JP2007532100A - microRNAおよび低分子干渉RNAの定量化のための新規方法 - Google Patents

microRNAおよび低分子干渉RNAの定量化のための新規方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、成熟したmicroRNAおよび低分子干渉RNA(siRNA)の発現の検出、定量化、ならびにモニタリングのための、リボ核酸、プローブ、および方法に関する。本発明はさらに、他の非コードRNA、mRNAスプライスバリアントの発現をモニタリングする、ならびに、RNAエディティング、単一の転写産物の対立遺伝子変異体、転写産物における特定のエキソンの突然変異、欠損、または重複(例えば、癌などのヒト疾患に関連する変化)を検出および定量化するための方法に関する。本発明はさらに、デオキシ核酸の発現の検出、定量化、ならびにモニタリングのための方法に関する。

Description

本発明は、成熟したmicroRNAおよび低分子干渉RNA(siRNA)の発現の検出、定量化、ならびにモニタリングのための核酸、プローブ、および方法に関する。本発明はさらに、他の非コードRNA、mRNAスプライスバリアントの発現をモニタリングする、ならびに、RNAエディティング、単一の転写産物の対立遺伝子変異体、転写産物中の特定のエキソンの突然変異、欠損、または重複(例えば、癌などのヒト疾患に関連する変化)を検出および定量化するための方法に関する。本発明はさらに、標的DNA配列の検出および定量化のための方法に関する。
発明の背景
本発明は、非常に多様な核酸サンプル中の標的ヌクレオチド配列の定量化に関し、より詳細には、標的ヌクレオチド配列、特にRNA標的配列(関心が持たれているmicroRNAおよびsiRNA標的配列など)を検出および定量化するのに有用な、また、核酸サンプル間の差(例えば、癌患者のサンプルと、健康な患者からのサンプルなど)を検出するのに有用な、オリゴヌクレオチドプローブの設計および使用を用いる方法に関する。
MicroRNA
国際的な配列データベースの拡大しつつある目録や、これに付随する、生物−細菌、古細菌、および真核生物−の3つすべてのドメインに相当する、ほぼ200のゲノムの配列決定によって、生物体を、遺伝子、転写産物、およびタンパク質の包括的な分子カタログに解体するプロセスが第一に推進されてきた。単一の種内の遺伝的変異の重要性は明らかになり、いくつかの重要なゲノムの遺伝的設計図の完成が終わり、2001年には、ヒトゲノム配列の有効な草案の公開に達している(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。一方、いくつかのタイプの非−タンパク質−コードRNA(低分子核小体RNA、siRNA、microRNA、およびアンチセンスRNAなど)の最近の同定に加えて、ヒトおよびマウスゲノムに由来する転写の詳細で大規模な、数が増加しつつある分子分析によって、より高等の真核生物のトランスクリプトームが、元々予想されていたよりも、かなり複雑であることが示唆されている(非特許文献4;非特許文献5)。
セントラルドグマ:「DNAはRNAを作り、RNAはタンパク質を作る」の結果として、RNAは、遺伝情報をタンパク質に、ただ翻訳するだけの単純な分子と考えられていた。近年では、大部分のゲノムは転写されるが、高等真核生物では、ゲノムのうちのほぼ97%は、タンパク質をコードせず、推定の非コードRNAであると推定されている(非特許文献4)。非コードRNA(ncRNA)は、特に、非常に特異的な核酸認識を必要とする調節的役割のために十分に適合されていると考えられる。したがって、RNAに関する見解は、単なる情報分子から、細胞における多種多様な構造的、情報的、および触媒的分子へと迅速に変化しつつある。
近年では、多数の低分子非コードRNA遺伝子が同定され、microRNA(miRNA)と名付けられた(総説については、非特許文献6)を参照のこと)。発見された最初のmiRNAは、線虫(C.elegans)における、多様な発生的事象の通常の一時的制御にとって不可欠なヘテロクロニック切換遺伝子であるlin−4およびlet−7であった(非特許文献7;非特許文献8)。miRNAは、広範囲の種にわたって進化的に保存され、発現プロフィールにおいて多様性を示し、これは、それらが非常に様々な調節機能に従事し、細胞増殖および発生に対してかなりの効果を発揮することを示唆している(非特許文献6)。最近の研究によって、miRNAが、多くの段階で遺伝子発現を調節できることが示され、これにより、新規の遺伝子調節機構が示され、また、RNAがタンパク質と類似の調節性役割を果たすことができるという考えの助けとなっている。RNAに基づくこの調節を理解することは、我々が、より高等真核生物におけるゲノムの複雑さを理解する、また、複雑な遺伝子調節性ネットワークを理解することを助けることとなる。
miRNAは、より長い内因性ヘアピン型転写産物から加工される21〜25ヌクレオチド(nt)のRNAである(非特許文献9)。サンガー研究所(Sanger Institute)(英国)によって主催されるmiRNAレジストリデータベースによれば、現在までに、ヒト、虫、ショウジョウバエ、および植物において、719を超えるmicroRNAが同定されており、また、推定上の遺伝子に相当する多くのmiRNAも同定されている。ある種のmiRNAは、ゲノム内で複数の座位を有し(非特許文献10)、時として、いくつかのmiRNA遺伝子は、タンデムクラスターで配置される(非特許文献11)。現在までに報告された多数のmiRNAが、たった1度だけしか単離されていないという事実は、多くの新規のmiRNAが将来発見されるであろうことを示唆する。ヒト染色体21および22の最近の徹底的な転写分析により、観察された転写の49%が、知られているアノテーションと異なるということ、さらに、こうした新規の転写産物が、コードRNAと非コードRNAのどちらでもあることが発見された(非特許文献5)。現在までに同定されたmiRNAは、おそらく氷山の一角であり、miRNAの数は、非常に大きいことが判明する可能性がある。
現在までに特徴づけられたmicroRNAの特性を総合すると(非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8)、以下のようにまとめることができる:
1.miRNAは、約21〜25ntの一本鎖RNAである。
2.これらは、酵素ダイサー(Dicer)によって、より長い内因性二本鎖ヘアピン前駆体から切断される。
3.miRNAは、二本鎖ヘアピンの形の前駆体RNAを潜在的にコードすることができるゲノム領域に正確にマッチする。
4.miRNAおよびその予測される前駆体二次構造は、系統的に保存される。
根拠のいくつかの系統は、酵素ダイサー(Dicer)およびアルゴノート(Argonaute)が、miRNA生合成、成熟、および機能に関係する重要なものであることを示唆している(非特許文献12)。miRNA生合成に必要とされる遺伝子における突然変異は、遺伝発生的欠陥(defect)をもたらし、これは、少なくとも部分的に、miRNAを産生する役割に由来する。現在の見解は、miRNAが、最初に3’末端に2または3ntのオーバーハング(overhang)をもち、pre−miRNAと称される、二本鎖の形のヘアピン前駆体から、ダイサーによって切断されるということである。補助因子が、pre−miRNPを連結し、pre−miRNAをほどいて一本鎖miRNAにし、その後、pre−miRNPは、miRNPに変換される。miRNPの一部が複合体を形成するのに対して、miRNAは、調節性の標的を認識することができる。miRNPとRNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)との間には、サイズが類似であることや、RNAヘリカーゼとPPDタンパク質の両方を含むことなどを含めて、いくつかの類似点が存在する。したがって、miRNPとRISCが、複数の機能をもつ同じRNPであることが提案されてきた(非特許文献6)。様々な作用因子が、miRNAを、様々な経路へと導く。pre−miRNAの構造は、3’末端に2または3ntオーバーハングをもつ22nt RNA二本鎖が、タンパク質複合体の再構成のために有益であり、また、タンパク質成分への短いRNA二本鎖の高親和性結合に必要とされる可能性があるという見解と整合性があった(総説については、非特許文献6を参照のこと)。
miRNAが、真核生物の遺伝子調節に重要な役割を果たすことを示唆する根拠は増加しつつある。発見された第1のmiRNA遺伝子、lin−4およびlet−7は、他のヘテロクロニック遺伝子の3’非翻訳領域(UTR)における反復エレメントと不完全に塩基対をなし、アンチセンスRNA−RNA相互作用によって、直接的かつ負の方向に翻訳を調節する(非特許文献7;非特許文献8)。他のmiRNAも、同様に、限定された相補的かつ抑制性の翻訳によって標的mRNAと相互作用することが考えられる(非特許文献11;非特許文献13)。しかし、多くの研究が、miRNAと、その標的RNAとの間に完全な相補性がある場合に、翻訳の阻害よりもむしろ、標的RNAの分解がもたらされる可能性があることを示しており(非特許文献14)、これは、相補性の程度が、その機能を決定することを示唆している。近い相補性をもつ配列を同定することによって、いくつかの標的が、予測されており、これらのうちの大部分は、細胞増殖および発生に重要である潜在的な転写因子であると考えられている。発生の調節因子として作用する予測されたmiRNA標的の高い割合、および標的部位の保存は、miRNAが、広範囲の生物の発生および挙動および細胞運命の決定に関与することを示唆している(総説については、非特許文献6を参照のこと)。
microRNAおよびヒト疾患
miRNAのゲノム位置の分析によって、これらが、ヒトの発生および疾患において重要な役割を果たすことが示唆されている。miRNAまたはそのプロセッシング機構が関係する可能性があるいくつかのヒト疾患は、既に特定されている。それらのうちの1つは、脊髄性筋萎縮症(SMA)、すなわち、タンパク質レベルの低下または運動ニューロン(SMN)遺伝子の生存の機能喪失突然変異によって引き起こされる小児科の神経変性疾患である(非特許文献15)。SMN複合体の一部である2つのタンパク質(Gemin3およびGemin4)も、miRNPの成分であるものの、miRNA生合成または機能が、SMAにおいて異常調節されるかどうか、また、これが、病因に対してどのような影響を有するかは、まだ分かっていない。mi/siRNAに関連がある別の神経性疾患は、脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP)の欠乏または突然変異によって引き起こされる脆弱X精神遅滞(FXMR)であり(非特許文献16)、miRNAが、他の神経性疾患においても役割を果たす可能性があるさらなる手掛かりが存在する。さらに別の興味深い発見は、miR−224遺伝子座が、2つの異なる神経性疾患:早発性パーキンソン症候群およびX連鎖性精神遅滞の、ごく小さい候補領域内にあるということである:(非特許文献17)。癌とmiRNAとの関連も、最近記載されている。慢性リンパ性白血病(CLL)における最も頻度が高い単一の遺伝子異常は、染色体13q14に集中する(50%のケース)欠損である。最近の研究によって、2つの異なるmiRNA(miR15およびmiR16)遺伝子がクラスター化され、LEU2のイントロン内(B細胞慢性リンパ性白血病(B−CLL)腫瘍抑制座位の欠損される(deleted)最小領域内にある)に位置することが決定され、どちらの遺伝子も、大部分のCLL症例では、欠損または下方制御されている(非特許文献18)。miRNAとヒト疾患との関係は、miRNAおよびそれらが制御する遺伝子ネットワークについての知識に並行して強固になっていくだけであると予測されている。さらに、RNA仲介型の遺伝子発現の調節を理解することにより、おそらく臨床医学に革命をもたらすことになるであろう新規の治療的手法の進展につながる(非特許文献16)。
低分子干渉RNAおよびRNAi
21〜25ntのサイズ範囲の低分子RNAに払われる最近の注目のいくつかは、二本鎖RNAが、相同である任意のRNAの分解をもたらす、RNA干渉(RNAi)という現象に起因する(非特許文献19)。RNAiは、おそらくウイルス攻撃および可動性の遺伝因子に対する予防のために進化してきたであろう複雑かつ古くからの細胞機構に依存する。RNAi機構における重要なステップは、短鎖干渉RNA(siRNA)(それぞれ約22nt長である二本鎖RNA)の産生である。siRNAは、相同の標的RNAの分解および同じ標的RNAに対するより多くのsiRNAの産生をもたらす(非特許文献20)。RNAiのmRNA分解経路についての現在の見解は、逆平行のダイサー二量体が、長い二本鎖dsRNAを切断し、ATP依存性の方式でsiRNAを形成するということである。その後、siRNAは、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれ、siRNAのATP依存性の巻き戻しによって、RISCが活性化される(非特許文献21;非特許文献22)。活性なRISC複合体は、このようにして、特異的な標的mRNAを分解するように導かれる。
microRNAおよびsiRNAの検出および分析
miRNAが、遺伝子調節の新しく発見された隠された層に相当する可能性があるという現在の見解により、世界中の研究者の間で、miRNA、その標的、および作用の機構の発見に高い関心が持たれるようになった。しかし、これらの低分子RNAの検出および分析は、平凡なものではない。したがって、現在までの700を超えるmiRNAの発見には、その特別な特徴を利用することが必要とされてきた。最初に、研究グループは、単離および検出のための第一の基準として、miRNAの小さなサイズを使用した。その結果、第一に、cDNAライブラリ構築手順におけるサイズ選択によって、低分子のRNAが、通常除外されるので、標準のcDNAライブラリは、miRNAを欠くこととなった。ハエ胚、虫、またはHeLa細胞由来の全RNAは、サイズ分別されており、その結果、25ヌクレオチド以下の分子のみが捕捉されることとなった(非特許文献23)。その後、合成のオリゴマーが、T4 RNAリガーゼを使用して、RNAプールに直接的に連結されている。次いで、これらの配列は、逆転写され、PCRによって増幅され、クローン化され、配列決定された(非特許文献23)。その後、ゲノムデータベースは、この配列について照会され、これらの生物からのmiRNAの起源が確認され、このmiRNA遺伝子が、ゲノム内の他の遺伝子との関係において物理的に位置づけされている。大多数のクローン化された配列は、イントロン領域内、あるいは、遺伝子と遺伝子の間、時としてクラスター内に位置され、これは、タンデムに配置されたmiRNAが、協調調節を可能にするための単一の転写産物からプロセッシングされることを示唆している。さらに、ゲノム配列は、miRNA前駆体の折り返し構造を示している(非特許文献23)。
異なるmiRNAのサイズ、ならびに時として低レベルの発現は、高感度かつ定量的な分析ツールの使用を必要とする。そのサイズが、21〜25ntと小さいので、成熟したmiRNAの発現をモニタリングするための定量的リアルタイムPCRの使用は、除外される。したがって、大抵のmiRNA研究者は、成熟したmiRNAとpre−miRNAの両方の発現を試験するために、現在、ポリアクリルアミドゲルと組み合わせられたノーザンブロット解析を使用している(非特許文献8;非特許文献11;非特許文献24)。成熟したmiRNAを検出するために、プライマー伸張(extension)も使用されている(非特許文献25)。miRNA発現をモニタリングするためのツールとしてのすべてのゲルベースアッセイ(ノーザンブロッティング、プライマー伸張、RNaseプロテクションアッセイなど)の短所としては、低スループットおよび不十分な感受性が挙げられる。マイクロアレイは、優れたスループットを有するので、DNAマイクロアレイは、miRNAを定量化するためのノーザンブロット解析に代わる優れたものであると考えられる。しかし、マイクロアレイの欠点は、効率的なハイブリダイゼーションおよびシグナル産生のための高濃度のインプット標的の必要性、稀な標的に対する不十分な感受性、ならびに、より感受性が高いアッセイ(リアルタイム定量PCRなど)を使用するポスト−アレイ・バリデーション(これは、実行可能でない)の必要性である。最近の報告では、標的として5から10μg分量のインプット全RNAを用いて、ニューロン発達中のmiRNAの発現をモニタリングするために、cDNAマイクロアレイが使用されたが、成熟したmiRNAは、マイクロアレイ・ハイブリダイゼーションの前に、マイクロ濃縮器(micro concentrator)を使用してmiRNA前駆体から分離される必要があった(非特許文献26)。成熟したmiRNAの発現レベルを決定するために、PCR手法も使用された(非特許文献27)。この方法は、低分子RNAのゲル分離およびリンカー・オリゴヌクレオチドへの連結を含むので、miRNAをクローン化するために有用であるが、通常のmiRNA発現プロファイリングのためには非常に非実用的である、非特許文献28は、miRNA前駆体の発現を定量化するためにリアルタイムPCRアッセイを使用する、ノーザンブロット解析に対する代替法を記載している。この方法の短所は、これによって、前駆体miRNAの定量化(成熟したmiRNAの発現レベルを必ずしも反映するというわけではない)が可能になるだけであることである。多数のmiRNAの発現を十分に特徴づけるために、miRNA生合成の変化によって、前駆体miRNAのレベルとは非常に異なるレベルのmiRNAが産生される場面で、ヒト疾患において発現されるものなどの成熟したmiRNAを定量化することが必要である。例えば、26miRNAの前駆体が、非癌性および癌性の結腸直腸組織において、患者から、等しく発現されたのに対して、成熟したヒトmiR143およびmiR145の発現は、非癌組織と比較して、癌組織で大いに減少し、これは、ヒト疾患における特異的なmiRNAについてのプロセッシングの変化を示唆している(非特許文献29)。一方では、シロイヌナズナにおけるmiR166およびmiR165を用いる、トウモロコシにおける最近の発見は、microRNAは、植物における葉の極性を定めるシグナルとして作用し、初期の葉のシグナルセンター(signalling centre)から出る可動性のシグナルを形成することもできることを示唆している(非特許文献30;非特許文献31)。
結論として、リアルタイム定量PCRを使用して成熟したmiRNAならびにsiRNAを測定する際の最も大きな課題は、21〜25ntというその小さなサイズである。本発明の記載されている方法は、小さなRNA分子(miRNAならびにsiRNA)の検出および定量化における上述の実際的な問題に対処し、miRNAおよびsiRNA転写産物の正確かつ特異的な定量化のための、柔軟性のある、好都合な、安価なアッセイの開発を確実にすることを目指す。
RNAエディティングおよび選択的スプライシング
RNAエディティングは、他の力学的に規定された方法(選択的スプライシングまたはポリアデニル化など)を除いて、RNA分子の一次配列中の任意の特異的な変化を示すために使用される。エディティングに起因するRNA変化は、その変化が塩基レベルで起こるかヌクレオチドレベルで起こるかどうかに応じて、2つの広いカテゴリに分かれる(非特許文献32)。RNAエディティングは、非常に広範囲にわたり、哺乳類、ウイルス、有袋類、植物、ハエ、カエル、虫、イカ、真菌、粘菌、渦鞭毛藻類、キネトプラスト目原虫、および他の単細胞の真核生物で起こる。RNAエディティングが、すべての後生動物を含めた多くの他の種において、ほぼ確実に起こるので、知られているエディティング酵素の相同体の分布に基づくと、現行リストは、おそらく氷山の一角を示すに過ぎない。RNAエディティングは、発生的または組織特異的方式で調節される可能性があるので、これは、おそらく、ヒト疾患の病因論においてかなりの役割を果たすであろう(非特許文献32)。
真核生物の遺伝子についての共通の特徴は、これらが、タンパク質をコードするエキソンおよびイントロンからなるということである。イントロンは、イントロンのそれぞれの端の配列が共にスプライシングされるようなRNAスプライシングで、pre−mRNA分子から切除されることによって特徴づけられる。RNAスプライシングは、機能性のmRNAを提供するだけではなく、さらなる多様性を生み出すことも担う。この現象は、選択的スプライシングと呼ばれ、これは、同じ遺伝子から異なるmRNAを産生するという結果になる。単一の遺伝子から生じるアイソフォームに相当するmRNAは、他のエキソンの使用、あるいは2つのエキソンを分断するイントロンの保持によって、異なる可能性がある。このプロセスによって、異なるタンパク質産物(関連する、あるいは大幅に異なる拮抗する細胞機能をもつ可能性がある)が、しばしばもたらされる。選択的スプライシングが非常に広範囲にわたることを示唆する根拠は増加している(非特許文献33)。最近の研究では、ヒトゲノム中のおよそ35,000の遺伝子のうちの少なくとも80%が、選択的スプライシングされることが示されている(非特許文献5)。明らかに、異なるタイプの改変を組み合わせ、その後、異なる遺伝子の転写産物の可能性のある異なる組み合わせを生み出すことにより、選択的スプライシングは、RNAエディティングと共に、タンパク質の多様性を生み出すための強力な機構である。
選択的スプライスバリアントおよびRNAエディティングの分析は、言い換えると、機能性ゲノミクス、疾患診断法、および薬理ゲノミクスへの新規の手法となる。
ヒト疾患の原因因子としての、選択的スプライシングの誤制御
転写アウトプットの詳細な構造の検出は、細胞または組織の分子的特徴付けのための重要なゴールである。ある組織内に存在するスプライスバリアントを検出および定量化できなければ、転写産物含有量またはタンパク質含有量を、正確に示すことはできない。分子医学的な研究では、多くの癌が、スプライスバリアントのレベルを変化させることを示すので、これらの転写産物を検出および定量化する精密な方法が必要とされる。異常なスプライス形を産生する突然変異はまた、脊椎・筋ジストロフィーおよび嚢胞性線維症などの重い疾患の主因である可能性がある。
ヒト疾患の研究の多く、さらに言えば遺伝学の多くは、数モデルの生物の研究に基づいている。選択的スプライシングパターンの進化的な安定性、およびそのスプライシングに対する程度は、突然変異によって変化し、環境的および細胞的条件が、これらのモデルシステムの関連性に影響を与える。現在、選択的スプライシングパターンまたはRNAエディティング変化の速度、およびこれらの速度に影響を与える因子は、ほとんど理解されていない。
以前、酵母におけるRNA転写産物それ自体のスプライシングを検出する、あるいはラット組織における推定上のエキソンスキップスプライシング事象を検出する目的で、他の分析法が実施されたが、これらの手法はどちらも、スプライスバリアント(すなわち細胞ライフサイクルおよび疾患の変化の理解に不可欠である可能性がある因子)の量を推定するのに十分な分解能を有さなかった。したがって、核酸増幅、ハイブリダイゼーションおよび定量化のために、改良された方法が必要である。本発明のこの方法は、mRNAスプライスバリアントならびにRNAエディティングされた(edited)転写産物を区別し、患者から得られるサンプルなどの核酸サンプル中のそれぞれのバリアントの量を定量化することを可能にする。
真核生物におけるアンチセンス転写
RNA仲介型の遺伝子調節は、高等真核生物において広範囲にわたっており、RNA干渉、共抑制、導入遺伝子サイレンシング、インプリンティング、メチル化、ならびに、ひょっとすると斑入り位置効果(position−effect variegation)、およびトランスベクションのような複雑な遺伝事象はすべて、RNAシグナリングに基づくあるいは関係する交差(intersecting)経路を含む(非特許文献34)。最近の研究では、アンチセンス転写が、マウスおよびヒトゲノムにおいて非常に一般的な事象であることが示唆されている(非特許文献35;非特許文献36)。したがって、真核生物の細胞(例えばヒト細胞)における遺伝子発現のアンチセンス調節は、一般的な調節機構であると考えられる。これを考慮して、本発明は、非コードアンチセンスRNAの定量化のための方法、ならびにセンス−アンチセンス転写単位間のオーバーラップ領域の非常に精密なマッピングのための方法を提供する。
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発明の概要
ゲノム機能を確立し、高等真核生物の複雑なトランスクリプトームに隠された情報の層を理解するという課題は、複雑な核酸サンプルにおけるRNA分子の検出、分析、および定量化のための新規の改良された技術を必要とする。したがって、均質なアッセイシステムにおいて特異的かつ感受性が高いオリゴヌクレオチド検出プローブに基づく方法を使用して、成熟したmicroRNA、siRNA、RNAエディティングされた転写産物、ならびに真核生物のトランスクリプトームにおける高度に相同のスプライスバリアントの発現を検出および定量化できることは、非常に望ましいであろう。
本発明は、短い核酸標的(例えば、RNA標的配列)への十分な配列特異性および高い親和性をもつ新規のオリゴヌクレオチドタギング(tagging)プローブおよび検出プローブの設計、合成、および組み合わせられた使用のための方法を提供することによって、ランダムなRNA標的分子を検出する可能性が低い上に、成熟前のRNA分子も検出する可能性が低いような、上に概説した均質なアッセイへの従来の手法が直面する目下の問題を解決する。こうしたタギングプローブは、リアルタイム定量PCRアッセイにおけるポリメラーゼ連鎖反応による核酸のその後の増幅のためのプライミング部位として不可欠である、タギングプローブにアンカーされた(anchored)配列を含有する。本発明の方法は、それぞれ、第1のタギングプローブが、標的配列内の第1の領域とハイブリダイズし、第2のタギングプローブが、同じ相補的な標的配列(例えば、第1の領域と隣接している短いRNA標的配列)内の第2の領域とハイブリダイズするような、相補的な標的配列(例えば短いRNA配列)を検出するために組み合わせて設計された2つのアンカー付けされた(anchored)タギングプローブを利用する。好ましい態様では、タギングプローブの1つは、単一のオリゴヌクレオチド配列を形成するためのリガーゼによって相補的な標的配列とハイブリダイズされる、2つの近接タギングオリゴヌクレオチドプローブの共有結合を可能にするように5’リン酸化されている。複雑な(complex)核酸サンプル中の標的RNA配列とのハイブリダイゼーションにおけるバックグラウンドは、2つのプローブの共有結合的連結のために、両方のプローブの相補的な標的配列(例えば、短いRNA標的配列)へのハイブリダイゼーションが必要とされるような2つのタギングプローブを用いて排除される。この方法はさらに、短い標的配列(例えばmiRNAまたはsiRNA)への感受性が高く特異的なハイブリダイゼーションのための、認識配列の、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)との置換を利用する。連結(ligation)反応の後、PCRプライマーのためのプライミング部位としてタギングプローブに付着されるアンカー(anchor)配列と、アンプリコンへの結合を可能にする、十分な二本鎖安定性をもつ短い検出プローブを使用する、標的配列(例えばリボ核酸を鋳型にする、共有結合的に連結されたオリゴヌクレオチド分子)の定量リアルタイムPCRが行われ、ここで、均質なアッセイに使用される様々な検出原理のうちのいずれかが使用される。好ましい態様では、リアルタイム定量PCRアッセイにおける短い検出プローブの使用を可能にするために、検出プローブは、二本鎖を安定化する、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)、好ましくはオキシLNAで置換される。
別の手法では、核酸サンプル中の標的リボ核酸とハイブリダイズされるタギングプローブを共有結合的に連結することは、耐熱性のリガーゼを使用して実施され、これにより、標的配列タギング反応において実施されるべき高い温度で、変性、アニーリング、および連結の反復的なサイクルが可能になり、それによって、その後のリアルタイム定量PCRアッセイのための複数の共有結合的に連結された鋳型分子が産生される。好ましい態様では、アニーリング温度は、複雑な核酸サンプル中の高度に相同の標的リボ核酸の間の識別を可能にするように調節される。別の態様では、アニーリング温度は、高度に相同の標的配列の間の単一のミスマッチ識別を可能にするように調節される。
さらに別の手法では、第1のタギングプローブの認識配列は、標的リボ核酸配列中の配列、例えば成熟したmicroRNAまたはsiRNAの3’末端と、あるいは、標的リボ核酸配列におけるRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する3’に位置する配列と相補的である。前記の第1のタギングプローブ(RTタギングプローブと呼ばれる)は、逆転写酵素を使用して、標的RNA配列と相補的なプライマー伸長産物を産生するための、逆転写反応におけるアンカー付けされたプライマーとして使用される。第2のタギングプローブ(第2鎖タギングプローブと呼ばれる)は、その認識配列が、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの5’末端に相当する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列に、あるいは、リボ核酸標的配列におけるRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する5’に位置する配列と相補的であるように設計される。第2鎖タギングプローブは、プライマー伸長産物と相補的な第2鎖を産生するために、アンカー付けされたプライマーとして使用される。反応の特異性は、それぞれ、標的RNAおよび相補的なDNA配列の相補的な3’末端および5’末端領域とハイブリダイズする、2つのアンカー付けされたタギングプローブの連続的な使用に基づく。好ましい態様では、RTタギングプローブの認識配列は、二本鎖を安定化する、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)、好ましくはオキシLNAで改変され、高い厳密性のプライマーアニーリング条件の使用が可能になる。さらに別の好ましい態様では、どちらのタギングプローブの認識配列も、二本鎖を安定化する、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)、好ましくはオキシLNAで改変され、それぞれ、逆転写と第2鎖合成反応において、高い厳密性のプライマーアニーリング条件の使用が可能になる。第2鎖反応の後、PCRプライマーのためのプライミング部位としてタギングプローブに付着されるアンカー配列と、アンプリコンへの結合を可能にする、十分な二本鎖安定性をもつ短い検出プローブを使用する、アンカー付けされた標的リボ核酸配列(例えばmicroRNA配列)に相当する得られた二本鎖標的配列の定量リアルタイムPCRが行われ、ここでも均質なアッセイに使用される様々な検出原理のうちのいずれかが使用される。好ましい態様では、リアルタイム定量PCRアッセイにおける短い検出プローブの使用を可能にするために、検出プローブは、二本鎖を安定化する、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)、好ましくはオキシLNAで置換される。さらに別の好ましい態様では、検出プローブは、LNAモノマーと組み合わせて、二本鎖を安定化するLNAジアミノプリンまたはLNA 2−チオ−T高親和性類似体でさらに置換される。
本発明のこの方法は、何十万もの異なる核酸からなる複雑な混合物中の個々の小さいRNA分子の検出および定量化(例えば、miRNAまたはsiRNA標的特異的なタギングプローブセット、およびmiRNAまたはsiRNA検出プローブと組み合わせられた場合に、成熟したmiRNAまたはsiRNAを検出することなど)のために非常に有用かつ適用可能である。タギングプローブセットならびに検出プローブ中の認識配列は、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)、好ましくはオキシLNAの置換によって合成され、非常に感受性が高く特異的なハイブリダイゼーションおよび連結が、高い温度で起こることが可能になる。タギングプローブセットからのアンカープライマー部位を含む、高親和性のヌクレオチド類似体(例えば、LNA、LNAジアミノプリンおよびLNA 2−チオ−チミジン、成熟したmiRNAまたはsiRNAに対応する短いアンプリコン)によって置換された、本発明の短い検出プローブの使用によって、標準のリアルタイム定量PCRアッセイにおいて、直接的にモニタリングすることができる。本発明の方法は、さらに、そのそれぞれのトランスクリプトームにおける何十万もの異なるリボ核酸からなる、ヒト、マウス、ラット、線虫、キイロショウジョウバエ、シロイヌナズナ、イネ、およびトウモロコシ・トランスクリプトームなどの複雑な核酸サンプル中の、miRNAまたはsiRNA以外の非コードRNA、アンチセンスRNA転写産物、RNAエディティングされた転写産物、または高度に相同の選択的スプライシング転写産物の検出および定量化において、非常に有用である。この方法はまた、例えば癌患者からの、複雑なヒト核酸サンプルにおける、ヒト疾患に関係または関連するmiRNA、siRNA、他の非コードRNA、RNAエディティングされた転写産物、または他のmRNAスプライスバリアントの検出、試験、診断、または定量化に直接的に適用可能である。
定義
以降の発明の詳細な説明の目的で、特定の用語について、以下の定義が提供され、これらは、本発明の開示において使用される。
以下では、標的配列(例えば、短いRNA標的配列、オリゴヌクレオチド、プライマー)と相補的な認識配列を含む「ブロッカープローブ」は、プローブを指す。前記のブロッカープローブは、相補的な標的配列への配列同一分子のハイブリダイゼーションを防止するために使用される。一般に、ブロッカープローブは、1つ、2つまたはそれ以上のLNAモノマーを含有し、ブロッカープローブの3’末端は、プライマー伸長産物へのブロッカープローブの組み込みを妨げるために改変される。この「ブロッキング」は、非相補的塩基を使用することによって、あるいは、最終のヌクレオチドの3’−水酸基にビオチンやリン酸基などの化学的部分を加えることによって達成することができる。
以下では、「dNTP」は、2’−デオキシアデノシン−5’−三リン酸、2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸、2’−デオキシグアノシン−5’−三リン酸、および2’−デオキシチミジン−5’−三リン酸の混合物を意味する。
「RT−プライマー」は、標的デオキシリボ核酸および/またはリボ核酸配列内の配列(例えば、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの3’末端)と、あるいはRNA−DNAキメラ(chimerical)部分と、あるいは標的リボ核酸配列内の、RNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する3’に位置する配列と相補的な認識配列と、その後の捕捉またはPCRによる増幅にとって不可欠なアンカー配列とを含むプライマーを指す。前記のRT−プライマーは、逆転写酵素を使用して、標的RNA配列と相補的なプライマー伸長産物を産生するための逆転写反応においてアンカー付けされたプライマーとして使用される。
用語「捕捉プローブ」は、標的配列(例えば、短いRNA標的配列、およびその後の捕捉、逆転写反応、またはPCRによる増幅にとって不可欠なアンカー配列)と相補的な認識配列を含むプローブを指す。アンカー配列は、その後の逆転写反応、リアルタイムPCRにおける、RT−またはPCRプライマーのためのプライミング部位として、あるいは捕捉アッセイのためのタグとして機能する。
本発明の状況では、用語「リンカー」は、上で規定されたタイプの2つ以上の異なるヌクレオチド部分を連結するために使用される、熱化学的かつ光化学的に非活性な距離を作る基を意味する。リンカーは、その疎水性、親水性、分子の自由度および長さを含めて、様々な特性に基づいて選択される(例えば、ハーマンソン(Hermanson)ら、「Immobilized Affinity Ligand Techniques」、アカデミックプレス(Academic Press)、San Diego、カリフォルニア州(1992年)、p.137以降を参照のこと)。一般に、リンカーの長さは、約400オングストロームまたはそれ未満であり、ある種の用途では、好ましくは100オングストローム未満である。したがって、リンカーは、酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子などの、1つまたは複数のヘテロ原子で、任意に割り込まれるあるいは終結する炭素原子の鎖を含む。したがって、リンカーは、1つまたは複数のアミド、エステル、アミノ、エーテル、および/またはチオエーテル官能基、ならびに任意に芳香族またはモノ/ポリ不飽和炭化水素、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレン、ポリ−(3−アラニン)などのオリゴ/ポリアミド、ポリグリシン、ポリリシン、および一般のペプチド、オリゴ糖、オリゴ/ポリリン酸塩を含むことができる。さらに、リンカーは、それらが組み合わせられた単位からなってもよい。リンカーの長さは、5または6員環に関して問題となる、基の「活性な/官能性」部分の、所望のあるいは必要な位置決めや、空間的方向を考慮して、変えることができる。特に興味深い実施形態では、リンカーは、化学的に切断可能な基を含む。こうした化学的に切断可能な基の例には、還元的な条件下で切断可能なジスルフィド基、ペプチダーゼによって切断可能なペプチド断片などが含まれる。
本発明の状況では、「固体支持体」は、様々なポリマー材料、例えばCPG(コントロールドポアグラス(controlled pore glass))、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、またはポリエチレンから選択することができ、チューブ、マイクロタイターウェルプレート、スティック、ビーズ、粒子、フィルターなどの様々な形をとることができる。オリゴヌクレオチドは通常、オリゴヌクレオチドの固定化において用いられる様々な化学的または光化学的方法によって、あるいは、例えば固定化されたストレプトアビジンへのビオチン化されたオリゴヌクレオチドの結合を介する非共有結合的な結合によって、その5’または3’末端を介して(あるいは5’または3’末端に付着されたリンカーの末端を介して)固体支持体に固定することができる。
「ループプライマー」は、標的デオキシリボ核酸配列内の配列と相補的な認識配列を含むプローブを指す。ただし、この認識配列は、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの5’末端に相当する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列と、あるいは、初期の(initial)リボ核酸標的配列内のRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する5’に位置する配列と、その後の捕捉またはPCRによる増幅にとって不可欠なアンカー配列と相補的である。前記のループプライマーは、プライマー伸長産物と相補的である第2の核酸鎖を産生するためのアンカー付けされたプライマーとして使用される。ループプライマーの別の態様は、アンカー配列が、選択されたアッセイ温度で、オリゴヌクレオチドの5’および3’末端の相補的な配列によって仲介される、分子内ヘアピン構造を形成するものである。反応の特異性は、それぞれ、標的RNAおよび相補的なDNA配列の相補的な3’末端および5’末端領域とハイブリダイズする、オーバーラップしない認識配列をもつ2つのアンカー付けされたタギングプローブの、連続的な使用に基づく。
「ヘアピン構造」は、オリゴヌクレオチドの5’および3’末端での相補的な配列のハイブリダイゼーションによって仲介される、選択されたアッセイ温度でのオリゴヌクレオチドの分子内構造を指す。
「U」は、規定された時間および温度を使用して所与の量の反応物を産物に転換するために必要とされる酵素の量として定義される酵素単位を指す。
本発明では、「リガンド」は、結合する何かを意味する。リガンドは、ビオチン、ならびに以下などの官能基を含む:芳香族基(ベンゼン、ピリジン、ナフタレン、アントラセン、およびフェナントレンなど)、複素環式芳香族基(チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジオキサン、およびピリミジンなど)、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸ハライド、カルボン酸アジド、カルボン酸ヒドラジド、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルホン酸ハライド、セミカルバジド、チオセミカルバジド、アルデヒド、ケトン、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコール、フェノール、ハロゲン化アルキル、チオール、ジスルフィド、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドラジン、エポキシド、マレイミド;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子などの、1つまたは複数のヘテロ原子で、任意に割り込まれるあるいは終結し、任意に芳香族またはモノ/ポリ不飽和炭化水素を含有するC〜C20アルキル基;ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレン、ポリ−β−アラニンなどのオリゴ/ポリアミド、ポリグリシン、ポリリシン、ペプチド、オリゴ/ポリサッカリド、オリゴ/ポリリン酸、毒素、抗生物質、細胞毒、およびステロイド、さらに、「親和性リガンド」、すなわち、特定のタンパク質、抗体、ポリ−およびオリゴ糖および他の生体分子上の部位に対して特異的親和性を有する官能基または生体分子。
単数形「ある」「一つの」および「その」は、その文脈が別途明らかに決定しない限り、複数の内容を含む。例えば、用語「ある細胞(a cell)」は、その混合物を含めて、複数個の細胞を含む。用語「ある核酸分子(a nucleic acid molecule)」は、複数の核酸分子を含む。
「トランスクリプトーム」は、任意の種のゲノムの転写単位の完全な収集物を指す。タンパク質をコードするmRNAに加えて、これはまた、細胞での重要な構造的および調節的役割を含む、非コードRNA(核小体低分子RNA、siRNA、microRNA、およびアンチセンスRNAなど)も表す。
用語「アンプリコン」は、小さい、複製するDNA断片を指す。
「サンプル」は、これらに限定されないが、例えば、皮膚、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、髄液、尿、涙、血球、器官、腫瘍、さらに、in vitroの細胞培養成分のサンプル(これらに限定されないが、細胞培養培地における、細胞の成長に起因する調整された培地や、組換え型細胞、および細胞成分が含まれる)を含めて、生物または生物から単離される細胞または組織または体液のサンプルを指す。
「生物」は、これらに限定されないが、例えば、ヒト、マウス、ラット、ショウジョウバエ、線虫、酵母、シロイヌナズナ、トウモロコシ、イネ、ゼブラフィッシュ、霊長類、家畜などを含めて、生命体を指す。
「タギングプローブ」は、標的配列、例えば短いRNA標的配列と相補的な認識配列、およびその後の捕捉またはPCRによる増幅にとって不可欠なアンカー配列を含むプローブを指す。「2つのタギングプローブ」または「一対のタギングプローブ」は、それぞれが組み合わされて短い相補的な標的配列、例えば短いRNA配列を検出するように設計された、2つのアンカー付けされたタギングプローブを指す。ただし、第1のタギングプローブの認識配列は、標的配列内の第1の領域とハイブリダイズし、第2のタギングプローブの認識配列は、同じ相補的な標的配列(例えば、第1の領域と隣接する短いRNA標的配列)内の第2の領域とハイブリダイズする。本発明の方法では、タギングプローブの1つは、5’リン酸化されており、単一のオリゴヌクレオチド配列を形成するリガーゼによって相補的な標的配列とハイブリダイズされる、近接する2つのオーバーラップしないタギングオリゴヌクレオチドプローブの共有結合が可能になる。タギングプローブに付着されるアンカー配列は、本発明の方法で使用されるハイブリダイゼーション条件下で、特定のトランスクリプトーム内の任意の標的核酸に、あるいは互いに交差ハイブリダイズしないように設計される。アンカー配列は、その後のリアルタイム定量PCRにおけるPCRプライマーのためのプライミング部位として、あるいは捕捉アッセイのためのタグとして機能する。
「RTタギングプローブ」は、標的リボ核酸配列における配列と、例えば、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの3’末端と、あるいは、標的リボ核酸配列におけるRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する3’に位置する配列と相補的な認識配列と、その後の捕捉またはPCRによる増幅にとって不可欠なアンカー配列を含むプローブを指す。前記のRTタギングプローブは、逆転写酵素を使用する、標的RNA配列と相補的なプライマー伸長産物を産生するための逆転写反応において、アンカー付けされたプライマーとして使用される。「第2鎖タギングプローブ」は、アンカー付けされたタギングプローブを指す。ただし、この認識配列は、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの5’末端に相当する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列と、あるいは、初期のリボ核酸標的配列内のRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する5’に位置する配列と相補的である。第2鎖タギングプローブは、第2の核酸鎖を産生するアンカー付けされたプライマーとして使用され、これは、プライマー伸長産物と相補的である。反応の特異性は、それぞれ、標的RNAおよび相補的なDNA配列の相補的な3’末端および5’末端領域とハイブリダイズする、オーバーラップしない認識配列をもつ2つのアンカー付けされたタギングプローブの、連続的な使用に基づく。
「2つのタギングプローブ」または「一対のタギングプローブ」は、それぞれが組み合わされて短い相補的な標的配列、例えば短いRNA配列を検出するように設計された、2つのアンカー付けされたタギングプローブを指す。ただし、第1のタギングプローブの認識配列は、標的配列内の第1の領域にハイブリダイズし、配列を認識する第2鎖のタギングプローブの認識配列は、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの5’末端に相当する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列と、あるいは、初期のリボ核酸標的配列内のRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する5’に位置する配列と相補的である。第2の鎖タギングプローブは、第2の核酸鎖を産生するためのアンカー付けされたプライマーとして使用され、これは、プライマー伸長産物と相補的である。
2つのタギングプローブの各々に付着されるアンカー配列は、本発明の方法で使用されるハイブリダイゼーション条件下で、特定のトランスクリプトーム内の任意の標的核酸に、あるいは互いに交差ハイブリダイズしないように設計される。アンカー配列は、その後のリアルタイム定量PCRにおけるPCRプライマーのためのプライミング部位として、あるいは捕捉アッセイのためのタグとして機能する。
用語「プライマー」は、2つ以上のプライマーを指し、核酸鎖と相補的であるプライマー伸長産物の合成が触媒されるような条件下に置かれた場合、相補的な鎖に沿った、合成の開始点として作用することができる、精製された制限消化産物などにおいて天然に生じる、または合成的に産生されるオリゴヌクレオチドを指すことができる。こうした条件としては、適切なバッファー(「バッファー」は、補助因子である置換基を含む、あるいは、pH、イオン強度などに影響を及ぼす)中の、かつ適切な温度の、4つの異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸および重合誘発剤(例えばDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素)の存在が挙げられる。プライマーは、適切なバッファー(「バッファー」は、補助因子である置換基を含む、あるいは、pH、イオン強度などに影響を及ぼす)中の、かつ適切な温度のポリメラーゼまたは逆転写酵素による増幅における最大効率のために、一本鎖であることが好ましい。プライマーは、増幅における最大効率のために、一本鎖であることが好ましい。
用語「検出プローブ」は、標的領域内の配列をもつプローブの相補性に起因して、増幅された標的核酸内の配列、例えば短いRNA標的配列と共に二本鎖構造を形成する、標識されたオリゴヌクレオチドを指す。検出プローブは、好ましくは、ポリメラーゼ連鎖反応を開始するために使用される配列に対して相補的な配列を含有しない。一般に、プローブの3’末端は、プライマー伸長産物へのプローブの組み込みを妨げるために「ブロック」されることとなる。「ブロック」は、非相補的塩基を用いて、あるいは、最後のヌクレオチドの3’ヒドロキシルにビオチンまたはリン酸基などの化学的な部分を付加することによって達成することができ、これは、選択された部分に応じて標識として作用することによって、二重の目的を果たすことができる。
用語「miRNA」および「microRNA」は、内因性遺伝子から得られる21〜25ntの非コードRNAを指す。これらは、pre−miRNAと呼ばれるより長い(約75nt)ヘアピン様前駆体から加工される。microRNAは、miRNPと呼ばれる複合体に組み立てられ、アンチセンス相補性によってその標的を認識する。microRNAが、100%その標的にマッチする、すなわち、相補性が完全である場合、標的mRNAは切断され、miRNAは、siRNAのように作用する。マッチが不完全である、すなわち、相補性が部分的である場合、標的mRNAの翻訳はブロックされる。
用語「低分子干渉RNA」または「siRNA」は、線状二本鎖RNAのプロセッシングから得られる21〜25ntのRNAを指す。siRNAは、RISC(RNA誘導型サイレンシング複合体)と称される複合体に組み立てられ、ヌクレオチド鎖切断のための相同のRNA配列を標的にする。合成のsiRNAはまた、RISCを補充し、相同のRNA配列を切断することができる。
用語「RNA干渉」(RNAi)は、標的mRNAと相同の二本鎖RNAが、標的にされたmRNAを分解させる現象を指す。より広く言うと、相同のsiRNAによる標的mRNAの分解と定義される。
用語「認識配列」は、標的ヌクレオチド配列と認識配列との間の配列特異的ハイブリダイゼーションにとって不可欠な、標的ヌクレオチド配列内の領域と相補的であるヌクレオチド配列を指す。本発明のタギングプローブならびに検出プローブは、標的配列特異的認識配列を含有する。
用語「アンカー配列」は、一対のタギングプローブに近接して付着される2つのヌクレオチド配列を指し、このアンカー配列は、これらが、互いに、あるいは、標的ヌクレオチド配列または核酸サンプル中の標的ヌクレオチド配列を含有する任意のヌクレオチド配列と、交差ハイブリダイズしないように設計される。
用語「標識」は、本明細書では、検出可能な(好ましくは定量化可能な)シグナルを提供するために使用することができる、かつ、核酸またはタンパク質に付着させることができる任意の原子または分子を指す。標識は、蛍光、放射能、比色、X線の回折または吸収、磁気、酵素活性などによって検出可能なシグナルを提供することができる。
標識は、それ自体で、あるいは、検出シリーズの一部として検出可能なレポーター基である。レポーター基の機能性部分の例は、ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光基(ある種の波長の電磁放射(例えば光またはX線)を吸収し、その後、吸収されたエネルギーをより長い波長の放射線として再放射することが可能である基;実例は、DANSYL(5−ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニル)、DOXYL(N−オキシル−4,4−ジメチルオキサゾリジン)、PROXYL(N−オキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン)、TEMPO(N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)、ジニトロフェニル、アクリジン、クマリン、Cy3およびCy5(バイオロジカルディテクションシステムズ社(Biological Detection Systems,Inc.)のための商標)、エリトロシン、クマル酸、ウンベリフェロン、テキサス(Texas)レッド、ローダミン、テトラメチルローダミン、Rox、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1−ジアゾール(NBD)、ピレン、フルオレセイン、ユウロピウム、ルテニウム、サマリウム、および他の希土類元素である)、ラジオアイソトープ標識、化学ルミネセンス標識(化学反応中の光の放射を介して検出可能である標識)、スピン標識(電子スピン共鳴分光法を使用することにより検出可能な生体分子に結合する、フリーラジカル(例えば置換された有機窒素酸化物)または他の常磁性プローブ(例えばCu2+、Mg2+))である。特に興味深い例は、ビオチン、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン、ルテニウム、ユウロピウム、Cy5、Cy3などである。
「連結(ligation)」または「共有結合」は、単一のヌクレオチド配列を形成するための、2つの隣接するヌクレオチド配列、例えば本発明のタギングオリゴヌクレオチドプローブ配列の共有結合を指す。この反応は、あるヌクレオチド配列の5’末端と、隣接するヌクレオチド配列の3’末端との間の(例えば、その相補的な、標的核酸配列とアニーリングされる本発明の2つの隣接するタギングプローブ間の)リン酸ジエステル結合を形成する酵素リガーゼによって触媒される。
「RNAを鋳型にするオリゴヌクレオチド連結」は、相補的なRNA標的配列とアニーリングして単一のヌクレオチド配列を形成する2つの隣接するオリゴヌクレオチドプローブ配列の共有結合を指す。この反応は、あるヌクレオチド配列の5’末端と、隣接するヌクレオチド配列の3’末端との間の、例えば、本発明の2つの隣接するタギングプローブ間のリン酸ジエステル結合を形成する酵素リガーゼによって触媒される。
用語「PCR反応」、「PCR増幅」、「PCR」、「pre−PCR」、および「リアルタイム定量PCR」は、検出される標的核酸を増加させる核酸増幅システムの使用を意味するために互換的に使用される用語である。こうしたシステムの例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムおよびリガーゼ連鎖反応(LCR)システムが含まれる。最近記載されている、当分野の技術者に知られている他の方法は、核酸配列に基づく増幅(NASBA(商標)、キャンジーン(Cangene)、Mississauga、オンタリオ州)およびQ Beta Replicaseシステムである。前記増幅反応によって形成される産物は、リアルタイムで、あるいは、終点測定値として反応後のみにモニタリングしてもよいし、しなくてもよい。
本明細書では、用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」は、検出されることとなるプライマー、プローブ、オリゴマーフラグメント、オリゴマーの対照、および標識されていないブロックオリゴマーを指し、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有)に、ポリリボヌクレオチド(D−リボース含有)に、また、プリンまたはピリミジン塩基、あるいは改変されたプリンまたはピリミジン塩基のNグリコシドである他の任意のタイプのポリヌクレオチドに、属する。用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」の間に、長さの意図される相違はなく、これらの用語は、同義的に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみを指す。したがって、これらの用語には、二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖のRNAが含まれる。オリゴヌクレオチドは、所定の標的ヌクレオチド配列の領域に相当する、少なくともおよそ3ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約6ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約8〜30ヌクレオチドの配列からなる。「相当する(corresponding)」は、所定の配列と同一であるあるいは相補的であることを意味する。オリゴヌクレオチドは、必ずしも任意の既存のまたは天然の配列から物理的に得られるというわけではなく、化学合成、DNA複製、逆転写、またはそれらの組み合わせを含めて、いずれの方法で産生されてもよい。
用語「オリゴヌクレオチド」または「核酸」は、ゲノムDNAまたはRNA、cDNAのポリヌクレオチドであり、その起源または操作に基づいて、半合成または合成起源である:(1)それが天然に結合するポリヌクレオチドのすべてまたは一部と結合する;および/または(2)それが天然に連結される以外のポリヌクレオチドに連結される;ならびに(3)天然に見られない。あるモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸が、ホスホジエステル結合を介して、ある方向でその隣の3’酸素に付着されるような方式で、モノヌクレオチドが反応してオリゴヌクレオチドが作製されるので、オリゴヌクレオチドの末端は、その5’リン酸が、モノヌクレオチドペントース環の3’酸素に連結されない場合、「5’末端」と、その3’酸素が、次のモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に連結されない場合、「3’末端」と呼ばれる。本明細書では、たとえ、より大きなオリゴヌクレオチドの内部であったとしても、核酸配列は、5’および3’末端を有すると言うことができる。2つの異なるオーバーラップしないオリゴヌクレオチドが、同じ線状の相補的な核酸配列の異なる領域にアニーリングする場合、片方のオリゴヌクレオチドの3’末端は、もう片方の5’末端の方を指し;前者は、「上流の」オリゴヌクレオチド、後者は、「下流の」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。
用語「SBC核酸塩基」は、「選択的に結合する相補的な(Selective Binding Complementary)」核酸塩基、すなわち、その相補的な核酸塩基と安定な水素結合を作ることができるが、他のSBC核酸塩基とは安定な水素結合を作ることができない改変された核酸塩基を意味する。一例として、SBC核酸塩基A’は、その相補的な改変されていない核酸塩基、Tと、安定な水素結合対を作ることができる。同様に、SBC核酸塩基T’は、その相補的な改変されていない核酸塩基Aと、安定な水素結合対を作ることができる。しかし、SBC核酸塩基A’とT’は、塩基対A’−TおよびA−T’と比較すると、不安定な水素結合対を形成する。同様に、(C’とG’は、塩基対C’−GおよびC−G’と比較すると不安定な水素結合された対を形成するものの)、CのSBC核酸塩基は、C’と呼ばれ、その相補的な改変されていない核酸塩基Gと、安定な水素結合対を作ることができ、また、GのSBC核酸塩基は、G’と呼ばれ、その相補的な改変されていない核酸塩基Cと、安定な水素結合対を作ることができる。2つまたはそれ以上の水素結合、例えばA’とT、AとT’、CとG’、およびC’とGとの間の対が形成される場合、安定な水素結合対が得られる。1個の水素結合が形成される、あるいは水素結合が形成されない場合、例えばA’とT’、およびC’とG’と間の対が形成される場合、不安定な水素結合対が得られる。特に興味深いSBC核酸塩基は、2,6−ジアミノプリン(A’、Dとも呼ばれる)と、2−チオ−ウラシル(U’、2SUとも呼ばれる)(2−チオ−4−オキソ−ピリミジン)および2−チオ−チミン(T’、2STとも呼ばれる)(2−チオ−4−オキソ−5−メチル―ピリミジン)である。図4は、A−2STおよびD−T対が、2つ以上の水素結合を有するが、D−2ST対は、単一の(不安定な)水素結合を形成することを示す。同様に、SBC核酸塩基ピロロ−[2,3−d]ピリミジン−2(3H)−オン(C’、PyrroloPyrとも呼ばれる)およびヒポキサンチン(G’、Iとも呼ばれる)(6−オキソ−プリン)が、図9に示される。ここでは、PyrroloPyr−GおよびC−I対が、2つの水素結合を有するのに対して、PyrroloPyr−I対は、単一の水素結合を形成する。
「SBC LNAオリゴマー」は、核酸塩基が「SBC核酸塩基」である少なくとも1つのLNAモノマーを含有する「LNAオリゴマー」を指す。「SBC核酸塩基を含むLNAモノマー」は、「SBC LNAモノマー」を意味する。一般的に言って、SBC LNAオリゴマーは、SBC LNAモノマーの他に、他の改変されたあるいは天然に存在するヌクレオチドまたはヌクレオシドを含有するオリゴマーを含む。「SBCモノマー」は、SBC核酸塩基を含む非LNAモノマーを意味する。「同じ配列の(isosequential)オリゴヌクレオチド」は、相当する改変されたオリゴヌクレオチドと、ワトソン−クリックの意味で同じ配列をもつオリゴヌクレオチドを意味する(例えば、配列agTtcATgは、agTscD2SUgと等しい)。ただし、sは、SBC DNAモノマー2−チオ−tまたは2−チオ−uと等しく、Dは、SBC LNAモノマーLNA−Dと等しく、2SUは、SBC LNAモノマーLNA2SUと等しい。
核酸配列の相補体は、本明細書では、片方の配列の5’末端が、もう片方の3’末端と対にされるように核酸配列と整列配置される場合、「逆平行の関係」であるオリゴヌクレオチドを指す。本発明の核酸には、例えば、イノシンおよび7−デアザグアニンを含めて、天然の核酸中には一般に見つけられない塩基を含むことができる。相補性は、完全でない場合があり、安定な二本鎖は、ミスマッチの塩基対またはマッチしない塩基を含有することができる。核酸技術の当業者であれば、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドにおけるシトシンおよびグアニン塩基の濃度(%)、イオン強度、およびミスマッチの塩基対の発生率を含めて、いくつかの変数を考慮し、経験に基づいて二本鎖安定性を決定することができる。
融解温度または「Tm」は、核酸二本鎖の安定性の尺度となる。特定の条件下での特定の核酸二本鎖のTは、二本鎖の半分が解離する温度である。
本明細書で定義する通り、「5’→3’ヌクレアーゼ活性」または「5’から3’ヌクレアーゼ活性」は、ある種のDNAポリメラーゼと伝統的に関連する(すなわち、大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼIは、この活性を有するが、Klenowフラグメントは有さない)5’→3’エキソヌクレアーゼ活性(それによって、ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’末端から連続的に除去される)、あるいは、切断が、5’末端から2つ以上のヌクレオチドを生じる5’→3’エンドヌクレアーゼ活性、あるいはこれらの両方を含めて、鋳型特異的な核酸ポリメラーゼのその活性を指す。
「耐熱性の核酸ポリメラーゼ」は、例えば、大腸菌由来のポリメラーゼなどと比較した場合、比較的熱に対して安定であり、かつ、ヌクレオシドの重合を触媒する酵素を指す。一般に、この酵素は、5’から3’ヌクレアーゼ活性を持つ場合、標的配列とアニーリングされるプライマーの3’末端で合成を開始することとなり、鋳型に沿って5’方向に進行することとなり、介在するアニーリングされたプローブを加水分解する、あるいは置き換え、合成が終結するまで、標識されたプローブフラグメントと標識されていないプローブフラグメントの両方、または完全なプローブを放出する。サーマスアクアティカス(Thermus aquaticus)(Taq)から単離される代表的な耐熱性の酵素は、米国特許第4,889,818号明細書に記載されており、従来のPCRにおいてそれを使用するための方法は、サイキ(Saiki)ら、1988年、「Science」239:487に記載されている。
「耐熱性の逆転写酵素」は、例えばトリ骨髄腫ウイルス(Avian Myeloma Virus)(AMV)逆転写酵素またはモロニーモンキー白血病ウイルス(Moloney Monkey Leukaemia Virus)(MMLV)逆転写酵素などと比較して、より熱安定性である逆転写酵素を指す。
用語「核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U)、ならびに、天然に存在しない核酸塩基、例えばキサンチン、ジアミノプリン、8−オキソ−N−メチルアデニン、7−デアザキサンチン、7−デアザグアニン、N,N−エタノシトシン、N,N−エタノ−2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、5−(C−C)−アルキニル−シトシン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、擬イソシトシン(pseudoisocytosine)、2−ヒドロキシ−5−4−メチル−トリアゾロピリジン、イソシトシン、イソグアニン、イノシンなど、およびベナー(Benner)ら、米国特許第5,432,272号明細書、およびスーザンM.フレイアー(Susan M.Freier)およびカール−ハインツアルトマン(Karl−Heinz Altmann)、1997年、「Nucleic Acid Research」、第25巻、4429〜4443ページに記載されている「天然に存在しない」核酸塩基などの、天然に存在しない核酸塩基をカバーする。したがって、用語「核酸塩基」には、知られているプリンおよびピリミジン複素環だけでなく、複素環類似体およびその互変異性体も含まれる。さらに、天然に存在する、および天然に存在しない核酸塩基には、米国特許第3,687,808号明細書;S.T.クルック(T.Crooke)およびB.ルブルー(B.Lebleu)、CRCプレス(CRC Press)、1993年、「Antisense Research and Application」、サングビ(Sanghvi)による第15章;エングリッシュ(Englisch)ら、「Angewandte Chemie,International Edition」30:613〜722、1991年(特に622および623ページを参照のこと)、および「Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」内、J.I.クロシュウィッツ(J.I.Kroschwitz)編、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)、858〜859ページ、1990年、クック(Cook)、「Anti−Cancer DrugDesign 6」585〜607、1991年(これらをそれぞれ、その内容全体を本明細書に組み込むものとする)に開示されるものが含まれる。
用語「ヌクレオシド塩基」または「核酸塩基類似体」は、最も古典的な意味ではヌクレオシド塩基ではないが、ヌクレオシド塩基として働くある種の「ユニバーサル塩基」を含めたヌクレオシド塩基のように働くことができる複素環化合物をさらに含むものとされる。3−ニトロピロールまたは5−ニトロインドールは、ユニバーサル塩基として特に挙げられる。他の好ましい化合物には、ピレンおよびピリジルオキサゾール誘導体、ピレニル、ピレニルメチルグリセロール誘導体などが含まれる。他の好ましいユニバーサル塩基には、当技術分野で知られたユニバーサル塩基を含めたピロール、ジアゾールまたはトリアゾール誘導体が含まれる。
「ユニバーサル塩基」は、少なくとも1つ、好ましくはすべての天然の塩基(例えばアデニン、グアニン、シトシン、ウラシルおよび/またはチミン)と対になることが可能であり、本明細書に記述する通りの、15、12、10、8、6、4または2℃以下のTm差を有する、天然に存在する、または望ましくは天然に存在しない化合物または部分を指す。
「オリゴヌクレオチド」、「オリゴマー」または「オリゴ」は、インターヌクレオシド連結を介して連結するモノマー(例えば複素環塩基のグリコシド)の連続する鎖を意味する。オリゴ中の2つの連続するモノマー間の連結は、−CH2−、−O−、−S−、−NRH−、>C=O、>C=NRH、>C=S、Si(R’’)2−、−SO−、−S(O)2−、−P(O)2−、−PO(BH3)−、−P(O,S)−、−P(S)2−、−PO(R’’)−、−PO(OCH3)−、および−PO(NHRH)−から選択される、1原子あたり2から4、望ましくは3つの基/原子からなる。ここで、RHは、水素およびC1〜4−アルキルから選択され、R’’は、C1〜6−アルキルおよびフェニルから選択される。こうした連結の例は、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CO−CH2−、−CH2−CHOH−CH2−、−OCH2−O−、−OCH2−CH2−、−O−CH2−CH=(後続するモノマーへの連結として使用される場合、R5を含む)、−CH2−CH2−O−、−NRH−CH2−CH2−、−CH2−CH2−NRH−、−CH2−NRH−CH2−、−O−CH2−CH2−NRH−、−NRH−CO−O−、−NRH−CO−NRH−、−NRH−CS−NRH−、−NRH−C(=NRH)−NRH−、−NRH−CO−CH2−NRH−、−O−CO−O−、−O−CO−CH2−O−、−O−CH2−CO−O−、−CH2−CO−NRH−、−O−CO−NRH−、−NRH−CO−CH2−、−O−CH2−CO−NRH−、−O−CH2−CH2−NRH−、−CH=N−O−、−CH2−NRH−O−、−CH2−O−N=(後続するモノマーへの連結として使用される場合、R5を含む)、−CH2−O−NRH−、−CO−NRH−CH2−、−CH2−NRH−O−、−CH2−NRH−CO−、−O−NRH−CH2−、−O−NRH−、−O−CH2−S−、−SCH2−O−、−CH2−CH2−S−、−O−CH2−CH2−S−、−S−CH2−CH=(後続するモノマーへの連結として使用される場合、R5を含む)、−S−CH2−CH2−、−S−CH2−CH2−O−、−S−CH2−CH2−S−、−CH2−S−CH2−、−CH2−SO−CH2−、−CH2−SO2−CH2−、−O−SO−O−、−OS(O)2−O−、−OS(O)2−CH2−、−OS−(O)2−NRH−、−NRH−S(O)2−CH2−、−OS(O)2−CH2−、−O−P(O)2−O−、−OP−(O,S)−O−、−O−P(S)2−O−、−S−P(O)2−O−、−S−P(O,S)−O−、−S−P(S)2−O−、−O−P(O)2−S−、−O−P(O,S)−S−、−O−P(S)2−S−、−SP(O)2−S−、−S−P(O,S)−S−、−S−P(S)2−S−、−O−PO(R’’)−O−、−O−PO(OCH3)−O−、−O−PO−(OCH2CH3)−O−、−O−PO(OCH2CH2S−R)−O−、−O−PO(BH3)−O−、−O−PO(NHRN)−O−、−O−P(O)2−NRH−、−NRH−P(O)2−O−、−O−P(O,NRH)−O−、−CH2−P(O)2−O−、−O−P(O)2−CH2−、および−O−Si(R’’)2−O−;その中では特に、−CH2−CO−NRH−、−CH2−NRH−O−、−S−CH2−O−、−O−P(O)2−O−、−O−P(O,S)−O−、−O−P(S)2−O−、−NRH−P(O)2−O−、−O−P(O,NRH)−O−、−O−PO(R’’)−O−、−O−PO(CH3)−O−、および−O−PO(NHRN)−O−である。ここで、RHは、選択された形の水素およびC1〜4−アルキルであり、R’’は、C1〜6−アルキルから選択され、フェニルが特に望ましい。さらなる実例は、メスマーカー(Mesmaeker)ら、1995年、「Current Opinion in Structural Biology」5、343〜355、ならびに、スーザンM.フレイアー(Susan M.Freier)およびカール−ハインツアルトマン(Karl−Heinz Altmann)、1997年、「Nucleic Acids Research」、第25巻、4429〜4443ページに示されている。連結の左側が、3’−位置で置換基Pとして5員環に結合されるのに対して、右側は、先行するモノマーの5’位置に結合される。
「LNA」または「LNAモノマー」(例えばLNAヌクレオシドまたはLNAヌクレオチド)またはLNAオリゴマー(例えばオリゴヌクレオチドまたは核酸)は、少なくとも1つのLNAモノマーを含むヌクレオシドまたはヌクレオチド類似体を意味する。国際公開第99/14226号パンフレットに開示される通りのLNAモノマーは一般に、本発明のオリゴヌクレオチドに組み込むための、特に望ましい改変された核酸である。さらに、核酸は、当技術分野で知られた任意の改変のタイプによって、3’および/または5’末端で改変することができる。例えば、末端のうちのいずれかまたは両方を、保護基でキャップする、あるいは柔軟性のある連結基に付着させる、あるいは基体表面などへの付着を補助するための反応性の基に付着させることができる。望ましいLNAモノマーおよびその合成方法はまた、米国特許第6,043,060号明細書、米国特許第6,268,490号明細書、国際公開第01/07455号パンフレット、国際公開第01/00641号パンフレット、国際公開第98/39352号パンフレット、国際公開第00/56746号パンフレット、国際公開第00/56748号パンフレット、および国際公開第00/66604号パンフレット、ならびに以下の刊行物に開示されている:モリタ(Morita)ら、2002年、「Bioorg.Med.Chem.Lett.」12(1):73〜76;ハッカンソン(Hakansson)ら、2001年、「Bioorg.Med.Chem.Lett.」11(7):935〜938;コシキン(Koshkin)ら、2001年、「J.Org.Chem.」66(25):8504〜8512;カヴァエルノ(Kvaerno)ら、2001年、「J.Org.Chem.」66(16):5498〜5503;ハッカンソン(Hakansson)ら、2000年、「J.Org.Chem.」65(17):5161〜5166;カヴァエルノ(Kvaerno)ら、2000年、「J.Org.Chem.」65(17):5167〜5176;ファンドヘラー(Pfundheller)ら、1999年、Nucleosides Nucleotides 18(9):2017〜2030;およびクマール(Kumar)ら、1998年、「Bioorg.Med.Chem.Lett.」8(16):2219〜2222。
好ましいLNAモノマー(「オキシ−LNA」とも呼ばれる)は、PCT公開国際公開第03/020739号パンフレットに開示される通りの二環式化合物を含むLNAモノマーである。ただし、下の式(I)に示す通りのR4’とR2’の間の橋は、共に−CH−O−または−CH−CH−O−を意味する。
「LNA改変オリゴヌクレオチド」または「LNA置換オリゴヌクレオチド」は、以下に述べる、式(I)の少なくとも1つのLNAモノマーを含むオリゴヌクレオチドを意味する(改変の実例は、以下で述べる):
Figure 2007532100
[式中、Xは、−O−、−S−、−N(R)−、−C(R6*)−、−O−C(R7*)−、−C(R6*)−O−、−S−C(R7*)−、−C(R6*)−S−、−(N(RN*)−C(R7*)−、−C(R6*)−N(RN*)−、および−C(R6*)−C(RR7)から選択される]。
Bは、上で示した通りの改変された塩基、例えば、任意に置換された炭素環式アリール(任意に置換されたピレンまたは任意に置換されたピレニルメチルグリセロールなど)、あるいは任意に置換されたヘテロ脂環式または任意に置換された複素環式芳香族化合物(任意に置換されたピリジルオキサゾール、任意に置換されたピロール、任意に置換されたジアゾール、または任意に置換されたトリアゾール部分など);水素、ヒドロキシ、任意に置換されたC1〜4−アルコキシ、任意に置換されたC1〜4−アルキル、任意に置換されたC1〜4−アシルオキシ、核酸塩基、DNAインターカレータ、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、およびリガンドから選択される。
Pは、後続するモノマー、または5’末端基へのインターヌクレオシド連結、任意に置換基Rを含むこうしたインターヌクレオシド連結または5’末端基のためのラジカル位置を示す。置換基R、R2*、R、およびR3*のうちの1つは、先行するモノマー、または2’/3’末端基へのインターヌクレオシド連結を意味する基Pである。R1*、R4*、R、R5*、R、R6*、R、R7*、Rの置換基、およびPを意味しないR、R2*、RおよびR3*のうちの1つはそれぞれ、−C(R)−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−C(R)−O−、−O−、−Si(R−、−C(R)−S、−S−、−SO−、−C(R)−N(R)−、−N(R)−、および>C=Qから選択される、1原子あたり約1〜8基/原子を含むビラジカルを意味する。ここで、Qは、−O−、−S−、および−N(R)−から選択され、RおよびRはそれぞれ、独立に、水素、任意に置換されたC1〜12−アルキル、任意に置換されたC2〜12−アルケニル、任意に置換されたC2〜12−アルキニル、ヒドロキシ、C1〜12−アルコキシ、C2〜12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜12−アルコキシカルボニル、C1〜12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ−アリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノC1〜6−アルキル−アミノカルボニル、C1〜6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6−アルカノイルオキシ、スルフォノ、C1〜6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6−アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレータ、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、およびリガンドから選択される。ここで、アリールおよびヘテロアリールは、任意に置換されていてもよく、2つのジェミナル置換基RおよびRは、共に任意に置換されたメチレン(=CH)を示すことができ、R、Rから選択される2つの非ジェミナルまたはジェミナル置換基、ならびにP、P、またはビラジカル中に存在するが含まれない置換基R1*、R、R2*、R、R3*、R4*、R、R5*、RおよびR6*、RおよびR7*のうちのいずれかは、前に規定されたものと同じ種類のビラジカルから選択される関連するビラジカルを形成することができ;非ジェミナル置換基の対は、それによって、(i)前記非ジェミナル置換基が結合する原子、および(ii)任意の介在原子との単環式または二環式実体を形成する。
P、P、またはビラジカル中に存在するが含まれない各々の置換基R1*、R、R2*、R、R4*、R、R5*、RおよびR6*、RおよびR7*は、独立に、水素、任意に置換されたC1〜12−アルキル、任意に置換されたC2〜12−アルケニル、任意に置換されたC2〜12−アルキニル、ヒドロキシ、C1〜12−アルコキシ、C2〜12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜12−アルコキシカルボニル、C1〜12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ−(C1〜6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノC1〜6−アルキル−アミノカルボニル、C1〜6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6−アルカノイルオキシ、スルフォノ、C1〜6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6−アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレータ、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化基、レポーター基、およびリガンドから選択される。ここで、アリールおよびヘテロアリールは、任意に置換されていてもよく、2つのジェミナル置換基は、共に、オキソ、チオキソ、イミノ、または任意に置換されたメチレンを示すことができる、あるいは、共に、1〜5個の炭素原子アルキレン鎖(これは、−O−、−S−、および−(NR)−から選択される1つまたは複数のヘテロ原子/基によって任意に割り込まれるおよび/あるいは終結される)からなるスピロ・ビラジカルを形成することができ、ここで、Rは、水素およびC1〜4−アルキルから選択され、2つの隣接する(非ジェミナル)置換基は、二重結合をもたらすさらなる結合を示すことができ;RN*は、ビラジカル中に存在するが含まれない場合、水素およびC1〜4−アルキル;およびそれらの塩基および酸付加塩から選択される。
例示的な5’、3’、および/または2’末端基には、−H、−OH、ハロ(例えば、クロロ、フルオロ、ヨードまたはブロモ)、任意に置換されたアリール、(例えば、フェニルまたはベンジル)、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アシル(例えば、アセチルまたはベンゾイル)、アロイル、アラルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アシルアミノ、アロイルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、アミジノ、アミノ、カルバモイル、スルファモイル、アルケン、アルキン、保護基(例えば、シリル、4,4’−ジメトキシトリチル、モノメトキシトリチル、またはトリチル(トリフェニルメチル))、リンカー(例えば、アミン、エチレングリコール、アントラキノンなどのキノンを含有するリンカー)、検出可能な標識(例えば、放射能標識または蛍光標識)、およびビオチンが含まれる。
核酸単位、核酸残基、LNAモノマー、または類似の用語に対する本明細書での言及は、個々のヌクレオシド単位とヌクレオチド単位、およびオリゴヌクレオチド内のヌクレオシド単位とヌクレオチド単位を含むものと理解されよう。
「改変された塩基」または他の類似の用語は、天然の塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、および/またはチミン)と対になることができる、および/または天然に存在しない核酸塩基またはヌクレオシド塩基と対になることができる組成物(例えば、天然に存在しない核酸塩基またはヌクレオシド塩基)を指す。望ましくは、改変された塩基は、本明細書に記述する通りの、15、12、10、8、6、4または2℃以下のT差を有する。例示的な改変された塩基は、欧州特許第1072679号明細書および国際公開第97/12896号パンフレットに述べられている。
用語「化学的な部分」は、分子の一部を指す。したがって、「化学的な部分によって改変される」は、通常でない化学構造の包含による標準の分子構造の改変を指す。前記構造の付着は、共有結合的であっても、非共有結合的であってもよい。
したがって、オリゴヌクレオチドプローブにおける用語「化学的な部分の包含」は、分子構造の付着を指す。こうした化学的な部分には、これらに限定されないが、非対称の(asymmetric)シアニン染料、DAPI、SYBR Green I、SYBR Green II、SYBR Gold、PicoGreen、チアゾールオレンジ、Hoechst 33342、エチジウムブロマイド(Ethidium Bromide)、1−O−(1−ピレニルメチル)グリセロール、およびHoechst 33258からなる群から選択される、共有結合的および/または非共有結合的に結合された副溝バインダー(minor groove binders)(MGB)および/またはインターカレーティング核酸(intercalating nucleic acid)(INA)が含まれる。他の化学的な部分には、改変された核酸塩基、ヌクレオシド塩基、またはLNA改変オリゴヌクレオチドが含まれる。
用語「二重標識されたプローブ」は、2つの標識が付着されたオリゴヌクレオチドを指す。一態様では、片方の標識は、プローブ分子の5’末端に付着されるが、もう片方の標識は、分子の3’末端に付着される。本発明の特定の態様は、一端に付着される蛍光分子と、蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer)(FRET)によってこのフルオロフォアを消光することが可能である、もう一端に付着される分子とを含有する。分子5’ヌクレアーゼアッセイプローブおよびある種の分子ビーコン(Molecular Beacon)は、二重標識されたプローブの例である。
「5’ヌクレアーゼアッセイプローブ」は、DNAポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって加水分解することができる二重標識されたプローブを指す。5’ヌクレアーゼアッセイプローブは、特定のPCRアッセイで用いられる条件下では、DNAポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によって、必ずしも加水分解されるというわけではない。名前「5’ヌクレアーゼアッセイ」は、観察される加水分解の程度に関係なく使用され、実験者の意向によるいかなる予想も示さない。用語「5’ヌクレアーゼアッセイプローブ」および「5’ヌクレアーゼアッセイ」は、単に、プローブの加水分解を回避するための特定の注意を払わないアッセイを指すに過ぎない。「5’ヌクレアーゼアッセイプローブ」は、「TaqManアッセイプローブ」と、また、「5’ヌクレアーゼアッセイ」は、「TaqManアッセイ」と、しばしば呼ばれる。これらの名前は、本出願において同義的に使用される。
「オリゴヌクレオチド類似体」は、特定の標的ヌクレオチド配列を認識することができる核酸結合分子を指す。特定のオリゴヌクレオチド類似体は、オリゴヌクレオチドの糖リン酸主鎖が、タンパク質様主鎖によって置き換えられたペプチド核酸(PNA)である。PNAでは、核酸塩基は、キメラの擬ペプチド(pseudopeptide)−核酸構造を生じる荷電してないポリアミド主鎖に付着され、これは、核酸の形と同形である。
「分子ビーコン」は、DNAポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性によっておそらく影響を受けないであろう、単一または二重標識されたプローブを指す。DNAポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性による標識または成分ヌクレオチドの分離を回避するために、プローブ、ポリメラーゼ、またはアッセイ条件に対する特別な改変が行われている。したがって、検出原理は、その標的配列への分子ビーコンの結合の際の、標識によって誘発されるシグナルの検出可能な差に依存する。本発明の一態様では、オリゴヌクレオチドプローブは、選択されるアッセイ温度で、オリゴヌクレオチドの5’および3’末端で相補的な配列によって仲介される、分子内ヘアピン構造を形成する。オリゴヌクレオチドは、一端に付着された蛍光分子と、ヘアピン構造において互いに近付けられた場合にフルオロフォアを消光することが可能である、もう一端に付着された分子を有することができる。本発明の別の態様では、ヘアピン構造は、プローブ配列の末端の相補的な構造に基づいて形成されず、むしろ、結合時の検出されたシグナル変化は、形成された二本鎖構造との標識の一方または両方の間の相互作用に、あるいは、結合後の標識間の相互作用の低下に、あるいは、結合時のプローブの空間的配置の通常の変化に起因する可能性がある。分子ビーコンのある特定の態様は、DNAポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性による加水分解を阻害するために、いくつかのLNA残基を含有する。
「高親和性のヌクレオチド類似体」は、少なくとも1つのこうした高親和性のヌクレオチド類似体で置換された場合、その相補的な認識配列に対するオリゴヌクレオチドプローブの「結合親和性」を増大させる、天然に存在しないヌクレオチド類似体を指す。
本明細書では、同じ配列を含むが、安定化ヌクレオチドを含まないプローブと比較した場合に認識配列に対する「結合親和性」が増大したプローブは、プローブ認識セグメントの結合定数(K)が、二本鎖分子の相補的な鎖の結合定数よりも高いプローブを指す。別の好ましい実施形態では、プローブ認識セグメントの結合定数は、二本鎖分子中の標的配列における認識配列の相補的な鎖の解離定数(K)よりも高い。
モノマーは、ワトソン−クリック塩基対合則(例えばCとG、TとA、またはUとA)に従って水素結合、または他の水素結合モチーフ(例えば、Tとジアミノプリン、Gと5−メチルC、Aと2−チオチミジン、Cとイノシン、Gと擬イソシトシンなど)を形成することができる核酸塩基を含有する場合、「相補的である」と呼ばれる。
用語「後続するモノマー」は、5’末端方向において隣接するモノマーに関し、「先行するモノマー」は、3’末端方向において隣接するモノマーに関する。
用語「標的核酸」または「標的リボ核酸」は、単一の特定の配列のいかなる関連する核酸(例えば、患者、動物(ヒトまたはヒト以外の動物)、植物、細菌、真菌、古細菌、細胞、組織、生物などから得られる生物的核酸)も指す。例えば、標的リボ核酸または核酸が、細菌、古細菌、植物、ヒト以外の動物、細胞、真菌、またはヒト以外の生物から得られる場合、この方法は、標的核酸の検出に基づいて、所望により、細菌、古細菌、植物、ヒト以外の動物、細胞、真菌、またはヒト以外の生物を選択することをさらに含む。一実施形態では、標的核酸は、患者、例えばヒト患者から得られる。この実施形態では、本発明は、標的核酸の検出に基づいて、治療を選択すること、疾患を診断すること、または疾患に対する遺伝的素因を診断することを所望によりさらに含む。
「標的配列」は、いかなる標的核酸内の特定の核酸配列も指す。
用語「厳密な(stringent)条件」は、本明細書では、約T−5℃(プローブの融解温度(T)より5℃下)から、Tより約20℃から25℃下までの範囲内で生じる「厳密性(stringency)」である。当業者には公知であるように、ハイブリダイゼーションの厳密性は、同一または関連するポリヌクレオチド配列を同定または検出するために変化させることができる。ハイブリダイゼーション技法は一般に、「Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach」、ヘイムス.B.D.(Hames,B.D.)およびヒギンズ,S.J.(Higgins,S.J.)編、IRLプレス(IRL Press)、1985年;ゴール(Gall)およびパルデュー(Pardue)、「Proc.Natl.Acad.Sci.,USA」63:378〜383、1969年;およびジョン(John)ら、1969年、「Nature」223:582〜587に述べられている。
本発明はまた、天然または合成の核酸の、単離、精製、増幅、検出、同定、定量化、または捕捉のためのキットを提供する。ただしこのキットは、本明細書で定義する通りの反応体および1つまたは複数のLNA改変オリゴヌクレオチド(オリゴマー)を含む。LNA改変オリゴヌクレオチドは、好ましくは前記反応体上に固定される。
本発明によるキットについて、反応体は、例えば、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリジノン、ポリメチルメタクリレート、およびポリ塩化ビニルから選択される固体支持体材料、好ましくはポリスチレンおよびポリカーボネートであることが好ましい。反応体は、標本管、バイアル、スライド、シート、フィルム、ビーズ、ペレット、ディスク、プレート、リング、ロッド、ネット、フィルター、トレイ、マイクロタイタープレート、スティック、またはマルチブレード(multi−bladed)スティックの形であり得る。
キットを使用するための最適な条件が書かれた説明書のシートが、一般的にキットに添付される。
発明の詳細な説明
本発明は、オリゴヌクレオチドが、複数のヌクレオシド類似体を含有することを特徴とする、microRNAまたは低分子干渉RNAの単離、精製、増幅、検出、同定、定量化、または捕捉のためのオリゴヌクレオチドの使用に関する。
より詳細には、本発明は、高い感受性および優れた選択性を有する、microRNAまたは低分子干渉RNAの検出および定量化のための方法を提供する。本発明によれば、microRNAおよび低分子干渉RNAの定量化は、100pMから10fMまたはそれ以下(10aM)のRNA標的濃度に相当するサンプルにおいて、RNA標的10fmolから10amolまたはそれ以下のレベル(10zmol)で検出可能である。
好ましい実施形態では、本発明は、図1および図9に示す通りの次のステップを含む。
1)2つのタギングプローブは、それぞれ、10〜12ntの標的配列(例えば、成熟したmiRNA)と相補的な高親和性のヌクレオチド配列と、標的配列に対して、あるいは互いにいかなる相補性も含まないアンカーDNA配列からなるように設計および合成される。2つの認識エレメント含有タギングプローブは、溶液中の複雑な核酸サンプル中の標的配列と組み合わせると、厳密な条件下でハイブリダイズされ、それによって、2つのタギングプローブが、標的によって規定される位に近づけられ、ここで、片方のタギングプローブの5’末端は、もう片方のタギングプローブの3’末端と隣接する。
2)プローブの1つの5’末端がリン酸化されると、標的特異的なタギングプローブは、鋳型としてDNAリガーゼおよび標的配列(例えばmiRNA)を使用して、連結(ligation)によって連結される。連結反応は、熱安定なリガーゼを使用して、高い温度で実施することができしたがって、鋳型分子のコピー数を増大させるために、PCRによるその後の増幅のためのサイクルにかけることができる。
3)高い親和性のタギングプローブの、標的配列を鋳型にする連結の後、連結されたプローブ分子は、アンプリコンへの結合を可能にするための十分な二本鎖安定性をもつ短い検出プローブを使用する定量リアルタイムPCRのための鋳型として使用され、均質なアッセイにおいて使用される様々な検出原理のいずれかを用いる。
さらなる本発明の好ましい実施形態では、検出および定量化は、図27に示されるステップを含む。
a)標的リボ核酸配列を、認識ヌクレオチド配列が、標的配列内の配列と相補的であるオリゴヌクレオチド捕捉プローブと接触させること、
b)DNAポリメラーゼ酵素と、プライマーとしての標的リボ核酸配列とを使用し、捕捉プローブにおけるアンカーヌクレオチド配列と相補的な鎖を合成すること、
c)固体支持体上に形成された二本鎖を固定化し、標的サンプルを富化し、そのあとに固体支持体から標的配列を解放すること、
d)逆転写酵素と、プライマー結合部位としてのタギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列とを使用し、逆転写により標的リボ核酸と相補的なDNA鎖を合成すること、
e)DNAポリメラーゼと、プライマーとしての第2のタギングプローブとを使用する第2鎖の合成により、ヘテロ二本鎖内のリボ核酸配列を置き換えること、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列内の配列と相補的である、
f)オリゴヌクレオチドタギングプローブに付着させたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブを使用するリアルタイムPCRによって、得られた核酸を定量化すること。
本発明のさらなる好ましい実施形態では、検出および定量化は、図28に示されるステップを含む。
a)標的リボ核酸配列を、認識ヌクレオチド配列が、標的配列内の配列と相補的であるオリゴヌクレオチド捕捉プローブと接触させること、
b)DNAポリメラーゼ酵素と、プライマーとしての標的リボ核酸配列とを使用し、捕捉プローブ内のアンカーヌクレオチド配列と相補的な鎖を合成すること、
c)固体支持体上に形成された二本鎖を固定化し、標的サンプルを富化すること、
d)逆転写酵素と、プライマーとしての捕捉プローブとを使用し、逆転写により標的リボ核酸と相補的なDNA鎖を合成すること、
e)DNAポリメラーゼと、プライマーとしての第2のタギングプローブとを使用する第2鎖の合成により、ヘテロ二本鎖内のリボ核酸配列を置き換えること、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列内の配列と相補的である、
f)DNAポリメラーゼおよび一対のプライマーを使用して、標的配列を鋳型にするPCR増幅を続けること、
e)オリゴヌクレオチドタギングプローブに付着させたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブとを使用するリアルタイムPCRによって、得られた核酸を定量化すること。
固定化された捕捉プローブ法の1つの利点は、非タンパク質コードRNA(核小体低分子RNA、siRNA、microRNA、およびアンチセンスRNAなど)に対する全RNAサンプルの初期富化が必要でないことである。好ましくは、捕捉プローブを、溶液中の特異的な標的とハイブリダイズさせることとなる。第2に、捕捉プローブが固体支持体上に固定される場合、結合していない材料を除去することができ、それによって、特異的な標的の富化が成し遂げられる。
別のさらなる好ましい実施形態では、本発明は、図11に示す通りの次のステップを含む。
1)2つのタギングプローブ、すなわちRTタギングプローブおよび第2鎖タギングプローブは、それぞれが、標的リボ核酸配列(例えば成熟したmiRNA)の6〜12ntに相当するヌクレオチド認識配列、ならびに、標的配列と、あるいは互いに、いかなる相補性も持たないアンカー配列からなるように設計および合成される。RTタギングプローブ、またはRTプローブと第2鎖プローブの両方の認識配列は、高親和性のヌクレオチド類似体(例えばLNA)によって改変される。RTタギングプローブ内の認識配列は、標的リボ核酸配列内の配列と、例えば、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの3’末端と、あるいは、標的リボ核酸配列における、RNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型または点突然変異の3’に位置する配列と相補的である。RTタギングプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、複雑な核酸サンプル中の標的RNA配列とハイブリダイズし、逆転写酵素を使用する、標的RNA配列と相補的なアンカー付けされたプライマー伸長産物を産生するための、逆転写反応におけるアンカー付けされたプライマーとして使用される。
2)第2鎖タギングプローブは、成熟したmicroRNAまたはsiRNAの5’末端に相当する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列と、あるいは、元のリボ核酸標的配列内のRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異に対する5’に位置する配列と相補的である認識配列を含む。第2鎖タギングプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、RT反応生成物とハイブリダイズし、その後、DNAポリメラーゼ、例えば耐熱性のDNAポリメラーゼによって、プライマー伸長産物と相補的である第2鎖を産生するためのアンカー付けされたプライマーとして使用される。反応の特異性は、それぞれ、標的RNAおよび相補的なDNA配列の相補的な3’末端および5’末端領域とハイブリダイズする、オーバーラップしない認識配列をもつアンカー付けされたRTおよび第2鎖タギングプローブの連続的な使用に基づく。タギングプローブに付着されるアンカー配列は、本発明の方法で使用されるハイブリダイゼーション条件下で、特定のトランスクリプトーム内の任意の標的核酸に、あるいは互いに交差ハイブリダイズしないように設計される。アンカー配列は、その後のリアルタイム定量PCRにおけるPCRプライマーのためのプライミング部位として、あるいは、捕捉アッセイのためのタグとして機能する。認識配列中に、本発明の新規の成分である高親和性のヌクレオチド類似体を使用することにより、逆転写反応ならびに第2鎖反応は、耐熱性の逆転写酵素および耐熱性のDNAポリメラーゼを使用して、高い温度で実施することができ、それによって、PCRによるその後の増幅のための鋳型分子の産生における特異性が増大する。本発明の別の新規の成分は、例えばLNAによって改変された前記の高親和性の認識配列を、逆転写酵素またはDNAポリメラーゼによってプライマーとして使用することができる、またさらに、こうした前記高親和性の認識配列を、DNAポリメラーゼによって相補的な鎖を合成するための鋳型として使用することができるという発見である。
3)標的RNA配列特異的逆転写および第2鎖合成反応の後、二本鎖分子を、アンプリコンへの結合を可能にする、十分な二本鎖安定性をもつ短い検出プローブを使用する、定量リアルタイムPCRのための鋳型として使用し、均質なアッセイに使用される様々な検出原理のうちのいずれかを使用する。
結合の検出は、標的に結合させた後の1つまたは複数の標識の特性における測定可能な変化(例えばステム構造の有無にかかわらない分子ビーコンタイプのアッセイ)による直接的な、あるいは、結合後のその後の反応、例えば5’ヌクレアーゼアッセイにおけるDNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性による切断による間接的なものである。検出プローブは、本発明のさらに別の新規の成分である。これは、その配列が、中心セグメントにおける標的配列に相当する短い増幅されたDNA分子の特異的な検出を可能にするように選択された、短いオリゴヌクレオチド部分、およびPCRプライマーのためのアニーリング部位として使用されるアンカー付けされた配列を含む。
標的配列(例えば異なる成熟したmiRNA標的分子)を検出するために設計される新規の短い検出プローブは、非常に短い8〜12−merのLNA−DNAキメラミックス−merプローブが、リアルタイムPCRベースのアッセイと適合性があるという発見によって可能になる。本発明の一態様では、改変されたあるいは核酸塩基の類似体、ヌクレオシド塩基またはヌクレオチドは、ひょっとすると副溝バインダーおよび他の改変物(すべて、最も短い可能性のあるプローブ配列を使用して、標的分子とハイブリダイズして検出できるように、プローブおよび標的分子との間に形成される二本鎖を安定化することが意図されたもの)と共に、タギングプローブならびに検出プローブに組み込まれる。本発明の好ましい態様では、改変は、標準のリアルタイムPCRアッセイ条件下で検出可能な形成された二本鎖の十分な安定性を維持しながら、検出プローブの長さを8または9または10または11または12から14ヌクレオチドに減少させるための、LNA残基の組み込みである。本発明の別の好ましい態様では、連結反応のための一方または両方のタギングプローブ内の標的認識配列、または、RTタギングプローブ内の認識配列、または、RTタギングプローブとRT−PCR反応のための第2の鎖タギングプローブの両方における認識配列は、すべての第2、すべての第3、またはすべての第4ヌクレオチド位置で、LNAモノマーで置換され、両方のプローブの3’末端の少なくとも1つのDNAヌクレオチドが、それぞれ、LNA改変オリゴヌクレオチドプローブの増大された二本鎖安定性によって、高い温度でも、その相補的な標的分子、特に標的RNA分子への非常に特異的かつ感受性が高いハイブリダイゼーションができるようになる。
本発明のさらなる好ましい実施形態では、検出および定量化は、図22に示されるステップを含む。
a)標的リボ核酸配列を、認識ヌクレオチド配列が、標的配列内の配列と相補的である請求項1から3に記載のオリゴヌクレオチドタギングプローブと接触させること、
b)DNAポリメラーゼ酵素と、プライマーとしての標的リボ核酸配列とを使用し、タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列と相補的な鎖を合成すること、
c)逆転写酵素と、プライマー結合部位としてのタギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列とを使用し、逆転写により標的リボ核酸と相補的なDNA鎖を合成すること、
d)DNAポリメラーゼと、プライマーとしての第2のタギングプローブを使用する第2鎖の合成により、ヘテロ二本鎖内のリボ核酸配列を置き換えること、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列内の配列と相補的である、
e)オリゴヌクレオチドタギングプローブに付着されたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブとを使用するリアルタイムPCRによって、得られた核酸を定量化すること。
さらなる好ましい実施形態では、本発明は、図29に示す通りのステップを含む。
さらなる好ましい実施形態では、本発明は、図30に示す通りのステップを含む。
さらなる実施形態は、成熟したmiRNA転写産物の長さを上回る鋳型へのRT−プライマーの結合を防止するための「ブロッカープローブ」を含有するLNAの使用を含む。ブロッカープローブは、成熟したmiRNA配列の3’領域と隣接する前駆体(pri/precursor)miRNA配列内の非成熟miRNA領域に、相補的な配列を結合させるように設計される。ブロッカープローブは、さらに、成熟した配列と部分的にオーバーラップし、したがって、RT−プライマー(実施例12〜16に記載される通り、また、図11、ステップ1に図示する通り)の前駆(pri/precursor)配列への結合を防止し、RTタギングプローブが、成熟したmiRNA配列のみにアニーリングすることが可能になるように設計される。反応ステップは、図33、ステップIおよび図22.2〜22.4に表される。
(Hsa miR−15a配列(図29)に類似の)成熟したmiRNA配列を用いる別の実施形態では、ある種の長さ(すなわち、未成熟(pri−and pre−mature)miRNAの長さなど)を超える鋳型への結合が妨げられるように設計されたRT−プライマーを利用して検出される。ブロックは、例えば、大きな分子構造をRT−プライマーに組み込むことによって、あるいは、プライマーに、成熟したmiRNAの長さを上回る鋳型へのプライマーの結合を防止するように配置される二本鎖構造を導入するための短いLNA含有プローブ(ブロッカープローブ)をアニーリングすることによって達成される。ブロックプライマー設計では、成熟したmiRNA配列のみがアニーリングできるようになるのに対し、より長い鋳型はアニーリングしない。反応ステップは、図29に示される。
別の実施形態では、前述の実施形態からのRT−プライマーはまた、この反応におけるPCRプライマーのうちの1つを含む。所望により、他のPCRプライマーはまた、ある長さを上回る鋳型への結合が妨げられるように設計することができる。反応ステップは、図29bに示される。
別の実施形態は、人工のオリゴヌクレオチド鋳型の反応物への添加を用いる。miRNAが、(Hsa miR−143配列 図30に類似の)前駆体分子の遠い3’末端から発現される場合、成熟した、また、前駆体のmiRNA鋳型は、ポリメラーゼ(例えばKlenowフラグメント)による伸張に適した3’末端を含有する。図31に図示するように、RT−プライマーを用いることによって、これは、RNA指向性のDNAポリメラーゼ(例えば逆転写酵素)によってその後伸長し、得られた鋳型は、成熟したまたは前駆体のmiRNA転写産物が、鋳型として働くかどうかによって、長さが異なることとなる。実施例12〜16で述べる、また、図11のステップ2に示されるような第2鎖タギングプローブは、成熟したmiRNAに由来するRT転写産物の伸張のみが可能になるように、図31に示される3’でブロックされた人工オリゴヌクレオチド鋳型によって交換されている。3’でブロックされた人工オリゴヌクレオチドは、その後、鋳型として使用され、PCRによるその後の増幅のためのプライマー部位を生じる。
miRNAが、(Hsa miR−143配列 図30に類似の)前駆体分子の遠い3’末端から発現される別の実施形態では、成熟したmiRNAは、逆転写されたmiRNAの3’末端(成熟したmiRNAの本来の5’末端)とハイブリダイズするPCRプライマーを利用して検出され、ある種の長さ(すなわち、逆転写された前駆体miRNAの長さなど)を上回る鋳型への結合が妨げられるように設計される。このブロックは、例えば大きな分子構造を、このPCRプライマー−例えばループプライマー−に組み込み、アンカー配列を保ち、選択されたアッセイ温度で、オリゴヌクレオチドの5’および3’末端で相補的な配列によって仲介される、分子内ヘアピン構造を形成する、あるいは、成熟したmiRNAの長さを上回る鋳型へのプライマーの結合を防止するために配置される短いLNA含有プローブ(ブロッカープローブ)を、プライマーにアニーリングさせて、二本鎖構造を導入することによって達成される。プライマーは、成熟した加工されたmiRNA配列のみがアニーリングでき、より長い鋳型は、アニーリングしないように、特異的に設計されている。反応ステップは、図34に示される。
細胞では、microRNA分子は、成熟したmiRNA(17〜25のヌクレオチド)の活性な形だけでなく、より長い(70ヌクレオチド超の)前駆体分子として生じる。microRNA分子の検出における1つの課題は、17〜25bp長の一本鎖RNA分子である、成熟した形の分子のみを検出することである。
本発明の好ましい実施形態では、成熟したmiRNAは、プライマーとして機能する、すなわち、miRNAは、鋳型とハイブリダイズし、RNA−プライムド(primed)DNA指向性のDNA合成が可能な酵素で伸長される。第2に、検出は、この伸張の発生に依存し、さらに、伸張の発生は、プロセシングされた成熟したmiRNA分子のみの検出を確実にするために使用される鋳型へのアニーリング部位からの予測される距離で利用できる、miRNAの3’末端の−OH末端を有することに依存する。検出反応においてプライマーとして標的(この場合はmiRNA)を使用する原理は、他の標的(DNAとRNAの両方)を使用する、他の検出形式にも適用することができる。
本発明の一般的な態様
多くの非コードRNA分子(microRNA分子など)は、非常に短く、両方の逆転写酵素、PCRによる増幅、および、PCRによる増幅と検出のため所望により標識された検出プローブのためのプライマーの配置を収容しない。これを収容するための1つの解決法は、本発明によれば、好ましくは、成熟特異的なアッセイの設計を可能にする方法によって、microRNAにさらなる配列を追加することである。
記述する通り(実施例を参照のこと)、microRNAに、(配列特異的なハイブリダイゼーションによって)ポリメラーゼ−反応のための鋳型を提供することによって、また、伸張を可能にするためにポリメラーゼ(例えばKlenowポリメラーゼ)およびヌクレオチドを提供し、成熟したmicroRNAに、提供された鋳型と部分的に類似した配列を追加させることによって、こうした配列を付加することができる。こうした付加された配列は、単独で、あるいはmicroRNAの核酸配列と組み合わせて、逆転写酵素のための、PCR増幅のための、あるいは標識された検出プローブのためのプライマーを、部分的に収容することができる。
追加の配列を付加する別の手段は、連結反応という手段であり得る。こうした反応では、アダプター核酸配列を、microRNA分子の3’末端、5’末端、あるいはその両方の末端に、連結反応によって付着させることができる。成熟した標的RNA配列の末端部分に特異的なヌクレオチド配列と、前記アダプター分子の末端部分に特異的なヌクレオチド配列とを含む「橋かけ」核酸配列を提供し、成熟したRNA標的および前記アダプター分子が、配列特異的なハイブリダイゼーションの際に互いにごく近接する場所にあるようにすることによって、こうした連結反応を補助することができる。連結によって付加されるこうした配列は、単独で、あるいはmicroRNAの核酸配列と組み合わせて、逆転写酵素のための、PCR増幅のための、あるいは標識された検出プローブのためのプライマーを、部分的に収容することができる。
小さいRNA標的分子に追加の配列を追加するさらに別の手段は、鋳型に依存しないポリメラーゼ反応という手段であり得る。こうした一実施形態では、小さい標的RNA分子のサンプルを、ポリメラーゼ反応にかけ、サンプル中に存在するすべてのmicroRNAにpolyAテールを提供する。これは、例えば、polyAポリメラーゼを用いて実施できる可能性がある。別のこうした実施形態では、小さい標的RNA分子のサンプルは、サンプル中に存在するすべてのmicroRNAに、(それぞれ、dATP、dCTP、dGTP、またはdTTPsが加えられた場合)A、C、G、またはTポリヌクレオチドテールを提供することができる、ターミナルトランスフェラーゼ酵素反応にかけられる。類似のヌクレオチドのヌクレオチドテールを伴って提供されるこうしたmicroRNAサンプルは、逆転写酵素反応において、相補的な類似のヌクレオチドを含むプライマーを使用してcDNAに転換することができる。したがって、類似のヌクレオチドのポリヌクレオチドテールが付加されたmicroRNAのcDNAサンプルが提供される。microRNA配列のオーバーラップ部分によって、RT−プライマーはまた、特定のmicroRNAまたはmicroRNAのグループまたはファミリーに対して特異的であることができる。こうしたcDNAサンプルは、その後、成熟したmicroRNA配列内に包含される、あるいは、鋳型に依存しないポリメラーゼ反応によって追加された配列と部分的にオーバーラップする、特定のmicroRNA配列に特異的なプライマーを使用するPCR増幅反応のための鋳型として働くことができる。
こうした実施例は、図37に示され、そこでは、全RNAサンプルまたは200ヌクレオチド未満のサイズのRNAのみを含有しているRNAサンプル画分を、polyAポリメラーゼにかけ、すべてのmicroRNA標的分子にpolyAヌクレオチドテールを付加する。その後、逆転写酵素反応において、polyTプライマーを、プライマーとして使用し、RNAサンプルをcDNAに転換する。前記RT反応には、RT−プライマー配列を、特定のmicroRNAあるいはmicroRNAの基またはファミリーに特異的なmicroRNA配列と部分的にオーバーラップさせることによって、配列特異性をさらに与えることができる。その後、前記cDNAサンプルを、特定のmicroRNA標的に対して特異的なPCRプライマー、および所望により標識された検出プローブを使用するPCR増幅にかける。こうしたPCRプライマーは、付加された配列と、ある程度全体的に、あるいは部分的にオーバーラップさせることができる。
したがって、本発明の広い態様は、最高でも100ヌクレオチドの長さである短い長さのRNA(これは、本明細書で述べられる低分子RNAタイプのうちのいずれかであり得る)の定量的測定のための方法であって
a)前記の短い長さのRNAを含むサンプルから、1)前記の短い長さのRNAの配列からなる一本鎖標的配列、その相当するDNA配列、または前記の短い長さのRNAの配列と相補的なヌクレオチド配列、および2)5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列からなる鋳型ポリヌクレオチドを調製すること、
b)逆転写またはヌクレオチド重合において前記鋳型ポリヌクレオチドを使用して、cDNAの鎖を得ること、および
c) 鋳型として前記cDNAおよび所望により鋳型ポリヌクレオチドを含む定量リアルタイムPCR(qPCR)を実施すること
を含む方法に関する。
本発明のこの態様は、本発明の根底にある概念を反映する、すなわち、aからcのすべてのステップによって、比較的高い程度の特異性が確実になり、各ステップにおける特異性が、この方法の通常の特異性に加わることによって、短い長さのRNAの特異的な検出を達成することができる。1つの主要な特性は、ステップaにおける鋳型ポリヌクレオチドの提供である。ただし、前記鋳型は、その後のステップでプライマーのための「ハンドル(handle)」として働くことができる付加された配列を含み、したがって、必要なすべてのプライマーのための、また、使用される検出プローブのための空間が提供される。本明細書の説明から明らかとなるであろう通り、これらの「ハンドル」は、定量化することが望まれる短い長さのRNAに対して特異的でも非特異的でもあり得る−特異的な配列の場合、これらは、反応中に付加され、短い長さのRNAに、優先的または特異的に、配列を付加することとなるが、短い長さのRNAを含む配列には付加されない。
本発明の状況では、用語「相当する」を使用する場合、基準(reference)ヌクレオチド配列に対応するヌクレオチド配列が、基準配列と同一である、あるいは、基準ヌクレオチド配列と相補的な配列とストリンジェントにハイブリダイズする配列を構成していることを意味する。一般的に、これは、DNA配列に対して相補的な配列が、問題となるRNA配列に転写される可能性がある場合、RNA配列は、DNA配列に相当することができることを意味する。
この文脈における用語「cDNA」は、鋳型ポリヌクレオチドの逆転写によって、あるいは、鋳型ヌクレオチドに基づくヌクレオチド重合(DNA重合など)によって得られるDNA断片を意味する。
短い長さのRNAは、前述の通り、最高でも100ヌクレオチドであるが、かなり短いRNAも、この方法によって測定することができる。最高でも90、最高でも80、最高でも70、最高でも60、最高でも50、最高でも40、最高でも30、および最高でも25ヌクレオチド残基の長さであるRNAは、本発明の方法およびキットによって、好都合に測定することができるが、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、および25ヌクレオチド残基を有するより短いRNAでさえ測定することができる。好ましくは、短い長さのRNAは、16ヌクレオチド残基と25ヌクレオチド残基との間の長さを有する。
ステップcにおけるqPCRのために使用されるプライマーは、一実施形態では、以下から選択される:
−少なくとも2つのオリゴヌクレオチド、ここで、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、5’または3’隣接ヌクレオチド配列中の配列に相当する、あるいはこの配列と相補的である−特に、両方のプライマーが隣接する配列に関連する場合に、ステップaおよびbにおいて、(短い長さのRNAまたはそこから得られる配列に)配列特異的な、5’および/または3’配列の付加の存在、および/またはステップbが、短い長さのRNAに対して特異的な手法を利用することから利益を得る実施形態、
−少なくとも2つのオリゴヌクレオチド、ここで、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、一本鎖標的配列の部分と、隣接する5’または3’ヌクレオチド配列の部分によって構成される、鋳型ポリヌクレオチド中の近接する配列に相当する、あるいは、この配列と相補的である−短い長さのRNA(またはそこから得られる配列)の部分の特異的な認識に起因する、比較的高い程度の特異性が、ステップcにおいて存在し、5’または3’ヌクレオチド配列が、配列特異的な手法に基づいて付加されることが好都合である可能性がある、および/またはステップbが、短い長さのRNAに対して特異的な手法を利用する実施形態、および
−少なくとも2つのオリゴヌクレオチド、ここで、1つは、一本鎖標的配列内の第1のヌクレオチド配列に相当し、もう1つは、一本鎖標的配列内の第2のヌクレオチド配列と相補的である−短い長さのRNA(またはそこから得られる配列)の特異的な認識に起因する、高い程度の特異性が、ステップcにおいて存在する実施形態。
qPCRのために使用される前記プライマーは、それぞれ独立に、検出可能な標識を含みうる。
別の実施形態では、ステップ(b)における反応は、一本鎖標的配列に相当するあるいはこの配列に相補的である、あるいは、一本鎖標的配列の部分と、隣接する5’または3’ヌクレオチド配列の部分とによって構成される、鋳型ポリヌクレオチド内の近接する配列に相当するあるいはこの配列に相補的である逆転写プライマーまたはDNA重合プライマーを利用する。逆転写プライマーまたはヌクレオチド重合プライマーが、少なくとも1つの短い長さのRNAに対して特異的であることが好ましく、これは、多くの短い長さのRNAが、高度な配列同一性を有するある種のファミリーに属するという事実を反映する。
付加された5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、ある実施形態では、同一のヌクレオチドからなるポリヌクレオチドである(配列を付加するためのターミナルトランスフェラーゼ酵素を利用することによって、あるいは、同一のヌクレオチド残基を加えるポリメラーゼを利用することによって達成することができる効果)。
いずれにせよ、一本鎖標的配列と5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、共有結合的に連結させることもできるし、非共有結合的に連結させることもできる−重要な問題は、鋳型配列を、ステップbにおける逆転写またはヌクレオチド重合にかけることができるかどうかということである。
5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、ある実施形態では、検出可能な標識を含み、それによって、その後の検出が容易になる。
多くの実施形態では、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、酵素的反応によって一本鎖標的配列に連結されるが、非酵素的な反応も想定される。
同一のヌクレオチドを加えるための有用な酵素は、IUBMB酵素命名法を使用して以下に提供される:
トランスフェラーゼ:EC 2.7.7.19(ポリヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ)、EC 2.7.7.52(RNAウリジリルトランスフェラーゼ)、およびEC 2.7.7.31(DNAヌクレオチジルエキソトランスフェラーゼ)。
リガーゼ:EC 6.5.1.1(DNAリガーゼ(ATP))、EC 6.5.1.2(DNAリガーゼ(NAD+))、およびEC 6.5.1.3(RNAリガーゼ(ATP))。
ある種の実施形態では、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、サンプルRNAが得られる生物中に天然には生じない。これによって、サンプル中の関連性のない配列が検出されるリスクが低下すると考えられている。5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、非哺乳類のものであることが好ましい。
他の実施形態では、ステップ(a)は、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列の短い長さのRNAへの連結による鋳型ポリヌクレオチドの調製を含む、あるいは、ステップ(a)は、5’および/または3’隣接するヌクレオチド配列を、ターミナルトランスフェラーゼ反応で、好ましくはポリ−Aトランスフェラーゼ反応で、短い長さRNAに連結することによる鋳型ポリヌクレオチドの調製を含む。連結は、配列特異的(例えばオーバーハングライゲーション)と平滑末端ライゲーションのどちらであってもよいが、オーバーハングライゲーションを利用することが好ましい。オーバーハングライゲーションの好ましい形態では、この方法は、小さいRNA分子のリガーゼ反応性の末端に直接隣接する5’または3’隣接ヌクレオチド配列のリガーゼ反応性の末端を、オーバーハングライゲーションを可能にするように配置するために、5’または3’隣接ヌクレオチド配列のリガーゼ反応性の末端に部分的に相補的であり、かつ短い長さのRNA分子のリガーゼ反応性の末端に部分的に相補的であるオリゴヌクレオチドを、短い長さのRNAにアニーリングすること含む。
連結またはターミナルトランスフェラーゼを使用することの1つの主要な利点は、サンプル中のすべてのRNAが、その後のステップ(これは、その後、一方では、非常に特異的であるべきである)のために有用になる可能性があることである。これにより、例えば、bおよびcにおける、より特異的なステップのために後で使用することができる、非特異的cDNAライブラリの作成が可能になる。
一般的に、連結またはターミナルトランスフェラーゼ反応は、標的配列の3’末端で実施されるだけであるが、連結反応の前に標的配列の5’末端をリン酸化することによって、標的配列の5’末端への連結も実施することができる。いずれにせよ、隣接するヌクレオチド配列の「自己連結」を回避するために、末端の片方をブロックすることが好ましい(リガーゼが、連結される分子内の3’−ヒドロキシルおよび5’−リン酸を必要とするので、これは、当業者にとっては、かなり簡単な作業である)。したがって、連結の前に、5’隣接ヌクレオチド配列は、その5’末端でブロックされ、3’隣接ヌクレオチド配列は、その3’末端でブロックされ、また、これらの2つのヌクレオチド配列は通常、別々のステップで加えられるので、それらが自己連結することは回避される。
5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列は、規定されたプロセッシング状態の、ステップ(a)における前記の短い長さのRNAと優先的または独占的に連結する。これは、隣接するヌクレオチド配列を付加するための手段が、短い長さのRNA内の遊離の3’または5’末端の存在にに依存する配列結合ステップ(それによって、識別が、例えば、同じ配列を含むが、関連する末端内ではない未成熟RNAにわたって導入される)を利用することを意味することになる。前記RNAの規定されたプロセッシング状態は、成熟した状態であることが好ましい。
多くの実施形態におけるステップ(b)は、cDNAを得るための、鋳型ポリヌクレオチドの逆転写を含む(例えば図27を参照のこと)。しかし、上で述べたように、ステップbはまた、cDNAを得るために、ステップbにおけるヌクレオチド重合を含むこともできる(例えば図31の実施形態を参照のこと)。
連結またはターミナルトランスフェラーゼを利用する代わりに、ステップ(a)は、隣接するヌクレオチド配列を付着するために、ヌクレオチド重合のステップを含むことができる。この目的のために使用されるポリメラーゼは、鋳型に依存しないポリメラーゼであっても、鋳型に依存するポリメラーゼであってもよい。一般的に用いられるポリメラーゼは、DNAポリメラーゼである。
たとえ好ましい実施形態が、鋳型特異的である重合を利用しても、重合は、標的配列の3’末端へのポリ−A、ポリ−G、ポリ−T、またはポリ−Cテールの付加にある可能性がある。
しかし、前述の通り、現在好ましい実施形態は、鋳型特異的な手法の使用を伴う。microRNAの検出の場合、本発明の一目的は、成熟したmicroRNAと未成熟microRNAを区別することを可能にすることであり、この状況では、2つの異なる状態:すなわち、microRNAがその成熟前の前駆体の3’末端に位置する状態、およびmicroRNAが成熟前の前駆体の5’末端に位置する状態に注目することが重要である。これらの前駆体の各々から成熟形態を識別するために、様々な手法が使用されている。
以下の実施形態は、この識別を達成するための様々な方法に対処するが、これらの実施形態は、いかなる短い長さのRNAを定量化または検出する場合にも有用であるので、いかなる形であれmicroRNAの定量化に限定されない。
一実施形態(図27を参照)は、ステップ(a)が、以下のステップによる鋳型ポリヌクレオチドの調製を含むことを伴う:
− オリゴヌクレオチド捕捉プローブ(その5’末端は、短い長さのRNAの3’末端と相補的である)に、短い長さのRNAの3’末端をアニーリングするステップと、
− 鋳型ポリヌクレオチドを構成する、伸長された短い長さのRNA分子を得るために、鋳型としてオリゴヌクレオチド捕捉プローブを使用するヌクレオチド重合によって、短い長さのRNAを伸長するステップ。一般的に、ヌクレオチド重合は、鋳型ポリヌクレオチドを構成するRNA−DNAハイブリッドを得るために、DNA重合を含む。
この実施形態では、ステップ(b)は、所望により、オリゴヌクレオチド捕捉プローブにアニーリングしていない材料の除去の後、cDNAを得るために、RNA−DNAハイブリッド鎖を逆転写させることを含むことが好ましい(捕捉プローブが固定化を可能にするタグを含む場合に達成することができる)。逆転写では、使用されるプライマーは、オリゴヌクレオチド捕捉プローブそれ自体であってもよいし、あるいは、別の逆転写プライマーであってもよい(捕捉プローブが固定化されることができる場合には、しばしばこうである−その場合、二本鎖は変性され、鋳型は別の容器に移され、そこで新規のプライマーおよび他の試薬が加えられる)。
別の実施形態(図31参照)は、ステップ(a)が、以下のステップによる鋳型ポリヌクレオチドの調製を含むことを伴う:
− オリゴヌクレオチド捕捉プローブ(その3’末端は、短い長さのRNAの5’と相補的であり、その5’末端は、5’隣接ヌクレオチド配列を含む)に、短い長さのRNAの5’末端をアニーリングするステップと、
− 鋳型ポリヌクレオチドを構成する、伸長された捕捉プローブを得るために、鋳型として短い長さのRNAを使用する逆転写によって捕捉プローブを伸長するステップ。この場合、鋳型ポリヌクレオチドは、本来の短い長さのRNAをいずれも含まない。
この実施形態は、ステップ(b)が、短い長さのRNAが、伸長された捕捉プローブから、(例えば温度を上昇させることによって)除去され、捕捉プローブが、3’隣接ヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を含むヘルパーオリゴヌクレオチドに、その3’末端でアニーリング可能にされ、捕捉プローブが、cDNAを得るために、鋳型としてヘルパーオリゴヌクレオチドを使用するDNA重合によって、5’→3’方向にさらに伸長されることを含むことを伴う。したがって、この実施形態では、5’および3’隣接ヌクレオチド配列が付加される(両方とも、標的配列特異的な手法によって加えられる)。
上で述べた通り、捕捉オリゴヌクレオチドが、固体支持体上への固定化を可能にする部分を含有する場合、これらの実施形態は両方とも、利益を与えることができる。そのような場合、捕捉プローブは一般的に、非アニーリング材料除去が可能となるように、アニーリング後に固定化される。
本明細書で述べるすべての実施形態は、短い長さのRNAについて、ステップ(a)においてサンプルを富化することによって最適化することができる−これは、当業者に知られている様々な分離方法によって行うことができる(サイズ排除クロマトグラフィー、電気泳動など)。これは、測定ステップにおいて、mRNAおよび他の長いRNAフラグメント中の配列から得られる偽陽性ヒットを得るリスクを低下させる。
本発明の原則に従って、ステップcは、本明細書で述べられる検出方法のいずれも伴うことができる。しかし、ステップ(c)は、改変されたヌクレオチド(LNAヌクレオチドなど)を含む検出プローブの使用を含むことが好ましい。これらの実施形態の大部分では、検出プローブは、短い長さのRNA内の配列に相当する、あるいはこの配列に相補的であるが、より前のステップaおよびbが、十分に特異的である場合、これは、必要ではない。こうした例では、検出プローブは、ステップbからの反応産物の他の部分に対して特異的である可能性がある。
また、逆転写において、あるいはDNA重合において、あるいは通常ステップa〜cにおいて使用される様々なプライマー(および/または捕捉プローブおよび/またはヘルパーオリゴヌクレオチド)は、改変されたヌクレオチドを含むことができる。主な利点は、例えばLNAが、DNAと高度なハイブリダイゼーションを示すので、プライマーおよび他のオリゴヌクレオチドの全長を減少させることができ、したがって、配列特異的な結合は、より短いオリゴヌクレオチドを使用して得ることができることである。
ステップcにおける検出で、プライマーとして、ステップbで使用されたのと同じプライマー、すなわち、ステップ(b)の逆転写またはヌクレオチド重合に使用されるプライマーによって構成されるプライマーを利用することも可能である。また、これらのステップにおける特異性の程度が全体として、短い長さのRNAの「ノイズがない」検出を可能にするのに十分に高い場合、ステップcにおける「再利用される」プライマーの使用は、この方法に有意に影響を及ぼさない。
本発明のこの通常の態様の説明によれば、本発明はまた、最高でも100ヌクレオチドの長さである、成熟した短い長さのRNAの定量測定に有用なキットに関する。前記キットは、以下を含む。
−本明細書で記述する方法において使用される、最小数の逆転写プライマー、および/またはヌクレオチド重合プライマー、および/またはqPCRのためのプライマー、および/またはオリゴヌクレオチド捕捉プローブ、および/またはヘルパーオリゴヌクレオチド、および/またはオリゴヌクレオチドプローブ、ここで、逆転写プライマー、ヌクレオチド重合プライマー、qPCRのためのプライマー、オリゴヌクレオチド捕捉プローブ、ヘルパーオリゴヌクレオチド、およびオリゴヌクレオチドプローブは、上で述べた特徴を共にもつ、ならびに
−逆転写プライマー、および/またはヌクレオチド重合プライマー、および/またはqPCRのためのプライマー、および/またはオリゴヌクレオチド捕捉プローブ、および/またはヘルパーオリゴヌクレオチド、および/またはオリゴヌクレオチドプローブを使用する、成熟した短い長さのRNAの定量測定のための指示書。キットの提供に関するすべての開示を、このキットに必要な変更を加えて準用する。
このキットは、本明細書に記述する通りの1つまたは複数の酵素および他の試薬をさらに含むことができる。
こうした「最小限のキット」の一例として、以下が、図27に記述される方法を行使するために提供される(基準プライマーおよびプローブは、任意のものである):
miR特異的アッセイ
・Biotinyleret LNA捕捉プローブ
・miR特異的なリバースプライマー
・miR特異的なフォワードおよびリバースプライマー
・miR特異的な二重標識されたプローブ
・RNA対照のオリゴヌクレオチド
・DNA対照のオリゴヌクレオチド
基準U6 snoRNAアッセイ
・基準U6 snoRNA RTプライマー/ランダムヘキサマープライマー
・基準U6 snoRNAプライマーおよび二重標識されたプローブ
Figure 2007532100
本発明のさらなる態様
一旦、適切な標的配列が、選択されると、LNA置換タギングプローブおよび検出プローブは、当分野で記載される通りに市販品として入手できる方法および装置を使用して、好ましくは化学的に合成される(「Tetrahedron」54:3607〜30、1998年)。例えば、短いLNAプローブを産生するために、固相ホスホラミダイト法を使用することができる(カラザーズ(Caruthers)ら、「Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.」47:411〜418、1982年、アダムズ(Adams)ら、「J.Am.Chem. Soc.」105:661(1983年)。
LNA−含有プローブは、一般的に、合成中に標識される。ホスホラミダイト合成手法の汎用性は、さらに、この標準の化学に利用できるすべての市販品として入手できるリンカー、フルオロフォア、および標識分子をもつLNAの簡単な産生を容易にする。LNAは、また、酵素的反応によって、例えばキナーゼ処理(kinasing)することによって標識することができる。
本発明による検出プローブは、単一の標識または複数の標識を含むことができる。一態様では、複数の標識は、標的配列に対する検出プローブのハイブリダイゼーションが生ずる場合に、シグナルを産生する、あるいはシグナルの変化を産生するために互いに相互作用する一対の標識を含む。
別の態様では、検出プローブは、ヌクレオチドからの蛍光発光の増加によって、ハイブリダイズした状態のプローブが、ハイブリダイズしていない状態のプローブと区別することができるように配置される、フルオロフォア部分およびクエンチャー部分を含む。一態様では、検出プローブは、認識エレメントに加えて、プローブが標的分子内の認識配列にハイブリダイズしない場合に、互いに特異的にハイブリダイズし、クエンチャー分子が前記レポーター分子の十分近くに持って来られて、レポーター分子の蛍光が消光されるような、第1および第2の相補的配列を含む。標的分子のハイブリダイゼーションにより、クエンチャーがレポーター分子から遠ざけられ、シグナルが生じ、これは、ハイブリダイゼーションの量に比例する。
別の態様では、核酸の鎖の重合は、5’ヌクレアーゼ活性をもつポリメラーゼを使用して検出することができる。フルオロフォアおよびクエンチャー分子は、プローブがその認識配列とハイブリダイズする場合、クエンチャーがフルオロフォア分子のシグナルを消去するように、十分に近接してプローブに組み込まれる。5’ヌクレアーゼ活性をもつポリメラーゼによるプローブの切断によって、クエンチャーとフルオロフォア分子が分離され、核酸配列としてのシグナルの増加量の存在がもたらされる。
標的核酸分子の適切なサンプルは、原形質体を含めた広範囲の真核生物および原核生物の細胞;または標的核酸を有する他の生体材料を含むことができる。したがって、この方法は、組織培養動物細胞、動物細胞(例えば、血液、血清、血漿、網状赤血球、リンパ球、尿、骨髄組織、脳脊髄液、あるいは血液またはリンパ液から調製される任意の産物)、あるいは任意のタイプの組織生検(例えば、例えば、溶解緩衝液中でホモジナイズされた、筋生検、肝生検、腎生検、膀胱生検、骨生検、軟骨生検、皮膚生検、膵生検、腸管の生検、胸腺生検、乳房生検、子宮生検、睾丸生検、目生検または脳生検)、史料組織の核酸、浸透圧衝撃に対する感受性が高い植物細胞または他の細胞、ならびに細菌、酵母、ウイルス、マイコプラズマ、原生動物、リケッチア、真菌、および他の低分子微生物細胞などの細胞に適用可能である。
様々な増幅反応が、当業者によく知られており、PCR、RT−PCR、LCR、in vitroの転写、ローリングサークルPCR、OLAなどが含まれるが、これに限定されるものではない。複数のプライマーはまた、一連の特異的な標的分子を検出するための多重PCRで用いることができる。
好ましくは、本発明のタギングプローブならびに検出プローブは、標的配列のためのプローブの結合親和性を、改変されていない同じ配列のプローブと、ハイブリダイゼーションまたはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件のための同じ条件下で比較した場合に少なくとも2倍増大させるために改変される。好ましい改変には、結合親和性を増大させるために、化学的な部分によって改変された、あるいは、類似体によって置き換えられた、核酸塩基、ヌクレオシド塩基、またはヌクレオチドの包含が含まれるが、これに限定されるものではない。好ましい改変には、二本鎖を安定化する薬剤(例えば、副溝バインダー(MGB)またはインターカレーティング核酸(INA))の付着も含まれ得る。さらに、好ましい改変には、標的鎖上の対向する位置の核酸塩基に関係なく、二本鎖形成を安定化することができる、例えば、5−ニトロインドールなどの、非区別的な塩基の付加も含まれ得る。最後に、標的配列に特異的に配列を結合することができる糖−リン酸以外の主鎖からなるマルチプローブ(例えばPNAなど)も、改変体と考えられる。上で述べた結合親和性を増大する様々な改変はすべて、以下では、「安定化改変」と呼ばれ、タギングプローブおよび検出プローブは、以下では、「改変されたオリゴヌクレオチド」とも呼ばれる。より好ましくは、改変されたオリゴヌクレオチドの結合親和性は、安定化改変されていない同じ配列のプローブの結合よりも少なくとも約3倍、4倍、5倍、または20倍高い。
最も好ましくは、安定化改変は、1つまたは複数のLNAヌクレオチド類似体の包含である。本発明による6から30ヌクレオチドのプローブは、1〜8の安定化ヌクレオチド(例えばLNAヌクレオチド)を含むことができる。少なくとも2つのLNAヌクレオチドが含まれる場合、これらは、連続的であっても、1つまたは複数の非LNAヌクレオチドによって隔てられていてもよい。一態様では、LNAヌクレオチドは、アルファおよび/またはキシロLNAヌクレオチドである。
本発明はまた、上で定義した通りの安定化改変を伴うタギングプローブおよび検出プローブを含むプローブライブラリを提供する。好ましくは、検出プローブは、長さが、約20ヌクレオチド未満、より好ましくは、15未満のヌクレオチド、最も好ましくは、約7または8または9または10または11ヌクレオチドである。また、好ましくは、タギングプローブは、長さが、約40ヌクレオチド未満、より好ましくは、35未満のヌクレオチド、最も好ましくは約20または30ヌクレオチドである。また、好ましくは、連結反応用のタギングプローブ、およびRT−PCR反応用のRTタギングプローブおよび第2鎖タギングプローブは、長さが約15ヌクレオチド未満、より好ましくは、14ヌクレオチド未満、最も好ましくは6と13の間のヌクレオチドの、高親和性のタギング認識配列、さらに、長さが約30ヌクレオチド未満、より好ましくは25ヌクレオチド未満、最も好ましくは15から20ヌクレオチドの、PCRプライマーのためのプライマー部位としてのアンカー付けされた配列からなる。標識された検出プローブを含有するプローブライブラリは、認識エレメントに付着される検出エレメントのタイプに応じて、様々な用途で使用することができる。これらの用途には、5’ヌクレアーゼアッセイ(分子ビーコン用途)などの二重または単一標識されるアッセイ(チャギ(Tyagi)およびクレイマー(Kramer)「Nat.Biotechnol.」14:303〜308、1996年を参照のこと)、および他のFRETベースのアッセイが含まれるが、これに限定されるものではない。
上で概説した通りの、microRNA、siRNA、RNAエディティングされた転写産物、選択的スプライスバリアント、およびアンチセンス非コードRNAに対する既存の定量化アッセイに関する問題は、所与の生物からの所与の細胞のタイプにおける、発見および検出されるmiRNA、RNAエディティングされた転写産物、siRNA、選択的スプライスバリアント、およびアンチセンス非コードRNAのうちの大多数を認識または検出するために選択される、RNAタギングプローブと検出プローブのセット、または第2鎖タギングプローブと組み合わせられるRNA RTタギングプローブと検出プローブのセットからなる本発明の方法のいずれかと組み合わせた、本発明のプローブを用いて対処される。一態様では、プローブライブラリは、哺乳類の成熟したmiRNA(マウス、ラット、ウサギ、サルまたはヒトmiRNAなど)を標識および検出するプローブを含む。成熟したmiRNA、RNAエディティングされた転写産物、siRNA、選択的スプライスバリアント、およびアンチセンス非コードRNAのための、定量的リアルタイムおよび終点PCRアッセイのための費用効果が優れた有用な方法を提供することによって、本発明は、特に従来のmiRNAアッセイおよびsiRNAアッセイのための上で述べた限界を解決する。本発明による検出プローブの検出エレメントは、(例えば、プローブの各末端、または内部の位置に標識を含むことによって)単一標識されても二重標識されてもよい。したがって、本発明によるプローブは、5’ヌクレアーゼアッセイ、分子ビーコンアッセイ、FRETアッセイ、および他の類似のアッセイで使用するために適合させることができる、一態様では、検出プローブは、シグナルを産生するための、あるいはシグナルを改変するための、互いに相互作用することができる2つの標識を含み、その結果、プローブが標的配列とハイブリダイズする場合に、シグナルまたはシグナルの変化を検出することができるようになる。この特定の態様は、2つの標識が、クエンチャーおよびレポーター分子を含む場合である。
別の態様では、プローブは、相補的な認識配列を含んでいる標的分子と特異的にハイブリダイズすることができる標的特異的な認識セグメントを含む。「ステム領域をもつ分子ビーコン」と呼ばれる本発明の特定の検出態様は、認識セグメントが、アニーリングしてヘアピンを形成することができる第1と第2の相補的なヘアピン形成配列と隣接する場合である。レポーター標識は、片方の相補的な配列の末端に付着され、消光部分は、もう片方の相補的な配列の末端に付着される。第1と第2の相補的配列がハイブリダイズする(すなわち、プローブ認識セグメントが、その標的にハイブリダイズしない)場合に形成されるステムによって、これらの2つの標識が互いに近くに保たれ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって消光されることとなる、レポーターによって産生されるシグナルが引き起こされる。プローブが標的配列にハイブリダイズする場合、2つの標識の近接度は低下し、近接度の変化は、標識の間の相互作用の変化を生じる。したがって、プローブのハイブリダイゼーションにより、レポーター分子によって産生されるシグナル(例えば蛍光)がもたらされ、これを、検出および/または定量化することができる。
さらに別の態様では、標的検出プローブは、短い標的認識配列の、反対側の末端にレポーターとクエンチャー分子を含み、その結果、これらの部分は、互いに十分に近接し、クエンチャーは、レポーター分子によって産生されるシグナルを実質的に低下させる。これは、プローブが、溶液内に遊離している場合と、プローブが標的核酸に結合される場合の両方に当てはまる。「5’ヌクレアーゼアッセイ」と呼ばれる本発明の特定の検出態様は、検出プローブが、DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性による切断に感受性である場合である。この反応は、レポーター分子からのクエンチャー分子の分離、および検出可能なシグナルの産生をもたらす可能性がある。したがって、こうしたプローブを、標的核酸のための増幅プロセスを検出および/または定量化するために、増幅に基づくアッセイで使用することができる。
本発明はまた、少なくとも1つの安定化核酸塩基を含むタギングプローブおよび検出プローブを設計するための、方法、システム、および計算機可読の媒体に記憶されるコンピュータプログラム(「コンピュータプログラム製品」)を提供する。この方法は、標的配列のデータベースに問い合わせを行うこと(例えば、http://www.sanger.ac.uk/Software/Rfam/mirna/index.shtmlのmiRNAレジストリなど)、また、i)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、そのそれぞれの標的配列と結合するのに十分な結合安定性を有する、ii)それ自体で二本鎖構造を形成する限られた傾向を有する、また、iii)所与のデータベース中のすべての標的配列のうちの少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%と結合し、これを検出/定量化できるプローブを設計することを含む。
捕捉プローブ設計プログラム
本発明はまた、捕捉プローブを組み入れるためのヌクレオチドの配列を設計するための、方法、システム、および計算機可読の媒体に記憶されるコンピュータプログラム(「コンピュータプログラム製品」)を提供する。
この方法は、次のステップからなる:
a)捕捉プローブを組み入れるためのヌクレオチドの1つまたは複数の配列の初期推定。
b)条件および目的の達成に基づく、初期推定の反復的な改良。
c)目下の方法に使用される計算時間も含めて、条件および目的が十分に達成された場合のアルゴリズムの停止。
融解温度は、「Tm」と表される。
3つのステップの詳細な説明:
A)初期推定は、プライマー発見ソフトウェア(primer3)を用いることによって見つけられる適切なリバースプライマーのリストにマッチするように、miRNA配列に基づく。ランダムな配列は、捕捉プローブの非初期状態の部分(non initialized parts)をふさぐように産生される。このランダムな産生は、意図されるTm値の近くのTmをもつ配列を確かめるためのジ−ヌクレオチドTm表を用いることによって導かれる。
B)反復的な改良は、目的および条件、およびジ−ヌクレオチドTm表のものに基づくスコア機能によって導かれる。最適以下の繰り返しを回避するために、ランダムな変更が行われる
C)目的、条件、および計算時間に基づくスコア機能が満たされる場合に、アルゴリズムを停止する。
プライマーおよびプローブ条件を得るための目的を、以下に列挙した:
1.miRNAに対する捕捉プローブのハイブリダイゼーションのための融解温度条件
捕捉プローブとmiRNAによって形成される二本鎖の融解温度は、DNAポリメラーゼ伸張反応に適切であるように設定される。この二本鎖内のオリゴヌクレオチド長さは、上で述べたDNAポリメラーゼ伸張反応のためのTm条件を満たすべきである。miRNAは、捕捉プローブの3’末端にハイブリダイズした。
2.捕捉プローブとDNAポリメラーゼで伸長されたmiRNAによって形成される二本鎖のための融解温度条件
捕捉プローブとDNAポリメラーゼで伸長されたmiRNA標的によって形成される二本鎖のTmは、RNA−DNA標的を破壊せずにヘテロ二本鎖を変性できるような温度を超えないようにされる。
3.捕捉プローブと逆転写(RT)プライマーの関係
RTプライマーは、捕捉プローブの5’末端と同一の配列であり、DNAポリメラーゼで伸長されたmiRNAの3’末端とハイブリダイズする。RTプライマーとDNAポリメラーゼで伸長されたmiRNAによって形成されるこの二本鎖のTmは、逆転写酵素を使用する第1の鎖合成に適していなければならない。
4.成熟したmiRNAと前駆体miRNAとの区別
前駆体miRNAの3’末端は、捕捉反応のための所与のハイブリダイゼーション条件下で、捕捉プローブに対する有意な量のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしないようにされる。同様に、前駆体miRNA配列内の成熟したmiRNA配列モチーフの後の前述のモノマーは、非miRNA関連の捕捉プローブ配列とハイブリダイズしないようにされる。
設計されたあらゆるプローブおよびプライマーのための通常の条件は、低い自己アニーリングおよび低い自己ハイブリダイゼーションの必要性である。
二重の標識プローブ設計プログラム
本発明はまた、二重標識されたプローブに組み入れるためのヌクレオチド配列を設計するための、方法、システム、および計算機可読の媒体に記憶されるコンピュータプログラム(「コンピュータプログラム製品」)を提供する。二重標識されたプローブは、特定のmiRNAまたは最大限の特異性をもつ特定のファミリーのmiRNAの検出のために使用される。
二重標識されたプローブは、以下の条件を満たさなければならない:
a)低い自己アニーリングおよび低い自己ハイブリダイゼーションの必要性。
b)PCR反応で機能するのに適したTmを有することによって、標的にアニーリングしなければならない。
c)PCR反応におけるプライマーにアニーリングしてはならない。
この方法は、次のステップからなる:
A)miRNAまたはmiRNAのファミリーに対する最大限の特異性をもつプローブの設計。二重標識されたプローブマッチと呼ばれる、条件を満たす好ましいプローブは、他のmiRNAに結合する二重標識されたプローブの能力によって調査される。二重標識されたプローブマッチは、その後、スコア機能に従って特異性スコアを割り当てられる。配列マッチ、配列の長さ、および配列におけるLNA改変されたヌクレオチドの使用によって、二重標識されたプローブマッチが決定される。
B)二重の標識プローブマッチは、それがどの位十分に上の条件を満たすかによって記録される。二重標識されたプローブは、そのスコア機能に従って、それがどの位十分に上の条件を満たすかによって記録される。特異性スコアおよびこの条件から得られるスコアは、二重標識されたプローブの最高のヌクレオチド配列を決定するために、その後使用される。
クエンチャーは、好ましくは、EP出願番号2004078170.0に開示される通り、ダーククエンチャーから選択され、特に、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−アントラキノン、1−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン、1−(3−(2−シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロピルアミノ)−4−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(番号Q1)、1,5−ビス−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−アントラキノン、1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−5−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン、1−(3−(シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロピルアミノ)−5−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(番号Q2)、1,4−ビス−(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、1−(4−(2−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)エチル)フェニルアミノ)−4−(4−(2−ヒドロエチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、1−(4−(2−(2シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)エチル)フェニルアミノ)−4−(4−(2−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)エチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、および1,8−ビス−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−アントラキノンから選択される、あるいは、6−メチル−キニザリン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−6−メチル−アントラキノン、1−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−6(7)−メチル−アントラキノン、1−(3−(2−シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロピルアミノ)−4−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−6(7)−メチル−アントラキノン、1,4−ビス(4−(2−ヒドロエチル)フェニルアミノ)−6−メチル−アントラキノン、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−6−カルボキシ−アントラキノン、1,4−ビス(4−メチル−フェニルアミノ)−6−カルボキシ−アントラキノン、1,4−ビス(4−メチル−フェニルアミノ)−6−(N−(6,7―ジヒドロキシ−4−オキソ−ヘプタン−1−イル))カルボキサミド−アントラキノン、1,4−ビス(4−メチル−フェニルアミノ)−6−(N−(7−ジメトキシトリチルオキシ−6−ヒドロキシ−4−オキソ−ヘプタン−1−イル))カルボキサミド−アントラキノン、1,4−ビス(4−メチル−フェニルアミノ)−6−(N−(7−(2−シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)−6−ヒドロキシ−4−オキソ−ヘプタン−1−イル))カルボキサミド−アントラキノン、1,4−ビス(プロピルアミノ)−6−カルボキシ−アントラキノン、1,4−ビス(プロピルアミノ)−6−(N−(6,7−ジヒドロキシ−4−オキソ−ヘプタン−1−イル))カルボキサミド−アントラキノン、1,4−ビス(プロピルアミノ)−6−(N−(7−ジメトキシトリチルオキシ−6−ヒドロキシ−4−オキソ−ヘプタン−1−イル))カルボキサミド−アントラキノン、1,5−ビス(4−(2−ヒドロエチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、1−(4−(2−ヒドロエチル)フェニルアミノ)−5−(4−(2−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)エチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、1−(4−(2−(シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)エチル)フェニルアミノ)−5−(4−(2−−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)エチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、1,8−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン、1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−8−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン、1,8−ビス(4−(2−ヒドロエチル)フェニルアミノ)−アントラキノン、および1−(4−(2−ヒドロエチル)フェニルアミノ)−8−(4−(2−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)エチル)フェニルアミノ)−アントラキノンから選択される化合物である。
様々な固体支持体上へのオリゴヌクレオチドの共有結合のためのある好ましい方法は、国際公開第96/31557号パンフレットに、あるいは国際公開第99/14226号パンフレットに記載される通りのオリゴヌクレオチドの5’または3’末端に付着される、光化学的に活性なアントラキノンを使用する光化学的固定化である。
別の好ましい実施形態では、LNA改変オリゴヌクレオチドの高い親和性および特異性は、天然または合成の核酸の、配列特異的な捕捉および精製において利用される。一態様では、天然のまたは合成の核酸を、固体表面上に固定化されたLNA改変オリゴヌクレオチドと接触させる。この場合、ハイブリダイゼーションと捕捉が、同時に起こる。捕捉された核酸は、当分野でよく知られた様々な方法によって、例えば、検出する、特徴付ける、定量化する、あるいは、表面上で直接的に増幅させることもできるし、この核酸はこうした特徴付けまたは増幅を行う前に、固定化された、改変されたオリゴヌクレオチドおよび捕捉された核酸を、例えば熱などの脱ハイブリダイゼーション条件にかけることによって、あるいは低いイオン強度のバッファーを用いることによって、表面から解放することもできる。
別の態様では、LNA改変オリゴヌクレオチドは、5’または3’のいずれかに共有結合的に付着したリガンドをもつ。この場合、LNA改変オリゴヌクレオチドは、溶液中の天然または合成の核酸と接触し、その後、形成されたハイブリッドは、リガンドと特異的に結合することができる分子をもつ固体支持体上で捕捉される。
ある好ましい態様では、標的配列データベースは、ヒト、マウス、ラット、キイロショウジョウバエ、線虫、シロイヌナズナ、トウモロコシ、フグ、ゼブラフィッシュ、ニワトリ、ウイルス、またはイネのmiRNAに相当する核酸配列を含む。
別の態様では、この方法は、認識配列が少なくとも1つの安定化ヌクレオチド(例えばLNA分子)を含むという仮定に基づいて安定性を算出することをさらに含む。ある好ましい態様では、算出された安定性は、最適なプローブ認識配列の同定を開始するための、標的配列のデータベースに対する初期照会の前に、仮想の候補プローブのデータベースから、不適切な安定性をもつプローブを排除するために使用される。
別の態様では、この方法は、所与のプローブ配列の、それ自身と二本鎖構造を形成する能力を、その配列が少なくとも1つの安定化ヌクレオチド(例えばLNA分子)を含むという仮定に基づいて算出することをさらに含む。ある好ましい態様では、算出された傾向は、仮想の候補プローブのデータベースから、プローブ二本鎖を形成する可能性があるプローブ配列を排除するために使用される。
本発明の好ましい実施形態は、タギングプローブおよび標的検出プローブのライブラリを含む、標的miRNA、siRNA、RNAエディティングされた転写産物、非コードアンチセンス転写産物、または選択的スプライスバリアントの検出または定量化のためのキットである。一態様では、キットは、その使用のためのプロトコルをコンピュータ内に含む。別の態様では、キットは、安価なDNAプライマーを得るための指示に関する情報を含む。これらのキット内に含有されるプローブは、上述の特性のいずれかまたはすべてを有することができる。ある好ましい一態様では、複数のプローブが、少なくとも1つの安定化ヌクレオチド(例えばLNAヌクレオチド)を含む。別の態様では、複数のプローブは、プローブの結合の安定性を増大するための、少なくとも1つの化学的な部分に結びつけられた、あるいは安定に結合されたヌクレオチドを含む。本発明によるキットは、使用者が、様々なmiRNA標的、siRNA標的、RNAエディティングされた転写産物、非コードアンチセンス転写産物、または選択的スプライスバリアントに対するアッセイを迅速かつ効率よく開発することを可能にする。
一般に、本発明は、二本鎖安定化特性を有する高親和性のオリゴヌクレオチドプローブの設計、ならびに様々な標的核酸検出、増幅、および定量化法のための非常に有用な方法(例えば、リアルタイム定量PCRによるmicroRNAまたはsiRNAの発現のモニタリング)を特徴とする。これらのオリゴヌクレオチドプローブのうちのいくつかは、特定の合成の核酸塩基をLNA主鎖と組み合わせることによってもたらされる、新規のヌクレオチドを含有するので、相補的な鎖に対する配列識別の低下や分子内二本鎖構造を形成する低下する能力の低下などの、特定の特性をもつ高親和性のオリゴヌクレオチドがもたらされる。本発明はまた、複雑な核酸サンプル中の核酸を検出および定量化するための、改良された方法を提供する。他の望ましい改変された塩基は、自己アニーリングする、あるいは1つまたは複数の改変された塩基を含有するオリゴヌクレオチドプローブと二本鎖を形成する能力が低下されたものである。
本発明を、以下の実施例を参照してここからさらに示すこととする。この後に続くことは、例としてのものに過ぎず、本発明の範囲内にある限り、細かい改変を行うことができることを理解されたい。
以下の実施例ではプローブ参照番号は、以下の合成実施例において示されるLNA−オリゴヌクレオチド配列を意味する。
ヒトmiR−15a microRNA標的配列に対する感受性の評価およびリアルタイム定量PCRアッセイの特異性。
材料および方法
1.microRNA検出および定量化のためのオリゴヌクレオチドタギングプローブおよび検出プローブの設計および合成。
RNAオリゴヌクレオチド(EQ15885およびEQ15886)は、DNAテクノロジー社(DNA Technology)(Aarhus、デンマーク)で購入し、逆相クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって精製した。このRNAオリゴヌクレオチドを、ピロ炭酸ジエチル−(DEPC)処理したHOに溶解し、濃度を、NanoDrop ND1000(ナノドロップテクノロジー(NanoDrop technologies)、米国)で決定した。別途、オリゴヌクレオチドを合成した、あるいは、標準のDNAオリゴヌクレオチドを、DNAテクノロジー(DNA technology)で購入した。
表I:microRNAタギングプローブ、合成の転写鋳型および検出プローブの設計。
Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、RNA(下線かつ小文字)、5−メチルC(mC);フルオレセイン(6−FITC(グレンリサーチ(Glenn Research)(Prod.Id.No.10−1964)))、番号Q1(実施例8aに記載される通りに調製される)、z(5−ニトロインドール(グレン研究所(Glenn Research)、Prod.Id.No.10−1044))、およびリン酸(P)。
3’末端認識配列をもつヒトmiR−15a microRNA タギングプローブを、10U T4ポリヌクレオチドキナーゼ(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)(NEB)米国)、400pmol hsa−miR−15a microRNAプローブ1(EQ15848)、および1×T4 DNAリガーゼバッファー(NEB(米国))を使用する50μL反応物中で、酵素的に5’リン酸化させた。この反応物を、37℃で30分保温し、70℃で10分、熱不活性化させた。キナーゼを、50μLの DECP処理HOを加えることによって除去し、YM30 Microconスピンカラム(ミリポア(Millipore)、米国)(3分、14000×g)を介して、反応物を濾過した。リン酸化されたタギングプローブの濃度を、NanoDrop ND1000(ナノドロップテクノロジー(NanoDrop technologies)、米国)で決定した。
2.microRNAを鋳型にする連結反応
連結反応は、120nM miR−15a RNA鋳型(EQ15885)、120nMの各microRNA タギングプローブ(リン酸化されたEQ15848(上記参照)およびEQ15849)、10mM トリス−HCl pH 7.0(アンビオン(Ambion)、米国)、10mM MgCl(PEバイオシステムズ(PE Biosystems)、米国)、0.05×T4 DNAリガーゼバッファー[2.5mM トリス−HCl、0.5mM MgCl、0.5mM DTT、50μM ATP、1.25μg/mL BSA、pH 7.5 25℃;(NEB(米国))]からなる20μL内で実施された。反応物を、37℃で15分間、予備保温し、800U T4 DNAリガーゼを加え、37℃でさらに2時間保温した。最後に、この反応物を、65℃で20分、熱不活性化させた。miR−15a DNA (EQ15852)、標的としてのmiR−16 RNA(EQ15886)、またはmiR−15a RNA標的の代わりに鋳型無しを使用して、この連結反応を繰り返した。標的:microRNAタギングプローブの1:1のモル比だけでなく、比5:1におよび1:5も、別の連結反応で使用した。
Quick連結キット(NEB(米国))を使用して実施される連結反応を、供給元の指示書に従って実施した。手短に言えば、オリゴヌクレオチドは、上で述べたのと同じであった。20μLの反応混合物中で、オリゴヌクレオチドおよび1×quick連結バッファー(NEB、米国)を、25℃で15分保温し、1μL のQuick T4 DNAリガーゼ(NEB、米国)を加え、保温を、さらに30分間延長した。酵素は、65℃で20分間熱不活性化させた。
3.リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイ
3.1.SYBRグリーン検出を使用するmicroRNAリアルタイムPCRアッセイ
この反応は、(50μL)1×SYBR(登録商標)Green PCR Master Mix(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、200nM M13フォワードプライマー(EQ7396)、200nM M13リバースプライマー(EQ7655)、および2.5μL連結反応物(上記)を含んでいた。サイクリング(Cycling)手順:ABI Prism(登録商標)7000 Sequence Detection System内での、95℃10分、(95℃15秒、45℃1分、60℃1分)を50サイクル、60℃から95℃までの20分間の最終解離。
3.2.LNA改変検出プローブを使用するMicroRNAリアルタイムPCRアッセイ
反応物(50μL)は、1×QuantiTect プローブ PCRマスターミックス(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、200nM hsa miR−15a M13フォワードプライマー(EQ15887)、200 nM hsa miR−15a M13リバースプライマー(EQ15888)、100nM LNA配列特異的プローブ(EQ15866またはEQ15867)、2.5μL連結反応物(上記)であった。サイクリング手順:ABI Prism(登録商標)7000 Sequence Detection System内での、95℃15分、(95℃20秒、60℃1分)を50サイクル。
以下では、dUTPは、2’−デオキシウリジン−三リン酸を意味する。
実施例1
ヒトmiR−15a microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCRアッセイ。
配列特異的なLNA改変microRNAタギングプローブを、アニーリングおよび連結した。連結された鋳型を、負の対照として鋳型を抜いて、miR−15a microRNAについて、リアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびLNA改変された二重標識された検出プローブを使用してその後検出した。反応物の特異性を、リガーゼを含まない反応物を使用して試験した。miR−15a microRNA鋳型を使用する、連結されたmicroRNAプローブに対する、PCRサイクルに相当するサイクル閾値(Ct)(そこでは、ベースラインシグナルより上のレポーター蛍光の増加を、最初に検出することができる)が、35.0(図2A)であったのに対し、負の対照実験(それぞれ、鋳型抜きおよびリガーゼ抜き)に対するCt値は、検出可能ではなかった。基準化されたレポーターシグナル(Rn)が、PCR反応物に対して測定され、これは、受動的な基準染料の蛍光シグナルによって割られるレポーター色素の蛍光シグナルに相当する。PCRの間、Rnは、反応が、安定期に接近するまで、アンプリコンコピー数が増加するにつれて増加する。ベースライン補正されたRn(ΔRn)は、PCRの最初の数サイクルにおいて確立された、Rnマイナスベースラインシグナルに相当する。終点分析では(図2B)、リアルタイムPCRサンプル(4μL)を、1:10000Gelstarで染色した2 %アガロースゲル上に適用し、1×TBEバッファー(90mM トリス−ホウ酸、2mM EDTA、pH 8.3)内で8V/cmで2時間電気泳動させた。レーン1は、リアルタイムPCRにおける鋳型としての、連結されたmiR15a タギングプローブを示す。負の対照は、レーン2:鋳型抜き、およびレーン3:リガーゼを含まないであった。
実施例2
ヒトmiR−15a microRNA標的配列および相当するDNA 3’でブロックされた標的に対するリアルタイム定量PCRアッセイ。
RNA鋳型を、3’末端でのリン酸を用いて化学的にブロックされたDNA鋳型によって置き換えた。連結反応においてリガーゼを加えることなく、ブロックされたDNA鋳型は、LNA配列特異的リアルタイムPCRアッセイにおいて検出される可能性はなかった。RNA鋳型およびDNA鋳型に対するCt値は、それぞれ35.0および33.3であった(図3)。
実施例3
ヒトmiR−15aおよびヒトmiR−16 microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCRアッセイの特異性。
発明の方法の配列特異的なmicroRNA標的配列認識を、miR−15a microRNA標的を用い、miR−15a標的配列と72 %の配列同一性を有するヒトmiR−16標的と比較して評価した。リアルタイムPCR反応における、鋳型抜きの対照も、鋳型無しの対照(NTC)も、いかなるシグナルも示さなかった。LNA改変miR15a標的のアニーリングのためのハイブリダイゼーション条件を使用すると、miR−15a標的に対する上で述べた通りの配列特異的タギングプローブが、36.2のCt値をもたらしたのに対し、miR−16と非常に相同な同じタギングプローブの使用は、13倍の差に相当する、39.9のCt値をもたらした(図4)。
実施例4
2種類のLNA改変二重標識された検出プローブを使用する、ヒトmiR−15a microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCRアッセイ
2種類のLNA改変リアルタイムPCR検出プローブを、Quick T4 DNA連結キットによって連結される同じLNA改変タギングプローブを使用するヒトmiR15a microRNA標的配列のために設計した。リアルタイムPCRアッセイにおけるLNA改変検出プローブEQ15866およびEQ15867の使用は、それぞれ、38.2および32.2のCt値をもたらした(図5)。両方のリガーゼ抜きの対照から検出されるシグナルは無かった(EQ15866 中空きの四角形; EQ15867 中空きの三角形)。
実施例5
標的とmiR−15aタギングプローブとの間の異なるモル比を使用する、ヒトmiR−15a標的配列に対するリアルタイム定量PCRアッセイ
標的とタギングプローブと間のモル比が1:1にであったものが、最も高い終点蛍光シグナルをもたらした(図6)(ΔRn値)のに対し、1:5のモル比は、最も低い終点シグナル(ΔRn値)をもたらした。モル過剰のmiR−15aタギングプローブ(1:5モル比)も、特異的な終点シグナル(図6)をもたらしたのに対し、PCR反応における鋳型無し対照(NTC)は、いかなる有意な蛍光シグナルも示さなかった。
実施例6
miR−15aタギングプローブおよび最良の形態のLNA改変検出プローブを使用する、Torulla酵母RNAの複合(complex)バックグラウンドにスパイクされるヒトmiR−15a標的配列に対するリアルタイム定量PCRアッセイ
miR−15a microRNAを、2.4μMおよび1μM濃度の10μgのTorulla酵母RNAにスパイクし、等モルの濃度のmiR−15aタギングプローブとそれぞれアニーリングさせ、それに続いて、連結し、定量リアルタイムPCRによってmiR−15a検出した。最も高い蛍光シグナルが、miR−15a標的配列対照(複合酵母全RNAバックグラウンドを含まない)から観察されたのに対して、蛍光シグナルは、酵母全RNAサンプルから検出されなかった(図7)。鋳型抜きの対照を用いて実証される通り、リアルタイムPCRアッセイのコンタミネーションは観察されなかった。
実施例7
SYBR検出を使用する、ヒトmiR−15a microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCRアッセイ。
配列特異的なLNA改変microRNAタギングプローブを、アニーリングおよび連結させた。連結された鋳型が、リアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびSYBRグリーン検出を使用して容易に検出された(図8)のに対して、鋳型抜きまたはリガーゼ抜きの対照からは、シグナルが検出されなかった。
実施例8a
1−(3−(2シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロ−ピルアミノ)−4−(3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(3)クエンチャー「Q1」の調製
Figure 2007532100
1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン(1)
ロイコキニザリン(9.9g;0.04モル)を、3−アミノ−1−プロパノール(10ml)およびエタノール(200ml)と混合し、6時間加熱還流させる。この混合物を、室温に冷却し、大気条件下で終夜撹拌する。この混合物を、水(500ml)に注入し、沈殿物を濾過し、水(200ml)で洗浄して乾燥させる。この固体を、酢酸エチル(300ml)中で煮沸し、室温に冷却し、固体を濾過によって収集する。
収率:8.2g(56%)
1−(3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピルアミノ)−4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン(2)
1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン(7.08g;0.02モル)を、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)および乾燥ピリジン(50ml)の混合物に溶解する。ジメトキシトリチルクロライド(3.4g;0.01モル)を加え、混合物を2時間撹拌する。追加のジメトキシトリチルクロライド(3.4g;0.01モル)を加え、混合物を3時間撹拌する。混合物を、真空中で濃縮し、残渣を、ジクロロメタン(400mL)に再溶解し、水(2×200ml)で洗浄して、乾燥させる(NaSO)。この溶液を、シリカゲルパッド(φ10cm;h10cm)を介して濾過し、モノ−DMT−アントラキノン産物が捉えられなくなるまでジクロロメタンで溶出し、その後、溶媒を、ジクロロメタン中の2%メタノールに変更する。純粋な画分を合わせ、濃縮すると、青い泡が得られる。
収率:7.1g(54%)
H−NMR(CDCl):10.8(2H,2xt,J=5.3Hz,NH),8.31(2H,m,AqH),7.67(2H,dt,J=3.8 and 9.4,AqH),7.4−7.1(9H,m,ArH+AqH),6.76(4H,m,ArH)3.86(2H,q,J=5.5Hz,CHOH),3.71(6H,s,CH),3.54(4H,m,NCH),3.26(2H,t,J=5.7Hz,CHODMT),2.05(4H,m,CCHC),1.74(1H,t,J=5Hz,OH)。
1−(3−(2−シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロピルアミノ)−4−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(3)
1−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン(0.66g;1.0mmol)を、乾燥ジクロロメタン(100ml)に溶解し、3オングストローム分子ふるいを加えた。この混合物を、3時間撹拌し、その後、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホルジアミダイト(335mg;1.1mmol)および4,5−ジシアノイミダゾール(105mg;0.9mmol)を加える。この混合物を、5時間撹拌し、その後、飽和NaHCO(50ml)を加え、10分間撹拌する。相を分離させ、有機相を、飽和NaHCO(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させる(NaSO)。濃縮後、ホスホラミダイトは、青い泡として得られ、さらに精製することなくオリゴヌクレオチド合成に使用される。
収率:705mg(82%)
31P−NMR(CDCl):150.0
H−NMR(CDCl):10.8(2H,2xt,J=5.3Hz,NH),8.32(2H,m,AqH),7.67(2H,m,AqH),7.5−7.1(9H,m,ArH+AqH),6.77(4H,m,ArH)3.9−3.75(4H,m),3.71(6H,s,OCH),3.64−3.52(3.54(6H,m),3.26(2H,t,J=5.8Hz,CHODMT),2.63(2H,t,J=6.4Hz,CHCN)2.05(4H,m,CCHC),1.18(12H,dd,J=3.1Hz,CCH)。
実施例8b
1−(3−(シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロピルアミノ)−5−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(6)クエンチャー「Q2」の調製
Figure 2007532100
1,5−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン(4)
1,5−ジクロロアントラキノン(2.8g;10mmol)を、DMSO(50ml)中の3−アミノ−1−プロパノール(10ml)と混合し、130℃まで4時間加熱する。この混合物を、約80°に冷却し、水(150mL)を加える。混合物がRTに到達したら、形成された沈殿物を、濾過によって単離し、水(2×50ml)で洗浄し、トルエン(200ml)中で煮沸し、溶解していない産物を、濾過によって単離し、乾燥させる。収率:3.2g(90%)。
1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−5−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(5)
1,5−ビス(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−アントラキノン(1.4g;4mmol)を、ピリジン(50ml)と同時蒸発させ、その後、ピリジン(50ml)に再懸濁し、ジメトキシトリチルクロライド(1.4g;4.1mmol)を加え、終夜撹拌した。この混合物を、濃縮し、残渣をジクロロメタン(150ml)に再溶解し、飽和NaHCO(2×50mL)、塩水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。シリカゲルカラム(メタノール/ジクロロメタン 2/98)上で精製する。適切な画分の濃縮後、モノDMT化合物は、赤い泡として得られる。収率:0.9g(34%)。H−NMR(CDCl):9.7(2H,2xt,NH),7.6−6.7(19H,m,ArH),3.86(2H,q,J=5.5Hz,CH),3.74(6H,s,CH),3.48(4H,m,NCH),3.26(2H,t,J=5,9Hz),2.05(4H,m,CH),1.45(1H,t,J=5Hz)。
1−(3−(シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロピルアミノ)−5−(3−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(6)
1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−5−(3−(4,4’−ジメトキシ−トリチルオキシ)プロピルアミノ)−アントラキノン(0.4g;0.61mmol)を、乾燥ジクロロメタン(50mL)に溶解し、3オングストローム分子ふるいを加える。この混合物を、3時間撹拌し、その後、2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホルジアミダイト(200mg;0.66mmol)および4,5−ジシアノイミダゾール(71mg;0.6mmol)を加える。この混合物を、2時間撹拌し、飽和NaHCO(50mL)を加え、10分間撹拌する。相を分離させ、有機相を、飽和NaHCO(50mL)、塩水(50ml)で洗浄し、乾燥させる(NaSO)。濃縮後、ホスホラミダイトは、赤い泡として得られ、さらに精製することなくオリゴヌクレオチド合成に使用される。収率:490mg(93%)。31P−NMR(CDCl):148.3。
実施例9〜11で使用される材料および方法。
1.トレハロースを使用するMicroRNAを鋳型にする連結反応
連結反応は、50nM miR−15a RNA鋳型(EQ15885、表I)、500nMの各々のmicroRNAタギングプローブ、10mMトリス−HCl pH 7.0(アンビオン(Ambion)、米国)、10mM MgCl(アンビオン(Ambion)、米国)、0.05×T4 DNAリガーゼバッファー[2.5mM トリス−HCl、0.5mM MgCl、0.5mM DTT、50μM ATP、1.25μg/mL BSA、 pH 7.5 25℃;(NEB、米国)]、24g/100ml トレハロース(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)、米国)0.05μg/μL Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)からなる20μL内で実施された。この反応物を、42℃で15分間、予備保温し、800U T4 DNAリガーゼ(NEB、米国)を加え、サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)中で、42℃で1時間保温した。最後に、反応物を、95℃で20分間熱不活性化させた。連結反応は、miR−15a RNA標的以外の鋳型を含まずに繰り返された。
2.LNA改変検出プローブを使用するMicroRNAリアルタイムPCRアッセイ
反応物(50μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、1.5mM MgClを含有; pH 8.7(20℃)](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、4mMの最終濃度までのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国);200nM hsa−miR−15aフォワードプライマー2(EQ16444、表II)、200nM hsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表II)、250nM LNA配列特異的miR−15a検出プローブ(EQ15866、表I)、0.1×ROX Reference Dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5μL連結反応物(上で述べた通り)、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。サイクリング手順:Applied Biosystems(アプライドバイオシステム) 7500 リアルタイム PCR System内で、95℃10分、(95℃20秒、60℃1分)を50サイクル。
表II.実施例9〜16において使用される様々なmicroRNAタギングプローブ、検出プローブ、およびリアルタイムPCRプライマーの設計。
Figure 2007532100

Figure 2007532100

LNA(大文字)、DNA(小文字)、5−メチルC(mC);フルオレセイン(6−FITC(グレンリサーチ(Glenn Research)、Prod.Id.No.10−1964))、番号Q1(実施例8aに記載される通りに調製される)、z(5−ニトロインドール(グレンリサーチ(Glenn Research)、Prod.Id.No. 10−1044))、リン酸(P)、Xは、LNA−2,6−ジアミノプリンを表し、Zは、LNA−2−チオチミジンを表す。
実施例9
miR−15aタギングプローブ対の3つの異なるセットと共にmicroRNAを鋳型にする連結を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対するリアルタイム定量PCR
配列特異的なLNA改変microRNAタギングプローブを、アニーリングおよび連結させた。ヒトmiR−15a microRNAタギングプローブの3つの異なる対を、選択し(表II)(Pair I. EQ16311/EQ16452、II. EQ16453/EQ16307、およびIII.EQ16447/EQ16307)、連結反応を、上で述べた通りに実施した。その後、連結された鋳型を、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNA改変二重標識された検出プローブによって、上で述べた通りのリアルタイムPCRを使用して検出した。負の対照として鋳型を抜いた。連結反応の特異性を、T4 DNAリガーゼを加えない反応物を使用して試験した。miR−15a microRNA鋳型についての、PCRサイクルに相当するサイクル閾値(Ct)(そこでは、ベースラインシグナルより上のレポーター蛍光の増加を、最初に検出することができる)は、microRNAタギングプローブ対I、II、IIIについて、それぞれ17.2、30.5、および28.7であった(図13)。Ct値が、対IIおよびIIIを用いて実施された負の対照実験(それぞれ、鋳型抜き、リガーゼ抜き)について検出可能ではなかったのに対し、対Iを用いて実施される負の対照からのCt値は、それぞれ、サイクル数37および39の後に、検出可能であったが、これは、17.2という相当するCt値(図13)と比較すると、まだ許容されるものである。基準化されたレポーターシグナル(Rn)は、完全なPCRサイクリングプログラムを通して測定され、これは、受動的な基準染料の蛍光シグナルによって割られたレポーター色素の蛍光シグナルに相当する。PCRの間、Rnは、反応が、安定期に接近するまで、アンプリコンコピー数が増加するにつれて増加する。ベースライン補正されたRn(ΔRn)は、PCRの最初のk数サイクルにおいて確立された、Rnマイナスベースラインシグナルに相当する。
実施例10
microRNAを鋳型にする連結およびLNA 2,6−ジアミノプリンで増強された検出プローブを使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対する、改良されたリアルタイム定量PCR
上で述べた通りのヒトmiR−15aを鋳型にする連結反応において、LNA改変配列特異的microRNAタギングプローブEQ16311/EQ16452(実施例9における対I)を使用して、リアルタイムPCR反応を繰り返した。連結された鋳型は、その後、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNA改変二重標識された検出プローブ(EQ16580、EQ16581、EQ16582、またはEQ16583、表II)によって、負の対照として鋳型を抜いて、上で述べた通りのリアルタイム定量PCRを使用して検出された。連結反応の特異性は、T4 DNAリガーゼを加えない反応物を使用して試験された。Torulla酵母RNAの複合バックグラウンドにスパイクされたヒトmiR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ16580、EQ16581、EQ16582、およびEQ16583について、非常に類似(すなわち、それぞれ、30.4、30.0、29.9、および30.6)であった(図14、表II)。対照的に、Ct値は、負の対照実験(鋳型抜きおよびリガーゼ抜き、図14)については検出可能ではなかった。LNA Aヌクレオチドのうちの1つから2つを、LNA 2,6−ジアミノプリンモノマーで置換することによって、microRNAアッセイにおいて検出される、ベースライン補正された蛍光シグナル、ΔRnが、有意に増強されたのに対し、第3のLNA 2,6−ジアミノプリンモノマー(EQ 16583、表II)での置換は、蛍光シグナルをさらに増強はせず、二重の(double)LNA 2,6−ジアミノプリンで置換されたmiR−15a検出プローブ(EQ 16582、表II、図14)と類似の結果を示した。
実施例11
鋳型としてmicroRNAを鋳型にする連結反応を使用するヒトmiR15a microRNAに対して作成される、リアルタイム定量PCRの標準曲線
LNA改変ヒトmiR−15a microRNA タギングプローブ対 EQ16311/EQ16452(実施例9における対I)を、上で述べた通りのmiR−15aを鋳型にする連結反応に使用した。ただし、ヒトmiR−15a鋳型濃度は、それぞれ、50、5、0.5、0.05、または0.005nMであった。連結された鋳型は、その後、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ15866、表I)によって、負の対照として鋳型を抜いて、上で述べた通りのリアルタイム定量PCRを使用して検出された。連結反応の特異性は、リガーゼを含まない反応物を使用して試験された。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、miR−15a microRNAの、50、5、0.5、0.05、および0.005nMの濃度に対して、それぞれ、17.6、22.0、25.9、29.6、および35.6であったのに対し、Ct値は、負の対照実験(鋳型抜きおよびリガーゼ抜き)については検出可能ではなかった。Ct値は、初期の鋳型コピー数の対数に反比例する。したがって、標準曲線は、図15に図示するように、コピー数の対数に対してCt値をプロットすることによって作成される。線形回帰分析によって、傾きと切片が決定された。タイトレーションカーブの傾きは−4.31、切片は30.9であった。
実施例12
LNA改変タギングプローブおよびLNAで改変された二重標識された検出プローブを用いる、microRNAを鋳型にするRT−PCR反応を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対するリアルタイム定量PCR
1.LNA改変タギングプローブを用いるMicroRNA逆転写および第2鎖反応。
逆転写およびPCR(RT−PCR)反応は、2nM miR−15a RNA鋳型(EQ15885、表I))、600nMの各microRNA タギングプローブ、1×OneStep RT−PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、1.5mM MgCl、DTT、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400μMの各dNTP(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、20uのSUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、0.05μg/μL Torulla酵母RNA、および2μLキアゲンOneStep RT−PCR Enzyme mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)からなる50μL内で実施された。サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)を、開始温度に予備加熱した。温度プロフィールは、50℃を30分、95℃を15分、50℃を1分、、72℃を3分であり、最後に、4℃に冷却した。このRT−PCR反応を、負の対照として鋳型無しで繰り返した。
2. LNA−改変検出プローブを使用するMicroRNAリアルタイム定量PCRアッセイ
PCR反応(50μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、pH 8.7(20℃)を含有]、(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、4mMの最終濃度までのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国);200nM hsa−miR−15aフォワードプライマー2(EQ16444、表II)、200nM hsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表II)、250nM LNA配列特異的検出プローブ(EQ15866、表I)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、鋳型(上記)としての5μLのRT−PCR反応物、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)内で実施された。サイクリング手順:Applied Biosystems 7500 リアルタイム PCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)内での、95℃10分、(95℃20秒、60℃1分)を50サイクル。
ヒトmiR−15aのためのLNA改変されたmicroRNA タギングプローブを、アニーリングし、逆転写プライマー(RTタギングプローブ)および第2鎖タギングプローブとして伸長させた。3つの異なる対のmicroRNAタギングプローブを選択した(表II):対IV.EQ16591/EQ16311、V. EQ16591/EQ16314、およびVI. EQ16589/EQ16314。miR−15a RT−PCR反応を、上で述べた通りに実施した。鋳型は、その後、負の対照として鋳型抜きを用いる、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ15866、表I)を使用する、上で述べた通りのリアルタイムPCRを使用して検出された。microRNA RT−PCRアッセイの特異性を、OneStep RT−PCR Enzyme mixを加えない反応を使用して評価した。microRNAプローブのための、miR−15a microRNA鋳型を使用する、PCRサイクルに相当するCt値(そこでは、ベースラインシグナルより上のレポーター蛍光の増加が、最初に検出することができる)が、対IV、V、およびVIについて、それぞれ、19.2、28.2、および22.0であった(図16)。対VおよびVIを用いて実施される負の対照実験(それぞれ、鋳型抜きおよびリガーゼ抜き)では、Ct値は検出可能ではなかったのに対し、対Vを用いる負の対照からの相当するCt値は、それぞれ、鋳型無しおよびRT−PCR酵素ミックス無しについて、39.0および39.9であったが、これは、まだ許容される値である。Rnシグナルは、完全なリアルタイムPCRプログラムを通して測定され、これは、受動的な基準染料の蛍光シグナルによって割られるレポーター色素の蛍光シグナルに相当する。PCRの間、Rnは、反応が、安定期に接近するまで、アンプリコンコピー数が増加するにつれて増加する。ΔRnは、PCRの最初の数サイクルにおいて確立された、Rnマイナスベースラインシグナルに相当する。
実施例13
LNA改変タギングプローブおよびLNA 2,6−ジアミノプリンで増強された検出プローブを用いるmicroRNAを鋳型にするRT−PCR反応を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対する改良されたリアルタイム定量PCR
1.LNA改変タギングプローブを用いるMicroRNA逆転写および第2鎖反応。
RT−PCR反応は、2nM miR−15a RNA鋳型(EQ15885、表I)、60nMの各microRNA タギングプローブ、1×OneStep RT−PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、1.5mM MgCl、DTT、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400μMの各々のdNTP(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、10UのSUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、0.05μg/μL Torulla酵母RNA、および1μLキアゲンOneStep RT−PCR Enzyme mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)からなる25μL内で実施された。サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)を、反応開始温度に加熱した。温度プロフィールは、50℃30分、95℃15分、50℃1分、72℃3分であり、最後に、4℃に冷却した。このRT−PCR反応を、miR−15a RNA標的ではなく、負の対照として、鋳型を含まずに繰り返した。
2.LNA−改変検出プローブを使用するMicroRNAリアルタイム定量PCRアッセイ。
この反応物(25μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、4mMの最終濃度までのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国);200nM hsa−miR−15aフォワードプライマー2(EQ16444、表II)、200nM hsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表II)、250nM LNA検出プローブ(EQ15866、表I)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5μLのRT−PCR反応物(上記)、および1.25U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。サイクリング手順:Applied Biosystems 7500 リアルタイム PCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)内での、95℃10分、(95℃20秒、60℃1分)を50サイクル。
ヒトmiR−15a microRNAのためのLNA改変microRNAタギングプローブEQ16591/EQ16314(実施例12における対V)を、アニーリングさせ、上で述べた通りに逆転写プライマー(RTタギングプローブ)および第2鎖タギングプローブとして伸長させた。miR−15 RT−PCR反応物を、その後、負の対照として鋳型を抜いて、miR−15a microRNAに対する、上で述べた通りのリアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16580、EQ16581、およびEQ16582、表II)を使用して検出した。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ16580、EQ16581、およびEQ16582に対して、それぞれ、33.0、33.2、および33.7であった(図17)のに対し、負の対照実験(鋳型抜きおよびOneStep RT−PCR Enzyme mix抜き)については、Ct値は、検出可能ではなかった。LNA Aヌクレオチドのうちの1〜2つを、LNA 2,6−ジアミノプリンモノマーで置換することによって、microRNAアッセイにおいて検出される、ベースライン補正された蛍光シグナル、ΔRnが、有意に増強された(図17)。
実施例14
鋳型としてmicroRNAを鋳型にするRT−PCR反応を使用する、ヒトmiR15a microRNAに対して作成されるリアルタイム定量PCR標準曲線
ヒトmiR−15a microRNAのためのLNA改変microRNAタギングプローブEQ16624/EQ16620(対VII)をアニーリングさせ、逆転写プライマー(RTタギングプローブ)および第2鎖タギングプローブとして伸長させた。RT−PCR反応を、上で述べた通りに実施した。ただし、ヒトmiR−15a microRNA鋳型濃度は、それぞれ、50、5、0.5、0.05、または0.005nMであった。miR−15a RT−PCR反応は、その後、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16582)を使用することによって、負の対照として鋳型を抜いて、上で述べた通りのリアルタイム定量PCRを使用して検出された。microRNA RT−PCR反応の特異性は、OneStep RT−PCREnzyme mixを含まない反応を使用して評価された。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、miR−15a microRNAの、50、5、0.5、0.05、および0.005nMの濃度に対して、それぞれ、22.2、26.5、30.6、33.6、および37.8であったのに対し、Ct値は、負の対照実験(鋳型抜きおよびOneStep RT−PCR Enzyme mix抜き)については検出可能ではなかった。Ct値は、初期の鋳型コピー数の対数に反比例する。したがって、標準曲線は、図18に図示するように、コピー数の対数に対してCt値をプロットすることによって作成される。線形回帰分析によって、傾きと切片が決定される。タイトレーションカーブの傾きは−3.81、切片は34.0であった。
実施例15
鋳型としてmicroRNAを鋳型にするRT−PCR反応物および高いアニーリング温度を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対するリアルタイム定量PCR
ヒトmiR−15a microRNAに対するLNA改変microRNAタギングプローブEQ16624/EQ16620(対VII)をアニーリングさせ、逆転写プライマー(RTタギングプローブ)および第2鎖タギングプローブとして伸長させた。アニーリング温度プロフィールは、逆転写プライマーと第2鎖タギングプローブ両方について、50℃から、55℃または60℃に変えた。RT−PCR反応は、上で述べた通りに実施した。miR−15a RTPCR反応を、その後、アンカーPCRプライマーと、負の対照として鋳型を抜く、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16582)を使用することによって、上で述べた通りのリアルタイム定量PCRを使用して検出した。microRNA RT−PCR反応の特異性は、OneStep RT−PCR Enzyme mixを含まない反応を使用して評価された。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、50、55、および60℃のアニーリング温度に対して、それぞれ、28.6、29.3、および31.0であったのに対し(図19)、Ct値は、負の対照実験(鋳型抜きおよびOneStep RT−PCR Enzyme mix抜き)については検出可能ではなかった。
実施例16
LNA改変タギングプローブおよびLNA 2,6−ジアミノプリン/LNA 2−チオチミジンで増強された検出プローブを用いるmicroRNAを鋳型にするRT−PCR反応を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対する改良されたリアルタイム定量PCR
1.LNA−改変タギングプローブを用いるMicroRNA逆転写および第2鎖反応。
RT−PCR反応は、2nM miR−15a RNA鋳型(EQ15885、表I)、60nMの各microRNA タギングプローブ、1×OneStep RT−PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、1.5mM MgCl、DTT、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400μMの各々のdNTP(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、20U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、0.05μg/μL Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)、および2μLキアゲンOneStep RT−PCR Enzyme mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)からなる50μL内で実施された。サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)を、反応開始温度に加熱した。温度プロフィールは、50℃30分、95℃15分、50℃1分、72℃3分であり、最後に、4℃に冷却した。このRT−PCR反応を、miR−15a RNA標的ではなく、負の対照として、鋳型を含まずに繰り返した。
2.LNA−改変検出プローブを使用するMicroRNAリアルタイム定量PCRアッセイ。
この反応物(25μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、4mMの最終濃度までのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems);200nM hsa−miR−15aフォワードプライマー2(EQ16444、表II)、200nM hsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表II)、250nM LNA検出プローブ(EQ15866、表I)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5μLのRT−PCR反応物(上記)、および1.25U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。サイクリング手順:Applied Biosystems 7500 リアルタイム PCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)内で、95℃10分、(95℃20秒、60℃1分)を50サイクル。
ヒトmiR−15a microRNAのためのmicroRNAタギングプローブEQ16623/EQ16618(対VIII)を、アニーリングさせ、上で述べた通りに逆転写プライマー(RTタギングプローブ)および第2鎖タギングプローブとして伸長させた。miR15 RT−PCR反応は、その後、上で述べた通りのリアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびスクランブル対照miR−16 microRNA(EQ15886、表I)および負の対照として鋳型抜きを使用するmiR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16852およびEQ16679、表II)を使用して検出した。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ16582およびEQ16679について、それぞれ25.6および30.1であった(図19)。スクランブル化されたmiR−16 microRNA対照ついてのCt値は、33.3であり、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ16582およびEQ16679については、それぞれ検出不可能であったのに対し、負の対照実験(鋳型抜きおよびOneStep RT−PCR Enzymemix抜き)についてのCt値は、検出可能ではなかった。LNA AおよびLNA Tヌクレオチドを、LNA 2,6−ジアミノプリンおよびLNA 2−チオチミジンモノマーで置換することによって、microRNAアッセイにおいて検出される、完全にマッチする鋳型とスクランブル化されたmicroRNA鋳型との間の区別が、有意に増強された(図20)。
表III.実施例17で使用されるブロックされたmicroRNAタギングプローブの設計
Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、5−メチルC(mC);およびリン酸(P)。
実施例17
3’でブロックされたLNA改変タギングプローブおよびLNA改変検出プローブを用いるmicroRNAを鋳型にするRT−PCR反応を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対するリアルタイム定量PCR
1.ブロックされたLNA改変タギングプローブを用いるMicroRNA
1.鎖転写反応
逆転写(RT)反応は、25nM miR−15a RNA鋳型(EQ15885、表I)、50nM microRNAブロックタギングプローブ(EQ16695)、200nM hsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表1)、1×第1鎖バッファー(50mM トリス−HCl、75mM KCl、3mM MgCl、pH 8.3 20℃)(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、500μMの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、10U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、0.05μg/μL Torulla酵母RNA、および1U Superscript III逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)からなる20μL内で実施された。mir−15a鋳型、microRNAブロックタギングプローブ、およびリバースプライマーは、混合物であり、70℃で10分加熱し、氷上で急冷した。サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)を、反応開始温度に加熱した。温度プロフィールは、55℃を60分、70℃を15分であり、最後に、4℃に冷却した。この第1鎖合成を、miR−15a RNA標的ではなく、負の対照として、鋳型またはSuperscript IIIを含まずに繰り返した。この第1の鎖合成をさらに、miR−15a RNA標的ではなく、標的としてmiR−16 RNA(EQ15886)を使用して繰り返した。
2.LNA改変タギングプローブを用いる、MicroRNA第2鎖タイムリリースPCR増幅。
反応物(50μL)は、1×AmpliTaq Goldバッファー(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、1.5mM MgCl、200nM 第2鎖LNAタギングプローブ(EQ16624、表II)、20μLのRT反応物(上記)、および1.25のU AmpliTaq Gold(登録商標)DNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)であった。サイクリング手順:DYAD(商標)サーモサイクラー(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)内で、(95℃1分、55℃1分)を10サイクル。
3.LNA−改変検出プローブを使用するMicroRNAリアルタイム定量PCRアッセイ。
この反応物(25μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、4mMの最終濃度までのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国);200nM hsa−miR−15aフォワードプライマー2(EQ16444、表II)、200nMの最終濃度までのhsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表II)、250nM LNA検出プローブ(EQ15866、表I)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5μLの第1および第2鎖反応物(上記)、および1.25U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。サイクリング手順:Applied Biosystems 7500 リアルタイム PCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)内で、95℃10分、(95℃20秒、60℃1分)を45サイクル。
ヒトmiR−15a microRNAのためのLNA改変microRNAタギングプローブEQ16695(RTタギングプローブ)と、hsa−miR−15aリバースプライマーを、アニーリングさせ、逆転写プライマーとして伸長させた。第1鎖反応に続いて、第2鎖タギングプローブを、上で述べた通りアニーリングし、伸長させた。miR−15 RTおよびPCR反応は、その後、負の対照として鋳型を抜いて、上で述べた通りのリアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびmiR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16582、表II)を使用して検出した。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ16582(図21)について、37.1であったのに対し、miR−16 microRNA鋳型および負の対照実験(鋳型抜きおよびSuperscript III抜き)に対するCt値は、検出可能ではなかった。
実施例18
3’でブロックされたLNA改変タギングプローブおよびLNA改変検出プローブを用いるmiRNAを鋳型にするRT−PCRを使用する、成熟したヒトmiR−15a microRNAに対するリアルタイム定量PCR
1.RNA−プライムドDNA指向性のDNA合成が可能な酵素を使用する、ブロックされたLNA改変miRNAタギングプローブを用いるMicroRNAプライマー伸張
miRNAプライマー伸張反応は、20μL内で実施された。最初に、500nmol miR−15a RNA鋳型(EQ15885、表I)、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)、および25nM microRNAブロックタギングプローブ(EQ16695、表II)を混合し、70℃で10分加熱し、氷上で急冷した。1×EcoPolバッファー(NEB、米国)、500μMの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、10U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、5U Klenow Fragment(3’→5’エキソ−)酵素(NEB、米国)、および総体積20μLにするためのジエチルピロカルボネート処理HOを加えた。サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)を、37℃に加熱し、以下のプロフィールを使用するサイクルにかけた;37℃を30分、75℃を20分、それに続いて4℃に冷却。
2.LNA改変タギングプローブと、DNA−プライムドRNA/DNA指向性のDNA合成が可能な酵素を使用する、RT−PCRによる成熟したmiRNAの増幅
ステップ番号1からのプライマー伸張反応物を、以下を含有する50μL反応混合物に希釈した;60nM 第2鎖LNAタギングプローブ(EQ16624、表II)、200nM hsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表I)、400μMの各dNTP、1×Qiagen OneStep RT−PCRバッファー(キアゲン(Qiagen)、米国)、2μL Qiagen OneStep RT−PCR Enzyme mix(Omniscript(商標)逆転写酵素、SensiScript(商標)逆転写酵素、およびHotStarTaq(登録商標)DNAポリメラーゼを含有;dNTP、バッファー、および酵素は、キアゲン(Qiagen)、米国から購入)、およびジエチルピロカルボネート処理HO(50μLの最終体積まで)。サーモサイクラーDYAD(商標)(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)を、50℃に加熱し、以下の温度プロフィールを使用するサイクルにかけた;50℃30分、95℃15分、および(95℃1分、55℃1分、72℃2分)を10サイクル、それに続いて4℃に冷却。
この反応をさらに、miR−15a RNA標的ではなく、標的としてmiR−16 RNA(EQ15886、表I)を使用して繰り返した。負の(対照として、microRNAブロックタギングプローブ、第2鎖LNAタギングプローブ、hsa−miR−15aリバースプライマー2、Klenow Fragment(3’→5’エキソ−)酵素、またはQiagen OneStep RT−PCR酵素のいずれかを、それぞれの反応混合物において省略した。
3.LNA−改変検出プローブを使用するmiRNAリアルタイム定量PCR
リアルタイムPCR反応混合物(25μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、pH 8.7(20℃)を含有](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、4mMの最終濃度までのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国);200nM hsa−miR−15aフォワードプライマー2(EQ16444、表II)、300nMの最終濃度までのhsa−miR−15aリバースプライマー2(EQ16445、表II)、250nM LNA検出プローブ(EQ15866、表I)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5μLの第1および第2鎖反応物(上記)、および1.25U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)を含有していた。サイクリング手順:Applied Biosystems 7500 リアルタイムPCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)内で、95℃10分、(95℃20秒、60℃1分)を40サイクル。
その3’末端でブロックされたヒトmiR−15aのためのLNA改変microRNAタギングプローブEQ16695(第1鎖タギングプローブ)を使用して、成熟したmiR−15aを標識し、RNA−プライムド DNA指向性のDNAポリメラーゼを用いて、プライマーとしてmiR−15を使用することで伸長させた。逆転写反応を、RT−プライマーをアニーリングすることによって実施し、RNA/DNA指向性の DNAポリメラーゼ反応で伸長させた。最後に、第2鎖タギングプローブを、アニーリングさせ、DNA指向性のDNAポリメラーゼ反応で伸長させた。miR−15aプライマー伸張反応、逆転写、およびPCRによって産生された、標識されたヒトmiRNA鋳型を、それぞれ、その後、上で述べた通りのリアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、および負の対照として鋳型を使用せずに、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16582、表II)を使用して検出した。miR−15a microRNA鋳型を使用するCt値は、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ16582について、14.9であった(図23)のに対し、miR−16 microRNA鋳型に対するCt値は、23.4であり、それに対し、負の対照実験に対するCt値は、microRNAブロックタギングプローブ無し、第2鎖LNAタギングプローブ無し、およびKlenow Fragment(3’→5’エキソ−)無しの酵素反応に対して、それぞれ、32.3、27.7、および29.9であった。検出可能なCt値は、負の対照実験(hsa−miR−15aリバースプライマー2無し、またはQiagen OneStep RT−PCR Enzyme mix無し)については得られなかった。
実施例19
3’でブロックされたLNA改変されたタギングプローブを用いるmiRNAを鋳型にするRT−PCRを使用する、成熟したヒトmiR−15a microRNAについて作成されるリアルタイム定量PCR標準曲線。
上で述べた通り(実施例18)に3’でブロックされたLNA改変タギングプローブを用いる、miR−15aを鋳型にするRT−PCRに、LNA改変ヒトmiR−15a microRNA タギングプローブ対 EQ1695/EQ16624(実施例18における対IX)を使用した。ただし、ヒトmiR−15a鋳型鋳型濃度は、それぞれ、500、50、5、0.5、または0.05fmolであった。miRNA−15a鋳型は、その後、負の対照として鋳型を抜き、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ15866、表I)によって、上で述べた通りのリアルタイム定量PCRを使用して検出した。Ct値は、500、50、5、0.5、および0.05fmolのmiR−15a microRNA鋳型それぞれに対して、それぞれ、18.4、21.1、24.7、28.5、および32.0であったのに対し、Ct値は、鋳型を含まない負の対照実験については36.8であった。Ct値は、初期の鋳型コピー数の対数に反比例する。したがって、標準曲線は、図24に図示するように、コピー数の対数に対してCt値をプロットすることによって作成される。線形回帰分析によって、傾きと切片が決定された。タイトレーションカーブの傾きは−3.45、切片は27.4であった。
表IV:microRNA 3’でブロックされたタギングプローブの設計。
Figure 2007532100

Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、5−メチルC(mC)、およびリン酸(P)。
表V。実施例20で使用されるU6 snRNA検出プローブおよびリアルタイムPCRプライマーの設計。
Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、5−メチルC(mC);フルオレセイン(6−FITC(グレンリサーチ(Glenn Research))(Prod.Id.No. 10−1964))、番号Q1(実施例8aに記載される通りに調製される)、z(5−ニトロインドール(グレンリサーチ(Glenn Research)、Prod.Id.No.10−1044))、リン酸(P)。
実施例20
ヒトU6 snRNAに対するリアルタイムPCR。
1. U6 snRNA逆転写
逆転写(RT)反応は、1μg Quantitative PCR Human Reference Total RNA鋳型(ストラタジーン(Stratagene)、米国)、5μg pd(N)ランダムヘキサマー(アマシャムバイオサイエンス(Amersham Biosciences)、スウェーデン)、1×第1鎖バッファー(50mM トリス−HCl、75mM KCl、3mM MgCl、pH 8.3 20℃)(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、10mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1mMの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、10UのSUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および200U Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を含有する20μL内で実施された。Reference Total RNA鋳型およびランダムヘキサマーを、混合し、50℃で5分加熱し、氷上で急冷した。サーモサイクラーDYAD(商標)上の温度プロフィール(MJリサーチDNAエンジン(MJ Research DNA engine)、米国)は、37℃で30分、42℃で90分であり、その後、4℃で保持した。第1鎖合成体は、製品の指示書に従って、Microcon YM−30 Centrifugal Filter Unit(ミリポア(Millipore)、米国)上で精製した。遠心分離の後、回収されたサンプルを、元々のRT出発体積(全体で100μL)の5倍に希釈した。
2.LNA−改変検出プローブを使用する、U6 snRNAリアルタイムPCRアッセイ
この反応物(50μL)は、1×PCRバッファー[トリスHCl、KCl、(NHSO、pH 8.7 20℃](キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、最終濃度4mMまでのMgCl、200nMの各dATP、dCTP、dGTP、および600nM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国);900nM U6 snRNAフォワードプライマー(EQ17160、表V)、900nM U6 snRNA RTプライマー(EQ17159、表V)、250nM LNA検出プローブ(EQ17167、表V)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1または5μLの第1の鎖合成(RT)反応物(上記)、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。サイクリング手順:Applied Biosystems 7500 リアルタイム PCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)内で、95℃10分、(95℃15秒、60℃1分)を40サイクル。
U6 snRNA(受託番号 X59362、GenBank)RT反応物は、その後、負の対照として鋳型を抜き、上で述べた通りのリアルタイムPCR、PCRプライマー、およびヒトU6 snRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブを使用して検出された。1または5μL U6 snRNA cDNA鋳型を使用するCt値は、LNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ17167、表V)に対して、それぞれ、28.0および25.6であった(図25)のに対し、Ct値は、負の対照実験(鋳型無し)については得られなかった。
実施例21
以下を使用するヒトmiR−15aのためのリアルタイムRT−PCR;3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上でのMicroRNA−プライムド伸張反応、ストレプトアビジンチューブにおける伸張産物の固定化、溶液中での逆転写酵素反応、およびLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
1.3’でブロックされた、5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上でのmicroRNAプライムド伸張反応。
Hsa miR−15a RNA(1fmol;EQ15885、表I)を、総体積6μL中で、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)および100fmolのmiR−15a捕捉プローブ(EQ16879、表VI)と混合し、65℃で5分間加熱し、氷上で急冷し、1μL 10×NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(1mMの各dNTP;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、20U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)を加えた。保温は、37℃で30分間続けられた。
2.ストレプトアビジンチューブにおける固定化
1体積の2×結合バッファー(200mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、800mM LiCl、40mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応に加え、上清を、ストレプトアビジンでコートされたPCRチューブ(ロシュ(Roche)、ドイツ)に移した。37℃で3分間の保温によって、ビオチン−ストレプトアビジン結合を形成させた。室温の5体積の洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、20mM LiCl)中で3回洗浄することによって、結合していない材料を除去した。「直ちにRT反応を続行する」。
3.溶液中でのRT反応
RT−プライマー(100fmol、EQ16994、表VI)および10nmoleの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、総体積12μL中で混合し、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するストレプトアビジンPCRチューブに加えた。このチューブを、70℃で5分加熱し、上清を、氷上の新しいチューブに取り出した。5×第1の鎖バッファーa(50mM トリス−HCl pH 8.3 20℃、75mM KCl、3mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、10×DTT(1×=10mM、インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、20U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および200U Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を加え(8μLの体積中で)、42℃で1時間保温を続けた。70℃で15分加熱して、反応を停止させた。
4.LNA改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×PCRバッファー(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、最終濃度4mMまでのMgCl、0.2mMの各dATP、dCTP、dGTP、および0.6mM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、900nM miR−15aフォワードプライマー(EQ16990、表VI)、900nM miRリバースプライマー(EQ16989、表VI)、250nM miR−15a LNA検出プローブ(EQ16992、表VI)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった。37℃10分、95℃10分、45℃1分、60℃1分、それに続いて(95℃20秒、60℃1分)を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、ABI7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)で実行された。
記述した反応に対する結果は、Ct値33.1であった。Torulla酵母RNAを含まない反応は、33.3のCtを示したのに対し、ステップ1においてSUPERase−Inを含まない反応は、32.1のCtを示した。hsa miR−15a RNA(EQ15885、表I)を含まない、あるいはmiR−15a捕捉プローブ(EQ16879、表VI)を含まない、あるいは、Klenowエキソ−を含まない負の対照実験はすべて、Ct値を与えなかった。また、鋳型無し対照(NTC)qPCRも、Ct値を与えなかった。アガロースゲル上のリアルタイムRT−PCR反応のサンプルを流すことによる終点分析により、結果、すなわち、Ct値が無いことは、ゲル上のPCRアンプリコンの欠如に相当することが確認された。
表VI:実施例21〜23に使用されるオリゴヌクレオチド
Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、フルオレセイン(6−FITC(グレンリサーチ(Glenn Research)Prod.Id.No. 10−1964))、ビオチン(Bio(グレンリサーチ(Glenn Research)))、2部分のヘキサエチレングリコール(HEG2(グレンリサーチ(Glenn Research)))、番号Q1(実施例8aに記載される通りに調製される)、z(5−ニトロインドール(グレンリサーチ(Glenn Research)、Prod.Id.No10−1044))、リン酸(P)。
実施例22
以下を使用する、ヒトmiR−15aの希釈シリーズに対する、リアルタイムRT−PCR;3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上のMicroRNAプライムド伸張反応、ストレプトアビジンチューブにおける伸張産物の固定化、溶液中の逆転写酵素(RT)反応、およびLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
1.3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上のmicroRNAプライムド伸張反応
Hsa miR−15a RNA(100fmol、10fmol、1fmol、100amol、または10amol; EQ15885、表I)を、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)および100fmolのmiR−15a捕捉プローブ(EQ16879、表V))と総体積7μL内で混合し、65℃で5分間加熱し、氷上で冷却した。1μL 10×NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(1mMの各dNTP;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)を加えた。37℃で30分間保温を続けた。
2.ストレプトアビジンチューブにおける固定化
1体積の2×結合バッファー(200mMトリスHCl pH 7.5 20℃、800mM LiCl、40mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応物に加え、上清を、ストレプトアビジンでコートされたPCRチューブ(ロシュ(Roche)、ドイツ)に移した。37℃での3分間の保温により、ビオチン−ストレプトアビジン結合が形成された。結合されなかった材料を、室温の5体積の洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、20mM LiCl)中で、3回洗浄することによって除去した。
3.溶液中のRT反応
RT−プライマー(100fmol、EQ16994、表VI)および10nmolの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、総体積12μL内で混合し、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するストレプトアビジンPCRチューブに加えた。チューブは、70℃で5分間加熱し、上清を、氷上の新しいチューブに移した。5×第1鎖バッファーa(50mM トリス−HCl pH 8.3)20℃、75mM KCl、3mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、10x DTT(1×=10mM、インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、20U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および200U Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を加え(体積8μL内で)、42℃で1時間保温を続けた。70℃で15分加熱し、反応を停止させた。
4.LNA改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×PCRバッファー(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、最終濃度4mMまでのMgCl、0.2mMの各dATP、dCTP、dGTP、および0.6mM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、900nM miR−15aフォワードプライマー(EQ16990、表VI)、900nM miRリバースプライマー(EQ16989、表VI)、250nM miR−15a LNA検出プローブ(EQ16992、表VI)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1μLの第1鎖合成(RT)反応(上記)、0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。温度サイクリングプログラムは、37℃10分、95℃10分、45℃1分、60℃1分、それに続いて(95℃20秒、および60℃1分)を40サイクルであった。リアルタイムRT−PCR分析は、ABI 7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)で実行された。
記述した反応に対する結果は、100fmol、10fmol、1fmol、100amolおよび10amolのhsa miR−15a RNA(EQ15885、表I)インプットに対して、それぞれ24.0、27.6、31.1、34.8、および37.0のCt値であった。hsa miR−15a RNA(EQ15885、表I)を含まない負の対照実験は、Ct値を与えなかった。また、鋳型無しの対照(NTC)qPCRも、Ct値を与えなかった。10amol hsa miR−15a RNA(EQ15885、表I)のインプットは、50μL リアルタイムRT−PCR混合物における10fM以下の濃度に相当していた。アガロースゲル上のリアルタイムRT−PCR反応のサンプルを流すことによる終点分析により、結果、すなわち、Ct値が無いことは、ゲル上のPCRアンプリコンの欠如に相当することが確認された。
実施例23
3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA−改変捕捉プローブ上のMicroRNAプライムド伸張反応、ストレプトアビジンビーズ上の伸張産物の固定化、溶液中での逆転写酵素(RT)反応、およびLNA改変検出プローブを使用するリアルタイムPCRを使用するヒトmiR−15aのためのリアルタイムRT−PCR
1.3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA−改変捕捉プローブ上でのmicroRNAプライムド伸張反応
Hsa miR−15a RNA(1fmol; EQ15885、表I)を、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)および100fmol miR−15a捕捉プローブ(EQ16879(表VI))と、総体積7μL中で混合し、65℃で5分間加熱し、氷上で冷却した。1μL 10× NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(それぞれ1mM;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)を加えた。37℃で30分間、保温を続けた。
2.ストレプトアビジンビーズへの固定化
10μg Dynabeads M−270ストレプトアビジン;(ダイナルバイオテック(Dynal Biotech)、ノルウェー)を含有する1体積(10μL)の2×結合バッファー(10mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、2M NaCl、1mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応物に加え、回転させながら20℃で10分間保温し、ビオチン−ストレプトアビジン結合を形成させた。チューブを、磁性粒子濃縮器(magnetic particle concentrator)(Dynal MPC−9600;ダイナルバイオテック(magnetic particle concentrator)、ノルウェー)に入れた。上清を除去し、ビーズを100μL洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、20mM NaCl)で3回洗浄した。「直ちにRT反応を続行する」。
3.溶液中でのRT反応
RT−プライマー(100fmol、EQ16994、表VI)および10nmolの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、総体積12μL中で混合し、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するチューブに加えた。このチューブを、70℃で5分加熱し、磁性粒子濃縮器に移し、上清を、氷上の新しいチューブに取り出した。5×第1鎖バッファーa(50mM トリス−HCl pH 8.3 20℃、75mM KCl、3mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、10×DTT(1×=10mM、インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、20U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および200U Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を加え(体積8μL内で)、42℃で1時間保温を続けた。70℃で15分加熱し、反応を停止させた。
4.LNA改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×PCRバッファー(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、最終濃度4mMまでのMgCl、0.2mMの各dATP、dCTP、dGTP、および0.6mM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、900nM miR−15aフォワードプライマー(EQ16990、表VI)、900nM miRリバースプライマー(EQ16989、表VI)、250nM miR−15a LNA検出プローブ(EQ16992、表VI)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、5μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった;37℃10分、95℃10分、45℃1分、60℃1分、それに続いて(95℃20秒、および60℃1分)を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、ABI 7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)で実行された。
記述した反応に対する結果は、28.0のCt値であった。鋳型無し対照(NTC)のqPCRは、Ct値を与えなかった。
実施例24
5‘ビオチンを含有するLNA改変捕捉プローブによってプライムされる固体支持体上での逆転写を使用するヒトmiR−7aに対するリアルタイム定量PCR、それに続く、LNA改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
1.5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上でのmicroRNA−プライムド伸張反応
10μLの総体積内で、以下を混合した:Hsa miR−7a RNA(10fmol;EQ16898(表VII)、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)および100fmol miR−7a捕捉プローブ(EQ 17367、表VII)、1μL 10×NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(1mMの各dNTP;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)。この混合物を、37℃で30分間保温した。
2.ストレプトアビジンチューブにおける固定化
2.5μLの5×結合バッファー(500mMトリスHCl pH7.5 20℃、2M LiCl、100mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応物に加え、上清を、ストレプトアビジンでコートされたPCRチューブ(ロシュ(Roche)、ドイツ)に移した。37℃での3分間の保温により、ビオチン−ストレプトアビジン結合が形成された。結合されなかった材料を、室温の100μLの洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH7.5 20℃、20mM LiCl)中で、5回洗浄することによって除去した。
3.RT反応
20μLの以下のRT反応混合物を、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するストレプトアビジンでコートされたPCRチューブに加えた:1×第1鎖バッファー(50mM トリス−HCl pH8.3 20℃、75mM KCl、3mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、10mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1.25mMの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、20U SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および200U Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を、42℃で1時間保温した。
4.pre−PCR
RT−混合物を除去し、1×Quantitect プローブ PCR Master Mix(キアゲン(Qiagen)、米国)、フォワードおよびリバースプライマー(EQ17372およびEQ17374、表VII)(各0.4μM)、1U ウラシル−DNA グリコシラーゼ(UNG、ロシュ(Roche)、ドイツ)を含有する20μLのPCRマスター混合物で置き換えた。Pre−PCRを、以下のPCR条件にかけた:95℃15分、30℃1分、40℃1分、60℃1分、および(94℃20分、および60℃1分) を10サイクル。この反応物を、リアルタイムPCRの実施まで4℃に維持した。その後、80μLのDEPC−HOを、リアルタイムPCRでの使用よりも前に、pre−PCR反応に加えた。
5.LNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この50μLリアルタイムPCR混合物は、1×Quantitect プローブ PCR Master Mix(キアゲン(Qiagen))、フォワードおよびリバースプライマー(EQ17372およびEQ17374、表VII)(各0.4μM)、0.2μM miR−7a LNA検出プローブ(EQ17377、表VII)、1U UNG(ロシュ(Roche)、ドイツ)、および5μLの希釈された第1鎖合成(RT)−pre−PCR反応物(上記)を含有していた。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった;95℃15分、94℃20秒および60℃1分を40サイクル。リアルタイムPCRは、オプティコン・リアルタイムPCR装置(Opticon リアルタイム PCR instrument)(MJリサーチ(MJ Research)、米国)で実施された。
結果
リアルタイムPCRは、十分な量のシグナルを伴う、S字形増幅プロット(図26)、および18.5のCt値をもたらした。得られたCt値は、目下の実験で使用されるHsa−miR−7aの量に対して妥当であり、アッセイの完全な機能性を示唆している。
表VII:実施例24で使用されるオリゴヌクレオチド
Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、RNA(下線かつ小文字)、5−メチルC(mC);フルオレセイン(6−FITC(グレンリサーチ(Glenn Research)(Prod.Id.No.10−1964)))、ビオチン(Bio(グレンリサーチ(Glenn Research)))、番号Q1(実施例8aに記載される通りに調製される)、番号Q2(実施例8bに記載される通りに調製される)、z(5−ニトロインドール(グレンリサーチ(Glenn Research)、Prod.Id.No.10−1044))、リン酸(P)。
実施例25
二重標識されたオリゴヌクレオチドプローブの合成、脱保護および精製
表I、IIおよびV〜VIIの二重標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、すなわちEQ15866、EQ15867、EQ16580−16583、EQ16679、EQ17167、EQ16879、EQ16992、EQ17367、およびEQ17377を、2−シアノエチルで保護された(protected)LNAおよびDNAホスホラミダイト(シンハ(Sinha)ら、「Tetrahedron Lett.24」:5843〜5846、1983年)を用いるホスホラミダイト手法(ビウケージ(Beaucage)およびカラザーズ(Caruthers)「Tetrahedron Lett.22」:1859〜1862、1981年)を使用して、自動DNA合成装置(Expedite 8909DNA合成装置、パーセプティブバイオシステムズ(PerSeptive Biosystems)、0.2μmolスケール)で調製した。
合成サイクルは、DNAホスホラミダイトの場合に対してLNAホスホラミダイトのために改変された(250秒の結合時間)。1H−テトラゾールまたは4,5−ジシアノイミダゾール(プロリゴ(Proligo)、Hamburg、ドイツ)が、結合ステップにおける活性化因子として使用された。
オリゴヌクレオチドを、32%アンモニア水を使用して脱保護し(室温で1時間、その後、60℃で2時間)、HPLC(Shimadzu−SpectraChromシリーズ;Xterra(商標)RP18カラム、10μm 7.8×150mm(ウォーターズ(Waters))。バッファー:A:0.05M 酢酸トリエチルアンモニウム pH7.4 B.50% アセトニトリル水溶液。溶出液:0〜25分:10〜80% B; 25〜30分:80% B))によって精製した。組成物およびオリゴヌクレオチドの純度を、MALDI−MS(パーセプティブバイオシステム(PerSeptive Biosystem)、Voyager DE−Pro)分析によって確認した。
実施例26
以下を使用するヒトhsa−Let−7aに対するリアルタイムRT−PCR;3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上のMicroRNAプライムド伸張反応、ストレプトアビジンチューブ上の伸張産物の固定化、溶液中での逆転写酵素反応、およびクエンチャーQ2と共にLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
1.3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上でのmicroRNA−プライムド伸張反応
Hsa Let−7a RNA(10fmol; EQ16898、表VII)を、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)、100fmol cP5_hsa−let−7a捕捉プローブ(EQ17367、表VII)、1μL 10×NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(1mMの各dNTP;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)と、総体積10μL中で混合した。37℃で30分間、保温を実施した。
2.ストレプトアビジンチューブにおける固定化
体積2.5μLの5×結合バッファー(500mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、2M LiCl、100mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応物に加え、この混合物を、ストレプトアビジンでコートされたPCRチューブ(ロシュ((Roche))、ドイツ)の底部に移した。37℃での3分間の保温により、ビオチン−ストレプトアビジン結合が形成された。結合されなかった材料を、室温の100μLの洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH7.5 20℃、20mM LiCl)中で、5回洗浄することによって除去した。洗浄されたチューブを、直ちに逆転写反応にかけた。
3.溶液中でのRT反応
RT−プライマー(1μl 100fmol/μl、EQ17374、表VII)および2.5 dNTP(10mMの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、総体積12μL中で混合し、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するストレプトアビジンPCRチューブに加えた。このチューブを、70℃で5分加熱し、上清を、氷上の新しいチューブに取り出した。4μl 5×第1鎖バッファー(250mM トリス−HCl pH8.3 20℃、375mM KCl、15mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、2μl 10mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1μl 20U/μl SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および1μl 200U/μl Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を加え、42℃で1時間保温を続けた。70℃で15分加熱し、反応を停止させた。80μLのDEPC HOを加えることによって、総体積を、100μLに調節した。
4.LNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×QuantiTect プローブ PCR Master Mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400nM hsa−let−7a_qPcR−F−プライマー3(EQ17372、表VII)、400nM hsa−let−7a qPcR−R−プライマー2(EQ17375、表VII)、200nM hsa−let−7a_qPcR−プローブ2_Q2検出プローブ(EQ18089、表VII)、5μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、および0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)であった。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった;37℃10分、95℃15分、30℃1分、40℃1分、60℃1分、それに続いて94℃20秒および60℃1分を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、オプティコン・リアルタイムPCR装置(Opticon リアルタイム PCR instrument)(MJリサーチ(MJ Research)、米国)で実施された。
5.結果。
実験は、3回繰り返して実施され、得られる平均Ct値は、19.0であり、CVは0.01であった。hsa Let−7a miRNAを加えない反応を3回繰り返しても、シグナルは生じず、Ct値は得られなかった。
実施例27
前駆体pre−miRNA hsa Let−7aの調製
1.In vitro転写
a.T7プロモーター/リーダーオリゴ(EQ18219、表VIII参照)を、hsa−let−7a−1前駆体longmer DNAオリゴヌクレオチド(EQ18213、表VIII参照)と、各オリゴヌクレオチドの最終濃度20μMで混合した。
b.サンプルを、95℃で5分加熱し、この溶液を、ベンチ内で室温に冷却させた。
c.上の溶液の8μLを、通常の20μL MegaScript反応(アンビオン(Ambion)、米国)(ATP、GTP、CTP、UTP、反応バッファーおよび酵素ミックスを含有する)における鋳型として使用した。
d.この反応物を、37℃で終夜保温した。
e.1μL DNアーゼを加え、反応物を、37℃で15分保温した。
f.in vitro転写された前駆体pre−miRNAを、miRNAクリーンアップのための改変されたプロトコルを使用して、RNeasy MinElute Cleanupスピンカラムで精製した。
表VIII:実施例27で使用されるオリゴヌクレオチド
Figure 2007532100
2:前駆体miRNAクリーンアップのための改変されたプロトコル
1.サンプルに350μlバッファーRLTを加え、ボルテックス処理することによって、完全に混合する。
2.1体積の80%エタノール(350μl)を加え、ボルテックス処理することによって、完全に混合する。遠心分離はしない。直ちにステップ3を続行する。
3.形成された可能性があるいかなる沈殿物も含むサンプルをピペットで、2mlのコレクションチューブに入れたRNeasy Miniスピンカラムに移す。穏やかに蓋を閉じ、8000×gで15秒間遠心分離する。
4.RNeasy Miniスピンカラムを廃棄する。
5.ステップ3からのフロースルー(flow−through)(これはmiRNAを含有する)を、ピペットで2mlの反応チューブに移す。
6.1.4体積の100%エタノール(980μl)を加え、ボルテックス処理することによって、完全に混合する。遠心分離はしない。直ちにステップ7を続行する。
7.サンプルの700μlを、ピペットで、2mlのコレクションチューブに入れたRNeasy MinEluteスピンカラムに移す。穏やかに蓋を閉じ、8000×gで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄する。サンプル全体が、スピンカラムの中にピペットで移されるまで、ステップ7を繰り返す。毎回フロースルーを廃棄する。
8.500μl Buffer RPEを、ピペットでRNeasy MinEluteスピンカラムに移す。穏やかに蓋を閉じ、8000×gで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄する。
9.500μlの80%エタノールを、ピペットでRNeasy MinEluteスピンカラムに移す。穏やかに蓋を閉じ、8000×gで15秒間遠心分離する。フロースルーおよびコレクションチューブを廃棄する。
10.新しい2mlのコレクションチューブに、RNeasy MinEluteスピンカラムを入れる。蓋を開け、8000×gで1分間遠心分離する。
11.1.5mlのコレクションチューブに、RNeasy MinEluteスピンカラムを入れ、RNaseを含まない水14μlを、ピペットでスピンカラムメンブレンに乗せる。穏やかに蓋を閉じ、miRNAを抽出するために、8000×gで1分間遠心分離する。
miRNA溶出液の濃度を、OD260で測定し、それに続いて、DEPC HOで、10nM(1μLあたり10fmol)の最終濃度に希釈する。
実施例28
以下を使用する、ヒトhsa−Let−7aの前駆体に対する成熟体の選択的検出のためのリアルタイムRT−PCR;3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上のMicroRNAプライムド伸張反応、ストレプトアビジンチューブにおける伸張産物の固定化、溶液中での逆転写酵素反応、およびクエンチャーQ2と共にLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
1.3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上でのmicroRNA−プライムド伸張反応
miRNA hsa Let−7a(10fmol;EQ16898、表VII)および/または前駆体pre−miRNA hsa Let−7a(10fmol;実施例27に概説した通りに産生)を、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)、100fmol cP5_hsa−let−7a捕捉プローブ(EQ17367、表VII)、1μL 10×NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(1mMの各dNTP;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)と、総体積10μL中で混合した。37℃で30分間、保温を実施した。
2.ストレプトアビジンチューブにおける固定化
体積2.5μLの5×結合バッファー(500mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、2 M LiCl、100 mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応物に加え、この混合物を、ストレプトアビジンでコートされたPCRチューブ(ロシュ(Roche)、ドイツ)の底部に移した。37℃での3分間の保温により、ビオチン−ストレプトアビジン結合が形成された。結合されなかった材料を、室温の100μLの洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、20mM LiCl)中で、5回洗浄することによって除去した。洗浄されたチューブを、直ちに逆転写反応にかけた。
3.溶液中でのRT反応
RT−プライマー(1μl 100fmol/μl、EQ17374、表VII)および2.5μl dNTP(10mMの各dNTP、アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、総体積12μL中で混合し、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するストレプトアビジンPCRチューブに加えた。このチューブを、70℃で5分加熱し、上清を、氷上の新しいチューブに取り出した。4μl 5×第1鎖バッファー(250mM トリス−HCl pH 8.3 20℃、375mM KCl、15mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、2μl 10mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1μl 20U/μl SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および1μl 200U/μl Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を加え、42℃で1時間保温を続けた。70℃で15分加熱し、反応を停止させた。80μLのDEPC HOを加えることによって、総体積を、100μLに調節した。
4.LNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×QuantiTect プローブ PCR Master Mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400nM hsa−let−7a_qPcRF−プライマー3(EQ17372、表VII)、400nM hsa−let−7a qPcR−R−プライマー2(EQ17375、表VII)、200nM hsa−let−7a_qPcR−プローブ2_Q2検出プローブ(EQ18089、表VII)、5μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、および0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)であった。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった;37℃10分、95℃15分、30℃1分、40℃1分、60℃1分、それに続いて94℃20秒および60℃1分を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、オプティコン・リアルタイムPCR装置(Opticon リアルタイム PCR instrument)(MJリサーチ(MJ Research)、米国)で実施された。
5.結果。
成熟したmiRNA hsa Let−7aおよび/またはpre−miRNA hsa Let−7aに対して上で概説したアッセイを実施することによって、以下のCt値が得られた(表IX)。
表IX
Figure 2007532100
成熟したhsa−let−7a miRNAと前駆体hsa−let−7a miRNAとの間には、Ct値の11.8の差(ΔCt)があった。11.8のΔCtは、成熟したhsa−let−7a miRNAについてのアッセイの前駆体よりも1000〜10,000倍高い感受性に相当し、これは、2つのmiRNA種を区別するためのこのアッセイの能力を実証する。したがって、成熟したhsa−let−7a miRNA単独、または等モルの濃度で存在する成熟したhsa−let−7a miRNA+前駆体のhsa−let−7a miRNAをアッセイした場合には、非常に類似のCt値が得られる。アッセイがmiRNAを加えずに実施された場合、シグナルもCt値も得られない。RT反応物が加えられなかった場合、あるいは、鋳型が、前駆体hsa−let−7a miRNAのin vitroの転写のために使用されるオリゴ−鋳型からなるものであった場合、qPCRでは、シグナルは、ほとんどまたは全く得られなかった(結果は示さない)。同様に、qPCRに加えられる鋳型が、上で概説した通りに実施されるが、鋳型として前駆体hsa−let−7a miRNAを使用する、すなわち、microRNA−プライムド伸張反応ステップを省略するRTからなる場合、シグナルは、ほとんどまたは全く得られなかった(結果は示さない)。
実施例29
以下を使用する、密接に関連するmiRNA hsa−Let−7fおよびhsa−Let−7gに対するhsa−let−7aの選択的検出のためのリアルタイムRT−PCR;3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上のMicroRNAプライムド伸張反応、ストレプトアビジンチューブにおける伸張産物の固定化、溶液中での逆転写酵素反応、およびクエンチャーQ2と共にLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
1.3’でブロックされ5’ビオチン標識されたLNA改変捕捉プローブ上でのmicroRNA−プライムド伸張反応
10fmol hsa Let−7a miRNA、hsa Let−7f miRNA、またはhsa Let−7gmiRNA(それぞれ、EQ16898、EQ16899、およびEQ16917−表VII)を、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)、100fmol cP5_hsa−let−7a捕捉プローブ(EQ17367、表VII)、1μL 10×NEBuffer 2(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)、1μL dNTPミックス(1mMの各dNTP;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、および5U Klenowエキソ−(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)と、総体積10μL中で混合した。37℃で30分間、保温を実施した。
2.ストレプトアビジンチューブにおける固定化
体積2.5μLの5×結合バッファー(500mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、2 M LiCl、100 mM EDTA)を、Klenowエキソ−反応物に加え、この混合物を、ストレプトアビジンでコートされたPCRチューブ(ロシュ((Roche))、ドイツ)の底部に移した。37℃での3分間の保温により、ビオチン−ストレプトアビジン結合が形成された。結合されなかった材料を、室温の100μLの洗浄バッファー(10mM トリス−HCl pH 7.5 20℃、20mM LiCl)中で、5回洗浄することによって除去した。洗浄されたチューブを、直ちに逆転写反応にかけた。
3.溶液中でのRT反応
RT−プライマー(1μl 100fmol/μl、EQ17374、表VII)および2.5μl dNTP(10mMの各dNTP、アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、総体積12μL中で混合し、固定化された捕捉プローブおよびキメラRNA−DNA鎖を含有するストレプトアビジンPCRチューブに加えた。このチューブを、70℃で5分加熱し、上清を、氷上の新しいチューブに取り出した。4μl 5×第1鎖バッファー(250mM トリス−HCl pH 8.3 20℃、375mM KCl、15mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、2μl 10mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1μl 20U/μl SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および1μl 200U/μl Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を加え、42℃で1時間保温を続けた。70℃で15分加熱し、反応を停止させた。80μLのDEPC HOを加えることによって、総体積を、100μLに調節した。
4.LNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×QuantiTect プローブ PCR Master Mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400nM hsa−let−7a_qPcRF−プライマー3(EQ17372、表VII)、400nM hsa−let−7a qPcR−R−プライマー2(EQ17375、表VII)、200nM hsa−let−7a_qPcR−プローブ2_Q2検出プローブ(EQ18089、表VII)、5μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、および0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)であった。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった;37℃10分、95℃15分、30℃1分、40℃1分、60℃1分、それに続いて94℃20秒および60℃1分を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、オプティコン・リアルタイムPCR装置(Opticon リアルタイム PCR instrument)(MJリサーチ(MJ Research)、米国)で実施された。
5. 結果。
鋳型としてhsa Let−7a miRNAを使用するhsa Let−7a miRNAアッセイでは、20.4のCt値が得られた。hsa Let−7f miRNAおよびhsa Let−7g miRNAが鋳型として使用されたこのアッセイでは、シグナルは生成されず、Ct値は得られなかった。同様に、miRNAが加えられなかったアッセイから、あるいは、RTが鋳型として加えられなかったqPCRからは、シグナルもCt値も得られなかった。これは、このアッセイが、近いmiRNA相同体hsa Let−7f miRNAおよびhsa Let−7gのmiRNAではなく、hsa−let−7a miRNAを弁別的に検出するものであることを示唆する(let−7a miRNAとhsa Let−7f miRNAとの間の違いは、GからAへの単一のヌクレオチドの変化のみである)。
実施例30
調査されたmicroRNAを第1の鋳型として、人工のヘルパーオリゴヌクレオチドを第2の鋳型として使用する捕捉/RT−プローブの2つのステップの伸張を使用する、hsa−mir−143のリアルタイムRT−PCR定量化、それに続く、LNAで改変された二重標識された検出プローブを使用する、十分に伸長された捕捉/RT−プローブの増幅によるリアルタイムPCR定量化。
miRNAがステム−ループ分子のより下流の鎖上に位置する場合、ダイサー酵素によるプロセッシングは、成熟したmiRの固有の5’末端をもたらすのに対し、3’末端は、pre−miRおよび成熟したmiRについて同一である。
この実施例は、図31におけるアッセイ設計に従う。
2つの捕捉/RT−プローブ伸張反応は、「One Step RT/PCRミックス」を使用する、同じ反応混合物において起こる。したがって、この反応混合物は、micro−RNA、捕捉/RT−プローブ、逆転写酵素、3’リン酸化された5’ビオチン化された人工のヘルパー鋳型、およびTaqポリメラーゼを含有する。
2−ステップ捕捉/RT−プローブ伸張の後、この反応混合物の一定分量を、リアルタイムPCR定量化反応におけるインプットとして、その後使用する。
1.2−ステップ捕捉/RT−プローブ伸張反応混合物。
総体積25μLの反応混合物においては、以下が混合された:hsa−mir−143 microRNA(1fmol; EQ16900、表X)、1μg Torulla酵母RNA(アンビオン(Ambion)、米国)、hsa−Rim−143_CP5_NoBio(125fmol; EQ18080、表X)、hsa−Rim−143_AT_Bio(6.25pmol; EQ18079、表X)、dNTPミックス(各dNTPの最終濃度0.2mM;アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、1×Qiagen OneStep RT−PCRバッファー(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、1×Qiagen OneStep RT−PCR Enzyme MixおよびDEPC処理水(アンビオン(Ambion)、米国)。
microRNA(hsa−mir−143、表X)が省略される「miR無し」対照を実施した。
この反応混合物を、DNA Engine Dyadサーモサイクラー(MJリサーチ(MJ Research)、米国)を使用する、以下の温度サイクリングプログラムにかけた:
逆転写:60℃を30分
Taqの活性化:95℃を15分
捕捉プローブ伸張:(95℃20秒+60℃30秒)を10サイクル
冷却:4℃。
反応混合物は、さらなる処理の直前に、75μL DEPC処理水(アンビオン(Ambion)、米国)で希釈した。
2.ストレプトアビジンとの結合による、反応混合物からの人工のヘルパーオリゴヌクレオチドの除去
上のステップ1からの各々の反応混合物の20μLの一定分量を、1μL ImmunoPure(登録商標)Immobilized Streptavidin(ピアス(Pierce))と混合し、ボルテックス処理し、37℃で5分間保温し、スピンカラム(ハーバードアパレイタス)で回転させた。
3.LNAで改変された二重標識された検出プローブを使用するリアルタイムPCR定量化
総体積25μLの反応混合物においては、以下が混合された:hsa−Rim−143_プライマー2(最終濃度0.5μM、EQ17724、表X)、hsa−miR−143_Primer143_C2(最終濃度0.5μM、EQ17574、表X)、hsa−Rim−143_P4(最終濃度0.25μM、EQ18057、表X)、1×TaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、上のステップ1またはステップ2からの希釈された反応混合物2.5μL、およびDEPC処理水。
反応混合物を、ABI 7500 リアルタイム PCR System(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を使用する以下の温度サイクリングプログラムにかけた:
Taqの活性化:95℃15分
PCR増幅:(95℃20秒+60℃30秒)を40サイクル
上で述べた反応の結果は、ステップ2で精製されないmicroRNA含有サンプルについて、37のCt値、ステップ2で精製される相当するサンプルについて、36のCt値であった。2つの相当する「miR無し」対照はどちらも、40サイクル以内ではいずれのCt値も与えなかった。図32を参照のこと。
表X:実施例Rimで使用されるオリゴヌクレオチド
Figure 2007532100
LNA(大文字)、DNA(小文字)、フルオレセイン(6−FITC(グレンリサーチ(Glenn Research)(Prod.Id.No.10−1964)))、ビオチン(Bio(グレンリサーチ(Glenn Research)))、2部分のヘキサエチレングリコール(HEG2(グレンリサーチ(Glenn Research)))、番号Q2(実施例8bに記載される通りに調製される)、z(5−ニトロインドール(グレンリサーチ(Glenn Research)、Prod.Id.No.10−1044))、リン酸(P)。
実施例31
以下を使用する、密接に関連するhsa−Let−7gに対するhsa−let−7aの選択的検出のためのリアルタイムRT−PCR;成熟したmicroRNAへのRNAアダプターの連結、それに続く逆転写、およびクエンチャーQ2と共にLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
この実施例で用いられる方法は、概して図36に示される。
1.成熟したmicroRNAへのRNAアダプターの連結。
10fmolのhsa Let−7a miRNAまたはhsa Let−7g miRNA(それぞれEQ16898およびEQ16917−表VII)を、20fmol RNAアダプター(EQ18557−表XI)および40U T4 RNA リガーゼ(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)と、1×T4 RNA リガーゼ バッファー(50mM トリス−HCl pH7.8 25℃、10mM MgCl、1mM ATP、および10mMジチオスレイトール)からなる総体積20μ中で混合した。37℃で15分保温することによって、連結を成し遂げた。65℃で15分加熱し、反応を停止させた。
2.RT反応
逆転写反応は、2μM RT−プライマー(EQ17374、表VII)および500μMの各dNTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、1×第1鎖バッファー(50mM トリス−HCl pH 8.3 20℃ 75mM KCl、3mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、10mM DTT(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、60UのSUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、500U Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、および20μLの上記の連結混合物からなる50μL内で実施された。逆転写反応は、42℃で1時間実施した。70℃で15分加熱し、反応を停止させた。
4.LNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
この反応物(50μL)は、1×PCRバッファー(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、最終濃度4mMまでのMgCl、0.2mMの各dATP、dCTP、dGTP、および0.6mM dUTP(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)、900nM hsa−let−7a_qPcR−F−プライマー3(EQ17372、表VII)、900nM hsa−let−7a qPcR−R−プライマー2(EQ17375、表VII)、250nM hsa−let−7a_qPcR−プローブ2_Q2検出プローブ(EQ18089、表VII)、0.1×ROX reference dye(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、2.5μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、および2.5U HotStarTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)であった。温度サイクリングプログラムは、以下の通りであった;37℃10分、95℃10分、それに続いて95℃で20秒および60℃を1分を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、ABI 7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)で実行された。
5.結果。
鋳型としてhsa Let−7a miRNAを使用するhsa Let−7a miRNAアッセイでは、27.1のCt値が得られた(図35)。hsa Let−7g miRNAが鋳型として使用されたこのアッセイでは、シグナルは生成されず、Ct値は得られなかった。同様に、miRNAが加えられなかったアッセイから、あるいは、RTが鋳型として加えられなかったqPCRからは、シグナルもCt値も得られなかった。これは、このアッセイが、近いmiRNA相同体hsa Let−7gではなく、hsa−let−7a miRNAを弁別的に検出するものであることを示唆している。
表XI:連結に使用されるオリゴヌクレオチド。
Figure 2007532100
RNA(下線かつ小文字)およびリン酸(P)。
実施例32
以下を使用する、密接に関連するmiRNA hsa−Let−7gに対するhsa−let−7aの選択的検出のためのリアルタイムRT−PCR;「橋かけ」核酸配列(連結ヘルパーオリゴ(Ligation Helper Oligo))を使用する成熟したmicroRNAへのRNAオリゴの連結、それに続く逆転写、およびクエンチャーQ2と共にLNA−改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR。
以下は、連結−ヘルパー−オリゴ(Ligation−Helper−Oligo)が、連結を援助する方法の例である。その後の逆転写およびqPCRは、成熟したmicroRNA hsa−let−7aを検出するために実施することができる。
1.成熟したmicroRNAへのRNA 連結オリゴの連結。
10fmolのhsa Let−7a miRNAまたはhsa Let−7gのmiRNA(それぞれEQ16898およびEQ16917−表VII)を、100fmolの連結オリゴおよび100fmolの連結−ヘルパー−オリゴ(それぞれEQ18557およびEQ18565−表XII)および400UのT4 DNAリガーゼ(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、米国)と、1×T4 DNA リガーゼ 反応 バッファー(50mM トリス−HCl pH 7.5 25℃、10mM MgCl、1mM ATP、10mMジチオスレイトール、25μg/ml BSA)からなる総体積20μL内で混合する。室温で、30分間保温することによって、連結を実施する。65℃で10分間加熱し、反応を停止させる。
2.RT反応
1μL RT−プライマー(100fmol/μL、EQ17374、表VII)および2μL dNTP(10mMの各dNTP−アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)、米国)を、1μl 5×第1鎖バッファー(250mM トリス−HCl pH 8.3 20℃、375mM KCl、15mM MgCl;インビトロジェン(Invitrogen)、米国)、1μl 20U/μl SUPERase−In(アンビオン(Ambion)、米国)、および1μl 200U/μl Superscript II逆転写酵素(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)と共に加える。42℃で1時間、逆転写反応を実施する。70℃で15分間加熱し、反応を停止させる。74μLのDEPC HOを加えることによって、総体積を100μLに調節する。
3.LNA改変検出プローブを使用するリアルタイムPCR
1×QuantiTect プローブ PCR Master Mix(キアゲン(Qiagen)、ドイツ)、400nM hsa−let−7a_qPcR−F−プライマー3(EQ17372、表VII)、400nM hsa−let−7a qPcR−R−プライマー2(EQ17375、表VII)、200nM hsa−let−7a_qPcR−プローブ2_Q2検出プローブ(EQ18089、表VII)、5μLの第1鎖合成(RT)反応物(上記)、および0.5U ウラシル DNA グリコシラーゼ(インビトロジェン(Invitrogen)、米国)を含む、リアルタイムPCR反応(50μL)を準備する。以下の温度サイクリングプログラムを使用する:37℃10分、95℃15分、30℃1分、40℃1分、60℃1分、それに続いて94℃20秒および60℃1分を40サイクル。リアルタイムRT−PCR分析は、オプティコン・リアルタイムPCR装置(Opticon リアルタイム PCR instrument)(MJリサーチ(MJ Research)、米国)で実施された。
表XII:連結に使用されるオリゴヌクレオチド。
Figure 2007532100
実施形態
本発明は、また、以下の実施形態によって規定することができる。ただし、用語「アイテム」は、特定の数をもつ前述のアイテムを指す。
1.以下を含む、核酸サンプル中の標的ヌクレオチド配列を定量化する方法:
a)標的ヌクレオチド配列を、2つのオリゴヌクレオチドタギングプローブ(それぞれ、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなる)と接触させること、ここで、前記認識ヌクレオチド配列は、標的配列と相補的であり、第1のタギングプローブの認識配列が、標的配列の第1の領域とハイブリダイズし、第2のタギングプローブの第2の認識配列は、標的配列の第1の領域に隣接する標的配列の第2の領域とハイブリダイズする;
b)共有結合的にハイブリダイズしたタギングプローブの2つの隣接する認識配列を連結(ligation)によって繋げて、標的ヌクレオチド配列と相補的な配列および2つのアンカーヌクレオチド配列を含む、近接するヌクレオチド配列を形成すること;および、
c)アンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブを使用するリアルタイムPCRによって、連結されたオリゴヌクレオチド分子を定量化すること。
2.タギングプローブおよび検出プローブにおける認識ヌクレオチド配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム1の方法。
3.高親和性のヌクレオチド類似体が、LNAである、アイテム1〜2の方法。
4.5’リン酸化されたタギングプローブ内の認識ヌクレオチド配列が、5’ヌクレオチド位置の隣のヌクレオチド位置の、LNAで開始する第2、第3、または第4の各位置で、LNAで改変され、第2のタギングプローブ内の認識ヌクレオチド配列が、3’ヌクレオチド位置より前のヌクレオチド位置で終了する第2、第3、または第4の各位置で、LNAで改変される、アイテム1〜3の方法。
5.5’リン酸化されたタギングプローブ内の認識ヌクレオチド配列が、5’ヌクレオチド位置の隣のヌクレオチド位置の、LNAで開始する第3の各位置で、LNAで改変され、第2のタギングプローブ内の認識ヌクレオチド配列が、3’ヌクレオチド位置より前のヌクレオチド位置で終了する第3の各位置で、LNAで改変されるアイテム4の方法。
6.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、DNA配列である、アイテム1〜5の方法。
7.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム1〜5の方法。
8.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、LNAで改変される、アイテム7の方法。
9.タギングプローブ内の認識ヌクレオチド配列が、長さが約20ヌクレオチド未満、より好ましくは15ヌクレオチド未満、最も好ましくは10〜14ヌクレオチドであるアイテム1〜8の方法。
10.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、長さが約30ヌクレオチド未満、より好ましくは27ヌクレオチド未満、最も好ましくは15〜25ヌクレオチドであるアイテム1〜9の方法。
11.検出プローブ内の認識配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム1〜10の方法。
12.高親和性のヌクレオチド類似体がLNAである、アイテム11の方法。
13.検出プローブの長さが、約20ヌクレオチド未満、より好ましくは15ヌクレオチド未満、最も好ましくは8〜12ヌクレオチドである、アイテム12の方法。
14.検出プローブが、5’末端にDNAヌクレオチド、3’末端にリン酸基を含有するLNA配列を含む、アイテム13の方法。
15.検出プローブが、少なくとも1つの化学的な部分で置換される、アイテム14の方法。
16.検出プローブが、フルオロフォア−クエンチャー対を含有する、アイテム15の方法。
17.検出プローブが、5’ヌクレアーゼアッセイ原理によって、二重標識を使用して検出される、アイテム1〜16の方法。
18.検出プローブが分子ビーコン原理によって検出される、アイテム1〜16の方法。
19.タギングプローブが、T4 DNAリガーゼを使用して連結される、アイテム1〜18のうちのいずれか1つの方法。
20.タギングプローブが、耐熱性のDNAリガーゼを使用して連結される、アイテム1〜18のうちのいずれか1つの方法。
21.タギングプローブが、RNAリガーゼを使用して連結される、アイテム1〜18のうちのいずれか1つの方法。
22.タギングプローブが、耐熱性のRNAリガーゼを使用して連結される、アイテム1〜18のうちのいずれか1つの方法。
23.連結(ligation)反応が、変性と、タギングプローブのアニーリングおよび接合(joining)、複数の連結されたオリゴヌクレオチド分子の産生の間の繰り返されるサイクルである、アイテム20または22の方法。
24.タギングプローブのうちの1つが、リガンドで標識される、アイテム1〜23のうちのいずれか1つの方法。
25.連結された分子が、リガンド−捕捉分子相互作用を利用して精製される、アイテム24の方法。
26.リガンドが、ビオチンであり、リガンド−捕捉分子相互作用が、ビオチン−アビジンまたはビオチン−ストレプトアビジンである、アイテム24〜25の方法。
27.標的ヌクレオチド配列が、RNA配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
28.標的ヌクレオチド配列が、microRNA配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
29.標的ヌクレオチド配列が、成熟したmicroRNA配列である、アイテム28の方法。
30.標的ヌクレオチド配列が、siRNAまたはRNAエディティングされた配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
31.標的ヌクレオチド配列が、選択的スプライスバリアント配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
32.標的ヌクレオチド配列が、非コード、あるいは、アンチセンスRNA配列または、単一ヌクレオチド多型または点突然変異を含有するRNA配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
33.標的ヌクレオチド配列が、DNA配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
34.標的ヌクレオチド配列が、単一ヌクレオチド多型または点突然変異を含有するDNA配列である、アイテム1〜26のうちのいずれか1つの方法。
35.標的ヌクレオチド配列が、ヒト配列である、アイテム1〜34の方法。
36.標的ヌクレオチド配列が、疾患に関与する、あるいは、疾患(例えば癌)の診断のために有用である、アイテム35の方法。
37.microRNAの検出または定量化のためのアイテム1〜36のうちのいずれか1つのタギングプローブおよび検出プローブのライブラリ。
38.植物または哺乳類のmicroRNAの検出および定量化のためのアイテム37のプローブのライブラリ。
39.ヒトまたは動物microRNAの検出および定量化のためのアイテム37のプローブのライブラリ。
40.アンチセンスRNA、非コードRNA、またはsiRNAの検出または定量化のためのアイテム1〜36のうちのいずれか1つのタギングプローブおよび検出プローブのライブラリ。
41.RNAエディティングされた転写産物の検出または定量化のためのアイテム1〜36のうちのいずれか1つのタギングプローブおよび検出プローブのライブラリ。
42.選択的スプライスバリアントの検出または定量化のためのアイテム1〜36のうちのいずれか1つのタギングプローブおよび検出プローブのライブラリ。
43.アイテム37〜42のうちのいずれか1つのキット。
44.以下を含む、核酸サンプル中の標的リボ核酸配列を定量化する方法:
a)標的リボ核酸配列を、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチドタギングプローブと接触させること、ここで、前記認識ヌクレオチド配列は、標的リボ核酸配列内の配列と相補的である、
b)逆転写酵素およびプライマーとしてのオリゴヌクレオチドタギングプローブを使用する逆転写により、標的リボ核酸と相補的な鎖を合成すること、
c)DNAポリメラーゼおよびプライマーとしての第2のタギングプローブを使用する第2鎖の合成により、ヘテロ二本鎖内のリボ核酸配列を置き換えること(replacing)、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列内の配列と相補的である、
d)オリゴヌクレオチドタギングプローブと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブに付着させたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーを使用するリアルタイムPCRによって、得られた核酸を定量化すること。
45.タギングプローブおよび検出プローブ内の認識ヌクレオチド配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム44の方法。
46.第1のタギングプローブおよび検出プローブ内の標的リボ核酸内の配列と相補的な認識ヌクレオチド配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変され、第2のタギングプローブ中の認識配列は改変されない、アイテム44の方法。
47.タギングプローブに内の認識配列は改変されず、検出プローブが、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム44の方法。
48.高親和性のヌクレオチド類似体が、LNAであるアイテム44〜47の方法。
48.タギングプローブ内の認識配列が、認識配列の3’末端に少なくとも1つのDNAヌクレオチドをもつ第2、第3、または第4の各位置で、LNAで改変されるアイテム44〜48の方法。
49.タギングプローブ内の認識配列が、認識配列の3’末端に少なくとも1つのDNAヌクレオチドにより開始および終了する第3の各位置で、LNAで改変されるアイテム48の方法。
50.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、DNA配列である、アイテム44〜49の方法。
51.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム44〜50の方法。
52.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、LNAで改変される、アイテム51の方法。
53.タギングプローブ内の認識配列が、長さが約20ヌクレオチド未満、より好ましくは15ヌクレオチド未満、最も好ましくは6〜14ヌクレオチドであるアイテム44〜52の方法。
54.タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列が、長さが約30ヌクレオチド未満、より好ましくは27ヌクレオチド未満、最も好ましくは15〜25ヌクレオチドである、アイテム44〜53の方法。
55.検出プローブにおける認識配列が、高親和性のヌクレオチド類似体で改変される、アイテム44〜54の方法。
56.高親和性のヌクレオチド類似体が、LNAである、アイテム55の方法。
57.LNAが、SBC核酸塩基、2’−O−メチル、2,6−ジアミノプリン、2−チオウラシル、2−チオチミジン、5−ニトロインドール、ユニバーサルまたは縮重塩基、インターカレーティング核酸または副溝バインダー(minor−groove−binder)で所望により改変されるアイテム56の方法。
58.認識配列中のLNAアデノシンモノマーの少なくとも1つが、LNA 2,6−ジアミノプリンで置換される、アイテム57の方法。
59.LNAモノマーの少なくとも1つが、LNA 2−チオチミジンで置換される、アイテム58の方法。
60.検出プローブの長さが、約20ヌクレオチド未満、より好ましくは15ヌクレオチド未満、最も好ましくは7〜12ヌクレオチドであるアイテム59の方法。
61.検出プローブが、5’末端にDNAヌクレオチド、3’末端にリン酸基を含有するLNA配列を含む、アイテム59の方法。
62.検出プローブが少なくとも1つの化学的な部分で置換される、アイテム61の方法。
63.検出プローブが、フルオロフォア−クエンチャー対を含有する、アイテム62の方法。
64.検出プローブが、5’ヌクレアーゼアッセイ原理によって、二重標識を使用して検出される、アイテム44〜63の方法。
65.検出プローブが分子ビーコン原理によって検出される、アイテム44〜63の方法。
66.標的リボ核酸と相補的な鎖が耐熱性の逆転写酵素を使用して合成される、アイテム44〜65のうちのいずれか1つの方法。
67.ヘテロ二本鎖内の標的リボ核酸配列を置換する第2鎖が、耐熱性のDNAポリメラーゼを使用して合成される、アイテム44〜66のうちのいずれか1つの方法。
68.第2鎖タギングプローブが、リガンドで標識される、アイテム44〜67のうちのいずれか1つの方法。
69.第2鎖分子が、リガンド−捕捉分子相互作用を利用して精製される、アイテム68の方法。
70.リガンドが、ビオチンであり、リガンド−捕捉分子相互作用が、ビオチン−アビジンまたはビオチン−ストレプトアビジンである、アイテム68〜69の方法。
71.標的リボ核酸配列が、microRNA配列である、アイテム44〜70のうちのいずれか1つの方法。
72.標的リボ核酸配列が成熟したmicroRNA配列である、アイテム71の方法。
73.第1のタギングプローブの認識配列が、成熟したmicroRNAの3’末端と相補的であり、第2のタギングプローブの認識配列が、成熟したmicroRNAの5’末端に相当する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列の、3’末端と相補的である、アイテム72の方法。
74.標的リボ核酸配列が、siRNAまたはRNAエディティングされた配列である、アイテム44〜70のうちのいずれか1つの方法。
75.標的リボ核酸配列が、選択的スプライスバリアント配列である、アイテム44〜70のうちのいずれか1つの方法。
76.標的リボ核酸配列が、非コード、またはアンチセンスRNA配列、または単一ヌクレオチド多型または点突然変異を含有するRNA配列である、アイテム44〜70のうちのいずれか1つの方法。
77.第1のタギングプローブの認識配列が、成熟したsiRNAの3’末端と、あるいは、RNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異の3’に位置する配列と相補的であり、第2のタギングプローブの認識配列が、siRNAの5’末端に相当する、あるいは、リボ核酸標的配列内のRNAエディティングされたヌクレオチド、スプライスジャンクション、単一ヌクレオチド多型、または点突然変異の5’に位置する逆転写酵素で伸長されたヌクレオチド配列と相補的である、アイテム74〜76のうちのいずれか1つの方法。
78.標的リボ核酸配列がヒト配列である、アイテム44〜77の方法。
79.標的リボ核酸配列が、疾患に関与する、あるいは、疾患(例えば癌)の診断のために有用である、アイテム78の方法。
80.microRNAの検出または定量化のためのアイテム44〜79のうちのいずれか1つのタギングプローブおよび検出プローブのライブラリ。
81.植物または哺乳類のmicroRNAの検出および定量化のためのアイテム80のプローブのライブラリ。
82.ヒトまたは動物microRNAの検出および定量化のためのアイテム80のプローブのライブラリ。
83.アンチセンスRNA、非コードRNA、siRNA、RNAエディティングされた転写産物、または選択的スプライスバリアントの検出または定量化のための、アイテム44〜79のうちのいずれか1つのタギングプローブおよび検出プローブのライブラリ。
84.アイテム80〜83のうちのいずれか1つのキット。
図1は、配列特異的なリアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の1つの方法の模式的な表示である。 図1は、配列特異的なリアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の1つの方法の模式的な表示である。 図2Aは、ヒトmiR−15a microRNA標的配列のためのリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。配列特異的LNA改変microRNAタギングプローブは、アニーリングされ、連結され、その後、連結されたタギングプローブは、負の対照(×印)として負の鋳型を使用する、リアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびmiR−15a microRNA(中塗りの四角形)に対するLNAで改変された二重標識された検出プローブを使用して検出された。この反応の特異性は、リガーゼ(中空きの四角形)を含まない反応を使用して試験された。miR−15a microRNA鋳型を使用する、連結されたmicroRNAプローブに対するサイクル閾値(Ct)が、35.0であったのに対し、負の対照実験(鋳型抜きおよびリガーゼ抜き)については、Ct値は検出可能ではなかった。ΔRnは、ベースライン補正された規準化されたレポーターシグナル(Rn)であり、PCRの最初の数サイクルにおいて確立される、Rnマイナスベースラインシグナルに相当する。 図2Bは、Gelstar(1:10000希釈、ケンブレックスバイオサイエンス(Cambrex Bio Science)、米国)で染色される2%アガロースゲル電気泳動上のリアルタイムPCR反応の終点分析を示す。連結されたmiR−15aタギングプローブ鋳型は、レーン1ではPCRフラグメントを示す(約65bp)。負の対照実験(鋳型抜き(レーン2)およびリガーゼ抜き(レーン3))は、連結されたmir−15aタギングプローブ鋳型よりも分子量が小さい、より短いフラグメントを示した。リアルタイムPCR反応における鋳型無しの対照(NTC)は、アガロースゲル電気泳動上いかなるフラグメントも含まなかった(図示せず)。 図3は、ヒトmiR−15a microRNA標的配列および相当するDNA3’ブロック標的のためのリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。RNA鋳型(中塗りの四角形)は、3’末端でリン酸を用いて化学的にブロックされるDNA鋳型(中塗りの三角形)によって置き換えられた。リガーゼを含まない、ブロックされたDNA鋳型(中空きの三角形)は、LNA配列特異的リアルタイムPCRアッセイにおいて検出することができなかった。RNA鋳型およびDNA鋳型に対するCt値は、それぞれ、35.0および33.3であった。 図4は、ヒトmiR−15aおよびヒトmiR−16 microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。本発明の方法の配列特異的microRNA標的配列認識を、miR15a microRNA標的(中塗りの四角形)を用いて、miR−15a標的配列と72 %の配列同一性を有するmiR−16標的(中空きの丸)と比較して評価した。鋳型抜きの対照(×印)もリアルタイムPCR反応(黒い垂直線)におけるNTCも、いかなるシグナルも与えることが示されなかった。miR−15a標的に対するLNA−改変miR−15a標的配列特異的タギングプローブのアニーリングのためのハイブリダイゼーション条件が、36.2のCt値をもたらしたのに対し、非常に相同のmiR−16に対する同じタギングプローブの使用は、39.9のCt値(13倍の判別可能な差に相当する)をもたらした。 図5は、2つの異なるLNA改変された二重標識された検出プローブを使用する、ヒトmiR−15a microRNA標的配列のためのリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。2つの異なるLNA−改変リアルタイムPCR検出プローブは、Quick T4 DNA連結キットによって連結された同じLNA改変タギングプローブを使用する、ヒトmiR−15a microRNA標的配列のために設計された。リアルタイムPCRアッセイにおけるLNA改変検出プローブEQ15866(中塗りの四角形)およびEQ15867(中塗りの三角形)の使用は、それぞれ、38.2および32.2のCt値をもたらした。リガーゼ抜きの対照からのシグナルは両方とも、検出されなかった(EQ15866 中空きの四角形;EQ15867 中空きの三角形)。 図6は、標的とmiR−15a タギングプローブとの間の異なるモル比を使用する、ヒトmiR−15a標的配列のためのリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。標的とタギングプローブとの間のモル比が1:1であるもの(中塗りの四角形)が、最も高い終点蛍光シグナル(ΔRn値)をもたらしたのに対し、1:5のモル比のもの(中空きの菱形)は、最も低い終点シグナル(ΔRn値)をもたらした。モル過剰のmiR−15aタギングプローブ(1:5モル比(中塗りの菱形))も、特異的な終点シグナルをもたらしたのに対し、PCR反応におけるNTCからは、蛍光シグナルは検出されなかった。 図7は、miR−15a タギングプローブおよび最良の形態のLNA改変検出プローブを使用する、Torulla酵母全RNAの複合バックグラウンドにスパイクされたヒトmiR−15a標的配列のためのリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。miR−15a microRNAを、2.4μM(中空きの四角形)および1μM(中空きの丸)の濃度で10μgの酵母全RNAにスパイクし、それぞれ、等モルの濃度でmiR−15aタギングプローブとアニーリングさせ、それに続いて、連結および定量リアルタイムPCRによるmiR−15a検出を行った。最も高い蛍光シグナルが、miR−15a標的配列対照(複合酵母全RNAバックグラウンド(中塗りの四角形)を含まない)から観察されたのに対し、蛍光シグナルは、酵母全RNAサンプル(垂直線)からは検出されなかった。NTC(×印)で実証される通り、リアルタイムPCRアッセイのコンタミネーションは観察されなかった。 図8は、ヒトmiR−15a microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。配列特異的LNA改変microRNAタギングプローブは、アニーリングされ、連結され、その後、連結された鋳型は、負の対照(×印)として鋳型を抜く、リアルタイムPCR、アンカーPCRプライマー、およびSYBRグリーン検出を使用して(中塗りの四角形)検出された。この反応の特異性は、リガーゼを含まない反応を使用して試験された(中空きの菱形)。 図9は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図9は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図10は、DNA、LNA、およびRNAヌクレオシドの構造を示す。 図11は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図11は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図11は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図12は、LNA 2,6−ジアミノプリンおよびLNA 2−チオチミジンヌクレオシドの構造を示す。 図13は、3つの異なる対のmiR−15a タギングプローブとのmicroRNAを鋳型にする連結を使用する、ヒトmiR−15a microRNAに対するリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。(I; EQ16311/EQ16452、II; EQ16453/EQ16307、およびIII; EQ16447/EQ16307))。対I:miR−15a鋳型(中塗りの四角形)、鋳型無し(中空きの四角形)、およびT4 DNAリガーゼ無し(開いた菱形)、対II:miR−15a鋳型(中塗りの三角形)、鋳型無し(開いた三角形)、およびT4 DNAリガーゼ無し(点線)、対III:miR−15a鋳型(中塗りの丸)、鋳型無し(開いた丸)、およびT4 DNAリガーゼ無し(黒線)。 図14は、microRNAを鋳型にする連結およびLNA 2,6−ジアミノプリン−増強(enhanced) miR−15a検出プローブによる、ヒトmiR−15a microRNAに対する改良された検出を実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。検出プローブ EQ16580 中塗りの四角形、EQ16581 中塗りの三角形、EQ16582 中塗りの丸、およびEQ16583 ×印、ならびに相当する鋳型無しの対照;EQ16580 中空きの四角形、EQ16581 中空きの三角形、EQ16582 中空きの丸、およびEQ16583 黒線。 図15は、ヒトmiR−15aリアルタイム定量PCRアッセイのための標準曲線である。LNA改変ヒトmiR−15a microRNA タギングプローブEQ16311/EQ16452(対I)を、miR−15aを鋳型にする連結反応に使用した。ただし、ヒトmiR−15a鋳型の濃度は、それぞれ、50、5、0.5、0.05、または0.005nMであった。その後、負の対照として鋳型を抜く、アンカーPCRプライマー、およびmiR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブEQ15866によるリアルタイムPCRを使用して、連結された鋳型を検出した。鋳型コピー数の対数に対してサイクル閾値をプロットすることは、標準の曲線を生成するために使用された。 図16は、miR−15a microRNAを鋳型にするRT−PCR反応、および、異なるLNAで改変されたアンカー付けされたタギングプローブ、LNAで改変された二重標識された検出プローブを使用する、ヒトmir−15a microRNAに対する検出を実証するリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。3つの異なる対のmicroRNA RT−PCR タギングプローブ:対IV:EQ16591/EQ16311、miR−15鋳型(中塗りの四角形)、鋳型無し(黒い標識);対V:EQ16591/EQ16314 miR−15鋳型(中塗りの菱形)、鋳型無し(開いた三角形);および対VI:EQ16589/EQ16314 miR−15鋳型(中塗りの丸)鋳型無し(黒線)が、選択された。中空きの丸は、RT−PCR酵素ミックス無しの対照を表す。 図17は、LNA 2,6−ジアミノプリン−増強(enhanced) miR−15a検出プローブを使用する、microRNAを鋳型にするRT−PCR反応によるヒトmiR−15aの向上された検出を実証するリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。異なる二重標識された検出プローブは、以下の通りに示される:EQ16580(中塗りの三角形)、EQ16581(中塗りの四角形)、EQ16582(中塗りの四角形)検出プローブ、および鋳型無しの負の対照(実線)。 図18は、ヒトmiR−15aリアルタイム定量PCRアッセイに対する標準曲線である。ヒトmiR−15aのためのLNA改変microRNAタギングプローブEQ16624/EQ16620(対VII)を、逆転写プライマー(RTタギングプローブ)および第2鎖タギングプローブとして使用した。miR−15a鋳型濃度を、それぞれ、50、5、0.5、0.05、または0.005nMに変えて、RT−PCR反応を実施した。その後、miR−15aを、アンカーPCRプライマーと、miR−15a microRNAのためのLNAで改変された二重標識された検出プローブ(EQ16582)を使用するリアルタイムPCRを使用して検出した。鋳型コピー数の対数に対してサイクル閾値をプロットすることは、標準の曲線を生成するために使用された。 図19は、様々なアニーリング温度、60℃(中塗りの三角形)、55℃(中塗りの四角形)、および50℃(中塗りの菱形)を使用する、microRNAを鋳型にするRT−PCR反応によるヒトmiR−15aの検出を実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。RT−PCR酵素ミックス無しの対照、および鋳型無しの負の対照については、シグナルは検出されなかった。 図20は、miR−15a microRNAを鋳型にするRT−PCR反応、および、異なるLNAで改変された二重標識された検出プローブを使用する、ヒトmir−15a microRNAに対する検出を実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。異なる二重標識された検出プローブは、以下の通りに示され:miR−15aを鋳型にするリアルタイムPCRおよび検出プローブEQ16582(中塗りの三角形)、スクランブル化されたmiR−16を鋳型にするリアルタイムPCRおよび検出プローブEQ16582(開いた三角形)、miR−15aを鋳型にするリアルタイムPCRおよび検出プローブEQ16679(中塗りの丸)、スクランブル化されたmiR−16を鋳型にするリアルタイムPCRおよび検出プローブEQ16679(開いた丸)、シグナルは、RT−PCR酵素ミックス無しの対照および鋳型無しの負の対照については検出されなかった。 図21は、miR−15a microRNAを鋳型にするRTおよびPCR反応、LNAで改変されたアンカー付けされたタギングプローブ、およびLNAで改変された二重標識された検出プローブを使用する、ヒトmir−15a microRNAに対する検出を実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。サンプルは、以下の通りに示される:miR−15aを鋳型にするリアルタイムPCR(中塗りの三角形)、スクランブル化されたmiR−16を鋳型にするリアルタイムPCR(中塗りの四角形)、Superscript III無しの負の対照(中空きの四角形)、および鋳型無しの負の対照(中空きの三角形)。 図22は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図22は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図22は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図22は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図23は、LNA 2,6−ジアミノプリンで増強された(enhanced)miR−15a検出プローブを使用する、microRNAを鋳型にするRT−PCR反応によるヒトmiR−15aの向上された検出を実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。このグラフは、miR−15a標的配列と72%の配列同一性を有するmiR−16標的(中塗りの三角形)と比較した、miR−15a microRNA標的(開いた丸)を表す。負の対照が、microRNAブロックタギングプローブ無し(開いた三角形)、第2鎖LNAタギングプローブ無し(中塗りの四角形)、およびKlenow Fragment(3’→5’エキソ−)酵素無し(中空きの四角形)であったのに対し、Ct値は、リアルタイムPCR反応における、hsa−miR−15aリバースプライマー2無しの対照(線)またはQiagen OneStep RT−PCR Enzyme mix無しの対照(線)については、検出可能ではなかった。 図24は、ヒトmiR−15aリアルタイム定量PCRアッセイに対する増幅プロットおよび標準曲線(小さいグラフ)である。LNA改変ヒトmiR−15a microRNA タギングプローブEQ1695およびEQ16624(対IX)を、捕捉として3’でブロックされたLNA−改変 タギングプローブを用いるmiR−15aを鋳型にするRT−PCR反応に使用した。ただし、成熟したヒトmiR−15a鋳型は、個々の反応において、それぞれ500、50、5、0.5、または0.05fmolであった。鋳型は、その後、アンカーPCRプライマーと、負の対照として鋳型を抜くmiR−15a microRNAに対する、LNAで改変された二重標識された検出プローブEQ15866によるリアルタイムPCRを使用して検出された。鋳型コピー数の対数に対してサイクル閾値をプロットすることは、標準の曲線を生成するために使用された。 図25は、LNA検出プローブ、1μL cDNA鋳型(中塗りの四角形)、5μL cDNA鋳型(中空きの四角形)、および鋳型無しの負の対照(開いた三角形)を使用する、ヒトU6 snRNAを鋳型にするRT−PCR反応の検出を実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。 図26は、hsa miR−7aを鋳型にするRT−PCRの検出が、十分な量のシグナルおよび18.5のCt値と共にS字形増幅プロット線を生じることを実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。 図27は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図27は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図28は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図28は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図29は、Hsa miR−15a前駆体配列の一部、成熟したHsa miR−15a配列、および配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示を示す。 図30は、Hsa miR−143前駆体配列の一部、成熟したHsa miR−143配列、および配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示を示す。 図31は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示である。 図32は、ヒトmiR 143microRNA標的配列に対するリアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。このアッセイは、図31における概略図に従って、実施例30に記載される通りに実施された。中空きの四角形は、実施例30のステップ2で精製を行う反応に相当し、閉じられた四角形は、実施例30のステップ2で精製を行わない反応に相当する。ベースラインから上昇しない曲線は、「miR無し」の対照に相当する。 図33は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示を示す。 図34は、Hsa miR−143前駆体配列の一部、成熟したHsa miR−143配列、および配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示を示す。 図35は、成熟したmicroRNAへのRNAアダプターの連結、それに続く逆転写、およびクエンチャーQ2と共にLNA改変された検出プローブを使用するリアルタイムPCRを実証する、リアルタイム定量PCR増幅プロットを示す。hsa−let−7a 中空きの四角形、hsa−let−7g 中塗りの四角形、miRNA無し 中空きの三角形、およびPCR鋳型無しの対照 中塗りの三角形。 図36は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示を示す。 図37は、配列特異的リアルタイム定量RT−PCRによるmicroRNAの定量化のための本発明の一方法の模式的な表示を示す。

Claims (51)

  1. 複数のヌクレオシド類似体を含有するオリゴヌクレオチドを使用することを特徴とする、microRNAまたは低分子干渉RNA(siRNA)などの非コードRNAを、単離、精製、増幅、検出、同定、定量化、または捕捉するための方法。
  2. 次のステップ:
    a)オリゴヌクレオチド捕捉プローブと、非コードリボ核酸配列を接触させるステップ、ここで、認識ヌクレオチド配列が、非コードRNAにおける配列と相補的である、
    b)DNAポリメラーゼ酵素と、プライマーとしての標的リボ核酸配列とを使用して、捕捉プローブ中の残りのヌクレオチド配列(アンカーヌクレオチド配列)と相補的な鎖を合成するステップ、
    c)形成された二本鎖を固体支持体上に固定させ、標的サンプルを富化し、それに続いて固体支持体から標的配列を解放させるステップ、
    d)逆転写酵素と、プライマー結合部位としての捕捉プローブにおけるアンカーヌクレオチド配列とを使用する逆転写によって、非コードリボ核酸に対して相補的なDNA鎖を合成するステップ、
    e)DNAポリメラーゼと、プライマーとしての第2のタギングプローブとを使用する第2鎖の合成によって、ヘテロ二本鎖中のリボ核酸配列を置き換えるステップ、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列中の配列と相補的である、
    f)オリゴヌクレオチドタギングプローブに付着されたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブとを使用するリアルタイムPCRによって、得られた核酸を定量化するステップ、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 次のステップ:
    a)標的リボ核酸配列を、オリゴヌクレオチド捕捉プローブと接触させるステップ、ここで、認識ヌクレオチド配列は、標的配列内の配列と相補的である、
    b)DNAポリメラーゼ酵素と、プライマーとしての標的リボ核酸配列とを使用して、捕捉プローブ内のアンカーヌクレオチド配列と相補的な鎖を合成するステップ、
    c)固体支持体上に形成された二本鎖を固定化し、標的サンプルを富化するステップ、
    d)逆転写酵素と、プライマーとしての捕捉プローブとを使用する逆転写により標的リボ核酸と相補的なDNA鎖を合成するステップ、
    e)DNAポリメラーゼと、プライマーとしての第2のタギングプローブとを使用する第2鎖の合成によって、ヘテロ二本鎖中のリボ核酸配列を置き換えるステップ、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列中の配列と相補的である、
    f)DNAポリメラーゼと一対のプライマーとを使用して、標的配列を鋳型にするPCR増幅を実施するステップ、および、
    e)オリゴヌクレオチドタギングプローブに付着されたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブとを使用するリアルタイムPCRによって、このようにして得られた核酸を定量化するステップ、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. a)標的ヌクレオチド配列を、それぞれ、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなる2つのオリゴヌクレオチドタギングプローブと接触させること、ここで、前記認識ヌクレオチド配列は、標的配列と相補的であり、第1のタギングプローブの認識配列が、標的配列の第1の領域とハイブリダイズし、第2のタギングプローブの第2の認識配列は、標的配列の第1の領域に隣接する標的配列の第2の領域とハイブリダイズする、
    b)ハイブリダイズしたタギングプローブの2つの隣接する認識配列を共有結合的に連結によって繋げ、標的ヌクレオチド配列と相補的な配列および2つのアンカーヌクレオチド配列を含む、近接するヌクレオチド配列を形成すること、および、
    c)アンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブを使用するリアルタイムPCRによって、連結されたオリゴヌクレオチド分子を定量化すること、
    によって、核酸サンプル内の標的ヌクレオチド配列を定量化することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. a)標的リボ核酸配列を、オリゴヌクレオチドタギングプローブと接触させること、ここで、認識ヌクレオチド配列は、標的配列内の配列と相補的である、
    b)DNAポリメラーゼ酵素と、プライマーとしての標的リボ核酸配列とを使用して、タギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列と相補的な鎖を合成すること、
    c)逆転写酵素と、プライマー結合部位としてのタギングプローブ内のアンカーヌクレオチド配列とを使用する逆転写により標的リボ核酸と相補的なDNA鎖を合成すること、
    d)DNAポリメラーゼと、プライマーとしての第2のタギングプローブとを使用する第2鎖の合成によって、ヘテロ二本鎖中のリボ核酸配列を置き換えること、ここで、前記第2のタギングプローブは、アンカーヌクレオチド配列および認識ヌクレオチド配列からなり、前記認識ヌクレオチド配列は、逆転写酵素で伸長された核酸配列中の配列と相補的である、
    e)オリゴヌクレオチドタギングプローブに付着されたアンカーヌクレオチド配列に相当するプライマーと、標的認識配列および検出部分を含む標識された検出プローブとを使用するリアルタイムPCRによって、得られた核酸を定量化すること、
    によって、核酸サンプル内の低分子非コードRNA配列を定量化することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. ヌクレオシド類似体がLNAである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. microRNAまたは低分子干渉RNA(siRNA)などの非コードRNAの単離、精製、増幅、検出、同定、定量化、または捕捉のためのキットであって、反応体および1つまたは複数の改変されたオリゴヌクレオチドを含むキット。
  8. 改変されたオリゴヌクレオチドが、複数のオリゴヌクレオシド類似体を含有する、請求項7に記載のキット。
  9. ヌクレオシド類似体がLNAである、請求項8に記載のキット。
  10. 最高でも長さが100ヌクレオチドである、短い長さのRNAの定量測定のための方法であって、
    a)前記の短い長さのRNAを含むサンプルから、1)前記の短い長さのRNAの配列、その相当するDNA配列、または前記の短い長さのRNAの配列と相補的なヌクレオチド配列からなる一本鎖標的配列、および2)5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列からなる鋳型ポリヌクレオチドを調製すること、
    b)逆転写またはヌクレオチド重合において前記鋳型ポリヌクレオチドを使用して、cDNAの鎖を得ること、および
    c)鋳型として前記cDNAと所望により鋳型ポリヌクレオチドを含む定量リアルタイムPCR(qPCR)を実施すること
    を含む方法。
  11. ステップcにおいてqPCRのために使用されるプライマーが、
    −少なくとも2つのオリゴヌクレオチド、ここで、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、5’または3’隣接ヌクレオチド配列中の配列に相当する、あるいはこの配列と相補的である、
    −少なくとも2つのオリゴヌクレオチド、ここで、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、一本鎖標的配列の部分と、隣接する5’または3’ヌクレオチド配列の部分とによって構成される、鋳型ポリヌクレオチド中の近接する配列に相当する、あるいは、この配列と相補的である、
    −少なくとも2つのオリゴヌクレオチド、ここで、1つは、一本鎖標的配列内の第1のヌクレオチド配列に相当し、もう1つは、一本鎖標的配列内の第2のヌクレオチド配列と相補的である、
    から選択され、qPCRのために使用される前記プライマーが、それぞれ独立に、検出可能な標識を含みうる、請求項10に記載の方法。
  12. ステップ(b)における反応が、一本鎖標的配列に相当するあるいはこの配列に相補的である、あるいは、一本鎖標的配列の部分と、隣接する5’または3’ヌクレオチド配列の部分とによって構成される、鋳型ポリヌクレオチド内の近接する配列に相当するあるいはこの配列に相補的である、逆転写プライマーまたはDNA重合プライマーを利用する、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記逆転写プライマーまたはヌクレオチド重合プライマーが、少なくとも1つの短い長さのRNAに対して特異的である、請求項12に記載の方法。
  14. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、同一のヌクレオチドからなるポリヌクレオチドである、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 一本鎖標的配列と、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列とが、共有結合的に結合される、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 一本鎖標的配列と、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列とが、非共有結合的に結合される、請求項10〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、検出可能な標識を含む、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、酵素反応によって一本鎖標的配列に結合される、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、非酵素的な反応によって一本鎖標的配列に結合される、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、サンプルRNAが得られる生物中に天然には存在しない、請求項10〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、非哺乳類のものである、請求項10〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. ステップ(a)が、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列の、短い長さのRNAへの連結による鋳型ポリヌクレオチドの調製を含む、あるいはステップ(a)が、5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列を、ターミナルトランスフェラーゼ反応において、好ましくはポリ−Aトランスフェラーゼ反応において、短い長さのRNAに連結することによる鋳型ポリヌクレオチドの調製を含む、請求項10〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 連結が、オーバーハングライゲーションおよび平滑末端ライゲーションから選択され、好ましくはオーバーハングライゲーションである、請求項22に記載の方法。
  24. 小さいRNA分子のリガーゼ反応性の末端に直接隣接する5’または3’隣接ヌクレオチド配列のリガーゼ反応性の末端が、オーバーハングライゲーションを可能にするように配置されるように、5’または3’隣接ヌクレオチド配列のリガーゼ反応性の末端と部分的に相補的であり、短い長さのRNA分子のリガーゼ反応性の末端と部分的に相補的であるオリゴヌクレオチドの、短い長さのRNAへのアニーリングを含む、請求項23に記載の方法。
  25. サンプル中のすべてのRNAが、連結またはターミナルトランスフェラーゼ反応にかけられる、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 連結またはターミナルトランスフェラーゼ反応が、標的配列の3’末端のみで実施される、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 標的配列の5’末端への連結が、連結反応の前に、標的配列の5’末端をリン酸化することによって実施される、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 連結の前に、5’隣接ヌクレオチド配列が、その5’末端でブロックされ、3’隣接ヌクレオチド配列が、その3’末端でブロックされる、請求項22〜27のいずれか一項の方法。
  29. 5’および/または3’隣接ヌクレオチド配列が、規定されたプロセッシング状態の、ステップ(a)における前記短い長さのRNAと優先的または独占的に結合される、請求項10〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記RNAの規定されたプロセッシング状態が、成熟した状態である、請求項29に記載の方法。
  31. ステップ(b)が、cDNAを得るための鋳型ポリヌクレオチドの逆転写を含む、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. ステップ(a)が、隣接するヌクレオチド配列を付着するためのヌクレオチド重合のステップを含む、請求項10〜18のいずれか一項に記載の方法。
  33. 重合が、鋳型に依存しないポリメラーゼおよび鋳型に依存するポリメラーゼからなる群から選択されるポリメラーゼによって達成される、請求項32に記載の方法。
  34. ポリメラーゼがDNAポリメラーゼである、請求項33に記載の方法。
  35. 重合が、標的配列の3’末端へのポリ−A、ポリ−G、ポリ−T、またはポリ−Cテールの付加にある、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. ステップ(a)が、以下のステップ
    −その5’末端が短い長さのRNAの3’末端と相補的であるオリゴヌクレオチド捕捉プローブに、短い長さのRNAの3’末端をアニーリングするステップと、
    −鋳型ポリヌクレオチドを構成する伸長された短い長さのRNA分子を得るために、鋳型としてオリゴヌクレオチド捕捉プローブを使用するヌクレオチド重合によって、短い長さのRNAを伸長するステップと、
    による鋳型ポリヌクレオチドの調製を含む、請求項32〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. ヌクレオチド重合が、鋳型ポリヌクレオチドを構成するRNA−DNAハイブリッドを得るためにDNA重合を含む、請求項36に記載の方法。
  38. ステップ(b)が、(I)所望により、オリゴヌクレオチド捕捉プローブにアニーリングしていない材料の除去の後、cDNAを得るために、RNA−DNAハイブリッド鎖を逆転写させることを含む、請求項36または37に記載の方法。
  39. 逆転写におけるプライマーが、オリゴヌクレオチド捕捉プローブまたは別の逆転写プライマーである、請求項38に記載の方法。
  40. ステップ(a)が、
    −その3’末端が短い長さのRNAの5’と相補的でありその5’末端が5’隣接ヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチド捕捉プローブに、短い長さのRNAの5’末端をアニーリングするステップと、
    −鋳型ポリヌクレオチドを構成する伸長された捕捉プローブを得るために、鋳型として短い長さのRNAを使用する逆転写によって捕捉プローブを伸長するステップと、
    による鋳型ポリヌクレオチドの調製を含む、請求項32〜35のいずれか一項に記載の方法。
  41. ステップ(b)が、短い長さのRNAが、伸長された捕捉プローブから除去され、捕捉プローブが、3’隣接ヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を含むヘルパーオリゴヌクレオチドに、その3’末端でアニーリング可能にされ、捕捉プローブが、cDNAを得るために、鋳型としてヘルパーオリゴヌクレオチドを使用するDNA重合によって、5’→3’方向にさらに伸長されることを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 捕捉オリゴヌクレオチドが、固体支持体上への固定化を可能にする部分を含有する、請求項36〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 非アニーリング材料の除去を可能にするために、捕捉プローブが、アニーリングの後に固定される、請求項42に記載の方法。
  44. ステップ(a)におけるサンプルが、短い長さのRNAについて富化される、請求項10〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. ステップ(c)が、改変されたヌクレオチドを含む検出プローブの使用を含む、請求項10〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 改変されたヌクレオチドが、LNAヌクレオチドである、請求項45に記載の方法。
  47. 検出プローブが、短い長さのRNA内の配列に相当する、あるいはこの配列に相補的である、請求項45または46に記載の方法。
  48. 逆転写あるいはDNA重合に使用されるプライマーが、改変されたヌクレオチドを含む、請求項10〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 改変されたヌクレオチドが、LNAヌクレオチドである、請求項48に記載の方法。
  50. ステップ(c)におけるqPCRで使用される少なくとも1つのプライマーが、ステップ(b)の逆転写またはヌクレオチド重合で使用されるプライマーによって構成される、請求項10〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 最高でも100ヌクレオチドの長さである、短い長さのRNAの定量測定に有用なキットであって、
    −請求項10から50のいずれか一項に記載の方法において使用される、最小数の逆転写プライマー、および/またはヌクレオチド重合プライマー、および/またはqPCRのためのプライマー、および/またはオリゴヌクレオチド捕捉プローブ、および/またはヘルパーオリゴヌクレオチド、および/またはオリゴヌクレオチドプローブ、ここで、逆転写プライマー、ヌクレオチド重合プライマー、qPCRのためのプライマー、オリゴヌクレオチド捕捉プローブ、ヘルパーオリゴヌクレオチド、およびオリゴヌクレオチドプローブは、請求項11〜50のいずれか一項で定義した通りである、ならびに
    −逆転写プライマー、および/またはヌクレオチド重合プライマー、および/またはqPCRのためのプライマー、および/またはオリゴヌクレオチド捕捉プローブ、および/またはヘルパーオリゴヌクレオチド、および/またはオリゴヌクレオチドプローブを使用する、短い長さのRNAの定量測定のための指示書
    を含むキット。
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