JP2007528719A5 - - Google Patents

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Description

IL-28およびIL-29の均一な調製物
発明の背景
サイトカインは、造血および免疫系の調節において重要な役割を有し、リンパ球の発達に影響を及ぼしうる。ヒトクラスIIサイトカインファミリーには、インターフェロン-α(IFN-α)サブタイプ、インターフェロン-β(IFN-β)、インターフェロン-γ(IFN-γ)、IL-10、IL-19(米国特許第5,985,614号)、MDA-7(Jiangら、Oncogene 11, 2477〜2486, (1995))、IL-20(Jiangら、Oncogene 11, 2477〜2486, (1995))、IL-22(Xieら、J. Biol. Chem. 275, 31335〜31339, (2000))、およびAK-155(Knappeら、J. Virol. 74, 3881〜3887, (2000))。ほとんどのサイトカインはクラスIまたはクラスIIサイトカイン受容体のいずれかに結合し、これらを通してシグナルを伝達する。ヒトクラスIIサイトカイン受容体ファミリーのメンバーには、インターフェロン-αR1(IFN-αR1)、インターフェロン-γ-R2(IFN-γ-R2)、インターフェロン-γ-R1(IFN-γ-R1)、 インターフェロン-γ-R2(IFN-γ-R2)、IL-10R(Liuら、J. Immunol. 152, 1821〜1829, (1994))、CRF2-4(Lutfallaら、Genomics 16, 366〜373, (1993))、IL-20Rβ(Blumbergら、Cell 104, 9〜19(2001))(zcytor7としても知られる(米国特許第5,945,511号))、およびCRF2-8(Kotenkoら、Oncogene 19, 2557〜2565, (2000))、IL-20Rβ(Blumbergら、同書(2001))(DIRS1としても知られる(PCT国際公開公報第99/46379号))、IL-22RA1(IL-22受容体-α1、承認のためにHUGOに提出)(IL-22Rとしても知られる(Xieら、J. Biol. Chem. 275, 31335〜31339, (2000)))、zcytor11(米国特許第5,965,704号)、およびCRF2-9(Kotenkoら、Oncogene 19, 2557〜2565, (2000))、ならびに組織因子が含まれる。
クラスIIサイトカイン受容体は典型的に、二つの異なる受容体鎖、すなわちαおよびβサブユニット(Stahlら、Cell 74, 587〜590, (1993))からなるヘテロ二量体である。一般的にαサブユニットは主要なサイトカイン結合タンパク質であり、βサブユニットは、高親和性結合部位の形成と共にシグナル伝達にとって必要である。例外はIL-20受容体であり、この場合双方のサブユニットがIL-20結合に必要である(Blumbergら、同書(2001))。
クラスIIサイトカイン受容体は、受容体の細胞外ドメインにおいてアミノ酸約200個(D200)の保存されたサイトカイン結合ドメインによって同定される。このサイトカイン結合ドメインは、それぞれがアミノ酸約100個の二つのIII型フィブロネクチン(FnIII)ドメインを含む(Bazan J.F. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 6934〜6938, (1990);Thoreauら、FEBS Lett. 282, 16〜31, (1991))。それぞれのFnIIIドメインは、保存されたCys、Pro、およびTrp残基を含み、これらは免疫グロブリンの定常ドメインと類似のβ鎖7個の特徴的なフォールディングパターンを決定する(Uzeら、J. Interferon Cytokine Res. 15, 3〜26, (1995))。クラスIIサイトカイン受容体ファミリーの保存された構造エレメントによって、一次アミノ酸配列相同性に基づいてこのファミリーの新規メンバーを同定することができる。
インターロイキンは炎症を含む免疫学的反応を媒介するサイトカインファミリーである。免疫応答の中心はT細胞であり、この細胞は多くのサイトカインを産生して抗原に対して適応免疫を生じる。T細胞によって産生されるサイトカインは、1型および2型として分類されている(Kelso, A. Immun. Cell Biol. 76:300〜317, 1998)。1型サイトカインには、IL-2、インターフェロン-γ(IFN-γ)、LT-αが含まれ、これらは炎症反応、ウイルス免疫、細胞内寄生虫免疫および同種異系移植片拒絶に関係している。2型サイトカインには、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10およびIL-13が含まれ、これらは液性反応、ぜん虫免疫、およびアレルギー反応に関係している。1型および2型で共通のサイトカインには、IL-3、GM-CSF、およびTNF-αが含まれる。1型および2型を産生するT細胞集団は、異なるタイプの炎症組織に選択的に遊走することを示唆する証拠がいくつかある。
治療的見地から特に重要なのはインターフェロンである(インターフェロンに関する論評は、De Maeyer and De Maeyer-Guignard, 「Interferons」、in「The Cytokine Handbook」、第3版、Thompson(編)、491〜516頁(Academic Press Ltd. 1988)、およびWalsh, 「Biopharmaceuticals:Biochemistry and Biotechnology」、158〜188頁(John Wiley & Sons 1998)によって提供される)。インターフェロンは、多様な生物活性を示し、特定の自己免疫疾患、特定の癌の治療、およびウイルス、細菌、真菌、および原虫を含む感染物質に対する免疫応答の増強にとって有用である。今日まで、6個の型のインターフェロンが同定されており、これは二つの主要な群に分類されている。いわゆる「I型」IFNsには、IFN-α、IFN-β、IFN-ω、IFN-δおよびインターフェロン-τが含まれる。現在、IFN-γおよび一つのサブクラスのIFN-αが唯一のII型IFNsである。
同じ祖先遺伝子に由来すると考えられているI型IFNsは、同じ細胞表面受容体によって作用するために十分に類似の構造を保持している。ヒトIFN-α/β受容体のα-鎖は、クラスIIサイトカイン受容体の特徴を有する細胞外N-末端ドメインを含む。IFN-γは、I型IFNまたはII型IFN-αサブタイプと有意な相同性を示さないが、多数の生物活性をI型IFNと共有する。
臨床医は、広範囲の疾患を治療するためにタンパク質を用いることによって、インターフェロンの多数の活性を利用している。例えば、一つの型のIFN-αは、ヘアリーセル白血病、腎細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、AIDS-関連カポジ肉腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、咽頭乳頭腫症、菌状息肉腫、尖圭コンジローマ、慢性B型肝炎、C型肝炎、慢性D型肝炎、慢性非A非B/C型肝炎のような病態の治療に関して、50を超える国において使用が承認されている。米国食品医薬品局は、神経系の慢性疾患である多発性硬化症を治療するためにIFN-βの使用を承認した。IFN-γは、慢性肉芽腫性疾患を治療するために用いられているが、この場合、インターフェロンは患者の免疫応答を増強して、感染性の細菌、真菌、および原虫病原体を破壊する。IFN-γがAIDS、リーシュマニア症、およびらい腫らいの治療において有用である可能性があることは、臨床試験によっても示されている。
IL-28A、IL-28B、およびIL-29は、I型インターフェロンと配列相同性を有し、IL-10とゲノム相同性を有する、最近発見された新規ファミリータンパク質を含む。この新規ファミリーは、いずれも参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人によるPCT出願国際公開公報第02/086087号およびSheppardら、Nature Immunol. 4:63〜68, 2003に十分に記述されている。機能的に、IL-28およびIL-29は、細胞における抗ウイルス状態の誘導能においてI型INFsに類似するが、I型IFNとは異なり、それらは特定のB細胞系列に対して抗増殖活性を示さない。
IL-28およびIL-29は、奇数個のシステインを有することが知られている(PCT出願国際公開公報第02/086087号およびSheppardら、上記)。組換え型IL-28およびIL-29は、多数のコンフォメーションでの分子内ジスルフィド結合からなるタンパク質の異種混合物となりうる。これらの型を分離することは、難しく労力がかかる。したがって、発現時に単一の分子内ジスルフィド結合パターンを有するIL-28およびIL-29分子、ならびに均一性を維持するためにこれらの調製物を再生および精製する方法を提供することが望ましい。このように、本発明は、IL-28およびIL-29の均一な調製物を産生する組成物および方法を提供する。
発明の詳細な説明
定義
以下の定義において、多くの用語は広範囲に用いられる。本発明の理解を容易にするために、以下の定義を提供する。
特に明記していなければ、「一つ」、「一つ(an)」、「その」、および「少なくとも一つ」は互換的に用いられ、一つまたは一つより多いことを意味する。
用語「親和性タグ」は、第二ポリペプチドに付着して、第二ポリペプチドの精製もしくは検出を提供しうる、または第二ポリペプチドの基質への付着のための部位を提供しうる、ポリペプチドセグメントを意味するように本明細書に用いられる。主として、抗体もしくは他の特異的結合剤が利用可能である任意のペプチドまたはタンパク質が、親和性タグとして用いられうる。親和性タグは、ポリヒスチジン域、プロテインA(Nilsson et al., EMBO J. 4:1075, 1985; Nilsson et al., Methods Enzymol. 198:3, 1991)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(Smith and Johnson, Gene 67:31, 1988)、Glu-Glu親和性タグ(Grussenmeyer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7952-4, 1985)、サブスタンスP、Flag(商標)ペプチド(Hopp et al., Biotechnology 6:1204-10, 1988)、ストレプトアビジン結合ペプチド、または他の抗原性エピトープもしくは結合ドメインを含む。一般的に、Ford et al., Protein Expression and Purification 2:95-107, 1991を参照されたい。DNAコード親和性タグは、商業的供給業者(例えば、Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)から入手できる。
用語「対立遺伝子変異体」は、同じ染色体座を占める遺伝子の2個またはそれ以上の選択的な形のいずれかを意味するように本明細書で用いられる。対立遺伝子の変化は、突然変異を通して自然に生じ、結果として、個体群内に表現型多型を生じうる。遺伝子突然変異は、サイレント(コードされたポリペプチドにおいて変化無し)でありうる、または変化したアミノ酸配列をもつポリペプチドをコードしうる。対立遺伝子変異体という用語はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を意味するように本明細書で用いられる。
用語「アミノ末端」および「カルボキシル末端」は、ポリペプチド内の位置を意味するように本明細書で用いられる。その文脈が許すところにおいて、これらの用語は、近接または相対的位置を意味するように、ポリペプチドの特定の配列または部分に関して用いられる。例えば、ポリペプチド内の参照配列のカルボキシル末端に位置づけられた特定の配列は、参照配列のカルボキシル末端に近接して位置しているが、必ずしも、完全なポリペプチドのカルボキシル末端にあるとは限らない。
用語「補体/抗補体対」は、適切な条件下で非共通結合性に会合した、安定な対を形成する非同一性部分を意味する。例えば、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)は、補体/抗補体対の原型的メンバーである。他の例示的な補体/抗補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(またはハプテンまたはエピトープ)対、センス/アンチセンスポリヌクレオチド対などを含む。補体/抗補体対のその後の解離が望ましい場合、補体/抗補体対は、好ましくは、<109 M-1の結合親和力をもつ。
用語「縮重ヌクレオチド配列」は、1個または複数の縮重コドンを含むヌクレオチドの配列(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子と比較して)を意味する。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なるトリプレットを含むが、同じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAUおよびGACトリプレットはそれぞれ、Aspをコードする。
用語「発現ベクター」は、転写を供給する付加のセグメントに実施可能に連結された、対象となるポリペプチドをコードするセグメントを含む、線状または環状の、DNA分子を意味するように用いられる。そのような付加のセグメントは、プロモーターおよびターミネーター配列を含み、1つまたは複数の複製起点、1つまたは複数の選択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナルなどを含む場合もある。発現ベクターは、一般的に、プラスミドもしくはウイルスDNA由来である、または両方のエレメントを含みうる。
ポリヌクレオチドに適用される場合、用語「単離された」は、ポリヌクレオチドがそれの天然の遺伝的環境から取り出されており、従って、他の無関係のまたは不必要なコード配列を含まず、かつ遺伝子操作されたタンパク質産生系内での使用に適した形をとっていることを意味する。そのような単離された分子は、それらの天然の環境から分離され、cDNAおよびゲノムクローンを含むものである。本発明の単離されたDNA分子は、それらが普通は結合している他の遺伝子を含まないが、プロモーターおよびターミネーターのような、天然に存在する5'および3'の非翻訳領域を含みうる。関連した領域の同定は、当業者には明らかであると思われる(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316:774-78, 1985を参照)。
「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、血液および動物組織と離れているような、それの本来の環境以外の状況において見出されるポリペプチドまたはタンパク質である。好ましい形において、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチド、を実質的に含まない。高度に精製された形、すなわち、95%より大きい純粋、より好ましくは99%より大きい純粋、においてポリペプチドを供給することが好ましい。このような関係において用いられる場合、用語「単離された」は、二量体または選択的にグリコシル化もしくは誘導化された形のような、選択的な物理的形における同じポリペプチドの存在を排除しない。
NK細胞、T細胞、特に細胞障害性T細胞、B細胞などのような免疫細胞に言及する場合の用語「レベル」、レベルの増加は、細胞数の増加または細胞機能活性の増強のいずれかである。
ウイルス感染に言及する場合、用語「レベル」は、ウイルス感染のレベルにおける変化を指し、限定されるものではないが、CTLもしくはNK細胞のレベルにおける変化、ウイルス量の減少、抗ウイルス抗体力価の増加、アラニンアミノトランスフェラーゼの血清学的レベルの減少、または標的組織もしくは器官の組織学的検査により測定される改善を含む。これらのレベルにおける変化が有意な差または変化であるかどうかの決定は、十分、当業者の技術の範囲内である。
DNAセグメントに言及する場合、用語「実施可能に連結された」は、セグメントがそれらの意図された目的のために協力して機能するように配置されることを示す、例えば、転写は、プロモーターで開始し、コードセグメントを通ってターミネーターまで進行する。
用語「オルソログ」は、異なる種由来のポリペプチドもしくはタンパク質の機能的対応物である、ある種から得られたポリペプチドまたはタンパク質を意味する。オルソログ間の配列差は、種分化の結果である。
「パラログ」は、生物体により生成された別個であるが構造的に関連したタンパク質である。パラログは、遺伝子重複により生じると考えられている。例えば、α-グロビン、β-グロビン、およびミオグロビンは、お互いのパラログである。
「ポリヌクレオチド」は、5'末端から3'末端まで読まれるデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーである。ポリヌクレオチドは、RNAおよびDNAを含み、天然源から単離されうる、インビトロで合成されうる、または天然および合成の分子の組み合わせから調製されうる。ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(省略された「bp」)、ヌクレオチド(「nt」)またはキロベース(「kb」)として表される。文脈が許すところにおいて、後者の2つの用語は、一本鎖または二本鎖であるポリヌクレオチドを記載しうる。その用語が二本鎖分子に適用される場合、それは、全長を意味するように用いられ、用語「塩基対」と同意義であるように理解されるものと思われる。二本鎖ポリヌクレオチドの2つの鎖は長さがわずかに異なる可能性があること、およびそれらの末端は酵素的切断の結果としてずれる可能性があること;その結果、二本鎖ポリヌクレオチド分子内のヌクレオチドのすべてが対にされるとは限らない、ことは、当業者により認識されているものと思われる。
「ポリペプチド」は、自然に産生されようと合成で作製されようと、ペプチド結合により連結されたアミノ酸残基のポリマーである。約10個未満のアミノ酸残基のポリペプチドは、一般に、「ペプチド」と呼ばれる。
用語「プロモーター」は、それの技術分野に認識されている意味として、RNAポリメラーゼの結合および転写の開始を与えるDNA配列を含む遺伝子の一部を意味するように本明細書で用いられる。プロモーター配列は、一般に、しかし必ずということではないが、遺伝子の5'非コード領域に見出される。
「タンパク質」は、1つまたは複数のポリペプチド鎖を含む高分子である。タンパク質はまた、糖群のような非ペプチド性成分を含みうる。糖および他の非ペプチド性置換基は、タンパク質が産生される細胞によりタンパク質に付加されうり、細胞の型によって異なる。タンパク質は、それらのアミノ酸バックボーン構造によって本明細書で定義される;糖群のような置換基は、一般的に明記されないが、それでもなお、存在している場合がある。
用語「受容体」は、生物活性分子(すなわち、リガンド)に結合し、リガンドの細胞への効果を仲介する、細胞結合型タンパク質を意味する。膜結合型受容体は、細胞外リガンド結合ドメイン、および典型的にはシグナル伝達に関与する細胞内エフェクタードメインを含む多ペプチド構造を特徴とする。リガンドの受容体への結合は、結果として、細胞においてエフェクタードメインと他の分子の間の相互作用を引き起こす受容体における高次構造的変化を生じる。この相互作用は、次に、細胞の代謝における変化へ導く。受容体-リガンド相互作用に結びつけられる代謝事象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、環状AMP産生における増加、細胞性カルシウムの動員、膜脂質の動員、細胞接着、イノシトール脂質の加水分解およびリン脂質の加水分解を含む。一般的に、受容体は、膜結合型の、サイトゾルまたは核の;単量体(例えば、甲状腺刺激ホルモン受容体、ベータ-アドレナリン受容体)または多量体(例えば、PDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL-3受容体、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、エリスロポエチン受容体およびIL-6受容体)でありうる。
用語「分泌シグナル配列」は、より大きいポリペプチドの構成要素として、それが合成されている細胞の分泌経路を通って、より大きいポリペプチドを方向づけるポリペプチド(「分泌ペプチド」)をコードするDNA配列を意味する。より大きいポリペプチドは、一般に、切断されて、分泌経路を通過中に分泌ペプチドを除去する。
用語「スプライス変異体」は、遺伝子から転写されたRNAの選択的な型を意味するように本明細書で用いられる。スプライス変異は、転写されたRNA分子内で、または一般的ではないが、別々に転写されたRNA分子間で、選択的スプライシング部位の使用により自然に生じ、結果として、同じ遺伝子から転写されたいくつかのmRNAを生じうる。スプライス変異体は、変化したアミノ酸配列をもつポリペプチドをコードしうる。スプライス変異体という用語はまた、遺伝子から転写されたmRNAのスプライス変異体によりコードされるタンパク質を意味するように本明細書で用いられる。
不正確な分析方法(例えば、ゲル電気泳動法)により測定されたポリマーの分子量および長さは、近似値であることを理解されているものと思われる。そのような値が「約」Xまたは「およそ」Xとして表現される場合、Xの表示値は、±10%として正確であることを理解されるだろう。
「zcyto20」、「zcyto21」、「zcyto22」はそれぞれ、ヒトIL-28A、ヒトIL-29、およびヒトIL-28Bに関するこれまでの名称である。IL-28Aのヌクレオチドおよびアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:1および配列番号:2に示す。IL-29のヌクレオチドおよびアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:3および配列番号:4に示す。IL-28Bのヌクレオチドおよびアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:5および配列番号:6に示す。これらの配列は、参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人のZymoGenetics, Inc.によるPCT出願国際公開公報第02/086087号において十分に記述されている。
「zcyto24」および「zcyto25」は、マウスIL-28に関するこれまでの名称であり、それぞれ、配列番号:7、8、9、10に示される。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人のZymoGenetics, Inc.によるPCT出願国際公開公報第02/086087号において十分に記述されている。
「zcytor19」は、IL-28受容体α-サブユニットのこれまでの名称であり、配列番号:11に示される。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、Scherin, Inc.を代理とするPCT出願国際公開公報第02/20569号、および参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人のZymoGenetics, Inc.によるPCT出願国際公開公報第02/44209号において十分に記述されている。「IL-28受容体」はヘテロ二量体受容体を形成するIL-28受容体α-サブユニットおよびCRF2-4サブユニットを表す。
本発明は、均一な調製物である組換え型IL-28またはIL-29調製物の発現が得られるIL-28およびIL-29のシステイン変異体をコードするDNAおよびRNA分子を含むポリヌクレオチド分子を提供する。本発明の目的に関して、IL-28およびIL-29の均一な調製物は、精製ポリペプチドにおける単一の分子内ジスルフィド結合パターンの少なくとも98%を含む調製物である。他の態様において、精製ポリペプチドの調製物における単一のジスルフィドコンフォメーションは、99%均一である。一般的に、これらのシステイン変異体は、本明細書において記述されるように、野生型IL-28またはIL-29のいくつかの生物活性を維持するであろう。例えば、本発明の分子は、何らかの特異性によってIL-28受容体に結合することができる。一般的に、その同源の受容体に対するリガンドの結合は、KDが100 nM〜100 pMの範囲内に入る場合に特異的である。KD 100 mM〜10 nMの範囲での特異的結合は低親和性結合である。KD 2.5 pM〜100 pMの範囲の特異的結合は高親和性結合である。もう一つの例において、IL-28またはIL-29システイン変異体の生物活性は、分子が野生型IL-28またはIL-29に関連した抗ウイルス活性の何らかのレベルをできる場合に存在する。抗ウイルス活性レベルの決定は本明細書において詳細に記述する。
IL-28に関して言及する場合、この用語はIL-28AとIL-28Bの双方を意味するであろう。これまで、IL-28Aはzcyto20(配列番号:1および2)と呼ばれており、IL-29はzcyto21(配列番号:3および4)、およびIL-28Bはzcyto22(配列番号:5および6)と呼ばれていた(PCT出願国際公開公報第02/086087号およびSheppardら、上記を参照されたい)。IL-28のマウスオルトログは、これまでzcyto24(配列番号:7および8)、zcyto25(配列番号:9および10)と呼ばれていた。
野生型IL-28A遺伝子は、配列番号:2に示すように、アミノ酸200個のポリペプチドをコードする。IL-28Aのシグナル配列は、配列番号:2のアミノ酸残基-25位(Met)からアミノ酸残基-1位(Ala)までを含むと予測されうる。IL-28Aの成熟ペプチドは、配列番号:2のアミノ酸残基1位(Val)で始まる。IL-28Aヘリックスは以下のように予測される:配列番号:2に示すように、ヘリックスAはアミノ酸残基31(Ala)〜45(Leu);ヘリックスBはアミノ酸残基58(Thr)〜65(Gln);ヘリックスCはアミノ酸残基69(Arg)〜86(Ala);ヘリックスDはアミノ酸残基95(Val)〜114(Ala);ヘリックスEはアミノ酸残基126(Thr)〜142(Lys);およびヘリックスFはアミノ酸残基148(Cys)〜169(Ala)によって定義される。
野生型IL-29遺伝子は、配列番号:4に示すように、アミノ酸200個のポリペプチドをコードする。IL-29のシグナル配列は、配列番号:4、配列番号:119、または配列番号:121のアミノ酸残基-19位(Met)からアミノ酸残基-1位(Ala)を含むと予測されうる。IL-29の成熟ペプチドは、配列番号:4のアミノ酸残基1位(Gly)で始まる。IL-29はPCT出願国際公開公報第02/02627号に記述されている。IL-29ヘリックスは以下のように予測される:配列番号:4に示すように、ヘリックスAはアミノ酸残基30(Ser)〜44(Leu);ヘリックスBはアミノ酸残基57(Asn)〜65(Val);ヘリックスCはアミノ酸残基70(Val)〜85(Ala);ヘリックスDはアミノ酸残基92(Glu)〜111(Gln);ヘリックスEはアミノ酸残基118(Thr)〜139(Lys);およびヘリックスFはアミノ酸残基144(Gly)〜170(Leu)によって定義される。
野生型IL-28B遺伝子は、配列番号:6に示すように、アミノ酸200個のポリペプチドをコードする。IL-28Bのシグナル配列は、配列番号:6のアミノ酸残基-21位(Met)からアミノ酸残基-1位(Ala)を含むと予測されうる。IL-28Bの成熟ペプチドは配列番号:6のアミノ酸残基1(Val)で始まる。IL-28Bヘリックスは以下のように予測される:配列番号:6に示すように、ヘリックスAはアミノ酸残基31(Ala)〜45(Leu);ヘリックスBはアミノ酸残基58(Thr)〜65(Gln);ヘリックスCはアミノ酸残基69(Arg)〜86(Ala);ヘリックスDはアミノ酸残基95(Gly)〜114(Ala);ヘリックスEはアミノ酸残基126(Thr)〜142(Lys);およびヘリックスFはアミノ酸残基148(Cys)〜169(Ala)によって定義される。
本発明は、配列番号:1、2、3、4、5、および6に示すIL-28およびIL-29野生型配列における変異を提供し、それによってIL-28またはIL-29分子の単一の型の発現が起こる。型の不均一性は多数の分子内ジスルフィド結合パターンの結果であると考えられていることから、本発明の特定の態様には、野生型IL-28およびIL-29配列内でのシステイン残基に対する変異が含まれる。IL-28およびIL-29を大腸菌において発現させる場合、N-末端またはアミノ末端メチオニンが存在する。例えば配列番号:12〜17は、N-末端Metが存在する場合のIL-28A、IL-29、およびIL-28Bのヌクレオチドおよびアミノ酸残基の番号付けを示す。表1は、野生型IL-28A、IL-28BおよびIL-29の分子内ジスルフィド結合したシステイン対の起こりうる組み合わせを示す。
(表1)
Figure 2007528719
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド分子は、野生型IL-28A、IL-29、またはIL-28B分子に存在するシステインの一つまたは複数で変異を有するが、なおも本明細書に記述するように何らかの生物活性を保持する。表2は、例としてのシステイン変異体、特にシステイン(C)からセリン(S)への点突然変異を示す。
(表2)
Figure 2007528719
全てのファミリーメンバーは、同じクラスIIサイトカイン受容体であるIL-28Rに結合することが示されている。IL-28α-サブユニットはこれまでzcytor19受容体と呼ばれていた。理論に拘束されたくはないが、これらの分子は全て、同じ経路によってIL-28R受容体を通してシグナルを伝達するように思われる。IL-28受容体は、参照により本明細書に組み入れられる、同一出願人によるPCT出願国際公開公報第02/44209号;Sheppardら、上記;Kotenkoら、Nature Immunol. 4:69〜77、2003;およびPCT国際公開公報第03/040345号に記述されている。IL-28Rは、その細胞外ドメインに一つまたは複数のサイトカイン受容体分子(CRM)が存在することを特徴とするクラスIIサイトカイン受容体メンバーである。他のクラスIIサイトカイン受容体には、zcytor11(同一出願人による米国特許第5,965,704号)、CRF2-4(Genbankアクセッション番号Z17227)、IL-10R(Genbankアクセッション番号U00672およびNM_001558)、DIRS1、zcytor7(同一出願人による米国特許第5,945,511号)、および組織因子が含まれる。インターフェロン-α/β受容体α鎖を除く既知の全てのクラスII受容体と同様に、IL-28受容体はその細胞外ドメインに唯一のクラスII CRMを有する。
四つのヘリックスが束となったサイトカインはまた、その成分のヘリックスの長さによって分類される。「長いヘリックス」型サイトカインは、一般的に24〜30残基のヘリックスからなり、これにはIL-6、毛様体神経栄養因子(CNTF)、白血病阻害因子(LIF)、およびヒト成長ホルモン(hGH)が含まれる。「短いヘリックス」型サイトカインは一般的に、18〜21残基のヘリックスからなり、これにはIL-2、IL-4、およびGM-CSFが含まれる。CNTFおよびIL-6を用いる試験から、CNTFヘリックスをIL-6において同等のヘリックスと交換すると、キメラにCTNF結合特性を付与することが証明された。このように、四つのヘリックスサイトカインの機能的ドメインは、配列同一性とは無関係に構造的相同性に基づいて決定され、キメラにおいて機能的統合性を維持できるように思われる(Kallenら、J. Biol. Chem. 274:11859〜11867, 1999)。したがって、システイン変異体IL-28およびIL-29ポリペプチドは、受容体結合特異性を決定および調節するために、特に他のインターフェロンとのキメラ融合分子を調製するために有用となるであろう。特に重要なのは、IFN-α、IL-10、ヒト成長ホルモンのような、インターフェロンおよびサイトカインのヘリックスおよびループドメインを組み合わせた融合タンパク質である。
本発明は、例えばシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含むポリヌクレオチドを提供する。例えば、本発明は、本明細書に開示のIL-28A C48S、Met IL-29A C49S、IL-28A C50S、Met IL-28A C51S、IL-29 C171SおよびMet IL-29 C172Sポリペプチドをコードする縮重ヌクレオチド配列を提供する。当業者は、遺伝子コードの縮重を考慮して、これらのポリヌクレオチド分子においてかなりの配列変動が起こりうることを容易に認識するであろう。配列番号:30、31、32、33、34、および35は、IL-28A C48S、Met IL-28A C49S、IL-28A C50S、Met IL-28A C51S、IL-29 C171SおよびMet IL-29 C172Sをそれぞれ、コードする全てのDNAを含む縮重DNA配列である。当業者は、配列番号:30、31、32、33、34、および35の縮重配列がまた、Tの代わりにUを用いることによって、配列番号:30、31、32、33、34、および35をコードする全てのRNA配列を提供すること、ならびにこのようにそれらも本発明に含まれることを認識するであろう。
本発明のIL-28Aポリペプチドにはまた、成熟ポリペプチドの第二のシステイン、C2での変異が含まれる。例えば、配列番号:2のポリペプチドのN-末端またはアミノ末端からのC2は、大腸菌において発現された場合に、アミノ酸48位または49位(さらなるN-末端Met)でのシステインである(例えば、配列番号:13を参照されたい)。IL-28Aのこの第二のシステイン(IL-28Bと同様に、7個ある中で)またはC2は、例えばセリン、アラニン、トレオニン、バリン、またはアスパラギンに変異させることができる。本発明のIL-28A C2変異体分子には、例えば、配列番号:21および23にそれぞれ示されるIL-28A C2変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:20および22に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる。配列番号:36および37は、本発明のさらなるIL-28A C2ポリペプチドである。
IL-28A C2変異体の他に、本発明にはまた、成熟ポリペプチドの第三のシステイン位置、すなわちC3での変異を含むIL-28Aポリペプチドが含まれる。例えば、配列番号:2のポリペプチドのN-末端またはアミノ末端からのC3は、大腸菌において発現された場合、50位または51位(さらなるN-末端Met)でのシステインである(例えば、配列番号:13を参照されたい)。本発明のIL-28A C3変異体分子には、例えば配列番号:25および27にそれぞれ示されるIL-28A C3変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:24および26に示されるポリヌクレオチドが含まれる。配列番号:38および39は、本発明のさらなるIL-28A C3ポリペプチドである。
本発明のIL-28Aポリペプチドには、例えば、配列番号:1、12、18、20、22および24にそれぞれ示されるIL-28Aポリヌクレオチド分子によってコードされる配列番号:2、13、19、21、23、および25が含まれる。本発明のさらなるIL-28Aポリペプチドには、例えば配列番号:36、37、38、および39が含まれる。
本発明のIL-28Bポリペプチドにはまた、成熟ポリペプチドの第二のシステインC2での変異が含まれる。例えば、配列番号:6のポリペプチドのN-末端またはアミノ末端からのC2は、大腸菌において発現された場合にアミノ酸48位、または49位(さらなるN-末端Met)のシステインである(例えば、配列番号:17を参照されたい)。IL-28Bのこの第二のシステイン(IL-28Aと同様に、7個の中で)またはC2は、例えばセリン、アラニン、トレオニン、バリン、またはアスパラギンに変異させることができる。本発明のIL-28B C2変異体には、例えば配列番号:123および125に示されるIL-28B C2変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:122および124に示すポリヌクレオチド分子が含まれる。本発明のさらなるIL-28B C2変異体分子には、配列番号:131および133にそれぞれ示されるIL-28B C2変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:130および132に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる(PCT出願国際公開公報第03/066002号(Kotenkoら))。
IL-28B C2変異体の他に、本発明にはまた、成熟ポリペプチドの第三のシステイン位置、C3での変異を含むIL-28Bポリペプチドが含まれる。例えば、配列番号:6のポリペプチドのN-末端またはアミノ末端からのC3は、大腸菌において発現された場合に50位または51位(さらなるN-末端Met)でのシステインである(例えば、配列番号:17を参照されたい)。本発明のIL-28B C3変異体分子には、例えば配列番号:127および129にそれぞれ示されるIL-28B C3変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:126および128に示されるポリヌクレオチドが含まれる。本発明のさらなるIL-28B C3変異体分子には、配列番号:135および137に示されるIL-28B C3変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む配列番号:134および136に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる(PCT出願国際公開公報第03/066002号(Kotenkoら))。
本発明のIL-28Bポリペプチドには、例えば配列番号:5、16、122、124、126、128、130、132、134、および136に示されるIL-28Bポリヌクレオチド分子によってコードされる配列番号:6、17、123、125、127、129、131、133、135および137が含まれる。
本発明のIL-29ポリペプチドにはまた、例えば成熟ポリペプチドの5番目のシステインC5での変異が含まれる。例えば、配列番号:4のポリペプチドのN-末端のC5は、大腸菌において発現されると171または172位(さらなるN-末端Met)でのシステインとなる(例えば、配列番号:15を参照されたい)。IL-29のこの5番目のシステインまたはC5は、例えばセリン、アラニン、トレオニン、バリン、またはアスパラギンに変異することができる。これらのIL-29 C5変異体ポリペプチドは、C1(配列番号:4のCys15)/C3(配列番号:4のCys112)およびC2(配列番号:4のCys49)/C4(配列番号:4のCys145)のジスルフィド結合パターンを有する。本発明のさらなるIL-29 C5変異体分子には、配列番号:27、29、83、85、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、および161にそれぞれ示されるIL-29 C5変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:26、28、82、84、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、および160に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる。本発明のさらなるIL-29 C5変異体分子には、配列番号:87、89、95、および97にそれぞれ示されるIL-29 C5変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:86、88、94、および96に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる(PCT出願国際公開公報第03/066002号(Kotenkoら))。さらに、本発明のIL-29 C5変異体分子には、配列番号:103、105、111、および113に示されるIL-29 C5変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:102、104、110および112に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる(PCT出願国際公開公報第02/092762号(Baumら))。
IL-29 C5変異体の他に、本発明にはまた、成熟ポリペプチドの最初のシステイン位置C1で変異を含むIL-29ポリペプチドが含まれる。例えば、配列番号:4のポリペプチドのN-末端のC1は、大腸菌において発現された場合に15位または16位(さらなるN-末端Met)のシステインである(例えば、配列番号:15を参照されたい)。このように、これらのIL-29 C1変異体ポリペプチドは、C2(配列番号:4のCys49)/C4(配列番号:4のCys145)およびC3(配列番号:4のCys112)/C5(配列番号:4のCys171)の予想ジスルフィド結合パターンを有する。本発明のさらなるIL-29 C1変異体分子には、配列番号:75、77、79、および81にそれぞれ示されるIL-29 C1変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:74、76、78、および80に示されるポリヌクレオチド配列が含まれる。本発明のさらなるIL-29 C1変異体分子には、配列番号:91、93、99、および101にそれぞれ示されるIL-29 C1変異体ポリペプチドをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:90、92、98、および100に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる(PCT出願国際公開公報第03/066002号(Kotenkoら))。さらに、本発明のIL-29 C1変異体分子には、配列番号:107、109、115、および117にそれぞれ示されるIL-29 C1変異体ポリペプチドをコードをコードするDNAおよびRNA分子を含む、配列番号:106、108、114、および116に示されるポリヌクレオチド分子が含まれる(PCT出願国際公開公報第02/092762号(Baumら))。
本発明のIL-29ポリペプチド、例えば
Figure 2007528719
に示されるIL-29ポリヌクレオチド分子によってコードされる、
Figure 2007528719
にはさらに、配列番号:119に示されるシグナル配列、または配列番号:121に示されるシグナル配列を含まれてもよい。さらに、本発明にはまた、配列番号:40および41に示されるIL-29ポリペプチドが含まれる。配列番号:119のシグナル配列ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子を、配列番号:118として示す。配列番号:120のシグナル配列ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号:121として示される。
一つの局面において、本発明は、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるアミノ酸残基の配列と少なくとも90%または95%の配列同一性を有する配列を含む単離ポリペプチドを提供する。ポリペプチドは任意で、
Figure 2007528719
に示されるアミノ酸配列の少なくとも15、少なくとも30、少なくとも45、または少なくとも60連続アミノ酸を含んでもよい。もう一つの態様において、単離ポリペプチドは、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるアミノ酸残基である。ポリペプチドは、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるアミノ酸配列と比較して、保存的アミノ酸変化を有してもよい。
もう一つの局面において、本発明は、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるアミノ酸残基の配列を含むポリペプチドと、ポリアルキルオキシド部分とを含む融合タンパク質を提供する。ポリアルキルオキシド部分は、任意で、20 kD mPEGプロピオンアルデヒドまたは30 kD mPEGプロピオンアルデヒドのようなポリエチレングリコールであってもよい。ポリエチレングリコールは直線または分岐状であってもよい。ポリエチレングリコールは、ポリペプチドのN-末端またはC-末端に共有結合してもよい。
もう一つの局面において、本発明は、第一のポリペプチドが、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるアミノ酸残基の配列を含む、ペプチド結合によって結合した第一のポリペプチドと第二のポリペプチドとを含む融合タンパク質を提供する。第二のポリペプチドは、任意で抗体断片であってもよい。抗体断片は任意で、F(ab')、F(ab)、Fab'、Fab、Fv、scFvおよび/または最小認識単位であってもよい。第二のポリペプチドは、任意でヒトアルブミンであってもよい。第二のポリペプチドは、任意でアフィニティタグ、毒素、放射性核種、酵素、および蛍光体からなる群より選択されるポリペプチドであってもよい。
表3は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号:30、31、32、33、34、および35において用いられる一文字コードを示す。「分解」は、コード文字によって示されるヌクレオチドである。「相補体」は、相補的ヌクレオチドのコードを指す。例えば、コードYはCまたはTのいずれかを指し、その相補体RはAまたはGを指し、AはTと相補的であって、GはCと相補的である。
(表3)
Figure 2007528719
所定のアミノ酸に関して起こりうる全てのコドンを含む配列番号:30、31、32、33、34、および35において用いられる縮重コドンを、表4に記載する。
(表4)
Figure 2007528719
当業者は、各アミノ酸をコードする可能性がある全てのコドンを代表して、縮重コドンを決定するために何らかの曖昧性が導入されることを認識するであろう。例えば、セリン(WSN)の縮重コドンは、場合によっては、アルギニン(AGR)をコードして、アルギニンの縮重コドン(MGN)は、状況によってはセリン(AGY)をコードしうる。フェニルアラニンおよびロイシンをコードするコドンのあいだにも類似の関係が存在する。このように、縮重配列に含まれるいくつかのポリヌクレオチドは、変種アミノ酸配列をコードする可能性があるが、当業者は、例えば
Figure 2007528719
のアミノ酸配列を参照することによって、そのような変種配列を容易に同定することができる。変種配列は、本明細書に記述のように機能性に関して容易に試験することができる。
当業者はまた、異なる種が「優先コドン使用」を示しうることを認識するであろう。一般的に、Granthamら、Nuc. Acids Res. 8:1893〜912, 1980;Haasら、Curr. Biol. 6:315〜24, 1996;Wain-Hobsonら、Gene 13:355〜64, 1981;Grosjean and Fiers, Gene 18:199〜209, 1982;Holm, Nuc. Acids Res. 14:3075〜87, 1986;Ikemura, J. Mol. Biol. 158:573〜97, 1982を参照されたい。本明細書において用いられるように、「優先コドン使用」または「優先コドン」は、特定の種の細胞において最も頻繁に用いられるタンパク質翻訳コドンを指す当技術分野の用語であり、このように各アミノ酸をコードする可能性があるコドンの一つまたは少数の代表として都合がよい(表4を参照されたい)。例えば、アミノ酸トレオニン(Thr)は、ACA、ACC、ACG、またはACTによってコードされてもよいが、哺乳類細胞において、最も一般的に用いられるコドンはACCである;他の種、例えば昆虫細胞、酵母、ウイルス、または細菌では、異なるThrコドンが好ましい可能性がある。特定の種に関する優先コドンを、当技術分野で公知の多様な方法によって本発明のポリヌクレオチドに導入することができる。組換え型DNAへの優先コドン配列の導入は、例えば特定の細胞タイプまたは種におけるタンパク質の翻訳をより効率的にすることによって、タンパク質の産生を増強する。したがって、配列番号:30、31、32、33、34、および35に開示される縮重コドン配列は、当技術分野において一般的に用いられ、本明細書に開示される様々な細胞タイプおよび種において、ポリヌクレオチドの発現を最適にするための鋳型として役立つ。優先コドンを含む配列を様々な種において調べて発現に関して最適化して、本明細書に開示のように機能性に関して試験することができる。
もう一つの局面において、本発明は、
Figure 2007528719
からなる群より選択される単離ポリヌクレオチドを提供する。
もう一つの局面において、本発明は、
Figure 2007528719
からなる群より選択される配列、またはその相補体と、50%ホルムアミド、5×SSC(1×SSC:0.15 M塩化ナトリウムおよび15 mMクエン酸ナトリウム)、50 mM燐酸ナトリウム(pH 7.6)、5×デンハルト溶液(100×デンハルト溶液;2%(w/v)フィコール400、2%(w/v)ポリビニルピロリドン、および2%(w/v)ウシ血清アルブミン、10%硫酸デキストラン、および20 mg/ml変性剪断サケ精子DNAにおいて約42℃〜約70℃のハイブリダイゼーション条件で、ハイブリダイズすることができる単離ポリヌクレオチドを提供し、抗ウイルス活性を有するポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。任意で、コードされるポリペプチドは、B型肝炎および/またはC型肝炎に対する抗ウイルス活性を有する。任意で、単離ポリヌクレオチドは、
Figure 2007528719
からなる群より選択される配列の少なくとも一部をコードしてもよい。単離ポリヌクレオチドは、
Figure 2007528719
によって表されるポリペプチドをコードしてもよい。
もう一つの局面において、本発明は、コードされるポリペプチドが、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
もう一つの局面において、本発明は、コードされるポリペプチドが、
Figure 2007528719
からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%または95%の配列同一性を有し、抗ウイルス活性を有する、ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。任意で、コードされるポリペプチドはB型肝炎および/またはC型肝炎に対して抗ウイルス活性を有する。
既に記述したように、本発明の単離ポリヌクレオチドには、DNAおよびRNAが含まれる。DNAおよびRNAを調製する方法は当技術分野において周知である。一般的に、RNAは、大量のシステイン変異体IL-28またはIL-29 RNAを生じる組織または細胞から単離される。そのような組織および細胞は、ノザンブロッティング(Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:5201, 1980)または様々な細胞タイプからの条件培地を標的細胞もしくは組織上の活性に関してスクリーニングすることによって同定される。RNA産生細胞または組織の活性が同定されると、グアニジニウムイソチオシアネート抽出後にCsCl勾配での遠心による単離を用いて、総RNAを調製することができる(Chirgwinら、Biochemistry 18:52〜94, 1979)。ポリ(A)+ RNAは、Aviv and Leder(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1408〜12, 1972)の方法を用いて総RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は、公知の方法を用いてポリ(A)+RNAから調製される。代わりの方法において、ゲノムDNAを単離することができる。システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを同定して、例えばハイブリダイゼーションまたはPCRによって単離する。
システイン変異体IL-28またはIL-29をコードする完全長のクローンは、通常のクローニング技法によって得ることができる。相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、いくつかの応用に関しては(例えば、トランスジェニック動物における発現)、ゲノムクローンを用いること、または少なくとも一つのゲノムイントロンを含むようにcDNAクローンを改変することが好ましいであろう。cDNAおよびゲノムクローンを調製する方法は周知であって、当業者のレベルの範囲内であり、ライブラリをクローニングまたはプライミングするために本明細書に開示の配列またはその一部を用いることが含まれる。発現ライブラリは、IL-28受容体断片に対する抗体、または他の特異的結合パートナーによってプロービングすることができる。
当業者は、例えば配列番号:1、3、および5に開示される配列がヒトIL-28およびIL-29バンドの単一の対立遺伝子の変異を表すこと、ならびに対立遺伝子変種および選択的スプライシングが起こると予想されることを認識するであろう。例えば、IL-29変種は、国際公開公報第02/086087号に記述されるように、配列番号:4に示されるアミノ酸残基169位(Asn)がArg残基である場合に同定されている。そのような対立遺伝子変種は本発明に含まれる。この配列の対立遺伝子変種は、標準的な技法に従って、異なる個体からのcDNAまたはゲノムライブラリをプロービングすることによってクローニングすることができる。サイレント変異を含む変種、および変異によってシステイン変異の他にアミノ酸配列の変化が起こる変種を含む、配列番号:1、3、および5に示されるDNA配列の対立遺伝子変種は、配列番号:2、4および6の対立遺伝子変種であるタンパク質と同様に、本発明の範囲に含まれる。選択的にスプライシングされたmRNAから生成されたcDNAは、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドの特性を保持し、これらも、そのようなcDNAおよびmRNAによってコードされるポリペプチドと同様に、本発明の範囲に含まれる。これらの配列の対立遺伝子変種およびスプライス変種は、当技術分野で公知の標準的な技法に従って、異なる個体または組織からのcDNAまたはゲノムライブラリをプロービングすることによってクローニングすることができ、本明細書に記述されるように、システインまたはシステイン残基をコードするポリヌクレオチドに対する変異を導入することができる。
本発明の態様において、単離された変種またはシステイン変異体IL-28およびIL-29コード核酸分子は、
Figure 2007528719
のヌクレオチド配列を有する核酸分子、または
Figure 2007528719
と相補的なヌクレオチド配列を有する核酸分子と、ストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる。一般的に、ストリンジェントな条件は、既定のイオン強度およびpHで、特定の配列に対する熱融解点(Tm)より約5℃低いように選択される。Tmは標的配列の50%が完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度(既定のイオン強度およびpHで)である。
DNA-DNA、RNA-RNA、およびDNA-RNAのような核酸分子対は、ヌクレオチド配列が何らかの程度の相補性を有すれば、ハイブリダイズすることができる。ハイブリッドは、二重らせんにおけるミスマッチ塩基対を認容することができるが、ハイブリッドの安定性はミスマッチの程度によって影響を受ける。ミスマッチハイブリッドのTmは、塩基対ミスマッチ1〜1.5%毎に1℃低下する。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変化させることによって、ハイブリッドに存在するであろうミスマッチの程度を制御することができる。ストリンジェンシーの程度は、ハイブリダイゼーション温度が上昇して、ハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度が低下するにつれて増加する。
特定のポリヌクレオチドハイブリッドと共に使用するためにこれらの条件を適合させることは、当業者の能力範囲内である。特異的標的配列のTmは、標的配列の50%が完全にマッチしたプローブ配列にハイブリダイズするであろう温度(既定の条件で)である。Tmに影響を及ぼす条件には、ポリヌクレオチドプローブの大きさおよび塩基対含有量、ハイブリダイゼーション溶液のイオン強度、ならびにハイブリダイゼーション溶液における脱安定化剤の存在が含まれる。Tmを計算するための多数の等式が当技術分野で公知であり、それらは様々な長さのDNA、RNA、およびDNA-RNAハイブリッドならびにポリヌクレオチドプローブ配列に対して特異的である(例えば、Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」第二版、(Cold Spring Harbor Press 1989);Ausubelら(編)、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley and Sons, Inc.);Berger and Kimmel(編)、「Guide to Molecular Cloning Techniques」(Academic Press, Inc. 1987);およびWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227(1990)を参照されたい)。OLIGO 6.0(LSR;Long Lake, MN)およびPrimer Premier 4.0(Premier Biosoft International;Palo Alto, CA)のような配列分析ソフトウェアと共に、インターネット上でのサイトは、所定の配列を分析するためおよびユーザー定義基準に基づくTmの計算を行うための利用可能なツールである。そのようなプログラムはまた、既定の条件で所定の配列を分析して、適したプローブ配列を同定することができる。典型的により長いポリヌクレオチド配列、すなわち>50塩基対のハイブリダイゼーションは、計算されたTmより約20〜25℃低い温度で行われる。より小さいプローブ、すなわち<50塩基対の場合、ハイブリダイゼーションは典型的に、計算されたTmより5〜10℃低いTmで行われる。これによって、DNA-DNAおよびDNA-RNAハイブリッドの最高ハイブリダイゼーション率が得られる。
ハイブリダイゼーション後、核酸分子を洗浄して、ストリンジェントな条件、または高ストリンジェント条件で非ハイブリダイズ核酸分子を除去することができる。典型的なストリンジェントな洗浄条件には、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.5×〜2×SSC溶液において55〜65℃での洗浄が含まれる。すなわち、変種またはシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドをコードする核酸分子は、ストリンジェントな洗浄条件で、
Figure 2007528719
のヌクレオチド配列(またはその相補体)を有する核酸分子とそれぞれハイブリダイズし、洗浄のストリンジェンシーは、0.1%SDSを含む0.5×SSCで55℃、または0.1%SDSを含む2×SSCで65℃を含む、0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSCで55〜65℃と同等である。当業者は、例えば洗浄溶液におけるSSCの代わりにSSPEを用いることによって同等の条件を容易に考案することができる。
典型的な高ストリンジェント洗浄条件には、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.1×〜0.2×SSCの溶液において50〜65℃での洗浄が含まれる。言い換えれば、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドの変種をコードする核酸分子は、
Figure 2007528719
のヌクレオチド配列(またはその相補体)を有する核酸分子と、高ストリンジェント洗浄条件でハイブリダイズし、洗浄のストリンジェンシーは、0.1%SDSを含む0.1×SSCで50℃、または0.1%SDSを含む0.2×SSCで65℃を含む、0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSCで50〜65℃と同等である。
本発明はまた、本発明のポリペプチド、例えば
Figure 2007528719
と実質的に類似の配列同一性を有する単離されたIL-28またはIL-29ポリペプチドを提供する。「実質的に類似の配列同一性」は、本明細書において、
Figure 2007528719
に示される配列またはそれらのオルトログと、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%より高い配列同一性を含むポリペプチドを指すために用いられる。本発明にはまた、本発明のポリペプチドまたはその断片と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%より高い配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドが含まれる。本発明にはさらに、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが含まれる。本発明のIL-28およびIL-29ポリペプチドは、好ましくは組換え型ポリペプチドである。もう一つの局面において、本発明のIL-28およびIL-29ポリペプチドは、少なくとも15、少なくとも30、少なくとも45、または少なくとも60連続アミノ酸を有する。例えば、本発明のIL-28またはIL-29ポリペプチドは、
Figure 2007528719
からの少なくとも15、少なくとも30、少なくとも45、少なくとも60連続アミノ酸を有するポリペプチドに関する。%同一性を決定する方法を下記に示す。
本発明はまた、二つの基準を用いて同定することができる変種核酸分子を企図する:
Figure 2007528719
のアミノ酸配列をそれぞれ有するコードされたポリペプチド間の類似性の決定、および/または上記のようなハイブリダイゼーションアッセイ。そのような変種には、(1)洗浄のストリンジェンシーが、0.1%SDSを有する0.5×〜2×SSCで55〜65℃と同等である、ストリンジェントな洗浄条件下で、
Figure 2007528719
のヌクレオチド配列(またはその相補体)をそれぞれ有する核酸配列とハイブリダイズする;または(2)
Figure 2007528719
のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%より高い配列同一性を有するポリペプチドをコードする、核酸分子が含まれる。または、変種は、(1)洗浄のストリンジェンシーが、0.1%SDSを有する0.1×〜0.2×SSCで50〜65℃と同等である、高ストリンジェント洗浄条件下で、
Figure 2007528719
のヌクレオチド配列(またはその相補体)をそれぞれ有する核酸配列とハイブリダイズする;または(2)
Figure 2007528719
のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%より高い配列同一性を有するポリペプチドをコードする、核酸分子として特徴が示されうる。
%配列同一性は、通常の方法によって決定される。例えばAltschulら、Bull. Math. Bio. 48:603(1986)、およびHenikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915(1992)を参照されたい。簡単に説明すると、表4(アミノ酸は標準的な一文字コードで示す)に示すように、二つのアミノ酸配列を、ギャップオープンペナルティ10、ギャップ伸長ペナルティ1、およびHenikoff and Henikoff(同書)の「BLOSUM62」スコア行列を用いて、アラインメントスコアが最適となるように整列させる。
Figure 2007528719
(表5)
Figure 2007528719
当業者は、二つのアミノ酸配列を整列させるために利用可能な多くの確立されたアルゴリズムが存在することを認識する。Pearson and Lipmanの「FASTA」類似性検索アルゴリズムは、本明細書に開示のアミノ酸配列と推定の変種IL-28またはIL-29のアミノ酸配列とによって共有される同一性レベルを決定するための適したタンパク質アラインメント法である。FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444(1988)、およびPearson, Meth. Enzymol. 183:63(1990)によって記述されている。
簡単に説明すると、FASTAはまず、保存的アミノ酸置換、挿入、または欠失を考慮せずに、問い合わせ配列(例えば、配列番号:2)と、最高の同一性密度(ktup変数が1である場合)または同一性の対(ktup=2の場合)を有する試験配列とによって共有される領域を同定することによって、配列類似性の特徴を調べる。最高の同一性密度を有する領域10個を、アミノ酸置換行列を用いて全ての対のアミノ酸の類似性を比較することによって再度採点して、最高スコアに貢献する残基のみを含めるように、領域の端部を「整える」。「カットオフ」値より大きいスコアを有する領域(配列の長さおよびktup値に基づく既定の式によって計算)がいくつか存在する場合、整えた最初の領域を調べて、領域を結合させて、ギャップを有する近似アラインメントを形成することができるかを調べる。最後に、二つのアミノ酸配列の最高のスコア領域を、アミノ酸挿入または欠失を許容するNeedleman-Wunsch-Sellersアルゴリズム(Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:444(1970);Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26:787(1974))の改変版を用いて整列させる。FASTA分析の好ましいパラメータはkrup=1、ギャップオープンペナルティ=10、ギャップ伸長ペナルティ=1、および置換行列=BLOSUM62である。これらのパラメータは、Pearson, Meth. Enzymol. 183:63(1990)の別紙2において説明するように、スコア行列ファイル(「SMATRIX」)を改変することによって、FASTAプログラムに導入することができる。
FASTAはまた、上記の比を用いて核酸分子の配列同一性を決定するために用いることができる。ヌクレオチド配列比較の場合、他のパラメータをデフォルトとして設定した場合、ktup値は、1〜6、好ましくは3〜6の範囲、最も好ましくは3となりうる。
変種IL-28もしくはIL-29システイン変異体ポリペプチドまたは実質的に類似の配列同一性を有するポリペプチドは、一つまたは複数のアミノ酸置換、欠失、または付加を有するという特徴を有する。これらの変化は好ましくは、軽微な性質であり、すなわち、保存的アミノ酸置換(表6を参照されたい)およびポリペプチドのフォールディングまたは活性に有意な影響を及ぼさない他の置換;小さい欠失、典型的にアミノ酸1個〜約30個;およびアミノ末端メチオニン残基、約20〜25残基までの小さいリンカーペプチド、もしくはアフィニティタグのようなアミノまたはカルボキシル末端伸長部である。このように本発明には、
Figure 2007528719
の対応する領域と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%より高い配列同一性を有する配列を含むアミノ酸残基約146〜207個のポリペプチドが含まれる。アフィニティタグを含むポリペプチドはさらに、IL-28およびIL-29ポリペプチドとアフィニティタグとのあいだにタンパク質切断部位を含みうる。そのような好ましい部位には、トロンビン切断部位および第Xa因子切断部位が含まれる。
(図6)保存的アミノ酸置換
塩基性: アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性: グルタミン酸
アスパラギン酸
極性: グルタミン
アスパラギン
疎水性: ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香性: フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小: グリシン
アラニン
セリン
スレオニン
メチオニン
構造的整合性を維持するのに重要な領域およびドメインを含むアミノ酸残基が決定され得る。これらの領域内で、ある程度変化に寛容で、かつ分子の三次構造を全体的に維持する特異的な残基が決定され得る。配列構造を分析する方法は、アミノ酸またはヌクレオチドの高い同一性、二次構造の性質、二元性パターン、相補的パッキング、および埋没極性相互作用を有する多数の配列のアライメントを含むが、これらに限定されない(Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:372-376, 1995 and Cordes et al., Current Opin. Struct. Biol. 6:3-10, 1996)。一般的に、分子への修飾を設計するか、または特異的断片を同定する場合、構造の決定は修飾された分子の活性を評価することによって達成されるであろう。
生物活性にとって必須の高次構造の破壊を最小限にするために、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドにおいてアミノ酸の配列変化を作製する。例えば、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドが一つまたは複数のヘリックスを含む場合、コンフォメーションの変化によって何らかの重要な機能、例えばその結合パートナーに対する分子の結合が減少する場合に、ヘリックスの幾何学および分子の他の成分を破壊しないように、アミノ酸残基の変化が行われるであろう。アミノ酸配列変化の影響は、例えば先に開示されたコンピューターモデリングによって予測することができ、または結晶構造の分析によって決定することができる(例えば、Lapthornら、Nat. Struct. Biol. 2:266〜268, 1995を参照されたい)。当技術分野において周知の他の技術は、標準的な分子(例えば、天然のタンパク質)に対する変種タンパク質のフォールディングを比較する。例えば、変種および標準分子におけるシステインパターンの比較を行うことができる。質量分析ならびに還元およびアルカリ化を用いる化学改変は、ジスルフィド結合に関連する、またはそのような会合を含まないシステイン残基を決定する方法を提供する(Beanら、Anal. Biochem. 201:216〜226, 1992;Gray, Protein Sci. 2:1732〜1748, 1993;およびPattersonら、Anal. Chem. 66:3727〜3732, 1994)。一般的に、改変された分子が、標準的な分子と同じシステインパターンを有しなければ、フォールディングが影響を受けるであろうと考えられる。フォールディングを測定するためのもう一つの周知で承認された方法は、円二色性(CD)である。改変分子および標準分子によって生成されたCDスペクトルを測定および比較することは、日常的である(Johnson, Proteins 7:205〜214, 1990)。結晶学は、フォールディングおよび構造を分析するためのもう一つの周知の方法である。核磁気共鳴(NMR)、消化ペプチドマッピング、およびエピトープマッピングも、タンパク質とポリペプチドのフォールディングおよび構造的類似性を分析するための公知の方法である(Schaananら、Science 257:961〜964, 1992)。
Figure 2007528719
に示されるシステイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質配列のHopp/Woods親水性プロフィールを作製することができる(Hoppら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:3824〜3828, 1981;Hopp, J. Immunol. Meth. 88:1〜18, 1986;およびTriquierら、Protein Engineering 11:153〜169, 1998)。プロフィールはスライディング6残基ウィンドウに基づく。埋もれたG、S、およびT残基および露出したH、YおよびW残基は無視した。当業者は、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドのアミノ酸配列における改変を設計する場合、全体的な構造および生物学的プロフィールを破壊しないように、親水性または疎水性が考慮されることを認識するであろう。置換にとって特に重要なのは、バリン、ロイシン、およびイソロイシンからなる群より選択される、またはメチオニン、グリシン、セリン、アラニン、チロシン、およびトリプトファンからなる群より選択される疎水性残基である。
必須アミノ酸の同一性も同様に、IFN-αとIL-28A、IL-28B、およびIL-29のファミリーメンバーとの配列類似性分析から推論することができる(表1および2に示すように)。先に記述した「FASTA」分析のような方法を用いて、タンパク質のファミリー内で高い類似性の領域を同定し、これを用いて、保存された領域に関するアミノ酸配列を分析する。構造に基づいて変種ポリヌクレオチドを同定するためのもう一つのアプローチは、可能性がある変種IL-28またはIL-29遺伝子をコードする核酸分子が上記のように核酸分子とハイブリダイズできるか否かを決定することである。
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸を同定する他の方法は、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャン変異誘発(Cunningham and Wells, Science 244:1081(1989), Bassら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4498(1991), Coombs and Corey, 「Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineering」、in「Proteins:Analysis and Design.」、Angeletti(編)、259〜311頁(Academic Press, Inc. 1998))のような当技術分野で公知の技法である。後者の技術において、単アラニン変異を分子のあらゆる残基に導入して、得られたシステイン変異体分子を、以降開示されるように生物活性または生化学活性に関して試験して、分子の活性にとって重要であるアミノ酸残基を同定する。同様に、Hiltonら、J. Biol. Chem. 271:4699(1996)を参照されたい。
本発明にはまた、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドの機能的断片およびそのような機能的断片をコードする核酸分子が含まれる。本明細書において定義された「機能的」システイン変異体IL-28もしくはIL-29またはその断片は、その増殖もしくは分化活性、専門的細胞機能の誘導もしくは阻害能、または特に抗IL-28もしくはIL-29受容体、もしくはIL-28受容体(可溶性または固定)に対する特異的結合能によって特徴が調べられる。システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドの特殊な活性、およびそれらの試験方法を本明細書において開示する。本明細書において既に記述されているように、IL-28およびIL-29ポリペプチドは、ヘリックス6個の束としての特徴を有する。このように、本発明はさらに以下を含む融合タンパク質を提供する:(a)上記の一つまたは複数のヘリックスを含むポリペプチド分子;および(b)これらのヘリックスの一つまたは複数を含む機能的断片。融合タンパク質の他のポリペプチド部分は、もう一つのヘリックス束サイトカインまたはIFN-αのようなインターフェロンによって、または融合タンパク質の分泌を促進する非天然および/または無関係な分泌シグナルペプチドによって与えられてもよい。
完全長のポリペプチド、生物活性断片、および融合ポリペプチドを含む本発明のシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドは、通常の技術に従って、ポリペプチドをコードする発現ベクターが導入されている細胞を用いて産生することができる。本明細書において用いられるように、「発現ベクターが導入されている細胞」には、外因性のDNA分子の導入によって直接操作されている細胞、および導入されたDNAを含むその子孫の双方が含まれる。適した宿主細胞は、外因性のDNAによって形質転換またはトランスフェクトすることができ、培養して増殖させることができる細胞タイプであり、これには細菌、真菌細胞、および培養高等真核細胞が含まれる。クローニングされたDNA分子を操作する方法、および外因性のDNAを多様な宿主細胞に導入する技術は、Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」第二版、(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989およびAusubelら(編)、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley and Sons, Inc., NY, 1987によって開示される。
もう一つの局面において、本発明は、以下の機能的に結合したエレメントを含む発現ベクターを提供する:転写プロモーター、本明細書に記述のポリペプチドをコードするDNAセグメント、および転写ターミネーター。
本発明はまた、以下の機能的に結合したエレメントを含む単離および精製DNA分子を含む発現ベクターを提供する:転写プロモーター;
Figure 2007528719
からなる群より選択されるポリペプチドと少なくとも90%または95%の配列同一性を有するポリペプチドをコードするDNAセグメント;ならびに転写ターミネーター。DNAはさらに、DNAセグメントに機能的に結合した分泌シグナル配列を含んでもよい。コードするポリペプチドはさらに、本明細書に記述のアフィニティタグを含んでもよい。本発明はまた、上記の発現ベクターを含む培養細胞を提供する。コードされるポリペプチドは任意で、
Figure 2007528719
に示されるアミノ酸配列の少なくとも15、少なくとも30、少なくとも45、または少なくとも60連続アミノ酸を含んでもよい。コードされるポリペプチドは任意で、抗ウイルス活性、例えばB型肝炎およびC型肝炎に対する活性を有してもよい。
もう一つの局面において、本発明は、先に開示した発現ベクターを含む培養細胞を提供する。
もう一つの局面において、本発明は、以下を含むタンパク質を産生する方法を提供する:DNAセグメントが発現される条件で先に開示した細胞を培養する段階;およびDNAセグメントによってコードされるタンパク質を回収する段階。
一般的に、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドをコードするDNA配列は、一般的に、発現ベクター内において、転写プロモーターおよびターミネーターを含む、その発現にとって必要な他の遺伝子エレメントに機能的に結合している。ベクターはまた、一つまたは複数の選択マーカーおよび一つまたは複数の複製開始点を一般的に含むであろうが、当業者は、特定の系において異なるベクターにおいて選択マーカーを提供してもよく、外因性のDNAの複製は、宿主細胞ゲノムに組み入れることによって提供してもよいと認識するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター、および他のエレメントの選択は、当業者のレベル内で日常的な設計の問題である。そのような多くのエレメントが文献に記述されており、供給元を通して入手可能である。
システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に向けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列、またはプレ配列としても知られる)が発現ベクターにおいて提供される。分泌シグナル配列は、システイン変異体IL-28またはIL-29、例えば配列番号:119または配列番号:121の配列であってもよく、またはもう一つの分泌タンパク質(例えば、t-PA;米国特許第5,641,655号を参照されたい)に由来してもよく、デノボで合成してもよい。分泌シグナル配列は、システイン変異体IL-28またはIL-29 DNA配列に機能的に結合する、すなわち二つの配列は、新たに合成されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に向けるために正確な読み取り枠で結合され、配置される。分泌シグナル配列は、対象ポリペプチドをコードするDNA配列に対して一般的に5'に存在するが、特定のシグナル配列を対象DNA配列の何処に配置してもよい(例えば、Welchら、米国特許第5,037,743号;Hollandら、米国特許第5,143,830号を参照されたい)。
広範囲の適した組換え型宿主細胞には、グラム陰性原核細胞生物が含まれるがこれらに限定されない。大腸菌の適した株には、W3110、K12-由来株MM294、TG-1、JM-107、BL21、およびUT5600が含まれる。他の適した株には、BL21(DE3)、BL21(DE3)pLysS、BL21(DE3)pLysE、DH1、DH4I、DH5、DH5I、DH5IF'、DH5IMCR、DH10B、DH10B/p3、DH11S、C600、HB101、JM101、JM105、JM109、JM110、K38、RR1、Y1088、Y1089、CSH18、ER1451、ER1647、大腸菌K12、大腸菌K12 RV308、大腸菌K12 C600、大腸菌HB101、大腸菌K12 C600 R.sub.k-M.sub.k-、大腸菌K12 RR1が含まれる(例えば、Brown(編)、Molecular Biology Labfax(Academic Press 1991)を参照されたい)。他のグラム陰性原核細胞宿主には、セラチア(Serratia)、シュードモナス(Pseudomonas)、カウロバクター(Caulobacter)が含まれうる。原核細胞宿主には、バチルス(Bacillus)、例えば、枯草菌(B. subtilis)およびB.スリンギエンシス(B. thuringienesis)、およびB.スリンギエンシス変種イスラエレンシス(B. thuringienesis var. israelensis)と共に、放線菌(Streptomyces)、例えば、S.リビダンス(S. lividans)、S.アンボファシエンス(S. ambofaciens)、S.フラジアエ(S. fradiae)、およびS.グリセオフスクス(S. griseofuscus)のようなグラム陽性菌が含まれうる。枯草菌の適した株には、BR151、YB886、MI119、MI120、およびB170(例えば、Hardy, 「Bacillus Cloning Methods」、in 「DNA Cloning:A Practical Approach」、Glover(編)(IRL Press 1985)を参照されたい)。原核細胞宿主においてベクターを増殖させる標準的な技術は、当業者に周知である(例えば、Ausubelら(編)、「Short Protocols in Molecular Biology」、第3版(John Wiley & Sons, 1995);Wuら、「Methods in Gene Biotechnology」(CRC Press, Inc. 1997)を参照されたい)。一つの態様において、本発明の方法は、American Type Culture Collection(ATCC)においてATCC#27325として寄託されているW3110株において発現されたシステイン変異体IL-28またはIL-29を用いる。
本発明の発現系を用いるシステイン変異体IL-28またはIL-29の大規模産生が必要である場合、バッチ発酵を用いることができる。一般的に、バッチ発酵は、振とうフラスコ培養において適した培地においてシステイン変異体IL-28またはIL-29を発現する大腸菌株を、600 nmでの吸光度(OD)が5〜20となるまで増殖させることによって、第一段階のシードフラスコを調製することを含む。適した培地は、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酵母抽出物、加水分解動物タンパク質、加水分解植物タンパク質、または加水分解カゼインのような起源からの窒素を含むであろう。燐酸塩は、燐酸カリウム、燐酸アンモニウム、燐酸、または燐酸ナトリウムから供給されるであろう。他の成分は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、および他の微量元素であろう。増殖培地は、増殖を改善するために果糖、ブドウ糖、ガラクトース、乳糖、およびグリセロールのような糖質と共に供給されうる。または、高い収量のシステイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質を得るために、フェドバッチ培養を用いる。システイン変異体IL-28またはIL-29産生大腸菌株を、バッチ発酵物を接種するために用いられる第一段階の容器に関して記述した条件と類似の条件で増殖させる。
発酵後、細胞を遠心によって回収して、ホモジナイゼーション緩衝液に浮遊させ、例えばAPV-Gaulinホモジナイザー(Invensys, APV, Tonawanda, New York)またはビードミルもしくは超音波装置のような他のタイプの細胞破壊装置においてホモジナイズする。または、細胞を発酵器から直接採取してAPV-Gaulinホモジナイザーにおいてホモジナイズする。洗浄した封入体沈殿物を、βメルカプトエタノール(10〜100 mM)またはジチオスレイトール(5〜50 mM)のような還元剤を含む塩酸グアニジン(5〜8 M)または尿素(7〜8 M)を用いて可溶化することができる。溶液はトリス、燐酸塩、HEPES、または他の適当な緩衝液において調製することができる。封入体はまた、ラウリル硫酸ナトリウム(0.1〜2%)を含む尿素(2〜4 M)によっても可溶化することができる。システイン変異体IL-28またはIL-29が光屈折性封入体として蓄積される形質転換大腸菌宿主株から精製システイン変異体IL-28またはIL-29を回収するプロセスにおいて、細胞を破壊して、封入体を遠心によって回収する。次に封入体を可溶化して、還元剤を含む6 M塩酸グアニジンにおいて変性させる。次に、還元されたシステイン変異体IL-28またはIL-29を、制御された再生段階において酸化する。再生されたシステイン変異体IL-28またはIL-29を、透明にして不溶性タンパク質を除去するために濾過する。システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質が再生および濃縮された後、再生されたシステイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質を陽イオン交換カラム上で希釈緩衝液において捕獲して、疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて精製する。
培養哺乳類細胞は、本発明において適した宿主である。外因性DNAを哺乳類宿主細胞に導入する方法には、燐酸カルシウム媒介トランスフェクション(Wiglerら、Cell 14:725, 1978;Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7:603, 1981;Graham and Van der Eb, Virology 52:456, 1973)、電気穿孔(Neumannら、EMBO J. 1:841〜5, 1982)、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション(Ausubelら、同書)、およびリポソーム媒介トランスフェクション(Hawley-Nelsonら、Focus 15:73, 1993;Ciccaroneら、Focus 15:80, 1993)、ならびにウイルスベクター(Miller and Rosman, BioTechniques 7:980〜90, 1989;Wang and Finer, Nature Med. 2:714〜6, 1996)が含まれる。培養哺乳類細胞における組換え型ポリペプチドの産生は、例えばLevinsonら、米国特許第4,713,339号;Hagenら、米国特許第4,784,950号;Palmiterら、米国特許第4,579,821号;およびRingold、米国特許第4,656,134号によって開示されている。適した培養哺乳類細胞には、COS-1(ATCC番号CRL 1650)、COS-7(ATCC番号CRL 1651)、BHK(ATCC番号CRL 1632)、BHK570(ATCC番号CRL 10314)、および293(ATCC番号CRL 1573;Grahamら、J. Gen. Virol. 36:59〜72, 1977)、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO-K1;ATCC番号CCL 61)細胞株が含まれる。さらに適した細胞株は当技術分野で公知であり、American Type Culture Collection, Manassas, VAのような公共の寄託所から入手可能である。一般的に、SV-40またはサイトメガロウイルスのプロモーターのような強い転写プロモーターが好ましい。例えば、米国特許第4,956,288号を参照されたい。他の適したプロモーターには、メタロチオネイン遺伝子(米国特許第4,579,821号および第4,601,978号)のプロモーターおよびアデノウイルス主要後期プロモーターが含まれる。
薬物選択は一般的に、外来DNAが挿入されている培養哺乳類細胞に関して選択するために用いられる。そのような細胞は一般的に「トランスフェクタント」と呼ばれる。選択物質の存在下で培養され、その子孫に対象遺伝子を伝幡することができる細胞は「安定なトランスフェクタント」と呼ばれる。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択は、G-418等のようなネオマイシン型の薬剤の存在下で行われる。選択系はまた、「増幅」と呼ばれるプロセスである対象遺伝子の発現レベルを増加させるために用いることができる。増幅は、低レベルの選択物質の存在下でトランスフェクタントを培養すること、次に導入された遺伝子の産物を高レベルで産生する細胞に関して選択するために選択物質の量を増加させることによって行われる。好ましい増幅可能で選択可能なマーカーは、メソトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の薬剤耐性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、多剤耐性、ピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)も同様に用いることができる。緑色蛍光タンパク質のような変化した表現型を導入するもう一つのマーカー、またはCD4、CD8、クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼのような細胞表面マーカーを用いて、FACSソーティングもしくは磁気ビーズ分離技術のような手段によって、トランスフェクト細胞を非トランスフェクト細胞から選別してもよい。
植物細胞、昆虫細胞、および鳥類細胞を含む他の高等真核細胞も同様に宿主として用いることができる。植物細胞において遺伝子を発現させるためのベクターとしてアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を用いることは、Sinkarら、J. Biosci.(Bangalore)11:47〜58, 1987によって論評されている。昆虫細胞の形質転換およびそこでの外来タンパク質の産生は、Guarinoら、米国特許第5,162,222号およびWIPO刊行物国際公開公報第94/06463号に開示されている。昆虫細胞は、一般的にオートグラファ核多角体ウイルス(AcNPV)に由来する組換え型バキュロウイルスに感染させることができる。King, L.A. and Possee, R.D, 「The Baculovirus Expression System:A Laboratory Guide」、London, Chapman & Hall;O'Reilly, D.R.ら、「Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual」、New York, Oxford University Press, 1994;およびRichardson, C.D.編、「Baculovirus Expression Protocols. Methods in Molecular Biology」、Totowa, NJ, Humana Press, 1995.を参照されたい。組換え型バキュロウイルスを作製する第二の方法は、Luckow(Luckow, V.A.ら、J. Virol. 67:4566〜79, 1993)によって記述されるトランスポゾンに基づく計を利用する。この計は、Bac-to-Bacキット(Life Technologies, Rockville, MD)として販売されている。この系は、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドをコードするDNAを、「バクミド」と呼ばれる大きいプラスミドとして大腸菌において維持されるバキュロウイルスゲノムに移動させるために、移入ベクター、すなわちTn7トランスポゾンを含むpFastBac1(商標)(Life Technologies)を利用する。pFastBac1(商標)移入ベクターは、対象遺伝子、この場合システイン変異体IL-28またはIL-29の発現を促進するために、AcNPV核多角体プロモーターを利用する。しかし、pFastBac1(商標)はかなりの程度に改変することができる。核多角体プロモーターを除去して、バキュロウイルス感染のより初期に発現されるバキュロウイルス塩基性タンパク質プロモーター(Pcor、p6.9、またはMPプロモーターとしても知られる)に置換することができ、これは分泌型蛋白質を発現するために都合がよいことが知られている。Hill-Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71:971〜6, 1990;Bonning, B.C.ら、J. Gen. Virol. 75:1551〜6, 1994;およびChazenbalk, G.D. and Rapoport, B., J. Biol. Chem. 270:1543〜9, 1995を参照されたい。そのような移入ベクター構築物において、短いまたは長い塩基性タンパク質プロモーターを用いることができる。その上、天然のIL-28またはIL-29分泌シグナル配列を、昆虫タンパク質に由来する分泌シグナル配列に置換する移入ベクターを構築することができる。例えば、天然のIL-28またはIL-29分泌シグナル配列を交換するために、エクジステロイドグルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチメリチン(Invitrogen, Carlsbad, CA)、またはバキュロウイルスgp67(PharMingen, San Diego, CA)からの分泌シグナル配列を構築物において用いることができる。さらに、移入ベクターには、発現されたシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドのC-またはN-末端でエピトープタグ、例えばGlu-Gluエピトープタグ(Grussenmeyer, T.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. 82:7952〜4, 1985)をコードするDNAとのインフレーム融合体が含まれうる。当技術分野で公知の技術を用いて、システイン変異体IL-28またはIL-29を含む移入ベクターを大腸菌において形質転換して、組換え型バキュロウイルスを示す中断されたLacZ遺伝子を含むバクミドに関してスクリーニングする。組換え型バキュロウイルスゲノムを含むバクミドDNAを、一般的な技術を用いて単離して、これを用いてスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、例えばSf9細胞にトランスフェクトさせる。システイン変異体IL-28またはIL-29を発現する組換え型ウイルスがその後産生される。組換え型ウイルスの保存液は当技術分野において一般的に用いられる方法によって作成される。
組換え型ウイルスを用いて、宿主細胞、典型的にフォール・アーミーワーム(fall armyworm)であるスポドプテラ・フルギペルダに由来する細胞株を感染させる。一般的に、Glick and Pasternak, 「Molecular Biotechnology:Principles and Applications of Recombinant DNA」、ASM Press, Washington, D.C., 1994を参照されたい。もう一つの適した細胞株は、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するHigh FiveO(商標)細胞株(Invitrogen)である(米国特許第5,300,435号)。
酵母細胞を含む真菌細胞も同様に、本発明において用いることができる。この点において特に重要な酵母種には、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、およびピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)が含まれる。出芽酵母細胞を外因性のDNAによって形質転換して、組換え型ポリペプチドをそこから産生する方法は、例えばKawasaki、米国特許第4,599,311号;Kawasakiら、米国特許第4,931,373号;Brake、米国特許第4,870,008号;Welchら、米国特許第5,037,743号;およびMurrayら、米国特許第4,845,075号によって開示されている。形質転換細胞は、選択マーカー、一般的に薬剤耐性マーカー、または特定の栄養(例えば、ロイシン)の非存在下での増殖能、によって決定される表現型によって選択される。出芽酵母において用いるために好ましいベクター系は、Kawasakiら、米国特許第4,931,373号によって開示されるPOT1ベクター系であり、これによって、グルコース含有培地における増殖によって形質転換細胞を選択することができる。酵母において用いるために適したプロモーターおよびターミネーターには、糖分解酵素遺伝子(例えば、Kawasakiら、米国特許第4,599,311号;Kingsmanら、米国特許第4,615,974号;およびBitter、米国特許第4,977,092号を参照されたい)およびアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーターおよびターミネーターが含まれる。米国特許第4,990,446号;第5,063,154号;第5,139,936号;および第4,661,454号を参照されたい。ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンブ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)、ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis)、ピチア・パストリス、ピチア・メタノリカ、ピチア・ギレルモンディイ(Pichia guillermondii)およびカンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)を含む他の酵母の形質転換系は、当技術分野において公知である。例えば、Gleesonら、J. Gen. Microbiol. 132:3459〜65, 1986、およびCregg、米国特許第4,882,279号を参照されたい。McKnightら、米国特許第4,935,349号の方法に従って、アスペルギルス(Aspergillus)細胞を用いてもよい。アクレモニウム・クリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)を形質転換する方法は、Suminoら、米国特許第5,162,228号に開示される。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換する方法は、Lambowitz、米国特許第4,486,533号によって開示される。組換え型蛋白質を産生するための宿主としてピチア・メタノリカを用いることは、米国特許第5,955,349号、第5,888,768号、および第6,001,597号、米国特許第5,965,389号、米国特許第5,736,383号および米国特許第5,854,039号に開示されている。
本発明のポリペプチドおよびタンパク質は、純度≧80%まで、より好ましくは純度≧90%まで、さらにより好ましくは純度≧95%まで精製することが好ましく、混入する高分子、特に他のタンパク質および核酸に関して99.9%より高く純粋であって、感染物質および発熱性物質を含まない、薬学的に純粋な状態が特に好ましい。好ましくは精製ポリペプチドまたはタンパク質は、他のポリペプチドまたはタンパク質、特に動物起源のものを実質的に含まない。
発現された組換え型システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質(キメラポリペプチドおよび多量体タンパク質を含む)は、通常のタンパク質精製法によって、典型的にクロマトグラフィー技術の組み合わせによって精製される。一般的に、「Affinity Chromatography:Principles & Methods」、Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988;およびScopes,「Protein Purification:Principles and Practice」Springer-Verlag, New York, 1994を参照されたい。ポリヒスチジンアフィニティタグ(典型的にヒスチジン残基約6個)を含むタンパク質は、ニッケルキレート樹脂におけるアフィニティクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Houchuliら、Bio/Technol. 6:1321〜1325, 1988を参照されたい。glu-gluタグを含むタンパク質は、通常の技法に従って免疫アフィニティクロマトグラフィーによって精製することができる。例えば、Grussenmeyerら、上記を参照されたい。マルトース結合タンパク質融合体は、当技術分野で公知の方法に従ってアミロースカラムにおいて精製される。
システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドはまた、限定的固相合成、部分的固相合成法、断片濃縮または古典的な液相合成を含む、当技術分野で公知の方法に従う化学合成によって調製することができる。例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149, 1963;Stewartら、「Solid Phase Peptide Synthesis(第二版)」、Pierce Chemical Co., Rockford, IL, 1984;Bayer and Rapp, Chem. Pept. Prot. 3:3, 1986;およびAthertonら、「Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach」、IRL Press, Oxford, 1989を参照されたい。インビトロ合成は、より小さいポリペプチドを調製するために特に有利である。
当技術分野で公知の方法を用いて、システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質は、単量体または多量体;グリコシル化または非グリコシル化;PEG化または非PEG化;融合タンパク質として調製することができ、最初のメチオニンアミノ酸残基を含んでも含まなくてもよい。治療に用いられるシステイン変異体IL-28またはIL-29抱合体は、薬学的に許容される水溶性ポリマー部分を含んでもよい。インターフェロンと水溶性ポリマーとの抱合は、インターフェロンの循環中の半減期を増強して、ポリペプチドの免疫原性を低下させることが示されている(例えば、Nieforthら、Clin. Pharmacol. Ther. 59:636(1996)、およびMonkarshら、Anal. Biochem. 247:434(1997)を参照されたい)。
適した水溶性ポリマーには、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシ-PEG、モノ-(C1-C10)アルコキシ-PEG、アリールオキシ-PEG、ポリ-(N-ビニルピロリドン)PEG、トレシルモノメトキシPEG、モノメトキシ-PEGプロピオンアルデヒド、PEGプロピオンアルデヒド、ビス-スクシニミジルカーボネートPEG、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキサイド/エチレンオキサイドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、モノメトキシ-PEGブチルアルデヒド、PEGブチルアルデヒド、モノメトキシ-PEGアセトアルデヒド、PEGアセトアルデヒド、メトキシPEG-スクシニミジルプロピオネート、メトキシルPEGスクシニミジルブタノエート、ポリビニルアルコール、デキストラン、セルロース、または他の糖質に基づくポリマーが含まれる。適したPEGは、例えば分子量5,000ダルトン、12,000ダルトン、20,000ダルトン、30,000ダルトン、および40,000ダルトンを含む、直線状または分岐状となりうる分子量約600〜約60,000を有してもよい。システイン変異体IL-28またはIL-29抱合体はまた、そのような水溶性ポリマーの混合物を含みうる。
システイン変異体IL-28またはIL-29抱合体の一例は、システイン変異体IL-28またはIL-29部分と、システイン変異体IL-28またはIL-29部分のN-末端に結合したポリアルキルオキサイド部分を含む。PEGは一つの適したポリアルキルオキサイドである。例として、システイン変異体IL-28またはIL-29を、「PEG化」として知られるプロセスであるPEGによって改変することができる。システイン変異体IL-28またはIL-29のPEG化は、当技術分野で公知の任意のPEG化反応によって行うことができる(例えば、欧州特許第0 154 316号、Delgadoら、Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 9:249(1992), Duncan and Spreafico, Clin. Pharmacokinet. 27:290(1994)、およびFrancisら、Int. J. Hematol. 68:1(1998)を参照されたい)。例えば、PEG化は、反応性ポリエチレングリコール分子とのアシル化またはアルキル化反応によって行うことができる。もう一つのアプローチにおいて、システイン変異体IL-28またはIL-29抱合体は、PEGの末端のヒドロキシまたはアミノ基が活性化リンカーに置換されている活性化PEGを縮合することによって形成される(例えば、Karasiewiczら、米国特許第5,382,657号を参照されたい)。
アシル化によるPEG化は、典型的にPEGの活性化エステル誘導体をシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドに反応させることを必要とする。活性化PEGエステルの例は、N-ヒドロキシスクシニミドにエステル化されたPEGである。本明細書において用いられるように、「アシル化」という用語には、システイン変異体IL-28またはIL-29と水溶性ポリマーとのあいだの以下のタイプの結合が含まれる:アミド、カーバメート、ウレタン等。PEG化システイン変異体IL-28またはIL-29をアシル化によって調製する方法は典型的に、(a)システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドを、一つまたは複数のPEG基がシステイン変異体IL-28またはIL-29に結合する条件で、PEG(PEGのアルデヒド誘導体の反応性エステルのような)に反応させる段階、および(b)反応産物を得る段階、を含むであろう。一般的に、アシル化反応の最適な反応条件は、公知のパラメータおよび所望の結果に基づいて決定されるであろう。例えば、PEG:システイン変異体IL-28またはIL-29の比が大きくなれば、ポリPEG化システイン変異体IL-28またはIL-29産物の割合はより大きくなる。
アルキル化によるPEG化は一般的に、PEGの末端のアルデヒド、例えばプロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アセチルアルデヒド等の誘導体を、還元剤の存在下でシステイン変異体IL-28またはIL-29に反応させることを含む。PEG基は、好ましくは-CH2-NH2基によってポリペプチドに結合する。
モノPEG化産物を産生するための還元的アルキル化による誘導体化は、誘導体化に利用できる一級アミノ基の異なるタイプの異なる反応性を利用する。典型的に、反応はリジン残基のε-アミノ基とタンパク質のN-末端残基のα-アミノ基とのあいだのpKaの差を利用することができるpHで行われる。そのような選択的誘導体化によって、アルデヒドのような反応基を含む水溶性ポリマーのタンパク質への結合が制御される。ポリマーとの結合は、リジン側鎖アミノ基のような他の反応基を有意に改変することなく、主にタンパク質のN-末端で起こる。
モノポリマーシステイン変異体IL-28またはIL-29抱合体分子の実質液に均一な集団を作製するための還元的アルキル化は、以下の段階を含みうる:(a)システイン変異体IL-28またはIL-29のアミノ末端のα-アミノ基で選択的改変を行うために適したpHでの還元的アルキル化条件で、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドを、反応性PEGと反応させる段階、および(b)反応産物を得る段階。還元的アルキル化のために用いられる還元剤は、水溶液において安定であり、好ましくは、還元的アルキル化の最初のプロセスにおいて形成されるシッフ塩基のみを還元することができなければならない。好ましい還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、およびピリジンボランが含まれる。
モノポリマーシステイン変異体IL-28またはIL-29結合体の実質的に均一な集団に関して、還元型アルキル化反応条件は、水溶性ポリマー部分をシステイン変異体IL-28またはIL-29のN-末端に選択的に結合させる条件である。そのような反応条件は一般的に、リジンアミノ基とN-末端のα-アミノ基とのあいだのpKaの差を提供する。pHまた、用いるポリマー対タンパク質の比にも影響を及ぼす。一般的に、N-末端α基の反応性がより低くなれば、最適な条件を達成するために必要なポリマーの量は多くなることから、pHが低ければ、大過剰量のポリマー対タンパク質が望ましいであろう。pHが高ければ、より反応性の高い基が利用できることから、ポリマー:システイン変異体IL-28またはIL-29は大きい必要はない。典型的に、pHは3〜9、または3〜6の範囲内に入るであろう。検討すべきもう一つの要因は、水溶性ポリマーの分子量である。一般的に、ポリマーの分子量がより高ければ、タンパク質に結合する可能性があるポリマー分子の数は少なくなる。PEG化反応に関して、典型的な分子量は約2 kDa〜約100 kDa、約5 kDa〜約50 kDa、約12 kDa〜約40 kDa、または約20 kDa〜約30 kDaである。水溶性ポリマー対システイン変異体IL-27またはIL-29のモル比は一般的に、1:1〜100:1の範囲であろう。典型的に、水溶性ポリマー対システイン変異体IL-28またはIL-29のモル比は、ポリPEG化に関して1:1〜20:1、モノPEG化に関して1:1〜5:1であろう。
インターフェロンと水溶性ポリマー部分とを含む結合体を作製する一般的な方法は当技術分野で公知である。例えば、Karasiewiczら、米国特許第5,382,657号、Greenwaldら、米国特許第5,738,846号、Nieforthら、Clin. Pharmacol. Ther. 59:636(1996), Monkarshら、Anal. Biochem. 247:434(1997)を参照されたい。PEG化種は、透析、超遠心、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等のような標準的な精製法を用いて、非抱合システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドから分離することができる。
本発明のシステイン変異体IL-28またはIL-29分子は、IL-28受容体に特異的に結合する、および/または抗ウイルス薬として作用することができる。システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドのIL-28受容体への結合は、確立されたアプローチを用いてアッセイすることができる。システイン変異体IL-28またはIL-29は、製造元の説明書に従ってヨウ化ビーズ(Pierce, Rockford, IL)を用いてヨウ化することができ、125I-IL-28または125I-IL-29を以下に記述されるように用いることができる。
第一のアプローチにおいて、125I-IL-28または125I-IL-29 50 ngを、非標識システイン変異体IL-28、システイン変異体IL-29、IL-28、またはIL-29を含む、可能性がある結合競合剤の存在下または非存在下でIL-28受容体ヒトIgG融合タンパク質1000 ngと混合する。特異性の対照として、他のサイトカイン受容体ヒトIgG融合体を置換する同じ結合反応も同様に行われるであろう。4℃でインキュベートした後、受容体-IgG融合体およびそれらに結合した如何なるタンパク質も捕獲するために、プロテイン-G(Zymed, SanFransisco, CA)を反応物に加えて、4℃でさらに1時間インキュベートする。プロテイン-Gセファロースを回収して、PBSによって3回洗浄し、結合した125I-IL-28または125I-IL-29を、γカウンター(Packard Instruments, Downers, Grove, IL)によって測定する。
第二のアプローチにおいて、分子が、プレート結合受容体に対する125I-IL-28または125I-IL-29の結合を阻害できるか否かをアッセイすることができる。細胞外リガンド結合ドメインを表すIL-28受容体の断片を、1 g/mL受容体溶液100 μlをプレートにおいて一晩インキュベートすることによって、96ウェルプレートのウェルに吸着させることができる。第二の形において、受容体-ヒトIgG融合体を、融合タンパク質のヒトIgG部分に対する抗体によってコーティングした96ウェルプレートのウェルに結合させることができる。プレートを受容体によってコーティングした後、プレートを洗浄して、SUPERBLOCK(Pierce, Rockford, IL)によってブロックして再度洗浄した。システイン変異体IL-28、システイン変異体IL-29、IL-28、およびIL-29を含む、可能性がある結合競合剤の増加濃度の存在下または非存在下で固定濃度の125I-IL-28または125I-IL-29を含む溶液、および溶液100 μlをプレートの適当なウェルに加えた。4℃で1時間インキュベーション後、プレートを洗浄して、結合した125I-IL-28または125I-IL-29の量を計数によって決定した(Topcount, Packard Instruments, Downers grove, IL)。125I-IL-28または125I-IL-29の結合の特異性は、これらの結合アッセイにおいて用いられる受容体分子と共に阻害剤として用いられる分子によって定義されうる。
PEG化の他に、その半減期を延長させるために、ヒトアルブミンを本発明のポリペプチドに遺伝的に結合させることができる。ヒトアルブミンは、ヒトの循環系において最も量の多い天然に存在する血液タンパク質であり、20日間以上体内循環に存在する。ヒトアルブミンに遺伝的に融合させた治療タンパク質はより長い半減期を有することが、研究から示されている。IL-28またはIL-29アルブミン融合タンパク質は、PEG化と同様に、より簡便な投与スケジュールを提供して、現在利用可能な治療と比較して有効性および安全性が類似または改善された、より長期間持続する治療の選択肢を患者に提供する可能性がある(米国特許第6,165,470号;Syedら、Blood, 89(9):3243〜3253(1997);Yehら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1904〜1908(1992);およびZeiselら、Horm. Res. 37:5〜13(1992))。
上記のPEG化およびヒトアルブミンと同様に、ヒトIgG分子のFc部分を、本発明のポリペプチドに融合させることができる。得られた融合タンパク質は、Fc部分のために、循環中の半減期が増加する可能性がある(米国特許第5,750,375号、米国特許第5,843,725号、米国特許第6,291,646号;Barouchら、Journal of Immunology 61:1875〜1882(1998);Barouchら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97(8):4192〜4197(2000年4月11日);およびKimら、Transplant Proc. 30(8):4031〜4036(1998年12月))。
ウイルス感染症の検出および診断法は当業者に周知である。本発明の分子の投与に反応したウイルスの減少を測定するために用いられる正確な方法は、ウイルスの種、および感染がインビトロまたはインビボであるかに依存するであろう。感染がインビボである場合、感染の検出および感染レベルの変化は、感染した被験者、ウイルス感染症のタイプ等に応じて変化しうる。例えば、方法には、CD4細胞数の変化の測定、血清学試験、通常のおよびリアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応アッセイによるウイルスDNAおよびウイルスRNAの測定、ウイルスによる抗体レベル、免疫蛍光および酵素結合イムノソルベントアッセイ、細胞変性作用、ならびに組織学が含まれるがこれらに限定されない。
抗ウイルス作用は、直接的または間接的であってもよい。直接的な抗ウイルス作用の例は、例えばシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドがウイルス受容体または共受容体と競合してウイルス感染症を遮断する場合である。ウイルス感染症を予防する、または進行中のウイルス複製および再感染を減少するために、システイン変異体IL-28またはIL-29を非経口投与してもよい(Gayowski, T.ら、Transplantation 64:422〜426, 1997)。間接的な抗ウイルス作用の例は、例えばシステイン変異体IL-28またはIL-29がCD4またはもう一つの白血球受容体に結合して、免疫応答の作用を調節することによって抗ウイルス作用を示す場合である。
特に重要であるのは、システイン変異体IL-28またはIL-29を、ウイルス性白血病(HTLV)、AIDS(HIV)、または例えばロタウイルス、カルシウイルス(例えば、ノーウォーク因子)、および病原性アデノウイルスの特定の株によって引き起こされる消化管ウイルス感染症、B型肝炎およびC型肝炎のための抗ウイルス治療薬として用いることである。
システイン変異体IL-28またはIL-29を用いるさらなるタイプのウイルス感染症には、DNAウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、サイトメガロウイルスのようなヘルペスウイルス;痘瘡(小痘)ウイルスのようなポックスウイルス;ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス);乳頭腫ウイルス;アデノウイルス);RNAウイルス(例えば、HIV I、II;HTLV I、II;ポリオウイルス;A型肝炎ウイルス;急性呼吸器症候群(SARS)のようなコロノウイルス;オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス);パラミクソウイルス(例えば、麻疹ウイルス);狂犬病ウイルス;C型肝炎ウイルス)、フラビウイルス、インフルエンザウイルス;カルシウイルス;狂犬病ウイルス、牛疫ウイルス、アレナウイルス等によって引き起こされる感染症が含まれるがこれらに限定されない。その上、システイン変異体IL-28またはIL-29を用いることができるウイルス関連疾患のタイプの例には、後天性免疫不全症候群;重度急性呼吸器症候群(SARS);肝炎;胃腸炎;出血性疾患;腸炎;心臓炎;脳炎;完全麻痺;気管支炎;上部および下部呼吸器疾患;呼吸器乳頭腫;関節炎;播種性疾患、髄膜炎、単核症が含まれるがこれらに限定されない。さらに、システイン変異体IL-28またはIL-29は、抗ウイルス免疫治療の様々な応用において、および他のサイトカイン、他のタンパク質、または低分子抗ウイルス剤等との併用において用いることができる。
臨床的に、HCVに対する診断検査は、抗体についての血清学的アッセイ法およびウィルス粒子についての分子検査を含む。酵素免疫アッセイが利用できるが(Vrielink et al., Transfusion 37:845-849, 1997)、免疫ブロットアッセイのような追加の試験を用いる確認を必要としうる(Pawlotsky et al., Hepatology 27:1700-1702, 1998)。定性的および定量的アッセイは、一般的に、ポリメラーゼ連鎖反応技術を用い、ウイルス血症および治療応答を評価するのに好ましい(Poynard et al., Lancet 352:1426-1432, 1998; McHutchinson et al., N. Engl. J. Med. 339:1485-1492, 1998)。定量的RT-PCR(Amplicor HCV Monitor(商標)、Roche Molecular Systems, Branchburg, NJ)および分岐型DNA(デオキシリボ核酸)シグナル増幅アッセイ(Quantiplex(商標)HCV RNA Assay [bDNA]、Chiron Corp., Emeryville, CA)のような、いくつかの市販用検査が利用できる。HCV感染についての非特異的検査室検査は、アラニンアミノトランスフェラーゼのレベル(ALT)を測定し、安価で、容易に利用できる(National Institutes of Health Consensus Development Conference Panel, Hepatology 26 (Suppl. 1):2S-10S, 1997)。肝生検の組織学的評価は、一般的に、肝炎進行を測定するための最も正確な手段と考えられている(Yano et al., Hepatology 23:1334-1340, 1996)。HCVについての臨床検査の概説については、Lauer et al., N. Engl. J. Med. 345:41-52, 2001を参照されたい。
当業者に知られているHBVおよびHCVを検査するためのいくつかのインビボのモデルがある。HCVに関して、例えば、HCVレプリコンモデルはHCV複製を阻害するための薬剤の有効性を研究するための、細胞に基づくシステムである(Blight et al.,Science,290(5498):1972-1974(Dec.8,2000);およびLohmann et al.,Science,285(5424):110-113(July 2,1999))。当業者に周知かつ受け入れられたインビトロHBVモデルは被験分子の抗HBV活性を測定するために使用され得、Korba et al.,Antiviral Res.,19(1):55-70(1992)およびKorba et al.,Antiviral Res.,15(3):217-228(1991))に開示される。
例えば、HBVに感染した哺乳動物へのシステイン変異体IL-28またはIL-29の効果は、ウッドチャックモデルを用いて評価されうる。簡単には、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)に慢性的に感染したウッドチャックは、HBVに慢性的に感染したヒトにおける疾患と類似している肝炎および肝細胞癌を発症する。モデルは、抗ウイルス活性の前臨床評価のために用いられた。慢性的に感染したWHV株は確立されており、このモデルを用いて特定の化合物の効果を研究するための動物を供給するために、新生児が血清を接種される。(概説として、Tannant et al., ILAR J. 42(2):89-102, 2001を参照されたい)。チンパンジーもまた、HBV感染した哺乳動物へのシステイン変異体IL-28およびIL-29の効果を評価するために用いられうる。チンパンジーを用いて、HBVの特徴付けがなされ、これらの研究は、チンパンジー疾患が、ヒトにおける疾患と著しく類似していることを実証した(Barker et al., J. Infect. Dis. 132:451-458, 1975、およびTabor et al., J. Infect. Dis. 147:531-534, 1983)。チンパンジーモデルは、ワクチンを評価するのに用いられた(Prince et al., In: Vaccines 97, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1997)。HIVについての療法は、通常、サル免疫不全ウイルスに感染したヒト以外の霊長類を用いて試験される(概説として、Hirsch et al., Adv. Pharmcol. 49:437-477, 2000、およびNathanson et al., AIDS 13(suppl. A):S113-S120, 1999)。HIV、肝炎、マラリア、呼吸器合胞体ウイルスおよび他の疾患におけるヒト以外の霊長類の使用の概説について、Sibal et al., ILAR J. 42(2):74-84, 2001を参照されたい。近年開発されたトランスジェニックマウスモデル(Guidotti et al.,Journal of Virology 69:6158-6169,1995)は高レベル感染性HBVの複製を支持し、HBV感染の化学療法モデルとして用いられてきた。トランスジェニックマウスは抗ウィルス薬剤で処理され、HBV DNAおよびRNAのレベルは処理に続くトランスジェニックマウス肝臓および血清中で測定される。HBVタンパク質レベルは処理に続くトランスジェニックマウス血清中で測定される。このモデルは減少するHBVウィルスタイターにおけるラミブジンおよびIFN-αの効果を評価するために用いられてきた(Morrey et al., Antiviral Therapy 3:59-68,1998)。
その上、本発明のシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドおよびタンパク質は、その活性、すなわち反応する細胞タイプの増殖、分化、遊走、接着、遺伝子発現、または代謝の調節を特徴とすることができる。システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドおよびタンパク質の生物活性は、細胞増殖、分化、遊走、もしくは接着;または遺伝子発現もしくは細胞代謝の変化(例えば、他の増殖因子または他の高分子の産生)を検出するように設計されたインビトロまたはインビボアッセイを用いてアッセイされる。適した多くのアッセイが当技術分野で公知であり、代表的なアッセイを本明細書において開示する。培養細胞を用いるアッセイは、アミノ酸置換、欠失、または挿入の影響を決定するためのような、スクリーニングにとって最も簡便である。
システイン変異体IL-27またはIL-29タンパク質の活性は、培養細胞を用いてインビトロで、または請求の本発明の分子を適当な動物モデルに投与することによってインビボで測定することができる。細胞増殖または分化を測定するアッセイは当技術分野で周知である。例えば、増殖を測定するアッセイには、ニュートラルレッド色素に対する化学感受性(Cavanaughら、Investigational New Drugs 8:347〜354, 1990)、放射標識ヌクレオチドの取り込み(例えば、Raines and Rosss, Methods Enzymol. 109:749〜773, 1985;Wahlら、Mol. Cell Biol. 8:5016〜5025, 1988;およびCookら、Analytical Biochem. 179:1〜7, 1989によって開示されるように)、増殖しつつある細胞のDNAへの5-ブロモ-2'-デオキシウリジン(BrdU)の取り込み(Porstmannら、J. Immunol. Methods 82:169〜179, 1985)、およびテトラゾリウム塩の利用(Mosmann, J. Immunol. Methods 65:55〜63, 1983;Alleyら、Cancer Res. 48:589〜601, 1988;Marshallら、Growth Reg. 5:69〜84, 1995;およびScudieroら、Cancer Res. 48:4827〜4833, 1988)のようなアッセイが含まれる。分化は、例えば、より成熟した表現型に分化するように誘導することができる適した前駆細胞を用いてアッセイすることができる。分化を測定するアッセイには、例えば組織の段階特異的発現、酵素活性、機能的活性、または形態学的変化に関連した細胞表面マーカーを測定することが含まれる(Watt, FASEB 5:281〜284, 1991;Francis, Differentiation 57:63〜75, 1994;Raes, Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 161〜171, 1989;全て参照により本明細書に組み入れられる)。
システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチド活性はまた、IL-28またはIL-29によって誘導される一つまたは複数のさらなる増殖因子または他の高分子の産生を測定するように設計されたアッセイを用いて検出してもよい。IL-28およびIL-29を含むタンパク質ファミリーの特定のメンバーは、インビボで循環中の単球数を増加させることが示されている。単球の活性化は、生得および養子免疫の双方において重要である。例えば、単球の活性化は、いくつかのメカニズムによって抗原提示を刺激することが示されている。抗原提示は、T細胞、すなわち細胞障害性およびヘルパーT細胞の双方の活性化および増殖を促進する。樹状細胞の成熟および活性化も同様に、T細胞の活性化を促進して、生得および養子免疫の双方を促進する。活性化単球およびマクロファージの増加も同様に、細胞溶解活性を増加させることが示されている。したがって、システイン変異体IL-28またはIL-29は、抗感染剤として有用であり、生得の細胞性および液性免疫応答を増強するであろう。CD14+単球におけるICAM染色の増加が認められ、このことはIL-28およびIL-29が単球の活性化において役割を有することを示唆している。データは、ファミリーメンバーがウイルスに対する抗ウイルス反応を促進することを示しているが、細菌および寄生虫も同様に影響を受ける可能性がある。
単球活性化アッセイは、(1)システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質が単球の活性化をさらに刺激することができるか否かを調べるために、および(2)システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質が接着誘導またはエンドトキシン誘導単球活性化を調節できるか否かを調べるために(Fuhlbriggeら、J. Immunol. 138:3799〜3802, 1987)行われる。活性化に反応して産生されたIL-1αおよびTNF-αレベルは、ELISA(Biosource, Inc., Camarillo, CA)によって測定される。単球/マクロファージ細胞は、CD14(LPS受容体)のために、エンドトキシンに対して強い感受性を示し、エンドトキシン様活性の中等度のレベルを有するタンパク質はこれらの細胞を活性化するであろう。
単球レベルの増加は、システイン変異体IL-28またはIL-29が骨髄において骨髄前駆細胞に対して直接作用を有する可能性があることを示唆している。骨髄前駆細胞の単球への分化の増加は、例えば化学療法後の免疫コンピテンシーを回復するために必須である。このように、システイン変異体IL-28またはIL-29を、化学療法を受ける患者に投与することは、化学療法レジメに一般的に関連するその回復および感染症に対する抵抗能を促進することができるであろう。このように、骨髄または末梢血細胞のいずれかを本発明の分子と共に培養することによって、インビトロまたはエクスビボでのこの作用を達成するために単球または単球前駆細胞が増加するように、単球または単球前駆細胞の数を増加させる方法。本発明はまた、単球または単球前駆細胞の増加を必要とする哺乳類に本発明の分子をインビボで投与することを提供する。単球および単球前駆細胞の増加は、臨床医、医師、および当業者に周知の方法を用いて測定することができる。単球細胞は、造血細胞の骨髄系列に含まれ、そのためその系列における他の細胞に対する影響は珍しいことではないであろう。例えば、ある因子が骨髄またはリンパ系列の一つのタイプの細胞の分化または増殖を促進する場合、これは共通の前駆細胞または幹細胞を有する他の細胞の産生に影響を及ぼしうる。
システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質の造血活性は、培養した様々な造血細胞においてアッセイすることができる。好ましいアッセイには、初代培養骨髄コロニーアッセイおよび後期段階の系列拘束コロニーアッセイが含まれ、これらは当技術分野において公知である(例えば、Hollyら、WIPO刊行物国際公開公報第95/21920号)。適した半固形培地(例えば、15%ウシ胎児血清、10%ウシ血清アルブミン、および0.6%PSN抗生物質ミクスを含む50%メチルセルロース)に播種された骨髄細胞を、試験ポリペプチドの存在下でインキュベートした後、コロニー形成に関して顕微鏡下で調べる。公知の造血因子を対照として用いる。システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドの造血細胞株に及ぼすマイトゲン活性は、先に開示したように測定することができる。
細胞の遊走は、本質的にKahlerら(Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 17:932〜939, 1997)に開示されるようにアッセイされる。タンパク質は、低タンパク質濃度の領域から高タンパク質濃度の領域への細胞遊走を誘導する場合、化学遊走性であると見なされる。典型的なアッセイは、二室を隔てるポリスチレンメンブレンを有する改変ボイデンチャンバー(Transwell;Corning Costar Corp.)を用いて行われる。1%BSAを含む培地において希釈した試験試料を、トランスウェルを含む24ウェルプレートの下室に加える。0.2%ゼラチンによって前処置したトランスウェルインサートの上に細胞を載せる。細胞の遊走を37℃で4時間のインキュベーション後に測定する。非遊走細胞をトランスウェルメンブレンの上部から拭き取って、メンブレンの下表面に接着した細胞を固定して0.1%クリスタルバイオレットによって染色した。次に、染色した細胞を10%酢酸によって抽出して、600 nmでの吸光度を測定する。次に、遊走を標準較正曲線から計算する。細胞の遊走はまた、Grantらのマトリゲル法を用いて測定することができる(「Angiogenesis as a component of epithelial-mesenchymal interactions」、in Goldberg and Rosen, 「Epithelial-Mesenchymal Interaction in Cancer」、Birkhauser Verlag, 1995, 235〜248;Baatout, Anticancer Research 17:451〜456, 1997)。
細胞接着アッセイは、本質的にLaFleurら(J. Biol. Chem. 272:32798〜32803, 1997)によって開示された通りにアッセイする。簡単に説明すると、マイクロタイタープレートを試験タンパク質によってコーティングして、非特異的部位をBSAによってブロックして、細胞(平滑筋細胞、白血球、または内皮細胞)を約104〜105個/ウェルの密度で播種する。ウェルを37℃でインキュベート(典型的に約60分間)した後、非接着細胞を軽く洗浄して除去する。接着細胞を通常の方法によって定量する(例えば、クリスタルバイオレットによる染色、細胞の溶解、および溶解物の吸光度の測定によって)。対照ウェルは、フィブロネクチンまたはビトロネクチンのような公知の接着タンパク質によってコーティングする。
動物におけるシステイン変異体IL-28またはIL-29ポリヌクレオチドの発現は、インビボでのタンパク質の過剰産生またはタンパク質活性の阻害という生物作用に関するさらなる試験のモデルを提供する。IL-28またはIL-29コードポリヌクレオチドおよびアンチセンスポリヌクレオチドを、ウイルスベクターまたは裸のDNAを用いてマウスのような試験動物に導入することができ、またはトランスジェニック動物を作製することができる。
本発明のタンパク質をアッセイする一つのインビボアプローチは、ウイルス送達系を利用する。この目的のための例としてのウイルスには、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)が含まれる。二本鎖DNAウイルスであるアデノウイルスは、異種核酸を送達するために現在最もよく調べられている遺伝子移入ベクターである。論評に関してはBeckerら、Meth. Cell Biol. 43:161〜89, 1994;およびDouglas and Curiel, Science & Medicine 4:44〜53, 1997を参照されたい。アデノウイルス系は、いくつかの長所を提供する。アデノウイルスは、(i)比較的大きいDNAインサートに適合する;(ii)高力価で増殖する;(iii)広範囲の哺乳類細胞タイプに感染する;および(iv)広布の組織特異的および調節型プロモーターを含む多くの異なるプロモーターと共に用いることができる。アデノウイルスは血流において安定であることから、それらは静脈内注射によって投与することができる。同様に、Wuら、J. Biol. Chem. 263;14621〜14624, 1988;Wuら、J. Biol. Chem. 267:963〜967, 1992;およびJohnston and Tang, Meth. Cell Biol. 43:353〜365, 1994を参照されたい。
システイン変異体IL-28またはIL-29遺伝子を発現するように操作されたトランスジェニックマウス、および「ノックアウトマウス」(Snouwaertら、Science 257:1083, 1992)と呼ばれる、システイン変異体IL-28またはIL-29遺伝子機能の完全な喪失を示すマウスも同様に作製することができる(Lowellら、Nature 366:740〜742, 1993)。これらのマウスを用いて、システイン変異体IL-28またはIL-29遺伝子およびそれによってコードされるタンパク質をインビボ系において調べることができる。トランスジェニック発現にとって好ましいプロモーターには、メタロチオネインおよびアルブミン遺伝子のプロモーターが含まれる。
ほとんどのサイトカインと共に活性化リンパ球によって産生される他のタンパク質は、全身を通して細胞の分化、活性化、動員、および恒常性において重要な生物学的役割を有する。システイン変異体IL-28またはIL-29およびその活性の阻害剤は、多様な治療応用を有すると期待される。これらの治療応用には、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡、および糖尿病のような自己免疫疾患を含む、免疫の調節を必要とする疾患の治療が含まれる。
IL-28またはIL-29は炎症の調節において重要である可能性があり、したがって、リウマチ性関節炎、喘息、および敗血症を治療するために有用となるであろう。腫瘍形成の媒介におけるIL-28またはIL-29の役割が存在する可能性があり、それによってシステイン変異体IL-28またはIL-29アンタゴニストは、癌の治療において有用となるであろう。IL-28またはIL-29は、免疫系の調節において有用となる可能性があり、それによってシステイン変異体IL-28またはIL-29アンタゴニストは、移植片の拒絶を減少させるため、移植片対宿主病の予防、感染疾患に対する免疫の強化、免疫無防備患者(例えば、HIV+患者)の治療、またはワクチンの改善のために用いてもよい。
本発明のタンパク質ファミリーメンバーは、インターフェロン-αと類似の抗ウイルス作用を有することが示されている。インターフェロンは、米国において自己免疫疾患、尖圭コンジローマ、慢性C型肝炎、膀胱癌、子宮頚癌、咽頭乳頭腫、菌状息肉腫、慢性B型肝炎、ヒト免疫不全ウイルスに感染した患者におけるカポジ肉腫、悪性黒色腫、ヘアリーセル白血病、および多発性硬化症の治療に関して承認されている。さらに、システイン変異体IL-28またはIL-29は、細胞の増殖を阻害することによって、アテローム性動脈硬化症のような型の動脈硬化症を治療するために用いてもよい。したがって、本発明は、そのような病態と共に網膜症を治療するために、IL-28またはIL-29活性を有するシステイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを用いることを企図する。本発明はまた、B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病を含むリンパ増殖障害を治療するために、IL-28またはIL-29活性を有するシステイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを用いることも企図する。
インターフェロンはまた、培養細胞による抗原の発現を誘導することが示されている(例えば、Authら、Hepatology 18:546(1993)、Guadagniら、Int. J. Biol. Markers 9:53(1994)、Girolomoniら、Eur. J. Immunol. 25:2163(1995)、およびMaciejewskiら、Blood 85:3183(1995)を参照されたい)。この活性は、インビトロでの新規腫瘍関連抗原の同定能を増強する。その上、インターフェロンがヒト腫瘍抗原の発現レベルを増強できることは、インターフェロンが、免疫療法に関するアジュバントの状況において、または抗腫瘍抗原抗体を用いる免疫シンチグラフィーを増強するために有用となりうることを示している(Guadagniら、Cancer Immunol. Immunother. 26:222(1988);Guadagniら、Int. J. Biol. Markers 9:53(1994))。このように、本発明には、免疫療法のアジュバントとして、または抗腫瘍抗原抗体を用いる免疫シンチグラフィーを改善するために、IL-28またはIL-29活性を有するシステイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを用いることが含まれる。
腫瘍の進行および転移に及ぼすシステイン変異体IL-28またはIL-29の活性および作用はインビボで測定することができる。腫瘍の進行に及ぼすポリペプチド、化合物、または他の治療の影響を調べるために、いくつかの同系マウスモデルが開発されている。これらのモデルにおいて、培養において継代された腫瘍細胞を、腫瘍ドナーと同系のマウスに移植する。細胞はレシピエントマウスにおいて類似の特徴を有する腫瘍を発症して、モデルのいくつかにおいて転移が起こるであろう。本発明者らの適当な腫瘍モデルには、中でもLewis肺癌(ATCC番号CRL-1642)およびB16黒色腫(ATCC番号CRL-6323)が含まれる。これらはいずれも、C57BL6マウスと同系の一般的に用いられる腫瘍株であり、インビトロで容易に培養および操作される。これらの細胞株のいずれかの移植によって生じた腫瘍は、C57BL6マウスの肺に転移することができる。Lewis肺癌モデルは最近、マウスにおいて血管新生阻害剤を同定するために用いられている(O'Reilly, MS.ら、Cell 79:315〜328, 1994)。C57BL6マウスを、組換え型蛋白質、アゴニスト、もしくはアンタゴニストの毎日注射によって、または組換え型アデノウイルスの1回注射のいずれかによる実験物質によって処置する。この処置の3日後、細胞105〜106個を背部皮膚に移植する。または、タンパク質が全身的よりむしろ、腫瘍部位または細胞内で合成されるようにするために、細胞自身を移植前に、システイン変異体IL-28またはIL-29を発現するアデノウイルスのような、組換え型アデノウイルスに感染させてもよい。マウスは通常、5日以内に肉眼的に見える腫瘍を発症する。腫瘍を3週間まで増殖させると、その期間のあいだに、腫瘍は対照処置群において1500〜1800 mm3の大きさに達するであろう。腫瘍の大きさおよび体重を実験を通して注意深くモニターする。屠殺時、腫瘍を摘出して、肺および肝臓と共に重量を測定する。肺の重量は転移した腫瘍負荷と良好に相関することが示されている。さらなる測定値として、肺表面の転移を計数する。切除した腫瘍、肺、および肝臓を、当技術分野で公知の、および本明細書に記述の方法を用いて、組織病理学検査、免疫組織化学、およびインサイチューハイブリダイゼーションのために調製する。このように、試験される発現されたポリペプチド、例えばシステイン変異体IL-28またはIL-29の、腫瘍の血管動員能および転移能に及ぼす影響を評価することができる。さらに、アデノウイルスの他に、移植された細胞に、システイン変異体IL-28またはIL-29を一過性にトランスフェクトすることができる。安定なシステイン変異体IL-28またはIL-29トランスフェクタントを用いることと共に、インビボでシステイン変異体IL-28またはIL-29の発現を活性化するために誘導型プロモーターを用いることは、当技術分野で公知であり、この系において転移の誘導を評価するために用いることができる。その上、精製システイン変異体IL-28またはIL-29条件培地をこのマウスモデルに直接注射して、従ってこの系において用いることができる。一般的な参考文献に関しては、O'Reilly, MSら、Cell 79:315〜328, 1994;およびRusciano, D.ら、「Murine Models of Liver Metastasis」、Invasion Metastasis 14:349〜361, 1995を参照されたい。
システイン変異体IL-28またはIL-29はまた、心臓が炎症プロセスに関係する場合に生じる障害である心筋炎を治療するためにも用いることができる。リンパ球の浸潤および心筋細胞溶解は、ウイルス、細菌、真菌、または寄生虫による感染後に起こると考えられている(例えば、Brodisonら、J. Infection 37:99(1998)を参照されたい)。システイン変異体IL-28またはIL-29は、心筋炎に関連した感染症を治療するために静脈内または皮下注射することができる。システイン変異体IL-28またはIL-29はまた、自己免疫性心筋炎の治療において免疫調節性サイトカインとして静脈内投与することができる。A/Jマウスにおける自己免疫心筋炎モデルを用いて、インターフェロンの用量を外挿することができる(Donermeyerら、J. Exp. Med. 182:1291(1995))。
最近の報告から、ウイルス感染の初期に膵臓β細胞において強い抗ウイルス状態を誘導することによって、ウイルス性糖尿病の予防におけるI型インターフェロンの役割が強調されている(Flodstroemら、Nature Immunology 3, 373〜382(2002))。これは、ウイルス誘導細胞死およびそれに伴う自己免疫によるβ細胞の喪失を防止する。システイン変異体IL-28またはIL-29も同様に、IL-28受容体を発現する細胞において抗ウイルス状態を誘導する。IL-28受容体は膵臓組織において高度に発現されており、したがって、IL-28およびIL-29は、β細胞の死によるウイルス性糖尿病の予防において役割を有する可能性がある。さらに、ウイルス性糖尿病の予防におけるI型インターフェロンの役割は、他のウイルス性自己免疫疾患に拡大してもよく、したがってIL-28またはIL-29は、IL-28受容体を発現する組織において、筋硬化症、狼瘡、およびウイルス性自己免疫疾患のような他の疾患の予防において役割を有する可能性がある。
システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドは、単独またはVEGFを含む他の血管形成または血管新生物質と併用して投与することができる。システイン変異体IL-28またはIL-29をさらなる物質と併用して用いる場合、二つの化合物は、治療される特定の病態に対して適当であれば、同時または連続的に投与することができる。
システイン変異体IL-28またはIL-29は、腫瘍形成を治療するために有用となり、したがって癌の治療において有用となるであろう。IL-28はB-細胞腫瘍株を阻害する可能性があり、このことは、B細胞腫瘍株をより低い増殖状態へと誘導するためにシステイン変異体IL-28またはIL-29によって患者を治療する場合に、治療利益を有する可能性があることを示唆している。このリガンドは、通常の化学療法剤と共にインターフェロンαのような免疫調節物質の双方を含む、既に用いられている他の物質と併用することができるであろう。α/βインターフェロンは、いくつかの白血病および動物疾患モデルを治療するために有効であることが示されており、インターフェロン-αおよびシステイン変異体IL-28またはIL-29の増殖阻害作用は、B-細胞腫瘍由来細胞株に関して相加的となる可能性がある。
もう一つの局面において、本発明は、
Figure 2007528719
からなる群より選択される単離ポリペプチド、ならびに薬学的に許容される媒体を含む薬学的製剤を提供する。
薬学的に用いるために、システイン変異体IL-28またはIL-29タンパク質は、通常の方法に従って、局所または非経口、特に静脈内または皮下送達のために調製される。一般的に、薬学的製剤には、生理食塩液、緩衝生理食塩液、5%デキストロース水等のような薬学的に許容される媒体と共に、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドが含まれるであろう。製剤にはさらに、バイアル表面でのタンパク質の損失を防止する等のために、一つまたは複数の賦形剤、保存剤、溶解剤、緩衝剤、アルブミンが含まれてもよい。調製法は、当技術分野で周知であり、例えば「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、Gennaro編、Mack Publishing Co., Easton, PA、第19版、1995に開示されている。システイン変異体IL-28またはIL-29は、好ましくは、全量約10〜100 μg/mlの濃度で用いられるが、1 ng/ml〜1000μg/mlの範囲の濃度を用いてもよい。創傷治癒の促進のためのような局所応用の場合、タンパク質は0.1〜10 μg/cm2創傷領域の範囲で適用され、正確な用量は、治療される病態の特性および重症度、患者の形質等を考慮して、承認された標準に従って臨床医によって決定されるであろう。用量の決定は、当業者のレベル内である。投与は、治療期間のあいだ毎日または間欠的に行われる。静脈内投与は、ボーラス注射または1〜数時間の典型的な期間での注入によって行われるであろう。徐放製剤も同様に用いてもよい。一般的に、IL-28またはIL-29システイン変異体の治療的有効量は、ウイルスの負荷または免疫機能における臨床的に有意な変化、罹患率の有意な減少、または組織学スコアの有意な増加のような、治療される病態において臨床的に有意な変化を生じるために十分な量である。
例として、薬学的製剤は、本発明のIL-28またはIL-29ポリペプチドを含む容器を含むキットとして提供してもよい。治療的ポリペプチドは、1回用量もしくは複数回用量の注射溶液の剤形で、または注射前に溶解される滅菌粉末として提供されうる。または、そのようなキットには、治療的ポリペプチドの投与のための乾燥粉末分ディスペンサー、液体エアロゾル発生器、またはネブライザーが含まれうる。そのようなキットはさらに、薬学的組成物の適応および用途に関する書面での情報をさらに含んでもよい。その上、そのような情報には、IL-28またはIL-29ポリペプチドに対する公知の過敏症を有する患者ではIL-28またはIL-29ポリペプチド製剤が禁忌である、という声明が含まれてもよい。
もう一つの局面において、本発明は、動物において免疫応答を誘発して抗体を産生させる、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるポリペプチドを動物に接種する段階;ならびに動物から抗体を単離する段階を含む、ポリペプチドに対する抗体を産生する方法を提供する。もう一つの局面において、本発明は、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるポリペプチドに結合する、上記の方法によって産生された抗体(例えば、中和抗体)を提供する。一つの態様において、先に開示された抗体は、
Figure 2007528719
からなる群より選択されるポリペプチドに特異的に結合する。もう一つの局面において、本発明は、本明細書に記述のポリペプチドに特異的に結合する抗体または抗体断片を提供する。一つの態様において、抗体は、ポリクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体に由来するヒト化抗体、抗体断片、およびヒトモノクローナル抗体からなる群より選択される。一つの態様において、抗体断片は、本明細書に記述される断片であって、F(ab')、F(ab)、Fab'、Fab、Fv、scFv、および最小認識単位からなる群より選択される。
もう一つの局面において、本発明は、本明細書に記述の抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
本明細書において用いられるように、「抗体」という用語には、遺伝子操作された抗体を含む、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、F(ab')2およびFab断片のような抗原結合断片、一本鎖抗体等が含まれる。非ヒト抗体は非ヒトCDRをヒトのフレームワークおよび定常領域に移植することによって、または完全な非ヒト可変ドメイン(任意で、露出する残基を置換することによって、ヒト様表面によってそれらを「隠し」、それによって「見せかけ」の抗体が得られる)を組み入れることによってヒト化してもよい。場合によっては、ヒト化抗体は、適切な結合特徴を増強するために、ヒト可変領域フレームワークドメイン内に非ヒト残基を保持してもよい。ヒト化抗体によって、生物学的半減期が増加する可能性があり、ヒトに投与した場合に有害な免疫反応の可能性が減少する。当業者は、特定の抗体の定常ドメインに関連した様々な免疫機能を促進または阻害するために、特異的および異なる定常ドメイン(すなわち、異なるIgサブクラス)を有するヒト化抗体を産生することができる。抗体は、対照(非システイン変異体IL-28およびIL-29)ポリペプチドまたはタンパク質に対する結合親和性より少なくとも10倍高い親和性で、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドまたはタンパク質に結合すれば、特異的に結合すると定義される。モノクローナル抗体の親和性は、当業者に容易に決定されうる(例えば、Scatchard, Ann. NY. Acad. Sci. 51:660〜672, 1949)。
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を調製する方法は、当技術分野で周知である(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、Hurrell, J.G.R.編、「Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications」、CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982を参照されたい)。ポリペプチド免疫原は完全長の分子またはその一部であってもよい。ポリペプチド部分が「ハプテン様」である場合、そのような部分を、免疫のために高分子担体(キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、または破傷風トキソイド)に結合または連結させると都合がよいかも知れない。
当業者に公知の多様なアッセイを利用して、システイン変異体IL-28またはIL-29ポリペプチドに対して特異的に結合する抗体を検出することができる。例としてのアッセイは、「Using Antibodies:A Laboratory Manual」、Harlow and Lane(編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999に詳細に記述されている。そのようなアッセイの代表的な例には、同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、ラジオ免疫沈降、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ドットブロットアッセイ、ウェスタンブロットアッセイ、阻害または競合アッセイ、およびサンドイッチアッセイが含まれる。
インビトロおよびインビボ診断的使用を含む特定の応用に関して、標識抗体を用いることが都合がよい。適した直接的なタグまたは標識には、放射性核種、酵素、基質、共因子、阻害剤、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子等が含まれる;間接的なタグまたは標識は、ビオチン-アビジン、または中間体として他の補体/抗補体対を用いることを特徴としてもよい。本発明の抗体はまた、直接または間接的に薬物、毒素、放射性核種等に結合させてもよく、これらの結合体はインビボでの診断または治療応用(例えば、細胞増殖の阻害)のために用いてもよい。一般的にRamakrishnanら、Cancer Res. 56:1324〜1330, 1996を参照されたい。
本発明は、以下の非制限的な実施例によってさらに説明する。
実施例
実施例1
哺乳類の発現プラスミド
zcyto20およびzcyto21を含む発現プラスミドを相同的組換えによって構築した。zcyto20およびzcyto21 cDNAの断片を、PCR増幅を用いて作製した。PCRのプライマーは以下の通りであった:
zcyto20/pZMP21:zc40923およびzc43152、それぞれ配列番号:42および43、ならびにzcyto21/pZMP21:zc40922およびzc43153、それぞれ配列番号:2および73。
PCR反応混合物を1%アガロースゲルにおいて泳動して、インサートの大きさに対応するバンドを、QIAquick(商標)ゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いてゲル抽出した。
BglIIによって切断したプラスミドpZMP21を、PCRインサート断片との組換えのために用いた。プラスミドpZMP21は、MPSVプロモーター、およびコード配列を挿入するための多数の制限部位を有する発現カセット;大腸菌複製開始点;SV40プロモーター、エンハンサーおよび複製開始点、DHFR遺伝子、およびSV40ターミネーター、を含む哺乳類選択マーカー発現単位;ならびに出芽酵母における選択および複製にとって必要なURA3およびCEN-ARS配列を含む哺乳類発現ベクターである。これは、pRS316(American Type Culture Collection, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に寄託、寄託番号77145)から採取した酵母遺伝子エレメント、ポリオウイルスからのリボソーム内部認識配列(IRES)エレメント、および膜貫通ドメインのC-末端で切断されたCD8の細胞外ドメインと共に、pZP9(American Type Culture Collection, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209に寄託、寄託番号98668)から構築された。
コンピテント酵母(出芽酵母)細胞100 μlを、インサートDNA 10μlおよび上記の切断されたpZMP21ベクター100 ngと独立して混合して、混合物を0.2 cm電気穿孔キュベットに移した。酵母/DNA混合物を、0.75 kV(5 kV/cm)、∞オームおよび25 μFの電力供給(BioRad Laboratories, Hercules, CA)設定を用いてエレクトロパルスした。1.2 Mソルビトール600μlをキュベットに加えて、酵母を100 μlおよび300 μlの少量でURA-Dプレート2枚に播種して30℃でインキュベートした。約72時間後、プレート1枚からのUra+酵母形質転換体をH2O 1 mlに浮遊させて、軽く遠心して酵母細胞を沈降させた。細胞沈降物を溶解緩衝液(2%Triton X-100、1%SDS、100 mM NaCl、10 mM Tris、pH 8.0、1 mM EDTA)0.5 mlに浮遊させた。溶解混合物500 μlを、酸洗浄ガラスビーズ250 μlおよびフェノール-クロロホルム300 μlを含むエッペンドルフチューブに加えて、3分間攪拌し、エッペンドルフ遠心機において最高速度で5分間遠心した。水相300μlを新しいチューブに移して、DNAをエタノール(EtOH)600 μlおよび3 M酢酸ナトリウム30 μlによって沈殿させた後、最高速度で30分間遠心した。DNA沈降物をTE 30μlに浮遊させた。
エレクトロコンピテント大腸菌宿主細胞(MC1061)の形質転換は、酵母DNA沈殿物5μlおよび細胞50μlを用いて行った。細胞を2.0 kV、25μF、および400オームでエレクトロパルスした。電気穿孔後、SOC(2%Bacto(商標)トリプトン(Difco, Detroit, MI)、0.5%酵母抽出物(Difco)、10 mM NaCl、2.5 mM KCl、10 mM MgCl2、10 mM MgSO4、20 mMグルコース)1 mlを加えて、細胞50μlおよび200μlの少量をLB AMPプレート(LBブロス(Lennox)、1.8%Bacto(商標)アガー(Difco)、100 mg/lアンピシリン)2枚に播種した。
各構築物に関して、三つのクローンのインサートに配列分析を行って、各構築物につき正確な配列を含むクローン1個を選択した。大規模プラスミドDNAは、市販のキット(QIAGENプラスミドメガキット、Qiagen, Valencia, CA)を用いて製造元の説明書に従って単離した。正しい構築物をzcyto20/pZMP21およびzcyto21/pZMP21と命名した。
実施例2
CHO細胞における哺乳類構築物の発現
zcyto20/pZMP21およびzcyto21/pZMP21構築物200 μgをPvu I 200単位によって37℃で3時間消化した後、IPAによって沈殿させて、1.5 mL微量遠心管において遠心した。沈降物から上清をデカントして除き、70%エタノール1 mLによって洗浄して、室温で5分間インキュベートした。試験管を微量遠心機において14,000 RPMで10分間遠心して、沈降物から上清を吸引した。沈降物を滅菌環境においてPF-CHO培地750 μlに浮遊させて、60℃で30分間インキュベートした。CHO細胞を遠心して、DNA培地溶液を用いて浮遊させた。DNA/細胞混合物を0.4 cmギャップキュベットに入れて、以下のパラメータを用いて電気穿孔した:950μF、高い静電容量、および300 V。キュベットの内容物を取り出してPF-CHO培地によって25 mlに希釈して、125 mL振とうフラスコに入れた。フラスコを37℃、6%CO2のインキュベータに入れて、シェーカー上で120 RPMで振とうさせた。
実施例3
zcyto20-CHOタンパク質の精製および分析
A.zcyto20-CHOタンパク質の精製
組換え型zcyto20(IL-28A)タンパク質をDXB11-CHO細胞株のプールから産生した。培養物を回収して、0.2μmフィルターを用いて培地を濾過滅菌した。
zcyto20-CHOタンパク質の精製は、Poros HS 50カラム(Applied Biosystems, Framingham, MA)、Monolithic WCXカラム(Isco, Inc., Lincoln, NE)、ToyoPearlブチル650 Sカラム(TosoH, Montgomeryville, PA)、およびSuperdex 75カラム(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)を連続的に用いて行った。DXB111-CHOからの培養培地をpH 6.0に調節してからPoros 50 HSカラムにローディングした。カラムを50 mM MES(2-モルフォリノエタンスルホン酸)、100 mM NaCl、pH 6によって洗浄して、結合したタンパク質を、50 mM MES、2 M NaCl、pH 6の60%までの10カラム容積(CV)の直線勾配によって溶出した。溶出分画を回収してzcyto20タンパク質の有無をクーマシー染色を用いるSDS-PAGEによって確認した。zcyto20タンパク質を含むこの分画をプールして、2回蒸留水によって伝導率が約20 mSとなるまで希釈して、Monolithic WCXカラムにローディングした。カラムを93%50 mM MES、100 mM NaCl、pH 6、および7% 50 mM MES、2 M NaCl、pH 6によって洗浄した。結合タンパク質を、50 mM MES、2 M NaCl、pH 6の7%〜50%の25-CV直線勾配によって溶出した。溶出分画を回収して、zcyto20タンパク質の有無をクーマシー染色を用いるSDS-PAGEによって確認した。zcyto20タンパク質を含む分画をプールして1 M硫酸アンモニウムとなるように調節してToyoPearlブチル650 Sカラムにローディングした。Zcyto20は、硫酸アンモニウムの減少勾配によって溶出して、純粋なzcyto20を含む分画をプールして、Superdex 75カラムに注入するために濃縮した。ゲル濾過カラムからzcyto20タンパク質を含む分画をプールして濃縮し、0.2 μmフィルターによって濾過滅菌して-80℃で凍結した。最終精製タンパク質の濃度をBCAアッセイ(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)およびHPLC-アミノ酸分析によって決定した。
B.zcyto20-CHOタンパク質のSDS-PAGEおよびウェスタンブロット分析
組換え型zcyto20タンパク質をSDS-PAGE(Nupage 4〜12%Bis-Tris, Invitrogen, Carlsbad, CA)、およびzcyto20-CHOタンパク質と交叉反応するウサギ抗zcyto21-CEE-BV IgGを一次抗体として用いるウェスタンブロットによって分析した。InvitrogenのXcell IIミニセル(Carlsbad, CA)を用いてゲルを電気泳動して、InvitrogenのXcell IIブロットモジュールを用いて機器マニュアルに提供された指示に従って、0.2μmニトロセルロースメンブレン(BioRad Laboratories, Hercules, CA)に転写した。転写は、25 mMトリス塩基、200 mMグリシン、および20%メタノールを含む緩衝液において500 mAで50分間行った。メンブレンを10%脱脂粉乳の1×PBS溶液において10分間ブロッキングした後、2.5%脱脂粉乳を含む1×PBS溶液において一次抗体によってプロービングした。ブロットを振とうさせながら室温で1時間標識した。二次抗体標識の場合、ブロットをPBSによって各10分間3回洗浄した後、ヤギ抗ウサギIgG-HRP(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)によって1時間プロービングした。ブロットを1×PBSによって各10分間3回洗浄した後、SuperSignal(登録商標)ULTRA試薬(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)の1:1混合物を用いて発色させ、Lumi-Imager(Boehringer Mannheim GmbH, Germany)を用いてシグナルを捕獲した。
C.蛋白質精製および分析の要約
CHO培地から精製したzcyto20タンパク質は、非還元条件で4〜12%ビストリスゲルにおいて、約20 kDaで主にダブレットとして、および約38 kDaで軽微なトリプレット二量体として移動した。それらは全て、還元条件では単一の20 kDaバンドに崩壊した。MSペプチドマッピングにより、ジスルフィド結合に関して二つの異性体の混合物、およびO-結合グリコシル化部位の存在が示された。
実施例4
zcyto21-CHOタンパク質の精製および分析
A.Zcyto21-CHOタンパク質の精製
組換え型zcyto21は、安定なDXB11-CHO細胞株から産生した。培養物を回収して、0.2μmフィルターを用いて培地を濾過滅菌した。陽イオンおよび陰イオン交換カラムの組み合わせから始めて、その後に疎水性相互作用クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーを行うことによって、タンパク質を条件培地から精製した。DXB111-CHOカラム培地をpH 6.0に調節した後、Poros 50 HSカラム(Applied Biosystems, Framingham, MA)にローディングした。カラムを1×PBS、pH 6によって洗浄して、結合したタンパク質を5×PBS, pH 8.4によって溶出した。溶出分画を回収して、zcyto21タンパク質の有無をクーマシー染色を用いるSDS-PAGEによって確認した。この分画を伝導率13 mSとなるように希釈してそのpHを8.4に調節し、Poros 50 HQカラム(Applied Biosystems, Framingham, MA)に通過させた。zcyto21タンパク質を含む流出分画を、硫酸アンモニウムを用いて約127 mSに調節して、ToyoPearlフェニル650 Sカラム(TosoH, Montgomeryville, PA)にローディングした。Zcyto21タンパク質を硫酸アンモニウム濃度の減少勾配によって溶出して、純粋なzcyto21を含む分画をプールして、Superdex 75カラム(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)に注入するために濃縮した。最終精製タンパク質の濃度はBCAアッセイ(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)およびHPLC-アミノ酸分析によって決定した。
B.Zcyto21-CHOタンパク質のSDS-PAGEおよびウェスタンブロット分析
組換え型zcyto21タンパク質をSDS-PAGE(Nupage 4〜12%Bis-Tris, Invitrogen, Carlsbad, CA)およびウサギ抗zcyto21-CEE-BV IgGを一次抗体として用いるウェスタンブロットによって分析した。InvitrogenのXcell IIミニセル(Carlsbad, CA)を用いてゲルを電気泳動して、InvitrogenのXcell IIブロットモジュールを用いて機器マニュアルに提供された指示に従って、0.2μmニトロセルロースメンブレン(BioRad Laboratories, Hercules, CA)に転写した。転写は、25 mMトリス塩基、200 mMグリシン、および20%メタノールを含む緩衝液において500 mAで50分間行った。メンブレンを10%脱脂粉乳の1×PBS溶液において10分間ブロッキングした後、2.5%脱脂粉乳を含む1×PBS溶液において一次抗体によってプロービングした。ブロットを振とうさせながら室温で1時間標識した。二次抗体標識に関して、ブロットをPBSによって各10分間3回洗浄した後、ヤギ抗ウサギIgG-HRP(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)によって1時間プロービングした。ブロットを1×PBSによって各10分間3回洗浄した後、SuperSignal(登録商標)ULTRA試薬(Pierce Chemical Co., Rockford, IL)の1:1混合物を用いて発色させ、Lumi-Imager(Boehringer Mannheim GmbH, Germany)を用いてシグナルを捕獲した。
C.蛋白質精製および分析の要約
CHO培地から精製されたzcyto21タンパク質は、還元および非還元条件の双方において4〜12%ビストリスゲルにおいて二つまたはそれ以上の約28 kDaのバンドとして移動した。MSペプチドマッピングにより、ジスルフィド結合に関して二つの異性体の混合物、一つのN-結合グリコシル化部位、およびいくつかのO-結合グリコシル化部位が存在することが示された。
実施例5
IL-29型の同定
IL-29の精製プールからのピーク分画を、ジスルフィド再配列を制限するために、段階的な等級のトリプシン(Roche Applied Science, Indianapolis, IN)によって、約pH 6.3の燐酸緩衝液において37℃で一晩消化した。各消化物を、四重極子時間飛行型ハイブリッド質量分析器(Micromass, Milford, MA)にインライン接続した逆相HPLC(Agilent, Palo Alto, CA)によって分析した。スペクトルを回収して質量から質量に対する電荷比に変換して、IL-29のトリプシン消化の結果生じた全ての理論的ペプチドおよびジスルフィド結合ペプチドの組み合わせを比較した。適当な質量をIL-29におけるジスルフィド結合ペプチドに割付して、スペクトルを還元の前後で比較することによって、ジスルフィドを割付けした。分画#20からの材料は、ジスルフィドパターンC15-C112およびC49-C145を示し、C171はS-グルタチオニルシステインとして認められた(全て、配列番号:4を参照して)。分画#51からの材料はジスルフィドパターンC49-C145およびC112-C171を示し、C15はS-グルタチオニルシステインとして認められた(配列番号:4を参照して)。
実施例6
大腸菌発現プラスミド
発現ベクター、pTAP237の構築
プラスミドpTAP237は、相同的組換えによってPCR生成リンカーをpTAP186のSmaI部位に挿入することによって作製された。プラスミドpTAP186は、プラスミドpRS316(出芽酵母シャトルベクター)ならびに、pKK223-3に由来してtacプロモーターおよびrrnBターミネーターを含む大腸菌発現プラスミドであるpMAL-c2に由来した。プラスミドpTAP186はカナマイシン耐性遺伝子を含み、この遺伝子ではSmaI部位が破壊され、酵母ARS-CEN6およびURA3配列に隣接してNotIおよびSfiI部位を有し、NotIによる消化によるプラスミドからの切り出しを促進する。PCR産生リンカーは、pTAP186における発現カプラー配列を合成RBS II配列に置換した。これは、配列番号:44および45にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドzc29,740およびzc29,741のそれぞれ100 pmolから、ならびに配列番号:46および47にそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドzc29,736およびzc29,738のそれぞれ約5 pmolから調製された。これらのオリゴヌクレオチドを、94℃で30秒間、50℃で30秒間、および72℃で30秒間を10サイクルの後に4℃での洗浄を行うPCRによって混合した。得られたPCR産物を100%エタノールの2倍量による沈殿によって濃縮した。沈殿物を水10 μlに浮遊させてSmaIによって消化したレシピエントベクターpTAP186への組換えのために用いて、合成RBS II配列を含む構築物を産生した。PCRによって生じたリンカー約1 μgおよびSmaIによって消化したpTAP186 100 ngを共に混合して、コンピテント酵母細胞(出芽酵母)に形質転換した。酵母を-URA Dプレートに播種して室温で約72時間放置した。次に、プレート1枚からのUra+形質転換体をH2O 1 mLに浮遊させて、手短に遠心して酵母細胞を沈降させた。細胞沈降物を溶解緩衝液0.5 mLに浮遊させた。DNAを回収して大腸菌MC1061に形質転換した。クローンを、配列番号:44および45においてそれぞれ示されるオリゴヌクレオチドzc29,740およびzc29,741の各20 pmolを用いて、先に開示したようにコロニーPCRによって上記のようにスクリーニングした。アガロースゲル上で正しい大きさのバンドを示すクローンに配列分析を行った。正しいプラスミドをpTAP237と命名した。
実施例7
IL-29システイン変異体のコドン最適化
A.IL-29野生型発現構築物のコドン最適化作製
天然のヒトIL-29遺伝子配列は大腸菌株W3110において十分に確立されていなかった。IL-29コード配列において用いられるコドンを調べたところ、これが、CAI値が0.206に等しい、大腸菌において最も用いられていないコドンの過剰量を含むことが示された。CAIは、類義のコドンバイアスの統計学的測定値であり、タンパク質産生レベルを予測するために用いることができる(Sharpら、Nucleic Acids Res. 15(3):1281〜95, 1987)。高度に発現されたタンパク質をコードする遺伝子は高いCAI値(>0.6)を有する傾向があるが、低いCAI値(≦0.2)を有する遺伝子によってコードされるタンパク質は一般的に発現が不十分である。このことは、大腸菌におけるIL-29の産生が少ない理由を示唆した。さらに、まれなコドンはメッセージの次の半分に集合しており、それによって翻訳の停止、翻訳の未成熟終了、およびアミノ酸の誤取り込みの確率がより高くなる(Kane JF. Curr. Opin. Biotechnol. 6(5):494〜500, 1995)。
その遺伝子がまれなコドンを含むタンパク質の発現レベルは、特定のまれなtRNAレベルを宿主において増加させると劇的に改善できることが示されている(Zdanovskyら、Applied Enviromental Microb. 66:3166〜3173, 2000;Youら、Biotechniques 27:950〜954, 1999)。pRAREプラスミドは大腸菌においてほとんど用いられないいくつかのコドン(argU、argW、leuW、proL、ileX、およびglyT)のtRNAをコードする遺伝子を有する。遺伝子は、その本来のプロモーターの制御下である(Novy、同書)。pRAREの同時発現は大腸菌におけるIL-29の産生を増強して約200 mg/Lを産生した。これらのデータは、IL-29をコードする遺伝子をより適当なコドン使用によって再再合成することは、大量のIL-29を発現させるための改善されたベクターを提供することを示唆している。
コドン最適化IL-29コード配列は、重なり合う16個のオリゴヌクレオチドから構築された:zc44,566(配列番号:48)、zc44,565(配列番号:49)、zc44,564(配列番号:50)、zc44,563(配列番号:51)、zc44,562(配列番号:52)、zc44,561(配列番号:53)、zc44,560(配列番号:54)、zc44,559(配列番号:55)、zc44,558(配列番号:56)、zc44,557(配列番号:57)。これらの重なり合うオリゴヌクレオチドのプライマー伸長後にPCR増幅を行うと、コドンが大腸菌における発現に関して最適にされた完全長のIL-29遺伝子が産生された。最終的なPCR産物を、酵母の相同的組換えによって発現ベクターpTAP237に挿入した。発現構築物を酵母から抽出して、コンピテント大腸菌MC1061に形質転換した。カナマイシンに対して耐性であるクローンをコロニーPCRによって同定した。陽性クローンをシークエンシングによって確認して、その後産生宿主株W3110に形質転換した。最適なIL-29配列を有する発現ベクターをpSDH184と命名した。得られた遺伝子は大腸菌において非常に良好に発現され、新しい構築物による発現レベルは約250 mg/Lまで増加した。
B.コドン最適化zcyto21 C172Sシステイン変異体発現構築物の作製
zcyto21 C172Sシステイン変異体を作製するために用いられる戦略は、QuickChange部位特異的変異誘発キット(Stratagene)に基づく。製造元の提案に基づいて、C172S変異を導入するようにプライマーを設計した。これらのプライマーをZG44,340(配列番号:58)、ZG44,341(配列番号:59)と命名した。PCRを行ってQuickChange変異誘発の説明書に従ってzcyto21 C172Sシステイン変異体を作製した。同一の50 μlの反応物5個を作製した。pSDH175(酵母ベクター骨格配列を欠失する)DNA 2.5μlを反応あたりの鋳型として用いた。以下の量の試薬を用いてPCRカクテルを作製した:10×PCR緩衝液30μl、ZG44,340 125 ng(27.42μl)、ZG44,341 125 ng(9.18 μl)、dNTP 6μl、Pfu Turboポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, CA)6μl、および水206.4μl。カクテル47.5μlを各反応に用いた。PCR条件は以下の通りであった:95℃で30秒を1サイクルの後に95℃で30秒、55℃で1分、68℃で7分を16サイクルの後に、68℃で7分を1サイクル行い、4℃に維持して終了する。PCR反応5本を全て試験管1本にまとめた。製造元の説明書に従って、DpnI制限酵素5μlをPCR反応に加えて、37℃で2時間インキュベートした。10%3モル濃度酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノールを加えることによってDNAを沈殿させた。沈殿は-20℃で20分間行った。DNAを14,000 rpmで5分間遠心して、沈降物をspeed-vacによって乾燥した。DNA沈降物を水20 μlに浮遊させた。PCRによって得られたDNAを大腸菌株DH10Bに形質転換した。DNA 5μlをElectroMAX DH10B細胞(Invitrogen)40 μlと混合した。細胞およびDNA混合物を、1.75 kV、100 Ωおよび25μFに設定したBio-Rad Gene Pulser II(商標)を用いて0.1 cmキュベット(Bio-Rad)において電気穿孔した。電気穿孔した細胞を37℃で1時間増殖させた。混合物をLB+25 μg/mlカナマイシンプレートにおいて播種して37℃で一晩インキュベートした。クローン10個をzcyto21 C172Sインサートの有無に関してスクリーニングした。QIAprep(商標)Spin Miniprepキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、10個全てのクローンからDNAを単離して、XbaIおよびPstI制限酵素によって切断することによってインサートの有無を分析した。クローン9個がインサートを含み、zcyto21 C172S変異が導入されていることを確認するためにシークエンシングした。クローンの配列を確認した後、pSDH188を標識した。
実施例8
大腸菌IL-29発現構築物
野生型配列を含むIL-29のDNA断片を、PCRを用いて単離した。ベクター隣接配列の41塩基対(bp)およびIL-29のアミノ末端に対応する24 bpを含むプライマーzc41,212(配列番号:60)、およびzcyto21インサートを含むベクターの3'末端に対応する38 bpを含むプライマーzc41,041(配列番号:61)を反応において用いた。PCR条件は以下の通りであった:94℃で30秒、50℃で30秒、および72℃で1分を25サイクルの後に4℃のすすぎ。PCR試料の少量(2〜4μL)を、分析のために1×TBE緩衝液によって1%アガロースゲルにおいて泳動し、予想される約500 bpの断片のバンドを認めた。100 μL反応物の残りの容積を無水エタノール200 μLによって沈殿させた。沈降物を水10 μLに浮遊させて、これを、SmaIによって切断したレシピエントベクターpTAP238に組換えするために用いて、先に開示したようにzcyto21をコードする構築物を産生した。正確な配列を有するクローンをpTAP377と命名した。クローンpTAP377をNot1/Nco1(DNA 10μl、緩衝液3(New England Biolabs)5μL、Not1 2μL、Nco1 2μL、水31 μLで37℃で1時間)によって消化して、T4 DNAリガーゼ緩衝液(予め消化物7μl、5×緩衝液2μL、T4 DNAリガーゼ1μL)によって再ライゲーションした。この段階は酵母の配列であるCEN-ARSを除去して、ベクターを簡素化する。pTAP337 DNAをPvu2およびPst1によって特徴的に消化して、酵母配列が存在しないことを確認した。P/taP377 DNAを、まれな大腸菌tRNA遺伝子の他のコピーを有する宿主株である大腸菌株W3110/pRAREに形質転換した。
実施例9
大腸菌IL-28A発現構築物
zcyto20の野生型配列(配列番号:1に示すように)を含むDNA断片を、PCRを用いて単離した。ベクター隣接配列の41塩基対(bp)およびzcyto20のアミノ末端に対応する24bpを含むプライマーzc43,431(配列番号:62)、およびzcyto20インサートを含むベクターの3'末端に対応する38 bpを含むプライマーzc43,437(配列番号:63)を反応において用いた。PCR条件は以下の通りであった:94℃で30秒、50℃で30秒、および72℃で1分を25サイクルの後に4℃のすすぎ。PCR試料の少量(2〜4μL)を、分析のために1×TBE緩衝液によって1%アガロースゲルにおいて泳動し、予想される約500 bpの断片のバンドを認めた。100 μL反応物の残りの容積を無水エタノール200 μLによって沈殿させた。沈殿物を水10 μLに浮遊させて、これをSmaIによって切断したレシピエントベクターpTAP238に組換えするために用い、先に開示したようにzcyto20をコードする構築物を産生した。正確な配列を有するクローンをpYEL7と命名した。これをNot1/Nco1(DNA 10μL、緩衝液3(New England Biolabs)5μL、Not1 2μL、Nco1 2μL、水31 μLで37℃で1時間)によって消化して、T4 DNAリガーゼ緩衝液(予め消化物7μl、5×緩衝液2μl、T4 DNAリガーゼ1μL)によって再ライゲーションした。この段階は酵母の配列であるCEN-ARSを除去して、ベクターを簡素化する。除去されたpYEL7 DNAをPvu2およびPst1によって特徴的に消化して、酵母配列が存在しないことを確認した。pYEL7 DNAを、大腸菌株W3110/pRAREに形質転換した。
実施例10
zcyto21 C172Sシステイン変異体発現構築物
zcyto21 C172Sシステイン変異体(配列番号:28)を産生するために用いる戦略は、QuickChange(登録商標)部位特異的変異誘発キット(Stratagene, La Jolla, CA)に基づく。製造元の提案に基づいて、C172S変異を導入するようにプライマーを設計した。これらのプライマーをそれぞれ、ZG44,327およびZG44,328(それぞれ、配列番号:64および65)と命名した。PCRを行って、QuickChange変異誘発の説明書に従ってzcyto21 C172Sシステイン変異体を作製した。同一の50 μl反応物5個を作製した。pTAP377(酵母ベクター骨格配列を欠失)DNA 2.5μlを反応の鋳型として用いた。以下の量の試薬を用いてPCRカクテルを作製した:10×PCR緩衝液30μl、ZG44,327(配列番号:64)125 ng(27.42μl)、ZG44,328(配列番号:65)125 ng(9.18μl)、dNTP 6μl、Pfu Turboポリメラーゼ(Stratagene)6μl、および水206.4μl。カクテル47.5μlを各反応に関して用いた。PCR条件は以下の通りであった:95℃で30秒を1サイクルの後に95℃で30秒、55℃で1分、68℃で7分を16サイクルの後に、68℃で7分を1サイクル行い、4℃に維持して終了する。PCR反応5個を試験管1本にまとめた。製造元の説明書に従って、DpnI制限酵素5μlをPCR反応に加えて、37℃で2時間インキュベートした。10%3モル濃度酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノール(Aaper Alcohol, Shelbyville, KY)を加えることによってDNAを沈殿させた。沈殿は-20℃で20分間行った。DNAを14,000 rpmで5分間遠心して、沈降物をspeed-vacによって乾燥した。DNA沈降物を水20 μlに浮遊させた。PCRによって得られたDNAを大腸菌株DH10Bに形質転換した。DNA 5μlをElectroMAX DH10B細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)40 μlと混合した。細胞およびDNA混合物を、1.75 kV、100 Ωおよび25μFに設定したBio-Rad Gene Pulser II(商標)を用いて0.1 cmキュベット(Bio-Rad)において電気穿孔した。電気穿孔した細胞を37℃で1時間増殖させた。混合物をLB+25 μg/mlカナマイシンプレートに播種して37℃で一晩インキュベートした。クローン10個をIL-29インサートの有無に関してスクリーニングした。DNAを、QIAprep(商標)Spin Miniprepキット(Qiagen)を用いて10個全てのクローンから単離して、XbaI(Roche)およびPstI(New England Biolabs)制限酵素によって切断することによってインサートの有無を分析した。クローン9個がインサートを含み、zcyto21 C172S変異が導入されていることを確認するためにシークエンシングした。クローン(isolet #6)の配列を確認した後、pSDH171を標識した。zcyto21 C15S変異体を作製するために類似の戦略を実行することができる。
実施例11
zcyto20 C49Sシステイン変異体発現構築物
zcyto20 C49Sシステイン変異体コード配列は、オーバーラップPCR(配列番号:20)によって作製した。野生型IL-28A配列(配列番号:1)の最初の187塩基を、鋳型としてpYEL7(配列番号:67)、ならびにオリゴヌクレオチドプライマーzc43,431(配列番号:62)およびzc45,399(配列番号:66)を用いるPCR増幅によって作製した。塩基105〜531からの第二のDNA断片を、鋳型としてpYEL7(配列番号:67)、ならびにオリゴヌクレオチドプライマーzc45,398(配列番号:68)およびzc43,437(配列番号:63)を用いるPCR増幅によって作製した。プライマーzc45,399(配列番号:66)およびzc45,398(配列番号:68)は、システイン49をセリンに変化させた特異的改変配列を含んだ。これらの二つのPCR産物を合わせて、オリゴヌクレオチドプライマーzc43,431(配列番号:62)およびzc43,437(配列番号:63)を用いてPCRオーバーラップ増幅した。最終的なPCR産物を酵母の相同的組換えによって発現ベクターpTAP238に挿入した(Raymondら、Biotechniques, Jan. 26(1):134〜8, 140〜1, 1999)。発現構築物を酵母から抽出して、コンピテント大腸菌DH10Bに形質転換した。カナマイシン耐性クローンをコロニーPCRによってスクリーニングした。陽性クローンをシークエンシングによって確認した後、産生宿主株W3110/pRAREに形質転換した。zcyto20 C49Sシステイン変異体コード配列を有する発現構築物をpCAHN9と命名した。
実施例12
zcyto20 C51Sシステイン変異体発現構築物
zcyto20 C51Sシステイン変異体コード配列は、オーバーラップPCR(配列番号:24)によって作製した。野生型IL-28A配列の最初の193塩基を、鋳型としてpYEL7(配列番号:67)、ならびにオリゴヌクレオチドプライマーzc43,431(配列番号:62)およびzc45,397(配列番号:63)を用いるPCR増幅によって作製した。塩基111〜531からの第二のDNA断片を、鋳型としてpYEL7(配列番号:67)、ならびにオリゴヌクレオチドプライマーzc45,396(配列番号:70)およびzc43,437(配列番号:63)を用いるPCR増幅によって作製した。プライマーzc45,397(配列番号:69)およびzc45,396(配列番号:70)は、システイン51をセリンに変化させた特異的改変配列を含んだ。これらの二つのPCR産物を合わせて、オリゴヌクレオチドプライマーzc43,431(配列番号:62)およびzc43,437(配列番号:63)を用いてPCRオーバーラップ増幅した。最終的なPCR産物を、酵母の相同的組換えによって、本発明者らの施設内発現ベクターpTAP238に挿入した(Raymondら、上記)。発現構築物を酵母から抽出して、コンピテント大腸菌DH10Bに形質転換した。カナマイシン耐性クローンをコロニーPCRによってスクリーニングした。陽性クローンをシークエンシングによって確認した後、産生宿主株W3110/pRAREに形質転換した。zcyto20 C50Sシステイン変異体コード配列を有する発現構築物をpCAHN10と命名した。
実施例13
大腸菌におけるIL-28A、IL-29、およびCysからSerシステイン変異体の発現
異なる実験において、実施例6〜9に記載の発現ベクターのそれぞれによって形質転換した大腸菌を、0.01%Antifoam 289(Sigma Aldrich, St.Louis, MO)、30 μg/mlカナマイシン、35μg/mLクロラムフェニコールを含むSuperbroth II培地(Becton Dickinson, San Diego, CA)100 mLに接種して、37℃で一晩培養した。接種物5 mlを2 L培養フラスコにおいて同じ培地500 mLに加えて、これをOD600が4に達するまで250 rpmで37℃で振とうさせた。IPTGを最終濃度1 mMで加えて、さらに2.5時間振とうを持続した。細胞を4,000×gで4℃で10分間遠心した。細胞沈降物を後に使用するまで-80℃で凍結した。
実施例14
IL-28の再生と精製
A.封入体の調製
ヒト野生型IL-29を、上記のように封入体として大腸菌株W3110において発現させた。フェドバッチ発酵物からの細胞沈降物を50 mMトリス、pH 7.3に浮遊させた。浮遊液をAPV-Gaulinホモジナイザー(Invensys, APV, Tonawanda, New York)に8000 psiで3回通過させた。不溶性材料を15,000 gで30分間の遠心によって回収した。沈降物を50 mMトリス、1%(v/v)TritonX100、pH 7.3、および4 M尿素によって連続的に洗浄した。次に、封入体を50 mMトリス、6 M塩酸グアニジン、5 mM DTTにおいて室温で1時間分散させた。次に、材料を15,000 gで1時間遠心した。この段階からの上清は減少した不溶性IL-29を含んだ。
B.再生
可溶化IL-29を50 mMトリス、pH 8、0.75 Mアルギニン、0.05%PEG3350、2 mM MgCl2、2 mM CaCl2、0.4 mM KCl、10 mM NaCl、4 mM還元グルタチオン、0.8 mM酸化グルタチオンにおいて室温で攪拌しながら徐々に希釈した。再生緩衝液におけるIL-29の最終濃度は0.1 mg/mlであった。再生混合物を室温で一晩放置した。濃酢酸を用いて浮遊液のpHを5に調節した。次に、浮遊液を0.2 μmの濾紙に通過させた。再生混合物のRP-HPLC分析は二つの顕著なピークを示した。
C.精製
再生混合物をpH 5の50 mM NaOAcによってインライン希釈して(1:2)、Pharmacia SP Sepharose Fast Flow陽イオン交換カラム(North Peapack, NJ)にローディングした。カラムを50 mM NaOAc、400 mM NaCl、pH 5の3カラム容積によって洗浄した。結合したIL-29を50 mM NaOAc、1.4 M NaClによって溶出させた。固体(NH4)2SO4を、(NH4)2SO4の最終濃度が0.5 Mとなるように陽イオン交換段階の溶出プールに加えた。材料をToyoPearlフェニル650 S HICカラム(Tosoh Biosep, Montgomery, PA)にローディングした。次に、カラムを50 mM NaOAc、1 M (NH4)2SO4、pH 5の3カラム容積によって洗浄した。50 mM NaOAc、1 M (NH4)2SO4、pH 5から50 mM NaOAc、pH 5の直線勾配の10カラム容積を用いて、結合したzcyto21を溶出させた。溶出液の分画を回収した。この段階において二つの顕著なピークを認めた。溶出分画のRP-HPLC分析を行った。最終的に緩衝液をPBS、pH 7.3に交換すると、二つのジスルフィド結合異性体に対応する二つの産物が産生された。
実施例15
IL-29システイン変異体の再生および精製
実施例3に記述するように、IL-29の精製は二つのジスルフィド結合異性体を産生した。HIC FPLC段階を用いて二つの型を分離した。分子は基線部では分離しなかった。実質的に純粋な異性体(>95%)を得るためには、強い「ピークシェービング(Peak Shaving)」を用いなければならなかった。この段階およびプロセス全体の伸長による収量は悪化した。最終的な収量はC15-C112型およびC112-C171型に関してそれぞれ、8%および9%であった。CHOおよびバキュロウイルス(BV)系において産生された野生型IL-29も、類似の現象を示した。異性体のC15-C112型は、I型INFに対するジスルフィド結合パターンが相同であることが確立された。C15-C112型はまた、ISREアッセイにおいてC112-C171より30倍高い生物活性を示した(下記を参照されたい)。
zcyto21 Cys172Serミューテインの再生および精製
zcyto21 C172Sポリペプチド(配列番号:29)の封入体調製、再生、および精製は、IL-29野生型(配列番号:4)と本質的に同じである。ミューテインの再生混合物のRP-HPLC分析は、野生型IL-29のC15-C112型に対応する唯一の顕著なピークを示した。その後のHICクロマトグラフィーでは、単一のピークのみが示された。したがって、強い「ピークシェービング」を用いることは不要であった。プロセス全体の最終収量は50%に近い。zcyto21 Cys172Serポリペプチド(配列番号:29)は、実施例16に示したISREアッセイにおいて野生型IL-29のC15-C112型と同等の生物活性を示した。
実施例16
抗ウイルス活性:HeLaおよびL929細胞における細胞変性作用
抗ウイルス活性に関する最初の機能的アッセイは、一過性にトランスフェクトしたヒト胎児腎(HEK)細胞からの条件培地を用いて行った。この条件培地の産生は以下のように記述される。ヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29の完全長のcDNAを、標準的な技法を用いてpzp7Zベクターにクローニングした。ヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29構築物を293 HEK細胞にトランスフェクトした。簡単に説明すると、各構築物に関して細胞700,000個/ウェル(6ウェルプレート)を、DMEM+10%ウシ胎児血清2 mlにおいてトランスフェクションの約18時間前に播種した。ウェルあたりヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29 DNA 1.5μg、およびpIRES2-EGFP DNA(Clontech)0.5 μgを、DMEMの全量100 μlでFugene 6試薬(Roche Biochemicals)6μlに加えた。pIRES2-EGFP DNA 2μgの単独を陰性対照として用いた。これらのトランスフェクション混合物を、予め播種した293細胞に30分後に加えた。24時間後、細胞培地を除去してDMEM+0.1%ウシ胎児血清を加えた。条件培地を48時間後に回収して、0.45ミクロンフィルターを通して濾過して、抗ウイルスおよびレポーターアッセイに用いた。
抗ウイルスアッセイは、ヒト子宮頚癌細胞(HeLa)およびマウス線維芽細胞(L929)を用いて行った。1日目に、96ウェル平底マイクロタイタープレートにおいて、ヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29を含む条件培地を希釈して細胞50,000個を播種した。37℃で24時間インキュベーション後、培地を除去して、感染多重度0.1の脳心筋炎ウイルスを含む培地に交換した。細胞を再度37℃で24時間インキュベートした。培養ウェルを、細胞変性効果の有無に関して4点尺度において肉眼的に採点して、次にこれを表7に示すように%CPEに変換した。GFP単独および精製ヒトインターフェロン-a-2a、またはマウスインターフェロン-αをトランスフェクトした条件培地を対照として含めた。
(表7)細胞変性効果の決定
Figure 2007528719
表8は、ヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29を含む条件培地がHeLa細胞においてウイルス感染(%CPE)を用量依存的に阻害したが、対照GFP条件培地は細胞変性作用の出現を有意に阻害することができなかったことを示している。表9に示すように、ヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29を含む条件培地は、L929細胞におけるウイルス感染を阻害しなかった。双方の実験において、精製インターフェロンは陽性の抗ウイルス活性を示した。
(表8)条件培地(CM)を用いたHeLa細胞におけるヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29の%細胞変性効果
Figure 2007528719
(表9)条件培地(CM)を用いたL929細胞におけるヒトまたはマウスIL-28A、IL-28B、またはIL-29の%細胞変性効果
Figure 2007528719
実施例17
インターフェロン反応経路によるシグナル伝達
1型インターフェロンとその特異的受容体との相互作用によって、その抗ウイルス/抗増殖活性に関与する多くの遺伝子が誘導された。これらには、2'-5'オリゴアデニレートシンテターゼ(2-5 OAS)、二本鎖RNA依存的Pkrキナーゼ(Pkr)、ホスホリピッドスクランブラーゼ、および細胞内接着分子-1(ICAM-1)が含まれる。56 kDaインターフェロン刺激遺伝子産物(ISG-56k)のようなまだ未知の機能を有する遺伝子の誘導も同様に起こる。これらの遺伝子の一部または全てがIL-28Aによる細胞の処置によって誘導されるか否かを決定するために、ヒトDaudi Bリンパ様細胞を、IL-28Aを発現するバキュロウイルスを感染させたSf9からの条件培地によって72時間処置した。野生型バキュロウイルスを感染させたSf9細胞からの条件培地を陰性対照として用いた。処置後、細胞を回収して総RNAを単離するために溶解した。逆転写酵素を用いて総RNA 1μgをcDNAに変換して、これを、上記のようにヒトインターフェロン刺激遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応の鋳型として用いた。ヒトグリセロール-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(G3PDH)のオリゴヌクレオチドプライマーを非インターフェロン刺激遺伝子対照として用いた。結果は、IL-28Aによる細胞の処置後に、ISG-56k、Pkr、2-5 OAS、および燐脂質スクランブラーゼが明らかに誘導されることを示している。ICAM-1または他のインターフェロン刺激遺伝子対照、G3PDHに関しては誘導を認めなかった。
実施例18
シグナル伝達レポーターアッセイ
シグナル伝達レポーターアッセイを用いて、ヒトおよびマウスIL-28およびIL-29とIL-28受容体との機能的相互作用を決定することができる。ヒト胎児腎(HEK)細胞に、クラスIIサイトカイン受容体(ヒトDIRS1、IFNαR1、IFNαR2、およびIL-28受容体を含む)のcDNAを含むpZP7発現ベクターの存在下または非存在下で、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の転写を促進するインターフェロン刺激反応エレメント(ISRE)を含むレポータープラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞をクラスIIリガンド(IL-28A(配列番号:2)、IL-29(配列番号:4)、IL-28B(配列番号:6)、zcyto10、huIL10およびhuIFNa-2aを含む)によって刺激した後のルシフェラーゼ活性は、細胞表面上のトランスフェクトしたおよび無処置のサイトカイン受容体とリガンドとの相互作用を反映している。結果および方法を以下に記述する。
細胞のトランスフェクション
293 HEK細胞を以下のようにトランスフェクトした:293細胞700,000個/ウェル(6ウェルプレート)を、DMEM+10%ウシ胎児血清2 mlにおいてトランスフェクトの約18時間前に播種した。1ウェルあたり、pISRE-ルシフェラーゼDNA(Stratagene)1μg、サイトカイン受容体DNA 1μg、およびpIRES2-EGFP DNA(Clontech)1μgを、DMEMの全量100 μlでFugene 6試薬(Roche Biochemicals)9μlに加えた。サイトカイン受容体を含めない場合には、pIRES2-EGFP DNA 2μgを用いた。このトランスフェクション混合物を、予め播種した293細胞に30分後に加えた。24時間後、トランスフェクトした細胞を、トリプシン-EDTAを用いてプレートから採取して、96ウェルマイクロタイタープレートにおいて細胞約25,000個/ウェルで再度播種した。リガンド刺激の約18時間前に、培地をDMEM+0.5%FBSに交換した。
シグナル伝達レポーターアッセイ
シグナル伝達レポーターアッセイは、以下のように実施した:DMEM+0.5%FBSにおいて37℃で18時間インキュベートした後、トランスフェクト細胞を以下のクラスIIリガンド:IL-28A、IL-29、IL-28B、zcyto10、huIL10およびhuIFNa-2aの希釈液(DMEM+0.5%FBS)によって刺激した。37℃で4時間インキュベートした後、細胞を溶解して、ルシフェラーゼ基質の添加後にルミノメーターによって相対光単位(RLU)を測定した。得られた結果を培地単独対照に対する実験試料のRLUの誘導倍率(実験試料のRLU/培地単独のRLU=誘導倍率)として示す。表10は、IL-28A、IL-29、およびIL-28BがISRE-ルシフェラーゼをトランスフェクトした293細胞において、培地単独と比較してルシフェラーゼ活性の15〜17倍のISREシグナル伝達を誘導することを示している。内因性のCRF2-4(配列番号:71)を用いてIL-28受容体αサブユニットDNA(配列番号:11)をトランスフェクション混合物に添加すると、IL-28A、IL-29、およびIL-28BによるISREシグナル伝達のさらに6〜8倍の誘導が起こり、最終的な誘導は104〜125倍となる。他のトランスフェクトしたクラスIIサイトカイン受容体DNAはいずれもISREシグナル伝達の増加を生じなかった。これらの結果は、IL-28A、IL-29、およびIL-28BがIL-28サイトカイン受容体と機能的に相互作用することを示している。表10はまた、huIFN-2aがISRE-ルシフェラーゼトランスフェクト293細胞においてISREシグナル伝達を誘導することができ、培地単独と比較してルシフェラーゼ活性の205倍誘導を生じることを示している。しかし、IL-28受容体DNAをトランスフェクションに加えてもISRE-シグナル伝達(ISRE-ルシフェラーゼDNA単独と比較して)は11倍増加であり、IL-28受容体の過剰発現がIL-28A、IL-29、およびIL-28Bシグナル伝達に対して正の作用を及ぼすのに対し、IL-28受容体の過剰発現はインターフェロンのシグナル伝達に負の作用を及ぼすことを示唆している。
(表10)クラスIIサイトカイン刺激後のトランスフェクト293細胞のインターフェロン刺激反応エレメント(ISRE)のシグナル伝達(誘導倍率)
Figure 2007528719
実施例19
IL-29システイン変異体によるシグナル伝達アッセイ
細胞のトランスフェクション
ヒトIL-28受容体を安定に過剰発現する293 HEK細胞を産生するために、293細胞を以下のようにトランスフェクトした:293細胞300,000個/ウェル(6ウェルプレート)を、DMEM+10%ウシ胎児血清2 mlにおいて、トランスフェクションの約6時間前に播種した。1ウェルあたり、ヒトIL-28受容体αサブユニット(配列番号:11)のcDNAを含むpZP7発現ベクター2μgを、DMEMの全量100 μlでFugene 6試薬(Roche Biochemicals)6 μlに加えた。このトランスフェクション混合物を、予め播種した293細胞に30分後に加えた。48時間後、トランスフェクト細胞を2μg/mlピューロマイシン選択下に置いた。ピューロマイシン耐性細胞を細胞集団として維持した。
ヒトIL-28受容体を過剰発現する293 HEK細胞を以下のようにトランスフェクトした:293細胞700,000個(6ウェルプレート)を、DMEM+10%ウシ胎児血清2 mlにおいて、トランスフェクションの約18時間前に播種した。1ウェルあたり、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の転写を促進するインターフェロン刺激反応エレメント(ISRE)を含むKZ157 1μgを、DMEMの全量100 μlでFugene 6試薬(Roche Biochemicals)3 μlに加えた。このトランスフェクション混合物を、予め播種した293HEK細胞に30分後に加えた。48時間後、トランスフェクト細胞を、トリプシン-EDTAを用いてプレートから回収して500μg/ml G418(Geneticin, Life Technologies)において再度播種した。ピューロマイシンおよびG418耐性細胞を細胞集団として維持した。
シグナル伝達レポーターアッセイ
シグナル伝達レポーターアッセイは以下のように実施した:ヒトIL-28受容体を過剰発現してKZ157を含む293HEK細胞をトリプシン-EDTAによって処置して、96ウェルマイクロタイタープレートにおいて細胞約25,000個/ウェルで再度播種した。リガンド刺激の約18時間前に、培地をDMEM+0.5%FBSに交換した。
DMEM+0.5%FBSにおいて37℃で18時間インキュベートした後、トランスフェクトした細胞を、異なるシステイン結合パターンを含む異なる型の大腸菌由来zcyto21の希釈液(DMEM+0.5%FBSにおいて)によって刺激した。37℃で4時間インキュベートした後、細胞を溶解して、ルシフェラーゼ基質を添加した後ルミノメーターにおいて相対光単位(RLU)を測定した。得られた結果を、培地単独対照に対する実験試料のRLUの誘導倍率(実験試料のRLU/培地単独のRLU=誘導倍率)として示す。
表11は、全て配列番号:15を参照して、野生型大腸菌由来IL-29のC1-C3型(C16-C113)が、野生型C3-C5型(C113-C172)または野生型C1-C3およびC3-C5型(C16-C113、C113-C172)の混合物よりISREシグナル伝達をより良好に誘導できることを示している。
表12は、野生型大腸菌由来IL-29のC1-C3(C16-C113)、およびシステイン変異体(C172S)大腸菌由来IL-29(配列番号:29)のC1-C3(C16-C113;配列番号:15)が、ヒトIL-28受容体を過剰発現する293HEK細胞においてISREシグナル伝達を等しく誘導できることを示している。
(表11)大腸菌由来IL-29の異なる型によるISREシグナル伝達(誘導倍率)
Figure 2007528719
(表12)大腸菌由来IL-29の異なる型によるISREシグナル伝達(誘導倍率)
Figure 2007528719
実施例20
ポリI:Cおよびウイルス感染によるIL-28A、IL-29、IL-28Bの誘導
新鮮に単離されたヒト末梢血単核細胞を、ポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ポリI:C;100 μg/ml)(SIGMA; St. Louis, MO)、0.1のMOIをもつ脳心筋炎ウイルス(EMCV)の存在下において、または培地のみにおいて、増殖させた。15時間のインキュベーション後、全RNAを細胞から単離し、リボヌクレアーゼを含まないデオキシリボヌクレアーゼで処理した。100 ng 全RNAを、製造会社(Invitrogen)により提案されているように、Platinum Taqキットおよび遺伝子特異的プライマーを含むSuperscript One-Step RT-PCRを用いる1段階RT-PCRのための鋳型として用いた。
ヒトIL-28A、IL-28BおよびIL-29、IFN-αならびにIFN-βのRNAの低量から検出不可能な量が、未処理の細胞に見られた。対照的に、IL-28A、IL-29、IL-28BのRNAの量は、ポリI:C処理およびウイルス感染の両方により増加し、I型インターフェロンについても見られた。これらの実験は、I型インターフェロンのようなIL-28A、IL-29、IL-28Bは、二本鎖RNAまたはウイルス感染により誘導されうる。
実施例21
HepG2細胞におけるIFNαと比較したIL-28、IL-29シグナル伝達活性
A. 細胞トランスフェクション
HepG2細胞を、以下のようにトランスフェクションした:700,000HepG2細胞/ウェル(6ウェルプレート)を2ミリリットル DMEM+10%ウシ胎児血清に、トランスフェクションのおよそ18時間前に蒔いた。ウェルにつき、1マイクログラム pISRE-ルシフェラーゼDNA(pISRE-Luciferase DNA)(Stratagene)および1マイクログラム pIRES2-EGFP DNA(Clontech)を6マイクロリットル Fugene 6試薬(Roche Biochemicals)に加え、合計100マイクロリットル DMEMにした。このトランスフェクション混合物を、あらかじめ蒔かれたHepG2細胞へ30分後、加えた。24時間後、トランスフェクションされた細胞をトリプシン-EDTAを用いてプレートから取り出し、96ウェルマイクロタイタープレートに、およそ25,000細胞/ウェルで再び蒔いた。リガンド刺激のおよそ18時間前に、培地をDMEM+0.5%FBSに交換した。
B. シグナル伝達レポーターアッセイ
シグナル伝達レポーターアッセイを以下のように行った:37℃、DMEM+0.5%FBSでの18時間のインキュベーション後、トランスフェクションされた細胞を、100 ng/ml IL-28A、IL-29、IL-28B、zcyto24、zcyto25およびhuIFN-α2aリガンドで刺激した。37℃、4時間のインキュベーション後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ基質の添加後、照度計で相対光ユニット(RLU)を測定した。得られた結果は、培地のみの対照に対する実験試料のRLUの倍誘導(fold induction)として示されている(実験試料のRLU/培地のみのRUL=倍誘導)。表13は、IL-28A、IL-29、IL-28B、zcyto24およびzcyto25が、ISRE-ルシフェラーゼでトランスフェクションされたヒトHepG2肝臓細胞においてISREシグナル伝達を誘導することを示している。
(表13)HepG2細胞におけるサイトカイン依存性ISREシグナル伝達の倍誘導
Figure 2007528719
実施例22
HepG2細胞におけるIFNαと比較したIL-29抗ウイルス活性
抗ウイルス活性法をヒト細胞でのEMCV(American Type Culture Collection # VR-129B, Manassas, VA)に適応させた(Familletti, P., et al., Methods Enzym. 78:387-394, 1981)。細胞をサイトカインと共に蒔き、0.1〜1の感染多重度におけるEMCVによる曝露の前に24時間、インキュベートした。細胞を、感染の24時間後、色素取り込みバイオアッセイで生存度について分析した(Berg, K., et al., Apmis 98:156-162, 1990)。標的細胞にMTTを与え、37℃で2時間、インキュベートした。可溶化剤溶液を添加し、37℃で一晩、インキュベートし、570 nmにおける光学濃度を測定した。OD570は、抗ウイルス活性に正比例する。
結果は、IL-29およびIFNがHepG2細胞で試験された場合の抗ウイルス活性を示している:IL-29、IFN-βおよびIFN-α2aをEMCV感染および色素取り込みアッセイの前に様々な濃度でHepG2へ加えられた。3連のウェルからのOD570の平均および標準偏差をプロットする。OD570は、抗ウイルス活性に正比例する。IL-29について、EC50は、0.60 ng/mlであった;IFN-α2aについて、EC50は、0.57 ng/mlであった;およびIFN-βについて、EC50は、0.46 ng/mlであった。
実施例23
肝臓およびリンパ球分画におけるIL-28RA mRNA発現
IL-28RAについてのmRNA分布をさらに調べるために、半定量的RT-PCRをSDS 7900HTシステム(Applied Biosystems, CA)を用いて行った。1段階RT-PCRを、各試料について100 ng 全RNAおよび遺伝子特異的プライマーを用いて行った。標準曲線をBjab RNAを用いて各プライマーセットについて作成し、すべての標本値をHPRTに対して標準化した。標準化された結果は、表14〜17に要約されている。IFNAR2およびCRF2-4についての標準化された値もまた示されている。
(表14)B細胞およびT細胞は、有意なレベルのIL-28RA mRNAを発現する。低レベルは、樹状細胞およびたいていの単球に見られた。
Figure 2007528719
表14に示されているように、正常肝臓組織および肝臓由来細胞株は、実質的なレベルのIL-28RAおよびCRF2-4のmRNAを示す。
(表15)
Figure 2007528719
表15に示されているように、主要な気道上皮細胞は、豊富なレベルのIL-28RAおよびCRF2-4を含む。
(表16)
Figure 2007528719
表16に示されているように、IL-28RAは、正常および罹患肝臓検体に存在し、C型肝炎およびB型肝炎に感染した検体由来の組織に発現が増加している。
(表17)
Figure 2007528719
表18〜22に示されているように、IL-28RAは、正常B細胞、Bリンパ腫細胞株、T細胞、Tリンパ腫細胞株(ジャーカット)、正常および形質転換されたリンパ球(B細胞およびT細胞)ならびに正常なヒト単球において検出できる。
(表18)
Figure 2007528719
(表19)
Figure 2007528719
(表20)
Figure 2007528719
(表21)
Figure 2007528719
(表22)
Figure 2007528719
実施例24
マウスIL-28はダウディ(Daudi)細胞増殖に影響を及ぼさない
ヒトダウディ細胞を50,000細胞/ミリリットルでRPMI+10%FBSに懸濁し、5000細胞を96ウェルプレートのウェルごとに蒔いた。IL-29-CEE(gluタグを結合したIL-29)、IFN-γまたはIFN-α2aを各ウェルへ2倍連続希釈で加えた。IL-29-CEEは、1000 ng/mlから0.5 ng/mlまでの濃度範囲で用いられた。IFN-γは、125 ng/mlから0.06 ng/mlまでの濃度範囲で用いられた。IFN-α2aは、62 ng/mlから0.03 ng/mlまでの濃度範囲で用いられた。細胞を37℃で72時間、インキュベートした。72時間後、アラマーブルー(Alamar Blue)(Accumed, Chicago, IL)を20マイクロリットル/ウェルで添加した。プレートを37℃、5%COで24時間、さらにインキュベートした。プレートを、波長544(励起)および波長590(発光)において、SoftMax(商標)Proプログラムを用いるFmax(商標)プレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)上で読んだ。アラマーブルーは、細胞の代謝活性に基づく蛍光測定読み出しを与え、従って、陰性対照と比較した細胞増殖の直接的測定である。結果は、IL-29-CEEが、IFN-α2aとは対照的に、ダウディ細胞の増殖に有意な影響を及ぼさないことを示している。
実施例25
マウスIL-28はマウスB細胞に増殖抑制効果を生じない
マウスB細胞を、MACS磁気ビーズを用いてCD43+細胞を枯渇させることにより、2つのBalb/C脾臓(生後7ヶ月)から単離した。精製されたB細胞をLPS、抗IgMまたは抗CD40モノクローナル抗体と共にインビトロで培養した。マウスIL-28またはマウスIFNαを培養物に加え、3H-チミジンを48時間目に加え、3H-チミジン取り込みを72時間の培養後、測定した。
10 ng/mlでのIFNαは、LPSまたは抗IgMのいずれかで刺激されたマウスB細胞による3H-チミジン取り込みを阻害した。しかしながら、IL-28は、1000 ng/mlを含むいずれの試験された濃度においても、3H-チミジン取り込みを阻害しなかった。対照的に、mIFNαおよびマウスIL-28の両方とも、抗CD40モノクローナル抗体で刺激されたマウスB細胞による3H-チミジン取り込みを増加させた。
これらのデータは、IFNaとは違って、マウスIL-28が、高濃度でさえも増殖抑制活性を示さないことを実証している。さらに、zcyto24は、抗CD40モノクローナル抗体の存在下において増殖を促進させる。その結果は、マウスIL-28が高濃度でさえもマウスB細胞への増殖抑制活性を示さない点で、マウスIL-28はIFNαと異なることを例証している。さらに、マウスIL-28は、抗CD40モノクローナル抗体の存在下において増殖を促進させる。
実施例26
骨髄増殖アッセイ
新鮮なヒト骨髄単核細胞(Poietic Technologies, Gaithersburg, Md.)を、αMEM、10%FBS、50マイクロモルのβ-メルカプトエタノール、2 ng/ml FLT3Lにおいて37℃で、2時間、プラスチックへ付着させた。非付着細胞を、その後、1000 ng/ml IL-29-CEE、100 ng/ml IL-29-CEE、10 ng/ml IL-29-CEE、100 ng/ml IFN-α2a、10 ng/ml IFN-α2aまたは1 ng/ml IFN-α2aの存在または非存在下における、αMEM、10%FBS、50マイクロモルのβ-メルカプトエタノール、2 ng/ml FLT3Lにおいて、25,000〜45,000細胞/ウェル(96ウェル組織培養プレート)で蒔いた。これらの細胞を、骨髄由来造血細胞の増殖または分化について試験するために様々なサイトカインとインキュベートした(20 ng/ml IL-2、2 ng/ml IL-3、20 ng/ml IL-4、20 ng/ml IL-5、20 ng/ml IL-7、20 ng/ml IL-10、20 ng/ml IL-12、20 ng/ml IL-15、10 ng/ml IL21またはサイトカイン添加なし)。8〜12日後、アラマーブルー(Accumed, Chicago, Ill)を20マイクロリットル/ウェルで添加した。プレートを37℃、5%COで24時間、さらにインキュベートした。プレートを、波長544(励起)および波長590(発光)において、SoftMax(商標)Proプログラムを用いるFmax(商標)プレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, Calif.)上で読んだ。アラマーブルーは、細胞の代謝活性に基づく蛍光測定読み出しを与え、従って、陰性対照と比較した細胞増殖の直接的測定である。
IFN-α2aは、試験されたすべての条件下において、骨髄増殖の有意な阻害を引き起こした。対照的に、IL-29は、IL-3、IL-4、IL-5、IL-7、IL-10、IL-12、IL-21の存在下またはサイトカイン添加なしにおいて、骨髄細胞の増殖に有意な影響を及ぼさなかった。骨髄細胞増殖の少しの阻害が、IL-2またはIL-15の存在下に見られた。
実施例27
IL-28およびIL-29のシグナル伝達の可溶性受容体(zcytoR19/CRF2-4)での阻害
A. シグナル伝達レポーターアッセイ
シグナル伝達レポーターアッセイは、zcytor19-Fc4ホモ二量体およびzcytor19-Fc/CRF2-4-Fcヘテロ二量体の可溶性受容体の、zcyto20、zcyto21およびzcyto24シグナル伝達への阻害剤性質を示すために用いられうる。zcytor19受容体を過剰発現させるヒト胚性腎臓(HEK)細胞を、ルシフェラーゼ受容体遺伝子の転写を操作するインターフェロン刺激応答配列(interferon-stimulated response element)(ISRE)を含むレポータープラスミドでトランスフェクションする。トランスフェクションされた細胞のリガンド(zcyto20(配列番号:2)、zcyto21(配列番号:4)、zcyto24(配列番号:8)を含む)での刺激後のルシフェラーゼ活性は、リガンドの可溶性受容体との相互作用を反映している。
B. 細胞トランスフェクション
zcytor19を過剰発現させる293HEK細胞を以下のようにトランスフェクションした:700,000個の293細胞/ウェル(6ウェルプレート)を2ミリリットルのDMEM+10%ウシ胎児血清にトランスフェクションの約18時間前に蒔いた。ウェルにつき、1マイクログラム pISRE-ルシフェラーゼDNA(pISRE-Luciferase DNA)(Stratagene)および1マイクログラム pIRES2-EGFP DNA(Clontech)を6マイクロリットル フュージーン6(Fugene 6)試薬(Roche Biochemicals)に加え、合計100マイクロリットル DMEMにした。このトランスフェクション混合物を、あらかじめ蒔かれた293細胞へ30分後、加えた。24時間後、トランスフェクションされた細胞をトリプシン-EDTAを用いてプレートから取り出し、96ウェルマイクロタイタープレートに、およそ25,000細胞/ウェルで再び蒔いた。リガンド刺激のおよそ18時間前に、培地をDMEM+0.5%FBSに交換した。
C. シグナル伝達レポーターアッセイ
シグナル伝達レポーターアッセイを以下のように行った:37℃、DMEM+0.5%FBSでの18時間のインキュベーション後、トランスフェクションされた細胞を、10 ng/ml zcyto20、zcyto21またはzcyto24、および10マイクログラム/mlの以下の可溶性受容体で刺激した;ヒトzcytor19-Fcホモ二量体、ヒトzcytor19-Fc/ヒトCRF2-4-Fcヘテロ二量体、ヒトCRF2-4-Fcホモ二量体、マウスzcytor19-Igホモ二量体。37℃、4時間のインキュベーション後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ基質の添加後、照度計で相対光ユニット(RLU)を測定した。得られた結果は、PBSのみの存在下におけるシグナル伝達に対する、可溶性受容体の存在下におけるリガンド誘導シグナル伝達のパーセント阻害として示されている。表23は、ヒトzcytor19-Fc/ヒトCRF2-4ヘテロ二量体の可溶性受容体が、対照の16%と45%の間で、zcyto20、zcyto21およびzcyto24誘導シグナル伝達を阻害することができることを示している。ヒトzcytor19-Fcホモ二量体の可溶性受容体もまた、zcyto21誘導シグナル伝達を45%、阻害することができる。huCRF2-4-Fcまたはmuzcytor19-Igのホモ二量体の可溶性受容体に関して、有意な効果は見られなかった。
(表23)可溶性受容体による、リガンド誘導のインターフェロン刺激応答配列(ISRE)シグナル伝達のパーセント阻害
Figure 2007528719
実施例28
IL-28およびIL-29は新鮮なヒトPBMCにおいてHIV複製を阻害する
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、免疫系の細胞に感染する病原性レトロウイルスである。CD4 T細胞および単球は、一次感染細胞型である。インビトロでHIV複製を阻害するIL-28およびIL-29の能力を試験するために、正常なドナー由来のPBMCをIL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGの存在下においてHIVウイルスに感染させた。
新鮮なヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、HIVおよびHBVについて血清反応陰性であったスクリーニングされたドナーから得られた全血から単離した。末梢血細胞を低速度遠心分離により2〜3回、ペレット状にし/洗浄し、混入している血小板を除去するためにPBSに再懸濁した。洗浄された血液細胞をダルベッコのリン酸緩衝食塩水(D-PBS)で1:1に希釈し、50 mL 遠心分離管における14 mLのリンパ球分離培地(Lymphocyte Separation Medium)((LSM; cellgro(商標)、Mediatech, Inc. Herndon, VAによる);密度1.078+/-0.002 g/ml)一面に層にし、600 x Gで30分間、遠心分離した。団結したPBMCを結果として生じた界面から穏やかに吸引し、その後、低速度遠心分離によりPBS中で2X、洗浄した。最後の洗浄後、細胞をトリパンブルー排除により数え、15%ウシ胎児血清(FBS)、2 mM L-グルタミン、4 μg/ml PHA-Pを追加したRPMI 1640に1 x 107細胞/mLで再懸濁した。細胞を37℃で48〜72時間、インキュベートするようにさせておいた。インキュベーション後、PBMCを遠心分離し、15%FBS、2 mM L-グルタミン、100 U/mL ペニシリン、100 μg/mL ストレプトマイシン、10 μg/mL ゲンタマイシン、および20 U/mL 組換えヒトIL-2を含むRPMI 1640に再懸濁した。PBMCを、培地において1〜2 x 106細胞/mLの濃度で維持し、アッセイプロトコールに用いるまで隔週の培地交換を行った。単球は、組織培養フラスコへの付着の結果として培養物から枯渇した。
標準PBMCアッセイについて、少なくとも2人の正常なドナー由来のPHA-Pに刺激された細胞をプールし、1 x 106細胞/mLの最終濃度へ新鮮な培地に希釈し、50 μL/ウェル(5 x 104細胞/ウェル)で、96ウェル丸底マイクロプレートの内部ウェルに蒔いた。試験希釈をマイクロタイターチューブに2X濃度で調製し、各濃度の100 μLを標準的形式で適切なウェルに配置した。IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGを0〜10 μg/mlの濃度で、通常には1/2対数希釈で、加えた。予定希釈度のウイルス貯蔵物の50 μLを各試験ウェルに置いた(0.1の最終MOI)。細胞およびウイルスのみが加えられたウェルをウイルス対照として用いた。分離プレートを、MTSアッセイ系を用いる薬物細胞毒性研究のために、ウイルスなしで同様に調製した。PBMC培養物を感染後7日間、維持し、その時点で、細胞を含まない上清試料を収集し、逆転写酵素活性およびp24抗原レベルについてアッセイした。
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGでの逆転写酵素活性またはp24抗原レベルにおける減少は、抗ウイルス活性の指標であると思われる。結果は、IL-28およびIL-29が、HIVおよびAIDSを治療するにおいて治療的価値をもちうることを実証しているものと思われる。
実施例29
IL-28およびIL-29はマーモセット肝臓細胞におけるGBV-B複製を阻害する
HCVは、RNAウイルスのフラビウイルス(Flaviviridae)科のメンバーである。HCVは、エキソビボまたはインビトロのいずれの培養においてもあまり複製せず、それゆえに、インビトロで分子の抗HCV活性を試験する満足な系がない。GBウイルスB(GBV-B)は、それがHCVと比較的高レベルの配列同一性をもち、かつ肝臓指向性ウイルスであるため、抗HCV抗ウイルス剤の開発における使用として魅力的な代理モデルである。現在まで、そのウイルスは、特定のヒト以外の霊長類の一次肝細胞においてのみ増殖することができる。これは、インビトロで肝細胞を単離し、それらをGBV-Bで感染させることによるか、またはGBV-B感染したマーモセットから肝細胞を単離し、直ちにそれらを抗ウイルス化合物と用いることによるかのいずれかで、達成される。
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGの効果は、3連で6つの半対数希釈IL-28、IL-29またはMetIL-29C172S-PEGポリペプチドで、TaqMan RT-PCRによりGBV-B細胞外RNA産生について、およびCellTiter96(登録商標)試薬(Promega, Madison, WI)を用いて細胞毒性について、アッセイされた。未処理の培養物は、細胞およびウイルスの対照としての役割を果たす。RIBAVIRIN(登録商標)(最高試験濃度において200 μg/ml)およびIFN-α(最高試験において5000 IU/ml)の両方が陽性対照化合物として含まれる。一次肝細胞培養物を単離し、コラーゲンコーティングされたプレート上に蒔く。次の日、培養物を、GBV-Bビリオンに曝す前に24時間、試験試料(IL-28、IL-29、MetIL-29C172S-PEG、IFNαまたはRIBAVIRIN(登録商標))で処理する、またはインビボで感染した肝細胞を用いる場合、直ちに試験試料で処理する。試験試料および培地は、次の日に加えられ、3日後に交換される。3〜4日後(試験試料添加後6〜7日目)、上清を収集し、細胞数をCellTiter96(登録商標)で定量化する。ウイルスRNAを上清から抽出し、標準としてRT-PCR標的を含むインビトロで転写されたRNAを用いる定量的TaqMan RT-PCRアッセイにおいて3連の複製について定量化する。複製試料の平均を計算する。ウイルス産生の阻害は、未処理のウイルスおよび細胞対照に対して、3連の試料の平均RNA値および細胞数値をプロットすることにより、評価される。GBV-B RNA産生の50%阻害(IC50)を結果として生じる薬物の阻害性濃度、および対照値に対して細胞数の50%の破壊を結果として生じる毒性濃度(TC50)は、データで作成されたグラフから補間法により計算される。
IL-28およびIL-29によるGBV-B RNA産生の阻害は、肝細胞、C型肝炎の感染の原発性器官、におけるこのC型肝炎様ウイルスへのIL-28およびIL-29の抗ウイルス性質の指標であり、陽性結果は、IL-28またはIL-29がヒトにおいてHCV感染を治療するのに有用でありうることを示唆している。
実施例30
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGはWT10細胞におけるHBV複製を阻害する
慢性B型肝炎(HBV)は、ウイルスのヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)科に属する、ヒトの最も一般的かつ重篤なウイルス感染の一つである。IL-28およびIL-29のHBVに対する抗ウイルス活性を試験するために、IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGを、ヒト肝臓系統HepG2の変異体を用いるインビトロ感染系においてHBVに対して試験した。IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGは、この系においてウイルスの複製を阻害し、ヒトでHBVを治療することにおける治療的価値を示唆している。
WT10細胞は、ヒト肝臓細胞株HepG2 2.2.15の派生物である。WT10細胞は、HBVゲノムで安定的にトランスフェクションされ、その細胞株においてHBV転写産物の安定的発現を可能にする(Fu and Cheng, Antimicrobial Agents Chemother. 44(12):3402-3407, 2000)。WT10アッセイにおいて、問題の薬物および3TC対照は、半対数系列で希釈された5つの濃度それぞれでアッセイされる。評価項目は、細胞外HBV DNA(IC50)についてのTaqMan PCR、およびCellTiter96試薬を用いる細胞数(TC50)である。アッセイは、Korba et al. Antiviral Res. 15(3):217-228, 1991およびKorba et al., Antiviral Res. 19(1):55-70, 1992により記載されたものと類似している。簡単には、WT10細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに蒔く。16〜24時間後、HepG2-2.2.15細胞の集密的な単層を洗浄し、培地を、3連で試験試料の様々な濃度を含む完全培地と交換する。陽性対照として、3TCが用いられ、陰性対照(ウイルス対照、VC)として、培地のみを細胞へ加える。3日後、培地を、適切に希釈された試験試料を含む新鮮な培地と交換する。試験化合物の最初の添加から6日後、細胞培養上清を収集し、プロナーゼおよびデオキシリボヌクレアーゼで処理し、リアルタイム定量的TaqMan PCRアッセイに用いる。PCR増幅されたHBV DNAは、増幅したHBV DNAにハイブリダイズする消光した蛍光プローブ分子の外ヌクレオチド鎖分解性分解から生じる蛍光シグナルにおける増加をモニターすることによりリアルタイムで検出される。各PCR増幅について、標準曲線は、精製されたHBV DNAの希釈を用いて同時に作成される。抗ウイルス活性は、HBV DNAレベルにおける低下から計算される(IC50)。色素取り込みアッセイは、その後、毒性を計算するために用いられる細胞生存度を測定するために使用される(TC50)。治療指数(TI)は、TC50/IC50として計算される。
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGは、IC50<0.032 ug/mlで、WT10細胞におけるHepBウイルスの複製を阻害した。これは、肝臓細胞株で増殖したHBVに対するIL-28およびIL-29の抗ウイルス活性を実証しており、ヒト患者においてHBVを治療するについての治療的価値の証拠を提供している。
実施例31
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGはウシ腎臓細胞におけるBVDV複製を阻害する
HCVは、RNAウイルスのフラビウイルス(Flaviviridae)科のメンバーである。この科に属する他のウイルスは、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)および黄熱病ウイルス(YFV)である。HCVは、エキソビボまたはインビトロのいずれの培養においてもあまり複製せず、それゆえに、インビトロで抗HCV活性を試験する系がない。BVDVおよびYFVアッセイは、ウイルスのフラビウイルス(Flavivirida)科に対する抗ウイルス活性を試験するためのHCVについての代理ウイルスとして用いられる。
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGの抗ウイルス効果は、細胞変性効果(CPE)の抑制アッセイにおいて評価された。アッセイは、細胞変性BVDVウイルスでの感染後のマディン-ダービー(Madin-Darby)ウシ腎臓細胞(MDBK)を用いる細胞死、ならびにIL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGの添加による細胞死の抑制を測定した。MDBK細胞を10%ウマ血清、1%グルタミンおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを加えた、フェノールレッドを含むダルベッコの改変基本培地(DMEM)において増殖させた。CPE抑制アッセイは、2%FBS、1%グルタミンおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを加えた、フェノールレッドなしのDMEMにおいて行われた。アッセイの前日に、細胞をトリプシン処理(1%トリプシン-EDTA)し、洗浄し、数え、100 μl/ウェルの容量である96ウェル平底BioCoat(登録商標)プレート(Fisher Scientific, Pittsburgh, PA)に104細胞/ウェルで蒔いた。次の日、培地を除去し、ウイルスのあらかじめ力価測定されたアリコートを細胞に加えた。ウイルスの量は、最大CPE発生の時点(BVDVについて7日目)で完全な細胞殺害(>80%)を生じるであろう最大希釈であった。細胞生存度は、Vmaxプレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)を用いて、製造会社のプロトコールに従ってCellTiter96(登録商標)試薬(Promega)を使用し測定された。試験試料は、半対数系列でアッセイ培地に希釈された、6つの濃度それぞれにおいて試験された。IFNαおよびRIBAVIRIN(登録商標)は、陽性対照として用いられた。試験試料は、ウイルス感染の時点で加えられた。各濃度におけるパーセントCPE低下およびパーセント細胞生存度についての平均バックグラウンドならびに試料色補正データは、対照に対して決定され、IC50は、TC50に対して計算された。
IL-28、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGは、MDBKウシ腎臓細胞においてBVDVにより引き起こされる細胞死を抑制した。IL-28は、0.02 μg/mlのIC50で細胞死を抑制し、IL-29は、0.19 μg/mlのIC50で細胞死を抑制し、MetIL-29C172S-PEGは、0.45 μg/mlのIC50で細胞死を抑制した。これは、IL-28およびIL-29がウイルスのフラビウイルス科に対する抗ウイルス活性をもっていることを実証した。
実施例32
IL-28およびIL-29による、インターフェロン刺激遺伝子(Interferon Stimulated Genes)の誘導
A. ヒト末梢血単核細胞
新鮮な単離されたヒト末梢血単核細胞を、IL-29(20 ng/mL)、IFNα2a(2 ng/ml)(PBL Biomedical Labs, Piscataway,NJ)の存在下において、または培地のみにおいて増殖させた。細胞を6、24、48または72時間、インキュベートし、その後、全RNAを単離し、リボヌクレアーゼを含まないデオキシリボヌクレアーゼで処理した。100 ng 全RNAを、製造会社(Applied Biosystems, Branchburg, NJ)により提案されているように、Taqman One-Step RT-PCR Master Mix(登録商標)試薬および遺伝子特異的プライマーを用いるOne-Step Semi-Quantitative RT-PCR(登録商標)のための鋳型として用いた。結果は、HPRTに対して標準化され、各時点について培地のみの対照に対する倍誘導として示されている。表24は、IL-29が、試験されたすべての時点において、ヒト末梢血単核細胞においてインターフェロン刺激遺伝子の発現を誘導することを示している。
(表24)
Figure 2007528719
B. 活性化ヒトT細胞
ヒトT細胞を、Pan T-cell Isolation(登録商標)キットを用いて、製造会社(Miltenyi, Auburn, CA)の使用説明書に従い、新鮮に採取された末梢血単核細胞から負の選択により単離した。T細胞を、その後、プレートに結合した抗CD3、可溶性抗CD28(0.5 ug/ml)(Pharmingen, San Diego, CA)およびインターロイキン2(IL-2; 100 U/ml)(R&D Systems, Minneapolis, MN)で5日間、活性化しかつ増殖させ、洗浄し、その後、IL-2でさらに5日間、増殖させた。活性化および増殖後、細胞を、IL-28A(20 ng/ml)、IL-29(20 ng/ml)または培地のみで、3、6または18時間、刺激した。全RNAを単離し、リボヌクレアーゼを含まないデオキシリボヌクレアーゼで処理した。One-Step Semi-Quantitative RT-PCR(登録商標)を上の実施例に記載されているように行った。結果は、HPRTに対して標準化され、各時点について培地のみの対照に対する倍誘導として示されている。表25は、IL-28およびIL-29が、試験されたすべての時点において、活性化ヒトT細胞においてインターフェロン刺激遺伝子の発現を誘導することを示している。
(表25)
Figure 2007528719
C. 一次ヒト肝細胞
2人の別々のドナー(Cambrex, Baltimore, MDおよびCellzDirect, Tucson, AZ)由来の新鮮に単離されたヒト肝細胞を、IL-28A(50 ng/ml)、IL-29(50 ng/ml)、IFNα2a(50 ng/ml)、または培地のみで、24時間、刺激した。刺激後、全RNAを単離し、リボヌクレアーゼを含まないデオキシリボヌクレアーゼで処理した。One-step semi-quantitative RT-PCRを上の実施例で前に記載されているように行った。結果は、HPRTに対して標準化され、各時点について培地のみの対照に対する倍誘導として示されている。表26は、IL-28およびIL-29が、24時間の刺激後、一次ヒト肝細胞においてインターフェロン刺激遺伝子の発現を誘導することを示している。
(表26)
Figure 2007528719
D. HepG2およびHuH7:ヒト肝臓肝細胞腫細胞株
HepG2およびHuH7(ATCC NOS. 8065, Manassas, VA)をIL-28A(10 ng/ml)、IL-29(10 ng/ml)、IFNα2a(10 ng/ml)、IFNB(1 ng/ml)(PBL Biomedical Piscataway, NJ)、または培地のみで、24または48時間、刺激した。別個の培養において、HepG2細胞を20 ng/mlのMetIL-29C172S-PEGまたはMetIL-29-PEGで上記のように刺激した。全RNAを単離し、リボヌクレアーゼを含まないデオキシリボヌクレアーゼで処理した。100 ng 全RNAを、前に記載されているように、one-step semi-quntitative RT-PCRについての鋳型として用いた。結果は、HPRTに対して標準化され、各時点について培地のみの対照に対する倍誘導として示されている。表27は、IL-28およびIL-29が、24および48時間後、HepG2およびHuH7肝臓肝細胞腫細胞株においてISG発現を誘導することを示している。
(表27)
Figure 2007528719
(表28)
Figure 2007528719
示されたデータは、24時間の培養後の20 ng/mlの、IL-29のMetIL-29-PEGおよびMetIL-29C172S-PEGバージョンについてである。
示されたデータは、HPRTに対して標準化され、刺激されていない細胞に対する倍誘導として示されている。
実施例33
HCVレプリコン系におけるIL-28およびIL-29の抗ウイルス活性
HCV複製を阻害する抗ウイルス薬の能力は、HCVレプリコン系についてインビトロで試験されうる。レプリコン系は、HCVゲノムRNAの構成的複製を方向づけるサブゲノムRNAレプリコンでトランスフェクションされたHuh7ヒト肝細胞腫細胞株からなる(Blight, K.J. et al. Science 290:1972-1974, 2000)。10 IU/mlのIFNαでのレプリコンクローンの処理は、HCV RNAの量を未処理の対照細胞株と比較して85%、低下させる。72時間後には、レプリコンクローンにより産生されたHCV RNAの量を低下させるIL-28AおよびIL-29の能力は、IL-28A/IL-29処理によりHuh7細胞に与えられた抗ウイルス状態が、HCVレプリコン複製を阻害するのに効果的であり、それにより、HCV複製を阻害するのに効果的である可能性が非常に高いことを示している。
Bayer Branched chain DNAキットにより測定されるようなHCV複製を阻害するIL-28AおよびIL-29の能力は、以下の条件下で行われる:
1. 1.0 μg/mlまでの増加性濃度(6)におけるIL28単独
2. 1.0 μg/mlまでの増加性濃度(6)におけるIL29単独
3. 1.0 μg/mlまでの増加性濃度(6)におけるPEGIL29単独
4. 0.3、1.0および3.0 IU/mlにおけるIFNα2A単独
5. Ribavirin単独
陽性対照はIFNαであり、陰性対照はribavirinである。
細胞は、生存度を評価するために72時間後にアラマーブルーで染色される。
条件1〜3についての濃度は以下である:
1.0 μg/ml、0.32 μg/ml、0.10 μg/ml、0.032 μg/ml、0.010 μg/ml、0.0032 μg/ml。
レプリコンクローン(BB7)は、上で列挙された用量で3日間連続、1日あたり1X、処理される。全HCV RNAは、72時間後、測定される。
実施例34
IL-28およびIL-29は病原性ウイルスに対する抗ウイルス活性をもつ
特にアデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、インフルエンザウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイルス、デング熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ピキンデウイルスおよびポリオウイルスを含む病原性ウイルスのパネルに対するIL-28およびIL-29の抗ウイルス活性をインビトロでアッセイするために、2つの方法が用いられる。これらの2つの方法は、細胞の視覚的(顕微鏡の)検査により測定されるウイルス誘導細胞変性効果(CPE)の抑制、および細胞へのニュートラルレッド(NR)色素取り込みにおける増加である。CPE抑制方法において、7つの濃度の試験薬物(1000、100、10、1、0.1、0.01、0.001 ng/mlのようなlog10希釈)が、宿主細胞を含む96ウェル平底マイクロプレートにおいて各ウイルスに対して評価される。化合物は、ウイルスの24時間前に加えられ、細胞あたり0.01〜0.0001感染性粒子の感染多重度(MOI)と同等と考える、ウイルスに依存して、ウェルあたりおよそ5〜100細胞培養感染用量(cell culture infectious doses)の濃度で用いられる。試験は、適当なウイルスの細胞変性効果が発生するのを可能にするのに十分な特定時間の37℃でのインキュベーション後に読まれる。NR取り込みアッセイにおいて、色素(培地において0.34%濃度)は、視覚による得点を得るために用いられるプレートの同じセットに添加される。2時間後、細胞に吸収されかつ続いて細胞から溶出される色素の色の強さは、マイクロプレート自動リーダーを用いて測定される。抗ウイルス活性は、半対数グラフ用紙上に化合物濃度対パーセント阻害をプロットすることにより決定された50%有効(ウイルス阻害性)濃度(EC50)として表示される。いくつかの場合におけるEC50/IC50は、適切な回帰分析ソフトウェアにより決定されうる。一般的に、NRアッセイにより測定されたEC50は、CPE方法により得られたものより2〜4倍高い。
(表29)視覚的アッセイ
Figure 2007528719
Figure 2007528719
Figure 2007528719
(表30)ニュートラルレッドアッセイ法
Figure 2007528719
Figure 2007528719
実施例35
IL-28、IL-29、metIL-29-PEGおよびMetIL-29C172S-PEGはマウス肝臓細胞株AML-12においてISG誘導を刺激する
インターフェロン刺激遺伝子(ISG)は、I型インターフェロン(IFN)により、ならびにまたIL-28およびIL-29ファミリー分子によっても、誘導される遺伝子であり、IFNならびにIL-28およびIL-29が抗ウイルス活性へ導く類似した経路を誘導することを示唆している。ヒトI型IFN(IFNα1-4およびIFNβ)は、マウス細胞へほとんどまたは全く活性をもたず、種間交差反応性の欠如に起因するものと考えられる。ヒトIL-28およびIL-29がマウス細胞に効果を生じるかどうかを試験するために、ヒトIL-28およびIL-29によるISG誘導が、マウス肝臓由来細胞株AML-12におけるリアルタイムPCRにより評価された。
AML-12細胞を、6ウェルプレートの完全DMEM培地に2 x 106細胞/ウェルの濃度で蒔いた。細胞を蒔いてから24時間後、ヒトIL-28およびIL-29を培養物へ20 ng/mlの濃度で加えた。対照として、細胞は、マウスIFNαで刺激される(陽性対照)かまたは刺激されない(陰性)かのいずれかであった。細胞を、CHO由来ヒトIL-28A(配列番号:2)またはIL-29(配列番号:4)の添加から8、24、48および72時間後、採集した。RNAをRNAEasy-kit(登録商標)(Qiagen, Valencia, CA)を用いて細胞ペレットから単離した。RNAを、どんな混入しているDNAもRNAから取り除くためにデオキシリボヌクレアーゼ(Millipore, Billerica, MA)で処理した。cDNAをPerkin-Elmer RT mixを用いて作製した。ISG遺伝子誘導は、マウスOAS、PkrおよびMx1に特異的なプライマーならびにプローブを用いるリアルタイムPCRにより評価された。定量的データを得るために、HPRTリアルタイムPCRは、ISG PCRと二重化された。標準曲線は、IFNに刺激されたマウスPBL由来のRNAの既知の量を用いて得られた。すべてのデータは内部HPRT発現に対する発現として示されている。
ヒトIL-28AおよびIL-29は、マウス肝細胞細胞株AML-12においてISG誘導を刺激し、I型IFNとは違って、IL-28/29ファミリータンパク質が異種間反応性を示すことを実証した。
(表31)
Figure 2007528719
示されたすべてのデータは、HPRT遺伝子発現に対する倍として表示されている。
OAS mRNAのng=内部のHPRT mRNAのngに対するOAS mRNA量の標準化された値
ハウスキーピング遺伝子、HPRT
例として、48時間時点についてのデータが示されている。
(表32)AML12のもの
Figure 2007528719
細胞は、20 ng/ml MetIL-29-PEGまたはMetIL-29C172S-PEGで24時間、刺激された。
示されたデータは、HPRTに対して標準化され、刺激されていない細胞に対する倍誘導として示されている。
実施例36
ISGはヒトIL-29を発現させるトランスジェニックマウスの脾臓において効率的に誘導される
Eu-lckプロモーターの制御下でヒトIL-29を発現させるトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。ヒトIL-29がマウスにおいてインビボで生物活性をもつかどうかを研究するために、ISGの発現を、Eu-lck IL-29トランスジェニックマウスの脾臓におけるリアルタイムPCRにより分析した。
トランスジェニックマウス(C3H/C57BL/6)は、Eu-lckプロモーターの制御下でヒトIL-29遺伝子を発現させる構築物を用いて作製された。このプロモーターは、T細胞およびB細胞において活性がある。トランスジェニックマウスおよびそれらの非トランスジェニック同腹子(n=2/群)を約10週間の齢で屠殺した。マウスの脾臓を単離した。RNAをRNAEasy-kit(登録商標)(Qiagen)を用いて細胞ペレットから単離した。RNAを、どんな混入しているDNAもRNAから取り除くためにデオキシリボヌクレアーゼで処理した。cDNAをPerkin-Elmer RT(登録商標)mixを用いて作製した。ISG遺伝子誘導は、マウスOAS、PkrおよびMx1に特異的なプライマーならびにプローブ(5'FAM、3'NFQ)を用いるリアルタイムPCRにより評価された。定量的データを得るために、HPRTリアルタイムPCRは、ISG PCRと二重化された。さらに、標準曲線は、IFNに刺激されたマウスPBLの既知の量を用いて得られた。すべてのデータは内部HPRT発現に対する発現として示されている。
IL-29 Tgマウスから単離された脾臓は、それらの非Tg同腹子対照と比較してISG OAS、PkrおよびMx1の高誘導を示し、ヒトIL-29がマウスにおいてインビボで生物活性があることを示唆した。
(表33)
Figure 2007528719
示されたすべてのデータは、HPRT遺伝子発現に対する倍発現である。2匹のマウスにおける平均発現が示されている。
実施例37
ヒトIL-28およびIL-29タンパク質は、マウスの肝臓、脾臓および血液においてISG遺伝子発現を誘導する
ヒトIL-28およびIL-29がインビボでインターフェロン刺激遺伝子を誘導するかどうかを測定するために、CHO由来ヒトIL-28AおよびIL-29タンパク質をマウスへ注射した。さらに、大腸菌由来IL-29はまた、MetIL-29C172S-PEGおよびMetIL-29-PEGを用いて上記のようにインビボアッセイで試験された。様々な時点および異なる用量において、ISG遺伝子誘導が、マウスの血液、脾臓および肝臓で測定された。
C57BL/6マウスに、一連の用量(10 μg〜250 μg)のCHO由来ヒトIL-28AおよびIL-29またはMetIL-29C172S-PEGおよびMetIL-29C16-C113-PEGを腹腔内または静脈内に注射した。マウスを様々な時点(1時間〜48時間)で屠殺した。脾臓および肝臓をマウスから単離し、RNAを単離した。RNAはまた、血液細胞からも単離された。細胞をペレット状にし、RNAをRNAEasy(登録商標)キット(Qiagen)を用いてペレットから単離した。RNAを、どんな混入しているDNAもRNAから除去するためにデオキシリボヌクレアーゼ(Amicon)で処理した。cDNAをPerkin-Elmer RT mix(Perkin-Elmer)を用いて作製した。ISG遺伝子誘導は、マウスOAS、PkrおよびMx1に特異的なプライマーならびにプローブを用いるリアルタイムPCRにより測定された。定量的データを得るために、HPRTリアルタイムPCRは、ISG PCRと二重化された。標準曲線は、IFNに刺激されたマウスPBLの既知の量を用いて計算された。すべてのデータは内部HPRT発現に対する発現として示されている。
ヒトIL-29は、用量依存性様式で、マウスの肝臓、脾臓および血液においてISG遺伝子発現(OAS、Pkr、Mx1)を誘導した。ISGの発現は、注射後の1〜6時間の間でピークになり、48時間まで、対照マウスより多い持続的発現を示した。この実験において、ヒトIL-28Aは、ISG遺伝子発現を誘導しなかった。
(表34)
Figure 2007528719
示された結果は、HPRT遺伝子発現に対する倍発現である。IL-29が静脈内の250 μgの単回投与で肝臓にOASを誘導したことについての試料データセットが示されている。示されたデータは、5匹の異なる動物/群からの平均発現である。
(表35)
Figure 2007528719
(表36)
Figure 2007528719
マウスは、静脈内に100 μgのタンパク質を注射された。示されたデータは、マウスの肝臓からのHPRT発現に対する倍発現である。同様のデータがマウスの血液および脾臓から得られた。
実施例38
IL-28およびIL-29はマウスにおいてISGタンパク質を誘導する
ISGタンパク質(OAS)の誘導へのヒトIL-28およびIL-29の効果を分析するために、IL-28およびIL-29で処理されたマウス由来の血清ならびに血漿をOAS活性について試験した。
C57BL/6マウスに、PBSまたは一連の濃度(10 μg〜250 μg)のヒトIL-28もしくはIL-29を静脈内に注射した。様々な時点において、血清および血漿をマウスから単離し、OAS活性をEiken Chemicals(Tokyo, Japan)からのOAS放射性免疫アッセイ(RIA)キットを用いて測定した。
IL-28およびIL-29は、マウスの血清および血漿においてOAS活性を誘導し、これらのタンパク質がインビボで生物活性があることを示した。
(表37)
Figure 2007528719
OAS活性は、ヒトIL-29の単一濃度(250 μg)についての血漿のpmol/dLにおいて示されている。
実施例39
IL-28およびIL-29はマウスにおいてアデノウイルスによる病変を阻害する
肝臓に感染するウイルスに対するIL-28およびIL-29の抗ウイルス活性を試験するために、内部緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を発現させる感染性アデノウイルスベクターに対して、試験試料をマウスにおいて試験した。静脈内に注射される場合、これらのウイルスは、最初に、遺伝子発現について肝臓を標的とする。アデノウイルスは、複製欠損であるが、ASTおよびALTのような肝臓酵素の血清レベルの測定により、または肝臓病変の直接的検査によりモニターされうる、炎症性細胞浸潤による肝臓損傷を引き起こす。
C57BL/6マウスに、50 μg マウスIL-28(配列番号:8)に示されているようなzcyto24)またはMetIL-29C172S-PEGの腹腔内注射を1日1回、3日間、与えた。対照動物にPBSを注射した。第3回投与から1時間後、マウスに、アデノウイルスベクター、AdGFP(1 X 109プラーク形成単位(pfu))の単回の静脈内ボーラス尾静脈注射を与えた。この後、隔日に、マウスに、PBS、マウスIL-28またはMetIL-29C172S-PEGの追加の用量をさらに4回分として(合計7回分)与えた。PBS、マウスIL-28またはMetIL-29C172S-PEGの最終投与から1時間後、マウスは、終末的に採血され、屠殺された。血清および肝臓組織を分析した。血清は、ASTおよびALT肝臓酵素について分析された。肝臓は、単離され、GFP発現および組織像について分析された。組織像について、肝臓検体をホルマリンに固定し、その後、パラフィンに包埋し、続いて、H&E染色をした。処理することを目隠しされていた肝臓の切片を光学顕微鏡で調べた。変化は、注意深く観察され、肝臓病変および炎症を測定するように設計された尺度で得点を付けられた。
マウスIL-28およびIL-29は、肝臓蛍光により測定されるようなアデノウイルス感染および遺伝子発現を阻害した。PBSで処理されたマウス(n=8)は、平均相対肝臓蛍光が52.4(任意単位)であった。対照的に、IL-28で処理されたマウス(n=8)は、相対肝臓蛍光が34.5であり、IL-29で処理されたマウス(n=8)は、相対肝臓蛍光が38.9であった。アデノウイルスおよび遺伝子発現における低下は、血清ALTおよびASTレベルならびに組織像により測定されるような肝臓病変の減少へと導いた。PBSで処理されたマウス(n=8)は、平均血清ASTが234 U/L(ユニット/リットル)、および血清ALTが250 U/Lであった。対照的に、IL-28で処理されたマウス(n=8)は、平均血清ASTが193 U/L、および血清ALTが216 U/Lであり、IL-29で処理されたマウス(n=8)は、平均血清ASTが162 U/L、および血清ALTが184 U/Lであった。さらに、肝臓組織像は、マウスIL-28かまたはIL-29のいずれかを与えられたマウスが、PBSで処理された群より低い肝臓および炎症得点であった。IL-29群由来の肝臓はまた、PBS処理群においてより、少ない洞様細胞の増殖、少ない有糸分裂像、および少ない肝細胞における変化(例えば、空胞形成、多核の存在、肝細胞肥大)であった。これらのデータは、マウスIL-28およびIL-29が肝臓指向性ウイルスに対する抗ウイルス性質をもつことを実証している。
実施例40
LCMVモデル
マウスにおけるリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)感染は、急性および慢性感染の優れたモデルである。これらのモデルは、サイトカインの抗ウイルス免疫応答への効果、ならびにIL-28およびIL-29が、ウイルス量および抗ウイルス免疫応答へ与える効果を評価するために用いられる。用いられる2つのモデルは以下のものである:LCMVアームストロング(Armstrong)(急性)感染およびLCMVクローン13(Clone 13)(慢性)感染。(例えば、Wherry et al., J. Virol. 77:4911-4927, 2003; Blattman et al., Nature Med. 9(5):540-547, 2003; Hoffman et al., J. Immunol. 170:1339-1353, 2003を参照。)ウイルスに応答してのCD8 T細胞発生の3段階がある:1)増殖、2)収縮および3)記憶(急性モデル)。IL-28またはIL-29は、急性および慢性モデルの両方についての各段階中に注射される。慢性モデルにおいて、IL-28またはIL-29は、IL-28またはIL-29の持続性ウイルス量への効果を評価するために感染から60日後に注射される。急性および慢性モデルの両方について、IL-28またはIL-29が注射され、血液、脾臓および肝臓におけるウイルス量が調べられる。調べられうる他のパラメーターは以下のものを含む:LCMV特異的CD8+ T細胞の数を数えるためのフローによる四量体染色;それらの同族LCMV抗原で刺激される場合、サイトカインを産生する四量体+ 細胞の能力;およびそれらの同族LCMV抗原に応答して増殖するLCMV特異的CD8+ T細胞の能力。LCMV特異的T細胞は、細胞活性化および分化状態を評価するためにフローサイトメトリーにより表現型で分類される。また、LCMV特異的CTLの、それらの同族LCMV抗原を生んでいる標的細胞を溶解する能力が調べられた。LCMV特異的CD4+ T細胞の数および機能もまた評価される。
IL-28またはIL-29での治療後のウイルス量における低下が測定される。任意の器官、特に肝臓、でのウイルス量における50%低下は有意であると思われる。IL-28またはIL-29で処理されたマウスについて、処理されていないマウスに対して、増殖する、サイトカインを生成する、または成熟表現型を示す四量体陽性のT細胞のパーセンテージにおける20%増加もまた、有意とみなされるものと思われる。
ウイルス量における低下へと導くIL-28またはIL-29の注射は、特に、未処理の場合、ウイルス力価が長期間上昇したままである慢性モデルにおいて、ウイルス感染のより効果的な制御のおかげである。未処理のマウスに対してのウイルス力価における2倍低下は、有意とみなされる。
実施例41
急性ウイルス感染のインフルエンザモデル
A. 抗ウイルス活性を試験する予備実験
インフルエンザによる急性感染へのIL-28またはIL-29の抗ウイルス活性を測定するために、インフルエンザに感染したC57BL/6マウスを用いるインビボ研究を以下のプロトコールを用いて行う:
動物:群あたり30匹、148匹のマウスを含む、生後6週間の雌BALB/cマウス(Charles River)。
群:
(1)抗体力価および組織学について並行して行う絶対的対照(感染していない)(群あたり2動物)
(2)媒体(腹腔内)生理食塩水
(3)アマンタジン(陽性対照)10 mg/日、感染の2時間前に開始する5日間(経口)
(4)IL-28またはIL-29処理(5 μg、腹腔内、感染の2時間後に開始)
(5)IL-28またはIL-29(25 μg、腹腔内、感染の2時間後に開始)
(6)IL-28またはIL-29(125 μg、腹腔内、感染の2時間後に開始)
0日目−絶対的対照を除き、すべての動物がインフルエンザウイルスに感染
ウイルス量について(LD50で10)
免疫学検査(LD30)
0〜9日目−IL-28またはIL-29の毎日の注射(腹腔内)
体重および全体的様子の記録(3回/週)
3日目−群あたり8匹の動物の屠殺
右肺におけるウイルス量(TCID50)
左肺における組織変化
抗体力価測定のための血液試料
10日目−すべての生き残っている動物の屠殺、抗体力価測定のための血液試料の採集、直接的CTLアッセイ(すべての5群において)および以下のマーカー:CD3/CD4、CD3/CD8、CD3/CD8/CD11b、CD8/CD44/CD62L、CD3/DX5、GR-1/F480およびCD19についての定量的免疫表現型分類のための肺リンパ球(3の4プール)の単離
研究No. 2
マウス適応性ウイルスに感染したC57BL/6マウスにおけるIL-28またはIL-29の効力研究は、生後8週間の雌C57BL/6マウス(Charles River)を用いて行われる。
群1:媒体(腹腔内)
群2:陽性対照:抗インフルエンザ中和抗体(ヤギ抗インフルエンザA/USSR(H1N1)(Chemicon International, Temecula, CA);40 μg/マウス、感染の2時間後および4時間後(10 μl鼻腔内)
群3:IL-28またはIL-29(5 μg、腹腔内)
群4:IL-28またはIL-29(25 μg、腹腔内)
群5:IL-28またはIL-29(125 μg、腹腔内)
次の生活に従って、観察および免疫学的検査が調製される:
0日目−すべての動物がインフルエンザウイルスに感染(実験2で決定された用量)
0〜9日目−IL-28またはIL-29の毎日の注射(腹腔内)
体重および全体的様子を隔日に記録
10日目−生き残っている動物の屠殺、および肺におけるウイルス量を測定するウイルスアッセイを行う
肺リンパ球の単離(標的としてのEL-4および異なるE:T比(実験1および2からの最良結果に基づく)を用いる肺における直接的CTLアッセイのために)。
四量体染色:インフルエンザA核タンパク質(NP)エピトープを含むMHCクラスI四量体を結合するCD8+ T細胞の数が、ウイルスペプチド:FLU-NP366-374/Db(ASNENMETM)、(LMCVペプチド/Db)とMHCクラスIの複合体を用いて評価される。
定量的な、以下の免疫表現型分類:CD8、四量体、細胞内IFNγ、NK1.1、CD8、四量体、CD62L、CD44、CD3(+または-)、NK1.1(+)、細胞内IFNγ、CD4、CD8、NK1.1、DX5、CD3(+または-)、NK1.1、DX5、四量体、血球計算器調整のための単一色試料。
生存/再曝露研究
30日目:マウスに関する生存研究は、IL-28またはIL-29の異なる用量で、または陽性の抗インフルエンザ抗体の対照で、9日間、処理される。体重および個々の血清試料における抗体産生(合計、IgG1、IgG2a、IgG2b)が測定される。
再曝露研究:
0日目:両方の群は、A/PRウイルス(1LD30)に感染させられる。
群6は処理されない。
群7はIL-28またはIL-29の125 μgで9日間、処理される。
30日目:生存研究
体重および個々の血清試料における抗体産生(合計、IgG1、IgG2a、IgG2b)が測定される。
60日目:再曝露研究
各群における生存しているものは、2つの下位群へ分割される
群6Aおよび7AはA/PRウイルス(1LD30)に再曝露される
群6Bおよび7BはA/PRウイルス(1LD30)に再曝露される
両方の群は、経過観察され、屠殺の日が決定される。
体重および個々の血清試料における抗体産生(合計、IgG1、IgG2a、IgG2b)が測定される。
実施例42
IL-28およびIL-29はインビボでB型肝炎ウイルス(HBV)に対する抗ウイルス活性をもつ
トランスジェニックマウスモデル(Guidotti et al., J. Virology 69:6158-6169, 1995)は、高レベルの感染性HBVの複製を維持し、HBV感染についての化学療法モデルとして用いられた。トランスジェニックマウスは、抗ウイルス薬で処理され、HBV DNAおよびRNAのレベルが、処理後のトランスジェニックマウス肝臓および血清において測定される。HBVタンパク質レベルもまた、処理後のトランスジェニックマウス血清において測定されうる。このモデルは、HBVウイルス力価を低下させることにおけるラミブジンおよびIFN-αの効果を評価するために用いられた。
HBV TGマウス(雄)に、2.5、25もしくは250マイクログラムのIL-28またはIL-29の腹腔内注射を隔日に14日間(合計8回分)を与える。マウスを、処理の日(0日目)および7日目に、血清収集のために血液を採取する。IL-29の最終投与から1時間後、マウスは、終末の採血を受け、屠殺される。血清および肝臓は、肝臓HBV DNA、肝臓HBV RNA、血清HBV DNA、肝臓HBc、血清Hbeおよび血清HBsについて分析される。
IL-28またはIL-29に応答しての肝臓HBV DNA、肝臓HBV RNA、血清HBV DNA、肝臓HBc、血清Hbeまたは血清HBsにおける低下は、これらの化合物のHBVに対する抗ウイルス活性を反映している。
実施例43
IL-28およびIL-29はBCBL-1細胞におけるヒトヘルペスウイルス-8(HHV-8)複製を阻害する
IL-28およびIL-29の抗ウイルス活性は、Bリンパ系細胞株、BCBL-1を用いるインビトロ感染系においてHHV-8に対して試験された。
HHV-8アッセイにおいて、試験化合物およびガンシクロビル対照を、半対数系列で希釈された5つの濃度それぞれでアッセイした。評価項目は、細胞外HHV-8 DNAについてのTaqMan PCR(IC50)、およびCellTiter96(登録商標)試薬(TC50; Promega, Madison, WI)を用いる細胞数である。簡単には、BCBL-1細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに蒔いた。16〜24時間後、細胞を洗浄し、培地を、3連で試験化合物の様々な濃度を含む完全培地と交換した。ガンシクロビルが陽性対照であり、培地のみが陰性対照(ウイルス対照、VC)である。3日後、培地を、適切に希釈された試験化合物を含む新鮮な培地と交換した。試験化合物の最初の投与から6日後、細胞培養上清を収集し、プロナーゼおよびデオキシリボヌクレアーゼで処理し、その後、リアルタイム定量的TaqMan PCRアッセイに用いた。PCR増幅されたHHV-8 DNAは、増幅したHHV-8 DNAにハイブリダイズする消光した蛍光プローブ分子の外ヌクレオチド鎖分解性から生じる蛍光シグナルにおける増加をモニターすることによりリアルタイムで検出された。各PCR増幅について、標準曲線は、精製されたHHV-8 DNAの希釈を用いて同時に作成された。抗ウイルス活性は、HHV-8 DNAレベルにおける低下から計算される(IC50)。新規の色素取り込みアッセイは、その後、毒性を計算するために用いられる細胞生存度を測定するために使用された(TC50)。治療指数(TI)は、TC50/IC50として計算される。
IL-28およびIL-29は、BCBL-1細胞におけるHHV-8ウイルス複製を阻害する。IL-28Aは、IC50が1 μg/ml、およびTC50が>10 μg/mlであった(TI>10)。IL-29は、IC50が6.5 μg/ml、およびTC50が>10 μg/mlであった(TI>1.85)。MetIL-29C172S-PEGは、IC50が0.14 μg/ml、およびTC50が>10 μg/mlであった(TI>100)。
実施例44
エプスタインバーウイルス(EBV)に対する、IL-28およびIL-29の抗ウイルス活性
IL-28およびIL-29の抗ウイルス活性が、Bリンパ系細胞株、P3HR-1でのインビトロ感染系においてEBVに対して試験される。EBVアッセイにおいて、試験化合物および対照を半対数系列で希釈された5つの濃度それぞれでアッセイする。評価項目は、細胞外EBV DNAについてのTaqMan PCR(IC50)、およびCellTiter96(登録商標)試薬(TC50; Promega)を用いる細胞数である。簡単には、P3HR-1細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに蒔く。16〜24時間後、細胞を洗浄し、培地を、3連で試験化合物の様々な濃度を含む完全培地と交換する。陽性対照に加えて、培地のみが陰性対照(ウイルス対照、VC)として細胞に加えられる。3日後、培地を、適切に希釈された試験化合物を含む新鮮な培地と交換する。試験化合物の最初の投与から6日後、細胞培養上清を収集し、プロナーゼおよびデオキシリボヌクレアーゼで処理し、その後、リアルタイム定量的TaqMan PCRアッセイに用いる。PCR増幅されたEBV DNAは、増幅したEBV DNAにハイブリダイズする消光した蛍光プローブ分子の外ヌクレオチド鎖分解性から生じる蛍光シグナルにおける増加をモニターすることによりリアルタイムで検出される。各PCR増幅について、標準曲線は、精製されたEBV DNAの希釈を用いて同時に作成された。抗ウイルス活性は、EBV DNAレベルにおける低下から計算される(IC50)。新規の色素取り込みアッセイは、その後、毒性を計算するために用いられる細胞生存度を測定するために使用された(TC50)。治療指数(TI)は、TC50/IC50として計算される。
実施例45
単純ヘルペスウイルス-2(HSV-2)に対するIL-28およびIL-29抗ウイルス活性
IL-28およびIL-29の抗ウイルス活性は、ベロ細胞でのインビトロ感染系においてHSV-2に対して試験された。IL-28およびIL-29の抗ウイルス効果は、細胞変性効果(CPE)の抑制アッセイにおいて評価された。アッセイは、細胞変性HSV-2ウイルスによるベロ細胞の殺害、ならびにIL-28およびIL-29による細胞殺害の抑制を含む。ベロ細胞を10%ウマ血清、1%グルタミンおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを加えた、フェノールレッドを含むダルベッコの改変基本培地(DMEM)において増殖させ、CPE抑制アッセイは、2%FBS、1%グルタミンおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを加えた、フェノールレッドなしのDMEMにおいて行われる。アッセイの前日に、細胞をトリプシン処理(1%トリプシン-EDTA)し、洗浄し、数え、100 μl/ウェルの容量である96ウェル平底BioCoat(登録商標)プレート(Fisher Scientific, Pittsburgh, PA)に104細胞/ウェルで蒔いた。次の日、培地を除去し、ウイルスのあらかじめ力価測定されたアリコートを細胞に加えた。用いられるウイルスの量は、最大CPE発生の時点で完全な細胞殺害(>80%)を生じるであろう最大希釈である。細胞生存度は、Vmaxプレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)を用いて、CellTiter96(登録商標)試薬(Promega)を使用し、製造会社のプロトコールに従って、測定される。化合物は、半対数系列でアッセイ培地に希釈された、6つの濃度それぞれにおいて試験される。アシクロビルは、陽性対照として用いられた。化合物は、ウイルス感染の時点で加えられる。各濃度におけるパーセントCPE低下およびパーセント細胞生存度についての平均バックグラウンドならびに薬物色補正データは、対照に対して決定され、IC50は、TC50に対して計算される。
IL-28A、IL-29およびMetIL-29C172S-PEGは、このアッセイにおいて細胞死を抑制しなかった(>10 ug/mlのIC50)。IFNαの抗ウイルス活性もアッセイになかった。
本明細書において引用した全ての特許、特許出願、および刊行物、ならびに電子的に利用可能な材料(例えば、GenBankアミノ酸およびヌクレオチド配列提出)の完全な開示は、参照により本明細書に組み入れられる。前述の詳細な説明および実施例は、理解を明快にするために限って提供されている。それらから理解されるのは必要な制限のみである。本発明は、示したおよび記述した正確な詳細に限定されず、当業者に明白である変更は、請求の範囲によって定義される本発明に含まれるであろう。
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