっている状態を所定時間維持するため、ハードウェアを用いる方法と比較すると安価な構成で済む。また、ディレイ処理は正当性判定の記憶領域を用いずに行うので、正当性判定の処理も正確に行うことができる。
また、本実施形態によれば、初期化指令信号を遊技制御装置メイン処理のループにより送信し、通常時の従属制御装置への指令信号をタイマ割込処理で送信するので、初期化指令信号の送信周期を通常時の指令信号の送信周期よりも短くすることができる。
これによって、初期化指令をすべて送信するまでの時間も短縮されるため、電源投入時のパチンコ遊技機1全体の起動の遅延を防止できる。
ここで、本実施形態とは対照的な従来技術を示す。
例えば、製造コストの増大を抑制しつつシリーズ機種間で表示制御装置を流用可能な遊技機を提供することを目的として、電源が投入された際に主制御手段から表示制御手段へ遊技仕様コマンドが送信されると、表示制御手段にて遊技仕様コマンドに対応する遊技仕様情報を遊技仕様記憶手段に記憶する構成の遊技機がある。そして、特開2007−267863号公報などに示すように、表示制御手段は、その後に主制御手段から演出用コマンドを受信した場合に、どの遊技仕様に基づいて主制御手段から出力された演出用コマンドであるかを認識して、その認識に基づいて、遊技仕様に応じた演出データを演出データ記憶手段から読み出す処理を行うようになっている。
この遊技機では、シリーズ機種間において表示制御装置を流用する場合に、遊技仕様毎の演出内容に応じた演出用コマンドを設定する必要がないので、表示制御装置の記憶量の増加を抑制することができるという利点がある。
しかし、上記特許文献に記載の遊技機では、遊技球に帯電した静電気の影響で、遊技機の制御基板にて不具合が発生することが頻繁に起こりうる。このとき、制御基板ではCPUをリセットして初期化を行うことで、基板自身を再起動させる処理が行われることが多い。
ところで、静電気の影響により遊技機の制御基板が再起動する場合は、遊技機に備えた全ての制御基板が再起動するのではなく、一部の制御基板だけが再起動することもあり得る。例えば、上記特許文献に記載の遊技機においても、静電気の影響により表示制御手段のみが再起動し、主制御手段は再起動しないことも起こり得る。
従って、上記特許文献の遊技機では、遊技機に電源が投入されたときに、主制御手段から表示制御手段へ遊技仕様コマンドを送信しているので、静電気の影響により表示制御手段のみが再起動したときには、主制御手段から表示制御手段へ遊技仕様コマンドが送信されない。そのため、このような場合には、表示制御手段側で遊技機の遊技仕様を判別することが出来ないという不具合があった。
なお、上記特許文献の遊技機では、表示装置にて客待ちデモ画面が表示されるタイミングでも、主制御手段から表示制御手段へ遊技仕様コマンドが送信されるという技術内容が開示されている。しかしながら、このような構成であっても、静電気の影響により表示制御手段のみが再起動したときには、客待ちデモ画面が表示されるまで、遊技機の遊技仕様を判別することは不可能である。
このように、表示制御手段側で遊技機の遊技仕様を判別できない状態が発生した場合には、本来の遊技機とは異なった遊技仕様の画面表示を行ってしまうことがあり、遊技者に誤解を与える恐れがあった。
これに対して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、複数種類の遊技仕様に共通利用可能な表示制御装置を設けたパチンコ遊技機1において、表示制御装置がどのようなタイミングで再起動しても、遊技仕様を早期に識別できる。
具体的には、本実施形態のパチンコ遊技機1は、所定の始動条件が成立したことに基づき遊技領域6にて補助遊技を実行し、該補助遊技の結果に対応して遊技者に特典を付与する特別遊技状態を発生可能なパチンコ遊技機1において、前記遊技領域6における遊技を統括的に制御する遊技制御装置80と、前記遊技制御装置80からの指令に対応して当該パチンコ遊技機1に関わる遊技演出の制御を行う演出制御装置75と、が備えられ、前記遊技制御装置80は、前記演出制御装置75に指令を出力するための通信用ポート(演出制御通信ポート670)と、当該パチンコ遊技機1の仕様を特定する仕様特定信号を前記通信用ポートから出力させる仕様特定信号出力手段と、遊技演出内容を特定する演出指令信号を前記通信用ポートから出力させる演出指令信号出力手段と、を備え、前記演出制御装置75は、前記遊技制御装置80からの仕様特定信号を取り込んで当該パチンコ遊技機1の仕様を識別し、遊技仕様情報として記憶する遊技仕様情報記憶手段と、前記遊技制御装置80からの演出指令信号を取り込んで、前記遊技仕様情報記憶手段に記憶させた遊技仕様情報に対応する遊技演出を実行する遊技演出実行手段と、を備えるとともに、前記仕様特定信号出力手段は、前記演出指令信号出力手段が演出指令信号を出力していないときに、前記通信用ポートを介して仕様特定信号を定常的に出力することを特徴とする。
これによれば、通信用ポートには仕様特定信号が定常的に出力されているので、演出制御装置75がいつ起動を開始しても、通信用ポートから仕様特定信号を取り込んで、直ちにパチンコ遊技機1の仕様を識別することが可能となる。
よって、演出制御装置75が再起動したときには、遊技制御装置80からの演出指令信号を受信する以前に、パチンコ遊技機1の仕様を識別することが出来るので、演出制御装置75の再起動時でも、パチンコ遊技機1の仕様に合わせた演出処理を的確に行うことができる。
また、前記遊技制御装置80は、所定の起動信号に対応して前記通信用ポートを初期状態にする初期化手段と、前記通信用ポートを前記初期状態にて所定時間維持する初期状態維持手段と、前記初期状態維持手段により、前記通信用ポートが前記初期状態にて所定時間維持された後に、前記演出制御装置75に初期化を指令するための初期化指令信号を送信する初期化指令信号送信手段と、を備え、且つ、該初期化指令信号には当該パチンコ遊技機1の仕様が特定可能な情報が含まれる構成とし、前記演出制御装置75は、前記通信用ポートが前記初期状態を維持している間に、該通信用ポートからの指令を受信可能な指令受信可能状態となり、前記遊技仕様情報記憶手段は、前記通信用ポートが前記初期状態となって、その後、前記遊技制御装置80から初期化指令信号を受信した場合でも、当該パチンコ遊技機1の仕様を識別して遊技仕様情報を記憶することを特徴とする。
これによれば、電源投入直後に通信用ポートが初期状態になって所定時間保持され、この間に演出制御装置75が指令受信可能状態になるので、電源投入時に演出制御装置75が起動したときに、通信用ポートが不安定な状態のまま誤ったデータが送信されることを防止できる。そして、遊技制御装置80から演出制御装置75へ初期化指令信号が送信され、演出制御装置75は、この初期化指令信号によりパチンコ遊技機1の仕様を判別することができる。
従って、パチンコ遊技機1に電源が投入された直後においては、通信用ポートに仕様特定信号を出力しなくても、初期化指令信号によって演出制御装置75にパチンコ遊技機1の仕様を判別させることができる。
さらに、前記遊技制御装置80は、遊技制御プログラムにより所要の演算処理を行う演算処理手段と、前記演算処理手段によって更新される情報が記憶され、当該パチンコ遊技機1への電源供給が停止しても前記記憶された情報の記憶保持が可能な記憶手段と、前記起動信号の発生後に、前記記憶手段に記憶保持された情報の正当性を判定する正当性判定手段と、前記初期状態維持手段が前記通信用ポートを前記初期状態にて所定時間維持するための維持タイマを計時するタイマ計時手段と、を備え、前記タイマ計時手段は、前記正当性判定手段によって正当性が判定される前記記憶手段に記憶された情報を更新することなく、前記維持タイマを計時することを特徴とする。
また、前記遊技制御装置80には、更新可能な情報が記憶されて、且つ前記正当性判定手段による正当性判定の対象とならない判定対象外記憶領域が備えられ、前記タイマ計時手段は、該判定対象外記憶領域を用いて前記維持タイマを計時することを特徴とする。
さらに、前記判定対象外記憶領域は、前記演算処理手段に備わるレジスタであることを特徴とする。
これによれば、ハードウェアを用いなくても、電源投入直後に通信用ポートが初期状態となっている状態を維持するため、ハードウェアを用いる方法と比較すると安価な構成で済む。このとき、タイマ計時は正当性判定の記憶領域を用いずに行うので、正当性判定の処理も正確に行うことができる。
また、前記遊技制御装置80は、前記記憶手段に記憶された情報の更新を規制する更新規制手段と、前記正当性判定手段によって判定された前記正当性に応じて前記記憶手段を初期化する記憶手段初期化手段と、を備え、前記更新規制手段は、前記起動信号が発生すると前記演算処理手段による前記記憶手段の更新を規制し、前記記憶手段初期化手段によって前記記憶手段が初期化される場合には当該記憶手段の更新の規制を解除することを特徴とする。
これによれば、正当性判定を行うまでの間は、必要に応じて書込規制状態にすることができるので、記憶手段へ不用意な書き込みがなされることを防止できる。
さらに、特開2002−224394号公報などに示す従来技術では、電源が断たれた後の復帰時に、払出しの不都合な状態が解消するまで賞媒体の払出し動作を停止できるようにすること、さらに、賞媒体の払出しに関して遊技者とホール側とでトラブルが発生しないようにすることを目的として、停電からの復帰時に、払出し制御手段が主制御手段よりも先に起動して払出し制御が開始された場合、初期化スイッチが操作されていないため、払出し動作復帰処理が実行され、その後、主制御手段から払出し再開コマンドを受信するまで、払出し動作を停止して、払出し再開可能な状態で待機する遊技機が開示されている。
そして、この遊技機では、後から起動した主制御手段は補給切れ検出スイッチや満杯検出スイッチからの検出スイッチに基づいて払出しに関するエラーを検出しない場合に、主制御手段から払出し再開コマンドが送信されてくるので、払出し制御手段はその払出し再開コマンド受信を切掛けに払出し動作を再開する構成となっている。
この従来技術では、主制御手段を、払出し制御手段よりも遅延させて起動させるために、主制御手段(主制御基板39)に遅延回路90を設けて、リセット信号発生手段77からのリセット信号が、払出し制御手段(払出し制御基板46)に到達するよりも時間tだけ遅延して主制御手段に到達するように構成している(従来技術文献の段落[0051]〜[0053]、図21、図23参照)。
このため、従来技術の遊技機では、遅延回路90などのハードウェアが必要であるため、コストが高くなってしまうという問題があり、また、遅延回路90はハードウェアで構成されているため、遅延の時間値をプログラムで変更できないという問題もあった。
この場合、遅延回路90に相当する機能を、主制御手段(主制御基板39)に設けたCPUを用いてソフトウェアによって実現すれば、コスト面での課題が解決する。
しかし、CPUを用いて遅延時間を計時するためには、主制御手段(主制御基板39)のバックアップ用メモリ39bを用いなければならず、この場合、主制御手段が起動後にバックアップ用メモリ39bの正当性を確認して、バックアップ用メモリ39bが使用可能な状態になってから遅延時間を計時するので、遊技機全体の起動が遅れてしまうという課題があった。
これに対して、本実施形態では、ソフトウェアによって遊技制御装置の起動を従属制御装置の起動よりも遅延させることによってコストダウンを図りつつも、遊技機全体の起動が遅延してしまうことを防止する遊技機を提供することも目的としているので、従来技術のような遊技機の課題を解決する場合でも適用が可能である。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、複数の識別情報を変動表示して変動表示ゲームを実施可能な変動表示装置と、該変動表示装置を制御可能な制御手段と、を備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
1 パチンコ遊技機
3 前面枠
5 遊技盤
6 遊技領域
8 透明部材保持枠
9 透明部材
11 上皿ユニット
12 下皿ユニット
14 発射操作ユニット
20 カードユニット
27 遊技盤本体
28 サイドケース
32 包囲枠体
33 表示装置
33a 表示部
36 第1始動入賞口
37 第2始動入賞口
38 大入賞口
39 一般入賞口
41 普図始動ゲート
44 アウト口
50 検出空間
52 送風演出ユニット
54 ユニットケース
55 空気取入口
56 送風口
58 ヒータ
59 回転羽根
60 送風モータ
61 送風装置
64 風向可変機構
66 羽板
67 連結ロッド
68 風向可変ソレノイド
70 非接触検出部
75 演出制御装置
80 遊技制御装置

Claims (1)

  1. 遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、
    前記遊技制御装置からの指令に対応して遊技に関わる演出の制御を行う演出制御装置と、を備えた遊技機において、
    前記遊技制御装置は、
    前記演出制御装置に送信する制御指令データを格納する格納手段と、
    前記格納された制御指令データを前記演出制御装置に送信する送信手段と、
    所定の起動信号に対応して前記送信手段を初期状態にする初期化手段と、
    遊技制御プログラムにより所要の演算処理を行う演算処理手段と、
    前記演算処理手段によって更新される情報が記憶される記憶手段と、
    前記起動信号の発生後に、前記記憶手段に記憶された情報の正当性を判定する正当性判定手段と、
    前記送信手段を前記初期状態のまま所定時間維持するための維持タイマを計時するタイマ計時手段と、を備え、
    前記演出制御装置は、前記維持タイマの計時が終了する前に前記送信手段からの制御指令データを受信可能な指令受信可能状態となり、
    前記タイマ計時手段は、第1の記憶領域を用いて前記維持タイマを計時し、
    前記遊技制御装置は、前記維持タイマの計時が終了すると、第2の記憶領域を用いて、第3の記憶領域に、前記遊技に必要な初期データを設定し、
    前記第1の記憶領域、前記第2の記憶領域、前記第3の記憶領域は、前記正当性判定手段による正当性の判定の対象とならない領域であることを特徴とする遊技機。
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