JP2007536484A - 空気バネ - Google Patents

Abstract

本発明は、調整可能な絞り装置（１３）を介して空気バネ室（１，２，３）間の通過断面を変更することができる空気バネに関する。

Description

本発明は、可変の容積を有する第１の空気バネ室と第２の空気バネ室とを有し、これら空気バネ室が、互いに反対に拡大及び縮小され、その間に接続通路が形成され、この接続通路を介して、圧縮された空気が、縮小された空気バネ室から拡大された空気バネ室へと移送される空気バネに関する。

特許文献１から、反対に作用する２つのエアチャンバが接続ラインを介して互いに連結されている少なくとも１つの２重に作用するピストン／シリンダ装置を有する機械的な調整装置を備えた自転車が公知である。この接続ラインに、開放状態でエアチャンバ間の圧力バランスを可能にする遮断弁が配設されている。遮断弁が閉じている場合、ピストンロッドは固定されるので、調整可能な自転車部品、即ち後輪スイングアーム又は前輪フォークは、所望の位置に固定される。

特許文献２から、加えられるパルスに依存して作動油用の可変式の通過断面を解放する慣性弁を備えるショックアブソーバが公知である。
独国特許出願公開第１００ ２５ ９０１号明細書 米国特許第６，５８１，９４８（Ｂ２）号明細書

公知の従来技術から出発して、本発明の基本にある課題は、ユーザの要求に簡単に適合させることができる空気バネを提供することにある。

本発明によれば、この課題は、この種の空気バネにおいては、空気バネのバネ特性及び減衰特性を変更可能にすることができるように、通過に関して調整可能である絞り装置が、接続通路内に配設されていることによって解決される。

最大の減衰を提供することができるように、本発明の発展構成では、絞り装置が、遮断可能に形成されているので、いかなる空気も、一方の空気バネ室から他方の空気バネ室に流れることができない。自転車に空気バネを使用した場合、例えば登坂走行時に、ストラットがペダルを踏むことによってシャーシ内に導入される力により過度に縮むことが防止される。

変化する環境条件に迅速に調整することができるように、絞り装置は、外側から容易に接近可能に空気バネに配設されている操作装置と連結されており、この操作装置を介して、通過量もしくは流動容積は調整することができる。操作装置は、例えば、相応の位置に係止可能である回転ホイール又はレバーとして形成することができるので、所望の接続通路のための流動断面に調整される。例えば、流動断面を低減するため、絞り装置は、接続通路内にねじ込むことができる。

本発明の発展構成では、操作装置に、絞り装置を所定の位置に固定する係止要素が配設又は付設されているので、段階的にバネ特性及び減衰特性は変更される。

本発明の一実施形では、係止要素が、互いに捩れ可能なリンクディスクに形成されており、一方のリンクディスクが、接続通路に付設されている。このリンクディスクは、空気バネが運動する際の圧縮された空気によって第２のリンクディスクの方向に力を負荷されるので、空気バネ内に存在する空気は、リンクディスクを互いに押圧するバネとして作用する。リンクディスク自体に、係止要素、例えば歯切り部が形成されている。絞り装置を操作するため、リンクディスクは、空気圧とは反対にリンクディスクに圧力が加えられることによって互いに分離されなければならない。操作装置の解除により、リンクディスクは互いに係止し合い、接続通路の流動断面を確定する。

有利なことに、絞り装置に、接続通路の内外に案内可能である少なくとも１つの通し穴が形成されている。従って、絞り装置を捩ることにより、通し穴の異なった大きさの部分を接続通路で覆うことが可能であるので、通し穴を単純に捩ることにより通過断面の適合が可能である。

ほぼ無段階の捩りに対して選択的に、特に異なった穴径を備える複数の通し穴が設けられており、その結果、接続通路と接続している通し穴を相応に選択することにより、空気バネの弾性特性及び減衰特性は変更することができる。

本発明の一変形例として、絞り装置を整列した穴として形成する代わりに、絞り装置は、ニードル弁として、特に無段階に調整可能なニードル弁として形成されている。

空気バネの有利な形態では、第１の空気バネ室内に、移動可能なピストンロッドが配設されており、このピストンロッドが、第２の空気バネ室内に突出し、第２の空気バネ室に付設されたピストンロッドの端部に配設されているフリーピストンを備える。フリーピストンは、第２の空気バネ室の終了部を構成し、絞り装置は、空気バネ室間の接続通路と同様に、ピストンロッド内に配設されている。このように、空気バネのコンパクトな形成が得られる。

本発明の一変形例では、第１の空気バネ室に応じて拡大又は縮小される、即ち第１の空気バネ室と同じ作用をするように作動する第３の空気バネ室が設けられている。第３の空気バネ室と第１の空気バネ室間に、同様に接続通路が設けられており、この接続通路は、同時に第１の空気バネ室と第２の空気バネ室間の接続通路としても使用することができ、この場合、絞り装置が、第１の空気バネ室と第３の空気バネ室間の接続部内に配設されており、これにより、第１の空気バネ室と第３の空気バネ室間に流動接続部が形成され、適合するように変更することができる。

以下で、添付図を基にして本発明の実施例を詳細に説明する。

図１には、横断面図で３つの空気バネ室１，２，３を備える空気バネが部分的に図示されている。第１の空気バネ室１は、その終端面がシールされるように固定されているエアベローズ１７によって構成されている。第２の空気バネ室２及び第３の空気バネ室３は、ハウジング１５内に構成されており、このハウジングは、フリーピストン１６によって分割されている。フリーピストン１６は、移動可能に支承されたピストンロッド７に配設されている。空気バネが縮んだ時にピストンロッド７が第３の空気バネ室３の方向に移動された場合、第１の空気バネ室１と第３の空気バネ室３が縮小するのに対し、第２の空気バネ室２は拡大される。相応に、空気バネ室１，２，３内に含まれた空気又はそこに存在するガスは、圧縮もしくは減圧される。

フリーピストン１６には、第３の空気バネ室の空気を圧縮する場合にこの空気バネ室から第２の空気バネ室２への空気の限定的なオーバーフロー及びその逆を可能にする２つの絞り４，５が配設されている。伸びる場合、フリーピストン１６及びピストンロッドは、図で下に向かって移動するので、第２の空気バネ室２が縮小され、そこに存在する空気が圧縮される。絞り５を介して、空気バネ室２から空気バネ室３への空気の限定的なオーバーフローが可能にされる。中空のピストンロッド、開放したフリーピストン１６、並びにピストンロッド７に配設された穴６による空気バネ室３との開放した接続に基づいて、第３の空気バネ室３から第１の空気バネ室１への空気のオーバーフローが可能である。フリーピストン１６に配設された絞り４，５は、その通過断面に関して固定的に調整されており、通常は、完成した空気バネを解体及び分解せずに、外側から接近可能でない。

弾性特性及び減衰特性がそれぞれの環境条件又はユーザ要求に適合させることができるように、手動又はモータ、特に電動モータで操作可能なガスバネダンパユニット用の調整能力を提供するため、絞り装置１３が設けられており、この絞り装置は、第２の空気バネ室２と第１の空気バネ室１間の接続通路１４内に配設されている。図示した実施例で、絞り装置１３は、センタ穴１８から半径方向に分岐する複数の通し穴８，８’が配設されている絞りボルトから成る。絞りボルト１３は、エアベローズ１７も固定されているハウジング１５の一部分に回転可能に支承されている。絞りボルト１３は、ハウジング１５の横から出るように案内されており、外に案内された終端部に、ハンドホイール又はノブの形態の操作装置１２を備えている。操作装置１２を介して、絞りボルト１３は回転させることができるので、異なった穴８，８’は、穴として形成されている接続通路１４に対して整列するように整向させることができる。異なった穴径を有する穴８，８’を整向することによる通過断面の段階的な変更以外に、穴８，８’を部分的に接続通路１４で覆うことも可能であるので、接続通路１４と穴８，８’のオーバーラップ角を変更することにより通過断面の連続的な変更を実現することができる。

絞りボルト１３に、圧力接続部１１が設けられており、この圧力接続部を介して、空気バネは、圧力レベルを全体的に上昇させるために、圧縮空気を供給することができる。

従って、絞りボルト１３は、第１の空気バネ室１と第２の空気バネ室２間に配設されているバイパス絞りを構成する。絞り装置１３を捩ることにより、通過断面をガスバネユーザの要求に適合させるため、絞り穴８，８’の異なった直径は、接続通路１４で覆うことができる。第１の空気バネ室１と第２の空気バネ室２間のバイパスの遮断に基づいて高い減衰を生じさせるため、同様に、絞りボルト１３を捩ることによって接続通路１４を完全に閉じることが可能である。その場合、空気バネ室２から空気バネ室１への圧縮された空気のオーバーフローは、今や絞り５、ピストンロッド７及び穴６を介して可能である。

絞り装置１３の捩り角の正確な調整を可能にするため、２つのリンクディスク９及び１０が設けられており、この場合、内側のリンクディスク９は、捩れないように絞りボルト１３と結合されている。外側のリンクディスク１０は、捩れないようにハウジング１５と結合されており、このリンクディスクは、絞りボルト１３を捩るため、バネとして作用する空気バネ内に存在する空気圧とは反対に絞りボルト１３を軸方向に内に向かって押し込む必要のために寄与する。リンクディスク９，１０には係合要素が形成されており、これら係合要素は、絞りボルト１３の所定の角度位置でのみ、特に穴８，８’が接続通路１４で覆われるか、接続通路１４が完全に閉じた場合にのみ係合する。

本発明の選択的な形成は、図２に図示されており、この図２には、横断面図で、同様に３つの空気バネ室１，２，３を有する空気バネもしくはガスバネダンパユニットが示されている。ここでも、フリーピストン１６は、ハウジング１５内に案内され、中空のピストンロッド７に配設されており、このピストンロッド内には、空気バネ室１，３を互いに接続するため、穴６が形成されている。第１の空気バネ室１と第２の空気バネ室２間で圧縮された空気を制御しつつオーバーフローさせるための絞り４，５は、図２による実施形ではハウジング１５に配設されている。中空のピストンロッド７の接続通路１４内に、絞り装置１３が配設されており、この絞り装置は、操作装置１２、例えばレバーを介して回転可能に操作することができる。絞り装置１３は、図２ａ及び２ｂにおいて上の図で平面図で示されている異なった穴８，８’を備える。これらの穴８，８’は、フリーピストン１６に形成されている穴４１又は絞り箇所４１で完全又は部分的に覆うことができ、従って、第２の空気バネ室２と第３の空気バネ室３間の接続を形成する。

絞り装置１３のシャフト１３’は、図２ａ〜２ｄの下の図に示されており、平坦部を備えている本質的に円形の横断面を備え、この場合、横断面は、ピストンロッド７の穴６が選択的に閉鎖又は開放されるように形成されている。操作装置１２を介して絞り装置１３を捩ることにより、空気バネ室１，２，３間に異なった接続を形成し、従ってシステム全体のバネ剛性を異なった大きさに調整することが可能である。図２ａには、絞り又は穴４１も穴６も閉じている第１の位置が示されている。第１の空気バネ室１と第３の空気バネ室３間の空気交換は行なわれず、ハウジング１５内に配設された絞り１４を介してのみ圧力バランスが行なわれる。

図２ｂでは、ピストンロッド７内の穴６が閉じており、穴８と絞り４１の完全な重なりに基づいて、第２の空気バネ室２と第３の空気バネ室３間の接続が形成されており、これは、軽減された減衰と柔らかいバネ特性とを結果として伴う。図２ｃには、最小のダンパ作用による調整が示されており、この場合、第２の空気バネ室と第３の空気バネ室間の接続は、穴４１及び穴８’を介して可能であり、同時に、開放した穴６を介して第１の空気バネ室１と第３の空気バネ室３間の交換を行なうことができる。

図２ｄは、接続通路１４とピストンロッド７内の開放した穴６を介する第１の空気バネ室１と第３の空気バネ室３間の開放した接続を示す。絞り装置１３を介する第２の空気バネ室２と他の両方の空気バネ室１，３間の接続は、遮断されている。

空気圧の絞り装置１３は、図示した実施形では、空気バネ室１，２，３の４つの位置及び接続を形成又は遮断することができる。全ての絞り４，５，４１の閉鎖は、システム全体のバネ剛性を高くし、これは、意図しないバネの運動を制限する。

このようなガスバネに対する適用例は、バネを備えた自転車である。運転者の要求への適合は、異なった空気バネ室１，２，３が絞り４，５，４１，１３によって互いに分離されることによって得られる。図２によるガスバネダンパユニットも、操作装置１２、例えばレバー又はハンドホイールを介して無段階に調整することができる。空気圧の遮断機能は、バネの運動を完全に阻止することではなく、障害物が大きい場合でもまだ弾性的であり、例えば後輪の接地が、制動又は駆動力を伝達するためにさらに維持されるという利点を提供する。

空気バネの第１の実施形の一部の横断面図を示す。 本発明による空気バネの第２の実施形の横断面図を示す。 絞り装置の接続位置を示す。 絞り装置の接続位置を示す。 絞り装置の接続位置を示す。 絞り装置の接続位置を示す。

符号の説明

１ 第１の空気バネ室
２ 第２の空気バネ室
３ 第３の空気バネ室
４，５ 絞り
６ 穴
７ ピストンロッド
８，８’ 通し穴
９，１０ リンクディスク
１１ 圧力接続部
１２ 操作装置
１３ 絞り装置（絞りボルト）
１４ 接続通路
１５ ハウジング
１６ フリーピストン
１７ エアベローズ
１８ センタ穴

Claims (10)

1. 可変の容積を有する第１の空気バネ室（１）と第２の空気バネ室（２）とを有し、これら空気バネ室が、互いに反対に拡大及び縮小され、その間に接続通路（１４）が形成され、この接続通路を介して、圧縮された空気が、縮小された空気バネ室から拡大された空気バネ室へと移送される空気バネにおいて、
   接続通路（１４）内に、通過に関して調整可能である絞り装置（１３）が配設されていることを特徴とする空気バネ。
2. 絞り装置（１３）が、遮断可能に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の空気バネ。
3. 絞り装置（１３）が、外側から接近可能に空気バネに配設されている操作装置（１２）と連結されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の空気バネ。
4. 操作装置（１２）に、絞り装置（１３）を所定の位置に固定する係止要素が付設されていることを特徴とする請求項３に記載の空気バネ。
5. 係止要素が、互いに捩れ可能なリンクディスク（９，１０）に形成されており、一方のリンクディスク（９）が、接続通路（１４）に付設され、圧縮された空気によって第２のリンクディスク（１０）の方向に力を負荷されていることを特徴とする請求項４に記載の空気バネ。
6. 絞り装置（１３）に、接続通路（１４）の内外に案内可能である少なくとも１つの通し穴（８，８’）が形成されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の空気バネ。
7. 絞り装置（１３）が、回転可能に支承されており、通し穴（８，８’）が、接続通路（１４）へと旋回可能であることを特徴とする請求項６に記載の空気バネ。
8. 絞り装置が、ニードル弁として、特に無段階に調整可能なニードル弁として形成されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の空気バネ。
9. 第１の空気バネ室（１）内に、移動可能なピストンロッド（７）が配設されており、このピストンロッドが、第２の空気バネ室（２）内に突出し、第２の空気バネ室（２）に付設された端部に、フリーピストン（１６）を備え、このフリーピストンが、第２の空気バネ室（２）の終了部を構成し、絞り装置（１３）がピストンロッド（７）内に配設されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか１つに記載の空気バネ。
10. 第１の空気バネ室（１）と同方向に拡大及び縮小される第３の空気バネ室（３）が存在すること、絞り装置（１３）が、第１の空気バネ室（１）と第３の空気バネ室（３）間の接続部内に配設されていることを特徴とする請求項１〜９のいずれか１つに記載の空気バネ。

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