JP2007517751A - 二酸化塩素の生成においてｐＨを低下させるための塩の添加 - Google Patents

Abstract

本発明は、種々の産業において、並びに種々の表面及び系のための、析出ミネラルの除去を可能にする低ｐＨを有する二酸化塩素溶液に関する。二酸化塩素溶液は５より小さいｐＨを有する。また、析出ミネラルを除去し、且つ消毒する、低ｐＨを有する二酸化塩素溶液の調製及び使用方法も示す。

Description

［発明の分野］
本発明は、効果的に析出ミネラルを除去するための二酸化塩素の生成及びｐＨの低下に関する。

［関連出願の相互参照］
本出願は、２００３年１２月１８日付けで出願された米国特許出願第６０／４８１，８１１号の非仮出願である。

［連邦政府の支援による研究又は開発に関する記載］
なし。

［発明の背景］
析出ミネラルは、食品及び飲料分野から洗濯や製品洗浄(warewashing)分野に至る産業領域における問題である。

米国特許第６，４１６，６４５号及び第６，４０２，９１６号には、イオン交換と触媒反応の組合せにより、速やかに、且つ効率的に亜塩素酸ナトリウムを二酸化塩素に変換することが開示されている。本発明では、米国特許第６，４１６，６４５号及び第６，４０２，９１６号特許に記載のように、イオン交換系及び触媒系を通過させているときに、亜塩素酸塩ナトリウムへの塩の添加により二酸化塩素のｐＨを抑制して、二酸化塩素及び使用した塩の酸の生成をもたらす。あらゆる塩は、二酸化塩素溶液のｐＨを低下させる効果を有する。ｐＨの低下に好ましい塩は、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムである。

析出ミネラルを排除するために種々の市場で使用されている、多種多様な製品が市場に存在する。これらの製品は満足のゆく働きをするが、表面に析出物がありざらざらしている、個体又は環境に対して有害である、又は不安定であるため耐用寿命が制限される等を含む、広範囲の限界を有する。また、典型的な析出ミネラル除去剤は、系の洗浄を完全にするために別途のサニタイザ(sanitizer)の使用を必要とする。

種々の系及び方法での使用に安全であり、安全且つ効果的に作製される析出ミネラル除去剤が利用可能なことは好都合である。なぜなら、設備作動時のより大きな効率性を可能にする、より簡単なクリーニングプロセスが可能になるからである。種々の系において、及び種々の条件下で析出ミネラル除去剤がサニタイザとしても使用できることは、クリーニングプロセスを簡素化する。なぜなら、いかなる析出ミネラルをも除去しながら系を消毒することが可能になり、析出ミネラル除去及び消毒プロセスの両方を達成するための別々の工程の必要性を低減するからである。
米国特許第６，４１６，６４５号 米国特許第６，４０２，９１６号

［発明の概要］
本発明は、析出ミネラル除去剤及びサニタイザとしての二酸化塩素の使用をもたらす方法を可能にする。析出ミネラルを効果的に除去すると同時に系を消毒することを効果的に行えることにより、広範囲の条件下での簡素化が可能になり、クリーニングプロセスにおいてさらなる設備又はさらなる工程の必要性を排除する。本発明は、二酸化塩素が低下したｐＨを有し、効果的な析出ミネラル除去剤となりながらなお系を効果的に消毒するプロセスを提供する。本発明では、米国特許第６，４１６，６４５号及び第６，４０２，９１６号のプロセスにおいて塩の添加を用い、二酸化塩素のｐＨを５以下に低下させ、析出ミネラルに対する使用を可能にする。析出ミネラルを除去するのに最も好ましい状態の二酸化塩素はｐＨ３未満であろう。低ｐＨを有する二酸化塩素は、例えば、ビール石及び乳石等によく見られる炭酸塩、リン酸塩等の、よく見られるこのような析出ミネラルの低減を可能にする。

５ＺＣｌＯ_２＋ＭＸを樹脂床に通し（このとき、５Ｚ^＋が失われて（５＋ｎ）Ｈ^＋が生じ、５ＨＣｌＯ_２＋Ｈ_ｎＸが形成される）、次いで触媒に通すと、４ＣｌＯ_２＋Ｃｌ⁻＋Ｈ_ｎＸ＋２Ｈ_２Ｏ（式中、Ｚは任意のアルカリ金属であり、下付き文字ｎは、Ｘの原子価に等しく、Ｍは、塩溶液由来の陽イオンであり、Ｘは、塩溶液由来の陰イオンである）が生じる。

本発明は、二酸化塩素の完全な消毒能を維持したまま、ｐＨを低下させた二酸化塩素を用いて析出ミネラルを低減させるための方法を提供する。

［発明の詳細な説明］
亜塩素酸塩溶液及び塩溶液をイオン交換樹脂に通して該亜塩素酸塩をその酸形態に、及び該塩の酸に変換し、これを次いで触媒に通して低ｐＨを有する二酸化塩素溶液を作製する、低ｐＨ二酸化塩素溶液の組成物を作製する方法。二酸化塩素溶液は５以下のｐＨを有し、より好ましくは、二酸化塩素溶液は３未満のｐＨを有する。

好ましくは、亜塩素酸塩溶液及び塩溶液を陽イオン交換樹脂に通し、次いで、形成される亜塩素酸と該塩溶液の酸形態の双方を金属系触媒に通し、塩素イオン、水及び該塩溶液の酸形態を含む低ｐＨを有する二酸化塩素溶液を形成する。

亜塩素酸塩溶液は、アルカリ金属の亜塩素酸塩であり、最も好ましくは亜塩素酸塩ナトリウムである。しかしながら、亜塩素酸塩溶液は、一価、二価、三価又はその組合せ等の、樹脂内で陽イオンを水素イオンと交換する任意のイオン化合物であり得る。塩溶液は、ナトリウム塩、好ましくは、リン酸ナトリウム若しくは硝酸ナトリウム若しくは硫酸ナトリウム若しくは酢酸ナトリウム又は任意のそれらの組合せであり得る。塩溶液は、最も好ましくは硫酸ナトリウムである。

また、前述の方法によって作製したときに形成される低ｐＨを有する二酸化塩素溶液を用いた析出ミネラル除去用組成物も含まれる。

Claims (7)

1. 低ｐＨ二酸化塩素の組成物を作製する方法であって、亜塩素酸塩溶液及び塩溶液をイオン交換樹脂に通し、次いで触媒に通して低ｐＨの二酸化塩素溶液を形成し、これを表面又は系内に適用して析出ミネラルを除去する、低ｐＨ二酸化塩素の組成物を作製する方法。
2. 前記二酸化塩素溶液がサニタイザ且つ析出ミネラル除去剤である、請求項１に記載の方法。
3. 前記二酸化塩素溶液が５以下のｐＨを有する、請求項１に記載の方法。
4. 前記二酸化塩素溶液が３未満のｐＨを有する、請求項１に記載の方法。
5. 前記亜塩素酸塩溶液が亜塩素酸ナトリウムである、請求項１に記載の方法。
6. 低ｐＨ二酸化塩素溶液を作製する方法であって、亜塩素酸塩溶液及び塩溶液を陽イオン交換樹脂に通し、次いで、形成される亜塩素酸と該塩溶液の酸形態の双方を金属系触媒に通して、塩素イオン、水及び該塩溶液の酸形態を含む低ｐＨの二酸化塩素溶液を形成する、低ｐＨ二酸化塩素溶液を作製する方法。
7. 請求項１に記載の方法により作製される、低ｐＨ二酸化塩素溶液の組成物。