JP2007533559A - 包装方法 - Google Patents

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Abstract

水溶性の包装を有する物質を製造する方法を提供する。この方法は、a)水溶性の物質を変形させて容器を形成する工程;b)前記容器を、洗浄剤、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質により充填する工程;c)充填した容器に水溶性のフィルムを適用する工程;d)充填した容器をシールする工程;並びにe)充填及びシールした容器の仕上げをする工程を含んでなる。本発明の方法は、方法の途中で、充填した容器内に減圧を生じさせることを特徴とする。そのような減圧を生じさせるため、工程c)において適用した水溶性のフィルムと充填物質との間に存在する空気を、工程c)において適用した水溶性のフィルムの開口部を少なくとも部分的に通して逃がす。本発明の方法によれば、視覚的及び触覚的に向上した特性を有しながら、小さな体積を有する圧縮された適用単位を製造することができる。

Description

発明の詳細な説明
この出願は、消耗性物品(consumable good)を包装する方法を提供する。特に、この出願は、消耗性物品を水溶性の包装材料(packaging materials)にて包装する方法を開示する。本明細書に記載する方法は、例えば、洗浄用若しくは清浄化用組成物(washing or cleaning compositions)、化粧品(cosmetics)、表面処理組成物(surface treatment compositions)、薬剤(pharmaceuticals)、ボディケア用組成物(bodycare compositions)、農薬助剤(agrochemical assistants)、接着剤(adhesives)、建築材料(building materials)、染料(dyes)又は食品(foods)の群からの充填物質を包装するために好適である。
消耗性物品、例えば洗浄用若しくは清浄化用組成物は、今日では、種々の供給形態で消費者が利用することができる。その形態の範囲には、粉末及び顆粒の形態に加えて、例えば、押出され又はタブレット化された形態の組成物の濃厚化物(concentrates)も含まれる。これら濃厚化又は圧縮された固体の供給形態は、計量ユニット(unit)あたりの体積が減少することによって識別され、従って包装及び移送のコストを低下させる。特に、タブレットの形態は、簡単な適用を求める消費者の要望をより満足させる。
上述の粒状化又は圧縮した組成物の替わりに、固体又は液体の組成物であって、水溶性の又は水分散性のエンベロープ(envelope)を有するものが、近年公表されている。タブレットと同様に、これらの組成物は、水溶性のエンベロープと共に適用することができるため、簡単な適用(simplified dosage)という特徴を提供するが、これらの組成物は同時に、圧縮した形態の充填物質と対比して、より良好な溶解性及びより迅速な活性を特徴とする液状又は粉体状組成物の処方(又は製剤設計)を可能とする。
これら水溶性の包装材料の空間的形状及び製造のために、当業者は種々の一連の方法を適用することができる。これらの方法には、ボトル−ブローイング(bottle-blowing)、射出成形及び種々の熱成形(thermoforming)プロセスが含まれる。タブレット形態と対比して、これらの方法によって製造された組成物は一般に向上した溶解特性を示すが、これら組成物の計量単位あたりでの体積は、計量単位あたりでの特性について対比し得るタブレットの体積と比べて、圧縮されていないためにより大きい。しかしながら、これら組成物の適用の際に、例えば洗濯機又は機械式食器洗浄機の洗浄剤ドローア(detergent drawer)を通して洗浄用若しくは清浄化用組成物を適用すると、この増大した体積によっていくつかの問題が生じる。この増大した体積に付随して、熱成形方法によって製造した包装組成物は特に、外観的特性及び触感的特性が劣るという特徴を有する。
パウチ(pouches)は柔軟であって、寸法的に安定性を有さず、包装材料は肉眼で観察されるねじれ及び折り目を呈する。この問題点を解消するため、WO02/16206(Reckitt Benckiser)は、包装される成分がパウチをシールした後にガスを発生し、従ってパウチの内部圧力を増大させるような物質を少なくとも1種含んでなる、水溶性ので膨張させ得るベッセル(vessel)を製造する方法を開示している。そのような方法は、充填される組成物がそのようなガスを発生する少なくとも1種の物質を含む必要があり、ベッセルがダメージを受けた場合には、短時間にてそれらの有利な外観的特性及び触感的特性が損なわれるという問題点を有している。更に、それらの組成物において、計量単位あたり体積のかなりの部分が、それらガス又はガス混合物の組成物によって占められる。
従って、この出願の目的は、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の分野からの消耗性物品を、水溶性の包装材料によって包装するための方法であって、包装した組成物の体積を可能な限り小さくして製造し得る方法を提供することである。
今や、これらの目的は、水溶性のベッセルを製造する方法であって、製造プロセスの途中で水溶性のベッセル内に減圧を生じさせる方法によって達成し得ることが見出された。
本発明は、水溶性の包装を有する組成物を製造する方法であって、
a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
b)前記ベッセルに、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
d)前記充填したベッセルをシールする工程;
e)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
を含んでなり、該方法の途中において、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことによって、充填したベッセル内に減圧を生じさせることを特徴とする水溶性の包装を有する組成物を製造する方法に関する。
本出願に関して、「仕上げをする(finishing)」とは、例えば、受容室(receiving chamber)をシールすること及び/又は受容室を離隔させることを意味する。
本発明の方法において必要とされる減圧を生じさせるため、この技術分野においてその目的のために当業者に知られている種々のポンプが好適であり、特に好ましいものは、低真空(coarse vacuum)に用いることができるピストンポンプ、水封ポンプ(water-ring)、水流ポンプ(water-jet)、及び液体気体ジェットポンプ(liquid vapor-jet)等である。しかしながら、ロータリー・ベーン・ポンプ、ロータリー・ピストン・ポンプ、トロコイド(trocoid)・ポンプ、ソープション・ポンプ並びにいわゆるルーツ・ポンプ及びクライオ・ポンプ(cryopumps)を用いることもできる。高真空を達成するためには、ロータリー・ベーン・ポンプ、拡散ポンプ、ルーツ・ポンプ、ディスプレーサ・ポンプ(displacer pumps)、ターボ分子ポンプ、ソープション・ポンプ、イオン・ゲッター・ポンプ(getters)等も好ましい。
本発明の方法の好ましい態様において、この方法で生じさせる減圧は、−100〜−1013ミリバール(mbar)の範囲、好ましくは−200〜−1013ミリバールの範囲であり、より好ましくは−400〜−1013ミリバールの範囲、特に−800〜−1013ミリバールの範囲である。
本発明の方法の好ましい第1の態様例では、工程c)における充填したベッセルへの水溶性のフィルムウェブの適用の後であって、工程d)におけるシールの前に、充填したベッセル内に減圧を生じさせる。
本発明の方法の好ましいもう1つの態様例では、工程d)におけるシールの後であって、工程e)における仕上げの前に、充填したベッセル内に減圧を生じさせる。
本発明の方法では、充填したベッセルの内側、即ち工程c)において適用したフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)において適用したフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせることが好ましい。そのような特に有利な方法は、例えば、ベッセルを形成するように成形した水溶性の材料に組成物を充填した後、水溶性のフィルムウェブを適用して充填物質を被覆することによって行うことができる。充填し及び被覆したベッセルを、その後、減圧チャンバーに配置する。減圧チャンバーに減圧を適用すると、適用した水溶性のフィルムウェブに存在するオリフィスのために、充填したベッセル内、即ち、工程c)において適用したフィルムウェブの下側と、充填したベッセルの外側、即ち、工程c)において適用したフィルムウェブの上側の両方で、減圧が生じる。これは、適用された減圧によって、工程c)において適用したフィルムウェブの下側に存在する空気がそれらオリフィスを通り、工程c)において適用したフィルムウェブの上側の空間へ通過し、更に減圧チャンバーから排出されるためである。その後の方法の工程において、特に、空気が工程c)において適用したフィルムウェブのオリフィスを通ってベッセルの中へ通過することができないように、ベッセル全体を封入すべく、工程c)において適用したフィルムウェブを、充填したベッセルと共にシールする。その後、シールしたベッセルを減圧チャンバーから取り出すと、ベッセルの外側から作用する大気圧が、ベッセルの外側壁部、特に工程c)において適用したフィルムウェブが充填物質に密に接するような作用を果たす。
本発明は、更に好ましくは、
a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
b)前記ベッセルに、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
d)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
e)前記充填したベッセルをシールする工程;
f)前記減圧チャンバー内の減圧を解除する工程;
g)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
を含んでなり、工程d)で減圧を生じさせることによって、充填したベッセル内、即ち工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせること、並びに、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことを特徴とする方法を提供する。
この発明の方法の特に好ましい態様例によれば、小さい体積であって、コンパクトで寸法安定性を有する部分包装(portion packages)を製造することが可能となる。工程e)におけるベッセルのシール(sealing)は、ベッセルの全体を完全に(又は十分に)シールする(又は封止する)ことが好ましい。シールは、種々の方法によって実施することができる。ヒート・シールプロセス(heat-sealing processes)は特に好ましい。シールでは、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを、シールプロセスにてシールすること、即ち溶融させこと、又はシール・シーム(seal seam)によってベッセルの内部から離隔させることが特に好ましい。後者の場合、シール後において、オリフィスはシール・シームの外側に位置しており、例えば、仕上げ工程において、包囲するフィルム材料と共に取り除くことができる。
上述した方法の好ましい態様例では、ベッセルの一部だけを工程b)において充填する。この点に関して、充填後のベッセルの充填レベルは、10〜95容量%、好ましくは20〜90容量%、特に40〜80容量%の範囲であることが好ましい。工程f)において減圧を解除した後、大気圧の作用によって、水溶性のフィルムウェブはベッセルに押し付けられ、充填物質に密に接する。このようにして、ベッセル内において、ベッセルの底部領域に第1の分離された受容室(又は受容部)を形成し、その上側に、工程b)において充填されない、工程a)からの水溶性のベッセルの残りの体積部分を残して、更なる充填操作でそこへ第2の充填物質を導入することができる。その後、シールフィルムによって第2の充填物質を被覆及びシールする。得られる生成物は、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブによって互いに分離された2つのチャンバーが形成されるという二フェーズ(2-phase)の外観の特徴を有する。第2の充填物質によって工程a)で形成した水溶性のベッセルの一部のみを充填し、上述のようなプロセスによって減圧チャンバー内で第2のシールを行うと、本発明の方法によって、三つの独立した受容室を有し、三フェーズ(3-phase)の外観を有するコンパクトな洗浄用若しくは清浄化用組成物を製造することができる。従って、本出願は、
a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
b)前記ベッセルに部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
d)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
e)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
f)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室と、該第1の受容室の上側に位置する充填されていない第2の受容室であって、工程a)において形成されたベッセルの充填されていない残部体積に実質的に対応する第2の受容室とを形成する工程;
g)前記残部体積を少なくとも部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質で充填する工程;
h)場合により、前記少なくとも部分的に充填されたベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
i)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
を含んでなり、工程d)で減圧を生じさせることによって、充填したベッセル内、即ち工程c)において適用したフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)において適用したフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせること、並びに、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことを特徴とする方法を提供する。
本発明の生成物は、水溶性の材料によって全体が包囲されていない充填された凹部(filled depression)と独立した受容室とを有するコンパクトで分割された洗浄用若しくは清浄化用組成物の部分を有する。水溶性のフィルムウェブが工程h)において適用された場合、本発明の生成物は、2つの独立した受容室を有するコンパクトで分割された洗浄用若しくは清浄化用組成物の部分を有する。
本発明の方法の好ましい態様では、工程h)の後であって仕上げの前に、工程d)〜f)を繰り返して行い、好ましくは工程d)〜g)を繰り返して行い、特に工程d)〜h)を繰り返して行う。換言すれば、本出願の方法は、特に好ましい態様において、
a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
b)前記ベッセルに部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
d)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
e)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
f)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室と、該第1の受容室の上側に位置する充填されていない第2の受容室であって、工程a)において形成されたベッセルの充填されていない残部体積に実質的に対応する第2の受容室とを形成する工程;
g)前記残部体積を、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質で充填する工程;
h)前記少なくとも部分的に充填されたベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
i)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
j)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
k)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室と、該第1の受容室の上側に位置する独立した充填されていない第2の受容室とを形成する工程;
i)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
を含んでなり、工程d)及びi)で減圧を生じさせることによって、充填したベッセル内、即ち工程c)又は工程h)において適用したフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)又は工程h)において適用したフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせること、並びに、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)又は工程h)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことを特徴とする方法を提供する。本発明の方法の生成物は、2つの独立した受容室を有するコンパクトで分割された洗浄用若しくは清浄化用組成物の部分を有する。
本出願は、更に好ましくは、
a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
b)前記ベッセルに部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
d)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
e)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
f)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室と、該第1の受容室の上側に位置する充填された第2の受容室であって、工程a)において形成されたベッセルの充填されていない残部体積に実質的に対応する第2の受容室とを形成する工程;
g)前記残部体積を少なくとも部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質で充填する工程;
h)前記少なくとも部分的に充填されたベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
i)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
j)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
k)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室、該第1の受容室の上側に位置する独立した充填されている第2の受容室、及び該充填されている第2の受容室の上側に位置する充填されていない第3の受容室であって、工程a)において形成されたベッセルの充填されていない残部体積に実質的に対応する受容室を形成する工程;
l)前記残部体積を少なくとも部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質で充填する工程;
m)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
を含んでなり、工程d)及びi)で減圧を生じさせることによって、充填したベッセル内、即ち工程c)又は工程h)において適用したフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)又は工程h)において適用したフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせること、並びに、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)又は工程h)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことを特徴とする方法を提供する。本発明の方法の生成物は、2つの独立した受容室を有するコンパクトで分割された洗浄用若しくは清浄化用組成物の部分を有しており、凹部の充填物質は全体を水溶性の材料によって包囲されてはいない。
最後に、本出願は、更に好ましい態様において、
a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
b)前記ベッセルに部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
d)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
e)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
f)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室と、該第1の受容室の上側に位置する充填された第2の受容室であって、工程a)において形成されたベッセルの充填されていない残部体積に実質的に対応する第2の受容室とを形成する工程;
g)前記残部体積を少なくとも部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質で充填する工程;
h)前記少なくとも部分的に充填されたベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
i)前記フィルムウェブによって被覆されたベッセルを減圧チャンバー内に配置し、該減圧チャンバー内に減圧を生じさせる工程;
j)前記部分的に充填したベッセルをシールする工程;
k)前記減圧チャンバー内の減圧を解除して、独立した充填されている第1の受容室、該第1の受容室の上側に位置する独立した充填されている第2の受容室、及び該充填されている第2の受容室の上側に位置する充填されていない第3の受容室であって、工程a)において形成されたベッセルの充填されていない残部体積に実質的に対応する受容室を形成する工程;
l)前記残部体積を少なくとも部分的に、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質で充填する工程;
m)少なくとも部分的に充填されたベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
n)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
を含んでなり、工程d)及びi)で減圧を生じさせることによって、充填したベッセル内、即ち工程c)又は工程h)において適用したフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)又は工程h)において適用したフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせること、並びに、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)又は工程h)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことを特徴とする方法を提供する。本発明の方法の生成物は、3つの独立した受容室を有するコンパクトで分割された洗浄用若しくは清浄化用組成物の部分を有している。本発明の方法の生成物は、3つの独立した受容室を有し、圧縮され、分割された洗浄用若しくは清浄化用組成物の部分を有する。
本発明の上述の方法及びその有利な態様例において、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブと充填物質との間に存在する空気の全部を、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを通して逃がすことが特に好ましい。
上述の方法において、工程a)において形成したベッセルを減圧チャンバーの中に配置した後に、水溶性のフィルムウェブと充填物質との間に減圧を生じさせる結果として、それらベッセルが潰れたりすることを防止するために、それらベッセルの空間的形状を安定化させることも特に好ましい。このことは、工程a)において形成したベッセルが800μm以下、好ましくは600μm以下、より好ましくは400μm以下、特に200μm以下の壁部厚みを有するような方法について、特に妥当である。これらの条件は、例えば、工程a)における水溶性の材料の成形を、水溶性のフィルムウェブの熱成形によって行う場合に、本発明の方法に当てはまる。これらの方法において、減圧チャンバー内で生じさせた減圧の作用の間、支持モールド(又は支持金型(support モールド))によって下側からベッセルを保持(又は支持)することが特に好ましい。支持モールドとして、ベッセルの熱成形に用いられる熱成形モールド又はそれらのモールドに匹敵するモールド又はそれらのモールドと同等のモールドを使用することは特に好ましい。特に、ベッセルと支持モールドとの間において第2の減圧を生じさせて、減圧チャンバー内でベッセルを安定化させることも好ましい。この第2の減圧は、−100〜−1013ミリバール(mbar)の範囲、好ましくは−200〜−1013ミリバールの範囲、より好ましくは−400〜−1013ミリバールの範囲、特に−800〜−1013ミリバールの範囲であることが好ましい。ベッセルと支持モールドとの間に生じさせたこの第2の減圧は、減圧チャンバー内で生じさせた減圧と比べて、減圧の程度がより大きいことが特に好ましい。
本発明の方法の工程a)における水溶性の材料の成形は、射出成形(injection molding)又は鋳造(casting)又は熱成形(thermoforming)によって行うことが好ましい。
「射出成形」とは、1以上の射出成形操作のための材料シリンダ内に存在する材料を、熱の作用下で可塑化的に(plastically)軟化させ、予め閉じられているモールド(金型)のキャビティの中へ加圧しながらノズルを通して流出させて成形材料の成形を行うことを意味する。この方法は、冷却によって金型内で固化する非硬化性(noncurable)の成形材料である場合に主として採用される。射出成形は、切断等を伴うことなく成形された物品を製造するために、今日の非常に経済的で発展性がある方法であって、自動化された大量生産に特に好適である。工業的操作において、熱可塑性成形材料(特に、粉体、粒状物、キューブ状物、ペースト状物)を(180℃まで)加熱して液状化させ、2部材の金型、即ち(従来は雌型部として知られていた)ダイと(従来は雄型部として知られていた)コアとからなる閉じた金型、好ましくは水冷中空金型(water-cooled hollow molds)の中に、(140MPaまでの)高圧にて注入し、そこで冷却されて固化させる。ピストン及びスクリュー式射出成形装置を用いることもできる。
「熱成形」とは、圧力の作用によりフィルム状材料を成形して、凹部又は受容室を形成する方法を意味する。圧力の作用は、例えば、プランジャーの動作により、圧縮空気の作用により及び/又は減圧の作用により適用される。圧力の作用は、互いに雄型(positive)及び雌型(negative)として作用する金型の2つの部分(又はパート)によって適用され、これらの金型の部分が一体に加圧されると、これらの金型の部分の間に配置されたフィルムを成形する。尤も、もう1つの好適な圧縮力は、フィルムの上側に配置される活性物質の固有の重量(intrinsic weight)である。得られる凹部又は受容室の最終的な3次元的形状を規定し、及び規定された3次元的形状の再現性のある製造を可能とする、金型内での成形を適用することが好ましい。本出願に関して、熱成形モールドの凹部の中に入れたフィルム材料を、減圧の作用によって成形する方法が特に好ましい。熱成形後、熱成形したフィルム材料は、減圧を用いる熱成形操作によって達成された3次元的形状に固定されることが好ましい。必要とされる減圧を生じさせるために好適なポンプには、この技術分野においてこれらの用途のために当業者に知られている種々のポンプが好適であって、特に好ましいものは、低真空(coarse vacuum)に用いることができるピストンポンプ、水封ポンプ、水流ポンプ、及び液体気体ジェットポンプ等である。しかしながら、ロータリー・ベーン・ポンプ、ロータリー・ピストン・ポンプ、トロコイド・ポンプ、ソープション・ポンプ並びにいわゆるルーツ・ポンプ及びクライオ・ポンプを用いることもできる。高真空を達成するためには、ロータリー・ベーン・ポンプ、拡散ポンプ、ルーツ・ポンプ、ディスプレーサ・ポンプ(displacer pumps)、ターボ分子ポンプ、ソープション・ポンプ、イオン・ゲッター・ポンプ(getters)等が特に好適である。
使用するフィルム材料は、熱成形の間又はその前に予め処理する(予備的処理をする)ことができる。そのような予備的処理には、例えば、周囲条件と対比して変化させた相対的大気中湿度によるフィルム材料のコンディショニング(conditioning)及び/又は溶媒及び/又は熱の影響が含まれる。フィルム材料を熱の影響によって予備的処理をする場合、材料を60°C以上、好ましくは80°C以上、より好ましくは100〜120°Cの範囲、特に105〜115°Cの範囲の温度に、5秒まで、好ましくは0.001〜4秒の間、より好ましくは0.01〜3秒の間、及び特に0.02〜2秒の間で加熱することが好ましい。この熱を除去するため、使用した金型及びそれら金型中に存在する受容凹部を冷却することが好ましい。冷却は、20℃以下の温度、好ましくは15℃以下の温度、より好ましくは2〜14℃の範囲の温度、特に4〜12℃の範囲の温度で行うことが好ましい。冷却のために特に好適なものは、金型内の特定の冷却ライン内を循環する冷却液体、好ましくは水である。
本発明の方法の工程a)及び/又はc)において用いる水溶性の材料は、水溶性のポリマーを含んでなることが好ましい。一部又は全体が、ポリビニルアルコール又はセルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチル−セルロース(HPMC)からなるフィルム材料が、特に好ましい。
「ポリビニルアルコール」は、PVAL又は場合によってはPVOHとも表記され、一般式:
Figure 2007533559
で示され、式:
Figure 2007533559
で示されるパターンの小さなフラクションの構成単位をも含み得る。
市販のポリビニルアルコールは、約100〜2500の範囲の重合度(約4000〜100000g/molのモル質量)、98〜99又は87〜89モル%の加水分解度(degrees of hydrolysis)を有し、従って残部はアセチル基を有しており、白色〜黄色の粉末ないし粒状物として供給されている。
ポリビニルアルコールは、出発ポリマーの重合後、加水分解度、加水分解価(又はケン化価(degree of hydrolysis))、水酸基価(hydrolysis number)又は溶液粘度等を特定することによって、製造業者によって特徴付けられる。
加水分解の程度に依存するが、ポリビニルアルコールは、水及び数種類の極性有機溶媒(例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド)に溶解し、(塩素化された)炭化水素化合物、エステル、油脂類の影響(又は攻撃)を受けにくい。ポリビニルアルコールは、毒性学的に安全なものに分類されており、少なくとも部分的に生分解性を有する。水溶性は、アルデヒドによる後処理(アセタール化)によって、ニッケル若しくは銅塩による錯体化によって、又は重クロム酸塩、ホウ酸塩若しくはホウ砂による処理によって低減させることができる。ポリビニルアルコールによって形成した被覆は、ガス、例えば酸素、窒素、ヘリウム、水素、二酸化炭素などに対してほとんど不透過性(impenetratable)であるが、水蒸気は透過させることができる。
本発明に関して、加水分解度が70〜100モル%、好ましくは80〜90モル%、より好ましくは81〜89モル%、特に82〜88モル%であるポリビニルアルコールを、少なくとも部分的に含む被覆材料又は包装材料を用いることが好ましい。
好ましい態様において、使用するフィルム材料は、加水分解度が70〜100モル%、好ましくは80〜90モル%、より好ましくは81〜89モル%、特に82〜88モル%であるポリビニルアルコールを、少なくとも20重量%の程度まで、より好ましくは少なくとも40重量%の程度まで、更に好ましくは少なくとも60重量%の程度まで、特に少なくとも80重量%の程度まで含む。好ましい態様では、使用するフィルム材料の全体が、加水分解度が70〜100モル%、好ましくは80〜90モル%、より好ましくは81〜89モル%、特に82〜88モル%であるポリビニルアルコールを、少なくとも20重量%の程度まで、より好ましくは少なくとも40重量%の程度まで、更に好ましくは少なくとも60重量%の程度まで、特に少なくとも80重量%の程度まで含んでなる。
使用するフィルム材料は、特定の範囲の分子量を有するポリビニルアルコールであることが好ましく、本発明では、10000〜100000gmol−1、好ましくは11000〜90000gmol−1、より好ましくは12000〜80000gmol−1、特に13000〜70000gmol−1の範囲の分子量を有するポリビニルアルコールを含むフィルム材料が好ましい。
そのような好ましいポリビニルアルコールの重合度は、約200〜約2100、好ましくは約220〜約1890、より好ましくは約240〜約1680、特に約260〜約1500の範囲であることが好ましい。本発明では、平均重合度が、80〜700の範囲、好ましくは150〜400の範囲、より好ましくは180〜300の範囲であり、及び/又は分子量MG(50%)の分子量MG(90%)に対する分子量比(molecular weight ratio)が0.3〜1の範囲、好ましくは0.4〜0.8の範囲及び特に0.45〜0.6の範囲であるようなポリビニルアルコール及び/又はPVALコポリマーを含むフィルム材料が好ましい。
上述のポリビニルアルコールは広く市販されており、例えば、Mowiol(登録商標)(Clariant)というトレードネームで市販されている。本発明に特に好適なポリビニルアルコールの例は、Mowiol(登録商標)383、Mowiol(登録商標)488、Mowiol(登録商標)588 and Mowiol(登録商標)888及びL648、L734、Mowiflex LPTC 221 ex KSE 及びTexas Polymersからの化合物、例えばVinex 2034等である。
フィルム材料として特に好適なその他のポリビニルアルコールは、以下の表から選択することができる。

Figure 2007533559
水溶性のフィルム又は水分散性のフィルムのための材料として好適なポリビニルアルコールは、ELVANOL(登録商標)51−05、52−22、50−42、85−82、75−15、T25、T66、90−50(Du Pont社の登録商標)、ALCOTEX(登録商標)72.5、78、B72、F80/40、F88/4、F88/26、F88/40、F88/47(Harlow Chemical社の登録商標)、Gohsenol(登録商標)NK05、A−300、AH−22、C−500、GH−20、GL−03、GM−14L、KA−20、KA−500、KH−20、KP−06、N−300、NH−26、NM11Q、KZ−06(Nippon Gohsei株式会社の登録商標)等であり、Wacker社からのERKOL型のものも好適である。
好ましいPVAL包装材料の含水量は、10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下、及び特に4%以下である。
PVALの水溶解性(water solubility)は、アルデヒドによる後処理(アセタール化)又はケトンによる後処理(ケタール化)によって変えることができる。この点に関して、特に好ましいポリビニルアルコールであって、格別に良好な冷水中での溶解性のために特に有利なポリビニルアルコールは、単糖類若しくは多糖類又はそれらの混合物のアルデヒド基及びケト基がそれぞれ、アセタール化又はケタール化されているものであるということが見出されている。PVALとデンプンとの反応生成物は、特に有利に用いることができる。
更に、水中溶解性は、ニッケル塩若しくは銅塩による錯体化によって、又は重クロム酸塩、ホウ酸塩若しくはホウ砂による処理によって変化させることができ、従って制御された様式にて所望の値に調節することができる。PVALのフィルムは、例えば酸素、窒素、ヘリウム、水素、二酸化炭素などのガスに対してほとんど不透過性であるが、水蒸気は透過させることができる。
好適な水溶性のPVALフィルムの例には、Syntana Handelsgesellschaft E. Harke GmbH & Co社から「SOLUBLON(登録商標)」の名称で入手することができるPVALフィルムがある。これらの水中溶解性は正確な程度で調節することができ、この製品シリーズのフィルムは、用途に適するあらゆる温度範囲で水相において可溶性なものとして得られる。
更に好ましいフィルム材料は、1.0〜2.0、好ましくは1.4〜1.9の置換度(セルロースのアンヒドログルコース単位に対するメトキシ基の平均数)、並びに0.1〜0.3、好ましくは0.15〜0.25のモル置換度(セルロースのアンヒドログルコース単位に対するヒドロキシプロポキシ基の平均数)を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むことを特徴とする。
好ましく用いられる水溶性のフィルム材料の厚みは、15〜120μmの範囲、好ましくは20〜100μmの範囲、特に25〜80μmの範囲であることが好ましい。
本発明の方法の工程c)及び上述した方法の好ましい変形態様において、水溶性のフィルムウェブの代わりに、水溶性の材料からなる予備形成した閉鎖部材(closure parts)又はプラーク(plaques)を適用することができるということも理解されたい。
本発明の方法の工程b)において、熱成形した水溶性のフィルム材料の充填を行うことができる。充填は、この技術分野において当業者に知られている静置式又は可動式の充填装置を用いて行うことができる。スループットを向上させるため、及び受容室の正確な充填を確保するため、本発明に関して、充填操作の間に受容室の移送方向へ移動することができ、その充填操作が終了した後であって、次の操作が始まる前に、その本来の位置に復帰することができる、可動式充填ステーションによって充填を行うことが好ましい。
本発明の方法及びその好適な態様例において、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質は、液状形態又は固体状形態にて導入することができる。使用する液体は、純粋な液体物質に加えて、溶液又は分散液であってもよい。化学的又は物理的プロセスにより充填後に粘度が変化する液体を移送することは特に好ましい。化学的又は物理的プロセスにより充填後に固化する移送液体は、特に好ましい。導入する固体は、この技術分野において当業者に知られているいずれかの供給形態であって、その目的に有用な供給形態で存在してよい。粉末、粒状物、押出物又は圧縮物(compactates)が特に好ましい。液体及び固体を、受容室の中へ同時に移送することもできるし、時間をずらして移送することもできるということを理解されたい。受容室の中へ、第1の工程において固化液体、好ましくはメルトを導入すること、及び次の工程において固体、好ましくは粉末、粒状物又は押出物を導入する方法が特に好ましい。この点に関して、液体の少なくとも部分的固化の後で、固体の移送を始めることが好ましい。
この明細書における上記の説明から明らかなように、本発明の方法によって受容室を1つ有する圧縮ベッセルだけでなく、受容室を2つ、3つ、4つ又はそれ以上有するベッセルを製造することが可能である。説明から明らかなように、これらの受容室が連続したプロセスにて液体又は固体によって充填されるか否かはあまり重要ではない。本発明の方法の技術的な自由度によって、本発明の方法は従来技術の方法から識別される。本発明の方法によって製造された1つの受容室、2つの受容室及び3つの受容室の生成物の可能な態様を説明するため、特に好ましい態様のいくつかを以下の表に記載する。表中、「フェーズ1(phase 1)」という用語は、本発明の方法において形成された第1の受容室(ボトムフェーズ)を意味する。
Figure 2007533559
*好ましくは、固化させたメルトである。
充填及びシールした後、充填した受容室の仕上げを行う。本発明の方法の特に好ましい態様例では、この仕上げは、例えば、受容室の分離及び/又は受容室のシールを含んでなる。
シールのために、更なる包装フィルム、好ましくは水溶性の又は水分散性フィルムを用いることが好ましい。この更なる包装フィルムは、工程a)において用いるフィルムと同じものであってもよいが、組成及び/又は厚みに関して異なるものであってもよい。本発明の方法の好ましい態様において、工程c)において用いるフィルムは、工程c)からのフィルムと同等の組成を有するが、厚みがより小さいフィルムであってよい。シールのためには、フィルムウェブを用いることが好ましい。尤も、シールの前において、シール・フィルムが成形品の凹部の寸法に対して調節された寸法を有する予め作成されたラベルの形態で存在しており、供給部から取り出されて、ラベルアプリケータによって凹部上に配置されるような方法の変形態様も好ましい。シールは、(例えば、加熱されたモールド若しくはレーザービームによる)熱成形、溶媒の作用、又は絞り若しくは圧縮力によって行うことが好ましい。シールのためには、工程c)において受容室は、受容室を形成する包装フィルムに対して更なるフィルムを接着するのではなく、更なるフィルムによって単に覆うことができる。
更なるフィルム材料とは別に、本発明の方法の工程c)において、例えば予め作成されたパウチ、即ち充填及びシールされたパウチを用いてシールを行うこともできる。そのような部分パウチは、例えば、熱成形プロセス、射出成形プロセス又はブロー成形プロセスによって製造することができる。
本発明によって製造した包装した組成物は、この技術分野において当業者に知られている種々の方法によって分離することができる。カッティング又はパンチングによって分離を行うことが好ましい。カッティングによる分離のための好適な装置の例には、静置式又は移動式ナイフがある。加熱ブレードを有するナイフを用いることが好ましい。レーザービームによる分離は、方法の更なる好ましい変形態様である。
充填した受容室の「分離(isolation)」は、充填及びシールした受容室を個別に分離すること又は受容室の2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個又はそれ以上の供給単位に分離することのいずれで行うこともできる。2個又はそれ以上の受容室を有する供給単位の場合、その供給単位には、手で操作して個々の受容室に分離することを意図した破断部(breakage sites)が設けられていることが好ましい。
シール及び分離のためには、充填の場合と同様に、静置式又は移動式のステーションを用いることができる。仕上げステーションは、可動式であって、受容室の移送方向に移動して、処理工程が終了した後に元の位置に復帰するものであることが好ましい。
本発明の方法は、連続式で又はバッチ式で行うことができる。尤も、連続式の方法が好ましい。連続式の方法は、本発明の方法の工程a)において、水溶性のフィルム材料の熱成形によって、水溶性の材料の成形を行う場合に特に好ましい。工程a)において形成したベッセルと同様に、導入するフィルム材料は、連続的に一定の速度にて移送することが好ましい。移送速度は、1〜80m/分の範囲、好ましくは10〜60m/分の範囲、特に20〜50m/分の範囲であることが好ましい。移送は、水平方向に行うことが好ましい。
本発明の方法は、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる活性物質若しくは活性物質混合物の充填に用いることができる。本発明の方法によって、洗浄用若しくは清浄化用組成物、特に洗濯用洗浄剤、食器用洗浄剤又は表面活性剤(洗浄剤)を包装することが好ましい。洗濯用洗浄剤の群には、特に、全目的用洗濯用洗浄剤、色物用洗濯用洗浄剤、繊細物(fine)洗濯用洗浄剤、繊維軟化剤、繊維保護組成物又はアイロン用助剤が含まれる。食器用洗浄剤の群には、食器洗浄機用洗剤及び食器洗浄機用濯ぎ剤、並びに手洗い用食器用洗剤が含まれる。表面活性剤(洗浄剤)には、スケール除去剤(descalers)、表面又は物体の殺菌用若しくは消毒用の組成物、及び金属若しくはガラス表面を清浄化するための組成物が含まれる。これらの組成物は、洗浄用及び清浄化用組成物のための1種又はそれ以上の更なる通例の成分(customary constituents)、好ましくはビルダー、界面活性剤、ポリマー、漂白剤、漂白活性剤、酵素、染料、香料、電解質、pH調整剤、芳香キャリヤー、蛍光剤、ヒドロトロープ剤(hydrotropes)、抑泡剤、シリコーン油、再付着防止剤(antiredeposition agents)、蛍光増白剤、グレー化防止剤、収縮防止剤、しわ防止剤、色移り防止剤、活性殺菌剤成分、殺菌剤、防かび剤、酸化防止剤、腐食防止剤、静電防止剤、アイロン用助剤、撥水剤、含浸剤、膨潤剤、増摩剤及び/又は紫外線吸収剤等の群から選ばれるものを含むことも好ましい。これらの物質については、以下に詳細に説明する。
ビルダー
この出願に関して、ビルダーは、ゼオライト、シリケート、カーボネート、有機コビルダー、及び使用する上で生態学的に問題がない場合に、ホスフェートを含む。
好適な結晶性シート状シリケートは、一般式:
NaMSi2x+1・yH
[式中、Mはナトリウム又は水素であり、Xは1.9〜4の範囲の数値であり、Yは0〜20の範囲の数値であって、好ましくはXは2、3又は4である。]で示されるシート状ナトリウムシリケートである。上式で示される好ましい結晶性シート状シリケートには、Mがナトリウムであり、Xが2又は3の数値であるものがある。β−ナトリウムジシリケート及びδ−ナトリウムジシリケート(NaSi・yHO)が特に好ましい。
NaO:SiOの係数が、1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、特に1:2〜1:2.6で示される無定形ナトリウムシリケートを用いることもでき、そのシリケートは遅延した溶解性及び二次的洗浄特性を有する。常套の無定形ナトリウムシリケートと比べて遅延した溶解性(retardation of dissolution)は、種々の方法で、例えば、表面処理、配合化、圧縮化又はオーバードライ等によって付与することができる。本発明に関して、「無定形」という用語は、「X線無定形(X-ray-amorphous)」という意味を含んでいる。このことは、X線回折の実験において、シリケートは、結晶性物質に典型的ないずれかのシャープなX線回折を示さず、せいぜい散乱X線放射の1又はそれ以上の最大値を回折角の数度単位の幅で示すということを意味する。しかしながら、電子線回折の実験において、シリケート粒子が漠然とした又はシャープなことさえある回折極大を示す場合には、特に良好なビルダー特性を示すこともあり得る。このことは、生成物が10〜数100nmの寸法の微結晶領域であって、好ましくは50nmまでの最大値、及び特に20nmまでの最大値を有する微結晶領域を有すると解釈することができる。そのようなX線無定形なシリケートは、常套の水ガラスと比べて、遅延化された溶解性を有する。圧縮化された無定形シリケート、配合化された無定形シリケート及びオーバードライされたX線無定形シリケートが特に好ましい。
本発明に関して、洗浄用若しくは清浄化用組成物中に、これらのシリケート、好ましくはアルカリ金属シリケート、より好ましくは結晶性又は無定形のアルカリ金属ジシリケートが、洗浄用若しくは清浄化用組成物の重量基準で、10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%、特に20〜40重量%の量で存在することが好ましい。
シリケートを食器洗浄機用洗剤の成分として使用する場合、その組成物は、一般式:
NaMSi2x+1・yHO (I)
[式中、Mはナトリウム又は水素であり、Xは1.9〜22の範囲の数値、好ましくは1.9〜4の数値であり、Yは0〜33の範囲の数値である。]で示されるシート状の結晶性シリケートを少なくとも1種含むことが好ましい。式NaMSi2x+1・yHOで示されるシート状結晶性シリケートは固体であって、例えば、Clariant GmbH社(ドイツ共和国)から、例えばNa−SKSのトレードネームにて、例えば、Na−SKS−1(NaSi2245・xHO、ケニヤイト(kenyaite)、Na−SKS−2(NaSi1429・xHO、マガディアイト(magadiite)、Na−SKS−3(NaSi17・xHO)、Na−SKS−4(NaSi・xHO、マカタイト(makatite))等が販売されている。
本発明の目的に特に好適なものは、式(I)において、X=2であるシート状結晶性シリケートである。これらの中で、Na−SKS−5(α−NaSi)、Na−SKS−7(β−NaSi、(natrosilite)、Na−SKS−9(NaHSi・HO)、Na−SKS−10(NaHSi・3HO、(kanemite)、Na−SKS−11(t−NaSi)及びNa−SKS−13(NaHSi)が好適であるが、特に好適なものはNa−SKS−6(δ−NaSi)である。
シリケートを食器洗浄機用洗剤の成分として使用する場合、本発明に関してその組成物は、いずれの場合にも組成物の総重量基準で、式:NaMSi2x+1・yHOで示されるシート状結晶性シリケートを、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%、特に0.4〜10重量%の割合で含有する。そのような食器洗浄機用洗剤が、7重量%以下、好ましくは6重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、特に2.5重量%以下の総シリケート含量を有する場合、そのシリケートが、存在するシリケートの総重量基準で、好ましくは少なくとも70重量%の程度まで、好ましくは少なくとも80重量%の程度まで、及び特に少なくとも90重量%の程度まで、一般式:NaMSi2x+1・yHOで示されるシリケートであることが特に好ましい。
使用する微結晶性、結合水含有合成ゼオライトは、ゼオライトA及び/又はPであることが好ましい。ゼオライトPとしては、(Crosfield社から市販されている生成物である)ゼオライトMAP(登録商標)がより好ましい。尤も、ゼオライトX、並びに、ゼオライトA、X及び/若しくはPの混合物も好適である。
また、本発明に好ましく用いることができる市販されているものには、例えば、CONDEA Augusta S.p.A社からVEGOBOND AX(登録商標)というトレードネームで市販されているゼオライトAとゼオライトXとの共結晶(約80重量%がゼオライトXである)であって、式: nNaO・(1-n)KO・Al・(2-2.5)SiO・(3.5-5.5)H
で示されるシリケートがある。このゼオライトは、ビルダーとして、粒状の配合物に、又は圧縮化すべき混合物全体の「パウダリング(powdering)」の一種に用いることができ、プレミクスチャー(又は予備混合物(premixture))に組み込むことができるいずれの方法も典型的に用いることができる。好適なゼオライトは、(Coulter Counterを用いる体積分布測定方法によって)10μm以下の平均粒子寸法を有しており、結合水を18〜22重量%、特に20〜22重量%含むことが好ましい。
ビルダー物質として、使用することが生態学的に問題がない限り、既知のホスフェートを使用することもできる。このことは、本発明の組成物を食器洗浄機用洗剤として用いる場合に特に当てはまり、本出願に関しては特に好ましい。市販のホスフェートの中で、アルカリ金属ホスフェート、特に三リン酸五ナトリウム(トリポリリン酸ナトリウム)又は三リン酸五カリウム(トリポリリン酸カリウム)は、洗浄用若しくは清浄化用製品工業において特に重要である。
アルカリ金属ホスフェートは、種々のリン酸のアルカリ金属塩(特にナトリウム塩及びカリウム塩)の総称であって、より高分子量の例に加えて、メタリン酸((HPO3)n)とオルトリン酸(H3PO4)とは区別されている。ホスフェートは種々の利点を有している。例えば、それらはアルカリキャリヤーとして作用し、機械部品へのライムスケールの付着及び布地へのライムの外被化(encrustations)を防止し、清浄化特性に追加的に寄与する。
好適なホスフェートは、例えば、リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)のジヒドレートの形態のもの(密度1.91gcm−3、融点60℃)又はモノヒドレートの形態のもの(密度2.04gcm−3)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)の無水物の形態のもの、又は2モルの水(密度2.066gcm−3、95℃で水を失う)、若しくは7モルの水(密度1.68gcm−3、融点48℃で5HOを失う)、若しくは12モルの水(密度1.52gcm−3、融点35℃で5HOを失う)を用いるものであってよいが、特に、ドデカヒドレート(dodecahydrate)として、デカヒドレート(decahydrate)(19〜20%のPに対応する)として、及び無水物(19〜20%のPに対応する)の形態で使用することができる第三リン酸ナトリウム塩(NaPO;tertially sodium phosphate)であってよい。
更に好ましいホスフェートは、リン酸三カリウム(tertiary若しくは三塩基酸リン酸カリウム(KPO))である。ピロリン酸ナトリウム((Na)、二リン酸四ナトリウム)の無水物の形態(密度2.534gcm−3、融点988℃、融点880℃の両者が報告されている)、デカヒドレート(decahydrate)(密度1.815〜1.836gcm−3、融点94℃で水を失う)、並びに対応するカリウム塩、二リン酸四カリウム(ピロリン酸カリウム(K)も好ましい。
NaHPO又はKHPOの縮合によって、より高分子量のリン酸ナトリウム又はリン酸カリウムが得られ、そのために環状の化合物、メタリン酸ナトリウム及びメタリン酸カリウムと、鎖状の化合物、ポリリン酸ナトリウム及びポリリン酸カリウムとの区別がなされる。特に後者については、溶性リン肥(fused phosphate)又は焼成リン酸(calcined phosphate)、Graham's塩、Kurrol's塩及びMaddrell's塩等の種々の名称が用いられている。より高分子量のリン酸ナトリウム及びリン酸カリウムは、まとめて縮合リン酸塩と称される。
工業的に重要な三リン酸五ナトリウム(Na10)(トリポリリン酸ナトリウム)は、非吸湿性で白色の水溶性の塩であって、一般式:NaO-[P(O)(ONa)-O]-Na[式中、n=3である。]で示され、無水物形態又は6HOにより結晶化した(六水和物)形態の化合物である。対応するカリウム塩、三リン酸五カリウム(K10)(トリポリリン酸カリウム)は、例えば、50重量%溶液(23%以上のP、25%のKO)の形態で市販されている。ポリリン酸カリウムは、洗浄及び清浄化製品工業において広い用途が見出されている。本発明において同様に用いることができるトリポリリン酸ナトリウムカリウム塩も存在する。それらは、例えば、式:
(NaPO) + 2KOH → Na10 + H
で示すように、ナトリウムトリメタホスフェートをKOHにより加水分解して得られる。
それらは、本発明において、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム又は両者の混合物と同様に用いることができ;トリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、トリポリリン酸カリウムとトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、又はトリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸カリウム及びトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物を本発明において用いることもできる。
本発明の洗浄用若しくは清浄化用組成物中の洗浄用若しくは清浄化用活性物質としてホスフェートを用いる場合、好ましい組成物は、それらのリン酸塩(ホスフェート)、好ましくはアルカリ金属リン酸塩、より好ましくは三リン酸五ナトリウム若しくは三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウム若しくはトリポリリン酸カリウム)を、それぞれの場合での洗浄用若しくは清浄化用組成物の重量基準で、15〜75重量%、特に20〜70重量%の量で含む。
トリポリリン酸カリウム及びトリポリリン酸ナトリウムを1:1、好ましくは2:1、より好ましくは5:1、更に好ましくは10:1、特に20:1の重量比で用いることが特に好ましい。他のリン酸塩を添加することなく、特にトリポリリン酸カリウムを用いることが特に好ましい。
更なるビルダーはアルカリ・キャリヤー(alkali carriers)である。アルカリ・キャリヤーには、例えば、水酸化アルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属セスキ炭酸塩、上述したアルカリ金属のケイ酸塩、アルカリ金属メタケイ酸塩及び上述の物質の混合物などが含まれ、アルカリ金属炭酸塩、特に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、又はセスキ炭酸ナトリウムを用いることが、本発明では好ましい。トリポリリン酸塩及び炭酸ナトリウムの混合物を含むビルダー系は特に好ましい。トリポリリン酸塩及び炭酸ナトリウム及びナトリウムジシリケートの混合物を含んでなるビルダー系も特に好ましい。他のビルダー物質と対比して、アルカリ金属水酸化物は、洗浄用若しくは清浄化用組成物の残りの成分との化学的相溶性(chemical compatibility)が低いため、少量で、それぞれの場合での洗浄用若しくは清浄化用組成物の総重量基準で、好ましくは10重量%以下、好ましくは6重量%以下、より好ましくは4重量%以下、及び特に2重量%以下で用いることが好ましい。それらの総重量基準で、アルカリ金属水酸化物を0.5重量%以下で含むこと、特にアルカリ金属水酸化物を含まないことも好ましい。
炭酸塩及び/又は炭酸水素塩、好ましくはアルカリ金属炭酸塩、より好ましくはナトリウム炭酸塩を、それぞれの場合での洗浄用若しくは清浄化用組成物の重量基準で、2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に7.5〜30重量%の量で含むことも特に好ましい。洗浄用若しくは清浄化用組成物の重量(即ち、包装材料を含まない生成物の組合せの総重量)基準で、20重量%以下、好ましくは17重量%以下、好ましくは13重量%以下、及び特に9重量%以下で、炭酸塩及び/又は炭酸水素塩、好ましくはアルカリ金属炭酸塩、より好ましくはナトリウム炭酸塩(炭酸ナトリウム)を含むことは、特に好ましい。
有機コビルダーには、特に、ポリカルボキシレート/ポリカルボン酸、高分子ポリカルボン酸、アスパラギン酸、ポリアセタール、デキストリン、更なる有機コビルダー(以下を参照)及びホスホネートが含まれる。これらの物質の分類は以下に記載する。
使用することができる有機ビルダー物質は、例えばナトリウム塩の形態で使用することができるポリカルボン酸であって、ポリカルボン酸とは1を越える酸官能性を有するカルボン酸のことである。これらの例には、使用する上で生態学的に問題がない場合に、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、並びに、それらの混合物がある。好ましい塩は、ポリカルボン酸、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸の塩である。
酸それ自体を使用することもできる。それらビルダーの作用に加えて、酸は酸性化する成分の特性を一般に有しており、従って、洗浄用若しくは清浄化用組成物に対して、より低い及びよりマイルドなpHをもたらす作用をも果たす。この点に関して、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸及びそれらのいずれかの混合物が特に挙げられる。
同様にビルダーとして好適なものに、高分子ポリカルボン酸がある。これらは、例えば500〜70000g/モルの範囲の相対分子量を有するポリアクリル酸又はポリメタクリル酸のアルカリ金属塩である。
本明細書に関して、高分子ポリカルボキシレートについて特定されるモル質量は、紫外線検出器を用いてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって測定される特定の酸形態の重量平均モル質量(Mw)である。測定は、調べるポリマーと同様の構造を有することによって現実の分子量値を提供する、外部ポリアクリル酸標準に対して行う。これらの値は、標準としてポリスチレンスルホン酸を用いる場合に、分子量データからかなり逸脱し得る。ポリスチレンスルホン酸に対して測定したモル質量は、一般に、本明細書において特定するモル質量よりも著しく高い値となる。
好適なポリマーは、特にポリアクリレートであって、2000〜20000g/モルの分子量を有することが好ましい。これらの群の中で、2000〜10000g/モル、より好ましくは3000〜5000g/モルのモル質量を有する短鎖ポリアクリレートは、優れた溶解性のために好ましいとされている。
コポリマーのポリカルボキシレート、特にアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、及びアクリル酸とメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーが好適である。特に好適であることが見出されているコポリマーは、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーであって、50〜90重量%のアクリル酸と50〜10重量%のマレイン酸とを含むコポリマーである。それらの相対分子量は、遊離酸基準で、一般に2000〜70000g/モル、好ましくは20000〜50000g/モル、特に30000〜40000g/モルである。
(コ)ポリマーのポリカルボキシレートは、粉末の形態又は水溶性の形態で用いることができる。洗浄用若しくは清浄化用組成物の(コ)ポリマーのポリカルボキシレート含量は、0.5〜20重量%、特に3〜10重量%であることが好ましい。
水溶性を向上させるため、ポリマーは、アリルスルホン酸、例えば、アリルオキシベンゼンスルホン酸及びメタリルベンゼンスルホン酸をモノマーとして含むこともできる。
例えばモノマーとして、マレイン酸及びアクリル酸の塩、並びに、ビニルアルコール若しくはビニルアルコール誘導体を含む組合せ、又はモノマーとして、糖誘導体及び2-アルキルアリル-スルホン酸及びアクリル酸の塩を含む組合せの2種又はそれ以上のモノマー単位の組合せを含んでなる生分解性ポリマーも特に好ましい。
更に好ましいコポリマーは、モノマーとして、アクロレイン及びアクリル酸/アクリル酸塩又はアクロレイン及びビニルアセテートを有するものである。
同様に挙げるべき更に好ましいビルダー物質は、高分子アミノジカルボン酸、それらの塩、又はそれらの前駆物質である。特に好ましいものは、ポリアスパラギン酸又はそれらの塩である。
更に好適なビルダー物質は、5〜7個の炭素原子数、及び少なくとも3個の炭素原子数を有するポリオールカルボン酸とジアルデヒドとの反応によって得られるポリアセタールである。好ましいポリアセタールは、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド及びそれらの混合物等のジアルデヒドと、グルコン酸及び/又はグルコヘプトン酸等のポリカルボン酸から得られる。
更に好適な有機ビルダー物質は、デキストリン、例えば、デンプンの部分加水分解によって得ることができる炭水化物のオリゴマー若しくはポリマーである。加水分解は、通常のプロセス、例えば酸触媒又は酵素触媒プロセスによって行うことができる。加水分解生成物は、400〜500000g/モルの範囲の平均モル分子量を有することが好ましい。0.5〜40の範囲、特に2〜30の範囲のデキストロース当量(DE)を有する多糖類が好ましい。デキストロース当量(DE)は、100のデキストロース当量を有するデキストロースと対比した場合の多糖類の還元作用(reducing action)の共通の尺度である。3〜20の範囲のDEを有するマルトデキストリンと20〜37の範囲のDEを有するドライグルコースシロップとを用いることもでき、2000〜30000g/モルの範囲の相対的に高いモル質量を有する白色デキストリン及び黄色デキストリンとして知られるデキストリンを用いることもできる。
そのようなデキストリンの酸化された誘導体は、サッカリド環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基へ酸化させることができる酸化剤によるそれらの反応生成物である。
オキシジスクシネート及びジスクシネートのその他の誘導体、好ましくはエチレンジアミンジスクシネートも更なる好適なコビルダーである。この場合、エチレンジアミン-N,N'-ジスクシネート(EDDS)は、そのナトリウム塩又はマグネシウム塩の形態で使用することが好ましい。更に、これに関連して、グリセリルジスクシネート及びグリセリルトリスクシネートも好ましい。ゼオライト含有及び/又はシリケート含有処方中の好適な使用量は、3〜15重量%である。
使用することができる更なる有機コビルダーは、例えば、アセチル化したヒドロキシカルボン酸又はその塩であって、それらはラクトンの形態で存在してよく、少なくとも4個の炭素原子及び少なくとも1個のヒドロキシル基及び最大で2個の酸基を有する。
コビルダー特性を有する更なるクラスの物質は、ホスホネートである。これらは、特に、ヒドロキシアルカンホスホネート及びアミノアルカンホスホネートである。ヒドロキシアルカンホスホネートの中で、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート(HEDP)はコビルダーとして特に重要である。ヒドロキシアルカンホスホネートの中で、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート(HEDP)は、コビルダーとして特に重要である。ナトリウム塩、中性反応を生じる二ナトリウム塩、及びアルカリ性反応(pH9)の四ナトリウム塩の形態が好ましい。有用なアミノアルカンホスホネートは、エチレンジアミン−テトラメチレンホスホネート(EDTMP)、ジエチレントリアミン−ペンタメチレンホスホネート(DTPMP)及びそれらのより大きな同族体(homologs)である。これらは、例えば、EDTMPのヘキサナトリウム塩又はDTPMPのヘプタナトリウム塩及びオクタナトリウム塩等の中性で反応を生じるナトリウム塩の形態で用いることが好ましい。ホスホネートのクラスからは、ビルダーとしてHEDPを用いることが好ましい。更に、アミノアルカンホスホネートは、顕著な重金属結合能力(heavy metal-binding capacity)を有する。従って、組成物が特に漂白剤をも含む場合、アミノアルカンホスホネート、特にDTPMP、又は上述したホスホネートの混合物を用いることが好ましい場合もある。
更に、ビルダーとして、アルカリ土類金属イオンと錯体を形成することができる種々の化合物を用いることもできる。
表面活性剤
表面活性剤の群には、ノニオン表面活性剤だけでなく、アニオン表面活性剤、カチオン表面活性剤及び両性表面活性剤も含まれる。
使用されるノニオン表面活性剤は、好ましくはアルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、特に第1アルコールであって、好ましくは8〜18個の炭素原子及びアルコール1モルあたり平均して1〜12モルのエチレンオキシド(EO)基を有するアルコールであることが好ましい。このアルコール基は、線状若しくは好ましくは2−メチル分枝したものであってよく、また、オキソアルコール基に典型的に存在するような線状およびメチル分枝した基の混合物を含むものであってもよい。尤も、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココヤシ油、ヤシ種油、獣脂またはオレイルアルコール等)であって、アルコール1モルあたり平均して2〜8個のEO基を有するアルコールの線状基を有するアルコールエトキシル化物が特に好ましい。好ましいエトキシル化アルコールには、例えば、3EO若しくは4EOを含有するC12−14アルコール、7EOを含有するC9−11アルコール、3EO、5EO、7EO若しくは8EOを含有するC13−15アルコール、3EO、5EO若しくは7EOを含有するC12−18アルコールおよびこれらの混合物、例えば、3EOを含有するC12−14アルコールと5EOを含有するC12−18アルコールとの混合物が含まれる。記載したエトキシル化の程度は統計学的平均値であって、特定の生成物に対しては整数または分数であり得る。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布(狭い範囲のエトキシレート、NRE)を有する。これらのノニオン表面活性剤に加えて、12EO以上のEO基を有する脂肪アルコールを用いることもできる。その例は、14EO、25EO、30EO又は40EOを有する獣脂アルコールである。
更に、使用することができる他のノニオン界面活性剤には、一般式:RO(G)xで示されるアルキルグリコシドがある。この一般式において、Rは、8〜22個の炭素原子数、好ましくは12〜18個の炭素原子数を有する第1級直鎖脂肪族基、又はメチル分枝、特に2−メチル分枝を有する脂肪族基であって、Gは5〜6個の炭素原子数を有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表している。オリゴマー化度xは、モノグリコシドとオリゴグリコシドとの分布を示すものであって、1〜10のいずれかの数値であり、xは1.2〜1.4であることが好ましい。
単独のノニオン表面活性剤として使用することができるか、又はその他のノニオン表面活性剤と組合せて好ましく使用することができるノニオン表面活性剤の更なるクラスは、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化又はエトキシル化及びプロポキシル化された脂肪酸アルキルエステル、好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を有する脂肪酸アルキルエステルである。
アミンオキシド型のノニオン界面活性剤、例えばN−ココアルキル(cocoalkyl)−N,N−ジメチルアミンオキシド及びN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、並びに脂肪酸アルカノールアミド型のノニオン界面活性剤も好適である。これらのノニオン界面活性剤の使用量は、エトキシ化脂肪アルコールの使用量を上回らず、特にその半分以下であることが好ましい。
他の好適な界面活性剤には、式(I):
Figure 2007533559
[式中、RCOは炭素数6〜22の脂肪族アシル基であり、Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、[Z]は3〜10個の炭素原子及び3〜10個の水酸基を有する直鎖又は分枝ポリヒドロキシアルキル基である。]
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドがある。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、還元糖をアンモニア、アルキルアミン又はアルカノールアミンにより還元的にアミノ化した後、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸クロリドを用いてアシル化することによって典型的に得られる既知の物質である。
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群には、式:
Figure 2007533559
[式中、Rは直鎖又は分枝した炭素数7〜12のアルキル基又はアルケニル基であり、Rは直鎖、分枝又は環状の炭素数2〜8のアルキル基又はアリール基であり、Rは直鎖、分枝又は環状の炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基又はオキシアルキル基、好ましくはC1−4アルキル基又はフェニル基であり、及び[Z]はポリヒドロキシアルキル基であって、そのアルキル基は少なくとも2個のヒドロキシル基によって置換されているか、又はアルコキシル化、好ましくはエトキシル化若しくはプロポキシル化されているその基の誘導体である。]
[Z]は、還元糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース又はキシロースを還元的にアミノ化して得られるものであることが好ましい。N−アルコキシ−又はN−アリールオキシ−置換化合物は、触媒としてのアルコキシドの存在下で、脂肪酸メチルエステルとの反応によって所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドへ転化させることができる。
好ましく用いられる表面活性剤は、低発泡性ノニオン表面活性剤である。食器洗浄機用の洗浄用組成物が、ノニオン表面活性剤、特にアルコキシル化アルコールの群からのノニオン表面活性剤を含むことは特に好ましい。使用するノニオン表面活性剤は、アルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、炭素数8〜18で、平均してアルコール1モルあたり1〜12モルのエチレンオキシド(EO)基を有する第1アルコールであることが好ましく、そのアルコール基は線状若しくは好ましくは2−メチル分枝したものであってよく、また、オキソアルコール基に典型的に存在するような線状およびメチル分枝した基の混合物を含むものであってもよい。尤も、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココヤシ油、パーム油、獣脂またはオレイルアルコール等)であって、アルコール1モルあたり平均して2〜8個のEO基を有するアルコールの線状基を有するアルコールエトキシル化物が特に好ましい。好ましいエトキシル化アルコールには、例えば、3EO若しくは4EOを含有するC12−14アルコール、7EOを含有するC9−11アルコール、3EO、5EO、7EO若しくは8EOを含有するC13−15アルコール、3EO、5EO若しくは7EOを含有するC12−18アルコールおよびこれらの混合物、例えば、3EOを含有するC12−14アルコールと5EOを含有するC12−18アルコールとの混合物が含まれる。記載したエトキシル化の程度は統計学的平均値であって、特定の生成物に対しては整数または分数であり得る。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布(狭い範囲のエトキシレート、NRE)を有する。これらのノニオン表面活性剤に加えて、12EO以上のEO基を有する脂肪アルコールを用いることもできる。その例は、14EO、25EO、30EO又は40EOを有する獣脂アルコールである。
特に好ましいものは室温以上の融点を有するノニオン表面活性剤であって、20℃以上、好ましくは25℃以上、より好ましくは25℃〜60℃の範囲、特に26.6℃〜43.3℃の範囲の融点を有するノニオン表面活性剤が特に好ましい。
記載した温度範囲の融点又は軟化点を有する好適なノニオン表面活性剤は、例えば、室温で固体状又は高粘度であり得る低発泡性のノニオン表面活性剤である。室温において、高い粘度を有するノニオン表面活性剤を使用する場合、それらは20Pas以上、好ましくは35Pas以上、特に40Pas以上の粘度を有することが好ましい。室温においてワックス状のコンシステンシー(consistency)を有するノニオン表面活性剤も好ましい。
室温で固体であって、使用するのに好ましいノニオン表面活性剤は、アルコキシル化表面活性剤、特にエトキシル化第1アルコール及びそれらの表面活性剤とポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/PE/PO)表面活性剤などの構造的に複雑な表面活性剤との混合物から得られる。そのような(PO/PE/PO)ノニオン表面活性剤は、起泡性の制御について更に注目すべきである。
本発明の好ましい態様において、室温以上の融点を有するノニオン表面活性剤は、炭素数6〜20を有し、アルキルフェノール又はアルコール1モルあたり少なくとも12モル、より好ましくは少なくとも15モル、特に少なくとも20モルのエチレンオキシド(EO)基を有するアルキルフェノール又はモノヒドロキシアルカノールの反応から得られるエトキシル化ノニオン表面活性剤である。
室温において固体であって、特に好ましく使用されるノニオン表面活性剤は、炭素数16〜20を有する直鎖脂肪アルコール(C16−20アルコール)から、好ましくはC18アルコールであって、少なくとも12モル、好ましくは少なくとも15モル、特に少なくとも20モルのエチレンオキシド基を有する直鎖脂肪アルコールから得られる。当然のことながら、「(上述の)狭い範囲のエトキシレート」は特に好ましい。
従って、アルコール1モルあたり12モル以上、好ましくは15モル以上、特に20モル以上のエチレンオキシド(EO)基を有するC6-20モノヒドロキシアルカノール又はC6-20アルキルフェノール又はC16-20脂肪アルコールから得られたエトキシル化ノニオン表面活性剤は特に好ましい。
室温で固体のノニオン表面活性剤は、分子中にプロピレンオキシド単位を更に有することが好ましい。そのようなPO単位が、ノニオン表面活性剤の全モル質量の25重量%まで、より好ましくは20重量%まで、特に15重量%までを構成することが好ましい。特に好ましいノニオン表面活性剤は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位を更に有するエトキシル化モノヒドロキシ−アルカノール又はアルキルフェノールである。そのようなノニオン表面活性剤分子のアルコール部分若しくはアルキルフェノール部分は、そのノニオン表面活性剤の全モル質量の30重量%以上まで、より好ましくは50重量%以上まで、特に70重量%以上までを構成することが好ましい。好ましい食器洗浄機用洗剤は、エトキシル化及びプロポキシル化ノニオン表面活性剤を含んでおり、分子中のプロピレンオキシド単位がノニオン表面活性剤の全モル質量の25重量%まで、より好ましくは20重量%まで、特に15重量%までを構成することが好ましい。
室温以上の融点を有しており、特に好ましく使用されるその他のノニオン表面活性剤は、75重量%の、17モルのエチレンオキシドと44モルのプロピレンオキシドを有するポリオキシプロピレン及びポリオキシエチレンのインバース・ブロックコポリマー(inverse block copolymer)、並びに、25重量%の、トリメチロールプロパン1モルあたり99モルのプロピレンオキシド及び24モルのエチレンオキシドを含み、トリメチロールプロパンにより開始されたポリオキシプロピレン及びポリオキシエチレンのブロックコポリマーを含んでなるポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマーブレンドを40〜70%含むことが特に好ましい。
特に好ましく使用することができるノニオン表面活性剤は、例えばOlin Chemicals社から「Poly Tergent(登録商標) SLF-18 」の名称で入手することができる。
洗浄用若しくは清浄化用組成物において、好ましくは食器洗浄機用洗剤において、式(II):R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(OH)R2] (II)
[式中、Rは炭素数4〜18の直鎖若しくは分枝脂肪族炭化水素基又はそれらの混合物であり、Rは炭素数2〜26の直鎖若しくは分枝炭化水素基又はそれらの混合物であり、xは0.5〜1.5の範囲の数値であり、yは少なくとも15の数値である。]
で示されるノニオン表面活性剤が用いられる。
使用することが好ましい更なるノニオン表面活性剤には、
式:R1O[CH2CH(R3)O]x[CH2]kCH(OH)[CH2]jOR2
[式中、R及びRは炭素数1〜30の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、RはH若しくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基又は2−メチル−2−ブチル基であり、xは1〜30の範囲の数値であり、k及びjは1〜12の範囲の数値、好ましくは1〜5の範囲の数値である。]で示される末端キャップされたポリ(オキシアルキレート化)ノニオン表面活性剤がある。xが2以上の数値である場合、上式の各Rは異なっていてよい。R及びRは炭素数6〜22の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であることが好ましく、炭素数8〜18を有する炭化水素基は特に好ましい。R基として、H、−CH又は−CHCHは特に好ましい。xについて特に好ましい値は、1〜20の範囲、特に6〜15の範囲である。
上述したように、xが2以上の数値である場合に上式の各Rは異なっていてよい。このことによって、カギ括弧内のアルキレンオキシド単位は変化し得る。例えば、xが3の場合、Rはエチレンオキシド(R=H)単位又はプロピレンオキシド(R=CH)単位を形成するように選択することができ、例えば、(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)及び(PO)(PO)(PO)のいずれの順序で結合させることもできる。ここでxについての数値3は例として選択したものであって、より大きな数値を選択することは十分に可能であって、xの数値が増大すると発明の範囲も拡がり、例えば大きな(EO)基の数値と、小さな(PO)基の数値とを組み合わせることもできるし、その逆を行うこともできる。
上式の特に好ましい末端がキャップされたポリ(オキシアルキレート化)アルコールは、k=1及びj=1の数値を有し、上式は、
式:R1O[CH2CH(R3)O]xCH2CH(OH)CH2OR2
と簡単に表すことができる。この式においてR、R及びRはそれぞれ上述の通りであり、xは1〜30の範囲の数値、好ましくは1〜20の範囲の数値、特に6〜18の範囲の数値である。R及びRが9〜14個の炭素数を有し、RがHであり、xが6〜15の数値と見込まれる場合の表面活性剤は、特に好ましい。
上記の後段部分をまとめると、
式:R1O[CH2CH(R3)O]x[CH2]kCH(OH)[CH2]jOR2
[式中、R及びRは炭素数1〜30の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、RはH若しくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基又は2−メチル−2−ブチル基であり、xは1〜30の範囲の数値であり、k及びjは1〜12の範囲の数値、好ましくは1〜5の範囲の数値である。]で示される末端キャップされたポリ(オキシアルキレート化)ノニオン表面活性剤が好ましく、
式:R1O[CH2CH(R3)O]xCH2CH(OH)CH2OR2
[式中、xは1〜30の範囲の数値、好ましくは1〜20の範囲の数値、特に6〜18の範囲の数値である。]で示される表面活性剤が特に好ましい。
本発明に関して特に好ましいノニオン表面活性剤は、エチレンオキシド基単位とアルキレンオキシド基単位とが交互に表れる低起泡性ノニオン表面活性剤であることが見出された。これらの中で、EO-AO-EO-AOブロックを有する表面活性剤が順に好ましいとされており、いずれの場合にも1〜10個のEO基及び/又はAO基が、他の基のブロックに連絡する前に互いに結合している。本発明に関して、一般式(III):
Figure 2007533559
[式中、Rは直鎖若しくは分枝、飽和若しくはモノ不飽和若しくはポリ不飽和のC6-24アルキル基若しくはアルケニル基であり、R及びRはそれぞれ独立して、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH)から選ばれる基であり、w、x、y、zはそれぞれ独立して1〜6の範囲の数値である。]で示される表面活性剤を含む洗剤が、機械式食器洗浄機用のノニオン表面活性剤として好ましい。
式(III)で示される好ましいノニオン表面活性剤は、対応するアルコール(R-OH)とエチレンオキシド又はアルキレンオキシドから既知の方法によって調製することができる。式(III)のR基は、アルコールの起源によって変動し得る。天然起源のものを用いる場合、R基は、奇数の炭素数を有し、一般に分枝を有さず、炭素数12〜18の天然起源のアルコール、例えばココナツ、パーム、獣脂又はオレイルアルコール等の直鎖基を有するアルコールが好ましい。合成起源から得られるアルコールには、例えば、ゲルベアルコール(Guerbet alcohol)若しくは2−メチル分枝若しくは直鎖及びメチル分枝を有する基のものがあり、一般にオキソアルコール基として存在する。組成物中における本発明のノニオン表面活性剤の製造に用いるアルコールの種類とは関係なく、式(III)におけるRが炭素数6〜24、好ましくは8〜20、より好ましくは9〜15、特に9〜11のアルキル基であることは好ましい。
好ましいノニオン表面活性剤において、エチレンオキシド単位と交互に表れて存在するアルキレンオキシド単位は、プロピレンオキシド単位、特にブチレンオキシド単位である。しかしながら、R及びRがそれぞれ独立して、-CHCHCH及び-CH(CH)から選ばれるアルキレンオキシドも好適である。好ましい食器洗浄機用の洗剤は、R及びRがそれぞれ-CH基であり、w及びxがそれぞれ独立して3又は4であり、y及びzがそれぞれ独立して1又は2であることを特徴とする。
まとめると、C9-15アルキル基が、1〜4個のエチレンオキシド単位、続いて1〜4個のプロピレンオキシド単位、続いて1〜4個のエチレンオキシド単位、続いて1〜4個のプロピレンオキシド単位を有するようなノニオン表面活性剤が特に好ましい。これらの表面活性剤は、水溶液中で、要求される低い粘性を有しており、本発明に関して特に好ましく用いることができる。
好ましく用いることができる更なるノニオン表面活性剤は、式(IV):
R1O[CH2CH(R3)O]xR2 (IV)
[式中、Rは炭素数1〜30の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、Rは炭素数1〜30の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、好ましくは1〜5個のヒドロキシル基を有し、好ましくは更にエーテル基によって官能化されていることが好ましく、RはH若しくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基又は2−メチル−2−ブチル基であり、xは1〜40の範囲の数値である。]で示される末端がキャップされたポリ(オキシアルキレート化)ノニオン表面活性剤である。
上記式(IV)の特に好ましいノニオン表面活性剤において、RはHである。それによって得られる末端がキャップされたポリ(オキシアルキレート化)ノニオン表面活性剤は、式(V):
O[CH2CH2O] (V)
で示され、式中、Rは炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜20の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、Rは炭素数1〜30の直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であって、好ましくは1〜5個のヒドロキシル基を有しており、xは1〜40の範囲の数値であるものが特に好ましい。
末端がキャップされたポリ(オキシアルキレート化)ノニオン表面活性剤であって、式(VI):
R1O[CH2CH2O]xCH2CH(OH)OR2 (VI)
で示され、炭素数1〜30、好ましくは炭素数4〜20を有する直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であるRを有するだけでなく、中間のモノヒドロキシル化された基(-CH2CH(OH)-)に隣接して、炭素数1〜30を有する直鎖若しくは分枝、飽和若しくは不飽和、脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であるRを有するものが、特に好ましい。この式(VI)において、xは1〜40の範囲の数値である。そのような末端がキャップされたポリ(オキシアルキレート化)ノニオン表面活性剤は、例えば、式RCH(O)CH2で示される末端エポキシドを、式:RO[CH2CH2O]x−1CH2CH2OHで示されるエトキシル化アルコールと反応させることによって得ることができる。
上述のノニオン表面活性剤の特定の炭素鎖長及びエトキシル化の程度又はアルコキシル化の程度は、特定の生成物についての統計的平均をなし、特定の生成物については整数であったり、分数であったりし得る。製造プロセスの結果として、上記の特定の処方の工業的規模での生成物は、通常、1つの代表例のみからなるのではなく、炭素鎖の鎖長及びエトキシル化の程度又はアルコキシル化の程度の両者について平均値及び従って分数が生じ得る。
使用されるアニオン表面活性剤は、例えば、スルホネート及びスルフェート型のものである。スルホネート型の有用な表面活性剤は、好ましくはC9−13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、即ち、アルケン−及びヒドロキシアルカンスルホネートの混合物、並びに、例えば末端又は内部二重結合を有するC12−18モノオレフィンを、気体状三酸化硫黄によりスルホン化した後、スルホン化生成物をアルカリ又は酸により加水分解して得られるジスルホネート等である。C12−18アルカンを例えばスルホクロル化又はスルホ酸化した後、加水分解又は中和して得られるアルカンスルホネートも好適である。α−スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化したヤシ油、パーム核油又は獣脂脂肪酸等のα−スルホン化メチルエステル等も同様に好適である。
他の好適なアニオン界面活性剤には、スルフェート化脂肪酸グリセロールエステルがある。脂肪酸グリセロールエステルとは、1〜3モルの脂肪酸によるモノグリセロールのエステル化によって、又はトリグリセリドと0.3〜2モルのグリセロールとのエステル交換によって製造する場合に得られるモノ−、ジ−及びトリエステル並びにそれらの混合物のことである。好適なスルフェート化脂肪酸グリセロールエステルは、炭素数6〜22の飽和脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸等のスルフェート化生成物である。
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12−18脂肪アルコール、例えばヤシ脂アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリル、ミリスチル、セチル若しくはステアリルアルコール、又はC10−20オキソアルコールの硫酸モノエステル、及び同じ鎖長を有する第2級アルコールの対応する硫酸モノエステルのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩である。上述の鎖長を有し、同様に好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、石油化学原料に基づいて合成される直鎖アルキル基を有し、分解挙動が油脂化学原料系の対応する化合物と同様の上述のような炭素鎖長を有するものである。洗浄技術の観点から、C12−18アルキルスルフェート、及びC12―15アルキルスルフェート及びC14−C15アルキルスルフェートが好ましい。シェル・オイル社(Shell Oil Company)からダン(DAN)(登録商標)の名称で市販されている2,3−アルキルスルフェートも好適なアニオン界面活性剤である。
エチレンオキシド1〜6モルによりエトキシル化された直鎖又は分枝したC7−21アルコール、例えば例えば平均して3.5モルのエチレンオキシド(EO)基を有する2−メチル分枝C9−11アルコール又は1〜4EO基を有するC12−18脂肪アルコールの硫酸モノエステルも好適である。起泡性が高いことを考慮して、それらは洗浄剤中に比較的少量で、例えば1〜5重量%の量でのみ使用される。
他の好ましいアニオン界面活性剤としてはアルキルスルホコハク酸の塩があり、これはスルホスクシネート又はスルホコハク酸エステルとしても知られており、スルホコハク酸とアルコール、好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシ化脂肪アルコールとのモノエステル及び/又はジエステルがその例である。好ましいスルホスクシネートには、C8−18脂肪アルコール基又はそれらの混合物が含まれる。特に好ましいスルホスクシネートは、エトキシ化脂肪アルコールから誘導される脂肪アルコール基を有するものであり、単独では、ノニオン界面活性剤の性質を有する(以下の記載を参照)。本明細書において、これらの中で、脂肪アルコール基が狭い同族体分布のエトキシル化脂肪アルコールから誘導されるスルホスクシネートが特に好ましい。アルキル(アルケニル)鎖中に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸又はそれらの塩を使用することもできる。
有用なその他のアニオン表面活性剤は、特に石鹸(soaps)である。好適な石鹸は、飽和脂肪酸の石鹸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の塩、水素化したエルカ酸及びベヘン酸の塩、並びに特に天然脂肪酸、例えばヤシ油、パーム核油又は獣脂脂肪酸などから誘導される石鹸混合物である。
石鹸を含むアニオン界面活性剤は、それらのナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩の形態で、並びに有機塩基、例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミンなどの可溶性塩の形態で存在してよい。アニオン界面活性剤は、それらのナトリウム塩又はカリウム塩の形態、特にそれらのナトリウム塩の形態で存在することが好ましい。
アニオン表面活性剤が食器洗浄機用洗剤の構成成分である場合、その含量は、組成物全体の重量基準で、4重量%以下、好ましい2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下であることが好ましい。アニオン表面活性剤を含まない食器洗浄機用洗剤は特に好ましい。
上述した表面活性剤に代えて又は上述した表面活性剤と組み合わせて、カチオン表面活性剤及び/又は両性表面活性剤を用いることもできる。
用いられるカチオン表面活性剤は、例えば、以下の式(VII)、(VIII)及び(IX)(上から下へ順に式(VII)、(VIII)及び(IX)に対応する):
Figure 2007533559
[式中、各Rは独立して、C1−6−アルキル基、−アルケニル基又は−ヒドロキシアルキル基であってよく、各Rは独立して、C8−28−アルキル基又は−アルケニル基であってよく、RはRと同じであるか若しくは(CH)-T-Rであってよく、RはRと同じであるか若しくはRと同じであるか若しくは(CH)-T-Rであってよく、Tは-CH-、-O-CO-若しくは-CO-O-であり、nは0〜5の範囲の整数である。]で示されるカチオン化合物であってよい。
食器洗浄機用洗剤において、カチオン表面活性剤及び/又は両性表面活性剤の含量は、4重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることが特に好ましい。カチオン表面活性剤又は両性表面活性剤を含まない食器洗浄機用洗剤は特に好ましい。
ポリマー
ポリマーの群は、特に洗浄活性若しくは清浄化活性ポリマー、例えば、すすぎ助剤ポリマー及び/又は柔軟剤として活性なポリマーを含む。一般に、ノニオンポリマーだけでなく、カチオンポリマー、アニオンポリマー及び両性ポリマーを洗浄用若しくは清浄化用組成物に用いることができる。
柔軟剤として有効なポリマーは、例えば、スルホン酸基を含むポリマーであって、それらは特に好ましく用いられる。
スルホン酸基を含有し、特に好ましく用いることができるポリマーは、不飽和カルボン酸、スルホン酸基を含有するモノマー及び更に場合によりイオン性又は非イオノゲンモノマー(nonionogenic monomer)のコポリマーであることが特に好ましい。
本発明に関して、モノマーとして、式(X):
(R)C=C(R)COOH (X)
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、−H、−CH、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の飽和アルキル基、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の一置換若しくは多置換のアルケニル基、上述のようなアルキル基若しくはアルケニル基であって、−NH、−OH若しくは−COOHにより置換されているもの、又は−COOH若しくは−COOR[Rは炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝の炭化水素基である]である。]で示される不飽和カルボン酸が好ましい。
式(X)で示すことができる不飽和カルボン酸の中で、アクリル酸(R=R=R=H)、メタクリル酸(R=R=H;R=CH)、及び/又はマレイン酸(R=COOH;R=R=H)は特に好ましい。
スルホン酸基を含有するモノマーは、式(XI):
(R)C=C(R)-X-SOH (XI)
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、−H、−CH、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の飽和アルキル基、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の一置換若しくは多置換のアルケニル基、上述のようなアルキル基若しくはアルケニル基であって、−NH、−OH若しくは−COOHにより置換されているもの、又は−COOH若しくは−COOR[Rは炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝の炭化水素基である]であり、Xは場合により存在するスペーサー基であって、−(CH)n−[nは0〜4である]、−COO-(CH)−[kは1〜6である]、−C(O)-NH-C(CH)−及び−C(O)-NH-CH(CHCH)−である。]で示されるものが好ましい。
このらのモノマーの中で、
式(XIa):HC=CH-X-SOH (XIa)
式(XIb):HC=C(CH)-X-SOH (XIb)
式(XIc):HOS-X-(R)C=C(R)-X-SOH (XIc)
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、−H、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)から選ばれ、Xは場合により存在するスペーサー基であって、−(CH)−[nは0〜4である]、−COO-(CH)−[kは1〜6である]、−C(O)-NH-C(CH)−及び−C(O)-NH-CH(CHCH)−である。]で示されるものが好ましい。
スルホン酸基を含有する特に好ましいモノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸(式XIaにおいて、X=-C(O)NH-CH(CHCHである);2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸(式XIaにおいて、X=-C(O)NH-C(CH)である);2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(式XIaにおいて、X=-C(O)NH-CH(CH)CH-である);2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(式XIbにおいて、X=-C(O)NH-CH(CH)CH-である);3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(式XIbにおいて、X=-C(O)NH-CHCH(OH)CH-である);アリルスルホン酸(式XIaにおいて、X=CHである);メタアリルスルホン酸(式XIbにおいて、X=CHである);アリルオキシベンゼンスルホン酸(式XIaにおいて、X=−CH-O-C-);メタアリルオキシベンゼンスルホン酸(式XIbにおいて、X=−CH-O-C-);2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)−プロパンスルホン酸;2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸(式XIbにおいて、X=CHである);スチレンスルホン酸(式XIaにおいて、X=Cである);ビニルスルホン酸(式XIaにおいてXが存在しない);3−スルホプロピルアクリレート(式XIaにおいて、X=-C(O)NH-CHCHCH-である);3−スルホプロピルメタクリレート(式XIbにおいて、X=-C(O)NH-CHCHCH-である);3−スルホメタクリルアミド(式XIbにおいて、X=-C(O)NH-である);スルホメチルメタクリルアミド(式XIbにおいて、X=-C(O)NH-CH-である)及び上述の酸の水溶性の塩である。
更に有用なイオン性又は非イオノゲンモノマーは、特にエチレン性不飽和化合物である。本発明に関して使用するiii)群のモノマー含量は、ポリマー基準で20重量%以下であることが好ましい。特に好ましく用いられるポリマーは、群i)及び群ii)のモノマーのみからなるものである。
まとめると、群i)式X:
(R)C=C(R)COOH (X)
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、−H、−CH、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の飽和アルキル基、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の一置換若しくは多置換のアルケニル基、上述のようなアルキル基若しくはアルケニル基であって、−NH、−OH若しくは−COOHにより置換されているもの、又は−COOH若しくは−COOR[Rは炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝の炭化水素基である]である。]
で示される不飽和カルボン酸
群ii)式XI:
(R)C=C(R)−X−SOH (XI)
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、−H、−CH、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の飽和アルキル基、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の一置換若しくは多置換のアルケニル基、上述のようなアルキル基若しくはアルケニル基であって、−NH、−OH若しくは−COOHにより置換されているもの、又は−COOH若しくは−COOR[Rは炭素数1〜12の直鎖若しくは分枝の炭化水素基である]であり、Xは場合により存在するスペーサー基であって、−(CH)−[nは0〜4である]、−COO-(CH)−[kは1〜6である]、−C(O)-NH-C(CH)− 及び −C(O)-NH-CH(CHCH)−である。]
で示される不飽和カルボン酸
群iii)場合により他のイオン性又は非イオノゲンモノマー
のコポリマーが好ましい。
更に特に好ましいコポリマーは、
i)アクリル酸、メタクリル酸及び/又はマレイン酸の群からの1種又はそれ以上の不飽和カルボン酸;
ii)式XIa、XIb及び/若しくはXIc:
式(XIa):HC=CH-X-SOH (XIa)
式(XIb):HC=C(CH)-X-SOH (XIb)
式(XIc):HOS-X-(R)C=C(R)-X-SOH (XIc)
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、−H、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH)から選ばれ、Xは場合により存在するスペーサー基であって、−(CH)−[nは0〜4である]、−(COO-(CH)−[kは1〜6である]、−C(O)-NH-C(CH)− 及び −C(O)-NH-CH(CHCH)−である。]
で示されるスルホン酸の群を含む1種又はそれ以上のモノマー;
iii)場合により他のイオン性又は非イオノゲンモノマー
からなる。
コポリマーは、群i)及びiii)及び場合により群iii)からのモノマーを種々の割合で含むことができ、群i)から選ばれるいずれかのものに、群ii)から選ばれるいずれかのもの及び群iii)から選ばれるいずれかのものを組み合わせることができる。特に好ましいポリマーは、以下に記載する特定の構造単位を有する。
従って、例えば、式(XII):
-[CH-CHCOOH]m-[CH-CHC(O)-Y-SO3H]p- (XII)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族(araliphatic)炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)- 又は-NH-CH(CHCH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を有するコポリマーが好ましい。
これらのポリマーは、アクリル酸と、スルホン酸基を含有するアクリル酸誘導体との共重合(copolymerization)によって製造される。スルホン酸基を含有するアクリル酸誘導体とメタクリル酸との共重合によって、もう1種のポリマーが得られ、それを使用することも好ましい。対応するコポリマーは、式(XIII):
-[CH-C(CH3)COOH]m-[CH-CHC(O)-Y-SO3H]p- (XIII)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)- 又は-NH-CH(CHCH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
で示される構造単位を有する。
アクリル酸及び/又はメタクリル酸は、スルホン酸基を含有するメタクリル酸誘導体と同様に全体的に共重合することもでき、分子内で構造単位を変化させることもできる。従って、式(XIV):
-[CH-CHCOOH]m-[CH-C(CH3)C(O)-Y-SO3H]p- (XIV)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)- 又は-NH-CH(CHCH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
で示される構造単位を有するコポリマーは、式(XV):
-[CH-C(CH3)COOH]m-[CH-C(CH3)C(O)-Y-SO3H]p- (XV)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族(araliphatic)炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)- 又は-NH-CH(CHCH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
で示される構造単位を有するコポリマーと同様に好ましい。
アクリル酸及び/又はメタクリル酸の代わりに又はそれに加えて、群i)からの特に好ましいモノマーとしてマレイン酸を使用することもできる。これによって、本発明に好ましいコポリマーであって、式(XVI):
-[HOOCCH-CHCOOH]m-[CH-CHC(O)-Y-SO3H]p- (XVI)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)- 又は-NH-CH(CHCH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
で示される構造単位を有するコポリマー、並びに、本発明に好ましいコポリマーであって、式(XVII):
-[HOOCCH-CHCOOH]m-[CH-C(CH3)C(O)O-Y-SO3H]p- (XVII)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)- 又は-NH-CH(CHCH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
で示される構造単位を有するコポリマーが得られる。
まとめると、本発明によれば、式XII及び/若しくはXIII及び/若しくはXIV及び/若しくはXV及び/若しくはXVI及び/若しくはXVII:
-[CH-CHCOOH]m-[CH-CHC(O)-Y-SO3H]p- (XII)
-[CH-C(CH3)COOH]m-[CH-CHC(O)-Y-SO3H]p- (XIII)
-[CH-CHCOOH]m-[CH-C(CH3)C(O)-Y-SO3H]p- (XIV)
-[CH-C(CH3)COOH]m-[CH-C(CH3)C(O)-Y-SO3H]p- (XV)
-[HOOCCH-CHCOOH]m-[CH-CHC(O)-Y-SO3H]p- (XVI)
-[HOOCCH-CHCOOH]m-[CH-C(CH3)C(O)O-Y-SO3H]p- (XVII)
[式中、m及びpはそれぞれ1〜2000の範囲の自然数であり、Yは炭素数1〜24を有する置換若しくは無置換の、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族炭化水素基から選ばれるスペーサー基であって、Yが-O-(CH)n-[n=0〜4である]、-O-(C)-、-NH-C(CH)- 又は-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が好ましい。]
で示される構造単位を有するコポリマーが好ましい。
ポリマーにおいて、スルホン酸基の全体又は一部が中和された形態、即ち、スルホン酸基全体の又は一部においてスルホン酸基の酸性水素原子を金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンによって置換することもできる。一部又は全体に中和されたスルホン酸基を含有するコポリマーを用いることは、本発明において好ましい。
本発明に関して好ましく使用することができるコポリマーのモノマー分布は、群i)及びii)からのモノマーだけを含むコポリマーの場合、いずれの場合もポリマー基準で、好ましくは群i)又はii)の5〜95重量%であり、より好ましくは群i)からのモノマー50〜90重量%及び群ii)からのモノマー10〜50重量%である。
ターポリマー(terpolymer)の場合、群i)からのモノマーを20〜85重量%、群ii)からのモノマーを10〜60重量%及び群iii)からのモノマーを5〜30重量%含むものが特に好ましい。
本発明に関して好ましく用いられるスルホコポリマーのモル質量は、ポリマーの特性を所望の末端使用(エンドユース)に適合させるために、変化させることもできる。好ましい洗浄用若しくは清浄化用組成物タブレットは、そのコポリマーが、2000〜200000g/モル、好ましくは4000〜25000g/モル、特に5000〜15000g/モルのモル質量を有することを特徴とする。
両性ポリマー又はカチオンポリマーを用いることは更に好ましい。これらの特に好ましいポリマーは、少なくとも1つの正電荷を有することを特徴とする。そのようなポリマーは、好ましくは水溶性の又は水分散性であって、25℃にて水中で10mg/ml以上の溶解性(又は溶解度)を有する。
特に好ましい両性ポリマー又はカチオンポリマーは、一般式:
R1(R2)C=C(R3)R4
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、−H、−CH、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の飽和アルキル基、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の一置換若しくは多置換のアルケニル基、上記規定のような−NH、−OH若しくは−COOHにより置換されたアルキル基若しくはアルケニル基、COOH若しくはCOOR[Rは炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の、直鎖若しくは分枝炭化水素基である]、pH範囲2〜11の正電荷を有する少なくとも1つのアミン基、四級化された窒素原子、若しくは少なくとも1つの正電荷を帯びた基を有するヘテロ芳香族基である。]
で示される少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを含有する。
上述の(重合していない)モノマー単位の例には、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、ジメチルジアリルアンモニウム塩、アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩(R、R及びR=Hであり、R=C(O)NH(CH)N+(CH3)3X)、メタクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩(R及びR=H、R=CH3、R=C(O)NH(CH)N+(CH3)3X)がある。
両性ポリマーの成分として、一般式:
R1(R2)C=C(R3)COOH
[式中、R〜Rは、それぞれ独立して、−H、−CH、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の飽和アルキル基、炭素数2〜12の直鎖若しくは分枝の一置換若しくは多置換のアルケニル基、上記規定のような−NH、−OH若しくは−COOHにより置換されたアルキル基若しくはアルケニル基、又はCOOH若しくはCOOR[Rは炭素数1〜12の飽和若しくは不飽和の、直鎖若しくは分枝炭化水素基である]
で示される不飽和カルボン酸を用いることが特に好ましい。
特に好ましい両性ポリマーには、モノマー単位として、ジアリルアミンの誘導体、特に、ジメチルジアリルアンモニウム塩及び/又はメタクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩、好ましくは塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物、ヒドロキシド、ホスフェート、スルフェート、ヒドロスルフェート、エチルスルフェート、メチルスルフェート、メシレート、トシレート、ホルメート又はアセテートであって、エチレン性不飽和カルボン酸の群からのモノマー単位と組み合わせたものを含む。
漂白剤
漂白剤として作用し、水中にHを供給する化合物の中で、過炭酸ナトリウムは特に重要である。使用することができるその他の漂白剤には、例えば、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物、ペルオキシピロリン酸塩、クエン酸過水和物、及びHを供給する過酸塩(HO-supplying peracidic salt)又は過酸(peracid)、例えばパーベンゾエート、パーオキソフタレート、ジパーアゼライン酸、フタロイミノ過酸又はジパードデカン二酸等がある。本発明によれば、有機漂白剤の群からの漂白剤を使用することもできる。典型的な有機漂白剤には、ジアシルペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシドがある。その他の典型的な有機漂白剤には、ペルオキシ酸(peroxy acid)、特にアルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸がある。好ましい例には、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸、並びに、ペルオキシ-α-ナフトエ酸及びマグネシウムモノペルフタレート;(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミド-ペルオキシ-カプロン酸[フタロイミノペルオキシ-ヘキサン酸(PAP)]、O-カルボキシベンズアミド-ペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミド-ペルアジピン酸及びN-ノネニルアミド-ペルスクシネート;並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1、12-ジペルオキシジカルボン酸、1、9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラッシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン−1,4−二酸及びN,N−テレフタロイルジ(6−アミノペルカプロン酸)がある。
使用する漂白剤は、塩素又は臭素を放出する物質であってもよい。好適な塩素又は臭素放出物質の中で、有用な例には、ヘテロ環状N-ブロモアミド、N-クロロアミド、例えばトリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸及び/又はジクロロイソシアヌル酸(DICA)及び/又はそれらのナトリウム及びカリウムなどのカチオンとの塩等がある。ヒダントイン化合物、例えば1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインも好適である。
漂白活性剤(Bleach activator)
例えば、60℃又はそれ以下の温度にて清浄化を行う場合の向上した漂白作用を達成するため、洗浄又は清浄化組成物において漂白活性剤が用いられる。使用し得る漂白活性剤は、過加水分解(perhydrolysis)条件にて、好ましくは炭素数1〜10、特に炭素数2〜4を有する脂肪族過オキソカルボン酸、及び/又は場合により置換された過安息香酸を生じる化合物である。好適な物質は、特定の炭素数のO−アシル及び/又はN−アシル基、及び/又は置換されたベンゾイル基を有している。好ましいものは、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイル−スクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイル−又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−又はiso−NOBS)、カルボン酸無水物、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート及び2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランなどである。
本発明に関して好ましく使用されるその他の漂白活性剤は、カチオン性ニトリル(cationic nitriles)、特に式:
Figure 2007533559
[式中、Rは、−H、−CH、C2−24アルキル基又はアルケニル基、−Cl、−Br、−OH、−NH、−CN、C1−24アルキル基を有するアルキル−若しくはアルケニルアリール基の群からの少なくとも1つの置換基を有する置換されたC2−24アルキル−又はアルケニル基、又はC1−24アルキル基及び芳香族環上の少なくとも1つの更なる置換基を有する置換されたアルキル−若しくはアルケニルアリール基であり、R及びRは、それぞれ独立して、−CH−CN、−CH、−CH−CH、−CH−CH−CH、−CH(CH)−CH、−CH−OH、−CH−CH−OH、−CH(OH)−CH、−CH−CH−CH−OH、−CH−CH(OH)−CH、−CH(OH)−CH−CH、−(CH−CH−O)nH [n=1、2、3、4、5若しくは6である]であり、Xはアニオンである。]
で示される群からの化合物である。
特に好ましいカチオン性ニトリルは、式:
Figure 2007533559
[式中、R、R及びRはそれぞれ独立して、−CH、−CH−CH、−CH−CH−CH、−CH(CH)−CH[ここでRは更に−Hであってよい]であり、Xはアニオンである。]で示されるものである。好ましくはR=R=−CHであり、特にR=R=R=−CHであり、式:(CHN()CH−CN X、(CHCHN()CH−CN X、(CHCHCHN()CH−CN X、(CHCH(CH))N()CH−CN X又は(HO−CH−CHN()CH−CN Xの化合物が特に好ましく、この群の物質から、式:(CHN()CH−CN X[Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ハイドロゲンスルフェート((hydrogensulfate)又は硫酸水素)、メトサルフェート(methosulfate)、p−トルエンスルホネート(トシレート(tosylate))又はキシレンスルホネートから選ばれるアニオンである。]で示されるカチオン性ニトリルへ順に好ましい。
使用される漂白活性剤は、過加水分解条件において、好ましくは炭素数1〜10、特に炭素数2〜4の過オキソカルボン酸、及び/又は場合により置換された過安息香酸を生じる化合物であってもよい。好適な物質は、特定の炭素数のO−アシル及び/又はN−アシル基、及び/又は置換されたベンゾイル基を有している。好ましいものは、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイル-スクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はiso-NOBS)、カルボン酸無水物、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、n−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチルスルフェート(MMA)並びにアセチル化ソルビトール及びマンニトール若しくはその混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロース及びオクタアセチルラクトース、及びアセチル化、場合によりN-アルキル化グルカミン及びグルコノラクトン、及び/若しくはN-アルキル化ラクタム、例えばN-ベンゾイルカプロラクタムなどである。親水性の置換基を有するアシルアセタール及びアシルラクタムも同様に好ましく用いられる。常套の漂白活性剤と組み合せて用いることもできる。
常套の漂白活性剤に加えて、又はそれらに代えて、いわゆる漂白触媒(bleach catalysts)を用いることもできる。これらの物質は、漂白作用を増強する遷移金属塩又は遷移金属錯体化合物、例えばMn、Fe、Co、Ru又はMoのサレン又はカルボニル錯体である。Mn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、V及びCuの錯体とN-含有三脚型配位子(tripod ligands)との錯体、並びにCo−、Fe−、Cu−及びRu−アミン錯体を漂白触媒として用いることもできる。
ニトリル4級化合物(nitrile quats)に加えて、更なる漂白活性剤を用いるべき場合には、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はiso-NOBS)、n−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチルスルフェート(MMA)の群からの漂白活性剤を、いずれの場合にも漂白活性剤を含有する組成物の総重量基準で、10重量%まで、特に0.1重量%〜8重量%、特に2〜8重量%、より好ましくは2〜6重量%の量で用いることが好ましい。
漂白増強性の遷移金属錯体、特に、中央原子がMn、Fe、Co、Cu、Mo、V、Ti及び/又はRuであり、好ましくはマンガン及び/若しくはコバルト塩及び/若しくは錯体、より好ましくはコバルト(アミン)錯体、コバルト(アセテート)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルト若しくはマンガンの塩化物、硫酸マンガンの群から選ばれるものを、常套の量で、いずれの場合にも漂白活性剤を含有する組成物の総重量基準で、好ましくは5重量%まで、特に0.0025重量%1重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.25重量%の量で用いることが好ましい。尤も、特定の場合には、より多い量の漂白活性剤を用いることもできる。
ガラス腐食防止剤
ガラス腐食防止剤(glass corrosion inhibitors)は、機械的に清浄化したガラスの曇り、染み、引っかき傷を防止するだけでなく、ガラス表面が虹色にきらめくこと(iridescence)をも防止する。好ましいガラス腐食防止剤は、マグネシウム及び/若しくは亜鉛塩及び/又はマグネシウム及び/若しくは亜鉛錯体の群から生じる。
ガラス腐食を防止するために用いることができる化合物の好ましい種類は、不溶性亜鉛塩(insoluble zinc salts)である。
本発明の好ましい態様に関して、不溶性の亜鉛塩は、20℃にて1リットルの水に亜鉛塩10グラムの最大溶解度を有する亜鉛塩である。本発明に関して特に好ましい不溶性の亜鉛塩の例には、ケイ酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛(Zn(OH)CO)、水酸化亜鉛、シュウ酸亜鉛、亜鉛モノホスフェート(Zn(PO))、及び亜鉛ピロホスフェート(Zn(P))がある。
上述の亜鉛化合物は、それぞれの場合でガラス腐食防止剤を含有する組成物全体を基準として、0.02〜10重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%、及び特に0.02〜1.0重量%の範囲の組成物中の亜鉛イオン含量を生じるような量で用いることが好ましい。1種または2種以上の亜鉛塩の組成物の正確な含量は、その亜鉛塩の種類の性質に依存しており、溶解性がより小さい亜鉛塩を用いる場合には、本発明に用いる組成物中のその亜鉛塩濃度はより高くなる。
不溶性の亜鉛塩の大部分は食器洗浄操作の間で変化しないで残るので、亜鉛塩がガラス器具又は機械の部分に付着しないように、亜鉛の粒子寸法は考慮すべき判断基準である。不溶性の亜鉛塩が1.7ミリメートル以下の粒子寸法を有するような組成物は、本発明に関して好ましい。
不溶性亜鉛塩の最大粒子寸法が1.7ミリメートル以下である場合には、食器洗浄機内に不溶性の残留物が残る可能性はない。不溶性の残留物が残る可能性を更に低減させるため、不溶性亜鉛塩は、この値よりも明らかに小さい平均粒子寸法を有することが好ましく、例えば250μm以下の平均粒子寸法を有することが好ましい。亜鉛塩の溶解性が低い程、この事項は重要である。更に、粒子寸法が小さくなるにつれて、ガラス腐食防止作用は向上する。非常に難溶性の亜鉛塩の場合、平均粒子寸法は100μm以下であることが好ましい。更に難溶性である塩の場合にはより小さくすることができ、例えば、非常に難溶性の酸化亜鉛については、100μm以下の平均粒子寸法が好ましい。
更に好ましい種類の化合物は、少なくとも1種の単量体及び/若しくは重合体の有機酸のマグネシウム及び/若しくは亜鉛塩である。これらは、繰り返して使用する場合であっても、腐食の結果としてガラス器具の表面を変化させたり、特にガラス表面に曇り、染み、引っかき傷を生じたり、ガラス表面が虹色にきらめいたりすることをも防止する効果を有する。
単量体及び/若しくは重合体の有機酸のマグネシウム及び/若しくは亜鉛塩を用いる場合であっても、上述のように、分枝していない飽和又は不飽和のモノカルボン酸、分枝した飽和又は不飽和のモノカルボン酸、飽和又は不飽和のジカルボン酸、芳香族モノ−、ジ−及びトリカルボン酸、糖酸、ヒドロキシ酸、オキソ酸、アミノ酸及び/又は重合体カルボン酸の群からの単量体及び/若しくは重合体の有機酸のマグネシウム及び/若しくは亜鉛塩が好ましい。
本発明に関して好ましい、有機酸、好ましくは有機カルボン酸の亜鉛塩の範囲は、水に不溶性又は難溶性である塩、即ち、100mg/l以下、好ましくは10mg/l以下の溶解度、特に溶解度が0mg/lであるものから、水中での溶解度が100mg/l以上、好ましくは500mg/l以上、より好ましくは1g/l以上、特に5g/l以上(これらの溶解度は、水温20℃でのものである)であるような塩までにわたる。亜鉛塩の第1の群は、例えば、クエン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛及びステアリン酸亜鉛を含み、可溶性亜鉛塩は、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛を含む。
使用するガラス腐食防止剤は、有機カルボン酸の少なくとも1種の亜鉛塩、より好ましくはステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛及び/又はクエン酸亜鉛の群からの亜鉛塩であることが特に好ましい。リシノール酸亜鉛、アビエチン酸亜鉛及びシュウ酸亜鉛も好ましい。
本発明に関して、清浄化用組成物中の亜鉛塩の含量は、それぞれの場合でガラス腐食防止剤を含有する組成物の全重量を基準として、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%、特に0.4〜3重量%であることが好ましく、又は酸化された形態で(Zn2+として計算しての)亜鉛含量は、0.01〜1重量%、好ましくは00.2〜0.5重量%、特に00.4〜0.2重量%である。
腐食防止剤(Corrosion inhibitors)
腐食防止剤は食器又は装置を保護する作用を果たし、機械式食器洗浄機の分野において、特に銀保護剤(silver protectant)は重要である。従来技術から知られている既知の物質を用いることができる。一般に、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール、及び遷移金属塩又は錯体の群から選ばれる銀保護剤を用いることができる。ベンゾトリアゾール及び/又はアルキルアミノトリアゾールを用いることが特に好ましい。本発明に好ましく用いることができる3−アミノ−5−アルキル−1,2,4−トリアゾールの例には、5−プロピル−、−ブチル−、−ペンチル−、−ヘプチル−、−オクチル−、−ノニル−、−デシル−、−ウンデシル−、−ドデシル−、−イソノニル−、−バーサチック−10酸アルキル−、−フェニル−、−p−トルイル−、−(4−tert−ブチルフェニル)−、−(4−メトキシフェニル)−、−(2−,−3−,−4−ピリジル)−、−(2−チエニル)−、−(5−メチル−2−フリル)−、−(5−オキソ−2−ピロリジニル)−3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが含まれる。機械式食器洗浄機用洗浄剤において、アルキルアミノ−1,2,4−トリアゾール又はそれらの生理学的に互換性のある塩は、0.001〜10重量%、好ましくは0.0025〜2重量%、より好ましくは0.01〜0.04重量%の濃度で使用される。塩を形成するのに好ましい酸は、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、亜硫酸、有機カルボン酸、例えば酢酸、グリコール酸、クエン酸、コハク酸である。特に有用なものは、5−ペンチル−、5−ヘプチル−、5−ノニル−、5−ウンデシル−、5−イソノニル−、5−バーサチック−10酸アルキル−3−アミノ−1,2,4−トリアゾール並びにそれら物質の混合物である。
清浄化用組成物中にしばしば見出されるものは、銀表面の腐食を著しく低減することができる塩素含有活性化剤(active chlorine-containing agents)である。塩素を含まない清浄化剤には、特に酸素−及び窒素−含有のレドックス活性(redox-active)な有機化合物、例えば、二−及び三水素フェノール、例えば、ヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシノール、ピロガロール及びこれらの種類の化合物の誘導体等がある。塩型及び錯体型の無機化合物、例えば、Mn、Ti、Zr、Hf、V、Co及びCe等の金属の塩もしばしば使用されている。この点に関して、マンガン及び/若しくはコバルト塩及び/若しくは錯体、より好ましくはコバルト(アミン)錯体、コバルト(アセテート)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルト若しくはマンガンの塩化物、及びマンガンスルフェートの群から選ばれる遷移金属塩も好ましい。器具の腐食を防止するために、亜鉛化合物も使用することができる。
上述の銀保護剤、例えば、ベンゾトリアゾールの代わりに又はそれに加えて、レドックス活性な物質を用いることもできる。これらの物質は、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルト及びセリウム塩及び/又は錯体の群からの無機レドックス活性物質であって、金属は酸化状態がII価、III価、IV価、V価又はVI価のいずれかであることが好ましい。
使用する金属塩又は金属錯体は、少なくとも部分的に水溶性のであるべきである。塩を形成するために好適な対イオンには、常套の一価、二価若しくは三価の負電荷の無機アニオン、例えば、オキシド、スルフェート、ニトレート、フルオリドなどのアニオンが含まれるが、有機アニオン、例えばステアレートは含まない。
本発明に関して、金属錯体は、中央原子及び1又はそれ以上の配位子(ligand)、及び場合によって追加的な1又はそれ以上の上述のアニオンを有してなる化合物である。中央原子は、上述した1つの酸化状態における上述の1種の金属である。配位子は一座若しくは多座配位子であるアニオン若しくは中性分子であって、本発明に関する「配位子」という用語は、例えば「Roempp Chemie Lexikon、Georg Thieme Verlag、Stuttgart/New York、9th edition、1990、page 2507」に詳細により説明されている。金属錯体における中央原子の電荷及び配位子の電荷の総和が0にならない場合には、カチオン電荷が過剰であるか若しくはアニオン電荷が過剰であるかに応じて、上述した1若しくはそれ以上のアニオン又は1若しくはそれ以上のカチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムイオンによって電荷の調和を確保することができる。好適な錯化剤は、例えばシトレート、アセチルアセトネート又は1−ヒドロキシエタン−−1,1−ジホスホネート等である。
化学の分野で通例の「酸化状態(oxidation state)」の定義は、例えば、「Roempp Chemie Lexikon、Georg Thieme Verlag、Stuttgart/New York、9th edition、1991、page 3168」に記載されている。
特に好ましい金属塩及び/又は金属錯体は、MnSO、Mn(II)シトレート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)[1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート]、V、V、VO、TiOSO、KTiF、KZrF、CoSO、Co(NO)、Ce(NO)及びこれらの混合物の群から選ばれ、従って、本発明の好ましい機械式食器洗浄剤は、金属塩及び/又は金属錯体が、MnSO、Mn(II)シトレート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II) [1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート]、V、V、VO、TiOSO、KTiF、KZrF、CoSO、Co(NO)、Ce(NO)及びこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする。
これらの金属塩又は金属錯体は一般に、従来の清浄化剤を用いることなく、銀腐食保護のために本発明の洗浄用若しくは清浄化用組成物に用いることができる市販の物質である。例えば、Ti(SO)溶液を希釈して得られるチタニルスルフェート、TiOと同様に、SO(接触法)の製造から知られる五価及び四価バナジウム(V、VO、V)の混合物も好適である。
無機レドックス活性物質、特に金属塩又は金属錯体は、貯蔵中における早過ぎる分解又は酸化を防止するため、被覆されていること、即ち、水密性(water-tight)を有するが、清浄化温度付近では多少なりとも可溶性である物質によって全体が覆われていることが好ましい。好ましい被覆材料は、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然起源のワックス、例えばカルナウバワックス、カンデリラロウ(candelilla wax)、蜜ロウ(beeswax)、比較的高い融点のアルコール、例えばヘキサドデカノール、セッケン若しくは脂肪酸等であって、これらは既知の方法、例えば、食品工業分野からの「Sandwik」のメルトコーティング方法(melt coating method)等によって適用することができる。室温において固体である被覆材料は、被覆すべき物質に溶融状態で適用され、例えば微細に分割した被覆すべき物質を遠心分離して、溶融した被覆材料の連続的に形成された噴霧ミストゾーン等を通して、連続ストリームにて被覆することができる。融点は、銀処理の間に被覆材料が容易に溶解し又は迅速に溶融するように選択する必要がある。融点は、45℃〜65℃の範囲、好ましくは50℃〜60℃の範囲であることが理想的である。
上述した金属塩及び/又は金属錯体は清浄化用組成物中に、いずれの場合にも腐食防止剤を含む組成物全体基準で好ましくは0.05〜6重量%、より好ましくは0.2〜2.5重量%の量で存在する。
酵素(Enzymes)
洗浄用若しくは清浄化用組成物の洗浄若しくは清浄化性能を向上させるため、酵素を使用することができる。これらの酵素には、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ又はオキシドレダクターゼ(又は酸化還元酵素(oxidoreductases))及び好ましくはそれらの混合物が含まれる。これらの酵素は、原則として天然起源のものであって、天然分子から出発して、洗浄用若しくは清浄化用組成物に用いるために改良がなされており、そのようにして用いることが好ましい。洗浄用若しくは清浄化用組成物は、活性タンパク質基準で、1×10−6〜5重量%の総量で酵素を含むことが好ましい。タンパク質濃度は、既知の方法、例えば、BCA法又はビウレット法(biuret method)によって求めることができる。
プロテアーゼの中で、サチライシン(subtilisin)タイプのものが好ましい。それらの例には、subtilisins BPN'及びsubtilisin Carlsberg、protease PB92、subtilisin 147及びsubtilisin 309、バシラス・レンタス・アルカリン・プロテアーゼ(Bacillus lentus alkaline protease)、subtilisin DY、並びに酵素thermitase及びプロテイナーゼK(proteinase K)(これはsubtilasesに分類できるが、狭い意味ではsubtilisinsには分類されない)、及びprotease TW3及びproteaseTW7等がある。subtilisin Carlsbergは、Novozymes A/S(Bagsvaerd、Denmark)から「Alcalase(登録商標)」の商品名で開発された形態で入手できる。subtilisin47及びsubtilisin309はNovozymes社から、それぞれ「Esperase(登録商標)」及び「Savinase(登録商標)」の商品名で販売されている。「BLAP(登録商標)」の名称でリストに掲載されている変位種(variant)は、Bacillus lentus DSM 5483のプロテアーゼから誘導されるものである。
有用なプロテアーゼのその他の例には、Durazym(登録商標)、Relase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Nafizym、Natalase(登録商標)、Kannase(登録商標)及びOvozymes(登録商標)の商品名でNovozymes社から得られる酵素、Purafect(登録商標)、Purafect(登録商標)OxP and Properase(登録商標)の商品名でGenencor社から得られる酵素、Protosol(登録商標)の商品名でAdvanced Biochemicals Ltd.社(Thane、India)から得られる酵素、Wuxi(登録商標)の商品名でWuxi Snyder Bioproducts Ltd.社(China)から得られる酵素、Proleather(登録商標)及びProtease P(登録商標)の商品名でAmano Pharmaceuticals Ltd.社(名古屋、日本)から得られる酵素、並びにProteinase K-16の商品名で花王株式会社(Kao Corp.)、(東京、日本)から得られる酵素等がある。
本発明に用いることができるアミラーゼの例には、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens 又はBacillus stearothermophilusからのα−アミラーゼ及びそれらの開発種(developments)であって、洗浄用若しくは清浄化用組成物に用いるために改良されたものがある。B. licheniformis酵素は、Novozymes社からTermamyl(登録商標)の商品名で、及びGenencor社からPurastar(登録商標)STの商品名で得られる。このα−アミラーゼの改良生成物は、Novozymes社からDuramyl(登録商標)及びTermamyl(登録商標)ultraの商品名で、Genencor社からPurastar(登録商標)OxAmの商品名で、並びにDaiwa Seiko Inc社(東京、日本)からKeistase(登録商標)として入手できる。B. amyloliquefaciensα−アミラーゼはNovozymes社からBAN(登録商標)の名称で販売されており、B. stearothermophilusα−アミラーゼから得られる変異種は、同様にNovozymes社から、BSG(登録商標)及びNovamyl(登録商標)の名称で販売されている。
この目的に更に強調されるべき酵素は、Bacillussp.A 7-7(DSM 12368)からのα−アミラーゼ、及びB. agaradherens(DSM 9948)からのcyclodextrin glucanotransferase(CGTase)である。
同様に好適なものは、Aspergillus niger及びA. oryzaeからのα−アミラーゼの開発種であって、これらはNovozymes社からFungamyl(登録商標)の商品名で得られる。その他の市販の生成物は、例えばAmylaseLT(登録商標)である。
更に、リパーゼ又はクチナーゼ(cutinase)を、特にそれらのトリグリセリド切断活性(triglyceride-cleaving activities)のために、また、その場で(in situ)好適な前駆物質から過酸を生成させることを目的として、本発明に用いることができる。それらの例には、Humicola lanuginosa (Thermomyces lanuginosus)から本来的に得られるリパーゼ、又は特にD96Lアミノ酸置換によって開発されたリパーゼが含まれる。それらは、例えば、「Lipolase(登録商標)」、「Lipolase(登録商標)Ultra」、「LipoPrime(登録商標)」、「Lipozyme(登録商標)」及び「Lipex(登録商標)」の商品名で、Novozymes社から販売されている。例えば、Fusarium solani pisi及びHumicola insolensから本来的に単離されたクチナーゼを使用することもできる。同様に有用なリパーゼは、Lipase CE(登録商標)、Lipase P(登録商標)、Lipase B(登録商標)、Lipase CES(登録商標)、Lipase AKG(登録商標)、Bacillis sp、Lipase(登録商標)、Lipase AP(登録商標)、Lipase M−AP(登録商標)及びLipase AML(登録商標)等の名称でAmanoから得られる。使用することができるGenencor社からのリパーゼ及びクチナーゼの例には、出発酵素がPseudomonas mendocina及びFusarium solaniiから本来的に単離されたものがある。その他の重要な商業的製品には、Gist-Brocades社によって本来的に販売されているM1 Lipase(登録商標)及びLipomax(登録商標)製剤(preparations)、及び、Lipase MY−30(登録商標)、Lipase OF(登録商標)及びLipase PL(登録商標)の名称で名糖産業株式会社(日本)によって販売されている酵素、並びにGenencor社からの製品Lumafast(登録商標)等が含まれる。
ヘミセルラーゼによって結合された酵素を用いることもできる。これらの酵素には、例えば、マンナナーゼ(mannanases)、キサンタンリアーゼ(xanthane lyases)、ペクチンリアーゼ(pectin lyases (=pectinases))、ペクチンエステラーゼ(pectin esterases)、pectate lyases、xyloglucanases(=xylanases)、pullulanases及びβ-glucanasesが含まれる。好適なマンナナーゼは、例えば、Gamanase(登録商標) and PektinexAR(登録商標)の名称でNovozymes社から、Rohapec(登録商標) B1Lの名称でAB Enzymes社から、及びPyrolase(登録商標)の名称でDiversa Corp.社(SanDiego、CA、USA)から入手することができる。B. subtilisから得られるβ−グルカンは、Cereflo(登録商標)の名称でNovozymes社から得られる。
漂白作用を向上させるため、本発明では、オキシドレダクターゼ(oxidoreductases)、例えばオキシダーゼ(oxidases)、オキシゲナーゼ(oxygenases)、カタラーゼ(catalases)、ペルオキシダーゼ(peroxidases)、例えばハロペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、グルコースペルオキシダーゼ若しくはマンガンペルオキシダーゼ(Manganese peroxidases)、ジオキシゲナーゼ(dioxygenases)、又はラッカーゼ(laccases)(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)を含めて使用することができる。好適な市販製品には、Novozymes社からのDenilite(登録商標)1及び2がある。好ましくは有機化合物、より好ましくは芳香族化合物であって、酵素と相互作用するものを関連するオキシドリダクターゼの活性を向上させるため(向上剤として)、又は酸化酵素と汚染物質との間のレドックス・ポテンシャルに大きな差がある場合に電子フラックスを確保するため(mediatorsとして)、追加的に加えることは有利である。
これら酵素は、例えば、微生物、例えばバチルス属、ストレプトミセス属、フミコラ(Humicola)属又はシュードモナス属(Pseudomonas)から本来的に得られるか及び/又は好適な微生物、例えば糸状菌又はバチルス属のトランスジェニック発現ホストによってそれ自体既知のバイオテクノロジープロセスにて生産される。
これらの酵素は、それ自体確立されているプロセス、例えば、沈殿、沈降、濃厚化(又は濃縮)、液相の濾過、精密濾過、限外濾過、化学薬品による処理、脱臭、又はこれらの工程の好適な組合せによって精製されることが好ましい。
酵素は、従来技術において確立されたいずれかの形態にて使用することができる。それらの形態には、例えば、造粒、押出又は凍結乾燥によって得られる固体の調製物、又は、特に液体若しくはゲル形態の組成物の場合に、酵素の溶液、有利には高度に濃厚化され、低水分及び/又は安定化剤が混合された形態の酵素の溶液が含まれる。
別法として、酵素は、例えば、酵素溶液を好ましくは天然高分子と共に押出し若しくは噴霧乾燥したりすることによって、固体又は液体のいずれかの投与形態にてカプセル化したり、又は例えば酵素を固体状ゲル中に封入したり、若しくは酵素含有コアを水−、空気−及び/又は化学薬品−不透過性の保護層によって被覆するコアシェルの形態にカプセル化したりすることもできる。そのような適用された層に、更に活性な成分、例えば安定化剤、乳化剤、色素、漂白剤又は染料を加えることもできる。そのようなカプセルは、それ自体既知の方法、例えば、撹拌又は転動造粒又は流動床プロセスなどによって適用される。そのような粒状物は、例えば、高分子フィルム形成物質を適用した結果として、その被覆に起因して、低い粉化性(low-dusting)及び貯蔵安定性を有する。
2種又はそれ以上の酵素を一緒に処方して、単一の粒状物が複数の酵素活性を有するようにすることもできる。
タンパク質及び/又は酵素は、特に貯蔵中に、例えば物理的影響、酸化若しくはタンパク質分解的切断によって、例えば不活性化、変性又は崩壊等の損傷から保護することができる。タンパク質及び/又は酵素は、微生物学的に得られ、特に組成物がプロテアーゼをも含有する場合に、タンパク質分解を阻害することが特に好ましい。
安定化剤の1つの群は、可逆的プロテアーゼ阻害剤(inhibitors)である。しばしば、ベンズアミジンヒドロクロリド、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸又はそれらの塩若しくはエステルが使用され、特に芳香族基を有する誘導体、例えば、オルト置換、メタ置換、及びパラ置換されたフェニルボロン酸又はそれらの塩若しくはエステルが使用される。言及すべきペプチド性プロテアーゼ阻害剤はオボムコイド(ovomucoid)及びロイペプチン(leupeptin)を含み、更なる選択肢は、プロテアーゼとペプチド阻害剤との融合タンパク質の生成である。
更なる酵素安定化剤は、例えばモノ−、ジ−、トリ−エタノールとプロパノールアミン及びそれらの混合物等のアミノアルコール、C12までの脂肪族カルボン酸、例えばコハク酸、その他のジカルボン酸若しくは上述した酸の塩である。末端キャップされた脂肪酸アミドアルコキシレートも、安定化剤として好適である。ビルダーとして使用される特定種の有機酸も、存在する酵素を更に安定化させることができる。
低級脂肪族アルコール、特にポリオール、例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール又はソルビトールは、その他の酵素安定化剤としてしばしば用いられる。カルシウム塩、例えば酢酸カルシウム又はギ酸カルシウムは、マグネシウム塩と同様に用いられる。
ポリアミドオリゴマー又は高分子化合物、例えばリグニン、水溶性のビニルコポリマー又はセルロースエーテル、アクリルポリマー及び/又はポリアミド等は、物理的影響又はpH変動を含む影響に対して、酵素製剤を安定化させる。ポリアミンN−オキシド含有ポリマーは、同時に酵素安定化剤として作用する。その他の高分子安定化剤には、鎖状C−C18ポリオキシアルキレンがある。アルキルポリグリコシドも、本発明の組成物の酵素成分を安定化させることができ、それらの性能を向上させることさえある。架橋N−含有化合物も酵素安定化剤として作用する。
還元剤及び抗酸化剤は、酸化的崩壊に対する酵素の安定性を向上させる。硫黄含有還元剤の例は、亜硫酸ナトリウムである。
安定化剤、例えばポリオール、ホウ酸及び/又はホウ砂の組合せ、ホウ酸若しくはホウ酸塩、還元性塩及びコハク酸若しくはその他のジカルボン酸との組合せ、又はホウ酸若しくはホウ酸塩とポリオール若しくはポリアミノ化合物及び還元性塩との組合せを用いることは好ましい。ペプチド−アルデヒド安定化剤の作用は、ホウ酸及び/又はボロン酸誘導体、及びポリオールの組合せによって向上し、二価のカチオン、例えばカルシウムイオンを更に用いることによって更に向上する。
1又はそれ以上の酵素及び/又は酵素製剤、好ましくは固体プロテアーゼ製剤及び/又はアミラーゼ製剤を、いずれの場合にもおいて酵素を含む組成物全体を基準として、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4.5重量%、特に0.4〜4重量%使用することが好ましい。
分解助剤(Disintegration assistants)
予め形成されたタブレットの分解を容易にするために、分解時間を短縮すべく、タブレット分解物質として既知の分解助剤を、それらの組成物に加えることができる。Roempp (9th edition、vol. 6、p. 4440) 及びVoigtの「Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie」 [Textbook of pharmaceutical technology] (6th edition、1987、p. 182-184)によれば、タブレット分解物質又は分解促進剤は、水中又は胃液中でタブレットの迅速な分解と、吸収し得る形態での薬剤の放出とを確保する助剤とも呼ばれる。
これらの物質は、その作用のために「ブレークアップ(breakup)剤」とも称されるが、水が入ると体積を増大したり、その固有の体積を増大(膨張)するか、又はタブレットをより小さな粒子へ分解する圧力を生じ得るガスを放出したりする。これまで知られていた分解助剤は、他の有機酸を用いることもできるが、例えば炭酸塩/クエン酸系である。膨潤する分解助剤は、例えば、合成ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)又は天然高分子化合物若しくは変性天然高分子化合物、例えばセルロース及びスターチ及びそれらの誘導体、アルギン酸塩若しくはカゼイン誘導体である。
分解助剤は、いずれの場合にも分解助剤を含む組成物の全重量基準で、0.5〜10重量%、好ましくは3〜7重量%、及び特に4〜6重量%の量で用いることが好ましい。
本発明に関して使用するのに好ましい分解物質はセルロース系の分解物質であって、好ましい洗浄用若しくは清浄化用組成物はそのようなセルロース系の分解物質を、0.5〜10重量%、好ましくは3〜7重量%、及び特に4〜6重量%の量で含有する。純粋なセルロースは(C10で示される公式の実験式を有しており、公式の意味で、セロビオースのβ−1,4−ポリアセタールであって、これは2つのグルコース分子から形成される。好適なセルロースは、約500〜5000のグルコース単位からなり、従って50000〜500000の平均モル質量を有している。本発明に関して有用なセルロース系分解物質には、セルロースからポリマー様の反応によって得られるセルロース誘導体も含まれる。そのような化学的に変性させたセルロースは、例えばヒドロキシ水素原子が置換されたエステル化及びエーテル化生成物を含む。しかしながら、ヒドロキシル基が酸素原子を介して結合されていない官能基に置換されたものを、セルロース誘導体として使用することもできる。セルロース誘導体の群には、例えば、アルカリ金属セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、セルロースエステル及びエーテル並びにアミノセルロースが含まれる。上述のセルロース誘導体は、セルロース系の分解物質として単独で使用されるのではなく、セルロースとの混合物として使用されることが好ましい。これらの混合物中のセルロース誘導体の含量は、セルロース系の分解物質基準で、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。使用されるセルロース系の分解物質は、セルロース誘導体を含まない純粋なセルロースであることも好ましい。
分解助剤として使用されるセルロースは、微細に分割された形態よりも、予備混合物と混合される前により粗い形態に転化され、例えば造粒又は緻密化されて、圧縮されることが好ましい。そのような分解物質の粒子寸法は、通常は200μm以上、好ましくはその少なくとも90重量%が300〜1600μmの範囲、特にその少なくとも90重量%が400〜1200μmの範囲である。引用した文献にも詳細に記載されている、上述のより粗い寸法のセルロース系分解助剤は、本発明に関して分解助剤として使用することが好ましく、それらは、例えばRettenmaier社からArbocel(登録商標)TF-30-HGの名称で市販されている。
その他のセルロース系分解物質として又はその成分として、微結晶性セルロースを使用することもできる。この微結晶性セルロースは、セルロースの(セルロース重量全体の約30%)無定形の部分のみを攻撃し及び溶解させるが、結晶性の領域(約70%)には損傷を与えない条件下で、セルロースを部分的に加水分解することによって得られる。加水分解によって生成する微結晶性セルロースのその後の解凝集は、約5μmの一次粒子寸法を有する微結晶性セルロースを与え、例えば200μmの平均粒子寸法を有する粒状物へ圧縮することができる。
本発明に関して好ましい分解助剤、好ましくはセルロース系分解助剤、好ましくは造粒、共造粒若しくは圧縮した形態の分解助剤は、いずれの場合にも分解物質を含む組成物の全重量基準で、0.5〜10重量%、好ましくは3〜7重量%、及び特に4〜6重量%の量で分解物質を含む組成物中に存在する。
本発明によれば、ガスを放出する発泡性の系を、タブレット分解物質として追加的に用いることも好ましい。ガスを放出する発泡性の系は、水と接触するとガスを放出する単独の物質からなるものであってよい。これらの化合物の中で、特に、水と接触すると酸素を放出する物質として、過酸化マンガンを挙げることができる。しかしながら、一般に、ガスを放出する発泡性の系それ自体は、相互に反応してガスを生じさせる少なくとも2つの成分からなる。例えば、窒素、酸素又は水素を放出する系の多様性はここで想像し、実施することができるが、本発明の洗浄用若しくは清浄化用組成物タブレットに用いる発泡性の系は経済性及び環境に対する配慮に基づいて選択され得ることになる。好ましい発泡性の系は、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩と、水溶液中でそのアルカリ金属から二酸化炭素を放出するために好適な酸性化剤とからなる。
アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩の場合、ナトリウム塩及びカリウム塩は、コストの理由から、その他の塩よりも遙かに好ましい。そのようなアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩は、必ずしも純粋なものを使用する必要はなく、種々の炭酸塩及び炭酸水素塩の混合物も好ましい。
使用する発泡性の系は、いずれの場合にも組成物の全重量基準で、2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、特に5〜10重量%のアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩と、1〜15重量%、好ましくは2〜12重量%、及び特に3〜10重量%の酸性化剤を有することが好ましい。
水溶液中でアルカリ金属塩から二酸化炭素を放出する酸性化剤であって、使用することができるものは、例えば、ホウ酸及び硫酸水素アルカリ金属塩、硫酸二水素アルカリ金属塩、並びにその他の無機塩である。しかしながら、有機酸性化剤を使用することも好ましく、クエン酸は特に好ましい酸性化剤である。その他の固体のモノ−、オリゴ−及びポリ−カルボン酸を用いることもできる。この群からは、酒石酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸及びポリアクリル酸が順に好ましい。有機スルホン酸、例えばアミドスルホン酸を使用することもできる。本発明に関して好ましく用いることができる市販の酸性化剤には、Sokalan(登録商標)DCS(BASF社の商標)、コハク酸(最大31重量%)、グルタル酸(最大50重量%)、及びアジピン酸(最大33重量%)の混合物がある。
本発明に関して、有機ジ−、トリ−及びオリゴカルボン酸又はそれらの混合物の群から選ばれる発泡性の系が好ましい。
香料物質(Fragrances)
使用する香油及び/又は香料物質は、それぞれ芳香を発する化合物であってよく、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素種の合成物質であってよい。芳香を発するエステル類の化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエーテルイソブチレート、p−tert-ブチルシクロへキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、及びベンジルサリチレート等である。エーテル類には、例えばベンジルエチルエーテルが含まれ;アルデヒド類には、例えば炭素数8〜18の直鎖のアルカノール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール(lilial)及びボージュナール(bourgeonal)が含まれ;ケトン類には、例えば、ヨノン、α−1又はそれ以上のメチルヨノン及びメチルセドリルケトンが含まれ;アルコール類には、アネトール、シトロネトール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールが含まれ;炭化水素化合物には、テルペン、例えばリモネン及びピネンが含まれる。しかしながら、一緒になって心地よい芳香を生じる2種以上の芳香物質の混合物を用いることも好ましい。そのような香油には、植物起源の香油、例えばピネン油、シトラス油、ジャスミン油、パチュリ油、ローズ油又はイランイラン油も含まれる。同様に好適なものには、マスカテル(muscatel)、セージ油、カモミール油、チョウジ油、バーム油(balm oil)、ミント油、シナモンリーフ油、ライムブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油及びラブダナム油並びに、オレンジブロッサム油、ネロリ油、オレンジピール油及びサンダルウッド油等の天然芳香物質の混合物も含まれる。
香料物質は直接処理することもできるが、香料物質を徐々に放出することによって長期間の芳香性を確保するキャリヤーに香料物質を適用することも有利である。そのような有用なキャリヤー材料としては、例えばシクロデキストリンが見出されており、シクロデキストリン芳香複合体(又は錯体)を更に助剤によって被覆することもできる。
染料
好ましい染料は、それらを選択するために当業者はあまり困難を伴うことはないが、高い貯蔵安定性並びに光及び組成物の他の成分に対する不感受性(insensitivity)を有しており、染料含有組成物により処理される基材、例えばガラス、セラミック、プラスチックの食器若しくは繊維等に対して、それらを着色しないように、顕著な持続性(substantivity)を有さない。
溶媒
溶媒には、特に非水性有機溶媒が含まれ、特定する濃度範囲において水との混和性を有することを条件として、一価若しくは多価アルコール、アルカノールアミン若しくはグリコールエーテルの群からの非水性溶媒を用いることが特に好ましい。溶媒は、エタノール、n−若しくはi−プロパノール、ブタノール、グリコール、プロパン−若しくはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピル−若しくはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチル若しくはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル若しくはエチルエーテル、メトキシ−、エトキシ−若しくはブトキシトリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル及びこれらの溶媒の混合物から選ばれることが好ましい。
抑泡剤
有用な抑泡剤は、例えば、セッケン、パラフィン若しくはシリコーン油等であって、これらは場合によってキャリア材料(carrier materials)に適用することができる。好適な再付着防止剤(antiredeposition agents)は、汚染防止剤(soil repellents)とも称されており、例えば、ノニオンセルロースエーテル、例えば、ノニオンセルロースエーテルを基準として、15〜30重量%のメトキシ基及び1〜15重量%のヒドロキシプロピル基の比を有するメチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロース等のノニオンセルロースエーテル、フタル酸及び/若しくはテレフタル酸若しくはそれらの誘導体、特にエチレンテレフタレート及び/若しくはポリエチレングリコールテレフタレート又はそれらのアニオン及び/若しくはノニオン変性誘導体等である。当然のことながら、フタル酸ポリマー及びテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体は特に好ましい。
蛍光増白剤
蛍光増白剤(又は白色化剤(whiteners)としても知られる)は、洗浄用若しくは清浄化用組成物によって処理される繊維製品が灰色化及び黄色化したりすることを防止するために、その洗浄用若しくは清浄化用組成物に対して加えることができる。これらの物質は繊維に付着して、太陽光から吸収した紫外光を淡青色の蛍光発光として放射する過程で、灰色化又は黄色化した洗濯物のイエローシェードと共に、目に見えない紫外光をより長波長の可視光へ変換する増白作用及び漂白作用を生じさせて、白色をもたらす。好適な化合物は、4,4−ジアミノ−2,2−スチルベンジスルホン酸(フラボン酸)、4,4−ジスチリルビフェニル、メチルウンベリフェロン(methylumbelliferones)、クマリン、ジヒドロキノン、1,3−ジアリールピラゾリン、ナフタルイミド、ベンズオキサゾール及びベンズイミダゾール系、並びにヘテロ環によって置換されたピレン誘導体のクラスの物質から得られる。
灰色化防止剤(Graying inhibitors)
繊維製品の清浄化用組成物における灰色化防止剤は、繊維から脱着した汚染物質を洗液中に懸濁された状態に保持するはたらき、従って汚染物質が再付着することを防止するはたらきを有している。この目的に好適なものは、水溶性のコロイド、通常は有機コロイド、例えば、高分子カルボン酸の水溶性の塩、サイズ剤、ゼラチン、スターチ若しくはセルロースのエーテルスルホン酸の塩、スターチ若しくはセルロースの酸性硫酸エステルの塩等である。更に、可溶性スターチ製剤、及び上述したもの以外のスターチ製品、例えば変性スターチ、アルデヒドスターチ等を用いることも可能である。ポリビニルピロリドンを使用することもできる。粒状組成物においても灰色化防止剤として使用し得るものには、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、及びメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース及びそれらの混合物などの混合エーテルがある。
活性抗菌性成分
活性抗菌性成分は、微生物を制御する機能を果たす。作用機構及び抗菌スペクトルに応じて、静菌剤と殺菌剤、静真菌剤と殺菌剤等の間の区別がなされる。これらの群からの重要な物質は、例えば、ベンザルコニウムクロリド、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノール及び酢酸フェニル水銀等であるが、これらの薬剤成分を全く含まなくてもよい。
洗浄用若しくは清浄化用組成物のパッケージとは別に、本発明の方法は、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる活性物質又は活性物質混合物をパッケージするためにも使用することができる。
本発明に関して、薬剤(pharmaceuticals)とは、集合的用語であって、(医薬品(drugs)若しくは化学療法薬(chemotherapeutics)等の用語よりも広い意味で)薬(medicament)という用語と実質的に同様の意味を包含しており、活性物質及び治療用物質並びに種々の薬剤形態におけるそれらのキャリアをも含む。従って薬剤は、人体又は動物の体の外側又は内側へ適用することによって、体のダメージ、疾病、不調、若しくは病的な状態を認識し又は防止し、軽減させ、治癒させ、人体又は動物の体によって生じた体液若しくは活性物質を置換し、病原体、寄生生物若しくは外因性物質を防いだり、排除したり又は無害にしたり、又は体若しくは精神の状態の条件、機能及び状態を認識させる物質及び物質を処方したものである。薬剤は、一般に、化学元素及び化学的化合物及びそれらの自然に得られる混合物及び溶液、処理された若しくは未処理の状態の植物、植物の部分及び植物の構成成分、生体を含む動物の体、処理された若しくは未処理の人体及び動物の体の部分、構成要素及び代謝生成物、並びにウイルス及びそれらの構成要素又は代謝生成物を含む微生物等である。薬剤の群には、例えば血清及びワクチンも含まれる。本出願に関して、薬剤には、医療器具、医療用補助物品(assistants)又は包帯物質等の意味も含まれる。本出願に関して、ボディケア用組成物は、人体のケアのための組成物である。これらの組成物の群には、例えば、皮膚及び毛用の清浄剤、浴用助剤、セッケン等も含まれる。人体の美容用改良剤組成物(化粧品とも称される)は、ボディケア用組成物から区別されるべきである。
本発明に関して、農薬助剤(agrochemical assistants)の群には、飼料(animal foods)、作物保護組成物又は肥料も含まれる。好ましく用いられる活性物質には、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、ダニ駆除剤若しくは抗線虫剤、並びに作物生育調節剤等がある。好ましい殺虫剤には、トリアジメホン、テブコナゾール、プロクロラズ、トリホリン、トリデモルフ・プロピコナゾール(tridemorphq propiconazol)、ピリミカーブ、イプロジオン、メタラキシル、ビテルタノール、エイプロベンフォス(eiprobenfos)、フルシラゾール、ホセチル、プロピザミド、クロロタロニル、ジクロン、マンコゼブ、アントラキノン、マンネブ、ビンクロゾリン、フェナリモル、ベンダイオカルブ、カプタホル、ベナラキシル、チラム等がある。好ましい除草剤には、キザロホップ及びその誘導体、アセトクロール、メトラクロール、イマザプル(imazapur)及びイマザピル、グリホサート及びグルホシネート、ブタクロール、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、ブトラリン、フルアジホップ−ブチル、ビフェノックス、ブロモキシニル、アイオキシニル、ジフルフェニカン、フェンメデファム、デスメディファム、オキサジアゾン、メコプロップ、MCPA、MCPB、リニュロン、イソプロツロン、フラムプロップ及びその誘導体、エトフメセート、ダイアレート、カルベタミド、アラクロール、メタスルフロン、クロルスルフロン、クロルピラリド(chlorpyralid)、2,4−D、トリブホス、トリクロピル、ジクロフォップ−メチル、セトキシジム、ペンディメタリン、トリフルラリン、アメトリン、クロラムベン、アミトロール、アシュラム、ジカンバ、ベンタゾン、アトライジン(atraizin)、シアナジン、チオベンカルブ、プロメトリン、2−(2−クロロベンジル)−4,4−ジメチル−1,2−オキサゾリジン−3−オン、フルオメツロン、ナプロパミド、パラコート、ベンタゾル(bentazol)、モリネート、プロパクロール、イマザキン、メトリブジン、テブチウロン、オリザリン及びフルポキサム等が含まれる。好ましく用いられる殺虫剤又は殺線虫剤には、エブホス(ebufos)、カルボスルファン、アミトラズ、バミドチオン、エチオン、トリアゾホス、プロポクスル、ホサロン、ペルメトリン、シペルメトリン、パラチオン、メチルパラチオン、ダイアジノン、メソミル、マラチオン、リンダン(lindan)、フェンバレラト(fenvalerat)、エトプロホス、エンドリン、エンドスルファン、ジムトエート(dimpthoat)、ディルドリン、ジクロトホス、ジクロルプロップ、ジクロルボス、アジンホス及びその誘導体、アルドリン、シフルトリン、デルタメトリン、ジスルホトン、クロルジメフォルム、クロルピリホス、カルバリル、ジコホル、チオジカルブ、プロパルギット、デメトン及びホサロンが含まれる。好ましい作物生育調節剤の群には、ジベレリン酸、エスレル若しくはエテホン、サイコセル、クロルメコート、エテホン及びメピコート等が含まれる。
(DIN16 920、06/1981によれば)接着剤とは、表面の接着性と内部強度(凝集力)とによって合わせ部を結合させる単量体物質である。接着剤(adhesive)とは総称であって、物理的、化学的又は加工技術の点から選ばれる接着剤型について共通するその他の用語、例えば、グルー、ペースト、ディスパージョン接着剤、ソルベント接着剤、反応接着剤、及びコンタクト接着剤をも含む。接着剤という名称は、ベース物質(例えば、スターチペースト、合成樹脂グルー、スキングルー)、処理条件(例えば、コールドグルー、ヒートシール又はメルト接着剤、アセンブリグルー)、エンドユース(例えば紙接着剤、木工用接着剤、金属用接着剤、壁紙ペースト、ゴム用接着剤)、及び供給形態(例えば、液状接着剤、液体グルー、粉体グルー、パネルグルー、グルーゼリー、接着剤セメント、接着テープ、接着フィルム)等を示す語句をしばしば含む。
接着剤は、主として有機化合物をベースとしているが、無機系接着剤も用いられる。DIN16 920は、接着剤を、物理的硬化性(curable)の接着剤(例えば、グルー、ペースト、ソルベント接着剤、ディスパージョン接着剤、プラスチゾル接着剤及びホットメルト接着剤)と、化学的硬化性の接着剤(例えば、シアノアクリレート接着剤)とに分けている。物理的硬化性の接着剤は、溶媒を含むか又は溶媒を含まない(ソルベントフリー)ものであってよい。それらは、接着プロセスの間又はその前の、物質の状態(state of matter)の変化(例えば、液体から固体へ)によって、又は溶媒の蒸発によって硬化し、一般に1つの成分を有している。
化学的に硬化する一成分又は多成分反応接着剤は、すべての重合反応:エポキシ樹脂と酸無水物又はポリアミンからなる二成分系反応の重付加機構による反応、シアノアクリレート又はメタクリレートの重合機構による反応、並びにアミノ樹脂又はフェノール樹脂系の重縮合機構による反応に基づくものであってよい。接着剤原材料として使用し得るモノマー又はポリマーの範囲は広く変動して、ほとんどすべての物質を接着させることができる。多くの場合の問題点は、プラスチックの接着結合である。
今日の接着剤開発の主たる目的は、有機溶剤を含む系から、溶剤フリー又は溶剤として水を含む系への移行であって、生態学的及び経済的理由から必要とされている。特定の接着剤には、合成樹脂と導電性金属粉末又は色素材料を添加剤として含んでなるいわゆる導電性接着剤(conductive adhesives)がある。物質(例えば紙)を対応して含浸させた表面へ接着させることを防止することを目的とするいわゆる抗接着剤(antiadhesives)の開発は、接着剤の研究開発の副産物であると考えることができる。接着剤は、生体物質によっても得られる。多数の微生物は、種々の物質に付着するために、場合によっては、例えば歯などの湿った物質へ付着するために、接着剤(若しくは接着性物質)を産生する。接着性物質を産生する生物の中で特に興味深い例は、水中で非常に強力で、耐久性のある接着性の結合を形成し、それによって船体等に付着することができるフジツボ(Balanids (suborder Cirrepedia))である。キノンによって架橋されたタンパク質からなるフジツボの接着性物質を、歯科的修復のために用いる試みが歯科医療の分野においてなされている。湿った物質の接着性結合及び水中での結合は、接着剤の研究において多くの場合に、今日まで満足できる程度にまでは解決されていない課題である。
この発明による包装プロセスは、基本的に、上述したすべての接着剤に好適であって、充填物質とそれらを包囲する包装材料との化学的相溶性が要求される。この発明による包装プロセスは、例えば、含水性接着剤若しくは水溶性の接着剤若しくは、使用前に水又は水溶液の中で撹拌するグルーなどについて、特に興味深い。この群の接着剤には、例えば、壁紙ペーストが含まれる。
建築材料という用語は、建築用途に用いられる一般的な無機物質の総称である。天然の建築材料には、例えば、天然石、木材、砂利(gravel)、あら砂(grit)及び砂(sand)等が含まれる。人工の建築材料には、スラグ(slags)、セラミックの建築材料、例えばクリンカ(clinker)、レンガ(brick)及びセラミック、ガラス、プラスチック、補強されたスチール等が含まれ、バインダー(好ましくは建築用バインダー)には、石膏(gypsum)、ライム(lime)、モルタル(mortar)、セメント並びにそれらによって製造される生成物、例えばコンクリート等が含まれる。これには、絶縁材料、例えば、ガラスウール、ロックウール、防音用フォーム及び断熱物質等が含まれ、適する場合には、防火のための、いわゆる建築用助剤(assistants)、シーラント、例えばアスファルト、接着性物質及び建築用保護物質、木材保護物質(wood protectants)及び難燃剤も含まれる。この出願に関して特に興味深いものには、建築助剤(building assistants)、即ち、処理助剤として及びバインダーの特性を変化させるために用いられる物質、例えば、液化剤(liquefiers)、難燃剤及び促進剤、気室孔形成剤(air pore formers)、シーラント、接着性結合剤としての建築用エマルジョン(building emulsions)等がある。
染料は、溶剤及び/又はバインダーに溶解し得る着色剤並びに不溶性の顔料(pigments)の総称である。顔料は、数、構造の多様性及び通常は光力(illuminating power)に関して染料(dyes)に及ばない。例えば、顔料は約100種のものが知られているに過ぎないが、染料は数万もの種類が知られている。尤も、その中でも工業的に使用されるものは、6000〜7000種程度、場合によってはわずかに500種程度である。一般に、染料には蛍光増白剤も含まれる。天然の染料と合成染料とは、起源によってまず区別される。前者は、例えばアントシアニン(工業的にすべての場合に使用し得るものではない)、アリザリン、ベタライン(betalaine)、ログウッド(logwood)、クロロフィル、コシュニーユ(cochenille)、クルクマ(curcuma)、ヘモグロビン、インディゴ、ケルメス(kermes)、マダー(madder)、リトマス、アンナット(annatto)、オルセイン(orcein)、アンティークパープル(antique purple)、サフラワー(safflower)等を含む。よく知られている合成染料には、例えば、アニリンブルー、アニリンブラック、アントラセンブルー、ビスマルクブラウン、クリソイジン、チバブルー(ciba blue)、フクシン、ハイドロン・ブルー(hydron blue) (Hydron(登録商標) Blue R、3R、G)、イメディアル・ブラック(immedial black) (Immedial(登録商標) 及びイメディアルライトダイ(Immedial light dyes))、コンゴーレッド(congo red)、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、メチレンブルー、メチルオレンジ、メチルバイオレット、バリアミン(Variamin)(登録商標)ブルー、ビクトリアブルー等がある。天然染料の中では、アリザリン及びインディゴのみが工業的に合成されており、その他の合成染料はすべて化学工業によって製造されている。
本発明に関して、染料として特に好ましい物質のクラスは、アゾ染料、アジン染料、アントラキノン染料、アクリジン染料、シアニン染料、オキサジン染料、ポリメチン染料、チアジン染料及び/又はトリアリルメタン(triarylmethane)染料等である。化学的構造とは別に、好ましい染料は、繊維に対する挙動又は構造を考慮することなく用いられる着色技術によって特徴付けることもできる。従って、この出願に関して特に好適であるものは、塩基性又はカチオン系染料、媒染染料(mordant dyes)、直接染料(direct dyes)、分散性染料(dispersion dyes)、顕色性染料(development dyes)、バット染料(vat dyes)、金属錯体染料(metal complex dyes)、反応性染料(reactive dyes)、酸性染料(acid dyes)、硫化染料(sulfur dyes)及び/又は直接木綿染料(substantive dyes)等である。
この出願に関して、食品(foods)とは、無変化の状態、調製された状態又は処理された状態にて、ヒトが消費することを目的とする物質であると考えられている。食品には、食品に添加して、その食品の特性に影響を与えたり、又は特定の特性若しくは効果を達成するための食品添加物も含まれる。これらの食品添加物には、例えば、染料(着色料)及び保存料も含まれるが、ビタミン又は微量元素(trace elements)は含まれない。これら天然の成分は、有害な作用を及ぼし得る物質も含むが、これら天然の成分に加えて、食品には、意図して又は意図することなく、食品の中に入り得る天然起源又は人工起源のものであってよい物質も含み得る。後者の場合、人為的起源又は天然起源であってよい。
上述した水溶性の又は水分散性の包装材料とは別に、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、建築材料、染料又は食品からの群の活性物質を包装するために好適な材料は、特に、セルロース誘導体、特にメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースグリコラート)、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレート及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等も含む。ポリアクリレート及びポリメタクリレート、例えば、Eudragit(登録商標) E、Eudragit(登録商標) E30D、Eudragit(登録商標) L、Eudragit(登録商標) L30D、Eudragit(登録商標) S、Eudragit(登録商標) RL及びEudragit(登録商標) RSも好ましい包装材料である。ビニルポリマーの群からの好ましい包装材料は、ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリビニルアセテートフタレート(PVAP)である。更に好ましい水溶性の包装材料はシェラック(shellac)である。
上述した水溶性の又は水分散性の包装材料は、純粋な形態で、又は助剤、例えば可塑剤若しくは安定化剤を添加して、又は混合物の形態で又は複合材料として用いることができる。

Claims (7)

  1. 水溶性の包装を有する組成物を製造する方法であって、
    a)水溶性の材料を成形して、ベッセルを形成する工程;
    b)前記ベッセルに、洗浄用若しくは清浄化用組成物、化粧品、薬剤、ボディケア用組成物、農薬助剤、接着剤、表面処理組成物、建築材料、染料又は食品の群から選ばれる充填物質を充填する工程;
    c)前記充填したベッセルに水溶性のフィルムウェブを適用する工程;
    d)前記充填したベッセルをシールする工程;
    e)前記充填及びシールしたベッセルの仕上げをする工程
    を含んでなり、該方法の途中において、充填物質と工程c)において適用される水溶性のフィルムウェブとの間に存在する空気を、工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブのオリフィスを少なくとも部分的に通して逃がすことによって、充填したベッセル内に減圧を生じさせることを特徴とする水溶性の包装を有する組成物を製造する方法。
  2. 工程c)における充填したベッセルへの水溶性のフィルムウェブの適用の後であって、工程d)におけるシールの前に、前記充填したベッセル内に減圧を生じさせることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 工程d)におけるシールの後であって、工程e)における仕上げの前に、前記充填したベッセル内に減圧を生じさせることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 充填したベッセルの内側、即ち工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブの下側、及び充填したベッセルの外側、即ち工程c)において適用した水溶性のフィルムウェブの上側の両方に減圧を生じさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程a)における成形を、射出成形又は鋳造又は熱成形によって行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程a)及び/又はc)において用いる水溶性の材料が水溶性のポリマーを含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 工程b)において導入する充填物質は液状形態又は固体状形態であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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